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穂乃果「イメチェンしたら、大騒ぎになっちゃったっ!?」
548
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/08/09(日) 16:37:01 ID:aVLH8z2I
ツバサ「…本当にそうね。ごめんなさい、英玲奈。」
英玲奈「全く、お前らしくもない。それと…あんじゅ。」ギロッ
あんじゅ「あ、あら〜。もう、英玲奈ったら〜…」
あんじゅ「スクールアイドルをやってるキュートな女の子が、そんな怖ーい顔してたら〜…ダメよぉ?」タジタジ
英玲奈「今日のレッスンメニュー、お前には50%割増し券をプレゼントだ。」
あんじゅ「そ…それは、ちょっと〜…ご遠慮願いたいな〜、なんて…オ、オホホホ。」ソソクサ
英玲奈「そうか?何なら特別サービスで、更に20%割増し券を進呈してやっても良いのだが。」
あんじゅ「…っ!?あっ…あぁ〜…その〜……あ、あのねっ?えっ、ええっと〜…」アセアセ
あんじゅ「ほ、ほらっ?そろそろ、レッスンルームに移動しないとぉ〜…私、先に行ってるわねぇ〜?」ピュー
タッタッタ…!
549
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/08/09(日) 16:50:08 ID:aVLH8z2I
英玲奈「…ハァ……あんじゅにも、困ったものだな。」
英玲奈「ああ見えても、普段は練習も真面目な方だし。時間にルーズだという訳でも無いのだが。」
英玲奈「根が気紛れなのか、時々あの様な感じになってしまう。」
ツバサ「そうね。だけど、今回に関しては…どうやら今までとは、話が大きく違いそうよ。」
英玲奈「…やはり『高坂穂乃果』なのか?」
ツバサ「ええ、それは間違い無いわ。私の目から見ても、あれはかなり…熱をあげているわね。」
英玲奈「…これまでのあんじゅを考えると、どうも信じ難い話ではあるのだがな。」
ツバサ「でも、それだけじゃないのよ。ついさっきも『明日を楽しみにしていて』…なんて言っていたわ。」
ツバサ「その言葉が『何に対しての事なのか』までは、あんじゅは口にしてはいなかったけれど…」
ツバサ「それでも『高坂さんに深く関係がある話』という事だけは、ほぼ確実だと考えて良いでしょうね。」
英玲奈「そうか……まさかお前だけでなく、あのあんじゅまでとはな。」
550
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/08/09(日) 17:04:00 ID:aVLH8z2I
ツバサ「あら、英玲奈。その点については、私とあんじゅを一緒にしないでくれるかしら?」
ツバサ「私は節度をキチンと守った範囲内で、常にその場での状況等も把握しつつ。何よりも高坂さんに迷惑な事は決して…」ウンヌンカンヌン
英玲奈「ふぅ…分かった、分かった。」
英玲奈「時間が惜しい、私達も早く移動するぞ。」
ツバサ「そうね…急ぎましょう。」
英玲奈「ちなみにツバサ。お前にも30%割増し券を進呈だ。」
ツバサ「………」
ツバサ「主犯のあんじゅよりは、軽めのサービスにしておいたぞ。有り難く受け取れ。」
ツバサ「…せめて20%で、お願い出来ないかしら?」
英玲奈「その問いに対しての返答は必要か?どうしてもと言うのなら、別に答えてやっても良いが。」
英玲奈「最もその場合には、更なるプレゼントも一緒に進呈となるだろうがな。」
551
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/08/09(日) 17:30:10 ID:aVLH8z2I
ツバサ「…愚問だったわね。」
英玲奈「さあ、急ぐぞ。」
ツバサ「ええ…そうね。」
バタン
タッタッタ…!
英玲奈(…それにしてもだ。あの『μ's』の中心人物である、彼女…高坂穂乃果に。)
英玲奈(まさかツバサだけでなく、あんじゅまでもが入れ込んでしまう事になるとはな。)
英玲奈(二人のプライベートに関してまでは、私が口を挟む権利も…元よりそのつもりも無いのだが。)
英玲奈(今日の様なケースを何度も繰り返されるのは、流石に勘弁して貰いたいものだな。)
英玲奈(いざという時の為の対策案については、私の方で一応考えておく事にするが…)
英玲奈(まあ、それでもあの二人なら…流石にそこまで深刻な事態までは行かないだろう。)
552
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/08/09(日) 17:43:00 ID:aVLH8z2I
英玲奈(とにかく、二人の高坂との件に関しては…そうだな。)
英玲奈(もう暫くの間は、様子見に留める事にしておくとしようか。)
英玲奈(そう言えば…明日あんじゅが何か動きそうだと、先程ツバサが言っていたが…)
英玲奈(それが本当だとした場合、あんじゅの奴が何をしでかすつもりなのか…少々気になるな。)
英玲奈(さて…どうしたものか。明日は私も、あんじゅの動きを見る事に念を置くべきだろうか…?)
英玲奈(ツバサがそう考えていたのであれば、高坂が関わってくる可能性が高いのは間違い無さそうだが…)
英玲奈(ただ、それならば。私達『A-RISE』への、今後の影響等も見極めておく為にも。)
英玲奈(あんじゅだけでなく、高坂穂乃果の方も。そして、この二人によって起こり得る『何か』を。)
英玲奈(やはり私としても、出来る限りは追っておきたいものだがな。)
・
・
・
553
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/08/09(日) 17:55:33 ID:aVLH8z2I
長い間ご無沙汰しておりました。今回、本当に久しぶりとなる投稿をさせて頂きました。
リアルでの忙しさに流されたまま、気が付けば前回の更新から二か月以上も経ってしまいましたが、
今回の再開をきっかけとして、また可能な限り定期的に投稿を続けていければと思っています。
そして支援コメをくださった方に、今一度この場でお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
それでは改めまして、今後ともどうか宜しくお願い致します。
554
:
名無しさん@転載は禁止
:2020/08/15(土) 01:14:49 ID:6pAhmhuw
支援
555
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/08/19(水) 07:19:38 ID:yhLAY2/E
支援コメントを下さった方、本当にありがとうございます。
近々時間が何とか取れそうですので、数日中にまた更新させて頂く予定です。
その際には宜しければ、引き続きお付き合い頂ければとても幸いです。
556
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/08/23(日) 10:17:19 ID:KSoqJWPo
SCENE 16.【通学路・帰宅ルート途中】
海未「……ふう…」
海未(少なくとも…己自身の体力面に関しては、人並み以上との自信を持っている私ですが…)
海未(そんな私であっても、流石に今日ばかりは…結構な規模での疲労感が、この全身を支配している様ですね。)
海未(しかし…それもその筈です。私の今の状態は、成るべくして成った結果…という事なのでしょうから。)
海未(今日の穂乃果による学校での出来事だけでも、心身共にかなりの消耗度であったのに加えて…)
海未(その穂乃果と二人での、先程までの帰宅の際にて…私は更なる労力を、大幅に費やす状況となりました。)
海未(私が穂乃果を家に送り届けるまでの間。ずっと途切れる事も無く、穂乃果に向けられていた…あの数多くの視線達。)
海未(老若男女を問わず、街を往くあらゆる人達が穂乃果を見ていました。その誰もが熱を帯びた様な感情を、それぞれの瞳に宿しながら。)
海未(その光景は、ある意味では異質とも思える程でしたが…何にせよ街を歩く穂乃果は、瞬く間も無く人々の注目の的でした。)
海未(それを目の当たりにした私は、改めて強く実感していました。にこや希の話は、決して誇張されたものでは無かった…という事を。)
557
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/08/23(日) 11:06:49 ID:KSoqJWPo
海未(そして…気が付けば私達の周辺は、隙あらば穂乃果に迫ろうとする『気配』で溢れていて…)
海未(特に危険を強く感じたのは…やはり私の予想していた通りに。見るからに近寄りがたい風貌をした類の…若い男性達でした。)
海未(明らかに邪な目で穂乃果を見ていた彼らが、あの時に一体どんな表情をしていたか……正直、思い出したくもありません。)
海未(しかしながら、実に困った事に。その自分の置かれていた状況を、当の本人は今一つ分かっていなかった様で…)
海未(無論、それ位の事は私の想定内でもあり。だからこそ穂乃果と下校すると共に、私の方で護衛役を務める事にしたのですが…)
海未「ハア……全く。学校の中だけでも、あれ程の騒ぎにまでなったというのに。」
海未「こういう事には、筋金入りの鈍さですからね…穂乃果という人は。」
海未(にこに『もっと自覚を持ちなさい』と言われて、穂乃果もその言葉の重さを受け止めてはいた様子でしたが…)
海未(ただ、だからと言って…まだ時間も経っていないその日の内から、急に理解出来る様になる…という訳でも無いのでしょうし。)
海未(とにかく…常に周囲への警戒を怠らず、同時に穂乃果の側からは決して離れずに。)
海未(少しでも穂乃果に近付く気配を見せた者には、私の出し得る最大級の『殺気』を即座に放って。)
海未(私が穂乃果を送り届けるまでの間、終始それらを繰り返し続けた結果として…少なくとも今日に関しては、特に大きな問題も無く。)
558
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/08/23(日) 13:56:06 ID:KSoqJWPo
海未(穂乃果が自分の家の側に到着するまで、何とか無事に護り抜く事が出来ましたが……)
海未(ふぅ……私としても、事前にある程度の予測はしていた状況だったとはいえ。)
海未(実際に自分の目の前で起きた『事の重さ』は、当然ながら予測等の比ではなく。)
海未(故に…もしも私が側に居なくて、穂乃果一人だけでの下校だったのならば……一体どうなっていたのでしょうか。)
海未「……そう考えてみただけでも…本当に恐ろしくなりますね。」
海未(そして…この件には重大な問題点が、まだ残っています。)
海未(私としては今後も可能な限り、先程の様に自身で穂乃果を護りたいと…そう思っているのですが。)
海未(しかしながら…やはり現実問題として。必ずどこかでその限界が生じてしまうのは、どうしても避ける事は出来なくなります。)
海未(勿論、私の事情がどうであろうとも。穂乃果一人だけでの下校等は、これからも絶対にあってはいけません。)
海未(それが余りにも危険過ぎる行為なのは、既に火を見るよりも明らかなのですから。)
海未(穂乃果の他人を疑わない素直さや純粋さは、確かに人としての美徳でもありますが…)
559
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/08/27(木) 03:08:26 ID:csr9wNI2
海未(悲しくも世の中には、そこに付け入る良からぬ輩が多いという事も…一つの真実でもあるのですから。)
海未(そして、何よりも。女性としての魅力が強烈なまでに解放された、今の穂乃果が一人で街を歩く等というのは。)
海未(正に『凶暴で飢えた狼の群れの中に、か弱い羊を放り込む』に等しい行為でもあり。)
海未(文字通り『飛んで火に入る夏の虫』となってしまう、極めて愚かな選択であると言わざるを得ません。)
海未(よって今の穂乃果が『一人で下校』等というのは、論外中の論外であって。)
海未(必ず、そして常に『誰かと一緒の下校』でなければいけないのです。)
海未(ただ…そうなりますと。何らかの事情によって、私が穂乃果と一緒に帰る事が出来ない場合に。)
海未(その私の代わりに穂乃果を、家まで安全に送り届ける護衛役となる存在。)
海未(今の穂乃果…そして、私にとっても。この非常に重要な役目を引き受けてくれる人が、早急に必要となるのですが……)
海未(正直この護衛役については、私でも一人ではかなり大変だと感じています。)
海未(ですからこの役目を、もしことりにお願いしたとしても。今の穂乃果を護るには、流石に一人だけでは難しいかも知れません。)
560
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/08/27(木) 06:03:31 ID:csr9wNI2
海未(従来通りならばことり一人でも、充分にこなせていた役であった筈でしたが…)
海未(今となっては、穂乃果への『危険』となり得る存在達。その規模自体が、これまでとは全く違うのです。)
海未(それに…今日の学校でのことりの様子も、少し気掛かりですし。)
海未(恐らく今のことりには、この護衛役を頼む事で…色々と無理をさせてしまうかも知れません。)
海未(ですから、その点を考慮してみても…少なくとも現状に於いては、やめておいた方が良さそうです。)
海未「……ふう。やはりこの件、私が考えていた以上に…決して簡単な問題ではない様ですね。」
海未(…今、必要となるのは。私が不在の際に帰宅する穂乃果に対して、何かしらの危険が迫りそうな時。)
海未(その迫り来るであろう数々の危険から、必ず穂乃果を守ってくれる存在となる人。)
海未(ですが、その為には…『あらゆる状況に応じて様々な対処が出来るだけの判断力や行動力』等が、大いに求められる事になります。)
海未(何故なら、この絶対的条件を満たしている人物でなければ。この『護衛』という役割を務める事は、決して出来ないでしょうから。)
海未(しかし…そう考えてはみたものの。この大事な役目に必要とされる条件に全て適う人が、私達の知人の中から見つかるでしょうか…?)
