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没SS投下スレ

1名無しさん:2008/09/19(金) 21:18:52 ID:L7g3hoig
勝手に立ててみた。
予約が被って投下できなかったSSの内容をこっそり明かすスレです。
あらすじだけでもおk。

49 ◆EFl5CDAPlM:2008/12/19(金) 22:50:50 ID:n9dSbqnI
トトロ補完話でタイトルは「空と海と大地を愛する物の怪」

トトロ一行、ケリュケイオンの「横向きに入ればいい」という助言で山小屋にはいることに成功。
山小屋の中の充実したライフライン。
興味津津に破壊していく獣たち。
パソコンブレイカートトロ、
キーボードクラッシャーフリードリヒ、
あれ?ライガさんなに雷撃放ってるんですか?→スプリンクラー発動!
慌てて飛び出す獣一行。

始まる放送、この場が殺し合いの場であると推測したケリュケイオン
とりあえずフリード達に決死のコミュニケーション開始。
ケリュケイオンはトトロ達に話しかけた!
トトロは混乱している。
ライガーは混乱している。
フリードリヒは少し理解した。

フリードリヒはトトロ達に話しかけた。
トトロは少し理解した。
ライガーは少し理解した。

実はここが殺し合いの場だと理解していなかったトトロ。
いつもだと自分の存在に気付かない大人(古泉)も自分に気付いてくれる。
それが単純にうれしかった。
面白い生物と喧嘩もしたりしてるけど(アシュラマン)自分のことを見てくれてうれしかった。
けどこの場所はそんな優しい場所じゃなかったなんて……
獣は泣かない。泣けない。だから悲しくても涙は出さない。出せない。
代わりに、精一杯叫ぶ。嘆きの叫びを。

最初は唯本能のままに恐怖していたフリードとライガー。
恐怖の峠を越えてくると、トトロの泣き声に自分も悲しくなってきた。

ギャウギャウと詳細不明なやりとり。
鳴きやむトトロ。なんか決意。


と、ここまで練って7割ほど話書いたところで、
中トトロは人の話理解してるじゃん、と気付き自己処分(


同時上映。
「がんばれ閣下!! 第七巻 迷いの森の閣下の巻」

50もふもふーな名無しさん:2008/12/19(金) 23:43:05 ID:6/GOx0xg
補完話の投下乙です!!
ええ話や…悲しむトトロは想像するだけで辛い。
同時上映ワロタwww

51 ◆h6KpN01cDg:2008/12/20(土) 02:42:41 ID:L7g3hoig
せっかくだし投下。
将軍氏の話の次に描きたかった古泉。


途中までの流れはNIKU氏と似た感じ(さんざんぼおっとして自分が定まらない)

で、↓
「……あ……」
気づけば、地に両手をつけていた。
自分は誰なのだ。古泉一樹は、どう生きればいいのか。
涼宮ハルヒを殺したと言っていたキョン。
涼宮ハルヒを殺したことは許せないが―――少しだけ、彼がうらやましく思えた。
彼は、ちゃんと『殺人者』の仮面をかぶっていられているから。
「……俺は、」
呟く。しかし違和感がある。本来の自分はこんな一人称だっただろうか?合っているのか、間違っているのか分からない。
「……僕は、」
呟く。それは偽りの自分が使っていた一人称。違う。これではない。違う。
「……私は、」
呟く。しかし、これで本当にいいのか?これが『本物の』古泉一樹なのか?
「……っ……」
違う、自分が『誰』なのか、『古泉一樹』は、―――どんな男だったのか、分からなかった。

という一文を夢想していました。
ちなみに結局スタンス不明のまま終わらせて、とりあえず悪魔将軍に言われるままにモールへ向かって幕。
誰か元ネタ分かるのかな、これ。
つかここまで古泉って弱くないかな?と思ったけどどうせなら堕としておこうと思って……。

52もふもふーな名無しさん:2008/12/20(土) 04:28:32 ID:lbNjptXc
>>51
万死に値する、の人ですね、わかります
しかしきっちり描写されると古泉っぽくなるんだなぁww

53もふもふーな名無しさん:2008/12/20(土) 12:45:19 ID:ouaX.nfs
これはこれで今後が面白そうだったな
しかしどうせなら堕としておこうの一文にS心を見たw

54もふもふーな名無しさん:2008/12/20(土) 13:43:16 ID:n9dSbqnI
この後なら「やけになった」で自然にスナック食べさせられるな

55 ◆5xPP7aGpCE:2008/12/21(日) 17:30:30 ID:BWzY8uBA
先程投下した作品の一番最後に書こうと思った文章ですが、
何か繋がりが悪い気がしたので削除したものです。
それでは、




漆黒の闇の中、まどろむような意識のままぼんやりと古泉は漂っていった。
復讐は果たせず無駄死にしてしまった、先に死んだ仲間の無念を想うとどうにもやりきれない気持ちが胸にあった。
しかしそんな負の感情全てを吹き飛ばすような神の声が闇の向こうから耳に届く。

(俺なんて言葉遣いも敵討ちも元々古泉君の柄じゃないわよ! あんたは元の古泉君のままでいなさい! 団長命令よ!)

かって夢の中で自分に命令した『彼女』がそこには居た。
思わず済まなさそうな表情で古泉は謝罪を口にする。

(すみません、鈴宮さんのご期待に沿えなくて)
(最後に女の子を泣かせたのは感心しないけどその努力に免じて許してあげるわ!)

その差し出された手を掴む。
引っ張られたその先に見慣れた団長の笑顔が在った。

(何ぼんやりしてるの! 古泉君は早速団員としての勤めを果たしてもらうからね! ほら、みくるちゃんも待ってるわよ!)

いきなりの宣告。
どうやらあの世でもSOS団の活動は続く事が決まっているらしい。
だが、それも悪くないと古泉は思った。

(やれやれ……貴方はあの世でも全く変わりないのですね)
(とぉーぜん! なんたってあたしは涼宮ハルヒなんだからね!)

気が付けば周囲は闇から光へと変わっていた。
見ればその先で誰かが待ってくれている。
変わらぬその姿に古泉も思わず口元をほころばせてしまう。

(じゃあ早速古泉君の歓迎会を始めるわよ!)
(ま、これも悪くはありませんね)

56もふもふーな名無しさん:2008/12/21(日) 17:50:52 ID:qmzUCm6o
投下乙です!
これを読むと古泉の最期が一気に明るく感じる。
感動的な(古泉の)エンディングと言うか。
「あの世」が死者スレの酒場しか思い浮かばないwww

57 ◆5xPP7aGpCE:2008/12/28(日) 17:49:18 ID:BWzY8uBA
『空気少女ノーヴェと導く悪魔』の没ネタ


「あ、あたしは後ろ向いてるからなっ!」

ゼクトールの奴が人間に戻ると知ってあたしはその間後ろを向いている事にした。
将軍もゼクトールもあたしを空気扱いしてんのか全く気にしてない。
腹が立つけど男の裸なんて見たくないからそのまま黙ってる。

後ろが騒がしくなった。
あいつが人間の姿になったんだろうか?
そんな事を考えているとあたしの目が茂みの中に隠れている誰かを見つけた。

(こ、古泉?)

なんでそんな所でコソコソしているのか、とにかくあれは間違いなく古泉だ。
カメラを構えてるけどまさかゼクトールを撮ったのか!?

(これは……面白いものが撮れましたね)

『俺』はゼクトールさんが地上に降りていく姿を見て離れたところから様子を窺っていた。
あの悪魔と共倒れになってくれればいいと思ったがそうはうまくいかないらしい。
何やら相談を続けていた。
好機ではありませんでしたか、と引き上げようとした時のこの展開。
思わず持っていたデジカメでゼクトールが変身する姿の全てを納めた。

(さて、後は持ち帰ってじっくり調べてみましょうか)

そうやって古泉は再び森の奥に消えていった。
その姿を一人の少女が不審者を見るような目で見ていた事を彼は知らない。

58もふもふーな名無しさん:2008/12/28(日) 21:31:24 ID:sW1rRr7c
ちょっ、古泉www
どう見ても不審者にしか見えんwww

59もふもふーな名無しさん:2008/12/28(日) 21:35:07 ID:TvyYJZcI
こwwwいwwwwずwwwwwみwwwwww

60もふもふーな名無しさん:2008/12/29(月) 01:02:08 ID:L7g3hoig
古泉がw
本人は真剣なんだろうがどう見てもアッー!ですありがとうございまry

61もふもふーな名無しさん:2008/12/29(月) 01:02:59 ID:L7g3hoig
古泉がw
本人は真剣なんだろうがどう見てもアッー!ですありがとうございまry

62没スレのなく頃に〜なのは嘆き編〜 ◆h6KpN01cDg:2008/12/29(月) 01:41:14 ID:L7g3hoig
こちらも没ネタ投下。


―――負けている、場合じゃない。

そっと、呟いた。
『不屈の心は―――この胸に』
そうだ、私は、あきらめちゃいけない。
絶対に、何があっても、私は―――皆を、ヴィヴィオを、守り抜くんだ―――!

↓没ここから

―――すと、ん。
だから、私は、自分のすぐそばで聞こえた音が何なのか分かることができなかった。
まるでコルク瓶の蓋を外すみたいだ。
―――あ、れ?
私は何をしようとしてたんだっけ?
ああ、そうだ、私は―――ケロロを助けようと。
それなのに、何でかな?おかしいよ。

どうして―――ケロロの頭に風穴があいているんだろう。
どうしてケロロは―――呼吸をしなくなってしまったんだろう。
どうして、―――私はそれに気付かなかったんだろう。

私は、その場に崩れ落ちた。
―――ああ、ダメだよ、こんなことじゃ、私―――
―――私は大人なのに、少し、頭、冷やそ、う、か……

誰か、誰かが、いる。
こちらを見て、私に照準を合わせているであろう殺人者が。
分かっている。そんなこと。
早く対応しなきゃ、戦わなきゃ、守らなきゃ、でも―――
「あ、ああ……うわ、あ……あああ……」
声帯が、壊れた機械のように言うことを聞かなくて。
「あああああああああああああああああああっ……!」

約束、したのに。
共に協力し合おうって、約束したのに―――
私、は―――


というケロロ死亡プロットもあったりした。
で、犯人というか殺害者はズーマ。銃で。
なのはもろとも打てなかったのは、まだ射撃の腕が完璧でないから。
しかし銃はホテルのところに忘れられてるのを思い出したので、没。
なのはさんでもさすがに目の前で2人も死んだらさすがに心折れるかもなと思って。
それが絶対に守ると誓った相手ならなおさら。

63 ◆h6KpN01cDg:2008/12/29(月) 01:41:46 ID:L7g3hoig
すみません、ageるつもりはなかったんだ……!

64もふもふーな名無しさん:2008/12/29(月) 09:17:06 ID:eqH2KrWM
お二人ともネタ投下乙です!

>>57
なんというアッー!www
もしこの展開だったら一気に話がギャグになってたwww

>>62
あの時、銃がホテルに置き忘れられていなかったらケロロも死んでたのか…
何が人の運命を変えるか判らんな…と思いました!

65もふもふーな名無しさん:2008/12/29(月) 12:36:29 ID:TvyYJZcI
>>57
ふと脳裏に「古泉フラッシュ!」という言葉が浮かんだ

66もふもふーな名無しさん:2008/12/29(月) 12:40:11 ID:uSOaRYVo
どこの富竹だw

67もふもふーな名無しさん:2008/12/29(月) 13:37:43 ID:LIyJzhHQ
ていうかもう二人に死亡プロットたてられたケロロカワイソスwwwwww
このまま恐るべき書き手から逃げ続けることが出来るのか!?

