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ヴァンパイアハンターエマちゃん
52
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/03/14(日) 01:20:01 ID:hkUo.cQM
魔弾が第三層目に到達すると同時、閃光は八方向に分裂した。
それぞれが鞭のようにしなり、大蛇のように曲がりくねる。
無尽蔵にのたうつそれは、けれど確実に歩夢に捕捉していた。
直線でしか攻撃できないという先入観が崩され、歩夢の思考が一時停止する。
”まさか⁉”
これがエマと歩夢の技量の差。
一方向でしか攻撃出来ない歩夢と違い、エマは曲線で撃つことが出来る。
正面から、側面から、あるいは上下から分かたれた魔弾は襲い掛かる。
防ぐには着弾直前で、魔剣で切り払うしかない。
それはここまで貯めた魔力を使い切ることを意味する。
そうなればその隙を狙って、エマはすかさず三発目の魔弾を放ち、とどめを刺すだろう。
それがエマの戦術だった。
”どうしよう……。
ダメージ覚悟でエマさんに攻撃する?
そうすればエマさんは確実に殺せる。
でも魔弾のいくつかは相殺しきれずに受けちゃうよ”
歩夢がここまででかなりのダメージを背負っている。
威力は控えめだが、まともに喰らえばただでは済まないだろう。
ここでエマを攻撃して倒せたとしても、相討ちでは意味がない。
だが防御に移ってしまえば、それこそ本命の第三射への備えを失ってしまう。
”仕方ない。
ここは侑ちゃんで受けよう。
次の攻撃は全力で回避すれば___”
寄せ来る魔弾を打ち払おうとして____。
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