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>>2「>>2の3分クッキングの時間だよ!」 PartⅩⅩⅦ
1
:
◆WsBxU38iK2
:2019/04/30(火) 01:37:23 ID:sNQm8kGc
安価スレのようなそうじゃないよう
なSSスレ
前スレ(ⅩⅩⅥ)
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1531398039/
前前スレ(ⅩⅩⅤ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1520423523/
前前前スレ(ⅩⅩⅣ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1513250979/
前前前前スレ(PartⅩⅩⅢ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1507460469/
前前前前前スレ(PartⅩⅩⅡ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1501931181/
前前前前前前スレ(PartⅩⅩⅠ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1496660857/
前前前前前前前スレ(PartⅩⅩ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1491735745/
前前前前前前前前スレ(PartⅩⅨ)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1487495156/
前前前前前前前前前スレ(PartⅩⅧ(再々))
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1486897355/
2
:
◆WsBxU38iK2
:2019/04/30(火) 01:38:21 ID:sNQm8kGc
○てんぷれ
過去編〜土曜編までの略年表
http://urx.mobi/BK9a
日曜編チャート
http://urx.mobi/BK9h
終末編チャート1(『200』まで)
http://urx.mobi/BK9i
終末編チャート2(『201』以降)
http://ur0.link/CNAi
新終末編チャート
http://urx2.nu/L1ur
新終末編・焔チャート(更新)
http://u0u0.net/OYVK
現在の登場人物の図(更新)
http://u0u0.net/c8Rv
3
:
◆WsBxU38iK2
:2019/04/30(火) 01:38:56 ID:sNQm8kGc
○Part表
Part1 Part2:クッキング編
Part3:クッキング編〜前世編〜土曜編秋葉原深夜決戦前
Part4:土曜編秋葉原深夜決戦〜日曜編序盤
Part5:日曜編(ディズニーシー決戦編、博物館編、冥界内乱編、ビワッシー編、アノールロンド編)
Part6:日曜編(アノールロンド編、幕張メッセ編、英玲奈家襲撃、ドスケーブ城厨房騒動)
Part7:日曜編(病院編、亜里沙編、魔王軍過去編、ドスケーブ城襲撃編)
Part8:日曜編(魔王様日記編、亜里沙北海道編)
Part8再:日曜編(大雪山拠点決戦)〜終末編(ドスケーブ城防衛戦、津軽海峡偵察戦、神田明神地下研究所編)
Part9:終末編(大阪防衛戦)
Part10:終末編(滋賀・琵琶湖追撃戦)
Part11:終末編(ロシア編、ドスケーブ城三者会談、深海とっり編)
Part12:終末編(冥界襲撃・対ミナ仮面勢力編)
Part13:終末編(深海バーミヤン編、竜宮城編)
Part14:終末編(イオンモール草津パニック編)
Part15:終末編(名古屋編、空中名古屋支部〜ドアラランド突入)
Part16:終末編(黄金ドアラランド決戦・前)
Part17:終末編(黄金ドアラランド決戦・中)
Part18:終末編(黄金ドアラランド決戦・後)
Part19:終末編(凍結名古屋決戦)
Part20:新終末編(狭間の世界編、冥界ムスペル編、天空の城編、音ノ木坂跡編、GODの里編、ほのキチ倶楽部VS魔王キチ団前編)
Part21:新終末編(ほVS魔後編、玩具の箱庭編、VS新魔王編、UTX跡編、名古屋凍結砂漠編、バーミヤン下層編、関門海峡偵察編、魔の海域編)
Part22:新終末編(琵琶湖再び編、バーミヤンVSヨルムンガンド編、VS神造人間編、ドスケーブ城崩壊編)
Part23:新終末編(音ノ木坂跡アルパカウイルス編、北方領土地下空洞編)
Part24:新終末編(浦の星女学院編、VS宇宙怪獣編、外郭界探索編、ロードス島地下編)
Part25:新終末編(ロードス島地下編、ヌーマーズ編) 新終末編・焔(ノーデンスエリア編、恥部エリア編、ゲームエリア編、貧弱様編)
Part26:新終末編・焔(にこにー御殿編、VSワルプルギス編、浮遊塔編、VS双子の穂乃果編、神戸編)
4
:
◆WsBxU38iK2
:2019/04/30(火) 01:39:49 ID:sNQm8kGc
○前スレのあらすじ
進行するラグナロクとハルマゲドン
侵攻するムスペルヘイムの軍勢と並行世界の使徒たち
それぞれの思惑が交差して戦火は日本各地へと広がっていく
一刻も早く戦火を止めるためには九州中心部にあるムスペルゲートの破壊と、ムスペルが狙っている京都の守護が最優先
東京でワルプルギスを退けたドスケーブ城組と、九州で双子の穂乃果を倒した浮遊塔組は、それぞれの目標地点へ動き出す
そんな中、ツバサはアルミ缶の天空足場で果林を打ち破るも、同時に娘二人が消失してしまう事態が発生
テレパシーで連絡をとってみると、何ということか二人は並行世界の日本――冬木市にいるらしい
別世界となるとすぐに助け出すのは難しい
そう判断したツバサは一旦仲間たちとの合流を求め、希たちがいる神戸へと向かうのだった
5
:
◆WsBxU38iK2
:2019/04/30(火) 01:42:41 ID:sNQm8kGc
てんぷれ終わり
すっかりスローペースとなりましたが続きます
さすがに出来事を覚えきれないのでミスは増えると思います
質問突っ込みありがたいです
では本編
6
:
◆WsBxU38iK2
:2019/04/30(火) 01:43:41 ID:sNQm8kGc
新終末編・焔『219』
─────────────────
──神戸付近
PM6:20
ツバサ(前の定期連絡から15分後、私は神戸の入り口あたりまで辿り着いていた)
ツバサ(そこで私が目にしたのは想定していたものとは全く別の事態だった)
ツバサ「全く……街に近づいてみたらとんでもないことになってるじゃない」
ツバサ(突然目の前に現れた群衆、彼らは道路を塞ぐように道を埋め尽くしていた)
ツバサ(歩道も公道も関係ない、見渡す限り老若男女の人の群れが広がって乱痴気騒ぎを繰り返している)
ツバサ(一見祭りか何かかな……とも考えたけど、さすがにおかしい)
ツバサ(彼らは互いに引っ張り合いとっくみあい叫び合い、中には建物に登ったり店の商品をひっくり返してる人までいる)
ツバサ(もはや暴動と言って良いくらいの騒ぎだわ)
ツバサ(それに輪をかけておかしいのは、その暴動の音が一切街の外へ聞こえないこと)
タタタタッ
兵士2「ツバサさん!他の道を見て来ましたがダメです!他も暴れている人々で埋め尽くされています!」
ツバサ「そう、ありがとう」
兵士1「なんなんでしょうね……ほんと」
ツバサ「さぁ……」
ツバサ「ただ分かるのはこれは明らかに自然の減少ではない」
ツバサ「この状況を作り出してる何者か――おそらく都市や群衆と言った広範囲に影響を与えられる術者がいるわね」
ツバサ(軽く調べてみたところ、私が今立っている場所には一枚の見えない壁のようなものが存在する)
ツバサ(壁、結界、境界線、呼び方はなんでもいいけど、とにかく街と外を明確に区切るラインがあるのは確か)
ツバサ(そのラインから外には中の音は一切漏れないし、暴動を起こしてる群衆も出てくることはない)
タッ
兵士1「あっ!ツバサさん!無闇に近づいては――」
ツバサ「大丈夫よ、何回か出たり入ったりしたけど体に異常はなさそうだし」
ツバサ「たぶん元の住民限定か、集団単位でかかる術なんじゃないかしら」
兵士1「ですが……」
スッ
ツバサ(こうやってラインの向こうに手を伸ばすと明らかに外と空気が違うのが分かる)
ツバサ(ムシムシとした人の熱気、かき乱される空気のざわめき、それらが手を通して伝わってくる)
ツバサ「ふむ……」
ツバサ「ま、とりあえず定期連絡」
ツバサ(私は手を引っ込めると指をこめかみに当てて念話を飛ばす)
ツバサ(浮遊塔……へは兵士の誰かが連絡してるかもしれないし、先にてんこたちでいいか)
キィーーンッ
ツバサ(てんこー!ここピョーン!聞こえるー?)
