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アライさんは神様が守ってくれるのだ

1 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 58e0-97d8):2019/01/22(火) 02:50:17 ID:epKwX9VM00
アライさんは神様が守ってくれるのだ
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1523211644/
>>35の続きとなっています

2 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 58e0-97d8):2019/01/22(火) 02:51:13 ID:epKwX9VM00
この収容所はアライさんを収容するのが主な目的だと聞いた時、私は侵入することは容易いと確信した。
念のため遠方から観察してアライさんが一度にどの程度の数と間隔で収容されていくか調べた。
一度に多くのアライさんを運び、かつ収容回数が多いこの施設は当然ある程度はアライさんを運びやすい構造になっている。
つまり侵入しやすいのだ。脱出に関しては困難だろうがそこは考えてある。

工場と思われる施設の天井裏に潜んでいる「私」はうつ伏せの状態で小さく開けた穴から下の様子をうかがっている。
どうやらここは工場と外をつなぐ通路の様だ。丁度私の下を忙しそうに二人のアライさんが台車を押して通る。
彼女たち二人は高さ160センチ程の密閉された、円筒形の容器を二つ載せた台車を二人がかりで押していた。

アライさん1「うぅ…この作業は嫌いなのだ。このゴミ箱みたいなの生臭いのだ」
アライさん2「アライさんはもう慣れたのだ。それに食堂の掃除とかトイレの掃除よりはましなのだ」
アライさん1「職員の建物の掃除は楽なのだ。真面目にやってさえいれば優しいのだ」
アライさん2「それにしても最近このゴミ箱を運ぶ仕事が増えたのだ」

その後もう片方のアライさんが何か言っていたが声が遠ざかって聞こえなかった。
私は穴から目を離し、アライさん達がやって来た方向、つまり工場の方へ屋根裏を進んでいった。

しばらく天井裏をうつ伏せで前進して進んだ後、私はトイレの天井から施設内に侵入した。当然誰もいない女子トイレだと確認した後だ。
この収容所について調べることは難しくなかった。なにせテレビで度々紹介されるし、制服に至ってはその見た目はもとより製造したメーカーまで公表されている。
よってこうして制服の精巧なレプリカを用意することはとても簡単だった。
私は懐に収めていた帽子を深くかぶると、ポケットの中のフラッシュメモリほどの大きさの隠しカメラをもう一度確認した。このカメラで真実を撮影するのだ。
この収容所は入って行ったアライさんやアライちゃんが多すぎる。いくら収容所が大きいとはいえ限界がある。
つまりこの収容所に併設された、メディアに公開されていない工場にアライさん達が送られている可能性が高い。

しばらく誰も居ない廊下を慎重に捜索してみたが、この区画はどうやら何かの薬剤を製造しているようだ。
製造ラインを見下ろせる窓から、採血用の試験官程の大きさの容器の中に黒い液体を注入している機械と、何人かの男性の監視員の姿が見える。
そしてその容器はまとめられ、箱詰めされる。その箱には「NFSS」と書かれている。

そのまま廊下を歩くと突き当りに分厚い扉があった。プレートには「圧縮所。NF及びB級以上の研究者以外立ち入り禁止」とある。
通常こういう重要そうな場所には鍵がかかっているのだがどうやら侵入者の想定はしていないらしくあっさりと扉は開いた。

「うっ」
中に入った瞬間強烈な血と糞尿の匂いがした。駆動音のする方向を目指してしばらく機械の間を縫って歩くと目の前にそれは現れた。
それは10メートル四方のプールのような穴だった。深さは4メートル程で、穴の左右には落下防止のための2m程の柵が設置されている。匂いはここからきているようだ。
私が底に何があるか確認しよう柵に近づいた瞬間奥のドアが開く。
慌てて身を隠すと、レールに乗った運搬用の小型車両が入ってきた。その荷台に乗っていたのは、
「アライちゃんに、アライしゃん。それにしてもすごい数」
40センチほどの小さなアライちゃんから、大きい個体は120センチほどのアライしゃんがまるで集積されたゴミの様に折り重なって荷台に乗っていた。
その頭数は100頭以上は居るだろう。
どうやら死んでいるのではなく薬か何かで眠っているようだ。
車両は柵の無い場所から無造作にアライちゃん達を穴に投下すると元来た扉からどこかへ去って行った。
私は柵に近づくとアライちゃん達の様子をうかがった。何匹かは眠ったままだが、
ほとんどのアライちゃんやアライしゃんは落下の衝撃で目を覚ましているらしくわらわらと身を寄せ合い、折り重なっていた。

3 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 58e0-97d8):2019/01/22(火) 02:53:05 ID:epKwX9VM00
アライちゃん1「うげっ!せまいのりゃ!どくのりゃあああ!」
アライしゃん21「そんなこと言ってもここが狭すぎるのだ!」
アライちゃん35「びぇええええここはどこなのりゃ!おかーしゃーーーんおかーーーしゃん」
アライちゃん67「うげぇええぐぇ・・・おも…おもいのりゃ…」
アライしゃん23「うーむ、もしかしたらお前たちを踏み台にすればアライしゃんだけは助かりそうなのだ」
アライちゃん46「あっ!上にだれかいるのりゃ!」

私に気付いたアライちゃん達はこちらを向きながら口々に私に助けを求めた。

私「待って、ええと手を伸ばせば届くかな」

私は柵が無い場所に向かおうとアライちゃん達から目を離した。

アライちゃん17「待つのりゃ!アライちゃんだけでも助けるのりゃ!」
アライしゃん23「くずなのだ!血も涙もないのだ」
アライちゃん88「おまえりゃがお腹を押すからうんちもれたのりゃ!」

アライちゃん達の抗議の声が聞こえたその時、けたたましい警戒音が鳴り響いた。
侵入がばれたのかと思った私は慌てて機械の陰に隠れようとしたが次の電子音声を聞いて凍り付いた

「圧搾作業開始シマス。職員ハ離レテ下サイ」

ビービービー

頭蓋骨に響く程の大音量の警戒音の後、

ゴンッ!

プールが無くなった。そう目の前にあったはずの穴が無くなったのだ。私が目の前にあった穴がプールではなく左右から押しつぶす機械の隙間だったと理解するまでしばらくかかった。

「あの、どうしましたか?服を見る限り研究員でしょうか?どうしてこんな場所に?」

聞こえる声に慌てて反応すると心配そうな顔でこちらに話しかける帽子をかぶった軍服姿の少女がいた。
私は呼吸を整えると困ったような表情を作りあわせた両手を口元に持って行った

「あ、あのぉ…実は…えーっと…その…」

そう言いながら私はポケットからチョコバーを取り出した。

「・・・おやつを・・・ですね」

軍服の少女はポンと手を叩くと納得したようににっこり笑った。

軍人「あーだからこんな誰も来ない場所で。それでは内緒にしておくので」

そう言って彼女は右手を小さく挙げた。

カチッ…

私が恐る恐る振り向くとアサルトライフルを構えた軍服の少女が二人

「チッ…」

私が顔を歪めてそう吐き捨てると目の前の軍人の少女はその手をひらひらと左右に振った。

軍人「たとえ廊下で出会っても貴方は一目見て侵入者だと分かりますよ。あなたは背が高すぎる」
「155センチで背が高い?ニューフレンズは化け物と聞いていたが随分とこじんまりとしているのだな。それとも研究員兼実験動物?」
軍人「次に侵入する時は身長を150センチ以下にするといいですよ。次があればですけど。さてご案内しますのでご同行ください」

銃で脅されては言うがままになるしかない。私は観念して彼女達に連行されることにした。


連行された先は収容所の運動場だった。流石に武器の類があってはいけないと殆どの荷物は取りあげられたが、小型カメラは何故か没収されなかった。

「好きなだけ撮れってことかな。」

先程は虚勢を張ってみたが、一般人が軍人に勝てるわけがない。しかもニューフレンズは人間より身体能力が高いと聞く。
没収されたパスポートから自分の身分と「誰の娘なのか」はすぐに向こうに知られるだろう。

目の前で思い思いに遊んでいるアライさん達を眺めていると、一人のアライさんが近寄って来た。

アライさん「おお、女性のヒトさんは珍しいのだ。どこから来たのだ?」
「東のとても遠くよ。連合国ってわかるかしら?」
アライさん「わからないのだ」

アライさんは私の隣に座ると、視線をとある場所に移した。そこでは一人のアライさんが数人のアライさんに殴る蹴るの暴行を受けている

私が立ち上がろうとすると隣のアライさんは静止した。

アライさん「あのアライさんは他のアライさんをいじめていたのだ。だから他の強いアライさん達がうまく体を動かせなくなるようにしているのだ」
「ああいうことは良くあるの?」

アライさんは頷いた。

アライさん「職員さんのいう事を聞いていればここは天国なのだ。ごはんはちゃんともらえるし、がんばればようせい施設というところへ連れて行ってもらえるのだ」
「え?養成施設?それは・・・」

4 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 58e0-97d8):2019/01/22(火) 02:55:38 ID:epKwX9VM00
私がアライさんに詳細を聞こうとするとタイミング良く職員がやって来た。どうやら話を聞かれていたらしい。
軍服からして先程の少女達より階級はかなり上だ。彼女の右手はポケットだ。つまりは武器を携帯している可能性が高い。
狐耳の少女は笑顔で私に話しかけてきた。その切れ長の目が笑っているかどうかはここからは確認できなかった。

所長「はじめまして。そうですね名前はありませんので私のことは所長で結構です。ユカ・タカハシさん。将官のお父様はお元気ですか?」
ユカ「敵国を心配するなんてずいぶんと優しいですね」
所長「いえいえ、それはそれとして、養成施設は機密事項ですので忘れていただけますか?」
ユカ「ご冗談を。今すぐ私を空港まで送っていただきたいです。それとも空爆された後にお抱えの車で帰った方が良いですか?」

所長はふむふむと頷くと右手をポケットから出した。その手に握られているのは金属で出来たロープだった。

ヒュッ

アライさん「ぐえっ!所長さんなに、ぐっをするのだ!」
所長「識別番号を調べるまでもない。機密漏洩は即処刑とする。46番から48番。こいつを吊るせ」
後ろに控えていた3人のニューフレンズが所長から縄を受け取ると、3人がかりでアライさんを取り押さえ、高さ3メートルほどの鉄棒の方へ引きずって行った

アライさん「あああああごめんなさいなのだぁあああ!もう何も言わないから許してほしいのだぁ!」
46番「黙れ!」

ボキッ!

