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愛「へー……3人の名前に因んでるのかぁ」

1名無しさん@転載は禁止:2021/06/16(水) 03:10:35 ID:6SrrO8Rc
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1572862705/

↑これの改造版

基本りなあいだけどモブが喋りまくる
設定もスクスタの遥か前に勝手に組み上げたのほぼそのまま

87名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:33:00 ID:2KBBvsEU
.



───キャアアアアアアアアアアアアアアアアアァ?!?!



.

88名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:34:28 ID:2KBBvsEU
愛 「ごめん、マジごめんて」ヒリヒリ…

璃奈「…………」←果林の背後に隠れてる

果林「あなた……どういうつもりよ。まして初対面の子に」

愛 「あんまり可愛くて……その、美味しそうだったもんで……」

璃奈「!?」ササッ

果林「愛!」

愛 「いや、ホントホント! 美味しそうは流石に冗談だけど、マジ反射的なの……」

愛 「こうね? 守ってあげたいなーと! そう背筋にビビッときてさ! 気付いたら身体が勝手に……ね?」

果林「ね、じゃないわよ。……アンタとは1年やってきたけど、付き合い方を改めるべきかしら」

愛 「ちょ! 悪気は無いんだって! ゴメンね? えーと、てんのうじ? さん?」

璃奈「……」[果林] _・`)チラッ

璃奈「てんのうじ……りな、です……」

愛 「リナね、おっけ。アタシ宮下愛、さっきは脅かして本当に……」

璃奈「へんなこと……しない?」ポソポソ

愛 (かっわ)

果林「愛!!」グアッ

愛 「まだアクションすら取ってないんだけど!?」

89名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:36:18 ID:2KBBvsEU

愛 「うーん……よし、もう決めた! 即決で決めた!」

果林「……一応、訊いておくわ。なにを?」ゴゴゴ

愛 「ごめん副部長、ちょっと声と顔と身長が怖いんだけど」

果林「身長は関係無いわよ。暫く私からアンタへの信頼は地の底だから、そのつもりで」

愛 「厳し過ぎる……」

愛 「と、とりあえず、決めたってのはね……璃奈のこと」

璃奈「ふぇ」ビクッ

愛 「そ、そんな怖がんないで……単に、アタシが璃奈の1番のファンになるって事だから」

璃奈「へ?」

愛 「璃奈の良さに最初に気付いたって事と、あと1番に熱心なファンって2つの意味でね」

愛 「そういう事だから! それに部員同士って意味でも、これからヨロシクね!」

璃奈「…………」

璃奈「よろしく……おねがいします」ポソポソ

愛 「おう!」

果林「……まあ、良しとするわ」

果林「でも言っとくけど、最初に璃奈ちゃんの良さに気付いたのは部長君よ」

愛 「……」ガクッ

果林「ちなみに2番目は部長君と一緒だった歩夢。私が3番目」

果林「あなた4番目よ」

愛 「う、うっせーやい! 話の腰を折るなし!」

璃奈(へんなひと……)

90名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:36:53 ID:2KBBvsEU

───そんなの憶えてなかったんだもん(璃奈談)


-豊島区巣鴨 和菓子屋美舟庵-

愛 「こんちはー! いつもの豆大福と月餅……を」

遥 「いらっしゃいま───」

遥 「…………」

愛 「…………」

愛 「んん、遥?」

遥 「え……あれ、愛先輩だ」

愛 「ん、んー? ここ美舟庵で合ってる? よね?」

遥 「ですけど……愛先輩もしかして、御実家は巣鴨に?」

愛 「う、うん。てか、何で遥がココに」

栞子「近江さん? お客さん来たの?」ガタ

栞子「って、ああ、愛さんですか。いらっしゃい」

愛 「栞子ちゃん……」

遥 「え、え? お2人お知り合い?」

愛 「え?」

栞子「え?」

遥 「え?」

愛 「…………」

愛 「……うん」

愛 「状況整理、開始!」✋

……………………

……………………

91名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:41:22 ID:2KBBvsEU

愛 「栞子ちゃんがウチの内部進学生で生徒会にいるのは知ってたけど……」

愛 「まさか遥まで生徒会に居たなんて知らなかったわー。彼方先輩ってば何も言わないんだもん」

栞子「ね、こんな所で繋がってるなんて思わなかった」

愛 「遥は今日どうして?」

遥 「あー、恥ずかしい話なんですけど、私ちょっと成績に不安があって」

栞子「“ちょっと”?」

遥 「あはは……それで、今日は昼前から明日の朝まで、ここで三船さんと勉強する事に」

愛 「明日の朝!? え、徹夜すんの!?」

栞子「徹夜は近江さんが言い出したの。私は反対したんだけど、聞かなくて」

愛 「大丈夫なんそれ……やる気あるのは良いけど、身体に悪くない?」

遥 「大丈夫ですよ! 徹夜は流石に今回だけのつもりです!」

遥 「それに、友達の家に来て勉強するのって何か楽しいですもん。きっと寝ようとしても眠れませんから」

栞子「……そう浮かれ気分じゃ勉強しても頭に入らないでしょ」

遥 「そ、そんな事ないよお。明日には一気に優等生だよ、わたし!」

愛 「まあ、本気でやるなら、後で少し昼寝でもしといた方が良いかもね」

92名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 04:42:53 ID:2KBBvsEU

愛 「で、いまは何してんの? 遥が店番してたけど」

栞子「いまは、お昼御飯が食べ終わったから少し休憩中」

遥 「三船さんのおじいさんが店の奥に居るんですけど、何か忙しいみたいで……」

遥 「折角だから、勉強見てくれる御礼で私が店番しよっかなーって!」

栞子「ほとんど立ってるだけだから私はいいって言ったんだけど」

愛 「へー感心だね」

愛 (何か理由つけて休憩にしたかったんだろうなあ)

栞子「愛さんは? 部活の帰り?」

愛 「今日は休み。実は一昨日、長野の親戚から桃が送られてきてさ」

栞子「桃?」

愛 「そーそー。で渋谷に住んでる別の親戚と、あと知り合いの所にお裾分けして……そんで帰ってきたとこ」

愛 「おばーちゃんも朝から人使いが荒いよね」

遥 「え、朝から渋谷に行って今まで……? 長くないですか?」

愛 「ちょっと、いろいろ手間取ってさ。思ってたより掛かっちゃった」

遥 「……?」

93名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:11:00 ID:EeysCLwI
栞子「まあいいじゃない。豆大福と月餅だよね、ちょっと待ってて♪」

栞子「ええと、何個ずつ?」

愛 「あー……いつもと同じ分と、あと月餅の方は余分に2個ちょうだい。あと供え物用の落雁も貰える?」

栞子「はーい(高音)。……近江さん、その棚にある“落雁”って書かれた箱1つ取って(低音)」

遥 「あ、うん……」ゴトゴト

遥 「らくがん……コレだよね。はい」

栞子「ありがと(低音)。じゃあ愛さん御会計しちゃうね(高音)?」

愛 「はいよー」

……………………

……………………

栞子「はいっ! 50円お釣りね(高音)」

愛 「はい、ありがとー」

遥 「……うーん」ジロジロ

栞子「……近江さん、さっきからどうしたの? ジロジロ見て」

遥 「え、あ、ごめん……」

遥 「いや気のせいかもしれないけど何か……三船さん声が」

栞子「は?」

遥 「その……話す時ね、私と愛先輩とで声の感じが違うなあ、って思って」

愛 「あ、それアタシも思ったわ」

遥 「ですよね!」

栞子「…………」

栞子「何の事か全然……」

遥 「Oh, 無自覚!」

愛 「ははは」

栞子「?」

94名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:11:34 ID:EeysCLwI

愛 「アタシと話す時と、遥と話す時とで、栞子ちゃんの声の高さが微妙に違うって話だよね」

遥 「そうです! そうなんですよ!」

遥 「愛先輩と話す時、三船さん何か優しそうな話し方だよ! わたしと話す時つっけんどんな感じなのに!」

遥 「何でなの三船さん!」

栞子「……」

栞子「ああ……そういう。やっと分かった」

栞子「別に、近江さんを軽んじてるつもりはないの。単に付き合いの長さの差が表れただけでしょ」

遥 「えー! なにそれぇ!?」

栞子「うるさいんだけど……」

愛 (何か、普段の果林先輩とカナ先輩のノリに似てる気がするなぁ)

愛 (……何だろ、この違和感)

遥 「ぬぎぎ……何か悔しいぞ。わたし三船さんの一番の友達のつもりだったのに」

愛 「あっはは、まあ栞子ちゃんと遥も、暫く付き合ってれば自然と柔らかい感じになれるよ」

遥 「で、ですよね! きっと三船さん、わたしにも柔らかくなってくれますよね!」

栞子「そのためにも早く成績で私を安心させて。虹学の生徒会が、その辺り厳しいの知ってるでしょ」

遥 「くぅーん……」🐶

愛 「大丈夫だって。栞子ちゃん案外、人見知りが長いタイプだからね。時間が解決してくれるよ」

栞子「人見知りなんかしてない!」

95名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:12:46 ID:EeysCLwI

愛 「で、そもそも2人が知り合ったのって?」

遥 「三船さんと初めて会ったのは入会面接の時ですね」

愛 「あ、そっか。うちの生徒会、面接に通らないと入れないんだっけ」

栞子「はい。でも本当、何であの体たらくで2人とも受かったのか不思議で不思議で……」

愛 「え、どゆこと?」

遥 「入会希望者同士でグループディスカッションもするんですけど、その時にちょっと」

栞子「近江さん、最初から最後までトンチンカンな事ばっかり言ってて、私ずっとフォローに回る羽目になって」

遥 「だ、だってー……わたしサンドイッチの話だとばかり……」

愛 「サンドイッチ????」

栞子「それは“BLT”でしょ!! “LGBT”も知らなくて、よく虹学に受かったわね本当!」

愛 「……遥ぁ、もしかして入学試験から燃え尽きてない?」

遥 「そ、そんな事ないですぅー!」

栞子「それだけじゃない! 活動始めてからも、あなたパソコンすら碌に使えなくて、結局は私が教える事になって!」

遥 「す、スマホで事足りてたんだもーん!」

愛 「大丈夫かよ遥ぁ? これはカナ先輩に報告案件かな」

遥 「やめてくださーい!」

96名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:13:49 ID:EeysCLwI

愛 「はは、何か2人の新しい一面がザクザク出てくるなぁ」

愛 「でもアタシ的には、遥ちゃんが採用された理由も分からなくないけどね」

栞子「何でですか……」

愛 「組織には必要なんだよ。そういう、ムードメーカーっていうか……空気を堅くなり過ぎないように出来る人が」

遥 「そ、そうだよ三船さん! わたし生徒会に欠かせない要素なんだからね!」

栞子「そのムードメーカーさんは、エクセルのショートカット一覧そろそろ覚えられた?」

遥 「ぱ、パソコンの話はヒキョーだぞ!」

愛 「あははっ! まあ何にせよ、あの栞子ちゃんにも良い友達が出来て嬉しいよ愛さん……」

栞子「“あの”って……」

愛 「よっしゃ、そんなの見せられたら、これをあげない訳にいかない!」ガサッ

愛 「頑張る2人に翼を授ける!」🐥

遥 「へ?」

97名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:14:53 ID:EeysCLwI

遥 「な、何ですかこの袋」

愛 「差し入れ! 本当は自分用に買った物だけど、特別に2人にあげちゃうぜ!」

栞子「あー……」

遥 「え!? い、いいですよぉ! 先輩にそんな……」

栞子「近江さん、気にしないで。ありがたく貰っておきましょ」

遥 「ほえ?」

栞子「愛さん、昔からそう。……何かあると、すぐ食べ物とか渡してくる癖があるの。親戚のおじさんみたいでしょ」

遥 「へ、へえ……」

愛 「ひでぇ言われようだな。まあそーゆーことだから、遠慮せず受け取りなはれ」

愛 「はいどーぞ! エナドリと、少ないけどお菓子が入ってるよ! 駅前のセブンで帰りに買ってきたんだ!」

遥 「じゃ、じゃあ甘えさせてもらって」

愛 「おう! あ、見てみ? 偶然だけど栞子ちゃんの大好きなやつ入ってるよ!」

栞子「えっ�� なになに?」ガサガサ

遥 (いまの三船さん、生徒会の皆に見せてみたい……)

