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闘争の系統 〜ネタバレノート〜

1ティアラロイド ◆EeTIARA9jE:2014/06/21(土) 16:38:22
こちらは、闘争の系統に在籍するSS執筆者さんたちが、
温めてあるネタがあるけれど、シナリオ進行上の順番の問題や、
今現在まだテレビで番組が放送中などで、ルール上まだ本編に
投稿できないなど、披露したいけれどできない構想をここで
明かしちゃおうというスレッドです。

ここはタイトル通り、ネタバレ上等なスレッドです。
物語の核心に関わる事実に触れられる場合もありますので、
ネタバレが嫌いな方は、閲覧にはくれぐれもご注意を!

■設定資料集(まとめサイト)
ttp://www.geocities.jp/oa002843/index.html

567ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/24(日) 18:48:02
***PU旗艦 エトワール・ド・ラ・セーヌ***

そして数日後……。
プリンセス・ユニオンの総本山ともいうべき
見目麗しき巨大戦艦 エトワール・ド・ラ・セーヌ内にある大広間において、
ささやかながら「女王の騎士(Knight of the Queen)」の叙任式が執り行われた。

西洋風の甲冑とマントに身を包んだ礼装をした牧村光平が、
ゆっくりと大広間を奥へと進み、上座に立つ次期女王のドレスを来た月野うさぎと
次期王配の礼装をした地場衛の前へと出る。

光平「我は神々と精霊に恩寵を受け、生を賜りし光のしもべ。
 我、剣と共に全てを次期女王陛下に捧げます」

衛「………」
うさぎ「………」

光平が差し出した儀礼剣を受け取るうさぎ。
その剣の腹で、光平の肩を叩き、
かしゃり、かしゃりと2回叩く音がする。
うさぎから剣を返された光平はそれを受け取り、
剣を鋭く3回振り払い、鞘に納める。

光平「我が剣、我が力、我が身体、我が魂からの忠誠は
 全て女王(Queen)のもの。女王(Queen)こそが我が魂の主人にて、
 我が希望の宿り主。その忠義、今ここに我が主と精霊に誓います」
うさぎ「牧村光平、汝を今ここに女王の騎士(Knight of the Queen)に任じます」

こうして叙任式は恙無く終わり、牧村光平は名実ともに
ネオ・クィーン・セレニティに仕える騎士となったのである。


***秩父山赤心寺***

その後、光平は再び玄海老師に赤心寺へと呼び出された。
いったい何事だろう?と寺を訪れた光平だったが、
法堂へと案内された彼の目の前で、玄海老師は自ら筆を奮い、
一筆を書いて光平に贈る。その場には志波丈瑠も同席していた。

光平「天凰輝(テンオウキ)…?」
玄海「天に輝く鳳凰の騎士という意味じゃ」
丈瑠「まさに今の光平に相応しい言葉だ」

女王の騎士(Knight of the Queen)となった光平に、
玄海老師が祝福の意味を込めて書いたものだ。

玄海「これからは天凰輝シグフェルと名乗るがよい!」
光平「天凰輝…シグフェル!」

今ここに名実ともに地球の平和を守る新たなヒーロー、
地球の騎士、天凰輝シグフェルが誕生した!


***朝倉家・光平の部屋***

朝倉家へ帰って来た光平は、自室で亡き両親の写真を手にとって
静かに決意を語りかける。

光平「父さん…母さん…。元々思い描いていたものとは少し違っちゃったけど、
 これで父さんが志した道に俺もようやく近づけたよ。天国で見ててくれよな…」

568ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/24(日) 18:48:42
***永田町・首相官邸***

土橋「いやあ、めでたいめでたい♪
 光平君の晴れ姿、陽一郎君にも見せてやりたかった!」

光平が女王の騎士(Knight of the Queen)に叙任された事を、
まるで自分の孫の事でもあるかのように喜んでいる土橋竜三。
これによって、これまで光平を一方的に反日危険分子と看做していた
永田町や霞が関の一部上層部も、迂闊に彼に手出しをする事は
出来なくなったのである。

土橋「これでワシも光平君の監視役から晴れてお役御免♪
 もう党の長老たちも彼にちょっかいを出すような心配も
 いらなくなるでしょう」
桃太郎「そうなるといいがな…」
土橋「はい…?」

剣桃太郎は、さっきからずっと執務室の窓から、
何かよからぬ予感しているように、
じっと外の景色を見つめている。

桃太郎「確かに党の老人たちも、あの少年に対して下手な干渉は
 控えるようになるだろう。だがそれも表向きの話だ…」
優子「総理は"影"が動くと読まれているのですね?」
土橋「まさか……」

今までは表向きの監視状態に置かれていただけだったが、
その牧村光平が公の地位に関わる称号を得たとなると、
表では動きにくくなった以上、これからは影の部分が
代わって動き出すのは、ある意味必然であると言えた。

桃太郎「………」


***天童菊之丞邸・茶室***

聖天子付き補佐官・天童菊之丞が茶を立てている中、
一人の編笠を被った尼僧が茶室の脇へと控える。諸国探索の任務より戻った
天童の女忍者・千坂朱音である。

朱音「御前、ただ今戻りました」
菊之丞「ご苦労であった。では報告を聞こう」
朱音「大阪エリア指導者・斉武宗玄、並びに仙台エリア首相・稲生紫麿、
 東京に対して異心を抱いているのは明白にございます。
 特に斉武は京都の仙洞御所に連なる旧華族の何人かとも接触を
 繰り返している形跡がございます」
高坂「もし斉武が、京都におわす治天の君と結びつくようなことがあれば、
 聖天子様にとっても由々しき事態…」

茶室に同席している天童家の用人・高坂正眼は、朱音の報告を聞き憂慮する。
「治天の君」とは日本国の先々帝であり、当代の聖天子から見て高祖父に当たる人物だ。
天子の位を退いてからは京都の仙洞御所に引き籠り、すでに御歳は100歳を軽く超えているといわれる。

菊之丞「北陸の様子はどうであった?」
朱音「金沢エリアには、今のところ目立った動きは見られませぬ」

金沢エリアは、大阪や仙台と同様に、日本が道州エリア制を導入してから、
新潟県、富山県、石川県、福井県の4県を統括する上位行政区分である。
首長が大統領的な権限を握っている大阪エリアや仙台エリアとは異なり、
金沢エリアには「北陸宮」と呼ばれる宮家が御輿として招かれており、
現在も名誉職的な存在の首長として公務に励んでいる。

高坂「本日その方を呼び戻したのは他でもない。
 そなたに渡す物がある」

高坂が朱音に手渡した大判の封筒の中には、
高校の教員免許が一枚入っていた。

朱音「御用人様、これはいったい?」
高坂「永田町の老人どもが閣下に泣きついて参ったのよ。
 その方にはこれよりメガロシティにある海防大学付属高校に
 教師として赴任してもらう。手続きもすでに済ませてある」
菊之丞「………」
高坂「仔細については追って沙汰を下す。
 それまで待て」
朱音「ハハッ」

569ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/24(日) 18:49:44
○地場衛→牧村光平を「女王の騎士(Knight of the Queen)」に推挙。
○月野うさぎ→牧村光平を「女王の騎士(Knight of the Queen)」に叙任。
○玄海老師→シグフェルに「天凰輝」の称号を一筆書いて贈る。
○志葉丈瑠→シグフェルと共にキアイドーを撃破。
 玄海老師が牧村光平に「天凰輝」の称号を一筆書いて贈る場に同席。
○土橋竜三→牧村光平が「女王の騎士(Knight of the Queen)」に叙任された事と
 自分が光平の監視役を事実上解かれた事を喜ぶ。。
○木場優子→これから牧村光平に"影"の手が迫るであろう事を憂慮する。
○剣桃太郎→これから牧村光平に"影"の手が迫るであろう事を憂慮する。
△天童菊之丞→千坂朱音に海防大学付属高校への潜入任務を命じる。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→必殺技「火焔十字の舞(クロスプロミネンス)」を会得し、キアイドーを撃破。
 地場衛の推挙によって「女王の騎士(Knight of the Queen)」に任命される。さらに玄海老師から
 一筆を贈られ、以後は変身後のコードネームとして「天凰輝シグフェル」を名乗る。
△千坂朱音→諸国探索の任務から帰還し、東京に戻る。天童菊之丞から教師として海防大学付属高校に
 潜入する任務を新たに命じられる。
△高坂正眼→千坂朱音のために教員免許を用意し、海防大学付属高校に新任教師として
 赴任できるよう手続きを済ませる。

【今回の新規登場】
△高坂正眼(闘争の系統オリジナル)
 天童家の家令(執事長)であり、天童菊之丞に仕える用人。

570ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/26(火) 08:18:37
>>564加筆

***ギガントホース・艦橋司令室***

渡された情報ファイルをまじまじと見つめている
ザンギャック地球派遣艦隊の司令官ワルズ・ギル。
その手はわなわなと震えている…。

ワルズ・ギル「まさかシグフェルの正体が、こんな地球人のガキだったとはな…」

以前にGODのキングダークと合同で行った東京制圧作戦は、
突如何の前触れもなく現れた謎のヒーロー・シグフェルの前に
完膚なきまでに叩きのめされてしまった。

黄泉がえり現象により再びこの世に復活した自分の復帰戦が、
自分より年少の地球人の少年たった一人によって黒星をつけられたのだ。
今もワルズ・ギルの怒りは尋常ではなかった。

ワルズ・ギル「ダマラス! 我が栄光あるザンギャック帝国の再起を掛けた一戦が、
 こんな辺境の惑星の鼻垂れ小僧一匹によって汚されてしまったのだぞ。
 お前はなんとも思わんのか!?」
ダマラス「お怒りはごもっともでございます」
ワルズ・ギル「ならば早急に手を打たんか!」

周囲に当たり散らすワルズ・ギルに、参謀長ダマラスは冷静に進言する。

ダマラス「殿下、ここはキアイドーに任せてみるべきかと存じます」
ワルズ・ギル「…キアイドーだと?」

宇宙の賞金稼ぎキアイドー。これまでに150もの凶悪な賞金首を打ち倒し、
1億ザギンを超える報酬を受け取っている実力者でもある。
その狂気じみた闘争心は、あのキャプテン・マーベラスことゴーカイレッドすら
恐怖と敗北感を深々と植え付けて震え上がらせたという。

ワルズ・ギル「なるほど、確かに奴なら適任かもしれんな…」


***成田空港・国際線ターミナルロビー***

光平を取り巻いていた一連の問題がとりあえず収束し、
彼の当面の進むべき道も決まった事を見届けたフィリナは、
フランスへ帰ることになった。成田まで見送りに来る光平たち。

フィリナ「これからは、このナジブをあなたとの連絡役にするわ。
 彼は信頼できる男よ」

別れ際に、光平はフィリナから
一人のアルジェリア人男性を紹介された。
フィリナの会社での側近らしい。

ナジブ「ナジブと申します。フィリナ様からお話は伺っております。
 何かお困りの際は、どうぞなんなりと仰せつけくださいませ。光平様」
光平「…そんな、様だなんて!? 俺の事はただ"光平"でいいですよ(汗」
ナジブ「………」
フィリナ「じゃあ光平、ブレイバーズではいろいろと大変な事もあるだろうけど、
 あなたならきっとやり抜く事が出来ると信じてるわ。頑張ってね」
光平「ああ、フィリナも気をつけてな」
慎哉「フィリナさんもお元気で」
優香「また日本に遊びに来てください」

こうしてフィリナは日本を飛び立ち、フランスへと帰って行った。


※この帰り道で、光平はキアイドーに襲われる。

571ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/01/27(水) 13:49:30
>>571の続き。

光平「じゃ、フィリナを見送った事だし家に帰るか」
ナジブ「御車をご用意しましたので、私が皆さんをお送り致します」

フィリナを見送った光平達は、成田空港を出てナジブが用意した車で
家に帰る事にした。光平達を乗せたナジブの車は、高速道路に入る。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

光平「・・・・・・・」
優香「どうしたの?光平くん」
光平「いや、こうして見るとこの辺も結構荒れているんだなぁと思って・・・・」
慎哉「この辺はガストレアや幻獣が出現したっていうからな」

高速道路から見える景色は、ガストレアや幻獣といった前大戦の影響による
荒らされた景色だった。あまり気に留めていなかった光平だったが、
ブレイバーズに入り、改めてこの荒れた景色を見て、この景色がまた起きないように
戦っていこうと内心、決意する。だが、その時・・・・・。

――キキィッ!!

優香「キャッ!!」
慎哉「うわぁ!」
光平「どうしたんですか?ナジブさん!」
ナジブ「目の前に人が!」

突然ナジブが急ブレーキをしたので、車の中で慌てる3人。ナジブが
指差す方を見ると、赤いエイリアン―賞金稼ぎキアイドーだった。

キアイドー「貴様がシグフェルか」
光平「お前は何者だ!」
キアイドー「俺の名はキアイドー。ザンギャック帝国から貴様を始末するように
 依頼を受けてな。貴様の命を貰い受ける」

車から降りた光平はキアイドーと対峙する。キアイドーは自身の名を名乗り、
剣を光平に向けた。

ナジブ「下がってください。こいつは危険です!」
キアイドー「俺が用があるのは、そこのガキだけだ。だが俺の邪魔をするのなら
 貴様も斬るぞ!」
光平「―!」

ナジブは光平を守ろうと前に出て、ファイティングポーズをとるが
キアイドーは「邪魔をするのなら斬る」と殺気を放つ。キアイドーから
発せられる殺気を受けて、光平に緊張が走る。 

光平「下がってください、ナジブさん。俺が戦います」
ナジブ「しかし・・・・」
光平「俺よりも慎哉と優香を守って下さい。お願いします」
ナジブ「・・・・分かりました。光平さんも気を付けて」

光平はキアイドーと戦う事を決め、ナジブに慎哉と優香を守ってもらうように頼む。
光平の決意を察したナジブは了承した。

優香「光平・・・・」
光平「心配すんなよ。俺は大丈夫だから」
慎哉「必ず戻ってこいよ!」

心配する優香と慎哉をナジブに託して、光平はキアイドーに目を向けた。
優香、慎哉、ナジブの3人は車の影に身を潜めて事態の成り行きを見守る。

キアイドー「別れの挨拶は終わったか?終わったのなら早くシグフェルに
 変身しろ!」
光平「何だとっ!?」
キアイドー「俺は退屈が一番嫌いなんだ。そんな俺の虚しさを埋めてくれるのは
 金と戦いだけだ。聞けば貴様は圧倒的な強さを持つというじゃないか。
 貴様は俺を楽しませてくれるか?」
光平「ふざけるな!翔着(シグ・トランス)!!」

572ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/01/27(水) 13:51:00
キアイドーと対峙した光平はシグフェルに変身する。シグフェルは
炎の手刀「フレイムアーム」でキアイドーに斬り込んでいくが、
キアイドーは容易く受け流してしまう。

シグフェル「(全部、受け流してしまうなんて何て強さなんだ!)」
キアイドー「この程度か?」
シグフェル「何を!だったら、これならどうだ。フレアセイバー!!」

余裕な態度をとるキアイドーにシグフェルは炎に包まれた右手の掌から
フレアセイバーを具現化する。そして一刀両断しようと構えるが・・・・・。

キアイドー「遅い!」
シグフェル「ぐわぁ!!」

だが、シグフェルがフレアセイバーを振り下ろすよりも早く、キアイドーは
その剣でシグフェルを斬る。その凄まじさにより、シグフェルは倒れてしまった。

シグフェル「ぐぅぅぅ・・・・」
慎哉「光平!」
優香「光平くん!」
ナジブ「危険です!行ってはいけません」

倒れた光平を心配して駆けつけようとする慎哉と優香だが、ナジブは
2人の身を案じて引き留める。

キアイドー「期待して来てみれば、貴様の強さはこの程度か。
 つまらん。あの赤い海賊はもっと俺を楽しませてくれたぞ…!」
シグフェル「くっ…!」
キアイドー「これでは俺の退屈はちっとも治らん。
 貴様など殺す価値もない」
シグフェル「・・・・ま・・・・待て!」
キアイドー「しつこいぞ。それ以上、無様な事をすれば
 本当に殺してやろうか?」
シグフェル「――!」
キアイドー「ふん!」

シグフェルは倒れながらもキアイドーになお挑もうとした。しかし、
キアイドーの更なる殺気を受けて、シグフェルは倒れた。
そしてキアイドーは倒れ伏すシグフェルに見切りをつけると、刀を鞘に納め
その場を後にする。この時キアイドーに惨敗した光平は初めて死の恐怖を
経験し、挫折を味わうのであった。

573ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/01/27(水) 14:46:51
●ワルズ・ギル→シグフェルを打倒する為、キアイドーを差し向ける。
●ダマラス→シグフェルを打倒する為、キアイドーを推挙する。
●キアイドー→ワルズ・ギルからシグフェルを打倒するように依頼され、
   シグフェルを叩きのめすが、仕留めずに帰還する。

◯牧村光平/光凰輝シグフェル→フィリナを見送った帰りにキアイドーに
  襲われる。シグフェルに変身して戦うが、敗北する。
◯朝倉慎哉→フィリナを見送った帰りにキアイドーに襲われる。
◯沢渡優香→フィリナを見送った帰りにキアイドーに襲われる。
◯フィリナ・クラウディア・アルシャード→フランスに帰国する。別れの際、光平達に
  ナジブを紹介する。
◯ナジブ→連絡役としてフィリナから光平達に紹介される。光平達を家に
 送る為、車を運転していたが、キアイドーに襲われる。

【今回の新登場】
●賞金稼ぎキアイドー(海賊戦隊ゴーカイジャー)
 宇宙帝国ザンギャックが雇った宇宙一の賞金稼ぎ。これまで150もの
 凶悪な賞金首を打ち倒し、1億ザギンを超える報酬を受け取っている
 実力者。細身のソードを武器に様々な宇宙の体術を駆使した戦いを行い、
 全身を覆うアーマーは赤熱磁場でコーティングされ、あらゆる弾丸を弾き返す。
 退屈を嫌う戦闘狂で、かつてキャプテン・マーベラスに恐怖と敗北感を
 植え付けた事がある。


◯ナジブ(闘争の系統オリジナル)
 フィリナの秘書兼ボディガードを務めるアルジェリア人の青年。
 武術の達人。主にフィリナと日本で暮らす光平との間の連絡を
 取り持つ繋ぎ役。

574ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 20:16:45
>>570-573からの続き。

***千葉・房総半島の海岸某所***

道着姿に着替えた光平は、海岸の岩の上で
静かに目を閉じて座禅を組み瞑想している。

光平「………」

キアイドーに完膚なきまでに打ち負かされた光平は、
生まれて初めて感じた死の恐怖を打ち勝つためには、
こうなれば自分の精神力で自分自身に勝つしかないと考え、
荒波が迫る中、一人で修行に励んでいた。

光平「やあぁぁぁっ!!!」

立ち上がった光平は木刀を手に持ち、
目の前の大きな岩に何度も繰り返し打ちかかるが、
岩はビクともしない。

光平「やっぱりダメだ……」

玄海「無駄じゃ!光平君」

光平「――!?」

光平が驚いて声がした方向に振り向くと、
そこには弟子の弁慶を伴った玄海老師の姿があった。
どうやらシグフェルがキアイドーに敗れたとの話を聞き、
わざわざ駆けつけて来てくれたらしい。

弁慶「………」
光平「玄海老師!? いつこちらへ?」
玄海「迷いの心で幾ら打ちつけたところで、その石は割れん!
 かえって己自身の恐怖は増すばかりじゃ!」
光平「ではどうしたら!?」
玄海「ついてきなさい」


***志葉邸***

玄海老師と弁慶に伴われて、光平がその足でやって来たのは、
武家屋敷風の広い邸宅だった。

彦馬「これは玄海老師、わざわざのお運び、
 誠に恐縮にございます」

玄関先でこの家の執事か用人らしき
初老の和服に袴姿の男性が、礼儀正しく玄海らを出迎える。

玄海「ご当主の丈瑠殿はご在宅かな?」
彦馬「はい。只今ご案内いたします」
玄海「いやなに、気遣いは無用。勝手知ったる屋敷じゃ」

575ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 20:17:53
光平「あの弁慶さん、ここはいったい…?」
弁慶「ここは江戸時代に、房総半島の内この地帯を治めていた大名で、
 旧華族である志葉家のお屋敷だ。…と言っても、今のお前には
 アヤカシ外道衆と戦った侍戦隊シンケンジャーの本部と言った方が
 解り易かろう」
光平「ここが噂に聞いたシンケンジャーの……」

志葉家初代当主・烈堂は、クサレ外道衆の頭目・脂目マンプクを封印した功績を
徳川家康に認められ、今の千葉県北部の辺りを治める大名となった。
以来、志葉家は代々外道衆のアヤカシと戦い続ける宿命にある。

そういえば、自分の歓迎会の時にほとんどのヒーローたちと面識が出来た光平だったが、
あの時あの場で志葉家の当主の姿を見た覚えはない。その事を弁慶に尋ねると――

弁慶「ははは…志葉のご当主は、そういった賑やかな催しが
 苦手だと聞いているからな」
光平「……???」

応接間で出された茶を飲みながら、この家の主が現れるのを待っていると、
一人の若い青年が姿を見せた。

丈瑠「玄海老師、お久しぶりにございます」
玄海「光平君、引き合わせよう。こちらは志葉家19代目当主・志葉丈瑠殿じゃ」
丈瑠「志葉丈瑠だ。よろしく」
光平「よ、よろしくお願いします!……(この人がシンケンレッド)」
玄海「相手が剣を使うのであれば、こちらも剣の使い手に
 教わるのが一番じゃ」

ブレイバーズにも剣を武器に戦うヒーローは数多いが、
シグフェルは炎の剣フレアセイバーを武器としている以上、
同じく火を力にする剣士である丈瑠が選ばれたのは、
玄海老師の慧眼である。

丈瑠「俺との修練は厳しいが、覚悟はあるか…?」
光平「…覚悟はあります。俺に教えてください、丈瑠さん!」
丈瑠「その覚悟、確かに俺が預かった!」

林の中で互いに竹刀を構える丈瑠と光平。

丈瑠「一応、剣の心得はあるようだな?」
光平「小さい頃に沖縄の祖父に習って、少しかじったことがあります」
丈瑠「…なるほど。薩摩示現流か」

ちなみに光平の父方の祖父・靖臣は、江戸時代に琉球に移住した薩摩藩士の末裔である。
幕末においても、かの新撰組が何より恐れたのが薩摩藩士の操る示現流であった。

丈瑠「キアイドーのような強敵を相手にする真剣の立ち合いでは、
 竹刀剣道のように振り回す剣法は役に立たない。
 一撃必殺の打ち込みと気迫で勝負が決まる。
 ひたすら気迫と一撃に鍛錬を極める示現流は、
 正にそれに適している」
光平「はい!」

そして始まる丈瑠との修練は実に険しく、時には他のシンケンジャーを
相手に剣技を磨いていく。そしてその様子をそっと見守っている
サングラスの青年――地場衛の姿があった。

衛「………」

<つづく>

576ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 20:42:25
≪タイトル未定≫

***異世界アセーリア・学都コンクェイテューラ付近の森***

緑のロングヘアを風になびかせた一人の少女が、険しい森で歩を進めている。

キリカ「お父さん、お母さん、どうか…無事でいて!」

自分の故郷の村へと急ぐその少女――キリカであったが、
不幸にして落武者狩りの山賊たちに見つかり、取り囲まれてしまった。

山賊A「おい見ろ、女だぞ!」
山賊B「コイツは上玉だ。久しぶりに楽しませてもらうとするか。ゲヘヘ…」

キリカ「…い、いやあっ! やめて! 誰か助けてぇー!!」

◇     ◇     ◇

一方、こちらは同じ森の少し離れた場所を彷徨っている
(自称)美少女天才魔道士リナ・インバースとその御一行=正義の仲良し四人組である。

ガウリィ「ハ、ハラ減ったぁ…」
リナ「あたしたちの新たな冒険、ここでいきなり終わるかもしんない…」

門矢士=仮面ライダーディケイドの導きと、
異世界への外交親善使節として父フィリオネル王子の親書を携えたアメリアの護衛、
そしてリナの姉ルナからの手紙に書かれてあった「行かないと殺す!」という
強制的命令(笑)によって、全く未知の異世界へと足を踏み入れたリナたちだったが、
もう一週間飲まず食わずの状態が続いていて、もう餓死寸前の様相を呈していたのだったww。

山賊A「こんなところにも獲物がいたぜ」
山賊B「命が惜しかったら身ぐるみ全部置いていきな!」

リナ「………」o(★___________★)o キラァーン!!

すっかり弱気になっていたリナだったが、
目の前に山賊が現れた途端に元気MAXになり、
まとめて返り討ちにしたうえ逆に身ぐるみ剥いで
全員を全裸にして縛り上げてしまった。

山賊A「…な、なんなんだおめえたちは!?」(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
山賊B「…こんなのアリか! セイロス神の名の下に公平な裁きを要求する!」(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
リナ「黙れ! 悪人に人権はない!!」
山賊C「そ、そんなぁ…」(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

アメリア「セイロス神…? 初めて聞く名前ですね」
ゼルガディス「おそらくこっちの世界の神の名だろう…」
ガウリィ「お〜い、みんなぁ! こっちに来てくれ〜!」

ガウリィが、馬車の荷台の中に押し込められていたキリカを発見して救助する。

キリカ「助けてくださってありがとうございます。なんとお礼を申し上げたらいいのか…」
リナ「あらそっ、じゃあね」
キリカ「えっ!? もう行っちゃうんですか?」
リナ「なあに、まだ何か用?」
アメリア「リナさん、せめてこの人を村まで送り届けてあげましょうよ」
ゼルガディス「もしかしたら一晩の飯と寝床くらいにはありつけるかもしれんぞ」
リナ「まあそういうことなら…」

577ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 20:43:27
しかし、辿り着いたキリカの村は、すでにサラジア軍に焼き討ちに遭っており、
村人の姿は誰一人として残ってはいなかった。

キリカ「そんな…!」

きっと家族はみんな死んでしまったものと思い込み、悲嘆にくれて泣き崩れるキリカ。

ゼルガディス「死体がない…」
ガウリィ「は…?」
ゼルガディス「仮に村中焼き払われたにせよ、一人二人の死体がそこら辺に
 転がっていてもいいはずだ。なのに死体が全く見当たらない。だとすれば
 考えられる事は二つ――」
リナ「村が襲われる前に全員無事に逃げ出したか、
 それとも村を襲った連中によってどこかへ連れ去られたか…」
キリカ「それじゃあ…!?」
リナ「安心しなさい。あなたの家族はどこかできっと生きてる筈よ」

リナの言葉で、表情に安堵の笑みが戻るキリカ。

アメリア「それで、あなたはこれからどうするんですか?」
キリカ「コンクェイテューラの神殿に戻ります。よろしければ皆さんもご一緒に
 ついて来てください。山賊から助けてもらったお礼もしたいですし」

しかしその様子を密かに窺っている魔物がいた。
魔界同盟に所属する大神官ハーゴンの邪教集団配下の
小悪魔グレムリンだ。

グレムリン「キィキィ!! 生き残りの人間を見つけたぞ!
 急いで戻って赤い三日月隊に報告だ!」


***学都コンクェイテューラ ファーブラ神殿***

ここはロサレダ北東部中央の山岳地帯と森に囲まれた場所に位置する、
創造神セイロスに仕える知識神ファーブラを祀る神殿である。
この地を治めるメルヴィオン聖王国の学問の中心地として昔から栄え、
王国中から学問を志す学士や学生たちが集まって来る場所でもある。

キリカの家族や村人たちは、村へ様子を見に外へ出かけた彼女と入れ違いに
この神殿へと皆無事に避難して来ていたのだった。

村長「おお、キリカ!」
村長の妻「よかった! 無事だったんだね! お前が私たちを探しに
 村へ戻ったと聞いた時は本当にどうしようかと…」
キリカ「お父さん! お母さん!」

無事な再会を喜び合う親子3人。だが……

シン「キリカ!!(怒」
キリカ「シン…?」

――パチンッ!!

いきなり現れた僧服姿の少年が、怒りの形相で
キリカの頬に平手打ちをお見舞いする。

キリカ「………」
シン「お前一人の身勝手な行動が、周囲にどれだけ
 迷惑を掛けたと思っている!?」
キリカ「ごめんなさい…」

これにはすぐ側で見ていたアメリアが激怒して猛抗議する。

アメリア「ちょっと待ってください!
 いきなり女性の人をぶつだなんてあんまりです!
 暴力反対!!」
キリカ「いいんですアメリアさん。悪いのは私なんですから…」
アメリア「でも……」

578ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 20:44:19
シン「君たちは?」
キリカ「この人たちは森で私を助けてくれたの」
シン「そうか。キリカを助けてくれた事には感謝しよう。
 ……しかし、余計な者たちまで連れて来てしまったようだな?」
リナ「どうやらそうみたいね」

シンと呼ばれた僧服の少年とリナが同時に窓から外へ視線を向けると、
神殿に向かって大挙して進軍してくる軍隊の姿が…。

キリカ「あいつらです! 私たちの世界にいきなり現れて、
 見た事もないような鉄の鳥や、火を噴く大筒を積んだ鉄の馬車で
 大陸全土を蹂躙しているのは!」
シン「この神殿は結界を張って外部から侵入方法は分からないように
 なっていた。しかしお前たちが尾行されたせいで、結界の抜け道が
 敵方に知られてしまった。この始末、どう取ってくれるつもりだ?」
リナ「要はアイツらまとめてどうにかしてしまえばいいんでしょ?」
シン「簡単には言うが…!」
リナ「まあ見てなさいって♪」

リナは神殿の一番高い位置の物見台の上に立ち、
呪文の詠唱を開始!

リナ「黄昏よりも昏きもの
 血の流れより紅きもの
 時の流れに埋もれし
 偉大なる汝の名において
 我ここに 闇に誓わん
 我等が前に立ち塞がりし
 すべての愚かなるものに
 我と汝が力もて
 等しく滅びを与えんことを!
 ――ドラグスレ―イブッッ!!!!!!!
                        l|、
                        ゙'.lッv..,,_          _..;;;;ニ`-''"゙'ュ
                             `''ミ-,,〃 /(    ゙ぐ、.
                                      /.:.:.: ヽ   ヽl゙
              ,. - ェ)、,.         \      /.:.:  .:.}   l:!
   -==二三二ニ=--/. :Σ._:_:κ        \|ヽ/(/.:.:   :.{   `j.!
  =二三三二ニ二三彡-く´"ァ`^         /} ).::.:.:.::    :.:.`ー '''
   ´77777777`="{ {__} ヽー┬───r-----} | ).:.:.:: ;;;;;
    //////////,_∧   〉.┴───''──┴' -.:.:.:.:. ;;;;;
    ////////,//=ヽ/ー────''──┴' ノ.:.:.:..:.:.;;;;     ,,,,.
    /////// ./.:::  //            /⌒ヽ:::::.:.:.:.... .:.:r'´   "
    / ̄ ̄  /¨¨¨'//               /    )⌒ヽr、:.:.::(
        __/  ∧  `ヽ                    _,,,.. -
        ヽ⌒ゝ-〈_/ヽ   |                 ,rシ"         i".|
        |   | ヽ L __ヽ             ..r'/           ゝミ;; 、
        .',   |  ',  ',             .,, |/           ____    / /
           ',   |  ',  ',          . /ノ゛             一''`-`--゙
       / /    ',  ',         '--'゛

579ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 20:46:23
                               ヽ`
                              ´
                               ´.
                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                    \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
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              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´

580ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 21:00:32
シン「………」(;゚д゚)ポカーン
キリカ「………」(;゚д゚)ポカーン
              ____        / \ヽ. }ノ}/ {_
             /   }       /     ヽ} / ′   ヽ`ヽ
                '     !      /               \_ヽ___,
            |    l   __/                 <
            l     , `ー‐ァ    /            \ヾ、
   _____       '     '、 / ,.   、{ /_{   ム、 {_.-‐     ',
    !   ヽ      '、    ∨,.ィ' / 、〃ヽ∨ { ィ'´^テxノ l  /\ _.. -‐┐
   ',     \      ヘ.    ∨{  {: ヾ《 ト::}`\r  ト::} 》' }! 〈\ノ´.::::::::/ /
         \     ヽ     \ ∧ ハ' 、,ゞ' ,   └'-' } メ.ヽノ\▽.://
    ヽ     ヽ、    、     \ヽ!{    、-‐vi   ,ス'´ .) /~ //
      \       ` ー ' ヽ      `ヽ≧z、 ヽ__ノ , イ >`¨∠__/ィ´}…┐
       丶                   ヽ::::.\z≦¨ イ /.:::::::彡/ /  {
           ` ‐-r--- 、       ノ      ト、::ヾ\X⌒hr=ニ二___ノ‐  /
            }        _r'        !::::ヽ、:::く`¨_ノ_/ヽ_r┴ヽ /==‐-  、
            ハ    …‐ '´ }   ノ  ノ}ヽ、____ノ' ̄>'   ル- 、 r}' .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
           /::::{        /    }  ノ. : : : : : :,/  rィ /  } }/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
         /.::::ハ `ヽ ___//   ノ‐く  ̄ ゝ. ̄  ノ/! }/   .'¨ .:.: ,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
        /.::::/.:.:.:{.___________人___/.:.:.:.:.\‐- ミ≡彡イi  !ハヽ/.:.:.:.:.:.: ',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
        |:::/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ノヽ: : : : : : : : :} |:.:Ⅳ .:.:.:.:.:.:.:.:.:}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
        |/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ヾ \ : : : : : : /  !: .:\ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. }
リナ「ビクトリーッ! まっ、あたしにかかればザッとこんなもんよ♪」

***ロサレダ北東部・サラジア軍(赤い三日月隊)の陣地***

副司令官「…バ、バカなっ! 新たに発見した敵の拠点を攻撃に向かった
 部隊が全滅しただと!? 敵にそれほど火力のある兵器はないはずだぞ!」
将校「し、しかし…! 核爆発に匹敵するほどの大爆発が起こったとの
 報告も来ております!」

まさかの敗報に、驚きと戦慄が走るサラジア軍。

副司令官「と、とにかく、この件はザイード総司令官殿に
 報告せねばなるまい…(汗」

581ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 21:35:08
――翌日の早朝。

***学都コンクェイテューラ ファーブラ神殿***

シン「師匠、起きてください!」

朝早くからリナの寝泊まりしている寝室の扉の前に立ち、
何度もドアノブを叩いているシン。

リナ「だぁぁーっ!! もう五月蠅い!!」
シン「師匠、やっと起きてくださいましたか!」
リナ「今いったい何時だと思ってる訳!?
 あたしは疲れてるんだから寝せてちょーだい」

この騒ぎで別室で寝ていたガウリィたちも起きて来た。

ガウリィ「ふわああ〜! なんだなんだぁ?」
ゼルガディス「あの少年、昨日の夜からずっとあの調子か?」
アメリア「なんでもリナさんの天才的な魔法の腕前に惚れ込んで、
 弟子入りを望んでいるんだそうです」
ガウリィ「物好きな人間もいるもんだなぁ…」

リナ「だいたいきっきからその"師匠"ってなに?」
シン「僕はこれから貴女に教えを請うわけですから、
 師匠とお呼びするのは当然です」
リナ「勝手に決めないでくれる!
 あたしは弟子を取ったりはしないわよ」
シン「もちろんタダでとは申しません!
 レッスン料はきちっとお支払いします」