アライさん「びぃいいいいい!」

46番のブーツがアライさんの股関節を踏み抜き、鈍い音と共にアライさんは失禁した。3人の少女はアライさんの足を金属のロープで縛りあげると、アライさんを鉄棒に逆さに吊るした。

アライさん「うっ…うううう…許してほしいのだ…。アライさんは来月からこどもを…」

47番「知ったことか!」

ボグッ

アライさん「ごぼっげぼげぼっ・・・」

脇腹を殴られたアライさんはよだれを垂れ流しながら嗚咽を漏らす。

所長「私達も情報漏洩を行ったアライさんを放置していては中央の偉い方々に示しがつきませんので。残念です」

満面の笑みの彼女を見て私はやっと自分が利用されたのだと気付いた。アライさんは口が軽い。そして私はジャーナリストの性分で聞いてしまう。

ユキ「お前らに情はないのか。フレンズの名前を借りた鬼畜生が」

所長はそれを聞くとくすくすと笑いだした。どうやら相当面白かったらしく目に涙を浮かべている。

所長「私達が鬼畜生。そんなことではこれからやっていけませんよ」

ひとしきりくすくす笑うと、彼女は右手を上げ声を張り上げた。

所長「これより処刑を開始する。罪状は機密漏洩、重罪だ。よって即刻処刑だ。全員しっかり見るように。」

アライさん「うあああああああ!助けて欲しいのだお姉さん!お姉さんアライさんが言ったことを忘れて欲しいのだ!アライさんは来月からこどもが作れるのだ!死にたくないのだ!」

逆さに釣られながら自分の失禁とよだれで顔面を汚しながらアライさんが私に訴える。

ユキ「わ、解った。忘れる。なにも言わない。ここでのことは・・・」

トスットスッ

アライさん「キュッ」

46番のナイフがアライさんの胸の二か所に浅く刺さり、そして抜かれた。

アライさん「ぷっ・・・くっききぼぼぼぽこ」

あふれ出る血液がアライさんの喉に詰まり、口から血の泡が噴き出した。

アライさん「ぼぼぼぼじぼなぶぶぶぶぶ・・・ぶ?ぶぶぶぶ」

ユキ「やめろ!せめて楽に殺せ!」

胸の二か所の刺し傷でアライさんの両肺はしぼんだまま膨らまなくなったのだ。つまり息を吸うことができない。

アライさん「ぶっ…ぶっ……ぶ…」

ブルブルと震えながら血の泡と尿をまき散らすその処刑方法の視覚的なインパクトは絶大だ。
遠巻きに見ていたアライさん達は一様に恐怖の表情を浮かべていた。

所長「では行きましょうタカハシさん?貴女の身柄は取材協力の名目で中央が預かるそうです。良かったですね。誰かインタビューしたい方がいれば遠慮なく言ってください。68番、あなたは吊るしたアライさんの死亡確認をお願いします」
68番「分かりました。」

兵士に両脇を固められた私にもう抵抗する気力は湧かなかった。

5 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 58e0-97d8):2019/01/22(火) 02:56:12 ID:epKwX9VM00
収容所の所長としての私の仕事は「ここでアライさんに非フレンズ道的行為をしていること」を他国から隠すことだ。
なので他国のジャーナリストを捕まえたこのタイミングはまさにアライさんの殺し時なわけなのだ。
矛盾しているようだがそうでもない。確かにここはニューフレンズに必要な液体を製造する工場もあるし、アライちゃんやアライしゃんをプレスする機械もある。
アライさんも定期的に目についたのをチップも確認せずアライさんに恐怖を与えるために処刑もする。
こうやって小さな虐待の証拠を大事に隠す。大事に隠した物を相手は重要なものと思うわけだ。

所長「今日は密告をサクっと処理しようかと。」
部下「なにもジャーナリストを捕まえた時にやらなくても。」
所長「タカハシさんは今職員用の懲罰房ですので大丈夫ですよ。それに中央から来られる方が決まりまして。今日来るそうです。」
部下「流石敵国のVIPを捕まえただけありますね。それにしても早すぎませんか?ここから中央まで車で3日はかかりますよ?」

私は頭痛を堪える様に頭を押さえた。そう、中央の役人が来るのは良い。ここで良いところを見せれば手当も良くなるだろう。
しかし来る役人が最悪なのだ。

所長「今日、彼女の身柄を受けるのは・・・シスターアネモネです。タカハシさんのたっての希望だそうです。」

部下の顔が引きつる。シスターのいる街と収容所は確かに急げば1日かからない。

部下「今すぐ密告処理しましょう!」

部下がやる気を出してくれたので、私は内線で密告されたアライさんを呼び出すように看守に連絡した。



密告を受けたアライさんは尋問室に連行される。ここで密告が真実か嘘かを判断するのだが、監視カメラ等の調査で事前に真実か嘘かは判明している。
つまりここに来た時点で密告は真実なのだ。嘘だった場合は密告者がここに来ることになる。
今日連行されたアライさんは4人。普段なら時間をかけるのだが、ジャーナリストを捕まえてから丸1日経過している。シスターが来るまで最早時間は無い。

尋問官「先日運動場でC5のアライさんがお前達に暴行されていたという密告があった。それは本当か?」

アライさん1「あのアライさんは他のアライさんをいじめていたのだ!アライさん達は正義をなしたのだ。」

他のアライさんも首を縦に振る。尋問官は所長をチラリと見た。所長はパラパラと分厚い本をめくる。本来なら所長は尋問をしないのだが、
今日は軽微な密告がいくつかあり人手が足りないのだ。

所長「そういった時は迅速に看守や我々ニューフレンズに連絡するように、と規則にあります。ところで具体的にどういったいじめを行ったのですか?」

アライさん2「あいつは工場で他のアライさんを突き飛ばしたのだ。それで突き飛ばされたアライさんはバケツの中身をこぼしてしまって怒られたのだ。」

尋問官「監視カメラを確認したところ、確かに突き飛ばしてはいますが、それは突き飛ばされた方がバケツを落としアライさんのしっぽを挟んでしまったからです」

アライさん3「でもアイツは謝ったアライさんを許さなかったのだ。」

尋問官「それは良くないですね。」
所長「暴行を受けたアライさんには怪我が回復次第お話を聞きましょう。」

この対応を聞いてアライさん達の顔に笑顔が浮かんだ。相手に非があると尋問官と所長が認めたから自分たちは助かる。そう甘い夢を見たのだ。

尋問官「だがお前たちの規則違反の理由にはならない。集団での暴行は重罪だ。」

アライさん2「そ、そんな。アライさん達は良いことをしたのだ」
アライさん4「そうなのだ。連絡しなかった罰は受けるのだ。でもそれ以上はおかしいのだ」
アライさん1「アライさん達は正しい行いをしたのだ。じょうじょうしゃくりょーが欲しいのだ」

所長「それはそれ、これはこれです。ということで4人はそれぞれ…」

そこまで言った所長の言葉が止まる。尋問室の扉が開き、一人の少女が入ってきたのだ。
白いロングワンピースで着飾ったその少女は丁寧に扉を閉めた。
この部屋の鍵は内側にしかなく、そしてカギはちゃんと閉めていたはず。

アネモネ「どうしました?所長はここにいらっしゃると、ええ、到着しました」
所長「シスター。今は尋問中で」
アネモネ「聞いていました。正義を行ったとは素晴らしいことです。そうそういつもの服で来ようと思ったのですが、やはりおめかしすべきだと家からこれを着てきました」

アネモネはにっこりと笑うとその場でくるりと横に一回転した。ふわりとロングワンピースの裾が踊る。それだけを見れば彼女は可愛い少女だ。

アライさん1「こいつ頭がおかしいのだ!だってさっきチラッと見えたのだ!ひっ!」

アネモネは何かをいいかけたアライさんの顔に自分の顔を近づけた。お互いの吐息を感じる距離まで近づいたアネモネはアライさんの顔を両手で掴む。

アネモネ「女の子の服の中を覗くのはよくないのでは?それともあなたは私のような少女が好きなのでしょうか?でしたら私は食べられてしまうのですか?」
微笑みを崩さないまま2度アライさんの顔に息を吹きかけたアネモネは、何事も無かったかのように振り返ると息を吹きかけたアライさんに背を向けた。

6 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 58e0-97d8):2019/01/22(火) 02:56:54 ID:epKwX9VM00
アライさん2「なんなのだコイツは」
アライさん3「ヒトの職員さんなのだ?それにしてはずいぶん小さいのだ」
アネモネ「そこで、です。この3人のうちの1人は許しましょう。正義を成したのは事実です。それは当然考慮すべきです。私の権限です。かまいませんね?」

アネモネの視線を受けて所長は頷く。中央の権限であればアライさんの恩赦は特に問題は無い。

アネモネは両手を合わせて口元に持っていくと3人のアライさん達の方に視線を移すと、まるで喫茶店でパフェを頼むかのような気軽さと楽しそうな声でこう言った。

アネモネ「許すのは、お互いにここで殺し合って生き残った一人です。私が選んでもいいのですが、それでは不公平です。私は神ではありませんので」

アライさん4「ちょっと待つのだ、まずアライさん達は4人いるのだ」
アライさん3「そうなのだ4人いるはずなのだ」
アライさん2「こいつ数も数えられないのだ?」

アネモネ「数えてみましょう?まずあなた」

アライさん2「こいつ臭いのだ!」

アネモネ「次はあなた」

アライさん3「うげっ!ほんとなのだ!怪我した時の傷口のにおいがするのだ」

アネモネ「最後はあなた」

アライさん4「待つのだ、最初のアライさんを数えてないのだ」

アネモネ「この方は数えました」

アライさん2「アライさんじゃないのだ。ドア側にもう一人アライさんが・・・いないのだ」
アライさん4「ほんとなのだ!あいつ逃げたのだ!」
アライさん3「職員さんはアライさん達よりそいつを追うのだ」

アネモネは後ろを振り向くと今初めて気が付いたかのように微笑んだ

アネモネ「ええ隠れていました。ほら」

彼女が示したのは居なくなったはずのアライさんが座っていた椅子。そこには圧力鍋でグズグズに煮込んだような肉塊が、いやアライさんの腰から下があった。
両脚は崩れ落ち、落ちた衝撃でいくつかの肉塊に分離していた。そこから覗く骨も本来の固さを完全に失っている。
それとは別に椅子の後ろにはなにやら赤い吐しゃ物のような塊の山がある。その量は丁度アライさんの上半身の合計と同じに見える。

アネモネ「私の名誉もありますので、ええ、私は良い匂いです。良い石鹸で洗いましたので。ですので私の匂いではなく彼女が原因では?」

この時点で一番知恵の回るアライさんは考えた。目の前のワンピースの少女は化け物だ。だとすればもう戦うしかない。

カッ カン カランッ

アネモネのワンピースから何かが落ち、そのアライさんの目の前に転がった。それは金属製の黒い杭。丁度テントのロープを留めるような大きさのそれをそのアライさんは立ち上がり両手で掴んだ。
そして

アライさん4「うぉおおおおおおお」

隣のアライさんの顔面に突き刺した。杭は鼻に斜めに深く突き刺さった。

アライさん3「ぐぶっ!」

とっさに刺されたアライさんは相手を突き飛ばそうとしたが喉まで突き刺さった痛みで体が動かない。

アライさん4「アライさんが勝つのだ!」

ザクッザクッザクッ

アライさん3「おぶっ!やめっ!うぼ!」

ザクッ!グチャ!グチャ!

