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【妄想】着ぐるみ小説スレ第12章【連載?】

1名無しさん@着ぐるみすと:2020/05/13(水) 13:07:57
【ルール】
■執筆者以外の人はsage進行でお願いします。
■あなたが作ったオリジナルの文章を募集します。
■長い文章は何回かに分けて連載してください。(何話でも可)
■1回の投稿では30行以内で書いてください。
■執筆者は識別の為、名前欄には『必ず』ペンネームとトリップを入れてください。
■1度使ったトリップは変えないでください。
■題材が着ぐるみならどんな内容でもOKです。(アダルト可)
■文章を読んだ人はこのスレに感想を書いてください。(任意)
■関連・過去スレは>>2-10の辺りに記載します。

2名無しさん@着ぐるみすと:2020/05/13(水) 13:15:33
【妄想】着ぐるみ小説スレ第8章【連載?】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/anime/9756/1359121685/
【妄想】着ぐるみ小説スレ第8.5章【連載?】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/anime/9756/1360227486/
【妄想】着ぐるみ小説スレ第9章【連載?】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/anime/9756/1397911167/
【妄想】着ぐるみ小説スレ第10章【連載?】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/anime/9756/1425269239/
【妄想】着ぐるみ小説スレ第11章【連載?】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/anime/9756/1457114349/

3綾子はやり手のキャリアウーマン。 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/13(水) 13:44:57
仕事に明け暮れて疲れ切った綾子は、休憩に入ったカフェで居眠りをしてしまう。
気がつくと体がハイヒールと同じ黒の光沢あるエナメルに包まれる。
頭の先から足の先まで全て覆われてしまった綾子。

気がつくと周りがざわついて自分を見ている。
自分の変わり果てた姿に気づいた綾子は急いで家に帰る。

エナメルの継ぎ目を見つけた綾子は継ぎ目を解き脱出を試みるのだが

4綾子はやり手のキャリアウーマン。 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/13(水) 17:45:22
黒いエナメルのハイヒールに黒のタイトスカートのレディーススーツを身に纏った姿が綾子の定番スタイル。
髪は後ろで一本に纏め、ビシッとしていて清潔感もある。
綾子は社内でも一二を争うやり手のキャリアウーマン。

そんな彼女もいつしか仕事に追われて疲れ切っていた。
綾子は、休憩に入ったカフェで居眠りをしてしまう。

注文したブラックコーヒーにはあるものが仕込まれていた。
それは地球外生命体のウィルス。

疲れから抵抗力が落ちていた綾子は簡単にウィルスに侵入されてしまう。
眠っている間にどんどん体を侵食されていく綾子。
ウィルスはハイヒールの素材であるエナメルを増幅し足元をブーツに変え、そのまま綾子の体を取り込んでいく。

気がつくと綾子の体はハイヒールと同じ黒の光沢あるエナメルに包まれていた。
頭の先から足の先まで全て黒のエナメルで覆われてしまった綾子。
着ていたスーツは黒のエナメルに変化していた。

気がつくと周りが好奇の目で自分を見て、ざわついている。
自分の変わり果てた姿に気づいた綾子はどうしていいか分からずに持ち物のカバンとダウンコートを手にして店を飛び出した。
綾子に接していたカバンとダウンコートも黒いエナメルに覆われていることに気も留めずに。

5綾子はやり手のキャリアウーマン。 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/13(水) 17:46:49
動けばギシギシと音を立ててしまうが、とにかくダウンコートを羽織り、フードを深く被りカフェを後にした。

変わり果てた体を隠すように家に向かう綾子だったが、急げば急ぐほど体が擦れて大きな音を立てる。
ダウンコートを着たのだが、こちらもいつのまにかエナメルの黒いダウンコートに変わってギシギシと音を立てて周りの注目を集めてしまう。

【もう訳が分からない】
綾子は頭を大きく降って地下鉄へと駆け込んだ。
ダウンコートのフードを深々と被り、人目につかないようにして急いで家へと向かう。

ホームで電車を待つ間も周りの声が気になる。
それはそうだろ、全身エナメルの黒尽くめ、自分もそんな人がいたら見てしまうだろう。
中にはスマホで綾子を撮影する人もいた。

【早く電車来て!】
綾子の思いに反して中々やって来ない電車。

ホームに滑り込んできた電車に素早く飛び乗った。
だが、電車の中でも状況は変わらない。
むしろどこへも逃げることのできない状況下で好奇の目に晒され続ける。
下を向いて一心不乱に最寄り駅に到着するまで周りの好奇の目と声に耐えた。

6綾子はやり手のキャリアウーマン。 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/13(水) 17:47:43
最寄り駅に着くと雨が降り出していた。
ギシギシと音を立てながら走り、必死に家を目指す。
途中、足と一体となったブーツで足がもつれて何度も転びそうになりながらもなんとか家に辿り着くことができた。

誰かに追われている訳でもないが急いで玄関の錠をかけると、そのままドアを背に崩れるようにその場に座り込んだ。


【なんなの?いったい?】
叫ぼうとしたが声は出なかった。
周りの目を気にして自分の外見以外の状況に気づいていなかった。
口の中にはゴムのようなモノが入っており、呼吸は楽にできるが声は出せない。

玄関の姿見に映る姿をゆっくりと立ち上がり確認する。

帰宅時、無我夢中で走り息はかなり荒くなっていた。
目の所に開いた細かな穴からの呼吸、何度もエナメルが顔に張り付く。
その度にエナメルの下の綾子の顔が浮き出る。

家に帰って改めて自分の置かれた状況を確認した。

7綾子はやり手のキャリアウーマン。 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/13(水) 17:48:53
冷静になり全身を確認すると、エナメル素材の継ぎ目が糸で縫われていることに気がついた。
カッターを用意し、一つ一つ丁寧に体に傷をつけないように縫われている箇所の糸を切っていく。

足の縫い目の糸を全て切り、ブーツと一体となった足を取り出した。
しかし、その足は綾子のものではなかった。
ピンクがかった肌色だが質感はゴム。

パニックになりそうな自分を必死に抑えて綾子は、体を傷つけないように丁寧に縫い目の糸を切った。
しかし、出てきたのは体は足と同じピンクがかった肌色のゴム。
全てのエナメルを取りは除いて出てきたのは髪は無くのっぺら坊の顔。
顔も体も人らしい凹凸はあるものの、穴が一つもない。
鼻も口も耳もお尻もそしてアソコも。

【なんなのよ!一体!】
大声で叫んだつもりだったが、声は出なかった。

8綾子はやり手のキャリアウーマン。 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/13(水) 17:50:24
そのままリビングのソファで横になる綾子。
テレビをつける。
目はないがちゃんとテレビは見ることができた。
悲しみに暮れるが涙は出ない。
声を上げて泣きたいがそれもできない。
そのうち、疲れから綾子はウトウトし始めた。


“ ギシ ギシギシ ギシギシ ギシ “

カフェから始まった悪夢を彷彿させる音。
綾子はソファから飛び起きた。
“ギシギシ“

両手を見ると肌色のゴムではなく、黒いエナメルに覆われている。
足はブーツに戻っていた。
【何コレ!元に戻ってるじゃない】
顔を押さえ頭を振る綾子。

綾子の後ろには黒いスーツにサングラスをした長い黒髪の女が2人。
施錠したはずの部屋の中にいつの間にか入ってきていた。
2人の女は綾子に大きなビニール袋を被せ封をする。
【何するの?】
これも声にならない。


必死に振り解こうとするが、寝起きでエナメルに覆われている綾子は思うように動くことができない。
その間に女たちはどこからか取り出したドライヤーのようなものでビニール袋に熱を加える。
ビニール袋はどんどん収縮し綾子の動きを封じていく。

手足を曲げ体を小さく丸めた状態にされた綾子。
脱出しようにもビニール袋は収縮硬化して全くダメだった。
女たちは持参したスーツケースにビニール袋で密封され動けなくなった綾子を詰めるとそのまま部屋を出て行った。
部屋ではただテレビの音だけが虚しく響いていた。

9綾子はやり手のキャリアウーマン。 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/13(水) 17:51:20
スーツケースをある場所へと持ち帰った女たち。
「個体AYK-03を回収して参りました」
「ご苦労」
部屋の奥に座る大柄な男が女たちに声をかけると、女たちは一礼して部屋を出て行った。

個体AYK-03は体を維持できなくなっていたので回収した。
個体AYKとは地球外生命体で、人間の血液や遺伝子を組み込むことで人間として生きていけるか実験を行った。
人間よりも能力は高く、見た目もスタイルも良く完璧と思われたが、自分の体を制御できず負荷をかけ過ぎ、体を維持できなくなった。
ただ、体は維持できなかったが、心は人のまま維持できることが分かりたいへん有意義な結果を得られた。

fin.