68もふもふーな名無しさん:2008/12/29(月) 14:03:12 ID:n9dSbqnI
プロットの段階だからまだいいよ。
奴にはタママ暴走のフラグも残ってるからなぁ…
なのは暴走フラグ要員のヴィヴィオ同様の怖さがある…

69もふもふーな名無しさん:2008/12/29(月) 20:40:00 ID:.ONDy3CI
没ネタ投下乙!
確かにケロロが死んだらタママ暴走しそうだな
なのはさんに隠れて目立たなかったが実力もあるし

70元ネタ・前スレ>>20辺り:2008/12/31(水) 01:45:31 ID:5in.nqJA
やあ、何故か一匹だけ主催者側でお馴染、実況中トトロだよ。
僕が何故あの二人に従っているのか、皆も知りたがっていると思う。
でも、それを今僕が口に出すことは絶対にできない。
だって今この話を書いてる作者にもわからないから。
それはさておき、今日はロリ祭りということで、ロリに纏わるとある事件を実況したいと思う。
今の内に言っておくけど、無論この話はロワ本編とは何の関係も無い。
ただ、ロリ祭りって言葉の響きに魅了された作者が暴走した結果、こんな話ができちゃっただけ。


だから――ごめんなさい、怒らないでください。





さあ、ロリ祭りを始めよう。

71もふもふーな名無しさん:2008/12/31(水) 01:46:03 ID:5in.nqJA
ニ〇〇八年 九月上旬 。

この頃、僕達はロワを予定通りに開始するために、来る日も来る日もその準備に追われていた。
その日の僕の仕事は、参加者に渡す支給品のチェック。
さすがに五十名近くの参加者の支給品を一つ一つ点検するのは骨が折れたけど、それでもやるしかなかった。

「……お茶」

作業を始めてしばらく経った頃、お茶とお菓子を持って長門がやってきた。
昨晩も遅くまで漫画を描いていたというのに、全く疲れているようには見えない。
体を抱えられ、彼女の膝の上に乗せられて、一緒に休憩する。

「……美味しい?」

頷いたら、お饅頭を一つ余分にくれた。今日は妙に気前がいい。
しばらくそうして和んでいたら、ふと彼女への質問を思い出した。
作業途中の支給品の山から、一丁の銃を持ってきて、長門に見せる。

「これは……『夢成長促進銃』」

夢成長促進銃には、撃った相手を若返らせる効果があるらしい。
僕一人しかいないので試すにも試せず、二人のどちらかが来るまで放置しておいたのだ。
その事を、何とか彼女に伝える。

「そう。なら、私を撃っていい。私の肉体年齢が下がったら成功」

え?人間じゃなくても若返ったりするの?

「そのように設定を変更した。問題は無い」

うーん……じゃあ、えいっ!
夢成長促進銃から、長門に向かって光線が放たれる。
そして光線を全身に浴びた長門の体が少しずつ変化していき――

72もふもふーな名無しさん:2008/12/31(水) 01:47:12 ID:5in.nqJA

「もんだいない。じっけんはせいこうした」

数秒後、元々小柄だった長門の体躯は、小さな子供並のそれへと、姿を変えていた。

「…………」

にも関わらず、彼女はさして動揺した様子も無く、興味深そうにきょろきょろと周囲を見渡している。
体を動かすとその肩にひっかかっているだぶだぶになった制服が落ちそうになるが、
その度に絶妙なバランスで彼女は落下を防いでいる。
しばらく彼女はそうしていたが、

「……それじゃ、わたしはじぶんのしごとにもどる。なにかあったらよんで」

と言って、突然部屋から出ていこうとする。
いやいや、銃の効果を解かなくていいの?

「…………」

僕の質問に、何故か長門は答えない。これはひょっとして……
もしかして、その姿気に入った?

「……ゆにーきゅ」

それだけ言って、彼女は走って部屋を立ち去ろうとし――だぶだぶの制服に足をとられて、盛大にこけた。

「………………」

長門からの、視線が痛い。

とりあえず、見なかったことにした。





                            完





この話はフィクションであり、実際のkskロワ・長門有希・中トトロとは関係がございません。

73もふもふーな名無しさん:2008/12/31(水) 06:36:55 ID:sW1rRr7c
ロリ長門可愛すぎるww
とても主催者とは思えんw

74もふもふーな名無しさん:2008/12/31(水) 07:38:58 ID:jvIbEY.U
ロリ長門可愛すぎるww

75もふもふーな名無しさん:2008/12/31(水) 08:10:56 ID:B.VGfqaQ
かわえええええwwwww
GJです!

76もふもふーな名無しさん:2008/12/31(水) 11:50:32 ID:L7g3hoig
ちょww長門ww
おちゃめすぎるwGJ!

77コテージ編没ネタ『ガール・ミーツ・ガール』 ◆5xPP7aGpCE:2009/01/07(水) 23:08:20 ID:BWzY8uBA


一言で言うなら光だな。
電話の相手がすぐ来ないだろうって思った俺は部屋のパソコンを弄っていた。
途中思い出したんだ、ガイバーショウから奪った荷物にSDカードが入っていた筈だ。
そして適当なファイルをクリックした途端、画面が猛烈に輝きだしたって訳だ。

―――俺は一体どうなっちまうんだ?



       ※       ※       ※



『スバル、反応は変わらず動きません』
「わかった、じゃあ一気に突入するね」

あたしは電話が掛かってきたコテージの前に居る。
ここに来た時レイジングハートは生命反応を検知した、確かに誰かが中に居る。

しかしこちらの電話には無反応だった、受話器は取り上げられなかった。
無視されたにしても奇妙に思えた、その生命反応はまるで石の様に動かなかったのだから。
集音機、赤外線センサーも使って慎重に様子を探っても何も解らない。

―――ひょっとして、意識を失っているの?

罠かもしれない、でもその可能性に気付いた以上はどうしても確かめたかった。
トラップが無い事は確認した、そしてあたしは突入してその子を見つけた。

78コテージ編没ネタ『ガール・ミーツ・ガール』 ◆5xPP7aGpCE:2009/01/07(水) 23:09:05 ID:BWzY8uBA

「……これって女の子だよね」

セーラー服の女の子が床に倒れていた。
あたしは素早くその子を診察する、救命方法については勉強していたから。
幸い何処にも外傷は見当たらなかった、でも……酷く疲れているみたい。

あたしはベッドにその子を寝かせて起きるのを待った。
レイジングハートは危険人物かもしれないって警告してくれるけど、見たところごく普通の女の子。
確認できるまで拘束する気にはなれなかった。

この島に来てから辛い体験をしたのか、女の子は時々うなされていた。
額の汗をあたしはハンカチで拭いてあげる。

年はあたしと同じくらい、ショートカットのあたしと違って髪型はかわいいボニーテールだ。
きっと男の子は放っておかないかも。
いけないと思ってもつい胸も比べてしまう、あたしの方が大きいかな?

「わたしは一体……?」

声が聞こえた。
慌てて顔の方を見ると女の子が起きて不安そうに周りを見ている。
それを見てわたしは確信した。

―――この子は絶対に危険人物なんかじゃない

だって、その子の瞳はとても綺麗だったから。



       ※       ※       ※



あれ?
わたしはどうして此処に居るんだろう?
ううん、それよりももっと大事な事がある。

79コテージ編没ネタ『ガール・ミーツ・ガール』 ◆5xPP7aGpCE:2009/01/07(水) 23:10:27 ID:BWzY8uBA

―――わたしは一体誰なんだろう?

周りを見る。
知らない部屋、そして知らない女の人。
どうしてか解らないけど身体が酷く疲れている。
無理に起きようとしたらその人に止められた。

「あなたの名前は?」

わたしの名前―――キ……ョン?
ぼんやりとした記憶、霧の向こうからそんな言葉が聞こえる。
そう呼ばれていた気がする。
でもわたしは女の子だ、そんな名前はどう考えてもおかしい。

「わたしは……キョン、子です」

他に名前が浮かばす正直に答える。
子って付ければ女の子らしい名前になるかもって思ったけど、口にした瞬間恥ずかしくなった。
でもその人は笑わないでいてくれた。

「キョン子さんか。あたしはスバル、スバル・ナカジマ」

それがその人の名前、笑顔がとてもきれいな人だった。
不思議、この人を見ていると不安が消えるみたい。

「スバルさん……」
「スバルでいいよ、みんなそう呼ぶから」

恐らくこの人と会うのは初めて、いきなり呼び捨てなんでいいのかな?

「……スバル、じゃあわたしの事もキョン子と呼んでいいよ」
「解ったわ、よろしくねキョン子」

手が差し出される、これでフェアって事になるかな?
お互いの名前は解った、でもわたしはもっといろいろ知りたい事がある。
スバルもそれは同じみたいで次の瞬間同時に声を出していた。

80コテージ編没ネタ『ガール・ミーツ・ガール』 ◆5xPP7aGpCE:2009/01/07(水) 23:11:37 ID:BWzY8uBA

「つまり、キョン子は今までの事を何も覚えてないの?」
「……はい。この島でそんな事が行われているなんて全然知らなかった」

心配してくれるスバルに対しわたしは申し訳ない気分だった。
『電話をした若い男』や部屋に有った複数のティバックについて何も答えられなかったのだから。
そして最後の一人になるまで殺し合い、そんな恐ろしい事態が起きているなんて。
思わず身体を抱きしめてしまった。

「どう思う? レイジングハート」
『嘘は言っていないようですが、物的証拠が有る限り疑いを解く訳にはいきません』

スバルが喋る杖と話してる。
インテリジェントデバイスって紹介されたけどロボットみたいなものかな?
名前が長いのでレイハさんって呼ぶ事にしよう。

『では名簿で心当たりの有る名前はありますか?』

わたしには知り合いの記憶も無かった。
でも名簿を見たら思い出すかもって紙を渡される。
キョンって載っているのがわたしかな、やっぱり女らしくなくて恥ずかしかった。

トトロ、ケロロ、リナ、ゲンキという名前を見ても文字の羅列としか写らない。
そんなわたしの目が一つの名前の上で突然止まる。

『涼宮ハルヒ』

初めて見る名前の筈、なのにどうして―――こんなにも悲しくなるんだろう?
胸が苦しい、悲しくて苦しくてどうしようもなくなってくる。

「どうして……涙が出るの?」

名簿が濡れる。
何時の間にかわたしは泣いていた。
名前を見ただけでこんな気持ちになるなんて、この人とわたしはどんな関係だったんだろう?
考えても答えは出なかった、ただただ悲しかった。
その時、突然スバルがわたしの事を抱きしめてくれた。

81コテージ編没ネタ『ガール・ミーツ・ガール』 ◆5xPP7aGpCE:2009/01/07(水) 23:12:26 ID:BWzY8uBA

「それがキョン子の大切な人なんだね。もう……その人はこの世に居ないんだ」

また涙が溢れた、そしてスバルはもっと強く抱きしめてくれた。
スバルは暖かかった、わたしはその腕の中で思い切り泣いた。

切ない、辛い。
でも、スバルの温もりが不思議と心を満たしてくれる。
抱きしめられる事がこんなにも励みになるなんて。

どれ程涙を流しただろう。
気が付いたら―――わたしは泣くのを止めていた。



       ※       ※       ※



「もう、大丈夫?」

キョン子が泣き止んでくれた事に気付いてあたしは聞いた。
涼宮ハルヒはキョン子にとってかけがえの無い人だったみたい。
その大切な人を失って、他にもいろいろ辛い事があってついに倒れてしまったの?