アライさん3「へぶっ」

断末魔の叫びと一緒に吐き出された肉片が混じった血を浴びたアライさんは、ぬるぬるとつかみにくい杭をしっかりと握るともう一人のアライさんに飛びかかろうとする。
しかし遅かった。

アライさん2「くるなぁ!」

彼女は持ち上げた椅子を、杭を持ったアライさんの頭に思い切り叩きつけた。木製のとはいえ重さは十分だ。頭部にダメージを受けたアライさんは地面に倒れた。

アライさん2「死ね!死んでアライさんの役に立つのだ!」

7 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 58e0-97d8):2019/01/22(火) 02:57:32 ID:epKwX9VM00
椅子を何度も何度も倒れたアライさんの頭に叩きつける。しかし倒れたアライさんも牙を剥いて相手の足首の後ろに噛みつく。

アライさん4「グァアアアアアアアアアア!」
アライさん2「ぎゃあああああああああああああああ」

相手の片足のアキレス腱を噛み千切ったアライさんは、そのまま這ってもう片方の足首にも噛みつく

アライさん4「グルルルルルルル!ウルブブブルルル!」
アライさん2「あがががががぎぎぎぎぎぎ」

両足の足首を噛み千切られた痛みで白目を剥きながら、糞を漏らしながら尻を上げてうずくまったアライさんの肛門めがけて、杭を持ったアライさんは杭を打ち降ろした。

ブズッ

アライさん2「おぶっ」

杭は完全に埋まった。当然彼女の子宮や膀胱や腸は杭に貫かれている。だがここで相手が気絶した。

アライさん2「いぎぎぎぎ・・・勝者は・・・勝つのはアライさんなのだ・・・」

ずりずりと身体を回転させながら気絶したアライさんの首元まで口を持ってくると、首筋に噛みついた。

アライさん2「ウルルルルルル!」

頭を左右に振り、残った力を振り絞り首の肉を食いちぎった。

アライさん4「!!!・・・ブブブ・・・」

首筋から暴れたホースの水のように血をまき散らせながらビクビクと痙攣したが、すぐに静かになった。

アライさん2「えぶっ・・・えぶっ・・・勝ったのだ・・・アライさんが・・・許されたのだ・・・」

アライさんは伏せたまま顔を上げて青い顔をした尋問官と所長の方を向いた。尋問官の机の下には吐しゃ物がまき散らされている。

尋問官「ひっ…ああああ…あう…うおげええええ」

ビチャビチャ

他人の目も評価も頭から消え去った尋問官は地面に今度は黄色い胃液を吐いた。
所長は流石というべきか、口を押えて眉をひそめる程度で抑えている。

アネモネ「おめでとうございます。あなたの勝ちです。では医療班を呼ばないと。ひどい怪我です」
アライさん2「早くしてほしいのだ。もう両足の感覚が無くて痛くないのだ」

アネモネは首を噛み千切られたアライさんの首元の辺りから杭を拾うと、それをワンピースの胸元に手を入れてモゾモゾして収めた。

アネモネ「ええ、死が二人を分かつまで。そうです繋がっていればなにもかも生きているのです。愛も、苦痛も、身体も」
ずりずりとアライさんは立ち上がろうとする。しかし足に力が入らない。まるで足なんて無いかのように。
身体から何かが抜けるような感触がする。痛みはない。ただ下半身が無いかのような感覚が気持ちが悪い。

アライさん2「う…うぶっ」

ここでアライさんは意識を失った。

アネモネ「さぁ劇は終わりです。優れた出演者には対価を支払わないと。」

アネモネは股間節から下の足が、文字通り取れて外れたアライさんに賞賛の言葉を贈った。それが聞こえていないと知りながら。

8 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 58e0-97d8):2019/01/22(火) 02:58:25 ID:epKwX9VM00
所長「医療班はすぐ来るそうです。それにしても助かるのですか?」
アネモネ「急げば助かりますのであとは医療班の到着次第でしょうか?他には何か?」
所長「あの、あまりこういった後片付けが面倒な…その…」

アネモネはきょろきょろと辺りを見渡す。

両腕が腐り落ちている首を噛み千切られたアライさんの死体
首から上が腐り切ったアライさんの死体
そして気絶したアライさんと千切れたその両足
もはや茶色い塊となったアライさんだったもの
そして強烈な腐った匂い

アネモネ「良い消臭剤をお送りします」

所長「そうではな・・・いえ、捕虜の受取りですよね。しばらくお待ちください。すぐ書類を書きますので」

シスターに逆らっても良いことはなに一つもない。掃除はDクラスのアライさんにやらせれば良い。
匂いも消臭剤が来るまでここを使わなければいいだけ。なにも問題は無いのだ。
少なくとも目の前の自分よりさらに背が低いシスターに悪い評価を付けられるより。



扉が開いてしばらくして私の鼻に石鹸の匂いが漂った。かなりの高級品だろう。
白いワンピースを着たその少女はにっこりと私に微笑みかけた。その青い目はとても綺麗だ。

所長「タカハシさん。彼女がご所望のシスターアネモネです。受取の書類は揃っています。我が国であなたは彼女の監視下に置かれます。
その代わり、シスターへの取材に制限は設けられていません。彼女は中央の人間ですので全ての機密を貴方に答えても良い権限があります。」

つまり昨日のような罠を彼女は使ってこないということか。それにしてもこの少女があのシスターアネモネ。

ユキ「この小さな華奢な娘があの?」
アネモネ「ええ、そちらでなんと呼ばれているかは全く存じ上げませんが。私がその『フレンズの敵』ことシスターアネモネです」
ユキ「では、私の国の首都であんなことをしたのは」
アネモネ「あの場所はもう我々の首都です」

私はアネモネの顔を睨んだ。彼女はただ優しく微笑んでいるだけだった。その微笑みに嫌味や侮辱は微塵も無い。

所長「ではシスター。無いとは思いますが彼女に逃走されないようにお願いします。」
アネモネ「はぁい。では私は表で待っています」

アネモネがスタスタと部屋を後にすると所長がポンと私の肩に手を置いて真剣な声色でこう言った。

所長「取材道具はすべて返却します。写真は消していませんが、音声は養成施設の部分だけは私でも回答出来ない機密なので消去しました。
私はあなたがニューフレンズをどう思っていようが興味はありませんが、シスターから逃げようとするのだけはやめた方がいいと忠告しておきます」
ユキ「初対面とは違ってずいぶんとお優しいことで」
所長「貴方がアライさんと同じ知能であれば対応は初対面のそれです。貴方がそこまで馬鹿ではないと祈っています」

所長に見送られながら私は二人のニューフレンズに付き添われ、収容所からあっさりと解放された。多分私が手に入れた物はこの収容所と工場の真実ではないのだろう。
でもそれでいい。これを持ち帰れば本国が、そして連合軍がこの国との戦争を続けようとするには十分な起爆剤になる。
もしここにさらなる邪悪が潜んでいたとしても、いなかったとしても、焼き払ってしまえばどうとでもなるのだ。

9 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 58e0-97d8):2019/01/22(火) 03:01:57 ID:epKwX9VM00
今日はここまで。
最初の方はユカとなっていますが、ユキ・タカハシが正しいです
長時間こねくり回したせいでミスをしてしまいました

10名無しさん (ワッチョイ 83f4-a218):2019/01/22(火) 19:40:15 ID:6fo12Xrw00
おつです
復活おめ

11名無しさん (スプー 12d4-f086):2019/01/23(水) 22:12:44 ID:jAptZfEsSd

一体どんな世界なのか気になる…

12 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 75fb-0031):2019/10/10(木) 05:24:18 ID:epKwX9VM00
私の国でもそうそう無い位乗り心地の良い車の後部座席に座った私は、隣に座っているアネモネに早速質問をぶつけた。

ユキ「まずはニューフレンズとは?もちろん公開されていない情報で」

アネモネは車内に備え付けられているテレビから視線を離さない。

アネモネ「フレンズに似た亜人…あら?公開情報でした?。それよりテレビを見ませんか?これから面白い番組が――」
ユキ「いえ、番組より情報が欲しいです。フレンズの虐殺について、フレンズが多く生息している他国の地区の占領行為等。聞くことはいくらでもあります。」

アネモネは身体ごとユキの方を向くとその両手を握り、じっとその目を見た。

アネモネ「貴方のフレンズへの愛はとても素晴らしいですね。まるで恋のよう。とはいえその情報を語るには私達の関係は深くありませんね。」

話が通じているのかいないのか分からない会話だが、どうやらアネモネはニューフレンズについて答える気になったようで、私の目を見ながら話し始めた。

アネモネ「ニューフレンズはまずは1型。これは大量生産される型で、多くは猫耳や犬耳等一般的に受け入れられやすい外見をしています。」

私の両手を握ったままアネモネは説明を続ける。緊張からか手が冷える感覚がする。

アネモネ「次に2型。これは指揮官型と言って1型より多様な形を取ります。収容所の所長などがそうですね。」
ユキ「あの・・・メモを取りたいので両手を・・・」
アネモネ「後で録音をお渡ししますのでメモの必要はありませんよ?それとも私に見つめられていたら緊張しますか?」
ユキ「緊張はしません。ですが流石に顔が近いのでは?」
アネモネ「では少し離しましょう。そして3型。これは特注品です。中央に配属されているニューフレンズはすべて3型です。高級なメイドのニューフレンズもこの型ですね。」

なんとか視線をそらそうと私は下を向こうとしたが、彼女は今度は私の顔を両手で優しく掴んだ。

アネモネ「あら、あら、余所見は感心しませんよ?そして最後が4型。フレンズの捕獲、駆除、説得、中央の広報を行います。」

そこまで言って彼女は私を開放してテレビに視線を戻した。

アネモネ「テレビを見ましょう。丁度広報番組です」

これ以上は番組の後で、と言うことだろう。無駄に機嫌を損ねるのも良くないと思い、私も番組を見ることにした。本国では見ることができないのだから興味がないわけでもないし。

13 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 75fb-0031):2019/10/10(木) 05:26:14 ID:epKwX9VM00
「じゃっじゃじゃーん!みなさん元気ですか?今日もフレンズに困った皆さんのお悩みを解消する番組。フレンズ・おなやみ・解消!の時間がはっじまりましたー司会は!今日も私!シスターリリィがお伝えしまーす!今日も可愛いでしょ!今日のポイントはこのピアス!え?どのピアスかって?」