シンはリナの目の前に、金貨がどっさり詰まった革袋を3つ差し出した。

リナ「………」(;゚д゚)ポカーン
アメリア「すごい…!」
ゼルガディス「おい、この金の出所はどうした?」
シン「もちろん神殿の金庫です」
ガウリィ「神殿の金庫!?」
シン「申し遅れました。僕の名はシンディラ・アシヌス。
 当ファーブラ神殿の責任者を務める大司教アシヌスの長男で、
 神殿責任者の代理を務めております」
リナ「シン、もしかしてあなた、いいところのぼんぼん――
 ――じゃなくて、良家の御曹司か何か?」
シン「御曹司だなんて、そんな大した身分ではありませんよ。ハハハ…。
 メイド長、リナ師匠と皆さんに朝食のご用意を!」
メイド長「畏まりました」

582ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/29(金) 21:37:11
ダイニングルームで出された豪華な食事を
次々と遠慮など全くなしでおかわりして
大量に平らげるリナとガウリィ。

ゼルガディス「この神殿は今は籠城中の筈だろ?
 こんな調子で兵糧の方は大丈夫なのか?」
メイド長「ご心配なく。この神殿の地下には
 温室の農場と牧場もあり、自給自足が可能。
 仮に戦が長引いたとしても、10年先まで
 籠城は充分可能でございます」
アメリア「大したものですね…」

すっかり満腹になったリナは、
いきなり真剣な真顔になりシンに視線を向ける。

リナ「シン、あたしの修行は厳しいわよ!
 ついてこれる覚悟はある?」
シン「無論覚悟の上です!僕に教えてください、リナ師匠!」
リナ「よーしっ! その覚悟、確かにあたしが預かったわ!」

ガウリィ「現金なやつ…(汗」

ついさっきまでシンにつれない態度を取っていたのに、
彼が金持ちだと分かった途端にコロリと態度を変えたリナに、
ガウリィは呆れるのであった。

<つづく>

583ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/01(月) 14:24:20
>>575加筆・修正
光平「あの弁慶さん、ここはいったい…?」
弁慶「ここは江戸時代に、房総半島の内この地帯を治めていた大名で、
 旧華族である志葉家のお屋敷だ。…と言っても、今のお前には
 アヤカシ外道衆と戦った侍戦隊シンケンジャーの本部と言った方が
 解り易かろう」
光平「ここが噂に聞いたシンケンジャーの……」

志葉家初代当主・烈堂は、クサレ外道衆の頭目・脂目マンプクを封印した功績を
徳川家康に認められ、今の千葉県北部の辺りを治める大名となった。
以来、志葉家は代々外道衆のアヤカシと戦い続ける宿命にある。

そういえば、自分の歓迎会の時にほとんどのヒーローたちと面識が出来た光平だったが、
あの時あの場で志葉家の当主の姿を見た覚えはない。その事を弁慶に尋ねると――

弁慶「ははは…志葉のご当主は、そういった賑やかな催しが
 苦手だと聞いているからな」
光平「……???」

応接間で出された茶を飲みながら、この家の主が現れるのを待っていると、
一人の若い青年が姿を見せた。

丈瑠「玄海老師、お久しぶりにございます」
玄海「光平君、引き合わせよう。こちらは志葉家19代目当主・志葉丈瑠殿じゃ」
丈瑠「志葉丈瑠だ。よろしく」
光平「よ、よろしくお願いします!……(この人がシンケンレッド)」
玄海「相手が剣を使うのであれば、こちらも剣の使い手に
 教わるのが一番じゃ」

ブレイバーズにも剣を武器に戦うヒーローは数多いが、
シグフェルは炎の剣フレアセイバーを武器としている以上、
同じく火を力にする剣士である丈瑠が選ばれたのは、
玄海老師の慧眼である。

丈瑠「俺との修練は厳しいが、覚悟はあるか…?」
光平「…覚悟はあります。俺に教えてください、丈瑠さん!」
丈瑠「その覚悟、確かに俺が預かった!」

林の中で互いに竹刀を構える丈瑠と光平。

丈瑠「一応、剣の心得はあるようだな?」
光平「小さい頃に沖縄の祖父に習って、少しかじったことがあります」
丈瑠「…なるほど。薩摩示現流か」

ちなみに光平の父方の祖父・靖臣は、江戸時代に琉球に移住した薩摩藩士の末裔である。
幕末においても、かの新撰組が何より恐れたのが薩摩藩士の操る示現流であった。

丈瑠「キアイドーのような強敵を相手にする真剣の立ち合いでは、
 竹刀剣道のように振り回す剣法は役に立たない。
 一撃必殺の打ち込みと気迫で勝負が決まる。
 ひたすら気迫と一撃に鍛錬を極める示現流は、
 正にそれに適している」
光平「はい!」
丈瑠「良し。そしてキアイドーに強力な一撃を加える為にも、お前には
 自身の持つ火の力、キアイドーの剣の速さを凌ぐ速さを鍛えてもらう
 必要がある。俺は技を教えるつもりは無い。だが、それらを鍛えれば
 自ずと己の技が見えてくる筈だ」
光平「火の力に速さか・・・・・」
丈瑠「まずは速さを鍛える。さぁ、俺に打ち込んで来い!」
光平「行きます!タァ!!」

丈瑠に鍛えていく部分を教わった光平は丈瑠に剣を打ち込んでいく。
そして始まる丈瑠との修練は実に険しく、時には他のシンケンジャーを
相手に剣技を磨いていく。そしてその様子をそっと見守っている
サングラスの青年――地場衛の姿があった。

衛「………」

584ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/01(月) 15:21:27
>>346加筆・修正
***ギガントホース・艦橋司令室***

一方、ザンギャックの旗艦であるギガントホースに帰還したキアイドーは
シグフェルを仕留めずに戻ってきた事をワルズ・ギルから責められていたが
キアイドーは気にせずケロッとしていた。

キアイドー「俺は、俺の流儀で仕事をするまでだ」
ワルズ・ギル「ぐぬぬ、貴様〜!」
???「・・・その様な賞金稼ぎ風情に頼るからですよ、殿下」
ダマラス「何奴!?」

ワルズ・ギル達の前に現れたのは、1万年前最強の護星天使と謳われ
地球救星計画で地球を破壊し、新たに星を創り出そうとした救星主の
ブラジラだった。姿を現すと、ワルズ・ギルに膝をついて、頭を垂れる。

ワルズ・ギル「・・・・お前は確かブラジラとかいったな。何しに来た?」
ブラジラ「はい、殿下。この私めも殿下の配下にお加えいただく参上いたしました」
ダマラス「お待ち下さい殿下!こ奴は自分の目的の為に、様々な組織を利用してきた者。
 信用されてはいけませぬぞ!」

自分を配下に加える様に言うブラジラだが、ブラジラが過去ウォースター、
幽魔獣、マトリンティスと様々な組織の一員となり、その裏で利用してきた
という経歴を知るダマラスはブラジラがワルズ・ギルの配下に加わる事に
反対する。

ブラジラ「流石は皇帝アクドス・ギル様の懐刀で在らせられるダマラス参謀。
 私の様な者を警戒されるのは至極同然。ですが、私もヒーローには恨みを
 持つ身・・・・私を配下に加えて下さるのであれば、かならずやシグフェルを
 討ち取ってみせましょう」
ワルズ・ギル「・・・・良し。ブラジラよ、お前を我が配下に加えてやろう。そして
 キアイドーと共にシグフェルを倒して来い!キアイドーもそれで良いな?」
キアイドー「俺の邪魔をしなければ、構わん」
ダマラス「殿下!うぬぬ・・・殿下に妙なマネをすれば、その時は覚悟しろ!」
ブラジラ「かならずや、ご期待に副えましょう(・・・ふん、ザンギャックの力、
 利用させてもらう」

ワルズ・ギルはブラジラを自分の配下に加える事を決め、反対していた
ダマラスもしぶしぶ承諾する。だが、ワルズ・ギルの配下に加わった
ブラジラは内心ではザンギャック帝国の力を利用しようと考えていた。
そしてキアイドーとシグフェルの再戦は刻一刻と近づくのであった。

585ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/01(月) 16:23:49
◯玄海老師→キアイドーに敗北した光平に、志葉丈瑠を引き合わせる。
◯弁慶→玄海老師と共に光平を志波邸へ連れてくる。
◯志葉丈瑠→光平に修練を積ませる。
◯日下部彦馬→光平、玄海老師、弁慶を出迎える。
◯地場衛→丈瑠の下で修練を積む光平の様子を見守る。
●ワルズ・ギル→シグフェルを仕留めなかったキアイドーを責める。
  そして救星主のブラジラを配下に加え、キアイドーと共に
  シグフェルを始末するように命令を下す。
●ダマラス→ブラジラが配下に加わる事を反対するが、しぶしぶ承諾する。
●キアイドー→ワルズ・ギルにシグフェルを仕留めなかった事を責められる。
●救星主のブラジラ→ワルズ・ギルの配下に加わる。内心ではザンギャックの
  力を利用しようと考えている。

◯牧村光平/シグフェル→キアイドーに敗北した為、1人修行に励んでいた所、
  玄海老師によって、志葉丈瑠と引き合され、丈瑠から修練を課される。

【今回の新登場】
●救星主のブラジラ(天装戦隊ゴセイジャー)
 ウォースター、幽魔獣、マトリンティスといった様々な組織を渡り歩いた
 ブレドランの正体。1万年前、幽魔獣を封印した最強の護星天使で
 ゴセイナイトの本来の持ち主。人間を根絶やしにして汚れきった地球を
 一度破壊し、新しい星を創る「地球救星計画」を画策し、そうして創った
 星の「命を導く者」として君臨しようとしていた。ダークヘッダーを配下として
 従えている他、様々な組織で活動していた「ブレドラン」を分身体として
 呼び出す事が出来る。趣味はコスプレ。

586ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 11:23:06
>>347加筆・修正
***志葉邸***

光平「タァッ!」
丈瑠「ふん!」

光平と丈瑠の下で修練を始めてから数日。志葉邸の庭では光平
丈瑠は向かい合い、今日も竹刀を振るっていた。庭には2人だけでなく
家臣である他のシンケンジャーや慎哉や優香が見守っていた。

慎哉「光平・・・・」
優香「光平君・・・・」

連日の厳しい修練により、光平が帰宅してくると、その疲労さは
剣の素人である慎哉にもありありと伝わって来た。故に慎哉は
光平が倒れてしまうのではないかと心配でしょうがなかった。
そしてそれは優香も同じ思いだった。

刃「よぉ、邪魔するぜ」
さやか「もぉ、ちゃんと挨拶しなさいよ!」
ソウジ「お邪魔します。シンケンジャーの皆さん」
千明「おっ!刃にソウジも来たのか」

そこへ鉄刃と峰さやか、そしてキョウリュウジャーのキョウリュウグリーンこと
立風館ソウジが志葉邸にやってくる。刃やソウジもシンケンジャー同様、
光平の修練の相手をしていたのであった。

刃「大分、様になってきたみたいだな。光平の奴」
流ノ介「うむ。光平は中々飲み込みが速いようでな。間もなく修練の
 仕上げの段階となったのだ」

光平の剣裁きなど数日で格段に上がっている事に気付いた刃に
流ノ介は修練が仕上げの段階になった事を話す。

丈瑠「・・・・良し。では、修練の仕上げに入る。変身しろ」
光平「えっ、シグフェルにですか?」
丈瑠「そうだ。修練の仕上げは変身して俺と戦う事だ。一筆奏上!」

丈瑠から告げられた修練の仕上げはシグフェルに変身して、丈瑠と
戦う事だった。丈瑠はシンケンレッドに変身する。

光平「しかし・・・・」
シンケンレッド「お前の覚悟はその程度か。その様な覚悟ではキアイドーに
 勝てんぞ!」
光平「―!・・・・・分かりました。翔着!」

丈瑠の言葉により、自分の持つ覚悟がまだまだ半端だった事に気付いた
光平は気持ちを改めて丈瑠に挑もうと、シグフェルに変身し、両者は己の
武器であるシンケンマルとフレアセイバーを構える。

シンケンレッド「さぁ、来い!光平・・・・いや、シグフェル!!」
シグフェル「うぉぉぉぉ!!」

シンケンマルとフレアセイバーの刀身は激しく燃え、シンケンレッドと
シグフェルはぶつかるのであった・・・・・・・。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢ ♢

光平「イテテ・・・・・」
優香「大丈夫、光平君?」
光平「うん、何とか・・・・・黒子の皆さんが良い傷薬を塗ってくれた
 おかげで痛みも大分、和らいできたよ」
慎哉「全く無茶しやがって。俺も優香もヒヤヒヤしながら見ていたんだからな!」
光平「ハハハ、心配かけて御免」
慎哉「・・・・まぁ、無事でなによりだけどさ」
丈瑠「・・・・・傷の方は大丈夫か?」
光平「丈瑠さん・・・・・」

志葉家に仕える黒子達により手当てを受けた光平に、慎哉や優香は
心配で光平の側にやってくる。そこへ同じく黒子の手当てを受けた
丈瑠がやって来た。シンケンレッドとのぶつかり合いで、シグフェルに
変身した光平は今までの修練を経て、編み出した技をぶつける。
それによりシンケンレッドを倒したが、外道衆と激しい戦いをしてきた
シンケンレッドの攻撃により、シグフェルも倒れてしまったのだった。

光平「・・・・すいません、丈瑠さん。丈瑠さんの方こそ身体の方は?」
丈瑠「これぐらい、何でも無い。だが、お前の編み出した技は見事だった。
 これならば修練の方は終えても良いだろう」
光平「本当ですか?ありがとうございます」

丈瑠から修練の成果を認められた事で、ついに光平は丈瑠からの
修練をクリアしたのであった。

流ノ介「うぉぉぉ、私は感動したぞ!よくぞ厳しい修練を耐えたな、光平!」
茉子「声が大きいわよ、流ノ介。でも、がんばったわね。光平君」
千明「ああ、丈瑠のシゴキに耐えられるなんて大した奴だぜ」
ことは「よう、がんばったなぁ。偉いで、光平君」
源太「こりゃぁ、寿司でも握ってお祝いしないとな!」

修練を終えた光平にシンケンジャーの面々は、それぞれ労いの
言葉を掛ける。

刃「へへ、2人の戦いを見ていたら、俺も戦いたくなってきたぜ。
 今度は俺と勝負な!」
さやか「怪我人相手に、何を言っているのよ!」
ソウジ「だけど怪我が治ったら、是非俺とも戦ってほしい。良いかい?」
光平「はは、まいったな・・・・でもあのキアイドーに勝ったら、その勝負
 受けてたちます!」

光平と丈瑠の戦いを見ていた刃やソウジから、勝負の申し込みを
受けられた光平は強敵キアイドーに勝った時、勝負を受けると
約束するのであった。

587ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 14:15:32

彦馬「さぁさぁ、お前達。殿も光平殿もお疲れだ。騒ぐのはその辺に
 しておきなさい」

彦馬は修練で傷ついた光平や丈瑠を案じて、騒がしくしている
流ノ介達を諌める。だがその時・・・・・・。

カラカラカラカラ

丈瑠「ム!」
彦馬「これは!?」

三途の川から隙間を通って現世に現れるアヤカシに反応する
隙間センサーが鳴り響く。彦馬はアヤカシが何処に現れたのか
調べる。

彦馬「殿、どうやらアヤカシは大江戸市の様です」
刃「なっ!俺の所かよ」
丈瑠「皆、すぐに支度だ!」
優香「でも、丈瑠さん。その身体じゃ・・・・」
丈瑠「アヤカシが出たのであれば、退治する。それが俺の・・・・
 俺達の使命だ!だからこそ、この程度の怪我だろうが出陣する!」

刃やしんせん組が住む大江戸市にアヤカシの反応が出た事を知り、
出陣しようとする丈瑠に対して、優香が心配する。しかしアヤカシとの
戦いが使命である為、出陣しようと支度を始める。

光平「俺も行きます・・・・」
慎哉「光平!お前だって、怪我しているじゃねぇか!」
光平「心配なのは分かる。でも、俺もブレイバーズの一員になったんだ。
 だからこそ、人が悲しむ思いをしないように俺が出るんだ!」

心配する慎哉に光平はブレイバーズの一員になったからこそ、
人々を守る為に戦いに赴こうとしていた。

丈瑠「・・・・分かった。お前も出陣の支度をしろ」
光平「ありがとうございます!」
刃「よ〜し、光平のフォローは・・・・」
ソウジ「俺達に任せてくれ!」

怪我をしている光平のフォローをする為、刃とソウジも赴く。
そして一同は大江戸市へと向かった。

588ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 14:16:23
****大江戸市****

イサミ「タァッ!」
ナナシ連中「ナナ〜!」
トシ「おりゃぁ!」
ビービ「ビビ〜!」
ソウシ「くらえ!」
ゴーミン「ゴゴ〜!」

一方、大江戸市ではイサミ、トシ、ソウシ達しんせん組の3人が
大江戸市で暴れるナナシ連中、魔虫兵ビービ、ゴーミンを相手に
戦っていた。

刃「お前らー!」
イサミ「刃さん!それにシンケンジャーの皆さんも」
ソウシ「キョウリュウグリーンのソウジさん、それとシグフェル・・・・
 牧村光平さんですね」
光平「ああ、確か君達はしんせん組のイサミちゃん、トシくん、
 ソウシくんだったね?」
ソウジ「君達も大丈夫かい?」
トシ「ソウシにソウジ・・・・ややこしい」

戦っていたしんせん組の3人の所へ、シンケンジャー、刃、ソウジ
そして光平が合流する。光平は歓迎パーティーでしんせん組の
3人と顔を合わせたばかりだった。そしてしんせん組のソウシと
キョウリュウジャーのソウジは名前が似ている為か、トシはややこしいと
感じる。

流ノ介「しかし、外道衆のナナシ連中だけでなく魔虫兵ビービに
 ザンギャック帝国のゴーミンまで暴れているとは・・・・」
茉子「彼等の狙いは何?」
千明「何でもいいけど、やっちまおうぜ!」
ブラジラ「ようやく現れたな。ブレイバーズの諸君」

ナナシ連中らを相手に戦おうとしていた彼等の前にブラジラが
立っていた。その横手にはキアイドー、そしてブラジラが血祭の
ブレドランを名乗っていた時に従っていたアヤカシ、マダコダマがいた。

光平「キアイドー・・・・・」
キアイドー「ほう、貴様か。俺を楽しませる程強くなったか?」
光平「貴様・・・・!」
丈瑠「待て、光平。貴様達の目的は何だ!」
ブラジラ「知れた事。ワルズ・ギル殿下はそこにいるシグフェルの
 存在にひどくご立腹である。故に、この救星主のブラジラ改め・・・・
 ザンギャックのブラジラが引導を渡してくれる!」
光平「俺を殺す為だけに、街を襲ったのか!許さないぞ!」
ブラジラ「ふん。ブレイバーズの者達共々、くたばるがいい。
 行け、お前達!」
キアイドー「邪魔立てはするなよ」
マダコダマ「やっと出番か。行くぜ!」

ブラジラは光平そしてブレイバーズを始末するべく、キアイドー、
マダコダマそしてナナシ連中や魔虫兵ビービ、ゴーミンに命令を
下し、キアイドー達は襲い掛かる。

丈瑠「いけるか、光平」
光平「勿論です。丈瑠さん」
丈瑠「そうか。ならば行くぞ、お前達!」
シンケンジャー5人「「「「「一筆奏上!」」」」」
源太「一貫献上!」

ガブリボルバー@音声「ガブリンチョ!ザクト〜ル!」

ソウジ「キョウリュウチェンジ!」

ガブリボルバー@音声「ファイア!」

シグフェル「―翔着(シグ・トランス)!!」

それそれシンケンジャー、キョウリュウグリーン、シグフェルに変身し、
刃、しんせん組と共に立ち向かう。

シンケンレッド「シグフェル、ブラジラ達の相手は俺達がする!
 お前はキアイドーと決着を着けろ!」
シグフェル「はい!」

そしてシグフェルは決着をつけるべくキアイドーに向かっていくのであった。

589ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 15:48:02
◯志葉丈瑠/シンケンレッド→修練の仕上げとして光平と戦い、その成果を認める。
  街に現れたブラジラ達と戦う為、シンケンレッドに変身する。
◯池波流ノ介/シンケンブルー→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケンブルーに変身する。
◯白石茉子/シンケンピンク→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケンピンクに変身する。
◯谷千明/シンケングリーン→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケングリーンに変身する。
◯花織ことは/シンケンイエロー→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケンイエローに変身する。
◯梅盛源太/シンケンゴールド→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケンゴールドに変身する。
◯日下部彦馬→ブラジラ達が大江戸市に出現した事を報せる。
◯鉄刃→光平と丈瑠の戦いを見届ける。街にブラジラ達が現れた為、
  しんせん組と合流する。
◯峰さやか→刃と共に光と丈瑠の戦いを見届ける。
◯立風館ソウジ/キョウリュウグリーン→光平と丈瑠の戦いを見届ける。街に
  ブラジラ達が現れた為、キョウリュウグリーンに変身する。
◯花丘イサミ→街で暴れるナナシ連中に攻撃する。
◯月形トシ→街で暴れる魔虫兵ビービに攻撃する。
◯雪見ソウシ街で暴れるゴーミンに攻撃する。
●救星主のブラジラ→シグフェルを打倒すべくキアイドー達に攻撃を
  命じる。
●キアイドー→ブラジラ達と共に街に現れ、光平達に襲い掛かる。
●マダコダマ→ブラジラ達と共に街に現れ、光平達に襲いかかる。

◯牧村光平/シグフェル→修練の仕上げとして丈瑠と戦い、技を編み出して
  修練の成果が認められる。街にブラジラ達が現れたのでシグフェルに
  変身する。
◯朝倉慎哉→光平と丈瑠の戦いを見守る。
◯沢渡優香→光平と丈瑠の戦いを見守る。

【今回の新登場】
●マダコダマ(天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕)
 山水画ような、閻魔大王のねぶたのような姿を持つアヤカシ。放たれた
 モヂカラや天装術を右肩の岩の穴で吸い込み、それを元に左肩の閻魔
 大王の口から攻撃を吐きだす能力を有する他、空中に水蒸気のレンズを
 作り出す事も出来る。血祭のブレドランの護星界壊滅の野望に加担し、
 この世に侵攻。外道衆に関わらず、骨のシタリに従わず、外道シンケンレッド
 の炎のモヂカラをレンズで増幅させ、護星界への道を開く事に成功した。
 山彦の伝承のルーツとされるアヤカシ。

590ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/03(水) 12:39:56
>>347加筆・修正
フレアセイバーを構え、シグフェルはキアイドーに斬りかかり、
激しい剣のせめぎ合いをしていく。

キアイドー「貴様、どうやら体にダメージを負っているようだな。そんな
 状態で、俺に勝てると思っているのか?」
シグフェル「俺は勝つ!勝ってお前から受けた恐怖と敗北を乗り越えて
 みせる!」
キアイドー「ならば、せいぜい俺を楽しませてみせろ!」

先程、丈瑠との戦いで身体にダメージが残っているが、自分に恐怖と
敗北感を植え付けた強敵に勝利すべく、フレアセイバーを振るった。
一方、シンケンジャー達は、ブラジラとマダコダマを相手に戦っていた。

ブラジラ「シンケンジャー・・・・貴様達を相手にするのであれば、この姿で
 相手をするとしよう」
シンケンレッド「行くぞ、ブレドラン!」

ブラジラはカモミラージュの天装術で「血祭のブレドラン」に姿を変える。
血祭のブレドランはシンケンレッドを相手にし、他のメンバーはマダコダマや
ナナシ連中等の相手をする。

ソウシ「“正義の矢”をくらぇぇ!」
マダコダマ「甘い!!」

ソウシはエネルギーを纏わせた矢をマダコダマに向けて放つが、
マダコダマは右肩の岩の穴で吸い込んでしまう。そして吸い込んだ
矢は左肩の閻魔大王の口から放たれて、攻撃にしてしまう。

シンケンブルー「あのアヤカシは、我々のモヂカラやゴセイジャーの
 天装術を吸い込んで、攻撃として吐き出してしまうのだ」
刃「そういう事、早く言ってくれよ!」
シンケンピンク「以前戦った時は、モヂカラと天装術を組み合わせた
 攻撃をぶつけて何とかなったけど・・・・・」
マダコダマ「ゴセイジャーがいない今、貴様らなんぞ敵では無い!」

マダコダマは以前、モヂカラと天装術が合わさった技を吸収しきれず
吹き飛んでしまい、結果として敗北する切欠となったのだが、この場には
ゴセイジャーがいない為、シンケンジャー達はどの様に活路を開くべきか
思案する。

???「“稲妻連動・三段打ち”!」
???「“ケントロスパイカー”!」
マダコダマ「ぬぉ!?」

突如、マダコダマに錐状の電撃とビームが命中する。咄嗟の事
だったのでマダコダマは吸い込む事が出来なかった。

キョウリュウゴールド「お待たせしたでござる。ソウジ殿!」
キョウリュウブラック「Sorry、女の子とデートがあったものでね」
キョウリュウグリーン「イアン、空蝉丸来てくれたのか!キング達は?」
キョウリュウゴールド「キング殿達は、後から合流してくるでござる」
キョウリュウブラック「遅れてきた分、キング達が来る前に片付けようぜ!」

マダコダマを攻撃したのは、キョウリュウグリーンの仲間である
キョウリュウゴールドとキョウリュウブラックだった。キョウリュウグリーンが
戦っていると聞き、駆けつけたのであった。

シンケンブルー「他のキョウリュウジャーも来てくれたか。心強い!」
イサミ「でも、攻撃を吸い込んじゃう能力をどうすれば・・・・」
キョウリュウブラック「心配するなよ、お嬢さん。良い考えがあるぜ!」

敵の能力に太刀打ちできるか心配なイサミにキョウリュウブラックは
ある秘策を思いつく。

591ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/03(水) 12:41:04

キアイドー「いいぞ、シグフェル!やはり貴様をあの時仕留めなかった
 のは正解だったなぁ!」

一方、シグフェルとキアイドーの戦いはダメージを負った身体だが、
修練の成果によりキアイドーを凌ぐほどの剣裁きを身に着ける。
シグフェルが自分を上回る強さにまで成長したと理解したキアイドーは
新しい玩具を与えられた子供の様に喜んだ。

シグフェル「(このまま、こっちの体力が尽きる。どうすれば・・・・)」
ゴーミン「ゴゴッ!」
キアイドー「邪魔だ!」ズバッ
ゴーミン「ゴゴ〜!」
シグフェル「―!」

キアイドーに決定打を打てないか思案していたシグフェルだが、
そこへ1体のゴーミンがキアイドーとシグフェルの間に入ってしまい、
キアイドーに邪魔者として斬られてしまう。

シグフェル「仲間なのに斬るなんて・・・・」
キアイドー「仲間?ふん、俺の楽しみを邪魔するのであれば、
 誰だろうと斬る。さぁ、もう一度俺と戦え!」
シグフェル「・・・・・仲間を斬る様な奴に俺は負けない!
 今度こそ、貴様を倒す!はぁぁぁぁ!!」

シグフェルは力を貯め、フレアセイバーの刀身を炎で包むと、
瞬時にキアイドーの間合いに立ち、その動きはまるで舞を
するかの如くキアイドーの体を斬りつけていく。

キアイドー「急に、剣の速さが上がっただと・・・・」
シグフェル「はぁぁぁぁ、<<火焔十字の舞(クロスプロミネンス)>>」

そしてキアイドーの胸に横へ一閃、さらにフレアセイバーを天高く
上へ突き上げると、そのまま縦に強力な一撃が加わる。キアイドーの
胸には炎で燃える十字が刻まれた。これこそ丈瑠との修練で得た
必殺技『火焔十字の舞(クロスプロミネンス)』だった。

592ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/03(水) 14:10:54
一方、マダコダマを相手に戦うブレイバーズ。キョウリュウブラックは
皆にある秘策を伝える。

キョウリュウブラック「シンケンジャーのモヂカラとゴセイジャーの
 天装術を組み合わせて倒せたのなら、今度はモヂカラとブレイブの
 力、そして皆の力を合わせればいいってことさ」
キョウリュウゴールド「おお、モヂカラとブレイブさらに皆の力を
 合わせるのでござるか!」
キョウリュウグリーン「まるで、キングが言いそうだね」
キョウリュウブラック「そういえば、そうだな。どうやらキングに
 影響されたらしい。だが、その方がブレイバーズって感じだろ?」
シンケンイエロー「うん。その方がええわ」
刃「やってやろうぜ!」

キョウリュウブラックの秘策を受けて、彼らは動き出す。まずは
キョウリュウゴールドとシンケンピンク、ソウシがマダコダマの
前に立った。

シンケンピンク「私の【天】のモヂカラと」
キョウリュウゴールド「拙者の雷の力」
ソウシ「そこにルミノタイトでエネルギーとなった精神力を加える!」

シンケンピンクから放たれる【天】のモヂカラとキョウリュウゴールドが
発した電気は、ソウシが放ったエネルギーの矢と合わさった事で
強力なエネルギーの塊に変わり、マダコダマの右肩の穴に吸い込まれる。

マダコダマ「ぐぅうう、い、イカン!エネルギーが強すぎて受け止められん!
 ぐわぁぁああ!」

その強すぎるエネルギーを処理できずマダコダマは吹っ飛んでしまう。

キョウリュウブラック「アームドオン、パラサショット!」
トシ「こいつも持っていきやがれ!!」

そこへパラサショットを装備したキョウリュウブラックが
ガブリボルバーと一緒にマダコダマに向けて弾丸を放つ。
更にトシも龍の目を強烈なシュートでぶつけた。

シンケンブルー「我らの出番だ。行くぞ!」

そしてシンケンブルー、シンケングリーン、シンケンイエローが
シンケンマルで斬りつけていく。

キョウリュウグリーン「トリニティストレイザー!」
刃「かみなり斬り!」
イサミ「龍の剣!」
マダコダマ「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」

さらにキョウリュウグリーン、刃、イサミがフェザーエッジ、
魔剣クサナギ、龍の剣でトドメをさされた事でマダコダマは
倒された。

593ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/03(水) 14:11:35
血祭のブレドラン「キアイドーが!?」
シンケンレッド「余所見などするな!」
血祭のブレドラン「ぬうぅ!」

シンケンレッドと戦っていた血祭のブレドランはキアイドーが
シグフェルの新技『火焔十字の舞(クロスプロミネンス』によって
倒れたのに驚愕する。

キアイドー「ぐ、ぐうう・・・・見事だ。今の・・・・・貴様との戦いは、
 赤の海賊との戦いを思い出したぞ」
シグフェル「キアイドー・・・・・」
キアイドー「ふ・・・・ふふふはははは!もっと・・・・戦いたかっ・・・・た」ドサァ

『火焔十字の舞』を受けたキアイドーは最後の言葉を振り絞ると
力尽きて倒れる。今、シグフェルは恐怖と敗北を乗り越えた瞬間だった。

血祭のブレドラン「ええい、キアイドーが倒れるとは!ならば私がこの手で!」
シンケンレッド「させるか!」

キアイドーが倒されるのを見た血祭のブレドランは自分の手で
シグフェルを倒そうと襲い掛かる。しかし、血祭のブレドランを
シンケンレッドが阻んだ。

シンケンレッド「まだ、やれるか?シグフェル」
シグフェル「はい、シンケンレッド!」

シンケンレッドとシグフェルはそれぞれ、シンケンマルと
フレアセイバーを構えるとブレドランの体に炎を纏わせた
刀身で斬りつけていく。そして、ブレドランの前後に
シンケンレッドとシグフェルが向かい合った。

シンケンレッド&シグフェル「「獅凰双炎斬!!」」
血祭のブレドラン「ぐわぁぁぁあ!!」

向かい合った2人の斬撃から、それぞれ炎の獅子と
鳳凰が出現してブレドランに大ダメージを負わせる。

血祭のブレドラン「貴様らぁ〜!こ・・・このまま手ぶらで帰る訳には
 いかん。せめてシンケンレッド・・・・貴様を葬る!」
シンケンレッド「―!」
シンケンゴールド「あぶない、丈ちゃん!ぐわぁ!」
シンケンレッド「源太!!」

大ダメージを受けた血祭のブレドランは、せめてシンケンレッドを
葬ろうと攻撃するが、シンケンゴールドが代わりに攻撃を受けて
倒れてしまう。

血祭のブレドラン「ちぃ、仕留める事が出来なかったか。
 ならば行け!ビービ虫よ!」

シンケンレッドを仕留める事が出来なかった血祭のブレドランは
ビービ虫を用いて、キアイドーを復活させて巨大化させる。
時を同じくして、倒されたマダコダマも【二の目】となり巨大化して
復活する。

594ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/03(水) 15:52:19
****ギガントホース・艦橋司令室****

ワルズ・ギル「ええい、結局あのシグフェルを倒せなかったではないか!」
ダマラス「殿下、落ち着きくだされ。インサーン、スゴーミン達を出撃させよ!」
インサーン「はっ!」

シグフェルとキアイドーの再戦を観ていたワルズ・ギルは作戦の失敗に
地団太を踏む。ダマラスはインサーンにスゴーミンの出撃を命じて、
出撃したスゴーミンはインサーンの開発した巨大化光線により巨大化して
街で暴れるキアイドーやマダコダマのいる所に現れる。またビルの隙間から
三途の川を通って、大ナナシ連中も出現した。なお、そのドサクサに
紛れ、血祭のブレドランは姿を消す。

シンケングリーン「おいおい滅茶苦茶いるじゃねえか!」
キョウリュウゴールド「とにかくプテラゴードン達を呼ぶでござる」
イサミ「あれは!?」

獣電竜を呼び出そうとしたその時。ブレイバーズの旗艦の一つである
地球連邦の戦艦ラー・カイラムが現れ、マジンガーZやν‐ガンダム等
ブレイバーズに所属するスーパーロボット達が出撃する。

ν‐ガンダム@アムロ「補給を終えて日本から出る予定だったが、
 出撃する事になるとは・・・・。だが相手はゴーカイジャーや
 シグフェルを一度は倒した強敵。皆、油断はするなよ!」
マジンガーZ@甲児「了解!マジンガーも久々の出撃なんだ。
 行くぞ、ロケットォォパァァァアンチ!!」

アムロ達ラー・カイラムのクルーは補給を終えた為、日本から
出国する所だったが、巨大化したキアイドー達が暴れていると
情報が入った為、甲児達ブレイバーズのスーパーロボットの
パイロット達と共に出撃したのであった。

キョウリュウジン@キョウリュウレッド「お〜い、イアン達!遅くなっちまった」
キョウリュウジン@キョウリュウブルー「敵は“テキ”パキ倒すよ!」
キョウリュウジン@キョウリュウピンク「行くわよ〜!」

遅れてきたキョウリュウレッド、キョウリュウブルー、
キョウリュウピンクは獣電竜ガブティラ、ステゴッチ、
ドリケラが合体した獣電巨人キョウリュウジンに
乗り込み、他のスーパーロボット達と共に大ナナシ連中や
スゴーミンと戦っていく。

キョウリュウゴールド「こちらもキング殿達に合流するでござる!」

キョウリュウゴールド、キョウリュウグリーン、キョウリュウブラックの
3人はパートナーである獣電竜プテラゴードン、ザクトル、パラサガンを
呼び出し、カミツキ合体によってプテライデンオー・ウェスタンとなり
巨大戦に加勢する。

