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ライトノベル総合
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◆φは壊れたね
知る人ぞ知るG(ギリシャ文字)シリーズの第一弾。学生の加部谷恵美(お喋り)・海月及介(無口)・山吹早月(常識人)の三人を中心に西之園萌絵や犀川など前シリーズの登場人物が出てきて、殺人事件の謎に挑むという話でした。
殺人事件はアパートの一室でYの字に吊られて胸をナイフで刺されていた芸大生を二人の女の友人が発見すると言う出だしで、その部屋は密室であり、その部屋の真下の部屋に偶然に山吹早月がいたことから、関わってしまうと言うストーリーでした。
「笑わない数学者」と同じで、事件解決後にも意外と重大な謎(読者にとって)が残って、読後感がモヤモヤしてスッキリしない小説でしたw
その謎の一つが「φは壊れたね」というメッセージ。そして、なぜこんな状態で殺されたのか?何故、事件の一部始終をビデオカメラで撮影していたのか?つまり犯人や犠牲者や関係者の心理状態がはっきりと分からないと言うことですね。
多分作者の意図で、あとは自分で考えろ!ってことでしょうし、子供が観るアニメのように、単純で全てすっきり分かるような出来事(殺人事件に限らず)なんて人生には無いんだよってメッセージかも知れませんね。
じゃあ、ちょっとだけ考えますと、φってのは空集合のマークらしいので、犠牲者は殺されて、生きてる物の無い無の空間(アパートの部屋)に、二人の女子学生が入ってきてあたふたおろおろ騒いで、厳かで静かな空間(部屋)で無くなっちゃったね(壊れたね)って意図の作品だったのではないかなあ。
またはφ(犯人はいない自殺である)=密室だから、のトリックを見破った(壊した)っていう読者へ向けてのメタファーなメッセージと掛けているのかも知れませんね(考えすぎか?)w
それから、奇妙な殺され方は、芸術大学生だから殺人にも独特の感性や美術的感覚が働いたのでしょう、ビデオ撮影に関しては、殺人現場を目撃した女の子達の臨場感をまたは自己顕示欲を作品として撮りたかったんでしょうか。
ネタバレになりますが、犠牲者は死ぬ気はなかった、犯人も殺す気はなかった、しかしそのエキセントリックな集団のエキセントリックな性格や雰囲気に飲み込まれて殺してしまったのかも知れません。でもそれにしては密室とか作ったりして本格的で計画的ですね。
まあ、単純に考えれば、仲良し集団の恋のもつれか友情ももつれで、映画作品を作ると言う名目でそそのかして殺してしまった考えるのが普通かなw
読み物としては、事件の経過や、新たな主人公達の関係性や性格や前シリーズの特別ゲスト乱入とかあって、最後までワクワク面白く読めました。
ただ、やっぱりもうちょっと分からない部分を少なくして、読後感をスッキリして欲しかったかなあっては思います。
可部谷恵美さんって確か「Xシリーズ」の最終巻に偽名の結婚詐欺の被害者で出てきてたよなあ?どういういきさつなんだろうか(今後それが楽しみで読みたいと思います)。
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