10名無しさん@着ぐるみすと:2020/05/14(木) 23:46:15
着ぐるみ要素どこ?

11綾子はやり手のキャリアウーマン。 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/15(金) 20:08:06
【あとがき】

エナメルラバーフェチで名の知れたセクシー女優 渚 夕子がフェティシズムの監修を行った。
駆け出し女優 夕凪綾香は撮影を通して夕子色にどんどん染められていった。
そんな彼女だからこそこの話の主人公 綾子を演じることが出来た。

冒頭に出てきた全身エナメル姿はエナメルスーツを着てから、縫製し綾香を完全にエナメルスーツへと閉じ込めて撮影が行われた。

もちろん、ワンテイクとはいかないシーンもあり何度も取り直しが行われたが、完全密閉されたエナメルスーツを着ての撮影は想像を絶する。
すぐにはエナメルスーツを脱ぐ事の出来ない状況に綾香の体力面の心配もかなりされていた。
それで替え玉という案も出たが、綾香は自分から志願し綾子を演じ切った。
そんな綾子役に情熱を傾ける綾香はまた夕子色に染められ自らリアリティを追求していく。
このエナメルスーツを自ら解体するシーンでは、中に実際にラバースーツも着込んで撮影に臨んだ。
そしてそのラバースーツは当然のように脱着用のファスナーのないものを着て。
脱着用のファスナーのないラバースーツは、綾香がラバースーツを着た後、開口部を接着剤で完全に封をし出られない状態にした。

綾香か情熱を傾けて演じたこの作品は残念ながら、ヒットはしなかったが、綾香自身は満足していたと聞いている。

12名無しさん@着ぐるみすと:2020/05/16(土) 07:33:22
>>10 と同じこと考えたけど映画の話か。
新しい展開で面白いけど、ここの住人が求めているのってメイキングだよな。
あとがきを参考に雑誌のレビュー風に読んだ感想を書くなら

「綾子はやり手のキャリアウーマン。」はキャリアウーマン綾子が、
休憩で入った秘密組織が運営するカフェでコーヒーを飲んだことにより
不運にも地球外生命体に侵食される実験台にされ、
体が全身ゴムとエナメル質に変化していくというインディーズ映画
監修は、エナメルラバーフェチで名の知れたセクシー女優 渚 夕子で
主演は新人の夕凪綾香が綾子を1人で演じ切る。
撮影に際し綾香は完全に縫われた状態のエナメル質の全身タイツを長時間着用しなくてはならず、
最初は「怖い、前が見えない」と嘆いていたが、夕子のアドバイスもあり徐々に彼女は全身タイツの魅力に取りつかれていくようだった。
後半では全身タイツを破りゴム質の体になるシーンもあったが、彼女は体当たりでラバースーツに入ることを志願
ラバースーツと全身タイツという二重の密閉空間に閉じ込められた彼女だったが、弱音を吐くことなく汗だくになってクランクアップを迎えた。
映画は都市部のインディーズ系映画館で5月6日より公開

で、添付画像にキャリアウーマンのときの綾子役の綾香
撮影中の様子(スタッフに付き添われ駅でエナメル質全身タイツで演じる綾香
全身タイツを脱ぎラバースーツになる綾香)
クランクアップの様子(汗だくで顔だけ出して花束を受け取る綾香)

でどうでしょう?

13綾子はやり手のキャリアウーマン。 ◆dkf/aF6sqI:2020/05/16(土) 14:45:20
>>12
いい感じです!
文才がありますよ。
是非、小説を書いてみて下さい!

私は文才がないので、話を書いても面白いものが書けなく、ワンパターンになってしまうので、今回は少し違った形で書いてみました。
ご指摘ありがとうございます。

14名無しさん@着ぐるみすと:2020/05/16(土) 17:06:24
>>13
いいえ、④で済ますのもいいですが
こうやって映画本編と公式メイキングとして書いた小説に
ちょっと加筆させてもらって妄想レビュー記事としてヤジを飛ばすのも面白いかなって(笑
話のイメージそれたらごめんなさい。

小説はココ以外でいくつか書いてます。
またレビューかかせてください。

15名無しさん@着ぐるみすと:2020/05/16(土) 18:58:41
>>14
是非アドバイスお願いします。

16名無しさん@着ぐるみすと:2020/05/26(火) 23:23:33
テスト

19名無しさん@着ぐるみすと:2020/07/02(木) 19:21:25
誰かー

20名無しさん@着ぐるみすと:2020/07/06(月) 00:18:17
神、新作きた!今回、甘くていいわ

21名無しさん@着ぐるみすと:2020/07/06(月) 00:19:51
>>20
えっと…どこに?

22名無しさん@着ぐるみすと:2020/07/07(火) 05:12:52
pixiv ももびかな

23名無しさん@着ぐるみすと:2020/07/08(水) 19:31:58
>>22
だね。新作あがってるね。
ちなみに、ももびさんじゃなくて、ももぴさんだよ

24名無しさん@着ぐるみすと:2020/07/23(木) 21:08:18
新作こないかな…
せめて雑談だけでも

25名無しさん@着ぐるみすと:2020/09/14(月) 21:39:31
新作待ってます!

26名無しさん@着ぐるみすと:2020/09/25(金) 20:34:06
こっちにも投稿してくれないかな…

27キャンペーンガール ◆GmgU93SCyE:2020/09/26(土) 12:47:38

美里は大学を卒業し、就職したが人間関係が上手くいかずにすぐに会社を辞めてしまった。
食べていくためには働かなくてはならない。
そこで始めたのがキャンペーンガールの仕事、容姿に自信のあった美里はすぐに採用された。
仕事は低時給の常にある仕事か、高時給だが不定期にある仕事かの選ぶように言われた。

美里は日雇いで高時給な仕事を選択した。
高時給な分、辛かったり恥ずかしかったりすること、そして一度仕事を受けると辞めることが出来ないことも契約書に盛り込まれており、美里は書類に捺印した。

28キャンペーンガール ◆GmgU93SCyE:2020/09/26(土) 23:31:44

数日後、仕事の連絡が入った。
場所は電気街にあるアダルトショップ。
裏口付近に依頼主の社員 溝口がいた。
名刺を受け取り挨拶をして、裏口から入り控え室で説明を受ける。
会社名にはラテックスの文字が入っていた。

美里は水着ならいいが、裸になるのは困ると考えていたが、ここまできたからにはもう拒む事は出来ない。

アダルトショップの控え室に入り、溝口の説明を聞く。
今日は着ぐるみを着て客寄せ役と聞かされて、美里はホッとした。
集まってきた客に溝口がサンプル品を配り試供してもらう事が目的との事。

時間もないので早速着替えてもらうからと渡されたのは、肌色のラバー製の全身タイツ。
着る時にコレを使ってと、ドレッシングエイドも渡された。
下着は脱いだ方がいいか聞いた美里に対して、溝口は汗をかくと思うので替えがないなら脱いだ方がいいかも知れないとの事。

29キャンペーンガール ◆GmgU93SCyE:2020/09/27(日) 10:05:12

更衣室とは呼びがたい単にカーテンで仕切られたスペースで裸になる美里。
抵抗はあったが、時間がないので足からドレッシングエイドを塗り、ラバー製の全身タイツに素早く足を通していく。
腕も通し、フードを被ろうとして美里は戸惑い動きを止めた。
全身タイツだから顔の部分がくり抜かれていると思っていたがそうではない。
顔の部分まですっぽりと覆ってしまうタイプのもの。
恐る恐る頭を入れて見ると細かな穴から外が見える。
それに呼吸できるように口や鼻の辺りも細かい穴が開いている。
美里は心を決めて頭を突っ込んだ。
腰から首元まであるファスナーを閉めて完了。
備え付けの姿見を見る。
そこには美里のボディラインがくっきりと出た肌色のマネキン。
一見すると美里の裸にも見えなくないが、体毛はおろか顔もない。

30名無しさん@着ぐるみすと:2020/09/27(日) 16:07:23
期待!

