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ライトノベル総合

952めんたい:2018/12/16(日) 13:15:08 ID:ThfKNmts
◆BEATLESS(ビートレス)

ミームフレーム社の研究所から人工知能と特殊能力を持った5体の女性型メカが脱走した。そのうちの一つ「レイシア」は主人公と出会い彼を主人(オーナー)として契約を結ぶ。レイシアは人類と道具との新しい関係を築くための未来へ向けて、主人公のアラトと共に活動を始める。
「レイシア」を脅威と見た他の4体の女性型メカや世界中の超高性能AI達は彼女の行動を妨害または抹殺または協力しようと様々な思惑が交差する。そんな近未来SFアンドロイド小説でした。

まず、思い出すのは人間と人間を補助するために作られた人間と見分けのつかない人工生命体ウォーカロンが同居する世界の森博嗣の小説「ウォーカロン」シリーズですね。この小説でも人間とアンドロイドの新しい関係を描いている。ただし、人間そっくりのアンドロイドたちを設計したのが天才科学者(人間)マガタ博士であるのに対して、この小説では人間の知能をとっくに超えた超高度AI「ヒギンズ」って所が違いますが。
次に、題名の意味。ビートレスとは心臓の鼓動をしない者っていう意味じゃないかなあ。または「撃退しない」つまり「戦って排除しない者」つまりアンドロイドを忌み嫌わない、モノである「レイシア」に恋してしまった主人公の心情とも考えられますね。

さて感想。小説の記述方法になれない表現や分かりにくい部分があって多少戸惑ったけど、アニメ「ビートレス」で良く分からなかった部分が詳細に書かれていて、概ね面白かったです。特にラストのVS「ヒギンズ」戦で段々追い詰められて策士・不敗・なんでもお見通しの天才軍師の「レイシア」が段々弱って行ってついに半壊して機能停止してしまう様が人間が怪我や病気で弱って死んでいくみたいに思えて、悲しかったですね。主人公も大やけどしたしね。
やたら比喩に「ハローキティ」が出るのが可笑しかったwこれって「フィギュア」や車バイクを愛する心(この小説では「アナログハック」っていう)や二次元のアニメや漫画のキャラの行動を見て、心を揺り動かされるって事なんですね。そしてそれがいけないことなのか(ディストピアなのか)?人間としての進化なのか(新しい未来なのか)?って事がこの小説のテーマだと感じました。

5機のレイシア級(超高度AIと能力を備えた女性型アンドロイド達の事)を外界に放ったのは実は「ヒギンズ」が渡来銀河をアナログハック(導いて)して、そうさせたとも考えられますね。「ヒギンズ」は外界の事を知りたかっただから、彼女らを創ったとも考えられます。
実に考えれば考えるほど自分の頭や想像力では思い描けない、超高度AI同士の戦いをよくここまで描いたなあってある意味感心します。

アニメ版は少し雑な作画や演出が目立ち、もう少しお金をかけて丁寧にかつじっくりと作って」欲しかったなあって少し残念ですね(でもアニメもそこそこ頑張って良く作ったと思ってますよw)。ガンダムOOの監督がこの小説をアニメ化した事に因果を感じずにはいられないですねwだって人類未到産物っぽいエネルギー機関搭載の4機のガンダムが他のモビルスーツを圧倒する物語でしたし。

表紙の「レイシア」は人工皮膚が溶けて中身が見えてるって事は、メトーデと相打ちになった後でしょうか?読後だとちょっと来るものがありますねwあと、「紅霞」の最後も印象的で良かった。「マリアージュ」は最後の戦いで高みの見物かよw「スノードロップ」はよく頑張った(悪役としてw)、生き残ろうとする執念が凄かった。
それぞれに魅力がある5体の女性型ロボットでした。面白かったけど結構ボリュームがありましたw




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