愛 「あ、レッドブル3本入ってるから1本返してね。2人で1本ずつ飲んで」

栞子「うん」ガサガサ

栞子「それで他には……」

栞子「え」

遥 「何なの? 三船さんの好きなの、って」

遥 「え」

98名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:20:44 ID:4lkEG.iQ
遥 「こ、これは……」

栞子「あ……あ」


https://i.imgur.com/hUk3WRd.jpg


遥 (〇ン〇ン〇ンの……ペロペロチョコ……)

愛 「どやっ」

栞子「な……なぁ……」アワアワ

愛 「いやあ、たまたまコンビニで見掛けて、つい懐かしくなっちゃってさあ」

愛 「栞子ちゃん、前それあげたら凄い喜んでたし、好きだよね!」

栞子「……は、はい」ヒキツリ

栞子(それ年長の頃の話ィイイイ!!)

愛 「うん! 何本かあるから、良ければ遥も食べてねー」

遥 「は、はーい……」←苦笑い

遥 (どう反応すれば模範解答なのこれ)

愛 「あっと、そろそろ時間かな……」

愛 「じゃ、また学園でね。ティ・アーモ♪」

……………………

……………………

99名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:21:23 ID:4lkEG.iQ

遥 「ありがとうございましたー」

遥 「えーっと」チラッ

栞子「……」

遥 「その、何て言えば良いか……愛先輩ってスゴい人だよね、いろんな意味で」

栞子「……うん」💀

遥 「…………」

遥 「にしても……三船さん、これ好きだったんだ。意外かも」

栞子「い、いいでしょ! それ5歳の頃の話だもん!!」カァァ

遥 「悪いなんて言ってないよお。三船さんの新しい一面じゃん、良いと思うよ」

栞子「もおおおぉ恥ずかしいぃぃ! 何であんな、おばあちゃんみたいな事するのっ! 愛さんのバカ!」

遥 「三船さん可愛いよー」

栞子「可愛くないっ!」

遥 「あははっ、可愛い可愛い」

栞子「ああいう唐突に変なことするの昔から変わらないんだからっ! ほんと勘弁してほしいんだけどっ!」

遥 (ふふ……そう言ってても、何か嬉しそうなのは気のせいかな)

遥 (にしても三船さん、学校でもそんな感じでいればいいのに。きっと今の比じゃないくらいモテ始めるよ)

遥 「あ、美味しい……」ペロペロ

栞子「もうっ!」

100名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:22:11 ID:4lkEG.iQ

愛 (ふっふーん♪ 今日は気分良いぜ)

愛 (にしても意外な組み合わせがあるもんだ。彼方先輩、遥の事ちょっと心配してたけど上手くやれてるじゃん。良かった良かった)

愛 (いやあ、それにしても璃奈ん家はデカかったなー)

愛 (近所の人に訊いて回って、見つけるの随分掛かったけど……へへっ! 璃奈、喜んでくれてるかな)

愛 (さーて、帰ってゲームしよ。昨日は少佐が死んじゃってヘコんだけど……今日こそ全クリアするぞー!)

愛 (……)

愛 (分かった、さっきの違和感の正体。デジャブだ)

果林先輩とカナ先輩

栞子ちゃんと遥

歩夢とアタシ───

愛 (似てるんだわ。この3組の関係性)





.

101名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:24:06 ID:4lkEG.iQ

プルルルルルル……ガチャ

部長「はい制作部……あ、天王寺さん? 珍しいじゃん、この番号に」

部長「え? ……うん、どした?」

部長「……は? 帰ってきたら玄関に……変な袋?」

部長「ちょ、ちょっと待って」ガタッ…ゴソゴソ…

部長「はい、いいよ。うん……宛名は無し……“1番のファン”とだけ(……ええ、ヤバ)……うん」メモメモ

部長「宅配便の伝票も無く、ドアの前に……筆跡は男か女か分かり辛い……うん」メモメモ

部長「見るからに怪しいな……ちなみにだけど、同好会で天王寺さんの住所を知ってるのは……」

部長「あ、今んとこ誰にも教えた憶え無い……? そう、か」

部長「……」

部長(自宅が特定されてる……? 考え過ぎて悪い事は無い、よな)

部長「とりあえず、一応これから部員に確認するから。絶対に触らないで、そこに放置ね」

部長「うん、大丈夫。怖いと思うけど、危ない目には遭わせないから安心して」

部長「じゃあ、暫く家の中で動かないでね。もし何かあったら躊躇わず通報して。また後で掛ける」

ガチャン……





───このあと愛先輩は、事情を知った歩夢先輩から絞られた

102名無しさん@転載は禁止:2021/06/22(火) 06:28:01 ID:4lkEG.iQ
また今度ね

103名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:17:18 ID:r.At8cz6

───当作に百合はありません


歩夢「愛ちゃんが本気で怒ったこと?」

歩夢「あー……そういえば無いなあ全然」

歩夢「まあ、わたしが憶えてる限り、1度だけあるにはあるんだけどね」

菜々「え、たった1度だけですか?」

歩夢「うん、性格通りというか、怒ったり人と喧嘩したりするの苦手みたいで」

菜々「性格通り……?」

歩夢「普段ああだけど、繊細な所もあるんだよ」

菜々「……こないだ、教室に出たカナブン素手で外に放り投げてましたよ?」

歩夢「“たまには”繊細な所もあるんだよ」😅

菜々「愛さんって中学時代からああいう……その、豪快というか、空気読めないというか、みたいな感じだったんですか?」

歩夢「そうだね。わたしも中学より前の愛ちゃんは知らないけど、まあノリで生きてるのはその時からそうだったよ」

歩夢「……あーでもまあ、前の方が、ある種の落ち着きはあった方だと思うけどなあ」

菜々「そうなんですか? こ、高校に上がって悪化してると」

歩夢「思春期補正(?)じゃないかな」

.

104名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:19:21 ID:r.At8cz6

歩夢「昔と変わったのは、愛ちゃんより寧ろわたしの方なんだよね」

菜々「歩夢さんが?」

菜々「あれ、そういえばなんですけど、歩夢さんって中学の頃は何部に入ってたんですか?」

歩夢「わたし? あー……わたしはね」

菜々「部長さんは確かダンス部で……愛さんはバスケ部でしたっけ? 歩夢さんだけ聞いてなかったですね」

歩夢「……わたしね。それが……書類上は料理部にいたんだけど」

菜々「おお料理部! 良いですね、イメージぴったりですよ。お似合いじゃないですか」

歩夢「ありがと。でも、ぶっちゃけ殆ど幽霊部員みたいなものでさ」

菜々「えっ? ゆ、ゆーれい……何ですか?」👀❓

歩夢「籍だけ置いてて、普段は活動に来ない人の事をそう言うの」

菜々「そ、それって要するに……」

菜々「うん。驚くかもしれないけど、わたし3年間で部活動に参加した事なんて、片手の指で数えられるくらいしか無いんだ」

菜々「───ええっ!? まさかの歩夢さん不良路線ですか!?」

歩夢「ち、違う違う。まあ先生達からしたら不良に見られてたかもしれないけど……」

菜々「いや驚きました。どうしてそんな……」

歩夢「実は、ね、わたし……簡単に言うなら対人恐怖症みたいな感じで」

菜々「は?」

歩夢「昔は本当に人と話せなかったんだ。家族とか昔から知ってる人以外だと、同性とも」

菜々「えええ!? 嘘ですよ!」

.

105名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:19:54 ID:r.At8cz6

.


先生「じゃあ、次の段落を始めから“兵十がひとりごとをいいました”の所まで……」

先生「あー、上原」

歩夢(片目隠れ)「!!」ビクッ

先生「どうだ、読んでみるか?」

歩夢「あ、え、そ……えと」

部長「歩夢、無理そう?」ヒソヒソ

歩夢「! う、……が、ん、ばる……って、みる」ヒソヒソ

歩夢「大丈夫です……よみ、ます」ガタリ

先生「! そうか!」

  ざわ… ざわ…

    ざわ… ざわ…

先生「静かに! じゃあ上原、落ち着いて読んでくれ」

先生「もし駄目そうなら、無理する事はないからな」

歩夢「はい……」


.

106名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:20:42 ID:r.At8cz6

.


女子「上原さ───」

歩夢(片目隠れ)「ッアい!? あ、」ビクビクッ

女子「……大丈夫?」

歩夢「あ、ふぇ……は、い」

女子「…………」

女子「えーと、ね。今度、インフルの予防接種あるじゃん? その問診票なんだけど」

女子「上原さん、まだ提出してないでしょ?」

歩夢「あえ」

歩夢「あっ、……あ、うあああ!?」ガタッ

女子「待った落ち着いて別に怒ってるワケじゃないから」

歩夢「ごっ、ご、ごめ、なさ」オロオロオロオロ

女子「大丈夫だから! あーも……新しい用紙もあるから! 明後日までに書けば大丈夫なの!」

歩夢「あ、あえあ……ちが、あわあ……ご、ごめんなさい違うんですごめんなさい───」

女子「あーもー……ごめん五十嵐ちょっと来て!」


.

107名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:22:20 ID:r.At8cz6

菜々「いや誰ですか今の」👆😓

歩夢「わたしわたし」👈😁

歩夢「ちなみに確か小4くらいの頃ね。教科書の時は、最後まで噛まずに読めて、拍手起こったよ」

菜々「そっ、え、嘘でしょ!? そんな高レベルな対人恐怖症ですか!?」

歩夢「ふっふ、ビックリするでしょ」

菜々「何でちょっと誇らしそうなんですか……」

歩夢「幸い、理解ある人も沢山いたから、嫌な事されたりはなかったけど、本当に仲の良い友達は殆ど出来なかったなぁ」

歩夢「流石に中学上がる頃には大分マシになったんだけどね。それでも先輩後輩の関係は荷が重くて……」

菜々「な、なるほど……で、良いんですかね? まあ中学の上下関係がキツいのは分かりますが」

歩夢「だから、出来れば帰宅部になりたかったんだけど、校則で部活は何かしら入らないといけないから───」

歩夢「うん、とりあえずで入部届を書いただけっていうか……えへへ」

菜々「可愛く言ってますけど何か不良の気配を感じますよ!」

歩夢「違うもんわたし不良じゃないもん……成績は良い方だったもん」

菜々「えええー、でも意外ですね。歩夢さんの新しいキャラ発掘しちゃいました」

歩夢「黒歴史ですー」

菜々「あ、そうだ。歩夢さんが良いなら、今度の生放送でカミングアウトするのどうです? ファン増えるんじゃないですかね!」

歩夢「あざと過ぎてウケないよ、きっと……」

菜々「そうですか?」

歩夢「そうだよ……」

.