シンケンレッド「大丈夫か?源太」
シンケンゴールド「・・・うぅ、すまねぇ丈ちゃん。今はこれ以上
 無理みたいだ・・・・」
シンケンレッド「お前のおかげで助かった。今は休め。
 源太の事を頼む」
イサミ「はい」

シンケンゴールドはシンケンレッドを庇って受けたダメージにより
これ以上は戦えなかった。シンケンゴールドをイサミ達に託すと
シンケンジャーは折神を【折神大変化】で巨大化させる。

シンケンレッド「お前も来い!」
シグフェル「え!?」

巨大化した相手にシンケンジャーは一気に侍合体でシンケンオーと
なるが、シンケンレッドによってシグフェルもシンケンオーの中に乗り
込む事になる。その影響なのか、シンケンオーのダイシンケンは
光り輝く。

プテライデンオー・ウェスタン@キョウリュウゴールド「あのアヤカシは我らが!」
キョウリュウゴールド&キョウリュウグリーン&キョウリュウブラック「プテライデンオーウェスタン・
 ブレイブフィニッシュ!!」
マダコダマ「ぐわぁぁぁぁぁ!!」

右腕のパラサビームガンに3体のキョウリュウスピリッツが放たれ、
マダコダマは消滅した。

シグフェル「ここがシンケンオーの中・・・・」
シンケンレッド「シグフェル、俺達に合わせろ!」
シグフェル「は、はい!」
シンケンジャー&シグフェル「「ダイシンケン侍斬り!!」
キアイドー「ぬぉぉぉぉぉお!!」

シンケンオーのコックピットに来たシグフェルは、シンケンオーの
中に入った事により戸惑う中、シンケンジャーがシンケンマルを
降るのと同時に、シグフェルもフレアセイバーを振り下ろす。
そして、キアイドーはその光り輝くダイシンケンによって断末魔を
挙げながら倒されるのであった。

595ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/03(水) 15:58:13
>>590修正
フレアセイバーを構え、シグフェルはキアイドーに斬りかかり、
激しい剣のせめぎ合いをしていく。

キアイドー「貴様、どうやら体にダメージを負っているようだな。そんな
 状態で、俺に勝てると思っているのか?」
シグフェル「俺は勝つ!勝ってお前から受けた恐怖と敗北を乗り越えて
 みせる!」
キアイドー「ならば、せいぜい俺を楽しませてみせろ!」

先程、丈瑠との戦いで身体にダメージが残っているが、自分に恐怖と
敗北感を植え付けた強敵に勝利すべく、フレアセイバーを振るった。
一方、シンケンジャー達は、ブラジラとマダコダマを相手に戦っていた。

ブラジラ「シンケンジャー・・・・貴様達を相手にするのであれば、この姿で
 相手をするとしよう」
シンケンレッド「行くぞ、ブレドラン!」

ブラジラはカモミラージュの天装術で「血祭のブレドラン」に姿を変える。
血祭のブレドランはシンケンレッドを相手にし、他のメンバーはマダコダマや
ナナシ連中等の相手をする。

ソウシ「“正義の矢”をくらぇぇ!」
マダコダマ「甘い!!」

ソウシはエネルギーを纏わせた矢をマダコダマに向けて放つが、
マダコダマは右肩の岩の穴で吸い込んでしまう。そして吸い込んだ
矢は左肩の閻魔大王の口から放たれて、攻撃にしてしまう。

シンケンブルー「あのアヤカシは、我々のモヂカラやゴセイジャーの
 天装術を吸い込んで、攻撃として吐き出してしまうのだ」
刃「そういう事、早く言ってくれよ!」
シンケンピンク「以前戦った時は、モヂカラと天装術を組み合わせた
 攻撃をぶつけて何とかなったけど・・・・・」
マダコダマ「ゴセイジャーがいない今、貴様らなんぞ敵では無い!」

マダコダマは以前、モヂカラと天装術が合わさった技を吸収しきれず
吹き飛んでしまい、結果として敗北する切欠となったのだが、この場には
ゴセイジャーがいない為、シンケンジャー達はどの様に活路を開くべきか
思案する。

???「“稲妻連動・三段打ち”!」
???「“ガブリボルバー”!」
マダコダマ「ぬぉ!?」

突如、マダコダマに錐状の電撃とビームが命中する。咄嗟の事
だったのでマダコダマは吸い込む事が出来なかった。

キョウリュウゴールド「お待たせしたでござる。ソウジ殿!」
キョウリュウブラック「Sorry、女の子とデートがあったものでね」
キョウリュウグリーン「イアン、空蝉丸来てくれたのか!キング達は?」
キョウリュウゴールド「キング殿達は、後から合流してくるでござる」
キョウリュウブラック「遅れてきた分、キング達が来る前に片付けようぜ!」

マダコダマを攻撃したのは、キョウリュウグリーンの仲間である
キョウリュウゴールドとキョウリュウブラックだった。キョウリュウグリーンが
戦っていると聞き、駆けつけたのであった。

シンケンブルー「他のキョウリュウジャーも来てくれたか。心強い!」
イサミ「でも、攻撃を吸い込んじゃう能力をどうすれば・・・・」
キョウリュウブラック「心配するなよ、お嬢さん。良い考えがあるぜ!」

敵の能力に太刀打ちできるか心配なイサミにキョウリュウブラックは
ある秘策を思いつく。

596ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/03(水) 16:39:02
>>569より一部抜粋
○志葉丈瑠/シンケンレッド→シグフェルと共にキアイドー、血祭のブレドランを撃破。
◯池波流ノ介/シンケンブルー→マダコダマと戦い、撃破する。
◯白石茉子/シンケンピンク→マダコダマと戦い、撃破する。
◯谷千明/シンケングリーン→マダコダマと戦い、撃破する。
◯花織ことは/シンケンイエロー→マダコダマと戦い、撃破する。
◯梅盛源太/シンケンゴールド→シンケンレッドを庇って負傷する。
◯キョウリュウレッド゙→キョウリュウジンに乗って出撃する。
◯イアン・ヨークランド/キョウリュウブラック→キョウリュウゴールドと共に助けに
  駆けつける。巨大戦ではプテライデンオーウェスタンに乗り込む。
◯キョウリュウブルー→キョウリュウジンに乗って出撃する。
◯立風館ソウジ/キョウリュウグリーン→マダコダマと戦い、撃破する。
  巨大戦ではプテライデンオーウェスタンに乗り込む。
◯キョウリュウピンク→キョウリュウジンに乗って出撃する。
◯空蝉丸/キョウリュウゴールド→キョウリュウブラックと共に助けに
 駆け付ける。巨大戦ではプテライデンオーウェスタンに乗り込む。
◯鉄刃→マダコダマと戦い、撃破する。
◯花丘イサミ→マダコダマと戦い、撃破する。
◯月影トシ→マダコダマと戦い、撃破する。
◯雪見ソウシ→マダコダマと戦い、撃破する。
◯アムロ・レイ→ν-ガンダムで出撃する。
◯兜甲児→マジンガーZで出撃する。
●ワルズ・ギル→作戦が失敗したのでスゴーミンを出撃させる。
●ダマラス→作戦が失敗したのでスゴーミンに出撃させる。
●インサーン→出撃させたスゴーミンに巨大化光線を当てる。
●キアイドー→シグフェルの新技「火焔十字の舞」によって撃破される。
  ビービ虫によって巨大化するが、シンケンオーによって倒される。
●救星主のブラジラ→カモミラージュにより「血祭のブレドラン」に変身する。
  倒されたキアイドーをビービ虫を使って巨大化させる。
●マダコダマ→シンケンジャー達によって撃破される。二の目により
  巨大化した後、プテライデンオーウェスタンによって倒される。
 
○牧村光平/天凰輝シグフェル→必殺技「火焔十字の舞(クロスプロミネンス)」を会得し、
 キアイドーを撃破。巨大戦ではシンケンオーに乗り込む。

597ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/07(日) 14:44:28
≪タイトル未定≫

その日、生徒会の仕事が放課後を過ぎても遅くまで続き、
沢渡優香は下校する時間には、すっかり日も暮れて夜遅くになってしまっていた。
早く家に帰るために近道をしようと裏路地を通ったのが運の尽き。
彼女はチンピラの集団に絡まれてしまう。

チンピラA「おいおいお嬢ちゃん、こんな夜遅くに女子高生が一人とは危ないな」
チンピラB「俺たちと一緒に面白いところに行こうぜ!」
優香「何するんですか! いや、放して! 誰か助けて〜!!」

チンピラたちの車に無理やり引きずり込まれそうになる優香。
「こんな時に、すぐ側に光平くんがいてくれたら…!」との思いも
一瞬だけ脳裏をよぎったが、もはや非力な自分にはどうする事も出来ない。

優香「――ァッ!!」
チンピラC「いい子だから騒ぐんじゃねえぞ!」

チンピラの一人がニヤニヤと笑いながら、
優香の首筋に向けて刃物をチラつかせる。

優香「や……やめて」

怯えきった優香は、尚も必死に逃れようとする。
そんな時だった。突然チンピラの内の何人かが悲鳴を上げて倒れたのだ。

チンピラA「ぐわあああ!!」
チンピラB「ぎゃああっ!!」

驚いて車から出る残りのチンピラたち。

チンピラC「だ、誰だテメェーはッ!?」

戒「………」

優香「……??」

チンピラたちの前に立ちはだかったその少年は、眼鏡を掛けてはいるが、
そのレンズの奥の両眼からは鋭い殺気交じりの眼光を放っている。
少年のしている服装は、優香たちと同じ海防大付属の制服だということも確認できた。

チンピラD「おいガキッ、なんとか言ったらどうなんだ!?」
チンピラE「くたばれやぁぁッ!!!」

戒「フンッ…」

その少年はチンピラの繰り出すストレートパンチをあっさりかわすと、
逆に相手の腕を掴んで軽々と捻りあげた。一瞬「ボキッ」と鳴る音がした。

チンピラE「イテエエエッッ!!!!! 骨がァァァッ!! 骨がァァァッ!!」

絶叫を挙げて倒れ込み、もだえ苦しむチンピラ。

598ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/07(日) 14:45:06
チンピラF「ぐわあああ!!」
チンピラG「ぎゃああっ!!」

残りのチンピラたちも叩きのめされるのに、
それほど時間はかからなかった。

チンピラH「ひ、ひいいいいい〜〜」(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
チンピラC「ち、ちきしょーっ! 覚えてやがれ!」

チンピラたちは、優香を乗せた車を乗り捨てたまま
全員が一目散に走って逃げ出したのであった。

優香「た、助けてくれてありがとう…」
戒「その制服、同じ学校の生徒か?」
優香「もしかしてあなた、G組の彩堂寺戒くん?」
戒「俺の事を知っているのか?」
優香「そりゃ勿論♪ 学校じゃ全学年成績トップの有名人だもの。
 私、A組の沢渡優香。よろしくね」
戒「………」

優香は握手を求めるが、戒はそれを無表情にスルーする。

戒「ここは夜遅い時間になると、ゴロツキどもの溜まり場になるんだ。
 危ない目に遭わないうちに早く帰った方がいい」
優香「………」


――翌日。

***海防大学付属高校・カフェテリア***

慎哉「そりゃ大変な目に遭ったな」
優香「大変なんてもんじゃないわよ!
 ホント、あそこで彩堂寺くんが通りかかってくれなかったら、
 私は今頃どうなっていたか…」

昼休みの時間帯…。
昨日起こった事の一部始終を、光平と慎哉に話す優香。

光平「とにかく無事でよかったよ。
 優香、あんまり変な道を通って帰ろうとするなよ」
優香「うん、それは反省してる…」
光平「G組の彩堂寺にもお礼を言わないとな…」
慎哉「でもG組ったら、確かエリート選定コースだろ?
 俺たち一般の生徒が近づけるかな」
光平「………」

エリート選定コースとは、海防大学の城之内理事の肝煎りで設置された、
付属高校でも特に選ばれた優秀な生徒が受講しているコースである。
教室も一般生徒とは隔絶された別の校舎の中にあり、外部との交流は少ない。
光平たちがどうしようかと思っていた時――

女子生徒A「ねえ聞いた!?」
女子生徒B「G組の彩堂寺くんが音楽室に居るんですって!
 みんなで見に行きましょうよ!」

――横で女子生徒たちのする噂話が聞こえて来た。
たまたま今、その彩堂寺戒が総合普通科の校舎に来ているらしい。

慎哉「おっ、噂をすればなんとやらだ」
優香「私たちも行ってみましょう!」
光平「ああ」

599ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/07(日) 14:45:43
***同校校舎・音楽室***

戒「………」

ショパンの幻想即興曲をなめらかに弾いている戒。
ドアのところに群がる女子生徒たちは、窓から惚れ惚れと
その様子を見つめている。

女子生徒A「ああ、彩堂寺くん……(///)」
女子生徒B「素敵ぃ……(///)」

中には気を失って倒れ込んでしまう女子生徒まで続出する有様だ。
そんな周囲には全くお構いなしに、演奏をやめて音楽室から出ようとする
彩堂寺戒。外で待っていた光平や優香たちとも、一瞬だけ目を合わす。

戒「……?」
優香「あの、彩堂寺くん、昨日は本当にありがとう」
光平「やあ、俺は2年A組の牧村光平。昨日は優香を助けてくれて
 俺からも礼を言うよ。ありがとう」
戒「別に……」

戒は光平たちに無関心であるかのようにそっけない態度を取り、
さっさと立ち去ってしまう。

慎哉「なんだアイツ! せっかくわざわざ感謝を言いに来たのに!
 エリート生徒様だからってお高くとまってんじゃねーのか!」
朱音「あら、あなたたち!?」
光平「朱音ちゃん」
優香「朱音先生」

そこへちょうどタイミングよくやって来たのは、
光平たちのクラスの担任である千坂朱音だった。

朱音「あなたたちも噂の彩堂寺戒君を見に来たってわけね」
光平「あはは…まあ、そんなところです」
優香「ねえ先生、彩堂寺くんってどんな生徒なのか、
 何か聞いてませんか?」
朱音「そうねえ…。エリート選定コースの事は
 大学の城之内理事が全てを取り仕切ってて、
 校長や教頭でさえもよくは知らないらしいのよ。
 だからこの学校に来たばかりの私にも
 彼について詳しい事は分からないわ」

朱音の話によると、彩堂寺戒は学校の放課後、よく近くの剣道場で
稽古をつけているらしい。しかし朱音にもそれ以上の事は分からなかった。

優香「そうなんですか……」
朱音「………」

600ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/07(日) 14:46:16
――その日の夜。

***同校校舎・エリート選定コース棟***

生徒も教職員も全員帰った後、夜の暗闇に紛れて
校舎の敷地内に忍びこんだ一人の影があった。
くノ一の装束に姿を変えた千坂朱音だ。

朱音「ここがエリート選定コースの教室。
 天童からの指令では、ここには何か必ず
 容易ならぬ秘密がある筈…」

各教室や教職員のロッカールームなど、
何か不審な場所はないかと片っ端から調べるが、
特に怪しい証拠のような物は見つからない。

朱音「残るはあそこだけね…」

エリート選定コースの責任者である城之内理事の執務室である。
朱音がドアノブに手を伸ばそうとしていたその時、
どこかからか飛んできた手裏剣がそれを阻んだ!

朱音「何者ッ!?」

次々と飛んでくる敵の手裏剣を、忍刀で弾き飛ばす朱音。
手裏剣を投げた主の正体は、全身を甲冑に身を包んだ忍者だった。

ガラドー「エリート選定コースの秘密に迫ろうとするとは、
 貴様いったい何者だ?」
朱音「……(この男は確か、ネロス帝国のヨロイ軍団配下、
 爆闘士ガラドー)」

身構えながら距離を取って対峙する朱音とガラドー。
剣で斬りかかるガラドーと忍刀で応戦する朱音が
激しく火花を散らす!

ガラドー「…貴様、女か!? その動き…さては天童者だなッ!?」
朱音「答える義務などないッ!」

朱音は隙をついて煙玉を投げ、長居は無用とばかりに
その場から撤退した。警報装置が鳴り響き、
ガラドー配下の影たちが駆けつけて来る。

軽闘士・影A「ガラドー様、ご無事ですか!?」
軽闘士・影B「すぐに追えい!!」
ガラドー「…無駄だ。お前たちに追いつけるような相手ではない」
軽闘士・影B「ガラドー様…?」

ガラドーは城之内理事の執務室に入り、金庫の中にしまってある
機密書類が全て無事なのを確認する。

ガラドー「フフフッ…これで一安心。我ら影の者の鉄壁の守りに
 一部の隙などありはしない。しかし天童に目をつけられたとなると、
 一応、軍団長のお耳には入れておいた方がよかろう」

果たして、ネロス帝国の忍者たちが暗闇に紛れて出入りまでしている、
海防大学付属高校のエリート選定コースとは、いったい何なのであろうか!?

>>108-110 >>112-113に続く。

601ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/07(日) 14:46:56
●爆闘士ガラドー →海防大学付属高校のエリート選定コース棟を、夜陰に紛れて警護している。侵入してきた千坂朱音と交戦。

○牧村光平→彩堂寺戒と出会う。
○沢渡優香→チンピラに絡まれたところを彩堂寺戒に助けられる。
○朝倉慎哉→彩堂寺戒と出会う。
△彩堂寺戒→チンピラに絡まれていた沢渡優香を救う。
△千坂朱音→海防大学付属高校のエリート選定コース棟に夜になってから忍びこみ、爆闘士ガラドーと交戦。

【今回の新規登場】
△彩堂寺戒=牙冥甲ザジロード(闘争の系統オリジナル)
 桐原コンツェルンの専務取締役・彩堂寺惟政の息子(養子であり実子ではない)。
 牧村光平たちと同じ海防大学付属高校の生徒で、エリート選定コースで学んでいる。
 幼少の頃から徹底した英才教育を施されて育ってきたが、実はそれは将来成長した暁には、
 優秀な改造被験体としてネロス帝国に献上されるためであった。
 やがてネロス帝国によって新生モンスター軍団・グライアーに改造され、
 天凰輝シグフェル最大のライバルとなって光平の前に立ちはだかることになる。

602ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/07(日) 16:07:18
>>344-345を一部抜粋して改変。グライアー編の合間に挿入。

本郷猛たちは、たまたま牧村光平に紹介される形で、
千坂朱音と偶然出会う。

光平「本郷さん、滝さん、紹介します。
 この人は俺の学校のクラスの担任で
 千坂朱音先生です」
朱音「千坂朱音です。どうぞよろしく♪」
滝「へぇ〜こんな美人の優しい先生に教えてもらえるだなんて、
 正直光平君たちが羨ましいなあ」
本郷「こちらこそよろしく」

朱音と握手を交わす本郷と滝だったが、
その時何らかの違和感を感じた。

本郷「………」
朱音「どうしました?」
本郷「いや、失礼。貴女の右手にかなり豆が潰れた跡が
 あったようなので…」
朱音「ああ、実は私、光平くんたちの高校でテニス部の顧問も
 務めているんです。きっとラケットの素振りの時に出来たやつですね」

朱音は笑顔で誤魔化すが、それに欺かれるような
本郷と滝ではなかった。

本郷「………(違う。これはラケットの素振りなんかで
 出来た擦り傷ではない)」
滝「………(明らかに剣術の鍛錬で出来た竹刀ダコだ。
 この女、いったい何者だ!?)」

そして>>113の続き。
凱聖クールギンに手傷を負わされ、彩堂寺戒の身柄確保にも失敗して
その場から逃げ去った忍び装束姿の朱音は、その道すがら
待ち構えていたダブルライダーと遭遇した。

朱音「――!!」
ライダー1号「初めて会った時からもしやとは思ってはいたが…。
 朱音先生、天童菊之丞殿は、まだブレイバーズの事をお疑いか!?」
ライダー2号「心配するな。お前の正体を光平君たちに話すつもりはない!」
朱音「………」
ライダー1号「天童補佐官にお伝え願おう。
 城南大学生化学研究室の本郷猛と――」
ライダー2号「――同じく、フリーカメラマンの一文字隼人が
 よろしくとな!」

朱音はライダーからの問いかけに答えることもなく、
無言のまま煙玉を投げて退散した。
それと入れ替わるように、滝和也が心配して駆けつけて来る。

滝「ライダー、無事だったか!」
ライダー1号「おおっ、滝!」
ライダー2号「やはりお前の睨んだ通り、
 千坂朱音は天童の女間者だったぞ」
滝「やっぱりそうだったか。だがこれで
 あの女も当面は大人しくしてるだろう」

603ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/10(水) 11:25:11
<<リナ・インバースと古の魔法使い(仮)>>

ロサレダ大陸の学都コンクェイテューラに来て、シンディラを弟子に
とったリナ・インバースはある日、シンディラから古代遺跡の調査に
同行してほしいと依頼される。

リナ「古代遺跡の調査ァ〜?」
シンディラ「はい。古代遺跡にはロサレダ大陸で、かつて栄えた文明が
 あるのですが、敵国との戦争中の今、貴重な学術資料を守るべく、
 保護を兼ねた調査に赴く事になったんです。そこでリナさん達には
 是非ご同行をお願いしたいのです」
リナ「えぇ〜、そんなメンドくさい・・・・」
ガウリィ「その遺跡には何があるんだ?」
シンディラ「そうですね・・・・・当時の壁画や調度品、それから財宝も
 確か収められていると云われています」
リナ「よし!さったとその遺跡に向かうわよ!!」
ゼルガディス「現金な奴め・・・・」

遺跡調査に同行する事をメンドくさがったリナだが、遺跡にお宝が
眠っていると聞き、遺跡に行くことを決めた。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

古代遺跡へと訪れたリナ一行だが、古代遺跡には魔界同盟から
派遣されてきたザベルが、アンデット系のモンスターを率いて
遺跡を占拠しようとしていた。

ザベル「ここの遺跡はオレ達がもらうぜぇ〜!ギャハハハハハ!!」
リナ「ペラペラと五月蠅いゾンビね!」
シンディア「リナさん。ここは学術的にとても貴重な場所なので、
 ドラグスレイブとかはやめて下さい」
リナ「あぁぁぁ、もう!」

ザベルとアンデット系モンスターの大群を相手にリナ達は戦うが、
遺跡が貴重な場所という事で、ドラグスレイブの様な大規模な
魔法は使えなかった。

ゼルガディス「む!誰か来るぞ」
????「あれ?遺跡の発掘をしていた筈なんだけど、
 こんな場所あったかな?」

ゼルガディスは通路から誰かが来るのを感じ取る。現れたのは
リュックサックを背負った青年で、リナ達が出会った門矢士の様な
この世界には無い恰好をしていた。

ザベル「誰だか知らねぇが、ここに来ちまったのならくたばりやがれぇ!」
ガウリィ「危ない!」

ザベルは現れた青年を始末しようと襲い掛かるが、ガウリィが青年を
庇う。

????「・・・・・どうやら、マジでやばい感じみたいだな」
アメリア「ここは危険です!早く逃げ・・・・」
????「おっと皆まで言うな!あっちのゾンビ野郎は敵って事で
 良いんだよな?どうやら魔力もあるみたいだし、久しぶりの食事に
 なりそうだ」
ザベル「ごちゃごちゃうるせぇぞ!死にな!!」
????「まぁ、見てろ・・・・」

ドライバーオン!

????「変・・・・身!」

L.I.O.N ライオーン!

OPEN!

青年の腰にベルトが現れ、指に嵌めたリングを嵌め込むと
ベルトの前についている銀色の扉が開き、金色のライオンの
レリーフが現れる。そして青年の姿はライオンの鬣を思わせる
マスクで覆われ、左肩はライオンを象った形になり全身は金と
黒の姿に変わる。

ザベル「てめぇ、何者だ!」
仮面ライダービースト「俺は仁藤攻介。またの名を仮面ライダービースト!
 さぁて、ランチタイムだ!」

戦闘後、アンデット系モンスターは倒され、ザベルは撤退。倒された
リーデットやミイラおとこ等はビーストに吸収される。そして仁藤は
自分の事や地球の事を話す。そして元の世界に帰るまで
コンクェイテューラで保護される事になった。

604凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:18:17
***ネロス帝国・ゴーストバンク***

ゾルベゲール「できた…! 完成じゃ!」

ゴーストバンクの最深部にある実験室で、
ゾルベゲール博士は狂喜の声を上げた。
ネロス帝国に招聘されてからというもの、
ずっとこの部屋に籠もりきりで進めてきた実験が
ようやく成功したからである。

ゾルベゲール「シグフェルの力を持った超怪人がこれで生み出せる…。
 フフフフフ……フハハハハ!!」

試験管の中では、毒々しい青色をした培養液に漬かりながら
バイオモンスターの体細胞がゆっくりと細胞分裂を続けている。

ゾルベゲール「さて、直ちに帝王ネロスに報告せねばならんが…。
 グライアーの力、果たして誰のものになるかのう。ククク…」

人目を憚るように怪しく笑ったゾルベゲールは、
ゴッドネロスに提出すべき実験データを記した書類の何枚かをそっと懐に隠し、
残りの書類をファイルにまとめて実験室を出たのであった。


***東京メガロシティ・市民体育館***

メガロシティの一角にある市民体育館の剣道場に、
二本の竹刀がぶつかり合う音が激しく響く。
週に一度、彩堂寺戒は放課後にこの剣道場で剣術の個人レッスンを受けていた。

戒「――やぁっ!」
桐原「――はぁっ!」

稽古の師範を務めるのは、桐原コンツェルン総帥の桐原剛造その人である。
…いや、正確には、ここにいるのは本物の桐原ではなく、
影武者の凱聖クールギンなのだが、戒はそのような事実を知る由もない。

戒「――やぁっ!」
桐原「――せいやぁっ!」

戒の父・彩堂寺惟政は桐原コンツェルンの専務取締役であり、
親の仕事上の付き合いから、戒は小さい頃から父の上司である桐原を知っていた。
そして父親が熱心に進めていた英才教育の一環として、
戒は日本屈指のビジネス界の大物でありながら武道の達人でもある桐原に
剣術を習う事になったのである。

戒「――つぁっ!」
桐原「――ムンッ!」

何度かの牽制で相手の構えを崩した戒は強烈な気迫と共に一気に踏み込み、
鋭い打ち込みで桐原の面を狙ったが、
桐原はそれを素早く振り上げた竹刀の柄で防いだ。

戒「………!」
桐原「惜しかったな。いい打ち込みだ」

稽古を切り上げ、剣道の作法に則って互いに礼をした二人は、
竹刀を床に置いて被っていた面を外す。

桐原「随分と様になってきたぞ。
 柳生新陰流の極意が、徐々に見えてきているようだな」
戒「は、はい…!」
桐原「君にはまだ中学生の頃から剣を教えてきたが、
 実に呑み込みが早く、教え甲斐のある生徒だった…。
 ここまで上達してくれた事が、私にとっても大変嬉しい」
戒「先生の…ご指導のお陰です…」
桐原「フフ…。相当息が上がっているな。よく休みなさい」
戒「はい…!」

文武両道の天才青年である戒は運動神経も抜群で、
球技や陸上競技のみならず、格闘技のセンスも凡人を遥かに超えている。
だが、その戒をもってしても桐原の稽古はとても厳しく、
付いて行くには相当の努力と気力が求められるものだった。
単なる趣味のスポーツや精神修養などには留まらない、
まるで本物の殺し合いでも想定しているかのような激しい戦いの訓練なのである。

桐原「モルモットは順調に育った…。
 Xデーは明日だ。明日になれば、全てが変わる…」

605凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:22:52
***ゴーストバンク・玉座の間***

ゴッドネロス「暴魂クロスランダーの修理が完了した…。
 今をもって戦闘ロボット軍団の戦列に復帰せよ!」
クロスランダー「ははっ!」

ゲートをくぐって現れたクロスランダーは、
帝王ゴッドネロスの玉座の前に居並ぶネロス軍団員の列に加わった。
シグフェルとメタルダーに敗れ、首から下を大爆発で失ったクロスランダーは
軍団長バルスキーの懇願により修理を許され、
新たなボディを与えられてここに復活したのである。

バルスキー「帝王、不覚を取った我が配下に寛大なるお慈悲を賜り、
 何と感謝を申し上げてよいか分かりません。
 この上はクロスランダーを初め、我ら戦闘ロボット軍団一同、
 必ずや帝王のために大きな戦功を立ててご覧に入れます」
クロスランダー「つきましては、何とぞあの憎きシグフェルめに
 早速ながら再戦を挑む事をお許しいただきたく!」
ゴッドネロス「それはならぬ…!」

血気に逸って出陣を志願するクロスランダーだったが、
ゴッドネロスは厳しい口調でそれを制止した。

ゴッドネロス「シグフェルの抹殺はいずれ万全の準備を期して行なう。
 それまでは一切の手出しを禁ずる!」
クロスランダー「し、しかし…!
 エゴスのホウタイ怪人の捜査により、
 私が修理されている間にシグフェルの正体については判明したとの事。
 自宅や学校まで割れているとなれば、
 抹殺の手立てを考えるのはそう難しい話とも思えませんが」
ゴッドネロス「そちもジャムネもゴチャックも、
 皆シグフェルには敗北を喫した。
 その後、奴はブレイバーズに加入して多くの味方を得たのみならず、
 ザンギャックのキアイドーをも破りますます勢い盛んとなっておる。
 侮りは禁物。準備が整うまで焦って仕掛けてはならん」
クロスランダー「はっ…。心得ました」

それよりも、とゴッドネロスは言い、
指からの光線で空間に立体映像を作った。
そこに映っているのは、海防大学付属高校の校舎である。

ゴッドネロス「クロスランダーが申す通り、
 シグフェルの正体である牧村光平は、
 東京都内の海防大学付属高校に在籍している事が分かっておる。
 海防大学付属高校には、桐原コンツェルン出身の城之内正峰を
 理事として送り込み、エリート選定コースを管轄させて、
 我らネロス帝国の未来を支える有能な人材を育てる場として利用してきた」
クールギン「その城之内理事の秘密を探ろうと、
 先日、天童の手先と思われる忍者が学校内に忍び込んだ」

クールギンが告げると、軍団員達の間にどよめきが起こる。
日本のフィクサーとも言われる有力者の天童菊之丞と、
彼が配下に持つ天童忍軍を知らない者などネロス帝国にはいない。

クールギン「幸い、機密に触れる前にガラドーが追い払ったが、
 シグフェルが通学している学校ともなれば、
 海防大学付属高校がにわかに様々な勢力の注目を集めるのは
 避けられない仕儀であるとは言える」
ゴッドネロス「天童を初めとする日本政府の者どもに、
 エリート選定コースの秘密が漏れては一大事…。
 これまで以上に警戒を強化して奴らの動きに備えよ」
クールギン「場合によっては天童忍軍との全面戦争もあり得る。
 各々、怠りなく備えるべし!」

606凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:26:35
クロスランダー「う〜む、無念だ。
 俺様の体を木端微塵に破壊してくれた恨み、
 今すぐシグフェルの奴に思い切り叩きつけてやりたいものだが…!」
デデモス「帝王のあの仰りようからすると、
 抜け駆けで勝手にシグフェルを討つのは許されそうもありませんな」
ゴチャック「シグフェルの抹殺は万全を期して行なうと帝王は仰せになった。
 機会はいずれ必ず巡って来るという事だ。お焦りなさるな」

そう言ってクロスランダーを宥めたゴチャックだったが、
彼自身もシグフェルに無念の敗北を喫しているためか、
その口調はどこか自分に言い聞かせているような響きもある。

ゲルドリング「それにしても勿体ない事してもうたわい。
 もしシグフェルの正体が海防大学付属高校の生徒やと
 最初から分かっとれば、羽根一枚なんてケチくさい事言わず、
 学校に乗り込んで体ごと帝王の御前に引きずり出してやったもんをなあ」
ドランガー「それは言っても仕方あるまい。
 だが、今まであれほどシグフェルにご執心だった帝王が、
 クールギン殿が羽根の一枚を回収されて以来、
 そのご様子がさっぱりなくなってしまわれたのは妙ではある…」
バルスキー「その羽根を解析しているゾルベゲール博士というのも気になるが…。
 ドグマのテラーマクロに謀叛を企てたような奸臣に、
 帝王は一体何をお命じになっているのか…」

三人の軍団長は互いの顔を見合わせながら首を捻った。
もう一人の軍団長クールギンはゴッドネロスの退席と同時にその場を去っており、
今ここにはいない。

ドランガー「クールギン殿はまた帝王と密談だろうか。
 最近、そのような機会が随分多いようだが…」
ゲルドリング「クールギンの奴、
 最近どうも様子がおかしいと思わへんか?
 何かワシらに隠し事しとるに違いないで」
バルスキー「クールギンは帝王の一番の腹心だ。
 我らに言えぬ秘密があっても仕方はないが、
 この得体の知れぬ状態があまり長く続くようだと全軍の士気にも関わってくる。
 我らは帝王の仰せに従うしかないとは言え、どうも不安だな…」


***ゴーストバンク・密談の間***

ゴーストバンクの一角に、厚い石壁に覆われた密談用の部屋がある。
厳重に閉め切られたその決して広くはない部屋の空気が今、
容易ならざる緊張感に包まれていた。

クールギン「帝王…。この上は率直に諫言申し上げます。
 グライアー計画の実施はどうか中止なされませ」
ゴッドネロス「まだ申すか、クールギン…!」

椅子から身を乗り出さんばかりにいきり立つゴッドネロスに、
クールギンは床に片膝を突き、深く跪いたまま言葉を続ける。

クールギン「シグフェルの正体掴めたりとは申せ、
 奴が一体いかなる存在であるかは未だ不明のまま…。
 そのような未知の力をグライアーに取り込めば、
 想定外の事態を招かぬと誰が断言できましょうや」
ゴッドネロス「シグフェルの細胞はゾルベゲール博士に研究させ、
 その研究データは全て余が目を通し監修しておる。
 そちは余の科学者としての力量を疑うのか」
クールギン「滅相もございませぬ。
 ただ、ゾルベゲールはかつてドグマに謀叛を起こした不埒者。
 今度も何を考えているやら、分かったものではございませぬ」
ゴッドネロス「奴のドグマでの反乱はテラーマクロに看破され失敗した。
 そちは余がテラーマクロとは違い、
 ゾルベゲール如き小物にやすやすと討たれるとでも思っておるのか」
クールギン「無論そのようには思いませぬ。
 しかしグライアーという未知の力は…」

なおも苦言を並べようとするクールギンだったが、
ゴッドネロスは片手を上げて遮り、突然愉快そうに笑い出した。

ゴッドネロス「フフフ…。分かっておる。
 クールギンよ、そちはグライアーを恐れておるのだ。
 余の無二の側近たるそちを脅かす存在をな」
クールギン「………」
ゴッドネロス「余は、目的のためならば手段を選ばぬ。
 余に捨てられたくなくば、せいぜいそちも己が腕を鍛えるがよいぞ」
クールギン「それは重々承知なれど…」
ゴッドネロス「グライアー計画は予定通り決行する。
 明日、改造被験体をゴーストバンクへ連行して最終チェックを行ない、
 異常がなければすぐに改造手術に移る。
 そのための手筈を整えよ」
クールギン「かしこまりました。
 全て帝王の仰せのままに…!」

607凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:29:31
***ゴーストバンク・闘技場***