561
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/08/27(木) 07:16:51 ID:csr9wNI2
海未(そうなのです…この護衛役には『私達の知人である』という点も、とても重要となります。)
海未(まず第一に、私達と同じ音ノ木坂の生徒であり。時間にある程度の都合がつく様に、出来れば部活には無所属であって。)
海未(そして『一緒に帰宅する』という行動を取る以上、『穂乃果のよく知る人物』である事。これこそが最も望ましいのです。)
海未(しかも、それだけではありません。更に後一つ、非常に重要となる条件…それは『一人では人数が足りない』という点です。)
海未(例えば私の様に、護身術等に人並みの心得でもない限り。女生徒一人だけでは、やはりこの役目は困難となる可能性が高くなります。)
海未(ですから、護衛役となるのは一人だけではなく…最低でも二人……いえ、三人は居て欲しいところです。)
海未(そして、その人達同士でもお互いに知り合い以上であって。それぞれ信頼関係が築かれている間柄でもあり。)
海未(その強い繋がりから、チームワークにも優れているのならば。この護衛役としても、実に理想的であると言えるのですが……)
海未「…最もそんな人達が都合良く、私達のすぐ側に居てくれるのかは…また別の話なのですよね。」ハア…
海未(さて……一体どうしたものでしょう。)
海未(まずは『μ's』のメンバーに、この件を相談をしてみるべき…なのでしょうか?)
562
:
名無しさん@転載は禁止
:2020/11/01(日) 21:56:01 ID:iXRDecwE
支援
563
:
名無しさん@転載は禁止
:2020/11/10(火) 00:43:12 ID:0d4XkzDo
〜人類の歴史は2032年で終わり〜
木村秋則
「長さが5キロメートル以上あるUFOの内部で宇宙人(人類と同じ姿をしてるが人類より綺麗で朗らかでギリシャ彫刻のような顔をしてる)から地球カレンダーを見せられた。
それにこれから地球で起こることが書かれていた。
それを見ていくと枚数が少なかったのでなんでここで終わるのと聞いたら『そこで人類の歴史は終わり』と言われた」
それは口外してはいけないことになっていたが去年酒に酔った木村秋則はその年をポロッと言ってしまった。
それが2031年か2032年。
木村秋則によると・・・
・宇宙人は物を小さくする爆弾を持ってる。
・小型のUFOの側面の壁の厚さはビニール袋より薄い。これを手で触ると透明になり外が見えた。これのサンプルを手で折ろうとしても折れず、足で踏んでもまったく変形しないほど硬かった。
・宇宙人は人類をすごく見下してる。
・宇宙人は240種類の元素を知ってる。人類は120〜130種類ほどしか知らない。
・宇宙人のUFOは人類が10億年かかる距離を一瞬で移動できる。
・宇宙人は空中を浮遊できる。
・宇宙人は手を使わずに家の窓や扉を開けることができる。
・宇宙人との会話はテレパシー。考えたことがすぐに宇宙人に伝わり答えが返ってくる(頭の後ろから聞こえてくる)。
木村秋則(世界で初めて無農薬・無施肥のリンゴの栽培に成功した日本の農家)
グレイやビッグフットは宇宙人が作った生体ロボット。
木村秋則「人類は何とかしないと駄目だよ。もう残された時間が無いのだから・・・」
↑キリストが亡くなった31年か32年から2000年間でダメだったら滅ぼすと決めてたみたい。
---------------------------------------
〜松原照子の世見(予言)〜
「近いうちにUFOが来るよ」(2020年8月に世見)
「今から20年以内(2032年まで)に富士山の噴火も含めた大災害が起きる」(2012年2月に世見)
「近未来に小惑星が地球に衝突する日が必ず来る気がしています。もし小惑星が地球に衝突したら日本は消滅します」(2019年2月に世見)
「東海、東南海、九州よりの地震がくる」
「首都直下地震がくる」
「南極のオゾンホールは拡大を続けています。日本でも強い紫外線が原因となる病気がこれから深刻化する。
皮膚癌が増加。白内障は高齢者だけの病気ではないので若い世代も気をつけるべき。
免疫力が低下しヘルペスや感染症も増えていく。
これからの30年にもっとも気をつけるのは紫外線です」(2019年2月に世見)
「トランプ大統領は再選しない」(2019年2月に世見)
564
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/11/11(水) 14:20:16 ID:OGxZmgP2
またしても大変ご無沙汰しておりました。
そして支援コメを下さった方、どうもありがとうございます。
なかなか自分の思う様に時間の方が取れず、更新期間が数か月単位で空いてしまっている現状でありながら、
それでも支援して頂けている事に凄く励まされました。本当に感謝しております。
565
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/11/11(水) 14:42:45 ID:OGxZmgP2
海未(ですが、もしこの件を皆にお願いするにしても…希は神社でのお手伝い、真姫は病院での用事、にこは家の事等で。)
海未(普段の練習が終わった後には、それぞれの予定や事情で忙しい事も多いですから…それを考えると、色々と難しいかも知れません。)
海未(…ならば、仮に交代制を設けてみるとして。その日毎に都合のつく人達が、穂乃果と一緒に下校する…という形にするのであれば…)
海未(ただ…これも当面は毎日必要となる訳ですし。必ず誰かには、何かしらの負担を掛けてしまうのは…確実に避けられない事でしょう。)
海未(それでも、私が皆に事情を話したのであれば。全員が穂乃果の為に協力してくれる事は、まず間違いないとは思います。)
海未(しかし、だからと言って…まだ別の手段の可能性を残したまま、安直に皆の好意に甘えてしまっても良いものか…とも考えてしまいます。)
海未(そう…実は先程から今に至るまでの間に、私がずっと気になっている『別の手段』とは…それは『μ's』のメンバーよりも。)
海未(もっとこの役目に相応しい人達が、実はまだ他にいるのではと……そんな気がしてならないのです。)
海未(何故に今の私が、特に根拠も無くその様に思っているのか…正直その理由までは、自分自身でも分かってはいませんが。)
海未(にも関わらず、不思議とそう感じてしまっている。そんな私が、今の自分の中にいる事も…どうやら確かな様であって。)
海未(もしかしたら…これが所謂『勘』なのでしょうか。)
海未「…フフ。本来ならそういった類のものは、私ではなく穂乃果の十八番なのでしょうけど。」
566
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/11/11(水) 15:02:12 ID:OGxZmgP2
海未(さて…それにしても。本当に…どうするべきなのでしょう。)
海未(…いいえ。その答えなら、もう既に出ています。)
海未(ええ…そうですよね。今すぐにでも、探すしかありません。)
海未(例えそれが、とても難しい事であると分かっていても。これらの条件に適うであろう『誰か』を。)
海未(しかもです。その『誰か』を少なくとも二人以上は、今日中にでも見つけなくてはいけないなんて。)
海未(更に加えるなら、仮にその人達を見つけられたとしても。この件の承諾を得られなければ、それこそ全く意味が無いのです。)
海未「ふぅ……我ながら、無茶な話ですよね…本当に。」
海未(と、また今も……どうも今日の私は、無意識での溜息が多い様です…気を付けるとしましょう。)
海未(とにかく…もし穂乃果が、今の私の立場であるなら。これ位の事では、決して諦めたりはしないのでしょうね。)
海未(穂乃果のそういった姿勢には、これまでにも振り回される事が多かったのですが。)
海未(しかし、穂乃果は…それ以上に。本当にかけがえのない沢山のものを、私やことりに…いつも与え続けてくれました。)
567
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/11/26(木) 12:05:58 ID:rXVFQMAw
海未(ですから、今は私も。穂乃果のその前向きな姿を、素直に見習ってみたいと…そう思っているのです。)
海未(クス…そうですね。今となっては、自分自身でも自覚している程に。)
海未(私も穂乃果からの影響を、こうして強く受けてしまっています。)
海未(さて……これより私が取るべき行動は、穂乃果の護衛役に適任となる人を早急に見つけ出す事。)
海未(ですが、その行動に移る前に。確認の意味合いも含めて、今一度重要となる点を考慮しておきましょう。)
海未(まず第一に。私が今から探す対象となるのは、これまでに挙げていた条件を全て満たしている人物であり。)
海未(そして次に。護衛の安全性をより高いものとする為にも、必要とする人数は最低でも二人…可能であるなら三人。)
海未(更に。もし無事に見つけられたとしても、その人達からの承諾を即時に頂かなくてはならない……)
海未(…やはり、改めて考えてみても。この一つ一つの全てが、相当な難問となるであろう事は…まず間違いないでしょうね。)
海未(しかし、だからこそ…そうであればある程に。私が先程から気になっていた、この役目に相応しいであろう『誰か』が。)
海未(本当にその様な人達が、穂乃果や私達の周りにいてくれたのなら…一体、どれ程に――)
???「おーい、海未ちゃーん!」
568
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/11/26(木) 12:16:26 ID:rXVFQMAw
海未「えっ…?」クルッ
ヒデコ「おー、ホントに海未ちゃんだ!」
ミカ「ほらほら、やっぱりそうだったでしょ?」ドヤッ
ヒデコ「うむ、実に大儀であった。褒めて進ぜようー。」
ミカ「ハハ―、ありがたき幸せでございまするー。」
ヒデコ「ところで、ミカよ。この間の山吹色の菓子だが、中々の美味であったぞ?」ニヤリ
ミカ「それはそれは。ヒデコ様のお気に召して頂けたようで、何よりでございますなぁ。」ニヤリ
ヒデコ「うむうむ。はっはっはっはー。」
ミカ「ほっほっほっほー。」
海未「………」ポカーン
フミコ「はいはい。ほら二人とも、三文芝居はそこまでにね?海未ちゃんが置いてけぼりになってるから。」
569
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/11/26(木) 12:56:58 ID:rXVFQMAw
ヒデコ「おおっと!これは大変失礼しましたー<(_ _)>」
ミカ「私もつい、ノリノリになっちゃってた。ゴメンなさーい><」
フミコ「やれやれ。それと、ゴメンね?急に呼び止めちゃって。」
海未「い、いえ…どちらも別に、謝って頂く程の事では…どうか気にしないで下さい。」
ヒデコ「うん、ありがとう。そう言って貰えてホッとしたよー。」
ミカ「あはは、私もー。ところで海未ちゃんも、これから帰るトコだったの?」
海未「え?あ…その。私の方は……」
ミカ「ん?そう言えば海未ちゃん、今日は穂乃果達と一緒じゃないんだね?」
海未「あ、いえ…穂乃果とは、先程まで一緒でしたが…恐らく穂乃果の方は、もう帰宅を終えている筈です。」
ヒデコ「ああ、なる程。じゃあ海未ちゃんは、穂乃果を家まで送って行ってあげてたのかな?」
海未「ええ…そういう事になります。私の個人的判断ではありましたが、その方が良いと思いましたので…」
570
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/11/26(木) 13:15:00 ID:rXVFQMAw
ヒデコ「そっか、ご苦労様。まあ今日の穂乃果の騒動っぷりじゃあ、それも仕方ないんだろうけどね。」
ミカ「うんうん。すっごい人気だったからね、今日のイメチェンした穂乃果。きっと帰り道でも、目立ってて大変だったんでしょ?」
海未「…はい。私が事前に予想していた、それ以上の状況でした。」
フミコ「……ジー―……」
海未「…あ、あの……どうか、されましたか…?」
フミコ「ジーー……何だか、元気ないね?」
海未「え…?」ドキッ…
フミコ「それに、ただ疲れてるだけ…って感じじゃないみたい。」
海未「そ、そう…でしょうか?」
ヒデコ「ふむふむ、やっぱりフミコもそう思ってたんだ。実を言うと、私もなんだよね。」
571
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/11/26(木) 13:24:08 ID:rXVFQMAw
ミカ「うん、私もちょっと気になってたよ。今日の海未ちゃんって、何だか難しそうな顔してるから。」
海未(…今の私は、そこまで分かりやすく…ハッキリと顔に出ていたのでしょうか…?)