黄色と白のまだら色の髪の毛を持った少女は、ピアスだらけの耳を指さした。

リリィ「これでーす!では今日は納屋をアライさんに占拠されたこちらのご家庭のお悩みを解決したいと思いまーす!入って良かった管理登録。入会料は無料でーす!」

リリィはマイクを依頼者に向けた。

依頼者「1か月前に悪臭で気付きました。他にも庭や近くの畑が荒らされていたりと被害が出て、民間の駆除業者に依頼をしたのですが数が多いということで断られたところに、近所の子供がアライちゃんに襲われ反撃したところ親のアライさんに大怪我を負わされる事件が起きました」
リリィ「そこで管理登録をご決断されたんですねー。グッドな判断です。管理登録は書類とDNA情報の提出だけですのでしていない方はどんどんしてくださいねー。ガソリンの割引とかありますよ。もしかしたら可愛い可愛い私が取材に来ちゃったりするかもしれませんよ!ではカメラさん!」

リリィの合図でカメラが駆除部隊を映した。
身長と同じ程のシールドを持った少女が一人、消火ホースのような長い得物を持った少女が一人、そしてそのホースに接続されている機械を動かす少女が一人。全員が手足や体を守るアーマーを装着している。

リリィ「じゃじゃーん!駆除部隊でーす!え?説得はどうしたのかって?説得しましたとも!数日前の映像をごらんくっださぁい」



説得する少女「こんにちはアライさん。今日は話し合いに来ました。これはおみやげのおまんじゅうです」
アライさん「うむ、なかなか用意が良いのだ。ここのやつらとは大違いなのだ。この前なんてアライさんの可愛い娘達がヒトさんの子供に襲われていたのだ」
説得する少女「ですがここは元々人間が住んでいた地区です。そこにアライさん3人アライちゃん20人が突然やってきては大変ですよ」
アライさん「アライさん達が快適に住めるのはここなのだ。ここは川も近いし、なにより食べ物があるのだ」
説得する少女「その食べ物はここの住人のものであって、アライさんが勝手に取っていくのは悪いことになります。ですので引っ越し等の用意はこちらでしますので、住処を移していただけませんか?」
アライさん「なんで不便なところに行かないといけないのだ?そもそも食料が無ければアライさんたちはお腹がすいてしまうのだ。アライさん達はここがいいのだ」
説得する少女「ここの食料や家はアライさん達の物ではありません。我々はこちらの住民を守らなければなりません。」
アライさん「そんなことアライさん達は知らないのだ。アライさん達は住処を守るためなら戦うのだ」


リリィ「はい!ということでアライさん達はこの後話し合いに応じてくれなくなりました。数が少なければもう少し説得したり、捕獲したりするのですが流石に怪我を負わされた子供がいるので今回は早めに駆除でけってーい!じゃあいっちゃいましょう!」

リリィの号令を受けて駆除部隊のシールドを持った隊員が納屋の入り口から3メール離れたあたりに、並行に3枚シールドを横に並べて配置した。

リリィ「はーいここから小声でいきまーす。このシールドは左右の支えを展開することでフレンズの突進を受け止めるんですねー。今回はアライさんなので展開するだけでオーケー」

シールドを展開した隊員は次にスモークグレネードのピンを抜くと素早く扉を開け、続けざまに2個納屋の中に投擲した。

リリィ「おなじみのスモークグレネードぉ。この煙は無臭ですが粘膜を強烈に刺激するのに使った後にイヤーな匂いがしなくて便利。殺虫効果もあるのでゴキブリ駆除にも使えますねー。非売品だけど」

そう説明していると納屋の扉が大きく開き、両目を押さえたアライさんが3人フラフラと脱出してきた。

アライさん1「うにゅうおおおお!目が痛いのだあああげほげほ」
アライさん2「ゲッホゲホ!一体何ごとなのだ!火事なのだ?」
アライさん3「表に出て体勢を整えたら整えたらチビ達を助けに行くのだぁ!」

ゴンッ!ドシ!バシ!

アライさん1「いだっ!なんかぶつかったのだ!ぶべっ!」
アライさん2「早くここから離れるのぐえ!」
アライさん3「前が見えないのだ・・・うげっ」

扉の前のシールドに一番前のアライさんが衝突し、続けて後ろのアライさんが前のアライさんにぶつかりシールドの前に固まった。
そこにホースを持った隊員が固まった三人に粘性の液体を噴射した

アライさん1「ぬわあああああああなんなのだこれは!」
アライさん2「なんかネバネバするのだ。早く離れるのだ…だんだんネバネバがひどくなってきたのだ!」
アライさん3「おーい!中のみんな助けてほしいのだ!動けないのだ」

三者三様に粘度を増していく液体に絡め取られ動きを封じられているアライさんからリリィにカメラが移った。

リリィ「この液体は最初はボディーソープ程の粘度ですが、空気に触れると粘度を増す便利な一品でーす。管理登録者が利用できる国営のホームセンターに置いてあるのでみなさんも使ってみてく―ださい!」

カメラがまたアライさん達の方に向いた。かなり動きにくそうにお互いくっつき合うアライさん達に、駆除部隊の3人は腰に装備されていた小さめのネイルガンのようなものを手に取り、アライさん達の体に銃口を押し付けるとトリガーを引いた。

ブシュー!

アンプルに入った液体を注入されたアライさん達はすぐに痙攣を始め、そのまま白目を剥いて酸素を求めるかのように口をパクパクとしはじめた


リリィ「これはニコチン注射!ちなみにタバコ税は来月下がりまーす。私もタバコだーいすきなので税金下がるのはうっれしー!」

そう言っている間にアライさんの命は消え果てたようで、ピクリとも動かなくなった。リリィは隊員に後ろでサポートをするように合図をするとスモークグレネードを3個追加で蔵に投入した。

14 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 75fb-0031):2019/10/10(木) 05:26:49 ID:epKwX9VM00
待つこと1分程。

アライしゃん「ぐえっほぐえっほ!チビたち!こっちなのだ・・・」
アライちゃん2「びえええ!おかーしゃんめがみえないのりゃああ」
アライちゃん4「えぐっえぐっ・・・なみだがぽろぽろなのりゃああ」

恐らく親アライさん達に子守を任されていたアライしゃんと、彼女に連れられてなんとか脱出した8人のアライちゃんを待っていたのは

アライちゃん6「のりゃあああうごけないのりゃ!なんなのりゃこれ(プシュッ)うぶっ!」
アライちゃん8「いもーと、まいごにならないように・・・あらいしゃんのてをにぎ(プシュ)おぶっ」
アライちゃん5「めがみえないのりゃ・・・まっくらなのりゃうびっ!なんかねばねばしたものをふんだのりゃ(プシュ)」

地面に散布されたネバネバの液体とニコチンによる機械的な隊員の処分だった。次々とネイルガンのような機械でニコチンを注射され痙攣をしながら死を迎えるアライちゃん達だったが

アライしゃん「うぐぐ・・・アライさんはにげるのだ・・・逃げてみんなの分まで生き残るのだ・・・」

ほとんど見えない目を頼りにその場から離れようとするアライしゃんにカメラマンがカメラを向ける。

リリィ「いやーガッツがありますねあのアライしゃん!やりますねぇ!ああいうアライしゃん私大嫌いです!」

アライしゃん「うぐ・・・うぐぐ・・・こっちがピカピカしているのだ・・・」

運よく駆除部隊から離れるように蛇行するアライしゃんの足元に一緒に外に出てきたアライちゃん2人がタックルするようにすがりついた。

アライちゃん1「おね、おねーしゃんいたのりゃ!アライちゃんもいっしょにいくのりゃ」
アライちゃん7「うぐぐおいてかないでほじいのりゃ」
アライしゃん「いもーとちょっとまつのだ、そこをつかまれたらあるけないのだぁあああ」

ガンッ

妹二人にすがりつかれたアライしゃんはその場に顔面から倒れこんだ。

リリィ「蔵の中のアライちゃんの駆除もありますしぃ、ここは私がやーりましょう。はいご注目。」

カメラがリリィの方を向く。彼女の手にあるのは1メートル程の長さの金属の手鉤。

リリィ「はい、これ便利ですよねぇ。非登録者でも購入できるタイプを今日はご用意しました。でも成体のフレンズ相手の近接戦闘はオススメしませーん。おとなしく駆除業者か私達を呼んでください。ちなみに私達は無料ですよ。」

リリィは厚底ブーツにしては機敏な動きでまだ起き上がれずにいるアライしゃんの頭の側面に立った。

リリィ「んじゃやりますよー。んーやっぱりアライちゃん二人先にいきますね。そーれ」

ザッッ

大きく振り上げてから一気に振り降ろした手鉤の尖った爪がアライちゃんの頬に突き刺さった。

アライちゃん7「びぃ!いびぃいいいいい」
リリィ「こうやってひかっけてー。とぉおおおおおお」

そのまま彼女は手鉤を先程と同じように大きく振り上げて今度は地面に叩き降ろした。当然突き刺さっているアライちゃんも同じような軌道で地面に叩きつけられた。

アライちゃん7「キュビ!」

手鉤の爪はさらに深く突き刺さりアライちゃんの脳に達した。リリィは手鉤を抜こうとするがアライちゃんの脳にまで達した爪は中々抜けない。彼女は力を込めて勢いよく手鉤を引き抜いた。
勢い良く抜いたことでアライちゃんの頬に空いた穴はさらに広がり裂けた傷口と本来の口から血がダクダクと吹き出す。

アライちゃん1「ひぃいいい!いもおおおおとおおおお」

どうやら視力が回復したアライちゃんが自分の妹の死体を見てパニックを起こしたらしく全速力で這って逃げようとした。それを見てリリィは手鉤の棒の部分で肩をポンポンと叩きながら鼻歌交じりで距離を詰める。

リリィ「はーいがんばれーがんばれー。がんばれわーたーしー。おーいついたーそーれ」

バキッ!グシャ!ゴキッ!メキ!

アライちゃん1「いだああ!おげっ!あっぐ!ぷぶぶ・・・ぶ」

手鉤でアライちゃんの頭部を殴打するたびにえぐれた肉片や脳の一部が辺りに散らばる。頭の右半分をグシャグシャにされたアライちゃんは足を少し痙攣させただけであっさりと死んだ。

リリィ「さて残り…おおっと!」

ドガッ!

振り向いたリリィに全速力で突進してきたアライしゃんが襲い掛かる。アライしゃんはリリィの首を左手で掴むと右手で彼女の顔を全力で殴った。

ボキィ!

