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闘争の系統 〜ネタバレノート〜

1ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 16:38:22
こちらは、闘争の系統に在籍するSS執筆者さんたちが、
温めてあるネタがあるけれど、シナリオ進行上の順番の問題や、
今現在まだテレビで番組が放送中などで、ルール上まだ本編に
投稿できないなど、披露したいけれどできない構想をここで
明かしちゃおうというスレッドです。

ここはタイトル通り、ネタバレ上等なスレッドです。
物語の核心に関わる事実に触れられる場合もありますので、
ネタバレが嫌いな方は、閲覧にはくれぐれもご注意を!

■設定資料集(まとめサイト)
ttp://www.geocities.jp/oa002843/index.html

741ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/06/11(土) 20:28:57
【嵐の前の静けさ いよいよ最終章へ!】

サラジア共和国も民主政権へと移行し、異世界アセーリアを巡る混乱も収拾され、
これまでシグフェルと敵対していた牙冥甲ザジロード=彩堂寺戒とも和解。
ブレイバーズにとって倒すべき敵勢力も、Gショッカー、ETF、そして堕神の3つを
残すのみとなった。

Gショッカーでは政変による政権交代が起き、ついに真の破壊者として
覚醒してしまった門矢士が、次期創世王=魔王ダークディケイドとして
圧倒的な力で反対派を抑えてGショッカーの新帝王の座に君臨した。
次期創世王最大の有力候補だったシャドームーンも、あっさりと降伏して
新帝王ダークディケイドへの忠誠を誓ってしまう。

バラオム「いったいシャドームーン様は何をお考えなのだ!?」
ダロム「きっと何か策がおありなのに違いない。
 今はただシャドームーン様を信じて待つしかない」

一方で牧村光平を巡る恋愛関係も決着を見る。

光平「ごめん、佳代ちゃん。俺は君の思いに応えることはできない」
佳代「いいから早く沢渡さんのところへ行ってあげなよ。
 …ねえ光平、これからもアタシたちはいい親友だよね?」
光平「もちろんだよ! ありがとう」

森の中で、抱き合って互いの愛を確かめ合う光平と優香。

光平「優香、愛してるよ…」
優香「わたしもよ、光平…」

その様子を森の木陰から、うっすらと失恋の涙を浮かべながら
様子を見守っている戒と佳代。

佳代「きっとこうなるとは、心のどこかでは思ってたんだよね…」
戒「今の俺たちに必要なのは、時間だな…」

共に愛した相手のためを思えばこそ潔く身を退き、
好きな相手に振られたという共通点ができた彩堂寺戒と錦織佳代は、
この後互いに意外なカップルとして急接近していくことになる。

慎哉「……(・∀・)ニヤニヤ」
光平「…なんだよ、さっきからこっちをじろじろ見つめて」
優香「どうしたの朝倉くん?」
慎哉「いやさ、沢渡の光平に対する呼び方が、
 "光平くん"から"光平"に昇格したんだなと思ってさ。
 お二人さん、熱いねえ♪」
光平「……(///)」
優香「……(///)」

学校の昼休み時間、カフェテリアで慎哉にからかわれる光平と優香。
いつしか優香の光平に対する呼び方も、これまでの君付けから
呼び捨てへと自然に変わっていたのだった。他にも優香、佳代、紗希の3人も
女同士の友情が深まり、今までのよそよそしい「苗字にさん付け」から
「下の名前で呼び捨て」で呼び合うようになる。

光平「優香、この頃ずっとバタバタしてたしさ。戦いも一息ついたところだし、
 今度の休みの日にでも二人で旅行に行かないか?」
優香「うん」

いよいよGショッカーとの最終決戦を目前に控えたブレイバーズ。
今度の戦いでは生きて戻れるかどうかわからない。
せめてその前にと、剣持隊長に許可を取り、
2人の思い出作りにと光平と優香は二人っきりで
日本国内の観光地に旅行に出かけた。

優香「うわあ、きれい♪」
光平「すみません光太郎さん、わざわざヘリまでチャーターしてもらって」
光太郎「気にすんなって。こちらこそこの度は佐原航空をご利用いただきまして
 誠にありがとうございます。お二人さん、しっかりベルトにつかまっててくれよ♪」

南光太郎の操縦するヘリに乗り、景勝の地の絶景を上空から見下ろす光平と優香。
ヘリパイロットである南光太郎が所属していた佐原航空は、経営者であった佐原夫妻が
亡くなった後、佐原俊吉社長の忘れ形見である茂少年がやがては成人して
社長業を引き継げるようになるまでの間、旋風寺コンツェルンが暫定的に
経営権を預かる形で現在も営業を続けていた。

742ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/06/11(土) 20:29:27
一方その頃、堕神の大審官アークシセイザーは、
堕神王リリス復活に必要な「女神の器」をついに全て揃えていた。
シグフェルが堕神よりも先に確保してブレイバーズが保管していた「女神の器」も、
星間評議会新最高議長ジュリアス・カミュエルという自身のもう一つの顔を利用して
巧妙に全て横取りしていたのだ。

シセイザー「今こそ堕神王リリス様を、封印の壁より自由の身にして差し上げるのだ!」

ついにアークシセイザー自ら地球に出撃!
旅先の光平と優香を襲う!

シセイザー「我が名はアークシセイザー。娘、私と一緒に来てもらうぞ」
優香「貴方は…いったい!?」
光平「優香は渡さない! 翔着(シグ・トランス)!!」

シグフェルに変身して応戦する光平だったが、
アークシセイザーの圧倒的な力の前にまるで歯が立たず、
瀕死の重傷を負わされてしまう。

シグフェル「ぐわああああ!!!!!」
優香「光平っ!!」
RX「待て! 堕神の大審官アークシセイザーとやら!
 今度はこの俺が相手だ!」
シセイザー「仮面ライダーBLACK RX、残念だが今はお前と戦うつもりはない。
 ここで私がお前を倒してしまったら、影の王子に恨まれよう」

RXはアークシセイザーの念動力で戦闘域外へと弾き飛ばされ、
シグフェルに加勢することができない。

シセイザー「とどめを刺してやろう」
シグフェル「くっ…」
優香「待って! わたしは貴方と一緒に行きます。
 だからこれ以上はもうやめて!」
シセイザー「フフフッ…よかろう」
シグフェル「優香…行っちゃだめだ!」
優香「さようなら、光平…」

こうして成すすべもないまま、沢渡優香はアークシセイザーによって
堕神界へと連れ去られてしまうのだった。その後、一週間の昏睡状態を経て、
慎哉たちが心配そうに見守る中、光平は病室のベットの上で目を覚ました。

光太郎「すまん、俺がついていながら…」
光平「光太郎さんのせいじゃありません…。
 優香、俺の力が足りないばかりに……くそっ!!」
慎哉「光平…」

回復した光平は、佐原博士と剣持隊長に直談判して
自分を対Gショッカー最終決戦の部隊から外してもらう。
単身で堕神界へと乗り込み、連れ去られた優香を助け出すためである。

佐原「正直に言えば、Gショッカーとの最終決戦を前にして、
 君をメンバーから外すのは大幅な戦力ダウンだ」
光平「わがままを言って申し訳ありません」
剣持「今の時期にブレイバーズからは誰一人として君に加勢をつけることはできん。
 それは分かっているな?」
光平「分かっています。必ず俺一人の手で優香を助け出します!」
剣持「これだけは言っておく。光平君、決して死ぬなよ」
佐原「必ず優香ちゃんを助け出して、生きて戻って来たまえ」

こうしてブレイバーズの主力部隊がGショッカーの本拠地である暗黒星雲へと向かう一方で、
天凰輝シグフェルは連れ去られた沢渡優香を救出するため、たった一人で堕神界へと乗り込む!
アークシセイザーが優香を連れ去った目的とは?
そして光平=シグフェルの運命や如何に?

743ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/06/12(日) 09:55:13
【究極なる闇】

ダークディケイドの肉体を得て生まれ変わった
表裏六柱の至高邪神の合身体「デビルショッカー」。

そしてアーマードダークネスを身に纏い完全体となった
暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人。

両者による闇の頂点を決める頂上決戦=最後のバトルファイトが始まった。
銀河バイブルの予言によれば、次なる闇の頂点が決まった時点で、
全次元は永遠なる闇に閉ざされてしまう。
それを阻止すべく、ブレイバーズは最後の決戦へと向かった。
やがてデビルショッカーとエンペラ星人は
共に大いなる闇の意思の中へと飲み込まれ、
「究極なる闇」と呼ばれる怪物体へと変化した。

ディケイド「この時を待っていたぜ!」
大首領「なにっ!?」
ディケイド「俺の力で究極なる闇の力を抑える!
 その間に俺ごと攻撃しろ!」

門矢士は正義の心を失ってはいなかった。
魔王ダークディケイドとなってGショッカーの支配者として君臨したのも、
全ては闇の意思の目を欺くための芝居だったのだ。

闇の帝王「貴様ァァッ! 初めからそれが狙いだったのか?」
星王バズー「おのれえええっ!!!!!」
ディケイド「…フン、お生憎様だったな。この俺がお前たち老いぼれに
 易々と体を乗っ取られるとでも思ったか?」
Rキバーラ「士くん!」
ディケイド「早くしろ! 長くは持たん!」
シンケンレッド「みんな、ディケイドの覚悟を無駄にするな!」

仮面ライダーディケイドという尊い犠牲のもとに、
ついに「究極なる闇」を撃破したブレイバーズ。
しかしそこへ、ひどく慌てて動揺した様子の
アポロガイストとケルベロスⅡが駆け付けてくる。

アポロガイスト「しまった! 遅かったか!」
ケルベロスⅡ「貴様らァァァ!! 自分たちが何をしたのか
 わかっているのかぁー!!」

ライダー1号「どういう意味だ?」

アポロガイストたちの話によると、
銀河バイブルに記されていた「最終的な闇の勝利」が確定していた未来を、
ブレイバーズが力ずくで強引に覆してしまったため、次元と時空の調和が乱れ、
そのバランスを取るための反作用として超巨大なグランドクレバスが発生。
いずれ全ての宇宙・次元・時間を飲み込んで無に帰してしまうのだという。

カミュエル「やれやれ…これで長らく最大の目の上のたん瘤だった
 Gショッカーがようやく壊滅した。残るは用済みとなったブレイバーズを消すだけ。
 フフフッ…フハハハハハ!!!!!!!!!」

744ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/14(火) 12:52:40
<<絆は種族を超えて...7>>

悪魔将軍「―?何やら、外が騒がしいな」
ぬらりひょん「朱の盆。様子を見て来い!」
朱の盆「は、はい!・・・・うわぁぁぁ!!」

真吾少年に迫っていた悪魔将軍は、外が騒がしい事に気が付き、
ぬらりひょんは朱の盆に様子を探らせに行かせる。命令に従った
朱の盆は様子を見に行くが、大声を上げて戻って来た。

ぬらりひょん「どうしたというのだ、朱の盆!」
???「やはり、お前が絡んでいたのか、ぬらりひょん!」
ぬらりひょん「...その声は鬼太郎か!」

通路から現れたのは、外でパズズを倒した鬼太郎達だった。
宿敵である鬼太郎が現れ、ぬらりひょんは苦虫を潰したような顔をする。

百目「悪魔くん!」
真吾「ひゃ...百目。幽子ちゃん...来てくれたんだね」
百目「勿論だモン!」

悪魔将軍の恐怖に怯んでいた真吾少年だが、百目と幽子が
助けに来てくれた事に安堵する。

目玉おやじ「彼が、悪魔くん...埋もれ木真吾君という少年か!」
鬼太郎「真吾君を返してもらうぞ!」
悪魔将軍「そうはいかん...」
シレーヌ「この少年は、我らデーモン族...悪魔がこの世を支配する為に
 必要な存在なのだ。邪魔立てはさせぬぞ!」
一反「何か、おっかないのがいるバイ...!」ガクガク

真吾少年を返すように鬼太郎が迫るが、悪魔将軍やシレーヌが阻む。
一反木綿は、悪魔将軍達から発する気迫に体を震わせる。

デミトリ「奴はもしや...」
飛影「サタンの化身といわれる悪魔超人のボス...悪魔将軍か。
 ふっ...面白い奴が絡んでいたようだな」
悪魔将軍「魔界の貴族、デミトリ・マキシモフにモリガン・アースランド...
 それに暗黒武術会の優勝チームのメンバーの1人、飛影か。ゲゲゲの
 鬼太郎だけでなく、この様な者達まで来るとは...どの様な意図があって
 ここに来たかは分からないが、貴様達も我が配下となり、共に人間共を
 支配しようではないか!」

悪魔将軍という強敵を前に、強者と戦う事を望む飛影は不敵な
笑みを浮かべる。悪魔将軍は、デミトリ達に配下に加わるよう、
誘いを持ちかける。

飛影「ほう...」
モリガン「あら、私を誘ってくれるなんて嬉しいわ。けど...人間を支配するとか、
 興味ないのよ。私...」
デミトリ「人間がどうなろうと、私には関係の無い事だが、この私を配下に加えるだと...
 私の望みは『支配』だ...私は誰の下にも付かん!」
飛影「同感だ。それよりも、俺は貴様と戦ってみたいと思うのでな」

悪魔将軍に誘われるデミトリ達だが、それぞれ、その誘いを断る。

745ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/14(火) 12:53:31

氷村「ムッ...この気配は、ついに来たか!」
デビルマン「美樹ィィィ!!」

ドゴォーン

猫娘「ニャッ!!」
シーサー「今度は何だ!?」

氷村が気配を感じ取ると、けたたましい音と共に建物の壁が
崩れると、美樹を助けに現れたデビルマンが現れる。

氷村「来たな。デビルマン」
デビルマン「氷村ァ!美樹は何処だ!」
氷村「安心しろ。牧村美樹は丁重に扱っているぜ」

美樹を取り返そうと、氷村に敵意をむき出しにしながら、居場所を
聞き出す。氷村は、眠っている美樹をデビルマンに見せた。

デビルマン「美樹...」
悪魔将軍「デーモン族の勇者、デビルマン。その身体...我が肉体の
 一部にしてくれよう!」
デビルマン「...誰だが知らねえが、俺の邪魔をするってんなら、相手に
 なってやるぜ!」
悪魔将軍「刃向うのであれば、この姿で相手をしよう。ムゥン!」

デビルマンも吸収しようと悪魔将軍が立ちはだかるが、デビルマンは
悪魔将軍に敵意を向ける。敵意を向けたデビルマンに対して、エネルギー体の
姿だった悪魔将軍は姿を変え、キン肉マンを苦しめた西洋の騎士の様な甲冑の
姿に変わる。

鬼太郎「あの姿は...!」
目玉おやじ「あれはNYで、正義超人のキン肉マンと戦った時の姿じゃ。
 以前テレビの中継で見た事があるぞ!」

悪魔将軍の姿が変わった事で鬼太郎は驚き、目玉おやじは、テレビの
中継で見た事を思い出す。

デミトリ「面白い。ならば私がねじ伏せてみせよう」
悪魔将軍「無論、貴様達の相手もしてやる。だが今、用があるのは
 デビルマンだ。貴様達は、彼等が相手をしよう。出てくるのだ!お前達」

悪魔将軍がデミトリ達に差し向けたのは、かつてNYでの戦いで、
キン肉マンに差し向けた地下を根城にしている地下超人の軍団だった。

ぬらりひょん「では、我々も...」
シレーヌ「悪魔将軍の邪魔はさせぬぞ!」

ぬらりひょんとシレーヌも、それぞれ配下の妖怪やデーモン族を
呼び出した。

猫娘「まだ、こんなにいたなんて!」
一反「どんだけいるバイ...」
百目「悪魔くんや見えない学校の皆を助けるんだモン!」

まだまだ妖怪やデーモン族がいる事に驚く猫娘達。そしていよいよ、
恐怖の将―悪魔将軍との決戦の火蓋が切って落とされた。
見えない学校の仲間や美樹は救い出されるのか...戦いの行方は如何に!

746ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/14(火) 13:05:56
◯鬼太郎→悪魔将軍達と対峙する。
◯目玉おやじ→テレビの中継でキン肉マンと悪魔将軍のNYの戦いの事を思い出す。
◯猫娘→悪魔将軍達と対峙する。
◯一反木綿→悪魔将軍の気迫に体が震えだす。
◯シーサー→悪魔将軍達と対峙する。
●ぬらりひょん→配下の妖怪を呼び寄せる。
●朱の盆→外の様子を見に行かされるが、鬼太郎達が来たので引き返す。
◯埋もれ木真吾→百目達が助けに来たので、安堵する。
◯百目→悪魔将軍達と対峙する。
◯幽子→悪魔将軍達と対峙する。
◯デビルマン→美樹を助けに現れ、悪魔将軍と対峙する。
◯牧村美樹→氷村によって、眠らされている。
●氷村巌→デビルマンに眠っている美樹を見せる。
●妖獣シレーヌ→配下のデーモン族を呼びよせる。
◯モリガン・アーンスランド→悪魔将軍に配下になるよう誘われるが断る。
△デミトリ・マキシモフ→悪魔将軍に配下になるよう誘われるが断る。
◯飛影→悪魔将軍に配下になるよう誘われるが断る。

>>744
×アースランド→◯アーンスランド

747ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/16(木) 12:38:43
【ネオジオン最終戦】

ロゴスを支配していた地球教は壊滅し、復活したイノベイド、リボンズ・アルマークが
ロゴスを支配下に置いていたが、ブレイバーズの活躍で、ロゴスは、ついに壊滅した。
だが、その直後ネオジオンの総帥であるシャア・アズナブルがアクシズ落としを敢行。
ロゴスとの決戦で、ブレイバーズの機動部隊は疲弊していたが、ラー・カイラムを
旗艦として、アクシズのある宙域へと駆けつける。

***アクシズ***
アクシズにはネオジオンの機動艦隊が展開。その中にはネオジオンと
同盟を結ぶ宇宙革命軍や反ナチュラルを掲げる元ザフトの部隊。
ドルチェノフ率いるギガノスの残党。さらにはクラックス・ドゥガチ率いる
木星勢力等が加わっていた。

シャア「来たか、アムロ!」
アムロ「アクシズは落とさせないぞ、シャア!」

赤いMS―ナイチンゲールに乗るシャアに、アムロはHi-νガンダムに
乗って、シャアのアクシズ落としを止めようとする。

カミーユ「シロッコ...!」
シロッコ「カミーユ・ビダン...貴様との因縁をここで断ち切らせてもらおう!」

カミーユの乗るΖガンダムは、シロッコの乗るジ・Oへと挑む。

ジュドー「ハマーン...アンタには世話になった事もある。だけど、地球に
 アクシズは落とさせねえぞ!」
ハマーン「来るか!ジュドー...」

キュベレイに乗るハマーンはファンネルで、ジュドーのΖΖガンダムを攻撃。
ジュドーは、ファンネルを落としつつ、ダブルビームライフルの銃口を向ける。

アクシズを止める為、そして各々の宿敵と決着を着ける為、ブレイバーズは戦う。
そんな中、アムロのHi-νガンダムはシャアのナイチンゲールを倒し、シャアは
そのまま戦線を離脱する。

フロンタル「シャア総帥が戦線を離れてしまった今、私が指揮を執る」

シャアの戦線離脱に、シナンジュに乗るフル・フロンタルは自ら指揮を執る。
やがてブレイバーズの奮闘により、ネオジオンの戦力は減少していった。

フロンタル「...そろそろ頃合いか」

フロンタルが呟くと、時空クレバスでイーバが出現。実はフロンタルは
堕神と通じていたのであった。フロンタルは堕神の命により、アクシズ
落としを利用して、地球壊滅を狙ったのである。

シャア「...待っていたぞ。この時を!」

そこに戦線を離脱していたシャアがサザビーに乗って現れる。
実はシャアはフロンタルが堕神と通じている事に気が付いており、
それを明らかにする為、アクシズ落としを行ったのであった。

748ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/16(木) 12:40:19

シャア「以前から、私にはこの光景がヴィジョンとなって見えていた。
 始めは何なのか分からなかったが、段々ハッキリと分かるようになり、
 その実態を暴くべく、アクシズを落とすのを決めたのだ」
アムロ「何という無茶を...」
シャア「君達なら止められるという確信があったからな」

フロンタルの実態を暴く為とはいえ、地球全体を巻き込む
アクシズ落としを行おうとしたシャアにアムロは、やや呆れた。

フロンタル「やはり気づいていたか...。だが、アクシズは地球に落とさせてもらう!」

フロンタルがパネルを操作すると、アクシズに異変が起きる。アクシズから
何本もの触手が現れ、その姿は、やがて巨大なガンダムに変わる。

ドモン「あれは、もしやデビルガンダム!?」
フロンタル「こうなる事は予想できた。目的の遂行の為、密かにデビルガンダムの
 残骸を回収し、アクシズをデビルガンダムに変える様、細工を施したのだ」

アクシズはデビルガンダムに変貌し、フロンタルは密かにデビルガンダムの
残骸を回収していた事を話す。それに伴い、アクシズからデビルガンダムの
手駒であるデビルアーミー、デビルネイビー、デビルバーディが大量に出現する。

ピキィーン

バナージ「この感覚...まさかオードリー!」
フロンタル「ミネバ様には、この【デビルアクシズ】のコアになっていただいた。
 さぁ、これでもなお君達は止められるかね?」

ユニコーンガンダムに乗るバナージはデビルガンダムとなったアクシズ―
デビルアクシズからオードリー(ミネバ・ラオ・ザビ)の気配を感じ取る。
フロンタルはオードリーをデビルアクシズのコアユニットにしたのだ。

ハマーン「フロンタル...貴様!」
シャア「ハマーン。私に言いたい事はあるだろうが、今はこの場を収める為、
 協力してくれないか。あれは地球...いや全ての脅威だ!」
ハマーン「...良いだろう。ミネバ様をお救いする為にも、貴様と手を組んでやる。
 だが、後で逃げるなよ」

ハマーンは主であるオードリー(ミネバ)をコアユニットにしたフロンタルに、
怒りのこもった目を向ける。そしてシャアから協力を要請され、オードリーを
救い出す為、それに応じる。

ブライト「ブレイバーズ各機に連絡。デビルアクシズが地球に落ちるのは
 何としても阻止せねばならない。これよりデビルアクシズの破壊及び
 コアとなっているミネバ・ラオ・ザビの救出を行う。ここが正念場だ!」

果たしてブレイバーズは地球に迫りくるデビルアクシズの脅威から、
地球を守り、コアとなったオードリー...ミネバを救い出せるのか!

749凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/19(日) 14:14:49
≪X星人の侵略!怪獣軍団総攻撃≫


***北海道・標茶町***

修司「あれっ? どうしたんだろう」

星崎修司、30歳。北海道のとある田舎町に住んでいる市井の男性。
アマチュア音楽家で、携帯電話の着信メロディ等を自作し、
自分が運営するウェブサイト上で無料配布している。
だがある日、そのサイトが何者かのハッキングを受けた。

「我々はX星人である。星崎修司、お前を抹殺する!」

日本語で作成されていたホームページが突如、
謎の文字列に書き換えられてPC画面に表示される。
だが修司には、地球のどの言語でもないそのメッセージが読めた。
そしてそこには、彼を殺すという恐ろしい脅迫文が書かれていたのである。

修司「…!」

慄く修司。そこへ部屋の窓ガラスを割り、
黒いコスチュームを着て目にはゴーグルを付けた数人の男達が入って来る。

修司「お、お前達は、X星人!」
X星人A「我々が遠い昔に絶滅させたはずのムーサ星人が、
 まさかこの地球に逃げ込んでいたとはな」
X星人B「その上、我々の弱点である殺人音波を
 この星のコンピューターネットワークにばら撒きおって。
 我々の計画の邪魔をする者は生かしてはおけん!」
修司「や、やめろ! うわぁぁっ!」

X星人は手に持っていたレーザーガンで修司を射殺。
そしてPCを操作し、彼のホームページを全て消去してしまった。

X星人C「ありました! エラトーの竪琴です!」
X星人D「よし、直ちに破壊しろ!」

家の中を捜索し、楽器が置かれている修司の趣味の部屋から
一つの竪琴を発見したX星人は、レーザーガンでその竪琴も木端微塵に破壊した。
エラトーの竪琴と呼ばれるそれは、かつて繁栄したムーサ星人の
伝統的な民族楽器として知られているものであった。


***東京・岡島家***

雄大「あれっ? サイトが無くなってる…」

そのわずか数分後、自室のベッドに寝転がりながら、
スマートフォンを操作して修司のサイトにアクセスしようとした岡島雄大は、
ブックマークしておいたそのサイトが閲覧不能になっているのを見て首をひねる。
昨日、たまたま見付けたばかりのサイトで、
配布しているスマートフォン用の着信メロディがとても良かったので、
試しに一つダウンロードし、更に他にもいいものはないかと、
改めてサイト内を色々見てみるつもりだったのだが…。

雄大「閉鎖か…。ちぇっ、見付けるのが遅かったかな」

この時点では、これが自分さえも巻き込む世界的大事件の端緒になろうとは、
雄大には予想できようはずもなかった…。

750凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/19(日) 14:16:16
***東京・メガロシティ***

不良A「なあお嬢ちゃん、お金貸してよ〜」
不良B「その制服、海防大付属だよな。
 すっげえエリート校じゃん。
 俺らみたいな底辺校の奴らと違ってリッチなんだろ?」
桂「そ…そんな…。やめて下さい!」
雄大「あれは…、波川さん?」

波川桂、16歳。海防大学付属高校1年生。
雄大のクラスメイトで、豪邸で暮らしている大富豪のお嬢様である。
しかし雄大とはこれまで接点が少なく、会話をした事はほとんどなかった。
下校中の雄大は、その桂が他校生の不良グループ三人組に絡まれているのを発見する。

雄大「あの制服、硝子山高校じゃないか!
 波川さん、ヤバい奴らに捕まっちゃったなあ〜」

硝子山高校は都内屈指の荒れた高校として有名で、
不良の集団が他校の生徒を相手に暴行や恐喝に及ぶ事も少なくないため、
目を付けられたら大変と、海防大付属生からも恐れられていた。

雄大「(ど、どうする…?
 俺なんかが戦っても勝てる相手じゃないし、
 ここは光平先輩を呼んで……いやいや、
 そんな事してる間に波川さんが…!)」

日頃からテニス部で体を鍛えているスポーツマンとは言え、
格闘技の経験があるわけでもなく、雄大は喧嘩は苦手である。
だが、とにかく今はやるしかない。
勇気を振り絞って、雄大は不良達の前に飛び出した。

雄大「お、おい…! やめろよお前ら…!」
不良A「あ? 何だてめえ」
不良B「お前も海防大付属か?」
雄大「お…女の子相手に恐喝なんかして、
 恥ずかしくないのかよ!」
不良C「ヒャ〜! 女の子を守る王子様ってとこかい?
 カッコいいねえ」

雄大を口々にからかいながら、三人の不良は恐ろしい形相で迫って来る。
後ずさりそうになりながらも身構える雄大。だが…。

不良A「ざけんじゃねえっ!」
雄大「うわぁっ!」

不良のパンチが雄大の顔面に命中。
かけていた眼鏡が吹っ飛び、雄大は倒れて地面に尻餅をつく。
すかさず不良達は雄大を取り囲み、
胸倉を掴んで無理に立ち直らせると、殴る蹴るのリンチを加え始めた。

雄大「うわぁ〜っ!」
桂「だ、誰か助けて下さいっ〜!!」

751凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/19(日) 14:17:25
光平「待てっ、お前達!」

そこへ運良く通りがかり、桂の悲鳴を聞いて飛んで来たのは、
雄大の一年先輩の牧村光平である。

不良A「何だぁ? やるかゴルァ!」
光平「お前達じゃ相手にならない。
 カツアゲなんていう悪さはやめて、
 怪我をする前にとっとと消えろ!」
不良B「舐めた口利きやがって…。
 たった一人で俺達三人に勝とうってのか?」
不良C「ふざけんなよ。死ねオラァっ!!」
光平「っ…!」

元々、琉球空手の心得があるだけでなく、
シグフェルに改造されて戦闘能力が大幅にアップしている光平にとっては、
そこらの不良など例え三人がかりでも相手にならないというのは、
ハッタリや思い上がりなどではなく事実である。
不良のパンチを掌で受け止めた光平は、そのまま相手の拳を握った手に少しずつ力を込める。

不良C「うぎゃぁぁぁっ!」
不良A「て、てめえ!」
不良B「ぶっ殺すぞ!」

激昂した二人の仲間が光平に襲いかかるが、
光平は片方が打ち込んできた大振りなパンチを屈んでかわし、
アッパーカットで顎を下から弾き飛ばす。
そして間髪入れず、光平の背後を狙おうとしていたもう一人の不良に
反転して足払いのローキックを浴びせ転倒させた。

雄大「す、凄いや先輩…」

見ていた雄大と桂も思わず呆然となるほど、
鮮やかに一瞬で三人の不良を蹴散らしてしまった光平。
これでもパワーは大幅に加減しているので
三人ともダメージ自体は大した事はないが、
実力が違い過ぎる事は今の一連のアクションだけで十分に明らかだった。

不良A「ち、畜生! 覚えてやがれ!」

捨て台詞を吐いて一目散に逃げて行く不良達。

雄大「良かった〜。ありがとうございます光平先輩!
 波川さんも、怪我はないっすか?」
桂「え、ええ…。私は大丈夫…。
 でも岡島くん、ひどい傷だわ!」
雄大「あ、いやいや、掠り傷っすよ」

あちこちに痛々しいアザを作りながらはにかむ雄大。
桂はポケットからハンカチを取り出し、
切れて出血している雄大の口元を拭いた。

752凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/19(日) 14:19:30
光平「あ〜あ、雄大、眼鏡壊れちゃったぜ」
雄大「ええ〜っ、マジっすか!?
 弱ったな〜。どうしよう」

殴られた衝撃で地面に落ちた雄大の眼鏡を光平が拾い上げるが、
眼鏡はフレームがひどく折れ曲がり、レンズにも太いヒビが走ってしまっていた。

桂「岡島くん、良かったらうちに来て。
 私のお父様が会長をしている波川ファウンデーションの系列に、
 眼鏡屋さんの会社もあって、そこの店長さんは私とも昔から顔見知りなの。
 連絡してお願いしてみれば、きっと何とかしてくれるはずよ」
光平「えっ!? 波川ファウンデーションって、
 あの怪獣ランド計画の…?」
雄大「そうなんすよ先輩!
 波川さんは、あのハモンド島の怪獣ランドのスポンサーになってる、
 波川ファウンデーションの会長さんのご令嬢なんです!」

波川ファウンデーションは、桂の父・波川謙吾が会長を務める大財閥である。
その波川ファウンデーションは現在、
地球連邦政府の事業である怪獣ランド計画のスポンサーとなっていた。

怪獣ランド計画とは、南太平洋のハモンド島に建設された巨大怪獣の飼育施設で、
怪獣達を捕獲し動物園のように一ヶ所に閉じ込めて管理するという、
世界各地で脅威となっている怪獣災害の解決策として企画された一大プロジェクトである。
現在、地球連邦軍やブレイバーズも動員して怪獣達の捕獲作業が各地で進められており、
その関係で光平も波川ファウンデーションの事は知っていたのであった。

桂「うちはここのすぐ近くよ。
 傷の手当ても早くしないと大変だわ」
雄大「でも…、いいんすか本当に?」
光平「そう言ってくれてるんだから行って来いよ、雄大。
 …せっかくのチャンスじゃないか」
雄大「チャンスって、何のチャンスっすか!?」

雄大の耳元でボソっと囁く光平。
次の瞬間、雄大の顔が真っ赤に紅潮した。

光平「ハハハ。お前が勇気出して硝子山の不良達に立ち向かったんだ。
 そのくらいの役得はあっても別にバチは当たらないんじゃないか?」
雄大「ええ〜っ…。
 そ、それじゃあ、光平先輩も一緒に…。
 ほら、結局助けてくれたのは光平先輩ですし」
光平「バカ言うなって。
 お邪魔虫は用が済んだら退散するよ。じゃあな」
雄大「せ、先輩〜!」

ひらひらと手を振って立ち去ってしまう光平。
後に残された雄大は、困り切った表情で桂に向き直る。

桂「さあ、早く行きましょう岡島くん」
雄大「じゃ、じゃあ…、お言葉に甘えさせてもらおうかな…」

こうして雄大は、メガロシティの外れにある波川家の屋敷に
ご招待される事になったのであった。

753凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/19(日) 14:20:47
***東京・波川邸***

メイド達「「「お帰りなさいませ、お嬢様!」」」
雄大「す、すげえ…」

雄大が桂に案内されてやって来た波川家の屋敷は、
敷地面積が千坪を超える広い立派な豪邸で、
桂が帰宅すると、屋敷で雇われている何十人もの使用人が
整列して出迎え一斉に頭を下げるのであった。

桂「ちょっと染みるかも…」
雄大「うん…。あ、イテテテテ」

桂に怪我の手当てをしてもらう雄大。
その間に、壊されてしまった眼鏡も修理してくれるよう、
執事が波川ファウンデーション傘下の眼鏡店に電話で連絡する。

眼鏡屋店長「このような具合でいかがでしょう」
雄大「ピッタリです。ありがとうございます!」

波川ファウンデーションの会長のご令嬢からの要請とあって、
傘下の眼鏡店はすぐに動き、わざわざ店長自ら波川邸まで飛んで来て、
壊れた雄大の眼鏡を預かりその場で修理し始めた。
ここでも波川家の凄さを実感する雄大。
眼鏡の修理代ともなると数万円はかかるものだが、
助けてくれたお礼という事で、代金は全額波川家で支払ってくれた。

雄大「ヤバっ、母さんからだ」

外では陽も沈みかけた頃、
ズボンのポケットに入れていた雄大のスマートフォンから、
電話の着信メロディが流れ始めた。
その音を聞いた桂の顔色がさっと驚きに変わる。

雄大「もしもし、母さん?
 ゴメンゴメン。ちょっと色々あって遅くなっちゃってさ。
 もうすぐ帰るから。うん、大丈夫。じゃあね」

雄大の帰りが遅いのを心配して電話をかけて来た母親に事情を説明し、
電話を切った雄大。桂はまだ驚きを隠せないという表情で、
雄大のスマートフォンをじっと見つめている。

雄大「ごめん波川さん。そろそろ帰らないと。
 …って、どうしたの?」
桂「ううん…。何でもないの。
 ただ、素敵な着信メロディだなって思って。
 どこにあった曲なの?」
雄大「ああ、これ?
 最近見付けた音楽家さんのサイトからダウンロードした着信音なんだけど、
 そのサイト、俺がこれを落とした後すぐに閉鎖しちゃったみたいでさ。
 他にもいい曲がたくさんあったのに勿体なかったな〜」
桂「(あの音は〝エラトーの竪琴″の音色…。
 これを地球人が作り出せるはずがないわ)」

こうしてこの日から、それまでほとんど交流がなかった雄大と桂は急速に接近し、
学校でも一緒に仲良く過ごす事が多くなって行ったのである。

754凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/19(日) 14:23:28
***ハモンド島・怪獣ランド***

ゴロザウルス「zzzzz…」

麻酔で眠ったまま空輸されて来たゴロザウルスが、
ハモンド島の怪獣ランド施設内にある森林地帯に降ろされる。
島の中心にそびえる管制塔のモニターでその様子を確かめながら、
波川ファウンデーションの波川謙吾会長は満足そうに頷いた。

謙吾「原始恐竜ゴロザウルスは、
 当ランドにとっては記念すべき十匹目の怪獣になる。
 反対や不安の声も少なくない中で始まったプロジェクトだったが、
 とうとうここまで来たかと思うと感慨深いね」
窪田「おめでとうございます、会長」

地球連邦政府の日本人エリート官僚で、
怪獣ランド計画を統括している窪田幸雄という青年が謙吾に祝辞を述べる。
既に怪獣ランドに収容された怪獣は、
ゴジラ、ラドン、アンギラス、ガメラ、ゴモラ、ダンガー、
ボルケラー、ジョバリエ、レギーラの九匹。
これにゴロザウルスが加わって、節目の十匹目を数えたのである。

謙吾「人間にとっては害になるからというだけの理由で、
 無闇やたらと生き物の命を奪うのは決して倫理的な所業とは呼べない。
 熊やライオンだって動物園の檻の中で飼っていれば人畜無害なんだ。
 この怪獣ランド計画は、人類の英知が生み出した、
 怪獣災害の唯一の根本的解決策だと私は信じているよ」
窪田「人類の英知…ですか。それは面白い」

そう言って冷笑する窪田に、
謙吾は水を差されたように不愉快な顔をして聞き咎める。

謙吾「窪田君、面白いとはどういう意味だね?」
窪田「いえ、何でもありませんよ、波川会長」
謙吾「怪獣ランド計画は、
 君ら地球連邦政府内の平和的進歩主義者にとっても長年の夢だったじゃないか。
 怪獣との共生など下らない幻想だと笑う者も多かったが、我々は決してめげなかった。
 その夢が今、ようやく実現しようとしているのだよ」
窪田「そうですね会長…。失礼しました。
 では十匹目の怪獣の確保を祝って、二人で乾杯と行きましょうか」
謙吾「そうだな…。うむ、そうしよう!」

窪田の態度にどこか不審な点を感じながらも、
謙吾は言われるまま、窪田がグラスに注いだ祝い酒を手に取った。

謙吾「では、乾杯!」
窪田「乾杯…」

だが、酒を一口飲んだ謙吾は強烈な眠気に襲われ、
その場に倒れてしまう。睡眠薬が入っていたのだ。

X星人「………」

謙吾の意識が完全に落ちたところで、
一体のグロテスクな姿をしたエイリアンが現れ、
謙吾にそっくりな姿に擬態した。

擬態謙吾「…なかなか悪くないデザインの体だ」
窪田「計画がここまで進めば、波川会長はもはや用済みだ。
 後は我々X星人が自らの手で計画の最終段階を実行する。
 …波川を牢に放り込んでおけ!」

窪田の指示により、管制塔の地下に密かに作られていた牢に、
謙吾は眠ったまま運び込まれて閉じ込められてしまった。

755凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/19(日) 14:27:30
***東京・波川邸***

桂「ただいま」
メイドA「お帰りなさいませ、お嬢様…」

翌日、学校から帰宅した桂は、
屋敷のメイド達の様子がどこかおかしい事に気付く。
皆、どこか愛想がないし、何だかよく分からない、
得体の知れない生理的な気味悪さを感じるのだ。

桂「岡島くんがまたうちに来てくれる事になったわ。
 おやつのショートケーキを用意して…」

言いかけて桂は絶句する。
ドアが開き、大勢のメイド達を従えて部屋へ入って来たのは、
何と桂にそっくりな姿をした女だったのである!