海未(私自身としては、不必要に己の感情を表立って出さない様『常日頃から冷静であれ』と…そう心掛けているつもりなのですが…)
海未(ふぅ……どうやら私は、自分で思っている以上に…まだまだ修行が足りない、という事なのでしょうね。)
ヒデコ「さてと。海未ちゃん、あのね?」
海未「あ……は、はい。」
フミコ「もしも海未ちゃんが、何か悩みとかあるならなんだけど。」
ミカ「私達で良かったら、幾らでも相談に乗っちゃうよ!」
海未「……!」
フミコ「ま、そういうコトだね。」パチッ☆
572
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/11/26(木) 13:46:32 ID:rXVFQMAw
海未(…不思議なものです。私が悩んでいた帰り道の途中に、ヒデコさん達と偶然出会って…)
海未(それに…私個人とは交流が少なかったにも関わらず、こうして温かいお気遣いを頂けるなんて…)
海未(本当に世の中とは…何時如何なる時に、何が起こり得るのか分からないもの…なのですね。)
ヒデコ「それで、どうなのかな?海未ちゃんが今、ホントに困ってる事とかあるなら。」
フミコ「遠慮なんてしないで、私達に話してみて欲しいなって。」
海未「…あ、あの……」
ミカ「ん?なになに?」
海未「…私としては、その……皆さんのお気持ちは、大変嬉しく感じています。」
海未「ただ…やはりと言いますか……流石に色々と、皆さんのご迷惑になってしまうのでは……」
ヒデコ「なーに言ってんの?そんな訳ないじゃない!」
ミカ「そうそう!穂乃果の大事な友達は、私達にとっても大事な友達なんだから。」
573
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/11/26(木) 13:59:25 ID:rXVFQMAw
海未「…ヒデコさん…ミカさん……」
フミコ「だからね、海未ちゃん。私達3人で、今の海未ちゃんの力になれる事って…何かないかな?」
海未「…フミコさん……ありがとうございます。皆さんの、とても温かいお気遣い…心より感謝します。」ペコリ
ミカ「いやいや、そんなに畏まらなくても大丈夫だよー。」
ヒデコ「まあ『μ's』のみんなと比べちゃうと、私達じゃ何かと物足りないかもだけど。そこは一つ、我慢して貰うしかないよねー。」タハハ
ミカ「あいたたたー><そこを言われちゃうとキッツイなあー。」
フミコ「あはは。でも、こればっかりは本当の事だからね。」
海未「そ、そんな…!そんな事は、絶対にありません…!!」キッ
ヒデコ「うわっと!?」
574
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/11/26(木) 14:54:20 ID:rXVFQMAw
海未「…まだ私達が三人の時から、今日に到るまでの『μ's』が…皆さんからの力と優しさに、どんなに助けられてきた事でしょう。」
海未「もしも貴女方が、私達の側に何時も居てくれなかったのなら…私達『μ's』は、一体どうなってしまっていた事でしょうか。」
海未「ですから…穂乃果達だけでなく、私だって…!」
海未「本当に皆さんには、数え切れない位の感謝でいっぱいで…!」
海未「そして、そんな皆さんの事を…!私達はいつだって、心から頼りにして――」
海未「――っ!!」ハッ
ミカ「……ん…?あれれ…?」
フミコ「何だか海未ちゃん、私達に嬉しい事を言ってくれたと思ったら…」
ヒデコ「…急に固まっちゃったね。」
海未(………そう……そうです。)
575
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/11/30(月) 12:14:57 ID:nbh1jiAk
海未(僅か数分前の私が、ヒデコさん達と出会う直前まで…その瞬間まで、ずっと気にしていた事ではありませんか。)
海未(それなのに、私は…本当に情けない事に。今の今まで…全く気付けていませんでした。)
海未(きっと私の中に、初めから『在ってくれた』筈の…この大切な『答え』に。)
海未(どんな時でも、私達の側に居てくれて…そして今も、私達を支え続けてくれている…とても大切な人達の存在に…!)
ヒデコ「おーい、海未ちゃーん…?何かよく分からないけど、大丈夫かなー…?」フリフリ
クワッ!!
海未「皆さんっ!!」ギロッ
ヒフミ「「「ひっ!?」」」ビクッ
海未「どうか…どうか…!これから私の話を…聞いて頂けますか…!?」ジィィーー…
ヒフミ「「「……は…はいっ…!」」」タジタジ
576
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/11/30(月) 12:19:10 ID:nbh1jiAk
海未「ありがとうございます…!それで、その話というのは……実は。」ジィーー…
ミカ「……じ、実は…?」
フミコ「な、何…かな…?」
海未「ヒデコさん…フミコさん、ミカさん。」
海未「私から皆さんに、どうしても…ご相談したい事があるのです。」
ヒデコ「…え、ええっとー……私達に…相談したい、事…?」
海未「はい。それは……」
海未「今後の…明日からの穂乃果の事について、なのですが――」
・
・
・
577
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/12/03(木) 04:42:03 ID:RgwXq3gg
SCENE 17.【高坂宅・裏側出入口 近辺】
穂乃果(ふぅ〜……疲れたぁ。)
穂乃果(今日は朝から、色んな事が立て続けにあったし…ビックリしちゃう様な事も多くて、本当に大変だったけど…)
穂乃果(でも…学校のみんなが、あんじゅさんにメイクして貰った私の事を…いっぱい褒めてくれて…///)
穂乃果(それに『μ's』のみんなが、今の私を優しく受け入れてくれて…すごく嬉しかったなぁ…えへへ///)
穂乃果(あ…そういえば。さっきまでの帰り道の途中で、海未ちゃんが…何度もキョロキョロしながら、私達の周りを見てたっけ。)
穂乃果(時々私が何か話しかけても、返事は『シッ!』ばかりで…それでも私の側からは、絶対に離れようとしなかったし。)
穂乃果(私達って普段なら、途中で別々になってから帰ってるけど…それなのに今日は、私の家の近くまで一緒に来てくれて。)
穂乃果(そして別れ際の時には、まだ少し不安そうな顔をして帰って行った…そんな今日の海未ちゃん。)
穂乃果(私には、よく分からなかったけど…きっと海未ちゃんとしては、私の事を心配してくれてたのかな…?)
穂乃果(うーん……よし。また今度海未ちゃんと、ゆっくり話せそうな時にでも聞いてみよっと。)
穂乃果(本当にそうなら『心配してくれてありがとう』って、ちゃんと海未ちゃんに伝えたいもんね。)
578
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/12/03(木) 05:03:58 ID:RgwXq3gg
穂乃果(あ、そうそう…!明日はあんじゅさんと一緒に、ショッピングに行く約束をしたんだよね。)
穂乃果(今から楽しみなんだけど、実はすこーし不安もあったりして…貰ったばかりの私のお小遣いでも、予算って足りるのかなあって。)
穂乃果(でも、まあ…きっと何とかなるよね?いざとなったら、お財布に優しい『ウィンドウショッピング』でもいいんだし。)
穂乃果(…明日、あんじゅさんに会えるんだ。一緒にいた時間が、ちょっと空いただけなのに…何だか不思議。)
穂乃果(またすぐに会える筈なのに、何だかそれが懐かしく感じるなんて……早く会って、色んな事…お話したいな。)
穂乃果(お礼を言いたい事、いっぱいあるし。それに、聞いて欲しい事だって…いっぱいあるから。)
穂乃果(…ことりちゃん、今日は様子がヘンだったけど…本当に大丈夫なのかな…?)
穂乃果(何だか、ずっと元気がなさそうだったし…先に帰って行った時も、かなり無理してた感じだったけど…)
穂乃果(ことりちゃんって、すごく優しいから…自分が辛いのに、誰かのために我慢しちゃう事も…結構あるんだよね。)
穂乃果(だから…もし今のことりちゃんが、何かに悩んでるのなら。私じゃ全然、頼りないかも知れないけど…それでも。)
穂乃果(やっぱり私は、ことりちゃんの力になりたい。悩んでることりちゃんのために、私が出来る精一杯の事を…したいな。)
穂乃果(ことりちゃんが、早く元気になってくれて。そして…いつもみたいに、優しく笑って欲しいから。)
579
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/12/03(木) 05:21:19 ID:RgwXq3gg
SCENE 18.【高坂宅・一階 居間】
ガラガラ…
雪穂「…あ、お姉ちゃんだ。」
亜里沙「え?穂乃果さんが帰って来たの、雪穂?」
雪穂「うん。あの音はお姉ちゃんで、絶対間違いないよ。」
亜里沙「ハラショー…物音だけで分かるなんて、さっすが雪穂だね!」
雪穂「まあ、いつも聞いてる音だからさ。いい加減、耳で覚えちゃうんだよね。」
亜里沙「雪穂のだーい好きなお姉ちゃんの、帰って来る音だもんね?」ニコッ
雪穂「べ、別に…そんな事…ないし///」プイッ
亜里沙「それに穂乃果さんとは、昨日の朝ぶりの再会なんでしょ?」
580
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/12/03(木) 06:29:19 ID:RgwXq3gg
雪穂「い、一日ちょっと会えなかったくらいで…全然、寂しくなんてないから…!///」
亜里沙「ねえ、雪穂。私は別に『寂しかった?』なんて、一度も雪穂に聞いてないよ?」フフッ
雪穂「……むむぅ…///」
亜里沙「やっぱり穂乃果さんの事、とっても大好きなんだね♪」ニコニコ
雪穂「…も、もう…!//////」カアア
亜里沙「クスクス。私も今日は、穂乃果さんに会えるのが楽しみだったんだよ。」
雪穂「あ…そっか。最近だと亜里沙って、お姉ちゃんとはお喋りとか出来てないんだっけ。」
亜里沙「うん…だから雪穂が『今日だったら、ゆっくり会えるかも知れないよ』って教えてくれて、本当に楽しみだったの☆」
亜里沙(そう。今日は穂乃果さんと、久しぶりにお話が出来そうなんだから…ちゃんと伝えたいな。)
亜里沙(それに今日こそは、いっぱい穂乃果さんと一緒にいられるチャンスなんだもん。よーし…頑張らなきゃ!)