リリィの頭が大きく揺れ首の骨が折れる音が響いた。が、しかしリリィはすぐに首を正常な位置に戻した。

リリィ「はい!このようにアライしゃんであっても近接攻撃は私のような可愛いか弱い少女なら首の骨を折ることが出来まーす。気を付けてくださいねー。では今日のフレンズ・おなやみ・解消!のお時間はここまで!それではー。来週ま…あっピアスが無い!来週またあいましょー!」


軽快なBGMが流れ番組は終了した。

15 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 75fb-0031):2019/10/10(木) 06:11:59 ID:epKwX9VM00
ユキ「…」
アネモネ「どうしました?」

アライさんの殺害に文句の一つでも言おうとしたが、殺し方は置いておいて、人に害を成しているアライさんの駆除は自分の国でもやっている。
それにあのリリィと名乗るシスターの首は確かに折れたはず等と色々な情報が頭の中に浮かび上がってうまく言葉が出ないのだ。

アネモネ「先程の番組は人間の方に中央の管理登録を促し、同時に娯楽をお届けする番組です。一般の方はフレンズの駆除は中々見ることが出来ませんので」
ユキ「…」

アネモネは立てた人差し指を自分の唇に当てると何か考え始めた。何を考えているかはわからないがしばらくすると何か結論を導き出したらしく、うんうんと頷いた。

アネモネ「心配要りません。きちんとテレビでは放送できない駆除をお見せしますので、ええ、ですのでほら」

アネモネは口を「い」の発音をする時のようにして、閉じた歯の間から声を出した。

アネモネ「はい、笑ってください、ね?」
ユキ「…」

口角は上がっておらず、目も笑っていないその表情が笑顔と呼べるかは置いておいて、シスターアネモネにも人を元気づけようとする心はどうやらあるようだ。



目的地に到着する頃には夜になっていた。車から降りた私は辺りを見渡す。どうやらここはダムのようだ。月明り以外は転々とある街灯しかない暗い景色とサワサワと枝木が揺れる音。
収容所やここまでの都市はどちらかというとこういった自然が無い荒れた場所だっただけにこころなしか私の心もすがすがしい気分になった。

アネモネ「はて、時間はあっているはずなのですが。遅刻はしていません」

そう言って辺りをきょろきょろを見渡し始めた。すると計ったかのようにライトを消したトラックの裏から底抜けに明るい声と共に

リリィ「あっ!時間通りですねぇー。いやー流石シスターアネモネ。さすアネですねさすアネ!」

車内で見た映像の中の黄色と白のまだらの髪の毛のシスターがブンブンと大手を振って駆け寄って来た。

アネモネ「ええ、時間通りです。それで今日は、はい、連絡した通り、この駆除をこちらのゲストにお見せしようかと。」
リリィ「あーこの人がユキ・タカハシさん。テレビで見たことありますよ!なかったかも?」
アネモネ「はい、ですのでこの駆除での彼女のガードをリリィに。」
リリィ「おっけーわかりまっしたー」
アネモネ「では、ガイドは私がしますので、では作戦は駆除部隊の方にお任せします。」
リリィ「はーい。ではユキさんいきましょー!ドキドキもワクワクも笑いも涙もない、ニューフレンズのガチ駆除をお見せしまーす。はいみんなせいれーつ!」

リリィの号令でやって来たのはニューフレンズ達による駆除部隊、なのだが彼女達は背中に四角い箱のようなものを背負っている。箱の大きさは30リットルのリュックサック程で、側面からはチューブが伸び、その長いチューブの先には消火ホースの先のようなノズルがある。
その他の装備はネイルハンマーのような機械と身体を守るプロテクターやヘルメットは共通で、金属のシールドを持っている隊員や、探知機のようなタブレットを持つ隊員等様々だ。

リリィ「装備とか気になっちゃってます?ちょーっとニューフレンズよりノッポだからキツいと思いますけど、あとでプロテクターは着てくださいねー。」
ユキ「貴方は着ないんですかプロテクター」

リリィは自分の白いワンピースの胸の部分をちょいちょいと叩くとヘラヘラと笑った。このリリィという少女アネモネと違ってまだ人間らしい笑い方をする。

リリィ「大丈夫ですよー。そ・も・そ・も・超低いフィジカルのアネモネに至ってはプロテクターなんて装備したら機動力半分以下になっちゃって足手まといこの上ないですよ。私はもちろんバシッと着こなせますけど、必要なーいなーい」

そういうとリリィはユキの背後に回ると両手で彼女の背中を押した。

リリィ「じゃあしゅっぱぁあーつ!シールド持ちの部隊から入ってー」
ユイ「ちょっとまってどこにいくの」
リリィ「あのダムの管理施設。アライさん達に占領されているんだよねーいやー困った困った。しかもアライさん達がねー、訓練されてるみたいで民間の人間の駆除業者さんに死傷者が出ちゃった。そういうことで本気ちょっとだしちゃおっかなーってこと」

訓練されたアライさん。つまり戦闘要員としてアライさんを使役している人間がいるということで連合国内では倫理的にありえない蛮行だ。私は一抹の不安を覚えながらリリィに背中を押されながら先行部隊の後ろに着いて施設の入り口に向かっていった。

16 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 75fb-0031):2019/10/10(木) 06:13:15 ID:epKwX9VM00
今日はここまで。

17名無しさん (アウアウ 5ac0-8c3e):2019/10/10(木) 15:40:47 ID:XAAwKAxkSa
>>16
再開、お待ちしてました
待ってると良いことあるもんですね

続き、楽しみにしてます

18名無しさん (ワッチョイ 4c5a-331b):2019/10/10(木) 22:03:00 ID:jTV.hXn.00
>>16
アライさん達の苦しみはまだ続きそうですね
続編お待ちしております

19 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 6bb7-49c9):2019/11/06(水) 00:27:48 ID:epKwX9VM00
ダムの管理施設と聞いたが建物の中はアライさんに占拠されているとは思えない程清潔だった。普通アライさんに占拠、つまり巣にされた施設は溜まった糞やそこで産んだ幼体によって荒らされている事が多い。それだけここを占拠しているアライさん達は教育を受けているということだろうか。
長い通路の片側だけに部屋があり、もう片側に点々と窓がある風景はまるで校舎のようだ。思えば自分の母校もこんな感じの殺風景な校舎だった、いやいや木造だったからここまではと思案していた私を見て、アネモネはバスガイドのようにすっと手を小さく掲げた。

アネモネ「この先直角に二手に分かれていますね。さて、反応の方は?」

隊員A「はい。2人います。」

小声で報告した隊員に対し、アネモネは何か納得したようにふむふむと頷くと、リリィに指示を出した。

アネモネ「リリィ。ユキさんの後ろに。ええ、いいですね?く、れ、ぐ、れ、も、ユキさんに被害が無いように。隊員の皆さんも」

リリィ「おっけーっす。いざとなったらみんなおっねがいね」

隊員B「えーリリィさん避けないでくださいよ?私達タンクしょってるんですから」

リリィ「えーリリィこわーい」

と呑気な会話を繰り広げている隊員をよそにアネモネは一人ですたすたとシールドを持った隊員より先に曲がり角に出た。次の瞬間轟音と共にアネモネの体が窓側の壁に吹き飛ばされた。

バゴッ!バゴッ!

壁に吹き飛ばされてそのまま動かないアネモネをよそに曲がり角から歓喜の声と共にアライさんが躍り出た。

アライさん1「やったのだ!またヒトをやっつけたのだ!ふははははそんな変なワンピースでアライさんのさいしゅーへいきに勝てるわけないのだ!」

ユキ「これは・・・」

リリィ「あっやばっ後ろのシールド隊!」

そう言ってリリィが後ろを振り向こうとした瞬間、天井のダクトのフタが外れ同じ装備のアライさんが落下してきた。

バゴッ!バゴッ!

隊員A「ぐべ!」

ユキをとっさにかばい探知機ごと体に1発、次に頭部に「散弾」を受けた隊員がその場に崩れ落ちた。アライさん用に短い長さの二連装ショットガンの銃身から空薬莢を輩出して手早く弾を込めたアライさん達二人はお互いの健闘をたたえ合った。

アライさん2「ふへへは!後ろがお留守なのだ!やはりこいつら馬鹿野郎なのだ!しかもこのぼーだんチョッキでこの弾はアライさん達には無効なのだ!アライさん達は最強すぎるのだ!」

ただ悲しいかな、自慢げにベラベラと情報を語りショットガンの構えを解いてしまうのはアライさんの愚かさなのだろう。その隙を見逃すリリィ達ではない。

リリィ「ユキさんかくほ完了!ゴー!」

その号令と共にタンクを背負った隊員がまずは後ろの方のアライさんに放水ホースの先を向けた。次の瞬間その口から液体のような軌跡で炎が放たれ、その炎はアライさんにまとわりつくとその場で激しく燃え上がった。

アライさんB「ごおおおおおお、おおおお、お・・・あああ」

悲鳴を上げることもできず、その場で倒れこんだアライさんは、はじめこそまとわりつく炎にのたうち回ったがすぐに動きは緩慢になり燃え上がる炎にただ焼かれるだけの肉塊となり果てた。



なんなんだこの武器は。私の第一の感想はそれだった。これは兵器だ。粘着質の可燃物を燃やすこの兵器はしかし、広範囲を焼き酸素を奪う用途に使う弾頭として運用されるものだと思っていた。決して生物に直接使って良いレベルの威力ではない。
ただなすすべなく焼け焦げていっているのだろう、シールドで見ることが出来ないアライさんの異臭を嗅ぎながら私の意識は薄れていく。ああそうか、人間って酸素が必要だったな。ここで私の意識は途切れた。


リリィ「あっしまったユキちゃんヒトじゃん!窓割って窓!シールド隊!ユキちゃ・・・ユッキーの盾になって!これだからああああああ゛アネモネ!なんで連れてきたぁ!」

窓ガラスを割りながら叫んだリリィの言葉を聞いて炎の威力に唖然としていたアライさんが死亡しているはずのアネモネの方を向いた。服は弾丸で穴だらけだが体に傷は一つもない。

アネモネ「ええですから私、この方の監視役ですので連れてきたのです。他にわからない点が?」

アライさん1「ひぃ!なんでなのだ!ちゃんと当たったのだ!」

アネモネは何事もなかったかのように立ち上がると服の穴が開いた部分から小型のピッケルを取り出した。

アライさん1「え?それどこから取り出したのだ?」

アネモネ「ここです。あっ見えませんね。気が利かなくて私、ええ、いつもそうなのです。私は気が利かないですね」

そう言ってアネモネは服の穴を広げて見せた。そして自分の細身のドールのような色気のない胸のど真ん中にピッケルを思い切り叩きつけた。

バギッ!