ピッ
てんこ『……ザザッ……は、はい!』
ツバサ(てんこ、神戸まで来たわ、そっちはどこまで行ってる?)
てんこ『はい、こっちは聖杯戦争の予選である屋台の売上勝負が終わったところかな』
てんこ『トラ子さんのおかげで難なく勝ちあがれたよ、ここピョンもがんばってくれたしね』
てんこ『これから残った2組で>>』
7
:
◆WsBxU38iK2
:2019/04/30(火) 01:43:54 ID:sNQm8kGc
安価↓
8
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/04/30(火) 01:46:43 ID:QYA0EWak
元の世界に一緒に戻る
9
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/01(水) 02:53:33 ID:qfIwXn9M
てんこ『これから残った二組で元の世界に一緒に戻るみたいだよ』
ツバサ(戻る?戻れるの?)
てんこ『うん、私も初め聞いたときは驚いたんだけど、聖杯戦争の最後の戦いは別世界で行われるんだって』
てんこ『それでその別世界の情報を探ったんだけど、それが元の世界――母さんたちのいる世界に酷似してるの』
ツバサ(ほう)
てんこ『歴史の流れや生活レベルや世界情勢、そこまでなら似た平行世界は多くあると思う』
てんこ『ただムスペルヘイムの侵攻や、それに対する母さんたちの戦いまで情報が出てきてる』
てんこ『こんなの元の世界に違いない』
ツバサ(確かに……こんな盆と正月が一気に来る終末世界なんてそうそう無いものね)
兵士1「ツバサさん、塔への定期連絡ですが――――」
ツバサ「ああ、とりあえずヤバイって言っといて」
兵士1「ヤバイ……ですか?」
ツバサ「そう、後からもう少し詳しい状況が分かり次第追って連絡するから」
兵士1「分かりました!」
スッ
ツバサ(……それでてんこ、つまり聖杯戦争のラストバトルがこっちの世界で行われるってことよね)
てんこ『うん』
てんこ『私たちを含めた最終候補二組のマスターとサーヴァントが転送されると当時に、そちらの世界に聖杯が出現する』
てんこ『そこで先に聖杯を手に入れた方の勝利というルールらしいよ』
ツバサ(また分かりやすいルールね)
てんこ『私たちの転送場所は座標対応している神戸の街、聖杯が出現する場所は
>>10
』
10
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/01(水) 07:19:14 ID:7LmrZcLI
富士山
11
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/02(木) 03:52:28 ID:rdF3wdEw
てんこ『富士山』
ツバサ(富士山って……あの富士山?)
てんこ『うん、あの静岡と山梨の間にあるあの富士山』
てんこ『富士山の頂上に現れた聖杯をどっちが先に奪い合うかで聖杯戦争の勝者が決まる』
ツバサ(なるほど……)
ツバサ(しかし神戸から富士山までとなるとかなりの距離があるわねぇ)
ツバサ(サーヴァントのクラス次第で結構有利不利がありそうだけど、そこらへんはどうなの?)
てんこ『ライダーは途中で落ちたからそこまでの差はつかないと思う』
てんこ『まぁ相手側に移動系の宝具がないとは限らないけど……それでも私とここトラさんなら戦えるはず』
てんこ『サーヴァントは持ってないけどここピョンとも一緒だしね』
てんこ『……っと、そろそろ時間みたいだから念話切るね』
ツバサ(分かった、タイミングが合えば私もできるかぎりサポートするわ)
てんこ『うん、元の世界に戻れる時点で願いは叶うけど、それでももう一人のマスターに聖杯を取られるわけにはいかない』
てんこ『あいつに取られたらただでさえ大変な状況が――――』
ブツッ
ツバサ「……てんこ?……切れたみたいね」
スッ
ツバサ(念話を飛ばし直しても繋がる様子はない)
ツバサ(向こうで転送の儀式か何かが始まったのかしら)
タタッ
兵士1「ツバサさん、塔への連絡が済みました、そして……」
ツバサ「そして?」
兵士1「暴れていた群衆たちが、段々落ち着きを取り戻していっています」
ツバサ「え?あぁ本当ね」
ザワザワ ザワザワ
ツバサ(再び群衆の方を見ると、いつの間にか道路を埋め尽くしていた群衆は正気を取り戻していた)
ツバサ(それぞれ混乱を残した様子を見せながらも、少しずつ街の方へ戻っていっている)
兵士1「加えて別の場所を偵察していた兵士が謎の集中豪雨を目撃したとの報告が」
ツバサ「豪雨?」
兵士1「豪雨は海沿いにある赤いタワーを中心としていて、タワーの上に人影を見たとも報告しています」
ツバサ「タワーの上の人影……か」
ツバサ(そんな怪しいのはこの事態を招いた人物、もしくは先に神戸にいる希さんたち以外には有り得ない)
ツバサ(とりあえずタワーに行ってみるのが良さそうね)
バッ!
ツバサ「みんな!安全を確保しながらタワーへと向かうわよ!」
ツバサ「ここからタワーまでの道のりで群衆以外に不審なものはある?」
兵士1「はっ!
>>12
」
12
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/02(木) 07:47:23 ID:l/n2JGy6
富士山
13
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/02(木) 23:01:52 ID:rdF3wdEw
兵士1「特に今のところ見当たるものはな――――」
ドドドドドドドドドドドドッ!!!!
兵士1「っ!?」
兵士2「なっ……!?」
兵士1「い、いえっ!とてつもない振動と共に地面が割れて……!何か巨大なものがせり上がってきます!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!
ツバサ「そんな……バカなこと……!」
ツバサ(咄嗟に口で否定しても、目の前で起きているこの光景は紛れもない現実)
ツバサ(さっきまで群衆で埋め尽くされていた神戸の街のアスファルトが割れ、その下の地面が激しく隆起)
ツバサ(ちょうど見えない熱狂の壁があったラインを境にどんどん高くなっていく)
ドドドドドドドドドドドドッ!!
兵士1「退避!退避!街へ偵察に踏み込んだ兵は全員街の外へ退避だ!」
兵士2「各班まとまって行動しろ!」
ツバサ(兵士たちが激しい揺れの中通信機に向かって叫ぶ)
ツバサ(その間も目の前の地面の隆起は止まることを知らない)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!
ツバサ(その地面の盛り上がりは最早山のようで……いや、もう山と呼ぶしかないほどに巨大なものになったところで止まった)
ツバサ(山肌には分割された神戸の街がそのまま装飾のように貼り付けれている、街の人たちの安否は山の麓となったここからでは分からない)
ツバサ「……っ!」
ツバサ(1つだけ分かるのは、その山が日本人なら誰でも知っているシルエットに酷似しているということだけ)
兵士1「ツバサさん、これって……」
ツバサ「まさかとは思うけど、そう思うしかないんでしょうね……」ギリッ
ツバサ「これは間違いなく――――富士山よ」
ドンッ!!
ザザッ
てんこ『……かさん…母さん!聞こえる!?』
ツバサ(てんこ!?聞こえるわよ、これは一体どういうことなの!?)
ツバサ(あなたの話だと神戸からどっちが早く富士山にたどり着くか勝負って話だったのに、富士山が直接神戸に現れてるじゃない!)
ツバサ(それもこんな街と融合するような形で……!)
てんこ『ごめん、これは私も想定外』
てんこ『ただ……おそらくこの事態は私と共に転送されたもう一組のマスターとサーヴァントである
>>14
』
てんこ『あの二人の仕業に違いない』
14
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/02(木) 23:26:09 ID:kVgo3a2c
士郎とギルガメッシュ
15
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/03(金) 02:34:58 ID:PqSdYhKM
てんこ『士郎とギルガメッシュの仕業に違いない』
ツバサ(士郎と……ギルガメッシュ……)
ツバサ(後者のサーヴァントの方は知ってるわ、有名な名前よね)
てんこ『うん、かの英雄王ギルガメッシュ』
てんこ『過去に開催された他の聖杯戦争にも何度か参加したことがあるみたい』
てんこ『ギルガメッシュの宝具には王の財宝――ゲートオブバビロンっていう宝具の倉庫みたいなのがあって』
てんこ『たぶんこの富士山はその中の何かの宝具の力で生みだされた可能性が高い』
ツバサ(富士山を作るなんて無茶苦茶な……どんな宝具なのかしら)
てんこ『さぁ……けれどギルガメッシュならやりかねないって凄みはあるよ』
ツバサ(ふむ……)
てんこ『逆にマスターの士郎のほうは特に変哲のない普通の高校生』
てんこ『見た感じ……というか冬木で育った私の記憶を参考にしても魔術師として何かしていた痕跡は見られない』
てんこ『強いて言うなら屋台勝ち抜き戦の時の料理がすごく美味しそうだった……くらいかな』
ツバサ(その2人がここまでして聖杯を欲しがっている……いったい何を望むのかしら)
ツバサ(てんこ、あなたは2人に聖杯を取られるわけにはいかないって言ってたけど、事情を知ってるの?)