亜里沙(うん、穂乃果さんに伝えよう。もっと私と仲良くして欲しい、今の私の…この気持ちを。)
581
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/12/03(木) 06:38:34 ID:RgwXq3gg
亜里沙(亜里沙は…雪穂と一緒に、穂乃果さんにギュッとして貰った時の…あの時の、とっても優しい気持ちを。)
亜里沙(とってもポカポカになる、あの日の温かさを。もっともっと穂乃果さんから…これからも、いっぱいいっぱい貰いたいから…!)
スタスタスタ…
亜里沙「…あ!そろそろ穂乃果さんが、こっちに来るんじゃないかな?」
雪穂「そ、そうだね…///」イソイソ
雪穂(もう…亜里沙があんな事言うから、何だかヘンに意識しちゃうじゃん…!///)
穂乃果「ただいまー。」ガラッ
雪穂「あ…あの!お姉ちゃん、おか……え……」
亜里沙「こんにちは。お邪魔してます、穂乃果さ……」
穂乃果「あ、雪穂。ただいまー!」
582
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/12/03(木) 06:52:28 ID:RgwXq3gg
雪穂「…………」
穂乃果「亜里沙ちゃん、いらっしゃい!やっぱり来てたんだね。」
亜里沙「…………」
穂乃果「玄関にそれっぽい靴があったから、きっと亜里沙ちゃんかな…って、二人とも…どうかしたの?」
カランカラン…
高坂母「ああ、穂乃果。もう帰ってた、のね…って………」
穂乃果「あ、お母さん。ただいまー…って……お母さんまで、どうしたの…?」
雪穂「…………」
亜里沙「…………」
高坂母「…………」
583
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/12/03(木) 07:11:20 ID:RgwXq3gg
穂乃果「…ええっとー……ねえ、みんなー?もしもーーし?」
雪穂「………あのぉー……」
穂乃果「え…?雪穂…??」
雪&母「「…どちら様でしょうか…??」」
穂乃果「ちょっ!?それってヒドくないっっ!??∑( ̄△ ̄;)」ガーン!
・
・
・
584
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/12/07(月) 13:24:46 ID:Du4OX.4o
穂乃果「もー!みんなホントにヒドいよー!」プンプン=3
雪穂「だからゴメンってば〜…!でも本当にさ、一瞬だけ分からなかったんだよ///」
穂乃果「むー…まあ亜里沙ちゃんは、まだ仕方ないにしてもだよ?実の家族までが、すぐに気付いてくれないなんて!」
穂乃果「これでも私、結構ショックだったんだからねっ?全くー!」プクー
雪穂「ま、まあまあ…だって余りにも、いつもと雰囲気が違ってたからさ///」
雪穂「つまりお姉ちゃんのイメチェンが、それくらい効果バッチリだったって事じゃん?///」ネ?
穂乃果「…そうかも知れないけど……ん?ねえ、雪穂。何か…顔が赤くない?」
雪穂「え…?///」
穂乃果「ひょっとして、風邪でも引いちゃってた…?」
雪穂「あ、ううん…!全然、そんな事ないよ…!///」
雪穂(実を言うと私さー、ずっとお姉ちゃんに見とれてたんだよねー☆…なんて言える訳ないじゃんっ!///)
585
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/12/07(月) 13:58:18 ID:Du4OX.4o
穂乃果「そうかなぁ…?ほら、ちょっと顔見せて?」スイッ
雪穂「ーーーっっ!!?//////」ドキーン
雪穂(ちょっ!?//////そそそ、それはマズイでしょっ!?//////)
雪穂(今やそこら辺の美人が、泣いて逃げ出しそうな…!//////その顔!顔っ!顔ーっ!!//////)
穂乃果「うーん…見た感じだと、結構赤くなってるよね?どれどれー…?」ピトッ
雪穂「っっ!!!/////////」ボーン!
穂乃果「あ…やっぱり熱いかも。雪穂、ちょっと待ってて?今、風邪薬を取って…」
雪穂「だだだっ、大丈夫だからおおお姉ちゃんっ!!/////////」
穂乃果「え?で、でも…」
高坂母「雪穂ー。ちょっと厨房まで、お菓子を取りに来てくれるー?」
高坂母「お父さんがねー?次の新商品の試作品、みんなに味見して欲しいって言ってるからー。」
586
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/12/07(月) 14:22:40 ID:Du4OX.4o
雪穂「ああああーっ、えっとえっとえっとえっとっ!!/////////」
雪穂「お母さんが呼んでるから私厨房に行って来るねそれじゃーーっっ!!!/////////」ピュー
穂乃果「あ、雪穂…って、行っちゃった。うーん…本当に大丈夫なのかなぁ…?」
亜里沙「………//////」ポー…
穂乃果「…あ、いけない!あの…亜里沙ちゃん、ごめんね?さっきからずっと、ほったらかしにしちゃってて。」
亜里沙「………//////」
穂乃果「もぉー、お母さんったらー。今は亜里沙ちゃんが来てくれてるんだから、何も雪穂じゃなくて私を呼べばいいのにー。」
亜里沙「………//////」
穂乃果「本当にごめんね、亜里沙ちゃん。雪穂が戻って来るまで、もう少し待ってて貰える……ん?」
亜里沙「………//////」
587
:
◆bK3.D2B8eM
:2020/12/07(月) 14:42:13 ID:Du4OX.4o
穂乃果「あれれ…?おーい、亜里沙ちゃーん?」ヒラヒラ
亜里沙「………//////」プツン
グワシッ!!
穂乃果「わっ!あ…亜里沙、ちゃん…?」
亜里沙「……穂乃果…さん…//////」
穂乃果「え、ええっと…どうしたのかな?突然、私の肩を掴んで……」
亜里沙「……お願いが、あります…//////」
穂乃果「お願い…?亜里沙ちゃんが、私に…?」
亜里沙「……はい…//////」
穂乃果「えっと…うん、いいよ。よく分からないけど、私で出来る事なら…」
亜里沙「……いいんですね…?//////」ジー
588
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/05(水) 10:04:52 ID:LP24YIoQ
穂乃果「う、うん。それで、あの…亜里沙ちゃん。そのお願いってどんな事なのか、私に教えてくれるかな?」
亜里沙「…クスクス……今から…ただ、大人しくしていて下さい……自分では動かない…可愛いお人形みたいに…//////」
穂乃果「………はい?」
ガバァーーッ!!
穂乃果「え、ええっ!?わっ、わわわーっ!?」
スッテーーン!
穂乃果「…あ、あいたたっ…!ビ、ビックリしたぁー…って……あ…あれ…?」
亜里沙「………//////」トローン
穂乃果「…あ、あのー……亜里沙、ちゃん…?」
亜里沙「………はい…//////」
589
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/05(水) 10:34:26 ID:LP24YIoQ
穂乃果「…ええっと……これって、つまりは……その…何と言いますか。」
亜里沙「………何でしょうか…?//////」
穂乃果「ど…どうして、今の亜里沙ちゃんは…私の上に、覆い被さってるのかなー…って。あ、あはは……」
亜里沙「………それは…ですね…?//////」ジー
穂乃果「……そ…それ、は……?」タジタジ
亜里沙「クスクスクス……こうするから…なんですっ!!//////」
ダキッッ!!!
穂乃果「きゃっ!?」
亜里沙「………はあ……//////」
穂乃果「っ!?///あ、亜里沙ちゃんっ?ちょ…ちょっと、コレは…あっ…!///」
亜里沙「………はあっ……//////」
590
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/05(水) 10:52:24 ID:LP24YIoQ
穂乃果「さ、さす…がに…///み、密着…しすぎっ…な、なんじゃ…ないかなっ…?///」ワタワタ
亜里沙「………はむっ//////」
穂乃果「ひゃああああぁぁんんんっっっ!!!?//////」
穂乃果「ああっ、亜里沙ちゃんっ!?//////なな、何で…!みっ、耳を…えっ…?ちょ、ちょっとっ!?//////」
亜里沙「………はむっ…はむっ…はむっ…//////」
穂乃果「や、やめ…!やあっ…あ、足が…絡んで、外れなっ…ひゃんっ!//////あ…亜里、沙ちゃ…んっ、んん…!/////////」
亜里沙「………はむっ、はむっ、はむっ…/////////」
穂乃果「んんっ…や、やぁ…!/////////お、お願、い…もうっ…やっ、ん…っ!ダ…ダメ……や…あんっ…!/////////」
亜里沙「………はむはむっ……はむはむっ……はむはむっ……/////////」ムニュムニュムニュムニュー
穂乃果「…も、もうっ、や……やめっ、あ…あぁ、ん…は…ぁん……あ…は…ぁ…っ……/////////」
591
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/05(水) 11:05:55 ID:LP24YIoQ
ドドドドド…!!
雪穂「お姉ちゃんっ!!何か叫び声が聞こえたけどっ、どうしたのっ!?」
雪穂「ーーーっっ!!?/////////」
亜里沙「………はむはむっ…はむはむっ…はむはむっ……ぺろっ…/////////」
雪穂「………なっ……な…な…ななっ……!!/////////」
穂乃果「…は…あ、やん…っ……はぁ…/////////…ゆ…ゆ、き…ほ……あっ…た…たす……け…あっ…ん…ぁ……あぁ……/////////」
雪穂「……ふ…ふふふっ、ふ…ふふっ……ふっ……//////」ワナワナ
雪穂「二人とも何やってんのおおぉぉーーーーーーーーーっっっっ!!!!!/////////」
・
・
・
592
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/05(水) 12:19:26 ID:LP24YIoQ
穂乃果「…うっ…う…っ…ひっく……//////ふぇ…っ…ぐすっ……う…ぅ…っ……//////」
亜里沙「本当に、本当にっ、ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!!><;」
雪穂「あーーりーーさぁーーー…!!」ズゴゴゴゴ
亜里沙「ゆっ、雪穂…!お願いだから、その顔やめてっ…!?こ、怖いっ!すっごく怖いよぉ!!」エーン;;
雪穂「いっくら何でもねっ!!アレはやり過ぎでしょっ!?何考えてんのホントにっ!!///」
亜里沙「あ、アタマが真っ白になっちゃって…!体がもう、勝手に動いちゃってて…!うう…ごめんなさーいっ!!」
雪穂「……全く、もう…!」
雪穂「あっ……お、お姉ちゃん…?あの、大丈夫…かな…?」
穂乃果「…ぅ…っ…ぐすっ……う、うん…っ……あり、がと…雪穂…っ…///」ウルウル
593
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/05(水) 12:45:36 ID:LP24YIoQ
雪穂(〜〜っ!!//////いちいち反則過ぎるよっ、もうっ…!!//////)
亜里沙「…穂乃果さん……ごめんなさい…ごめん、なさい…っ……本当に……う…っ…ごめん、なさ…っ……」
穂乃果「…っ……あり、さ…ちゃん…っ…」
亜里沙「う…うっ……ごめ…なさ…っ……え…?」
穂乃果「わ…私、もう…大、丈夫…だから……それに…怒って、ない…から……」
亜里沙「…わ、私の…事…っ……許して…くれ…ます、か…っ…?」
穂乃果「…っ…ぐす…っ……うんっ…」
亜里沙「…亜里沙の、事…っ…うっ……き、嫌いに…ならないで……いてっ…くれます…かっ…?」
穂乃果「…うん……勿論、だよ…!だから、ね…?亜里沙…ちゃんっ…」
穂乃果「私と、一緒に…もう……泣くのは、やめよう…?」
594
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/05(水) 14:25:06 ID:LP24YIoQ
亜里沙「…穂乃果…さん……ぐすっ…」
穂乃果「ね…?」ニコッ
亜里沙「…ぅ……穂乃…果…さんっ……ごめん…なさ、い……ごめん、なさ…っ……う…うっ……!」
亜里沙「うわぁああぁぁああーーーーーーーんんっっ!!!」
穂乃果「…亜里沙、ちゃん……よしよし……」ナデナデ…
雪穂「………ハア。」
雪穂(やれやれ…どこまで行っても、お人好しなんだから…全く。)クスッ
・
・
・
595
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/05(水) 15:34:05 ID:ni6XIKvM
まさかの再開か?