「不思議なんです……こんなに悲しい原因がどうしても思い出せないなんて」

キョン子の声はとても辛そうだった。
あたしは辛い記憶を思い出させる訳にはいかないと思った。

「無理して思い出さなくてもいいよ、きっとあなたの心には休む時間が必要なんだよ」

力一杯抱きしめる。
細くて柔らかい身体、あたしが島で初めて会った要救助者。
必ず守ってみせる、これ以上辛い目に遭わせたくないと誓う。

82コテージ編没ネタ『ガール・ミーツ・ガール』 ◆5xPP7aGpCE:2009/01/07(水) 23:13:13 ID:BWzY8uBA

やがてキョン子は離れてくれた。
たくさん泣いてその瞼は腫れていた。



       ※       ※       ※



「落ち着いてくれた? はいコーヒー」

スバルがカップを手渡してくれる。
年はわたしと同じくらいなのにお世話になりっぱなしだ。
わたしもスバルの為に何かしてあげたいかも。







―――18時……採掘、場?

地図を見せられてぼんやりとそんな記憶が浮かんでくる。
知らない約束、一体誰としたんだろう?

「そこで誰かと会う約束をしたの? あたしも一緒に行ってあげるよ!」

スバル、ありがとう。
正直、わたし一人じゃ怖くて行かなかったかもしれないから。
もしわたしを知っている人だったら一杯聞いてみたい事がある。
前のわたしってどんなだったんだろう?

83コテージ編没ネタ『ガール・ミーツ・ガール』 ◆5xPP7aGpCE:2009/01/07(水) 23:13:49 ID:BWzY8uBA

「この『キョンの妹』って人に会えればキョン子の事が解るんじゃないかとあたしは思うよ」
「そうだね、わたしの妹なら当然知ってる筈だよね。妹か……会ってみたいな」

わたしは妹が居ると聞いて早く会いたくなった。
出来たら感動の再開って事になるのかな?

「あたしも手伝う、あたしには姉が居るから会いたいって気持ちは良く解るんだよ」

スバルはわたしの手を握ってそう言ってくれた。
本当にありがとう、見ず知らずのわたしなんかの為に。

「何を言っているの? あたし達はもう友達だよ?」
「友達……? そうか、わたしとスバルはもう友達なんだね!」

あたしもスバルの手を握り返す。
他に友達が居たかもしれないけど今はスバルが最初の友達。
あたしには何の力も無いけど心からスバルの役に立ちたいって思う。

84コテージ編没ネタ『ガール・ミーツ・ガール』 ◆5xPP7aGpCE:2009/01/07(水) 23:14:22 ID:BWzY8uBA


わたしとスバルはコテージを出た。
目指すのは東、スバルの探し人がモール方面だろうって事ととわたしの約束の場所の為。
体力は大丈夫かなって心配だったけど無用だった。

だってスバルがわたしを抱えてくれたから。
女の子なら誰でも憧れる『お姫様抱っこ』をされてわたしはスバルの腕の中に居る。
……お、重くないかな?

「キョン子っ! 今からあたしの力を見せるよっ!」

突然空に向かって光の道が伸びた。
そしてわたしとスバルはどんどん空中へ駆け上がってゆく。
……魔法なんて嘘みたい。

でも嘘じゃない、見渡すと素晴らしい光景が広がっていた。
遠くに海が見える、下には小さくなったコテージの屋根。
わたしは空に居た。
不思議とスバルの腕で支えられているとちっとも怖いと感じなかった。

「スバル、ひょっとしてわたしを元気付ける為にしてくれた?」

正解だったみたい、スバルがわたしに笑ってくれた。
空中を走れたのは街道に出るまでの短い時間、でもわたしにとっては一生記憶に残ると思う。
心が何時の間にか羽みたいに軽くなっている、ありがとうスバル!

85コテージ編没ネタ『ガール・ミーツ・ガール』 ◆5xPP7aGpCE:2009/01/07(水) 23:19:15 ID:BWzY8uBA

そのままスバルに抱っこされてわたしは街道を東に進む。
スバルは本当に凄い、息一つ乱さない。
わたしは勇気を振り絞って口を開いた。

「ねえ、スバル……」
「何、キョン子?」

前を向いたままスバルが聞いてくる。
これでいい、顔を合わせているときっと言葉は出てくれない。
そして―――顔が赤くなっているのを見られてしまうから。

「わたし、スバルに会えて本当に良かった」

心からそう思う。
この島には危ない人がいっぱい居るらしい、スバルの様な頼りになる人がわたしを見つけてくれたのは本当に幸運だった。

「あたしも、キョン子と友達になれて本当に良かったよ!」

スバルがわたしの目を見てそう笑った。
あまりに突然でかあっと顔が真っ赤になってしまう。
本当はもう一つ言いたかった事があった。

また、腕の中で泣いてもいい? って。

さすがに恥ずかしすぎて聞けなかった。
実際は堪らず飛び込んじゃうんだろうけど。

スバルと一緒ならきっと辛い過去にも立ち向かえる。
スバルを見ていると逃げる訳には行かないと思わされる。
頼り過ぎてる気もするけどその借りは絶対に返すつもり。

出来れば、全てが終わった後もスバルとは親友を続けたい。
そう思うと絶対死ぬ訳にはいかない。
……何だか、生きる気力が湧いてきた気がする。

これもスバルのおかげって事かな?

86 ◆5xPP7aGpCE:2009/01/08(木) 00:21:51 ID:BWzY8uBA

以上、古泉女体化待望論を見てキョン子が出たらと少し想像してみたプロット。

87家族計画〜将軍一家パロ〜:2009/01/08(木) 11:07:33 ID:L7g3hoig
※キャラ崩壊上等
※将軍がなんかひどい。カリスマ性……?状態
※話がgdgd

それでも許せる方だけご覧ください。






「父さんっ!」
閑静な住宅街の中の、ひときわ大きく、それでいてどことなく人を圧倒する雰囲気を持つ一軒家。
周りからは『仲良し一家』と呼ばれているそこで、今親子喧嘩が巻き起ころうとしていた。
「……なんだ、一樹」
「……」
リビングで『特集!素晴らしき将軍様!』というタイトルのテレビを見ながらくつろいでいるのは、仮面をかぶった謎の男。
顔こそ見えないが、彼と少しでも関わった人物ならそのカリスマ性に気がつけるであろう。
口調は無骨と言えるが、その声にはどこか労わりも感じられる。
対して、肩を怒らせてリビングに入ってきたのは、10代とおぼしき学生服を着た少年。
雑誌のモデルをつとめていてもおかしくない端正な顔立ちではあるが、今は父親に対して憤りを隠し切れていない様子であった。
仮面の男の名前は、悪魔将軍。
学生服の少年の名前は、古泉一樹と言った。
「……何を怒っているのだ一樹。誰かにいじめられでもしたか?ふん、それなら私がお前を鍛えて―――」
「違う!……父さん……僕……『俺』のクラスメイトになんで、あんな……」
そして古泉は言葉を濁す。まるで思い出したく
ない、とでも言いたげだ。
「……一樹、もしかしてそれは朝比奈みくるのことか?」
「………………」
古泉が沈黙する。どうやら肯定のようだった。
「……俺は父さんに余計なことをするなと言ったはずです!」
普段は穏やかであろう古泉が声を荒げる。その顔は熱にでもうなされたかのようで。
「……余計、とな?」

88家族計画〜将軍一家パロ〜:2009/01/08(木) 11:08:10 ID:L7g3hoig

話は、数時間前に遡る。
古泉のクラスで、球技大会が行われたのだ。
そもそも、まず古泉はそのチーム分けに納得がいかなかった。
委員長で自分たちの中心たる涼宮ハルヒが、へたれでパシリのくせに力だけはあるkyonにいじめられて怪我をし、入院してしまっていたのだ。
彼女を慕っていた古泉はkyonをぼこぼこに打ち負かしたいと思った。それ故知り合いが同じチームで会ってほしいと思ったのだが、なぜか朝倉涼子は謎の理由で欠席、長門有希は審判だった。幸い、朝比奈みくるが同じチームになったので、少しは救われたのだが。
そしていよいよ本番当日となり、古泉はkyonを倒そうとはりきっていたのだったが……
ここで問題が発生した。
何と、父たる悪魔将軍が自分の姿を見に来るなどと言い出したのだ。
おまけに、やや出来が悪く直情的な妹も連れて、だ。
さすがに高校生にもなって見学に来られるのは複雑な気分であるし、父のことだ、どうせ口出しをするに決まっている。
古泉は丁重に断ったのだが、これもお前のためだ、とか、強くなりたいのだろう、とか言われ続け、最終的に折れてしまった。
一応余計な口出しはするな、これは自分たちのことなんだ、と条件をつけはしたのだが。
これが、全ての始まりだったのだ。

そして、球技大会―――バレーは始まった。
Kyonはクラスの悪の代表であるナーガに盾にされていた。ざまあみろだが、これは別にいい。
何故長門が監視しているのか気になったが、まあいい。おそらく担任の草壁タツオと話し合ったのだろう。……二人の関係性が気になるところではあるが。
朝倉涼子の欠席の理由は不明だが、『ヨーグルトが……』とか何とか呟いていたらしい。さほど気に留めることではない。
涼宮ハルヒのことは気になるが、全ては試合が終わってからだ。
そして当の古泉は、派手ではなかったものの着実に点を稼いでいた。
元より普通の人間よりは腕に自信があるのだ、無理もないだろう。
相手チームには謝って逃げ惑うだけの碇シンジのようなクラスメイトがいたため、古泉のチームは優勢のまま進んでいたのだ。
しかし、問題はみくるだった。
せっかく古泉や他の仲間が点数をあげても、みくるがミスを連発し相手に点が入ってしまう。おまけに何があったのか、みくるはシンジに異様に気を使い、彼に当たらないように配慮していた。
そのため点差も徐々に縮まり、ついに逆転されてしまった。
同じ部活の友人である古泉は、彼女は運動は得意ではないことはよく知っていた。だからそれを責めもしなければ、文句も言いはしなかった。
もちろん古泉だけではない、同じチームの仲間もみくるに冷たい態度を取りはしなかった。
しかし―――