すると骨が砕ける音と共にピッケルがアネモネの体の中に消える。この時点でアライさんは驚愕で動けなくなった。

アネモネ「こうやって体の中に入れます。そして取り出す時は。」

そう言ったアネモネの手には先程のピッケルが握られている。

アネモネ「じゃーん。ええ、しまう時痛いです。ですがこれは試練ですので。」

アライさん1「ばばばばばばああああ!」

目の前の物体が人間でない何かだと理解したアライさんは錯乱して逃げようと後ろを向いた。しかしその足にアネモネはピッケルを投げつけた。

アライさん1「ぐあっ」

アネモネ「うふふ、アライさん、アライさん、捕まえた。」

太ももをピッケルに貫かれ、その場に膝をついたアライさんは隊員のシールドの追撃で頭を殴られその場に倒れた。

アライさん1「ゲブッ!」

アネモネ「うふふ、ではAさん。彼女で回復してください。Aさん部隊は待機。それ以外は先の安全の確保。回復は現地調達。このような感じで賛成して頂けますか?」

隊員達「了解!」

リリィ「あっ!ユッキー用に換気しっかりで!あと天井注意!天丼攻撃食らったとか恥ずかしさで顔燃やさなきゃいけなくなっちゃうから!」

20 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 6bb7-49c9):2019/11/06(水) 00:29:12 ID:epKwX9VM00
火炎放射器とシールド、そして探知機で構成される後詰めの部隊達が施設の先に進んで行った。相手の装備も戦略も先程の攻撃で判明した今、アライさん達になす術はおそらくはないだろう。

隊員A「じゃあ!遠慮なくいただきまーす」

アライさん1「え?おまえ・・・おまえええ」

ショットガンで吹き飛ばされた頭の修復がまだ完全には終わっていないようで、所々顔の肉が足りない彼女は大きく口を開けた。綺麗に生えそろった人間の歯が見えるが、その口の中は傷口と同じようにまるで赤いペンキを赤黒い水面に流したかのようなまだら模様がうごめいていた

隊員A「あーん」

どうやらまずは顔から食べるようで、彼女は動けなくなったアライさんの顔に噛みついた。

アライさん1「びえええええええ!やがっ、きゅびぃ、いだいのだ!いだあだあああ」

グチッグチッ

咀嚼音を立ててアライさんの顔の肉をしばらく摂取した結果、顔の修復があらかた終わった隊員は血まみれの顔をグイっと袖で拭くと壊れた探知機を見ながらおずおずとリリィに尋ねた。

隊員A「これ給料から天引きとかにならないですよね?」

リリィ「あっはっはっそんなので天引きになってたらリリィお給料で大赤字。きにしなくっていいよ。それよりごめんねーリリィ達すぐ直るから注意散漫火がボーボーってやつになってた!それよっり食べたいだけ食べていいよ。先陣切ったご褒美ー!みんなで仲良く食べて食べて」

アネモネ「はい、それが良いと思います。私は空腹ではないですしリリィはあのアライしゃんを食べたのでしょう?」

リリィ「あー番組の?あの子まずいのなんのって、味が薄ーい感じでぇ。」

隊員A「このアライさんは結構おいしいですよ。良いもの食べてるって感じがします」

隊員B「ほんとに!じゃー私ここ食べちゃおうかなー」

アライさん1「ななななどこを触ってるのだ」

隊員B「あああもうこのしっぽ邪魔!」

グッグリッ!ブチッ

隊員は足元にあった割れたガラスをアライさんの肛門に突き刺すとそのまま奥にねじり込み、次に上に切り裂きながら尻尾を引きちぎった。

アライさん「あがっああっ!」

隊員B「こうすると中のお肉が食べやすいんだよねー。」

隊員D「あーわかる。アライさんの尻肉って糞尿が表面についてるから面倒だよね。でも犬食いはちょっと・・・ナイフ持ってくればよかったね」

隊員A「私持ってきてるよー」

隊員B「じゃあ切り分けはAちゃんに任せていい?」

隊員A「いいよーどこ食べたい?」

隊員C「私内臓がいいなー」

隊員A「内臓はアライさん死んじゃって鮮度下がるから後でしょ」

隊員B「死ぬ直前位でいいんじゃない。腕とかどう?」

隊員A「おっけー」

ナイフを持った隊員はアライさんの脇の下にナイフを突き立てた。

アライさん1「あがっやめるのだああ・・・アライさんはおやつじゃないのびっああああ!」

脇の下から肘の辺りまで一気にアライさんの右腕は切り裂かれそのままザクザクといくつかの肉の塊に切り分けられた。

隊員C「うーん味が濃い。良い物食べてるねこれは。」

隊員D「よく鍛えてるからか歯ごたえも良いねこれ。」

隊員B「あっ逃げようとしてる!」

隊員A「ほんとだ!じゃあ足いっちゃお!」

尻の傷は深くうまく立ち上がれずハイハイでヨロヨロと逃げようとしていたアライさんだったが隊員に見つかりまずは足首の後ろのアキレス腱を切断された。

21 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 6bb7-49c9):2019/11/06(水) 00:30:14 ID:epKwX9VM00
アライさん1「のぎゃああああああ・・・あっ・・・ひっひっ・・・」

隊員D「うーんでも足って生は堅いよね・・・もう片方の腕食べたらもうお腹とかの肉でいいんじゃない?」

アライさん1「たすげて・・・アライさんを・・・助けて欲しいのだ。誰でも良いのだ」

涙をボロボロ流しながら命乞いをするアライさんに隊員の一人が声が聞こえる。

隊員G「殺さないでよー」

アライさん1「お・・・おお・・・そこのおねーさんアライさんを助けてくれるのだ?」

隊員G「ユキさん介抱してる私達の取り分があるんだからー。」

アライさん1「あああああああ!だれが!アライざんをすぐってほしいのだあああ痛いのだ!りがどくどくでてるのだ!死んでしまうのだああ」

泣き叫びながらもう片方の腕を解体されるアライさんを眺めながらユキを介抱しているリリィがしみじみとした表情で、隊員が探してきた布でワンピースを補修しているアネモネに言った。

リリィ「いやーやっぱりガールズトーク?いぃいですね。アネモネもします?」

アネモネは首を右に倒してしばらく思案するとそのまま無表情で答えた。

アネモネ「私はガールでいいのでしょうか?ええ見た目はガールですが」

リリィ「いーんじゃないですかぁ?アネモネ見た目は10歳くらいですしぃ?」

アネモネ「そうですか。ではユキさんが目が覚めるまでお話を。ハンバーグがおいしいコンビニをこの前見つけまして――」

アライさん1「あああいたいのだぁああ!アライさんのお腹を裂くのをやめ・・・ゴボッゴボボボ」

隊員F「ちょっとおおおおおアライさん死にそうじゃないの!」

リリィ「二人には後でケーキ1個多めにおごっちゃうから喧嘩だめだよぉー」

隊員FG「「やった!おいしいところお願いしますよー」」

アライさん1「ブッゴボッオゴゴ」

アネモネ「そこで、私は運命ですね。ええこんな場所でおいしいハンバーグに出会えるなんて――」

隊員A「うわぁ・・・どうしよう痙攣すごくて触れないよ。」

隊員C「もうモツいっていい?」

口から血を吐きながら痙攣を始めたアライさんのお腹の切り口に手を突っ込んだモツ好きの隊員はそのまま力まかせにアライさんの内臓を引きずり出した。

生温かい腸を食べやすい大きさに切り分けてもらった隊員はその新鮮な内臓をおいしそうに食べ始めた。まだアライさんは生きているらしく白目を剥きながら歯を食いしばり血の泡を吐いている。

アライさん1「ブブブブブブベッ」

ひときわ大きく体を跳ね上げたアライさんは口から大量の血を吐きだし、その血はナイフを持った隊員の顔にかかった。

隊員A「うへっ!これゲロ混じってる!ペッペッ!とほほ今日はついてない。」

残りの隊員「あははは」

アネモネ「そこで私は、ハンバーグ弁当を一つ買おうとしたのですが、ああ財布を持っていなくて――」

しばらくこのような和やかな空気が流れていたが、火炎放射器で焼かれたアライさんが持っていたショットガンの弾が熱でパンパンと突然大きな音で弾けた。

リリィ「おぉ!びっくりしたぁ!」

アライさん1「キュブ」

隊員A「あっびっくりして心臓刺しちゃったかも・・・」

隊員D「心臓は不味いからいいんじゃない?もうアライさんも長くなさそうだったし。Fちゃん達のところに持って行くね」

隊員A「ありがとー」

ユキ「う・・・うぅ・・・」

リリィ「あっ・・・」

先程の炸裂音のせいか目を覚ましたユキを見てリリィの顔に珍しく焦りの表情が浮かんだ。

アネモネ「財布ってどこにしまえば良いと思います?体の中に入れるとしまう時不便では?と私は思うのです――」

もう片方のシスターはどうやら気にしていないようだ。

22 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 6bb7-49c9):2019/11/06(水) 00:31:26 ID:epKwX9VM00
今日はここまで。

23名無しさん (スプー aba9-99c2):2019/11/06(水) 11:06:58 ID:DwmeQsiUSd
すげー良さげだけど簡単なキャラ紹介が欲しげ

24名無しさん (アウアウ 9112-26b9):2019/11/06(水) 20:06:39 ID:cdXj2WnQSa
>>22
とっても良かったー!

25 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 28a9-5bbd):2019/11/16(土) 16:01:12 ID:epKwX9VM00
目が覚めたら辺りは血まみれだった。ぼやけた視線の先には人のような形をした赤いなにか。それが肉を剥がれたアライさんだと気づいた私の意識は一気にクリアになった。

ユキ「まさか、お前ら・・・お前らは」

もう言葉を繕う余裕も無い。この目の前の少女達はアライさんを、苦悶と恐怖に歪んだアライさんの死に顔を見る限りは生きたまま捕食したのだ。
目の前の可愛いと言っていも良い彼女達は、わかっていたとはいえ人間ではない何かだと私は再認識された。

リリィ「にゅっニューフレンズはフレンズを捕食して体力を回復することがね・・・」
ユキ「もういい、一つだけ教えて。お前達は・・・ニューフレンズってなんなの?フレンズを貪って体力を回復?まるでセルリアンじゃない。」

その言葉にアネモネは頷いて、とても不思議そうにユキに質問した。まるでそんなことも知らなかったのかと言いたいかのようだ。

アネモネ「あら世代間の知識は継承されていなかったのでしょうか?ニューフレンズはセルリアンです。正確には、フレンズとセルリアンの紛い物?とにかくセルリアンのようなそんなものです。」
ユキ「セルリアン?でもしゃべって・・・姿だって・・・だって・・・お前たちは・・・ひっ・・・はっ・・・がっ・・・」

混乱してアネモネや隊員の顔を交互に見返し、血と焼けた内臓や燃料の匂いで過呼吸に陥ったのか苦しそうに声を上げるユキの肩にアネモネは正面からポンと手を優しく置くとリリィに視線を向けた。

アネモネ「シスターリリィ。申し訳ありません。私は会話が苦手ですので。お願いします。」
リリィ「あ、はい。りょうかーいです。あっアネモネ、ユッキー吐いてる吐いてる!」
ユキ「おげっ・・・ぐぇぷ・・・」
アネモネ「ええと・・・こういう時は・・・ワンピースが・・・」
リリィ「とにかっく!アネモネは先行って。単独でもなんとでもなるんだからデコイ!よろしく!」
アネモネ「はぁい・・・ええそうですね私は会話が苦手なのでそれがベストですね。」