108名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:23:10 ID:r.At8cz6

歩夢「で、中学に上がって、最初の頃の璃奈ちゃんくらいまで改善したんだけど」

菜々「それ大幅改善じゃないですか」

歩夢「成長だよ成長。ココロもカラダも健やかに」😏

歩夢「愛ちゃんと仲良くなったのは丁度その頃だったね」

菜々「ここで愛さんですか……」

歩夢「うん」

歩夢「わたし達の通ってた私立中学なんだけどね、評判は都内でも良い方なんだけど……わたし達が入った年は、そういう、ちょっと嫌な人達のグループが一緒に入ってきてて」

菜々「…………」

歩夢「その人達、よりによってわたし達のクラスにいてね……」

歩夢「“わたしは幸い大丈夫だったんだけど”、そういう気弱な人とかを脅したり意地悪したりしてたの」

菜々「! ……虐め、ですか」

歩夢「うん、簡単に言えばね。菜々ちゃんごめん、これあんまり人に言わないでくれると嬉しいかも」

菜々「い、言いませんよ絶対! 約束です!」

歩夢「ふふ、ありがとっ。……だからね、入学してから暫く空気の悪い時間が続いたんだ」

歩夢「そんな時に、同じクラスにいた愛ちゃんが……ふふ、あの時の愛ちゃん、本当にカッコ良かったなぁ」

菜々「本気で怒った、と」

歩夢「そういう事」

.

109名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:24:05 ID:r.At8cz6
歩夢「愛ちゃん、その虐めの主犯の人達とも仲良い方だったんだけど……」

歩夢「だからこそね、自分と交流ある人達が、そういうヒドい事をしてるのが、悲しくて、許せなかったんだと思う」

菜々「……それで、どうなったんです? クラスは」

歩夢「もう最悪。それまでクラスの中心に近かったのに、今度は愛ちゃんが仲間外れみたいになるし、クラス内の会話も激減するし」

菜々「学級崩壊って感じですか……」

歩夢「そこまでじゃなかったけど、まあ崩壊始まりくらいには」

歩夢「それでも愛ちゃんのおかげで、クラスの実態とかが先生達にも知れ渡って、とりあえず虐め自体は治まったけど……」

歩夢「その1年間は、もう最高に空気悪かったよね。先生も、わたし達を腫れ物みたいに扱ってた」

菜々「そう、ですか……それで、お2人はそこから、どうやって愛さんと?」

歩夢「ふふん……実はね、孤立し掛けてた愛ちゃんに、わたしの方から話し掛けたんだ」

菜々「!?」

菜々「えっ、あ、歩夢さんの方から!?」

歩夢「正確には、わたしが言い出して、それに賛成してくれた彼と一緒に、だけどね」

菜々「いや、いやいや! それでも凄いんじゃないですか!? 大成長ですよ歩夢さん!」

歩夢「えへ、彼にも驚かれちゃった。話し掛けてみようよって言ったら、目まん丸にしてたなぁ」

菜々「いやあ、それはそうなりますよ……だって小学生の頃と比べたら……」

歩夢「まーね」ドヤッ

.

110名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:25:13 ID:r.At8cz6

歩夢「仲間外れにされてから、ちょっとだけ愛ちゃんも腐り掛けてる感じだったんだけど、わたし達と話し始めてから暫くしたら、またいつもの調子を取り戻せてたみたいだった」

菜々「歩夢さんのおかげ、という事ですね」

歩夢「そんなそんな」😳

歩夢「わたし最初、愛ちゃんを見てね、本当にビックリしたんだ。いまの世の中に、こんな人前で堂々と物を言える子が居たんだなって」

歩夢「わたしみたいに会話にも苦労する人がいる中で、あんな立派な事が出来る人もいる。それが……何か悔しい気がして」

菜々「そこで尻込みしない所、歩夢さんの良い所だと思いますよ」

歩夢「あはは……そう考えてたら、何となくわたしも、愛ちゃんみたいな人に近付いてみたいなって自然と思えたの」

菜々「良い話ですね……」

歩夢「まあ実際に付き合ってみたら、知っての通り大概オバカだったんだけどね」

菜々「ま、まあまあ、この際それは置いておきましょう」😅

菜々「愛さん、確かに変な部分もありますけど……そういう熱い所は変わってないんですね」

歩夢「……うん。あの時の愛ちゃん、本当にカッコ良かった」

歩夢「もし男の子だったら……ちょっと良いかもって思っちゃうくらい」

菜々「ええー(笑) それ部長さんが聞いたら泣いちゃいますよ……」

歩夢「大丈夫だよ(笑) 彼、案外そういうの気にしないから」

歩夢「わたし最初、愛ちゃんの事は、誰にでも馴れ馴れしい人くらいにしか思ってなかったけど、付き合ってみると、人として大切な事っていうのかな。そういうのを、よく知ってる印象が出てくるの」

歩夢「だから……そういう所は、わたし尊敬してる。愛ちゃんの事」

菜々「───」

.

111名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:27:07 ID:r.At8cz6
.



    「2人とも迷惑かけて、ホントごめんね」



.

112名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:27:59 ID:r.At8cz6

菜々「……ええ、そうですね。私も何となく分かる気がします」

歩夢「そう?」

菜々「はい。友達が多いのも、そういう愛さんの誠実な部分の賜物なんですよね、きっと」

菜々(3人のこういう関係、ちょっと羨ましいなぁ私……)

……………………

……………………

歩夢「で」

歩夢「その後は徐々にオバカに浸食されて、わたしの対人恐怖症はグングン治りました♪」😁✌

菜々「き、急に台無しにしてきた!?」💦

歩夢「今ではこの通り逞しく生きてます! 上原歩夢をヨロシクね」

菜々「さっきの回想と落差がヒドい! 最早ポケモン的な進化を疑いますよ! 何があったんですか!?」

菜々「この数年どんなに濃い時間すごしてきたんですか!」

歩夢「それはもう、チーズ特盛り濃厚でハイカロリーな毎日でした」

菜々「胸焼けしそうです!」

エマ(さっきから大声で何してルんだろ)

.

113名無しさん@転載は禁止:2021/08/20(金) 23:28:50 ID:r.At8cz6

.


歩夢「…………」

歩夢(ごめん菜々ちゃん……ちょっとだけ嘘ついた)

歩夢(でも許してほしい。例え菜々ちゃんでも……自分が虐めの標的にされていた過去は伏せさせてもらいたい)

歩夢(まだ少しだけ、わたしは過去に縛られているから。そういう過去を人に知られるのは、少しだけ怖いから)

歩夢(だから───ごめんなさい)


.

114名無しさん@転載は禁止:2021/08/21(土) 00:03:54 ID:GPt5m7/Y
いい話だ

115名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:40:54 ID:Ad0Bd5LM
>>114
ありがとう
励みになります

116名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:41:07 ID:Ad0Bd5LM

───璃奈の避難所


カタカタカタ…

制作部B「衣装の進捗確認メール来てます?」

制作部A「(カチカチ…)や、まだっぽい。遅れてるみたいだわ」

制作部A「一応、途中でも進行状況は送るように言っておく」

制作部C「ごめん、その辺りにハサミ無い?」

制作部E「ホワイトボードんとこに掛かってるよ。あー部長、NK1仕上がりどうです?」

部長 「もうラストスパートに入ってる。この分なら、今日の活動内には何とか仕上がるわ」

制作部E「ナイス! このペースなら間に合いそうですね」

   ガー…ガー… カチカチ… カタカタカタ…

      カリカリ… ガチャガチャ… ガー…ガー…

制作部D「忙しい所すいません部長、今度の文化祭配信なんですけど───」

部長 「何かあった?」

制作部A「あー……コピー用紙が切れてるわ スーパーホワイト在庫まだある?」

制作部E「それならロッカーに……無いな。ちょっと印刷室で借りてくる。待ってて」

制作部D「という事なんですけど」

部長 「あー……そうなると枠自体を入れ替えなきゃならなくなるかも」

制作部D「じゃあ、いっそ1年枠を最後に回しますか……? んーでもそれだと───」

制作部C「ラミネーターは……あった。ちょっとコンセント1つ使うわ」

制作部B「部屋の端のが空いてるから、そっち使って」

璃奈 「…………」Zzz

.

117名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:41:37 ID:Ad0Bd5LM

-制作部-

歩夢「はい、お茶だよ」🍵

部長「ん、サンキュー。助かる」

歩夢「それで、さっきから気になってたんだけど……璃奈ちゃん何してるの? こんな所で」

璃奈「…………」Zzz

部長「ああ」ズズ…

部長「何かちょっと前……半月前くらいかな。フラッとここに来て、ここで休憩しても良いか、みたいな事を言ってきたんだよ」

歩夢「休憩? ここで?」

部長「そう。んで以来、昼休みは大体ここで昼寝してる」

部長「俺も気になって、それとなく訊いてみたんだけど……何か、俺達の作業してる環境音が最高に落ち着くらしい」

歩夢「えぇ……?」

歩夢「───」👂

歩夢「これが?」

部長「俺と同じ反応してら」

歩夢「いや(笑)だって、気が散るじゃん……」

部長「親父から聞いたんだけど、あんま静か過ぎると逆に落ち着かなくなる人もいるんだと。音楽掛けないと眠れなかったり」

歩夢「そうなの?」

部長「職場でも、特に事務方の仕事してる人に多いらしい」

歩夢「へ、へぇー……璃奈ちゃんも何かやってるのかな」

歩夢「何にしても、ちょっと変わってるね」

部長「な、変わってるよな」ズズ…

歩夢「まあ、とりあえず」

部長「?」

歩夢「1つ言えるのは、これ愛ちゃんには教えない方が良さそうだって事だよね」

部長「余さず同感だわ」

.

118名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:42:17 ID:Ad0Bd5LM




愛 「何か最近……昼に璃奈と会ってない気がするんだよなあ」

エマ「? 璃奈ちゃん、最近は制作部に顔を出しテルよ?」

愛 「え、何で」

エマ「さあ?」



.

119名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:42:37 ID:Ad0Bd5LM

歩夢「皆、熱心にやってるね。いま昼休みなのに」

部長「入試前に頑張った甲斐ありだよ。報酬も充分に出してるからな」

部長「始めたら何かしらデカいトラブルも起こると思ってたけど、今の所は割と上手くやれてる」

歩夢「このペースなら、来週の全体新曲も出来そう?」

部長「おかげさまで何とか。本当に有難い限りだよ」

部長「皆の力あって、こうして2年目も順調に出来てる」

歩夢「感謝しないとね」

部長「いつもしてるよ。勿論、歩夢達にも」

歩夢「どーいたしましてー♪」

歩夢「ふふ……」

制作部A「爆発しろ」ボソッ

制作部B「おいやめろって……」ヒソヒソ

.