89家族計画〜将軍一家パロ〜:2009/01/08(木) 11:08:42 ID:L7g3hoig
「……一樹、ちょっと来い」
いったん休憩を取ろう、川口夏子がそう提案し、古泉が汗を拭っていると、そこに父親の声がかかったのである。
「……何でしょう、父さん」
敬語で話し、やや距離をおいてはいるが、古泉は悪魔将軍を嫌っているというわけではなかった。
息子だてらに、父の偉大さ、カリスマ性は身にしみて理解している―――それ故に、自然とかしこまらざるをえないのだ。
「おい、一樹。お前早くkyonをぼこぼこにしろよ!あたしあいつ嫌いなんだよ!」
「静かにしていろノーヴェ。……一樹、お前は何をしている」
「?」
父親の言葉に首をかしげる。
「バレー、ですが」
「何だよ静かにしてろって!こいつには話しかけるくせに!」
「そんなことを聞いているのではないことは分かるだろう?おまえは、勝つ気があるのか、そう聞いているのだ」
父親の二度の問い。娘の意見を華麗にスル―して。
勝ちたいか、と言われれば勝ちたい。それは当然だ。
こう見えても古泉は中身は熱いのだ。
しかし、それを何故父親に問い詰められるのだろうか?
「……はい」
「それなら、あの女を補欠に回した方がいい。お前の足を引っ張っているだろう」
誰のことか、はすぐに分かった。
当然、みくるだろう。
「……いえ、しかし、彼女は彼女なりに頑張っているようですし……」
「おい無視すんなよ!くっそ、こうなったのも全部ゼクトールのせいだ!」
「甘いな、一樹。お前はまだ強くなれる。強くなるためには、邪魔なものは薙ぎ払った方がいい」
そんな時代錯誤な、という突っ込みはこの男には通用しない。
なんせ息子である古泉自身、父親の名前の『悪魔』は伊達ではない、と信じているのだから。
「……それは朝比奈さんに失礼です」
「だが、お前だってあの女が勝利を妨害していることは認めているはずだ」
言葉に詰まる。
それはその通りではあるのだが―――だが、彼女は自分の仲間なのだ。
「おい親父、いい加減に私の話を―――」
「……ふん、情けない奴め。私が話してやろう」
そう言うなり悪魔将軍は立ち上がり、すたすたとグラウンドに向かって歩いて行く。
もちろん、娘はスルーで。
「ちょ、と、父さん!?」
珍しく慌てふためく古泉を尻目に、悪魔将軍はすっかり落ち込んだ調子のみくるの元へと歩み寄る。
「……お前が一樹の友達とやらだな?」
「ふ、ふ、ふえ?な、何ですかああ?」
「ちょっと、父さん……」
古泉が父親を止める前に、悪魔将軍はみくるに向かって何かを口にした。
位置的に、内容は聞き取れない。故に彼が何を彼女に言ったのかは分からない。
ただ一つ確かなのは―――
父親の言葉を聞いたみくるが、途端泣き出したということだった。
「あ、朝比奈さん!?……父さん!?」
「一樹よ、お前は私の息子だろう?それならば自分の力で勝利を勝ち取るのだ。他の誰でもない、お前は私のもの(=息子)なのだからな!」
むちゃくちゃだ、そう思うが、古泉は何よりもみくるをなだめなければいけなかった。

90家族計画〜将軍一家パロ〜:2009/01/08(木) 11:09:28 ID:L7g3hoig
そして、時は戻る。
これらの理由で、今ここに父親と息子の険悪な雰囲気ができているのだ。
「……何故貴方が出てくるんです?お陰で俺はクラスメイトから白い目で見られるわ、朝比奈さんに怯えられるわ、kyon君に『危険人物』とか根も葉もないうわさを流されるわで大変な目に遭ったんですよ?」
それらの理由は決して嘘ではない。
しかし本音を言うと、恥ずかしい。ぶっちゃけものすごく恥ずかしい。
高校生にもなって父親に意見してもらうなんて、学校で『謎めいた雰囲気の美形転校生』で通っている、はずの古泉的には耐えようもない屈辱だった。
それに、誰よりも倒したいと願う存在である父に情けないと言われたことも。
「お前がふがいないからだろう。私は、お前にも私のように偉大で全てを超越した悪になってほしいのだ。理解はできるな?」
「俺は貴方の息子ですが、貴方そのものではありません。勝手に俺の人生を決めないでください!」
古泉の強い口調に、将軍は黙り込む。
しかしその雰囲気に怒りは感じ取れず、むしろものわかりの悪い子供をなだめるかのような声色でさえあった。
「……」
「……」
「ただいまー……っておい、何やってんだよお前ら……」
空気を読まずリビングに上がってきたノーヴェが、明らかに機嫌の悪い古泉を見て異変に気づき、わずかにうろたえる。
「おいおい、何喧嘩してんだよ、お前ら―――」
「お前は黙っていてくれ、気が散る」
「ええ、ノーヴェは口を出さないでください」
父親と兄にぶった切られるノーヴェ。
「……なんなんだよっ、もう!どいつもこいつも……ゼクトールもあたしの体(=ガイバー)目当てだし!家族は扱い酷いし!ああもうむかつくな!」
ノーヴェはトイレのドアを蹴り飛ばして二階に昇っていく。が、二人とも突っ込みはしない。
何といっても悪魔と超能力者と戦闘機人の一家である、家の多少の破損など気にしてはいられない。
前に古泉とノーヴェの兄妹喧嘩(というか、一方的に機嫌を悪くしたノーヴェが古泉に喧嘩をふっかけただけなのだが)が起こった時には家が半壊したことであるし。

「……もう俺はあなたとは口をききませんからね」
古泉の冷たい声。
彼は本気で怒ると一人称が僕から俺に変化するようだ。
「結構だ。……しかし忘れるな、一樹。いずれ私の力が必要になる時が来るだろう。いつまでその反抗的な態度が保てるかな?」
「……失礼します」
振り返りもせず、古泉はノーヴェと同じように2階へと進んでいく。
自室に入り、普段穏やかな彼の態度からは考えられないような乱雑さで鞄をベッドに放り投げ、呟く。
「……畜生っ……あのクソ親父……!」


「あれが反抗期、という奴か。まああやつも16、難しい年ごろなのだろう。子育てというのは楽ではないな」
テレビに向かって、ぽつりと悪魔将軍は漏らした。
「しかし、私は朝比奈みくるに忠告しただけというのにあんなに怒るなど……あいつの成長に任せるべきだったか?いや、しかしノーヴェみたいに妙な女に騙されても困る……とは言っても、あの男は私個人としては嫌いではないのだが……ふむ」
悪魔超人の代表、悪魔将軍。
しかしその父親としてのスキルは、まだまだ修行中のようである。

91家族計画〜将軍一家パロ〜:2009/01/08(木) 11:10:42 ID:L7g3hoig



「ったく、何なんだあいつら……親父も一樹も!喧嘩ならよそでやれっての!」
自分も以前父親との盛大な喧嘩の挙句ドアを吹っ飛ばしたことを棚にあげ、制服から私服に着替えながら一人文句を言うノーヴェ。
ちなみに古泉は彼女の兄だが、敬意を払う気は微塵もないので、基本的に呼び捨てである。
「親父は過保護すぎるんだよ、もういい年なんだからほっときゃいいのに……一樹も普段は穏やかなくせに何で親父相手だとムキになるんだか……。はああ、もうやってらんねえ。……セインと遊びにでも行くか」
ノーヴェはベッドの上に放り出した携帯電話の画面に目をやる。
そこに映る、メールありの文字。
「……誰だ?」
手に取り、ボタンを押す。そこに表示されていたのは、ノーヴェの一番見たくない名前だった。
「……げっ」
思わず中身も見らずに削除ボタンを押しかけるが、さすがにそれはどうかと思いなおす。
「な、何だよっ……」
ネオ・ゼクトール―――ノーヴェはむかついたので『ネコ』と登録しているが―――からのものだ。
何で今頃メールなんか。ノーヴェは携帯を投げつけたくなる衝動を抑えて、メールを開く。
そこには大した内容は何も書かれておらず、今自分がどこにいるのか、何をしているのか、アプトムとか何とかいう奴が何をしたか、がつらつらと書かれていた。
誰も聞いてもいないのに。
そして最後に添えられた、おまけのような一言。

―――すまなかった。

「……死ね!」
床に携帯を投げ捨てて、顔を怒りで真っ赤にするノーヴェ。
「ふざけんな、謝るくらいだったらあんなことするんじゃねえよ!くそ、受信拒否してやる!」
そしておしとやかさの欠片もなくベッドにどかりと座り込み、寝転がる。
「……ったく、……どうしてこうあたしの知り合いはいつもいつも……」
枕に顔をうずめる。
思い出すのは下で呑気にくつろいでいるだろう父親、そして部屋で一人ごちていそうな兄、そして思い出したくもない男の顔。
「……バカばっかりだ」
しかし、そう呟くノーヴェのは―――わずかに口元を緩ませていて。

こうして、近所でも有名な一家の夜は、更けゆく。

92家族計画〜将軍一家パロ〜:2009/01/08(木) 11:11:51 ID:L7g3hoig




以下おまけ集。















おまけ
「ナーガ様、パン買ってきました!」
「ふん、昨日より早くなったな、褒めてやろう」
「……(畜生!どうして俺がこんな奴のパシリなんだよ!見てろよ、いつかこいつを倒して俺が番長に……強い男にならないと、ハルヒが振り向いてくれないだろう!?)」
「……おい、kyon」
「は、はい、何でしょうか?」
「俺は焼きそばパンが食べたいって言っただろうがああああ!(ガシャアアアアン!)」
「ひいっ!?……え、え、え、でも確かに焼きそばパンって……」
「馬鹿野郎、これはお好み焼きパンだろ?お前は言葉も通じないのか?だからお前には格が足りんと言うのだ!」
「す、すみません!すみません!今すぐ買ってきます!」
「では5分だ。5分以内に戻って来い!」
「はい、今すぐ行って参ります!」


おまけ2
「……ふう……(あの親父め……いつか俺は絶対貴方を超えてみせる……)」
「お、おはよう古泉君」
「あ、朝比奈さん、すみません、昨日は……」
「い、いえ、全然平気です!こちらこそ気を使わせてしまったみたいで……」
「い、いえそんなこと。それより―――」
「古泉君!ちょっときなさい!」
「……あ、あれ涼宮さん?……怪我は大丈夫なんですか?」
「全然平気よ!kyonは私が説教して慰めておいたから大丈夫。……で、そんなことよりも古泉君、ちょっと頼みがあるんだけど」
「……何でしょうか?」
「じゃじゃん!」
「……何ですかその台本は?」
「今度私たちの部活でやる劇の台本よ!で、今回は古泉君を主役にしたから」
「……僕が、ですか?」
「すごいです、古泉君!」
「そうよ、聞いて驚きなさい!タイトルは―――『復讐姫☆一姫』よ」
「…………」
「内容は、悪の大王に仲間を殺された少女が、復讐を誓い戦う、っていう王道ストーリーね。親友の美少女で悪に殺される役がみくるちゃんでいいかしら。一人称は一姫☆でふりふり魔法少女の格好ね。……あ、大丈夫よ、ロリ化する銃ってのがあるらしいから、それ使えばいいわ」
「……」
「どうしたの、古泉君、顔色悪いわよ?」
「……いえ、……あの、一応言っておきますけど、僕は男ですが」
「分かってるわよそんなこと。だからこそ面白いんじゃない。Kyon子と迷ったけど、何となく古泉君の方が適任の気がしてね」
「……いえ、……いくら涼宮さんが」
「さあて、そうときまれば早速練習よー!古泉君がロリもふな雰囲気が出せるまで特訓だからね!」
「……(……俺……どこかの世界で何か悪いことしたんですかね……)」

おあとが悪くてすみません。

93家族計画〜将軍一家パロ〜:2009/01/08(木) 11:13:52 ID:L7g3hoig
悪魔将軍のイメージ=教育熱心すぎてモンペ予備軍、てかモンペ
すまなかった。
少しでもkskの設定を生かそうと思ってキャラの立ち位置を考えたらごらんのありさまだよ!

94もふもふーな名無しさん:2009/01/08(木) 12:33:36 ID:xsASRDq2
投下乙です

教育実習生のフェイトさんを心労でやめさせちゃう将軍様とか想像した

95家族計画〜将軍一家パロ〜:2009/01/08(木) 18:00:04 ID:L7g3hoig
見返して色々足りなかったことに気づいた……
※設定はwikiの用語集準拠。
※学パロっぽくしたくて無理に学園出した。すまん。
※kyonの扱いが悪いのは仕様。作者はkyonのこと大好きです。
※みくるが何を言われたORされたかはまあ妄想してくれ
※どうやらここでのSOS団は演劇部のようです

96もふもふーな名無しさん:2009/01/08(木) 18:17:54 ID:OUtTdVg.
投下乙w
ほんとにネタにする人がいるとは思わなかったぜw
トトロは寡黙だけど優しい古泉の親友ってところかな

97もふもふーな名無しさん:2009/01/08(木) 18:56:50 ID:L5cVJ5xI
投下乙です!
将軍一家みんな可愛いなwww
一姫ネタに、出たばっかりのパシりネタまで揃ってて学園ネタも面白かったです!!