そう言ってアネモネはヒラヒラと手を振って廊下の先に消えていった。精神的ダメージを受けた今のユキが逃げ切るのは不可能と考えたようだ。



ゆっくりと、出来るだけゆっくりと私は隊員に周りをガードされながら、アライさん達が拠点にしていると思われるダムを制御する管理室への道をリリィと歩いている。
嘔吐して体力を消耗し、さらには混乱状態の私の体調に合わせてというのもあるのだろうが、メインは話をするためだ。正直家に帰りたい、両親の言っていたように大人しく国に居ればよかった。

リリィ「そうだねーどこからしよっか?まずはニューフレンズの作り方とかどう?」

ユキが頷くとリリィは自分の口に人差し指を突っ込むと横に引っ張った。

リリィ「見た目は人間やフレンズと変わらないけどニューフレンズ、もちろんシスターも全員人間のやってる種類分けだとセルリアンになるのかな?私達の原料はフレンズに限らずいろんな生物の死骸」
ユキ「そんな馬鹿な、セルリアンは無機物にしか・・・」

リリィはうんうんと頷いた。

リリィ「だよねぇ。そこがアネモネが言ってたぁフレンズとセルリアンの紛い物ってところで、まず死骸を集めるよね?そんでそこに生きたフレンズから抽出したエキス?みたいなのを色々加工して結晶化したやつをドーンってかけると私達のひな型がポコッっと産まれるわけ」

リリィがふと視線を左にそらした。私はその行動を見て右を見た。そこには目より下が全て黒焦げになって体育座りの姿勢で横向けに倒れているアライさんの姿があった。まだ生きているのだろう、ヒューヒューと風の抜けるような呼吸をしている。

ユキ「隊員さん・・・お願い・・・あのアライさんを」

シールドを持った隊員のうちの一人が無言で焼け焦げたアライさんの首にシールドの端をギロチンの様に思い切り叩きつけた。

ゴシャ!

アライさん「ビュ…グビュ…グッ…」

リリィ「この死んだアライさん達を集めてその結晶をサラサラってやればニューフレンズのひな型が出来るね。でもその段階だと感情?知性?ハート?そういうのが無い状態。だっかっらそこに機械で感情をプログラミングするの。」
ユキ「セルリアンに・・・感情を」
リリィ「野生のセルリアンにも『人間が心だと思う心』を持つ個体が居たって記録もあるんだよー。まーニューフレンズは空っぽのお人形にねぇ感情っていうパーツを埋め込んだ感じかな?だからニューフレンズになりたいなーって思う変わり者はそのひな型に自分の脳内のデータをパシーン!ってやってたりするよん」

リリィは自分のこめかみをちょんちょんと人差し指で叩きながらそう言って笑った。

リリィ「リリィもそうだよー。あっリリィの場合は元が滅茶苦茶人見知りが激しい引っ込み思案だったから改造してもらってこういう感じのテンションたかーい性格にしてもらったんだー!やっぱ人生楽しいのが一番!」
ユキ「シスターとニューフレンズは・・・何が違うの?確かにシスターはものすごく、化け物みたい」
リリィ「簡単に言うとー1型とか分かる?分かる、おっけー。例えば1型を作るのに必要なコストがアライさん10人だとするね?2型は50アライさん、3型は100アライさん。シスターは10万アライさん位コストがかかるわけ。リリィ達は超高級品なんだよねーいやーほんとリリィラッキーっと!」

同士討ちだろうか。リリィは恐らくショットガンで顔面を撃たれ、グズグズになった顔面で顔面の穴と言う穴からゴボゴボと血の泡を吐いていたアライさんの顔面に手鉤を叩きつけてとどめを刺した。こうして話して歩いている道中にも短時間で死ぬことが出来た大多数のアライさんと違い、痛みにただ耐えることしか出来ずに瀕死にあえぐアライさんがちらほらといた。
普段なら恐らくはそのまま放置なのだろうが、ユキに気を使って隊員やリリィが目についているアライさんには引導を渡している。

ユキ「私もやる。武器を貸して。」
リリィ「えぇー捕虜に武器を渡すのはまずいかなー。それにユッキーフレンズ保護派でしょ?アライさん殺すの辛くないかな?」
ユキ「死ぬしかないのに苦しむ姿を見るのは…もっと嫌だ。」

リリィはしばらく考えると自分の持っていた金槌をリリィに渡した。刃物でなければ自殺は難しいし、ニューフレンズより少し背が高いだけの女の子なら襲ってきても対処できる。そう結論付けたのだ。

26 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 28a9-5bbd):2019/11/16(土) 16:02:06 ID:epKwX9VM00
ユキ「ありがと・・・」

ユキの視線の先には仰向けに倒れたアライさんがいた。右腕は完全に焼け焦げ、左手も肘から下は大火傷を負い、炭化した表面のあちこちから裂けた傷口が赤い口を開けていた。
それ以外にも骨折や切り傷がある。もしかしたら死なないかもしれない。だがその可能性は低いし、もし助かっても自然では生きてはいけない。
ユキは無言で金槌を振り上げると奥歯をかみしめてそのアライさんの頭を何度も殴りつけた。

大火傷のアライさん「ぐえっ!いだい!いだいのだ・・・しにだくないのぼっ・・・ぎゅ・・・びぎゅ・・・ぴぃ・・・」

テレビで見た安楽死とは全然違った。手に伝わって残った感触も助けを求める断末魔も安楽死にはなかった。だがどうしようもなかった。あのまま火傷に苦しんでじわじわと死ぬよりはましな死に方だった。ユキはそう願うしかなかった。
リリィはパチパチと両手を叩いて拍手をしてニヤニヤと笑った。

リリィ「おーやりますねー。いや茶化したわけじゃなくてーフレンド保護派にしては現実わかってるーって感じ。じゃ出発さいかーい。ユッキーにもじゃんじゃん仕事してもらおっかなー。それともリリィ達がやろうか?」
ユキ「いっそ私もついでに殺せばいいんじゃない?私も開戦理由になれて大満足になれるわ…」

ゴキッ、ゴキッ、グジャ

上半身だけのアライさん「おごっびっぎびっ・・・ぶぴぃ・・・びびびびび」

上半身だけになったアライさんの頭を金槌で潰しながらユキがそうつぶやくとリリィはケラケラと額を右手で押さえて笑った。どうやら今回は本当に面白かったようだ。

リリィ「ここで死んじゃったらニューフレンズにしちゃうかもねー。脳が残ってれば心はコピーできるからなりたくないなら死ぬ時は頭砕いた方が良いよっと」

腸がはみ出たアライさん「まま待つのだぁ!アライさんはまだ助かるのだああ怪我も浅いのぼぉ!ビューブブブボボボボボボ」

リリィ「いやいや生き残ったらリリィ達が困るからしっかり〆るよー。さぁみんなもキリキリよろしくねー。」

引導を渡すとはいえ、自分が手を下した、いや自分が手を下していなくても聞こえてくる苦悶に満ちたアライさん達の叫びや恨みの言葉は、正しいことをしていると思っていてもユキの心を少しずつ蝕んでいった。

両足を食われたアライしゃん「もういやなのだぁああああ!おかーさん!たすけてなのだ!いもーと!どこなのだ!」

リリィ「あー食べ方汚いのがいるぅ。あとで説教しとかないとだめだねぇ。ちゃんと食べたら息の根止めないと――」

ボギッ!

両足を食われたアライしゃん「ブッ、おっ・・・おおおぉご?」
ユキ「あああああああ!」

グシャ!ゴッ!グジッ!ビチャビチャビチャ!

27 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 28a9-5bbd):2019/11/16(土) 16:02:44 ID:epKwX9VM00
私の心はもう折れてしまった。虚勢を張った。自分はジャーナリストとしてニューフレンズの悪行を暴き、それを持ち帰って攻め込む口火を切る。そうやって父の役にたちたかった。
でも現実はうまくいかなかった。私はただの凡人で、ちょっぴり同世代より優れていただけだったに違いない。何も知らないお嬢様に過ぎなかったのだ。

ユキ「お願いだから!早く死んで!そうじゃないと!ずっとあなた達が…苦しいままじゃない!」
リリィ「ああああユッキーおちついて!もう完璧にそのアライしゃん死んでるから。ええとどうしよう!Dちゃん精神安定剤とか持ってない?」
隊員D「ニューフレンズ用のなら・・・」
リリィ「うーんそれは使えない・・・」
ユキ「殺してよぉおおおもうやだああああ私もころせええええ!剥製にでもなんにでもしていいがら一思いに!」
リリィ「おちついてええええ!うわあ・・・どうしよう、単身乗り込んできたからさ、こういうの耐性あると思ったらまったくないただの箱入り娘だよこの子。ちょーっとDちゃんとAちゃんユッキーをなだめててね。リリィ資料読み直すから」
隊員A「あ、はい。ユキさーん深呼吸しましょう。」
隊員D「一旦金槌置きましょう。危ないですから、ああああ振り回さないで。脅威が無いなら何事もなく国に帰れますから落ち着いてください!」

錯乱して泣き叫ぶユキを二人の隊員になだめてもらいながらリリィはユキの資料をもう一度見直した。中央が持つ彼女の情報は連合国に提供されたデータに基づいている。この時点でもうおかしい。単身で収容所に潜入できる準備の調達が可能なレベルのジャーナリストなら当然中央も把握しているはず。連合軍の将官の娘ならなおさらだ。
もし中央でも把握できないレベルの凄腕ならそもそも収容所の潜入で捕まるなどと言う事はないだろう。つまりこの子は・・・

リリィ「あー。アネモネがユッキーをお客様扱いしてたのやっとわかった・・・リリィほんとこういうことする偉い人嫌い。ユッキー」

リリィはそう言うと、ものすごく言い辛そうにユキの両腕をつかんだ。これで彼女は多分暴れることは出来ないだろう。そもそも彼女に反撃の手段などないのだ。

リリィ「ユッキーは誰かにぜーんぶお膳立てしてもらって収容所に入り込んだでしょ?」

ユキは何も言わずに頷いた。もう張る虚勢も沸く気力も無いのだろう。

リリィ「お父さんに頼んだの?」
ユキ「違う、パパはニューフレンズと大規模に戦う理由がないし意味もないって・・・だから他の人に頼んでお膳立てしてもらった」
リリィ「そっかぁ・・・出来るだけ手を打つけどもうダメかなぁ・・・」
ユキ「私殺されるの?」
リリィ「うーん。残念だけどリリィ達にじゃなくてー、そのお膳立てした人達にかなぁあ…。正直中央としては戦争したくないんだよねー」
ユキ「うぅうう…死にたくない…やっぱり死にたくない…」
リリィ「こっちに寝返る・・・とかは?ほら!リリィも元々人間だったけどこうやって立派にシスターしてるよ?」
ユキ「私はフレンズを殺したくない」
リリィ「うーんじゃあこうしよー。アネモネが中央の偉い人に頼んで無条件でユッキーを帰国させてあげちゃう!それで人間に殺されたら。もし殺されたら…リリィ達はユキちゃんを人類からもらっちゃう。だってさー!あったまきちゃうよ。こんな何もできない子を餌にしてさーほんっと悪い人間っているよねー」