てんこ『……うん、あの2人の願いは
>>16
』
16
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/03(金) 03:38:01 ID:/1ZPCvz6
忘れられし都アルハザードを目指す
17
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/04(土) 03:06:42 ID:8MUuL2mo
てんこ『忘れられし都アルハザードを目指すこと、それを聖杯に願うつもりだよ』
てんこ『アルハザードってのが何なのかは分からないけど、そこへ行こうと考えてるのは間違いない』
ツバサ「分かった、とりあえず合流しましょう、念話越しだと色々不便だし」
ツバサ「てんこのほうから見える目印を教えてちょうだい」
てんこ『うん、こっちから見えるのはタワーと海と――――』
・
・
・
──神戸富士山・陸側斜面中腹
ザッ
ギルガメッシュ「貴様、何者だ……?」
吸血鬼穂乃果「いきなり現れて無礼な金ピカね、名乗るならそっちが先じゃないかしら」
吸血鬼穂乃果「脳天を地面にこすりつけて懇切丁寧にお願いしてみなさいよ、そしたら教えてあげないこともないわよ」
ギルガメッシュ「くっ……はははははははははははは!」
吸血鬼穂乃果「ふんっ……」
吸血鬼穂乃果(突然出会ったこの金ピカ鎧の不審者も怪しいけど、この街自体にもっとおかしなことが起こっているわね)
吸血鬼穂乃果(いきなりひび割れ山のように高く隆起した地面)
吸血鬼穂乃果(おそらく神戸全体が丸ごと下から何かに持ち上げられたんでしょうけど……)
吸血鬼穂乃果(温泉というものに入って療養し、騒ぎに気付いて外に出て、チーム分けで英玲奈とペアになり、手分けして異変の原因を調査していた――)
吸血鬼穂乃果(あの神戸の街とは風景があまりにも変わりすぎている)
ヒュゥゥゥゥゥゥゥッ
吸血鬼穂乃果(今私がいるのは、私たちが休んでいた温泉のある山を余裕で見下ろせる場所)
吸血鬼穂乃果(地上と違う酸素の薄さ、肌で感じる気圧の変化から考えてもかなりの高度にいることは間違いない)
吸血鬼穂乃果「はぁ……」
吸血鬼穂乃果(希にはポートタワーとやらに集合と言われたけど、タワーがある海側は山の反対側)
吸血鬼穂乃果(さてどうしたものかと英玲奈と考えていたら……急に今高笑いしている金ピカの不審者と出くわしたわけ)
吸血鬼穂乃果(こんなの現代にいるはずがないし、ムスペルか使徒かあるいは別の異能者か)
吸血鬼穂乃果(とにかく味方陣営ではない面倒な相手なのでしょう)
18
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/04(土) 03:07:05 ID:8MUuL2mo
ギルガメッシュ「はははははははははは……はぁー、いや、突然驚かせてしまったな」
ギルガメッシュ「貴様があまりに滑稽すぎてつい笑いを堪えきれなかったのだよ」
吸血鬼穂乃果「滑稽……?」ピキッ
ギルガメッシュ「これだけやる気の我(オレ)を目の前にしてそんな態度が取れるのだ」
ギルガメッシュ「よほど無知で蒙昧で危機感のない雑種に違いない」
吸血鬼穂乃果「…………」
ギルガメッシュ「なーに、今の我は気分が良い」
ギルガメッシュ「無様に逃げ出すというのなら追わぬし、相手との実力差も測れぬバカなら一撃のうちに葬り去ってやろう」
ギルガメッシュ「さぁ、好きに選ぶ良い」
英玲奈「きゅ、吸血鬼穂乃果――」
吸血鬼穂乃果「しっ!貴方はその岩影に隠れてなさい!」
英玲奈「……っ!」ビクッ!
吸血鬼穂乃果(金ピカの気配を感じた瞬間に後方の遮蔽物に隠しておいた英玲奈を後手で静止させる)
吸血鬼穂乃果(悪いけどいきなりこの機械人形を戦闘に巻き込むわけにはいかない)
ギルガメッシュ「どうした?我の気はそう長くないぞ?」
吸血鬼穂乃果(全く……私が黙っていればいけしゃあしゃあと上から目線)
吸血鬼穂乃果(ただ厄介なのは、こいつに言うだけの実力が備わってること)
吸血鬼穂乃果(舞空術で得た気の察知能力が、吸血鬼としての本能が、何より胸の賢者の石が、ビンビン危険信号を発している)
吸血鬼穂乃果(……さて、こういう場合は
>>19
)
19
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/04(土) 06:18:24 ID:7h1yGWCQ
ねこだまし
20
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/05(日) 03:36:07 ID:uMlYgNO2
吸血鬼穂乃果(ねこだまし……!)
スッ
吸血鬼穂乃果「血の(ブラッディ)――」
ヒュッ!
ギルガメッシュ「……ん?」
吸血鬼穂乃果「発火(ファイア)!」
ボンッ!!!!
ギルガメッシュ「……っ!」
吸血鬼穂乃果(私が爪の先から飛ばした目に見えないほど小さな血の飛沫)
吸血鬼穂乃果(それを金ピカの目の前で破裂させた)
ギルガメッシュ「っ!小癪な!」
吸血鬼穂乃果「頭が回ると言いなさい」
ダッ!!
吸血鬼穂乃果(金ピカが微かに目を閉じた隙を見はからかい、私は反対方向へ走り出した)
吸血鬼穂乃果(これは逃亡じゃない、高貴なる戦略的撤退)
吸血鬼穂乃果(私の見立てでは賢者の石をフルで使えばそこそこ勝負にはなると思うけど……何というか、金ピカが本気を出した時の底が知れない)
シュシュシュッ!
吸血鬼穂乃果(ここは真正面からの戦いは避けるべき)
吸血鬼穂乃果「行くわよ」ガシッ
英玲奈「おおっ」
吸血鬼穂乃果(影に隠しておいた英玲奈の首根っこを走りながら掴み、更に斜面を遠くへ遠くへ)
吸血鬼穂乃果(陸側から海側に回り込むように走り続ける)
ザッ
士郎「……おい逃げていくぞ、いどうするんだ英雄王」
ギルガメッシュ「ふんっ、
>>21
」
21
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/05(日) 09:28:15 ID:1dNuY/.c
邪魔をしないのなら良い、それよりも警戒をしておけ
22
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/06(月) 03:43:17 ID:nMjc5F5g
ギルガメッシュ「邪魔をしないのなら良い、それよりも警戒をしておけ」
士郎「警戒?」
ギルガメッシュ「富士の山を引き寄せるまでは成功した」
ギルガメッシュ「だがここにもう一組の聖杯戦争参加者がいるのは変わっていない」
ギルガメッシュ「やつらは我と比較すれば矮小な存在だが……ここまで生き残った者たちでもある」
士郎「……ああ、分かってるよ、油断は禁物だ」
ギルガメッシュ「なら良い」
ギルガメッシュ「分かってるついでに聞くが、やつらがどこにいるのかも見当がついているよな?」
士郎「あ、ああ」
士郎「聖杯が出現するのはおそらく富士山の頂上」
士郎「今回の聖杯戦争最終決戦のルールだと、公平性を期すために転送位置は二組とも聖杯との距離が同じ場所に出るはず」
士郎「今俺たちのいる側の面にそれらしきやつらが見当たらないのなら……答えは一つだ」
士郎「やつらは山を挟んだ逆側の斜面、俺たちの反対側の同高度にいる、そうだろ?」
ギルガメッシュ「うむ」
ギルガメッシュ「順当にお互い聖杯を目指せば頂上付近で当たることになるはずだ」
士郎「どう攻める、全速力で直線距離を攻めるか?」
ギルガメッシュ「そうだな、
>>23
」
23
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/06(月) 07:42:17 ID:eUW4j6eo
余裕を持って攻める
24
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/07(火) 01:48:14 ID:zduvIw3I
ギルガメッシュ「油断はできないが焦る必要もない」
ギルガメッシュ「ここまで来れば聖杯は我が手にあるも同然、余裕を持って攻めるのが王にふさわしい」
士郎「警戒しつつ余裕を持って……ねぇ」
士郎「ま、難しい話だが善処はしてみるよ」
士郎「俺はなんとしても……アルハザードに行かなきゃならないからな」
・
・
・
タタタタタタタタッ!