120名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:43:11 ID:Ad0Bd5LM
璃奈「…………」Zzz

歩夢「さ、そろそろ時間だし、璃奈ちゃん起こさないとね」

歩夢「にしても、そっちは璃奈ちゃんいて気が散ったりしないの?」

部長「いや……作業効率が落ちてるとかは無い」

部長「寧ろ逆だよ。皆、女の子が居るってんで余計に気合い入ってる。寝息は聞こえるけど、別にうるさい訳でもないしね」

歩夢「な、なるほど」

歩夢「…………」

歩夢「ねーねー」

部長「?」

歩夢「わたしがいたらさ……もっとモチベーション上がる?」

部長「上がるんじゃないの? 皆、良くも悪くも素直だから」

歩夢「……」

部長「……」

部長「な、なに」

歩夢「いや……あなたは?」

部長「俺……? いや俺は……」

部長「……ノーコメント」

歩夢「は?」👹

部長「ブチ上がるに決まってんじゃーん」😅

歩夢「ふふん」

制作部C(爆発しろ)

制作部D(爆発しろ)

制作部E(爆発しろ)

璃奈  (バルス)

.

121名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:44:00 ID:Ad0Bd5LM

───兄2人と姉1人もいます


かすみ「そういやアンタ、そろそろ誕生日だよね?」

弟  「んあ? あーそうだっけ」

かすみ「そうだっけって……記念すべき小6の誕生日でしょ。そろそろ大人の仲間入りだぞ?」

弟  「いつもと変わらねーだろ別に。どうせ夕飯が気持ち豪華になるだけだし……」

かすみ「んっふー、そんなこと言って良いのかなー? 折角だから、お姉ちゃんプレゼント用意してあげなくもないけど」

弟  「え、マジで? ……いやでも、どうせ自作のパン寄越してくるオチ……」

かすみ「いやいやあ、1万円までなら金掛けてあげなくもないよ? 12歳は結構な節目なんだから」

弟  「……いや、別に金は掛けてくれなくてもいいし。気持ちだけで」

かすみ「おお? ほーん、子どものくせに生意気なことを……」

弟  「うるせえっ。姉ちゃんだって子どもだろ!」

かすみ「あははっ♪」

.

122名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:44:33 ID:Ad0Bd5LM

かすみ「じゃ何が欲しいの。まさか要らない訳ないよね?」

弟  「そりゃまあ貰えるなら……。欲しい物もあるっちゃある、けど」

かすみ「言ってみ、ホラホラ♪ お姉ちゃんに出来るなら何だって良いよ?」

弟  (…………)

弟  「じゃあ……貰ってきて」

かすみ「ん?」

弟  「だ、だから……サインが欲しい。姉ちゃんトコの人の」

かすみ「わたしのトコ……あ、同好会の人の!?」

弟  「声デケーって!」

かすみ「へえ、へええー。まさかアンタがね」😁

弟  「なんだよ……そういうの駄目なのか?」

かすみ「あ、いや別に構わないけど。……うん、規約的にはセーフだね」

かすみ(寧ろ素直に嬉しいし。でもまさかコイツがね……ませてるなあ)

かすみ「……それで誰のサイン? え、もしかして全員分くれとか」

弟  「そんなに欲張るつもりねーよ流石に。……その」

かすみ「ん?」

弟  「みやし」

かすみ「待って」

弟  「…………」

.

123名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:44:56 ID:Ad0Bd5LM

かすみ「ごめん待って、ちょ待って」

弟  「な、何だよ……」

かすみ「いま誰の名前を言おうとした? みやし?」

弟  「うう……」

かすみ「って来たら1人しか居ないよね? まさか愛先輩なの?」

弟  「……そ、そうだよっ! おれ宮下愛ファンなんだよ悪いかよ!」

かすみ(えぇぇエぇ絵ぇェぇェえエ江ぇエぇ得ェえエぇ絵エ江ぇエぇえーっっ)

弟  「分かってんだよ! 高望みやめろとか言うんだろッ! でも仕方ねーよ、ファンなもんはファンなんだから!」

かすみ(なんということでしょう)

弟  「何で頭抱えてんだよッ」

かすみ「いやあの、あのね? ちょっと厳しいこと言うんだけども」

弟  「どうせオレに宮下愛は勿体無いから乗り換えろとか」

かすみ「いやちがっ! そうでなくてね!」

かすみ「単に……その、理想くらい高く持った方がいいよって言おうと思って……みたいな」

弟  「……わけわかんねーんだけど」

かすみ(ぬぐうううぅ!)

.

124名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:45:22 ID:Ad0Bd5LM

↓↓ここから中須の思考概略↓↓

わかってる……誰のファンになろうが当人の自由って事くらい……そんなの百も承知

でも駄目なの! 姉として複雑過ぎるの! よりによって愛先輩が“推し”だなんて!

あの人はファンに見せてる姿と普段の姿じゃ、日本刀と丸めた新聞紙くらい差があるんだよ!

仮の話、愛先輩にサインを頼んだら……あの予測不可能者の事だもん、“特別に会ったげるよー♪”とか言い出す可能性も!

もしそうなったら、12歳の少年をアレに直面させるのは酷過ぎる! かすみん上手く捌き切る自信無い!

もしかしたら奇跡的に空気読んで、カッコいいままの愛先輩でいてくれるかもしれないけど……

ぶっちゃけ! 愛先輩が愛先輩でいる以上! どう転んでも不安は消えない(辛辣)! 弟の夢は姉が守る!

↑↑思考概略以上(この間4秒)↑↑

.

125名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:45:47 ID:Ad0Bd5LM

弟  「……なあなあ、もしかして姉ちゃんも宮下愛のファ」

かすみ「冗談でもやめてくんない?」

弟  「ん?」

かすみ「何でもない」

弟  「……え、いま何か」

かすみ「わたしの事はいいの! それよりサインだよサイン!」

弟  「姉ちゃんに出来るなら何でも良いんだろ? 宮下愛にサイン頼んできてよ」

かすみ「そ、それだけは」

弟  「何なんだヨさっきから!」ガーッ!

かすみ「あはは……」

かすみ「あー、じゃ2番目! 2番目にファンの人にしよっか! ね!? 悪いことは言わないから!」

弟  「ふざけんなー! ……なあ、何でそんな必死なんだよ。姉ちゃん変だぜ、何かキモいんだけど……」

かすみ「い、いいから! 愛先輩は……えーと、そう! 厄介なファンが多くて!」

弟  「厄介な……?」

かすみ「そ、そう! 最早ストーカー紛いの! だから本人もウンザリしてて!」

かすみ「特に最近はサインとかそういうの、あまり乗り気じゃなくなってるっていうか……」

かすみ「ほらその、書いてはくれるだろーけどね? 同じメンバーとして、サイン頼むのも気を使っちゃうというか、そのー……」

かすみ「えへっ」

126名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:46:10 ID:Ad0Bd5LM

弟  「───」

弟  「……姉ちゃん」

かすみ「は、はい?」

弟  「嘘が下手すぎる」👉💥

かすみ「をえ゙」😨

弟  「誤魔化すのも下手すぎる」👉💥

かすみ「うぐぅ……」😵

弟  「ついでにパン以外の料理も下手過ぎる」

かすみ「関係ないわそれは!」

弟  「俺にそんなの通じねーぞ。何で嘘つくんだよ、コソコソなに企んでんだ?」

かすみ「た、企みなんてそんな」

弟  「あるんだろ?」

かすみ「ぐぬ……」

弟  「やっぱね。分かりやすい姉で助かるわー」

かすみ「うぎぎ……」😡

かすみ「う、うるさーい! 子どもの癖に口答えすんなっ!! とにかく愛先輩はナシ!」

弟  「…………」😒

かすみ「な、何だよその目はっ」

弟  「別にぃ? また出たと思って。姉ちゃん負けそうになると、いつも勢いでゴリ押ししてくる」

弟  「悪い癖だよ」

かすみ「う、うるさ───」

弟  「そんなんだから、彼氏とも2ヶ月で駄目に」

かすみ「言ってはならんコト言ったな貴様!!」

.

127名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:46:45 ID:Ad0Bd5LM

かすみ「とに」

弟  「また“とにかく”だろ」

かすみ「とにかく!!」

弟  「うわ突破してきたよこいつ。そういうとこ逆に尊敬するわ」

かすみ「と、に、か、く! 愛先輩はナシ! これには深い理由があるんだから!」

かすみ「小6なら聞き分けなさい!」

弟  「何だよ小6ならって……押し切ろうたってそうは……」

かすみ「うるしゃーい! とにかく愛先輩は駄目なのッ!」

弟  (やっぱファンなんだろ姉ちゃん……)

かすみ「そういう訳だから2番目の推し! さあ言ってみ、誰なん!?」

弟  「うっ……」

かすみ「誰!? それなら良いから! サインでも手形でも貰ってきてあげる! さあ!」ズイッ

弟  「に、2番目って……そ、それは……」

かすみ「誰!?」ズズイッ

弟  「近いんだけど」

かすみ「言わないとこのままチューね」

弟  「やめろって。……あーえっと、その……」

弟  「…………」

かすみ「?」

弟  「……」

弟  「ぜってー言わね」ムスッ

かすみ「へ」

弟  「姉ちゃんにだけは言わねえから絶対」

かすみ「な、なーんでよぉー」

弟  「う……あーもうるせっ! こうなったら何が何でも宮下愛のサイン貰ってきてもらうからなッ!」

かすみ「えええー……チューするけど良いの?」

弟  「死ねっ」👊ブンッ

かすみ「甘い! 喰らえいっ!」💗ムッチュ

弟  「ギャーッ!?」

.

128名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:47:08 ID:Ad0Bd5LM

───で


愛  「え、誕プレにサイン? ふーん、かすみ弟さんいたの」

かすみ「はい……えへへ」

かすみ(普通に終われ普通に終われ普通に終われ普通に終われ普通に終われ普通に)

愛  「良いね姉弟愛! 任しといて、サインくらい何枚でもあげる!」

かすみ(ヨシ!)👈😼

愛  「んじゃ、オマケで今度、特別に会ってあげ」

かすみ「Notヨシ!!!」👈💀

愛  「え、なに!?」ビクッ

.

129名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:47:46 ID:Ad0Bd5LM

───ここで感染しました


-スクールアイドル同好会 部室-

歩夢「あれ、日誌ここで書いてるの?」

愛 「お、歩夢おつかれー」

歩夢「お疲れさま」

愛 「そーなんだよね。今日アタシ日直だったから……」

愛 「相方の人に、文章苦手だからって押し付けられちゃってさー」

愛 「アタシだって手書き文はド苦手だってのにもー……」

歩夢「でも、ソコで断れないのが愛ちゃんの良い所だよね」

愛 「はっは、まーね。愛さん見た目通り優しいから」

歩夢「そういうとこだよ愛ちゃん」

愛 「え」

歩夢「でも……相変わらず綺麗な字だよね、本当に」

愛 「え……あ、ああ、まあね。数少ないアタシの自慢出来そうなとこだからねー」

愛 (気のせい気のせい……そうに決まってる)

.

130名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:48:09 ID:Ad0Bd5LM

歩夢「ところで、それとは関係無いんだけど」

愛 「うん」

歩夢「重くないの? 背中のそれ」

彼方「スヤァ…………」

愛 「うん、やっとツッコんでくれたね。待ってたよ」

歩夢「物凄い体勢なんだけど……どうなってるの」

愛 「だよね。よく座ってる人間に寄り掛かって寝られるよね」

愛 「何か“あったかいんだからぁ〜♪”とか言ってのし掛かってきて、面倒だからそのままにしてたんだけど……」

愛 「気付いたら背中から寝息が聞こえ始めてさ。仮にも先輩を弾き落とすのもマズいし」

歩夢「あはは……訳分かんない」

歩夢「それで、どうするのそれ。生徒会行って遥ちゃん呼んでくる?」

愛 「いや、遥よりエマっち呼んできて……」

愛 「あの人ならメンバーでは一番苦無く持ち上げられるから。これ」

彼方「😪」←これ

.