擬態桂「あなたの姿をしばらく借りるわ。
 計画が済むまで、大人しくしていてもらいましょうか」
桂「…!」

メイド達が桂にレーザーガンを突き付けて脅し、
屋敷の庭にある大きな蔵に桂を入らせて閉じ込める。

擬態桂「これより、この波川邸を我々X星人の前線基地として使用する。
 ハモンド島の怪獣達を操る、指令電波発信装置のスタンバイを急ぎなさい!」

屋敷にいた大勢のメイド達も、全て擬態したX星人に入れ替わられていた。
桂に擬態したX星人隊長の指示で、占拠された波川家の屋敷に大型コンピューターが設置され、
ここから発せられる指令電波でハモンド島の怪獣達は操られる。

擬態桂「怪獣達による世界同時攻撃を開始せよ!!」

X星人の技術でハモンド島から瞬間転送された怪獣達は、
波川邸からの指令電波に操られるまま世界各国の都市で暴れ回る。
ワシントンDCにはガメラが、バルセロナにはゴジラが、
北京にはゴモラが、リオデジャネイロにはレギーラが、
エルサレムにはラドンが現れ、破壊の限りを尽くす。

アナウンサー「ご覧いただけますでしょうか!?
 ゴジラがバルセロナの街を破壊しています!
 完成を間近にしたサグラダ・ファミリア教会にゴジラは迫っています!
 ガウディの未完の傑作は、果たしてゴジラに破壊されてしまうのでしょうか!?」

世界各国の軍隊やブレイバーズが出動し、怪獣達を迎え撃つが、
テレポート機能により神出鬼没の怪獣達は各地の都市を次々に蹂躙する。

擬態桂「次はアフリカ大陸を攻撃するわ。
 カイロにゴロザウルス、ヨハネスブルクにダンガーを転送!」
擬態メイドA「了解。転送します!」
擬態桂「ラドンはエルサレムを破壊した後、そのままドバイへ。
 レギーラもリオを壊滅させ次第、ブエノスアイレスを次の攻撃目標にせよ!」

その時、波川邸のドアチャイムが鳴った。
雄大が約束通り遊びに来たのである。

雄大「〜♪ 波川さ〜ん、岡島っす!」
擬態桂「この男は…?」

波川邸と全世界が大変な事になっているのも露知らず、
ウキウキ気分で波川邸へやって来てしまった雄大の運命や如何に!?

756ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/21(火) 11:25:07
<<絆は種族を超えて...8>>

真吾少年や美樹を助け出すべく、悪魔将軍やぬらりひょん、シレーヌに
立ち向かう、鬼太郎やデビルマン達。その配下の妖怪やデーモン族、
地下超人を相手に奮闘していた。

鬼太郎「今すぐ、真吾君を解放しろ!ぬらりひょん」
ぬらりひょん「この儂が解放すると思うか、鬼太郎!」

鬼太郎は自身の髪の毛針を槍の様に伸ばし、ぬらりひょんも
仕込み刀で応戦していた。

モリガン「あなたが相手をしてくれるのかしら?」
シレーヌ「ほざけッ!」
モリガン「ふふっ、踊りましょう!」

モリガンはシレーヌと対峙。シレーヌは両腕を切り離し、ブーメランの
様にモリガンに向けて飛ばす。それをモリガンは踊る様に回避していく。

百目「悪魔くんを返すだもーん!」
氷村「おっと、させねえぜ!ぐぉぉぉ!!」
幽子「きゃぁー!」
真吾「百目!幽子!」

真吾少年を助けようと百目と幽子が駆け寄るが、その前に氷村が
立ち塞がり、正体である妖獣ヒムラーに変身すると、その鋭い爪で
斬りつけてくる。

飛影「ふんっ!」
ヒムラー「むっ...俺の攻撃を止めるとは、やるなあ!」
飛影「雑魚ばかりで飽きてきた所だ。相手をしてもらうぞ!」
百目「あ、ありがとう何だモン!」
飛影「...離れていろ。邪魔だ」
百目「う...うん(何だろう?僕と同じ様な...そうじゃないような感じがするモン?)」

ヒムラーの攻撃を飛影が止める。助けられた百目は飛影から、
同じ百目族みたいな気配を感じ取るが、飛影が魔界整体師、時雨によって
【邪眼】を身に着けた事を百目は知らない。

悪魔将軍「向こうは盛り上がっているようだな。では、デビルマンよ。
  我々も戦いを始めるとしよう」
デビルマン「だったら、俺から仕掛けさせてもらうぜ!オラァ!」

鬼太郎達が奮闘している一方、悪魔将軍とデビルマンも戦いを開始する。
早速デビルマンが悪魔将軍に殴りかかったが、悪魔将軍はビクともしなかった。

悪魔将軍「バゴア、バゴア!俺は体の硬度を自由自在に変える事が出来る。
 今、自分の体をダイヤモンドに変えたのだ!」
デビルマン「何だとぉ〜!」

悪魔将軍は、その能力で自分の体をダイヤモンドに変える。流石のデビルマンも
ダイヤモンドには歯が立たなかった。

悪魔将軍「それに今の俺はこんな事も出来るのだ!ムン!」
デビルマン「指先から炎だと!」

悪魔将軍は指先から炎を出してデビルマンに攻撃。さらに続けて
強風を起こしたり、雷を出してデビルマンを攻撃した。

真吾「...あれはユルグの炎!それに鳥乙女のピンクハリケーンに
 メフィスト2世の雷!」
百目「12使徒の皆の力が使えるのかモン!?」
悪魔将軍「その通り!俺は身体に取り込んだ者の能力や技を使う事が出来るのだ!」
デビルマン「何だって!」

悪魔将軍が使う技は、仲間である12使徒の技や能力である事に気が付く真吾少年に
悪魔将軍は自身の能力を明かす。

真吾「皆を助けないと...ソロモンの笛なら!」

悪魔将軍が仲間達の能力を使うのを見て、悪魔将軍に吸収された
12使徒達を助けたいと思う真吾少年は、ソロモンの笛の力なら、
解放できるかもしれないと考えるが身動きがとれなかった。
そんな時、何かが近づく音が聞こえる。

757ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/21(火) 13:22:54
一同は近づいてくるの物に警戒していると、突如、刀で斬ったかの様に
壁が切断され、大きな音と共に壁が崩れると、大きな車両が出現する。

一護「ここが鬼太郎っていう妖怪がいる場所か?」
ザ・ニンジャ「左様。間違いないでござる」

車両―【龍亀一號】の屋根の上から死神の姿となった一護と
ザ・ニンジャが降りてくる。先程の事は一護が斬魄刀で壁を斬って
壊したのであった。

子泣き「待たせてしまったのう、鬼太郎」
砂かけ「大丈夫か、皆!?」
目玉おやじ「おお、砂かけ達も一緒じゃったか!」
鬼太郎「一体、これは?」
夜行「この人間達に連れてきてもらったんじゃ」

龍亀一號から鬼太郎の仲間である砂かけ達も降りてくる。鬼太郎は
突然の出来事に戸惑うが、夜行は自分達を連れて来た零児達を
引き合わせる。

零児「日本の特務機関【森羅】の有栖零児だ。閻魔大王から埋もれ木真吾少年を
 助けだす為、ゲゲゲの鬼太郎の援軍として派遣されてきた」
小牟「ワシらが来たからには、安心するがよいぞ♪」

零児は鬼太郎に、自分達が閻魔大王の命で来た事を手短に話す。

デミトリ「また貴様達か...」
モリガン「つくづく縁があるようね。私達」
零児「デミトリにモリガン!来ていたのか」
小牟「まぁ、こうなると思っていたがのう...」

過去の事件で零児達と共に解決したデミトリとモリガンだが、
何度も遭遇している事に、デミトリはやや呆れていた。

飛影「浦飯...貴様も来たのか」
幽助「何だよ。飛影も来ていたのかよ!奇遇だな」

そして幽助も飛影と再会する。幽助は気軽に飛影に声を掛けた。

ぬらりひょん「...なるほど。貴様らが【逢魔】の連中と敵対している
 森羅という組織か」
零児「なぜ逢魔を知っている。まさか、この件に逢魔も関わっているのか!」
ぬらりひょん「ふふふ。我ら日本妖怪や西洋妖怪...多くの妖怪や物の怪は、
 ある“御方”の下、妖怪帝国を築いたのだ!逢魔もその一員よ」
小牟「妖怪帝国じゃと!」
ルキア「...そういえば、妖怪帝国なる組織が虚(ホロウ)を取り込んで、
 不穏な動きをしているという噂を魂尸界で耳にした事がある。
 まさか本当だったとは...!」

ぬらりひょんは森羅の敵対組織である逢魔が妖怪帝国の一員である事を
話す。そしてルキアは魂尸界で聞いた妖怪帝国についての噂を思い出した。

零児「これは、詳しく事情を聞く必要があるようだな。裏嶋博士、龍亀一號を
 下げて待機してくれ」
裏嶋「ええ、戦闘は任せるわ。龍亀一號もメンテナンスが必要だし」
ねずみ男「じゃあ、お姉サマはこの僕がお守りします!」
砂かけ「お前さんを置いておけるか!こっちに加勢せい!」
ねずみ男「そんなぁ〜(泣」
夜行「鬼太郎。儂は裏嶋博士と、メンテナンスをしておる。頑張るのじゃぞ!」
鬼太郎「分かった。夜行さん!」

逢魔の事を詳しく聞くため、零児は愛用の拳銃である「金(ゴールド)」を
構える。そして龍亀一號のメンテナンスを行うべく、裏嶋が下がる事になり、
ねずみ男もついて行こうとしたが、砂かけに止められた。そしてメンテナンスには
夜行が手伝う事になる。

悪魔将軍「...話は終わったか?何人掛かってこようが、我が【地獄の断頭台】の
 餌食にしてくれよう」
ザ・ニンジャ「悪魔将軍!...その姿、やはり12使徒と見えない学校を吸収したか」
悪魔将軍「悪魔六騎士の1人、ザ・ニンジャよ。今一度、我が軍門に戻る気になったか?」
ザ・ニンジャ「無論、その様な事は毛頭ないでござる!悪魔将軍...いや、サタンの
 化身よ、悪魔くんの仲間である12使徒達を解放し、今一度地獄へお帰りになって
 もらうでござる!」

一度は悪魔六騎士の1人として、悪魔超人の軍門に降ったザ・ニンジャは、正義超人に
目覚めた者として、悪魔将軍に立ち向かう。

デビルマン「誰だか知らねえが、奴(悪魔将軍)は俺の獲物だ。邪魔をするんじゃねえ!」
零児「奴は?」
鬼太郎「僕らもよく知らないのですが、デビルマンというデーモン族の悪魔ですが、
 どうやら、あそこで捕まっている女性を助けようと戦っているんです」

デビルマンは美樹を助け出す為、現れた零児達に「悪魔将軍を倒す邪魔をするな」と
睨みつける。デビルマンの事を知らない零児は鬼太郎に聞くと、鬼太郎はデビルマンが
人間の女性、牧村美樹を助ける為に戦っている事を話す。

悪魔将軍「今度こそ、話は終わったようだな...では、戦いの続きだ!」

零児達が鬼太郎達に合流し、後半戦が始まるのであった。

758ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/21(火) 13:54:52
◯鬼太郎→ぬらりひょんを相手に戦う。
◯砂かけばばあ→鬼太郎達に合流する。
◯子泣きじじい→鬼太郎に合流する。
◯ねずみ男→裏嶋についていこうとするが、砂かけに引き留められる。
◯夜行さん→裏嶋のメンテナンスを手伝うべく、戦いの場から下がる。
●ぬらりひょん→鬼太郎を相手に戦い、零児達に逢魔が妖怪帝国の
   一員になっている事を明かす。
◯モリガン・アーンスランド→シレーヌを相手に戦う。
◯飛影→百目を助け、ヒムラーを相手に戦う。
◯浦飯幽助→鬼太郎達に合流し、飛影と再会する。
◯埋もれ木真吾→悪魔将軍が12使徒の技を使っている事に気が付く。
◯百目→真吾を助けようとするが、ヒムラーの攻撃を受ける。そこを
  飛影に助けられる。
◯幽子→真吾を助けようとするが、ヒムラーの攻撃を受ける。そこを
  飛影に助けられる。
◯デビルマン→悪魔将軍を相手に戦う。
●シレーヌ→モリガンを相手に戦う。
●氷村巌/ヒムラー→元の姿に戻り、百目と幽子を攻撃。飛影を相手に戦う。
●悪魔将軍→吸収した12使徒の技で、デビルマンを攻撃する。
◯ザ・ニンジャ→鬼太郎達に合流する。
◯黒崎一護→斬魄刀で壁を破壊する。
◯朽木ルキア→妖怪帝国の噂を思い出す。
◯有栖零児→鬼太郎達に合流する。
◯小牟→鬼太郎達に合流する。
◯浦嶋千鶴→鬼太郎達に合流し、龍亀一號のメンテナンスをする為、
   夜行と共に戦いの場から下がる。

759凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/06/22(水) 15:15:31
≪ハモンド島攻略作戦≫

>>755続き

X星人が操る怪獣達の攻撃で世界各地の都市が破壊される中、
ブレイバーズはX星人の根拠地であるハモンド島の怪獣ランドを攻略すべく、
日米その他世界中の戦力を結集させて一大作戦を行なう事になった。
ブレイバーベースの会議室に集まったヒーロー達は、その作戦について話し合う。

テッサ「これが、ミスリルの偵察衛星スティングが撮影した、
 ハモンド島の衛星写真です」

ミスリル西太平洋戦隊のテレサ・テスタロッサ戦隊長が
スクリーンに映された衛星写真を示すと、一同にどよめきが起こった。
無数の敵機と思しき機影がその画像には写っている。
X星人が母星から呼び寄せたおびただしい数のガンシップ(戦闘円盤)やキャリアー(輸送円盤)、
大型ロボット兵器等が、ハモンド島とその沿岸の海を所狭しと埋め尽くしているのだ。

テッサ「ご覧の通り、ハモンド島は今やX星人の要塞と化しています。
 しかし、私達は人類の自由と地球の平和を守るため、
 何としてもこれを攻略し、邪悪な侵略者を撃破しなくてはなりません」
マデューカス「非常に困難なミッションではあるが、
 勝利のためのヒントは、これまでの人類の戦史の中に既に存在している。
 …パールハーバーだ」
トニー「つまり、奇襲攻撃…?」

トニー・スタークらアメリカ勢を中心に、再び騒然となる作戦会議室。
ここで艦娘を率いる鎮守府の司令官である長門が前へ進み出て、
作戦の第一段階を説明する。

長門「戦艦や巨大ロボットで島に近付いた場合、
 敵は島一帯に張り巡らしたレーダーによってたちまちこれを察知してしまう。
 だが、少数の人間サイズの兵の接近を探知できるほど敵のレーダーは優秀ではない。
 これを利用し、我々艦娘の精鋭からなる水雷戦隊が夜陰に紛れて島の北側にある湾へ侵入、
 湾内に停泊している敵の円盤群を雷撃による奇襲で速やかに殲滅せしめる」

続いて、ネルフ日本支部作戦部長の葛城ミサトが長門の話を引き継ぎ、
作戦の第二段階について、スクリーン上の地図を指し示しながら解説する。

ミサト「艦娘達の攻撃が始まれば、
 敵はそれに対抗するために、分散していた戦力を島の北側に結集させるはずよ。
 その隙に、上空に待機していたエヴァやモビルスーツ、
 その他各種ロボット軍団が島の反対側にある南の平原に降下。
 地上に設置された対空ミサイル設備等を破壊しつつ、
 可能な限り迅速に、島の中央にある管制塔を目指して進撃するわ」

更に、ミサトに代わって作戦の第三段階の説明に立ったのは、
仮面ライダー1号=本郷猛と仮面ライダー2号=一文字隼人である。
今やレジェンドと呼ばれる歴戦の勇者である彼らも、
レンジャー部隊のリーダー格としてこの作戦に参加するのだ。

本郷「管制塔付近の制空権が確保できた時点で、
 我々仮面ライダーやアベンジャーズを初めとするレンジャー部隊が続いて降下。
 管制塔へ乗り込み、中にいるX星人を倒して囚われている波川会長らを救出する」
一文字「X星人は、世界中で暴れさせている怪獣達を、
 テレポートで島へ呼び戻して俺達を迎撃させるだろう。
 だが、こいつを掻い潜って管制塔へ突入し、
 中にあるはずの怪獣コントロール装置を破壊できれば、
 その時点で怪獣達はX星人の命令を聞かなくなり、
 奴らは地球侵略のための主力武器を失った事になる」
テッサ「作戦の概要は以上です。
 本ミッションを【南洋の目覚め作戦】と命名します。
 人類の存亡を賭けた重要な戦い、皆さんのご健闘を祈ります!」

こうして決行される事になった南洋の目覚め作戦。
ブレイバーズの総力を挙げたX星人との決戦の行方は果たしてどうなるのであろうか!?

760ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/24(金) 19:57:57
<<絆は種族を超えて...9>>

戦闘が再開し、龍亀一號の所へ数体のデーモン族が迫るが、幽助、
一護、ルキア、チャド、井上が龍亀一號の前に立つ。

一護「井上!お前は博士達を守ってくれ」
井上「分かった。黒崎君!」
ヘンゲ「俺の名はヘンゲ。デーモン族の恐ろしさを味わってもらおう!」
ゲルゲ「同じく、ゲルゲ!」
ベトラ「同じく、ベトラ!」
ロクフェル「俺の名はロクフェル!」
幽助「へっ!雑魚が何体こようが蹴散らしてやるぜ」
ヘンゲ「何だとぉ!この人間風情がっ!バォォォン!!」

一護は井上に裏嶋達を守る様、指示を出す。幽助はヘンゲ達デーモン族の
妖獣を相手に挑発し、怒ったヘンゲは自身の姿をマンモスに変え、他の妖獣達と
共に一斉に襲い掛かる。

一護「ハァァ!」ズバァ
チャド「巨人の一撃(エル...ディレクト)!」
ルキア「舞え...【袖白雪】」
幽助「レイガァァン!」
ヘンゲ&ゲルゲ&ベトラ&ロクフェル「「「「ギャァァァァ!!!!」」」」

一斉に襲い掛かったヘンゲ達だったが、一護は【天鎖斬月】で一刀に斬り、
ルキアは自身の斬魄刀である【袖白雪】で凍らせ、チャドは霊子を纏った
パンチ【巨人の一撃】を繰り出し、そして幽助は指先から霊力を撃ちだす
【霊丸】であっという間に葬った。

ヘンゲ「ば...馬鹿な...」
幽助「ケッ!やっぱり雑魚じゃねえか」

デビルマンならいざ知らず、只の人間と思って舐めていたヘンゲ達だったが、
これまで多くの強敵と戦ってきた幽助や一護達にとっては最早、只の雑魚でしか
なく、ヘンゲ達はそのまま息絶える。

シレーヌ「ヘンゲ達が!おのれぇ〜!」
モリガン「あら?まだダンスは終わってないわよ。ソウルフィスト」
シレーヌ「ぐぅぅ!」
モリガン「続けて...バルキリーターン!」
シレーヌ「ぐわぁ!」
モリガン「フィニッシュは...ダークネスイリュージョン!!」
シレーヌ「ぐわぁぁぁぁ!」

ヘンゲ達が一護達に倒された事に動揺するシレーヌだが、モリガンの
ソウルフィスト、バルキリーターン、ダークネスイリュージョンと立て続けに
技のラッシュを喰らい、大ダメージを受けてしまう。

シレーヌ「うぅ...ダメージを受け過ぎたか。仕方が無い、撤退だ」
モリガン「あらあら、もう終わりなのね」

ダメージを受け過ぎたので、撤退する事を決めたシレーヌは、自身の
身体を蝶に変えて、その場から消える。モリガンはバトルが終わった事に
残念そうな事を口にするが、表情とかは、残念とは思ってなさそうだった。

761ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/24(金) 19:58:49
ヒムラー「チィ!シレーヌめ...逃げやがったか」
飛影「どこを見ている...貴様の相手は俺だ!」ザシュ
ヒムラー「ぐわぁぁ、俺の腕がぁぁぁ」

飛影と戦っていたヒムラーはシレーヌが撤退した事の隙をつかれ、
その腕を手刀で切り落とされてしまう。

ヒムラー「ぐぅぅぅ、こうなれば仕方が無い。俺も撤退だ!」

ヒムラーは黒煙を周囲にまき散らし、闇にまぎれて撤退をしようとする。

百目「何にも見えないモン!」
ヒムラー「(今の内に...)」
飛影「無駄だ...邪王炎殺剣!」
ヒムラー「何だとォ!ギャァァァ!」

逃げようとしたヒムラーだが、飛影は額の邪眼を開き、その姿を捕え、
自らの妖気と炎を融合させて作りだした剣、【邪王炎殺剣】でヒムラーを
真っ二つに斬り、ヒムラーは消滅する。

百目「...ハッ!悪魔くーん!」
幽子「大丈夫!?悪魔くん」
真吾「...何とか大丈夫だよ。ありがとうございます。ええと...飛影さん」
飛影「フン...偶々だ」

ヒムラーが倒され、黒煙が晴れると百目と幽子は真吾少年の下に駆け寄り、
ついに真吾少年は助け出される。真吾少年は飛影に助けてもらったお礼を
言うが、飛影は素っ気ない返事をした。

ぬらりひょん「むぅ...デーモン族は皆全滅してしまったか!」
鬼太郎「これ以上の戦闘は無意味だ。どうする、ぬらりひょん!」
零児「おとなしく、貴様の知っている情報を吐いてもらうぞ」

一方、鬼太郎達とぬらりひょんの戦いに零児と小牟が加わる。
デーモン族も全滅し、鬼太郎と零児はぬらりひょんに降伏を迫る。

ぬらりひょん「まだ終わらぬわ!朱の盆、貴様も隅っこで縮こまっておらんで
 儂を助けぬか!」
朱の盆「ハ、ハイィィ!うおぉぉぉぉ!」
猫娘「ニャァァァ!」
朱の盆「ぎゃぁぁぁぁ!」

だが戦闘を辞めないぬらりひょんは、隅の方で震えていた朱の盆を
焚き付ける。主であるぬらりひょんの命令で朱の盆は鬼太郎達に
向かって突撃するが、猫娘に顔中をひっかけられ、またぬらりひょんの
元へ戻る。

ぬらりひょん「ええい、ならばコイツらならどうだ!」

朱の盆の不甲斐無さに呆れつつ、ぬらりひょんは鬼太郎達に対し、
更に妖怪達を差し向ける。現れたのは、一つ目をした大勢のマネキン
人形―廃棄されたマネキン人形が妖怪化したマネキン妖怪達が姿を現す。

ねずみ男「どっひゃぁー!いっぱい出たぁ〜!」
目玉おやじ「おそらく、あのマネキン人形たちは付喪神の一種である
 妖怪じゃな!」

大勢のマネキン妖怪が現れ、ねずみ男は驚き、目玉おやじは分析を行う。
そしてマネキン妖怪が一斉に襲い掛かり、鬼太郎達はそれらを相手をする。

マネキン妖怪「ヒッヒッヒ...」
零児「面倒だ。小牟、行くぞ!金(ゴールド)、柊樹(ハリウッド)」
小牟「任せろ、零児!ショックウェーブ!」

襲い掛かってくるマネキン妖怪達に零児と小牟は一掃しようと、
零児はまず愛用の銃である金(ゴールド)と柊樹(ハリウッド)を撃ちこむ。
そして小牟は、ショックウェーブでマネキン妖怪達を封じ込む。

小牟「巫女みこ、ナース、やっぱこっちじゃろう、つやつやたまご肌!
 仙狐攻絞法奥義【狐主封霊】(コスプレ)!今回も取り揃えておるぞ」

封じ込んだマネキン妖怪達を相手に小牟は巫女、ナース、スクール水着、
バスタオル姿、そして最後はウェディングドレスの姿となり、そのまま倒してしまう。
これが小牟の持つ仙狐攻絞法奥義、狐主封霊(コスプレ)である。

子泣き「ほほ〜、中々似あっておるのう!」
砂かけ「これ、鼻の下を伸ばすでない!」
猫娘「(私もコスプレしたら、鬼太郎を振り向かせる事が出来るかしら...)」

小牟の繰り出した技を見て、子泣きじじいや猫娘達は各々、反応する。
そしてマネキン妖怪達は一掃したが、何時の間にかぬらりひょんと朱の盆は
その場からいなくなっていた。

762ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/24(金) 20:26:31
◯浦飯幽助→ヘンゲ達デーモン族を倒す。
◯飛影→邪王炎殺剣でヒムラーを倒す。
◯黒崎一護→ヘンゲ達デーモン族を倒す。
◯朽木ルキア→ヘンゲ達デーモン族を倒す。
◯茶渡泰虎→ヘンゲ達デーモン族を倒す。
◯井上織姫→一護から裏嶋達を守る様、指示を受ける。
◯モリガン・アーンスランド→シレーヌとの戦闘で勝利する。
◯埋もれ木真吾→飛影によって助けられる。
◯百目→真吾に駆け寄る。
◯幽子→真吾に駆け寄る。
●マネキン妖怪→鬼太郎達に襲いかかるが倒される。
◯鬼太郎→零児と協力してぬらりひょんを相手に戦う。
◯猫娘→朱の盆の顔を引っ掻く。
●ぬらりひょん→マネキン妖怪を鬼太郎達を相手に繰り出し、撤退する。
●朱の盆→ぬらりひょんの命令で突撃するが、猫娘に顔を引っ掻かれる。
◯有栖零児→マネキン妖怪を倒す。
◯小牟→奥義・狐主封霊でマネキン妖怪を倒す。
●ヘンゲ→一護達に倒される。
●ゲルゲ→一護達に倒される。
●ベトラ→一護達に倒される。
●ロクフェル→一護達に倒される。
●シレーヌ→モリガンとの戦闘でダメージを受け、撤退する。
●ヒムラー→飛影との戦闘で撤退しようとするが倒される。

【今回の新登場】
●妖獣ゲルゲ(TVアニメ版デビルマン)
 竜巻の様に回転しながら、飛行機や新幹線を溶かす事が出来る妖獣。
 その正体はナメクジ妖獣で、塩分が弱点。

●妖獣ベトラ(TVアニメ版デビルマン)
 ムササビの様に飛行する妖獣。特殊な蜘蛛を産みだし、人間の体内に
 侵入させる事で、人間を凶暴化させる事ができる。口から糸を吐き、鋭い
 爪や電気ショックを用いて戦う。

●妖人ロクフェル(TVアニメ版デビルマン)
 デーモン族の刺客で、背の高い大男の姿をしている。怪力と口から炎を吐く事が出来る。
 ゼノンの命令でザンニンの指揮下に入るが、不服に思っている。実はろくろ首の様に首を
 伸ばす事が出来、首の部分にもう一つ顔がある。

●マネキン妖怪(モノクロ実写版 悪魔くん)
 捨てられたマネキン人形が妖怪化。顔が一つ目になっているのが特徴で、
 人間をマネキン人形に変える能力を持つ。

763ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/29(水) 12:30:41
<<絆は種族を超えて...10>>

鬼太郎や零児達の活躍で、デーモン族とぬらりひょん率いる妖怪達は倒された。
一方、デビルマンは悪魔将軍と熾烈な戦いを続けていた。

デビルマン「はぁ...はぁ...全然ビクともしねえや」
デミトリ「ならば、次は私が奴の相手をしよう。カオスフレアァ!」

悪魔将軍を攻撃するデビルマンだが、次第に息を切らしてしまう。
そこでデミトリが勝負に割って入り、カオスフレアを悪魔将軍に向けて
繰り出す。

悪魔将軍「流石は魔界の大貴族。なかなかの攻撃だ。ふむ...
 痛みを感じないとはいえ、少しダメージを負い過ぎたか。
 ならばそろそろ...」
小牟「ムッ!あれは...!?」
零児「知っているのか、小牟!」
小牟「あれはヨガのポーズ...悪魔将軍はヨガのポーズをする事で
 身体に受けたダメージを回復させる事ができるのじゃ!」

デミトリのカオスフレアを受けた悪魔将軍はヨガのポーズをとる。
悪魔将軍はヨガをポーズをとることで、体に受けたダメージを回復できるのであった。
プロレス好きな小牟は超人プロレスにも精通しており、悪魔将軍に関する知識を
話す。

悪魔将軍「では、こちらの番だ。竜巻大回転!」
デビルマン「うぅ...」
悪魔将軍「続いて、体重移動魔法!」
デミトリ「この様な攻撃で...屈するものか!」

悪魔将軍はサシペレレの竜巻大回転で、竜巻を起こしてデビルマンを
苦しめた後、デミトリに組みつき、象人の体重移動魔法で体重を重くして、
伸し掛かる。

真吾少年「また皆の技を...!」
ザ・ニンジャ「やはり、悪魔将軍を倒すには、取り込まれた十二使徒達を
 解放しなければ...!ソロモンの笛の奪還をするしか手はあるまい!」

ザ・ニンジャは悪魔将軍に取り込まれた十二使徒達を助けだそうと、
ソロモンの笛を取り返す事を決める。ソロモンの笛が置かれている場所には
地下超人達が待ち構えていた。

地下超人A「ここで、手柄を立てれば俺達は悪魔超人軍団の幹部だ!」
地下超人B「ソロモンの笛は渡さんぞ!」
ザ・ニンジャ「拙者に立ち向かってくるか...ならば、かつて悪魔六騎士の
 1人だった拙者の忍術を特と見よッ!」

ザ・ニンジャは、その俊敏さと忍法を繰り出し地下超人達を蹴散らしていく。

真吾「うぅ...いつまでも倒れている訳にはいかない。僕も戦う!」
幽子「悪魔くん...」
百目「その身体で、大丈夫なのかモン?」
井上「だったら、私が回復させてあげる。舜桜、あやめ。双天帰盾・
 『私は拒絶する』」

敵に捕まり弱っていた真吾少年だが、悪魔将軍に取り込まれた仲間を
助け出す為、自分も戦おうと立ち上がる。百目と幽子は心配するが、
見かねた井上が盾瞬六花の能力の一つである回復技【双天帰盾】を使う。
これにより、真吾少年は心身ともに回復した。

真吾「すごい。さっきまで、あんなに体が弱っていたのに、力が漲ってくる」
鬼太郎「よし、僕達もソロモンの笛を取り返すぞ!」

ザ・ニンジャは、その俊敏な動きで地下超人達を

764ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/29(水) 12:32:36
>>763修正

<<絆は種族を超えて...10>>

鬼太郎や零児達の活躍で、デーモン族とぬらりひょん率いる妖怪達は倒された。
一方、デビルマンは悪魔将軍と熾烈な戦いを続けていた。

デビルマン「はぁ...はぁ...全然ビクともしねえや」
デミトリ「ならば、次は私が奴の相手をしよう。カオスフレアァ!」

悪魔将軍を攻撃するデビルマンだが、次第に息を切らしてしまう。
そこでデミトリが勝負に割って入り、カオスフレアを悪魔将軍に向けて
繰り出す。

悪魔将軍「流石は魔界の大貴族。なかなかの攻撃だ。ふむ...
 痛みを感じないとはいえ、少しダメージを負い過ぎたか。
 ならばそろそろ...」
小牟「ムッ!あれは...!?」
零児「知っているのか、小牟!」
小牟「あれはヨガのポーズ...悪魔将軍はヨガのポーズをする事で
 身体に受けたダメージを回復させる事ができるのじゃ!」

デミトリのカオスフレアを受けた悪魔将軍はヨガのポーズをとる。
悪魔将軍はヨガをポーズをとることで、体に受けたダメージを回復できるのであった。
プロレス好きな小牟は超人プロレスにも精通しており、悪魔将軍に関する知識を
話す。

悪魔将軍「では、こちらの番だ。竜巻大回転!」
デビルマン「うぅ...」
悪魔将軍「続いて、体重移動魔法!」
デミトリ「この様な攻撃で...屈するものか!」

悪魔将軍はサシペレレの竜巻大回転で、竜巻を起こしてデビルマンを
苦しめた後、デミトリに組みつき、象人の体重移動魔法で体重を重くして、
伸し掛かる。

真吾少年「また皆の技を...!」
ザ・ニンジャ「やはり、悪魔将軍を倒すには、取り込まれた十二使徒達を
 解放しなければ...!ソロモンの笛の奪還をするしか手はあるまい!」

ザ・ニンジャは悪魔将軍に取り込まれた十二使徒達を助けだそうと、
ソロモンの笛を取り返す事を決める。ソロモンの笛が置かれている場所には
地下超人達が待ち構えていた。

地下超人A「ここで、手柄を立てれば俺達は悪魔超人軍団の幹部だ!」
地下超人B「ソロモンの笛は渡さんぞ!」
ザ・ニンジャ「拙者に立ち向かってくるか...ならば、かつて悪魔六騎士の
 1人だった拙者の忍術を特と見よッ!」

ザ・ニンジャは、その俊敏さと忍法を繰り出し地下超人達を蹴散らしていく。

真吾「うぅ...いつまでも倒れている訳にはいかない。僕も戦う!」
幽子「悪魔くん...」
百目「その身体で、大丈夫なのかモン?」
井上「だったら、私が回復させてあげる。舜桜、あやめ。双天帰盾・
 『私は拒絶する』」

敵に捕まり弱っていた真吾少年だが、悪魔将軍に取り込まれた仲間を
助け出す為、自分も戦おうと立ち上がる。百目と幽子は心配するが、
見かねた井上が盾瞬六花の能力の一つである回復技【双天帰盾】を使う。
これにより、真吾少年は心身ともに回復した。

真吾「すごい。さっきまで、あんなに体が弱っていたのに、力が漲ってくる」
鬼太郎「よし、僕達もソロモンの笛を取り返すぞ!」

765ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/29(水) 14:52:00
回復した真吾少年と共に、鬼太郎達は襲い掛かる地下超人達を
蹴散らしていく。

地下超人「逃がさんぞ!」
ねずみ男「ヒィ〜〜お助け〜!」ブゥ〜〜
地下超人「くさ〜〜〜〜!!」
ねずみ男「あっ!助かった?」

地下超人達に囲まれたねずみ男だったが、その強力な屁をした事で、
臭いを嗅いだ地下超人達はあまりの臭さに気絶した。

真吾「タロット手裏剣!」
地下超人「ぐわぁ!」

真吾少年もタロットカードを手裏剣の様に飛ばし、地下超人を倒していく。

地下超人「貴様ァ!」
百目「あぶない、悪魔くん!」
幽子「照魔境ー!」
地下超人「うぅ...まぶしい!」
ザ・ニンジャ「てりゃぁ」
地下超人「ぐわぁ...」

真吾少年の背後から他の地下超人が襲い掛かって来たが、百目と
幽子が喰い止め、ザ・ニンジャが倒した。

真吾少年「ありがとうございます」
ザ・ニンジャ「いや礼は後でござる。さ、今の内にソロモンの笛を...」

真吾少年はザ・ニンジャにお礼を言おうとするが、今はその時では無い
としてザ・ニンジャは礼を受け取らなかった。そして彼らの奮闘により、
真吾少年はソロモンの笛をついに取り戻す。