吸血鬼穂乃果「……っ」
英玲奈「おい!吸血鬼穂乃果離せ!自分で走れる!」
吸血鬼穂乃果「うるさいわね黙ってなさい!私が引きずって走ったほうが速いの!」
英玲奈「ぐ……これはこれで息が詰まるのだが……」
ピピピピッ
英玲奈「お?通信だ」
吸血鬼穂乃果「出なさい、私は周りを警戒しながら走ってるから」
英玲奈「はいはい」ピッ
英玲奈「もしもし……希か?」
希『英玲奈さん無事?生きてる?』
英玲奈「無事と言えば無事……かな、吸血鬼穂乃果も無事だ」
希『良かった、別の穂乃果3人組チームにも連絡繋がったしこれで全員の無事が確認できたわ』
希『今はどこに?』
英玲奈「急に山みたいに盛り上がった地面……お前たちの方から見えるだろう?それの中腹あたりだ」
英玲奈「主に陸が見える西側から海が見える東側へ向かってる最中だな」
英玲奈「本来なら集合場所のタワーまで直線距離はそこまで無かったがドデカイ遮蔽物ができたせいで迂回する必要ができてしまった」
希『せやね、こっちからでもドデカイ山……富士山級の山が神戸の下から生えたのが見えた』
希『ギリギリうちらのいるポートタワーは街の破壊に巻き込まれなかったけど、地盤が斜めになって危うく天辺からずり落ちるところだったよ』
英玲奈「そうか、今は山の南側を迂回する形でそのポートタワーへと走っている」
吸血鬼穂乃果「走ってるのは私だけどね」
タタタタタタタタッ! ダンッ!
英玲奈「それでだな……一つ報告があるんだが、山の西側で謎の金ピカ鎧の男と高校生くらいの少年の2人組に出会った」
希『2人組?』
英玲奈「2人共一般人とはかけ離れた空気を纏っていた、特に金ピカのほうはかなりやばい」
英玲奈「この地形変化の件、ムスペルは何か絡んでいるのか?」
希『あーそれねぇ……うちも気になってムスペル、今捕虜にしてるのは熱狂ムスペルって言うんやけど、そいつに聞いてみたわけよ』
希『そしたら熱狂ムスペルがうちらに情報流してること気づかれへんようにこっそり上司に連絡取ってくれた』
英玲奈「かなり従順なんだな」
希『せやろ?良い子なんや』
熱狂ムスペル『あんたがカイカンドール持ってる限り逆らえないのよー!!』
希『それで熱狂ムスペルの上司、中間管理職が言うには、
>>25
』
25
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/07(火) 02:37:32 ID:meSIYSWQ
こちらは手を出していないが、大規模な時空の歪みを観測した
26
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/08(水) 02:02:03 ID:S4zxoWqU
希『こちらは手を出していないが、大規模な時空の歪みを観測したって返事が来た』
希『どうやらムスペルはこの件には関わってないらしいな』
希『熱狂ムスペルも山がドカンと出現した時は大口開けて驚いてたわ』
英玲奈「ふむ、時空の歪みが観測されということは……別次元が関係している?使徒か?」
希『うちは直接見てないから何も言えないけど、ムスペルよりは可能性が高いと思う』
希『それでその2人組からは攻撃されたりしたん?』
英玲奈「される前に逃げてきた」
吸血鬼穂乃果「高貴なる戦略的撤退と言いなさい」
タタタタタタタタッ
英玲奈「今のところ追ってくる様子は見えないから撤退は成功したと言っていい」
英玲奈「とりあえず一刻も早い合流を…………ん?」
希『どうしたん?』
英玲奈「吸血鬼穂乃果っ!」
吸血鬼穂乃果「分かってる、進行方向の先に人がいるわね」
吸血鬼穂乃果「先頭に1人、それに続いて10人くらい、後ろは隊列をなして周りを警戒しながら登山してる」
吸血鬼穂乃果「んー?あの先頭のやつ、貴方たちと同じ戦闘服着てるけど……もしかしてお仲間?」
英玲奈「……ツバサ!?ああそうだ!あれは私の仲間のツバサだ!」
吸血鬼穂乃果「ふ〜ん」
吸血鬼穂乃果(仲間なら問題ないわね、あそこまで行きましょう)
タタタタッ
英玲奈「おーい!ツバサー!」
ツバサ「……英玲奈!?」
ツバサ「……と誰?」
ザッ
吸血鬼穂乃果「っ!失礼なやつね、よく聞きなさい!私の名は吸血鬼――」
英玲奈「ツバサ!お前はこの状況について何か知っているか?」
ツバサ「ええ、実はてんこたちが飛ばされた世界で――――」
吸血鬼穂乃果「ねぇ、人の話聞きなさいよ……」
・
・
・
ツバサ(英玲奈、それから吸血鬼穂乃果と出会った私は聖杯戦争についての事情を説明した)
ツバサ(ちょうど英玲奈と希が通話中だったのも都合が良かった)
ツバサ(私は希側にいるメンバー含めて全体に状況を話しながら、2人を連れて山の東側の斜面へと向かっていく)
ザッ ザッ
ツバサ「……あそこね!」
ツバサ(教えられていたてんこたちとの合流場所、そこへ私たちが着くと
>>27
)
27
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/08(水) 05:22:04 ID:NvcIX/oA
誰もいない
28
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/09(木) 04:10:11 ID:Jg5fsBwg
・
・
・
ザッ
ツバサ「誰も……いない?」
英玲奈「どういうことだ、この場所でてんこたちと合流する手はずだったのでは?」
ツバサ「そのはず……なんだけど」
ツバサ(てんこに指定された目印のある場所に着たのは良いものの、周囲には誰もいない)
ツバサ(念話していたてんこも、一緒にいるはずのここピョンも、サーヴァントのトラ子の姿も見えない)
ツバサ「おかしいわね、ちょっと念話してみるから待ってて」
スッ
ツバサ(……てんこ!てんこ!聞こえる?今どこにいるの!?)
