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ライトノベル総合

940めんたい:2018/07/21(土) 15:40:54 ID:xSoXLvgQ
◆BatLAND(バットランド)

五つの中短編からなるSF小説集。どれも理解が難しく読むのが大変でしたw
・コンセスター
人体実験により、コンセスター(二つの生物の共通の祖先、ここでは指先に感光細胞がある人間)にされた男の苦悩を描いた物語。
狂った話だが、これは理解できたしまあまあ面白かった。
・バットランド
「人工海馬」を移植され12時間だけ認知症が治った詐欺師の主人公が、元バットランドの研究員と共に命を狙われながら追われ、最終的には宇宙を救おうとする話。
ブラックホール・ゴルディオンが蒸発して、「情報保存の法則」が失われ、宇宙が消滅してしまうとか、コウモリの脳とそのブラックホールが量子学的に対になっていて、「情報保存の法則」を守るために、失われていく情報がコウモリの脳に転送されているとか、理解できるかい?
自分は何とか感覚的に理解できましたw作者の脳はどうなってるのか?って思いましたがw頭の良い詐欺師が追跡者を躱したり排除したりする機転が面白かったです。
・別の世界は可能かも知れない
実験によって他のマウスを操る能力を持ったミュータントマウス「ジェリー」の陰謀を察知して、同じような能力を覚醒した識字障害のヒロインが、人を操って戦うという物語。
中々に面白い物語だったが、ミラーニューロンという単語が出てきて「またかよ!好きだねえ」ってニヤニヤしましたw
・お悔やみなされなすな晴姫様、と竹拓衆は云った
高松城を攻めていた秀吉は、信長が本能寺で死んだことを知り、急いで戻ろうとするが、毛利の大軍の追撃を食い止めなければならない。そこで時を操る一族「竹拓衆(チクタクしゅう)」の力を使って、秀吉にとってより良い未来(誰よりも早く信長の仇討ちをして信長の後継者となり天下を統一する未来)を決定させようとする話。
ストーリー的にはありふれていて他の短編よりかは面白みが無かったが、竹拓(チクタク)衆に始まり滑車(セミ)、波步(ハブ)、噛(カム)とか時間川、時匠、時間櫓、時場、とか時間に関する駄洒落やん!って叫びたくなるような命名が楽しかったかなw高松城って水攻めで有名なあれか。
・雲の中の悪魔
量子化された知性を発掘する為の惑星「深淵」で強制労働させられる奴隷(房奴)達。そこから脱出するために革命に特化したサバン症候群のヒロイン(特殊能力を持ってる)とドSなパートナーの青虎が「重力知性体」や彼らが仕組んだ障壁と戦う話。
これが一番、訳が分からなく一番難しいSFストーリーでした。ブラックホール、クオリア、情報(知性)の発掘で、ああ「バットランド」の従妹みたいな話だなっては理解できたけど。「マックスウェルの悪魔」「四次元構造体(テラサクト)」「万物理論知性体」「重力知性体」「電磁力知性体」・・もう頭が混乱して読んでいて何も確かな物がない浮遊状態でしたわ。作者大好きな「パノプティコン」が出てきたときは「またかよ!」って笑っちゃったけど。
ここで、五つの電磁力知性体の能力を書き記します(ネタバレ)。


第一(ディイ)・・質量を100%エネルギー変換できる、例えるなら「水爆」と同じ威力。
第二(ディエ)・・原子を動かす能力、一番活躍する。
第三(ディスアン)・・水生命体(水流に宿る知性体)、過去に記憶した状態に戻す。
第四(ディスウ)・・「愛情不変の法則」で「愛の歌」をさえずるw「パノプティコン」には効果抜群。
第五(ディヴ)・・「重力知性体」の存在を知り、戦うことが出来る。

頭を柔軟にして読まないと、本を放り投げたくなるような「いつもの感じ」のSF小説でした。発想力は凄いし、良くこんなぶっ飛んだ4次元みたいな小説を書けるものだとは感心はする。
でも結構好きで、理解しがたくて頭が痛くなるけど、なぜか癖になる小説でした(ドMって言われそうw)。




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