31名無しさん@着ぐるみすと:2020/09/27(日) 18:05:07
支援!

32キャンペーンガール ◆GmgU93SCyE:2020/09/28(月) 00:46:08

ラバー製の全身タイツの程良い圧迫感に快感を覚える反面恥ずかしさもあり、なかなか更衣室から出られなかった。

しかし、溝口の慌てた様子の声で意を決して美里は足を踏み出した。

更衣室から出るとそこには巨大なリアルペニスがあった。
もちろん、これは被りモノの着ぐるみ。
しかも美里の体型を考慮したように細身になっている。
当然、これを着ることになるのだが、美里は躊躇している。
しかし、遠慮なくコレを履いてとあるものを手渡す溝口。

それは着ぐるみの足の部分。
足先が亀頭になったデザインで、ハイヒールになっている。
つまりこれを履くと両足がペニスになってしまう。
おまけにこの後、巨大なリアルペニスも被らなければならない。
美里は全身タイツの中で涙が溢れてきた。
『恥ずかし過ぎる』

33キャンペーンガール ◆GmgU93SCyE:2020/09/28(月) 23:31:17

そんな美里の表情が見えない溝口は容赦なく、着ぐるみを着ることを催促をする。
美里は声を出さずに泣きながら、両足をペニスに変えていった。
ペニスズボンは美里の胸のすぐ下まであり、腕もズボンの中へと収めた。
体をグルッとプラスチックの返しの付いた部品が、胸から腰まで5つの輪になっている。

「コレってなんですか?」
美里が質問すると、溝口は巨大なリアルペニスを持ち上げ、着ぐるみの中を見せる。
「内側にも同じものがあるだろう、コレとソレを噛み込むようにしてこの着ぐるみは着るんだ」
そう説明し、そのまま美里に被せていく。
“カチッ、カチッ、カチッ、カチッ、カチッ“

プラスチックのパーツが全て噛みあった音がした。
「これで簡単には外れないから大丈夫だ」

美里の正面は裏スジになっており、そのスジの間から外が見えるようになっていた。
近くにあった姿見で自分の姿を確認する美里。
その姿は亀頭部分は赤黒くテカリがあり、その下には血管の浮いた棒、しかも中が女性である事が分かる。
美里の張り出した大きな胸や腰の括れ、キュッと上がったお尻が容易に想像出来てしまうシルエットだった。
おまけに足元はハイヒール。

34キャンペーンガール ◆GmgU93SCyE:2020/09/29(火) 21:55:36

美里は恥ずかしさと悲しさでその場に座り込んでしまった。

その姿を見た溝口が声を掛ける。
「まだ、仕事じゃないぞ、今からが仕事だ」

美里は力なく立ち上がると、溝口の後について行き会場となる5階のイベント会場へエレベーターで移動した。

会場には既に客が集まっていた。
客の目的はセクシー女優。
撮影は順調に進み終盤を迎えていた。
巨大なリアルペニスが現れると客は騒めいたが、セクシー女優は驚くことなく、リアルペニスに体を絡ませてくる。

セクシー女優とリアルペニスの撮影が進み終わり際に、溝口が客たちに何かを配り始めた。
それはコンドーム。

そしてセクシー女優は準備されていた大きなコンドームを取り出すと包装を剥いで中身を取り出した。
美里は嫌な予感しかしない。
「みんな、コンドームも使ってね!」

セクシー女優がそう言うと、客たちは溝口が配布したコンドームを各々掲げる。
「使い方はこうよ!」
そう言って大きなコンドームを持ち上げると、配布終えて戻ってきた溝口も手伝い、セクシー女優とともに巨大なリアルペニスにコンドームを被せていく。

35キャンペーンガール ◆GmgU93SCyE:2020/09/30(水) 01:05:49

巨大なリアルペニスはピンク色をしたコンドームに包まれていく。
巨大なリアルペニスは二股に分かれている所辺りまでコンドームを被せられた。
ちょうど、ミニスカートを履いたように。

この大きなコンドームは実際のものと同じように作られている。
巨大なリアルペニスよりもサイズは小さいが、伸縮性があり被せていくと伸びて、ピッタリと巨大なリアルペニスを覆う。

実際の使用なら問題ないが、巨大なリアルペニスには美里が入っている。
当然だが、コンドームを被せられると呼吸がどんどん苦しくなっていく。
コンドームの先の空間は美里が呼吸するたびに膨らんだり縮んだりを繰り返す。

コンドームをなんとか外そうと体をよじるが、両手が使えない美里には、このコンドームを外す術がなかった。
体を揺すりコンドームを必死に脱ごうとするがしっかりと太もも辺りで留まっている。

36キャンペーンガール ◆GmgU93SCyE:2020/09/30(水) 22:35:34

声を出して溝口に助けを求めようとした美里を邪魔するように、セクシー女優が抱きついてきた。

「可愛い!」
抱きつかれた位置が悪い、裏スジの呼吸穴のある場所。
呼吸が完全に阻害された上、声も出せなくなってしまった。
体を揺すり抱きつかれたのを解こうとするが、ハイヒールを履いていて力が入らない。

どんどん苦しくなり、意識が遠のいていく美里。
そのまま、舞台に倒れたが溝口もセクシー女優も巨大なリアルペニスに気には留めず、客たちを見送る。

客の中にはコンドームを被せられ倒れた巨大なリアルペニスを心配する声を聞きながら美里は意識を失った。

美里が気づいた時には元の控え室に帰ってきていた。
セクシー女優はおらず、溝口だけだった。
コンドームは裏スジの部分だけが破られ、呼吸は確保されていた。

「お疲れ様、今日の給料だ」
溝口はそう言うと、コンドームの破られた所から給料袋を差し込んだ。

「今日は忙しいんだ」
そう言って着ぐるみを着たままの美里を裏口へと誘導する。

38名無しさん@着ぐるみすと:2020/10/01(木) 15:54:50
支援

39名無しさん@着ぐるみすと:2020/10/01(木) 21:11:33
ラバー製の全身タイツってそれラバーだよ
全身タイツ違う

40キャンペーンガール ◆GmgU93SCyE:2020/10/01(木) 23:53:49

「え!まだ着替えていないんですけど」
美里が訴える。
「気絶している時間が長かったので、時間がなくなったんだ」と溝口。

「君の荷物はコンドームで落ちないようにしておいたから」
そう言われて美里は頑張って俯くと、給料袋の下に美里の着替えとカバンが見えた。

「え、でも、私、これじゃあ、帰れないです」
と美里は訴えたが、溝口は構わず裏口から出ていく。
美里も慌ててその後について裏口から出る。
「じゃあ、また頼むよ」
そう言うと溝口は行ってしまった。

外は少し暗くなってきているが、人通りは多く着ぐるみは目立ち過ぎる。
ましてや巨大なリアルペニスとなればなおさらだ。

途方に暮れてその場に座り込む美里。
「どうしよう?」
一人暮らしの家に帰った所で両手が使えなくては鍵も出せないし、助けてくれる人もいない。

座り込んでいろいろ考えている間も、何人か通り過ぎ奇異の目に晒される。

41キャンペーンガール ◆GmgU93SCyE:2020/10/04(日) 01:50:56

そんな美里の中にある名案が浮かんだ。
【この仕事を紹介してくれた会社の事務所がすぐ近くであることに、そこへ行けば助けてもらえる】

美里はジッとしていても状況が好転しないので、意を決して立ち上がり事務所へと向かった。

道のりはそんなに遠くないが、奇異の目に晒されて進むのは裸で歩くよりも辛かった。
驚かれたり、笑われたり、指を差されたり。
それでも美里は
『あと少し、あと少し』
心の中で念じて事務所を目指した。

42キャンペーンガール ◆GmgU93SCyE:2020/10/04(日) 01:52:33
11
幸いこんな格好をしているので、誰も近寄って来ない。
『次の角を曲がれば事務所だ』
ラストスパートとばかりに足早になる。
角を曲がって事務所のビルが見えた。
その時、赤い点滅が僅かに視界に入る。
そんな事には構わず、ビルへ急ぐ。

あと少しという所で体を叩かれた。
振り向くとそこには警官の姿。
その後ろには多数の野次馬。
「君、ちょっと署まで来てくれるか」
警官はパトカーの後部座席を開いた。