596
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 08:26:01 ID:bgY.pfp.
大変ご無沙汰しておりました。こちらに気付いてコメして下さった方、どうもありがとうございます。
本当に長い間こちらへ来られなかった分、まず話の方を一定の区切りまで進め終えられてから
改めてご挨拶させて頂こうと思っていましたので、こんなに早く気付いて貰えた事にビックリしました。
何かと拙い書き手と作品ではありますが、もし宜しければ、今後もどうか長い目で見守って頂ければ大変幸いです。
597
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 08:32:06 ID:bgY.pfp.
雪穂「…亜里沙…落ち着いた…?」
亜里沙「…うん…ぐすっ……雪穂も、ゴメンね…?」
雪穂「うん…ちゃんと謝ったし、お姉ちゃんも許してくれたし。だからさ、もう怒ってないよ?」
亜里沙「…うん……」
雪穂「ありがとう、お姉ちゃん…亜里沙の事、許してくれて。」
穂乃果「ううん、気にしないで。私、亜里沙ちゃんの事は大好きだから。ね?」
亜里沙「…ぐすっ……穂乃果さん……ありがとう、ございます……」
穂乃果「…ねえ、亜里沙ちゃん。えっと…亜里沙ちゃんは、さっき…どうして、その…///」
穂乃果「私に、あんなにも激しく…くっついて、きたのかなって。」
亜里沙「………」
穂乃果「あのね…?さっき亜里沙ちゃんは、『アタマが真っ白になって、体が勝手に動いてたから』って。」
598
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 08:36:03 ID:bgY.pfp.
穂乃果「確か雪穂に、そう言ってたと思うんだけど。ただ、その時の私は…恥ずかしながら、泣いちゃってて…///」
穂乃果「そのせいで、ハッキリと聞こえてた訳じゃなかったから…それで一度、確認だけしておきたくて。」
亜里沙「…はい。私、雪穂に…そう言ってました。」
穂乃果「そっか…やっぱり、そうだったんだね。」
雪穂(うん…そうだよね。あの時の亜里沙は、確かに私にそう言ってた。それは間違いない。)
雪穂(でも…私は激しく怒ってる真っ最中だったから、その時は余り気にしてなかったんだけど。)
雪穂(冷静になった今、改めて思い出してみると…亜里沙の言ってた事って、何かが少し…引っ掛かる気もする。)
穂乃果「実はね、亜里沙ちゃん。私、まだ他に気になってる事があるの…さっきの亜里沙ちゃんの事で。」
穂乃果「勿論、亜里沙ちゃんが雪穂に言ってた事も、本当だったと思ってるし。だから疑ったりとかなんて、全然してないんだけど。」
亜里沙「…………」
穂乃果「ただ…さっきの亜里沙ちゃんって、普段からは想像出来ないくらい…うーん…何て言えばいいのかな。」
599
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 08:42:17 ID:bgY.pfp.
穂乃果「えっとね…?言葉にしようとすると、余り上手には言えないんだけど…」
穂乃果「何故か、ものすごく必死だった様な…そんな感じにも、私には見えてたんだ。」
亜里沙「………」
穂乃果「だから私、こう思ったの。きっと、あの亜里沙ちゃんの行動には…」
穂乃果「本当は、別の大きな理由が…何かあったんじゃないのかなって。」
亜里沙「……はい。穂乃果さんの、言う通りです。」
穂乃果「うん…そっか。ありがとう、ちゃんと答えてくれて。」
亜里沙「……いえ…そんな……」
穂乃果「あの…それでね、亜里沙ちゃん。」
穂乃果「今から私の言う事が、ただの勘違いだったらゴメンね?その…もしかして、なんだけど。」
亜里沙「…はい。」
600
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 08:51:18 ID:bgY.pfp.
穂乃果「私が今してる、この格好とか…もしかしたら、それが何か関係あったのかなって……えっと…違ってたかな?」
亜里沙「…いいえ。それもあります。」
雪穂(…『それもあります』って事は…他にもまだ、別の理由があった…そういう意味だよね。)
雪穂(という事は、その『別の理由』こそが。さっきの亜里沙の、あのよく分からない行動の『本当の理由』だと思うんだけど…)
穂乃果「…ねえ、亜里沙ちゃん。今の亜里沙ちゃんが思ってる、本当の気持ちを…私に聞かせてくれないかな?」
亜里沙「……え…?」
穂乃果「私に抱きついてきた、あの時の亜里沙ちゃんが思ってた事。そして今の亜里沙ちゃんが、胸の中で思ってる事。」
穂乃果「その二つは、きっと亜里沙ちゃんにとって…何か大切なものとして、強く繋がってる様な…そんな気がしたから。」
亜里沙「……穂乃果、さん…」
穂乃果「だから…その亜里沙ちゃんの気持ちが、もし私にも関係のあるものだったなら。」
穂乃果「亜里沙ちゃんが大切にしてると思う、今のその気持ち。もし良かったら、私にも…教えてくれないかな?」ニコッ
601
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 09:00:40 ID:bgY.pfp.
亜里沙「……はい。」
穂乃果「うん…ありがとう。嬉しいよ。」ナデナデ…
亜里沙「……えへへ///」
雪穂(…こうゆう時のお姉ちゃんって、本当にすごいなって…素直にそう思う。)
雪穂(普通、今みたいな状況の場合なら。まず真っ先に『その理由』を、誰だって知りたくなる筈なのに。)
雪穂(だけど、お姉ちゃんはそうじゃない。『その理由』のもっと奥にある『その人の気持ち』を、いつだって知りたいと願ってる。)
雪穂(そして、そんなお姉ちゃんだからこそ。普段はクールな人とか、とても意地っ張りな人でも。)
雪穂(それにきっと、素の自分をなかなか見せない様な人でさえも。お姉ちゃんの前では、否が応でも素直になってしまう。)
雪穂(普段はグータラだし。『雪穂ー、お茶ー。』とか言って、この可愛い妹をいつも振り回してくるし。色々とダメな所も多いんだけど。)
雪穂(でも…いざって時は、強くて、かっこよくて、頼もしくて。それに…すごく優しくて。本当に素敵な……私の、自慢のお姉ちゃん。)
雪穂(しかも、いきなりイメチェンしたと思ったら…その……とんでもない美人に、なっちゃったし…///)
雪穂(まあ…どれも恥ずかしいから、人前じゃ絶対に言わないんだけどね///)
602
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 09:08:21 ID:bgY.pfp.
亜里沙「…私、本当は…今日、穂乃果さんに…」
亜里沙「今日こそは、穂乃果さんに…ちゃんと伝えたかったんです。」
穂乃果「え…?私に…?」
亜里沙「はい…穂乃果さんに、伝えようと思ってました…ずっと、ずっと前から。」
亜里沙「私と…亜里沙と……これからは、もっともっと…仲良くして欲しいですっ、て。」
亜里沙「そして、これからは…私の事、もっともっと…優しく、温かく…ギュってして欲しいっ…て。」
穂乃果「…亜里沙ちゃん…」
亜里沙「私の大好きな親友の、雪穂の大切なお姉ちゃんで…そして雪穂は、穂乃果さんが大好きで…」
亜里沙「私の大好きなお姉ちゃんの、大切な仲間で…そしてお姉ちゃんも、穂乃果さんが大好きで…」
亜里沙「そんな私の大好きな二人は…よく私にも、楽しそうに穂乃果さんの話をしてくれて…」
雪穂(…私ってお姉ちゃんの事、そんなにも話してたのかな…?顔に出したつもりだって、無かったのに…///)
603
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 09:19:21 ID:bgY.pfp.
亜里沙「いつも嬉しそうに、穂乃果さんの事を話してくれる…そんな二人を見てる内に…」
亜里沙「私も…私にとっても、穂乃果さんの事が…少しずつ、気になる存在になっていって…」
亜里沙「それは私の中で、時間が過ぎれば過ぎていく程に…どんどん、大きくなっていくばかりで…」
亜里沙「そんな日が続いてた、ある時…自分で『やっぱりそうなんだ』って、ハッキリと気が付いた時には…」
亜里沙「私…憧れの海未さんへとは、何かが少し違う…そんな気持ちを、穂乃果さんに…感じていました。」
穂乃果(…そう…だったんだ。)
亜里沙「そして、あの日…私が『私のスクールアイドルを目指します』って言った時、穂乃果さんは…」
亜里沙「私と雪穂を、ギュってしてくれて……それが、とても温かくて…とっても優しくて。」
亜里沙「その温かさと優しさが、亜里沙は嬉しくて…すごく嬉しくて……だから…だから…」
亜里沙「もっと私と、いっぱい仲良くして欲しい。もっと私に、いっぱいいっぱい…ギュってして欲しいって。」
604
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/12(水) 09:31:54 ID:OgkifYbY
見てる
605
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 09:44:44 ID:bgY.pfp.
亜里沙「あの時から私、ずっとそう思ってました。それに、この気持ちを穂乃果さんに…絶対に伝えなきゃって。」
穂乃果「………」
亜里沙「でも…あれから穂乃果さんとは、たまに挨拶するくらいで…ゆっくり会える機会が、全然なくなっちゃって…」
亜里沙「ずっとお話も出来ない時間が、長くなっていって…それでも私の中の気持ちは、その間にも大きく膨らんでいって…」
亜里沙「そして、今日になって…やっと穂乃果さんと、ちゃんと会えて話せるチャンスがやって来て…私、すごく嬉しかったんです。」
穂乃果「……亜里沙、ちゃん…」
亜里沙「だけど…今日、やっと会えた穂乃果さんは…最初に見た時は、すぐに分からないくらいに…今までと変わっていて…」
亜里沙「すごくキレイで、すごく大人っぽくなっていて…でも、そんな穂乃果さんを見てた私は…何だか、とても不安になってきて…」
亜里沙「それで…思ったんです。もしかしたら、穂乃果さんは…私の気付かない間に…もう……」
亜里沙「『私の知ってる穂乃果さん』じゃ、なくなっちゃったのかな…って。」
穂乃果「………」
606
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 09:57:23 ID:bgY.pfp.