翌朝…。
ゴーストバンクの闘技場では、
クールギンが部下のタグ兄弟に戦闘訓練の稽古をつけていた。

タグスキー「なっ!?」
タグスロン「うわあっ!」
クールギン「どうした! この程度で押されているようでは、
 ブレイバーズの戦士どもを相手には通用せんぞ!」
タグスキー「ははっ…! も、申し訳ありません軍団長殿!」
クールギン「二人とも、まだまだ修行が足りん…!
 もっと自覚を持って日々の鍛錬に取り組まねば、
 お互い明日の命はどうなるかも分からぬ身なのだぞ」
タグスロン「面目次第もございませぬ…!」
クールギン「鍛えてもう一度出直して来い。
 一週間後に、また相手をして成果のほどを見てやる」
タグスキー「ハハーッ!」

凄まじい剣技でタグ兄弟を圧倒したクールギンは、
いつになく厳しい態度で不満げに立ち去って行った。

タグスキー「ううむ…。軍団長殿に比べれば、
 我らはまだまだ己を甘やかしていたということか」
タグスロン「しかし、最近の軍団長殿はどうされたのだ?
 我らに急に厳しくなったと言うか、
 覇気や闘志が段違いになられたような…」
タグスキー「ブレイバーズが結成されてメタルダーもその一員となり、
 我らの戦いは一層激しく険しいものとなった。
 それで気合を入れ直しておられるのだろう。
 我らがうかうかしていてはお叱りを受けるのは当然だ」
バルスキー「…果たして、それだけの理由かな?」

いつからか二人の背後に立っていたバルスキーは、
腕組みをしながら小首を捻る。

タグスロン「バ、バルスキー殿!?」
バルスキー「クールギンの奴、何か焦っている…。
 何かに急き立てられて危機感を強めているような…。
 そんな気がしないか」
タグスキー「い、言われてみれば確かに…」
タグスロン「しかし、軍団長殿ほどのお方が、
 一体何にそこまで急き立てられているというのです?」
バルスキー「それは分からん。
 だが、強くなろうという奴の心に一抹の雑念が読み取れるのは気にかかる…。
 何かおかしな事にならなければいいがな。
 お前達はクールギンの側近として、
 くれぐれもしっかり支えてやってくれよ」
タグスキー「ははっ、我ら兄弟、命に代えても!」

608凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:32:07
闘技場を後にしたクールギンは地上に出て岩山の上で座禅を組み、
そこで気を統一させていた。
己につきまとう雑念を必死に振りほどこうとしているかのように…。

バルスキー「修行に精が出るな、クールギン」
クールギン「…バルスキーか」
バルスキー「タグ兄弟が腰を抜かしていたぞ。
 お前ともあろう者が、何をそんなに苛立っているのだ」
クールギン「苛立ってなどいない…。
 …いないように、自分を制しているつもりだ」
バルスキー「何があったというのだ?
 今朝、ゲバローズとロビンケンが何か密命を帯びて出動したようだが、
 それと関係があるのか?」

クールギンはすぐには答えず、また座禅の姿勢を正した。
長い沈黙が二人の間に流れる。

クールギン「ここだけの秘密だが…。
 今朝の密命のことは、明日には皆に明かされる。
 お前にだけは先に話しておこう」
バルスキー「む…?」
クールギン「帝王が以前から進めておられる極秘の研究だが…。
 あれは究極の力を持った、恐るべき超怪人を生み出すプロジェクトだ。
 かつてのゴリゴン計画の後継とのことで、
 帝王はこれをグライアー計画と呼んでおられる」
バルスキー「グライアー計画?」
クールギン「今日、ロビンケンとゲバローズに命じられたのは
 その新怪人――グライアーの改造被験体の確保だ。
 被験体に選ばれたのは彩堂寺惟政専務の息子、彩堂寺戒」
バルスキー「あの、お前がよく剣術を稽古しているという若者か」
クールギン「ネロス帝国に、強大な力を持つ戦士が加わるのは良いことだ。
 だが私の見る限り、グライアー計画にはまだまだ技術上の問題が多い。
 特に、謎の戦士シグフェルの細胞を注入して作るとなれば、
 想定外の事態が起きるリスクは避けられんだろう。
 しかもそのグライアーは、完成した折には四軍団のいずれにも属さぬ帝王の直属兵として、
 我らの上に立つことになるという」
バルスキー「そうなれば、ネロス帝国は変わるな。
 何もかもが今のままでは行かなくなる…。
 それを怖れていたのか」
クールギン「怖れてなどいない。
 ただ、グライアーさえあれば我ら四軍団はもはや不要…と
 帝王はお考えになっておられるのではないかと、ふと不安になる時があってな」
バルスキー「帝王を信じることだ。
 帝王の第一の重臣たるお前が、帝王を信頼申し上げていなくてどうする」
クールギン「帝王のことは無論信じている…。
 だがグライアーのことは、たやすく信じるわけには行かん。
 あのような不確定要素の多い新兵器に頼るよりも、
 今ある軍団をしっかり鍛えて行く方がずっと確実というものではないか」
バルスキー「気を揉んでも仕方のないことだ。
 グライアーが問題を起こせば、その時は我らの出番じゃないか。
 ただ俺としては、問題の種を敢えて仕込みかねない、
 あのゾルベゲールという博士のことは気がかりだが…」
クールギン「奴のことは厳しく見張っておく。
 何にせよ、今は大事な時期だ…!」

609凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/11(木) 20:33:30
●ゴッドネロス→クールギンの諫言を退け、グライアー計画の発動を指令。
●クールギン→彩堂寺戒の剣術稽古を行なう。
 グライアー計画の中止をゴッドネロスに諫言するが退けられる。
●バルスキー→グライアー計画についてクールギンに打ち明けられる。
●ゲルドリング→ネロス帝国内で密かに進んでいるらしい謎の計画に不審を抱く。
●ドランガー→ネロス帝国内で密かに進んでいるらしい謎の計画に不審を抱く。
●クロスランダー→破壊されたボディの修理が完了し、戦列に復帰。
●タグスキー→クールギンを相手に戦闘訓練を行なうが圧倒される。
●タグスロン→クールギンを相手に戦闘訓練を行なうが圧倒される。
●ゾルベゲール→グライアーの細胞生成実験に成功する。

△彩堂寺戒→桐原剛造(影武者)の剣術稽古を受ける。

610ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/13(土) 16:38:52
>>604-605より、少し時は遡る…。

――その日の早朝。

***海防大学付属高校・テニスコート***

光平「それっ!!」
慎哉「よっと!!」

今朝はいつもより早めに登校して、2人だけで部活の朝練をしていた光平と慎哉。
だが実は、まだ他に誰も生徒がいない時間帯に2人が学校に来ていたのは、
ある人物たちと待ち合わせするためだった。

滝「朝早くからやってるなあ!2人とも」
光平「…あ、滝さん! 本郷さん!」
本郷「やあ、わざわざ朝早くから呼び出してすまなかった」

やって来たのは本郷猛と、FBI特命捜査官の滝和也だった。
前日に滝から「内密に会えないか?」との連絡があり、
それならばと光平は、まだ校舎敷地内に人の少ない朝練の時間帯を指定したのである。
滝は「実はな…」と話を切り出そうとするが、その前に一瞬、慎哉の方に視線を向けて、
少し迷うような表情を見せた。

滝「………」
慎哉「あの…もし一般人に話し難い内容なら、俺は席を外しましょうか?」

察した慎哉は、自分から席を外そうかと申し出るが…。

滝「いや、せっかくだ。慎哉君も一緒に聞いてくれ。
 光平君、君も桐原コンツェルンの裏の顔については
 もう知っているな?」
光平「はい」

都心の一等地に自社のハイテク超高層ビルを構える日本指折りの大財閥・桐原コンツェルン。
その正体は、世界征服を狙う暗黒組織・ネロス帝国である。
FBIの捜査によると、そのネロス帝国の人材供給源の一つを、
光平たちの通う海防大学付属高校が担っている可能性があるのだという。

慎哉「まさかウチの学校が!?」
本郷「驚くのも無理はない。しかし滝の調べによると、
 海防大学の理事の一人で都議会議員の城之内正峰という男が、
 かつて桐原コンツェルンの幹部社員であったらしい」
光平「………」

話を聞いた慎哉は驚くが、光平には心当たりがあった。
以前に村上峡児と天王路博史が自分をGショッカーに迎え入れようと
学校に乗り込んで来た時、仲介したのがその城之内理事その人だったからだ。

滝「そこで、この学校の生徒である君たちなら、
 何か些細なことでも知らないかと思ってね」
慎哉「城之内理事って言えば、確か同じ学校の
 エリート選定コースを担当しているって
 朱音ちゃんが言ってたなぁ…」
本郷「朱音ちゃん…?」

611ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/13(土) 16:39:36
本郷、滝、光平、慎哉が4人で話していたところへ、
黒髪のロングヘアでスタイルのよいスーツ姿の女性が一人、
こちらの様子に気づいて近づいて来た。

慎哉「あ、噂をすればなんとやらだ。
 お〜い朱音ちゃん!」
朱音「あら慎哉君、光平君、おはよう。
 こんなに朝早くから2人だけで練習とは感心感心♪」

光平と慎哉のクラスの担任にして、テニス部顧問でもある千坂朱音は、
早朝出勤してテニスコートの見回りに来ていたようだ。

光平「本郷さん、滝さん、紹介します。
 この人は俺と慎哉のクラスの担任で
 千坂朱音先生です」
朱音「光平君、この人たちは?」
光平「俺の知り合いの本郷猛さんと滝和也さんだよ」
朱音「千坂朱音です。どうぞよろしく♪」
滝「へぇ〜こんな美人の先生に教えてもらえるだなんて、
 正直光平君たちが羨ましいなあ」
本郷「こちらこそよろしく」

朱音と握手を交わす本郷と滝だったが、
その時何らかの違和感を感じた。

本郷「………」
朱音「どうしました?」
本郷「いや、失礼。貴女の右手にかなり豆が潰れた跡が
 あったようなので…」
朱音「ああ、それはきっと部活の指導中に
 ラケットの素振りで出来たやつですね」

朱音は笑顔で誤魔化すが、それに易々と欺かれるような
本郷と滝ではなかった。

本郷「………(違う。これはラケットの素振りなんかで
 出来た擦り傷ではない)」
滝「………(明らかに剣術の鍛錬で出来た竹刀ダコだ。
 この女、いったい何者だ!?)」




○本郷猛→早朝の海防大学付属高校テニスコートで、牧村光平たちと待ち合わせて話を聞く。初めて出会った千坂朱音を怪しむ。
○滝和也→早朝の海防大学付属高校テニスコートで、牧村光平たちと待ち合わせて話を聞く。初めて出会った千坂朱音を怪しむ。

○牧村光平→早朝の海防大学付属高校テニスコートで朝練の最中、本郷猛、滝和也と待ち合わせ。千坂朱音を本郷たちに紹介。
○朝倉慎哉→早朝の海防大学付属高校テニスコートで朝練の最中、本郷猛、滝和也と待ち合わせ。千坂朱音を本郷たちに紹介。
△千坂朱音→早朝の海防大学付属高校テニスコートで、本郷猛、滝和也と遭遇。

612ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/13(土) 17:32:08
>>609の続き。

***天童菊之丞邸・茶室***

朱音「残念ながらネロス帝国の者どもに阻まれ、
 その全容を掴む事はできませんでした。しかし、
 これで御前の睨まれた通り、あの学校の隠された
 ベールの奥に容易ならぬ事態が進行しているのは
 明らかかと存じます」
菊之丞「………」

邸内の庭園で、竹筒に水が溜まった鹿威しの音が響く中、
茶室で茶を立てている主人に偵察の報告をする千坂朱音。

朱音「その海防大学付属高校エリート選定コースに在籍している
 生徒の一人、同校2年生の彩堂寺戒が、週に一度、放課後に
 市民体育館の剣道場で、桐原コンツェルンの総帥・桐原剛造から
 直々に剣術の個人レッスンを受けております」
菊之丞「なに…?」
朱音「その桐原剛造、おそらくは本人ではなく例の影武者。
 それも彩堂寺戒の育成には並々ならぬ熱意を注いでいる様子…」
菊之丞「その彩堂寺戒とは何者だ?」
朱音「桐原コンツェルンの専務取締役・彩堂寺惟政の息子にございます。
 ただどうやら惟政の実子ではないようです」
菊之丞「………」

剣流星=超人機メタルダーがブレイバーズの一員となっている現在、
かつては秘密のベールに包まれていたネロス帝国の存在も、
今では政府や公安当局の一部関係者には周知の事実である。
当然、ネロス帝国と桐原コンツェルンの関係についても
その情報は天童菊之丞の耳にも届いていた。

菊之丞「それで読めて来た。やはり海防大学付属高校の
 エリート選定コースとやらは、間違いなくネロスの人材供給源。
 彩堂寺戒という少年は改造手術の被験体であろう」
朱音「それにつきまして、FBIの滝和也も今朝早く、本郷猛を伴い
 海防大学付属高校に乗り込みましてございます」
菊之丞「フフッ…さすがはブレイバーズ。もう嗅ぎつけおったか」
朱音「御前、いかが致しましょう。ブレイバーズに先んじて、
 彩堂寺戒がネロス帝国に拉致される前にこちらで保護いたしますか?」
菊之丞「いや、保護するには及ばぬ。消せ」
朱音「御前!?」

非情の命令を下す菊之丞。おそらく彩堂寺戒は、
生まれた頃からネロス帝国の兵器となるべく運命づけられて、
徹底した教育プログラムの下に育てられてきたのだろう。
そのような人間を救ったところで、今更どうなるのだろう。
とても平和な人間社会には適応できまい。それどころか
かえって社会の安定を脅かす存在に成長するかもしれない。

――ならば、天下国家百年の計のため、
災いとなる芽は早めに摘み取るまで。

菊之丞「よいか、その彩堂寺戒という少年の身柄がGショッカー、
 ブレイバーズ、どちらにも渡らぬ前に必ず消すのじゃ!」
朱音「……心得ました」



△天童菊之丞→千坂朱音に彩堂寺戒の抹殺を指令。

△千坂朱音→天童菊之条から彩堂寺戒の抹殺を命じられる。

613ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/14(日) 10:46:19
≪タイトル未定/ユガミ博士様へ提供分≫

***海防大学付属高校・女子陸上部更衣室***

部員A「じゃあ優香、私たち先に帰るから」
部員B「バイバイ♪」

優香「うん、また明日!」

放課後の陸上部の練習時間も終わり、部員たちは続々と
ジャージやユニフォームから制服に着替えて帰宅の途につく。
沢渡優香も、皆に一足遅れて帰りの準備に取り掛かろうとしていた…。

優香「♪〜〜」

更衣室に一人だけになった優香は、楽しそうに鼻歌を歌いながら、
自分のロッカーの扉に手を伸ばそうとした、まさにその時だった!

優香「――!!」

目の前の鏡から突然奇怪な腕が一本ぐいっと伸び、
優香の口元を押さえる形で彼女の顔を力強く掴んだのだ。

優香「むぐっ!うぐううううぅっ!!」

口を塞がれているため、悲鳴にもならない呻き声をあげた優香は、
そのまま鏡の中へと引きずり込まれてしまった…。


***ミラーワールド***

長らく気を失っていた優香が目を覚ました時、
彼女がいたのは見た事もないような薄暗い空間だった。
そして四方には、青白く光るガラスのような透明な壁に囲まれていた。

優香「ここは、いったい……」

気がついたばかりで意識が朦朧とする中、まだ頭がズキズキしていた優香だったが、
ゆっくりと立ち上がり、記憶を辿って状況を整理しようとする。
とりあえず透明な壁を拳で叩いてみたが、ビクともする様子はない。
どうやらこれを蹴り破って脱出するのは無理そうだ。

ベルデ「意外と冷静だな? お前くらいの年頃の女なら、
 俺はてっきり起きた途端にみっともなく
 ギャーギャー泣き叫ぶと思っていたんだがな…」
優香「誰っ!?」

優香の目の前――透明な壁の向こう側には
まるでカメレオンのようなメタリックグリーンの装甲鎧を
全身に纏った怪人が立っていた。

優香「あなた、誰なの…!?」
ベルデ「俺の名は仮面ライダーベルデとでも覚えて頂こう」
優香「仮面ライダー!? じゃああなたもブレイバーズなの!?
 お願い! 早く私をここから出してください!!」
ベルデ「くっくっくっくっ……」

優香の懇願に対して、ベルデはそれをあざ笑う。

優香「何がおかしいの…?」
ベルデ「お嬢さん、まさか仮面ライダーは全員残らず
 正義の味方だとでも思っているんじゃないだろうな?」
優香「どういう意味…?」
ベルデ「人間はみんなライダーなんだよ! そしてこの世の中では
 常に強い人間こそが生き残る。俺はシグフェルを血祭りに上げて
 それを証明する。お前は奴をおびき出すための餌だ」
優香「なんですって!?」

614ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/14(日) 10:47:06
優香はようやく、己のおかれた状況を理解できた。
自分はこの緑の怪人によって、シグフェルをおびき出すための
人質として拉致されたのだ。優香は透明な壁越しに、
ベルデに対して精一杯力強く睨みつけた。

優香「すぐに光平くんが……シグフェルが助けに来てくれるわ!
 あなたなんか、そんな風に余裕で構えていられるのも今のうちなんだから!」
ベルデ「なかなか言うじゃないか、お嬢さん」
優香「早く私をここから出して!」
ベルデ「そんなに出たいなら出してやってもいいが、
 この世界――ミラーワールドでは、ミラーモンスター以外の
 生物は生きていくことは不可能な空間だ。その檻から一歩でも
 外に出た途端、お前は1分も持たずに光の粒子となって
 蒸発してしまうぞ!」
優香「――!?」
ベルデ「それに檻の外では、常にミラーモンスターたちがたむろしているぞ。
 奴らは人間が大好物だからなあ!」
優香「そんな……」

確かにベルデの言うとおり、透明な壁の外側では
不気味な怪物たちが"捕食対象"を窺うが如く、
ずっとこちらを見つめて続けている。

優香「………」

高笑いを挙げるベルデと、がっくりとうなだれる優香。
だがそれでも優香の目は諦めてはいなかった。本当はとても怖い…。
でも彼女はきっと光平が救出に来てくれることを、未だに信じて微塵も疑っていないのだ。
だからそれまでは自分も負ける訳にはいかない!

優香「光平くん…お願い早く来て!」

優香は両手を合わせて神に祈りつつ、今は静かに救出を信じて待つのであった。


●仮面ライダーベルデ→沢渡優香を誘拐してミラーワールドに監禁。

△沢渡優香→ミラーワールドへと連れ去られる。

615ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/14(日) 11:39:51
<<ベルデの最期-導入部>>
ホウタイ怪人によってシグフェルの正体が牧村光平という事が明らかになり、
エゴスからの提供でGショッカーの各組織に光平に関する情報がもたらされた。

高見沢「こいつがシグフェルの正体か。スマートブレインやザンギャックが
 失敗した今、こいつを仕留めれば世紀王候補として一気に株が上がるってものだ」
佐野「でも、GODの怪人を一気に倒してしまう程、強い奴ですよ。
 そんな相手にどうやって・・・・・?」

とてつもない強さを持つシグフェル相手に仕留めようとする高見沢に
佐野は質問する。

高見沢「確かに奴は強い。だったら俺達に有利な場所に引きずり込んで
 やればいい」
芝浦「まさか!」
東條「ミラーワールドに?」
高見沢「そうだ。俺達でも長くいられないミラーワールドだ。
 ミラーワールドの中ならば、シグフェルといえども俺達と
 同様、長くと持たない筈。そこで奴の息の根を止める!」
芝浦「そのシグフェルをどうやってミラーワールドに?」
高見沢「そうだな・・・・・方法は―!」

光平をミラーワールドに引きずり込んで仕留める事にした高見沢は
机の上に置かれた光平に関係する資料を見ながら、どう引きずり込むか
思案すると、その中にあった少女―沢渡優香を利用する事を決めるのであった。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

ミラーワールドにシグフェルを引きずり込んで窮地に追い込むが、
龍騎らが助けに駆け付けた事で、シグフェルは窮地を脱出した。

高見沢「くっ!もう少しで倒せたっていうのに・・・・こいつは新しい
 戦力が必要かもしれないな」
東條「それでしたら、僕に一つ当てが・・・・」
高見沢「・・・・・そいつは良い!すぐに実行だ」

龍騎に邪魔され、シグフェルを倒し損ねた高見沢はシグフェル打倒の
為に、新しい戦力が必要と考えた所、東條はオルタナティブの開発者
である香川英行教授の事を話す。話を聞いた高見沢は香川教授を
連れてきて、オルタナティブを開発させる事を決めた。

>>369に加筆
佐野「・・・・(冗談じゃねえぜ。ミラーワールドに連れて来ても倒す事が
 出来なかったし、このままじゃ俺も間違いなく殺される!・・・・かといって
 このまま逃げ出してもGショッカーに殺されるだろうし、どうすれば・・・・・
 そうだ!この事をブレイバーズに情報を売ろう!城戸に言えばおそらく・・・・・)」

このままでは自分の身が危ないと感じた佐野は、保身を考え
ブレイバーズにオルタナティブの事等をリークする事に決めるのであった。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

一方、とある町。

神崎「・・・・・相変わらず荒れているようだな。浅倉」
浅倉「神崎か・・・・・何時まで待ってもバトルファイトって奴が
 始まらなくってオレはイライラしてしょうがねえんだ。お前でも
 良い・・・・オレとバトルしろ!」
神崎「待て。こいつならお前の欲求を満たしてくれる筈だ」
浅倉「ほう・・・・こいつは何処に行けば戦える?」

とある町で神崎士郎は仮面ライダー王蛇である浅倉威にシグフェルの
事を教える。世紀王同士が争うバトルファイトが始まらない事に
苛立っていた浅倉は神崎からシグフェルの事を教えてもらい、シグフェルと
戦う事を決めるのであった。

616ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/16(火) 10:15:50
>>613に加筆

<ベルデの最期-1>
****高見沢グループ本社・総裁室****
ホウタイ怪人によってシグフェルの正体が牧村光平という事が明らかになり、
エゴスからの提供でGショッカーの各組織に光平に関する情報がもたらされた。

高見沢「こいつがシグフェルの正体か。スマートブレインやザンギャックが
 失敗した今、こいつを仕留めれば世紀王候補として一気に株が上がるってものだ」
佐野「でも、GODの怪人を一気に倒してしまう程、強い奴ですよ。
 そんな相手にどうやって・・・・・?」

とてつもない強さを持つシグフェル相手に仕留めようとする高見沢に
佐野は質問する。

高見沢「確かに奴は強い。だったら俺達に有利な場所に引きずり込んで
 やればいい」
芝浦「まさか!」
東條「ミラーワールドに?」
高見沢「そうだ。俺達でも長くいられないミラーワールドだ。
 ミラーワールドの中ならば、シグフェルといえども俺達と
 同様、長くと持たない筈。そこで奴の息の根を止める!」
芝浦「そのシグフェルをどうやってミラーワールドに?」
高見沢「そうだな・・・・・方法は―!」

光平をミラーワールドに引きずり込んで仕留める事にした高見沢は
机の上に置かれた光平に関係する資料を見ながら、どう引きずり込むか
思案すると、その中にあった少女―沢渡優香を利用する事を決めるのであった。

***海防大学付属高校・女子陸上部更衣室***

部員A「じゃあ優香、私たち先に帰るから」
部員B「バイバイ♪」

優香「うん、また明日!」

放課後の陸上部の練習時間も終わり、部員たちは続々と
ジャージやユニフォームから制服に着替えて帰宅の途につく。
沢渡優香も、皆に一足遅れて帰りの準備に取り掛かろうとしていた…。

優香「♪〜〜」

更衣室に一人だけになった優香は、楽しそうに鼻歌を歌いながら、
自分のロッカーの扉に手を伸ばそうとした、まさにその時だった!

優香「――!!」

目の前の鏡から突然奇怪な腕が一本ぐいっと伸び、
優香の口元を押さえる形で彼女の顔を力強く掴んだのだ。

優香「むぐっ!うぐううううぅっ!!」

口を塞がれているため、悲鳴にもならない呻き声をあげた優香は、
そのまま鏡の中へと引きずり込まれてしまった…。


***ミラーワールド***

長らく気を失っていた優香が目を覚ました時、
彼女がいたのは見た事もないような薄暗い空間だった。
そして四方には、青白く光るガラスのような透明な壁に囲まれていた。

優香「ここは、いったい……」

気がついたばかりで意識が朦朧とする中、まだ頭がズキズキしていた優香だったが、
ゆっくりと立ち上がり、記憶を辿って状況を整理しようとする。
とりあえず透明な壁を拳で叩いてみたが、ビクともする様子はない。
どうやらこれを蹴り破って脱出するのは無理そうだ。

ベルデ「意外と冷静だな? お前くらいの年頃の女なら、
 俺はてっきり起きた途端にみっともなく
 ギャーギャー泣き叫ぶと思っていたんだがな…」
優香「誰っ!?」

優香の目の前――透明な壁の向こう側には
まるでカメレオンのようなメタリックグリーンの装甲鎧を
全身に纏った怪人が立っていた。

優香「あなた、誰なの…!?」
ベルデ「俺の名は仮面ライダーベルデとでも覚えて頂こう」
優香「仮面ライダー!? じゃああなたもブレイバーズなの!?
 お願い! 早く私をここから出してください!!」
ベルデ「くっくっくっくっ……」

優香の懇願に対して、ベルデはそれをあざ笑う。

優香「何がおかしいの…?」
ベルデ「お嬢さん、まさか仮面ライダーは全員残らず
 正義の味方だとでも思っているんじゃないだろうな?」
優香「どういう意味…?」
ベルデ「人間はみんなライダーなんだよ! そしてこの世の中では
 常に強い人間こそが生き残る。俺はシグフェルを血祭りに上げて
 それを証明する。お前は奴をおびき出すための餌だ」
優香「なんですって!?」

617ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/16(火) 10:38:56
優香はようやく、己のおかれた状況を理解できた。
自分はこの緑の怪人によって、シグフェルをおびき出すための
人質として拉致されたのだ。優香は透明な壁越しに、
ベルデに対して精一杯力強く睨みつけた。

優香「すぐに光平くんが……シグフェルが助けに来てくれるわ!
 あなたなんか、そんな風に余裕で構えていられるのも今のうちなんだから!」
ベルデ「なかなか言うじゃないか、お嬢さん」
優香「早く私をここから出して!」
ベルデ「そんなに出たいなら出してやってもいいが、
 この世界――ミラーワールドでは、ミラーモンスター以外の
 生物は生きていくことは不可能な空間だ。その檻から一歩でも
 外に出た途端、お前は1分も持たずに光の粒子となって
 蒸発してしまうぞ!」
優香「――!?」
ベルデ「それに檻の外では、常にミラーモンスターたちがたむろしているぞ。
 奴らは人間が大好物だからなあ!」
優香「そんな……」

確かにベルデの言うとおり、透明な壁の外側では
不気味な怪物たちが"捕食対象"を窺うが如く、
ずっとこちらを見つめて続けている。

優香「………」

高笑いを挙げるベルデと、がっくりとうなだれる優香。
だがそれでも優香の目は諦めてはいなかった。本当はとても怖い…。
でも彼女はきっと光平が救出に来てくれることを、未だに信じて微塵も疑っていないのだ。
だからそれまでは自分も負ける訳にはいかない!

優香「光平くん…お願い早く来て!」

優香は両手を合わせて神に祈りつつ、今は静かに救出を信じて待つのであった。

****朝倉家宅****

トゥルルルルルル トゥルルルルル ガチャ

光平「はい。朝倉です・・・・あっ!奈津子さん」
奈津子『光平くん?そっちに優香がお邪魔していないかしら?』
光平「優香ですか?いえ、来ていませんけど・・・・・」
奈津子『そう・・・・夕飯時になっても、ちっとも帰ってこないのよ。
 だから、光平くんなら優香の行き先を知っているんじゃないかと
 思って電話したんだけど・・・・・あの子、どうしたのかしら。』
光平「えっ?!」

朝倉家の電話が鳴っているので、光平が受話器を取ると、電話してきたのは
優香の母である沢渡奈津子だった。話に聞くと、夕飯の時間になっても
優香が学校から帰ってないらしく、光平に行き先を聞いてきたのであった。

光平「・・・・こっちも優香を探してみます。見つけたら連絡します!」ガチャ
慎哉「・・・・誰からの電話だったんだ?」
光平「慎哉・・・・優香が学校から帰っていないらしいんだ」
慎哉「何だって!?」

受話器を戻すと、光平は慎哉に優香が自宅に帰っていない事を
話すのであった。

618ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/16(火) 11:43:08
****海防大付属高校・校門前****

奈津子から連絡を受けて、優香が自宅に帰っていない事を知った
光平と慎哉は、優香を探す為、雄大にも連絡を入れて海防大付属
高校の校門前に集まる。

雄大「優香先輩、大丈夫でしょうか・・・・もしかして本当に帰りが
 遅いだけかも・・・・・」
光平「いや、優香は帰りが遅くなる時は、かならず家に連絡を
 する筈だ。それが無いって事は何かあったに違いない」
慎哉「とりあえず、手分けして探そう」

光平、慎哉、雄大の3人は手分けして、優香の行方を探し始める。

――10分後。光平は女子陸上部の更衣室の周辺を捜索し始めるが
優香が何処へ行ったのかという手がかりらしきものは見つからなかった。

光平「更衣室なら、優香の行方について何か分かると思ったけど、
 女子更衣室だし、鍵が掛かっているからなぁ・・・・」

捜索を続ける光平は、やがて大きな鏡の前を通る。だが、その時
何らかの気配を感じ取り、思わず鏡の方を見ると、鏡の中には
レイヨウを思わせる茶色い装甲鎧の怪人と白いトラを思わせる
白い装甲鎧の怪人が光平を見ていた。佐野が変身した仮面ライダー
インペラーと東條が変身した仮面ライダータイガである。

光平「―!」
インペラー「こっちに来てもらうぜ!」
光平「うわぁ!」

鏡からインペラーの腕が飛び出し、光平の腕を掴むと
ミラーワールドへ引きずり込もうとする。

慎哉「光平!!」
雄大「光平先輩!」

他の場所を捜索していた慎哉と雄大も、光平の所へ来たのだが、
光平が今まさに鏡の中へ引きずり込まれようとしている場面に
出くわす。

光平「翔・・・着!!」

腕を振りほどこうと、光平はシグフェルに変身するが、時既に遅く
光平は鏡の中へ引きずり込まれてしまうのであった。

慎哉「光平ーーーー!!」

●仮面ライダーベルテ/高見沢逸郎゙→沢渡優香を誘拐してミラーワールドに監禁。
●仮面ライダータイガ/東條悟→優香を捜索しに来た牧村光平をミラーワールドに
   引きずり込む。
△仮面ライダーインペラー/佐野満→優香を捜索しに来た牧村光平をミラーワールドに
   引きずり込む。

◯天凰輝シグフェル/牧村光平→沢渡優香を捜索するが、ミラーワールドに
  引きずり込まれる。
◯朝倉慎哉→光平、雄大と共に沢渡優香を捜索する。
◯沢渡優香→ミラーワールドへと連れ去られる。
◯岡島雄大→光平、慎哉と共に沢渡優香を捜索する。
◯沢渡奈津子→優香が自宅に帰ってきていない事を光平に連絡をする。

619ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/17(水) 11:38:31
<<ベルデの最期-2>>
***ミラーワールド***

シグフェル「うわぁ!」

インペラーとタイガによって、鏡の中に引きずり込まれてしまった
シグフェルは、辺りを見渡すと、左右が反転している事に気が付く。

ガイ「おいおい、彼シグフェルに変身しているじゃないか。
 変身しなかったら、このミラーワールドの空間ですぐに
 灰になったていうのに」
タイガ「す、すまない!」

右肩がサイの角の様になっている装甲鎧の怪人―仮面ライダーガイは
シグフェルを変身しないまま、ミラーワールドに連れてこようとしたらしく、
変身した状態で連れて来たインペラーとタイガに、文句を付ける。

ベルデ「まぁ、変身してしまったのなら仕方が無い。どのみち、
 この空間なら奴とて長く居られない筈だ」
シグフェル「お前達は・・・・・。ん!その後ろにいるのは優香か?!」

そこに仮面ライダーベルデも現れ、その後ろには透明な壁に四方を
囲まれて囚われている優香の姿を見つける。

シグフェル「お前達が優香を攫ったのか!」
ベルデ「そうだ。俺は仮面ライダーベルデ。Gショッカーの世紀王候補だ」
ガイ「同じく、仮面ライダーガイ」
タイガ「仮面ライダータイガ・・・・」
インペラー「・・・・・仮面ライダーインペラーだ」

シグフェルに対して、ベルデ達は自分達の名前を明かす。

ベルデ「この嬢ちゃんには、お前をミラーワールドに連れてくる為に
 利用させてもらった。シグフェル、貴様をこのミラーワールドで
 血祭にあげる為には・・・・・」
シグフェル「くっ、俺を連れてくる為だけに優香をこんな場所へ!
 絶対に許さないぞ!!」
ベルデ「そう粋がるのも今の内だ。やれ!」

優香を攫ったベルデ達に怒りを覚えるシグフェル。ベルデはガイ達に
シグフェルを始末させるよう命令を下すと、インペラーはギガゼールを
始めとするガゼル系モンスターを呼び出し、シグフェルを取り囲む。

メタルバイザーの音声「ストライクベント」
デストバイザーの音声「ストライクベント」
ガゼルバイザーの音声「スピンベント」

そしてガイ、タイガ、、インペラーはそれぞれ、メタルホーン、
デストクロー、ガゼルスタップを召喚し、シグフェルに襲い掛かる。

***海防大付属高校・校門前***
一方、現実世界では鏡の中に引きずり込まれた光平を助けるべく、
慎哉と雄大はブレイバーズに連絡しようと学校の外に出る。

慎哉「とりあえず、チャックさん達に連絡しないと・・・・」
真司「・・・・君達、こんな時間に何をしているんだい?」

ブレイバーズの中で、身近な人物をいえるボーグマンのチャックに
連絡をしようとしていた所、慎哉と雄大に声を掛けたのは城戸真司
だった。

雄大「ええと・・・(どうします?光平先輩の事を話しても信じてもらえそうに
 ないと思いますけど)」
慎哉「(いや、待った。確かこの人前に見かけた事があった筈・・・・)」
真司「あれ?確かそっちの君、前にシグフェル・・・・・牧村光平君と
 一緒に歓迎パーティーに来ていた子だよね?どうかしたのかい」
慎哉「思い出した!貴方は確か、ブレイバーズの歓迎パーティーに
 いましたよね?実は・・・・・」

先日の光平のブレイバーズ歓迎パーティーに参加した慎哉は、
パーティー会場で真司を見かけていたのを思い出す。先程の
出来事を慎哉と雄大は、真司に話す。

真司「・・・・分かった。ここは俺に任せて、君達は他のブレイバーズに
 連絡を頼む!」

事情を聞いて、誰の仕業か察した真司は慎哉と雄大にブレイバーズへの
連絡を頼むと、真司は光平を助けにミラーワールドへ行く為、デッキを
鏡の前に翳す。

真司「変身!」ガシャーン

出現したⅤバックルにデッキを入れるとガラスが割れる音と共に
真司は仮面ライダー龍騎に変身し、ミラーワールドへと飛び込んだ。

620ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/17(水) 12:23:21
***ミラーワールド***