言い訳をしようとした美里に、強い口調で警官は遮りパトカーへと押し込む。
着ぐるみを着ていても細身で小柄な美里はパトカーに簡単に収まった。

警官に逆えず、事務所の入るビルを見ていると美里の担当者が帰っていく姿が見えた。
美里は諦めて警察に連行されていった。

43キャンペーンガール ◆GmgU93SCyE:2020/10/06(火) 22:27:23
●12
警察署に連行された巨大なリアルペニス。
連行された罪状は公然猥褻。
警察は当初、巨大なリアルペニスの着ぐるみを着て歩く愉快犯だと思っていた。
更に給料袋と女性もののカバンも盗難品だと疑っていた。

取り調べで美里は泣きながら、事の経緯を説明し泣き崩れた。
警察官は細身にハイヒールだったので、女装した男だと思っていたが状況が変わった。

婦人警官2人が別室で対応することになり、男性警官は申し訳なさそうに去っていった。


さて、疑いは晴れたが美里はまだ、着ぐるみの中。
美里を着ぐるみから出すべくやってきた婦人警官。
「このコンドームって破ってもいいの?」
「はい!」
カッターを使ってコンドームが切り裂かれると、給料袋と美里の着替え、それにカバンが落下した。

美里は少しだが、拘束が解かれた。
「ありがとうございます、少し楽になりました」

「あなた、よくこんなので我慢してたわね、辛かったでしょ」と優しい言葉をかけられると嬉しくて涙が出てくる。

美里が泣いていると、「大丈夫よ」と励まされて、さらに涙が止まらなくなり声を上げて泣いた。

44名無しさん@着ぐるみすと:2020/10/07(水) 22:16:40
続く?

45キャンペーンガール ◆GmgU93SCyE:2020/10/08(木) 00:02:32
●13
落ち着いた所で、着ぐるみを脱がせる作業を再開する。
「これってどうやって着たの?」
婦人警官の質問に美里は胴体部分にあるプラスチックパーツを噛み合わせて着ている事を説明する。

「ちょっと失礼するわね」そう言うと婦人警官は下の方から手を入れた。
「なるほど、こうなっているのね、なんとなく分かったわ」

2人とも仕組みは分かったので、外しにかかるが上手く離せない。
何度もやってみたが、全くダメだった。

「ちょっと待っててね」
1人の婦人警官がそう言うと、先ほどの男性警官を2人連れてきた。
計4人で前後左右から同時に作業を始める。
始めはてこずっていたが、最終的にはリズム良く簡単に外すことか出来るようになった。

5つ全てを外した時点で、男性警官は退出した。
巨大なリアルペニスを外すと、美里が出てくる事を考慮した婦人警官の配慮だった。

しかし、出てきたのは肌色ののっぺらぼう。
婦人警官は2人とも驚いていた。
それでもようやく両手が使えるようになった美里はペニスズボンを自分で脱いだ。

肌色のマネキンとなった美里に、「1人で大丈夫?」と婦人警官。
美里は「はい!」と返事すると、婦人警官は部屋を出ていった。

46キャンペーンガール ◆GmgU93SCyE:2020/10/08(木) 22:59:45
●14
肌色の全身タイツを脱いで、本来の美里に戻ると、ようやく自分の服に着替えることができた。
長時間、着ぐるみに閉じ込められていたので汗臭さとラバー臭さをデオドラントシートで拭き取る。

着替え終わったので、部屋の外で待ってくれている婦人警官に声をかける美里。

「あら、こんな可愛い子が入っていたの」
「可哀想に酷めにあったわね」
と優しい言葉に目が潤む。

「所で着ぐるみはどうする?こちらで処分しようか?」
婦人警官の言葉に一度は頷いてしまったが、「やっぱり持って帰ります」と返事をした。

もしも、返却を求められた場合、処分していたら弁償を求められても困ると思ったから。

婦人警官は着ぐるみとラバー製の全身タイツを入れた段ボールと一緒に美里を自宅へと送り届けてくれた。


おしまい

お粗末様でした

47名無しさん@着ぐるみすと:2020/10/10(土) 23:51:53
乙!ありがとう!

48名無しさん@着ぐるみすと:2020/10/16(金) 19:40:18


49名無しさん@着ぐるみすと:2020/11/23(月) 00:03:03
誰かー

50名無しさん@着ぐるみすと:2020/12/23(水) 02:33:38
ウルトラマンたちが障害物競走をする話はどうだろう?
女ウルトラマンたちの中の人は陰謀により、脱げなくなってしまうといった感じで

51名無しさん@着ぐるみすと:2020/12/23(水) 18:35:00
クリスマスネタお願いします

52名無しさん@着ぐるみすと:2020/12/24(木) 20:46:47
>>50
昔あったトカゲのやつとウルトラマンとバス旅行するネタで屁して寝ろ。

53恋人は……:2020/12/24(木) 22:14:52
「ビラ配りですか?」
「そ、今月24日。言わずもがなのクリスマスイブにサンタの扮装をして商店街のビラを配んの」
12月初旬。
舞台袖にて彼女たちは話し合っていた。
一人はポニーテールに高身長の女性。
もう一人は低身長でショートカット、
猫のような釣り目がかわいらしい少女……にも見える成人女性だ。
彼女たちはとある地方劇団のメンバーである。
小さいほうは並外れた演技力、芸大出身の友人を持ち、
小道具の調達もできるというこの劇団になくてはならない存在だ。
そんな彼女に大きいほうの彼女は声をかけた。
クリスマスイブにサンタの格好で商店街のビラを配ってくれないかと。
「商店街の会長もこっちに出資してくれてるし、
 クリスマスといえばかき入れ時なんでウチでも何かできないかってなったんだって。
 他のメンツにも声はかけてみたんだけども、みんな予定入ってるみたいでさ、
 無理にとは言わないけどお願いできない?」
「そう言われましても……」
クリスマスといえば確かに子どもにとってはサンタクロースだが、
大人の恋人がより一層仲を深めるにはもってこいのイベントだ。
丁度一か月ほど前、小さい彼女にも『恋人』ができた。
本来であれば、『彼』と一緒に過ごしたいところだが……。
「何時までですか?」
「夕方5時から夜の7時くらいまでかな」
「なるほどなるほど…………」
『彼』が退社して家に着くのが夕方6:30位。色々考えて1時間位待たせる感じになる。
が、小さい彼女は口元に笑みを浮かべる。
「いいですよ」
「本当!?いやぁよかった」
「その代り、衣装は自分で用意したいです。それでいいですか?」
「あ、ああ。構わないよ」
「ありがとうございます!」
小さい彼女はビラ配りを亮諾した。
勿論考えがあってのことだ。
早速、芸大出身の友人に連絡を取る。
「あ、あたし。ちょっと頼みたいことがあってね……」