亜里沙「それでも……私に話しかけてくれた穂乃果さんは、やっぱり穂乃果さんで……」
亜里沙「ちゃんと、私の知ってる…私の会いたかった、ずっとお話したかった…いつもの穂乃果さんで、いてくれました。」
亜里沙「私、それが分かったら…今でも穂乃果さんが、そのままでいてくれた事への、すごく安心した気持ちと…」
亜里沙「最後に顔を見てから、そんなに時間は経ってない筈なのに…また会えた嬉しさと、何だか懐かしい気持ちと…」
亜里沙「それに…ずっとこの気持ちを伝えたかった人が、こんなにも綺麗だったんだって…その感動とか、興奮とかで…」
亜里沙「頭の中が、色んな気持ちでグルグルになって…もう何が何だか、自分でも分からなくなっちゃって…」
亜里沙「そして…気が付いた時には、私…ただ、必死で求める様に……穂乃果さんに…強く抱きついていました。」
穂乃果「……そう、だったんだ。」
雪穂(…亜里沙の、その時の気持ちは…私にも分かる気がする。)
雪穂(実の妹の私だって、例え少しの間だったとは言っても…お姉ちゃんの変化には、正直不安になっちゃったから。)
雪穂(だから…見た目は変わっても、お姉ちゃんはお姉ちゃんのままだったんだって。それが分かった時、すごく安心したんだ…私も。)
607
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 10:05:27 ID:bgY.pfp.
亜里沙「でも、だからといって…私がしてしまったのは、いけない事なんだって…すごく反省してます。」
亜里沙「だから…もう一度、ちゃんと謝ります。穂乃果さん…本当にごめんなさい。」
穂乃果「……ううん。私の方こそ…ごめんね、亜里沙ちゃん。」
亜里沙「……え…?穂乃果、さん…?」
穂乃果(…本当に成長してないな、私って…ことりちゃんの時に、しっかり反省したと思ってたのに…)
穂乃果(私の事を、こんなにも思ってくれてた人を…ちゃんと見れてなかったなんて…)
穂乃果「…亜里沙ちゃんは、私ともっと仲良くなりたいって…ずっと、そう思ってくれてたのに…」
穂乃果「私が知らない時にも…こんなにも悩んだり、辛い気持ちになっていたのに…」
穂乃果「私、全然気付いてなかった。その気持ちに気付けてなかった。それが今…すごく悔しい。」
穂乃果「亜里沙ちゃんの事、ちゃんと見れてなかった…そのせいで、何も分かってなかった。」
穂乃果「そんな自分が、凄く情けなくて…本当に悔しいんだ。」
608
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 10:19:22 ID:bgY.pfp.
穂乃果「だからね…亜里沙ちゃん。私の方こそ…本当にごめんなさい。」
亜里沙「そ、そんな…!穂乃果さんが謝らないでください…!」
穂乃果「ううん…もしもね、私が亜里沙ちゃんだったら。自分の気持ちを伝えたいと思ってる人が、ずっと自分の中にいて…」
穂乃果「それなのに、その人と長い間まともに話す事も出来なければ…やっぱり、すごく寂しいよ。」
穂乃果「そして、そんな状況が長く続いていて。ふとある時に…その人が何の前触れもなく、今までと違う姿で自分の前に現れたなら。」
穂乃果「その今までと変わってた姿を見て、不安な気持ちになったとしても…それって、きっと仕方のない事だって思うの。」
穂乃果「そう…だからこそ、なんだと思う。それまでずっと待ってた、その人が。」
穂乃果「本当に自分の会いたかった、その人のままで…今でもそのままで、変わらずにいてくれたのなら。」
穂乃果「それが嬉しくて、とっても嬉しくて。その嬉しい気持ちで、体中がいっぱいになっちゃって。」
穂乃果「そこに色んな感情が、次々と混ざってきて。自分の中で暴れる様に、溢れ返ってしまって。」
穂乃果「そんな風になってると、自分では分かってはいても。それでも、もうどうにも出来なくなってしまって。」
609
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 10:35:32 ID:bgY.pfp.
穂乃果「そうやって、ついに限界を超えちゃった沢山の気持ちが、一気に表へと溢れ出てしまって。」
穂乃果「そのまま『ドカーン!』って、激しく爆発しちゃう事だって…きっと、あるんだよ。」
穂乃果「だからね。さっきの事は、亜里沙ちゃんが悪かった訳じゃなくて。本当は…私がいけなかったんだって思う。」
穂乃果「私が亜里沙ちゃんを、ちゃんと見れてなかったせいで…こんなにも亜里沙ちゃんを、不安にさせちゃってたんだから。」
亜里沙「…穂乃果さん…」
雪穂「…お姉ちゃん…」
穂乃果「あのね、亜里沙ちゃん。」
亜里沙「…あ…は、はい。」
穂乃果「私って、こう見えてもね。自分でも周りをよく見て、色々と気を付けようとはしてるんだけど…それでも相変わらず、鈍くって。」
穂乃果「そのせいで、自分だけじゃよく見えてない事とか、全然気付けてない事とか。やっぱり今でも、かなり多かったりするんだ。」
610
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 10:51:09 ID:bgY.pfp.
穂乃果「そんな私だから…亜里沙ちゃんに一つ、お願いがあるの。」
亜里沙「え…?私に、お願い…ですか…?」
穂乃果「うん、お願いだよ。これからは亜里沙ちゃんの事、もっと私に…色々教えてくれるかな?」
亜里沙「…穂乃果さん…!」
穂乃果「私…亜里沙ちゃんの事、もっと知りたい。亜里沙ちゃんの好きな物とか、好きな事とか…他にもいっぱい。」
穂乃果「だって私も、これから亜里沙ちゃんと。もっともっと、いっぱい仲良くなりたいから。」
亜里沙「…っ…はい…!」
穂乃果「だから、亜里沙ちゃん。これからも、ずっとずっと宜しくね!」サッ
亜里沙「はい!私、私…とっても嬉しいですっ!」ギュッ
雪穂「良かったね…亜里沙。亜里沙の気持ち、ちゃんと届いたよ…お姉ちゃんに。」
亜里沙「うんっ!」
611
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 11:08:20 ID:bgY.pfp.
雪穂「あ、だけどさ。さっきみたいなのは、もう本当にダメだからね?」
亜里沙「うん!もう大丈夫だよ、雪穂!」
雪穂「うんうん。それさえ気を付けてくれれば、後は特に…」
亜里沙「私ね?『穂乃果さんを困らせるスキンシップ』は、もう絶対しないから!」フンス!
雪穂「………はい?」
亜里沙「これからは私、ちゃんと穂乃果さんにOKして貰ってからやるよ!ね、雪穂っ!」キリッ
雪穂「…あのー…亜里沙さん?」
亜里沙「という訳で、穂乃果さん?」クルッ
穂乃果「え…?あ、どうしたの…?」
612
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 11:22:08 ID:bgY.pfp.
亜里沙「今度からは、穂乃果さんに…優しくハグ、して貰っても…いいですか?///」ウルウル
穂乃果「亜里沙ちゃん…うん、私で良ければ!」
亜里沙「本当ですか…!?」
穂乃果「勿論だよ!これからは亜里沙ちゃんの事、いっぱい『ギュウー!』ってしちゃうよ?」
亜里沙「わあ〜♪とっても嬉しいですっ!」
雪穂「…うーん……ねえ、亜里沙。ちょっと、いいかな?」
亜里沙「え?雪穂、どうしたの?」
雪穂「えっと…あのさ?亜里沙って『μ's』の中だと、特に海未さんのファンなんだよね?」
亜里沙「うん!海未さんの事はスクールアイドルとして、すっごく尊敬してるよ!」
雪穂「うん、そうだったよね。だから今、少し思ったんだけど。」
亜里沙「?」
613
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 11:50:03 ID:bgY.pfp.
雪穂「その海未さんとお姉ちゃんは、同じ『μ's』のメンバーでもある訳で。」
雪穂「だから、海未さんの事を一番に尊敬しながらも。もう一方で、お姉ちゃんにいっぱい甘えちゃうのってさ。」
雪穂「亜里沙的には、そういうのもアリなのかなーって。ちょっとだけ、気になっちゃって…」
亜里沙「雪穂っ!!」ビシィ!
雪穂「うわっ!?なっ、何…!?」ビクッ
亜里沙「いい…?よぉーーく、聞いててねっ…!?」キッ!
雪穂「……う…うん…」タジタジ
亜里沙「それに穂乃果さんもっ!!」ビシィ!
穂乃果「ええっ!?わ、私も…!?」
亜里沙「しっかりと、聞いててくださいねっ…!?」キッ!
穂乃果「……は、はい…!」タジタジ
614
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 11:58:06 ID:bgY.pfp.
亜里沙「それでは…行きますっ…!!」ゴゴゴ…
穂&雪「「……っ…!!」」ゴクリ
亜里沙「『それは、それっ!!』」
雪穂「………はい…?」
亜里沙「『これは、これっ!!』」
穂乃果「………へ…?」
亜里沙「以上ですっ!分かって貰えましたかっ?」エッヘン
615
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 12:08:04 ID:bgY.pfp.
穂乃果「………は…はあ……」ポカーン
雪穂(今ので何を分かれとっっ!??)エエエエー!?
亜里沙「わぁー☆分かって貰えて、すっごく嬉しいですっ!」キャッ♪
穂乃果「………」??
亜里沙「では、穂乃果さん。今からちょっとだけ…失礼しますね?」
穂乃果「………ア、ハイ。」??
亜里沙「えいっ♪」
ギュッ☆
穂乃果「わっ…とと…!」
亜里沙「…あの…穂乃果さん…?」
616
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 12:21:12 ID:bgY.pfp.
穂乃果「う、うん…今度は、どうしたのかな…?」
亜里沙「…これくらいのハグなら……許して…くれますよね…?///」ギュッ
穂乃果「…うんっ、勿論だよ…!///」ギュッ
雪穂「………」
亜里沙「えへへ…☆嬉しいです!///」ギュッ
穂乃果「あはは…///亜里沙ちゃんって、本当は甘えん坊さんなんだね?///」
亜里沙「はい!実は私、とっても甘えん坊なんです♪///」
亜里沙「…大好きな人には、特に……亜里沙は、甘えん坊さん…なんですよ?///」ギュッ…
穂乃果「…亜里沙ちゃん…//////」キュン
雪穂「………」ムスッ
617
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 12:31:31 ID:bgY.pfp.
亜里沙「私、穂乃果さんの事…優しくて、温かくて…すごくキレイで……大好きです…//////」ギュッ
穂乃果「そっか…ありがとう///私もね…?いつも可愛い亜里沙ちゃんが、大好きだよ…!//////」ギュッ
雪穂「………」スッ
ギュッ
雪穂「………//////」
穂乃果「え…?雪穂…?」
雪穂「…背中だけ、空いてたら…寒いでしょ?//////」ギュッ
穂乃果「…うん!でも雪穂のおかげで、今はとっても温かいから…えへへ///」
雪穂「…フンだ…あんまり調子に乗らないでよね…!///」
雪穂「…ちょっとくらい…すっごい美人だからって…さ//////」フン
618
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 12:42:49 ID:bgY.pfp.
穂乃果「え……ゆ、雪穂が…私に……び、びび…えっ、えええっっ!!?/////////」ボン!
雪穂「あぁーーもぉーーっ!!//////うるさい、うるさいっ、うるさーーいっ!!/////////」ボン!
亜里沙「…?ねえ、雪穂。さっきの誉め方って、日本語でおkしいよ?」
雪穂「亜里沙に言われたくないからねっ!?///それに『日本語がおかしい』でしょーがっ!!」
穂乃果「まーまー、雪穂ー?///せっかく今日はー、素直に私を誉めてくれた日、なんだからー///」ニマニマ
雪穂「〜〜っ!!//////」
穂乃果「ほら、ここは一つさ?///もっともーっと、この穂乃果おねえちゃんにー…甘えても、いいんだよぉー?///」フフーン
雪穂「うぅっるさぁぁーーいっっ!!!//////」ギュウウウーーー!!