98もふもふーな名無しさん:2009/01/08(木) 19:35:05 ID:Rdrr2e.c
投下乙wwwwwくっそwwwww
まさか思いつきで言った「将軍がパパみたい」がここまで発展するとは…
本編パロネタ盛りだくさんで面白すぐるw
というか、普通にソファでTV見てる将軍様想像して盛大に吹いたww

99もふもふーな名無しさん:2009/01/08(木) 21:07:34 ID:lYG2UCWg
お二方乙です!!!

とりあえず、キョン子普通に可愛いじゃないか!
本編よりこっちの方がよか(ry
スバルがナイト様してるし…続き期待してますぜ
 
 
そして将軍一家www
一姫やら空気ノーヴェやら将軍パパやら…まさかこんなほのぼのするとはw

100もふもふーな名無しさん:2009/01/08(木) 21:12:19 ID:OBLs.68s
投下乙&GJですwww本スレに忠実なパロだw
口出しする親とか、悪魔将軍がやると和みまくるww
友達の父親に注意されて泣き出すみくるって可愛い!
キョンの扱いはもはや仕様だなwっていうか、
モンファのモンスターって平均寿命4年とかって凄く短いから(アニメじゃ分からんが)、
ナーガ様の実年齢<キョンの実年齢 → 年下にパシられるキョンって可愛くね?
みたいな意味不明な考えに至ってキョンの情けなさが格段にアップしたwwwもちろんキョンは大好きだw
古泉とノーヴェの兄妹喧嘩見てみたいwこの2人が兄妹ってなんかむしろ和むなぁ。
演劇部のSOS団が全然違和感無い件w

101もふもふーな名無しさん:2009/01/08(木) 21:29:22 ID:jvIbEY.U
キョン子もノーヴェも可愛いなもう!

102もふもふーな名無しさん:2009/01/08(木) 23:15:46 ID:9onXmTvw
今更ながら投下乙

この話の設定だとゼクトールはノーヴェに何したんだろうw

103もふもふーな名無しさん:2009/01/08(木) 23:21:40 ID:L7g3hoig
>>102
アプトムを探すことが大切だからってノーヴェを捨てたんじゃないか?
と妄想した。

104もふもふーな名無しさん:2009/01/08(木) 23:36:02 ID:RWAWJg2U
>こうなったのも全部ゼクトールのせいだ!
なんだかんだでカブトムシが忘れられないノーヴェが可愛いw

105もふもふーな名無しさん:2009/01/08(木) 23:45:24 ID:lYG2UCWg
ネコって登録してるあたり、嫌いになりきれてないなw

106もふもふーな名無しさん:2009/01/08(木) 23:50:24 ID:L7g3hoig
ツンデレですね、分かります

107もふもふーな名無しさん:2009/01/08(木) 23:51:46 ID:94n59aek
将軍一家GJ面白かったw 皆可愛いぞw
将軍に気に入られた(この設定の場合息子だが)のが運の尽きだな古泉w
本スレが殺伐な分、こういうのも良いなwもっとやれwww

108 ◆h6KpN01cDg:2009/02/09(月) 02:16:29 ID:L7g3hoig
すばらしい新人氏に完敗した没プロット。

登場人物=姫、砂ぼ、シンジ

悪魔将軍に従う気が起きず、気づけば西に進む古泉。モールのことは気になりつつも、将軍への怒りからか戻るに戻れない。

そこに砂ぼうずが歩いているのを目撃。彼を見張る。

一方砂ぼうずは、フェイトの首輪をとったあと鮮やかな色のキノコを食し、腹痛に苦しんでいた。

ようやくすっきりして学校へと向かおうとする砂ぼうず、そこで誰かの視線をとらえる。

それは古泉のもの。砂ぼうずは古泉に殺意がないことを確認し、探し人の名前を出す

ノーヴェの名に反応し、ノーヴェの行き先を教える古泉。しかし、悪魔将軍のことは口にせずに。

喜ぶ砂ぼうず、そしてどうせなら支給品の交換でもしようとセインのディパックから何かを取り出す

砂ぼうずには価値の分からないそれは、古泉の世界にある携帯電話だった。

情報を得られるかもしれない、そう思った古泉は砂ぼうずの持ち物である煙玉セットと交渉する

交渉は成立、自分の道具の一つが返ってきてやや喜ぶ砂ぼうず。情報交換だけして、分かれる

砂ぼうず、古泉が何かを隠しているのを見越した上で、ノーヴェのところに行くかどうか考えさせて、幕

一方古泉は、携帯電話からインターネットにアクセスできることに気づき、ページを開く

以下今回の投下内容

モールに戻る決意をし、キョンへの怒りを抱えたまま立ち去って幕

そしてそのころシンジ。シンジは、二人が支給品をトレードするところを見ていた。

煙玉はもともと自分の持ち物だった、そして今はみくるか夏子がもっているはず、なぜあの化け物が持っているのかと考えたシンジは、ある解答に行きつく。

それは、あの男が二人を殺して奪ったのだろうということだった。

怯え、みくると夏子が死んだと思い込むシンジ。そして、彼は絶望の淵に落ちていく―――で幕

でした。初期プロットは。
やや不自然な気がしていたのです……

109もふもふーな名無しさん:2009/02/09(月) 14:08:53 ID:lYG2UCWg
おぉ…こっちも面白そうだ
ただ、腹痛→すっきりの間に何があったのか激しく気になるwww

110もふもふーな名無しさん:2009/02/09(月) 22:28:52 ID:Q/Y21jjs
こっちも負けず劣らずの砂ぼうずクオリティ発揮かwww
こっちはこっちで古泉の動向が面白い!

111阿修羅姫〜本当に誕生しちゃったVER.〜 ◆h6KpN01cDg:2009/02/15(日) 21:35:06 ID:L7g3hoig
※絵版を見てみなぎって描いた。後悔はしているが反省はしていない。
※……いや、ほんと、すみません。
※これは他の書き手氏、もとい自作品「阿修羅姫」とは全く関係ありません。









「パソコン、ですか?」
ケースの中に入っていたため初めは何か分からなかったが、それはノート型のコンピュータだった。
ここはサービスカウンターなのだ、パソコンがあっても不思議ではない。
殺し合いの会場にもパソコンが置いてあるという事実に古泉はやや驚いたが、そんなことを気に留めるまでもない。
取り出して、デスクの上に置く。……見たところまだ綺麗で、壊れているところはない。
何となしに電源を押してみると、正常に起動し始めた。
古泉は頭をひねる。
どうして、支給品でもない、まともに動くコンピュータがこの会場にあるのだろう?
配られている訳ではない、これはまるでここに隠すかのように置かれていた。たまたま見つけたのが古泉だっただけで、ここにいたらしい夏子やみくるにも使うチャンスはあったということになる。
『あの』長門が、コンピュータというものがどのようなものか、知らないとは言わせない
「……正常に動くようですね……」
順調に立ち上がるパソコンを、やや困惑気味に見つめる古泉。
現代におけるコンピュータは、ありとあらゆる情報を得るための媒介に等しい。こんな場所で、参加者に情報を渡すような真似をさせるはずがないと踏んでいたのだが。
―――どういうつもりだ?
長門の意図が分からない。
これではまるで、アクセスしてくださいと言わんばかりだ―――
そして、映し出されたデスクトップを見つめていると―――

光が走った。
「……っ!?」
目を開けていられない―――もっともガイバーなので目をつぶる必要はなかったのだが―――まばゆさに、視界が呑まれる。
―――何ですか、これは――――!
古泉がこの状況を判断するよりも早く、光に吸い込まれるように彼の意識は消えて行った。

「…………っ」
そして、古泉の意識は覚醒した。
ぼんやりしたままの頭を振り、顔を上げる。
どうやら自分は、机につっぷしたまま眠っていたようだ。
ここはモール……先ほどまでいた場所と同じだ。
何が起こったというのだろうか?
古泉は先ほどまで使っていたパソコンがそこにあるのを確認し、画面を見る。
―――今のは、何だったのでしょうか?
分からない。ひとつだけ確実なのは、あの光が原因で自分は意識を失い、眠ってしまったということだけだ。
やはり、このノートパソコンは長門の罠だったのだろうか?しかしそれなら、すぐに目覚めてしまうのには違和感がある。これだけのことができるなら、殺してしまうのと大して手間は変わらない気もする。
何にせよ、このパソコンを使ってもいいことはないだろう。
古泉はそう考え、すぐさま電源を切ろうとする。
―――本当は情報を得たかったのですが―――
「……スグルさんから聞き出すしか…………え?」
目の前の気絶している男の顔を見て、小さく漏らした古泉は、そこで言葉を止める。
聞こえてきたのが、自分の知らない、見知らぬ声だったからだ。

112阿修羅姫〜本当に誕生しちゃったVER.〜 ◆h6KpN01cDg:2009/02/15(日) 21:35:49 ID:L7g3hoig
古泉は反射的に振り返る。しかし、誰もいない。
目の前の男は目覚めていない。
支給品の中に、喋るようなものは何もなかった。
それじゃあ―――今の少女の声は何なのだ?

姿のない、気配すらない敵がいるかもしれない。それに古泉の心臓が波打つ。
―――しかし、何で俺と同じ言葉を―――

まさか。
まさか?
いや、そんな馬鹿なことがあるはずがない。
「ありえない」だなどと神の力を持つ涼宮ハルヒの監視者で超能力者たる自分が言うのはてんでおかしいのだが、それでも古泉は思わずにいられない。
冗談だと思いたい。
耳の錯覚か?
「……誰か、いるんですか……?」
そっと声に出す。そして、やはり『それ』は古泉の耳にはっきり聞こえた。

―――う、嘘だろ!?
古泉は常の敬語も忘れて愕然とする。
すごく、ものすごく嫌な予感がしたが、知る恐怖より知らない恐怖の方が大きかったため、そっと下へと視線を向ける。

いつの間にか、古泉の身体からはガイバーの装飾が外れていた。
それまでは構わない。あの光がリムーバーと同じはたらきをしたのだと思えば理解できる。
しかしここからは、古泉の理解の範疇を超えていた。

自分が纏っているのは、通う高校の制服。それまではいい。
ただ問題は―――それが、何故か女子のものだったということだ。
スカートから覗く足はどう見ても男のものではなく、かよわく華奢で女性的なもの。
この時点で卒倒しそうになったが、言いようのない使命感が古泉の心を占めている。
―――やばい、これはちゃんと把握しておかないとやばいっ……!