54恋人は……:2020/12/24(木) 22:16:16
そして来る12月24日。
子どもたちはサンタクロースのプレゼントを待ちわび、
大人のカップルはその仲を深める日。
即ちクリスマスイブ。
「お待たせしましたー」
商店街の面々が待つ中、
大きなキャリーケースを引きずって、
ベンチコートを身に纏った小さい彼女は現れた。
「おーこんな可愛らしい子がサンタ役とはびっくりだ。
 今日はヨロシクね」
サンタ衣装を纏った商店街の会長のオジサンは気さくに挨拶をする。
「あれ?あたし以外の人は?」
「え?誰も来てないよ?
 でも、劇団一の役者って聞いているからオジサン大いに期待しちゃうよ」
「結局あたし一人かい!」
思わずツッコんだ。
「はは。元気のいいお嬢さんだ。で、サンタの衣装ってのはどうしたの?」
「あ、ちょっと待ってくださいね」
すると、彼女はおもむろにベンチコートを脱ぐ。
「おお……それはちょっと刺激的すぎじゃない?」
ベンチコートの下にはミニスカのサンタ衣装があった。
肩の部分がはだけており、腰のベルトが引き締まった身体を強調している。
「勿論、これじゃないですよ。これは『彼』だけに見せる特別衣装です!
 って、オジサンにも見せちゃいました!」
(ちょっとうっかりさんかな?)
少し不安になりながらもオジサンは彼女の挙動を見つめる。
「こほん。気を取り直して、これがあたしのサンタ衣装です!」
そして彼女は持ってきたキャリーケースを開ける。
「おぉ……」
立派な正統派のサンタ衣装。その下には肌色の何かが折りたたまれている。
「サンタの体形を再現するための肉襦袢、
 それにシリコンで出来た仮面(マスク)です」
「本格的だね……」
驚きに目を丸くしてオジサンはそれらを見る。
彼女は肉襦袢の背中のファスナーを下し、その中に四肢を入れていく。
見る見るうちに彼女のほっそりした肉体は小太りの体系へと早変わりした。
その上からサンタ衣装を着れば、身体は完全にサンタのそれになる。
小太りのサンタの上に少女らしい可愛い顔が乗っているのは何とも奇妙な様である。
「あとは……これを被って……」
次にシリコン樹脂でできたリアルなサンタのマスクを手に取る。
芸大時代にルームメイトで今は特殊メイクを生業としている友人の自信作である。
笑ったような柔和な表情に、刻まれた皺。
霜焼けのようにほんのり赤く染まった鼻とほっぺた。
その下は白い髭でおおわれている。
後ろのジッパーを開けて、それに顔を滑り込ませる。
目、鼻、口を合わせ、後ろのジッパーを閉め、その上から赤いナイトキャップを被れば、
子どもたちの憧れ、サンタクロースの完成である。
「おお。スゴイ本当のサンタさんみたいだよ!」
「ほっほっほ。顔型から造ったから表情も動くんじゃよ」
好々爺の声を出して彼女は言った。
「え!?声まで変えられるのすごすぎない?」
「練習すれば誰でも出来るもんじゃよ」
「……なんかオジサンのサンタ衣装のクオリティの低さが恥かしくなってきたよ……。
劇団一の役者とは聞いていたがこれほどとはね」
オジサンは驚いて口がふさがらなかった。
「さて、子供たちが待っているからのう。早く行こうとしようか」
(そして、配り終わったら『彼』の家に行って驚かせてやるんだー)
なんて、サンタのマスクの下で彼女はほくそ笑むのだった。

55恋人は……:2020/12/24(木) 22:17:53
「わーサンタさんだ!」
「ほっほっほ。良い子にしておれば、今夜プレゼントをあげるからね。
 ママさんはこれをどうぞ」
「あら、このお店こんなに安くなってるんだ。行ってみようかな」
彼女の演じるサンタクロースはおおむね好評だった。
親子連れは物珍しさに子供が来て、親御さんにチラシを配る。
予定よりも早く配布分のチラシが無くなってしまうほどだ。
「うーん。サンタさん、チラシの追加をしたいんだけどもいいかな?」
「任せなさい。まだまだやれますよ」
「ありがとう!それじゃオジサンちょっとコピーしてくるね!」
商店街のオジサンがその場を離れ、一息つく。
時計を見ると6時を指していた。
(もうそろそろ彼が帰ってくる頃かな?ここら辺を通ったりして……)
そんなことを考えていた時に、大声が響いた。
「やい!偽物サンタ!」
視線を向けると、男の子が立っていた。
日が落ちてそろそろ夜になる頃合いだが、親の姿はなかった。
迷子だろうか。
「どうしたんじゃ?ボク?迷子かい?」
「うるさい!」
そう言うと、男の子はサンタのひげを引っ張り始めた。
「正体を現せ!偽物めー!」
「ちょ……やめなさい!」
今、彼女の顔型から作ったマスクはぴったりとフィットしているが、
一度ズレなどすれば子供号泣必至のグロ画像になってしまう。
とはいっても、サンタクロースの格好で子供を叱りつけるというのはよくない。
(も〜どうすればいいのよ!?誰か助けて〜)
サンタの顔の下で、彼女は困り果てていた。

56恋人は……:2020/12/24(木) 22:21:18
12月24日
子どもたちはサンタクロースのプレゼントを待ちわび、
大人のカップルはその仲を深める日。
即ちクリスマスイブ。
そんな日にため息交じりで駅の改札を潜る男が一人。
「はぁ……」
この日、何の変哲もない都内で働くサラリーマンの彼は、
定時で帰宅し、2か月ほど前に出来た『彼女』と夜を過ごす筈だった。
実際トラブルもなく定時に帰宅することは出来たのだが、
『彼女』から一つのラインメッセージが送られていた。
「ごめーん。劇団で急用ができちゃった……。
 今日はちょっと会えないかも」
なんて文言にテンションをダダ下がりしながらも、
「いいや。仕事なら仕方ないよ。明日会えるなら会おう」
そう返事を送って帰路についたのだった。
『彼女』は地元の劇団に所属する女優の卵である。
看板役者ということで、中々多忙のようだ。
(そうだとも。ハロウィンの時とは違って彼女持ちの余裕がある。
 今俺はあの時のように怨念をまき散らす孤独な男ではないのだ。
 帰りにチキンとケーキでも買ってゆっくり過ごすさ)
そんなことを自分に言い聞かせながら、
彼は自販機で甘ったるいホットコーヒーを買っていた。
駅前の商店街はイルミネーションで飾られ、多くの人が行きかっている。
そんな中、子供の大きな声。それを中心にした人混みが目についた。
「正体を現せ!偽物めー!」
近づいてみると、男の子がいた。小学校の高学年くらいだろうか。
そして、サンタクロースがいた。
赤い服、赤いナイトキャップを纏い、ひげを生やした小太りの老人だ。
柔和な表情を浮かべた顔には皺が深く刻まれ、
ほっぺ、鼻がしもやけのようにほんのり赤く染まっている。
これぞサンタというイメージ通りの人物だ。
そんなサンタのひげを男の子は引っ張りながら言う。
「おまえ、偽物だろう!サンタなんていないんだ!ボク知ってるんだからな!」
「や、やめるんじゃ……良い子じゃから……」
イメージ通りのしわがれた老人声で弱弱しくサンタは静止するが、
年頃の男子の勢いに完全に負けてしまっている。
周りの聴衆はあたふたしているが行動に出ない。
仕方がないと彼は前に出た。

57恋人は……:2020/12/24(木) 22:22:49
「おいこら少年!何があったか知らんがやめなさい!」
大人の男に力強く呼び止められて驚いたのか、
男の子のひげを引っ張る力が弱まった。
「なんだよおっさん。あんたは関係ないだろう」
彼をにらみつけて男の子は言った。
「いやいや関係ありますとも。
 サンタさんには俺も小さいころ沢山おもちゃ貰ったからね」
「大人は嘘ばっかりだ。サンタなんていないんだ。ボクは知ってるんだからな」
「ふむ。どうしてそう言えるんだ?」
「見たんだよ。パパがボクがサンタさんに頼んだものを買っているところをさ。
 それで、そのことを言ったら「サンタなんて本当はいないって知ったんだ。
 いい加減お前も大人になれ」とか言ってさ……」
サンタの真実を知ってひねくれてしまったらしい。
子供心に今まで信頼を置いていた親が自分をだましたと知ればこうなるか。
親がいないところを見るに迷子かはたまた家出か。
どちらにせよ不安な状態で、最近否定された『サンタ』が目の前に現れたので、
絡んだという状況らしい。
中々に面倒だが、予定もなくなって暇だったので、どうにかしようと彼は思った。
「確かに君のパパは嘘つきだな。
 だってサンタは本当はここにいるのにいないなんて嘘ついたんだから」
「え!?」
男の子とサンタは驚いた顔で彼を見つめる。
(いや、サンタのじーちゃん。あんたは驚いちゃダメでしょ。)
そんなツッコミを心の中でしながら彼は言った。
「いいか。サンタはここにいるだろう?ならどうして『いない』ことが本当だと思ったの?」
「そ、それは……お父さんがいないって言ったから。
 それに、考えてみればおかしいじゃん!
 一晩で世界中の子供たちにプレゼントを配るなんて絶対不可能だよ!
 そんなサンタが、こんな商店街でチラシを配ってる暇もないし!」
「そう。一晩で世界中の子供たちにプレゼントを配るなんて不可能だよね?
 だから、サンタさんは皆の親御さんに頼んでるんだよ。
 自分の代わりにプレゼントを子供たちにあげてってね」
「!?」
目を丸くして男の子は聞いている。
「昔は子供が少なかったし、今みたいに最新のおもちゃがあるわけじゃないから、
 それこそ子供たちの欲しいものを聞いてサンタさんがそれを配ってたんだ。
 でも、今は子供がたくさんいるし、おもちゃも新しい物がどんどん出てる。
 だから、サンタさんはそのお仕事を君たちのパパ、ママに任せてるんだよ。
 で、空いたクリスマスの時間はこうして商店街のチラシを配ってるわけ」
「じゃあ、なんで『サンタなんていない』って嘘をついたのさ?」
「そうだね……パパもサンタさんのお仕事の代わりをするの疲れてたんじゃないかな?
 だって、キミの欲しい物を買ってきてサンタさんのフリをしてあげても、
 いつだって感謝されるのは『サンタさん』だろ?
 それに加えてキミはパパがおもちゃを買っているときどんな風に問い詰めたワケ?」
「そ、それは……」
「サンタさんも、毎年キミに上げるプレゼントも、確かに『嘘』だったかもしれない。
 でもね、それらは全部キミのためについた優しい嘘だ。
 だから、パパさんやサンタさんを責めるのは違うんじゃないかな」
そう彼が言い終えた時、丁度中年位の男性が駆け寄ってきた。
「翔太!こんなところにいたのか!」
「パパ……!」
やはり不安だったのか、男の子は父親に駆け寄り抱きしめたうえで泣きながら言った。
「パパ……今までありがとう……それにごめんなさい……」
男の子の父親はお礼とお辞儀をするとそれを抱えて去っていた。
「メリークリスマス。いつまでも夢を大切に」
そんな親子の背中に彼は声をかけるのだった。