穂乃果「ちょっ!?ゆ…雪穂っ!く、苦しいっ…ギッ、ギブ……ギブッ…!!」ロープロープ!
619
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 12:57:24 ID:bgY.pfp.
雪穂「うるさいっ、うるさいっ!うるさぁーーいっ!!//////」
雪穂「ハア…ハア…!//////お姉ちゃんなんて…お姉ちゃんなんて、お姉ちゃんなんてっ…!//////」
雪穂「私は…!私はっ…!!//////」
雪穂「大大大大っ、大っキライなんだからーーーっっ!!!/////////」
高坂母「ちょっと穂乃果ー、また雪穂を怒らせたのーっ?」
高坂母「あんまり騒がしくしたら、ご近所に迷惑でしょー、もう!」
穂乃果「あれぇっ!?やっぱりヒドくないかなぁっっ!??∑(T△T;)」ガガーン
・
・
・
620
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/12(水) 13:16:17 ID:bgY.pfp.
今回は、ここで一旦終了となります。
こちらの投稿の間に見ていてコメして下さった方、どうもありがとうございました。
リアルタイムで見て頂けてるなんて思っていませんでしたので本当に驚きましたが、すごく嬉しかったです。
宜しければ、また次回もお付き合い頂ければとても幸いです。
621
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/13(木) 21:17:00 ID:/.gwZ6uQ
待ってる
622
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 06:39:14 ID:1w7eLhAM
前回コメントして下さった方、どうもありがとうございます。
とても長い間更新が止まってしまっていたにも関わらず、
またこうして見て頂けている事が、本当に嬉しくて励まされています。
623
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 06:45:01 ID:1w7eLhAM
SCENE 19.【南宅 ・ことりの部屋】
ことり(……あはは……)
ことり(……私…さっきも、穂乃果ちゃんに……)
ことり(また…懲りもせずに……ウソ…ついちゃったんだ。)
ことり「……穂乃果ちゃん……」
・
・
・
穂乃果『うん…ごめんね。もしかしたら、余計な事だったかも知れないけど…でも、どうしても気になってたから。』
ことり『…ううん。余計だなんて…全然、そんな事ないよ。』
ことり『ありがとう、穂乃果ちゃん。私の事…ずっと心配してくれて。』
624
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 06:51:27 ID:1w7eLhAM
穂乃果『……ねえ、ことりちゃん。』
ことり『え…?』
穂乃果『今日、学校で話してた時にも言ったけど…私じゃ力になれる事は、確かに少ないかも知れない。』
穂乃果『だけど、それでもね。やっぱり私は、ことりちゃんの力になりたい。』
穂乃果『ことりちゃんの為に、私に何か出来る事があるなら。それがどんな事だって、精一杯頑張ってやり遂げてみせる。』
穂乃果『だから…ことりちゃん。もしも今、何か悩んでるんだったら…私に相談して欲しいな。』
ことり『………』
穂乃果『ね…?ことりちゃん。』
ことり『……うん。本当にありがとう…穂乃果ちゃん。』
ことり『穂乃果ちゃんに、そう言って貰えて…すごく…すごく嬉しい。』
625
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 07:00:11 ID:1w7eLhAM
ことり『……でも……あのね、穂乃果ちゃん。私…体の疲れが、まだ少し溜まってるだけで…』
穂乃果『………』
ことり『今、私が何かに悩んでるとか…本当に、そうゆうのじゃないの。』
穂乃果『…本当…?』
ことり『うん…だからね、穂乃果ちゃん。その気持ちは、とっても嬉しいけど…そんなに、心配しないで…?』
穂乃果『…ことりちゃん…』
ことり『屋上にいた時にも、少し話したよね…?衣装作りの方がスランプ気味で、それで寝不足が続いてたって…』
穂乃果『………』
ことり『だけど…それも今日で、何とか解決しそうなの。さっき良いアイディアが、やっと閃いてくれたんだ…☆えへへ♪』
ことり『そのおかげでね。もう今日の夜からは、しっかり休めると思うし…溜まってた体の疲れだって、ちゃんと取れると思うの。』
626
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 07:10:20 ID:1w7eLhAM
穂乃果『………』
ことり『明日には完全回復とまでは、ちょっと行かないかも知れないけど…それでも後2,3日もすれば、きっと大丈夫だから。』
ことり『その頃には、またいつものことりみたいに。すっかり元気に、なれてるんじゃないかなって☆ちゅんちゅん♪』
穂乃果『………』
ことり『……あの……もし、もしもね…?私が、穂乃果ちゃんに…本当に聞いて欲しい事が、あった時には……』
穂乃果『…うん。』
ことり『その時は、私……穂乃果ちゃんに相談して、ちゃんと聞いて貰うから……』
ことり『だから…だから……穂乃果ちゃん……ことりは………』
穂乃果『……そっか。』
穂乃果『うん…分かったよ、ことりちゃん。』
ことり『………』
627
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 07:22:44 ID:1w7eLhAM
穂乃果『私、ことりちゃんを信じてるから。』
ことり『……うん…ありがとう。』ズキ…
穂乃果『でもね?何か困った事や、辛い事があった時には…いつでも私に言ってね、ことりちゃん。』
穂乃果『私、ことりちゃんの為なら。いつだって、どこにだって、全力で駆けつけるよ!』
ことり『……穂乃果、ちゃん…』
穂乃果『その時に、例えどんな事があったとしても。私は必ず、ことりちゃんの力になってみせるから。』
穂乃果『そして絶対に、私がことりちゃんを助けてみせるからね!絶対に、絶対に!』
ことり『…っ……ありがとう、穂乃果ちゃん。本当に…本当に……ありがとう。』
穂乃果『あはは…何だか、カッコつけ過ぎちゃったかも。』
ことり『ううん…そんな事ないよ。だって穂乃果ちゃん…すごくカッコ良かったもん。』
628
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 07:35:41 ID:1w7eLhAM
ことり『それに、私…本当に嬉しかったから。大好きな穂乃果ちゃんに…あんな風に言って貰えて。』
穂乃果『そ、そっか…///それなら、まあ…あれで、良かったのかな…?』
ことり『クスクス…うん♪最高でした☆』
穂乃果『え、ええっと〜…///ん…?あ…もうこんな時間だったんだ。』
穂乃果『それじゃあ、ことりちゃん…また、明日ね。』
ことり『うん、また明日。おやすみなさい…穂乃果ちゃん。』
穂乃果『おやすみ、ことりちゃん。ゆっくり休んで…早く元気になってね。』
ことり『うん…ありがとう。』
穂乃果『じゃあ、またね…!』プツン
ツーッ…ツーッ…ツーッ…ツーッ…
ことり『……穂乃果ちゃん……』
629
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 08:44:01 ID:1w7eLhAM
▲▼Kotori's★Nightmare▲▼
『今、私が何かに悩んでるとか……本当に、そうゆうのじゃないの。』
ウソつき。
今朝から、ずっと悩んでたクセに。
今だって、ずっと悩んでるクセに。
今からも、ずっと悩んでくクセに。
私って、今日一日だけで…もう何回、ウソついちゃったのかなぁ…?
あはは。余りにも多過ぎたせいで、何回だったかなんて…もう覚えてないよね。
つまり。今日のことりは、とってもウソつきな子だったんです。
だから。そんなウソつきなことりは、とってもいけない子だったんです。
630
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 08:51:46 ID:1w7eLhAM
自分の大切な人達に、何度も何度もウソをついちゃう。
自分の一番大切な人にまで、平気でウソをついちゃう。
そんなことりは、とっても悪い子だったのです。とってもとっても。
どうして、ことりは…『嘘吐き』に、なっちゃったのかなぁ…?
どうして、ことりは…『悪い子』に、なっちゃったのかなぁ…?
どうして、ことりは…『人を恨んじゃう子』に…なっちゃったのかなぁ…?
私が嫌っている人。憎んでいる人。そして恨んでいる人。そんな人が今、私の中に居る。
その人は誰なの?その人はあんじゅさん。優木あんじゅさん。
631
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/19(水) 08:55:44 ID:6EXmRs1.
おっ、来てるな
632
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 08:58:07 ID:1w7eLhAM
どうして嫌ってるの?それは穂乃果ちゃんを変えてしまったから。
どうして憎んでるの?それは穂乃果ちゃんを変えてしまったから。
どうして恨んでるの?それは穂乃果ちゃんを変えてしまったから。
そう。穂乃果ちゃんを変えてしまった。あの人が変えてしまった。
どうして変えてしまったの?きっと穂乃果ちゃんを綺麗にしたかったから。
どうして変えてしまったの?きっと穂乃果ちゃんを可憐にしたかったから。
どうして変えてしまったの?きっと穂乃果ちゃんを妖艶にしたかったから。
どうして変えてしまったの?きっと穂乃果ちゃんを美人にしたかったから。
どうして変えてしまったの?きっと穂乃果ちゃんを○○にしたかったから。
だから穂乃果ちゃんを変えてしまった。だから私は悩む事になってしまった。
633
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 09:01:56 ID:1w7eLhAM
どうして私は悩んでいるの?それは穂乃果ちゃんが綺麗になってしまったから。
どうして私は悩んでいるの?それは穂乃果ちゃんが可憐になってしまったから。
どうして私は悩んでいるの?それは穂乃果ちゃんが妖艶になってしまったから。
どうして私は悩んでいるの?それは穂乃果ちゃんが美人になってしまったから。
どうして私は悩んでいるの?それは穂乃果ちゃんが△△になってしまったから。
私は知っていた。穂乃果ちゃんの『女の子の魅力』を知っていた。誰よりも早く知っていた。
だから私は苦しむ事になった。穂乃果ちゃんの『女の子の魅力』が開放されて苦しむ事になった。
どうして私は苦しんでいるの?それは穂乃果ちゃんが綺麗だと知られてしまったから。
どうして私は苦しんでいるの?それは穂乃果ちゃんが可憐だと知られてしまったから。
どうして私は苦しんでいるの?それは穂乃果ちゃんが妖艶だと知られてしまったから。
どうして私は苦しんでいるの?それは穂乃果ちゃんが美人だと知られてしまったから。
どうして私は苦しんでいるの?それは穂乃果ちゃんが□□だと知られてしまったから。
634
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 09:06:20 ID:1w7eLhAM
誰に知られてしまったの?みんなに知られてしまった。周りの人達にも知られてしまった。
みんなや周りの人達に知られたらどうなるの?これからは必ずもっと沢山の人達に知られてしまう。
もっと沢山の人達に知られてしまったらどうなるの?穂乃果ちゃんはこの世界から注目される。今まで以上に賞賛される。
そして。
そして?
そして、何?
この世界に穂乃果ちゃんが注目されたらどうなるの?
この世界に穂乃果ちゃんが注目されたらどうなるの?
この世界に穂乃果ちゃんが賞賛されたらどうなるの?
635
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 09:11:29 ID:1w7eLhAM
この世界に穂乃果ちゃんが注目されたらどうなるの?
この世界に穂乃果ちゃんが賞賛されたらどうなるの?
この世界に穂乃果ちゃんが愛されたら…どうなるの?
この世界に穂乃果ちゃんが注目されたらどうなるの?…
この世界に穂乃果ちゃんが賞賛されたらどうなるの?……
この世界に穂乃果ちゃんが愛されたら…どうなるの?……うるさい。
この世界に穂乃果ちゃんが注目されたらどうなるの?やめて。
この世界に穂乃果ちゃんが賞賛されたらどうなるの?やめてよ。
この世界に穂乃果ちゃんが愛されたら…どうなるの?やめてってば。
この世界に穂乃果ちゃんが奪われてしまったらだからもうやめてってばっ!!