131名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:48:30 ID:Ad0Bd5LM

歩夢「は、はあ……じゃあ、急いで呼んでくるね」

愛 「頼むわ。ホント動けないからマジで」

歩夢「も、もう少し頑張ってね」タタタタ…

愛 「よろしーくー」

愛 「…………」

愛 「ふぃー……疲れるわぁ」

愛 (これ剥がしたら、レッドブル1杯やりにいこ)

彼方「トリニク……キュウリ……Zzz」

愛 「…………」

璃奈「…………」

愛 「あのね」

璃奈「…………」

愛 「いまアタシ迂闊に動けないからアレだけど、本気で心臓止まるかと思ったからね」

愛 「急に璃奈が居て」

璃奈「…………」

愛 「璃奈? ちょっと?」

璃奈「…………」

愛 「り、りなりー?」

璃奈「それやめてって言ったでしょ」

愛 「すんません」

.

132名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:48:54 ID:Ad0Bd5LM

璃奈「…………」チラリ

愛さん鞄「くっ」

璃奈「…………」スタスタ

璃奈「……愛先輩って確か、さ」ガサゴソ

愛 「ち、ちょっと璃奈!?」

璃奈「普段からさ、スマホのロック掛けない派、だったよね?」つ愛スマホ

愛 「───!?!??」

愛 「や、やめて!! 早まんないで!! それだけはやめ」

彼方「…ウルヒャイ」ベチッ

愛 「あでっ」

璃奈「これと……これと……これも」ポチポチ

愛 「あ」

愛 「あ、ああああああぁ……あああ、あああ!」

璃奈「何かデッドプールの画像が大量に……あ」

璃奈「これ……いつ撮ったの。私の寝顔」

愛 「や、やめてそれだけはぁ……」

璃奈「はい削除ォ」ポチポチ

愛 「いやあああぁ……!」

愛 「やめてぇえええおねがいぃ……!」

彼方「ふぁ……?」

.

133名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:49:22 ID:Ad0Bd5LM

璃奈「これは……まあいっか」ポチポチ

璃奈「これは駄目だね」ポチポチ

愛 「あ、あ、ああ……アタシの思い出が……」

璃奈「やかましい」

璃奈「これは駄目……これは、まあよし」ポチポチ

璃奈「……ッッ!? さ、削除ッッ」ポチッッ!

璃奈「先輩……後で話あるから」ギロッ

愛 「ああああああああああああ!」

愛 「ああああああああああああ!!」

……………………

……………………

歩夢「…………」

エマ「え、ええと……何カナ、これ」

歩夢「…………はぁ」

歩夢「自業自得だよ。愛ちゃんのオバカ」

愛 「ふ、ふたりとも璃奈を止めてぇ……」

歩夢「いやです。少し頭を冷やしなさい」

歩夢「さっ行きましょ、わざわざ呼び出してすみません。お詫びに後で美味しい物ご馳走しますね」

エマ「あ、ありがと……デモ良いの? 愛ちゃん泣いテルよ……?」

歩夢「いいんですよ。寧ろ良い薬ですから」

彼方(つい起きちゃったけど……ちょっと寝たふりしてよ)ノシカカリ

愛 「いいいいぃ↓やああああぁ!!↑(裏声)」

.

134名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:51:45 ID:TOzGW9Ic

───1人に渡すことで頭がいっぱいでした


愛 「メリーバレンタイーン☆」

歩夢「ハッピーバレンタインね」

愛 「それだと略したらハピバじゃん。ややこしいじゃん豆板醤」

歩夢「略さなきゃいいじゃんジャンバルジャン。……で、そのパンパンの紙袋なに?」

愛 「これ? ふっふ、お待ちかねのブツだぜ相棒」ガサッ

歩夢「相棒じゃなくて友達」

愛 「同じ同じ。はいチョコ、歩夢の分ね。メッセージカード入ってるよ」🍫

歩夢「やっぱりチョコなんだ。ありがと……にしても毎年よくやるね、愛ちゃんも」

愛 「何言ってんのー。イベントは楽しむためにあるんだぜ、知らんの?」

歩夢「まあ、そうだけどね」

歩夢「……え、ていうかそれ……紙袋の中、全部チョコなの? 多くない?」

愛 「そう、全部チョコ」

愛 「あ、でも殆ど普通のガーナね。クラスの男子にあげるやつ」

歩夢「……パリピ(死語)だね愛ちゃん」

愛 「ノンノン、愛さんパリピ(死語)じゃないよ。単に買い出し役になっただけ」

歩夢「?」

.

135名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:52:28 ID:TOzGW9Ic

愛 「実はアタシのクラスね……明日、女子だけ早く行って、男子にサプライズする事になってさ」

歩夢「サプライズ……? あーもしかして、ホワイトボードに絵とか描いたりする感じの」

愛 「大」😊

愛 「正」😄

愛 「解」😉

愛 「日頃クラスを面白くしてくれる感謝の気持ちを込めてね」

歩夢「ふーん……」

歩夢「誰が発案者?」

愛 「宮下愛っていう子」

歩夢「パリピ(死語)じゃん」

愛 「パリピ(死語)ちゃうよー」

歩夢「あっはははは」

愛 「あっはははは」

愛 「じゃあ、はい」✋

歩夢「…………」

愛 「…………」✋

.

136名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:52:52 ID:TOzGW9Ic

歩夢「何この手」

愛 「……え? いや、チョコは?」✋

歩夢「…………」

愛 「歩夢から愛さんへのチョコは?」✋

愛 「……永遠の友情を誓うチョコは?」✋

歩夢「…………」

愛 「……」✋

歩夢「……」

愛 「おい」👊

歩夢「ごめんド忘れ!」ダッ

愛 「オラッ! 逃がすかっ!」ダッ

歩夢「明日! 明日に渡すから!」

愛 「許さん!」

.

137名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:53:21 ID:TOzGW9Ic

───同好会に入ってからは、特に


果林(155cm)「ちょっと近江さん! こんな所で何してるの!」

彼方「んー……Zzz」

果林「ほら起きなさい! 早く!」ユサユサ

彼方「んがっ……んーなんね……誰アンタ……」

果林「授業もう始まってるって言ってるでしょ! さっき2限目終わったんだけど!?」

彼方「え……」

彼方「ふぁっ!? うっそ!?」ガバッ

果林「やっと起きた……」

彼方「ちょ、あーえっと……」

果林「委員長の朝香果林。もう4月も終わるんだから、いい加減に覚えて」

彼方「お、おう朝香ちゃんね。……ところでいま西暦何時?」←寝惚け

果林「……」👉

彼方「……」(  👀)

時計「10:53」

彼方「……おうマジか」

彼方「あああぅおおおしまっっっっっったあああああぁぁぁ……」😱

果林「まったく。学校の中庭で寝過ごす人なんて見たことないんだけど」

果林「たまたま私が見つけたから良かったけど、そうじゃなかったら大変な事になってたわ」 

.

138名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:53:44 ID:TOzGW9Ic

彼方「ち、ちげーんだって! ほら、かな……わたし上京して日が浅いからワクワクしてさー」

果林「アンタも上京組だったの」

彼方「鹿児島からねー」

彼方「んで今夜、住んでる学生アパートがね、何か歓迎会みたいなの開いてくれるってんでワクワクしてたら、今朝かなり早く起きちゃったんだよ」

果林「なるほど、あるあるね。良い所じゃないそのアパート。……それで?」

彼方「やる事も無いし調子に乗って始発で来たら、校門は通れたんだけど、当然まだ校舎は開いてなくて……」

彼方「仕方ねーから中庭のベンチで待ってたら……はい」

果林「寝落ちた、と」

果林「そういうこと?」

彼方「しょうゆこと!」

果林「そう……(無関心)」

彼方「そーなんすよ!」

果林「よく分かった」

果林「じゃ、それカンカンに怒ってる先生の前で言ってくれば」スタスタ

彼方「ぬおおおおお!」ガッシ!

果林「ぎゃああああ!? 何すんのよっ!?」

.

139名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:54:34 ID:TOzGW9Ic

果林「ちょ、この、やめろ変態! 変なとこ掴むな見えちゃうでしょ!」

彼方「どうか御勘弁をォォ」

果林「私が勘弁して何になるってのよ! 自業自得でしょ諦めなさい!」

果林「こういうのは素直に頭を下げておくのが一番なの。ほら放して」

彼方「特待生としてあかんのや心証とか色んな意味で……」

果林「特待生も六芒星もあるか。素直に怒られなさい間抜け」

果林「…………」

果林「特待生ってなに?」

彼方「? あれ、言ってなかったっけ」

彼方「わたし、まあLD科の主席入学者で、簡単に言えば特待生なんだ」

果林「……」

彼方「だから拙いんだよう、こんなポカやらかしたら、立場ある者として……」

果林「……」

彼方「……どしたん?」

果林「なンでもなイ」←補欠合格者

彼方「???」

果林「早ク行くワよ」ズルズル

彼方「ぐええ」ズルズル

彼方「にゅおおおおお許してええええズルズル

.

140名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 04:54:59 ID:TOzGW9Ic

……………………

……………………

果林「彼方ァ!」

彼方「ふぁっ」

果林「いつまで寝てんの起きなさい!」👊💥ボカッ

彼方「あ痛ァ!?」

彼方「んがっ……? おう果林ちゃん」

果林(167cm)「おう、じゃないわよ。もう授業始まるわよ」

彼方「…………」

彼方「やっぱロリ巨乳よか、こっちの果林ちゃんだね」

果林「は?」

彼方「何でもなーい。懐かしい夢を見てたのさ」

果林「……?」

彼方「なあ果林ちゃん」

果林「なによ」

彼方「期末、順位どうだった?」

果林「なに急に……アンタ何か気持ち悪いわよ」

果林「LD科で12位だったけど」

彼方「そっか……」

彼方「えらいねぇ」ナデナデ

果林「ちょ、何なのよ! 馬鹿にすんじゃないわよ万年首位のくせに!」バシッ

彼方「…………」

彼方「ははっ、時間が経つのは早いなーと思ってさ……」ゴロリ

果林「???? ……アンタ風邪でも引いたの?」

果林「って何また寝ようとしてんのよ。起きなさい、ちょっと」

彼方「おやすみー」

果林「ちょっと!」

.