58恋人は……:2020/12/24(木) 22:24:17
「ありがとう。ワシ一人じゃどうしようもなかったんでな」
「子供のことならどうにかしてほしかったけども、
 まぁあの状況でサンタさんが子供を叱りつけるのはナシだよね。
 イメージ壊れるし」
何とか男の子の騒動が収束した後、サンタクロースは彼に礼を言った。
「子供の夢を守るってのもオトナの役目って奴ですよ。
 とりあえずあの子の中にある『サンタクロース』は守れたんで良かったですかね。
 ところでおじいさん。あなた誰?商店街にいたっけ?」
「見ればわかるじゃろう。サンタクロースじゃよ。ほーほほ」
「サイですか。ま、それならそう言うことにしときましょ。
 あー俺はもう帰るんで、これでも飲んで頑張ってください」
先ほど自販機で買ったホットコーヒーは未だ暖かかった。
それをサンタと思しき老人に渡す。
「俺も小さい頃はお世話になったんでね。これくらいの恩返しはしなきゃでしょ。
 んじゃ。メリークリスマス!」
サンタに背を向けて彼は去っていく。
「……そう言うところがたまらなく好きなんだよなぁ……」
彼に聞こえない小さい彼女自身の声で『サンタ』は呟き、再び老人の声を作る。
「ありがとう!お礼に今夜必ずお前さんのところにプレゼントを持って行ってあげるから楽しみにしとるのじゃ!」
「俺、大人だけど良いんすか?」
「特別じゃよ!」
特に意味もないホラだと思った彼は笑いながら手を振り後にした。
「んじゃ期待せずに待ってますよ!」
返事をした背中を長いことサンタクロースの彼女は見つめていた。
そこへ、チラシをコピーしに出かけていた商店街のオジサンが戻ってくる。
「ごめんごめん。コンビニ混んでて遅れちゃった。
 追加のチラシ、コピーしてきたよ」
「任せなさい!もうひと踏ん張り頑張るぞい!」

59恋人は……:2020/12/24(木) 22:25:33

それから一時間後。
ケーキとチキンを買い、
ソーシャルゲームのイベント周回をしていた彼のマンションのチャイムが鳴る。
「誰だろう?」
彼がドアを開けるとそこにはサンタのおじいさんがいた。
「え!?サンタさん?何で俺の住所知ってるの?」
「サンタじゃからの。良い子の住所位は知っとるよ」
純粋な子供ではない彼の脳裏には色々な思考が駆け巡る。
(ひょっとして新手の強盗じゃないだろうな?)
なんて思ったのもつかの間。
「約束したじゃろ?必ずプレゼントを届けるとな……」
そう言ってサンタのおじいさんは頭の後ろに手を回す。
じいぃというジッパーのような音と共に、おじいさんの顔面がぐにゃりと崩れた。
「!?」
シリコン樹脂でできた作り物のサンタクロースの被り物。
その下から汗まみれの自分の恋人、『彼女』の可愛らしい顔が現れる。
「メリークリスマス!プレゼントはあ・た・しってね!どう?驚いた?」
「……っ!?」
あまりの出来事に脳の処理が追いつかない中、更に彼女は背中に手を回す。
小太りなサンタの身体は抜け殻のように地面に落ち、
その中からミニスカートのサンタ衣装に包まれた彼女の細い四肢が現れる。
「ははは。まだ何が起こってんのかよくわからないや……」
「簡単な話だよ。あなたも、あたしもサンタクロースだったの」
「は?俺が?」
「そ、あなたはあたしにプレゼントをくれたじゃない」
そう言って彼女は空の缶コーヒーを彼に見せる。
「だから、あたしたちは両方サンタさんだったのです!」
「そう言うもんかなぁ……?」
「細かいことは気にしない!入っていいでしょ?」
「そ、それはもちろん!チキンやケーキもあるから……」
彼と彼女の聖夜は更けていく。
誰かを想い、贈り物(プレゼント)を渡す。
これはそんなサンタクロースたちのお話。

おしまい

60恋人は……:2020/12/24(木) 22:32:57
というわけでいかがだったでしょうか?
普段、掲示板ではROMに徹している者ですが、クリスマスということで、
某松任谷○実様の名曲よりインスピレーションをいただいて書かせていただきました
慣れない投稿ということもあり、お見苦しい点はあるかもしれませんが、
楽しんでいただけたらと思います
因みにこのカップルの馴れ初めも短編小説としてあります
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10313120
合せて読んでいただければより楽しめるかと思います
何だか宣伝みたいになっちゃったなw
それでは皆様、メリークリスマス!

61恋人は…… ◆dczyYe4XLs:2020/12/24(木) 23:23:20
あ、コテハンつけ忘れました。
しかも余裕で30行超えてるし……色々お騒がせしてスイマセンorz

62名無しさん@着ぐるみすと:2020/12/25(金) 09:44:34


63名無しさん@着ぐるみすと:2021/01/17(日) 20:01:18
あけましておめでとうございます

64受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:40:38
A1-KAW-A10R1 通称A1は今、私の横で会社の受付をしているAIロボットのこと。
ちなみに私は28歳独身、彼氏無し、通称アラサー女こと工藤 朝陽。
もちろん、受付をするぐらいなのでスタイルも顔も自他共に認めるほどなのだが、私に見る目がないせいか独身で30歳を迎えそうだ。

3ヶ月までは横で一緒に受付をしていた同期は結婚し寿退社していった。
一人での受付業務はきついと上司に直談判した結果がこのAIロボットだ。
人間と違ってよく働いてくれる。
電話こそ取れないが、来客の案内を巧みにこなしている。

65受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:41:30
花形である会社の受付もやる人が少なくなり、ロボットに取って替わられるのかと思うと少し寂しく思う。
にしても、銀色と水色のプラスチックパーツに覆われたロボットではやはり人間様には劣ると私は考える。
しかも、3時間毎に1時間の休憩が必要なのだとか。
時間になると、総務の課長自らAIロボットを回収に来て、私にいろいろとAIロボットのことを聞いてくる。
変な動きをしなかったか?私がロボットを壊すようなマネをしなかったか等。

相当このAIロボットにはお金がかかっていると私は見ている。
なので、課長に嫌味を言ってやった。
「AIロボットでも、もう少し人間らしくした方がいいでは?」と。
課長は頭を捻り、考えながらAIロボット固定具にしっかりと固定し回収していった。

66受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:42:30
そんな日が続いたある日、私の言った通り“人間らしく“なったA1が運ばれてきた。
全身人工皮膚に覆われ顔はリアルフェイスで、髪は肩にかかる程度で少し茶色、私と同じ制服を纏っていた。

「どうだ、人間らしくなっただろう」
課長は自慢気に言ってきたが、リアル過ぎて不気味ですと返してやった。

リアルフェイスとなったA1、音声は以前と変わらないが、接客時の“笑顔“と待機時の“素の顔“の機能が追加された。

67受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:43:30
バージョンアップはあったものの、その後は何も変わったことはなく、受付業務は続いていった。