リリィはそう言うとユキの手にコインを握らせた。そしていつものヘラヘラとした笑顔を浮かべるとユキの手から金槌を取り上げた。

リリィ「このコインで位置情報わかるから。嫌なら捨てて良いよん。じゃあみんなでアネモネの所行こうね。隊員ちゃん達、面倒だけど息のあるアライさんは止めをさしながらいこう」
隊員B「はーい。ほんとこんな純真な子を人柱に仕立て上げるなんてセコいよねー」
隊員F「わかる」

グシャ

死にかけのアライさんの頭を砕きながらニューフレンズの隊員は他愛のない話を続けた。





ダム施設奪還は大成功に終わった。ユキはアネモネの口利きで無条件でそれも中央のデータベースの情報をお土産に持たせての帰国という破格の待遇で国境まで送られていった。
数日後、アネモネは自宅の庭に設置している椅子に座っていた。目の前のテーブルの上にはコンビニのハンバーグ弁当と炭酸飲料、そして小型のテレビ。最近彼女はこのコンビニのハンバーグ弁当がマイブームなのだろう。

アライちゃん「ふんふんふん!にょりゃ!んあ?しすたーしゃんどうしたのりゃ?」

地面に座ってしっぽダンスの練習をしていたアライちゃんは不思議そうな表情で目の前の食事に手を付けないアネモネを見上げた。骨折した両腕は完全には動くようになってはいないが大分良くなっているようだ。

アネモネ「ええ、少し考え事をしていました。そうですね、貴方もなにか食べますか?」
アライちゃん「さっきいちごをたべたのりゃ」
アネモネ「そうですね。ええじゃあ私もそろそろいただきましょうか」

アライちゃんはアネモネに尻を向けるとブンブンと尻尾を八の字に振り始め、顔をこちらに向けて笑顔で歌い始めた。

アライちゃん「しっぽふふんふんーふりふりだんしゅーふんふふーんのーりゃ。しすたーしゃんげんきでたのりゃ?」

アネモネは微笑むと箸を取った。

PPPPPPPPPPI

アライちゃん「のおお!なんの音なのりゃああ!あっでんわさんなのりゃ!とつぜんなるからいつもびっくりしゅるのりゃー」

アライちゃんはどうやらしっぽの手入れに意識を集中したらしくそのまま黙って尻尾をこすりはじめた。

電話の内容は目の前のテレビの画面に映った連合国のニュースのテロップを見れば大体予測が付いた。アネモネは立ち上がると家にいるニューフレンズに出かける旨を伝えた。


「今日午後、連合国……殺害され………死体は頭を護るように両手を……被害者はユキ・タカハシさん…」


アライちゃん「ふっかふっかーふかふかしっぽーにするのりゃー」

アライちゃんの陽気な歌声がテレビの音声をかき消すように響き渡った。

28 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 28a9-5bbd):2019/11/16(土) 16:23:43 ID:epKwX9VM00
やっぱり言われた通りだった。私が最後に思ったのはそんなことだった。そして曇った空と銃声で私の意識は消えた。

私「う…うぅん…」

頭を撃たれたはずなのに頭痛も無く、何時もの朝の目覚めのようなすがすがしい気持ちで私は目を開けた。すると自分を覗き込んでいるアネモネと目が合った。

アネモネ「おはようございますシスターユキザサ。」
ユキザサ「あー。やっぱり言われた通りだった」
アネモネ「お土産は役に立ちませんでした。ええやはり軍事情報などがお好みでしたか?」

私は起き上がるとアネモネに渡された鏡を見た。前より少し幼くなった自分の顔。そして一回り小さくなった身体。ただ今の私の胸は大きめだ。

リリィ「おっはよおおおおおユッキー!いやぁ頭しっかりまもってくれてたおかげでなんとかなったよおおおお。ちょっと時間経ってたから抜けてるところとかあるかもしれないけどそこはゆるしてね!」
アネモネ「私としても、ええ、貴方は面白い人でしたので。そう、丁度欲しかったシスターの人材に適任でした。導きですね」

ユキザサは頭を振ると「自分の重量をしっかり支えていた」ベッドから降りると立ち上がった。前より視点が低い。前の私はどうだったかは朧げだが、死ぬ運命が決定したアライさん達がせめてできるだけ速く、そして痛みが少なく死ぬことが出来るように。その気持ちだけは変わっていないはずだ。

リリィ「シスターユキザサ。起動点検をします。状態を確認してください。」

何時もと違って事務的な口調のリリィの質問に私は自分の状態を確認する。なるほどニューフレンズは確かに便利だ。自分の得手不得手が良くわかる。

ユキザサ「はい、シスターユリ。全て問題ありません。」
リリィ「シスターとしての貴方の責務は?」
ユキザサ「フレンズの苦しみを長引かせずに処理…助けることです」
リリィ「おっけー。大丈夫そうだねー。いやー巨乳ロリモデルなんてあったんだねぇー。リリィ知らなかったよ。」
アネモネ「ふふふ、私達の身長や骨格には限界があります。ですのでユキのような、ええ、パワータイプはどうしても胸が大きくなってしまいまして。ええ・・・私も・・・付けたい」
ユキ「そういえばリリィはユリって名前だったんだ。」
リリィ「そうだよー。でもユリってだっさいじゃない?だからリリィはリリィって名前にしたの。こっちのが可愛いしユッキーもユキザサじゃなくてユキでいいよん」

ユキは真面目な顔でアネモネに尋ねた。

ユキ「アネモネ。私はどこまで頭をいじられたの?昔の私の信条はわかってる。でも今の私はフレンズを殺すことになんの葛藤もない。」

アネモネは首を傾げた。

アネモネ「いえ…ユキさんは一切いじってませんが…。リリィは本人の希望ですので、はい、性格を明るくしましたが。単純にニューフレンズとしての本能が人としての倫理とうまくかみ合ったのでは?」
リリィ「フレンズを救いたい気持ちが、人間とニューフレンズでやることが変わっただけじゃなぁい?リリィバカだから理論的にはわからないけど、そんなもんだったよ」
アネモネ「とりあえず、ええ私はちょっと中央に申請にいかないといけないので。ユキはリリィとオトギと広報関係をお願いします。」
リリィ「はーい。じゃあユッキーいこっか。いやぁーやっぱりシスターはポンコツぞろいに限るねぇ!オトギはコミュ障だけど仲よくしてね!」
ユキ「はぁ・・・まぁこうなったら頑張る。」

人間の私は最期の時に頭を守った。だからシスターの私は諦めて第二の人生を送ることにした。とりあえずニューフレンズになって分かったのは、私達はフレンズと人間を滅ぼす理由がないってことだ。これだけわかればもういいや。

29 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 28a9-5bbd):2019/11/16(土) 16:43:25 ID:epKwX9VM00
今日はここまで。
キャラ紹介が欲しいとありましたので、ここで少しだけ紹介します。

ニューフレンズ
生き物(フレンズ)の死体にフレンズ由来の化合物を加えて機械で感情をプログラムしたセルリアンとフレンズのどっちでもない種族。
フレンズや生き物のキラキラした生命力やフレンズのサンドスターで急速に回復できる。
人間より強い。
1型は平均的なアライさん10体のコストで1人製造できる

シスター
高コストのニューフレンズ。かしこさは低い。とても強い

アネモネ
身長138センチ、身体能力は平均的な10歳女子より少し弱い。幕間のJCお嬢様の未来の姿。かしこさは普通。
本人は良い匂いがする。スレンダー。武器はピッケルと杭

リリィ
身長145センチ、元々は連合国の人間。歌が好き。身体能力はニューフレンズよりさらに高い。スピードタイプ
シスターユリが正式名称。髪の毛に黄色いメッシュがある。
コストは30万アライさん。武器は手鉤

ユキザサ
元連合国の将官の娘。連合国で習ったニューフレンズの知識を基に義憤にかられて単身乗り込んだが、戦争強硬派にだまされて死ぬ前提で送り込まれたかわいそうな子
150センチ、巨乳。パワータイプ。
コストは31万アライさん。1万は胸の分。性格は単純で騙されやすくて打たれ弱い。
武器は大ハンマー。

30 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 28a9-5bbd):2019/11/16(土) 17:08:55 ID:epKwX9VM00
捕捉:幕間のJCお嬢様の話はピクシブに載せています。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11914995

31名無しさん (ワッチョイ 153b-a697):2019/11/16(土) 17:21:30 ID:nsnfW1x200
乙です!

32名無しさん (アウアウ 7a56-9358):2019/11/16(土) 20:01:51 ID:BexeB3mASa
>>30
幕間も新作も面白かったですー!

33 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 3b74-6379):2019/11/20(水) 16:17:18 ID:epKwX9VM00
ツイッター等での反応を鑑みて、私が枠を取るのは忍びないと思い
これ以上の投稿はしないことにしました。

34名無しさん (アウアウ 2fee-56ae):2019/11/20(水) 20:52:24 ID:K/d1LTsYSa
>>33
残念です、復活して喜んでいたので寂しい
やる気は人から言われて出るものじゃないと思うのでなんとも言えないですが…

35 ◆FekC0ahJ0A (ワッチョイ 3b74-6379):2019/11/20(水) 23:29:44 ID:epKwX9VM00
>>34
すみません日本語が足りませんでした。
ここの板の「・他のフレンズに対するアンチ・虐待行為 (褒めるのはOK)」に反する展開(他のフレンズの殺害等)をどうしてもこのSSで書きたいと思い
ピクシブでの活動のみにしようと思っています。

36名無しさん (アウアウ 2fee-56ae):2019/11/21(木) 02:38:05 ID:K/d1LTsYSa
>>35
それは嬉しいです
今度はそちらて読ませていただきます

37名無しさん (アウアウ 2fee-56ae):2019/11/21(木) 02:39:20 ID:K/d1LTsYSa
>>35
それは嬉しいです
今度はそちらて読ませていただきます

38名無しさん (アウアウ 2fee-56ae):2019/11/21(木) 02:40:05 ID:K/d1LTsYSa
>>35
それは嬉しいです
今度はそちらて読ませていただきます

39名無しさん (ワッチョイ 991c-fb13):2020/08/10(月) 01:51:48 ID:iG/ptSgE00
アラ虐板の規約に反するから渋で続き書くとか言いながら
飽きたのかこの作者さんもう続き書いてないよね?

40名無しさん (ワッチョイ f7fd-d920):2021/08/20(金) 05:45:54 ID:563//dFY00
R


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