更にそれに加え、首の下―――そして臍より上―――には、男性には決してありえない膨らみが生じている。
違う、これは断じてスグルのような筋肉とかいうレベルではない。
おそらく、朝比奈みくるに及ぶかどうかは別にしても、涼宮ハルヒと同じ程度のプロポーションであろうと思われる。
「……う、そだろ……?」
そして、口から漏れ出る年頃の女性のものと思われる声。
ディスプレイにわずかに映った、美少女と言って差し支えない少女の顔。

彼―――否、『彼女』は理解した。
自らが復讐鬼どころか、一人の『女子高校生』になってしまったことを。

「……」
固まる。

―――待て。待ってください。落ち着け、落ち着きましょう古泉一樹。クールに、クールにならなければ。これは夢でしょうか?夢、夢かもしれません。さきほどの光が原因でもしこんなことになったとしたら―――いや、しかしこれに何の意味が?ガイバーの存在が厄介だというのならそれを取り去るだけで済むはず。これは長門さんの何らかの目的があってでしょうか?それともただの気まぐれ?それともやっぱり夢なのでしょうか?
なまじ頭が回る分だけ、古泉の思考は回転を続ける。寧ろ、何かを考えていなければ今の状態を受け入れられない、という方が正しいのかもしれないが。

―――も、もしこれに意味があるとしたら、長門さんが何故このようなことを、どうして俺がこんな状況になったのかちゃんと考えないと……というかどうして俺がこんなことに、せっかく復讐者になったと思ったら女ですか、何ですかこれ、長門さん俺に何か個人的な恨みでもあるんですか?
どんどん思考が逸れている気もするが、今の古泉の状況的に無理もないだろう。

113阿修羅姫〜本当に誕生しちゃったVER.〜 ◆h6KpN01cDg:2009/02/15(日) 21:36:45 ID:L7g3hoig

―――とりあえず、これが夢なのか現実なのか確かめなければ―――

古泉はごくりと唾を呑み、そっと自らの双丘に手を伸ばす。
夢ならば、夢であってくれ―――そう信じて。

しかし現実は非情である。
古泉の望み空しく、その手は宙を切ることはなく、古泉の体感したことのない柔らかな感触に突き当たった。
古泉とて元は男、自らの胸を自ら触るというその行為は酷く違和感とショックがあったが、いかんとも表現しがたい感情が湧き上がってくるのもまた事実。
「……ちょ……な……え……?」
どう考えても夢ではありえない。現実だ。
SOS団では絶対に見られないほど動揺する古泉。
この場に砂漠の妖怪がいたならば、彼女は襲われていたかもしれない。性的な意味で。

「……」
沈黙。
モールがしんと静まり返る。
「……はは、ははははは……」
そしてそこに、少女の笑い声が聞こえた。
ついにあまりのできごとが続いて起こり、気が振れてしまったのだろうか?
しかし古泉は、その愛らしい顔に笑みを浮かべ、宣言した。
「……いいでしょう、こうなったら開き直って悪魔将軍と長門さんに復讐してやりますよ、ええ!これなら俺だってこともばれないし、女の姿の方が男性の説得はしやすいですからね!」

→こいずみいつきは ひらきなおりを おぼえた!

自棄だ。もう自棄っぱちだ。
原作でのキャラ設定?何それおいしいの?
自らのアイデンティティを否定されただけで十分懲りたというのに、次は性まで否定されるとは。
こうなったらもう自棄になるしかない。
一応まだ理性はあるのだ。しかしまだなんか精神崩壊した方がましに思えてきた。もうどうにでもなれ。こうなったらとことんまで復讐してやる。
そう、行動理由こそ行き当たりばったりだが、古泉はちゃんと考えている。
そして決める。今度こそ、確実に。
朝比奈みくるを殺した悪魔将軍に。
こんな殺し合いを開き―――自分をこんな姿にした長門有希に復讐してやると。

「ふふ……長門さん……貴方が何を考えてるか知りませんが……貴方は、俺……っと、どうせ女なのですからこれじゃあいまいちですねえ、どうしましょうか!」
テンション高めにそう宣言する古泉。そして思いつく。
この復讐を成し遂げるため、必要なことを。
「そうですねえ、いっそ無害な少女を演出するために名乗りを変えましょう!ええ、そうしますよ!
そして少女らしい―――それでもって愛らしいキャラ作り―――」

古泉は、再び新たな人物を演じようとしている。
しかし、それは涼宮ハルヒのためではなく。
復讐のために選んだ、大真面目な道だった。
大切なことなので二回言うが、本人は大真面目である。

「……そうか、これだ!」

114阿修羅姫〜本当に誕生しちゃったVER.〜 ◆h6KpN01cDg:2009/02/15(日) 21:37:51 ID:L7g3hoig
「……う、ん……え……?」
その時、古泉のたてた音が理由か、スグルがぴくりと反応した。
お世辞にも整っているとは言えない顔をゆがめて、息を漏らす。
古泉はそれを確認して、―――そっとパソコンの電源を落とした。
無言でそれを自らのディパックに入れ、当たり前のようにしまい込む。
そしてスグルに歩み寄る。
「……あれ、ここは……?ぼ、僕はオメガマンと……」
「初めまして、キン肉スグルさん」
古泉は、未だに意識がもうろうとしているらしい青年に声をかける。
そして、笑う。
相手の信頼を得るために、最高のスマイルで。

「俺……一姫はね、一姫って言うの、よろしくね☆」
古泉一樹ではない、愛らしい少女を『演じる』―――それが古泉の考えた、復讐への第一歩であった。

こうして、復讐鬼古泉一樹……改め、復讐姫古泉一姫の反逆が幕を開けたのだった!

                                   〜多分続かない〜

115阿修羅姫〜本当に誕生しちゃったVER.〜 ◆h6KpN01cDg:2009/02/15(日) 21:39:23 ID:L7g3hoig
本当にすまなかった。
まさか自分がこんなネタを書くことになろうとは思わなかった。
ついかっとなってやった。

……そして皆バレンタインおめでとう!

116おまけ ◆h6KpN01cDg:2009/02/15(日) 22:51:58 ID:L7g3hoig
「……」
長門有希は、ひたすらパソコンに向かっている。
そこに、草壁タツオが姿を現した。
「やあ有希君、仕事熱心だね、どうだい、下の様子は?もうそろそろあれが発動したかな?」
草壁の言葉に、長門は答えずひたすら画面に向かい続ける。
しかしうなずいている以上、事情は知っているのだろう。

「……あれ、長門君知ってるよね。あれだよ、あれ。
参加者を女の子に変える特殊装置、その名も『可憐な 少女の 形成装置』、略してksk装置さ!」
長門は答えない。
「何で僕があれを会場に入れたのか知ってるかい?なぜなら、この会場には女の子が少ないじゃないか。
しかも数少ない女の子もどんどん死んでいっちゃってる。だから眼の保養に、いっそのこと男の子を女の子にしちゃえばいいんだよ★って思ってね。
どうだい、いいアイディアだろう」
長門は何も答えず、ひたすらパソコンに向かう。
「まったく、有希君はつれないなあ。まあいいや、とにかく、監視よろしくね」
草壁タツオは上機嫌に鼻歌を歌いながら、その場を立ち去って行った。
そしてその後、長門が「……ユニーク」と呟いたかどうかはまた別の話である。
                   〜完〜

さすがに本編でこれやったらシリアスが台無しってレベルじゃないですよww

117もふもふーな名無しさん:2009/03/10(火) 00:44:02 ID:L7g3hoig
本スレに投下できなかったんでこっちに。

少し内容変えてみた。
勝手に参加者出してすまん。


お前ら、kskバトルロワイアルで誰が優勝するか賭けようぜ!

1:名無しは、一姫が殺すんだからね☆ID:SyusaiNA
おまいらkskロワで誰が優勝するか賭けようぜ!

2:名無しは、一姫が殺すんだからね☆ID:tatuwopa
>>1
僕はトトロかな

3:名無しは、一姫が殺すんだからね☆ ID:chu-toto
>>1

>>2
ねーよwwwww

4:名無しは、一姫が殺すんだからね☆ID:0gogaiba
>>1
俺はkyonで

5:名無しは、一姫が殺すんだからね☆ID:KitihimE
>>4
自演乙

>>3
Kyonよりはあり得ると思うが

6:名無しは、一姫が殺すんだからね☆ID:0gougaiba
>>5
いや、俺はあいつならなんとかしてくれると信じてるぜ

7:名無しは、一姫が殺すんだからね☆ID:KitihimE
>>6
はいはい乙乙

それより名前欄どうにかならないのか?w

8:名無しは、一姫が殺すんだからね☆ID:type0-sub
なのはさんなら皆と協力して脱出してくれるよ

9:名無しは、一姫が殺すんだからね☆ID: SyusaiNA
>>8
>>1嫁。ここは優勝者を考えるスレだから

>>7
諦めろ

10:名無しは、一姫が殺すんだからね☆ID: BOttisyo
ちょwwww
何でこんなことになってるんだwwwwカオスwwww
俺ただkskネットからここに来ただけなのにwww

118もふもふーな名無しさん:2009/03/10(火) 01:48:12 ID:Wz5F7JqQ
名無しww
中トトロ意外と口わりぃw

119もふもふーな名無しさん:2009/03/10(火) 19:19:25 ID:oxEkUWXA
俺も中トトロの口調にビビッたwww
ていうかkyonwwww

120もふもふーな名無しさん:2009/03/30(月) 00:29:48 ID:n9dSbqnI
ヴィヴィオの悲鳴を聞き駆けつけるドロロとリナ。
状況を理解し、ヴィヴィオを慰めるドロロ。

ヴィヴィオはハルヒの時も、朝倉の時も何もできなかった。
それどころか朝倉は自分の手で殺してしまった。

大切な人を守ろうと思っても、自分にはその力がない。
守りたいという意思があっても、力がないとその想いはかなえられない。
だったらもう、願いなんて持たない。大切な人はいらない。自分はひとりでいい。

そう考えても、、まわりの人は自分を心配してくれる。
だけどこのままいたら、この人たちも大切だと思ってしまう。
大切な人は、もういらないのに……!

リナにバルディッシュ(殺傷設定)が振られる。デイバッグに直撃。
ばらまかれる雑多な荷物。
その中のレリックに触れ、ヴィヴィオの聖王の力が覚醒。

暴走する魔力。リナが危険を感じ、竜波斬を放つが、聖王の鎧はその技を受け付けない。
そうする間にも用途不明の魔力の増大。もうすぐ爆発する―――!?

ドロロが暗殺術で気配を感じさせることなくヴィヴィオの首を狩る。
制限により、意識外の攻撃までは防げなくなっていた聖王の鎧は発動せず、転がるヴィヴィオの首。

守るべき子供の首を狩ってしまったドロロ。
仲間の命を助けるためにも正しい選択だったと慰めるリナ。

『貴様、他人を救うより……殺す方が、向いてるんじゃあないか?』
ドロロが思い出すのは、あのギュオーの言葉だった……


没話をみて、こんな感じのプロットを思いついてた。

121もふもふーな名無しさん:2009/03/31(火) 23:36:58 ID:RkhAoCXQ
おおおお投下乙です!
ヴィヴィオの覚醒やリナの竜波斬、ドロロのトドメの一撃と、熱い戦いが繰り広げられそうですね!
ドロロの今後の心境に変化を及ぼしそうなこの話、格好良いです!