ある日、私とA1の受付近くで新しく設立された子会社の勧誘イベントが行われた。
これは社内外に周知してもらう為のイベント。
イベントと言っても、男女のスタッフ1名ずつと着ぐるみが一体の計3名でビラやポケットティッシュを配る程度のものだった。

A1を運んできた課長からは何かあれば、イベントのフォローをするように釘を刺された。

こんな日に限って来客はなく、暇。
そんな時、事件が起きた。

68受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:44:53
子会社のキャラクターの着ぐるみが倒れた。
着ぐるみはビニール製で膨らませるタイプのものだが、常時エアーを送り続けるものではなかった。
さらにイベントをやっているところは私のいる常に陰となる受付とは違い、常に陽が当たる場所。
エアーで膨らむタイプの着ぐるみで中の人の負担が少ないものだとはいえ、その中の人の体調が朝から優れなかったこともあり倒れてしまったようだ。

私が駆け寄ると既に着ぐるみからエアーは抜かれて中の女の子が出されていたが、顔色が悪い。
私と女性スタッフでその子を医務室へと運ぶ事になった。

幸い来客も少ない為、内線電話を来客者に見えるところへと置き、内線番号一覧をその横へ置く。
私が受付を離れる時、いつもやっている事だ。

69受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:45:56
どうしていいかわからずに、呆然と突っ立っている男性スタッフのところへA1を連れていくと、「これに着ぐるみを着せていいから」と言い残すと私と女性スタッフは着ぐるみの中の女の子を医務室へと運んだ。

幸い着ぐるみの中の女の子は大した事はなく、医務室でしばらく休む事になった。
一安心し受付へ戻ると、A1は着ぐるみを着せられたようで、人とは違う不自然な動きをする着ぐるみがいた。

そして、程なくしてまた事件が起こった。
今度はA1が倒れてしまった。
原因はおそらくオーバーヒート。
陽の当たる場所で通気性の悪い着ぐるみを着せていたから。

“ああ、今日は全くなんて日だ“
心の中で呟くと、イベント場所へと走る。

70受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:47:14
頼りない男性スタッフはまた呆然と突っ立っている。
「すみません、お借りしたロボットを」
申し訳なさそうに女性スタッフが声を掛けてきた。

取り敢えず課長が来るまでに一次対応し、復旧すればドヤされずに済む。
受付裏の小さな控え室へとA1を女性スタッフと運び入れる。

女性スタッフには戻ってもらい、復旧作業に入る。
応急処置マニュアルは課長から貰っているが、以前のいかにもロボットの方だったがやるしかない。

71受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:48:22
まずは髪の毛。
軽く引っ張ってみるが取れ気配がない。
てっきり、両面テープでくっつけているとおもっていた。
ならばと、髪の毛を頭皮に沿って触ってみる。
「あった」指先に異物を感じた。
その部分を髪を開いてみる。
固定具が見つかった、全部で4箇所。
それを全て外すと、髪が外れた。

次は人工皮膚だが、どうなっているか分からない。
正直、髪を外すとファスナーが出てくるのだろうと思っていた。
分からないので私と同じ受付の制服、ブラウスを脱がせてみるが、ファスナーは存在しない。

「一体どうなってるの!」私は床を叩いた。

72受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:49:33
ヤケだ、スカートを脱がせハイヒール、パンストも脱がせたA1を犯すが如く荒々しく。
パンストに絡まりショーツも脱げた。

髪の毛がなく人工皮膚だけとなったA1、人で言う裸の状態にして私は冷静になった。
スカートで隠れていた腰の辺りを一周する切れ目に気がづいた。
パンストを勢いよく引っ張ったことで、切れ目が現われたのかもしれない。

服を脱がせる要領で上半身の人工皮膚を脱がせる。
薄く伸縮性のある人工皮膚は脱げて、以前のいかにもロボットのA1に戻った。

応急処置マニュアルにはまずプラスチックパーツを固定するビスを外すように書いてある。
ブラスドライバーで指定されたビスを外していくとプラスチックパーツが外れた。

73受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:51:00
プラスチックパーツの下から現れたのは金属の枠組みと基板や細かな配線。
文系で機械オンチの私にはサッパリ分からない代物だ。

マニュアルにはオーバーヒート(異常発熱)による場合は、ベースとなる黒いゴムも熱くなっていると説明があり、黒いゴムに恐る恐る触れてみる。

黒いゴムに触れてみると確かに熱い。
ヤケドするほどではないが。

涼しい場所で、暫く冷却することで機能が復旧するとも書いてある。

暫く様子を見ていたが、復旧する感じがしない。
“えらいものを壊してしまった(汗)“
“弁償かなぁ?“
心の中で呟く。

74受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:51:45
少し凹んだが、独身だし分割ででも弁償しようと腹をくくる。
冷却して復旧すればラッキーだし。

「さあ、仕事しよう!」自分に言い聞かせるように立ち上がろうとした時、A1が私の腕を掴んだ。
顔もなく金属の枠組みと配線剥き出しのロボットが腕を掴んできたのだ、もう恐怖でしかない。
「きゃあ!」私は力いっぱい悲鳴をあげた。

しかし、A1は私の腕を掴んだまま、いつもの電子音でこう言った。
「アサヒ ワタシ ノミモノ ホシイ」

75受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:52:51
「へ?」
思わず変な声が出る。
掴まれた腕にそれほど力はなく、オマケに『アサヒ』って私のことを呼んだ。
普段は『クドウ サン』と呼んでくる。

これまで3ヶ月間、一度も『アサヒ』なんて呼ばれたことも呼び捨てにされた事もない。
熱で故障したのかとも思ったが、他におかしい事がある。

自分の要望伝えてきた事、そしてその要望が『ノミモノ』

改めてA1の顔の部分に私の顔を近づける。

金属の枠組みと配線で分かりにくいが、ベースのゴムは人間のように呼吸している。

76受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:53:55
こうなれば仕事そっちのけで、A1を調べる。
ツンと尖った胸の金属の枠組みの内側のゴムに触れてみると、何やら勃起したものに触れる。
指に挟んで転がすようにしてから、摘み引っ張って離す。

「アァァァン」と変な電子音。

私を掴んでいた手を解くと、A1の背後に周り金属の枠組みの間から手を入れてベースとなる人型の黒いゴムの胸を鷲掴みにして優しく揉んでやる。

A1は私に体を預けて気持ち良さそうに胸を揉まれる。

私にはもう何となく全てが分かり始めていた。

77受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:55:18
こんなことをよくやって敏感に感じる人間を私は1人だけ知っている。
そう、数ヶ月前まで私と一緒に受付をしていた相川伊織。

仕事終わりに胸の大きな彼女の胸を揉んでは戯れていた。
黒いゴム越しではあるが、この感触は彼女。

金属の枠組みと配線に隠された股のところに手を持っていく。
顔もなく機器が剥き出しの容姿のA1は、私から逃れようとするが、力が入らないようだ。

股の部分は一本線が走っている。
それをなぞるように、指を走らせる。
黒いゴムから電子音の吐息が漏れる。
「フゥゥ ァァァァァン」
さらに指の動きを早めていくと、体を捩って逃れようとするロボットらしからぬ行動に出た。

しかし、私はA1をガッチリホールドすると、指の動きをさらに速めた。

78受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:56:18
A1は首を振りながら必死に抵抗する。
どんどん速まる私の指に耐え切れなくなったようで言葉が漏れる。

「アサヒ ダメ ヤメテ ワタシ ワタシ コワレチャウ」
それに対して「A1どう?私のテクニックは、気持ちいい?」

「スゴク イイ デモダメ アサヒ ワタシ イッチャウゥゥゥゥ アァァァァァァ」
感情の込もった電子音の後、A1は大きく体を揺らした後動かなくなった。

黒いベースの人型のゴムからは激しい呼吸音が聞こえる。

79受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:57:50
A1は間違いなく、相川伊織。
なんで気づかなかったんだろう。

アイカワイオリ
A IKAWA IOR I
“ I “を1に、“O “を0に換えると
A1-KAW-A10R1
となる。

それになぜ寿退社した筈の伊織が復職したのか。
ここからは彼女のことをよく知る私の想像だが、すぐに離婚したが、そのまま受付に戻る気まずさと彼女のプライドから課長と相談の上、A Iロボットとして復職したのではないか。

