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ライトノベル総合

977やまびこ:2019/10/23(水) 06:27:24 ID:rmiMl0oI
◆黎明の書6 翼あるもの

シリーズ最終作。耽美な(今風に言うとBL要素有りな)人間と貴種(吸血鬼)の交わりと冒険とその行方を描いたファンタジー。
凄く久々に出版されたので、登場人物や世界設定を思い出すのに苦労しましたw

さて、感想ですが、この作者の描いたものは大概面白いのですが、この最終巻の完結編は今ひとつ心に響かず、スッキリしませんでした。
このシリーズ、四巻までは、BL要素(自分は好きじゃ無い)があっても、最高!って感動したんですが、五巻目で信頼できる好人物だった上王ミハイが、アレ?実は腹黒い陰険な不気味なやつ?って感じになって、物語自体方向性が怪しくグダグダになって悪い意味で裏切られたって思いました。
そしてこの第6巻でミハイがそれまでの敵だったイリヤと同じぐらい不気味で悪魔めいた倒すべき敵、極悪人、みんなの嫌われ者として描かれて、倒すべき敵がいなくなって、こいつが次の生け贄になったのかなんか哀れだなあって感情が先立って、爽快感やカタルシスが無くなったなあって少し残念でした。
でも、意外性を追求してそれが最後に感動にまた何かに繋がるならいいかって、読み進めましたが、ラストにいたり、都合がいい魔法めいた能力が飛び交い生物としてのリアルさが感じられない戦い、神話めいた戦いになって、ラストも「創造の能力」ってそんなに簡単に引継げるの?って、もう童話ファンタジー過ぎて「なんだこりゃ?」ってなりましたw

某「バビロン」で最後に話を畳まないでぶん投げたっぽい終わり方にも似てる。まあ、一応物語としては完結したっぽい感じにはなってるけど、アニメ「イデオン完結編」みたいな残酷と希望と壮大さが入り交じった終わり方で、悪い意味で裏切られたって感じが拭いきれません、時間が経てばこういう終わり方も有りかもって思えるかも知れませんが。
シリーズのファンとしては、「皆殺しの富野」みたいにしなくてもいいのに、みんな生きてハッピーエンドを期待してたのに・・。
でも、男同士の口づけや抱擁などの描写があって結構気持ち悪かったけど、それを上回る面白さが、このシリーズにはありました、だからこの最終巻も否定はしません、そこには作者の苦悩や葛藤があって、このような結末に至ったんでしょうね。

さて、この最終巻について、もう一つ思うことがあります。これは、誰かの脳内世界のメタファーなのではって解釈も出来ます。つまり脳内宇宙でサタナエルからラウル世代交代して新たな世界に移行するというのは、後悔して閉じこもってる人物が、新たな考え方を得て、再び立ち上がる事の隠喩ともとらえられると思います。
自分はそう解釈しました。すると、ちょっとスッキリして、この最終巻の終わり方もそこまで悪くないかなって思えてきました。

まあ、否定的なことを書きましたが、読み物としては最後までどうなるのかわからず、そういう意味では楽しかったし、このシリーズ、全体としては面白かったです。また新しいシリーズが有ることを楽しみに待ち望みます(BL要素は控えめにして〜w)。




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