636
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 09:16:23 ID:1w7eLhAM
この世界に穂乃果ちゃんが壊サレテしまったらもうやめてって言ってるのにっっ!!!
この世界に穂乃果ちゃんがオ▲サレテシマッタラもうやめてやめてやめてよぉぉっっ!!!!
この世界に穂乃果ちゃんがコ■サレテモウヤメテヤメテイヤイヤイヤァァーーーッッッ!!!!
この世界に穂乃果ちゃんが注目されたら奪われてやめてやめてやめてやめてやめてやめてっっ!!!
この世界に穂乃果ちゃんが賞賛されたら壊サレテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテェッッ!!!
この世界二穂乃果ちゃんガ愛サレたらオ▲サレテコ■サレテイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤダッッ!!!
コノ世界二穂乃果チャンガ愛サレテ奪ワレテ壊サレテオ▲サレテコ■サレテシマッテモウヤメテヤメテヤメテヤメテ
イヤイヤイヤイヤモウイヤモウイヤイヤダ!イヤダ!イヤダ!イヤダ!イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤッ!!
イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌アァァーーーッッッ!!!!
637
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 09:25:12 ID:1w7eLhAM
ホラ 【アレ】ヲ 見テ
ハアッ、ハアッ……!ハアッ、ハアッ……!ハアッ……ハアッ………え……?
コノ世界二 穂乃果チャンガ 奪ワレテ
コノ世界二 穂乃果チャンガ 壊サレテ
コノ世界二 穂乃果チャンガ オ▲サレテ
コノ世界二 穂乃果チャンガ コ■サレタ
【アレ】ガ ソノ 全テノ結果
………………あ………ああ…………
ソウ 【アレ】コソガ ソノ 全テノ結末ナノ
……ああ、あ………あああ…ああっ……!
638
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 09:29:24 ID:1w7eLhAM
アノ ボロボロ二ナッテイル【アレ】ハ
アノ 固ク冷タクナッテイル【アレ】ハ
アノ ヒトノカタチヲシテイル【塊】ハ
あああぁっ…!!うあああああぁぁっっ!!!
アナタガ 誰ヨリモ 大好キデ 誰ヨリモ 大切二 想ッテイタ
ワタシ
【 穂 乃 果 チ ャ ン 《 ダ ッ タ モ ノ 》 】 ナ ノ
639
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 09:37:48 ID:1w7eLhAM
ことり「嫌あああああああぁぁぁああぁぁあああぁぁーーーーーーーーーーっっっっ!!!!!」
ガバッ!
ことり「…っっ!!?あ……あっ、あ…あああ……あっ……!!ハアッ…ハアッ……ハアッ…ハアッ…!!」
ことり「ハア……ハア……ハア…ッ…コホッ!コホッ、コホッ!」
ことり「…ッ……ハァ……ハァ…………ゆ…夢……だった、の……?」
ガチャッ!
理事長「ことりっ!?」
ことり「ハァ……ハァ……え……お母……さん…?」
理事長「一体どうしたのっ!?ねえ、何があったのっ…!?」
640
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 09:45:44 ID:1w7eLhAM
ことり「…あ……私……そっか…寝ちゃって、たんだ……何時の、間にか……」
理事長「今、貴女の叫び声が聞こえてきたのよ…!ねえ、ことり…大丈夫なの…!?」
ことり「……うん…ごめんね、お母さん……私、大丈夫だから……」
理事長「ああ、もう……本当に心配させて、この子ったら……もしかして、何か怖い夢でも見たの…?」
ことり「……多分、だけど…そうみたい……とっても、とっても…怖い夢だった、気がする……」
理事長「そうだったの……とても怖い思いを、してしまったのね。」
理事長「でも、それなら…ことり。今日はもう、部屋を変えて休んだ方が…」
ことり「…ううん。私なら、もう平気だから…ごめんね、お母さん。すごく、心配させちゃって……」
理事長「…もう一人でも、大丈夫なのね…?」
ことり「うん…もう大丈夫。」
641
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 09:50:43 ID:1w7eLhAM
理事長「…分かったわ。でも、ことり。何かあったら、すぐに呼ぶのよ?」
ことり「うん…そうするね……ありがとう、お母さん。」
理事長「…暖かくして、寝るのよ?」
パタン…
ことり「………」
ポフッ
ことり「…本当は、全部……ハッキリと…覚えてるんだけど…ね。」
ことり「あはは……今度は、お母さんにまで…ウソついちゃった……ごめんね、お母さん……」
ことり「…それにしても……本当に、怖い夢…だったなぁ……」
642
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 10:04:09 ID:1w7eLhAM
ことり(この世界の誰かに、穂乃果ちゃんが……ううん。)
ことり(もしかしたら、この世界そのものに…穂乃果ちゃんという存在を、奪われてしまって…)
ことり(そして…この世界のせいで。私の大好きな、穂乃果ちゃんを…失ってしまう……そんな、本当に恐ろしい夢。)
ことり(…だけど、普通に考えてみると…何だか、大げさな夢でもあったのかなって…そんな風にも、少し思っちゃうんだ。)
ことり(だって、そうだよね…?さっきの夢を、簡単にまとめてみると……)
ことり(ことりは、穂乃果ちゃんをイメチェンしちゃった、あんじゅさんが大キライです。)
ことり(だってだって、そのせいで。本当は穂乃果ちゃんが、とっても美人さんな女の子なんだって。)
ことり(それを、みんなに知られちゃったから。それが、世界中にまで知られちゃったから。)
ことり(そのせいで穂乃果ちゃんは、世界中の人気者になっちゃったから。)
ことり(そして、この世界に連れていかれた穂乃果ちゃんは。いつしか、ことりの前からいなくなっちゃうのでした。)
ことり(はい、おしまいです。)
643
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 10:11:49 ID:1w7eLhAM
ことり(…あはは。やっぱり、大げさに思えちゃうよね。こんな事って…普通はあり得ないから。)
ことり(まるで、マンガやアニメとか…映画やドラマみたいな、お話なのに。)
ことり(それが、実際に起こっちゃうなんて事…どう考えたって、ある筈ないんだもん。)
ことり(そう。ある訳がないよね、絶対に。普通だったなら。)
ことり(…でも。でもね?もし、もしもだけど。)
ことり(この『女の子』が…『穂乃果ちゃん』が、もしも。)
ことり(『普通じゃない子』…だったなら。)
ことり(やっぱり、何かが…とっても大きく、変わってきちゃったりも…するのかな…?)
644
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 10:38:01 ID:1w7eLhAM
ことり(…実はことり、すごく気になってる事があります。)
ことり(それは、今日の午後…屋上で集まってた時に、希ちゃんとにこちゃんが言っていた事。)
ことり(私が気になってるのは、二人が話していた…『これから先の穂乃果ちゃん』について。)
ことり(そして…あの時、二人の話してた事は…さっきまで、私が見てた…あの恐ろしい夢と。)
ことり(深い深い、根の部分で……実は…繋がってもいたんじゃないかなって。)
ことり(だって…今思い出してみても、そうとしか考えられない位に…)
ことり(二人の話と、私の見た夢は…とても近く感じるもの、だったから。)
ことり(そう。その一つは…希ちゃんの占いによる、予言的な内容の話だったんだ。)
645
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 10:57:39 ID:1w7eLhAM
希『みんなの話を聞きながら、さっきから少し占ってみてたんやけどね?』
希『今までの印象から大きく変わった、これからの穂乃果ちゃんは…』
希『この先…穂乃果ちゃん自身の意思や行動、その願いとは別に…』
希『ウチらのいるこの世界へと、より強い影響力を及ぼす存在となる…と。』
希『ただ…それが穂乃果ちゃん自身や、ウチら周りの人間達にとって…』
希『果たして、吉と出るものか、或いは…凶と出るものとなるのか。』
希『それを聞いても、カードもそこまでは答えてくれなかった。』
希『だから、ウチが今の時点でハッキリと言えるのは…この一つだけ。』
希『穂乃果ちゃんの力によって、これから形創られてゆくであろう『何か』が。』
希『とても強く、そして大きいものである…という事。』
ことり(いつもは落ち着いてるイメージなのに、意外とおどけたりする事も多い…そんな希ちゃんだけど。)
ことり(あの時の希ちゃんは、そのどちらででもなくて…すごく真剣な、刃物みたいに鋭い表情で…そう言ってた。)
646
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 11:20:59 ID:1w7eLhAM
ことり(それに、もう一つ…アイドルが大好きで、いつも全力で。すごく情熱的で。)
ことり(大好きなアイドルの事では、絶対に妥協なんて許さない…そんな、にこちゃんが。)
にこ『いい、穂乃果?一度しか言わないから…絶対に聞き逃すんじゃないわよっ?』
にこ『……穂乃果。もう生半可なヤツじゃ…例えプロのアイドル達でさえ、どんなに束になったトコで……』
にこ『今のあんたには……あんた一人に………絶対に適いやしないわっ…!!』
ことり(…ここまで、ハッキリと言い切ってたんだ。大好きなアイドルに、誰よりもプライドを持ってる…あのにこちゃんが。)
ことり(しかも…これだけじゃなくて。二人が揃って、繰り返しながらも話してた。今の穂乃果ちゃんの持つ、影響力…その大きさを。)
ことり(穂乃果ちゃんの、その話をしてた時に…すごく本気で真剣な表情をしていた、希ちゃんとにこちゃん。)
ことり(そんな二人だったからこそ…何の根拠も無しで、あそこまで言ってたなんて…私にだって、やっぱり思えない。)
ことり(そして、本当は私も…二人と同じなのかも知れない。その可能性を、本心では…否定なんて、出来てない。)
647
:
◆bK3.D2B8eM
:2022/01/19(水) 11:42:52 ID:1w7eLhAM
ことり(…そうだよね。さっきみたいな『大げさな話』になんて、本当は…全然出来てないんだ。)
ことり(だって…あんな夢を見てしまった事が、何よりも…その証拠でもあったんだから。)
ことり(…ううん……そうじゃない。本当は私こそが、その可能性を…最初から知っていた。他の誰よりも…分かっていたの。)
ことり(ただ、今の今まで…それを否定したい自分が、ずっと私の中にいた……それだけの事だったんだ。)
ことり(そう…自分がどうしたら良いのか、その答えが分からなくて…そんな今の現実から、必死に目を背けて…逃げていただけ。)
ことり(だから…私が見ていた、あの悪夢は……ただ逃げてただけの、こんな臆病な私への……何かしらの警告…だったのかも知れない。)
ことり(…あはは……それにしても…本気でこんな事を、色々と考えさせちゃう穂乃果ちゃんって…やっぱり凄いよね。)
ことり(だって…ちょっとメイクをしただけの穂乃果ちゃんが、学校中での大騒ぎにまでなったのは…紛れもない事実だし。)
ことり(そうなっちゃうくらいに、穂乃果ちゃんの『女の子』の魅力って…やっぱり、本当に凄かったって事なんだから。)
ことり(…穂乃果ちゃんの…女の子としての、魅力…かぁ。)
ことり(…そういえば…出来る限り、それを他の人に見られたくないと…いつもそう思ってた私が、たった一度だけ…)
ことり(穂乃果ちゃんの、その女の子らしさの魅力を…ほんの少しだけど、つい引き出しちゃった事が…あったんだよね。)
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