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仮投下スレ2

236痛快娯楽復讐劇(修正版) ◆igHRJuEN0s:2009/05/30(土) 22:32:04 ID:YrRABrO.

一方、その頃。
二体の怪物が戦っている隙に、喫茶店から逃げ出した夏子とハムは、市街地を駆け足で東方面へ向かっていた。
北も火の手が回り、南は悪魔将軍、西は火事と危険人物と思わしきものたちが多数。
逃げられるのは東方面ぐらいなものだった。

突拍子もない出来事の連続で、夏子の頭はろくに働かなかった。
彼らの予測を越えた力を目の当たりにして、ただ夏子は愕然とし、無力なまま何もできなかった・・・・・・
逃走を提案したのも冷静な判断を下せたハムであり、自分は結局、なし崩し的に動いていたに過ぎない。
それが夏子には何より悔しくたまらなかった・・・・・・

「・・・・・・夏子さん。
泣いているのですか?」

夏子の前方を走るハムが振り返り話しかける。
夏子が泣いているとハムが思ったのは耳に二人の足音の他に、鼻をすするような音がしたからだ。
しかし夏子はそれを一言で否定する。

「・・・・・・泣いてない」
「・・・・・・そうですか」

ハムはそれ以上、追求せずに前に向き直った。
とにかく、あの二体の怪物から逃げる事に専念する。


夏子は泣いていないと言ったが、本当は半ベソをかいていた。
涙はなんとか眼の中に押し止めているが、鼻水を抑えている鼻は真っ赤である。

(悪魔将軍の時と同じようにまったく歯が立たなかった・・・・・・
私は何がしたかったのよ!?)

心の中で、自分を罵る夏子。
責任感とプライドが高い夏子は、無力で何もできなかったという事に、強い自己嫌悪を抱いていた。
さらに、集まる予定だった公民館は既に火に包まれ、思い通りに集まる事はできなくなってしまった。
そのことからの焦りが、自己嫌悪を加速させる。

(深町晶を甘いヤツだと言っておきながら、このザマよ。
私だって大概甘いじゃない・・・・・・)

急に自分が、いつもよりちっぽけな人間に思えてきた。
故により一層、力への渇望が強くなる。

(本当に・・・・・・力が欲しい。
どんな怪物にも負けない力が欲しい!)

今日ほど、彼女が力を求めた日はないだろう。
それぐらいに、自分の無力が許せなかった。

(力さえあったら、朝比奈さんもシンジ君を守ることだって!
この殺しあいから生きて帰ることだって!!)


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