悪魔将軍「いかん、ソロモンの笛が!」
デビルマン「おっと...」
デミトリ「貴様の相手は...」
デビルマン&デミトリ「「俺(私)だ!!」」
悪魔将軍「ぬぅぅ...」

真吾少年の手にソロモンの笛が戻った事で動揺する悪魔将軍は
取り返そうとするが、デビルマンとデミトリが阻む。

真吾「...(皆、今助けるよ)」

♯〜♪〜♭〜♯〜

猫娘「綺麗な音色...」
井上「とても優しい感じがする...」

真吾少年は悪魔将軍に取り込まれた十二使徒達に届く様に、
想いを込めてソロモンの笛を吹く。その音色に猫娘や井上など
心が心地よくなっていくのを感じた。

悪魔将軍「うぅ...その演奏をや、やめろ...」
目玉おやじ「おお、悪魔将軍が苦しみ始めたぞ!」
零児「やはり、悪魔将軍にはソロモンの笛は友好か」

悪魔将軍はソロモンの笛の音色を聞いて、苦しみだす。
邪悪なサタンの化身である悪魔将軍には、ソロモンの笛の音色は
酷い騒音を聞いているような感じになるのであった。

766ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/29(水) 14:53:29

メフィスト老「うぅ...この音色は?」
メフィスト二世「これは...ソロモンの笛?」
ヨナルデ「悪魔くんじゃ...悪魔くんがわし達の為に吹いておるのであーる」
鳥乙女「悪魔くん...」
象人「悪魔くん...」
家獣「バウー」
赤ピクシー&青ピクシー「「悪魔くん...」」
ユルグ「悪魔くん...」
妖虎「悪魔くん...」
サシペレレ「悪魔くん...」
こうもり猫「悪魔くん...」

そしてソロモンの笛の音色は悪魔将軍に取り込まれたメフィスト老や
メフィスト二世達、十二使徒にしっかりと伝わっていた。そして皆、
掛け替えのない仲間、悪魔くんを思い浮かべる。そして、皆の気持ちが
1つとなり、奇跡が起きる。

悪魔将軍「こ、これは...!」
幽助「おいおい、何か光り出したぞ!」
幽子「この感じ...」
百目「分かるモン!これはメフィスト二世達、皆がやっているんだモン!」
悪魔将軍「ぬぅぅ...や、やめろぉぉぉぉ!」

悪魔将軍の身体が突如として光り出す。幽子と百目は、これは取り込まれた
仲間達が起こしている事に気付く。そして、最大限に光を放つと、悪魔将軍の
中から、メフィスト老、メフィスト二世、ユルグ、妖虎、鳥乙女、こうもり猫、
象人、家獣、サシペレレ、ヨナルデパズトーリ、ピクシーが出現し、真吾少年の
前に降りてくる。

真吾「皆...」
メフィスト二世「サンキューだぜ、悪魔くん」
ヨナルデ「悪魔くんのおかげでわしらは悪魔将軍の呪縛から
 解放されたのであーる」
幽子「本当に...よかった」
百目「皆、無事に戻ってきて嬉しんだモーン!」
メフィスト二世「百目も幽子も、頑張ったな!」

真吾少年や十二使徒は、涙を浮かべながら無事に再会できた事を
喜び合う。

鬼太郎「よかったですね。父さん」
目玉おやじ「うむ。そうじゃのう」
ザ・ニンジャ「そういえば、十二使徒以外にも見えない学校も
 悪魔将軍に取り込まれた筈だが...何処に?」
ヨナルデ「その心配は必要ないのであーる。何故なら、わし達が
 悪魔将軍から脱出した時、見えない学校は、元の結界の場所へ
 転移したのであーる!」

取り込まれた見えない学校の姿が見えない事に疑問を抱いた
ザ・ニンジャに対し、ヨナルデパズトーリは見えない学校が元の場所へ
戻った事を話す。

悪魔将軍「うぅ...」
デビルマン「どうやら、あの連中がいなくなった事で、てめぇは
 ひどく弱くなったみてえだな」
デミトリ「貴様から受けた屈辱、晴らさせてもらうぞ」
零児「地下超人達も全て倒した。後は貴様だけだ」
小牟「これだけの人数じゃ。年貢の納め時じゃぞ」
悪魔将軍「うぅ...俺は恐怖の将、悪魔将軍。悪魔超人の支配者である
 俺が、こんな所で敗れてたまるかぁ!」

弱体化した悪魔将軍にデビルマン達が迫るが、悪魔将軍は負けじと
立ち上がる。

真吾「まだ、立ち上がるのか!?」
悪魔将軍「こうなれば、この場所で貴様達に敗れた妖怪、デーモン族、
 地下超人の怨みをパワーを取り込み、我が力とする!」

周囲の倒された妖怪やデーモン族、地下超人の身体から怨みの籠った
エネルギーが現れ、立ち上がった悪魔将軍の元に集まっていく。
そのパワーを吸収し、悪魔将軍は巨大なエネルギーの姿に変わるのであった。

悪魔将軍「今度こそ、貴様達の命を奪い、その力を我が糧とする!」
真吾「そうは行かない。メフィスト達を取り戻したんだ。もうお前に取り込ませたりしない!」
メフィスト二世「おう。散々俺達の力を使いやがったんだ。その礼を
 たっぷりさせてもらうぜ!」
メフィスト老「うむ。儂も今回の事は腹に据えかねておる。我が魔力を受けてみよ!」
零児「ぬらりひょんには逃げられたが、貴様の知っている事を話してもらうぞ」
幽助「ぶちのめしてやるぜ!」
一護「覚悟しな」
デビルマン「美樹は返してもらうぜ!」
鬼太郎「さぁ、行くぞ!悪魔将軍」

怨みのエネルギーを取り込んだ悪魔将軍を真吾少年達は果たして
倒す事が出来るのか...。

767ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/06/29(水) 15:10:57
◯埋もれ木真吾→ソロモンの笛を取戻し、悪魔将軍から十二使徒達を解放する。
◯百目→メフィスト二世達との再会を喜ぶ。
◯幽子→メフィスト二世達との再会を喜ぶ。
◯メフィスト老→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯メフィスト二世→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯ユルグ→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯妖虎→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯ヨナルデパズトーリ→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯ピクシー→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯象人→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯家獣→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯サシペレレ→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯鳥乙女ナスカ→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯こうもり猫→真吾少年によって悪魔将軍から解放される。
◯鬼太郎→ソロモンの笛を取り戻す為、戦う。
◯ねずみ男→襲ってきた地下超人達に屁をくらわす。
◯デビルマン→悪魔将軍と戦う。
◯デミトリ・マキシモフ→悪魔将軍と戦う。
◯小牟→悪魔将軍がヨガのポーズでダメージを回復出来る事を話す。
◯井上織姫→真吾を回復させる。
◯ザ・ニンジャ→ソロモンの笛を取り返す為、地下超人と戦う。
●悪魔将軍→十二使徒が真吾少年によって解放された事で弱体化するが
  妖怪、デーモン族、地下超人の恨みのパワーを吸収してパワーアップする。

768ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/05(火) 13:10:51
怨みのエネルギーを吸収し、パワーアップをした悪魔将軍を相手に
真吾少年は復活した十二使徒や鬼太郎、デビルマン達と共に、熾烈な
戦いを繰り広げる。

メフィスト二世「よくも、コケにしやがって!」
メフィスト老「ゆくぞ、せがれよ!」
メフィスト二世「応、親父。魔力・冷凍冬眠!」
メフィスト老「魔力・絶対零度!」

メフィスト親子は、それぞれ「魔力・冷凍冬眠」と「魔力・絶対零度」を使い、
悪魔将軍を凍らせようとする。

悪魔将軍「むぅ...この様な攻撃で怯むものか...!」
ルキア「ならば、私も手を貸そう。次の舞...白漣!」

メフィスト親子の攻撃にビクともしない悪魔将軍に、ルキアは【次の舞 白漣】を使い、
冷気を津波の様に押し寄せ、メフィスト親子の攻撃に加勢する。

妖虎「氷の次は、炎をお見せしよう。行くぞ、ユルグよ」
ユルグ「ああ、妖虎。オーエッサムコー!」

ユルグは呪文を唱え、青白い狐火を作り放つ。そして妖虎は老人の
姿から、虎に姿を変えて体内のアルコールを用いて炎を吐き、ユルグの
狐火と合わさって、特大な火炎攻撃をぶつける。

飛影「炎か...なら、俺の炎を見よ。邪王炎殺黒龍波ッ!」
悪魔将軍「魔界の炎の黒龍か!」

ユルグと妖虎の火炎攻撃に、飛影も自らの最終奥義である邪王炎殺
黒龍波を放ち、魔界の炎の黒龍を召喚して、悪魔将軍にぶつけた。
さすがの悪魔将軍も黒龍には苦戦する。

デビルマン「よくも美樹を、こんな場所に連れてきやがって...」
悪魔将軍「貴様を葬った後、あの女も一緒にあの世へ送ってやるわッ!」
デビルマン「美樹に手を出すんじゃねえ!デビルビィィム!」
幽助「俺も行くぜ。霊ガァァァン!」
チャド「...エル・ディアブロォ!」

牧村美樹はソロモンの笛を取り戻した時に保護され、龍亀一號で
眠っている。そして美樹を危険な目に合せた怒りを悪魔将軍にぶつけようと
強力な熱光線、デビルビームをぶつける。そこに幽助の霊丸、チャドの
エル・ディアブロも合わさり、強力なパワーとなった。

零児「悪魔将軍!ぬらりひょんが言っていた“あの御方”とは誰だ!」
悪魔将軍「フッフッフッ...奴はいずれ動き出す。その時が来れば
 知る事が出来るであろう。だが、その前に俺が貴様達を葬る!」
小牟「ええい、勿体つけおって!」

零児は悪魔将軍と戦いながら、ぬらりひょんが言っていた妖怪帝国を
立ち上げた人物の事を問い質すが、悪魔将軍は答える気は無く、
小牟は苦虫を潰したような顔をする。

ねずみ男「がんばれー、鬼太郎!」
こうもり猫「ヨイショ!流石は悪魔くん、そのままやっつけるでヤンス!」
猫娘「そんな所にいないで、あんた達も少しは手伝いなさい!」
ねずみ男、こうもり猫「「すいません...(汗」」

戦いを他の人達に任せて、隅に隠れて応援していたねずみ男とこうもり猫だが、
猫娘に叱られて、身を縮こませる。そして悪魔将軍は十二使徒や鬼太郎、
デビルマン達の攻撃を受けて、徐々にダメージを募らせていく。

769ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/05(火) 13:27:57

悪魔将軍「うぅ〜...」
鬼太郎「父さん」
目玉おやじ「うむ、皆の攻撃を受けて悪魔将軍の力が弱まっておるのじゃ」
ヨナルデ「今こそ、悪魔将軍...いや、サタンの化身を我ら十二使徒と
 悪魔くんの力で封印する時なのであ〜る」
真吾「分かった!皆、力を貸してくれ」

悪魔将軍が弱まって来た事に、ヨナルデパズトーリは真吾少年に、
悪魔将軍を封印する事を提案する。それを受けた真吾少年は
十二使徒に呼びかけて、真吾少年を中心に六芒星の形になるように、
それぞれ並び立つ。

悪魔将軍「させるかぁっ!」
一護「井上!」
井上「うん!三天結盾、私は拒絶する!」
悪魔将軍「ぐぅ...なんだとっ!」

真吾少年達を邪魔しようと悪魔将軍は巨大な手を伸ばすが、
井上が三天結盾でバリアーを張り、その攻撃を拒絶した。
その間、真吾少年達による魔法陣は完成した。そして真吾少年と
十二使徒達の力が高まり、その精神は一つになっていく。

真吾「...サタンの化身よ。その身を封印する!」

そして魔法陣から発するパワーを受けて、悪魔将軍を構成していた
エネルギーは徐々に散り散りとなっていく。

悪魔将軍「うぅ...お、おのれ〜、例え、この身が滅びようとも...
 俺は諦めんぞ!必ず...復活...して...みせ...」
ザ・ニンジャ「・・・(さらば、かつての主君よ...願わくば、安らかに
 眠って下され)」

悪魔将軍は「必ず、復活する」と最期の言葉を残しながら、真吾少年達に
よって封印され、その場から消えた。ザ・ニンジャは、かつての主君を哀れみ、
安寧を願って、心の中で冥福を祈るのであった。

◯埋もれ木真吾→十二使徒と共に悪魔将軍と戦い、封印する。
◯メフィスト二世→悪魔将軍に、メフィスト老と冷凍攻撃を行う。
◯メフィスト老→悪魔将軍にメフィスト二世と冷凍攻撃を行う。
◯ユルグ→悪魔将軍に、妖虎と火炎攻撃を行う。
◯妖虎→悪魔将軍に、ユルグと火炎攻撃を行う。
◯ヨナルデパズトーリ→真吾少年に悪魔将軍を封印する事を提案する。
◯こうもり猫→ねずみ男と隅に隠れて応援する。
◯デビルマン→悪魔将軍と戦う。
◯ねずみ男→こうもり猫と隅に隠れて応援する。
◯浦飯幽助→悪魔将軍に霊丸を放つ。
◯飛影→悪魔将軍に、邪王炎殺黒龍波を放つ。
◯朽木ルキア→メフィスト親子の冷凍攻撃に加わる。
◯茶渡泰虎→悪魔将軍に、エル・ディアブロを放つ。
◯井上織姫→真吾少年達を三天結盾で守る。
◯有栖零児→悪魔将軍から「ある御方」について問いただそうとする。
◯小牟→悪魔将軍から「ある御方」について問いただそうとする。
◯ザ・ニンジャ→封印された悪魔将軍に対して、心の中で安寧を祈る。
●悪魔将軍→真吾少年達に封印され、消滅する。

770ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/06(水) 11:06:24
>>768-769加筆・修正
<<絆は種族を超えて...11>>

怨みのエネルギーを吸収し、パワーアップをした悪魔将軍を相手に
真吾少年は復活した十二使徒や鬼太郎、デビルマン達と共に、熾烈な
戦いを繰り広げる。

メフィスト二世「よくも、コケにしやがって!」
メフィスト老「ゆくぞ、せがれよ!」
メフィスト二世「応、親父。魔力・冷凍冬眠!」
メフィスト老「魔力・絶対零度!」

メフィスト親子は、それぞれ「魔力・冷凍冬眠」と「魔力・絶対零度」を使い、
悪魔将軍を凍らせようとする。

悪魔将軍「むぅ...この様な攻撃で怯むものか...!」
ルキア「ならば、私も手を貸そう。次の舞...白漣!」

メフィスト親子の攻撃にビクともしない悪魔将軍に、ルキアは【次の舞 白漣】を使い、
冷気を津波の様に押し寄せ、メフィスト親子の攻撃に加勢する。

妖虎「氷の次は、炎をお見せしよう。行くぞ、ユルグよ」
ユルグ「ああ、妖虎。オーエッサムコー!」

ユルグは呪文を唱え、青白い狐火を作り放つ。そして妖虎は老人の
姿から、虎に姿を変えて体内のアルコールを用いて炎を吐き、ユルグの
狐火と合わさって、特大な火炎攻撃をぶつける。

飛影「炎か...なら、俺の炎を見よ。邪王炎殺黒龍波ッ!」
悪魔将軍「魔界の炎の黒龍か!」

ユルグと妖虎の火炎攻撃に、飛影も自らの最終奥義である邪王炎殺
黒龍波を放ち、魔界の炎の黒龍を召喚して、悪魔将軍にぶつけた。
さすがの悪魔将軍も黒龍には苦戦する。

デビルマン「よくも美樹を、こんな場所に連れてきやがって...」
悪魔将軍「貴様を葬った後、あの女も一緒にあの世へ送ってやるわッ!」
デビルマン「美樹に手を出すんじゃねえ!デビルビィィム!」
幽助「俺も行くぜ。霊ガァァァン!」
チャド「...エル・ディアブロォ!」

牧村美樹はソロモンの笛を取り戻した時に保護され、龍亀一號で
眠っている。そして美樹を危険な目に合せた怒りを悪魔将軍にぶつけようと
強力な熱光線、デビルビームをぶつける。そこに幽助の霊丸、チャドの
エル・ディアブロも合わさり、強力なパワーとなった。

零児「悪魔将軍!ぬらりひょんが言っていた“あの御方”とは誰だ!」
悪魔将軍「フッフッフッ...奴はいずれ動き出す。その時が来れば
 知る事が出来るであろう。だが、その前に俺が貴様達を葬る!」
小牟「ええい、勿体つけおって!」

零児は悪魔将軍と戦いながら、ぬらりひょんが言っていた妖怪帝国を
立ち上げた人物の事を問い質すが、悪魔将軍は答える気は無く、
小牟は苦虫を潰したような顔をする。

モリガン「エネルギーの体っていうと、パイロンを思い出すわね」
デミトリ「何であろうと、勝つのは私だ」
悪魔将軍「我が配下に加わらないのであれば、貴様達も我が肉体の
 一部にしてくれようぞ」
モリガン「あらあら。身体を重ねるのならば、お相手してあげてもいいわよ」
デミトリ「くだらん...さっさと始末をするぞ」

肉体を取り込もうとする悪魔将軍に対し、デミトリとモリガンは分身攻撃や
カオスフレアを繰り出していく。

771ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/06(水) 12:02:51

一護「オラァ!」
悪魔将軍「その刀に黒の装束...尸魂界の死神か?その霊力、
 何やら特殊な力を感じる。貴様も我が一部に取り込んでやろう」
一護「てめぇに取り込まれる気は更々ねえぜ!」

悪魔将軍は一護の特殊な霊力を感じ取り、取り込うとするが、
一護は天鎖斬月を振りかざして悪魔将軍を斬りつける。

幽助「アンタ、悪魔の親分なんだってなぁ。倒しがいがあるぜ!」
悪魔将軍「貴様は暗黒武術会で飛影がいたチームのリーダーだったという
 浦飯幽助とかいう人間か。我が力に恐怖せよ!」
幽助「誰が、ビビるかってんだぁ!霊丸を喰らいやがれ!」

先程、デビルマンの攻撃に加わった幽助は単身、悪魔将軍に近づき、
霊丸を構える。

目玉おやじ「鬼太郎。十二使徒や見えない学校がパワーが無くなったとはいえ、
 奴の力は健在じゃ。油断をするでないぞ!」
鬼太郎「はい、父さん!」
悪魔将軍「幽霊族の末裔、ゲゲゲの鬼太郎...聞けば、地獄の力を使う事が
 出来るそうだな。いずれは地獄も制圧してみせるわ!」
鬼太郎「そんな事させるもんか!」
砂かけ「うむ。それに鬼太郎には」
子泣き「ワシ達がついておるぞ!」
シーサー「お前なんか、怖くないぞ!」
悪魔将軍「ふん。一介の妖怪風情が、威勢の良い事を言うわ。
 ならば、貴様達の力を見せてみよ!」
鬼太郎「かかってこい、悪魔将軍!」
一反「鬼太郎、おいどんに乗るばい」

悪魔将軍と対峙した鬼太郎は、一反木綿に乗って空を飛び、
砂かけや子泣き達と共に立ち向かう。

悪魔将軍「悪魔くん...いや、埋もれ木真吾よ。今度こそ、貴様を取り込み、
 我が頭脳としてくれるわ!」
真吾「いや、悪魔将軍。僕は絶対、お前なんかに取り込まれるものか!」
ヨナルデ「鬼太郎くんに多くの仲間の妖怪がいるように、悪魔くんには
 わしら十二使徒がいるのであ〜る」
鳥乙女「さっきまで取り込まれていた私達だけど、今度はそうはいかないわ」
象人「パオー!暴れるゾウ」
家獣「バウー!!」

真吾少年に近づく悪魔将軍に、十二使徒達は真吾少年を守ろうと
立ち塞がる。悪魔将軍に取り込まれた怒りから、真吾少年達は
やる気が溢れていた。

ねずみ男「がんばれー、鬼太郎!」
こうもり猫「ヨイショ!流石は悪魔くん、そのままやっつけるでヤンス!」
猫娘「そんな所にいないで、あんた達も少しは手伝いなさい!」
ねずみ男、こうもり猫「「すいません...(汗」」

戦いを他の人達に任せて、隅に隠れて応援していたねずみ男とこうもり猫だが、
猫娘に叱られて、身を縮こませる。そして悪魔将軍は十二使徒や鬼太郎、
デビルマン達の攻撃を受けて、徐々にダメージを募らせていく。

772ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/06(水) 12:12:39

悪魔将軍「うぅ〜...」
鬼太郎「父さん」
目玉おやじ「うむ、皆の攻撃を受けて悪魔将軍の力が弱まっておるのじゃ」
ヨナルデ「今こそ、悪魔将軍...いや、サタンの化身を我ら十二使徒と
 悪魔くんの力で封印する時なのであ〜る」
真吾「分かった!皆、力を貸してくれ」

悪魔将軍が弱まって来た事に、ヨナルデパズトーリは真吾少年に、
悪魔将軍を封印する事を提案する。それを受けた真吾少年は
十二使徒に呼びかけて、真吾少年を中心に六芒星の形になるように、
それぞれ並び立つ。

悪魔将軍「させるかぁっ!」
一護「井上!」
井上「うん!三天結盾、私は拒絶する!」
悪魔将軍「ぐぅ...なんだとっ!」

真吾少年達を邪魔しようと悪魔将軍は巨大な手を伸ばすが、
井上が三天結盾でバリアーを張り、その攻撃を拒絶した。
その間、真吾少年達による魔法陣は完成した。そして真吾少年と
十二使徒達の力が高まり、その精神は一つになっていく。

真吾「...サタンの化身よ。その身を封印する!」

そして魔法陣から発するパワーを受けて、悪魔将軍を構成していた
エネルギーは徐々に散り散りとなっていく。

悪魔将軍「うぅ...お、おのれ〜、例え、この身が滅びようとも...
 俺は諦めんぞ!必ず...復活...して...みせ...」
ザ・ニンジャ「・・・(さらば、かつての主君よ...願わくば、安らかに
 眠って下され)」

悪魔将軍は「必ず、復活する」と最期の言葉を残しながら、真吾少年達に
よって封印され、その場から消えた。ザ・ニンジャは、かつての主君を哀れみ、
安寧を願って、心の中で冥福を祈るのであった。

◯埋もれ木真吾→十二使徒と共に悪魔将軍と戦い、封印する。
◯メフィスト二世→悪魔将軍に、メフィスト老と冷凍攻撃を行う。
◯メフィスト老→悪魔将軍にメフィスト二世と冷凍攻撃を行う。
◯ユルグ→悪魔将軍に、妖虎と火炎攻撃を行う。
◯妖虎→悪魔将軍に、ユルグと火炎攻撃を行う。
◯ヨナルデパズトーリ→真吾少年に悪魔将軍を封印する事を提案する。
◯鳥乙女ナスカ→悪魔将軍に立ち向かう。
◯象人→悪魔将軍に立ち向かう。
◯家獣→悪魔将軍に立ち向かう。
◯こうもり猫→ねずみ男と隅に隠れて応援する。
◯デビルマン→悪魔将軍にデビルビームを放つ。
◯デミトリ・マキシモフ→悪魔将軍に攻撃をする。
◯モリガン・アーンスランド→悪魔将軍異攻撃をする。
◯鬼太郎→悪魔将軍に立ち向かう。
◯砂かけばばあ→悪魔将軍に立ち向かう。
◯子泣きじじい→悪魔将軍に立ち向かう。
◯シーサー→悪魔将軍に立ち向かう。
◯一反木綿→鬼太郎を乗せて空を飛ぶ。
◯猫娘→隅に隠れているねずみ男とこうもり猫を叱る。
◯ねずみ男→こうもり猫と隅に隠れて応援する。
◯浦飯幽助→悪魔将軍に霊丸を放つ。
◯飛影→悪魔将軍に、邪王炎殺黒龍波を放つ。
◯黒崎一護→悪魔将軍に斬月を斬りつける。
◯朽木ルキア→メフィスト親子の冷凍攻撃に加わる。
◯茶渡泰虎→悪魔将軍に、エル・ディアブロを放つ。
◯井上織姫→真吾少年達を三天結盾で守る。
◯有栖零児→悪魔将軍から「ある御方」について問いただそうとする。
◯小牟→悪魔将軍から「ある御方」について問いただそうとする。
◯ザ・ニンジャ→封印された悪魔将軍に対して、心の中で安寧を祈る。
●悪魔将軍→真吾少年達に封印され、消滅する

773ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/06(水) 14:37:04
<<絆は種族を超えて...エピローグ>>

***六本木***

悪魔将軍を封印し、目的を達成した一同。魔界の住人であるデミトリや
モリガン、飛影は、そのまま魔界に残り、十二使徒の数名はファウスト博士や
見えない学校の元へと戻った。

裏嶋「彼女は気を失っているだけで外傷とかは無いわ。もう少ししたら、
 目を覚ます筈よ」
明「そうか、よかった。アンタらには世話になっちまったな」

デビルマンは不動明の姿に戻り、裏嶋から美樹の容態を聞いて、明は
安堵する。そして治療した裏嶋達に礼を述べた。

真吾「よかったですね。ええと...」
明「不動明だ。この姿の時はな...じゃ、美樹も無事みたいだし、
 連れて帰らせてもらうぜ」
零児「待ってくれ。サタンの化身は倒したが、おそらくぬらりひょんと
 デーモン族の繋がりは消えていないと思われる。デーモン族について
 詳しく聞かせてくれないか」

美樹を連れて帰ろうとする明に、零児はデーモン族の情報を聞こうと
引き留める。魔界から六本木まで移動する間、明から自身の事や
デーモン族についてある程度聞かされたが、これからの戦いの為にも
より詳細な情報が必要だった。

明「...俺は別に世界がどうなろうと知ったこっちゃねえ。俺は只、美樹が
 悲しむ姿を見たくないだけだ。今回だって、美樹が攫われたから、美樹を
 取り戻す為、動いただけだからな。デーモン族についてなら、兜甲児や
 ゲッターチームの3人に聞いてみな。アイツラもデーモンと戦った事があるからよ」
零児「...そうか、了解した。無理強いはしない。だが、もしまた何かあれば
 協力してほしい」
明「...あばよ」

美樹を守る事が一番の理由である明は、零児の要請を断り、美樹を
起こさない様に気を遣いながら、静かにデビルマンに変身し、彼女を
連れて飛び去っていた。

小牟「人間の女性を愛して、同族の悪魔を裏切るとか、まるでダンテじゃのう」
零児「...そうだな」
ザ・ニンジャ「...では、拙者も上司への報告の為、これで失礼する」
零児「協力、感謝する」
小牟「わしらにも忍者の知り合いがたくさんいるが、そやつらと会わせて
 みたかったのう」
ザ・ニンジャ「いずれ、拙者以外の正義超人がお主達と共に戦う事になるで
 ござろう。その時は、彼等を頼む。では、御免!」

飛び去っていくデビルマンを見ながら、零児と小牟は仲間の悪魔を裏切り、
人間に味方した悪魔の英雄を父に持つデビルハンター、ダンテを思い出す。
そしてザ・ニンジャも上司であるキン肉アタルに事件の報告をしようと、
その場から去った。

幽助「じゃ、俺達も帰らせてもらうぜ」
一護「また、何かあったらよろしく頼みます」
ルキア「うむ。私も事件の報告をせねば」
井上「ありがとうございました」
チャド「...失礼します」
小牟「帰りは気をつけるのじゃぞ」

明やザ・ニンジャが去ったので、幽助や一護達もそれぞれの場所へ
帰る。

目玉おやじ「それにしても、大変な事態になったものじゃったのう」
ヨナルデ「でも、お互い無事で何よりなのであーる」
ねずみ男「(さっきから気になっていたけど、こいつら声が似ているなあ)」
真吾「助けてくださり、ありがとうございました。鬼太郎さん」
鬼太郎「お礼なんていいって。それに君と十二使徒の絆を見れてよかったよ」
真吾「鬼太郎さんは、人間と妖怪が仲良く暮らせる世の中を目指しているって
 皆から聞きました。僕も人と悪魔が仲良く暮らせる世界を目指しています。
 お互い、頑張りましょう!」

真吾少年は鬼太郎に感謝の言葉を伝える。そしてお互い人間と妖怪や悪魔が
共に暮らせる世界を目指しているので、目指す世界の為、手を握り交わす。

目玉おやじ「世間じゃ、公民権法案という粋な法案が出たが、これで人間も
 他の種族が手を取り合っていけるといいんじゃがのう」
零児「...正直な所、まだまだ手を取り合うには時間がかかるだろう。
 それにぬらりひょんの言っていた妖怪帝国という存在が気になる。
 奴らが、どの様な事を仕掛けてくるか分からないが、その時は君達の
 力を貸してほしい」
真吾「勿論です」
鬼太郎「閻魔大王様は、僕達にこういった事件を調べさせようとしていました。
 此方こそ、是非協力させてください」
零児「...そいつは重畳」

こうして鬼太郎、真吾少年はぬらりひょんの言う、妖怪帝国を調べるべく
森羅に協力するのであった。

774ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/06(水) 15:53:09
***????***

そこは何処かの城の様な場所。その大広間に当たる部屋に、
旧日本軍の様な軍服を着た人物が玉座の様な椅子に座っていた。
それに対峙するのは、鬼太郎達を相手に戦っていたぬらりひょんだった。

????「...悪魔将軍―恐怖の将が敗れたか」
ぬらりひょん「うむ。悪魔くんを取り込み、絶大なパワーを手に入れて
 復活するつもりじゃったが、鬼太郎をはじめ厄介な連中が来てしまって
 残念じゃが失敗してしまった」
????「...流石のサタンの化身も鬼太郎やデーモン族の勇者、
 デビルマン達には敵わなかったとみえる」

ぬらりひょんは玉座に座る人物に悪魔将軍が真吾少年や鬼太郎達に
敗れた事を報せる。そして玉座に座る人物とぬらりひょんに声を掛けたのは、
空に浮かぶ巨大な目、西洋妖怪の親玉であるバックベアードだった。
バックベアードは妖怪帝国のアメリカ、ヨーロッパの支部長をしている。

????「ふふっ...流石は坊や達ね」
バックベアード「おや?ミス・沙夜。君も来たのかね」
沙夜「ええ、バックベアード様。ゆらぎとは違う、時空クレバスの解析と
 制御も順調に進んでいますわ」

現れたのは銀色の髪と尻尾を持つ妖艶な女性―森羅の宿敵である組織
【逢魔】のエージェントである妖狐、沙夜だった。妖怪帝国の傘下となった
逢魔では黄泉還り現象と同時期に起き始めた時空クレバスの研究が行われ、
徐々に制御されつつあった。

左京「...時空クレバスの制御が可能になれば、私の目的も容易に叶うという訳だ」
バックベアード「ミスター左京。ロソンコンツェルンの会食は終わったのかね?」
左京「ええ。先程、会食を済ませて此方に伺わせていただきましたよ」

沙夜に続いて現れたのは、左京だった。ロソンコンツェルンの会食に
招待された彼は、会食を済ませて、この場に参上した。

????「鬼太郎...悪魔くん...デビルマン...そして、今回の件に
 関わった多くの者達...彼らは、いずれ大いなる戦士達と共に再び集う
 事になるだろう。大いなる戦いの渦に巻き込まれて...だが、全てを
 征するのは我らが妖怪帝国だ。フフフフ...フハハハハ」

玉座に座る人物―かつて帝都・東京の滅亡を画策し、大正時代において
関東大震災を引き起こした元・帝国陸軍の魔人である妖怪帝国の総統、
加藤保憲は、これからの戦いの予感を感じながら、高らかに笑うのであった。

775ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/06(水) 16:16:03
◯デビルマン/不動明→牧村美樹を連れて家に戻る。
◯ザ・ニンジャ→任務の報告をする為、帰還する。
◯浦飯幽助→家に帰る。
●左京→ロソンコンツェルンでの会食を終わらせ、顔を見せる。
◯黒崎一護→家に帰る。
◯朽木ルキア→任務の報告をする為、尸魂界に帰還する。
◯井上織姫→家に帰る。
◯茶渡泰虎→家に帰る。
◯有栖零児→鬼太郎、真吾少年に協力を要請する。
◯小牟→鬼太郎、真吾少年に協力を要請する。
●沙夜→時空クレバスの研究経過を報告する。
◯鬼太郎→零児の要請を受ける。
●ぬらりひょん→悪魔将軍が敗れた事を加藤保憲に報告する。
●バックベアード→加藤保憲とぬらりひょんに声を掛ける。
◯埋もれ木真吾→零児の要請を受ける。
●加藤保憲→ぬらりひょんから悪魔将軍が敗北した事を知らされ、
  これからの戦いの予感を感じ取る。

【今回の新登場】
●加藤保憲(帝都物語/帝都大戦/妖怪大戦争)
 元帝国陸軍の将校で、帝都・東京の滅亡を幾度も画策しており、
 大正時代には関東大震災を引き起こしたとされる。極めて強力な
 霊力を有しており、あらゆる魔術に精通している。

●バックベアード(ゲゲゲの鬼太郎)
 黒い太陽の体に巨大な一つ目を持つ西洋妖怪の親玉。
 アメリカ合衆国妖怪大統領なる肩書きを持つ。

●沙夜(NAMCO×CAPCOM)
 逢魔の極東本部所属の幹部級エージェントである妖狐。成熟した
 女性の外見をしており、常に人を食ったような言動で話す。零児の
 父親を殺害し、零児の頭部に傷を負わせた零児の宿敵。

776凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/09(土) 16:19:40
≪秘書Nとアルハザードの出会い≫

***南シナ海・南沙諸島***

少女「………」

眩しい太陽が島を照らす晴天の朝、少女は麦藁帽子を被って外へ出ると、
井戸水を汲んでジョウロに入れ、庭に咲いた赤いハイビスカスの花に水をやり始めた。
少女が種を植え、今日までずっと育ててきた大切な花である。
世話の甲斐あってとても綺麗に咲いてくれた事が、10歳の少女にはとても嬉しかった。

少女「元気に育ってね。お花さん」

だが、少女が笑顔でそう呟いたその瞬間から、
この穏やかだった日常は音を立てて崩壊する…。
                __
                 , '┴''` 、    fl
            _{,'ヽ、;  `ー¬r‐┴──--------------X、
           /ヘ \rtr、__∧  Vr' ̄]l-‐‐…  __,.二 -…'''"´
-- -- - - _,,.. ‐''"ヽi └┘ XllV  └ ┘v ll`ーr=ニ二,´  ‐‐‐─‐‐‐
  _,,.. ‐'' "  _,,,..  -‐ァ `(⌒{}{} ` ┬(⌒'Vll_,ノ;, ̄ ̄
 '-‐ '' "´     ∠斗‐‐、__ム>‐'`ー^iー'^fl  ゙;; ‐ -‐ +-

少女「きゃぁっ!?」

突如、耳をつんざくような轟音と共に、
一機の爆撃機が超低空飛行で少女の頭上を通り過ぎた。
巻き起こった強い突風が少女の麦藁帽子を吹き飛ばし、
ハイビスカスの赤い花びらを切り刻むようにバラバラに散らしてしまう。

少女「ああっ! お花が…!」

花びらを全てもぎ取られ、無惨な姿となった花に少女が駆け寄ろうとした次の瞬間、
遠くで爆発が起こり、火柱が高く噴き上がった。
今の爆撃機が島に爆弾を落としたのだ。
非常事態の発生を知らせる鐘の音が島一帯に鳴り響く中、
少女はただ呆然と立ち尽くしながら、遠くに上る真っ赤な炎を眺めていた…。

  ◇  ◇  ◇

セカンドインパクトによる世界の混乱が冷めやらぬ西暦2003年、
南沙諸島(スプラトリー諸島)の領有権を巡って、
中国とベトナムが軍事衝突を起こした。
美しいエメラルドグリーンの海を軍艦が埋め尽くし、
戦闘機や爆撃機の編隊が轟音を立てながら青空を飛び交う。
平和で長閑だった南沙諸島の島々は、両国軍の戦いに巻き込まれて地獄と化した。

少女「きゃぁっ!」
父親「さあ、早くこっちへ!」

島を襲った空爆による激しい炎に追われながら、
少女は両親に連れられて、必死に海岸を目指して走った。
漁港では島民達が我先にとボートに飛び乗り、
今や火の海となった島から脱出しようとしていたが、
少女らが岸に着いた頃には、どのボートももう満員になってしまっていた。

父親「ボートに乗せて下さい! お願いします!」
村人A「無理だ。もうこれ以上は乗れんよ。見ての通り一杯だ」
村人B「お〜い、すぐに出港するぞ!
 もたもたしてたら、ここも空爆されちまう!」