逝ってしまい動けないでいる伊織。
気を失っているようで全く動かない。

私は悪戯を思いつき、カバンを漁る。

80受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 06:59:17
私のカバンにはたまにムラムラした時に使うローターが入っている。
それを掴むとA1の股へとセットして固定する。

そしてA1を元に戻す作業にかかる。
プラスチックパーツをドライバーで取り付ける。
人工皮膚だが、上半身を前後反対に着せる。
これでプラスチックパーツの空間で呼吸は出来るが電子音が聞こえにくくなると考えた。
手の部分は指を無理やりねじ込んだ。

しっかりと上半身部分の人工皮膚を着せてからブラウスを着せてショーツ、パンスト、スカート、ハイヒールの順に履かせていく。
最後に上着を着せた。

上半身が180°回転しているのと、髪がない事以外はいつも通りだ。
髪を取り付け、ローターの電源を入れた。

81受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 07:00:23
なんとも奇妙なA Iロボットが動き出す。
人工皮膚に妨げられて声が少し漏れる程度。
近くで耳を傾けると何か言っている。

「アサヒ ゴメン ダマス ツモリ ナカッタノ 」
電子音で言われても、どことなくふざけているようで真実味に欠ける。

「ウゥゥゥゥゥゥ ダメ ダメ ダメ イッチャウ コワレルヨ コワレチャウ アァァァァァ アサヒ」
また、A1は動かなくなった。


その後、A1は定刻に課長に回収されていった。

82受付ジョウ ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 07:01:33
翌日、私が受付に行くとA1が既にいた。

私を見つけると一礼し、「オハヨウゴザイマス」と電子音ぽく挨拶したが、明らかにいつもと違う。

私が首を傾げるとA1は人工皮膚を脱ぎ始めた。
中から出てきたのは相川伊織。
髪の毛を軽く直すと「久しぶり」と。

私は伊織に「久しぶりじゃないわよ」と返したが、少し考えて「面と向かうのは久しぶりかも」と言って笑った。

「今日からまたよろしく」伊織の言葉に私も「こちらこそ」と返した。

来客が来た。
「いらっしゃいませ」声を合わせて頭を下げる。
そのタイミングで伊織がローターを返してきた。
「もうぉ!」私の呟きに2人で笑顔になり来客を迎えた。


おしまい

83花見 ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 07:06:55
私、早川沙織はOLになって7年目。
つい最近彼もできて、結婚秒読みかと思いきや、彼の収入もそれほどよくないためまだ当分先の様相。
で、話は戻るけど7年目ともなると、新人OLの指導を任されることもしばしば。
その上、イベントの段取りや盛り上げまで一緒に考えなくてはならない。
そんなお話。
昨年入社した新人OL 野畑桜、名前に桜が入っていることから彼女は花見の仕切りを上司から命じられた。
何も要領が分からない彼女の指導にあたっている私が花見の仕切りも教えることとなった。
まずは桜の開花予想を調べ、候補日をある程度決める。
場所をネットから調べ、花見会場の下見。
そして宴会の準備といった具合。
盛り上げるのは、上司や同僚のモノマネ、手品やカラオケなのだが、盛り上げる前に既にお酒がまわり勝手に盛り上がっているのが通例であった。
こうなるとセクハラ上司が現われる。
コンプライアンスが取り沙汰される世の中とはいえ、やはり体に触ってくる輩はいる。
そこで思いついたのが、彼の職場で着ぐるみが借りられないかというもの。
仕事が終わってからの夜桜、私はあまりお酒が飲めないので寒くて仕方がない。
着ぐるみなら、セクハラもされず寒さ対策になる、しかもみんなが盛り上がってくれるのではと考えた。
早速彼に連絡、一度彼の上司 上原夏子に確認してみるとの答え。
彼からの連絡をしばらく待った。

84花見 ◆dkf/aF6sqI:2021/02/05(金) 07:07:49
程なくして、彼から連絡が来た。
私の頼みならとはいかず、条件が提示されて返って来た。
また、イベントがあるのでその着ぐるみに入ってくれたら着ぐるみを用意してもいいとのこと。
着ぐるみにも慣れておきたし、忙しい彼とも会えるので、承諾することにした。

彼に会社の花見で使用できそうな着ぐるみと伝えていたが、まさか桜の木の着ぐるみ、いや木ぐるみとは思ってもいなかった。

春限定ビールのイベントで桜の木ぐるみとして、1日3回大型商業施設を回る。
土日のイベントを4回こなした。
その桜の木ぐるみの予備が幾つか用意されていたが、ほとんど着ぐるみを、傷めることなくイベントは終了。
予備の桜の木ぐるみを2つもらうことができたが、その分日当は安くなっていた。
私も小さいが、桜も私より少し背が高いくらいなので着ぐるみには問題なく着れると思っていたが、実際に着てみると体の凹凸が私よりも凄くピッタリとした着ぐるみは彼女のボディラインを浮き彫りにした。

そんな着ぐるみで花見はスタート。
顔の所だけ丸くくり抜き、皆と楽しく飲んだり食べたりしながら、過ごす。
セクハラ上司も登場したが、着ぐるみの上から触られても全く問題なかった。

花見が終わり、帰る時には着ぐるみを気に入った桜はそのまま着て帰ると2駅だけであったが、酔った勢いもあり着ぐるみを着て帰ってしまった。
良かったのか悪かったのか分からないが。
私は当然着ぐるみを脱いで帰りました。

終わり

85名無しさん@着ぐるみすと:2021/02/07(日) 00:02:00


86名無しさん@着ぐるみすと:2021/02/07(日) 10:09:46
乙、受付ジョウなんか読んだ記憶があるんだけどどこでだろ?

87名無しさん@着ぐるみすと:2021/02/07(日) 17:45:48
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/9756/1457114349/986

前のスレのコレでしょ

88リアルロールプレングゲーム〜濃厚接触?〜 ◆dkf/aF6sqI:2021/02/07(日) 23:06:56
1.
冒険者たちがモンスターを倒してお宝をゲットするリアルロールプレイングゲーム。
その名も【ドラゴンソード】
冒険者は感染対策として、フルフェイスのヘルメットを装着し、剣と盾を持ってステージへ向かう。

さまざまなドラゴンモンスターが冒険者の行手を阻む。
そしてラスボスのドラゴンは胸にお姫様が取り込まれ、お姫様の上半身だけは見えている。
脚は2本だが腕は4本生えている。
倒されそうになると取り込まれたお姫様が「ヤメテ、コロサナイデ」と懇願する。
冒険者がひるむとラスボスにやられてしまう。
見事ラスボスのドラゴンを倒すとお宝ゲットとなる。

ドラゴンモンスターたちは全て着ぐるみでリアルな戦闘ができる為、冒険者を魅了していた。

着ぐるみのドラゴンモンスターも感染対策は万全でガスマスクをして外部からの空気はフィルターを通して取り込む仕組みになっていた。
ただ、これは着ぐるみのドラゴンモンスターの操演者たちにとってはかなりの重労働になることは間違いなかった。

89リアルロールプレングゲーム〜濃厚接触?〜 ◆dkf/aF6sqI:2021/02/07(日) 23:07:39
2.
俺、陽山圭佑は今、ラスボスであるドラゴンの着ぐるみの中にいて、冒険者たちと戦闘中だ。
コロナ禍だという事で、着ぐるみの中はガスマスクを着用。息苦しい中戦闘を続けている。

冒険者もまた感染予防の為、フルフェイスのヘルメットを被り、防具を着け、模造の剣で襲いかかってくる。
ドラゴンの着ぐるみは分厚く作られていて、剣で殴られても痛くない。
しかし、ある程度時間が経つと倒されなければならない。

インカムから「今です!同時攻撃です!』の声。
ゲーム進行のアナウンスに合わせて、前面から3人の冒険者たちの同時攻撃を受けて俺は尻餅をついた拍子に俺の勃起した肉棒が柔らく温かいものに包まれる。
「あぁぁ」と可愛らしい喘ぎ声が着ぐるみ内に漏れた。

可愛らしい喘ぎ声を掻き消すようにラスボスドラゴンに仕込まれたスピーカーから『ヤメテ!コロサナイデ!』と女性声優の音声が流れる。
その声に動じる事なく冒険者たちは倒れたラスボスドラゴンにトドメとばかりに襲いかかってくる。


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