シグフェル「フレアセイバー!!」

ミラーワールドでは迫るガゼル系モンスターを相手に、シグフェルは
フレアセイバーで応戦するが、そこにガイ達も攻撃してくるので苦戦を
強いられる。

優香「光平・・・・」
ベルデ「流石に粘るなぁ・・・・・だが、そろそろか」
シグフェル「うっ・・・・これは!」

応戦していたシグフェルだが、ふいに力が入らなくなる。すると、
シグフェルの身体は、徐々に灰になろうとしていた。

ベルデ「よし、シグフェルもそろそろミラーワールドに耐えられなく
 なってきている。畳み掛けろ!!」
タイガ「それなら、僕がトドメを・・・・」
龍騎「おりゃぁぁぁ!」
タイガ「ぐはぁ!」

そろそろ限界のシグフェルにタイガはファイナルベントを使おうとするが
そこに龍騎が割り込み、タイガを攻撃した。

龍騎「大丈夫か!シグフェル」
シグフェル「貴方は・・・・・」
龍騎「俺は仮面ライダー龍騎。一応ブレイバーズの仮面ライダーだ。
 やっぱり芝浦や東條とつるんでいやがったな、高見沢!!」
ベルデ「ちっ・・・・城戸か。邪魔しやがって!貴様もここで死にな!!」

バイオバイザーの音声「ホールドベント」
ドラグバイザーの音声「ガードベント」

ベルデはバイオバイザーにカードを装填して、ホールドベントを
発動して攻撃するが、龍騎はガードベントを発動して攻撃を防ぐ。

ベルデ「だったら、これだ」

バイオバイザーの音声「クリアベント」

シグフェル「消えた!?」

攻撃を防がれ、ベルデは瞬時にクリアベントを発動して、カメレオンの
様に姿を消す。突然、ベルデの姿が消えた事にシグフェルは驚く。

龍騎「ぐわぁ!!」
シグフェル「ぐふ!!」

そして姿が消えたベルデの見えない攻撃により龍騎とシグフェルは
ダメージを受けてしまう。

ベルデ「今の内だ、やれ!!」

姿を現し、ベルデはガイ達にトドメを刺すように命令し、シグフェルと
龍騎は窮地に立たされる。

ダークバイザーの音声「ナスティベント」

ダークウィング「キシャァァァァァ」
ベルデ「ぬぉぉぉぉ」
ガイ「ぐわぁぁぁ」
タイガ「あ・・・頭が」
インペラー「割れる様にいてぇ・・・・」

突如、そこへコウモリ型モンスター、ダークウィングが現れ
超音波を発し、ベルデ達は混乱状態となった。

ナイト「大丈夫か、城戸」
ライア「遅くなった」
ファム「後は任せて!」
龍騎「助かったぜ、皆!」

そこへナイト、ライア、ファムといった龍騎の仲間である
ミラーライダーが助けに駆け付けた。

インペラー「こ、これって、ヤバイ状況なんじゃないですか(汗」
ベルデ「ちっ、流石にこの人数じゃあ分が悪いか・・・・しかも
 こっちも時間切れになってきやがった。撤退だ!」

シグフェルと龍騎の下に駆け付けたナイト達の登場と、ベルデ達も
ミラーワールドにいられる時間に限界が来てしまった為、撤退を
決める。

シグフェル「ゆ、優香を返せ・・・・」
ベルデ「この嬢ちゃんは、まだ利用価値がある。まだまだ返さねえよ!」
ライア「シグフェル、君もミラーワールドで活動できる時間が限界だ。
 早く戻った方がいい」
シグフェル「くっ・・・優香!絶対、助けるからな!」
優香「光平ーーー!」

ベルデはまだ人質としての利用価値がある優香を連れて撤退。
シグフェルもミラーワールドでの活動時間に限界が来てしまった為、
優香を助け出す事が出来ないまま現実の世界へ帰還するのであった。

621ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/17(水) 13:32:42
***赤龍軒***
ミラーワールドから帰還した光平は、慎哉達と合流し、真司達に
連れられ、リュウレンジャーである天火星亮の店である赤龍軒に
やって来る。光平は優香を救いだせなかった事にショックを受けていた。

光平「優香・・・・」
慎哉「光平・・・・」
亮「・・・・助けられなかった事にショックなのは分かる。だがまずは
 これでも食べて、元気だしな」

亮はショックを受けている光平を元気づけようと、特製の餃子を
振る舞う。

光平「・・・・ありがとうございます。亮さん」
真司「大丈夫だって!高見沢もボロを出したんだ。すぐに奴を
 捕まえて、その子を助け出せるさ」
後藤「・・・・それも難しいかもしれない」
真司「後藤さん・・・・」

真司も光平を元気づけようと高見沢の事を口にするが、そこへ
後藤が赤龍軒にやって来る。

蓮「どういう事だ?」
後藤「高見沢については、以前から探っていたんだが
 奴はここ2、3日海外へ出張していて不在という事に
 なっている。おかげで事情聴取を行うにしても連れてくる
 事が出来ないというわけだ」
慎哉「そんな!沢渡を攫った相手が分かっているというに
 捕まえられないんですか!」
後藤「申し訳ない・・・・だが、必ず高見沢を確実に捕まえられるように
 警察でもブレイバーズでも追っていくつもりだ」

ベルデの正体である高見沢は、警察の捜査が及ばないように
行方をくらましていて、正体が分かっていても捕まえる事が出来ない
警察に慎哉は苛立ちを覚えるが、後藤は「高見沢を捕まえる」と
光平達に約束するのであった。

***高見沢グループ・総裁室***

高見沢「くっ!もう少しで倒せたっていうのに・・・・こいつは新しい
 戦力が必要かもしれないな」
東條「それでしたら、僕に一つ当てが・・・・」
高見沢「香川教授?・・・・・オルタナティブ?・・・・・フム。
 そいつは良い!すぐに実行だ」
芝浦「・・・・・・・」

一方、ミラーワールドから帰還した高見沢達だが龍騎達に邪魔され、
シグフェルを倒し損ねた事によりシグフェル打倒の為に、新しい戦力が
必要と考える。そこに東條はオルタナティブの開発者である香川英行
教授の事を話す。話を聞いた高見沢は香川教授を連れてきて、
オルタナティブを開発させる事を決めた。

◯仮面ライダー龍騎/城戸真司→シグフェルを助ける。
◯仮面ライダーナイト/秋山蓮→シグフェルと龍騎を助けに駆け付ける。
◯仮面ライダーライア→シグフェルと龍騎を助けに駆け付ける。
◯仮面ライダーファム→シグフェルと龍騎を助けに駆け付ける。
●仮面ライダーベルデ/高見沢逸郎→シグフェルを追い詰めるが撤退。
   新たな戦力を得る為、香川英行教授を連れてこようと決める。
●仮面ライダーガイ/芝浦淳→シグフェルと戦う。
●仮面ライダータイガ/東條悟→シグフェルと戦う。高見沢に香川英行
   教授の事を話す。
△仮面ライダーインペラー→シグフェルと戦う。
◯天火星亮→ショックを受けている光平を元気づける為に餃子を振る舞う。
◯後藤慎太郎→高見沢が行方をくらましている事を話す。

◯天凰輝シグフェル/牧村光平→ミラーワールドに引きずり込まれ、優香を
  助けるべくベルデ達と戦うが、時間切れになってしまったので優香を
  助けられずミラーワールドから帰還する。
◯朝倉慎哉→城戸真司に助けを求める。
◯岡島雄大→城戸真司に助けを求める。
◯沢渡優香→ベルデに連れて行かれる。

622ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/18(木) 11:52:54
<<ベルデの最期-3>>
***清明院大学***
かつてミラーワールドの脅威を止める為、独自にオルタナティブを開発し、
ライダー同士のバトルロワイヤルに介入した清明院大学の香川英行教授は
「ライダー同士の戦い」が無かった事により、その記憶は無く一般人として
ごく普通に愛する家族と共に日々を過ごしていた。

東條「お早うございます。香川先生」
香川「東條君ですか。お早うございます。最近はあまり研究室に
 来ないようですが・・・・」
東條「ええ、ちょっと今のバイトが忙しくって・・・・」

ある日、香川は自分の研究室に出入りしている東條悟と挨拶を交わす。
最近はアルバイトが忙しいらしく、あまり研究室に来ていなかったのだが
東條について、それ以上の事は何も思わなかった。

東條「コーヒーを煎れたので、よかったらどうぞ」
香川「ありがとうございます。それでは遠慮なくいただきます」

コーヒーを煎れたという東條の薦めを受けた香川はコーヒーを飲む。
だがしばらくすると、香川は突然眠気に襲われるのであった。

香川「・・・・急に、眠気が・・・」バタッ
東條「・・・・ふふ、一緒に来てもらいますよ。香川先生」

***某研究所***
しばらくして、眠りから目覚めた香川は其処が自分の研究室では
無い事に気が付く。

香川「ここは一体・・・・?」
高見沢「お目覚めになりましたかな?香川先生・・・」
香川「・・・あなたは確か、高見沢グループの総帥を務める高見沢社長!
 それに、東條君まで」

香川の前に現れたのは芝浦や東條達を引き連れた高見沢だった。香川は
以前テレビや雑誌を見た事で、高見沢の事を知っている。

香川「大企業の総帥である貴方が私に何の用です」
高見沢「先生の事は、この東條から聞いてます。先生にはある物を
 造ってほしいのですよ」
香川「ある物・・・?」

高見沢は懐からベルデのカードデッキを取り出して、香川に見せる。
高見沢はそこからミラーワールドや其処に存在するモンスターの存在、
自分達がGショッカーに所属している事を香川に話す。そして高見沢が
香川に造らせようとしているのは、かつての歴史で香川が開発した
オルタナティブだった。高見沢は東條から話を聞き、シグフェルを倒す
新たな戦力としてオルタナティブを投入しようとして考え、その為に
香川教授を拉致したのである。

香川「Gショッカーに、私が協力をすると思っているのですか!」
高見沢「先生には、是非協力してもらいますよ。もしお断りをするのであれば
 それはそれで結構。だが・・・・それならば先生のご家族には大変な目に
遭ってもらおうか?」

正義感の強い香川はGショッカーに協力は出来ないと言うが、高見沢は
鏡の中にいるバイオグリードやデストワイルダー達を見せて、暗に「自分に
協力しなければ、家族を襲わせる」と口調を変えて脅しをかける。

香川「ぐっ・・・・・分かりました。貴方達に協力しましょう」
高見沢「流石は先生!賢明な判断です」

そして香川は家族を人質にされ、オルタナティブの開発と研究を
始めるのであった。

623ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/18(木) 14:16:35

高見沢「例の小娘は?」
芝浦「今は眠らせましたので、おとなしくしています」
高見沢「そうか。オルタナティブが完成し、それが軍団となった時
 シグフェルに仕向ける。その時、小娘・・・・・沢渡優香だったか?
 人質として良い働きをしてくれる筈だ」

優香も香川教授と同じ、高見沢グループが所有する某研究所に
連れてこられ、眠らされていた。高見沢はシグフェルを倒す為、
優香を人質として利用しようと考えていた。

佐野「・・・・(冗談じゃねえぜ。ミラーワールドに連れて来ても倒す事が
 出来なかったし、あの女の子を人質にしたとしても、多分勝てねえ。
 このままじゃ俺も間違いなく殺される!・・・・かといってこのまま
 逃げ出してもGショッカーに殺されるだろうし、どうすれば・・・・・
 そうだ!この事をブレイバーズに情報を売ろう!城戸に言えばおそらく・・・・・)」

このままでは自分の身が危ないと感じた佐野は、保身を考え
ブレイバーズにオルタナティブの事等をリークする事に決めるのであった。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

一方、とある町。

神崎「・・・・・相変わらず荒れているようだな。浅倉」
浅倉「神崎か・・・・・何時まで待ってもバトルファイトって奴が
 始まらなくってオレはイライラしてしょうがねえんだ。お前でも
 良い・・・・オレとバトルしろ!」
神崎「待て。こいつならお前の欲求を満たしてくれる筈だ」
浅倉「ほう・・・・こいつは何処に行けば戦える?」

とある町で神崎士郎は仮面ライダー王蛇である浅倉威にシグフェルの
事を教える。世紀王同士が争うバトルファイトが始まらない事に
苛立っていた浅倉は神崎からシグフェルの事を教えてもらい、シグフェルと
戦う事を決めるのであった。

****某コロニー***

その頃、大気圏に浮かぶコロニーの一つで、世界各国の要人達が
休暇の際に利用するコロニーに、1人の日本の議員が滞在していた。
議員の名前は池原敬三。実は高見沢との間で不正を働いており、
高見沢が行方をくらましたので、自分も疑いがかけられないように
休暇を装って、コロニーに滞在していた。

池原「高見沢め、姿をくらましおって・・・・・・。だが、流石にコロニーに
 滞在している私の方にまで追手はこないだろう。はっはっはっは!!」

池原は日本の公安や警察の追手も、コロニーまでは来ないだろうと
高をくくり、女性を侍らせながらコロニー内にあるバーで酒を飲んでいた。

????「不正の疑いが掛けられないように、コロニーへ高飛びか。
 いいご身分だな」
池原「うーん、誰かね?日本で議員をしている私に失礼な事を言うのは」

酒を飲んで酔っ払っている池原議員に、突然失礼な事を言う人物が
背後から聞こえてくる。

ボーイ「お待たせいたしました。この店一番の高級酒にございます」
???「ありがとう。支払いはコレで頼む」
池原「―!そ、それはザイナース社のゴールドブラックカード!
 まさかっ!!」

その人物は店のボーイが持ってきた高級の酒に対して、金と黒で
出来たカードを見せる。池原は、それがザイナース社のゴールド
ブラックカードという事に気付き、その人物が誰か察する。

池原「な、内閣権力犯罪強制取締官の財前丈太郎か!」
財前「Da Bomb!!さて、高見沢との詳しい話を聞こうじゃあないか」

高見沢グループとの不正を調べに、コロニーまで来た内閣権力犯罪
強制取締局(G.C.I.A.)の取締官、財前丈太郎は自身の身分証明書でも
あるザイナース社のゴールドブラックカードを池原に見せつけながら
池原を確保するのであった。

624ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/18(木) 15:06:25
●高見沢逸郎→香川英行にオルタナティブを開発させるよう協力させる。
●東條悟→香川英行を高見沢の下へ連れてくる。
△佐野満→自身の保身の為、オルタナティブの事などの情報を
   ブレイバーズに話す事を決める。
△香川英行→高見沢にオルタナティブを開発するよう協力させられる。
●浅倉威→神崎士郎からシグフェルの事を教えられる。
●神崎士郎→浅倉威にシグフェルの事を教える。
◯財前丈太郎→池原敬三と高見沢グループの不正を調べる為、
  コロニーにやって来て、池原を捕まえる。

◯沢渡優香→高見沢グループの研究所に連れてこられ、眠らされる。
●池原敬三→高見沢との間で不正を働いており、その疑いを掛けられ
  ないように、コロニーに滞在するが、財前丈太郎に捕まる。

【今回の新登場】
△香川英行=オルタナティブ・ゼロ(仮面ライダー龍騎)
 清明院大学の教授。瞬間記憶能力を持つ天才で、知的で滅多に感情を
 表に出さないが、強い正義感を持ち合わせている。家族は妻と息子による
 3人家族。偶然、神崎士郎の研究資料を読んだ事でミラーワールドの事を
 知り、士郎の研究とミラーワールドの脅威を止める為、疑似ライダーである
 「オルタナティブ」を開発し、自身も「オルタナティブ・ゼロ」に変身した。
 「大多数を救う為、小数を犠牲にする」という考えを持っており、神崎優衣の
 抹殺を画策した。

●浅倉威=仮面ライダー王蛇(仮面ライダー龍騎)
 関東拘置所に拘留されていた凶悪殺人犯で、感情のままに殺人や
 暴行を繰り返してきた。ライダーバトルを円滑に進める存在として
 神崎士郎からカードデッキを渡されて脱獄。無罪にする事が
 出来なかった北岡秀一を逆恨みして、事ある事に付け狙っている。
 ライダーバトルという殺し合いそのものを楽しんでおり、生き残った
 暁にはさらに戦い続ける事を願うつもりでいた。

◯財前丈太郎(内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎)
 内閣権力犯罪強制取締局に属する捜査官の1人で、政界の巨悪を
 取り締まる事に全てを賭けている。警視庁勤務時に殉職した事にされ
 内取が創設するまでの間、英国に渡英して、SASに入隊し、数々の
 武勲を上げた。あるミッションでイギリスの石油王の子息の救出に成功した
 ことへの感謝の証として、ザイナース社のゴールドブラックカードを所持するに
 至り、カードの支払いはパトロンである石油王が全て負担している。

●池原敬三(闘争の系統オリジナル)
 高見沢逸郎と共に不正を働いていた日本の国会議員。高見沢逸郎が
 行方をくらました事で、疑いをかけられないようにコロニーに逃げていたが
 財前丈太郎によって捕まる。

625凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/18(木) 22:07:01
***東京・彩堂寺邸***

学校が休みの祝日。
彩堂寺戒は何をするでもなく、広い屋敷の居間にただ一人でいた。
養父の彩堂寺惟政は、桐原コンツェルンの重役だけあって忙しく、
今日も朝早くから休日出勤である。

戒「………」

何か不穏な胸騒ぎがする。
戒が顔をしかめたその時、ポケットに入れていた携帯電話が鳴った。
桐原剛造からの着信である。戒は急いで通話ボタンを押し、
尊敬する師からの電話に出た。

戒「…えっ、食事ですか?」
桐原@電話の声「うむ。我がコンツェルンが
 最近買い取ったばかりの五つ星ホテルがあるのだが、
 そこのフランス料理がなかなか美味でね。
 久々に一緒にランチでもどうかと思ったのだが…」
戒「でも、いいんですか?」
桐原@電話の声「遠慮は要らない。
 君もいつも多忙なスケジュールをこなしていて大変だろう。
 たまには息抜きにどうかね」
戒「ありがとうございます。
 では、お言葉に甘えさせていただきます」
桐原@電話の声「11時頃に我が社の者を迎えに行かせる。
 ホテルのロビーで落ち合おう」

こうして桐原から昼食に誘われた戒は、
正装の黒いモーニングコートに着替えて迎えの車を待っていた。
やがて一台の黒いリムジンが屋敷の前に止まったのを見て、戒は玄関を出る。

運転手「さあ、乗りなさい」
戒「…よろしくお願いします」

命令口調でいまいち愛想の良くない運転手に憮然としかけた戒だったが、
ともかくリムジンの後部座席に座りシートベルトを締める。
車はそのまま走り出した。

戒「あの…、どちらのホテルに連れて行って下さるんですか?」
運転手「………」

運転手は無言のままリムジンを走らせる。
先程から、バックミラーやサイドミラーに不自然なほど頻繁に目をやって
何かを警戒しているような様子だ。
どうもおかしい…と戒が不審に思った刹那、
車の片方の前タイヤが突然パンクし、
リムジンは激しい摩擦音を立てながらスピンした。

戒「なっ…!?」
運転手「しまった!」

ブレーキをかけるのも間に合わず、
方向感覚を失ったリムジンは歩道に乗り上げ、
住宅の塀に衝突する。

戒「っ…!」
運転手「………」

かなりのスピードで塀に突っ込んだため衝撃は大きかった。
後部座席に座っていた戒に怪我はなかったが、
運転手は全身を強打し失神してしまっている。

戒「大丈夫ですか? しっかりして下さい!」
運転手「ううっ…」

運転席に身を乗り出して運転手を揺すり起こそうとする戒だったが、
次の瞬間、何者かが車のボンネットに飛び乗ったかと思うと、
ひび割れていた車のフロントガラスが突き破られ、
鋭い太刀が勢いよく運転席に刺し込まれた!

626凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/02/18(木) 22:09:06
車内に飛び散る鮮血。
シートにもたれるように座っていた運転手の胸を太刀が貫き、
一瞬でその命を奪った。

戒「ひっ…!?」
天童忍者A「外したか!」

リムジンのボンネットに乗った忍び装束の男――天童忍軍の刺客は、
そう言って太刀をフロントガラスから引き抜いた。
今の台詞からして、標的は運転手ではなく戒なのだ。
刺客は再び戒を狙って太刀を車内に刺し込もうと構える。

天童忍者A「ぐわっ!」

殺される…! 戒が目を瞑った時、
断末魔の声と共に天童忍者はボンネットから転がり落ちた。
その首筋には一本のスローイングナイフが刺さっている。

ロビンケン「邪魔はさせんぞっ!」

ナイフを投げたのは、迷彩柄のアーマーを纏った
ネロス帝国のヨロイ軍団爆闘士ロビンケンであった。
素早くリムジンに駆け寄ったロビンケンは、
窓ガラスを叩き割ってドアロックを解除し車の戸を開けると、
車内にいた戒を強引に外へと引きずり出す。

戒「何をする!?」
ロビンケン「こうなっては已むなし。
 このまま連れて行くしか策はあるまい!」
戒「やめろ! 離せっ!」
ロビンケン「…!? 伏せろ!」

暴れて抵抗する戒をロビンケンが無理矢理担ぎ上げようとした刹那、
物陰から一本の吹き矢が飛んで来た。
ロビンケンは戒を上から押さえつけるようにして伏せさせ、矢をかわす。
リムジンの車体に突き立った矢をロビンケンが引き抜くと、
鏃には毒らしき黒い液体が塗られていた。

ロビンケン「毒の吹き矢とは、さては忍者さそりか!」
忍者さそり「………」

雑木林の陰から顔を覗かせたのは、
偵察や暗殺を得意とする天童忍軍の吹き矢の使い手・忍者さそりである。
忍者さそりはロビンケンの声には答える事なく、
次々と吹き矢を戒に向けて飛ばす。

ロビンケン「大事な被験体を死なせてなるか!」

戒の前に立ち塞がり、ロビンケンは飛来する毒矢をロングナイフで叩き落とす。
忍者さそりは腰の忍者刀を抜き、疾風の如き速さでロビンケンとの距離を詰めると
そのまま激しく斬りかかった。

忍者さそり「彩堂寺戒なる者、渡すわけには行かん!」
ロビンケン「天童の鼠どもがあれこれ嗅ぎ回っているとは聞いていたが…。
 聖天子付きの補佐官ともあろう方が、手を出してよい相手とそうでない相手の
 区別も付かんとは笑止千万。
 我らに楯突けばどうなるか、よく学習していただく必要があるようだ」
忍者さそり「お主らこそ、一度は敢えなく滅びた身でありながら、
 性懲りもなく身の程知らずな野望を抱き続けるなら痛い目を見ようぞ」
ロビンケン「言わせておけば!」

忍者さそりの忍者刀が唸りを上げ、ロビンケンのロングナイフが銀閃の光を放つ。
両者が戦っている隙に、戒はその場から逃げ出した。

戒「くっ…! 一体何がどうなっているんだ!?」

627ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:18:28
その日、学校は祝日で休みだったが、午前中に部活動の練習があった
牧村光平と朝倉慎哉、それに校門のところで偶然合流した沢渡優香の3人は、
「せっかくだから」と途中まで一緒に帰ろうということになった。

優香「でもよかった。光平くんたちも午前中で
 部活の練習が終わってて」
光平「なんでも朱音ちゃんが"急用があるから"って、
 午後からの練習が急に中止になってさ」
慎哉「いったいどんな用事だったんだろうな?」

そして最寄りの駅までの道のりの途中、
楽しくお喋りしながら曲がり角に差し掛かったところで、
光平はいきなり飛び出してきた何者かとぶつかった。

光平「うわっ!?」
戒「くっ…!?」

互いによろめく光平と戒。

光平「……君は、確か?」
慎哉「お前、彩堂寺じゃないか!?」

戒「………」

よく見ると、戒の着ているモーニングコートは所々埃がかかり
ボロボロになっている。

慎哉「どうしたんだその格好!?」
優香「怪我をしてるじゃない!?」
戒「どけっ! 邪魔だ!」
慎哉「お前、道端で人にぶつかっといて
 "ごめんなさい"も無しか?」
戒「近寄るな! 俺は追われている!」
光平「"追われている"って……?」

ひどく狼狽している様子の戒の様子に、
全く訳が分からない光平たち。

光平「――!? 危ない!!」
慎哉「えっ!?」
優香「キャアッッ!!」
戒「――!!」

いきなり背後から振り下ろされたハンマーから、
慎哉、優香、戒の3人を庇って咄嗟に床に伏せる光平。

628ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:19:07
ゲバローズ「チッ…外したか」
光平「お前は!?」

光平には、目の前に立つ、両腕をペンチやハンマーの形状になっている
奇怪なロボットには見覚えがあった。確かブレイバーベースにあった資料で見た、
ネロス帝国の戦闘ロボット軍団・激闘士ゲバローズ!

光平「彩堂寺、お前を狙っているのはコイツか?」
戒「………」

光平の問いかけに、戒は何も答えない。

ゲバローズ「牧村光平、その小僧をこちらに渡せ!」
光平「やだと言ったら?」
ゲバローズ「全員始末するまでだ!」
慎哉「この野郎ォォォッ!!!」

慎哉はテニスラケット片手に振り回して
果敢に挑もうとするが…。

光平「よせっ! 慎哉!!」
優香「朝倉くん!?」
ゲバローズ「ふんっ、こんな物!」

ゲバローズはラケットを軽々と受け止め、
真っ二つに叩き折ってしまった。

慎哉「…お、俺のラケットがぁ〜!
 バッキャロォ…!! これ高かったんだぞ!!」。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン
ゲバローズ「そんなこと俺が知るか!」
光平「慎哉、優香! ここは俺に任せて、
 彩堂寺を連れて早く逃げるんだ!」

光平は変身のポーズを取る。

光平「――翔着(シグ・トランスッッ)!!」

紅蓮の炎に一瞬包まれた光平の姿は、
背中にある二枚の翼を羽ばたかせ、
天凰輝シグフェルへと変わった。

戒「ま、牧村…お前!?」

目を見開いて驚く戒。

シグフェル「さあ、ぐすぐすしてないで早く!」
慎哉「わかった! さあ彩堂寺も早く!」
戒「あ、ああ…」
優香「気をつけて…」

慎哉たちを先に逃がし、ゲバローズと対峙するシグフェル。
その様子を密かに遠くの家屋の屋根から窺っている忍者集団がいた。

天童忍者B「朱音様、ここはいっそゲバローズ共々シグフェルを…」
朱音「待て。菊之丞様のご命令はあくまで彩堂寺戒の始末だ。
 ここはわたしに任せろ」

629ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:19:43
いつしか戦いの場を、解体工事中の廃ビル内部へと移すシグフェルとゲバローズ。
ゲバローズは高い身体能力を活かした俊敏な動きを利用して、廃ビル内の鉄骨を
ハンマーで次々と破壊。まるでシグフェルの頭上を狙ったかのように、
コンクリートの塊が途切れることなく崩れ落ちて来る。

シグフェル「くそっ!! これじゃあキリがない!」

崩落してくる天井が邪魔して、シグフェルはなかなかゲバローズに近づけない。
「ヴァジェト・レイ」を使って全部まとめて吹き飛ばす手もあるが、
街中でそれをやるのは被害が大き過ぎる。

ゲバローズ「フハハハハ!! この狭い空間の中では、ご自慢の飛翔能力も発揮できまい!
 この勝負、もらったぁ!!」

ゲバローズは身動きの封じられたシグフェルに回り込んで近づき、
一気に攻勢に転じようとしたその時だった。
廃ビルの入り口から、2台のバイクの駆動音が鳴り響いた。

シグフェル「この音は…!?」
ゲバローズ「なにっ!?…ぐわあああっ!!!!!!!」

2台のサイクロン号がゲバローズめがけて豪快に体当たりした。
連絡を受けた仮面ライダー1号2号が救援に駆け付けたのだ。
廃ビルの外にまで吹っ飛ばされるゲバローズ。

シグフェル「本郷さん! 一文字さん!」
ライダー1号「シグフェル、あいつの相手は我々が引き受けた!」
ライダー2号「ここは我々に任せて。お前は早く慎哉君と優香ちゃんたちの後を追え!」
シグフェル「わかりました! ここは頼みます!」

シグフェルはダブルライダーにこの場を任せ、
一足先に廃ビルから飛び立ち、戒を連れて一緒に逃げているはずの
慎哉と優香の元へと向かった。

◇    ◇    ◇

とりあえず郊外の廃墟の一角に身を潜めていた慎哉たち。
そこへシグフェルが合流するためやって来た。
空からゆっくりと地表に降り立ち、変身を解除して光平の姿に戻る。

慎哉「光平、あのロボットみたいな怪物は?」
光平「仮面ライダー1号2号が来てくれて、なんとか追っ払ってくれたよ」
優香「そう、よかった…」

戒「………」

光平から話を聞いて、安心そうに胸を撫で下ろす慎哉と優香だったが、
先程から戒だけは、無言のままじっと光平の顔を睨んでいる。
慎哉の話によれば、彼はさっきからずっとこんな状態だという。

630ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:20:41
その戒が、初めて重い口を開いた。

戒「まさかお前が、あの天凰輝シグフェルだったとはな…」
光平「………」
戒「どういうつもりだ牧村?」
光平「どういうつもり…って、俺たち、同じ学校の友達だろ?」
戒「俺はお前たちと友達になった記憶もなければ、
 助けてくれと言った覚えもない」
慎哉「こいつ…! せっかく助けてやったのに何だよその言い草は!?」

慎哉は戒の態度に怒るが、光平は気にせず冷静に事情を聞こうとする。

光平「あいつらについて何か心当たりは?」
戒「ない! あんな化け物に襲われる覚えなんかあるわけないだろ。
 俺はただ、桐原社長から昼食に招待されていただけだ」
光平「…桐原? もしかしてそれって、桐原コンツェルン総帥の
 桐原剛造のことかっ!?」
戒「それがどうした?」
光平「いいか彩堂寺、落ち着いてよく聞くんだ。
 桐原コンツェルンの本当の実態はネロス帝国と言って、
 Gショッカーの一部を形成している悪の地下組織なんだ!」

光平のこの言葉に、普段から桐原剛造を師と仰いでいる戒は激しく反発する。
今まで冷たいように無表情だった戒の顔に、感情という物が露わになった。

戒「牧村、お前寝ぼけてるのか!?」
優香「光平くんの言っていることは本当よ!
 お願い、信じて!」
戒「黙れ! 言うに事欠いて桐原先生がGショッカーだと!?
 これ以上先生を侮辱すると許さんぞ!!」
光平「………」
戒「…そうかわかったぞ。お前ら、成績上位者でエリートでもある俺の事を妬んで
 そんな出まかせを並べてるんだな?」
光平「彩堂寺! 俺はそんなつもりは!」
戒「これ以上は余計なお世話だ! 自分の身くらい自分一人で守れる。
 放っておいてもらおう」

ここで優香が、戒の頬に一発平手打ちをお見舞いする。

戒「……!?」
優香「いい加減にして! 光平くんも朝倉くんもわたしも、
 本気であなたを心配しているのよ!」
戒「沢渡……」

優香を呆然と見つめている戒。その時突然、四方から
数枚の手裏剣が彼らめがけて投げつけられてきた。

光平「危ないっ!!」

咄嗟にラケットを握った光平の機転で、
飛んできた手裏剣のほとんどは地面に叩き落とされ、
他に何枚かはラケットの柄の部分に突き刺さっている。

光平「………」
慎哉「な、なんだ!?」

631ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 11:21:24
気がつくと光平たちは、いつの間にか
見た事もないような黒ずくめの集団に取り囲まれていたのだ!