少女の両親は顔を見合わせ、二人で無言のまま頷き合うと、
ボートに乗っている村の人に言った。

父親「この子だけでもお願いします。
 子供一人だけなら何とか乗れるはずだ」
母親「さようなら。強く生きるのよ」
少女「そんな…。嫌! パパ! ママ!」

両親は少女を思い切り抱き締めると、抱きかかえてボートに乗せた。
嫌だと泣き叫ぶ少女を乗せて、漕ぎ出したボートは岸を離れてゆく。
どんどん小さくなっていく両親の姿を、少女はずっと泣きながら見ていた。
数分後、そこに空から爆弾が落ちてきて炎が二人を包んだ、その瞬間まで――。

777凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/09(土) 16:22:04
***フィリピン・パラワン島***

その日、サラジア共和国のアフマド・アルハザード議員は、
南沙諸島にほど近いフィリピンのパラワン島を訪れていた。
目的は無論、遂に始まった中国とベトナムの軍事衝突の様子を間近で視察し、
現地の生の情報を仕入れてサラジア本国へと送る事である。

アルハザード「あれは何だ…?」

昼下がり、仕事の息抜きにパラワン島の海岸を歩いていたアルハザードは、
浜辺に人らしきものが流れ着いているのを目にした。

少女「………」
アルハザード「子供ではないか」

女の子だ。意識を失っているがまだ命はあるらしく、
アルハザードが腹をゆっくり押してやると口から水を吐き出し、
苦しそうに痙攣を繰り返していた。

アルハザード「ホイミ!」

少女に向けて手をかざし、回復魔法をかけて生気を注ぎ込む。
しばらくすると少女は意識を取り戻した。

少女「………」
アルハザード「気がついたかね」

あまり人相の良くない見知らぬ男の顔を見て、
少女は驚き怖気づいてしまう。
その怯えようを見て、アルハザードはかえって毒気を抜かれた。

アルハザード「怖がらなくていい。何も悪さはせん」

言葉が通じないため、ジェスチャーでアルハザードは
まずは安心するよう少女に訴えた。

アルハザード「さては戦争に巻き込まれた避難民の子か…」

ボートの破片らしき木片が一緒に浜に流れ着いているのを見て、
アルハザードは海の向こう、南沙諸島の方角をじっと眺めやりながら唸った。
天候は晴れていたのが一転にわかに曇り出し、沖では嵐が起きていそうな気配である。
戦火に煽られ、島からボートで逃げ出したが嵐に遭って敢えなく難破…と、
成り行きはおおよそ推察できた。
この子の両親は恐らく、もう生きてはいないだろう。

アルハザード「火傷をしているな。
 塩水がさぞ沁みるだろう。どれ、薬草を塗ってあげよう」

アルハザードは胸ポケットから薬草を取り出し、
火の粉を浴びて少女が手に負っていた火傷の上に塗りつけた。
するとすぐに、火傷は綺麗に治ってしまったのである。
少女は驚いて目を丸くした。

少女「すごい…!」
アルハザード「フフフ…。驚いたかい。
 おじさんは魔法使いなんだ。
 ついておいで。悪いようにはしない。
 君の名前は……そうだな、ナウラと呼ぼう。
 アラビア語で花という意味だ」

少女の手を引いて、アルハザードは歩き出した。
なぜこんな慈悲深い善人のような真似をしたのか、
自分でも説明がつかない不思議な気持ちだった。
しかし天涯孤独のアルハザードにとって、
これは股肱の臣を得る事になる運命の出会いだったのである。

778凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/09(土) 16:28:27
≪秘書Rとアルハザードの出会い≫

***ダカール・マクロスシティ***

アルハザード「ふむ、こんなところだろう」

セネガル共和国の首都であり、地球連邦政府の議会が置かれているダカールのマクロスシティ。
サラジア共和国のアフマド・アルハザード議員は大統領に随行してそのダカールを訪れ、
明日の地球連邦議会で予定されている大統領のスピーチ原稿をチェックしていた。

アルハザード「地球連邦の一員として、
 より一層大きな役割を我がサラジアが果たしてゆく……か。
 偽善もいいところだが、欧米の列強どもを黙らせるには
 これも今は必要なパフォーマンスというものだろう」

アメリカを筆頭とする地球連邦の主要国とは決して関係が良好でないサラジアだが、
この時点では、表向きは地球連邦の一加盟国としてあくまで穏便に振る舞い、
一部からは警戒されつつも国際社会における一定のポジションを確保している。
今回もアフリカで多発しているテロを根絶するため、
サラジアは新たに3億ドルの資金を地球連邦に供出し、
世界平和のため貢献するというポーズを取る事になった。

アルハザード「う〜む、デスクワークは肩が凝るものだ。
 少し外を散歩して来よう」

仕事をひと区切り付けたアルハザードは席を立ち、
大使館を出て付近を散策しようと外へ向かった。

  ◇  ◇  ◇

テロリストA「さあ、やるんだ!」
テロリストB「それとも、今ここで銃殺されたいか?」
少女「………」

その頃、サラジア大使館の近くにある茂みの陰では、
二人の若いテロリストが黒人の少女に銃口を突き付けて脅していた。
ここセネガルを拠点とする北西アフリカの武装集団「サヘルの獅子」。
アフリカの貧困の原因は地球連邦政府の不公正な統治にある――と主張し、
反連邦を高らかに掲げる革命組織だが、
実態は正義のためと称して一般市民を標的にしたテロを平然と行う、
血も涙もない狂気の殺戮集団である。
彼らは襲撃した村から拉致した10歳の少女を脅迫し、
自爆テロによってサラジア大使館を爆破させようとしていた。

テロリストA「サラジアは愚かにも我々を裏切り、
 我々を撲滅しようと企む地球連邦政府に多額の資金を提供した。
 このような卑劣な背信には血の報いを臨ませなければならない。分かるね?」
テロリストB「お前はただ彼らの所へ向かって歩くだけでいい。
 我々が遠隔操作で爆弾を起動させ、奴らを葬り去る。
 これは正義の行いだ。正義のために、進んで命を差し出すんだ」

少女の服の下には爆弾が巻き付けてある。
サラジア大使館の敷地に少女が迷い込んだふりをして侵入したところで、
テロリスト達が起爆ボタンを押し、大使館内にいる大統領らサラジア代表団を
少女ごと木端微塵に吹き飛ばすという、子供を利用した自爆テロである。

779凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/09(土) 16:32:02
テロリストA「どうした? できないのか」
テロリストB「嫌なら、今ここで死を選ぶか?」
少女「いいえ…」

もし自爆を拒否すれば射殺すると少女はテロリストに脅されていた。
やろうとやるまいと、もはや少女の命はないのである。

少女「分かりました。やります…」
テロリストA「よく言った。成功を祈る。自由サヘル万歳!」
少女「自由サヘル万歳…」

上擦った声で敬礼し、少女は大使館に向かってゆっくりと歩き出した。
一歩一歩、踏み出す足もガタガタと震えて躓きそうになる。
そうして大使館の敷地に少女が入った時、中から一人の男が出て来てぶつかった。

アルハザード「む? 何だね、君は」
少女「あ、あの…、ごめんなさい」
アルハザード「子供がこんな所で何をしている?
 何をそんなに怯えているのだ? 君は…」

見るからに挙動不審な少女が自分の脇腹に妙に目をやっているのを見て、
アルハザードは異常に気付いた。
ほんのわずかだが、服がそこだけ不自然に盛り上がっている。

アルハザード「これは…!」

魔法による透視で、アルハザードは少女の服の下に隠された爆弾を発見した。
サヘルの獅子という、自爆テロを常套手段とする非道なテロ組織の噂はアルハザードも聞き及んでいる。
状況をすぐに察したアルハザードは少女の脇腹に素早く手をかざした。
カチッ、と小さな音がして、下着のシャツの上に付けられていた爆弾の起爆装置が魔法の力で故障する。

アルハザード「怖がる必要はない。もう爆弾は爆発しない。
 可哀想に…。自爆するよう悪い大人どもに強要されたのだな」

アルハザードは念動力で爆弾を触らずに少女の体から取り外した。
少女が不思議そうに見詰める中、爆弾はふわふわと宙に浮いて
アルハザードの手に吸い寄せられる。

少女「ご…ごめんなさい…その…私…」
アルハザード「安心しなさい。君は何も悪くない。
 君に対して怒ったりはせんので大丈夫だ。
 …ただし、こんな手で私を殺そうとした連中の事は許せんがね」

困惑して泣き出しそうになりながら、少女はセネガル訛りの強いフランス語で必死に謝ろうとする。
アルハザードは手に取った爆弾を弄びながら少女に言った。

アルハザード「ここを動くんじゃないぞ。
 この爆弾を、元の持ち主に返して来なければならん」

780凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/09(土) 16:33:47
テロリストA「なぜだ…! なぜ爆弾が爆発しない!?」
テロリストB「故障か? そんなはずは…」

起爆ボタンを何度押しても爆発が起きないのを見て、
うろたえる二人のテロリスト達。
そこへ一陣の冷たい風が吹き、黒いローブに身を包んだ怪人が彼らの前に現れた。

テロリストA「な…何だ貴様は!?」
バルゴグ「泣く子も黙る砂漠の魔人だ。
 もっとも、この界隈ではあまり馴染みはないだろうがな」

片手に魔法杖を持ち、もう片方の手で爆弾を弄びながら、
黒装束の魔道師バルゴグは死神のように囁く。

バルゴグ「子供を利用した自爆テロか…。
 この私を葬る手段としては下の下だな。
 頭のいかれた愚か者どもには制裁を加えてやろう」
テロリストA「貴様、さてはサラジアの手の者だな?」
テロリストB「地球連邦の犬め! くたばれ!」
バルゴグ「プロテス!」

バルゴグに向けて機関銃を乱射する二人のテロリストだが、
銃弾は防御魔法で張られた結界に弾かれ、全くダメージを与えられない。

バルゴグ「連邦の犬とは笑止…。
 アジアの国の格言に、〝ちっぽけな小鳥には巨鳥の大志は分からない″
 という意味のものがあるが、まさに君達の事だな」
テロリストA「連邦に多額の金を積んでひれ伏しておきながら、
 よくもぬけぬけと!」
テロリストB「サラジアの腰抜けぶりには失望したぞ。
 我々は貴様らを、この歪んだ世界を引っ繰り返す革命の同志だと思っていたがな」
バルゴグ「それには手順というものがあろうが…。
 破壊と殺戮しか能のない単細胞の君達に、
 これから世界の引っ繰り返し方のお手本を見せてやる。
 ゆっくりと見学しているがいい。地獄でな」
テロリストA・B「うわぁぁっ!」

左手のハンドジャックナイフを展開したバルゴグは、
二人のテロリストの足の腱を切りつけ、歩けなくさせてしまった。

バルゴグ「これは君達の物だ。受け取りたまえ」

バルゴグは持っていた爆弾を倒れている二人のテロリストの足元に投げ転がした。
踵を返し、悠然と立ち去って行くバルゴグ。
やがて振り返ったバルゴグは、遠くから魔法杖を向けて呪文を唱えた。

バルゴグ「メラ!」
テロリストA・B「ぐわぁぁぁっ!!」

杖の先端から放たれた火球が爆弾に命中し、誘爆を引き起こして辺り一帯を吹き飛ばす。
その後現場に急行し、焼け焦げた二人の遺体を確認した地元警察は、
爆弾テロ犯が誤って自分の爆弾で事故死してしまったものと断定し、
容疑者死亡のまま二人を書類送検したのであった。

アルハザード「悪人どもはあの世へ送っておいた。もう何も心配はない」
少女「………」

大使館へ戻って来たアルハザードは、少女の頭を優しく撫でた。

アルハザード「まだ震えているな。
 サラジア人は悪魔だとでもテロリストに教育されたのかも知れんが、
 私は悪魔などではない。もっと凄いものだ」

アルハザードは地面に転がっていた小石を念動力で浮かせ、
手品を見せるようにして少女を慰めた。
初めは呆然としていた少女だが、その目が次第に感嘆の色に変わってゆく。

アルハザード「外は暑い。まずは上がりなさい。
 大使館にはフランス語の通訳もいる。
 冷たいジュースでも飲みながらゆっくり話そうじゃないか」

少女の手を引いて、アルハザードは大使館の中に彼女を招き入れた。
通訳を介した会話で、少女は泣きながら自分の悲劇的な事情をアルハザードに話した。
村を襲ったサヘルの獅子に両親を殺され、自分だけ拉致されて、
もう帰る場所もないと聞かされたアルハザードは彼女を引き取り、サラジアへ連れて帰る事にした。
サヘル砂漠の小さな村で生まれたという少女に、
アルハザードはアラビア語で砂を意味するラムラという名を与え、
養女として育てる事にしたのだった。

781ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:20:07
≪X星人の侵略!怪獣軍団総攻撃-改訂版≫


***北海道・標茶町***

修司「あれっ? どうしたんだろう」

星崎修司、30歳。北海道のとある田舎町に住んでいる市井の男性。
アマチュア音楽家で、携帯電話の着信メロディ等を自作し、
自分が運営するウェブサイト上で無料配布している。
だがある日、そのサイトが何者かのハッキングを受けた。

「我々はX星人である。星崎修司、お前を抹殺する!」

日本語で作成されていたホームページが突如、
謎の文字列に書き換えられてPC画面に表示される。
だが修司には、地球のどの言語でもないそのメッセージが読めた。
そしてそこには、彼を殺すという恐ろしい脅迫文が書かれていたのである。

修司「…!」

慄く修司。そこへ部屋の窓ガラスを割り、
黒いコスチュームを着て目にはゴーグルを付けた数人の男達が入って来る。

修司「お、お前達は、X星人!」
X星人A「我々が遠い昔に絶滅させたはずのムーサ星人が、
 まさかこの地球に逃げ込んでいたとはな」
X星人B「その上、我々の弱点である殺人音波を
 この星のコンピューターネットワークにばら撒きおって。
 我々の計画の邪魔をする者は生かしてはおけん!」
修司「や、やめろ! うわぁぁっ!」

X星人は手に持っていたレーザーガンで修司を射殺。
そしてPCを操作し、彼のホームページを全て消去してしまった。

X星人C「ありました! エラトーの竪琴です!」
X星人D「よし、直ちに破壊しろ!」

家の中を捜索し、楽器が置かれている修司の趣味の部屋から
一つの竪琴を発見したX星人は、レーザーガンでその竪琴も木端微塵に破壊した。
エラトーの竪琴と呼ばれるそれは、かつて繁栄したムーサ星人の
伝統的な民族楽器として知られているものであった。


***東京・岡島家***

雄大「あれっ? サイトが無くなってる…」

そのわずか数分後、自室のベッドに寝転がりながら、
スマートフォンを操作して修司のサイトにアクセスしようとした岡島雄大は、
ブックマークしておいたそのサイトが閲覧不能になっているのを見て首をひねる。
昨日、たまたま見付けたばかりのサイトで、
配布しているスマートフォン用の着信メロディがとても良かったので、
試しに一つダウンロードし、更に他にもいいものはないかと、
改めてサイト内を色々見てみるつもりだったのだが…。

雄大「閉鎖か…。ちぇっ、見付けるのが遅かったかな」

この時点では、これが自分さえも巻き込む世界的大事件の端緒になろうとは、
雄大には予想できようはずもなかった…。

782ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:21:19
***東京・メガロシティ***

不良A「なあお嬢ちゃん、お金貸してよ〜」
不良B「その制服、海防大付属だよな。
 すっげえエリート校じゃん。
 俺らみたいな底辺校の奴らと違ってリッチなんだろ?」
奏美「そ…そんな…。やめて下さい!」
雄大「あれは…、波川さん?」

波川奏美、16歳。海防大学付属高校1年生。
雄大のクラスメイトで、豪邸で暮らしている大富豪のお嬢様である。
しかし雄大とはこれまで接点が少なく、会話をした事はほとんどなかった。
下校中の雄大は、その奏美が他校生の不良グループ三人組に絡まれているのを発見する。

雄大「あの制服、硝子山高校じゃないか!
 波川さん、ヤバい奴らに捕まっちゃったなあ〜」

硝子山高校は都内屈指の荒れた高校として有名で、
不良の集団が他校の生徒を相手に暴行や恐喝に及ぶ事も少なくないため、
目を付けられたら大変と、海防大付属生からも恐れられていた。

雄大「(ど、どうする…?
 僕なんかが戦っても勝てる相手じゃないし、
 ここは光平先輩を呼んで……いやいや、
 そんな事してる間に波川さんが…!)」

日頃からテニス部で体を鍛えているスポーツマンとは言え、
格闘技の経験があるわけでもなく、雄大は喧嘩は苦手である。
だが、とにかく今はやるしかない。
勇気を振り絞って、雄大は不良達の前に飛び出した。

雄大「お、おい…! やめろよお前ら…!」
不良A「あ? 何だてめえ」
不良B「お前も海防大付属か?」
雄大「お…女の子相手に恐喝なんかして、
 恥ずかしくないのかよ!」
不良C「ヒャ〜! 女の子を守る王子様ってとこかい?
 カッコいいねえ」

雄大を口々にからかいながら、三人の不良は恐ろしい形相で迫って来る。
後ずさりそうになりながらも身構える雄大。だが…。

不良A「ざけんじゃねえっ!」
雄大「うわぁっ!」

不良のパンチが雄大の顔面に命中。
かけていた眼鏡が吹っ飛び、雄大は倒れて地面に尻餅をつく。
すかさず不良達は雄大を取り囲み、
胸倉を掴んで無理に立ち直らせると、殴る蹴るのリンチを加え始めた。

雄大「うわぁ〜っ!」
奏美「だ、誰か助けて下さいっ〜!!」

783ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:21:55
佳代「待ちな、アンタ達!」
雄大「か、佳代先輩…!?」

そこへ運良く通りがかり、奏美の悲鳴を聞いて飛んで来たのは、
雄大の一年先輩の錦織佳代である。

不良A「おやおや、こっちの女の子もなかなか可愛いじゃねえか」
不良B「キミがもしかして、この子の代わりに俺たちの相手をしてくれるのかな〜?」
不良C「胸が小さそうなのが少々残念だけどなww」

                 /\
                / ヽ\
               /  ヽ \             / \
              /    ヽ \__        / ヽ \
             /  ‐_ ヽ     ―――__/   ヽ \
            /        ̄           / __ ヽ \
           |                          ̄  \
           |                             |  ←注:佳代
           |        ||                   |
           |  ゝ_  |||/                  |
           |  ( ・ ブ       ゝ__       ┃ ┃   |
           |    ̄         ( ・ ̄ ̄ ブ   ┛ ┗  |
           |              ゝ__ ノ    ━┓ ┏  |   ┃ ┃
           |    __            ̄        ┃  |   ┃  ┃
           |     | ̄ ̄ーヽ                  |   ┃   ┃
           |     |     ヽ                 |
           |     |     |ヽ               |      ━┓
            \   _⊥_    |                |      ┃┛
             \      ̄ ̄ヽ_⊥               |
              \                         |     ┏━┓
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784ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:22:32
不良たちは余計な失言で、佳代の逆鱗に触れてしまったようだ。
佳代は思い切り怖い顔をして、不良たちに向けてガンをとはず。

不良A「何だぁ? 女のくせにやるかゴルァ!」
佳代「アンタ達じゃ相手にならない。
 カツアゲなんていう悪さはやめて、
 怪我をする前にとっとと消えな!」
不良B「舐めた口利きやがって…。
 たった一人で俺達三人に勝とうってのか?」
不良C「ふざけんなよ。死ねオラァっ!!」
佳代「っ…!」

元々、伊賀忍法と月影流武術の心得がある佳代にとっては、
そこらの不良など例え三人がかりでも相手にならないというのは、
ハッタリや思い上がりなどではなく事実である。
不良のパンチを掌で受け止めた佳代は、そのまま相手の拳を握った手に少しずつ力を込める。

不良C「うぎゃぁぁぁっ!」
不良A「て、てめえ! 女だと思って手加減してたら調子に乗りやがって!」
不良B「ぶっ殺すぞ!」

激昂した二人の仲間が佳代に襲いかかるが、
佳代は片方が打ち込んできた大振りなパンチを屈んでかわし、
アッパーカットで顎を下から弾き飛ばす。
そして間髪入れず佳代の背後を狙おうとしていたもう一人の不良に
反転して足払いのローキックを浴びせ転倒させた。
その瞬間、少しだけ彼女のスカートの中が見えてしまい、
雄大は赤面しながら、慌てて両手で目を覆う。

雄大「か、佳代先輩! 見えてます! 見えてますよォ〜!…(///)」

そんな忠告などお構いなしに、見ていた雄大と奏美も思わず呆然となるほど、
鮮やかに一瞬で三人の不良を蹴散らしてしまった佳代。
これでも大幅に手加減しているので
三人ともダメージ自体は大した事はないが、
実力が違い過ぎる事は今の一連のアクションだけで十分に明らかだった。

不良A「ち、畜生! 覚えてやがれ!」

捨て台詞を吐いて一目散に逃げて行く不良達。

雄大「良かった〜。ありがとうございます佳代先輩!
 波川さんも、怪我はないっすか?」
奏美「え、ええ…。私は大丈夫…。
 でも岡島くん、ひどい傷だわ!」
雄大「あ、いやいや、掠り傷っすよ」

あちこちに痛々しいアザを作りながらはにかむ雄大。
奏美はポケットからハンカチを取り出し、
切れて出血している雄大の口元を拭いた。

785ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:23:16
佳代「あ〜あ、岡島、眼鏡壊れちゃったね」
雄大「ええ〜っ、マジっすか!?
 弱ったな〜。どうしよう」

殴られた衝撃で地面に落ちた雄大の眼鏡を佳代が拾い上げるが、
眼鏡はフレームがひどく折れ曲がり、レンズにも太いヒビが走ってしまっていた。

奏美「岡島くん、良かったらうちに来て。
 私のお父様が会長をしている波川ファウンデーションの系列に、
 眼鏡屋さんの会社もあって、そこの店長さんは私とも昔から顔見知りなの。
 連絡してお願いしてみれば、きっと何とかしてくれるはずよ」
佳代「えっ!? 波川ファウンデーションって、
 あの怪獣ランド計画の…?」
雄大「そうなんですよ先輩!
 波川さんは、あのハモンド島の怪獣ランドのスポンサーになってる、
 波川ファウンデーションの会長さんのご令嬢なんです!」

波川ファウンデーションは、奏美の父・波川謙吾が会長を務める大財閥である。
その波川ファウンデーションは現在、
地球連邦政府の事業である怪獣ランド計画のスポンサーとなっていた。

怪獣ランド計画とは、南太平洋のハモンド島に建設された巨大怪獣の飼育施設で、
怪獣達を捕獲し動物園のように一ヶ所に閉じ込めて管理するという、
世界各地で脅威となっている怪獣災害の解決策として企画された一大プロジェクトである。
現在、地球連邦軍やブレイバーズも動員して怪獣達の捕獲作業が各地で進められており、
その関係で、江田島平八の側近くに仕えている佳代も
波川ファウンデーションの事は知っていたのであった。

奏美「うちはここのすぐ近くよ。
 傷の手当ても早くしないと大変だわ」
雄大「でも…、いいんですか本当に?」
佳代「そう言ってくれてるんだから行って来なよ、岡島。
 …せっかくのチャンスじゃない」
雄大「チャンスって、何のチャンスっすか!?」

雄大の耳元でボソっと囁く佳代。
次の瞬間、雄大の顔が真っ赤に紅潮した。

佳代「ハハハ。お前が勇気出して硝子山の不良達に立ち向かったんだよ。
 そのくらいの役得はあっても別にバチは当たらないんじゃないの?」
雄大「ええ〜っ…。
 そ、それじゃあ、佳代先輩も一緒に…。
 ほら、結局助けてくれたのは佳代先輩ですし」
佳代「バカ言わないの。
 お邪魔虫は用が済んだら退散するよ。じゃあね」
雄大「せ、先輩〜!」

ひらひらと手を振って立ち去ってしまう佳代。
後に残された雄大は、困り切った表情で奏美に向き直る。が……?

奏美「………」
雄大「あの〜波川さん?」

なぜか奏美は、いつまでも佳代の立ち去った方向を
ボ〜ッとするように眺めていた。

奏美「…アッ! ご、ごめんなさい」
雄大「どうしたんですか波川さん?」
奏美「岡島くん、私たちを助けてくださった今の方はお知り合いなの?」
雄大「ああ、あの人は二年生で水泳部の錦織佳代先輩ッすよ」
奏美「そう…。佳代お姉さま……(///)」
雄大「…???」
奏美「さあ、早く行きましょう岡島くん」
雄大「じゃ、じゃあ…、お言葉に甘えさせてもらおうかな…」

奏美が佳代の後ろ姿に妙に見とれているようだったのが気にはなったが、
こうして雄大は、メガロシティの外れにある波川家の屋敷に
ご招待される事になったのであった。

786ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:25:01
***東京・波川邸***

メイド達「「「お帰りなさいませ、お嬢様!」」」
雄大「す、すげえ…」

雄大が奏美に案内されてやって来た波川家の屋敷は、
敷地面積が千坪を超える広い立派な豪邸で、
奏美が帰宅すると、屋敷で雇われている何十人もの使用人が
整列して出迎え一斉に頭を下げるのであった。

奏美「ちょっと染みるかも…」
雄大「うん…。あ、イテテテテ」

奏美に怪我の手当てをしてもらう雄大。
その間に、壊されてしまった眼鏡も修理してくれるよう、
執事が波川ファウンデーション傘下の眼鏡店に電話で連絡する。

眼鏡屋店長「このような具合でいかがでしょう」
雄大「ピッタリです。ありがとうございます!」

波川ファウンデーションの会長のご令嬢からの要請とあって、
傘下の眼鏡店はすぐに動き、わざわざ店長自ら波川邸まで飛んで来て、
壊れた雄大の眼鏡を預かりその場で修理し始めた。
ここでも波川家の凄さを実感する雄大。
眼鏡の修理代ともなると数万円はかかるものだが、
助けてくれたお礼という事で、代金は全額波川家で支払ってくれた。

雄大「ヤバっ、母さんからだ」

外では陽も沈みかけた頃、
ズボンのポケットに入れていた雄大のスマートフォンから、
電話の着信メロディが流れ始めた。
その音を聞いた奏美の顔色がさっと驚きに変わる。

雄大「もしもし、母さん?
 ゴメンゴメン。ちょっと色々あって遅くなっちゃってさ。
 もうすぐ帰るから。うん、大丈夫。じゃあね」

雄大の帰りが遅いのを心配して電話をかけて来た母親に事情を説明し、
電話を切った雄大。奏美はまだ驚きを隠せないという表情で、
雄大のスマートフォンをじっと見つめている。

雄大「ごめん波川さん。そろそろ帰らないと。
 …って、どうしたの?」
奏美「ううん…。何でもないの。
 ただ、素敵な着信メロディだなって思って。
 どこにあった曲なの?」
雄大「ああ、これ?
 最近見付けた音楽家さんのサイトからダウンロードした着信音なんだけど、
 そのサイト、僕がこれを落とした後すぐに閉鎖しちゃったみたいでさ。
 他にもいい曲がたくさんあったのに勿体なかったな〜」
***東京・波川邸***

メイド達「「「お帰りなさいませ、お嬢様!」」」
雄大「す、すげえ…」

雄大が奏美に案内されてやって来た波川家の屋敷は、
敷地面積が千坪を超える広い立派な豪邸で、
奏美が帰宅すると、屋敷で雇われている何十人もの使用人が
整列して出迎え一斉に頭を下げるのであった。

奏美「ちょっと染みるかも…」
雄大「うん…。あ、イテテテテ」

奏美に怪我の手当てをしてもらう雄大。
その間に、壊されてしまった眼鏡も修理してくれるよう、
執事が波川ファウンデーション傘下の眼鏡店に電話で連絡する。

眼鏡屋店長「このような具合でいかがでしょう」
雄大「ピッタリです。ありがとうございます!」

波川ファウンデーションの会長のご令嬢からの要請とあって、
傘下の眼鏡店はすぐに動き、わざわざ店長自ら波川邸まで飛んで来て、
壊れた雄大の眼鏡を預かりその場で修理し始めた。
ここでも波川家の凄さを実感する雄大。
眼鏡の修理代ともなると数万円はかかるものだが、
助けてくれたお礼という事で、代金は全額波川家で支払ってくれた。

雄大「ヤバっ、母さんからだ」

外では陽も沈みかけた頃、
ズボンのポケットに入れていた雄大のスマートフォンから、
電話の着信メロディが流れ始めた。
その音を聞いた奏美の顔色がさっと驚きに変わる。

雄大「もしもし、母さん?
 ゴメンゴメン。ちょっと色々あって遅くなっちゃってさ。
 もうすぐ帰るから。うん、大丈夫。じゃあね」

雄大の帰りが遅いのを心配して電話をかけて来た母親に事情を説明し、
電話を切った雄大。奏美はまだ驚きを隠せないという表情で、
雄大のスマートフォンをじっと見つめている。

雄大「ごめん波川さん。そろそろ帰らないと。
 …って、どうしたの?」
奏美「ううん…。何でもないの。
 ただ、素敵な着信メロディだなって思って。
 どこにあった曲なの?」
雄大「ああ、これ?
 最近見付けた音楽家さんのサイトからダウンロードした着信音なんだけど、
 そのサイト、僕がこれを落とした後すぐに閉鎖しちゃったみたいでさ。
 他にもいい曲がたくさんあったのに勿体なかったな〜」
奏美「(あの音は〝エラトーの竪琴″の音色…。
 これを地球人が作り出せるはずがないわ)」

こうしてこの日から、それまでほとんど交流がなかった雄大と奏美は急速に接近し、
学校でも一緒に仲良く過ごす事が多くなって行ったのである。

787ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:25:27
***ハモンド島・怪獣ランド***

ゴロザウルス「zzzzz…」

麻酔で眠ったまま空輸されて来たゴロザウルスが、
ハモンド島の怪獣ランド施設内にある森林地帯に降ろされる。
島の中心にそびえる管制塔のモニターでその様子を確かめながら、
波川ファウンデーションの波川謙吾会長は満足そうに頷いた。

謙吾「原始恐竜ゴロザウルスは、
 当ランドにとっては記念すべき十匹目の怪獣になる。
 反対や不安の声も少なくない中で始まったプロジェクトだったが、
 とうとうここまで来たかと思うと感慨深いね」
窪田「おめでとうございます、会長」

地球連邦政府の日本人エリート官僚で、
怪獣ランド計画を統括している窪田幸雄という青年が謙吾に祝辞を述べる。
既に怪獣ランドに収容された怪獣は、
ゴジラ、ラドン、アンギラス、ガメラ、ゴモラ、ダンガー、
ボルケラー、ジョバリエ、レギーラの九匹。
これにゴロザウルスが加わって、節目の十匹目を数えたのである。

謙吾「人間にとっては害になるからというだけの理由で、
 無闇やたらと生き物の命を奪うのは決して倫理的な所業とは呼べない。
 熊やライオンだって動物園の檻の中で飼っていれば人畜無害なんだ。
 この怪獣ランド計画は、人類の英知が生み出した、
 怪獣災害の唯一の根本的解決策だと私は信じているよ」
窪田「人類の英知…ですか。それは面白い」

そう言って冷笑する窪田に、
謙吾は水を差されたように不愉快な顔をして聞き咎める。

謙吾「窪田君、面白いとはどういう意味だね?」
窪田「いえ、何でもありませんよ、波川会長」
謙吾「怪獣ランド計画は、
 君ら地球連邦政府内の平和的進歩主義者にとっても長年の夢だったじゃないか。
 怪獣との共生など下らない幻想だと笑う者も多かったが、我々は決してめげなかった。
 その夢が今、ようやく実現しようとしているのだよ」
窪田「そうですね会長…。失礼しました。
 では十匹目の怪獣の確保を祝って、二人で乾杯と行きましょうか」
謙吾「そうだな…。うむ、そうしよう!」

窪田の態度にどこか不審な点を感じながらも、
謙吾は言われるまま、窪田がグラスに注いだ祝い酒を手に取った。

謙吾「では、乾杯!」
窪田「乾杯…」

だが、酒を一口飲んだ謙吾は強烈な眠気に襲われ、
その場に倒れてしまう。睡眠薬が入っていたのだ。

X星人「………」

謙吾の意識が完全に落ちたところで、
一体のグロテスクな姿をしたエイリアンが現れ、
謙吾にそっくりな姿に擬態した。

擬態謙吾「…なかなか悪くないデザインの体だ」
窪田「計画がここまで進めば、波川会長はもはや用済みだ。
 後は我々X星人が自らの手で計画の最終段階を実行する。
 …波川を牢に放り込んでおけ!」

窪田の指示により、管制塔の地下に密かに作られていた牢に、
謙吾は眠ったまま運び込まれて閉じ込められてしまった。

788ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 10:26:00
***東京・波川邸***

奏美「ただいま」
メイドA「お帰りなさいませ、お嬢様…」

翌日、学校から帰宅した奏美は、
屋敷のメイド達の様子がどこかおかしい事に気付く。
皆、どこか愛想がないし、何だかよく分からない、
得体の知れない生理的な気味悪さを感じるのだ。

奏美「岡島くんがまたうちに来てくれる事になったわ。
 おやつのショートケーキを用意して…」

言いかけて奏美は絶句する。
ドアが開き、大勢のメイド達を従えて部屋へ入って来たのは、
何と奏美にそっくりな姿をした女だったのである!

擬態奏美「あなたの姿をしばらく借りるわ。
 計画が済むまで、大人しくしていてもらいましょうか」
奏美「…!」

メイド達が奏美にレーザーガンを突き付けて脅し、
屋敷の庭にある大きな蔵に奏美を入らせて閉じ込める。

擬態奏美「これより、この波川邸を我々X星人の前線基地として使用する。
 ハモンド島の怪獣達を操る、指令電波発信装置のスタンバイを急ぎなさい!」

屋敷にいた大勢のメイド達も、全て擬態したX星人に入れ替わられていた。
奏美に擬態したX星人隊長の指示で、占拠された波川家の屋敷に大型コンピューターが設置され、
ここから発せられる指令電波でハモンド島の怪獣達は操られる。

擬態奏美「怪獣達による世界同時攻撃を開始せよ!!」

X星人の技術でハモンド島から瞬間転送された怪獣達は、
波川邸からの指令電波に操られるまま世界各国の都市で暴れ回る。
ワシントンDCにはガメラが、バルセロナにはゴジラが、
北京にはゴモラが、リオデジャネイロにはレギーラが、
エルサレムにはラドンが現れ、破壊の限りを尽くす。

アナウンサー「ご覧いただけますでしょうか!?
 ゴジラがバルセロナの街を破壊しています!
 完成を間近にしたサグラダ・ファミリア教会にゴジラは迫っています!
 ガウディの未完の傑作は、果たしてゴジラに破壊されてしまうのでしょうか!?」

世界各国の軍隊やブレイバーズが出動し、怪獣達を迎え撃つが、
テレポート機能により神出鬼没の怪獣達は各地の都市を次々に蹂躙する。

擬態奏美「次はアフリカ大陸を攻撃するわ。
 カイロにゴロザウルス、ヨハネスブルクにダンガーを転送!」
擬態メイドA「了解。転送します!」
擬態奏美「ラドンはエルサレムを破壊した後、そのままドバイへ。
 レギーラもリオを壊滅させ次第、ブエノスアイレスを次の攻撃目標にせよ!」

その時、波川邸のドアチャイムが鳴った。
雄大が約束通り遊びに来たのである。

雄大「〜♪ 波川さ〜ん、岡島です!」
擬態奏美「この男は…?」

波川邸と全世界が大変な事になっているのも露知らず、
ウキウキ気分で波川邸へやって来てしまった雄大の運命や如何に!?

789ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 13:32:28
>>759 >>788の続き

***東京・波川邸***

奏美の招待を受けて喜んで波川邸を訪れた雄大だったが、
玄関で応対に出たメイドに「お嬢様は急に発熱で体調を崩されまして、
申し訳ございませんが、本日のところはお引き取りください」と言われ、
つれない態度で追い返されてしまう。諦めて帰ろうとした雄大だったが、
邸の敷地内で不審な動きをしているメイド数名を偶然目撃。
素直に帰ったフリをして、こっそりと引き返して波川邸の中に忍び込み、
怪しいメイドたちを尾行してみた雄大だったが、
そこで彼は見てはならないものを見てしまった。

擬態奏美「フフフッ…バカな坊やね。
 大人しく帰っていれば、怖い思いをせずにすんだのに」
雄大「お前、波川さんじゃないな!
 本物の彼女をどこにやった!?」
擬態奏美「そんなに会いたいなら今すぐ会わせてあげる。
 お前たち、コイツも捕まえて蔵に放り込んでおくのよ!」
雄大「くっ…放せ! 誰か助けて!」

こうして雄大もX星人に捕まってしまった。
翌日、学校にはX星人が擬態した偽者の雄大が登校してきた。

擬態雄大「やあ先輩方…おはようございます…」
光平「雄大…?」

どことなく感情が欠落したような不愛想な態度をとる擬態雄大に対して、
当初はおかしいと思った光平たちだったが、きっと恋煩いの影響だろうと
その時点では特に気にも留めていなかった。

そんな時、佳代に江田島平八から指令が下る。

佳代「波川ファウンデーションの様子を探れって!?」

二人きりの校舎裏で、富樫源次から伝えられた意外な指令内容に、佳代は驚いた。

富樫「今、ハモンド島の怪獣ランドが大変な事態になっていることは
 お前も当然知っているな?」
佳代「うん、朝のニュースで見たから。でもまさか
 今回の怪獣が暴れてる事態に、波川さんのお父さんが
 関わっているだなんてそんなはずは…」

波川謙吾会長は、内閣総理大臣・剣桃太郎が全幅の信頼を置き、
人格面においても太鼓判を押されている人物だ。そのような人物が、
今回のX星人による世界的な怪獣騒乱を裏から操っているとは到底思えない。

富樫「波川会長を知っているのか?」
佳代「ううん、正確に言うと会長さんじゃなくて
 そのお嬢さんの方とちょっとね…」
富樫「俺も波川謙吾氏とは面識があるが、
 そのような大それた企みをするような男は見えなかった。
 しかし3日前、怪獣騒ぎが起こる直前にハモンド島から
 日本に帰国したばかりの波川氏の動きに、幾つか不審な点が見受けられるのだ」

現在日本国内にいる波川謙吾は、怪獣ランドのプロジェクトに関わった責任者の一人として、
今回の騒ぎにいち早く責任を痛感していることを表明し、政府の対応にも引き続き積極的に協力している。
ところがその波川の周辺から、幾つかの政府機密情報が漏えいしている節があるというのだ。

富樫「単なる取り越し苦労ならば、それはそれで構わんと塾長は仰っている。
 しかし念のため、お前は波川邸の様子を内密に調べてくれんか?」
佳代「分かった。やってみるよ」

790ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 13:33:04
その時、校舎角の物陰の方で人の気配がした。

佳代「――誰だッ!!」

振り向きざまに佳代は手裏剣を投げつけ、
校舎角のコンクリートの壁面に突き刺さったが、
すでにそこには誰もいなかった。

富樫「どうした?」
佳代「確かに今、人の気配が…」

壁から手裏剣を抜いて胸の中にしまう佳代だったが、
するとそこへたまたま黒崎楓が通りかかった。
楓は、佳代や紗希と同じく海防大付属の転入生(関西出身)で、
もう一つの顔は、最近ブレイバーズに新加入したサイボーグ高校生戦士だ。
レッドマフラーの剣持隊長の指示で、光平の近くで彼をサポートしている。

楓「どないしたん錦織はん?」
佳代「楓!? ちょうどよかった。
 ねえ、今ここで怪しい奴を見かけなかった?」
楓「怪しい奴…? 怪しいかどうかは分からへんけど、
 ついさっきそこで朱音センセとすれ違うたで。
 なんかごっつう急ぎ足やったけどな」
佳代「千坂朱音…アイツか!」

楓「………」


***御岳渓谷***

多摩川の上流で浮かぶ一層の小舟…。

右近「………」

その上では一人の長髪の青年が静かに釣りを楽しんでいる。
裏天童刺客人を束ねる元締である天童右近である。
川岸の方では彼の相棒である三雲惺梛が、暇をつぶしながら
無邪気に水遊びをしている。

惺梛「キャハハ…ウフフ♪」

惺梛は常に皮膚から高熱を発しているため、
彼女の周りだけは川の水が水蒸気となって、
異様な湯気が立ち上っている。

右近「江田島が波川の様子を探れと配下に命じただと?」
朱音「確かに」
右近「それは妙だな。波川謙吾といえば剣桃太郎の云わば息のかかった男。
 まさか連中、この期に及んで仲間割れを始めたわけでもあるまい」
朱音「………」
右近「朱音、お前もハモンド島については話は聞いていよう」
朱音「はい。元々あの島は、菊之丞様が対ガストレア戦争の
 軍事拠点として利用しようとのお考えだったとか…」

聖天子付き補佐官・天童菊之丞は密かに東側のS国と通じ、
ハモンド島を対ガストレア戦争を有利に進めるため(その口実は表向きで、
実際は周辺国に睨みを利かせるため)の軍事要塞を建設しようと
画策していたのだが、その企てを土壇場でひっくり返したのが、
内閣総理大臣・剣桃太郎と地球連邦外務次官リリーナ・ドーリアンであった。
怪獣共生プロジェクトを実現するための平和の島へと生まれ変わったハモンド島は、
こうして波川謙吾や窪田幸雄ら平和的進歩主義者たちの手に委ねられたのである。

右近「しかし結果はご覧のとおり、ハモンド島は不埒なX星人一味に占拠され、
 集められた怪獣も再び人類に脅威を与えている。これは明らかに
 剣桃太郎とドーリアンの失策。かねてより天童にとって目の上の瘤であった
 両名を失脚させるには、この上ない好機でもある。
 朱音、たとえお前が剣桃太郎に惚れていたとしてもな…」
朱音「右近様…!?」

右近の鋭く突く一言に、一瞬朱音はうろたえる。

右近「しかし今世界中で暴れている怪獣が、いつ東京エリアに上陸しないとも限らん。
 その危機を前にして、今は"下らぬ政争に力を割いている時期ではない"とも
 天童の御前は仰せだ」
朱音「………」
右近「朱音、お前も波川の動きを見張りつつ、その江田島の命令で動いているという
 くノ一の小娘からも目を離すな」
朱音「ハハッ」

791ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/10(日) 13:33:43
***東京・波川邸***

夜更けに波川邸へと潜入した錦織佳代。
しかしそこで彼女を待ち受けていたのは、円盤のような頭部が
胴体から分離して飛び回る謎のエイリアン忍者だった。

佳代「もしかして異星人!? いや、コイツも忍びか!?」
デモスト「どこの鼠かは知らないが、死ねぃ小娘!」

宇宙連合からX星人の応援に派遣されていた暗黒星の忍者、宇宙忍デモストだ。
デモストの暗黒剣が執拗に佳代を追い詰めていく。…がその時、突然
佳代とデモストの間に煙玉が投げ込まれ、おかげで佳代は危うく窮地を脱することができた。

佳代「頼んでもいないのに、余計なことをしてくれたね」
朱音「危なっかしくて見ていられなかったからねぇ…」

互いに相手をけん制しつつも、その場はフッと笑みを浮かべるような顔をして、
2人はそれぞれ別方向へと走り去っていった。

擬態奏美「今のはいったい何者なの?」
デモスト「おそらくはこの星の忍者、天童と伊賀者だ」

宇宙忍デモストの頭部にあるコンピューターには、
過去に磁雷矢と戦った時に収集した、地球上のありとあらゆる
忍者に関するデータが収められている。

擬態奏美「テンドウ…? するとこの国の政府の密偵ね」
デモスト「しかし妙だ。以前に採集した私の情報データでは、
 過去に天童と伊賀者が協力し合った例など聞いたことがない」
擬態奏美「そんなことはどうでもいいわ。どのみち地球人の奴らは
 この屋敷に手を出すことは一切できないのよ。なぜなら……
 ……フフフッ、アハハハハッ!!!」

不気味に高笑いを上げる擬態奏美。果たして波川邸には
他にどんな秘密が隠されているのであろうか!?

792ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/12(火) 12:10:29
≪X星人の侵略!怪獣軍団総攻撃・戦闘シーン(一部)≫

***アメリカ・ワシントンDC***

X星人によって操られ、ハモンド島にいた怪獣達は世界各国の都市に
テレポートされ、蹂躙する。その中の1体、ガメラはアメリカの首都、
ワシントンDCに出現した。ガメラが歩く度、地面は揺れ、ビルなどの
建物が崩れてしまう。そして崩れた瓦礫が逃げ惑う市民の上に落下する。

市民「うわぁ〜〜〜!!」

このままでは市民は瓦礫の下敷きになってしまう...だが、瓦礫は市民の
上に落ちなかった。落ちる直前、大きなクモの巣が張り巡らされ、瓦礫は
空中で止まったのである。

スパイダーマン「ワシントンDCの皆!“親愛なる隣人”スパイダーマンが
 助けにきたよ!」

普段はNYを守るクモの能力を持つヒーロー、スパイダーマンがガメラから
市民を守る為、NYから駆け付ける。彼は腕のウェブシューターから、特製の
糸を出して、瞬時に蜘蛛の巣を張り巡らせて、瓦礫の落下を防いだのであった。

ハルク「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァ!!!」ドゴォォォォン
ガメラ「ギャオォォォォ!!」

さらに空の彼方から緑の怪物、ハルクが跳んできてガメラの頬に
クリーンヒットする。ガメラを殴ったハルクは、そのまま近くのビルに
着地した。そしてハルクが来た方向から赤いパワードスーツのヒーロー、
アイアンマン、神の国アスガルド王オーディンの息子である雷神
マイティ・ソー、さらに後方から防衛組織シールドの母艦である
ヘリキャリアが現れる。

アイアンマン「ハルクのパンチがガメラに効いた様だな」
ソー「こちらも行くぞ、アイアンマン」
アイアンマン「ああ、リパルサー!」

空を飛べるアイアンマンとソーは、それぞれビームや雷でガメラを
攻撃する。

キャプテン・アメリカ「アイアンマン達がガメラを引き付けている間に
 我々は市民の避難を救助だ」
シールド隊員「了解!」

一方、地上では第2次世界大戦で誕生した超人兵士(スーパー・ソルジャー)
キャプテン・アメリカがシールドの隊員達を率いて、市民の避難と救助を指揮する。

ガメラ「ギャオォォォォォ!!」
アイアンマン「くっ、まだ暴れるか」

アイアンマン達の攻撃を受け、ガメラは暴れ、周囲の建物が
またも崩れ、再び大量の瓦礫が市民を襲う。だが落ちた瓦礫は
斬撃により粉々に砕け散った。

キャプテン・アメリカ「あの斬撃は...ローガンか!」
ウルヴァリン「俺達、X‐MENも加わらせてもらうぜ、キャプテン!」

瓦礫を斬ったのは、ミュータントのヒーローチーム「X-メン」の
メンバーの1人、ウルヴァリンだった。上空にはX‐MENの黒い戦闘機
クイーンジェットが滞空し、X-メンの面々が市民を救う為に動き出す。

002「アベンジャーズやX-MENが、すでに動いているようだな。
 地上は任せるぜ、ファイアーコンボイ!」
ファイアーコンボイ「了解した、002。サイバトロン戦士、トランスフォーム!」
ワイルドライド、マッハアラート、スピードブレイカー「「「トランスフォーム!」」」

アベンジャーズやX-MENがワシントンDCの市民を救うべく動く中、
新たに現れたのは、ゼロゼロナンバーサイボーグの1人、コードネーム「002」こと
ジェット・リンクと赤い消防車に姿を変えているサイバトロンの総司令官
ファイアーコンボイ、その部下であるワイルドライド、マッハアラート、
スピードブレイカーだった。彼等はワシントンDCの市民を守る為、密か地球に
張り巡らされたサイバトロンネットで日本から駆け付けたのである。
002は脚部に搭載されたジェット噴射で空を飛び、ファイアーコンボイ達は
トランスフォームでロボット形態となる。

アイアンマン「君は、ドクター・ギルモアの所の...」
002「002だ。ブレイバーズもガメラを止める為、手伝わせてもらうぜ」
アイアンマン「ブレイバーズに、サイバトロンか...頼りにさせてもらおう!」

002とファイアーコンボイ達はアイアンマン達と合流し、ガメラから市民を
守る為、動き出すのであった。

793ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/13(水) 10:20:45
<<ブレイバーズ×僕のヒーローアカデミア>>

***雄英高校***

雄英高校―プロのヒーローを目指す若者達を育成する国立の高等学校。
今回ヒーロー科1-Aの生徒達は特別授業でブレイバーズのヒーロー達と
対戦形式で訓練をする事になる。1-Aの生徒達は担任を務める相澤消太と
平和の象徴として知られるヒーロー、オールマイトに連れられ、敷地内にある
演習場「USJ(ウソの災害や事故ルーム)」に移動する。

相澤「担任の相澤です。この度はウチの生徒との対戦を引き受けて下さり、
 ありがとうございます」
海城「イーグルの海城です。こちらこそ、ブレイバーズにはまだまだ未熟な者達が
 います。お互い良い刺激になるでしょう」

相澤は引率として同行するアカレンジャーこと海城剛と握手をしながら、挨拶を交わす。

本郷「久しぶりだな。オールマイト」
オールマイト「本郷さん、お久しぶりです。是非、ウチのかわいい生徒達を見て下さい」
本郷「ああ、そうさせてもらおう...所で身体の方は大丈夫か?」ボソッ
オールマイト「ええ、何とかやっています...出来れば私もブレイバーズの一員となって
 共に平和を守りたかったのですが...」
本郷「いや、君の身体の事はよく分かっている。気持ちだけ受け取っておくよ。君は後進の
 育成に努めてくれ」

相澤と海城が挨拶をしている一方、本郷がオールマイトに声を掛ける。本郷とオールマイトは
共に戦った事がある戦友で、オールマイトにとって本郷は自分がヒーローになる前から
戦い続ける尊敬すべき先輩であり、オールマイトがヴィランとの戦いで弱体化している事を
知っている数少ない人物だった。オールマイトはブレイバーズの参加を誘われていたが、
身体の事があり、断念している。

シグフェル「ここが雄英高校の演習場か...広いなあ」

光平もブレイバーズの若手ヒーローとして呼ばれていた。Gショッカーや
ロゴスには、その正体を知られてしまった光平だが、まだまだ世間には
秘密であり、正体を隠すべく既にシグフェルに変身している。

出久「あれがブレイバーズの新ヒーロー、シグフェル...その素性は一切不明で
 Gショッカーが東京を襲撃した時はGOD悪人軍団を壊滅させる程の強大な力を
 持っている...ブツブツ」
お茶子「デクくん、またブツブツ言っている」
爆豪「ふん、誰が来ようと全部、ぶっ潰す!」
飯田「物騒な発言は止めたまえ、爆豪君!だが雄英高校の生徒として
 皆、恥ずかしくない戦いをしよう!」

シグフェルを目にして、1-Aの生徒の1人緑谷出久はブツブツと独り言を
言い始める。そして他の生徒達もブレイバーズのヒーローとの戦いにやる気を
見せていた。果たして勝負に勝つのはブレイバーズか雄英高校の生徒か...。

794ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/13(水) 11:53:36
>>793の続き。

***中国・北京***

ワシントンDCにガメラが出現した一方、中国の首都・北京では
ゴモラが暴れていた。そこにブレイバーズ所属の戦艦、ナデシコCが
ボソンジャンプで出現する。

ルリ「ボソンジャンプによる転移成功。機動部隊の皆さん、発進して下さい」

艦長であるルリの合図で、ナデシコCからブレイバーズの機動部隊が
発進していく。

ガイ「怪獣から人々を守るのは、スーパーロボットの得意分野だ。行くぜッ!」
サブロウタ「あらら〜、熱くなっちゃって。まぁ...そういう熱血は嫌いじゃないけどね!」
リョーコ「あんまり、前に出るんじゃねえぞ。山田!」

ナデシコから発進したエステバリスのパイロット、ダイゴウジ・ガイや
タカスギ・サブロウタはゴモラとの戦闘に盛り上がり、リョーコは諌めながら、
エステバリスをゴモラの方へ向ける。

ゴモラ「ギャオオオオオ!!」
大地「ゴモラが...!」
エックス「大地、ゴモラを止めるぞ!」
大地「うん。エックスゥゥゥ!!」

ゴモラが暴れていると聞きつけ、日本からナデシコに乗艦して
駆け付けたXIOの隊員、大空大地は相棒であるウルトラマン
エックスとユナイトして一つとなり、ゴモラを止める為、北京の街に
降り立つ。

風龍「大空隊員がウルトラマンエックスになった様ですね」
雷龍「俺達も北京を守るぞ!」

GGG機動部隊の隊員である竜型ビークルロボの風龍と雷龍は
故国である中国・北京を守る為、立ち向かう。

***スペイン・バルセロナ***

その後、リオデジャネイロにはレギーラが、エルサレムにはラドンが
現れ、破壊の限りを尽くす中、怪獣王ゴジラはスペインの首都、
バルセロナに出現した。

アナウンサー「ご覧いただけますでしょうか!?
 ゴジラがバルセロナの街を破壊しています!
 完成を間近にしたサグラダ・ファミリア教会にゴジラは迫っています!
 ガウディの未完の傑作は、果たしてゴジラに破壊されてしまうのでしょうか!?」

バルセロナの街を破壊しながら、ゴジラはサクラダ・ファミリア教会へと迫っており、
放送局のアナウンサーは現状を伝える。

ソルダートJ「ESミサイル、発射準備!撃てぇ!」
トモロ「了解」

だが、ゴジラの背後にESウィンドウで転移した白い戦艦、
ジェイアークが現れ、ミサイル攻撃を行う。

ゴジラ「グゥゥゥ...」
ルネ「バルセロナの街をこれ以上、破壊させないよ!」
ソルダートJ「ギガフュージョン!」

ミサイル攻撃を受け、背後に振り向いたゴジラに対し、ソルダートJは
ジェイアークとギガフュージョンし、キングジェイダーに変形し、白い
巨人は怪獣王と対峙するのであった。

そして世界各国の軍隊やブレイバーズが出動し、怪獣達を迎え撃つが、
テレポート機能により神出鬼没の怪獣達は各地の都市を次々に蹂躙する。

795ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/07/14(木) 12:06:27
>>794に加筆・修正

***中国・北京***

ワシントンDCにガメラが出現した一方、中国の首都・北京では
ゴモラが暴れていた。そこにブレイバーズ所属の戦艦、ナデシコCが
ボソンジャンプで出現する。

ルリ「ボソンジャンプによる転移成功。機動部隊の皆さん、発進して下さい」

艦長であるルリの合図で、ナデシコCからブレイバーズの機動部隊が
発進していく。

ガイ「怪獣から人々を守るのは、スーパーロボットの得意分野だ。行くぜッ!」
サブロウタ「あらら〜、熱くなっちゃって。まぁ...そういう熱血は嫌いじゃないけどね!」
リョーコ「あんまり、前に出るんじゃねえぞ。山田!」

ナデシコから発進したエステバリスのパイロット、ダイゴウジ・ガイや
タカスギ・サブロウタはゴモラとの戦闘に盛り上がり、リョーコは諌めながら、
エステバリスをゴモラの方へ向ける。

ゴモラ「ギャオオオオオ!!」
大地「ゴモラが...!」
エックス「大地、ゴモラを止めるぞ!」
大地「うん。エックスゥゥゥ!!」

ゴモラが暴れていると聞きつけ、日本からナデシコに乗艦して
駆け付けたXIOの隊員、大空大地は相棒であるウルトラマン
エックスとユナイトして一つとなり、ゴモラを止める為、北京の街に
降り立つ。

風龍「大空隊員がウルトラマンエックスになった様ですね」
雷龍「俺達も北京を守るぞ!」

GGG機動部隊の隊員である竜型ビークルロボの風龍と雷龍は
故国である中国・北京を守る為、立ち向かう。

***スペイン・バルセロナ***

その後、リオデジャネイロにはレギーラが、エルサレムにはラドンが
現れ、破壊の限りを尽くす中、怪獣王ゴジラはスペインのバルセロナに
出現した。

アナウンサー「ご覧いただけますでしょうか!?
 ゴジラがバルセロナの街を破壊しています!
 完成を間近にしたサグラダ・ファミリア教会にゴジラは迫っています!
 ガウディの未完の傑作は、果たしてゴジラに破壊されてしまうのでしょうか!?」

バルセロナの街を破壊しながら、ゴジラはサクラダ・ファミリア教会へと迫っており、
放送局のアナウンサーは現状を伝える。

ソルダートJ「ESミサイル、発射準備!撃てぇ!」
トモロ「了解」

だが、ゴジラの背後にESウィンドウで転移した白い戦艦、
ジェイアークが現れ、ミサイル攻撃を行う。

ゴジラ「グゥゥゥ...」
ルネ「バルセロナの街をこれ以上、破壊させないよ!」
ソルダートJ「メガフュージョン!キングジェイダー!」

ミサイル攻撃を受け、背後に振り向いたゴジラに対し、ソルダートJは
ジェイアークとメガフュージョンして、キングジェイダーに変形し、白い
巨人は怪獣王と対峙するのであった。

R5「キングジェイダーがゴジラの相手をしている間に俺達はレスキューを行う!」
R1「了解!行くぜ、レスキューストライカー!」

キングジェイダーがゴジラと対峙している一方、ヨーロッパで活動している
レスキューフォースのR1とR5は他の隊員達と共にレスキュー活動を行った。

そして世界各国の軍隊やブレイバーズが出動し、怪獣達を迎え撃つが、
テレポート機能により神出鬼没の怪獣達は各地の都市を次々に蹂躙する。

796凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/23(土) 14:30:24
≪アセーリア編 プロローグ「王子初陣」-1≫

異世界アセーリア。
太古の昔、慈愛と優しさの神セイロスによって創造されたと伝わる、
地球とは異なる時空に存在している美しい世界である。

そのアセーリアの南の洋上に、ロサレダ大陸と呼ばれる広い大陸がある。
かつては数多くの国や民族が割拠し、互いに争っていたが、
およそ三百年前、英雄王アディラス一世によって全土を統一され、
以来、彼の子孫が代々の王として治めるメルヴィオン聖王国の支配の下、
平和で安定した豊かな時代を迎えてきた。

しかし――
次元を超えて全宇宙を巻き込む戦乱の渦、
黄泉がえり現象や時空クレバスの発生といったかつてない異変は、
長く甘美な平穏に浸ってきたアセーリアをも例外なく呑み込んでゆく。
そして今、メルヴィオンがまどろむ泰平の眠りは、
異界からの招かれざる来訪者らによって遂に破られようとしていた…。


***メルヴィオン聖王国・ユーベリア州***

蛾天丸「フハハハハ!!
 奪い尽くせ! 殺し尽くせ! 焼き尽くせ!
 この蛾天丸様の武威を天下に見せつけるため、
 徹底的に破壊するのだ!」

メルヴィオン聖王国西部・ユーベリア州。
山麓に佇む小さな農村を、盗賊団が襲撃していた。
東洋風の鎧の上に桃色の鮮やかな陣羽織を纏い、
白馬に跨った蛾天丸という男に率いられた凶悪な山賊の群れは、
村人達を殺し、財貨を奪い、家々に火をかけて焼き払う。

山賊A「へへへ、ちっぽけで貧乏な寒村かと思ったら、
 こんなに銀貨を貯めてやがるとはな」
村人A「や、やめてくれ!
 そいつは古くなった教会を修理するために村の皆で少しずつ蓄えたものなんだ。
 どうか捕らないでくれ!」
山賊B「うるせえ! てめえも殺されてえのか!」
村人B「この悪魔め…。セイロス神の天罰が下るぞ!」

泰平の世を謳歌してきたメルヴィオンにも、
山賊や海賊といったならず者の類はやはり存在する。
ここ数年、原因不明の異常気象や天変地異が続発し、
社会不安が広がると共に、そうした賊徒の蠢動は特に活発化していた。
蛾天丸が率いる山賊も、そんな世情に乗じて勢力を強めた集団の一つである。
彼らはユーベリア州にあるナフション金山を襲って占領し、
手に入れた無尽蔵の金で大勢の傭兵を雇い集めて、
今や単なる盗賊団を超えた、政府転覆さえ視野に入れた一大武装勢力と化していた。

山賊C「お頭、大変だ!」
蛾天丸「どうした。何事だ?」
山賊D「俺達を征伐するために、
 王国軍がこっちに向かってるみてえなんだ。
 何でも、国王が末っ子の王子を連れて、
 七万の大軍でネクナールの都を出陣したって話だぜ」
蛾天丸「末の王子だと…?」
山賊E「ああ。ラウールっていう、今年で十七歳になる四番目の王子だ。
 これが初陣だって事で、国王が可愛い息子の晴れ舞台を飾るために、
 あちこちの領主に兵を動員させて大軍勢を用意したらしい。
 こいつはヤバいかも知れねえぜ」

メルヴィオンの王国軍が動き出したとの報に触れて、
先程まで略奪を思うままに楽しんでいた山賊達の間に動揺が広がる。
だが王家の直轄支配下にあった金山に手を出した時点で、
国王が黙っていないというのは十分に予期されていた事である。
蛾天丸は馬上で嘲るように笑った。

蛾天丸「うろたえるな。今や俺達はただの盗賊団ではないのだぞ。
 ナフションの金山を押さえている限り、兵を雇う金はいくらでも手に入る。
 たかが七万の王国軍が何だというのだ。
 迎え撃って叩き潰し、その王子の晴れ舞台とやらに、
 惨めな大敗で泥を塗ってやる!」

空はにわかに曇り出し、雨が降り始めそうな気配である。
蛾天丸はこの村での略奪を切り上げ、攻めて来る王国軍を迎撃するため、
配下の山賊や傭兵達を取りまとめて進軍を開始した。

797凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/23(土) 14:32:12
***ユーベリア州・アッタン村***

降り出した雨はどんどん勢いを強め、豪雨となった。
この日、州境を越えてユーベリア州へ入ったメルヴィオンの王国軍は、
アッタンという小さな村に陣を敷き、
雨の中、各地から集う味方部隊の合流を待ちながらここで野営する事になった。

ラウール「凄い雨だな…」

国王アディラス十六世の四男、ラウール・エル・アディラス王子は、
野営のため張られた専用の幕屋の中からそっと外の様子を覗き見て、
天候の凄まじい荒れように閉口する。
比較的、気候が穏やかな事で知られるロサレダ大陸だが、
世界のバランスが狂っているのか、近年こうした異様な天気の乱れは少なくない。

ラウール「必ず勝てる戦だって皆が言うけど…。
 何だか不吉な予感がする」

今年で十七歳になるラウールにとっては、この戦いが初陣である。
父王アディラス十六世は、ユーベリア州で猛威を振るう蛾天丸の討伐にあたって、
これまで手塩にかけて育ててきた末の息子にいよいよ実戦経験を積ませる事に決めたのだ。
武将たるもの、戦場に立てる機会が巡って来たのは全身の血を沸騰させて喜ぶべき慶事なのだろうが、
元来、争いを好まないラウールの優しげな翡翠色の瞳は、輝くどころか暗く曇っていた。

レミーナ「ラウール! 入るわよ」
ラウール「…レミーナ!」

リボンで結んだ金色のロングヘアーと赤い軍装を雨に濡らしながら、
一人の若い女騎士が明るい声と共に幕屋へ入って来ると、
物憂いげに沈んでいたラウールの表情が途端にぱっと明るくなった。
レミーナ・ラプエンテ。
王家の外戚でもある有力貴族ラプエンテ家の娘で、
ラウールの一歳年上の従姉である。

ラウール「そうか…。今回の遠征にはレミーナも来てくれてたんだね」
レミーナ「ついさっき、やっと本隊に合流したところよ。
 あなたのおめでたい初陣だからね。
 例え志願してでも参加したかったところだわ」

ラウールとレミーナは幼少の頃から親しく、
レミーナが人質として王宮に預けられていた頃には二人は家族同然の関係で育った。
ラウールにとってレミーナは小さい頃から慕ってきた歳の近い姉のような存在であり、
非公式な場では互いにタメ口で話すくらいの、
君臣の関係を超えた心から気を許せる仲間なのである。

レミーナ「それで、初陣を前にして気分はどう?
 何だか既に顔面蒼白って感じだけど」
ラウール「正直、凄く緊張してる…。
 将来、大軍を統率するための訓練として、
 父上は僕を大将にして全軍の采配を任せると仰せだ。
 指揮官として、大勢の兵の命を僕が預かる事になる。
 失敗は絶対に許されない…」
レミーナ「あなたらしいわね。でもそうやって力んでると、
 かえって思考がおかしくなって余計な失敗をしてしまうものよ。
 だからほら、もう少し肩の力を抜きなさいってば」
ラウール「そんな事言われてもなあ…」

ラウールの肩をぽんと一つ叩いてリラックスさせようとするレミーナ。
緊張しすぎるのは良くないと自分でも分かっているラウールだが、
全身を鉄のように硬直させている力はどうしても抜けない。

ナレイン「殿下、間もなく出発です。
 生憎の大雨ですが、行軍を決行して今夜中にシャデラク平原に着陣すると、
 国王陛下より先ほどご下命がありました」
ラウール「そうか! よしナレイン、すぐに出立の支度をしてくれ!」
ナレイン「ははっ!」

ラウールの小姓を務める青い髪の青年、ナレイン・レンドルフは、
若い主君の命を受けてすぐに軍勢の出立準備に取りかかった。
戦場となるシャデラク平原まではあと半日の道のりである。
外に出て雨を浴びる前から、ラウールの顔はにじみ出る汗でびっしょりと濡れていた。

798凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/23(土) 14:34:04
***ユーベリア州・シャデラク平原***

雨中の行軍を決行したメルヴィオンの王国軍は、
その日の夜にシャデラク平原に到着し、広大な原野の東の一帯に布陣した。
総兵力はおよそ七万。
一方、平原の西側には、既に蛾天丸が配下の山賊や雇い入れた傭兵からなる
三万五千の軍勢を集めて陣取っている。
やがて夜明けと共に雨は収まり、眩しい朝陽が濡れた草原を照らし始めた。

アディラス「そう硬くなるなラウール。
 兵の数でも質でも、我が方が大きく勝っておる。
 大船に乗った気持ちで安心せい」
ラウール「はい、父上…」

ラウールの父にして、メルヴィオン聖王国の第十六代国王であるアディラス十六世は、
その優れた統治手腕と卓越した武勇から、人々にアディラス大王と尊称されている名君である。
金箔を塗した煌びやかな鎧の上に真紅のマントを羽織り、馬上にどっしりと腰を落ち着けて、
たっぷりと蓄えた黒い顎鬚を弄りながら悠然と構えているその姿にはやはり王者の風格がある。
一方、その隣に馬を並べているラウールは、今にもガタガタと震え出しそうなくらいに表情が強張り、
忙しなく視線を上下左右に泳がせていた。

アディラス「む…!」
ラウール「あれは…!?」

時が満ち、いよいよ開戦かと思われたその時、
敵陣から一騎の大柄な騎馬武者がこちらへ駆け出して来たかと思うと、
両軍の中間地点の辺りで馬を止め、地を揺らさんばかりの大声で名乗りを上げた。

グエル「俺の名はグエル!
 誰でもいい。俺と戦う勇気がある奴は出て来い!」

鎖の先に繋がれたトゲ付きの鉄球を馬上で振り回しながら、
グエルと名乗った巨漢の戦士はそう呼ばわり、一騎打ちの相手をメルヴィオン軍に求める。

アディラス「敵はあのように申しておるぞ。いかがする?」
ラウール「はっ。無論、挑戦に応ずるべきかと…」
アディラス「よし。ではこちらの代表者はお前が選べ」
ラウール「は…はい…!」

これも大将としての采配の一つである。
アディラスはラウールにこの場を任せた。

ラウール「誰か、あの者を討ち取らんとする勇者はいないか!?」

ラウールがそう言って味方に向けて募ると、大貴族の一人エゼキエル・バレロンが進み出て、
自分の配下である大剣を佩いた屈強な騎士をラウールに紹介した。

バレロン「恐れながら、このブラウリオ・カルドーソ子爵は、
 我が家中でも随一の剛勇の士。
 ぜひともその腕前を殿下にご披露したく存じます」
ブラウリオ「必ず勝利してご覧に入れます。お任せあれ!」
ラウール「おお…! 確かに強そうだ」

体格逞しく、いかにも猛者といった風貌のブラウリオを敵に向かわせようとしたラウールだったが、
そこにもう一人の大貴族アルトゥロ・メンディエタが待ったをかけた。

メンディエタ「お待ちあれ殿下! 
 我が甥のホアキン・メンディエタこそ真の勇者。
 一騎打ちには何とぞ彼をお遣わし下さいませ」
ホアキン「あのような賊徒、一撃で斬り捨てて見せます!」

ホアキンもやや小柄ながら眼光鋭く、利発な頭脳派の剣士といった顔付きである。
どちらを行かせるかラウールは迷った。

ラウール「ええ…っと…」

799凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/23(土) 14:35:39
勝敗が全軍の士気を左右する一騎打ちの代表者選びは重要だし、
心根の優しいラウールは、選ばれなかった方の面目や感情を傷付けるという事まで配慮してしまい、
このような決断にはなかなか答が出せない。
大勢の将兵達の視線が集まる中、滴る冷や汗でびっしょり顔を濡らしながら、
しばらく迷ったラウールはやがておずおずと口を開いた。

ラウール「…よし、ホアキンに任せる」
ホアキン「はっ、ありがたき幸せ!」
ブラウリオ「………」
ラウール「す、済まない、ブラウリオ…」

無言で一礼して下がるブラウリオ。
勇躍、馬に跨ったホアキンはグエル目掛けて駆けて行く。

ホアキン「我こそはホアキン・メンディエタ!
 王国に刃を向けた薄汚い賊徒め、覚悟せよ!」
グエル「フン、かかって来いっ!」
ラウール「………」

巨大な鉄球を下げたグエルに、ロングソードを抜いて立ち向かおうとするホアキン。
一騎打ちの緊迫した様子を、ラウールは遠くから固唾を呑んで見守った。
やがて両者は互いに馬を進ませ、交錯する。

グエル「おらぁっ!!」
ホアキン「うわぁっ!!」

勝負はわずか一瞬で決した。
投げつけられたグエルの重い鉄球がホアキンの頭に炸裂し、
ホアキンはどさりと落馬してそのまま絶命してしまう。

グエル「討ち取ったぞっ!!」
ラウール「そ…そんな…!」

グエルが馬上で拳を天に突き上げると、反乱軍の兵士達が歓声で応える。
逆にメルヴィオン軍の兵士達には衝撃が走った。

ブラウリオ「殿下! こうなれば、それがしに出番を!」
ラウール「お…おう! 行けブラウリオ!
 ホアキンの仇を討つんだ!」

己の選択ミスに愕然としていたラウールはすぐに我に返った。
このままではいけない。敵の興奮と味方の動揺が冷めやらぬ内に戦闘開始となれば、
こちらが不利となるのは目に見えている。
すぐにあのグエルを討ち取って敵の歓喜に冷や水を浴びせ、
恐れをなしている味方に勇気を取り戻させなければならないのだ。
ラウールは急ぎブラウリオをグエルに向かわせた。

ブラウリオ「行くぞ賊徒! 我が剣を受けてみよ!」
グエル「ほざくな雑魚めが。どりゃぁっ!!」
ブラウリオ「ぐわぁっ!!」

ところが、勢いよく突進して来たブラウリオをもグエルは一撃で瞬殺してしまう。
どちらを行かせるか散々迷ったラウールだったが、
結局、どちらを行かせても結果は同じだったのである。

蛾天丸「よし、全軍かかれ!」
ラウール「そんな…そんなっ…!」

思わぬ結果に、馬上で呆然とするラウール。
蛾天丸は力強く采配を振るい、この時とばかりに総攻撃を下知した。
勢いに乗った賊徒の軍勢が、津波のようにラウールに向かって押し寄せて来る…!

800凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/23(土) 14:39:08
●蛾天丸→ユーベリア州で反乱を起こし、シャデラク平原でメルヴィオンの王国軍と戦う。
●グエル→一騎打ちでホアキン・メンディエタとブラウリオ・カルドーソを続けて倒す。

○ラウール・エル・アディラス→初陣として蛾天丸の討伐に出陣する。
○ナレイン・レンドルフ→ラウール王子の初陣となる蛾天丸の討伐に参陣する。
○レミーナ・ラプエンテ→ラウール王子の初陣となる蛾天丸の討伐に参陣する。
○アディラス十六世→初陣として、蛾天丸の討伐にラウール王子を参陣させる。
○エゼキエル・バレロン→グエルとの一騎打ちに家臣のブラウリオ・カルドーソを推挙する。
○ブラウリオ・カルドーソ→グエルと一騎打ちするが、敗れて戦死。
○アルトゥロ・メンディエタ→グエルとの一騎打ちに甥のホアキン・メンディエタを推挙する。
○ホアキン・メンディエタ→グエルと一騎打ちするが、敗れて戦死。


【今回の新規登場】

●蛾天丸(犬夜叉)
戦国時代の日本で猛威を振るっていた野盗の親玉。
人間の姿に化け、人間の山賊達を率いているが、その正体は巨大な蛾の妖怪である。
女性を攫ってその精気を喰らう事を趣味としている。

●グエル(るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-)
幕末の日本でオランダ領事館にいた巨漢の怪しい男。
傀王の配下で、トゲ付きの鉄球を武器としている。


○ラウール・エル・アディラス(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の国王アディラス十六世の四男で、王子四兄弟の末っ子。
驚異的な武才を持ちながらも心優しく、人徳は厚いがやや内気で気弱な面がある。
末弟のため王位継承の見込みはほとんどないはずだったが、
サラジア共和国の黒三日月隊の侵攻によってその運命は一変する。
なぜかその姿は地球の牧村光平にそっくりであり、出生には秘密があるらしい…。

○ナレイン・レンドルフ(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国南部のリジナス州を治める名門貴族レンドルフ家の次男。
年少の頃から王宮に出仕し、ラウール・エル・アディラス王子の小姓として身辺の世話と警護を担当してきた。
数多くの書物を読んで学を深めてきた智将で、ラウールの名軍師となって豊富な知恵で彼を支える。
武器として水剣ガノトトスを愛用する。

○レミーナ・ラプエンテ(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国東部のイマレス州を領地とする王家の外戚ラプエンテ家の娘。
彼女の叔母エフェリーナが王家に嫁いでラウール王子の母となったため、ラウールから見れば従姉にあたる。
幼い頃は人質として王宮に預けられて養育され、ラウールとはそこで姉弟のように親しくしていた幼馴染。
愛剣ミスリルソードを武器に戦う勇敢な女騎士で、「ラプエンテの赤備え」と呼ばれる精鋭の騎士団を率いる。

○アディラス十六世(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の第十六代国王で、ラウール・エル・アディラス王子の父。
その優れた統治と卓越した武勇から、人々にアディラス大王と尊称される名君である。

○エゼキエル・バレロン(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の有力貴族。
アディラス十六世が信頼を置く重臣の一人。

○ブラウリオ・カルドーソ(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の騎士。
バレロン家に仕えている屈強な戦士。

○アルトゥロ・メンディエタ(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の有力貴族。
アディラス十六世が信頼を置く重臣の一人。

○ホアキン・メンディエタ(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の騎士。
アルトゥロ・メンディエタの甥で頭脳派の剣士。

801凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 16:17:23
≪アセーリア編 プロローグ「王子初陣」-2≫


蛾天丸「王国軍どもを踏み潰せ!」

二戦に及んだ一騎打ちがグエルの勝利に終わったのを見た蛾天丸は、
ここぞとばかりに馬上で采配を振るい、全軍を一気に攻め出させた。

ラウール「そんな…! ど、どうすれば…!」
アディラス「怯むなラウール! 大将が動揺していては兵の士気に関わるぞ」

戦というものは水物であり、何よりも勢いが肝要である。
数に勝るメルヴィオン軍の優位は、一騎打ちが両軍に与えた心理的効果の前に敢えなく吹き飛んだ。
名のある騎士二名をグエルに討たれたメルヴィオン軍は怯み、
怒涛の如く攻めかかって来た蛾天丸の反乱軍に一方的に押され続ける。
先陣が破られ、第二陣が崩れ、第三陣も敵の突破を許して、
ラウールのいる本陣の直前にまでたちまち敵兵が殺到する事態となった。

ラウール「落ち着け…落ち着くんだ…!」

あちこちで上がる喚声、立ち込める濃厚な血の匂い、続々と舞い込む味方の死の報せ…。
もはや采配どころではなかった。
生まれて初めての戦場の雰囲気に呑まれ、ラウールはどうしたら良いか分からず、
すっかりパニックに陥ってしまっていた。

ラウール「………」

ラウールがようやく我に返った時には、既に陽は傾き、戦いは終わっていた。
破竹の勢いで激しく攻め立てていた反乱軍だったが、
アディラス十六世の巧みな用兵によって土壇場で押し返され、
日没が近付いたのを見てひとまず兵を引いたのである。
味方の半分の兵力に過ぎない反乱軍に散々に叩きのめされて、
初日の戦闘はメルヴィオン軍の敗勢のまま幕を閉じたのであった。

バレロン「殿下、お怪我はございませぬか」
ラウール「僕は大丈夫だ。でも…」

この日、戦死したメルヴィオン軍の兵士は一千を超え、負傷者はその十倍以上に達した。
事前の想定を遥かに上回る大損害である。
ラウールにとっては、ただただ戸惑って何もできずにいる間に終わってしまった人生初の合戦であった。

ナレイン「風が冷たくなって参りました。
 お体に障る前に、幕屋へお戻りなされませ」
ラウール「もう少しだけ…ここにいさせてくれ…」
ナレイン「殿下…」

夕焼けがシャデラクの原野を赤く染める中、
倒れ伏した無数の死傷者が収容され陣地の奥へと運び込まれていく様を、
ラウールはずっと馬上から無言で眺めていた…。

802凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 16:19:05
レミーナ「ラウール、お疲れ様! 今夜は一緒に食事しましょう」
ラウール「レミーナ…」

日没後、鮮やかな真紅のマントをはためかせながら、
レミーナがラウールの幕屋を訪ねて来た。
間もなく夕食が諸将の前に運ばれようという時間である。
昼間の一戦で意気消沈しているであろうラウールを励まそうと、
レミーナはわざわざ顔を出してくれたのであった。

レミーナ「なかなか厳しい戦いだったわね。
 でもまあ、敵のあの勢いもせいぜい今日一杯と見たわ」
ラウール「………」
レミーナ「実際に戦ってみた感触としては、敵の実力は言うほど大した事はないわね。
 勝負は時の運。今日はちょっとこっちに運がなかっただけよ」
ラウール「………」
レミーナ「ああいう勢い任せの連中ほど、
 少しでも上手く行かなくなった時には脆いのよ。
 前に戦ったボアザの海賊がそうだったわ。
 あの時なんてね、私が隙を見て突っ込んだら、
 海賊達はみんな顔色変えて一斉に逃げ始めて…」

ラウールに少しでも元気を出させようと、
レミーナは早口で色々とまくし立てながら努めて明るく楽観論を語るが、
ラウールは心ここに在らずといった様子で、俯いたまま黙っている。

レミーナ「…ってラウール、聞いてるの?
 もう、せっかく人が励ましに来てあげてるのに…」
ラウール「………」
レミーナ「ラウール…?」

ラウールは泣いていた。
翡翠色の双眼から、涙がぽたぽたと地面に滴り落ちている。

ラウール「たくさんの兵を死なせた…僕の責任だ…」
レミーナ「………」
ラウール「大将なのに、僕は戸惑ってばかりで何もできなかった…。
 そうしている間に、味方はどんどん死んで行った…。
 大将の僕が駄目だったせいで、多くの者が死んだんだ…」
レミーナ「ラウール…」
ラウール「やっぱり…僕には大将なんて…無理なんだ…」

レミーナは困惑したが、やがて上を向いて少し考え、頭の中でよく言葉を選んでから、
ラウールの肩に手を置き、優しく言い聞かせるようにして語りかけた。

レミーナ「気にするな、とは言わないわ。
 確かにこれは軽い事じゃないかも知れないし、
 兵の命を預かっている責任の重みを忘れてしまったらそれこそ大将失格なのかも知れない。
 あなたは昔からとても優しい人だものね。
 そういうところ、悪くないと思うわよ」
ラウール「レミーナ…」
レミーナ「戦というのは恐ろしいものよ。
 人の命が秒単位で、湯水のようにどんどん失われて行く。
 私の初陣は大勝利だったけど、それでも味方は百人以上も死んだ。
 泣いたわよ。私が進めって命令したら兵が進んで、
 敵の矢を浴びて次々倒れて行くんですもの。
 私だってつらくて胸が張り裂けそうで、一晩中泣いたわ」
ラウール「レミーナも、泣いたんだ…」
レミーナ「でも、泣いたとしてもこうして立ち続けていられるのは、
 自分が戦わなきゃいけない理由も忘れないようにしているから、かな。
 つらいからって、大将がもう無理だなんて言ってしまったら一体どうなると思う?
 そもそもこの戦いは何のためのものなのか、よく考える事ね」
ラウール「何のため…?」
レミーナ「そうよ。これは自分で考えないと意味がないから、
 私から答は言わないからね。泣いてないでよく頭を捻りなさい」

803凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 16:22:39
ナレイン「殿下、失礼いたします…。
 ご夕食が運ばれて参りました」
椿「すみません…。パンとサラダをお持ちしました」
太助「温かいお茶もあるよ!」

ナレインに案内されて、十代前半と見られる清楚な身なりの少女と、
その半分くらいの歳頃の、髪を短く刈り揃えた腕白そうな少年が幕屋に入って来た。
二人でラウールとレミーナの食事を運んで来たのである。

レミーナ「あら、椿ちゃんと太助くんじゃない。お仕事お疲れ様ね」
太助「はい! レミーナさんっ!」
ラウール「…レミーナ、この子達は?」
レミーナ「この近くの村に住んでいる子供達よ。
 民を賦役に徴発するのはできるだけしたくなかったんだけど、
 どうしてもってせがまれちゃってね。私の部隊で働いてもらってるわ」
ラウール「…?」

レミーナの話によると、彼女らは元はアセーリアとは違う世界にいた孤児で、
ここにいる椿と太助の他に、みかん、与平、吾郎という、
血の繋がりはないが兄弟姉妹のように仲の良い五人の子供達だという。
一度は火事で全員死亡したのだが、何の奇跡が起こったのか五人揃ってこのメルヴィオンで再び生を受け、
今はこのシャデラク平原の近くの村で、親切な農家の老夫婦に引き取られて育てられているらしい。

ラウール「なるほど。今、各地で起きているという黄泉がえり現象か…」
レミーナ「焼死って、きっと凄くつらかったと思うわ…。
 火がトラウマになってる子もいるみたいだから、
 火を扱う仕事だけはさせないようにしてるんだけどね」
ラウール「でも、どうして命じられてもいないのに、
 わざわざ僕らの手伝いなんてしてくれるんだ?」
椿「それは…。村を守るために、私達もできる事をしたいんです」
ラウール「村を…?」
椿「ええ。盗賊団が私達の村まで攻めて来たら、みんな殺されてしまいます。
 私達は、武器を取って戦う事はできないけれど、
 それでもせっかく来て下さった討伐隊の皆様のお手伝いをする事で、
 少しでも力になれたらと思って…」
ラウール「………」

ラウールははっとした。初陣という大舞台に緊張する余り、
自分の事で頭が一杯になってしまってつい考えが及んでいなかった大切な事に、
今ようやく気付かされたような気がした。

ラウール「何のため、か…」

レミーナに先程問いかけられた言葉を、もう一度ラウールは反芻して頷いた。
蛾天丸の盗賊団はこのユーベリア州で暴虐の限りを尽くしている。
これを討つのは、ここにいる椿や太助のような罪もない無力な人々を、
凶悪な賊徒の手から守るためではなかったのか。
だからこそ、こんな小さな子供達さえラウールの軍に必死で望みをかけているし、
ただ願うだけでなく、そのために自分ができる事を懸命にやっている。
それなのに…肝心の自分はさっきまで、一体何をしていたのだろう?

太助「ねえ王子様。蛾天丸をやっつけてよ。
 王国の騎士団って、すっごく強い正義の味方なんでしょ?」
ラウール「………」

太助の純真無垢な瞳に射るように見詰められて、ラウールは胸が熱くなった。
確かにレミーナの言う通り、無理だなどとは間違っても言ってはいけなかったのだ。
それはここにいる子供達を見捨て、残忍な賊徒の手に渡してしまう事を意味するのだから。
ラウールは蛾天丸に必ず勝たなければならない。
こうした民の強い願いに応え、彼らをこの危機から救い出さなければならないのである。
皆を思いやるラウールの優しさが、闘志という炎になって燃え上がり始めた。

ラウール「レミーナ、ありがとう。
 僕が今すべき事…この戦いの意味、分かった気がするよ」
レミーナ「えっ? ほ、ほんとに…!?」
ラウール「この戦、絶対に勝つ! みんなを守るためにね」
椿「はい! どうか…どうかお願いいたします!」
太助「頑張れ、王子様〜!」
ラウール「今日死んで行った兵達も、
 みんな民を守るために命を捨ててまで戦い抜いたんだ。
 彼らの死を無駄にしないためにも、僕は大将として、
 この戦いを立派に指揮し、蛾天丸を倒してみせる!」

804凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 16:24:59
レミーナ「やれやれ…。何だかよく分からないけど困ったものだわ」
ナレイン「殿下は、武人としては少々お優しすぎますな。
 だが、それが美点でもあられる」

途端に元気になったラウールは夕食のパンとサラダと紅茶をたちまち平らげると、
軍議のため、幕屋を出て皆より一足先に本営へと歩いて行った。
主君の後ろ姿を見送りながら、ナレインとレミーナはひとまず安堵の溜息を吐く。

レミーナ「この戦、何とかして勝ちたいものよね…。
 でも昼間の戦いを見る限り、味方の部隊はどこもほとんど士気が低くて、
 はっきり言って頼りにならない。
 こうなったら私達で、ラウールのあの思いにどうにか応えられないかしら」
ナレイン「逆転の方策がなくもないとは存じますが、
 如何せん、我らはよそ者でこの辺り一帯の地理には暗いゆえ、
 具体的な算段はなかなか立てられませんな…」

メルヴィオン南部のリジナス州を治める名門貴族レンドルフ家の次男で、
年少の頃から王宮に出仕してきたナレインはラウールの小姓を務める傍ら、
膨大な量の書物を読んで学を深めてきた知的探求心の塊のような青年である。
軍学・兵法についても彼はこれまで多くの書を読み、古今東西の無数の戦いを分析・研究してきた。
今こそ主君のため、その知識の蓄積を生かす時なのではないか…。
ナレインは腕組みをして考え込む。

ナレイン「確かに手はある。だが…」

敵陣の後背にそびえるメシャク山を利用した一撃必殺の秘策が、
ナレインの脳内には既に形となって浮かび上がっていた。
だが、それはあくまで理論上の話である。
頭の中でのシミュレーションとしては破綻なく成り立つものの、
現実に成功させるには、山中や周辺の地理をしっかりと熟知している事が必須条件になる。
しかし他州から遠征してきたナレインらは、
初めて訪れたばかりのこの地域については詳しいはずもなかった。

ナレイン「いや、待て…!
 レミーナ殿、あの椿と太助という子供達ですが、
 確かこの辺りの村の者と仰せでしたな?」
レミーナ「ええ。この本陣のすぐ近くの村の子達よ」
ナレイン「メシャク山の地理には、彼らは詳しいのでしょうか?」
レミーナ「さあ…? どうかしら。
 あ、でも太助くんはご養親のお手伝いで柴刈りや山菜採りによく行くって言ってたから、
 メシャク山にも登っているのかも知れないわね」
ナレイン「それならば…! レミーナ殿、あの二人、
 少々お借りしてもよろしゅうございますか」
レミーナ「それは構わないけど…。何をするつもり?」
ナレイン「殿下にお捧げする策が、実現可能かも知れぬのです!」

ナレインはひどく興奮した様子で、レミーナの元を離れて椿と太助の元へ駆けて行った。
間もなく軍議が始まる時間である。一人残されたレミーナは赤いマントを翻し、
軍議に出席するため本営へと歩いて行った。

805凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 16:29:06
○椿→ラウール王子の元へ食事を運んで来る。
○太助→ラウール王子の元へ食事を運んで来る。

○ラウール・エル・アディラス→己の無力さに涙するが、レミーナ・ラプエンテに励まされ、
                   椿と太助に会った事で戦意を取り戻す。
○ナレイン・レンドルフ→戦況逆転の秘策を考え付き、椿と太助に話を聞きに行く。
○レミーナ・ラプエンテ→ラウールを励まし、元気を取り戻したのを見て安堵する。
○アディラス十六世→シャデラクの戦いで苦戦に陥るが、巧みな用兵で蛾天丸の軍勢を押し返す。
●蛾天丸→シャデラクの戦いの初戦を有利に進め、一旦兵を引く。


【今回の新規登場】

○椿(るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-)
戊辰戦争で両親を亡くした孤児。
幕府方に組した前の村長の娘であるため、村の人々からは目の仇にされていた。
悠久山安慈のいた十楽寺に預けられていたが、村人達によって寺に放火され焼死してしまう。

○太助(るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-)
戊辰戦争で両親を亡くした孤児。
悠久山安慈のいた十楽寺に預けられていたが、村人達によって寺に放火され焼死してしまう。

806凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 20:08:41
≪アセーリア編 プロローグ「王子初陣」-3≫


***シャデラク平原・メルヴィオン軍本陣***

夜になって開かれたメルヴィオン軍の軍議は、重苦しい雰囲気に包まれた。
何しろ、たかが賊徒の群れと油断してかかったところに思わぬ大苦戦を強いられ、
危うく本陣が攻め落とされそうにまでなったのだ。
昼間の戦いで敵の勢いにすっかり気圧され、浮き足立った諸将は、
皆揃って顔色が青ざめていた。

アディラス「狼狽するでない!
 このような時は、かえって胆気を据えるに限るわ」

あまりに沈痛な空気に耐えかねて、アディラス十六世は俯いている諸将を叱咤した。
経験豊富なアディラスはさすがにまだ悠然と構えていたが、
諸将は押し黙って声もなく、自分の軍略を披露しようという者もいない。

バレロン「恐れながら、敵の勢いは凄まじく、
 このままでは味方の不利は否めませぬ。
 一度後方へ退き、態勢を立て直されてはいかがにございますか」
メンディエタ「左様。ここは敵の鋭鋒を一旦かわし、
 こちらに有利な戦場へ引き込んで巻き返しを図るべきです」

バレロンとメンディエタは口を揃えて撤退を進言した。
それだけ味方の士気が崩壊しているのだ。
自慢の甥をグエルに討たれたメンディエタは特に意気消沈し、
完全に戦意を失ってしまっている様子だった。

アディラス「ラウールよ、そちはどう考える?
 このままここで継戦すべきか、一度退いて戦場を移すべきか」
ラウール「はっ…」

呆れ顔のアディラスはここで息子に振ってみた。
泣き腫らしたらしく充血していながら、それにしては強い確固とした意志に満たされているような、
不思議な輝きを帯びたラウールの翡翠色の瞳が先程から気になっていたのだ。
ラウールはごくりと唾を呑み、落ち着いて呼吸を整えると、
昼間のひどく緊張した様子とは一転したしっかりとした口調でおもむろに意見を述べ始めた。

ラウール「確かに昼間の一戦を見るに、敵の勢いは侮れません。
 しかし我らがここを退けば、この辺り一帯の村々はどうなるでしょう」
アディラス「む…」
ラウール「賊徒どもは村を占領して略奪し、民を殺し、
 最後には全て焼き払ってしまうはずです。
 賊徒どもを討つのは彼らの暴虐から人民を守るため。
 初戦の結果は残念でしたが、我らは尻込みしたりせず、
 ここに踏みとどまって戦うべきです!」
アディラス「よくぞ申した。お前らしい意見よの」

ずっとぎこちなかったラウールが初めて勇ましい言動を見せたので、
アディラスはなかなか満足げに口元を緩ませた。
言うまでもなく、先程会った椿や太助の事を頭に浮かべながら述べた意見である。
ここで王国軍が敗れて逃げ去れば、後に残された彼らは見捨てられてしまうのだ。

バレロン「さすがは殿下。民思いのご立派なお志に敬服いたします。
 されど今、時の運は明らかに敵軍にあり。
 踏みとどまって勝ち目のない戦をしたところで、
 結果として敗れてしまえばこの地の民を守る事もできぬばかりか、
 兵をいたずらに損ずる事にもなってしまうではありませぬか」
ラウール「それは、そうだけど…」

バレロンが指摘した通り、ここで敵を打ち破る秘策がない限り、
民を守るというラウールの言葉は実現不可能な絵空事でしかない。
勝算のない無謀な戦いをして兵を無駄死にさせる事は許されないという意見も、全く正論である。
ではどうやってこの劣勢を覆し、敵を撃破するかとなると、
まだこれが初陣のラウールには、そんな奇策はなかなか思い浮かばないのであった。

807凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 20:12:05
ナレイン「恐れながら申し上げます」

その時、一人の若者が声を上げた。
大貴族である父のクゼイン・レンドルフに随伴して軍議に出席していたナレインである。

ナレイン「この私めに一策があります。
 撤退をお決めになる前に、ぜひともお取り上げ願いたく存じます」
クゼイン「こ、こらナレイン! 控えよ!
 ここはお前のような若輩者が発言して良い場ではない!」

隣にいたクゼインが慌てて息子を制したが、
アディラスはナレインを叱りつける事もなく、
笑みを浮かべてラウールの方を見遣る。

ラウール「いや、発言を許す!
 ナレイン、その策というのを聞かせてくれ!」

父の意図を即座に感じ取ったラウールは、
身を乗り出さんばかりにして寵臣のナレインに言葉を促した。

ナレイン「はっ、ありがたき幸せ…。
 愚考いたしますに、敵は山賊や金で雇われた傭兵の雑多な集まりであり、
 個々の武勇はともかく、全体として統率が取れるとは思えません。
 勢いに乗れば猛虎の如しとはいえ、少しでも劣勢となればたちまち足並みを乱しましょう。
 恐らく、心理的に不意を突かれれば一気に崩れ出すはずです」
ラウール「不意を突くと言うと、奇襲か?」
ナレイン「ご明察の通り。敵軍はメシャク山を背にして布陣しております。
 この山を越えて攻めかかり、敵の背後に不意打ちの一撃を浴びせるのです」

机上に広げられた地図を指し示して作戦を説明するナレインだが、
列座の諸侯からは呆れたような嘆息や、せせら笑う声ばかりが漏れる。

メンディエタ「バカな。あの山の険しさ、
 そう簡単に越えられるものではあるまい。
 地理を弁えぬ机上の空論というものじゃ」
ナレイン「お言葉ながら、これは空論に非ず!
 この策を可能にし得る、ある人物を皆様にご紹介したく存じます。――入られよ!」

ナレインが陣幕の外に向かって合図すると、番兵に連れられて、
二人の子供がおずおずと本営の中へ入って来た。椿と太助である。

ラウール「君達は…!」
ナレイン「殿下もご存じの、この近くの村に住む子供達です。
 聞けば彼女らはこの辺り一帯の地理に詳しく、
 メシャク山にも何度となく登り、山道については知り尽くしているとの事。
 この二人に道案内を任せるならば、
 あの険しい山とてきっと越えるのは不可能ではないでしょう」
ラウール「本当に、大丈夫なのか?」
太助「うん! 僕ら、あの山ならよく登ってるよ」
椿「とても険しい山で、敵のいるところへ抜けるのは簡単ではありませんが…。
 でも、行けない事はないと思います!」

808凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 20:14:28
バレロン「行けぬ事はない…? これは笑止。
 要するに、かなりの危険と困難があるという事ではないか」

バレロンが言う通り、椿の言葉は山越えが決して不可能ではないものの、
かなりの難事だという事を正直に認めている。
地元の住民の道案内が得られるとなっても、諸将はやはり作戦に難色を示した。

メンディエタ「そもそもナレイン殿、
 そなたはそのような危うい荒技、一体誰にさせるつもりかね? 
 悪いがわしは御免被るぞ」
ナレイン「それは無論…」

私自身がやります、とナレインは言おうとした。
自分が言い出したからには責任を持って自分で行く覚悟だが、
相当の勇気と胆力が要求される事なのは確かであり、
勇将や猛将というよりは頭脳労働者型である自分の器量で果たして成し遂げられるかどうか、
ナレインにとっても厳しい挑戦には違いなかった。
だがナレインが口を開きかけた時、それを遮るように横から声を上げた者がいた。

レミーナ「私が行きます!
 奇襲による敵陣一番乗りの栄誉、
 皆様がご遠慮なさるならぜひ私が務めさせていただきたく存じます」
ラウール「レミーナ…!」

レミーナのラプエンテ家はラウールの母である亡き王妃エフェリーナの実家で、
王家の外戚でもあるメルヴィオン随一の有力貴族だが、
彼女の父は数年前に死去し、今はレミーナの弟のジェニーロ・ラプエンテが
若年ながら当主を務めている。
今回の軍役にはレミーナが弟の代理として参陣しており、
勇敢な女騎士として、弟を支えながら武勲を重ねて来た彼女の存在は諸将からも注目されていた。

レミーナ「ナレイン殿の策、確かに敵の意表を突いた妙案です。
 実行には危難が伴うと仰せならば、その危難、
 我がラプエンテ家の騎士団が見事乗り越えてご覧に入れます!」
バレロン「レミーナ殿、斯様な無茶な話に乗られるな。
 一人や二人の子供が登るだけならばともかく、
 軍勢があの峻険な山を越えるなどできるわけがない」
レミーナ「できるわけがない…敵もきっとそう思っているはず。
 だからこそ、敵の予測外の事をしてみせるのが奇襲というものではありませんか」

年上の貴族諸侯の前でも微塵も怯まず、レミーナはそう言って小さく胸を張ると、
強い輝きを帯びた双眸でラウールを見据えた。

ラウール「でも、奇襲は小勢で行なうものじゃないか。
 しかも山越えとなると、どうしても大人数は連れて行けない」
レミーナ「ええ。小勢で結構。
 私の配下から精鋭の騎士一千名を選抜して行くつもりです」
ラウール「危険だ。そんな少数で敵の中に飛び込むなんて!
 敵にはあのグエルもいるんだぞ」

レミーナの心意気は嬉しかったが、彼女をみすみす死地に送るわけには行かない。
大きすぎる危険性を憂慮して、ラウールは作戦に同意するのを躊躇った。

809凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 20:19:19
ボーダン「グエルは俺に任せてくれ!」

その時、両腕を掴んで取り押さえようとする番兵らを引きずりながら、
野太い声を上げてどかどかと陣幕の中へ乗り込んで来た者がいた。
身の丈二メートルを超える、筋骨隆々とした逞しい大男である。

バレロン「な、何奴だ!?」
ボーダン「俺はガルニア人の戦士ボーダン・ドーガだ!
 昼間の戦いでは遅れを取ったが、
 あのグエルって野郎には必ず勝つ自信がある!
 次の戦では俺をあいつと戦わせてくれるよう直訴に来たんだ!」
メンディエタ「控えよ! 南蛮の野人風情が、
 召されてもおらぬのに勝手に本営へ乗り込み、
 かかる広言を吐くとは無礼にも程があろうぞ!」

ガルニア人というのは、ロサレダ大陸の南方に暮らしている、
メルヴィオン人とは系統の違う異民族である。
勇猛さで知られる森の民だが、メルヴィオン人からは未開の蛮族と蔑まれる事が多く、
現にボーダンの行動や言葉遣いも乱暴極まりない事から、諸侯は不快げな顔をした。

ボーダン「グエルの首はこの俺が叩き落として見せる!
 山越えの奇襲部隊に俺も同行させてくれ!」
クゼイン「やかましい! 誰か、この狼藉者を下がらせよ」
レミーナ「いえ、頼もしいわ。
 この体格、面構え、見るからに只者ではなさそうね。
 あなたの同行を許可するわ。グエルの相手、よろしく頼むわね」
ボーダン「おうっ! 任せろ!」

レミーナはこのガルニア人の戦士を見下すどころか、
その圧倒的な巨体に大いに感心し彼を高く評価した。
ボーダンは力強く自分の胸を叩く。

バレロン「これこれ、若者どもが勝手に軍議を進めるでない…」
クゼイン「左様。山越えの奇襲はやはり無謀であろう。
 陛下、我が愚息の放言が元で軍議を混乱させてしまい、まことに申し訳ございませぬ」
アディラス「いや、確かに蛮勇とでも呼ぶべき果敢な策だが、
 余の見たところ成算は決してなくもない。
 生憎、他に代案もないところじゃ。やるとなればこの手しかあるまい」

ずっと腕を組んだまま沈黙していた国王のアディラスが作戦を肯定的に捉えたので、
それまで口々に反対を唱えていた貴族衆はやむなく押し黙った。
アディラスはもう一度ラウールに向き直り、作戦の成否の最終判断を彼に委ねる。

アディラス「さあどうするラウール。危険を承知でこの手で行くか、
 それとも安全主義で一旦退くか。大将のそちが決めよ」
ラウール「はっ…」

民を守りたいというラウールの意志を、ナレインの智謀が作戦として具体化し、
レミーナの勇敢な行動力によってそれを実行、
最大の難関である強敵グエルに対してはボーダンの武力をぶつけて対抗する。
皆の力を合わせて作り上げた策は煮詰まった。
後は、大将であるラウールがこの策を信じる事ができるかどうかだけである。
しばし目を閉じて黙考したラウールは、やがて口を開いた。

ラウール「…皆を信じて、やってみます!
 レミーナ、そのボーダンという戦士を連れてメシャク山の突破に挑んでくれ。
 ただし、命を粗末にしない事。無理だと思ったらすぐに退くんだ」
レミーナ「分かりました!」
アディラス「よし、決まりじゃ。
 奇襲が成功して敵が崩れ出したら、すぐに全軍で攻勢をかける!」

こうして軍議は決した。
若い武将達が協力して生み出した、乾坤一擲の奇襲作戦に
メルヴィオン軍は勝負を賭ける事になったのである。

810凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 20:23:13
○椿→メシャク山を越えるメルヴィオン軍の道案内を務める。
○太助→メシャク山を越えるメルヴィオン軍の道案内を務める。

○ラウール・エル・アディラス→ナレイン・レンドルフが進言した山越えの奇襲作戦を採用する。
○ナレイン・レンドルフ→山越えの奇襲作戦をラウールに進言する。
○レミーナ・ラプエンテ→ナレイン・レンドルフが進言した山越え作戦の奇襲部隊に志願する。
○ボーダン・ドーガ→ナレイン・レンドルフが進言した山越え作戦の奇襲部隊に志願する。
○アディラス十六世→ナレイン・レンドルフが進言した山越えの奇襲作戦を採用する。
○エゼキエル・バレロン→ナレイン・レンドルフが進言した山越えの奇襲作戦に反対する。
○アルトゥロ・メンディエタ→ナレイン・レンドルフが進言した山越えの奇襲作戦に反対する。
○クゼイン・レンドルフ→ナレイン・レンドルフが進言した山越えの奇襲作戦に反対する。


【今回の新規登場】

○ボーダン・ドーガ(闘争の系統オリジナル)
ロサレダ大陸南部に住む異民族ガルニア人の戦士。
身長二メートルを超える筋骨隆々とした大男で、大陸無双の怪力の持ち主。
性格は直情径行で粗暴だが、仁義に厚く面倒見のいい親分肌でもある。
武器として雷剣ラギアクルズを用いる。

○クゼイン・レンドルフ(闘争の系統オリジナル)
メルヴィオン聖王国の有力貴族で、リジナス州の領主。
ナレイン・レンドルフの父。

811凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/25(月) 23:09:02
≪アセーリア編 プロローグ「王子初陣」-4≫


太助「こっちだよ」
椿「足元が滑りやすくなっています。気を付けて下さい」
レミーナ「みんな頑張って! あと少しよ!」

作戦は早速、その夜の内に決行された。
バレロンらが危惧した通り、武装した騎兵によるメシャク山の突破は困難を極めたが、
椿と太助に案内されたレミーナは不屈の勇気と根性、そして優れた馬術でいくつもの難所を突破し、
選び抜かれた配下の兵一千騎やボーダンと共に、夜明け前に敵の本陣を見下ろす崖の上に到達する。

レミーナ「さあ行くわよ! セイロス神も天からご照覧あれ!
 ラプエンテ隊、総員突撃!」
ボーダン「おう! ひと暴れしてやるぜ!」

レミーナは自ら軍勢の先頭を切り、
急な崖を馬で一気に駆け下って敵陣へと突っ込んだ。

山賊A「な、何だ!?」
山賊B「夜襲だ! 敵が山から攻めて来たぞ!」
レミーナ「うおおおっ!!」
ボーダン「どりゃぁっ!!」

敵陣に突入したレミーナは松明を投げ込んで兵糧庫に火を放つと、
貴金属ミスリルで造られた長剣ミスリルソードを馬上で抜き、
敵兵を次々と蹴散らして行く。

ボーダン「グエルの野郎! 俺が相手だ!」
グエル「おう、かかって来い!」

ボーダンは敵の中からグエルの姿を見付け、勝負を挑む。
巨体同士が激しくぶつかり合い、
怪力を込めた剣と鉄球とが衝突して火花を散らした。

ボーダン「おらぁッ!」
グエル「ぐわぁっ!」

死闘の末、ボーダンの雷剣ラギアクルズがグエルの鉄球を叩き割り、
そのまま力強く振り上がってグエルの胴体を斬り裂いた。
反乱軍きっての猛将も、ボーダンの剛力の前に遂に倒れたのである。

バレロン「おお、敵陣から火の手が…!」
ラウール「レミーナが奇襲に成功したんだ!」
アディラス「ラプエンテ家の小娘め、なかなかやりおるわ。
 よし、総攻めじゃ!」

敵陣に燃え盛る炎を見て奇襲成功を悟ったメルヴィオン軍は、
背後を突かれて崩れ出した敵に正面から攻撃をかけた。
ナレインの読み通り、個々には勇猛でも、
集団としての統制が取れていない反乱軍は視界が不自由な闇夜の中、
突然の挟み撃ちに遭って混乱し、昼間の強さが嘘のように次々と倒されてゆく。
手に汗を握りつつ、戦況を本陣からじっと見ていたラウールは、
やがて昂ぶる気持ちを抑えられずに父王に言った。

ラウール「父上、レミーナが心配です。
 僕が助けに行きます!」
アディラス「うむ。直ちに回収に向かうがよい。
 …キクマルはおるか!」

アディラスは家臣のキクマル・サダムネを呼んだ。
東の海の彼方、ヒノイズル大陸のアオイ国から渡って来たサムライの子孫で、
メルヴィオンの王宮に代々仕えている譜代の若武者である。
蛾天丸の装いにも似た東洋風の具足が、
西洋風のプレートアーマーやチェインメイルを主装備とするメルヴィオン騎士の中では異彩を放っている。

キクマル「はっ、キクマル・サダムネ、ここに控えております!」
アディラス「キクマル。アオイ人のサムライ部隊を率いてラウールを護衛し、
 敵陣に突入してラプエンテ隊を救出せよ!」
キクマル「心得ましてござる!」
アディラス「ナレイン。そちもレンドルフ家の手勢を引き連れ、
 ラウールを補佐して戦え!」
ナレイン「はっ、お任せを!」
ラウール「二人とも、頼むぞ!」

キクマルとナレインに左右を固められながら、
ラウールはわずかな数で敵中に飛び込んだレミーナの部隊を救援すべく、
馬に飛び乗って敵陣へと駆け出した。

812凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/25(月) 23:12:10
蛾天丸「小娘が。舐めた真似をしてくれたな!」
レミーナ「あなたが賊軍の大将ね。命はもらうわ!」

今や総崩れとなった反乱軍の首魁・蛾天丸は、
激昂しレミーナに向けて大型のマサカリを振りかざす。
レミーナは下馬してミスリルソードで応戦し、一対一の激しい戦いになった。
大重量のマサカリを力任せに叩き込んでくる蛾天丸に対し、
レミーナは華麗な剣技で敵のパワーを巧みにいなしながら反撃してゆく。

蛾天丸「うおおっ!」
レミーナ「たぁっ!」

鋭く打ち込まれたレミーナのミスリルソードが、
蛾天丸のマサカリの柄を叩き折った。
マサカリの巨大な刃が宙を舞い、落下して地面に突き刺さる。

レミーナ「これで終わりね! 観念しなさい」
蛾天丸「フッ…。武器を潰したくらいで、
 人間如きがこの俺に勝てると思っているのか?」
レミーナ「人間如き…?」
蛾天丸「ウォォォォ…! グォォォォッ…!!」

レミーナが蛾天丸の言葉の意味を呑み込む前に、
蛾天丸の皮膚が不気味な青色に変わり、
体が大きく膨らんで、見る見る内に巨大な醜い怪物の姿へと変貌する。
蛾天丸の正体は人間ではなく、体長十メートルを超える蛾の妖怪だったのである!