シーン
ツバサ「……ダメね、返事がない」
英玲奈「どうする?ここにいないのなら選択肢としては待つか探すかだが……」
ツバサ「そうね、どちらにしても時間がかかるのは確か」
ツバサ「悪いけど希たちには私たち以外のメンバーが揃った時点で京都に向かってもらいましょう」
ツバサ「こっちの都合、聖杯戦争の話で本筋の作戦を遅らせるわけにはいかないわ」
ツバサ「英玲奈たちも――――」
英玲奈「いや、そういうことなら私はツバサ側に残るよ、ツバサやてんこたちのことは心配だし人手は多いほうがいいだろ?」
ツバサ「英玲奈……!ありがとう」
英玲奈「構わんさ、なぁ吸血鬼穂乃果」
吸血鬼穂乃果「私は特に何も言ってないけどね……」
英玲奈「良いだろう?あの偉そうな金ピカに反撃してやるチャンスがあるかもしれない」
吸血鬼穂乃果「はいはい」
ツバサ「じゃあ英玲奈は希に連絡お願い、私はてんこたちの手がかり探してみる」
英玲奈「了解した」ピッ
29
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/09(木) 04:10:26 ID:Jg5fsBwg
ザッ
ツバサ(……さて、そうは言ったものの手がかりねぇ)
ツバサ(良い?落ち着いて考えるのよツバサ)
ツバサ(ここに居ないということは移動する必要があったということ)
ツバサ(尚かつ『私を待つ』ことを中止しても優先するべき事柄だった)
ツバサ(あの子たちの行動目的として優先度が高いのは聖杯戦争……つまり聖杯関係で何かあった可能性が高い)
ツバサ(今すぐ聖杯を手に入れるため動かざるを得ない事情ができたか、それとも敵に見つかって逃げざるを得なかったか)
ツバサ(何にしろ私に計画変更の連絡をよこせないほど緊急のことだったのだろう)
ツバサ(その手がかりが何か残ってるはず)
ツバサ「ここは……アレを使うか」
スッ
ツバサ『大賢者』キュインッ
▼『はい、状況は把握しています』
ツバサ『私の全知覚能力をフルに使ってもらって構わない、この周囲に何かてんこたちの手がかりがあるか調べてちょうだい』
▼『了解しました』
ピピピピピピピピッ
ピッ
▼『解析完了、
>>30
』
30
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/09(木) 05:53:28 ID:xESoKIio
痕跡はありません
31
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/10(金) 02:47:10 ID:JC3ogk42
▼『解析完了、痕跡はありません』
ツバサ『無い?どういうこと?』
▼『そのままの意味です、この場所にはてんこ様並びに同行者の痕跡は残っていません』
▼『指紋や足跡などの現場に加えられた形跡は発見できませんし、頭髪や体液などの体組織も抽出できません』
▼『少なくともここ数時間は、この場所に人が立ち入ったことはなく、人が立ち去ったこともないでしょう』
ツバサ『待って、じゃあここには最初から誰もいなかったってこと?』
▼『あくまで状況証拠からの推測なので正確とは限りませんが、98%以上の確率で人はいなかったと解が出せます』
ツバサ『そんな……』
ツバサ(信じられないけど大賢者のスキルが出した答えなら本当なのだろう)
ツバサ(でも、だとしたら、私が会話していたてんこは何だったの……?)
ツバサ(私は念話でてんこと話して、確かにこの場所にいると本人の口から聞いた)
ツバサ(周囲の建物や遠くのランドマークとの位置関係を確認しても、てんこが指定した地点と相違ない)
ツバサ(そのはず……なのに……)
グッ
ツバサ(“いる”はずの場所に“いない”)
ツバサ(そんなことがあり得るとしたら――――)
タタッ
英玲奈「ツバサ、希へお前の言ったように伝えたぞ……ん?考え込んでどうかしたか?」
ツバサ「……英玲奈、確か希からの情報でこういう話が出てたわよね」
ツバサ「大規模な時空の歪みを観測した……って」
英玲奈「あ、ああ、ムスペル由来の情報だが」
ツバサ「私は単に聖杯の召喚と参加者の転送のことを言ってるのだと思ってた」
ツバサ「けれど、もしこの世界にあるはずのない聖杯と、敵サーヴァントによって生み出された歪んだ神戸富士という地形」
ツバサ「この2つによって歪みが現在進行形で続いてるのだとしたら?」
英玲奈「まさか、てんこたちとは時空間の歪みでバラバラになってしまったということか……?」
ツバサ「ええ」コクンッ
ツバサ「てんこたちが動いたわけでも、私たちが場所を間違ったわけでもない」
ツバサ「私たちは神戸富士における別時空の同座標にいるんじゃないかしら」
英玲奈「……!」
ツバサ(確証はない)
ツバサ(ただ、こう考える他に説明がつかないのよ)
吸血鬼穂乃果「ま、仮にその説が当たったとすると私たちも危ないわね」
吸血鬼穂乃果「ただ歩いてるだけで別時空に迷い込んでしまう歪みの山、このまま捜索を続けたら遭難者が続出するんじゃない?」
吸血鬼穂乃果「こうして話してる間に1人また1人と消えていく可能性だってある」
吸血鬼穂乃果「続けるか、山を降りるか、続けるとしたら何か策はあるのか……」
吸血鬼穂乃果「ツバサ、貴方はどうするの?」
ツバサ「……そうね、
>>32
」
32
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/10(金) 06:05:15 ID:yhz6z6gM
策は無いけどなんとかなるでしょ!
33
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/11(土) 01:41:27 ID:8UXZnBks
ツバサ「策は無いけどなんとかなるでしょ!」
吸血鬼穂乃果「はぁ……気楽なものねぇ、本当に大丈夫かしら」
英玲奈「ツバサが言い切るのなら大丈夫だな、私は着いていくよ」
ツバサ「ありがとう英玲奈」
ツバサ「ただ吸血鬼穂乃果が言う通り二重遭難の可能性もある」
ツバサ「兵隊たちはここで山から下ろしましょう」
兵士1「で、ですがっ!」
ツバサ「命令よ、聖杯関連が落ち着いて私たちが戻ってくるまで山に入らないこと」
ツバサ「その間に神戸富士周辺の被害と状況をまとめて塔に送っていて」
兵士1「……は、はい!了解しました!」
兵士たち「はっ!」
ザッ!!
ザッ ザッ ザッ
ツバサ(兵士たちは渋々といった様子を見せながら下山していく)
英玲奈「良いのか?」
ツバサ「あの人たちには悪いけどここからは少数で行ったほうがいい」
ツバサ「お互いがいることを確認しつつ誰かが消えたらすぐに報告よ」
英玲奈「分かった」
吸血鬼穂乃果「はいはい」
ツバサ「じゃ、早速移動よ」
ザッ
ツバサ「てんこたちと別時空にいる以上、ここで待っていても会うことはできない」
ツバサ「だったらてんこたちが目指すである場所を私たちも目指すだけ」
ツバサ「そこならもしかしたら会えるかもしれない」
英玲奈「ああ」
ツバサ「目指すのは――聖杯のある神戸富士の頂上よ!」
─────────────────
神戸市〜神戸富士
PM6:20〜6:40 新終末編・焔『219』了
34
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/11(土) 01:42:41 ID:8UXZnBks
というわけでここまで
一区切り
元号を跨いだ新スレもゆったりとやっていきます
新終末編・焔『220』に続く
かもしれない
35
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/11(土) 10:30:18 ID:uqW/R3Nw
おつ
36
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/11(土) 17:07:20 ID:X27B44mw
令和乙
37
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/12(日) 00:09:33 ID:2gMuHD3Q
新終末編・焔『220』
─────────────────
──神戸富士・山頂付近
PM6:50
ツバサ(山の中腹辺りから山頂を目指して体感10分ほど)
ザッ タタタタタタタタッ タンッ!
ツバサ「大丈夫?はぐれず付いてこれてる?」
英玲奈「ああっ」
吸血鬼穂乃果「当然よ、誰に言ってるわけ?」
ツバサ(都合が良いことに私たちはスライム人間、アンドロイド、吸血鬼と全員が普通の人間じゃない)
ツバサ(その身体能力を活かし、普通の人間たちが通れない最短の登山ルートを最速で登っていく)
ヒュンッ! ヒュンッ!
ツバサ(さらに私の中の大賢者を使い――――)
ピピッ
▼『そこを右です』
ツバサ「了解っ」
ツバサ(常に最適なルートを解析、選択していく)
タタタタタタタタッ
英玲奈「山頂が見えてきたな、思ったより標高が低いのか?」
ツバサ「いや……麓から見た時は本物の富士山並みの高さはあったわ」
ツバサ「山に入ってからの移動距離と体感時間が合わないのは山全体を取り巻く時空間の歪みのせいだと考えられる」
ツバサ「何はともかくもう山頂付近よ、2人とも……油断しないで」
タタッ
ツバサ(警戒のため速度を落として辺りの様子を伺う)
ツバサ「ふむ……」
ツバサ(聖杯があるであろう山頂の様子は
>>38
)
38
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/12(日) 05:42:20 ID:nkKmqKgE
まぶしく輝いている
39
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/13(月) 03:39:41 ID:DFGMoMVM
ツバサ(山頂の様子は……まぶしく輝いているわね)
パァーーーーーーーーッ
ツバサ(この時間、本格的に暗くなってきた山道でそれはかなり目立つ光景)
ツバサ(この光り方だと遠くから見ても山頂が輝いているのがはっきり分かるはず)
ツバサ(けど、私が山の外から見た時はこんな光は見えなかった)
ツバサ(てんこたちの転送と同時に聖杯が召喚されてたのなら、あの時から山頂に光が見えてたはず)
ツバサ(それが近付いてやっと見えるということは……やっぱり周囲の時空が歪んでいるかしら?)
