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ライトノベル総合
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◆ムカシ×ムカシ Reminiscence(追憶)
まず何故この本を読んだかだが、「Xシリーズ」を最初っから読もうとしたら、これしかなかったからw
内容は、老夫婦が殺され、残された百々目鬼家の多大な美術品の遺産鑑定を依頼された椙田事務所(元は探偵事務所)は社長の椙田(男)、助手の小川(女)、バイト大学生の真鍋(男)、永田(女)の4人で美術品倉庫で黙々とリストを作っていた。
そんな中、庭の井戸で死体が発見され、さらに老夫婦の娘が殺されるという事件が立て続けに起こる。遺産相続の争いと噂される中、多分主人公の小川とバイト学生達は独特の推理(伝説の河童が関係するのでは?とか)を展開するのだが・・さて真相はいかに?という話でした。
ちょっと変わった推理ミステリーで面白かったです。この世界は「名探偵」などいない「密室殺人」なんて無い「一人の天才の活躍で事件など解決しない」ってスタンスで書かれているので、この4人が見事事件を解決しましたって流れでは無く、殺人など起こった事件や出来事に対して、「何故そういう事をしたのだろう」「誰が犯人だろう」「どうやって殺したのだろう」とか考察し合う感じで進んでいきます。そこが一風変わったミステリーとして楽しかったですね(物事はなる様にしかならない的な客観的なスタンスかな)。
淡々とした雰囲気があの「ウォーカロン」シリーズに似てますね(同じ作者だから当然かも)。ミステリーとは関係ない何気ない日常生活や淡い恋物語も綴られていく所も似てますね。
5回ぐらい重要そうな部分を読み返したのですが、理解できなかった部分も多いです(意外と内容が難しい、というよりワザと難しく複雑に描いている気がするw)。
まず密室殺人の謎、これは真鍋の推理と同じく、部屋に逃げ込んで鍵を掛けて死んだでいいと思います。そして、河童の本について固執していた「あの犯人」を示すため自ら頭に皿を置いたでいいと思います。
次にラストに登場した謎の女性アキラ、これは「女王の百年密室」の主人公ミチルの恋人で殺されてミチルの脳を移植された人かな。ゴッホの絵を売った売り上げ金を受け取った「天才」とは「ウォーカロン」を作った真賀田四季博士か?脳移植を行ったアキラの父親か?)どちらかだろうか。まさに森ワールド(上遠野ワールドと言い、クロスオーバーがはやってますね)ですねw
それから、社長の椙田。本当に美術関連者の正義のため?普通にお金が欲しかったから?意外と悪い一面を持ってる曲者っぽいですね。清濁併せのむ、大物なのかも知れませんね。あのゴッホの絵は本物だったんですかね。どういう人物なのかはこの本だけではよく分りませんから、続刊を読みたいと思います。
そして犯人の動機、人は自分の矜持のためには殺人も犯すって所でしょうか、その上、自殺も覚悟ならなおさら殺人も辞さないって所ですか。自分の生きてきた誇りや人生が全部勘違いだったなんて許せないって気持ちは分かりますが、そこは他人を害して無かったことにするんじゃ無く、一層の努力して才能を身につけ勝利を勝ち取る物でしょうね。
あと、分からないのが、「河童の本」の内容(どういう経緯で血が繋がらない殺された老夫婦が本家になったのか?)ですね。これは子供が出来なくて、養子でも貰ったのかなあ。
不思議な後味の「読者が推理する」ミステリーでした。読みやすかったけど、解明されない謎が多くて何度も読み返すことになる小説でしたw
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