141名無しさん@転載は禁止:2021/08/30(月) 21:48:12 ID:WwtcYLN6
部長は爆発するべき

142名無しさん@転載は禁止:2021/08/31(火) 09:04:24 ID:lY1Kxrz2
クライシス好きなのか

143名無しさん@転載は禁止:2022/01/22(土) 23:39:38 ID:BaB6SNrc
>>142
今でもやる程度には

144名無しさん@転載は禁止:2022/01/22(土) 23:39:54 ID:BaB6SNrc

-給湯室-

歩夢「あれ、栞子ちゃんだ」

栞子「ん……ああ、上原先輩ですか。御無沙汰してます」

栞子「前に巣鴨で会って以来ですね」

歩夢「だね。美味しかったよ、美舟庵の塩豆大福」

栞子「あはは……ありがとうございます」

歩夢「お茶いれてるの? 随分、沢山あるね……」

栞子「これから生徒会で会議がありますので、全員の分を用意してるんです。先輩もですか?」

歩夢「うん。でもわたしは1人分だけ。お疲れみたいだったからね」

栞子「?」

歩夢「あ、ううん。こっちの話なの」

栞子「? ……はあ、そうですか?」

……………………

……………………

栞子「それで、今日は練習は無いんですか? 制服のままですけど」

歩夢「うん、今日は無いの。部員の半分以上、何となく部室に集まってるけどね」

歩夢「昨日やっと新作の撮影が終わったんだ。暫く制作部の皆が忙しくなるから、本格的な練習再開は、ちょっと先かも」

栞子「いろいろあるんですね」

栞子「あー……そういえば、見ましたよ。この前のMV」

歩夢「えっ!」

.

145名無しさん@転載は禁止:2022/01/22(土) 23:40:49 ID:BaB6SNrc

歩夢「うそっ!? 栞子ちゃんも見てくれてるの!?」

栞子「……そんな驚きます?」

歩夢「あ、いや……何かイメージというか、あまりアイドルとか見向きしなさそうだなーって」

栞子「……」

歩夢「ご、ごめんなさい」

栞子「いえ……」

歩夢「ち、ちなみに誰推し? やっぱり果林先輩とか?」

栞子「推し……とかは特に。単に、あんな凄い映像が撮れたり、皆さんあんなに踊れて凄いな、とか思うだけで」

歩夢「愛ちゃんは?」

栞子「愛さんは昔から知ってますもん。今更そんな特別に入れ込む事なんて無いですよ」

歩夢「え……そ、そうなんだ(笑)」

歩夢(案外、乾いてる所あるよねー栞子ちゃんって)

栞子「あ、でも」

歩夢「?」

栞子「……そうですね。近江先輩は、ちょっと気になるかもしれません」

歩夢「え、彼方先輩?」

栞子「はい」

歩夢「へー意外。え、どの辺りが?」

栞子「まあ……毎日のように特待生がどうの自慢されるので、嫌でも気になるというか」

歩夢「ん?」

.

146名無しさん@転載は禁止:2022/01/22(土) 23:41:23 ID:BaB6SNrc

───桜坂家の日常


姉  「しずく……最近ちょっと思うんだけどね」

しずく「なに?」←米研ぎ中

姉  「あなた……その、この頃メイクが派手になったんじゃないの?」

姉  「っていう話、なんだけど……」

しずく「メイク?」ジャッコジャッコ

しずく「ああ、これは……」ジャー

姉  「もしかして彼氏でも出来た?」

兄  「なに! 遂に来たか!!(歓喜)」ガタッ

しずく「ぶっ!? ち、違うよっ!!」バッシャ

しずく「あっ」

.

147名無しさん@転載は禁止:2022/01/22(土) 23:41:47 ID:BaB6SNrc

───桜坂家の日常2

兄 「おはよう、しずくは出たの?」

姉 「おはよう兄さん。つい今しがた出ましたよ」

兄 「そうか……相変わらず健康優良児だね」

姉 「そうですね。たまに本当に私達の妹なのか疑っちゃいます」

兄 「不穏なこと言わないでよ……」

姉 「ふふふっ」

兄 「……でも、あれだね。君の事を思ってだとは分かってるけど……いい加減、寮に入るのを納得させたい」

姉 「そうなんですよねぇ……私もそれとなく言ったんですけど、“嫌です”の一点張りでしたよ……」

姉 「私の身体の事は気にしなくて良いのに。毎日、鎌倉から東京まで大変そうですよ」

兄 「優しすぎるんだよ、しずくは。誰に似たのかな」

姉 「兄さんですよ、きっと」

兄 「いや、君だよ」

姉 「兄さんです」

兄 「君だ」

姉 「兄さん」

兄 「君」

姉 「兄さ」

母親「イチャついてないで早く支度なさい!!」

.

148名無しさん@転載は禁止:2022/01/22(土) 23:42:15 ID:BaB6SNrc

───桜坂家の日常3

姉  「すくーる……あいどる?」

しずく「そうなの! 面白そうだったから、思い切って受けちゃった!」

兄  「スクールアイドルって……字面的に何となくアレだけど、具体的に何をするの?」

しずく「えーっと、部活動でアイドルグループ作って、配信とかライブもやって、それでそれで───」

しずく「そうだ! 配信されてる動画もあるの! 見てみる?」

兄  「へえ……」

姉  「どれどれ?」

……………………

……………………

兄  「あー何か、これ見たことある? かも……」

姉  「え、本当?」

兄  「去年の終わりくらい、かな。朝の情報番組の……何だろ? そういう特集に出てたような気がする」

兄  「よく見てなくて気付かなかったけど、あれ虹ヶ咲だったんだねぇ」

しずく「うん、テレビで特集された事もあるって言ってたよ」

姉  「え、凄いじゃない! そんな所からスカウトされちゃったの!」

兄  「はは、まあ何にしても凄い偶然だね」

しずく「そうなの! もうビックリしちゃって!」

しずく「まだ詳しくは教えてもらってないんだけど、部長さんて人が何か凄いみたい」

.

149名無しさん@転載は禁止:2022/01/22(土) 23:42:38 ID:BaB6SNrc

兄  「まあ最終的に判断するのは父さんだけど、僕らから特に言っておく事は無いね」

兄  「しずくが、そのスクールアイドルをやりたいなら、それでいい」

しずく「!」

姉  「そうね。しずくが楽しいのが一番よ」

しずく「ありがとう! わたし頑張るね!」

兄  「はは……あーところで、演劇部の方はどうするの?」

しずく「え?」

姉  「あ、そういえばそうだった」

姉  「しずく確か、最初は演劇部に入るつもりだったんでしょ?」

しずく「あ、えと」

姉  「確か、入学式の日に仮入部届は提出しちゃったのよね?」

.

150名無しさん@転載は禁止:2022/01/22(土) 23:44:32 ID:V8LrQ.qs

兄  「もう辞退する事は伝えたのかな?」

しずく「……」

兄  「しずく?」

姉  「?」

しずく「……」ダラダラ

兄  「───」

兄  「まさか、兼部する気でいた?」

姉  「え」

しずく「ひょ」ギク

姉  「……そうなの?」

しずく「あ、その」

兄  「……」

しずく「ええと」

しずく「……」

しずく「だめぇ?」

兄  「絶対に駄目だ」

しずく「あうあ」😵

姉  「そうよ。いくらあなたでも限度があります」

しずく「うぅ……」😢

.

151名無しさん@転載は禁止:2022/01/22(土) 23:51:46 ID:AER//btY
まさかの続き来た
読んでる

152名無しさん@転載は禁止:2022/01/22(土) 23:54:18 ID:V8LrQ.qs
>>151
ありがとう
丁度この先で詰まってるけど結末は出来てるから頑張るよ

153名無しさん@転載は禁止:2022/01/23(日) 01:02:03 ID:jaR2.EEY
待ってるよ

154名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:11:17 ID:4JLCejPU
───え待って超イケメンなんだけど私!


璃奈「先輩……何の写真を見てるの?」

愛 「おう璃奈か」

璃奈「まさか、また変な写真……」

愛 「ち、違う違う」

愛 「これね、この前、菜々達と池袋でコスイベに参加してさ」

璃奈「コスイベ……? コスプレしたの?」

愛 「そう! その時の写真を見てたんだよ。これ菜々。どこから見ても別人にしか見えないよ、ほら」

璃奈「……! 綾華だ」

愛 「アヤカ……? あーそうか。このキャラ、アヤカっていうんだ」

璃奈「え」

愛 「コスプレって奥が深いんだよー、ただ服着て終わりじゃないの。原作のシチュエーション再現してみたり、他の人達と合わせてみたりとか」

愛 「アタシこんなの初めてだったけど、本当に別人になったみたいで、イベント中ずっとキャラに寄せて関西弁で話してたんだ。似非だけど。いやー楽しかった」

愛 「ちなみに衣装を作ったのは、ウチの衣装担当の知り合いの人だよ。アタシは、こっちのミニ浴衣の子ね。衣装以外あんまり普段と変わんない感じで笑っちゃったよね」

璃奈「…………」

璃奈「……ねえ先輩、自分がコスプレしたキャラの名前、憶えてる?」

愛 「え? あー……ちょっと憶えてないなあ。確か宮本がどーとか」

璃奈「宵宮」

愛 「え?」ビクッ

璃奈「宵宮(威圧)」

愛 「り」

璃奈「 よ い み や 」

愛 「……よいみや」

璃奈「覚えて、今すぐ」

愛 「は、はい……お、覚えます……?」

璃奈「よし」

愛 「り、璃奈さん……?」ビクビク

.

155名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:11:48 ID:4JLCejPU

璃奈「……ところで、こっちのトーマと綾人は誰?」

愛 「え、どれ?」

璃奈「👈 ト ー マ 、 あ や と 👉」

愛 「わ、分かった分かった覚えるよ」😓

璃奈「よし」

愛 「はは……え、この肩組んでる2人の事?」

璃奈「そう。イベントで一緒になった人?」

愛 「……ふふふふ」ニヤーッ

璃奈「な、なに」

愛 「ふふん。これね、璃奈もよーく知ってる人なんだ実は」

璃奈「え?」

愛 「凄いでしょ、部長と果林先輩だよ」

璃奈「……」

璃奈「……????」

.

156参考画像:2022/05/03(火) 03:13:15 ID:4JLCejPU
https://i.imgur.com/il2QeAw.jpg

左から宵宮、綾華、トーマ、綾人

157参考画像:2022/05/03(火) 03:14:34 ID:4JLCejPU

───そうやって人は輪を広げる


菜々(あー……最近は特に忙しいなぁ……ちょっと疲れちゃった)

菜々(確か近くに自販機があるし、何か買って飲もっと)

……………………

……………………



菜々「さてさて鶴瓶さんの麦茶……。……え」

菜々(えー、売り切れてる。マジ最悪なんだけど)←素

菜々(まあ仕方ないか。別のにして……)

菜々(あれ……これ、よく璃奈さんが飲んでるのだよね)

菜々(モンスターエナジー……あー、これ爪跡のマークだったんだ。唐辛子の絵だと思ってた)

菜々(辛いのかな? 何かいっぱい種類あるけど、やっぱり色毎に味が違うんだよね?)

菜々(カラフルだな……)

菜々(どうしよう、お茶を買うつもりだったのに───気になっちゃう)チラチラ

菜々(ひえっ、200円もするんだ。何でこんな高いんだろう)

菜々(あ、こっちのは知ってる。愛さんが飲んでるレッドブルっていうやつ)

菜々(よく2人で並んで飲んでるとこ見るよなぁ)

菜々(缶を片手に……楽しそうに話しながら……)

菜々(…………)

菜々(よくよく思い返せば、愛さんが一方的にペラペラ話してるだけだ)

.