タタタッ
英玲奈「これが……聖杯の光なのか?」
ツバサ「おそらくね、こんなの明らかに自然の光じゃないもの」
ツバサ『大賢者、光の性質は?』
▼『解析――光自体に特殊な影響や有害な効果は含まれてません』
▼『しかし光源については情報不足、もっと接近する必要があります』
ツバサ「おっけー」
タタッ
ツバサ(光は山頂一帯を照らしていて近付けば近づくほど強くなる)
ツバサ(なるべく岩などの影から影へ、身を隠すようにしての移動を心がけ、前へ前へと進んでいく)
ツバサ(ここは神戸富士山頂、聖杯を奪い合う聖杯戦争最後の舞台)
ツバサ(てんこたちやもう一組の参加者が戦っていてもおかしくはない……)
ツバサ「吸血鬼穂乃果、あなたの見た金ピカの鎧のサーヴァントの姿は見える?」
吸血鬼穂乃果「私が?いやいや、いくら視力が良くても眩しいのは同じ……ああ、気で察知しろってことね」
ツバサ「そういうこと」
吸血鬼穂乃果「分かったわよ」
吸血鬼穂乃果「あの金ピカの発するムカつく気はしっかりと覚えてる、近くにいれば嫌でも分かるわ」
スッ
吸血鬼穂乃果「えーと……今この近くには
>>40
」
40
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/13(月) 05:25:25 ID:SVsfmhoo
複数の気を感じる
41
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/14(火) 03:32:16 ID:B1XmUSE2
吸血鬼穂乃果「今この近くには複数の気を感じるね」
ツバサ「……ほんと?」
吸血鬼穂乃果「ええ、金ピカ含めて数名が確かにこの先にいる」
吸血鬼穂乃果「それに気は一箇所に固まってるわけじゃなくて何箇所かに分かれているわね」
英玲奈「既に戦っているということか?」
吸血鬼穂乃果「そこまではまだ判別が付かないわ、ただそれぞれが別の動きをしているのは間違いない」
英玲奈「別の動き……」
吸血鬼穂乃果「この中で金ピカの気は…………あった!分かりやすい嫌味な波動がとめどなく溢れてるわ」
吸血鬼穂乃果「金ピカは何かに対して移動しながら遠距離攻撃を仕掛けてるようね」
吸血鬼穂乃果「攻撃地点はあそこ、次がこっちのほうで、更に次が……………えっ!?」
英玲奈「どうした?」
吸血鬼穂乃果「2人とも!今すぐここから離れなさ――――」
ドゴォォォォォォォォォォンッ!!!!
ツバサ「……!」
英玲奈「ぐっ……!」
ツバサ(吸血鬼穂乃が忠告をした瞬間、強い衝撃と共に、私たちが身を潜めていた岩が吹き飛んだ)
ツバサ(当然その後ろにいた私たちも吹き飛び、放物線を描きながら10メートルほど後方の地面に落下、ゴロゴロと転がる)
ザザザザザザッ
バッ!
吸血鬼穂乃果「何するのよっ!」
ツバサ(唯一無様に転がらず受け身を取った吸血鬼穂乃果はすぐ立ち上がり、光の向こうの攻撃の主に対して文句を言う)
ギルガメッシュ「やっと当たり……ってなんだお前か、紛らわしいことをするるんじゃない」
吸血鬼穂乃果「なんだはこちらの台詞なんだけど……?」ピキッ
吸血鬼穂乃果「ボコスカ数を打ちまくってぜんっぜん高貴じゃない、自分の獲物の確認する目はついてないわけ」
ギルガメッシュ「ふんっ」
ギルガメッシュ「お前たちもここに来たということは聖杯狙いなのか……まぁ良い」
ギルガメッシュ「今の我が優先するべき目標は
>>42
」
42
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/14(火) 05:25:15 ID:yEMu4vh.
敵の排除
43
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/15(水) 02:46:08 ID:FGBb2E/M
ギルガメッシュ「優先するべき目標は敵の排除だ」
吸血鬼穂乃果「敵……?」
ギルガメッシュ「分からないのか?そこら中にいるだろう――――」
ドロロロッ
ギルガメッシュ「紛い物の泥人形共が!」バッ!
吸血鬼穂乃果「……っ!」
ドドドドドドドドドドドドドドッ!!
ツバサ(金ピカ鎧が握っていた剣を振ると、飛んだ斬撃が周囲の岩と地面を砕いていた)
ボンッ! ゴロゴロゴロッ
ツバサ(そうして吹き飛んだ岩の破片は地面に倒れてる私と英玲奈のところまで転がってくる)
英玲奈「やつめ……なにを……?」ググッ
ツバサ「いや、よく見て英玲奈、砕かれた岩の欠片の表面……何か泥みたいなものが付着していて――」
ドリュリュリュッ!
ツバサ「動いた!?」
ツバサ(沸騰したように泡立った泥はその姿を尖った黒い槍のように変え、私の顔面に襲いかかってきた)
ツバサ「っ!」
ニュルルッ!
ツバサ(私は槍が頭を打ち抜く寸前にスライム化、槍の通り道ができるように頭の形を変えてやり過ごす)
シュッ!!
ツバサ「……ぶなっ!?」
吸血鬼穂乃果「はっ!」シュンッ!
ザシュッ!!
ツバサ(直後、吸血鬼穂乃果が投擲してくれた血のナイフが黒い槍に突き刺さる)
ツバサ(黒い槍は動きをピタリと止めると体が乾いたように崩壊していき、やがて霧散した)
シュゥゥゥゥゥゥゥッ
ツバサ「あ、ありがとう吸血鬼穂乃果、感謝するわ」
44
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/15(水) 02:46:28 ID:FGBb2E/M
ツバサ(私は立ち上がりながら吸血鬼穂乃果へ礼を言う)
吸血鬼穂乃果「別に良いわよ、それよりあれは何?金ピカ、説明してくれるんでしょうね?」ジッ
ギルガメッシュ「その不躾な呼び名をやめろ、我にはギルガメッシュという名がある」
ツバサ「ギルガメッシュ……!あなたがサーヴァントのギルガメッシュだったのね」
ギルガメッシュ「……ほう、お前たちのような雑種でも我の名を知っているのか」
ギルガメッシュ「やはり聖杯戦争の関係者か、単に我の名前が広く届いているだけなのか……まぁ良い」
ギルガメッシュ「どうせ真名を知ったところでお前たちに覆されるほど弱体化した覚えはないしな」
ツバサ「……?」
ツバサ(ギルガメッシュは一人で納得したように首を振る)
吸血鬼穂乃果「で、私の質問は……?」
ギルガメッシュ「ああ、あの泥なら聖杯に近づいたら湧き出てきたものだ」
ギルガメッシュ「どのような役割を持つか分からないが、泥は地面や岩と同化して隠れている」
ギルガメッシュ「そして生物が近づくと英霊や宝具の形を模倣し、聖杯に近づくものに襲いかかってくるのだ」
ギルガメッシュ「ただ無闇に殴っても泥が分散して飛びたるだけ、倒すにはコアを破壊する必要がある」
ツバサ「コア……」
ツバサ(そうか、さっきのは岩に取り付いていた泥をギルガメッシュが攻撃、分裂した飛沫が私を襲おうとして吸血鬼穂乃果にコアを破壊された……ってことか)
ギルガメッシュ「しかしよくコアの位置を見抜いたな?」
吸血鬼穂乃果「高貴なる勘よ勘、なんとなく槍のあの部分が脆そうに見えただけ」
吸血鬼穂乃果(ま……たぶんこれも賢者の石のおかげでしょうけど)ボソッ
ギルガメッシュ「とにかく、我とマスターは泥人形を排除することで忙しい、お前たちの相手をしている暇はないんだ」スッ
ツバサ「……あ、待ってギルガメッシュ!」
ツバサ(振り返って歩き出したギルガメッシュを呼び止めると、ギルガメッシュは不機嫌そうな声と顔でこちらを向く)
ピタッ
ギルガメッシュ「……なんだ、まだ何かあるのか」
ツバサ「私の子供――あなたたちと一緒に最後に残ったマスターとサーヴァントはここに来てるの?見かけた?」
ギルガメッシュ「はぁ……やつらのことか、やつらなら
>>45
」
45
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/15(水) 05:56:03 ID:RcBmtTYo
パーティーに行った
46
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/16(木) 03:01:12 ID:Kh9uEFN.