122もふもふーな名無しさん:2009/04/16(木) 17:38:27 ID:YrRABrO.
安価で選ばれなかったケロロプロットでの大まかな流れを書いていこうと思います。
 
『ケロパレードマーチ』
 
ゆめが人を苦しめるなら
ゆめが人を救うこともあるはずだ
(ガンパレードオーケストラ 白の章OPモノローグより抜粋)


若返った冬月目覚める。
(冬月プロットと違い、パンツメクレーと子安ボイスが出てくるような夢は見ず、そのまま起きる。
また、こちらでは雰囲気が冬樹に似たショタになる)
ケロロたちを助けにいくために市街地へ。
サツキの死体を見つけて回収。
市街地をくまなく捜している内に、気絶中のケロロとなのはさんを見つける。

ケロロの夢の中。
ケロロは冬樹や加持・サツキが惨殺される場面を見せられる。
(殺した犯人はわからず、殺され方の詳細も違う。つまり妄想)
それだけではなく、タママや冬月・なのはやその他の顔も知らない者たちまで殺されていく悪夢まで見せられる。
そこへ、もう一人の自分『あの頃のケロロ』が現れ、耳打ちする。
「おまえは暴力を使うことに臆病になっている、躊躇っちゃ誰も救えないぜ?
兵士とは壊すため殺すための存在だろ(要約)」
そして、自分には暴力を振るう勇気が足りないのではないか?、と悩みだすケロロ。
「俺と代われ」と誘惑する『あの頃』。
甘さ(=優しさ)を捨て、修羅になる勇気さえあればどんな敵でも倒し、仲間を守っていけると一度は信じたケロロ。
「今日から我輩は、阿修羅すら凌駕する男だ!」

しかし、そこへガルルの幽霊が登場し、修羅になろうとするケロロを叱責する。
「軍曹、それは勇気ではなく蛮勇と呼ぶのだ。
隊長である貴殿が感情に流されてはいけない」
「では我輩はどうすればいいでありますか!
教えてください、中尉殿!」
「軍人たるもの、己を律せよ。
だが、己を見失うな。
隊長たるもの、感情や状況に受動的になってはならない。
どんな事態にも屈する事のない、鋼の心を持て。
ケロン軍人としての誇りをもって、『ゲーム破壊作戦』に望め。
確かに君はまだ未熟な部分もあるが、それすら乗り越えてゲームの破壊を達成できると私は信じている。
だからこんな所でくじけるな」
落ち込むケロロを激励するガルル。
そしてガルルは自信を取り戻したケロロに、頼れる部下になるかもしれない少女(スバル)を託し、互いに敬礼をして消えていく。

123 ◆igHRJuEN0s:2009/04/16(木) 17:39:30 ID:YrRABrO.
トリつけわすれてた・・・・・・
 
「了解であります中尉殿!
宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊長ケロロ軍曹、これより任務を続行するであります!」
「ケロロ小隊に武運と栄光を祈る」

夢から醒めたケロロ。
そこには今は亡き冬樹と同い年であり似た雰囲気を持つ若くなった冬月がいた。
なのはも冬月に起こされる。
その後、冬月にサツキの死体を見せられる。
ケロロは深く悲しみつつも、この現実を受け入れるのだった。
そして、アスカがサツキを殺したかもしれない事実を、二人に明かそうとした時・・・・・・その時、民家の中にネオ・ゼクトール(以下ネオ)が入ってくる。

情報交換の後、女性がなのはと知り、アプトムの情報を知らない事を知ったネオは、ケロロと冬月に襲いかかる。
(悪魔将軍との約束でなのはは殺さないようにするが、他の二人はご褒美のための点稼ぎになるため)

なのはは戦闘形態を取り、応戦するが満身創痍の体では魔法弾一発もろくに撃てず、あっさりと敗北してしまう。
(この女の状態では、悪魔将軍は満足できる戦いはできないだろう。
やっぱり三人とも殺してご褒美を得よう)
欲に走ったネオは、なのはも殺害をしようとする。
大した戦闘力もない三人が集まり、まとめて殺せばアプトムを見つけられる、またとないチャンスだからだ。
捕まえられたなのはと冬月。
苦しむ二人の姿をサツキと冬樹と重ねたケロロは、二人を助けるべく立ち向かうが、簡単に弾かれてしまう。
それでも構わず、ケロロはネオに飛びかかる。

その弾みで、偶然ケロロはネオのディパックの中に入ってしまう。
当然、ディパックから吐き出されるが、同時に支給品を奪うことに成功する。
その支給品こそガルル愛用の狙撃ライフルであった!
(ネオの不明支給品だったもの)
そして、驚くネオの隙をつき、ネオの片眼に向けてビームを発射。
片眼を潰され、ネオが悶えている内に冬月となのはを救出。
三人はネオから逃げようとする。
しかし、ネオはそれを許さず、ビームで逃げる三人を纏めて焼き払おうとする。(普通のビーム)
そこへケロロは、
「優秀な狙撃者であるガルル中尉なら敵の弱点を狙おうとするハズ」
「グゥレイトォ!
狙い撃つぜ!、であります!」
生体ビーム発射口に向けて、ケロロは狙撃する。
命中し、放たれる直前のネオのビームは暴発。
爆発を引き起こした。

124 ◆igHRJuEN0s:2009/04/16(木) 17:40:56 ID:YrRABrO.

戦いは終わった。
なのはは複雑な気分であったが、冬月に「仕方がないことだ」と諭される。
ケロロはようやく、仲間を守ることができたことに己に自信を持つ。
しかし、残骸が少しも残って無いことからゼクトールがまだ生きている事を予想。
この殺しあいが終わらない限り、油断をできる時間や場所はどけにも無いことも悟るのだった。
何より、夢の中をガルルの教えを絶対忘れてはならないとケロロは思った。

一方、片眼とビーム発射機構を潰されたネオは、仕方なくケロロたちから逃げるハメとなった。
本人の見立てでは、片眼はともかくビームは12時間は経たないとまず撃てないとのこと。
ケロロを恨むボロボロのゼクトール。
しかし、彼の逃げこんだ西の方角にはズーマやリナのような強者が。
そして何より、万全ではない状態で、仇であるアプトムと出会ってしまう可能性があるのだった・・・・・・

以上がケロロプロットの大まかな流れです。
いちおう両方とも燃える展開を目指しています。
冬月プロットが静かに燃えあがるような「静」のイメージであるのに対し、ケロロプロットは激しく燃える「動」のつもりでした。
タイトル元ネタはPSゲーム・ガンパレードマーチより。
ちなみに冬月プロットはPS2ゲーム・アーマードコア2 Another Age より

125もふもふーな名無しさん:2009/04/17(金) 16:52:12 ID:rF0u2EUs
おお、そっちも見たかったなあ
ケロロの「狙い撃つぜ、であります」が格好良すぎるw

126もふもふーな名無しさん:2009/04/17(金) 21:12:19 ID:eK9xEQBk
投下乙です!
軍曹の台詞が格好イイ!
タイトルの語呂が良すぎて気に入ってしまったw

127もふもふーな名無しさん:2009/04/17(金) 22:26:09 ID:W3UMuAVA
おお乙です!
『ゲーム破壊作戦』が素晴らしい
軍人とか便利屋とかいるし、なんか合いそうな気がしてくる

128もふもふーな名無しさん:2009/04/17(金) 22:28:09 ID:/kIrpOv.
…あんなとこんなすばらしいプロットを二つも用意できるとは…
こっちはこっちで見たかったなぁ…
っつーかケロロの撃つときの台詞、両方とも機体が緑色っぽい人の台詞w

129もふもふーな名無しさん:2009/04/18(土) 00:01:38 ID:IZ7MYojw
両方面白そうだww没なのが悔やまれる。
ケロロかっこいいぜ!

130 ◆h6KpN01cDg:2009/04/26(日) 23:50:19 ID:L7g3hoig
ひそかに妄想してたプロット。

ゲンキが死に、何も言わない妹。
朝倉やヴィヴィオが言葉をかけても、その瞳は死んだままで、ただゲンキ君ゲンキ君と呟き続ける妹。
ヴィヴィオは朝倉に妹を助けてとすがるが、もはや妹の耳には朝倉の言葉は入っていなかった。
朝倉は、妹はもう戻れないだろうと悟る。
自分とヴィヴィオでは、ゲンキを亡くした隙間は埋められないだろう、と。

ついに泣き出すヴィヴィオ。朝倉は妹を見て---クロスミラージュを起動させた。
驚くヴィヴィオ。朝倉はヴィヴィオに残酷な事実を告げる。

―――妹は、もう壊れてしまったと。
このままにしていてもただ殺されるだけだから、いっそせめて苦しむことなく殺してあげた方がいい、と。

ヴィヴィオは朝倉に猛反発するが、朝倉は淡々とヴィヴィオを説き伏せる。
ヴィヴィオは朝倉を冷たいと罵るが、朝倉は自分は人ではないから冷たくて当たり前だと切り返す。
何も言えなくなるヴィヴィオ。
朝倉はクロスミラージュを殺傷設定にして妹に向けて魔法を使い―――

そしてヴィヴィオが、妹の前に飛び出した。
妹を庇ったのだ。
砲撃はヴィヴィオの身体を焼き、幼いヴィヴィオの体は吹き飛ぶ。
叫ぶクロミラ。呆然とする朝倉。
体中を焼かれたヴィヴィオはしかし、息も絶え絶えに言葉を絞り出す。
どんな命であっても、死んだ方がいいなんてありえないと。
言葉を失う朝倉。

「……ヴィヴィオ……ちゃん……貴方は……」
「お姉……ちゃん……なか、ないで……?」
「……私が泣く?私が泣くはず、ないわ」
「な……いてるよ……涼子お姉ちゃん……泣いてる……」

そして、ヴィヴィオは朝倉に手を伸ばす。
その手は朝倉の瞼に触れ―――
朝倉はそして、ようやく気付いた。

自分の瞳から、一雫の涙が流れていることに。

―――ああ、おかしいわ。
―――これはバグ?ううん、これは―――

優しくされようと、何も感じない、そう思っていた。
目的が全て、そう考えてきた。
それなのに、今の朝倉は、まるで『地球人』で。

「お姉ちゃんは……ヴィヴィオと同じ……人間……だよ……?」
「なのは……ママも……きっとそう言ってくれる……」
「やく……そく……泣いちゃ……だめだよ、お姉ちゃ―――」

そして息を引き取るヴィヴィオ。
しばしの沈黙の後、朝倉は立ち上がる。
既に涙は渇いていた。
朝倉はキョンの妹を見る。
何故自分が涙を流したのか、よく分からない。
悲しい、という感情をうまく言葉にすることができない。
それでも、朝倉は決めていた。
キョンの妹を助けようと。
生きている理由もないかもしれない妹を背負い、朝倉は歩き出した―――

「……ふざけるなよ、長門有希―――」

それは、ヒューマノイド・インターフェイスが初めて『ココロ』を知った瞬間だった。
朝倉はまだ、その名前を知らないけれど。

タイトルは『Hot edition/ココロ・キセキ』
実はハルヒキャラソンシリーズ第四段の予定でしたと。

131もふもふーな名無しさん:2009/04/27(月) 00:07:33 ID:eK9xEQBk
うおお投下乙です!
朝倉に涙が流れるシーンはこちらも泣きそうになります。

132もふもふーな名無しさん:2009/04/27(月) 21:50:02 ID:43UsWr.M
あぁ……朝倉さんの涙が…
でもヴィヴィオ死んじゃや(ry

133 ◆NIKUcB1AGw:2009/04/29(水) 14:38:15 ID:au.AsebI
今日は29日〜
けど書けそうなパートがない〜
だから没ネタでも投下してみる〜
没ネタって言うか、この前投下したSSのIFバージョンだけど〜

134See you again,hero! もう一つの結末 ◆NIKUcB1AGw:2009/04/29(水) 14:39:32 ID:au.AsebI
EXTRA TURN "B"
湖から海へと流れていく、一筋の川がある。その川に、一人の青年の体が浮いていた。キン肉万太郎だ。
彼は意識を失ってはいたものの、まだ死んではいなかった。古泉の放ったヘッドビームは、彼の命を奪うには至らなかったのだ。
だが、ここで彼が生き延びたことにたいした意味はないのかもしれない。なぜなら……。