蛾天丸「グォォォ〜!!」
レミーナ「正体を現したわね、魔物!」

レミーナは左足に巻いたレッグホルスターからナイフを一本抜いて蛾天丸に投げつけるが、
蛾天丸は口から白い毒性の粉をシャワーのように吐き出し、飛んで来たナイフに浴びせかける。
ナイフは蛾天丸に届く前に毒でドロドロに溶かされ、跡形もなく消滅してしまった。

蛾天丸「ハァッ!!」
レミーナ「きゃぁっ!?」

蛾天丸が更に続けて口から吐き出す毒粉のシャワーがレミーナを襲う。
素早く地面を転がって回避し直撃を免れたレミーナだが、
毒粉が肩にわずかに掠り、軍装から露出していた肌に火傷ができた。

レミーナ「うぅっ…!」
蛾天丸「さあ、次は全身を焼き溶かしてやろう。
 骨の欠片も残さんほどにな!」

巨大な怪物となった蛾天丸の前に大ピンチのレミーナ。
だが、そこに間一髪、ナレインとキクマルを引き連れてラウールが馬を駆けさせて来た。

ラウール「レミーナ、大丈夫か!?」
レミーナ「ラウール!」
ナレイン「敵の正体は妖魔の類か…!」

恐るべきモンスターと化した敵の大将と相対して、ラウールも驚愕し息を呑む。
口から毒粉を吐いて暴れ、蛾天丸はラウール達を圧倒した。

813凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/25(月) 23:13:47
キクマル「おのれ化け物、これでも受けてみよ!」
蛾天丸「バカめ。そのようなものが何だというのだ!」

キクマルは馬上で弓を構え、蛾天丸の頭を狙って渾身の一矢を放った。
だが蛾天丸は口から吐いた毒粉で、先程のナイフと同じように矢を溶かしてしまう。

蛾天丸「喰らえ小僧!」
キクマル「おっと!」

キクマルは素早く馬を跳ばせて毒粉のシャワーをかわした。
馬で駆け回りながら馬上で次々と矢を番え、蛾天丸に向けて射かけてゆくキクマルだが、
矢は蛾天丸が吐く毒粉に全て空中で焼き溶かされ、一本も標的に到達しない。

蛾天丸「そこまでだ。死ねえッ!」
キクマル「くっ…!」

遂にキクマルの動きを捉えた蛾天丸が毒粉を噴射しようと大きく息を吸い込む。
だがその時、別方向からナイフが飛来し、蛾天丸の喉元にぐさりと突き刺さった。

蛾天丸「グォォッ!?」
レミーナ「油断したわね!」

キクマルに気を取られていた蛾天丸の隙を見て、
レミーナが横から二本目のナイフを投擲したのである。
今にも吐こうと喉に溜めていた毒粉が傷口から漏れ出して体に流れ落ち、
蛾天丸は自らの毒で身を焼かれ苦しむ。

蛾天丸「ギャァァァッ〜!!」
ナレイン「殿下、今です! これを奴に!」
ラウール「分かった!」

ナレインは携えて来た大型の弩(ヘビィボウガン)をラウールに手渡した。
大怪鳥イャンクックの素材で作られた強力武器・イャンクック砲である。

ラウール「喰らえっ!」
蛾天丸「グォォォォォッ!!」

この一撃でユーベリアの民を守る…!
強い意志を指に込めて弩のトリガーを引くラウール。
狙いすまして放たれたイャンクック砲の貫通弾が蛾天丸に炸裂した。
腹部を撃ち抜かれた蛾天丸は断末魔の叫びを上げながら倒れ、
大爆発してアセーリアから滅び去ったのであった。

814凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/25(月) 23:15:39
かくして蛾天丸の乱は鎮圧され、ラウールの初陣は大勝利に終わった。
敵の大将を自ら討ち取ったとあってラウールの武名は大いに高まったが、
何と言っても勝敗を決したのはナレインが考案し、
レミーナが実行した山越えの奇襲作戦である。
また、敵将グエルを撃破したボーダンの武勲や、
見事な馬術と弓の腕前で蛾天丸を引き付け勝利をアシストしたキクマルの活躍も忘れる事はできない。
ラウールは彼ら一人一人を心から讃え、その功をねぎらった。

ラウール「ありがとうレミーナ。
 お陰で初陣を勝利で飾れたよ。
 ユーベリアの民を賊徒の手から守る事もできた」
レミーナ「私の方こそ、ラウールが来てくれて助かったわ。
 最初は一体どうなる事かと思ったけど、
 なかなか勇敢な戦いぶりだったじゃない」
ラウール「いや、勇敢だなんて…。
 あの時は何というか、気持ちが高揚して自分を抑えられなくなったんだ」
レミーナ「あなた、気が弱いようでいて結構熱いところあるものね。
 そういうところ、悪くないと思うわよ」
ラウール「うん…」

一方、蛾天丸が妖怪の正体を現した事について報告を受けたアディラス十六世は、
それを退治した息子の活躍には喜びながらも、
起きた事態の意味を推し測って渋面を作り、深く考え込んでいた。

キクマル「あの蛾天丸なる賊の正体にございまするが、
 このロサレダ大陸でこれまで発見されてきたいかなる種族のモンスターとも異なるもの…。
 恐らく、ここ数年の間に繰り返し発生している、
 時空の穴を通って異世界から現れた侵略者であろうと推測されまする」
アディラス「今回は大事に至る前に平定できたから良かったが、
 今後、より大きな脅威が異世界から現れる可能性は十分にあろう。
 一層警戒を強めねばなるまいな」
キクマル「御意にございまする!」

蛾天丸の乱はもしかすると、その後にやって来るより大きな国難の序曲に過ぎないのではないか…。
大王アディラスは不吉な予感に駆られながら、
軍勢をまとめてラウールと共に王都ネクナールへ凱旋したのであった。

815凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/25(月) 23:18:06
●蛾天丸→メルヴィオン軍の奇襲攻撃を受け、ラウール王子のイャンクック砲で倒される。
●グエル→ボーダン・ドーガと戦って敗死。

○ラウール・エル・アディラス→イャンクック砲で蛾天丸を倒し、初陣を勝利で飾る。
○ナレイン・レンドルフ→ラウールの護衛として敵陣に突入し、蛾天丸と戦う。
○レミーナ・ラプエンテ→山越えの奇襲攻撃に成功。蛾天丸と戦う。
○ボーダン・ドーガ→山越えの奇襲攻撃に成功。グエルと戦って倒す。
○キクマル・サダムネ→ラウールの護衛として敵陣に突入し、蛾天丸と戦う。
○アディラス十六世→山越えの奇襲が成功したのを見て総攻撃を下知する。


【今回の新規登場】

○キクマル・サダムネ(闘争の系統オリジナル)
数代前に海を隔てた東方のヒノイズル大陸からロサレダ大陸に渡って来たアオイ人のサムライの末裔で、
メルヴィオンの王宮に代々仕えていた家系・サダムネ家の戦士。
名前は<姓・名>の順をイースト方式で漢字表記すると「定宗 菊丸」となる。
忠義に厚い熱血漢で、武器は名刀・虎一文字。

816ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/28(木) 18:53:56
>>970 凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/24(日) 20:58:24
>優香もミニスカートよりは、今回の春服のように大胆な露出は控えて
>おしゃれに着こなしそうな感じがするがね。
まあそこはそれ、俺も男なので
若い娘の美脚を見せたファッションというのにも
どうしても心惹かれてしまうのよww。
だがそればかりになってしまっては、面白くないのもまた事実。
仰せの通り、彼女には露出を控えたおしゃれも似合うと思う。
今度はアセーリア編のヒロインであるレミーナのファッションとかも
いろいろ考えてみたいものだな。

>山根健吉は大学生でありながら、
>ネット上にゴジラに関する論文を発表して話題になったという大のゴジラオタク。
>きっと豊富な知識を提供してくれるだろう。
きっと慎哉なら、ネットで健吉の論文を読んだことがあり、
彼にも直接出会う前から敬意を抱いているかもしれんな。
すんなりと打ち解けて仲良くなってくれそうだ。

>一方、レミーナのラプエンテ家の所領はコンクェイテューラと同じく大陸の東側にあって、
>自領でラウールの挙兵を知ったレミーナは弟に留守を任せ、
>艦隊を率いてノアトーンへ駆け付けラウールの傘下に加わるという展開を考えている。
なるほど。では留守を守るレミーナの弟とやらは
コンクェイテューラにいるシンディラたちと連携を取ることになりそうですな。
一方、海路でノアトーンへと向かう途中、敵に襲われレミーナたちが船上で窮地に陥ったところで、
謎の大きな樽が近くの海にどんぶらこと流れてくる。すっぽり人が入るくらいの大きさの
その樽の中からは、「ほーほっほっほっほっほ!」と女性の甲高い笑い声が聞こえてきて……。

>>971-972 ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.
>『アルスラーン戦記‐風塵乱舞‐』・・・前回アルスラーンを追って、ダリューン達が合流。一行は
> パルスの南部にある港町ギランへと辿り着き、ナルサスの旧友である商人シャガードの元を
> 訪ねるのであった...。
殿下の半ズボン姿がようやく拝めた…(///)。
今回はダリューンが水戸黄門みたいだったが、もっと殿下にも出番が増えて活躍してほしい。

>確かに、ガーミッドの髪の色からして銀角大王の方があっているかもしれない。
>となると金角大王は?となるが、該当するキャラがいないか...?
金角大王はクールギン殿のいう通りアルハザードでよいだろう。
北上紗希と岡島雄大は、妖怪の被害に遭っている村人役辺りが
よいと思うのだが。

>シナリオの投下、お疲れ様です。まさか悠久山安慈のいた寺の
>少年少女達がアセーリアで黄泉還っていたとは...。
『るろうに剣心』の安慈のエピソードについては、
もうすっかり忘れてしまって記憶にないのだが、
原作で何の罪もなく悲惨な最期を迎えたキャラクターが、
闘争の系統で救済される展開には大賛成だ。

817ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/28(木) 18:54:34
誤爆した…(汗。失礼。

818凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/31(日) 13:36:26
≪(閲覧注意!)真相・ラウール王子の正体とは≫


今から三十五年前、隕石に乗って地球へやって来たワームの一派・ネイティブは、
自分達と敵対する別種のワームが将来地球へ攻めて来るのを予測し、
地球人と結託して対ワーム組織・ZECTを結成した。
表向き、ネイティブは地球人との共闘と共存を望んでいるかに見えたが、
実は自分達こそが地球の支配者となるべく密かに計画を巡らしていた事は、
後に仮面ライダーカブトとの最終決戦で明らかになった通りである。

擬態天道総司=仮面ライダーダークカブトがそうだったように、
ネイティブの一部には時空を超える特殊能力を持つ者がいる。
ネイティブは異世界アセーリアにも進出してアセーリア人に擬態し、
そこで次第に増殖して行った。
ネイティブは来たるべき地球でのワームとの戦いに備え、
アセーリアを仲間の繁殖場として利用するつもりであった。

そして十年前…。
アセーリアで誕生したネイティブのサナギ体(サリス)の一匹が戦力として地球へ送り込まれた。
ネイティブの中でも特に優れた戦闘力を持つ、突然変異体である白いサリスである。

フィリナ「こっちよ、光平〜!」
光平「待ってよフィリナ〜!」

牧村光平、この時七歳。
地球へやって来た白サリスは、まだ年端も行かない光平の姿に擬態した。
白サリスは光平を殺害して密かに本物と入れ替わるため、背後から忍び寄る。

茂「待てい!」
擬態光平「誰だ、お前は!?」

その時、物陰から一部始終を見ていた城茂=仮面ライダーストロンガーが、
擬態光平の前に立ち塞がった。

茂「人間そっくりの姿に化けて社会に潜伏する
 気味の悪い虫の怪物ってのはお前達の事だな。
 仮面ライダーストロンガーが相手になるぜ! 変身!!」
擬態光平「いいだろう。邪魔をするならば殺してやる!」

ストロンガーに変身した茂と、サリスの姿に戻った擬態光平が戦う。
白いサリスは通常の緑色のサリスと異なり、成虫態になる前から既にクロックアップが可能である。

白サリス「クロックアップできない貴様など、俺の敵ではない!」
ストロンガー「どうかな? 動きを捉えられなくても、
 攻撃する方法はあるぜ。エレクトロウォーターフォール!!」
白サリス「ぐっ…!?」

ストロンガーは周囲一帯の地表から電流の滝を湧き上がらせた。
点ではなく面で広く全方位に攻撃すれば、
どんなに高速で動こうが避けようがないという発想の転換である。
クロックアップでストロンガーを翻弄していた白サリスは、
エレクトロウォーターフォールに巻き込まれ、感電して動きを止めた。

白サリス「グォォォッ…!」
ストロンガー「今だ! 電パンチ!」

クロックアップから通常の時間流へと戻された白サリスの頭部に、
ストロンガーは一万ボルトの超高圧電流を帯びた強烈なパンチを炸裂させた。

擬態光平「グッ…グァァァッ…!!」

頭に強い電流を流し込まれた白サリスは脳がクラッシュし、意識が混乱して苦しむ。
白サリスは先ほど擬態した光平の姿に戻ると、
頭を押さえて悶えながら時空を超えてアセーリアへと撤退した。

ストロンガー「逃がしたか…!」

819凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/07/31(日) 13:38:18
メルヴィオン聖王国の国王アディラス十六世の四男ラウール・エル・アディラス王子は、
五歳になると王宮を離れてネクナール城下の修道院に預けられ、
そこで読み書き計算、礼儀作法や宗教道徳などの基礎教育を受けていた。
(日本の戦国武将が幼児期に寺に預けられて教育されていたのと似た習慣)
だが、そうして七歳になったラウールの身に事件が起こる。

ネイティブA「見付けたぞ、ラウール王子!」
ネイティブB「覚悟っ!」
ラウール「うわぁぁっ!!」

ある日、突如として修道院に乗り込んで来た謎の武装集団はネイティブ(ワーム)の正体を現し、
院内の礼拝堂で神に祈りを捧げていたラウールに無慈悲な凶刃の一撃を浴びせると、
修道院に火を放った。

エリス「ラウールが…! ラウールがっ…!」
ナダル「姉上、落ち着いて下され!」

修道院の火災の報を聞いて王宮から急ぎ駆け付けた姉のエリス・レイカ・アディラス王女は、
炎上する修道院の中にまだラウールがいると知り、あまりの事に錯乱して取り乱す。

騎士A「危険です! お下がりを!」
ナダル「ええい! どけっ!
 このままじゃラウールが死んでしまうんだ!」

十歳になるラウールの次兄ナダル・ヴァル・アディラス王子は、
家臣らが止めるのを振り切り、燃え盛る修道院に単身飛び込んだ。
勇敢にも火災現場に突入したナダルは、炎の中からラウールを見付け出し、
抱きかかえて脱出する。

エリス「ラウール! 良かったわ。無事だったのね!」
ラウール「…誰?」
エリス「えっ、何を言っているの?」
ナダル「姉上、もしかしてラウールは、
 火事のせいで記憶を失ってしまったのでは…?」

救出されたラウールは大きな怪我をしておらず命に別状はなかったが、
何と記憶を全て失ってしまっていた。
エリスとナダルは、これは火災による一酸化炭素中毒が引き起こした
脳障害のための記憶喪失であろうと判断し、幼い弟を襲った不幸に深く悲しむのであった。

モルゲグ「上手く行ったわい。ククク…」

その様子を物陰からそっと覗き見てほくそ笑む初老の男…。
モルゲグ・ヒルガノス。
数年前、ある「重大な罪」を犯したために国王の逆鱗に触れて処刑された、
メルヴィオンの元貴族である。
死んだはずの彼がなぜ生きてそこにいるのか…?

820ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/31(日) 19:31:21
≪レミーナの地球留学-1≫

宇宙の創造神(界王神)と対をなす“破壊神”ビルス。

宇宙全体のバランスを保つために存在する神で、
その気になれば宇宙そのものを破壊するほどの力を有しており、
界王はおろか界王神からも恐れられている。
第三次元で我々の住む地球と太陽系のある「第7宇宙」を担当しており、
常に付き人兼目付役のウイスを従えている。
あの超サイヤ人・孫悟空がその生涯において、
ついに勝利を得ることのできなかった相手であり、
また地球上の一部の岩盤だけを破壊し「地球を破壊した」としてその場を収めたり、
フリーザの地球襲来時に際しても間接的に悟空たちに手を貸してやるなど、
なかなか懐の深い一面を見せることもある。

その破壊神ビルスがいつものようにウイスを引き連れ、
魔界の四大実力者の一人、大公爵アストロトの元を訪れていた。

ビルス「堕神の連中が、最近急に鳴りを潜めていてね」

地球でイーバを使い再生者(リザレクター)狩りをしていた
堕神の動向を調査していたビルスだったが、
最近になって急に堕神一味の動きがぷっつりと途絶えてしまったのだという。

ウイス「おそらくビルス様が動き出したと察知して、恐れをなしたのでしょうけどね」
アスタロト「堕神というと、宇宙創世の昔に混沌の海の意思に逆らって
 滅ぼされたという異端の神の一族。まさか実在したとは…」
ビルス「おや、よく知ってるじゃないか」
アスタロト「ビルス様こそ私より事情にお詳しそうですが?」
ビルス「そりゃそうさ。全王様のご命令で、
 過去に堕神どもを殲滅したのは、他ならぬこのボクだからね」

遥か太古の時代に堕神を滅ぼしたのは、破壊神ビルスだったという衝撃の事実。
しかし全滅したはずの堕神が生き残っていて、今の世に蘇り暗躍を始めたのである。
ビルスの読みでは、黄泉がえり現象や時空クレバスの発生現象も、
堕神が裏で糸を引いているのではないかとのこと。

ビルス「そこでアスタロト、キミに堕神の追跡調査を
 引き継いでもらえないかい?」
アスタロト「えっ!? なんでわたしが!」
ビルス「キミ、そういうの得意じゃん。
 ボクはこう見えて他にもいろいろ忙しいんだよ。
 それとも何か文句ある?」
アスタロト「い、いえ…決してそのような」(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
ビルス「じゃあしっかりと頼んだよ!」

ビルスに仕事を押し付けられてしまったアスタロト。

アスタロト「そうだ。ここはアイツに押し付けてみるか…」


***常春の国マリネラ***

王宮で電話が鳴ったので、
受話器を受け取るパタリロ八世。
電話の主はアスタロトだった。
アスタロトはかくかくしかじかと事情を説明。

パタリロ「…で、なんでぼくなんです?」
アスタロト(電話の声)「お前の先祖の契約はまだ完全に
 履行が終わってはいないぞ。未払いの小銭が欲しくないのか?」

先祖のパタリロ六世が結んだ主従契約の縁で、
以前にアスタロトの小間使いをしていたこともあるパタリロだが、
こうして今回も体よく面倒事をアスタロトから押し付けられることに…。

タマネギA「いったいどうするんですか?」
パタリロ「しょうがない。確か日本にはイーバと主に戦っていた
 天凰輝シグフェルがいたな。アイツから適当な話だけ
 手短に聞いといて、それでお茶を濁すか」
タマネギB「………(いいのかなぁ?)(汗」

こうしてパタリロは、王家専用機「暁の銀鷲号」に乗って
日本の羽田へと向かった。

821ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/07/31(日) 19:32:04
一方、その頃…。

***メルヴィオン聖王国・王都ネクナール***

国土復興に向けて活気に満ち溢れるネクナールの都。
その日、レミーナ・ラプエンテは、ナレイン・レンドルフから
秘密裏に王宮へと呼び出された。

レミーナ「私に地球に留学に行けと?」
ナレイン「いかにも。まもなく我が国から地球への留学生の
 第一陣が出発します。レミーナ殿にはその代表として
 地球に赴いていただきたいのです」
レミーナ「でもどうして私が? 国内の学者や賢者、それに技師など
 適任者なら他に幾らでも…」
ナレイン「いや、レミーナ殿には地球の文明や技術などではなく、
 向こうの内情を探ってきてほしいのです」
レミーナ「私に…スパイをしろと?」

ナレインのいうところによれば、まだアセーリア側は地球について
ほとんどよく知らない。これから仲良くに交流していくためにも、
もっと互いのことをよく知らなければならない。

ナレイン「スパイと言っても、別に相手を欺いて軍事機密を
 盗み出せというのではありません。聞くところによれば
 地球では"民主主義"というルールに基づいて国の進むべき道を
 決めていくのだとか。ならば地球側の民の声は、我々アセーリアの側の
 ことをどのように思っているのか。地球側の民心、世論、その他諸々の
 社会情勢についても正確に把握しておきたい。それをお頼みできるのは
 レミーナ殿をおいて他にいないのです」
レミーナ「わかったわ。そういうことならお引き受けしましょう。
 私も地球というところには前々から興味はあったし」
ナレイン「かたじけない。キクマルを護衛として随行させましょう」

こうしてレミーナは、キクマルも伴って地球に留学体験することになるのだが、
果たして彼女には地球でどのような体験が待ち受けているのだろうか?

822ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/08/03(水) 12:39:57
<<狙われた国際競技大会(仮)-1>>

太陽系オリンピック(仮)―旧西暦で行われた国際競技大会が新西暦の
時代において発展。地球上の国家・地域のみならず周辺のコロニーや
太陽系内にある惑星国家および自治組織も参加が可能になっており、
地球および太陽系において一大イベントとなっている。近年エスパーや
ミュータントなどの異能力者が増加した事により一時期衰退していたが、
先のダカール政変におけるロゼ・アプロヴァール大統領の宣言と度重なる
戦争で疲弊した地球に平和が訪れるよう祈りをこめて、この度開催される
運びとなり、世界各地では大変賑わっていた。

***アザディスタン***

開催地は中東の国家アザディスタン。地球連邦が成立した初期の頃、
幾度も戦火に見舞われたが、現在は無事復興を果たした国家であり、
太陽系オリンピックの開催地となった。オープニングセレモニーも行われ、
会場内の観客たちの間で歓声があがる。しかし、この大会には、ある危機が
迫っていた。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

?????「無事、アザディスタンに潜りこめたようね」
????「はい、ミンメイ様」
?????「では、計画どおり最終回を狙って...」
???「そこまでだッ!」

夜。大会で盛り上がるアザディスタンの首都で、あやしげな会話をする
ミンメイと呼ばれるチャイナドレスの女性と数人のグループの前に、
2人の少年―プリベンターに所属するガンダムのパイロット、ヒイロ・ユイと
張五飛が現れる。

五飛「貴様達の会話を聞かせてもらった」
ヒイロ「...おとなしく投降しろ」

あやしげな会話をする彼等に、ヒイロは銃口を向ける。

ミンメイ「相手は子供よ。始末しなさい!」
男性一同「うぉぉぉぉ!!」
ヒイロ「―ッ」
五飛「嘗めるなッ!」

ミンメイの指示を受けて、男達はヒイロと五飛に襲い掛かる。
しかし五飛は体術で男達をねじ伏せ、ヒイロは銃で相手を
無力化させていく。だが、その隙に指示を出していたミンメイは
その場から逃げ出す。

鬼太郎「待て、逃がさないぞ!」
ミンメイ「お前は鬼太郎!何故、ここに!?」
目玉おやじ「正体を現すのじゃ、画皮!」

逃げ出すミンメイの前に、ゲゲゲの鬼太郎が飛び出す。そして
ミンメイは目玉おやじによって、正体が中国妖怪の画皮である事を
暴かれてしまう。

鬼太郎「大会の邪魔はさせないぞ!」
ミンメイ「私には、まだやる事がある。鬼太郎、貴様の相手は今度だ!」
鬼太郎「待てぇ!...クッ、逃げられた」

ミンメイ(画皮)は鬼太郎達の手を逃れ、その場から撤退した。
そして鬼太郎はヒイロ達の元へと合流する。

男性A「うう...あれ?ここは何処だ」
男性B「俺達、何をしていたんだ?」
五飛「こいつら、記憶が無いのか?」
ヒイロ「...サリィ・ポォ。テロリストと思わしき集団を捕えた。しかし
 洗脳されていた可能性があり、本人達に記憶はなく、妖怪帝国の者と
 思われる者も逃がしてしまった。人を寄越してくれ」

ヒイロ達によって気を失っていた男達は、目を覚ますが、その記憶がなく
ヒイロは同じプリベンターのエージェントであるサリィ・ポォに連絡を入れる。

鬼太郎「すみません。画皮を逃してしまいました」
ヒイロ「気にするな。だが情報通り、この大会は妖怪帝国に狙われているのが
 証明されたな」

何故、鬼太郎がヒイロ達プリベンターと行動を共にしているのか。
話しは大会が始まる数日前に遡る。

823ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/08/03(水) 13:23:31
***ゲゲゲの森***

数日前。間もなく大会が開催されるとうい事で、連日メディアでは
大会についてのニュースが取り上げられていた。そのニュースは
ゲゲゲの森の住民である鬼太郎の所にまで伝わっていて、
その日もラジオで大会のニュースを聞いていた。

猫娘「鬼太郎、お客さんよ!」
鬼太郎「お客...?」
零児「お邪魔させてもらう」
小牟「久しぶりじゃのう。鬼太郎!」
鬼太郎「零児さん。小牟さん。何故、ゲゲゲの森に?」
小牟「うむ。その事なんじゃがのう...」

ニュースを聞いていた所、猫娘が零児と小牟をゲゲゲハウスに
連れてくる。鬼太郎は2人がゲゲゲの森に来た理由を尋ねてみると、
2人によれば霊界探偵である幽助が、コエンマからの指令により、
先日明らかになった妖怪帝国が太陽系オリンピックにテロを仕掛けようと
している情報を入手したとの事、そこで大会を守る為、ブレイバーズの方でも
警備に向かう事が決定し、零児と小牟は鬼太郎に協力の要請をしにきた
という事だった。

目玉おやじ「太陽系オリンピックは平和の祭典...妖怪帝国が関わっているので
 あれば、見過ごす訳にはいかぬのう」
鬼太郎「分かりました。是非、協力させてください」
零児「それは重畳。よろしく頼む」

こうして鬼太郎は、妖怪帝国から太陽系オリンピックを守る為、
アザディスタンへと向かった。果たして大会を狙う妖怪帝国の
目的とは...。

◯ヒイロ・ユイ→ミンメイに操られた男性の集団を捕える。
◯張五飛→ミンメイに操られた男性の集団を捕える。
◯鬼太郎→大会を守る為、要請を受けてアザディスタンへ赴く。
  ミンメイを取り逃がしてしまう。
◯目玉おやじ→大会を守る為、要請を受けてアザディスタンへ赴く。
  ミンメイを取り逃がしてしまう。
◯猫娘→零児と小牟をゲゲゲハウスに案内する。
●ミンメイ→ある目的で一般人の男性達を操る。鬼太郎達が現れたので撤退する。
◯有栖零児→鬼太郎に協力を要請する。
◯小牟→鬼太郎に協力を要請する。

【今回の新登場】
●ミンメイ=画皮(ゲゲゲの鬼太郎)
 皮を被って美女に化けて男を誑かして喰う中国妖怪。チーの配下で
 「ミンメイ」という美女に化けて、ねずみ男や南方妖怪に近づき、彼らを
 惑わせ、鬼太郎を倒す様に仕向けた。眼力で洗脳する術を持つ他、
 突風の息や絵を実体化させる術を使う。

824凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/09(火) 16:49:13
<<狙われた国際競技大会(仮)>>加筆

***アザディスタン・サッカースタジアム***

水面下で密かに妖怪達が蠢いている事など多くの人々は知る由もなく、
太陽系オリンピックは大いに盛り上がっていた。
男子サッカーは、開幕戦で中東の新興国エイラシア代表が、
優勝候補の一角である南米系コロニー国家のフェルコーナ代表を破るという波乱の幕開け。
近年、アラブ諸国が豊富なオイルマネーを投資して進めているスポーツの強化が、
決して侮れないものである事を世界に見せつけた。
そしていよいよ、地元ファンが待ちに待った開催国アザディスタン代表が、
こちらも今大会最強との呼び声高いフランス代表との初戦を迎える。

フィリナ「フランス頑張って〜!」

太陽系オリンピックの主要スポンサーの一つは、
フィリナ・クラウディア・アルシャードが社長を務めるクラウディア・エレクトロニクス社である。
スポンサーとして大会のオープニングセレモニーに出席したフィリナは、
そのままアザディスタンに滞在して試合観戦を楽しみ、
この日はフランス代表の青いレプリカユニフォームを着てサッカースタジアムに姿を見せていた。

フィリナ「ああっ、惜しい〜!」

アルジェリア出身でフランス国籍のフィリナは、
やはり自分にゆかりのあるこの2国を中心に応援している。
ところがこの試合、フランス代表は格下と見られていたアザディスタン代表を相手に大苦戦。
圧倒的に攻め続けて次々とシュートを打ちまくるが、
地元サポーターの大声援を受けて奮起したアザディスタン代表は、
懸命のディフェンスで猛攻をことごとく跳ね返し、1点を守り切って何と1-0で勝利してしまった。

キバラ「残念だったね。まさかこんな結果になるとは」
フィリナ「叔父様!」

試合終了後、叔父でアダブ王国の特使を務めるキバラに声をかけられて、
フィリナはフランス国旗を模したトリコロールカラーのマフラータオルで額の汗を拭きながら微笑む。

フィリナ「確かにフランスが負けたのは残念ですけど、
 でも大会が盛り上がるには、何より開催国が活躍するのが一番ですもの。
 アザディスタン国民の皆さんがこんなに喜んでいるのを見ると、
 決して不愉快な気分になんてなれませんわ」
キバラ「大人だねえ。
 確かに、この番狂わせは大会を盛り上げずにはおかないだろうね」

世紀の大金星に沸くスタンドの熱気を味わいながら笑顔を作る二人。
フィリナはアザディスタン代表の大健闘を心から讃えて拍手を送った。

フィリナ「さあ、明日はバスケットボールのアルジェリア代表を応援しなきゃ。
 叔父様もご一緒にどうです?」
キバラ「いいね。また面白い試合になりそうだ」

スタジアムを後にしたフィリナとキバラは、
二人で夕食を摂るため、予約している五つ星ホテルにタクシーで向かったのであった。

825凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/08/09(火) 16:52:27
***東京・朝倉家***

光平「おおっ、ナイスレシーブ!」
慎哉「いいぞいいぞ! だんだん日本のペースになって来た!」

アザディスタンと日本の時差は約6時間。
現地時間で夜7時に行われる試合は、日本時間では深夜1時の開始となる。
夜もすっかり更けた頃、東京・豊洲にある朝倉家の居間では、
牧村光平と朝倉慎哉が眠気覚ましのホットコーヒーをすすりながら、
太陽系オリンピックの女子バレーボール、
日本代表VSムアンバ代表の試合を衛星生中継でテレビ観戦していた。

慎哉「うわ〜! 相手の4番、凄いジャンプ力だな」
光平「ピュンマさんの祖国、強いよなあ…」

ムアンバはサイボーグ008=ピュンマの故郷の国で、
アフリカ人らしい高い身体能力を駆使したパワフルなバレーで日本代表を苦しめるが、
日本代表もよく組織されたチームプレーで徐々に押し返し、
両者1セットずつを取っていよいよ勝負の第3セットに突入である。

光平「でもまあ、無事に盛り上がってるようで良かったな…」
慎哉「…ん? 何だって?」
光平「いや、何でもないよ」

大会を狙うテロの気配を察知してブレイバーズが動き出しているという情報は、
光平の耳にも入っていた。
大会はまだ始まったばかりだが、ここまでは順調に各競技の日程を消化し、
大きな事故やトラブルなどは起きていない。
平和の祭典がこのまま最後まで無事に開催される事を、光平は願った。

光平「さあ、3セット目が始まるぞ!」
慎哉「頑張れ〜!」


***アザディスタン・ラグビースタジアム***

一方、男子ラグビーのサラジア代表は、木星から出場した
木星圏ガニメデ・カリスト・エウロパ及び他衛星小惑星国家間反地球共同連合体(木連)代表と対戦。
前半は圧倒的に攻めて点差を20点まで広げ楽勝ムードだったが、
後半、木連代表が意地の猛反撃に出ると流れは一変し、怒涛の勢いで追い上げられる展開に。
そしてとうとう、試合終了間際に劇的な決勝トライを決められてまさかの大逆転負けとなってしまった。

アルハザード「う〜む、何たる事だ!」
秘書N「前半の内容は素晴らしかったのですが…」

はるばる木星から地球まで応援に駆け付けた木連サポーターが興奮し、
人気アニメ『熱血ロボ ゲキ・ガンガー3』の主題歌の替え歌を勝利の凱歌として高らかに大合唱する中、
観戦に訪れていたサラジアのアフマド・アルハザード副大統領は憮然としてスタジアムのVIP席を立つ。

アルハザード「後半の総崩れに対して何の手も打てんとは、
 監督の采配がなっておらん! 
 サラジア・ラグビー協会に命じて直ちに監督を解任させろ!」
秘書R「かしこまりました…」

アルハザードは国威発揚の道具としてスポーツを重視しており、
副大統領に就任して以来、ずっと国策として各競技の強化に力を入れている。
独裁者アルハザードはその権力を使って度々サラジアのスポーツ界に現場介入しており、
彼の意向一つでチームスタッフや協会幹部の首が飛ぶという事も珍しくない。

秘書N「閣下、ラグビーは残念でしたが、
 今回、野球の我が国の代表チームは育成の甲斐あって優秀な選手が揃い、
 上々のコンディションでこの大会に臨む事ができております。
 明日の初戦は、恐らく期待してよいと思われます」
秘書R「メディア等の下馬評は決して高くありませんが、
 あのチームのポテンシャルには驚異的なものがあると報告されており、
 世界を驚かせる力は十分にあると見てよいはずです」
アルハザード「中東で野球などなかなか流行らんだろうが、
 野球はアメリカの国技と言っても過言ではない球技。
 もし万一、アメリカに野球で勝てればアメリカ国民のプライドはひどく傷付くだろうと思って、
 試しに強化プロジェクトを進めてみたが…。
 よし、ならば明日は野球の試合を観戦しようではないか」

暗殺を恐れてどんな時でも警戒を欠かさないアルハザードは、
黒服を着た大勢の護衛に囲まれながら、二人の秘書と共にスタジアムを後にした。

826ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:10:29
≪光平よ、父と子の絆を守れ!-1≫

***海防大学付属高校・校門***

放課後の訪れを告げるチャイムが鳴り響く中、錦織佳代と北上紗希は、
その日もいつも通りに仲良く一緒に下校しようとしていた。

紗希「あら、あそこにいるのは光平くんだわ」
佳代「光平〜! 一緒に帰ろぉ〜♪」

少し離れた向こうで牧村光平の姿を見つけた佳代は、
いかにもご機嫌な感じで真っ先に駆け寄り、
光平も一緒に帰り道に誘おうとしたのだが、
その数歩手前のところで思わず立ち止まって硬直した。

光平「アハハハハッ」
フィリナ「うふふふ…」

なんと光平は、全く見慣れない金髪の外国人女性と
親しげに会話していたのである。

佳代「――!!」Σ(゚д゚lll)ガーン
紗希「……!?」Σ(゚д゚lll)ガーン

反射的に物陰に隠れてしまう佳代と紗希の二人。
光平はそんな二人に全く気が付くことなく、
その若い外国人女性と談笑しながら
早々にその場から立ち去ってしまった。

佳代「…だ、誰よあの金髪女は!!」
紗希「そんなまさか…。だって光平くんには沢渡さんが…。
 きっとただのお友達よ。光平くん、交友関係広そうだもの」
佳代「ゆ、許せない〜! 光平のやつ、
 アタシという女(ひと)がありながら〜っ!!」
紗希「錦織さん…??(汗」


***同校舎内・視聴覚室***

慎哉「俺をどうするつもりだ…?(汗」

その日、朝倉慎哉は授業が終わって
いつも通りに下校しようとしていたところ、
突然背後から何者かに袋を被せられて拉致された。
気が付くとロープでがんじがらめに亀甲縛りにされ、
天井から吊るされていたのである。

そして彼の目の前には、
引きつった表情の錦織佳代と、
いかにも申し訳なさそうな表情をしている
北上紗希がいたのであった。

佳代「朝倉、洗いざらい全部吐いてもらうよ。
 校門のところで光平と一緒にいたあの金髪女は誰なの!?」
慎哉「金髪女…?」

慎哉はすぐにフィリナのことだと直感した。
そういえば今、フィリナは所用があって来日している。
佳代と紗希はまだフィリナのことを知らない。
それで光平と話しているところを偶然目撃して、
何か変な勘違いをしたのだろう。

827ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:11:03
慎哉「俺は一切何もしゃべらないぞ。
 特に錦織、お前に話せば余計にややこしいことになる」
錦織「へぇ〜いい度胸だね、朝倉。
 言っておくけど、アタシは人を殺さずに痛めつける方法を
 何通りも知っているんだよ。ふふふっ…」
慎哉「おいやめろ錦織! お前目がマジでヤバイぞ!
 (((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク」

奇怪な忍び専用の拷問器具!?を握った佳代の両手が、
じわじわと慎哉に迫る!ww

慎哉「おい北上さん! 黙って見てないで
 コイツを止めてくれ〜!」
紗希「ごめん朝倉くん、わたしもあの女の人が
 誰なのか正直知りたい…」
慎哉「え〜〜〜っ!?」ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!!