優香「に、忍者…!?」
戒「………」

戒は記憶を辿り思い出していた。車に乗っていた時に
自分を襲ってきた忍者と、明らかに同じ装束姿をしている連中だ。

光平「お前たちもネロス帝国の仲間か!?」
戒「違う…。こいつらは俺を連れて行こうとした
 奴らとは別口の連中だ」
光平「なんだって!? どういうことなんだ…」

忍者たちの指揮官らしき女忍者が前に出た。
覆面をしているため顔は分からない。

朱音「彩堂寺戒をこちらに渡しなさい!
 そうすればあなたたちに危害は加えないわ」
光平「どうしてだ! なんで彩堂寺を狙うんだ!?」
朱音「あなたたちには関係の無いことよ」
光平「………(この女忍者の声、どこかで聞いたような…?)」

話しかけて来た女忍者の声に、なんとなく聞き覚えを感じた光平だったが、
今はそんなことを気にしている余裕はない。黒ずくめの忍者集団には
誰一人として一部の隙もなく、鋭い殺気をこちらに放ち続けている。
かなり腕の立つ暗殺集団に違いない。
果たして、戦闘には素人である慎哉と優香、そして軽傷を負っている戒の3人を
無事に守りきれるだろうかと光平は焦りを覚えていた。
少しでも隙を見せればこちらが殺られるッ…!
そんな緊迫した状況が続く…。

632ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 14:14:53
≪サラジア&異世界アセーリアでの一連の問題が解決した後の後日談≫

天凰輝シグフェルの活躍によって独裁者アルハザードが倒され、
平和主義の民主国家として再出発する事になったサラジア。
一方、異世界アセーリアでもアルハザードの死によってサラジア軍の士気は崩壊。
ラウール王子率いる軍勢が王都ネクナールを奪還してメルヴィオン全土を制圧した。

アルハザード配下のエージェンドSSS3が、実はサラジア軍に捕えられ洗脳されていた
ラウール王子の姉姫だった事が判明。沢渡家で保護されている姉と再会するため、
ラウールは僅かな供を連れて地球の日本を極秘訪問する。
リリーナ・ドーリアン外務次官は、リー・ウェンことヤン・ウェンリーに
ラウール一行の護衛を依頼。ヤンはシェーンコップに命じて、
ワルコップ警備保障会社=薔薇の騎士(ローゼンリッター)連隊に
ラウールたちをこっそりと警護させる。

ところが、なぜかラウール一行とSSS3の命を天童忍軍が狙い始めた。

組頭「朱音、事と次第によっては牧村光平諸共殺す事も考えなければならぬ」
朱音「えっ…!?」
組頭「どうかしたのか?」
朱音「いえ、別に…」
組頭「とにかく牧村光平から目を離すな。ここでしくじっては
 天童の御前に申し訳が立たぬ」

これまで海防大学付属高校で担任教師兼部活顧問として
長い間、光平たちと学校生活を共にしてきた朱音には、
すでに人の情が芽生えつつあったのだった。

そしてついに朱音の正体が、慎哉や優香にも明らかになる日がやってきた。

朱音「確かにわたしは天童のくノ一でした。ついさっきまでは…」
慎哉「嘘だろ…!?」
優香「まさかっ…!?」
リー・ウェン「朱音先生、お前さん、そんなことを
 我々に言ってしまってもいいのかい?」
朱音「構いません。わたしみたいな忍び一人がどうなろうと、
 世の中がどうこうなるわけじゃありませんから」
光平「朱音ちゃん…」

そして朱音は、抜け忍として天童忍軍から命を狙われる事になった。

お蝶「朱音、掟だよ。裏切り者は生かしておく訳にはいかないねえ」
朱音「お蝶、わたしを仲間と戦わせるつもりか!?」

くれないお蝶率いる忍者たちに襲われる朱音。
彼女の後を追いかけて来た光平が助けに加わる。

朱音「光平君!?」
光平「朱音ちゃん、もう朱音ちゃんの仲間はコイツらじゃない!
 俺たちブレイバーズだ!」
朱音「逃げなさい! あなたには関係のない事よ!」
光平「ヤだね! そんなことをしたら、
 もう先生の面白い授業が受けられなくなる!」
朱音「光平君、まだあなたはわたしのことを
 先生と呼んでくれるの?」
光平「当り前じゃないか!」

戦闘中、どこかから飛んできた毒の塗られた手裏剣が、
光平を庇った朱音の左腕に突き刺さった。

朱音「危ない!? うっ――!!」
光平「朱音ちゃん!?」

633ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 14:15:25
光平に朝倉家まで運び込まれ、
布団の上で三日間高熱にうなされた朱音だったが、
応急処置と看病の甲斐もあり、無事に峠を越えた。

蓮太郎「気がついたみたいだな?」
朱音「光平君…それに皆さん、ありがとうございます……」
優香「よかった…」
慎哉「一時はどうなることかと思ったよ…」
光平「もう大丈夫みたいだな」

ゆっくりと起き上った朱音は、詳しい事情を話し始めた。

朱音「光平君、悪い事は言わないわ。
 今度だけはこれ以上関わり合いにならない方が…。
 天童のお殿様でさえ、今はその男には逆らえないのよ。
 その男を相手にする気なの?」
リー・ウェン「やはりそんな大物の黒幕がいたのか…」
佳代「朱音先生、アンタ…そいつの名前を知ってるね?」
朱音「……連邦開発投資銀行の総裁、堂前景勝よ」
光平「堂前景勝……」

堂前 景勝(どのまえ かげかつ)。日本の元財務大臣であり、
現在は地球連邦政府系の国際金融機関である、
「連邦開発投資銀行(Federal developmentinvestment bank/略称:FDIB)」
の総裁職にある男だ。


***天童菊之丞邸***

翌日、朱音は処罰を覚悟で天童邸に出頭した。

朱音「すでにお聞き及びの事とは存じますが、
 わたしにはあの子を……光平君を殺す事は出来ません。
 わたしはこの目で見て来ました! 光平君も、そしてブレイバーズの皆さんも、
 日本の国家体制を覆そうなどという大それた野心は微塵もございません。
 今はただただ…生き別れになった異世界の姉弟を再び巡り合わせてあげようと、
 それだけでございます! わたしはどうなっても構いません!
 ですが…どうか牧村光平君にだけは閣下のお力を持って、
 何卒御咎めなきよう」
菊之丞「………」

菊之丞は、朱音の願い出に一切答えることなく、
一方的にバチンッと障子の襖を閉めてしまった。

朱音「御前!?……御前!!」


***堂前景勝邸***

ムンタキル「堂前先生、重ね重ねの失態、誠に申し訳ございません」
堂前「………」

アルハザード政権崩壊後のサラジアから姿を消していた
ムンタキル首相だったが、なんと堂前景勝の許に身を寄せていた。

堂前「それで、あの千坂朱音とかいう裏切り者のくノ一はどうしたのかな?」
ムンタキル「はい。命は取り留めて、天童菊之丞に詫びを入れたそうですが、
 菊之丞は一言も口を利かずに追い返したそうで…」
堂前「追い返した? そうか。ではまだ慌てる事はないのだな」
ムンタキル「…と、申されますと?」
堂前「天童がこちら側についている限り、シロをクロと言いくるめる事もできるのだ」
ムンタキル「は…?」
堂前「天童にも泣き所はある。日本国内のみならず海外にまで津々浦々に張り巡らされた
 天童忍軍配下の諜報網を維持するための膨大な経費の一部を、わしが黙って払ってやっているのだ。
 …ま、多少は臭いと思ったところで、天童がこのわしに逆らうことはあるまい」
ムンタキル「なるほど、さすがは先生! そこまで利用している天童にも、
 例の利権のからくりは何一つ漏らしていないのですからな♪」

ムンタキルは、サラジアから密かに持ち出した石油資源や
異世界アセーリアに関する情報資料を堂前に売り渡しており、
それを使って堂前は、サラジアとメルヴィオンの利権を
食い物にしようと企んでいた。

堂前「メルヴィオンの地下資源を根こそぎ独占するだけで、
 儲けは何百兆にも達しよう。笑いが止まらん。ふはははは…」

すでに堂前は配下の私兵として、大勢のテロリストたちを雇い入れていた。

634ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/19(金) 14:16:21
シグフェルとラウール王子、そして千坂朱音は
決着をつけるべく堂前の屋敷へと乗り込む。

堂前「これはこれは、ようこそ天凰輝シグフェル。
 この堂前景勝の力をわざわざ見においでかな?」
シグフェル「………」
ラウール「………」
朱音「………」
堂前「お前たちがここで命を落とすのもまた当然!
 それは、お前たちが金の力を甘く見た報いだ。死ねい!」
シグフェル「お前の言う金の力がどれほどのものか、
 見せてみろ!」
ラウール「堂前景勝! 所詮金で雇われた人間が、
 命までかけると思うか!?」
堂前「黙れい! 世の中金が全てだ!
 天童も金で買ったのじゃ!!」

蓮太郎「そいつは違うな!!」

ここで、里見蓮太郎と藍原延珠が遅れて現れる。

蓮太郎「天童はお前たちなんぞに屈しちゃいねえよ」
堂前「なんだと!?」
蓮太郎「ここ一連のFDIBの不正な錬金術のカラクリが
 掴めるのを待っていただけさ!」
ムンタキル「貴様!?」

あの後、天童菊之丞に直談判に赴いていた蓮太郎は、
そこで実は、天童が内偵捜査のために一時的に
堂前と手を組んでいたフリをしていただけ
だった事を知らされていたのであった。

蓮太郎「朱音さん、菊之丞とは話をつけて来た。
 "当面は好きにしていい"とあのジジイからの言伝だ」
朱音「蓮太郎さま…」

蓮太郎からの気遣いに感謝する朱音。
いよいよ追い詰められた堂前とムンタキルは、
邸内奥の研究施設からステージIVのガストレアを繰り出してきた。

堂前「こんな時のために今まで飼い慣らしておいたのだ!
 お前たち全員皆殺しにしてくれる!」

蓮太郎「行くぞ延珠!」
延珠「了解なのだ蓮太郎!」

バトル開始。果たして堂前の企てを阻止できるのか!?

635ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 10:44:14
<<ベルデの最期-4>>
優香が連れ去られ、香川教授がオルタナティブの開発を高見沢から
強要されてから、およそ一週間が経過した。あれ以来、高見沢の所在は
掴めず、光平達は何かしらの進展は無いものかと、赤龍軒を訪ねていた。
そこに1人の人物が訪ねてくる。

佐野「お、お邪魔しま〜す(汗」
真司「お前は、佐野じゃないか!?」
蓮「貴様、何しに此処へ来た!」
佐野「ま、待ってくれ!!戦いに来た訳じゃないんだ!話を聞いてほしいんだ」
真司「話?」
光平「あの、この人は?」
美穂「佐野満・・・・あなたを襲った仮面ライダーインペラーに変身していた男よ」
雄大「何だって!?」
慎哉「沢渡を攫った連中の仲間が何故、ここに!?」

敵である筈の佐野が光平や真司達の前に現れた事で不審に思うが、とりあえず
佐野の話を聞く事にした。そして佐野の話というのは、高見沢が香川教授を
拉致して、家族を人質にオルタナティブを開発させている事だった。

佐野「その香川教授が開発させられている高見沢グループの極秘の
 研究所には、その優香っていう嬢ちゃんも囚われているんだ。
 そこの坊主にとって研究所の場所は是非、知りたい情報だろ?」
手塚「何故、俺達にそんな話をする?」
佐野「正直、俺はもうライダーを辞めたいんだ。そりゃ、俺が会社を継ぐとかって
 話も無くなっちまっているけど、このまま居ても俺に幸せが来るとは
 思えねぇ。だからあんた達に話をして、出来ればそのままGショッカー
 から足を洗えないかなぁ・・・・と(汗」
蓮「ふん、最低な奴だな貴様は!」

佐野が真司達に香川教授の事を話した理由を聞いて、蓮をはじめ
内心腹ただしく思えた。

霧島「こんな奴の言う事を聞く必要は無いわ!」
真司「待ってくれ!確かに俺も佐野にはムカついたけど、本当の事なら
 香川先生の家族が危ない。せっかく先生も普通に暮らしているのに
 またライダーの所為で戦いに巻き込まれるのなら、俺は助けに行くべき
 だと思う」
光平「俺も、優香がいる場所が分からない今、この人の情報を信じて
 みようと思う。その香川っていう人の事は、よく知らないけど協力させ
 られているなら、助けるべきだ!」

佐野の話を不審に思う美穂達だが、真司や光平は佐野の情報を
信じて優香や香川教授を助けに行くべきだと自分の考えを皆に
伝えた。

雄大「でも、この人の言っている事は光平先輩たちをおびき出す
 罠かもしれませんよ?」
????「・・・・いや、その男の言っている事は本当みたいだぜ?」
蓮「誰だ!」

赤龍軒に入って来たのは、高級スーツをビシッと着こなしている男性
―内取の取締官である財前丈太郎だった。

光平「貴方は?」
慎哉「あっ!確か大鹿建設が不正を働いていた事件で活躍したっていう
 内取の財前丈太郎・・・・さんですか?」
財前「Da Bomb!!(その通り)俺が財前丈太郎だ。先日、高見沢と
 組んで不正を行っていた代議士を捕えたんだが、その極秘の研究所とやらに
 雲隠れをしているっていう情報を掴んだ所さ。それで噂の新ヒーロー、
 シグフェルに情報を持ってきたという訳だ」

財前は自分が、光平達の前に現れた理由を話し、佐野の言っていた
情報が正しかった事を知る。

真司「な?やっぱり佐野を信じて助けに行った方がいいんだよ」
手塚「ふっ、相変わらずの御人好しだな。だが、助けに行くという
 考えには俺も賛成だ。俺の占いでも助けに行く事は吉と出ている」
亮「俺も真司の考えに賛成だ。俺は其処にいる佐野って奴や香川って
 人の事は知らないが、例え罠だとしてもそれを打ち破れば良い」

真司の考えに手塚やリュウレンジャーであり赤龍軒の店主でもある
亮は賛成した。

霧島「はぁ〜分かったわ。今回は真司の言い分に付き合ってあげる」
蓮「まぁ、これを機会にブレイバーズのスポンサーになっている高見沢の
 化けの皮を剥いでやれるかもしれないしな」
真司「ありがとうな。蓮、美穂!」
雄大「優香先輩を絶対に助けて下さいね!」
光平「勿論だ。今度こそ、優香を助けてみせる!」
慎哉「分かったよ。でも気を付けろよ」

一同は真司や光平の考えに賛同し、優香や香川教授が囚われている
研究所へ向かう事を決意する。

佐野「・・・・じゃあ、情報も教えた事だし、俺はこの辺で・・・・・」
蓮「待て。研究所には詳しいのだろ?」
手塚「俺達の水先案内人になってもらうぞ」
佐野「そ、そんなぁ」ガーン

情報だけ伝えて、その場を退散しようとしていた佐野だったが、
研究所の詳細を知る為に、蓮達によって研究所まで案内を
する羽目になるのであった。

636ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 12:11:16
***某研究所***
佐野が光平や真司達ブレイバーズに情報を教えていた一方、
香川は高見沢からもたらされた資料とカードデッキのデータから
ついにオルタナティブ・ゼロの開発に成功するのであった。

高見沢「流石は香川先生。我々の資料とデータから、こんなにも早く
 オルタナティブを開発してしまうとは、正直驚きですよ!」
香川「・・・恐れいります」

オルタナティブの完成に高見沢は大いに喜び、香川は俯きながら
答えた。

間宮「これがオルタナティブ・・・・中々に協力な兵器の様だな」
乃木「下等な人間風情にしては、よく出来たものだ!」
香川「彼等は・・・・?」
高見沢「ここの警備を任せている、私の協力者達ですよ・・・・警備の
 方に不備は無いな?」
間宮「今の所、問題は無い」

高見沢と香川がいる所に、ワームの代表を務める間宮麗奈と乃木怜冶の
2人が現れた。現在、表向きは高見沢グループの研究所となっているこの
場所の職員は実は全員、ワームが擬態していた。

シャダム中佐「こいつがオルタナティブか・・・・」
メーミィ「この様な物で本当にブレイバーズ共を倒せるというの?」
高見沢「おお、ゴーマにインフェルシアの皆さん、よくお越しいただき
 ありがとうございます。このオルタナティブを量産し、必ずやブレイバーズを
 倒して見せましょう。その為にも、まずは噂のシグフェルを仕留めて
 みせます!」

さらに以前、共同作戦を行ったゴーマ、インフェルシアにオルタナティブを
お披露目する為、研究所に呼び出し、オルタナティブの軍団を作って
ブレイバーズそしてシグフェルを倒すと宣言する。

高見沢「それでは、香川先生。次に量産化についてですが・・・・・」
東條「大変です!ブレイバーズがこの研究所にやって来ました!!」
乃木「何だと!?」
メーミィ「ブレイバーズが、乗り込んで来るっていうの!?」

東條から、ブレイバーズが研究所に乗り込んできたという情報を
聞かされ、その場にいた一同は動揺する。

高見沢「ちっ!ここを嗅ぎ付けたか。おい、佐野はどうした」
芝浦「彼なら、朝から見ていないですね」
佐野「朝からいない?・・・・まさか、アイツがブレイバーズに
 研究所の場所を教えたのか?まあ良い。他のワームを向かわせろ!」
間宮「無論だ」

佐野が情報を漏らしたと感づいた高見沢だが、今は研究所に乗り込んで
きたブレイバーズの対処を考え、間宮麗奈にワームを向かわせるように
指示を出す。

佐野「・・・・この先を行けばオルタナティブを開発している研究室だ。
 それで嬢ちゃんが捕えられるていう部屋は、その向こうの筈だ」
真司「よーし、優香ちゃんや香川先生を助け出すぞ!変身!!」
光平「待っていてくれ、優香―翔着!<シグ・トランス>」

佐野の手引きで研究所の外に来た光平達は捉えられている優香と
香川を助けるべく、龍騎やシグフェルに変身する。

亮「久しぶりの戦いだが、皆大丈夫か?」
将児「当たり前じゃねえか、亮!」
亮「よし、皆、転身だぁぁぁぁあ!!」
ダイレンジャー他5人「「「「「応」」」」」
亮「気力転身!」
ダイレンジャー一同「オーラチェンジャァァァァァ!!!!!」

龍騎やシグフェル達と共に、優香と香川を救うべく亮や仲間の
ダイレンジャーもオーラチェンジャーでダイレンジャーも変身し
他のブレイバーズと共に研究所へ乗り込んだ。

佐野「・・・・・案内もした事だし、俺もおさらばしますか。
 ――!お、お前は!?」

研究所への案内を済ませ、その場を立ち去ろうとしていた佐野だが
そこで、ある人物に出くわしてまう。

637ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 14:03:25

バース「はぁっ!」
ワーム・サナギ体「キシャァァ!」
ガタック「うぉりゃぁぁ!!」
アラクネワーム・ルボア「ムゥゥゥ!」
電王S(ソードフォーム)「おりゃぁ!」
モグライマジン「ぎゃぁぁぁ!」

研究所内部にはワームが扮した職員の他にイマジンや達もいたが
変身したブレイバーズのメンバーにより、次々と倒されていく。

シグフェル「何て敵の数なんだ!」
バース「ここは我々が引き受ける」
ガタック「シグフェル達は先を行ってくれ!」
電王S「本当なら、主役の俺が行くべきだがよぉ。今回は譲って
 やるぜ!」
シグフェル「ありがとうございます!」

シグフェル達と共に乗り込んだバースやガタック、電王はシグフェル達を
先へと行かせる。そしてシグフェルは優香を救う為、佐野から得た情報で
優香が捕われている部屋へと向かい、龍騎らは高見沢達のいる研究室へ
向かった。

龍騎「そこまでだ、高見沢!!」
ナイト「こうなった以上、貴様も年貢の納め時だな!」
高見沢「くっ、城戸に秋山か!俺の邪魔はさせんぞ!
 変身!」
芝浦「変身!」
東條「変身!」
リュウレンジャー「シャダム!ゴーマも来ていたのか」
シャダム「ダイレンジャー、貴様らまで来るとはな・・・・。
 来い!サクラ子爵、陽炎頭巾」

研究室に乗り込んで来た龍騎達は、高見沢やシャダムらと
対峙する。高見沢はベルデに変身し、芝浦や東條も変身した。

バース「香川さん、貴方のご家族の安全は既に我々の仲間が確保しました。
 其方も直にお助け致します!」
香川「――本当ですか!」
ベルデ「ふん、オルタナティブのデータは既にある今、香川は用済みだ。死ねぇ!!」

ガタックらと戦っていたバースも研究室の方へ現れると、、香川の家族の安全を教える。
そしてベルデに変身した高見沢は最早、用済みと香川の始末にかかった。

龍騎「危ない!!」

龍騎は香川を助ける為に、ガードベントを発動させ、ドラグシールドで
ベルデの攻撃を防いだ。

香川「・・・・貴方は!?」
龍騎「ここは危険です。早く逃げて下さい!」
香川「・・・・・・・・」

龍騎は香川に逃げるように促すとベルデと戦闘を始める。
その姿に香川はオルタナティブ・ゼロのデッキを見るのであった。

ベルデ「俺も最早、ブレイバーズのスポンサーではいられなくなっちまったが
  ここでお前らを葬れば、俺の世紀王としての地位も大きくなるってもんだ!
 くたばれ、城戸!!」
龍騎「――くっ!」

AXELVENT!!

ベルデ「ぐわぁ!!」

ベルデはファイナルベントを発動させ、龍騎にトドメをさそうとした。
だが、そこに何者かの攻撃をベルデが受け、発動は失敗する。

龍騎「香川先生、その姿は!?」
オルタナティブ・ゼロ「・・・受けた借りを返します」

香川は龍騎に助けられた借りを返そうと、オルタナティブ・ゼロに
変身して、龍騎をベルデの攻撃から助けたのであった。

オルタナティブ・ゼロ「とにかく、事態を乗り切りましょう」
龍騎「はい!」

龍騎と香川が変身したオルタナティブ・ゼロは、構えるとベルデと
対峙するのであった。

638ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 15:58:38

シャダム中佐「ダイレンジャー、今度こそ貴様らは葬って見せる。
 出て来い、鍵道化師、口紅歌姫!」
鍵道化師「ムヒョヒョヒョヒョヒョ!お前達の魂を抜き取ってやる!」
口紅歌姫「私の顔に傷をつけた恨み、今度こそ晴らしてやる!」

シャダムはダイレンジャーを葬る為、ゴーマ怪人の鍵道化師と
口紅歌姫を呼び出し、ダイレンジャーを襲う。

シシレンジャー「また、倒してみせる!天幻星・二刀斬り!」
ホウオウレンジャー「大輪剣旋風斬り!」

襲ってきた鍵道化師と口紅歌姫にシシレンジャーはスターソードと
スターカッターを振り、ホウオウレンジャーは大輪剣で戦う。

ザイドス少佐「行くぞ!ダイレンジャー!!」
ガラ中佐「喰らえ!」
キリンレンジャー「行きますよ、将児!」
テンマレンジャー「応よ!天重星・重力逆転波!」

ザイドス、ガラに対してキリンレンジャー、テンマレンジャーが
相手をする。

キバレンジャー「・・・・シャダム」
シャダム中佐「コウか・・・・。ゴーマにおいて親子の情愛は無用!
 貴様もここでくたばれ!」
キバレンジャー「そうは、行くもんか!てりゃぁぁぁ!」

キバレンジャーは、父であるシャダム中佐と対峙。例え息子であろうと
敵ならば容赦しないシャダムに、キバレンジャー白虎真剣で立ち向かう。

メーミィ「ふむ、あの憎き魔法使い共はいない様だけど、そなたが我の
 相手をしてくれるのか?」
リュウレンジャー「例え誰が相手でも行くぜ!天火星・稲妻炎上破!!」
メーミィ「何の、ザザード!」

魔導神官メーミィはリュウレンジャーと対峙し、リュウレンジャーの技
「稲妻炎上破」に対して、メーミィは「ザザード」の呪文を唱えて、
扇から光弾を放つ。

タイガ「君には、城戸を始末するのを邪魔されたからね。
 お礼させてもらうよ」
ファム「あんた何かに負けないわ!」

タイガはストライクベントであるデストクローでファムを攻撃。
ファムはガードベントでウィングシールドを召喚し、攻撃を防ぐ。

TRICK VENT

ガイ「3人に分かれたか。だったらこれならどうだ!」

メタルバイザー@音声「コンファインベント」

一方、ナイトはトリックベントで3人に分身し、ガイを翻弄するが、
ガイはコンファインベントを発動し、その効果を無効化する。

バイオバイザー@音声「クリアーベント」
オルタネティブ・ゼロ「消えた!?」
龍騎「気を付けてください!」

そしてベルデと戦う龍騎とオルタナティブ・ゼロだが、ベルデは
クリアーベントで姿を消し、周囲を警戒する。

ベルデ「(死ね!)」

ベルデはオルタナティブ・ゼロの背後に廻り、トドメをさそうとする。
その瞬間クリアーベントの効果が切れてベルデが姿を現した。

龍騎「香川先生!」
オルタナティブ・ゼロ「―!」

ADVENT

サイコローグ「―!」
ベルデ「ぐわぁぁ!」

ベルデの存在に気付いたオルタナティブ・ゼロは咄嗟に契約モンスター
であるコオロギ型モンスターのサイコローグを召喚し、ベルデの攻撃を
防いだ。

ベルデ「くっ、よくもやりやがったな!やれ、バイオグリード!!」
龍騎「させるか!!」

STRIKE VENT

龍騎「昇竜突破(ドラグクローファイアー)!!」
バイオグリード「ギシャァァァァ!!」ドカーン

ベルデはバイオグリードを召喚して、オルタナティブ・ゼロを襲わせるが、
龍騎はストライクベントを発動させ、必殺の「昇竜突破(ドラグクローファイアー)」
によりバイオグリードを倒す。その攻撃はベルデさえも巻き込み、その衝撃により
ベルデの変身は解かれ高見沢に戻る。

龍騎「高見沢・・・・お前はもう変身できない。おとなしく捕まってくれ」
高見沢「くそ・・・・・くたばってたまるか!」

もう変身出来ない高見沢に龍騎は、おとなしく投降するように言う。
高見沢は、逃げようともがく。その時・・・・・・。

ドカァァァン!

ガタック、バース、電王S「「「うわぁぁぁ!!!」」」
龍騎「何だ!?」

突如、研究室の扉が開き外で戦っていたガタック達が吹き飛ばされて
来る。そして扉の向こうから紫色のボディにコブラを思わせるマスクの
怪人が現れた。

王蛇「・・・・よう、シグフェルって野郎は、此処にいるのか?」

最悪のライダー、王蛇が姿を現すのであった。

639ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 18:11:54
◯仮面ライダー龍騎/城戸真司→高見沢の研究所に乗り込み、
   バイオグリードを倒して、ベルデの変身を解く。
◯仮面ライダーナイト/秋山蓮→高見沢の研究所に乗り込み、ガイと戦う。
◯仮面ライダーファム/霧島美穂→高見沢の研究所に乗り込み、タイガと戦う。
●仮面ライダーベルデ/高見沢逸郎→研究所に乗り込んだ龍騎と戦うが
   バイオグリードが倒され、変身が解かれてしまう。
●バイオグリード→龍騎によって倒される。
●仮面ライダーガイ/芝浦淳→ナイトと戦う。
●仮面ライダータイガ/東條悟→ファムと戦う。
●仮面ライダー王蛇/浅倉威→高見沢の研究所に現れる。
△佐野満→真司達に情報を教え、研究所へ案内する。
△オルタナティブ・ゼロ/香川英行→オルタナティブを開発。龍騎と共に
  ベルデと戦う。
△サイコローグ→オルタナティブ・ゼロに召喚され、ベルデを攻撃する。
◯リュウレンジャー/天火星亮→高見沢の研究所に乗り込み、メーミィと戦う。
◯シシレンジャー/天幻星大五→高見沢の研究所に乗り込み、鍵道化師と戦う。
◯テンマレンジャー/天重星将児→高見沢の研究所に乗り込み、ザイドスと戦う。
◯キリンレンジャー/天時星和→高見沢の研究所に乗り込み、ガラと戦う。
◯ホウオウレンジャー/天風星リン→高見沢の研究所に乗り込み、口紅歌姫と戦う。
◯キバレンジャー/吼新星コウ→高見沢の研究所に乗り込み、シャダムと戦う。
●シャダム中佐→高見沢の研究所で、コウと戦う。
●ガラ中佐→高見沢の研究所で、キリンレンジャーと戦う。
●ザイドス少佐→高見沢の研究所でテンマレンジャーと戦う。
●鍵道化師→シシレンジャーと戦う。
●口紅歌姫→ホウオウレンジャーと戦う。
◯仮面ライダーガタック→高見沢の研究所に乗り込む。
●間宮麗奈→高見沢の研究所で警備を担当する。
●乃木怜治→高見沢の研究所で警備を担当する。
●アラクネアワーム・ルボア→ガタックに倒される。
◯仮面ライダー電王S→高見沢の研究所に乗り込む。
●モールイマジン→電王Sに倒される。
◯仮面ライダーバース→高見沢の研究所に乗り込む。
●魔導神官メーミィ→高見沢の研究所でリュウレンジャーと戦う。
◯財前丈太郎→光平達に、高見沢についての情報を伝える。

◯天凰輝シグフェル/牧村光平→佐野の情報で高見沢の研究所に乗り込む。

640ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/23(火) 18:12:34
【今回の新登場】
◯天幻星大五=シシレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
 シシレンジャーに変身するダイレンジャーの1人。棒術と幻覚で
 相手を翻弄する技巧派の戦士で、獅子拳の使い手。普段は
 ペットショップの店員をしている。孔雀明王の化身であるクジャクと
 心を通わせた。

◯天時星和=キリンレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
 キリンレンジャーに変身するダイレンジャーの1人。酔拳が基になっている
 麒麟拳の使い手。普段は美容師をしており、常にオシャレなスーツで決めて
 いる気障な気取り屋で丁寧語を話す。一人称は「僕」だが時々「ミー」を使う。
 好物は豆腐。

◯天風星リン=ホウオウレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
 ホウオウレンジャーに変身するダイレンジャーの紅一点。中国から
 日本の大学に来た留学生で鳳凰拳の使い手。道士・嘉挧の姪。
 ダイレンジャーの中で最も気力が強い。メディア魔術師の策略で
 アイドルデビューした事がある。

◯吼新星コウ=キバレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
 キバレンジャーに変身する小学生。ダイ族の血を引く母親と
 ゴーマ族の幹部であるシャダム中佐の間で生まれた子供で
 誕生日が12月24日で、10歳になるまでに母親と再会しなければ
 ゴーマの血が目覚めて凶暴化する宿命を背負っていた。阿古丸
 とは双子の兄弟。悪戯好きでスケボーが得意。叔父夫婦に育てられて
 いたが、後にリンと同居する。

●鍵道化師(五星戦隊ダイレンジャー)
 鍵をモチーフにしたゴーマ怪人。人間態は血相の悪い黒づくめの男。
 あらゆる物の鍵を開ける能力を持ち、人間の魂を開けて取り出す事も
 可能。「抜き取った魂を人形に宿し、自我を持った人形に人々を襲わせる」
 という任務を受け、夜な夜な子供の魂を抜き取って人々を混乱させた。

●口紅歌姫(五星戦隊ダイレンジャー)
 口紅がモチーフのゴーマ怪人。相手の唇に口紅を塗って操る事が出来、
 口から超音波を放つ事が出来る。操った女性を「悪魔聖歌隊」に仕立て
 ダイレンジャーを苦しめた。実はコットポトロの親玉。

●アラクネアワーム・ルボア(仮面ライダーカブト)
 地球に棲むクモに似た能力を持つワーム。両腕に装備した消火粘膜入りの
 ウェブシューターからのクモの糸で相手を絡め取る攻撃を得意とする他、
 同種と連携して攻撃を行う。

●モールイマジン(仮面ライダー電王)
 「親指姫サンプリーナ」からモグラをイメージし、この世に現出したイマジン。
 アックスハンド、ドリルハンド、クローハンド、クロスハンド、ヒッポハンドと
 左腕の装備が違う種類が存在する。
 
△サイコローグ(仮面ライダー龍騎)
 オルタナティブ及びオルタナティブ・ゼロと契約したコオロギ型のミラーモンスター。
 怪力と顔から発射する弾丸が武器。ファイナルベント及びホイールベントで
 「サイコローダー」と呼ばれるバイクモードに変形できる。

641ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/25(木) 13:56:52
<<ベルデの最期-5>>
――時は少し遡る。研究所を案内した佐野は、その場を立ち去ろうとした時
ある人物と遭遇する。その人物こそ、仮面ライダー王蛇に変身する
浅倉威だった。

佐野「あ、浅倉威!?何で此処に・・・・」ガクガク
浅倉「此処か?シグフェルって野郎がいる場所は・・・・」
佐野「シグフェル?!・・・・ああ、シグフェルはこの研究所の中にいる。
 シグフェルだけじゃなく城戸や秋山もいるぜ」

神崎士郎から情報を得た浅倉威はシグフェルと戦う為に、この
研究所へやって来たのであった。一刻も、この場を離れたい佐野は
浅倉にシグフェルや龍騎の事を話す。

浅倉「・・・・そうか」
佐野「じゃあ、俺は用事があるから、この辺で・・・・・」
浅倉「・・・・おい。そういえばお前もライダーだったよな?
 肩慣らしに俺と戦えよ!」
佐野「ひぃ!」

そのまま、この場から逃げようとした佐野だったが、浅倉は佐野が
自分同様ライダーである事を思い出し、シグフェルと戦う前に、
肩慣らしをしようと佐野に戦いを強要する。

佐野「か、勘弁してくれ!!俺はライダーを辞めるって決めたんだ」
浅倉「ごちゃごちゃうるせえ!俺と戦え!!」
佐野「ぐふっ!」

佐野は浅倉に対して命乞いをするが、浅倉は、その姿にイラつき
思いっきり殴りつけるのだが、強力な一撃を喰らい、佐野は気絶して
しまう。

浅倉「ちぃ・・・・・まあ良い。どうやら中は楽しい状況みたいだしなあ」

浅倉は気絶した佐野を放置して、シグフェルを探しに研究所の中に
入る事を決める。そして水たまりを見つけて、コブラのエンブレムが
付いた紫色のカードデッキを翳す。そして浅倉の腰にⅤバックルが
出現した。

浅倉「変身・・・!」

Ⅴバックルにカードデッキを入れると、ガラスが割れる音と共に
浅倉の姿はコブラを象った紫のメタリックアーマーの怪人に変わる。
最悪のライダー、仮面ライダー王蛇となった。

王蛇「・・・・さて、行くか」

王蛇は研究所の中へと足を踏み入れた。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

その頃、研究所の中でワームやイマジンを相手に戦っていた
ガタック達の前に、間宮麗奈と乃木怜治が現れる。

電王S「何だ、コイツ等は?」
ガタック「こいつらもワームだ。それも今戦っていた奴らよりも強い!」
乃木「ブレイバーズ、貴様達を始末してやる!!」

間宮麗奈と乃木怜治は元の姿であるウカワーム、カッシスワームとなり
ガタック達を襲う。だが、そこに誰かが近づいてくるのを感じ取る。

王蛇「ほう、盛り上がっているなあ・・・・・。シグフェルはいるか?」
電王S「おい、また誰か来たぞ!」
ガタック「誰なんだ、お前は!?」
王蛇「いねえのか・・・・?ちぃ、イライラしてくる。仕方が無い、お前ら
 でも良い・・・・・俺と戦いな!」

目的の人物であるシグフェルがいない事に苛立ち、憂さを晴らそうと
ガタック達に戦いを仕掛ける事を決め、召喚機である牙召杖ベノバイザーに
カードを読み込ませる。

SWORD VENT

ソードベントのカードが読み込まれ、王蛇の手にベノスネーカーの
尾を模した黄金の硬鞭「ベノサーベル」が召喚され、それをガタック達に
向けて振るいだす。

電王S「うぉ!危ねえじゃねえか、この野郎!!」
王蛇「ハハハハハ!どうしたどうした!!」
ガタック「くっ・・・・何なんだ、コイツは!?」

王蛇の出鱈目な攻撃に、電王Sやガタックは翻弄されてしまう。

カッシスワーム「いきなり現れて、我々の獲物を横取りするとは何者だ!?」
ウカワーム「待て。確か奴の名は浅倉威・・・・敵も味方も関係なく攻撃する
 という危険な男・・・・・このままでは奴の攻撃に我々も巻き込まれてしまう
 かもしれない。ここは退くぞ」

浅倉の持つ危険性を感じ取ったウカワーム達は、巻き込まれないように
その場を撤退した。そして王蛇の攻撃にガタック達は龍騎達が戦っている
研究室まで吹き飛ばれてしまう。

ガタック、電王S「「うわぁぁぁ!!」」

そして王蛇は研究室の中に入り、その場にいる一同に向かって
尋ねる。

王蛇「・・・・よう、シグフェルって野郎は、此処にいるのか?」

642ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/25(木) 15:51:05

龍騎「浅倉・・・・!」
ガイ「何故、奴が此処に・・・・!?」

現れた王蛇の姿を見て、王蛇の事を良く知る龍騎やガイ等の
ミラーライダー達に戦慄が走る。

ファム「・・・・・浅倉ァ〜〜〜!!」
龍騎「待て、美穂!」

ライダー同士のバトルが「なかった事」にされた事により、浅倉に
殺された美穂の姉は殺されず、今も生存しているが、前の歴史を
思い出し、姉を殺した事のある浅倉を許せずファムは王蛇に斬りかかる。

王蛇「ほう、あの時の女か・・・・。俺と戦いたいっていうのなら、
 相手をしてやる」
ファム「くっ・・・・!」
龍騎「美穂!俺達も加勢するぞ、蓮!」
ナイト「仕方ない・・・・!」

王蛇の危険性を一番知っている龍騎達はファムに続き、王蛇に
向かって攻撃をするが、王蛇は受け流していく。

王蛇「城戸に秋山か・・・・お前らも相手したい所だが、面倒だ。
 こいつと遊んでいろ!」

ADVENT

王蛇はアドベントカードを読み込み、契約しているコブラ型モンスター、
ベノスネーカーが召喚される。

ベノスネーカー「キシァァァァァ!!」
龍騎「うわぁ!」
テンマレンジャー「うぉっと、こっちにも来やがった!」
ザイドス少佐「おい、我々は味方だぞ!」
メーミィ「ふ、不愉快よ!」

召喚されたベノスネーカーは龍騎達のみならず、周囲で戦っている
ダイレンジャーや同じGショッカーであるゴーマやメーミィ達を巻き込んで
暴れる。

鍵道化師「ぐわぁ!」
口紅歌姫「そんな・・・・!」

ベノスネーカーの見境ない攻撃により、ゴーマ怪人の鍵道化師と
口紅歌姫を深いダメージを受けてしまう。

オルタナティブ・ゼロ「うっ!」
龍騎「先生!」

オルタナティブ・ゼロも攻撃に巻き込まれ、変身が解かれてしまい、
香川は、そのまま気を失ってしまった。

メーミィ「もう付き合いきれないわ!!我は帰るわよ」
シャダム中佐「我々もだ。ダイレンジャー、この次は決着を着けるぞ!」

王蛇とベノスネーカーの攻撃に、巻き込まれない様メーミィとシャダム達
ゴーマ3幹部は研究所から撤退した。

高見沢「・・・・(奴らの注意が浅倉に向いている隙に、この場を脱出だ!)」

そして倒れていた高見沢は、周囲が王蛇に気取られている隙に
高見沢は人知れず、その場を逃げ出すのであった。

643ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/25(木) 15:51:52
一方、佐野から得た情報により捕えられている優香の部屋へ
やって来たシグフェル。部屋に入ると檻の中に捕われている
優香を見つける。