『警告。キン肉万太郎の指定範囲外地域への侵入を確認。
 一分以内に指定地域への退避が確認されない場合、規則違反の罰則が下る。
 繰り返す―――』

川の行き着く先は、E-10。第1回放送の時点で、禁止エリアに指定された場所だ。
首輪から流れる音声が、万太郎に禁止エリアからの退去を促す。だが、それは万太郎の意識を戻すには至らない。
残り50秒。万太郎はまだ起きない。
40秒、30秒、20秒。万太郎が目を覚ますことはない。
10,9,8,7,6,5,4,3,2,1……。
奇跡は、起こらなかった。


湖から海へと流れていく、一筋の川がある。その川に、一つの首輪と青いボディースーツが浮いていた。

【キン肉万太郎@キン肉マンⅡ世 死亡】

135 ◆NIKUcB1AGw:2009/04/29(水) 14:41:20 ID:au.AsebI
以上〜
さんざん悩んだ末に、本投下した方の結末にしたのですよ〜
今にして思えば、内容を伏せてA案とB案どっちにするか安価で決めても面白かったかも〜

136もふもふーな名無しさん:2009/04/29(水) 17:55:11 ID:1XUlEFCQ
いやぁぁぁぁぁぁぁあ!?
良かった…こうならなくて良かった…

137もふもふーな名無しさん:2009/04/29(水) 23:18:52 ID:7gp3XrDQ
なんという嫌すぎる終わり方。
マジでこうならなくてよかった……
って、この場合自殺扱いになるのかね?
もっと嫌だぁぁぁ……

138 ◆h6KpN01cDg:2009/04/30(木) 01:13:59 ID:L7g3hoig
うわあああああ、何この鬱展開……
よかった、万太郎が無事で本当によかった……
NIKU氏GJです!

139もふもふーな名無しさん:2009/04/30(木) 01:14:29 ID:L7g3hoig
……OTL
鳥つけっぱなしでした……

140もふもふーな名無しさん:2009/04/30(木) 08:38:10 ID:eK9xEQBk
カウントダウンの描写がどきどきする!
実際奇跡なんて物語とかじゃなきゃ早々起こるもんじゃないから、
リアリティがあって怖ぇー!
投下乙です!

141キョンのパーフェクト脱出計画:2009/05/15(金) 23:40:29 ID:7gp3XrDQ
※kyon、ウォーズマンたちにビビりまくり※


逃げようにもこのリングは長門達によって閉じられているし、
リングの向こう側にはあの黒いのや女が待ち構えて嫌がる。

こういうのなんていうんだっけか? 前門の虎、後門の狼?
なんだか意味も違う気がする上に、この場合後門が閉じててあかねえよ!
しかも前門に戦力が集中していやがる。四面楚歌? 笑えねえよ。

いやいやいや、落ち着け俺。
こういう時こそKOOLだ。KOOLになるんだ。
落ち着けばきっといい手が浮かんでくるはず……
そこで問題だ! この絶望でき状況をどうやって乗り切る!?

①ハンサムのキョンは鮮やかに土下座をくりだす
②仲間がきて助けてくれる
③勝てるわけがない。現実は非情である

……ろくな選択肢がねえよ!
なんなんだこのポルナレフ的三択!!

だいたいこの選択肢なら①は「ハンサムのキョンは突如反撃のアイデアがひらめく」
じゃねえのかよ! なんなんだよ土下座って!
まあ確かに反撃のアイデアなんて閃かないんだけどよ……

……だけどそれが有効なことは確かだ。
黒いのはどうか知らないが、あの女は人殺しを許容するような奴じゃない。
土下座でも何でもしてしまえば、ひとまずはこの場はしのげる。
そうしたらあとは隙を見て殺すなり逃げるなりできるはずだ。

いまさら土下座がなんだ。それで助かるなら頭の1つや2つ下げてやる。
そう考え、痛めつけられる覚悟を決めた俺は、ちらと目線にはいった俺のデイバッグに目が行った


※kyon、巨大化※


いてえいてえ!!
俺は突然頭部から背中に感じた激痛に顔を歪めた。

巨大化した俺は、金網の天井へ身体をぶつける形になったのだ。
考えてみれば当然だ。この銃を食らったあの女はコテージをはるかに超える大きさになったんだ。
コテージよりやや小さいこのリングの中でそんなもんつかったら、こうなるのは当然だった。

142キョンのパーフェクト脱出計画:2009/05/15(金) 23:41:10 ID:7gp3XrDQ
金網に押しつけられていく俺の身体。それでも尚金網は壊れる様子はない。
このままだと巨大化の圧力で、俺ガイバーのミンチ肉ができあがっちまう!

俺はあわてて元に戻ろうと銃を使おうとしたんだが、相当慌てていたのかうっかり銃を虚空に向けて撃っちまった。
するとあらふしぎ。俺を痛めつけてた鉄線の天井はどんどん離れていき、
元の高さまで戻っていった。
いやいや、おかしいだろ。
俺に使ったわけではないのになんで周りの景色が元に戻るんだ?
……なんておもっていたんだが、周りを見渡してその理由に気付いたね。

元の大きさになったのではなく、リングも俺に合わせて巨大化したのだ。
現にリング中央には長門や草壁のおっさん、リングの端にはあの黒い奴に女どもがいやがった。

どうやらこの銃、俺達参加者以外にも、物や建物にも有効らしい。
助かった。あのままだったら俺はこのリングの中で圧死するところだった。
……正直あまりにもブザマな自殺の仕方だ。マジでそうならなくてよかったぜ。

こうなると俺が巨大化したんじゃなく、長門やこいつらが小さくなったように見えるな。
しかもこの大きさは、さっきまでの巨大化とかわらない。
要するにさっきまでの力と同じものを、今の俺は出せるってことだ。

俺は悠々とリングへ上がっていった。
だってそうだろ? さっきはあれだけの力を出せて、ナーガのおっさんを殺せたんだ。
あの黒いのや偽善者の女にも負ける気なんてさらさらないぜ。

向こうではあの女が俺の大きさを見て、黒いのを止めているが、
黒いのは全く気にする様子がない。


ちくしょう、舐めやがって。

143キョンのパーフェクト脱出計画:2009/05/15(金) 23:41:56 ID:7gp3XrDQ
『試合開始』

ウォーズマンさんとキョン君がリングに上がったのを見計らって、
長門の持っていたプラカードがそう表示する。

うう……大丈夫かな、ウォーズマンさん。
巨大化した相手に対して、自信満々でいたけど、
正直勝つのは厳しいと思う。

確かに巨大な敵を相手にしても、勝つ方法はある。
現にコテージで私が巨大化してナーガさんと戦った時は、
こちらの攻撃は全く当たることなく、一方的に攻撃をされた。

だけどあのときはたくさんのコテージっていう遮蔽物があったのと、
そのコテージが見た目に反して固いという誤算があって負けた。
対して今はリングの上。そういう障害物はなにもない。
そうなると、やっぱり巨大な相手の方が有利だと思う。

それにナーガさんも、あの巨大化したキョン君にやられた。
ウォーズマンさんの実力は分からないけど、ナーガさんと互角だったことを考えると、
ちょっと厳しいかもしれない。

私はウォーズマンさんが不利になったらすぐに手助けができるよう構えつつも、
二人の戦いを静観する。

キョン君がその巨大な足を振り下ろし、ウォーズマンさんを踏みつけようとする。
その踏みつけをウォーズマンはかわして、小指を思いっきり蹴りつけた!
キョンくんはおもわずうめき声を上げて、しゃがみ込む。
うわあ、痛そう……

その隙をついて、今度はスネを殴りつけるウォーズマンさん。
それにもキョンくんは痛そうにしていた。

なんとなく涙目になってそうなキョン君の顔を幻視していると、
その顔からビームが飛び出る。
大きくなった分太くなったビームだけど、それもウォーズマンさんは回避して、
さらに反対側のスネもついた。


……あれ? なんだかせこいけどウォーズマンさんのほうが優勢っぽい……?

144キョンのパーフェクト脱出計画:2009/05/15(金) 23:43:00 ID:7gp3XrDQ
大きい動物と言うのは動きが遅いと相場が決まっている。
ネズミと象を比べてみても、大きさが同じならネズミの方が早いに決まってる。
まあ実際はネズミは小さく、像は大きい故に像の方が早いとなるがな。

黒くて硬くててらてら光ってて暗くて狭くてじめじめした所が好きな割に足が速い生物も、
あのサイズだからなんとか人間でもつぶせるぐらいの早さだが、
あれが人間大の大きさだったら?
超人も真っ青の最速超人が誕生してしまう。
……いやなものを想像してしまった。あの生物は小さいままがいい。


この場合も同じことだ。
奴は巨大化し、その質量が増大した分一発のダメージは大きくなるが、
巨大化した分、その一発の速度が遅くなっている。
つまり当たればやばいが、当たらなければどうということはない!

先ほどの巨大な鎧をまとっていた時は奴のスピードも速かったが、
今の巨大化は、単純に大きくなっただけだ。
大きくなった分、そのモーションは遅くなる。

まして奴は動きを見る限り、喧嘩もろくにしたことのない素人。
動きに無駄がありすぎる上にこのようにスローモーでは、
超人にとっては避けてくれと言っているようなものだ。
恐らく、スバルでも避けれるだろう。

それに巨大化した状態では必要以上に体力を使う。
何せ動くために使う筋力も普段の何十倍も必要とするのだ。

スタミナ切れも、通常より早いのだろう。
ほら、もう疲れたのか膝をついてる。

巨大化したからといって勝てると思ったのはうかつだったな。
その腐りきった根性、叩き直してやる



※kyon、完全敗北。
かとおもいきや、やぶれかぶれになったのかメガスマッシャーを放つ。
メガスマッシャーの光が消えた後、kyonはいなくなっていた。
長門がkyonの敵前逃亡を告知。森のリングはたたまれ、スバル達はkyonを探すことに。

kyonは小さくなってリングから逃げていた。
大きくなった金網を小さくなった体で抜け出た。
そしてリング付近で様子をうかがっていたkyon。

kyonを探そうと走りだすウォーズマン。
進行方向にはkyonが。kyon、思わず叫ぶが声は届かず――

kyon、踏みつぶされて死亡。

145 ◆EFl5CDAPlM:2009/05/15(金) 23:44:47 ID:7gp3XrDQ
といった感じの話を書き始めていた。

最後の死亡はなしにして別にするかどうか……とか悩んでいたら、
仮投下が入ってそっちでまさかの土下座ww
……ゲリラしなくてよかった。

146もふもふーな名無しさん:2009/05/16(土) 18:50:58 ID:eK9xEQBk
おお!投下乙ですwww
銃を使ったネタ、こちらも非常に面白いです!しかし最期が…wwww
だが元々のセコイやり方ばっかりだったことを考えると、こんな感じの、
若干お間抜けさんとも取れる最期は似合っているかもしれんww

147もふもふーな名無しさん:2009/05/16(土) 19:14:51 ID:H97Fe/O.
>kyon、踏みつぶされて死亡。

あ、あまりに情けなくて泣きそうだよw
…でも実にkyonらしい死に様だw

148もふもふーな名無しさん:2009/05/16(土) 19:18:20 ID:aH8RcNg2
投下乙w
踏みつぶされて(しかも事故)死亡するとか流石kyonwww
巨大化したら負けるってのは古来からのお決まりパターンだよなあw


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