158参考画像:2022/05/03(火) 03:15:02 ID:4JLCejPU

でも正直な所、ちょっと……ああいうの良いなと以前から思っていた

2人で共通の趣味を楽しみながら、ああして何でもない雑談に興じる姿……

世辞にも同好会外の友人が多いと言えない自分には、一種の憧憬のような感情がある

菜々(あれは……そう、大人達がタバコ吸いながら談笑したり、酒を飲みながら難しい話を交わしている姿を見た時の気分に似てる)

菜々(自分がやったことない事、出来ない事を、他人が片手間でやってる姿、それが何かカッコいいような……羨ましいような気がして)

菜々(ちょっとだけ自分もやってみたい、でも少しだけ怖い気も───そんな感じの)

菜々(……でも、あれは所詮、清涼飲料水の一種。当然、成人してないと飲んじゃ駄目、という訳では全くない……)

菜々(それなら……)

菜々「…………」

菜々(いったれ)

……………………

……………………

菜々(ああ、つい買っちゃった……何か可愛かったから、ピンク色のやつ)

菜々(開ける)プシコン

菜々(開いちゃった……当たり前だけど)

菜々(ニオイは……フルーツ系? 普通のジュースみたいな感じ)クンクン

菜々(シュワシュワしてる……何か凄い色)

菜々(……)

菜々(一体さっきから何を怖がってるんだろう私は)

.

159名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:17:46 ID:Fz48WUAo

菜々(普通の飲み物じゃないか。別に飲んだら身体が灰になって死ぬ訳でもない)

菜々(飲み物なんだから飲めば良い。簡単なことだ)

菜々(そう、簡単簡単)

菜々「はー……ふー……」←意味も無く深呼吸

菜々(……よし、いくぞっ)

菜々(いくぞー! ほんとにいくぞー!)←えいえいおーのポーズ

栞子(何あの人……)

菜々(せーの、そいやっ!)グイッ

ゴク……ゴク……

菜々「…………」ゴクン…

菜々「…………」シュワシュワ

菜々「───」

パキ…

菜々(うわ、思ったより甘かった。でも……うん、普通に美味しい)パキ…

菜々(何だ、案外)パキッ

菜々(……案……外……)パキパキッ

菜々(あ、やばっ)パキ

菜々「https://i.imgur.com/5CTtgpb.jpg」パキーン

.

160名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:18:43 ID:Fz48WUAo

果林「それでね、皆で秋葉原までカラコンとウィッグとか選びに───」

エマ「……」

果林「……どうしたのエマ?」

エマ「ほら、あれ」👉

果林「え? ……あら、1人増えてるじゃない」

果林「菜々もハマったんだ、あのケバい缶のやつ」

エマ「レッドブルと……えーと、サンスターだっけ?」

果林「モンスターね。寧ろ歯周病リスク高めるわよ」

エマ「ほえー」

果林「練習直後だってのに、あんな変な味なの飲んで、よく平気ね。しかも炭酸」

エマ「飲んだことあるの?」

果林「あるわよ。モンスターは無いけど、レッドブルは1回だけ試しでね」

果林「でも……ぶっちゃけ子ども用の飲み薬と変わらない味で、すぐ駄目になっちゃった」

エマ「へえー」

果林「エマは飲んだことないの? 確かレッドブルはヨーロッパ生まれじゃない」

エマ「うーん、ないなあ。そんな美味しくないみたいだし、ああいうのに頼るほど疲れる事なかったから」

果林「……そう考えると、あの3人は日常的に飲むくらい疲れてるってこと?」

エマ「分かんないけど……一応、部長サンに報告しておく?」

果林「な、何か急に不安になってきた。後で私から話しとくわ」

エマ「うん……」

.

161名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:19:15 ID:Fz48WUAo

果林「まあでも、何だかんだ良かったと思うわ」

エマ「なにがー?」

果林「ほら、ここの2年生って4人中3人が幼馴染じゃない?」

エマ「だね」

果林「それで菜々、最初の頃ちょっと疎外感みたいなの感じてたみたいで……あ、これ言わないでよ?」

エマ「ほえー」

果林「コスイベの時もだけど、色々と切掛け作って、最近は割と馴染めてるみたいだし、良かったなって」

エマ「……」

果林「エナドリでも何でも、そうやって菜々が、友達の輪を広げる入口を持てるのは良い事だと思うの」

エマ「そーなんだー」ニコニコ

果林「…………」

エマ「どーしたの?」ニコニコ

果林「ねえ……さっきからどうしたの。話ちゃんと聞いてる?」

エマ「聞いてるよぉ」ニコニコ

エマ「ただ、嬉しいなって思って。果林ちゃんが、そうやって人のこと考えてあげられる子なのが」

果林「……その節は大変お世話になりました」

エマ「ふふふー、どーいたしましてぇ」

.

162名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:19:40 ID:Fz48WUAo

エマ「……でも、何か不思議とカッコいい気もするよね。ああいうの」

果林「そう?」

エマ「うん。昔パパが、近所のおじさん達と、タバコ吸いながら世間話してたの思い出しちゃうんだぁ」

果林「そ、そんな渋そうな光景と一緒に考えていいものかしらね」😓

.

163本編に歓迎はありません:2022/05/03(火) 03:20:46 ID:Fz48WUAo

・歩夢:普通科特進(保健委員)
→味が予想の数倍濃くて駄目だったタイプ

・愛:普通科特進
→始めはイマイチだけど舌と喉が覚えちゃうタイプ

・菜々:普通科特進
→やめられない

・璃奈:情報処理科
→とまらない

・かすみ:普通科一般
→全く興味ないけど飲んだらハマるタイプ

・しずく:国際交流科(体育委員)
→半分くらい飲んだ所でリタイアし掛けるけど根性で飲みきるタイプ

・果林:LD科(風紀委員)
→子ども用の飲み薬と違いが分からないタイプ

・彼方:LD科(保健委員)
→死ぬまでコーラ派です(キリッ

・エマ:国際交流科(3ーB)
→得体の知れない物を口に入れたくないタイプ



・部長:芸術科B(音楽クラス)
→そもそも清涼飲料水に手が伸びないタイプ(緑茶が最近ブーム)


・遥:普通科一般(生徒会役員)
→期待しないで飲んだら割と好みの味でびっくり


・栞子:普通科特進(生徒会役員)
→シュワシュワ飲めない😝

.

164名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:21:50 ID:Fz48WUAo

───ちょっと過去作ネタ


歩夢「ねえねえ! 璃奈ちゃんさ、今度の土曜日、わたし達と出掛けない?」

璃奈「え……わたし?」

璃奈「土曜に、何かあるんですか?」

部長「俺の兄貴が久しぶりに個展やるんだよ。神山町のレンタルギャラリーで」

璃奈「個展? 神山町って……もしかして、うちの近所?」

部長「大分ね。場所はスクランブル交差点から……ええと、確か文化村通りに入って暫くの……」

歩夢「そう、コンビニの隣にある建物だね」

璃奈「本当に近所だった……」

.

165名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:22:15 ID:Fz48WUAo

璃奈「部長先輩のお兄さんって確か……」

歩夢「そう、マルチアーティストの五十嵐大樹さんね」

部長「周りからは新進気鋭とか言われてるけど、まあ俺からすりゃ飲んだくれの───」

歩夢「こらっ!」

部長「…………」

部長「えーと、やっぱ知ってる? 俺の兄貴のこと」

璃奈「うん。造形雑誌とかで……でも、何となく触れたらいけないかな、って思ってて」

部長「いいよいいよ別に。何か疾しい事があるでもないし」スマホポチポチ

部長「これね、ちょっと前に兄貴が関わった、ゲーム作品の背景コンセプトアート」👉📱

璃奈「! うわぁ……綺麗」

部長「たまに関わった作品に出した中で、お蔵入りになったのを急に見せびらかしてくるんだよ。暇な人だよな」

歩夢「暇な人とか言わない」

.

166名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:22:38 ID:Fz48WUAo

部長「でも、こういう世間的に貴重な絵とかも放出同然に出したりするから、きっと今回も個展外じゃ見られないのがあるよ」

璃奈「そうなんだ……」キラキラ

歩夢「かなり興味あるみたいだね!」

璃奈「うん……行ってみたいかも」

愛 (愛さんも興味あります!)📡⚡

歩夢「…………」

部長「…………」

璃奈「わたし、一緒に行ってもいい?」

歩夢「え……あ、うん勿論だよ! じゃあ一緒に行こうね!」

部長「よ、よし! じゃあ集合場所は駅前交番で、大体9時くらいに───」

愛 (愛さんも行きたいなー))📡⚡

.

167名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:23:36 ID:Fz48WUAo

部長「ただ、天王寺さんは一般入場扱いになるから、ちょっと手間取るかもしれないんだけど……」

璃奈「そのくらい大丈夫。有名アーティストの未公開作が見られるなら」

部長「そ、そっか。そう言われると何か嬉しい気もするな」

愛 (愛さんも行きたいなー!))📡⚡

璃奈「でも、2人はいいの? わたしが居ても」

歩夢「え、何が?」

璃奈「だって2人は……その」

璃奈「あの……お邪魔になっちゃう、みたいな」

歩夢「あ……」

部長「あー……」

愛 (あーいーさーんーもー))📡⚡

歩夢「い、いいのいいの大丈夫! その日はそういうのじゃないから!」アセアセ

部長「……その、気遣ってくれてありがとう」

部長「でも天王寺さんは気にしないでほしい。俺達2人で話し合って決めた事なんだ」

歩夢「そうだよ! そういうのは抜きにして、一緒に楽しもうね!」

璃奈「そ、そうなの?」

愛 (いーきーたーいーどーん))📡⚡

.

168名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:24:13 ID:Fz48WUAo

璃奈「……うん、じゃあ……行きたい」

歩夢「大歓迎だよ!」

愛 (あー! いー! さー! んー! もー!))📡⚡

部長「よし、じゃあ朝9時くらいに……まあハチ公像前でいいか。そこに集合で」

璃奈「うん、分かった」

愛 (つー! れー! てー! けー! にゃー!))📡⚡

歩夢「見終わった後で、部長がランチに連れてってくれるから、それも楽しみにしててね」

部長「!?」

歩夢「だよね?」

璃奈「そうなの?」

部長「お、おう。任せて」

愛 (───)👹

.

169名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:24:52 ID:Fz48WUAo

歩夢「じゃあ、そういう事だから、そろそろ練習に───」

愛 「ヘイ! 無視してんじゃねーぞ2人ともァ!」

璃奈「!?」ビクッ

歩夢「あーもー聞こえないフリしてたのに!」

部長「うるせえよお前、さっきから!」

璃奈「え……え? 何のこと?」

歩夢「さっきから愛ちゃんが一緒に行きたいってうるさいんだよお……」

璃奈「愛先輩ずっと音楽聴いてたけど……」

愛 「なんで無視すんだよ2人して! 愛さんも連れてけよう! 泣いちゃうぞコラ!」

歩夢「ちゃんと口に出さないから無視するんだよ! 子どもじゃないんだから横着やめなさい!」

璃奈「???????」

.