ギルガメッシュ「やつらならパーティーに行った」
ツバサ「……は?パーティー?」
ギルガメッシュ「なんだその顔は、聞こえなかったのか?」
ツバサ「いや、聞こえたけど……」
ギルガメッシュ「やつらとはこの山頂で出会った、やつらとは聖杯を争う関係なのだから不思議はない」
ギルガメッシュ「だが対峙するかと思った直後、やつらはパーティーに誘われたと言って突然消えたんだ」
ツバサ「消えた!?」
ギルガメッシュ「そうだ、一つの痕跡すら残さず瞬く間にな」
ギルガメッシュ「第三者のお前たちなら何か知ってるのではないかと律儀に会話に付き合ってやったが……」
ツバサ「…………」
ギルガメッシュ「その様子だと時間の無駄だったようだな」
ギルガメッシュ「泥に食われたければそのまま呆けていろ、死にたくなければさっさと山を降りることだな」
ザッ
ギルガメッシュ「聖杯は――我が手にする!」
英玲奈「ギルガメッシュは行ってしまったな……ツバサ?」
ツバサ「……あ、ごめん、ちょっと考えてた」
ツバサ「パーティーって無スペルの言っていた京都でのパーティー、とその招待状と関係あるのかしら」
英玲奈「さぁ……分からんが今のところはそれくらいしか思いつかないな」
英玲奈「招待状はマザーたちが受け取ったらしいが、てんこたちのところにも別に届いていたとか」
ツバサ「だとしてもよ、京都には希たち、別世界穂乃果組含めて全部でえーと……9人が向かってるわけでしょう?」
ツバサ「私に散々聖杯を渡しちゃいけないって力説してたてんこたちが、聖杯を捨ててまで行くのかしら」
英玲奈「ふむ……」
ツバサ「単に希たちの動きを知らないだけなのか、何か私の知らない理由があるのか」
ツバサ「ギルガメッシュの目の前で忽然と消えたってのも気になるし……」
ツバサ(私と英玲奈がそうして立ち尽くしていると吸血鬼穂乃果が目の前までやってくる)
吸血鬼穂乃果「ま、色々思うとこはあるだろうけど喋ってるだけじゃ進まないわ」
吸血鬼穂乃果「あの金ピカの言う通り、この山頂で危険を冒して探索を続けるのか、帰って別の手段を探すのか」
吸血鬼穂乃果「私としてはあの気に食わない男に渡すくらいなら聖杯奪い取ってしまうのもアリだと思うけど……」
吸血鬼穂乃果「これからどうするの?この私が付き合ってあげてるんだからさっさと決めてちょうだい」
ツバサ「……そうね、
>>47
」
47
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/16(木) 03:01:22 ID:Kh9uEFN.
ギルガメッシュ「やつらならパーティーに行った」
ツバサ「……は?パーティー?」
ギルガメッシュ「なんだその顔は、聞こえなかったのか?」
ツバサ「いや、聞こえたけど……」
ギルガメッシュ「やつらとはこの山頂で出会った、やつらとは聖杯を争う関係なのだから不思議はない」
ギルガメッシュ「だが対峙するかと思った直後、やつらはパーティーに誘われたと言って突然消えたんだ」
ツバサ「消えた!?」
ギルガメッシュ「そうだ、一つの痕跡すら残さず瞬く間にな」
ギルガメッシュ「第三者のお前たちなら何か知ってるのではないかと律儀に会話に付き合ってやったが……」
ツバサ「…………」
ギルガメッシュ「その様子だと時間の無駄だったようだな」
ギルガメッシュ「泥に食われたければそのまま呆けていろ、死にたくなければさっさと山を降りることだな」
ザッ
ギルガメッシュ「聖杯は――我が手にする!」
英玲奈「ギルガメッシュは行ってしまったな……ツバサ?」
ツバサ「……あ、ごめん、ちょっと考えてた」
ツバサ「パーティーって無スペルの言っていた京都でのパーティー、とその招待状と関係あるのかしら」
英玲奈「さぁ……分からんが今のところはそれくらいしか思いつかないな」
英玲奈「招待状はマザーたちが受け取ったらしいが、てんこたちのところにも別に届いていたとか」
ツバサ「だとしてもよ、京都には希たち、別世界穂乃果組含めて全部でえーと……9人が向かってるわけでしょう?」
ツバサ「私に散々聖杯を渡しちゃいけないって力説してたてんこたちが、聖杯を捨ててまで行くのかしら」
英玲奈「ふむ……」
ツバサ「単に希たちの動きを知らないだけなのか、何か私の知らない理由があるのか」
ツバサ「ギルガメッシュの目の前で忽然と消えたってのも気になるし……」
ツバサ(私と英玲奈がそうして立ち尽くしていると吸血鬼穂乃果が目の前までやってくる)
吸血鬼穂乃果「ま、色々思うとこはあるだろうけど喋ってるだけじゃ進まないわ」
吸血鬼穂乃果「あの金ピカの言う通り、この山頂で危険を冒して探索を続けるのか、帰って別の手段を探すのか」
吸血鬼穂乃果「私としてはあの気に食わない男に渡すくらいなら聖杯奪い取ってしまうのもアリだと思うけど……」
吸血鬼穂乃果「これからどうするの?この私が付き合ってあげてるんだからさっさと決めてちょうだい」
ツバサ「……そうね、
>>47
」
48
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/16(木) 03:01:59 ID:Kh9uEFN.
二重になってしまった
安価
>>49
で
49
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/16(木) 05:08:49 ID:KwYJq/jM
聖杯を奪う
50
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/17(金) 04:08:18 ID:qq4pgSCs
ツバサ「聖杯を奪いましょう」
英玲奈「……!」
吸血鬼穂乃果「……へぇ」ニヤリ
ツバサ「あの子たちの現在地、あの子たちが何を考えて、何を思って行動してるのか……私には分からない」
ツバサ「ただ、1つだけ確かなことがある」
ツバサ「それはギルガメッシュに聖杯を渡してはいけないということ、アルハザードに行かせてはいけないということ」
ツバサ「そう言っていたてんこがここにいないのなら……私たちが意思を継ぐしかない」
ツバサ「ギルガメッシュより先に聖杯へ到達して手に入れるわよ!」
吸血鬼穂乃果「くくくっ……良いじゃない、そういう考えなしの無謀な作戦は嫌いじゃないわ」
ツバサ「ありがとう、でも考えなしは言い過ぎじゃない?」
ツバサ「私だって無い頭なりにちゃんと作戦考えてるもの、見くびってもらったら困るわ」
▼『私もついてますしね』
英玲奈「いやいや、ツバサが無い頭なら私はなんなんだ、ポンコツアンドロイド以下の何かじゃないか」
英玲奈「自分を無駄に卑下する必要はない、指示には従うぞ、存分に命令してくれ」
ツバサ「ええ、今考えてる作戦は英玲奈が重要なポジションになりそうだから頑張ってもらうわ」
英玲奈「ん?私が?」
ツバサ「うん、二人共聞いて」
ツバサ(私は二人に手で合図して近くに呼び、小声で作戦を話し始める)
ツバサ「現状での障害はギルガメッシュとマスターの士郎、それから聖杯を守るように湧き出す泥よ」
ツバサ「前者も強敵だけど、特に厄介なのは後者」
ツバサ「何処からでも湧いて英霊や宝具の形に変形する、あのギルガメッシュが手をこまねいている様子からして、単なる見た目だけのかかしではない」
ツバサ「中身まで模倣した質と、ほぼ無限に湧き出る量、その質と量の相乗効果が聖杯を手にする上で最大の障害となっている」
英玲奈「ふむ……」
吸血鬼穂乃果「そうねぇ」
ツバサ「その対策として、まず私は大賢者と捕食のユニークスキルを最大限に活用しようと思う」
ツバサ「進みながら泥を捕食して解析し、こちらも聖杯の泥のスキルを手に入れる」
英玲奈「目に目は目を、泥の群れには泥をってことか」
ツバサ「ええ、その通り」
ツバサ「吸血鬼穂乃果には不意に襲ってくる泥の排除を頼みたい」
ツバサ「賢者の石とあなたの身体能力なら、泥たちのコアを見抜いて破壊するのは容易でしょう?」
吸血鬼穂乃果「ふふっ……よく分かってるじゃない、この高貴なる私に任せるといいわ!」