シグフェル「優香!」
優香「光平くん!?助けに来てくれると信じていたわ!」

優香と再会を果たしたシグフェルは、優香を檻から連れ出そうと
するが、突如部屋の壁が崩れ、龍騎が吹き飛ばされてくる。

シグフェル「真司さん!」
龍騎「うう・・・・」
王蛇「・・・・・お前がシグフェルか?ようやく会えたぜ!」
シグフェル「お前は・・・?」
王蛇「ハハハハ、俺と来てもらうぞ!」

崩れた壁の先から王蛇が姿を現し、ようやく目的の人物である
シグフェルと会えた事に喜び、存分に戦おうと邪魔が入らない
ように、研究室にある鏡を通ってミラーワールドにシグフェルを
連れ込んだ。

龍騎「シグフェルが・・・・助けに行かないと!」
ナイト「そんな身体で大丈夫か?」
龍騎「ミラーワールドなら、俺達の出番だろ?なら行かないと」
ファム「分かった。行きましょう」
バース「沢渡優香さんと香川教授は我々が保護します。彼を追って下さい」
優香「光平くんの事を頼みます」
龍騎「任せなって!必ず連れて帰るよ」

ミラーワールドに連れてかれたシグフェルを助ける為、龍騎、ナイト、
ファムはミラーワールドへ向かう。シグフェル=光平の事を案じる
優香に龍騎は仮面越しで笑みを浮かべながら、その言葉を受け取った。

鍵道化師「わ、私達の事を・・・・忘れてもらっては困るぞ!」
口紅歌姫「巨大化爆弾!」

ベノスネーカーの攻撃に巻き込まれたゴーマ怪人の鍵道化師と
口紅歌姫だが、ダメージを負いつつも立ち上がり、巨大化爆弾で
巨大化する。建物の中にいる為、研究所は崩れる。

ガタック「や、やばい!優香ちゃん、こっちへ」
バース「香川教授は私が背負います」
リュウレンジャー「ゴーマは俺たちに任せてくれ。行くぞ、皆!」
ダイレンジャー「「「「「「気伝招来!」」」」」」

建物が崩れるので、ガタックとバースは優香と気を失っているを連れ出す。巨大化した
ゴーマ怪人と戦う為、ダイレンジャー達はそれぞれの気伝獣を呼び出す。

リュウレンジャー「龍星王、武人変形!五星合体」
ダイレンジャー「「「「「大連王」」」」」
キバレンジャー「ウォンタイガー、武人変形!」

龍星王は武人変形で人型になった後、星獅子、星天馬、星麒麟、
星鳳凰と武人合体して、中国の武人を思わせる大連王となり、
ウォンタイガーは武人変形で、人型となった。

電王S「よ〜し、真の主役の俺様も行くぜ行くぜ行くぜ〜!!」

電王Sはデンライナーを呼び出して、巨大化したゴーマ怪人に
立ち向かう。

ガイ「・・・・滅茶苦茶になったけど、この混乱に乗じてシグフェルを
 仕留めるチャンスだ。行くよ、東條君」
タイガ「あっ・・・ああ!」

ガイ、タイガもシグフェルを仕留めようとミラーワールドへ向かった。
今、それぞれの戦いで決戦が始まるのであった。

644ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/25(木) 16:21:03
◯仮面ライダー龍騎→シグフェルを助ける為、ミラーワールドへ向かう。
◯仮面ライダーナイト→シグフェルを助ける為、ミラーワールドへ向かう。
◯仮面ライダーファム→シグフェルを助ける為、ミラーワールドへ向かう。
●仮面ライダー王蛇/浅倉威→シグフェルをミラーワールドへ連れて行く。
●仮面ライダーガイ→シグフェルを仕留める為、ミラーワールドへ向かう。
●仮面ライダータイガ→シグフェルを仕留める為、ミラーワールドへ向かう。
●高見沢逸郎→ドサクサに紛れて逃亡する。
△佐野満→浅倉威に殴られて気絶する。
△オルタナティブ・ゼロ/香川英行→ベノスネーカーの攻撃に変身が解かれ、
  気絶する。
●ベノスネーカー→王蛇に召喚され、見境なく攻撃する。
◯リュウレンジャー→気伝獣を呼び出し、大連王に合体する。
◯キバレンジャー→ウォンタイガーを呼び出し、武人変形させる。
●シャダム中佐→ベノスネーカーの攻撃に撤退する。
●ガラ中佐→ベノスネーカーの攻撃に撤退する。
●ザイドス少佐→ベノスネーカーの攻撃に撤退する。
●鍵道化師→ベノスネーカーの攻撃にダメージを受け、巨大化する。
●口紅歌姫→ベノスネーカーの攻撃にダメージを受け、巨大化する。
●魔導神官メーミィ→ベノスネーカーの攻撃に撤退する。
◯仮面ライダー電王S→デンライナーを呼び出す。
◯仮面ライダーガタック→優香を安全な場所へ連れて行く。
●ウカワーム/間宮麗奈→浅倉に危険性を感じて撤退する。
●カッシスワーム/乃木怜治→浅倉に危険性を感じて撤退する。
◯仮面ライダーバース→香川を安全な場所へ連れて行く。

◯天凰輝シグフェル→優香と再会するが、王蛇にミラーワールドへ連れて行かれる。
◯沢渡優香→光平と再会し、ガタック達に保護される。

【今回の新登場】
●ベノスネーカー(仮面ライダー龍騎)
仮面ライダー王蛇が最初に契約したコブラ型のミラーモンスター。
凶暴な性格をしており、口から放つ毒液と頭部両脇のベノハーシュと
呼ばれる刃を武器に戦う。契約者である浅倉威に忠誠的。

645ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/27(土) 11:03:05
>>635の前段冒頭に挿入。

優香が連れ去られ、香川教授がオルタナティブの開発を高見沢から
強要されてから、およそ一週間が経過した。

***海防大学付属高校・総合普通科2年A組教室***

朱音「みんなおはよう♪ これから出欠を取りますから
 みんな席に座って!」

朝の始業時間、担任の千坂朱音が教室に入り、
朝礼と共に生徒の出欠確認を取り始める。
しかしそこには、今日も沢渡優香の姿は席にない…。

朱音「…あら? 沢渡さんは今日も欠席?
 光平君、慎哉君、何か聞いてない?」
光平「……すみません。俺には詳しい事は何も…」
慎哉「俺も、ただ熱が出て風邪が長引いているとしか…」

学校には、優香が急な高熱と咳で体調を崩し、
寝込んでいると伝えられていた。

朱音「ここまで長引くとなると、相当具合が悪いのかしら。心配ね…。
 光平君、それに慎哉君も、もし沢渡さんの家にお見舞いに行くことが
 あるようなら"お大事に"って伝えておいて」
光平「わかりました…」
朱音「みんなもうがい手洗いはしっかりして、
 体調管理には気をつけましょう」
光平「………」


***同校舎・屋上***

光平「くそっ!!」

授業が終わって休憩時間となり、校舎の屋上へと出た光平は、
苛立ち紛れに右の拳を壁に叩きつける。

雄大「光平先輩…」
慎哉「光平、気持ちは分かるけど少し落ち着けよ」
光平「優香の身が危ないっていうのに、俺は何もしてやれないのか…!」

その後、警視庁の特殊班が捜査令状を取り、高見沢グループ本社オフィスや
高見沢逸郎の私邸を急襲したが、いずれも蛻の殻であった。

雄大「光平先輩、学校が終わったら、みんなで今日もまた赤龍軒に行ってみましょうよ。
 もしかしたら新しい情報が入ってるかもしれません!」
慎哉「俺もそう思う。俺や雄大だって、沢渡がピンチだっていうのに
 歯痒い気持ちはお前と同じなんだ。沢渡を助け出せるチャンスは必ず来る!
 今はそう信じて待つんだ!」
光平「………」

646ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/02/27(土) 11:04:44
>>635>>636の間に挿入。

***天童菊之丞邸***

一方、密かに天童邸へと戻った千坂朱音は、
事の次第を用人・高坂正眼に逐一報告していた。
どうやら朱音は、優香が学校を長期欠席している
真の理由についても承知しているようだ。

朱音「すでに高見沢逸郎の一味の一人であった佐野満という男が、
 Gショッカーからの足抜けを計ってブレイバーズに接触。
 それと内取からの情報も併せて、いよいよブレイバーズは
 高見沢が隠れ家に使用している秘密の研究施設に、
 手勢を編成して乗り込む様子にございます」
正眼「その高見沢逸郎はブレイバーズの出資スポンサーにも
 名を連ねていた男。敵対していると見せかけて、
 実は両者が裏で繋がっている可能性はあるまいな?」
朱音「それはないものと」

庭先に控える朱音の報告を、茶室の中から静かに聞いていた正眼は、
自ら立てた茶で一服入れると、茶碗をすぐ側の脇に置く。

正眼「高見沢逸郎は経済界にも影響力を持つ大物。
 そのような男がGショッカーと通じて、聖天子様のお膝元を
 騒がすとあっては、補佐官たる菊之丞様も、この事態を捨てては置けぬが、
 もしブレイバーズが問題解決のために乗り出してきたとあっては、
 我らは一切邪魔はせぬ」
朱音「………」
正眼「この件、ブレイバーズの好きにさせい。奴らの手で解決させよとの
 菊之丞様のお言葉である」
朱音「ハハッ」



>>639に追加。

○朝倉慎哉→休憩時間に校舎の屋上で、落ち込んでいる牧村光平を励ます。
○岡島雄大→休憩時間に校舎の屋上で、落ち込んでいる牧村光平を励ます。
△千坂朱音→高坂正眼にブレイバーズの動きを報告する。
△高坂正眼→高見沢逸郎との決戦に赴くブレイバーズの動きを静観する事にする。

647ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/02(水) 12:00:07
<<ベルデの最期-6>>
***ミラーワールド***

王蛇によって、ミラーワールドに連れてこられたシグフェルは、王蛇から
執拗な攻撃を受ける。

王蛇「おらぁ、どうした!」
シグフェル「くっ・・・・この感じ、まるでキアイドーと戦っているようだ!」

シグフェルは王蛇の戦いぶりから、かつて戦った強敵をキアイドーを
重ねた。

龍騎「やめろぉぉぉ!!」
王蛇「ちっ!邪魔が入って来たか」

そこへシグフェルを助ける為、現実世界から龍騎、ナイト、ファムが
駆けつける。

龍騎「大丈夫か、シグフェル!」
シグフェル「ありがとうございます。城戸さん」
龍騎「よかった・・・・・浅倉、お前まだ、こんな事を!」
王蛇「ふん。今までの戦いが【無かった事】になって、世界が変わろうとも
 俺は俺だ!確かに俺の犯した犯罪とかも無かった事になったのは
 好都合だが、イライラしてしょうがなかった。だが、このデッキを手にして
 俺は思い出した!ライダーとなってライダーバトルをしていくのが
 俺なんだってなあ・・・・・今回はライダーだけじゃねえ。色んな奴らと
 バトルファイトが出来る。この祭りをもっと盛り上げようぜ!」
龍騎「・・・・だったら、俺が・・・・・俺達が止めて見せる!行けるか、シグフェル?」
シグフェル「はい!俺も奴を止めてみせます」
王蛇「そうか・・・・・だったら、来いよぉ!」

王蛇は、龍騎やシグフェル達に向かって、ソードベント「ベノサーベルを
振り回しながら攻撃を始める。

デストバイザーの音声「フリーズベント」

シグフェル「う、身体が動かない・・・・・!」
ガイ「よくやった!東條くん。今ならシグフェルは動かない」
王蛇「てめえらも来やがったか!」

王蛇と戦っていたシグフェルは突如、身体が動かなくなる。シグフェル達を
追ってきたガイとタイガが、シグフェルを狙ってタイガの持つ相手の動きを
封じるアドベントカード「フリーズベント」を発動させたのである。

ガイ「シグフェルを仕留めれば、ボーナス点だ!」
ナイト「させるか!」

ガイはストライクベント「メタルホーン」を装備して、動きが封じられている
シグフェルに向かって攻撃しようとする。ナイトはソードベント「ウィングランサー」で
迎え撃った。

ファム「覚悟しなさい、浅倉!」
王蛇「貴様も、しつこい女だな!」

ファムも王蛇に向かって、羽召剣ブランバイザーで攻撃を仕掛け、
王蛇はベノサーベルで攻撃を防いでいく。

ガイ「ならば、こいつが相手だ!」

ADVENT!!

メタルゲラス「グォォォォォ!!」

ガイは契約しているサイ型モンスター、メタルゲラスを召喚し、
シグフェルを仕留めようと向かわせた。

龍騎「させるか!」

ADVENT!!

ドラグレッダー「グワァァァァアァ!!」

シグフェルを守ろうと、龍騎はドラグレッダーを召喚して
メタルゲラスの攻撃を防いだ。

タイガ「今がチャンスだ!」

FINALVENT!!

デストワイルダー「グワァァァオオオオン!!」
シグフェル「うわぁ!」

タイガは隙をついて、デストバイザーにファイナルベントカードを
読み込ませる。ファイナルベントの為、召喚されたタイガと契約
している虎型モンスター、デストワイルダーはシグフェルを押し倒し、
タイガの元へと引きずり出す。そしてタイガはデストクローを装備して
待ち構えていた。このまま行けば、タイガはシグフェルを突き立てて
持ち上げ、結晶爆発させる【クリスタルブレイク】が決まってしまう。

ズキューン!ズキューン!

デストワイルダー「グワァ!」
タイガ「何!?」

だがシグフェルを引きずっているデストワイルダーは、突如銃弾による
攻撃を受けてしまう。デストワイルダーが攻撃された事にタイガは驚いた。

ゾルダ「やれやれ、その技は隙だらけで、こうしてモンスターを攻撃して
 しまえば、ファイナルベントは無効になる事は、前の歴史で良く分かっていると
 思ったんだけどねえ」
タイガ「お前は北岡!?」

648ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/02(水) 14:39:38
現れたのはゾルダ、そしてライアだった。実はライアは、人質として
命を狙われていた香川教授の家族を救う為、別行動をしていたのであった。

ライア「待たせたな。城戸、シグフェル」
龍騎「手塚!何で、北岡と一緒なんだ?」
ライア「香川教授の家族を狙っていたGショッカーの連中を倒した後、
 嫌な予感がしてな。北岡に連絡したんだ」
ゾルダ「勿論、報酬は請求させてもらうよ」

ライアはゾルダを連れて来た理由を話す。ゾルダは、今回の件が
終わった後、報酬を請求するつもりである。

王蛇「久しぶりだなぁ、北岡。ようやく貴様と決着がつけれるぜ!」
ゾルダ「おいおい、お前の犯罪は無かった事になっているんだろ。
 だったら、俺を狙うのをやめてくれない?」
王蛇「ふん、俺はお前をようやく倒せたと思った。だが、お前は
 俺と決着を着ける前にくたばり、俺が倒したと思ったのは別の
 奴だった。あの時ほど苛立った事はねえ・・・・だからこそ、
 俺はお前を倒し、あの時の雪辱を晴らしてやる!」

前回の歴史では、王蛇こと浅倉は宿敵であるゾルダを殺害したが
その時には北岡は体を蝕んでいた不治の病の病状が悪化して死亡し、
代わりにゾルダとして戦ったのは、北岡の秘書であった由良吾郎だった。
それを知った浅倉は、願望が達成できなかった事により苛立ちは
限界点に達し、そして待機していた機動隊に鉄パイプ一本で対峙し、
射殺されるという最期を迎えた。王蛇はあの時果たせなかった北岡との
決着を着けようとする。

ゾルダ「・・・俺も決着を着けたいと思っているけどさ。生憎、今回は
 そういう場合じゃないんでね。決着は、また今度さ!」

FINALVENT!!

龍騎「げっ!やばい。皆逃げろ!!」
シグフェル「―!?」

ゾルダはファイナルベント「エンドオブワールド」を発動させると、
契約しているバッファロー型モンスターのマグナギガが出現し、
背中にマグナバイザーをセットし、引き金を引くとマグナギガの
全砲門が開き、一斉斉射される。ゾルダがファイナルベントを発動すると
察した龍騎達は攻撃を受けないように離れる。シグフェルもフリーズベントの
効果が切れたので何とか回避した。そして攻撃が晴れると、王蛇は
ガイを盾にして攻撃を防ぎ、無傷であった。

ガイ「お、お前・・・・また俺を!?」
王蛇「俺の近くにいたァ・・・・お前が悪い!!」ザシュ
ガイ「がはぁ・・・・・あ・・・・あ・・・!!」

王蛇に盾にされ、エンドオブワールドでボロボロとなったガイに
王蛇はベノサーベルで突きつけ、ガイの身体を刺し貫いた。

龍騎「芝浦!?」
シグフェル「何て奴だ!」
ガイ「あ・・・あ・・・・ここで・・・・ゲームオーバー・・・・かよ」ガクッ

身体を刺し貫かれたガイの変身は解かれ、芝浦の姿に戻ると
そのまま倒れ、消滅した。

メタルゲラス「グゥゥゥゥ!!」
王蛇「ちょうどいい・・・また俺の物になってもらうぞ」

エンドオブワールドにより深いダメージを負ったメタルゲラスに
王蛇は契約のカードを使用し、メタルゲラスと契約する。

タイガ「あ・・・あぁ・・・・!!」
王蛇「さて仕切り直しといこうか?」
シグフェル「くっ・・・・!」

芝浦が消滅し、タイガは王蛇に恐怖する。仕切り直して戦闘を
続行しようとする王蛇にシグフェル達に戦慄が走る。

王蛇「ちっ!・・・・時間切れか」
ナイト「・・・・俺達も時間切れだ。脱出するぞ!」

だが、ミラーワールドにいられる時間に限界が来てしまった為、
王蛇は戦闘を諦め、その場を撤退した。そしてシグフェルや
龍騎達も同じく、時間切れによりミラーワールドから脱出する
のであった。

649ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/02(水) 15:13:43
◯仮面ライダー龍騎→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーナイト→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーファム→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーライア→ミラーワールドでゾルダを連れてくる。
◯仮面ライダーゾルダ→ライアに連れてこられ、ファイナルベントを発動させる。
●仮面ライダー王蛇→シグフェルをミラーワールドに連れてきて戦闘。
  ガイを盾にして始末し、メタルゲラスと契約を結ぶ。
●仮面ライダーガイ→王蛇に盾にされ、エンドオブワールドの攻撃を受けた後、
  王蛇に始末され、ミラーワールドで消滅する。
●仮面ライダータイガ→シグフェルにファイナルベントを行うが、ゾルダに
   阻止されてしまう。
●メタルゲラス→ガイが死亡した後、王蛇と契約させられる。
●デストワイルダー→シグフェルにファイナルベントを行うが、ゾルダの
   攻撃を受けて阻止されてしまう。
△マグナギガ→ファイナルベントの為、召喚される。

◯シグフェル→王蛇にミラーワールドに連れてこられ、戦闘を行う。

【今回の新登場】
●メタルゲラス(仮面ライダー龍騎)
 仮面ライダーガイと契約した二足歩行のサイ型ミラーモンスター。
 頭部のドリル状の角の両手の鋭利な爪を武器とし、巨体を活かした
 突進攻撃を得意としている。ガイの死後は仇として王蛇を付け狙って
 いたが、逆に契約させられてしまう。ジェノサイダーの身体を構成する。

650ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/03(木) 14:28:40
>>648>>649の間に挿入

***某研究所***

ミラーワールドでシグフェル達と王蛇の戦いが起きていた頃、
研究所の外では巨大化したゴーマ怪人とダイレンジャーの乗る
気伝武人、電王Sが呼び出したデンライナーが戦っていた。

鍵道化師「うぉぉぉぉ!!」
ホウオウレンジャー@大連王「天風星・一文字竜巻!!」
鍵道化師「ぬぉぉ!」

鍵道化師の攻撃に、大連王に乗るホウオウレンジャーは自身の
気力技を送り込み、大連王から複数の竜巻が巻き起こる。
竜巻をぶつけられ、鍵道化師は怯む。

リュウレンジャー「よし、今だ!」
ダイレンジャー「大王剣・疾風怒濤!!」

鍵道化師が怯んだ隙に、ダイレンジャーは大連王の必殺技である
「大王剣・疾風怒濤」を繰り出そうと、鞘から大王剣を取り出し、
鍵道化師に向けて袈裟斬りを行った。

鍵道化師「ムヒョォ!ここまでか・・・・・!」

袈裟斬りされた鍵道化師は、そのまま倒れて爆発する。
そして大連王は大王剣を鞘に納めて、勝ちポーズを取る。

口紅歌姫「私の歌を聞きなさい!ア〜♪」

一方、ウォンタイガーとデンライナーは口紅歌姫と戦っていた。
口紅歌姫は口から音波攻撃を繰り出す。

電王S@デンライナー「ぬぉ!ひでぇ音だ!!」
白虎真剣「コウ!あっちが音で攻撃をするなら、こっちも音で反撃だ!」
キバレンジャー@ウォンタイガー「分かった!」

口紅歌姫の音波攻撃にデンライナーに乗る電王Sは怯み、キバレンジャーの
パートナーである言葉を話す剣、白虎真剣はキバレンジャーにアドバイスする。

キバレンジャー「大咆哮!!」

アドバイスを受けたキバレンジャーは、ウォンタイガーを白虎形態に戻すと
衝撃波である「大咆哮」を繰り出す。それにより「大咆哮」と口紅歌姫の歌声は
相殺された。

電王S「よ〜し、音が消えたな!主役の俺に任せろ!!」

口紅歌姫の音波攻撃が消えた事により、電王Sはデンライナーを動かし、
デンライナーに装備されている武装で攻撃していく。

白虎真剣「コウ、俺達もトドメの必殺技だ!」
キバレンジャー「よ〜し、虎の子大秘術・火炎玉!!」
口紅歌姫「いやぁぁぁぁぁ!!」

口紅歌姫がデンライナーの攻撃を受けている時に、キバレンジャーは
ウォンタイガーをすかさず気伝武人に変形させ、必殺技である
「虎の子大秘術・火炎玉」で口紅歌姫を攻撃。口紅歌姫は大ダメージを
受けてしまう。

口紅歌姫「もっと・・・歌いたかった〜」

口紅歌姫もデンライナーの攻撃やウォンタイガーの攻撃を受けて
爆発し倒されるのであった。

651ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/03(木) 14:38:40
>>649加筆
◯仮面ライダー龍騎→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーナイト→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーファム→ミラーワールドでシグフェルを助ける。
◯仮面ライダーライア→ミラーワールドでゾルダを連れてくる。
◯仮面ライダーゾルダ→ライアに連れてこられ、ファイナルベントを発動させる。
●仮面ライダー王蛇→シグフェルをミラーワールドに連れてきて戦闘。
  ガイを盾にして始末し、メタルゲラスと契約を結ぶ。
●仮面ライダーガイ→王蛇に盾にされ、エンドオブワールドの攻撃を受けた後、
  王蛇に始末され、ミラーワールドで消滅する。
●仮面ライダータイガ→シグフェルにファイナルベントを行うが、ゾルダに
   阻止されてしまう。
●メタルゲラス→ガイが死亡した後、王蛇と契約させられる。
●デストワイルダー→シグフェルにファイナルベントを行うが、ゾルダの
   攻撃を受けて阻止されてしまう。
△マグナギガ→ファイナルベントの為、召喚される。
◯リュウレンジャー→大連王で鍵道化師を倒す。
◯シシレンジャー→大連王で鍵道化師を倒す。
◯テンマレンジャー→大連で鍵道化師を倒す。
◯キリンレンジャー→大連王で鍵道化師を倒す。
◯ホウオウレンジャー→大連王で鍵道化師を倒す。
◯キバレンジャー→ウォンタイガーで口紅歌姫を倒す。
◯白虎真剣→キバレンジャーにアドバイスをして、サポートをする。
●鍵道化師→大連王に倒される。
●口紅歌姫→ウォンタイガーとデンライナーに倒される。
◯仮面ライダー電王S→デンライナーに乗り込み、口紅歌姫と戦う。

◯シグフェル→王蛇にミラーワールドに連れてこられ、戦闘を行う。

【今回の新登場】
◯白虎真剣(五星戦隊ダイレンジャー)
 老道士・虞翻が中国より持ってきたキバレンジャーの証たる、心を持った
 喋る剣。コウが変身した後、キバレンジャーの正体が知られないように
 代わりに喋っていた。その切れ味はスターソードに匹敵し、気力で空も飛べる。

●メタルゲラス(仮面ライダー龍騎)
 仮面ライダーガイと契約した二足歩行のサイ型ミラーモンスター。
 頭部のドリル状の角の両手の鋭利な爪を武器とし、巨体を活かした
 突進攻撃を得意としている。ガイの死後は仇として王蛇を付け狙って
 いたが、逆に契約させられてしまう。ジェノサイダーの身体を構成する。

652ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/08(火) 11:14:58
<<ベルデの最期-7>>

***高見沢の隠れ家***

デッキを破壊され、ベルデに変身出来なくなった高見沢は満身創痍と
なりながらも、密かに用意していた隠れ家に辿り着く。

高見沢「はぁ・・・・はぁ・・・・ライダーに変身できなくなったが、この
 オルタナティブがあれば再起は可能だ。待っていろよ!城戸、
 シグフェル、ブレイバーズ・・・・」

実は高見沢は研究所から逃げ出す際、香川教授が気絶して変身が
解けてしまった時に手を離れたオルタナティブのデッキを混乱に乗じて
持ち出したのであった。高見沢は自らオルタナティブに変身してブレイバーズに
リベンジをしようと考えていた。

????「・・・・残念だが、貴様の目的は果たされない」
高見沢「誰だ!?」

突如、高見沢の前に現れたのはGショッカー秘密警察の長官である
アポロガイストとバトルファイト参加者(世紀王候補)の成績を計算
しているグロンギの怪人ラ・ドルド・グだった。

高見沢「き、貴様はアポロガイスト!?」
アポロガイスト「仮面ライダーベルデこと高見沢逸郎!今回の一件は
 最早、世紀王候補を名乗らせるには相応しくないないと判断した。
 よって、世紀王候補の資格をはく奪し、貴様を処刑する!」
高見沢「な、何だと!?確かに、俺はライダーに変身出来なくなったが
 まだ、オルタナティブがある。俺にチャンスをくれ!」

アポロガイストによる突然の処刑宣告に狼狽える高見沢は、アポロガイストに
もう一度、世紀王候補として戦えるように懇願する。

アポロガイスト「見苦しいぞ、高見沢!潔くあの世へ行くがいい!」
高見沢「こんな所で、終わってたまるか!変・・・・・」
アポロガイスト「させるか!」ザシュ
高見沢「ぐはぁ・・・・!」

高見沢は処刑を迫るアポロガイストに抵抗しようと、オルタナティブに
変身しようとしていた。しかし、アポロガイストは手に持つアポロマグナムで
高見沢が変身する前に斬りつけ、デッキも破壊してしまった。そして
高見沢はそのまま、息絶えてしまう。

ラ・ドルド・グ「・・・高見沢逸郎、失格!」

ラ・ドルド・グは高見沢逸郎が脱落した事を宣言する。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

それからしばらくして、高見沢の隠れ家に警察が到着。パトカーから
内取の財前と捜査一課の刑事、追田現八郎警部が降りてくる。

追田「ここが、高見沢逸郎の隠れ家か!」
財前「協力感謝するぜ、現さん」
追田「なぁ〜に、俺とお前の仲だ。それに刑事として犯人を逮捕するのは
 当たり前だぜ!」

実は財前は警視庁時代、追田警部に色々と世話になっていた。
その縁で、今回の高見沢の逮捕に協力してくれるのであった。
そして財前達は隠れ家に足を踏み入れる。

追田「高見沢逸郎!議員への贈賄に民間人の誘拐、その他の容疑により
 逮捕状が出ている。神妙にお縄につけやがれぇ!」
財前「待った!現さん。こいつは・・・・・」

高見沢のいる部屋に踏み込んだ財前達だが、そこにはアポロガイストによって
処刑された高見沢の無残な姿が横たわっていたのであった。

653ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/08(火) 13:17:49
****某研究所****

佐野「イテテ・・・まさか浅倉が来るなんて思わなかったぜ」

高見沢がアポロガイストによって処刑された一方、高見沢の研究所で
浅倉によって気絶していた佐野は目を覚まし、研究所を出ようとしていた。

GOD戦闘工作員A「いたぞ!仮面ライダーインペラー・・・・佐野満だ」
GOD戦闘工作員B「おとなしくせよ!」
佐野「な、何だ!お前ら」
GOD戦闘工作員A「我々はGショッカー秘密警察だ」
GOD戦闘工作員B「貴様がブレイバーズを手引きした事は、調べがついている!
 秘密警察署長アポロガイストの命により、貴様を処罰する!」

そこに現れたのはGODの戦闘工作員で、Gショッカー秘密警察の一員でもあり、
ブレイバーズを手引きした佐野を処罰しようとやって来たのであった。

佐野「捕まってたまるかぁ〜〜!」
GOD戦闘工作員A「まてぇぇ!!」

佐野は捕まる訳にはいかないと、その場から逃げ出し、
GOD戦闘工作員も後を追いかける。佐野は、そのまま
研究所を飛び出した。

佐野「―!」

キキィィー、ドォーン!

だが運が悪い事に研究所を飛び出すと、トラックが走って来た事で
佐野はトラックとぶつかってしまう。トラックがぶつかった事で、佐野の
身体は全身がズタボロとなっていた。

GOD戦闘工作員B「死んだか!?」
GOD戦闘工作員A「待て、今の騒ぎで人が来そうだ。確かめたい所だが
 一旦、退くぞ!」

GOD戦闘工作員達は、佐野がトラックとぶつかって死んだのか
確かめようとしたが、今の騒ぎで人が集まって来たので、やむを得ず
退散をする。

****京南大学付属病院****

伝通院「香川教授そして沢渡優香さんだが、幸い大した怪我も無く
 2〜3日検査入院をすれば退院できる事だろう」
光平「優香は無事なんですね?」
慎哉「よかったな光平!」
雄大「よかったぁ〜」

研究所から助け出された優香と香川教授は、京南大学付属高校に
運び込まれ、検査の結果、2〜3日の検査入院だけで済み、光平や
慎哉は伝通院から聞かされ、安堵する。

真司「佐野の方は、どうなんですか?」
伝通院「交通事故で担ぎ込まれた佐野満だが、彼の方は重傷で
 1か月以上は入院が必要になるだろう」
真司「そうですか・・・・」

トラックとぶつかり、重傷を負った佐野は、香川教授や優香と同じく
京南大学付属病院に搬送され、1か月以上の入院となった。

後藤「今回で高見沢逸郎、芝浦淳といったGショッカーに属する
 仮面ライダー2名が死亡、浅倉威、東條悟はあの後、所在が
 掴めないという結果になったが、果たして彼等は何処へ・・・・?」
光平「浅倉威・・・・」

今回の事件の事で、後藤も京南大学付属病院に来て、伝通院の話を
聞いていたのだが、あの後、消えた浅倉、東條が何処に行方をくらませた
のか疑問に思う。そして浅倉の名を聞いて、光平はミラーワールドでの
戦いを思い出す。

真司「なぁ〜に!浅倉が来ても俺達が付いている。頑張っていこうぜ」
光平「はい。真司さん」
愛「さぁ、優香さんの所へ行ってあげて。きっと喜ぶ筈よ」
光平「分かりました。失礼します!行こう。慎哉、雄大」

真司に励まされた光平は、魚住愛に言われ、慎哉や雄大と共に
優香のいる病室へ向かい、部屋を出る。

真司「・・・・(でも、浅倉や東條は何処に行ったんだ?)」

光平達が部屋を去った後、真司は浅倉達が何処に消えたのか
思うのであった。

654ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/08(火) 14:32:48
****某所****

浅倉「チィ、クソが・・・・!」

時間切れになってしまった為、戦闘を中断してミラーワールドから
帰還した浅倉は、シグフェルやゾルダ達を仕留められなかった事に
苛立っていた。そこへ一台のリムジンが浅倉の前に止まる。

????「良い戦いを見させてもらったよ。浅倉威君。シグフェルを
 倒せなかったのは、さぞ不満だった事だろう」
浅倉「誰だ、キサマは?」

車の窓が開き、車の中にいた人物は浅倉に、先程の戦いの
賞賛をおくる。

????「バトルファイトが未だ開かれず、他の世紀王候補と死闘を
 行う事が出来ず、欲求不満だろう?私が君に戦いの場を提供しよう。
 君には今、私が世話になっている国に来てもらいたい」
浅倉「ほぉ・・・・・おっさん。名前は何ていうんだ?」

車の中にいる人物は、浅倉に欲求を解消する為の戦いの場を提供すると
離す。興味を持った浅倉は、車の中にいる人物に名前を尋ねる。

真影「真影・・・・私の名は真影壮一だ」

車の中にいた人物は国家防衛局長官になりすましていたロイミュードで
現在サラジア共和国の在日日本大使館に匿われている真影壮一だった。
真影に誘われた浅倉が待ち受ける運命とは・・・・。

◯財前丈太郎→追田警部と共に、高見沢の隠れ家に足を踏み入れいる。
◯追田現八郎警部→財前と共に、高見沢の隠れ家に足を踏み入れる。
●真影壮一→現在サラジアの駐日本大使館で匿われており、浅倉の元に訪れ、勧誘する。
◯城戸真司→京南大学付属病院で、香川教授達の容体を伝通院から聞く。
●高見沢逸郎→アポロガイストに世紀王候補の資格をはく奪され、処刑される。
●浅倉威→真影壮一に勧誘される。
△佐野満→Gショッカー秘密警察に追いかけられた際、交通事故で重傷を負い、
  京南大学付属病院で入院する事になる。
◯後藤慎太郎→伝通院から香川教授達の容体を聞く。
●アポロガイスト→高見沢を処刑する。
●ラ・ドルド・グ→アポロガイストによる高見沢の処刑に立ち会う。
◯伝通院洸→香川教授達の容体を伝える。
◯魚住愛→光平に優香の元へ行くよう話す。

◯牧村光平→伝通院から優香の容態を聞かされる。
◯朝倉慎哉→伝通院から優香の容態を聞かされる。
◯岡島雄大→伝通院から優香の容態を聞かされる。

【今回の新登場】
◯追田現八郎警部(仮面ライダードライブ)
 捜査一課と特状課の橋渡しとなる連絡役として派遣されていた刑事。
 通称ゲンさん。現実主義者で当初は特状課やロイミュードの存在に
 懐疑的だったが、仮面ライダーに何度か助けられていく内に考えを改め、
 やがて心強い協力者となっていく。後年、警視庁の名物刑事として半生を
 捜査一課に捧げ、捜査一課長にまで出世する。歴史の改変により
 ショッカーが支配する世界ではチーターカタツムリというショッカーの
 怪人となっていた。

●真影壮一/フリーズ(仮面ライダードライブ)
 国家防衛局長官を務める参議院議員。その正体はロイミュード001で、
 人間社会で自らの地位によって得た警察組織への影響力や自身の持つ
 記憶操作能力を利用してロイミュードに関する情報を隠ぺいしていた。
 紳士的に振る舞うが、その本質は冷酷かつ狡猾な陰謀家で、人間の事を
 完全に見下している。学んだ感情は「屈辱」

655ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/09(水) 11:13:45
>>623加筆・修正
高見沢「例の小娘は?」
芝浦「今は眠らせましたので、おとなしくしています」
高見沢「そうか。オルタナティブが完成し、それが軍団となった時
 シグフェルに仕向ける。その時、小娘・・・・・沢渡優香だったか?
 人質として良い働きをしてくれる筈だ」

優香も香川教授と同じ、高見沢グループが所有する某研究所に
連れてこられ、眠らされていた。高見沢はシグフェルを倒す為、
優香を人質として利用しようと考えていた。

佐野「・・・・(冗談じゃねえぜ。ミラーワールドに連れて来ても倒す事が
 出来なかったし、あの女の子を人質にしたとしても、多分勝てねえ。
 このままじゃ俺も間違いなく殺される!・・・・かといってこのまま
 逃げ出してもGショッカーに殺されるだろうし、どうすれば・・・・・
 そうだ!この事をブレイバーズに情報を売ろう!城戸に言えばおそらく・・・・・)」

このままでは自分の身が危ないと感じた佐野は、保身を考え
ブレイバーズにオルタナティブの事等をリークする事に決めるのであった。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

一方、とある町。

神崎「・・・・・相変わらず荒れているようだな。浅倉」
浅倉「神崎か・・・・・何時まで待ってもバトルファイトって奴が
 始まらなくってオレはイライラしてしょうがねえんだ。お前でも
 良い・・・・オレとバトルしろ!」
神崎「待て。こいつならお前の欲求を満たしてくれる筈だ」
浅倉「ほう・・・・こいつは何処に行けば戦える?」

とある町で神崎士郎は仮面ライダー王蛇である浅倉威にシグフェルの
事を教える。世紀王同士が争うバトルファイトが始まらない事に
苛立っていた浅倉は神崎からシグフェルの事を教えてもらい、シグフェルと
戦う事を決めるのであった。

****某コロニー***

その頃、大気圏に浮かぶコロニーの一つで、世界各国の要人達が
休暇の際に利用するコロニーに、1人の日本の議員が滞在していた。
議員の名前は池原敬三。実は高見沢との間で不正を働いており、
高見沢が行方をくらましたので、自分も疑いがかけられないように
休暇を装って、コロニーに滞在していた。

池原「高見沢め、姿をくらましおって・・・・・・。だが、流石にコロニーに
 滞在している私の方にまで追手はこないだろう。はっはっはっは!!」

池原は日本の公安や警察の追手も、コロニーまでは来ないだろうと
高をくくり、女性を侍らせながらコロニー内にあるバーで酒を飲んでいた。

????「不正の疑いが掛けられないように、コロニーへ高飛びか。
 いいご身分だな」
???「これも汚ねえ手段で得た金を使って、ここまで来たんだろうぜ」
池原「うーん、誰かね?日本で議員をしている私に失礼な事を言うのは」

酒を飲んで酔っ払っている池原議員に、突然失礼な事を言う人物が
背後から聞こえてくる。

ボーイ「お待たせいたしました。この店一番の高級酒にございます」
???「ありがとう。支払いはコレで頼む」
池原「―!そ、それはザイナース社のゴールドブラックカード!
 まさかっ!!」

池原に失礼な発言をした人物の1人は店のボーイが持ってきた高級の
酒に対して、金と黒で出来たカードを見せる。池原は、それがザイナース社の
ゴールドブラックカードという事に気付き、その人物が誰か察する。

池原「な、内閣権力犯罪強制取締官の財前丈太郎か!」
財前「Da Bomb!!さて、高見沢との詳しい話を聞こうじゃあないか」

高見沢グループとの不正を調べに、コロニーまで来た内閣権力犯罪
強制取締局(G.C.I.A.)の取締官、財前丈太郎は自身の身分証明書でも
あるザイナース社のゴールドブラックカードを池原に見せつける。

池原「捕まって成るものか!先生、お願いします」
????「ふっ、私の出番か・・・・」

池原は財前に捕まる訳にはいかないと、控えていた用心棒を
呼び出す。その用心棒は白い帽子とスーツを着用しており、
武器らしき物は手に持っていなかった。

財前「誰だ、テメエは?」
????「その白い帽子とスーツ・・・・・そいつは【踊る殺し屋】の
 異名を持つキリングダンサーの佐藤。日本一のダンサーで
 踊るように相手を始末する殺し屋だ」
キリングダンサーの佐藤「む!私の名を知っている貴様は誰だ」
財前「・・・・遅かったじゃないか。早川」

池原に呼ばれた用心棒―キリングダンサーの佐藤の名前をいい当てる
声が、財前の背後から聞こえる。白いギターとカウボーイスタイルの
その人物こそ、親友を殺した仇を探して犯罪組織ダッカーと戦ってきた
私立探偵、早川健だった。

656ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/09(水) 14:45:27

キリングダンサーの佐藤「その背中の白いギター・・・・そうか、貴様が
 ダッカーを壊滅させた早川健か!その貴様が何故、ここに・・・・」
早川「復活したダッカーの行方を追っていた時に、ダッカーの一員である
 貴様が池原代議士の用心棒を行っていると聞いて、財前に連れてきて
 もらったのさ。ただ財前とはぐれて、少しばかり遅れちまったがな」

キリングダンサーの佐藤は、復活したダッカーの一員で高見沢を通じて
池原が用心棒に雇ったのだが、その情報を手にいれた早川は、池原を
追っている財前に同行して、コロニーまで来たのであった。

キリングダンサーの佐藤「ならば話は早い。私の日本一と呼ばれる
 踊りで、ダッカーを壊滅させた怨みと共に貴方達を始末しよう」
早川「日本一?いや、貴様は日本じゃあ2番目だ」
キリングダンサーの佐藤「2番目だと!?ならば日本一は誰だと言うのだ!」

キリングダンサーの佐藤は自分の踊りが日本で2番目と言われ、
早川に日本一が誰なのか尋ねる。

早川「ヒュウ、チッチッチッ、ハッハッハッ・・・・・」

キリングダンサーの佐藤の質問に対して、早川は口笛を吹き、
舌打ちをした後、深く被った帽子の鍔を押し上げ、自身を指差した。

キリングダンサーの佐藤「ならば、私の踊りを目に焼けつけなさい!」

日本一を名乗る早川に対して、キリングダンサーの佐藤は、自分の
踊りを見せつける。

財前「奴の踊りは完璧みたいだが、大丈夫か?早川」
早川「なぁ〜に。見てな」

早川も負けじと踊りを始める。早川のステップは力強さと情熱が
伝わる踊りだった。

キリングダンサーの佐藤「(う、上手い!)・・・・負けた」

早川の踊りを見て、キリングダンサーの佐藤は敗北を認めた。

キリングダンサーの佐藤「だが、用心棒の仕事は続けさせてもらうぞ」
池原「頼みましたよ、先生!」

敗北を認めたが、キリングダンサーの佐藤は用心棒として池原を
守ろうと財前と早川と対峙。さらに佐藤の部下も現れ、2人を取り囲む。

キリングダンサーの佐藤「ここは部下達に任せて、こちらへ」
財前「待ちやがれ!!」
早川「財前。どうやら、こいつらを蹴散らさなければ追いかける事が
 出来無いようだぜ!」

キリングダンサーの佐藤は部下達に後を任せて、池原を連れて
店から脱出。財前と早川は佐藤の部下を相手にする事になる。

佐藤の部下「かかれー!」
財前「あいにく、お前らを相手にしている時間はないんでな」
早川「さっさと片付けさせてもらうぜ!」

財前と早川は背中合わせとなり、ファイティングポーズを取って
佐藤の部下にパンチやキックを浴びせていく。

657ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/09(水) 14:46:44

***コロニー・宇宙港***

店を脱出した池原とキリングダンサーの佐藤は、財前と早川から
逃れようと宇宙港に停めてあるシャトルで、コロニーから出ようとしていた。

キリングダンサーの佐藤「間もなく宇宙港に到着します。流石の財前と
 早川も宇宙空間までは追ってこれないでしょう」
池原「内取め・・・・かならず逃げ切ってみせるぞ!」

そして池原達を乗せた車は宇宙港に到着し、シャトルへ向かう。
だが、そこに一台の車が池原達の元へ走って来て、立ち塞がる。

池原「な、何だ!あの車は!?」
快傑ズバット「ズバッと参上!ズバッと解決!快傑ズバァァァット!!」

池原達の元へ走って来た車―ズバッカーから降りてきたのは、
全身赤いスーツに身を包んだヒーロー、親友である飛鳥五郎が
遺した設計図を基に早川健が開発し自ら装着した姿―快傑ズバットだった。
またズバッカーから財前も降りてくる。

池原「財前!貴様ァ・・・・」
財前「貴様を逃す訳にはいかないんでな。おとなしく捕まりやがれ!」
キリングダンサーの佐藤「ならば先程のダンスとは違う、私の
 殺人ダンスで葬ってやる!」
快傑ズバット「財前、佐藤は俺が相手をする!お前は池原の確保だ」
財前「頼んだぜ!」

財前は池原を追い、快傑ズバットはキリングダンサーの佐藤と対峙する。
佐藤はダンスをするかのごとくパンチやキックをズバットに繰り出していくが
ズバットも攻撃を防ごうと抵抗する。

キリングダンサーの佐藤「ならば、これならばどうだ!」
ズバット「(仕込みナイフか!)」
キリングダンサーの佐藤「まだまだぁ!」
快傑ズバット「ぐっ!」

キリングダンサーの佐藤はズバットに蹴り上げると、佐藤の靴から
仕込みナイフが飛び出し、ズバットに斬りつける。ズバットは避けるが
そこに佐藤はパンチを送り込み、ズバットを殴る。

キリングダンサーの佐藤「トドメを刺させてもらうぞ!」

そしてズバットにトドメを刺そうと懐からナイフを取り出し、リズムに
のってズバットの心臓をめがけて刺しこもうと近づく。

快傑ズバット「今だ!」
キリングダンサーの佐藤「ぐわぁ!」

だがズバットは鞭でキリングダンサーの佐藤の身体を締め上げると、
そのまま空中へ放り投げる。

快傑ズバット「てりゃぁぁぁ、ズバットキック!!」
キリングダンサーの佐藤「ぐわぁぁぁ!!」

すかさずズバットは弱っているキリングダンサーの佐藤に必殺の
ズバットキックを繰り出し、佐藤はダウン寸前にまで追い込まれる。

快傑ズバット「言え!2月2日、ダッカーの真の首領、総統Dと共に
 飛鳥五郎を殺したのは貴様か!!」
キリングダンサーの佐藤「ち、違う!その時、俺は南米のダンス大会に
 出場していた!」

ズバットスーツの制限時間が近づく中、ズバットはダウン寸前の
佐藤に、かつてダッカーの真の首領、総統Dと共に、飛鳥五郎を
殺したのか問い質す。実は早川は親友である警視庁の刑事、
東条進吾から最近の調べで飛鳥五郎の殺人には、もう一人の人物が
関与している事を知らされており、早川はダッカーの行方を追うと共に
もう一人の飛鳥殺しの犯人の行方を追っていたのであった。しかし、
佐藤は自分のアリバイを話し、飛鳥殺しを否定する。

快傑ズバット「くっ・・・ズバットアタァァァック!!」
キリングダンサーの佐藤「ぐわぁぁぁぁ!!」

犯人ではないと知り、ズバットは必殺のジャンプキックである
ズバットアタックをキリングダンサーの佐藤に繰り出し、
キックを受けた佐藤は気絶する。

財前「終わったか?」
快傑ズバット「ああ・・・・だが、飛鳥殺しの犯人では無かった」

ズバットアタックを繰り出した後、制限時間が近づいた為、ズバットは
ヘルメットのマスク・バイザーを開け、爆発を防ぐ。財前の方も、
池原をシャトルに乗る前に捕まえる事が出来た。

財前「さてと、地球へと戻るとするか」
早川「ああ・・・・(飛鳥。かならず犯人を捕まえてやるぜ!)」

池原とキリングダンサーの佐藤を捕え、財前と早川は地球へと
戻る。そして早川はもう一人の飛鳥殺しの犯人をかならず捕まえようと
決意するのであった。

658ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/03/09(水) 14:54:06
>>624加筆
●高見沢逸郎→香川英行にオルタナティブを開発させるよう協力させる。
●東條悟→香川英行を高見沢の下へ連れてくる。
△佐野満→自身の保身の為、オルタナティブの事などの情報を
   ブレイバーズに話す事を決める。
△香川英行→高見沢にオルタナティブを開発するよう協力させられる。
●浅倉威→神崎士郎からシグフェルの事を教えられる。
●神崎士郎→浅倉威にシグフェルの事を教える。
◯財前丈太郎→池原敬三と高見沢グループの不正を調べる為、
  コロニーにやって来て、池原を捕まえる。
◯快傑ズバット/早川健→ダッカーともう一人の飛鳥五郎殺しの犯人を
  追って、財前に同行しキリングダンサーの佐藤を倒す。

◯沢渡優香→高見沢グループの研究所に連れてこられ、眠らされる。
●池原敬三→高見沢との間で不正を働いており、その疑いを掛けられ
  ないように、コロニーに滞在するが、財前丈太郎に捕まる。
●キリングダンサーの佐藤→池原の用心棒として、財前や早川と対峙。
   快傑ズバットに倒される。

【今回の新登場】
△香川英行=オルタナティブ・ゼロ(仮面ライダー龍騎)
 清明院大学の教授。瞬間記憶能力を持つ天才で、知的で滅多に感情を
 表に出さないが、強い正義感を持ち合わせている。家族は妻と息子による
 3人家族。偶然、神崎士郎の研究資料を読んだ事でミラーワールドの事を
 知り、士郎の研究とミラーワールドの脅威を止める為、疑似ライダーである
 「オルタナティブ」を開発し、自身も「オルタナティブ・ゼロ」に変身した。
 「大多数を救う為、小数を犠牲にする」という考えを持っており、神崎優衣の
 抹殺を画策した。

●浅倉威=仮面ライダー王蛇(仮面ライダー龍騎)
 関東拘置所に拘留されていた凶悪殺人犯で、感情のままに殺人や
 暴行を繰り返してきた。ライダーバトルを円滑に進める存在として
 神崎士郎からカードデッキを渡されて脱獄。無罪にする事が
 出来なかった北岡秀一を逆恨みして、事ある事に付け狙っている。
 ライダーバトルという殺し合いそのものを楽しんでおり、生き残った
 暁にはさらに戦い続ける事を願うつもりでいた。

◯財前丈太郎(内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎)
 内閣権力犯罪強制取締局に属する捜査官の1人で、政界の巨悪を
 取り締まる事に全てを賭けている。警視庁勤務時に殉職した事にされ
 内取が創設するまでの間、英国に渡英して、SASに入隊し、数々の
 武勲を上げた。あるミッションでイギリスの石油王の子息の救出に成功した
 ことへの感謝の証として、ザイナース社のゴールドブラックカードを所持するに
 至り、カードの支払いはパトロンである石油王が全て負担している。

●池原敬三(闘争の系統オリジナル)
 高見沢逸郎と共に不正を働いていた日本の国会議員。高見沢逸郎が
 行方をくらました事で、疑いをかけられないようにコロニーに逃げていたが
 財前丈太郎によって捕まる。

●キリングダンサーの佐藤(闘争の系統オリジナル)
 【踊る殺し屋】の異名を持つダッカー所属の殺し屋でダンサー。
 踊る様に相手を始末する。高見沢を通じて池原議員の用心棒を
 していた。

659凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/11(金) 19:19:52
>>631の続き

シグフェルを取り囲み、じりじりと迫る天童忍軍。
戒、優香、慎哉の三人を守ろうと、シグフェルも応戦の構えを取る。
一触即発の張り詰めた空気が臨界点に達しようとしていたその時…。

クールギン「ハァッ!!」
シグフェル「…!?」

シグフェルを囲う天童忍軍の輪を跳び越え、
クールギンがシグフェルに大上段から斬りかかった。
咄嗟に身をかわしたシグフェルだが、
その動きによって守っていた戒や優香や慎哉との距離が離れてしまい、
三人とシグフェルとの間にクールギンが立ち塞がる形となる。

シグフェル「お前は…!?」

シグフェルはこの銀仮面の戦士――クールギンの姿に見覚えがあった。
忘れもしない。以前ザイラユニコンを倒した直後、
同じように奇襲で斬り付けられて深手を負わされた相手だ。

クールギン「今回はかわしたか。
 聞けばあの宇宙に名を轟かせたキアイドーをも倒したとの事、
 どうやら強くなったようだな、シグフェル」
シグフェル「とんでもない敵が次々と現れてくれるからな…。
 お陰様で強くならずにはいられないってところさ」

わざと軽口を叩いてクールギンの注意を逸らそうとするシグフェルだが、
剣を構えて立つクールギンには一分の隙もない。

タグスキー「ヨロイ軍団豪将、兄タグスキー推参!」
タグスロン「同じく弟、タグスロン参上!
 天童の鼠ども、我ら兄弟が相手だ!」

クールギンの出現に騒然となった天童忍軍に向かって、
ヨロイ軍団のタグ兄弟が名乗りを上げながら乱入。
たちまち彼らと激しい戦いになる。

シグフェル「フレアセイバー!」
クールギン「フン…」

乱闘を横目に、愛剣フレアセイバーを手にしてクールギンと斬り結ぶシグフェル。
シンケンレッドとの修業で剣の腕を飛躍的に上げ、
遂にキアイドーをも破るに至ったシグフェルだが、
クールギンはそのシグフェルを相手にしても余裕の様子で、
常に後の先を取りながらフレアセイバーの剣戟をいなしていく。

クールギン「(これがシグフェルの力…。
 いや、秘めたる潜在能力はそれ以上か。
 これほどのパワーを新怪人に取り込むとなれば…!)」

一度、また一度と切り結び合いながら、
クールギンはシグフェルの強さの程を確かめていた。
現時点での力もかなりのものだが、これでシグフェルは完成形ではない。
その内奥にはまだまだ底知れぬポテンシャルが眠っているのを剣を通して感じ取り、
クールギンは戦闘そのものは優勢に進めつつ、内心では大いに戦慄していたのである。

シグフェル「とあっ!」
クールギン「フン!」

シグフェルの一撃をバックステップでかわしたクールギンは姿勢を正し、
気を落ち着けると、剣をゆっくりと回転させて剣先で大きな弧を描き始めた。
クールギン必殺の円月殺法の構えである。

シグフェル「くっ…!」

シグフェルも新技・火焔十字の舞(クロスプロミネンス)を撃ち込もうと、
フレアセイバーを構えてクールギンの隙を窺う。
お互い、一瞬でも油断すれば命はない。
そんな緊迫感が対峙した両者の間に漂う。

660凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/11(金) 19:26:05
慎哉「おい、今の内になら…」
優香「ええ、逃げられるかも知れないわ」
戒「…よし」

クールギンはシグフェルとの一対一の真剣勝負に集中しており、
天童の忍びらもタグ兄弟との戦闘で次々と薙ぎ倒されていく。
今がチャンスと見た慎哉、優香、戒の三人は、
一斉にダッシュでその場から逃げ出した。

朱音「フフン、逃がしはしないわ!」

だが、忍者を相手に隙ありと見たのは甘かった。
タグスキーと激しく戦っていた朱音だが、
それでも本来のターゲットである戒からは一瞬たりとも目を離していなかったのだ。

朱音「彩堂寺戒、覚悟っ!」

突進してくるタグスキーには目もくれず、
忍者刀を振り上げ、朱音は疾風のような速さで戒に斬りかかった。

クールギン「させるかっ!」

だが戦場全体を見渡す視野の広さは、
シグフェルとの勝負に全神経を集中しているかに見えたクールギンも同様だった。
逃げ出した戒に朱音が飛びかかったのを見るや、
クールギンは円月の構えを中断して素早く反転し、
これまた神速のスピードで朱音に向かって行ったのだ。

クールギン「つぁっ!」
朱音「うぐっ…!」

戒の身に朱音の刀の先が到達する寸前、
逆袈裟に振り上げられたクールギンの凶刃が朱音の脇腹を斬った。
苦しげな悲鳴を短く上げ、朱音はもんどりうって倒れる。

シグフェル「このっ!」

容赦なく朱音を斬り捨てたクールギンに激昂して挑みかかるシグフェルだが、
クールギンは軽くそれをかわすと戒を捕らえ、
首に手刀を叩き込んで気絶させた。

優香「きゃあっ!」
クールギン「お前達に用はない! どけ!」

その場に立ちすくんでいた優香と慎哉を突き飛ばすと、
クールギンは戒を肩に担いだまま大きくジャンプし、
ビルの屋上に飛び乗ると姿を消してしまった。

タグスキー「目的は達成された。退くぞ弟」
タグスロン「おう、兄者!」

タグ兄弟も戦闘を切り上げ撤退していく。
光平はシグフェルの変身を解くと、
脇腹から血を流してうずくまっている朱音の元へ駆け寄った。

光平「大丈夫ですか!?」
優香「ひどい怪我だわ…」
慎哉「あの、すぐ救急車を呼びますから!」

ポケットから携帯電話を取り出した慎哉だったが、
朱音は震える片手を上げてそれを制止するジェスチャーを見せる。

忍者さそり「どけ!」
光平「なっ…!?」

そこに忍者さそりが現れ、朱音を担ぎ上げると、
光平の方を無言でひと睨みしてから、
そのまま朱音を連れて何処かへ去ってしまった。

慎哉「な…何だったんだよ一体…」
優香「彩堂寺くん…」
光平「………」

こうして戒はネロス帝国へ連れ去られてしまった。
後に光平にも大きな試練を与える事になる、
恐るべき大計画がこうして動き出したのである…。

661ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/03/12(土) 21:43:07
***某河川敷の草むら***

さそり「朱音、手間をかけさせたな」
朱音「すまない…」

とりあえず人の気配のない場所へと身を隠した千坂朱音と忍者さそり。
さそりは朱音の脇腹に包帯を巻いて傷の手当てを施す。

朱音「――誰だッ!?」

その時、草むらの向こうから、何者かがこちらに近づいて来る気配を感じた。
足音からして、その人数は二人…。朱音とさそりは素早く忍刀を抜いて身構える。

朱音「お前たちは…!?」
さそり「――!!」

ライダー1号「初めて会った時から、もしやとは思っていたが…」

なんと草むらから姿を現したのは、仮面ライダー1号と2号だった!
あれからゲバローズを退けた後、偶然見かけた朱音と忍者さそりの後をつけて来たのだ。

ライダー1号「千坂先生、天童菊之丞氏は、まだブレイバーズの事をお疑いか?」
朱音「さすがは噂に聞こえた伝説のダブルライダー。とうに私の正体を見破っていたか…」
ライダー2号「心配するな。お前の正体を光平君たちに話すつもりはない」
朱音「なにっ…?」
ライダー1号「天童補佐官にお伝え願おう。
 城南大学生化学研究室の本郷猛と――」
ライダー2号「――同じく、フリーカメラマンの一文字隼人が
 よろしくとな!」

さそり「ふんっ――!!」

忍者さそりは煙玉をダブルライダーめがけて投げつけて、
その間に千坂朱音共々姿を消したのだった。

ライダー2号「…やれやれ、日本の平和のために日夜戦い続けている
 ヒーローたちにとって、権力者の老人の取り越し苦労ほど
 迷惑な事はないんだがな」
ライダー1号「元より俺たちに地球全体や日本を支配しようなどという
 大それた野心はない。今度の事でちゃんとその事も天童側に伝わればいいんだが…」

そこへ遅れて、滝和也がライダーを心配して駆けつけて来た。

滝「ライダー、無事だったか!」
ライダー1号「おお、滝!」
ライダー2号「やはりお前や本郷の睨んだ通り、
 千坂朱音は天童の女間者だったぞ」
滝「やっぱりそうだったか。元々あの女の前歴には
 素性不明な点が多かったからな」

光平の紹介で千坂朱音と初めて会った後、
彼女に不審を抱いていた滝和也は、念のために
密かに朱音の素性を調査していたのだった。

ライダー2号「だが今回の件で、奴さんたちにはしっかり釘をさしておいたからな」
滝「これであの女も当面は大人しくしているだろう」
ライダー1号「だといいんだが……」

662ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/03/12(土) 21:43:48
***日本海溝・ブレイバーベース***

剣持「ダメだ。それはまだ許可できん!」
光平「そんなっ…! なぜですか!?」

彩堂寺戒はネロス帝国へ連れ去られてしまった。
おそらく戒が捕えられている場所は、ネロス帝国の本拠地である
ゴーストバンクに違いない。すぐに救出に向かおうとした光平だったが、
あろうことか剣持隊長がそれに待ったをかけたのである。

光平「ゴーストバンクの所在地はもう分かっているんですよね?
 だったら今すぐにでも乗り込んで!」
剣持「敵もバカじゃない。昔あったゴーストバンクの秘密の入り口を、
 今もそのまま使っていると思うか?」
光平「でも、彩堂寺が捕まっている場所が分かっているのに、
 こちらは手も足も出せないなんて…! こうなったら俺一人だけでも
 ネロス帝国に乗り込みます!」
剣持「待て。今の自分の立場を忘れたのか?
 今の君はネオクィーンセレニティに仕える
 女王の騎士(Knight of the Queen)なんだぞ!」
光平「――!?」

剣持の言葉で、光平はハッとなる。
もしこのまま新宿にある桐原コンツェルンの本社である
超高層ハイテクタワーに乗り込んだとして、
そこで何も出て来なかったとしたら、単に光平=天凰輝シグフェル一人の
失態というだけで済む話ではない。シグフェルを騎士に任命した
セーラームーンにも責任追及の手は及ぶ事になるのだ。

剣持「地球の騎士である天凰輝シグフェルが、
 確たる証拠もなしに土足で大企業の本拠地に踏み込んだ。
 桐原剛造はさぞかし面白がる事だろうな」
光平「………」


――その日の夜。

***朝倉家・光平の部屋***

ルナ「どうしたの?光平くん。こんな夜遅くに私だけ呼び出すなんて…」
光平「やあルナ、わざわざ来てもらってゴメン」

窓から黒猫のルナがひょっこりと入り込んで来た。
ルナは言わずと知れたセーラームーンの相棒(パートナー)である。
光平は、あらかじめ用意していた一枚の封書をルナに手渡す。
全ては光平がセーラームーンに迷惑をかけないためにしたためた物だ。

光平「これをうさぎちゃんに渡してほしい」
ルナ「光平くん!…これって!?」
光平「頼む……」

そしてルナが帰った後、光平も外出の身支度をする。

慎哉「光平、行くのか?」
光平「ああ。彩堂寺とはそんな長い付き合いでもなかったけど、
 やっぱり同じ学校の仲間として放ってはおけないだろ」
優香「光平くん、彩堂寺くんをお願い…」
光平「心配すんなよ。任せとけって!」

663ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/03/12(土) 21:44:25
シグフェルへと変身した光平は、桐原コンツェルンの本社高層ビルのある
夜の月光の下、新宿副都心を目指す。だがその途中、誰かの声に呼び止められた。

セーラームーン「待ちなさいシグフェル!」
シグフェル「…セーラームーン!?」

ネオンが光る雑居ビルの屋上にセーラームーンの姿を確認したシグフェルは、
その場に着地した。

セーラームーン「シグフェル、ルナから話は聞いたわ」
シグフェル「ごめんセーラームーン。女王の騎士として君を守ると言った
 衛さんとの約束は果たせそうにない。もし俺を止めるつもりなら、
 力ずくでも通らせてもらう!」
セーラームーン「あら、誰が止めるだなんて言った?」
シグフェル「えっ…?」

唖然としていたシグフェルの目の前で、
セーラームーンは懐から一枚の封書を取り出す。
先程光平がルナに託した封書=女王の騎士の辞任願だ。
セーラームーンはその封書をビリビリと破り捨てた。

シグフェル「うさぎちゃん!?」
セーラームーン「らしくないよ光平くん!
 さあ、友達がピンチなんでしょ?
 あたしのことなんか気にしなくていいから、
 早く助けに行ってあげて!」
メタルダー「セーラームーンの言うとおりだ。シグフェル!」
シグフェル「メタルダー!? 貴方までどうしてここへ!?」

セーラームーンの脇から姿を現したのは、超人機メタルダーだった。

メタルダー「剣持隊長から頼まれた。君はきっと一人で先走って
 無茶をするだろうから、一緒について手助けしてやってほしいと」
シグフェル「剣持さんがそんなことを…」

そうだ…! 自分はもう一人ではなかった。
こうして支えてくれるブレイバーズの仲間たちがいる。
その事を改めて再認識して感謝し、一人で突っ走りそうに
なったことをシグフェルは深く反省するのであった。

メタルダー「ゴーストバンクまで案内しよう。
 ただし、以前に僕が通った道が今も残っているという
 保障はないが」
セーラームーン「頑張ってねシグフェル!」
シグフェル「ありがとうセーラームーン!
 メタルダー、よろしくお願いします!」
メタルダー「では行こうか!」

こうしてシグフェルはメタルダーと共に
彩堂寺戒救出のためゴーストバンクへと向かった。
2人を見送るセーラームーン。そんな彼女の肩から
黒猫ルナがひょっこりと顔をのぞかせる。

ルナ「うさぎちゃんも言うようになったわねえ…」
セーラームーン「えへへ…そうかなあ? でも大丈夫!
 シグフェルならきっと無事に戻って来るから」

果たしてシグフェルとメタルダーは
ゴーストバンクに乗り込んで彩堂寺戒を救出する事が
できるのであろうか!?

664ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/03/12(土) 21:44:54
○仮面ライダー1号→千坂朱音の正体を、天童のくノ一であると見破る。
○仮面ライダー2号→千坂朱音の正体を、天童のくノ一であると見破る。
○滝和也→千坂朱音の正体を、天童のくノ一であると見破る。
○剣持保→ゴーストバンクへと乗り込まんとする牧村光平を制止するが、
 その一方で剣流星に光平のサポートを依頼する。
○ルナ→牧村光平から月野うさぎへ宛てた女王の騎士の辞任願を託される。
○セーラームーン→牧村光平が提出した女王の騎士の辞任願を破り捨て、
 ゴーストバンクに乗り込もうとするシグフェルの背中を押す。
○超人機メタルダー →剣持保から頼まれ、ゴーストバンクに向かおうとする
 シグフェルをサポートする。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→女王の騎士の辞任願をセーラームーンに提出するが受理されず。
 超人機メタルダーと共にゴーストバンクへと乗り込まんとする。
○朝倉慎哉→彩堂寺戒救出のため、ゴーストバンクへと乗り込もうとする牧村光平を見送る。
○沢渡優香→彩堂寺戒救出のため、ゴーストバンクへと乗り込もうとする牧村光平を見送る。
△千坂朱音→仮面ライダー1号と2号に、くノ一の正体を見破られる。
△忍者さそり→千坂朱音と共に撤退。

665凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/21(月) 17:36:22
***東京郊外の山中***

スプリンガー「ワンワン! こっちだぜ」

剣流星とスプリンガーに道案内されて、
牧村光平は東京郊外の山林の中を急いでいた。
目指すは、かつてメタルダーがネロス帝国との最終決戦の際に
ゴーストバンクへの突入に利用した秘密のゲートである。

流星「あった。あそこだ」
光平「………」

山林の中に隠れるように設置されている大型の人工物を、流星は指し示した。
以前と全く同じ場所に、ゲートは変わらぬ状態で置かれていた。

スプリンガー「でもおかしいぜ。
 剣持隊長も言ってたように、ゴッドネロスだってバカじゃない。
 既に俺達にありかが割れてるゲートをまだ使い続けてたなんて、
 迂闊と言うにはちょっと不自然だ」
流星「しかも見張りの一人さえ立てていない。
 この無警戒さは、まるで僕らに来いと言っているかのようだ」
光平「罠、って可能性が高いわけですね…」

物陰からゲートの様子を窺いながら、
牧村光平は厳しい表情でぐっと奥歯を噛み締めた。
敵はこちらが乗り込んで来るのを見越して、
手ぐすね引いて待っているのだ。

流星「どうする光平君?
 罠と分かっていても敢えて乗り込むか、
 それとも一度引き返して作戦を練り直すか…」
光平「…行きます!
 グズグズしている時間はないんだ。
 例え敵が待ち構えていたとしても、俺は彩堂寺を助けるために戦います!」
流星「よし分かった。
 それなら僕も一緒に行って戦おう!」
スプリンガー「ネロスの奴らは精鋭揃いの大軍団だ。気を付けろよ」

光平「翔着(シグ・トランス)!!」
流星「怒る!!」

光平の身体が赤い炎に包まれて天凰輝シグフェルに翔着し、
流星は感情の高まりと共に超人機メタルダーに瞬転する!

メタルダー「よし、行こう!」
シグフェル「はい!」
スプリンガー「武運祈るぜ。頑張れよ!」

スプリンガーだけを地上に残して、
シグフェルとメタルダーはゲートに突入した。

666凱聖クールギン ◆COOLqGzyd.:2016/03/21(月) 17:38:48
シグフェル「ここは…」
メタルダー「これがゴーストバンクへ繋がる秘密の通路だ。
 この奥にネロス帝国の基地がある」

ゲートから地下へ降りると、そこは洞窟のような広い岩のトンネルになっていた。
メタルダーに先導されて慎重に暗い洞窟の中を進んで行くシグフェル。
だがその行く手に、戦国武者のような甲冑姿のヨロイ軍団員・暴魂チューボが立ち塞がる。

チューボ「待っていたぞメタルダー、そしてシグフェル!
 飛んで火に入る夏の虫とはまさに貴様らの事!
 取っておきの決戦兵器で派手に迎えてやろう!」

ガガガ…と車輪の音を洞窟内に響かせながら、
全高3メートルはあろうかという大型兵器がこちらへ向かって来る。
銀色のボディを持ち、右手にロケットランチャー、左手にレーザー砲を装備した、
足の代わりに四輪駆動の台車が付いている自走ロボット砲。
メタルダーはその姿に見覚えがあった。

メタルダー「あれはデスターX1…!
 いや、少し違う…」
チューボ「その通りだメタルダー!
 かつて貴様に破壊されたデスターX1を強化改良した後継機。
 名付けてデスターX2!!」
シグフェル「デスターX2…?」

かつてネロス帝国が死の商人に売ろうとしていたデスターX1を
より機動力を高め、口には冷凍光線砲という新兵器も装備させて生まれ変わらせた
デスターシリーズの2号機、デスターX2がシグフェルとメタルダーに迫る。
 
チューボ「メタルダー、シグフェル。
 二人まとめて葬ってくれる。
 やれ! デスターX2!」

チューボの指令に反応したデスターX2が右腕のロケットランチャーをメタルダーに、
左腕のレーザー砲をシグフェルに向けて照準を合わせ、同時に発射した。
ギリギリで回避されたロケット弾とレーザービームが洞窟の壁に炸裂して大爆発を起こす。

メタルダー「前よりも火力が上がっている…!」
シグフェル「負けてたまるか!」

指先から火炎を放ってデスターX2に反撃するシグフェルだが、
デスターX2は口から冷凍光線を発射し、超低温の冷気で火炎をかき消してしまった。

チューボ「フハハハハ!
 シグフェル自慢の火炎も、絶対零度のビームの前には意味を成すまい!
 撃ちまくれデスターX2! 二人とも氷漬けにするのだ!」

冷凍光線をフルパワーで連射するデスターX2。
凄まじい冷気を浴びて洞窟の壁や床がどんどん氷結してゆく。
狭い洞窟内での戦いゆえ横や上空への回避ができず、
前進するデスターX2にシグフェルとメタルダーはじりじりと後ろへ押し戻される。




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