170名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:25:32 ID:Fz48WUAo

璃奈(深入りしない方が良いのかな)

愛 「じゃあ口に出して言うぜ、アタシのイケボを堪能しろ」

愛 「アタシも行きたい、連れて行ってください(イケボ)」

部長「いや、無理だよ」

愛 「絶望した(イケボ)」

愛 「何で!? ちゃんと口に出して言ったでしょ!?」

歩夢「それとこれとは話が別だよ」

愛 「意地悪か!」

歩夢「別に意地悪してる訳じゃなくて、単にチケットがもう……」

愛 「皆と一緒に楽しく休日を過ごしたい!」

歩夢「だから違うから。話を───」

愛 「あわよくばランチにたかりたい!」

部長「おい」

愛 「ねー璃奈? 愛さんも行って良いよね?」

璃奈「……わたしは、別に(どうでも)いいけど」

愛 「ほらー! やっぱ璃奈は分かってる! 愛さん参戦決定!」

部長「だから、駄目なんだよ! お前は連れて行けないんだ! だって」

愛 「仲間外れやめてくださーい!」

部長「いや、だから」

愛 「いーじゃーん! 皆と行きたいのー! 連れてって連れてってつーれーてーってー!」

部長「だーから! 連れていこうにも出来ないんだっつの!」

愛 「───」

愛 「へ?」

.

171名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:25:58 ID:Fz48WUAo

歩夢「理由も無いのに連れて行かないわけないでしょ。いい? 訳を話すよ?」

歩夢「お兄さんの個展かなり人気あるから、混雑避けのため前売チケット買わないと入場は出来ないの」

部長「一般入場チケットは、ここにある残り1枚しかないから、どっちにしろ無理なんだよ」

愛 「……マジ?」

部長「マジだよ。世間的には……まあ、兄貴の作品は結構レア物らしいからな」😖

愛 「じゃ、じゃあつまり……」

部長「手元にあるのは、兄貴から俺と歩夢に送られてきた、関係者用の個人優待チケット1枚ずつ」

部長「それとオマケで兄貴が一枠だけ確保した一般チケット1枚、これはもう天王寺さんに渡した」

愛 「……」

歩夢「もう一般チケットは、とっくの昔に完売してる」

歩夢「で、璃奈ちゃんが最後の1枚使うから、愛ちゃんは来れないよって事」

部長「そういう事。悪いなのび太」

愛 「ぬがっ」😨

.

172名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:26:30 ID:Fz48WUAo

璃奈「……残念だったね」

愛 「そ、そんなあああ……!」😭

部長「泣くほどかよ……」

歩夢「ね、別に意地悪してる訳じゃないの」

歩夢「代わりに今度、何か美味しいもの作ってあげるから」

愛 「……じゃあ、マリトッツォ食べたい」

部長「歩夢、付け上がるから放っておこう」

歩夢「だね、璃奈ちゃん行こ」

璃奈「はあ」

愛 「あー! ちょ待って待って!」

璃奈「……」

.

173名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:27:14 ID:Fz48WUAo

───欲を言えば自分も映りたかったらしい

Psycho:Got the bastard!

愛 「おっしゃああああ! 倒したあああぁぁぁ!!」💪

愛 「やったぞ少佐! 仇を取ったぞオォ!」

愛 「これで最後だ───」

 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ……

愛 「───と思ったんだけ、ど……違うの?」

愛 「えラスボス? ……うそラスボス?! 次が最後!?」

愛 「よ、よっしゃ! やっちゃるぜ! どこだ……? どこから来るんだ……?」

愛 「え、海……。……え、なにこの……? でか……え、こいつラスボス?!」

愛 「あ、まさか……そうだ、さっき海を泳いでたやつ!? デカ過ぎだろ!?」

Psycho:Whoa... shit! They brought out the big guns.

Psycho:Nomad, take out those cannons!

愛 「よ、よおし! これで最後だ!」

愛 「デカさがなんぼのもんじゃ! オラッ! 来いオラッ!」

愛 「こちとらっ……! ガウスライフルに……! ミニガンと……!」

愛 「おまけにミサイルランチャーもフル装備だっつの……!」カチカチカチカチカチカチカチカチ

愛 「うわっ! 何これ……こ、こいつもバリア持ちだとぅ?!」

愛 「ぎゃー! また冷凍光線! か、カッチカチやぞ……ちょ、動けな」カチカチカチカチ

愛 「あっあっあっ」カチカチカチカチ

───NOMAD IS DEAD

愛 「やだぁ!(CV:IKKO)」

→continue

.

174名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:27:37 ID:Fz48WUAo

愛 「リトライ!」

───NOMAD IS DEAD

愛 「悔しいですッ!」

→continue

.

175名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:28:11 ID:Fz48WUAo

愛 「撤退! クソ食らえ!」

───NOMAD IS DEAD

愛 「アタイ……許せへん……!」

→continue

.

176名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:28:33 ID:Fz48WUAo

愛 「崖っぷちが最高のチャンスなんだぜ!」😼キリッ

───NOMAD IS DEAD

愛 「諦めんなよオマエ!(自己暗示)」

→continue

177名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:29:13 ID:Fz48WUAo

愛 「ダヴァイ♥ ダヴァイ♥」

───NOMAD IS DEAD

愛 「ぶりゃーち!」😠

→continue

.

178名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:29:42 ID:Fz48WUAo

───NOMAD IS DEAD(n回目)

愛「……」

愛「💔」パリーン

愛「だーーーーーー」

愛「かーーーてーーーねーーーーーー!」←n回目

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179名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:30:07 ID:Fz48WUAo

愛 「だー……くそぅ………………ル」

愛 「何だよアイツ……何度やっても冷凍光線でやられるし……」

愛 「あ゙ー……」

愛 「……」

愛 「……」

愛 (ゲームでクヨクヨしたって仕方ないか)コロッ

愛 (大丈夫! 何回もトライしてれば、その内すんなり行けるさ)

愛 (散歩してこよ。帰ってきたら勉強して、モチベ戻ったら再開しよう、そうしよう)

愛 「しゃっ!」ガバッ

.

180名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:30:56 ID:Fz48WUAo

愛 「おばーちゃーん! ちょっと出掛けてくるねー!」

<ハイよー

愛 「フライデー! 東京都、今日の天気と気温は? これから散歩するんだけど!」

アレクサ:アレクサです

アレクサ:現在、都内全域が概ね晴れ……現在地近辺の気温は、摂氏20度です

アレクサ:今日は、1日を通して過ごしやすく、外出日和となるでしょう

愛 「良いね!」

愛 「じゃあ駅前辺りまでブラブラ───」📱<キャプテンデェーップゥー♪

愛 「良い所で……あれ、璃奈だ」


***************

璃奈:先輩があまりに不憫なので、
   撮った写真を何枚か送ります

璃奈:気に入ってくれるとうれしいです

璃奈:ちょっと待ってて

***************


愛 「り、璃奈ぁ……↑ 何て良い子なんだ君は……!」

ピロン♪

愛 「お、来た来た!」

愛 「どれどれ、どんな写真……が」ポチポチ

愛 「……」

・何かよく分からない象の抽象画みたいなの

・複数の男女が寄り添って空を見上げているラフ画

・何やら激レア物らしい、未来都市を描いた油絵

・その他なんか凄そうな作品数点の画像

***************

璃奈:撮影OKの物だけです

璃奈:ごめんなさい

***************

愛「り、璃奈ぁ……↓」

愛「ありがとうね……でも違う、そうじゃないんだ……いや嬉しい。嬉しいんだけどそうじゃないんよ……!」ポチポチ

.

181名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:32:04 ID:Fz48WUAo

***************

       プリントして神棚に飾っとくね♥:愛


       あと出来れば璃奈が楽しそうにし:愛
       てる写真をいただけないかなーと


璃奈:いまレア物に囲まれてて良い気分
   だから余計なこと言わないで

***************

愛「……」

愛「……」

愛「外出中止ィィィッ! 次こそブッ倒す!(現実逃避)」

愛「フライデー! エイリアンの戦艦を一撃で破壊する方法!」

アレクサ:一撃は無理です。まず砲台の破壊に集中しましょう

→to be continued





📱<Maximum Effort!

愛 「ん? ……え、あいつから?」

***************

五十嵐:感謝しろよ

五十嵐:*画像*

***************

愛 「こ、これは!」

愛 「……」

愛 「……今度ランチ奢ったるか……」➡☁

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182名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 03:32:42 ID:Fz48WUAo
遅くてごめんね

183名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 20:07:40 ID:XsVqOjug

───家族の誰よりも大切な

エマ「あれー?」

彼方「どしたん」

エマ「なんかー……いまスマホの電源を入れたんだけど、開いた憶え無いアプリが開かれててぇ……」

彼方「は? 何のアプリよ」

エマ「インスタ……」

彼方「───ちょい、貸してみ」

エマ「え、はい……」

……………………

……………………

彼方「見た所、変な投稿があるでもなし……アカウントが弄られた形跡も……なし」

彼方「大丈夫っぽいね、うん。返すよ」

エマ「あ、ありがと」

彼方「でもエマっちよお……それヤバいかもしれないぜえ」

エマ「そお?」

彼方「そお、じゃねえぜ……」

.

184名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 20:08:08 ID:XsVqOjug

ガラッ

愛 「お疲れサンマでー……す?」

愛 「どしたん2人して深刻そうな顔して」

彼方「おう愛後輩」

エマ「愛ちゃんイエーイ」🙌

愛 「エマっちイエーイ」🙌

彼方「……」

エマ「……」チラッ

愛 「……」チラッ

彼方「やらんぞ彼方ちゃんは」

愛 「なんだよう」

.

185名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 20:08:40 ID:XsVqOjug

愛 「へえ、エマっちのスマホが?」

彼方「そうなんだよ、こいつ呑気そうな顔しよってからに」

エマ「えへっ」

彼方「何がウェヒヒだ」

エマ「そんな言い方してないよぉ……」

愛 「でも今日はインスタ開いた憶え全然ないんでしょ? 普通に怖いわな」

彼方「気のせいって可能性もあるかもしれない。でも心配するに越した事も無いじゃんか」

エマ「そうだけどぉ……何も無いみたいだし、気にしなくても良いかなぁ、って」

愛 「いやよかないっしょ……行き過ぎた寛容は身を滅ぼすよ」

彼方「それみろそれみろ」

エマ「むう」

彼方「今日、長くスマホ手放してる時間なかった?」

エマ「……あ」

エマ「そういえば……2限の後で移動教室あって、その間HR教室の机の中に入れっぱなしだった気も」

彼方「怪しいとしたら、間違いなくそこだねぇ」

愛 「深刻に考えた方が良いよエマっち。こういうの、何か起こった後じゃ取り返しつかないんだからね」

愛 「愛さん嫌だからね。折角こうして仲良くなった人が、こんな事で苦しむかもしれないなんて」

エマ「……うん」

愛 「あ、ごめん。キツい言い方になったけど、別に怒ってるんじゃないからね」

エマ「ううん、分かってるよぉ」

.

186名無しさん@転載は禁止:2022/05/03(火) 20:09:18 ID:XsVqOjug

彼方「てゆーかさエマっち、これつまり、スマホのロックが通り抜けられてるって事じゃね」

エマ「ロック?」

彼方「暗証番号なり掛けてるっしょ? それがどっかで知られてるって可能性も───」

エマ「掛けてないよ?」

彼方「……は?」

愛 「あ、アタシも」

彼方「何で!?」

彼方「いや愛後輩オメー、あんな偉そうに言っといてロック掛けてないんかい!?」

愛 「ウェヒヒ」

彼方「えへっ、て何だよ!」

愛 「言ってない言ってない」

愛 「いやあ、アタシ自分でも引くくらい四六時中スマホと一緒だから、出す度に解除するの面倒でさー」

エマ「わかる」

愛 「だよね!」

エマ「正直、今まで掛けなくて困った事なかったからー……」

彼方「……(絶句)」

.


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