光平を巡って堂々と沢渡優香に恋のライバル宣言をしている佳代とは違い、
紗希にはそこまでの気持ちはない。しかしそれでも彼女にとって
牧村光平は気になる男の子には違いなく、やはり彼と親しげにしていた
見知らぬ女性の正体はどうしても気になるのだろう。

佳代「さあ覚悟しな朝倉ァァ〜!!」
慎哉「いや…お願いやめて…ギャアアッ――!!!!!!!!!」


◇   ◇   ◇


慎哉「ううっ…もうお婿に行けない」。・゚・(ノД`)・゚・。ウエエェェン

一切合切全てを白状させられた後も、
まだ縛られて吊るされたままの慎哉は、
いったい佳代に何をされたのか…?
泣きながら非常に情けない顔をしているww。

佳代「なるほど、あの金髪女――じゃなくて
 外国人は光平の従姉さん(おねえさん)だったんだ」
紗希「話には聞いていたけど、あの人がフィリナさん…」
佳代「こうしちゃいられない! 行こう北上さん!
 光平の従姉さん(おねえさん)に自分を売り込んで
 アピールする絶好のチャンスじゃん♪」
北上「あっ、待って錦織さん!」

慎哉から自白を引き出した佳代と紗希は、
縛られたままの慎哉を放置して走り去ってしまった。

慎哉「おい!せめてこっから降ろしてくれよ!
 これどうやって解くんだよ!
 こんな格好、他の誰かに見られたらどーすんだ!?
 誰か助けてくれえええ〜〜〜!!!(泣」

828ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:11:39
***メガロシティ市街区・某喫茶店***

ここは海防大学付属高校の通学路の途中にある喫茶店である。
よく生徒たちが、学校からの帰り道に溜まり場として利用している。

フィリナ「えっと…確か岡島雄大君だったかしら?」
雄大「光栄です。覚えててくれたんですね♪」

それぞれ注文したコーヒーやパフェ、クリームソーダ等が並んだテーブルを、
牧村光平、フィリナ・クラウディア・アルシャード、
沢渡優香、岡島雄大の4人が囲んでいる。
雄大は、以前に光平から紹介されて一度だけ会ったことのあるフィリナが、
今も自分のことを覚えてくれていて感激している。

優香「それでフィリナさんは、今回はどんな用件で
 日本にいらしたんですか?」
フィリナ「提携企業の視察よ。ついでに光平の元気な顔も覗きにね」
光平「だったら本当は忙しいんじゃないのか?
 無理してこっちに顔を出さなくても…」
優香「光平くん、フィリナさんは光平くんのことが
 いつも心配なのよ」
光平「ちぇっ、まるで子ども扱いみたいだな」
優香「コラッ、光平くんったら!!
 そんなこと言ったらフィリナさんに失礼じゃない!」
フィリナ「いいえ優香、わたしから見れば光平は
 いつまで経っても可愛い弟、子供みたいなものよ」
光平「なんだよそれ…」 (-ω-)ブーブー

むくれる光平と、それを見て笑う他の三人。
そんな時、雄大が客席側の窓の外に何かを見つけた。

雄大「あれっ!? あれってもしかして広瀬先輩じゃないですか?」
光平「本当だ、広瀬だ。アイツ、一人で家に帰る途中かな…?」

広瀬ザジ――光平たちとは教室は違うものの、同じ海防大学付属高校の2年生。
日本人の父とフランス人の母との間に生まれたハーフで、
学校では天文同好会に所属している。

フィリナ「もしかしてお友達?」
優香「そうだ光平くん、せっかくだからこの機会に
 フィリナさんに広瀬くんも紹介したら?」
光平「そうだな。お〜い広瀬〜!!
 ……――あれはッ!?」

手を振ってザジを店の中に招き入れようとした光平だったが、
その瞬間に彼らはとんでもない事態を目撃した。
なんと歩いているザジの脇に突然、黒塗りの車が停まったかと思うと、
降りてきた運転手の男がザジを捕まえて、強引に車の中へと連れ込み
走り去ってしまったのである。

雄大「う、嘘だろ…」
優香「まさか誘拐!?」
フィリナ「すぐに警察に連絡を!」
光平「GARU! 聞こえるか!?」

光平はすぐに左腕に身に着けている腕時計型の通信機で、
朝倉家の玄関前に駐車しているマシンガルーダに連絡を取る。

GARUの声「どうしました光平?」
光平「緊急事態発生だ! 誘拐事件が起こった!
 至急こっちまで急行してくれ!」
GARUの声「了解です! 直ちに現場に急行します!」

829ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:12:32
一方、ザジを拉致した黒塗りの車の中では…。

ザジ「いきなり何をするんだ!? 放してよ!
 誰か助けて!!」
鬼塚「うるさい! 静かにしていろ!!」

ザジを連れ去り車を運転しているサングラスの男――鬼塚は、
持っていたスプレーを吹きかけてザジを眠らせ大人しくさせると、
無人の臨海工業地帯の中を猛スピードで逃走していた。

鬼塚「…ん、なんだあのバイクは?」

自分の車を猛追して来る赤いバイクに気が付く鬼塚。
光平が乗ったマシンガルーダだ。
マシンガルーダの前方に備え付けられているレンズアイには、
鬼塚の車の姿がしっかりと捕捉されている。

GARUの声「見つけました光平! あの車に間違いありません!」
光平「逃がすなよ!」

黒塗りの車を視界から逃さず追跡し続ける
光平とマシンガルーダ。

鬼塚「なんだか分からんがしつこい奴め!
 これでも喰らえ!」

鬼塚は運転しながら、背後にめがけて
運転席から手榴弾を投げつけてきた。

光平「うわあっ!!」

爆発をよけながらも、尚も執拗に追跡を続ける光平。

光平「――仕方がないッ。翔着(シグ・トランス)!!」

光平はシグフェルに変身して瞬時にジャンプし、
鬼塚の車の前方へと立ち塞がるように回り込んだ。
道を阻まれた車は急ブレーキで停車する。
慌てて中から降りた鬼塚は、持っていた拳銃で数発をシグフェルめがけて発射した。
しかし全弾共にシグフェルの赤いメタリックボディに弾き返され、ビクともしない。

鬼塚「くそぉっ!!」

シグフェル「そんなことをしても無駄だ。広瀬を放すんだ」
GARUの声「諦めて大人しく投降してください!」

前方と背後をシグフェルとマシンガールダに挟まれて退路を断たれ、
いよいよ進退窮まる鬼塚だったが、未だ気を失っている状態のザジを
助手席から引きずり出し、その眉間に銃口を突きつけた。

鬼塚「動くな! ちょっとでも妙な真似をすると
 このガキの頭に風穴が開くぞ!」
シグフェル「しまった!?」
GARUの声「卑怯な真似はやめてください!」
鬼塚「黙れ! 早く道を開けろ!
 さもないと本当にコイツを殺すぞ!」
シグフェル「くっ…!! 仕方がない…。
 GARU、この男の言うとおりにしよう」
GARUの声「シグフェル……わかりました」

人質を取られては、さすがのシグフェルとマシンガルーダも手も足も出ない。
やむを得ず相手の言うとおりに道を開けようとしていたその時、
どこかからか小柄(こづか)が飛んで来て、拳銃を握る鬼塚の右手の甲に命中した。

830ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:13:07
鬼塚「うわあっ!?」

痛みのあまり拳銃を地面に落としてしまう鬼塚。
その隙をついて佳代が背後からキックを浴びせて蹴り飛ばし、
鬼塚をザジから引き離したのであった。
都合よくいきなりの佳代の出現に、驚くシグフェル。

シグフェル「佳代ちゃん、どうしてここへ!?」
佳代「話はあと。それよりもコイツを取り押さえるよ!」

実はあの後、光平とフィリナの後を追いかけた佳代と紗希だったが、
喫茶店まで追いついたところで優香たちから事情を聞き、
とりあえず紗希を優香たちと一緒のところへ残し、
佳代は忍びの足で光平とマシンガルーダの後を追っていたのであった。

シグフェル「とにかく助かったよ。ありがとう」
佳代「さあ、どこのバカな誘拐犯か知らないけど、もう逃げられないよ!」
GARUの声「観念してください!」

鬼塚「く、くそっ! このまま捕まってたまるか!」

苦痛に顔をゆがめて、右手の痛みを必死に抑えている鬼塚。
そんな鬼塚の身柄を拘束しようと取り囲んで迫る
シグフェルと佳代とマシンガルーダだったが、
鬼塚の体にシグフェルが手を触れようとしていたその時、
いきなり佳代とマシンガルーダが別の何者かに襲われた。

佳代「キャアッ!!」
GARUの声「うわあっ!!」

よろめく佳代と横転するマシンガルーダ。
気が付くとシグフェルの背後には、
深くフードを被って顔を隠し、黒マントを羽織った
二刀流の剣使い3人組が立ちはだかっていた。

黒マントA「………」
黒マントB「………」
黒マントC「………」

シグフェル「こいつらはいったい!?」

鬼塚「フフッ…助かったぞ」

現れた黒マントたちを見て、鬼塚はなぜかほくそ笑む。
黒マントたちは両手に握る2本のショートソードを巧みに操り、
鋭い剣捌きの連係プレーで次々とシグフェルに襲い掛かる。
フレアセイバーを抜いて応戦するシグフェルだったが、
黒マントたちは隙を見て鬼塚を回収すると、
突如発生した時空クレバスの中に逃げ込み姿を消してしまった。

シグフェル「今の黒マントの連中の気配は、明らかにイーバの…。
 いったいどういうことなんだ??」

831ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:13:47
変身を解いた光平は、すぐさま佳代とマシンガルーダの元へと駆け寄る。

光平「二人とも大丈夫か!?」
佳代「アタシなら平気だよ…」
GARUの声「ボクも大丈夫です」
佳代「それよりも広瀬は?」

光平たちは、ぐったり横になったままのザジの傍に駆け寄り、
ゆっくりと抱き起す。

光平「おい広瀬! しっかりしろ! 大丈夫か!?」
ザジ「…うっ…う〜〜〜ん。…あれ、牧村じゃないか?
 それに錦織さんも。なんで僕はこんなとこにいるんだ…?」
佳代「よかった。大したことないみたいだね」


***京南大学附属病院***

シグ「ザジ!!」
スミレ「ザジくん、大丈夫!?」

光平から連絡を受けたザジの父「広瀬剛」ことシグとその秘書の麻生すみれは、
すぐに会社から病院まで駆けつけて来た。

ザジ「お父さん、心配かけてごめん。
 でも牧村たちが助けてくれたんだ」
光平「精密検査の結果どこにも異常はないそうで、
 今日中には退院できるそうです」
シグ「そうでしたか…」

シグとすみれはザジの無事を確認して、光平からも説明を聞き、
ひとまず安心してホッと胸をなでおろす。

ザジ「お父さん、会社の方は大丈夫なの?
 仕事忙しいんじゃないの?」
シグ「お前は余計な心配をしなくていいんだ。
 子供の大事に親が真っ先に駆け付けなくてどうする」
ザジ「もう僕だって子供じゃないんだから」
優香「光平くん、念のために私が広瀬君を
 家まで送っていくわ」
佳代「アタシも一緒についてくよ」
光平「二人とも頼む」
ザジ「もう、みんな大げさなんだからな」

父親の心配をよそに、一人で先に自宅に帰ると言い出すザジだったが、
シグの息子に対する心配を察した光平は、佳代たちに
自宅までザジを一緒に送るように頼むのであった。

シグ「光平君、ちょっと…」
光平「…?」

シグとすみれと光平の3人きりになったところで、
光平は一枚の男の写真を見せられた。

光平「この男は!?」
シグ「ザジを車で連れ去ろうとしたのは、
 もしかしてこの男ではありませんか?」
光平「はい、間違いありません」
スミレ「やっぱり…」
光平「いったいこの男は何者なんですか?」

832ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:14:33
鬼塚剛三――数年前に経営破綻した鬼塚コンツェルンの元会長。現在43歳。
資産背任横領容疑で警察に逮捕され、懲役3年の実刑が確定した。

シグ「この男――鬼塚は、地球侵略を目論むスペースマフィアと
 結託した地球人でした」

スペースマフィアの地球遠征軍司令官ムッシュ・ザジ(ジスプ)に取り入り、
地球を売り渡す契約を結んだ売国奴だったが、土壇場でジスプに裏切られ、
見捨てられた挙句に、自業自得とはいえ自らの全財産を失ったのであった。

光平「その男がなぜ今になって?」
スミレ「それが最近になって刑期を満了して出所したのよ」
シグ「警察から鬼塚の出所の連絡を受けた我々は、
 念のため警戒はしていました。しかし彼はすでにスペースマフィアから
 見限られた人間です。今更Gショッカーが接触を図るとも思えません。
 ましてや全ての財産と地位を失った今、彼に新たな悪事を働けるほどの
 力があるとも思えません」

まだ創業当時の細々とした「よろず相談オフィス」に過ぎなかった
ブルーリサーチの事務所を焼き払うなど悪行の限りを尽くした鬼塚だったが、
今の無一文で裸同然の鬼塚には、Gショッカーにとって何の利用価値もないはずだった。

シグ「せめて彼には過去に犯した罪を悔い改めて、
 静かに出所後の人生を歩んでほしかったのですが、
 どうやら私が甘かったようです。
 明らかに私の油断です」
光平「シグさん、当時の広瀬――じゃなくて、ザジ君は確か……」
シグ「ええ、当時のザジは、まだジスプのインヴェード下にありました」

当時、まだ幼少時代の交通事故から意識が回復せず、
コールドスリープ状態にあったザジは、ジスプに憑依されていた。
今のザジ自身にその時の記憶は一切ない。
その当時をよく知る鬼塚が再び動き出したことで、
過去の忌まわしい出来事の記憶が愛する息子に
降りかかることを、シグは非常に恐れていた。

フィリナ「お取込み中のところ、よろしいかしら?」
光平「フィリナ? なんでこんなところにいるんだよ」
シグ「これはマドモアゼル・フィリナ、お待たせして申し訳ありません」
スミレ「すぐに会社の方へご案内いたします」
光平「えっ!? すると今日予定のある企業視察先って…」
フィリナ「ブルーリサーチのことよ。言ってなかったかしら?」
光平「なんだ、そうだったのか…」
シグ「光平君、ザジのことくれぐれも頼みます」
光平「任せてください。俺もザジ君の周辺の警戒を強化してみます。
 二度と怪しい奴なんかに手出しはさせません」

こうしてシグやフィリナたちと別れて、
一人で病院を後にした光平は、以前にブレイバーベースで開かれた
自分の歓迎パーティーで、改めてシグと会った時のことを
静かに思い出していた…。

833ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:15:16
――数か月前。

***ブレイバーベース***

光平「しかし驚きました。まさかザジ君のお父さんが、
 過去に人知れず地球を狙っていたエイリアンと戦っていた
 戦士だったなんて…」
シグ「私も驚きましたよ。まさか息子の親友が
 謎のニューヒーローの正体だったなんてね」
光平「ヒーローはよしてください。僕はそんな柄じゃありません」
シグ「それは私もですよ。ハハハハハ!!」

光平の親友・慎哉が師と仰ぐ学校のIT科講師である
宇佐美星児もシグの仲間だった。
いつも昼休みの時間帯に学校のカフェテラスに出入りしている
アンパン屋の青梅大五郎=デンジブルーといい、
「世の中は狭い」ということをつくづく痛感させられる光平だったが、
新鮮な驚きも後押しして、互いに話は楽しく弾んだ。

光平「ところでその事を広瀬……いや、ザジ君は知っているんですか?」
シグ「いえ、息子は過去の自分が置かれていた状況も含めて
 何も知りません。あの子には戦いとは関係のないところで
 のびのびと過ごしてほしいのです。息子と同世代の君を
 我々の戦いに巻き込んでおいて、こんなことを言うのは何ですが…」
光平「いえ、なんとなくその気持ちわかります」

光平はふと、亡き父・陽一郎がもし生きていて、
シグと同じ境遇・立場に置かれたとしたら、
きっと自分に対しても同じことを考えたに違いないと思った。

シグ「息子にブルースワットのことは、
 これからもくれぐれも内密にお願いしますよ」
光平「わかりました」


◇   ◇   ◇


――そして現在。
帰り道の光平は、優香の携帯に電話を入れる。

光平「もしもし優香か? 広瀬は?
 ……そうか。無事に自分の家に戻ったんだな。
 今夜は佳代ちゃんが広瀬ん家に張り付いていてくれるのか。
 それは助かるな。わかった、ありがとう」

携帯を切って胸元のポケットにしまった光平は、
シグとザジという、血は繋がっているようで実は繋がっていないという
不思議で奇妙な関係にある親子に思いを馳せる。
今の地球人「広瀬剛」の肉体を動かす人格は、異星人「シグ」の物である。
しかし息子ザジに対するシグの父親としての愛は本物だった。
あの親子をよく知る自分には、それがよく分かる。
そして今、その親子に見えない脅威が迫ろうとしているのであった。

再生者(リザレクター)しか狙わないはずのイーバ――
――すなわち堕神一味の影がチラついたのも気にかかる…。

光平「絶対にあの親子には手を出させない。
 何者であろうと絶対に…!」

光平は固く心に誓うのであった。

834ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:16:04
***メガロビル・ブルーリサーチ本社オフィス***

300人近い調査人員を抱える、急成長中の情報調査会社「ブルーリサーチ」。
メガロシティの中心部に聳えるメガロビルの一角にオフィスを構え、
企業や個人の信用調査や学術探査研究から始まり、
ご近所のお悩み相談や浮気調査などの探偵業のようなビジネスに至るまで
手広く扱っている。最近は民警の免許も新たに取得しており、
ますます業務範囲と売上利益を拡大しそうな勢いである。

シグ「今日は本当に貴女の従弟さん――光平君のおかげで、
 息子が危ういところを救われました。
 何とお礼を申し上げてよいか…」
フィリナ「お気になさることはありません。
 こちらこそ息子さんが大変な目に遭われた日に
 押しかけて来てしまって…。ご迷惑ではありませんでしたか?」
シグ「いえ、とんでもありません」

社長室で会談しているシグとフィリナ。
ふとフィリナは、棚の上に飾られている
一枚の記念写真に視線が向く。

フィリナ「広瀬社長、これはもしかしてブルースワットの時の?」
シグ「ええ、大事な思い出の写真です」

楯の中に飾られた写真には、鳴海 翔(ショウ)、美杉沙羅(サラ)、シグ、
そして宇佐美星児(セイジ)と麻生すみれ(スミレ)の5人が仲良く並んで
笑顔で写っている。

フィリナ「この方がショウさんとサラさん?」
シグ「ええ、二人とも今はどこでどうしているのやら…」

ジャンパーソンやビーファイターと共闘した魔道師ジャグールとの戦いの後、
ショウとサラは再び各次元の平和を守るために旅立っていった。
シグはいつでも二人が帰ってきてもいいように、ブルーリサーチの共同経営者として
社内に二人の席を空けて用意している(もっとも特にショウなどは、「堅苦しい会社経営なんて
まっぴらご免!」とか言い出しそうではあるが…)。

スミレ「晴香ちゃん、フィリナさんに社内を案内して差し上げて。
 大事なお客様だから決して粗相のないようにね」
晴香「はい、わかりました♪ どうぞこちらへ。ご案内します」
フィリナ「ありがとう」

スミレから「晴香」と呼ばれた、年少に見える若い女性社員に案内され、
フィリナは社内の視察に必要な個所をくまなく案内される。

晴香「こちらがデータベースルームになります」
フィリナ「そんな畏まらなくてもいいわ。貴女お名前は?」
晴香「吉村晴香と言います」
フィリナ「ここに務めて何年になるの?」
晴香「まだ1年目の新米調査員です。まだ正所属の調査員じゃなくて
 大学に通いながらの見習いアルバイトなんですけどね。えへへ…(汗」
フィリナ「どうしてこちらに務めるようになったの?」
晴香「それはですね…」

それは一年前のことだった。
Gショッカーによってスペースマフィアが復活。
悪のエイリアンたちが再び陰謀に蠢き始めた時、
当時まだ高校三年生だった晴香は、
偶然にもエイリアンの活動を目撃してしまい、命を狙われた。
そこで危ないところをシグに救われたのである。

フィリナ「すると貴女は広瀬社長――シグさんの
 正体についてはご存知なのね?」
晴香「はい。最初は驚きましたけど、
 わたし、ブルースワットを初めブレイバーズのヒーローたちには
 憧れてるんです。少しでも日夜地球の平和のために戦ってくれている
 ヒーローたちの力になれたらと思って、社長とスミレ先輩に
 誘われたのをきっかけに今の仕事を始めたんです」
フィリナ「偉いと思うわ。これからも頑張ってね」
晴香「はい、ありがとうございます!
 吉村晴香頑張ります♪」

835ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:16:52
***ヌーベルトキオシティ郊外・某廃工場***

ここはメガロシティのお隣り、ヌーベルトキオシティのスラム街にも隣接している
寂れた工業地帯にある、今は全く使われていない廃工場である。

鬼塚「申し訳ありません。奴の息子を狙ったのですが、
 シグフェルに邪魔され不首尾に終わりました」

鬼塚が傅いて報告している相手は、堕神の幹部である
ラミアクィーンイーバ・スネイザと
タランチュラロードイーバ・ガーミッドだ。
そこへ上部に立体映像のビジョンが浮かび上がる。
堕神界本土から送信されてきた通信だ。

鬼塚「あの…このお方は?」
スネイザ「控えなさい。我らが堕神を率いられる
 大審官アークシセイザー様よ」
鬼塚「…あ、アークシセイザー様!?
 このお方が!! へへええ〜〜〜っっ!!!!!」

驚いた鬼塚が恐縮してその場に土下座し、
頭を地面に擦り付けている。

アークシセイザー「ネオメタルヒーロープロジェクト……」

アークシセイザーは口を開いて謎の言葉を発した。

アークシセイザー「今、ブレイバーズが宇宙警察機構と共同で
 極秘に進めている新計画だ」
スネイザ「ビーファイターカブト以来、
 世代交代した宇宙刑事を除いて事実上新たな戦士の
 輩出が途絶えているメタルヒーローを復活させようとの
 一大プロジェクトでございますね?」
アークシセイザー「だが、その計画の詳細な内容に関し、
 未だ星間評議会の方に何の正式な報告もない」

ブレイバーズには今後も「駒」の一つとして、
Gショッカーを初めとする闇の勢力とぶつかり合い
続けてもらわなければならない。
しかし「駒」がプレイヤーの思惑から離れて
勝手に独り歩きを始められても困る…。

アークシセイザー「ネオメタルヒーロープロジェクトの
 概要を速やかに掴み、もし必要があれば構わぬ。…潰せ!」
スネイザ「仰せのままに」

通信が終わり、アークシセイザーを映し出していたビジョンが消えた。

ガーミッド「鬼塚、話は聞いた通りだ」
スネイザ「ネオメタルヒーロープロジェクトに関する
 詳しいデータは、ブルーリサーチという会社の
 データベースルームに厳重に保管されているわ」
鬼塚「お任せください。スネイザ様、ガーミッド様。
 すでに次なる手は考えております。スペースマフィアに
 見捨てられた私を、堕神の信徒として拾っていただいた御恩、
 決して忘れは致しません」
ガーミッド「お前だけでは心もとない。雑兵をつけてやる」

ガーミッドが指をパチンと鳴らすと、
先ほどシグフェルから鬼塚を助けた
例の黒マントの三人組が現れた。
三人組がマントとフードを脱ぎ捨てると、
中から現れたのは、骨格の中に機械の内臓が蠢いている
骸骨剣士スケルトンイーバだ。

スケルトンイーバA「………」
スケルトンイーバB「………」
スケルトンイーバC「………」

鬼塚「散れっ!」

鬼塚の指示で、スケルトンイーバたちは各所へと直ちに飛ぶ。

鬼塚「見ていろブルースワット、必ず復讐してやる。
 フフフフフ…フハハハハ!!!!!!」

836ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/12(金) 22:17:49
○ザジ→鬼塚剛三に誘拐されそうになるが、シグフェルに助けられる。
○シグ→フィリナをブルーリサーチ本社オフィスへ案内する。
○麻生すみれ→フィリナをブルーリサーチ本社オフィスへ案内する。
●鬼塚剛三→刑期満了で出所後、堕神の信徒になっていた。
 広瀬剛(シグ)の息子ザジを狙う。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→鬼塚剛三に連れ去られそうになったザジを救う。
○朝倉慎哉→錦織佳代にフィリナのことについて根掘り葉掘り尋問される。
○沢渡優香→学校近くの喫茶店でフィリナと同席。
○錦織佳代→フィリナについて朝倉慎哉を尋問。その後ザジをガードする。
○北上紗希→フィリナについて朝倉慎哉を尋問。
○岡島雄大→学校近くの喫茶店でフィリナと同席。
○フィリナ・クラウディア・アルシャード→ブルーリサーチ本社オフィスを視察。
○マシンガルーダ→シグフェルを乗せて鬼塚剛三の車を追跡。
○吉村晴香→フィリナにブルーリサーチ社内を案内する。
●アークシセイザー →鬼塚剛三、スネイザ、ガーミッドに、堕神界から指令を下す。
●ラミアクィーンイーバ・スネイザ→アークシセイザーからネオメタルヒーロープロジェクトの
 詳細を探るように指令を受ける。
●タランチュラロードイーバ・ガーミッド→アークシセイザーからネオメタルヒーロープロジェクトの
 詳細を探るように指令を受ける。
●スケルトンイーバA→鬼塚剛三を手伝う。
●スケルトンイーバB→鬼塚剛三を手伝う。
●スケルトンイーバC→鬼塚剛三を手伝う。

【今回の新規登場】
●鬼塚剛三(ブルースワット)
 鬼塚コンツェルン会長でスペースマフィアと結託した地球人。
 表向きはザジを養子に迎え入れるほどの慈善事業家だが、
 その点でスペースマフィアに狙われる危険性を忠告したショウたちから
 ブルーリサーチの名刺を受け取った途端に本性を露わにし、
 ブルーリサーチの事務所を放火全焼させるなどの悪行を行ったが、
 最終的に見捨てられ、資産背任横領容疑で警察に逮捕された。
 獄中から「エイリアンに騙された」と訴えたが、
 戯言として誰にも信じてもらえなかった。

●スケルトンイーバA(闘争の系統オリジナル)
●スケルトンイーバB(闘争の系統オリジナル)
●スケルトンイーバC(闘争の系統オリジナル)
 骸骨の姿をした堕神の使徒。胴体骨格の中にはメカの内臓が虫のように蠢いている。
 常に三人一組で行動し、二刀流によるショートソードの連携攻撃で敵を苦しめる。

○吉村晴香(闘争の系統オリジナル)
 破嵐財閥などの支援により事業再開したブルーリサーチの見習いアルバイト調査員。
 ブルースワットの協力者であり現社長秘書である麻生すみれ(スミレ)の大学の後輩で、
 19歳の女子大生。社長である広瀬剛(シグ)の正体とその経歴、
 昔のブルースワットとスペースマフィアの戦いの事情については、
 過去のある出来事(Gショッカーに襲われたところをシグに助けられた)がきっかけで知っている。
 ブルーリサーチに誘われて働くようになった経緯も同様である。
 また宇佐美星児(セイジ)ほどではないが、コンピューターの扱いにもそこそこ長けている。
 鳴海翔(ショウ)と美杉沙羅(サラ)については、まだ直接の面識は今の時点ではないが、
 大方の話はシグたちから聞いており、彼女なりに憧れを抱いている。

837ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/15(月) 11:22:11
≪光平よ、父と子の絆を守れ!-2〜ラストまでの簡単なあらすじ≫

Gショッカーもネオメタルヒーロープロジェクトの存在を嗅ぎ付ける。
アポロガイストから情報提供を受けたマッドギャランが、その阻止に向けて動き出す。
アポロガイストからの協力の申し出を断るマッドギャラン。

アポロガイスト「Gショッカー秘密警察も全面的に協力の方針だ」
マッドギャラン「メタルヒーローは我ら巨獣軍の宿敵。よって手出しは無用!」

一方のザジは、一日中自宅の中で佳代につきっきりでいられ、少々ウンザリ気味。

ザジ「なあ錦織さん、いつまで一緒にいるつもりだよ?」
佳代「キミの親父さんが仕事から帰ってくるまでよ」
ザジ「ちょっと失礼」
佳代「どこ行くの?」
ザジ「トイレだよ。…あ、もしかして中まで一緒についてくる?」
佳代「…バ、バカッ!! 早く行ってきなよ!…(///)」

こうしてザジはトイレに行くふりをして、窓から外へエスケープ。
しかしそこをマッドギャラン配下のブリマとギョールに襲われる。
佳代が追い付いてきて、ブリマ&ギョールと戦闘→なんとか撃退。
広瀬家も危なくなったとの判断で、ザジはブルーリサーチ本社内に匿われることに。

今度はスケルトンイーバがブルーリサーチ本社を襲ってくる。
シグフェルと佳代が外に出て応戦。その様子を見ているマッドギャラン一味。

ブリマ「これはいったいどういうことでしょう!?」
マッドギャラン「事情はよくわからんが、これは我々にとっては都合がいい。
 せいぜいお互いに潰し合え!」

この隙にマッドギャランはオフィス内に突入してデータベースルームを目指すが、
ブルースワットのプロテクトギアを装着したシグが立ちはだかり対決。
しかしその頃、お掃除のおばちゃんに変装した鬼塚がオフィス内に潜入して、
みんなが外で戦っている隙に、まんまとザジを拉致することに成功。
その時ザジとたまたま一緒の部屋にいた吉村晴香も巻き添えを食って、一緒に拉致される。

鬼塚は、ザジと晴香の身柄と引き換えに、
ネオメタルヒーロープロジェクトの企画書を引き渡すよう要求。
シグが単身、捨て身の覚悟で取引場所へと向かう。

その昔、ムッシュ・ザジに捨てられた過去を持つ鬼塚は、
ザジの顔を見て何かと因縁をつけて絡む。
しかしジスプにインヴェードされていた当時の記憶のない
ザジには何のことやらチンプンカンプン状態。

やがて取引に指定された場所(鬼塚のアジト)に、
シグがたった一人でやって来る。
鬼塚はシグ父子へのいやがらせのつもりで、
ザジがジスプにインヴェードされていた当時の過去や、
シグの正体について、何も知らないザジ本人の目の前でカミングアウト。
真実を聞いてショックを受けるザジ。シグは鬼塚から拳銃で撃たれて
血を流し絶体絶命の危機!――というタイミングでシグフェルが颯爽と登場。
スケルトンイーバを成敗し、シグ父子と晴香を救出。
旗色が悪くなった鬼塚は、自分が知る堕神勢力の情報と引き換えに
命乞いを持ち掛けるが、ガーミッドに処刑される。

ガーミッド「一度堕神の洗礼を受けた以上、裏切りは許さん」

838ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/15(月) 11:23:00
事件解決後、ついに息子に全てを話す時が来たと決心したシグは、
ザジを自分の書斎に呼ぶ。

シグ「実は私は君の本当の父親ではありません」
ザジ「…知ってたよ」

実はザジも以前から薄々真相には気づいていたといい、
それでもザジはシグのことを今でも本当の父親だと思っていると言う。
涙を流して抱き合う親子。部屋の外の廊下でその様子を伺っていた
スミレ、晴香、光平たち関係者も、うっすらと感動の涙を浮かべるのであった。

ネオメタルヒーロープロジェクトの詳細が明らかとなる。
一つは、今では立派な若者に成長した「光に打たれし赤子」ターザンを
ジャスピオンの後継者に見立て、彼専用のメタルテックスーツ及び
専用メカニックを製造開発する計画。
そしてもう一つは、全く新規格のメタルスーツ戦士の開発プロジェクトであり、
すでに何人かの選抜された候補生たちが訓練にあたっているという。
どちらの計画も、スピルバンの父ベン博士が主導的な役割を果たしている。

星間評議会からロロ・ランペルージが地球にやって来て、
シグからプロジェクトの概要が収められたデータファイルを
受け取って帰っていく。しかしロロはそれを星間評議会には持ち帰らず、
なんと堕神一味に渡してしまうという衝撃的なラストで〆。
果たしてロロは(そして彼の背後にいる仮面の女ことユーフェミアも)、
堕神の一味とグルなのだろうか!?

最後のエピローグでは、異世界アセーリアの地に降り立つスターフォートレス。
三日月隊の侵略からアセーリアの人々を守る決意を固めるショウとサラのシーンで
シナリオ完結。

839ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/08/18(木) 12:07:51
<<アラスカ基地攻防戦>>

***北米大陸・アラスカ基地***

アラスカ基地―地球連邦軍の保有する軍事施設の一つで、前大戦では
統合最高司令部が置かれていた事もある基地だが、地球とプラントの間で
行われた戦争で、プラントのザフトが侵攻してきた事により、地下に設置
されていた大量破壊兵器「サイクロプス」が発動された事により基地は壊滅。
そして前大戦終結後、基地は復興したが、実はロゴスの息がかかっていた。
だがアラスカ基地は現在、Gショッカーの攻撃を受けていた。

コゴエンスキー「ゆけぇー!アラスカ基地を我らGショッカーの基地にするのだッ!」

アラスカ基地を攻撃する指揮をとるのは、ネオショッカーの怪人コゴエンスキー。
コゴエンスキーはアラスカに存在するとされるサブスギール帝国の出身である為、
アラスカ基地攻略の指揮官に選ばれたのであった。さらにコゴエンスキーは
Gショッカーに所属する氷雪系怪人を部隊に加え、アラスカ基地周辺を雪と氷の
世界に変え、猛吹雪を引き起こす。

フリーズン「行くぞッ!フローズン」
フローズン「応ッ!フリーズン。最強コンビである俺達の力を人間共に見せてやるぜッ!」

ドツクゾーンの幹部、フリーズン・フローズンは抜群のコンビネーションにより、基地を
防衛するMSを次々と破壊していく。

ユウゼイクス「ハハハハッ!まとめて凍えろ!」
デーボ・ヒョーガッキ「喰らえッ!ヒョーガッキ・アイズボム!」

ウォースターの氷雪のユウゼイクスやデーボス軍のゼツメイツの一員、
デーボ・ヒョーガッキは、その冷気でMSを次々と凍りつかせていく。

司令官「おのれ、Gショッカーの化け物めッ!」
オペレーター「司令。先程、ティターンズのバスク大佐から通信がありました。
 間もなく援軍として駆けつけるとの事です!」
司令官「おお!援軍が来たか...」

Gショッカーの氷雪系怪人の部隊の攻撃を受けるアラスカ基地に、
フェルコーナから新生ティターンズの部隊を乗せたサラミス改級の
戦艦が現れる。そしてサラミス改からMSやエヴァが発進した。

シンジ「周りが凍りついている...なんて強力な冷気なんだ」
アウル「うう...コクピットの中にいるのに寒すぎでしょッ!」
スティング「減らず口を叩くんじゃねえ。アウル」
アスカ「ふんッ!凍りつかせようが何だろうが、この私が負けるもんですかッ!」

出撃したシンジ達だが、コゴエンスキー達が引き起こした冷気は
コックピットの中にいても寒さが伝わって来た。

コゴエンスキー「援軍か...何が来ようとも我々の寒さを止める事は
 出来ない事を教えてやろう!」

周囲を凍りつかせる程の冷気を持つGショッカーの怪人達を相手に
シンジ達、新生ティターンズ部隊はアラスカ基地を守りきる事が出来るのか!

840ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/08/18(木) 18:50:12
≪※ユガミ博士が予定しているシナリオに、
もしよろしければ以下の文章を付け加える形で
挿入してください。≫

ネオショッカーの怪人ゾウガメロンの子供であるボンゴ。
母エルザと共に黄泉還り現象で復活したボンゴは
静かに暮らしていたが、イーバに襲われてしまい、
逃げる途中でエルザと離れ離れになってしまう。
ボンゴは、命からがら逃げ延び、
スカイライダーとシグフェルによって保護される。

一方、息子と逃げる途中で崖から転落して
死んだと思われていたエルザだが、実は生き延びていた。
天童忍軍によって捕らえられ、天童邸に幽閉されていたのだ。

高坂「さあ吐け女! 貴様が知るネオショッカーの秘密を
 洗いざらい白状するのだ!」
エルザ「ううっ…!!」

毎日厳しい尋問の日々が続くエルザ…。
それを見かねた天童右近が拷問をやめるように命じる。

右近「もうそのくらいにしておけ」
高坂「しかしこの女、なかなか強情な奴で、
 一言も口を開こうとすら致しません。
 ここはさらに手荒に責め挙げて――」
エルザ「………」
右近「よせと言っている。いくら拷問したところで、
 この女は口を割らん。それに女を手荒い目に
 遭わせるのは俺の性にも合わん」
高坂「若、そのお考えは少々甘いかと存じます。
 菊之丞様よりお叱りを被りましょうぞ」
右近「責めは俺が取る。お前たちは下がれ!」
高坂「…ハハッ」

高坂正眼はやや不満そうに引き下がる。
エルザと牢内で二人きりになった右近は、
エルザを縛っていた縄を解いてやった。

エルザ「…あなたは?」
右近「どうだ、話してみる気にはならんか?
 もしかしたら力になれるかもしれんぞ」

右近は「天童にとってエルザという女に利用価値は見当たらない。
ここはブレイバーズにこの女の身柄を引き渡して、連中に恩を売る
のが上策」と言い繕って菊之丞に進言し、千坂朱音に命じて、
エルザの身柄を無事に筑波洋の元へと届けさせるのであった。

洋「いいのか朱音先生?」
朱音「私は弱い者いじめをする奴らは大嫌い。
 この人(エルザ)の身柄は、あなたたちブレイバーズに預けます。
 後の処置は全て任せましたよ」
洋「ありがとう」

こうしてボンゴは母エルザと無事に再会できたのであった。




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