ツバサ「そして英玲奈」
英玲奈「ああ」
ツバサ「私が解析、吸血鬼穂乃果が泥の襲撃への対応をしてる間、あなたは
>>51
」
51
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/17(金) 05:14:46 ID:Jo2X8U.k
時空管理局の対応
52
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/18(土) 03:50:06 ID:VaWP6fEg
ツバサ「あなたは時空管理局の対応をお願い」
ツバサ「たぶん英玲奈の創作の能力を現実化するスキルなら柔軟に対応できると思うから」
英玲奈「時空管理局……?」
ツバサ「ええ、これもてんこから聞いてた話なんだけどね」
ツバサ「大規模な時空間異常が発生すると時空管理局という組織が介入してくる可能性があるらしいのよ」
ツバサ「特に魔術や魔法と言った異能の行使が同時に確認されると目をつけられやすい」
ツバサ「それの時空移動技術を使った犯罪を取り締まるのが彼らの役目だから」
吸血鬼穂乃果「へ〜、あなたの娘そんなことも知ってるのね」
ツバサ「てんこも受け売りよ」
ツバサ「向こうで転送される前に、聖杯戦争を取り仕切る監視役の人から注意事項として聞いたんだって」
ツバサ「もし時空管理局に聖杯の存在がバレたら聖杯戦争は一旦中断されるって特例と一緒にね」
英玲奈「それは……不味いな」
ツバサ「ええ、ギルガメッシュが聖杯を手に入れられないのは喜ばしいことだけど、中途半端な形で中断されるのは不味い」
ツバサ「せっかくこっちの世界に戻ってこれたてんこたちが仕切り直しでまた戻される可能性だってある」
英玲奈「うむ」
ツバサ「ふぅ……」
ツバサ(説明を終えたとこで私は一息つく)
ツバサ「つまりこれから私たちのすることはこうよ」
ツバサ「襲ってくる泥を跳ね除け、時空管理局を牽制して、ギルガメッシュより先に聖杯を手に入れる」
ツバサ「そうして聖杯戦争を終わらせて神戸富士全体を包み込む時空間異常を終わらせる」
ツバサ「そうすることでやっとてんことここピョンを探しに行けるのよ……!」
英玲奈「……理解した、しかし時空管理局への対応か」
英玲奈「なら私はこの場合、
>>53
の力を使うのが正解かな」
53
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/18(土) 09:16:47 ID:/sESSjOI
ものまね
54
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/19(日) 01:17:48 ID:FLPwgsFw
英玲奈「ものまねの力を使うのが正解かな」
ツバサ「ものまね……?」
英玲奈「ああ、ツバサの前では見せたことなかったか?」
ツバサ「たぶんね」
ツバサ(ものまねでどう対応するのか全く予想がつかないけど、まぁ英玲奈ができると断言するならできるんでしょう)
ツバサ(ここは英玲奈を信じて……)
ツバサ「じゃあそれでお願い」
英玲奈「うむ」コクンッ
ツバサ「……って、吸血鬼穂乃果?」
ツバサ(英玲奈と顔を寄せ合い役割を確認してると、吸血鬼穂乃果はいつの間にか私たちと逆の方向を向いて立っていた)
ツバサ(吸血鬼穂乃果は私の視線に気付くと顔だけ振り向いてこちらを見る)
吸血鬼穂乃果「ん?話し合いは終わったみたいね」
ツバサ「え、ええ」
吸血鬼穂乃果「だったら高貴な身分の者として下々の貴方たちに1つアドバイス」
吸血鬼穂乃果「どんな時も常に周囲の気配には気を配ること――――」
ツバサ「え?」
吸血鬼穂乃果「ほら、お客様よ」
ドリュリュリュッ!
ツバサ「……泥人形っ!」
ツバサ(吸血鬼穂乃果の目の前の地面から漆黒の泥が立ち上がり、瞬時に鎧武者の形に変形した)
シュルルルッ!
ツバサ(全く気配がなかった、気付けなかった)
ツバサ(もし私と英玲奈のだけだったら間違いなく不意打ちをくらっていたでしょう)
55
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/19(日) 01:18:05 ID:FLPwgsFw
ツバサ(けど、ここには吸血鬼穂乃果がいる!)
泥の鎧武者『ッ!』ブンッ!!
吸血鬼穂乃果「血の――断絶!」
バシュンッ!!
泥の鎧武者「グッ……!」
吸血鬼穂乃果「甲冑でガチガチに固めてるわりには脆い体ねぇ」
吸血鬼穂乃果「こんなの隙を見せたら最後、腕の一本や二本簡単にちぎれとぶわよ」
ツバサ「吸血鬼穂乃果!」タタッ
吸血鬼穂乃果「こっちは大丈夫、それよりこれ受け取りなさい」
ポイッ
ツバサ「おっ」パシッ
ツバサ(そう言って吸血鬼穂乃果は泥の鎧武者から切り飛ばした腕を投げ、私がそれをキャッチした)
吸血鬼穂乃果「貴方の役割はこれの解析でしょ?目の前の泥鎧武者は私がしっかり始末しておくからさっさとなさい」
ツバサ「吸血鬼穂乃果……」
吸血鬼穂乃果「決められたからにはちゃんと役割をこなさないとね」バッ!
ツバサ「……ええ、そうね!」
ツバサ(戦闘の構えを取る吸血鬼穂乃果、私はその後ろでユニークスキルを発動させる)
ツバサ「行くわよ大賢者!捕食発動!」カッ!
ガシッ! シュルルルッ!
ツバサ(スライム化した私の体が漆黒の聖杯の泥の一部を中へ取り込んでいく)
ズブブブブブブッ
ゴクンッ
▼『――――聖杯の泥、解析、完了』
▼『新たにスキル、
>>56
を獲得しました』
56
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/19(日) 05:49:32 ID:otdw9jzs
再生能力
57
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/20(月) 04:08:32 ID:f1V2cj72
▼『新たにスキル、再生能力を獲得しました』
ツバサ「再生能力……?」
▼『はい、どんな傷を負ったとしても瞬時に組織が再生します』
▼『例え体組織の99%を失ったとしても1%が残っていればそこから復活は可能なほどです』
ツバサ「それは……すごいわね」
▼『同意』
▼『体全体を一度に焼きつくす範囲攻撃、体組織の性質を変換する攻撃、再生そのものを阻害する攻撃等は弱点ですが、それ以外の全ての攻撃には優位に立てます』
▼『傷ついた傍から再生が始まるので手数で負けるということもそうそう無いでしょう』
▼『さらに解析の結果、漆黒の泥から他の泥の攻撃パターンを8割方解析完了』
▼『これをツバサ様の変幻能力に応用すれば泥の攻撃に対し最適な形に変幻できるかと』
ツバサ「なるほど……よしっ」
ツバサ「吸血鬼穂乃果!」
吸血鬼穂乃果「ん?どうしたの?何か分かった?」
ドサッ
ツバサ(ちょうど鎧武者の胸辺りを血を纏った手刀で貫いていた吸血鬼穂乃果が振り向く)
ツバサ(鎧武者がその場に倒れ込んだので無事にコアを破壊したのだろう)
ツバサ「私が盾に変幻するわ、あなたはそれを持って聖杯のとこまで一気に走って!」
ツバサ「英玲奈もそれについていってね」
吸血鬼穂乃果「盾……ええ、承ったわ」
ツバサ「それじゃ――変幻!」
シュルルルルッ! ガキンッ!
ツバサ(私の体はスライム化し、そこから片手で持てる程度の大きさの盾となる)
吸血鬼穂乃果「へぇ〜、デザインも含めて中々良い盾じゃない」スッ
吸血鬼穂乃果「軽いしそれなりに丈夫そう」
コンコンッ
ツバサ『攻撃は自動で私が防ぐ、吸血鬼穂乃果はどうしてもそれが間に合わない時だけ反撃してね』
吸血鬼穂乃果「ええ」コクンッ
吸血鬼穂乃果「じゃあ走るわよ、英玲奈も遅れず付いてきなさい!」
英玲奈「ああっ!」
タタタタタタッ!
58
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/20(月) 04:08:49 ID:f1V2cj72
・
・
ツバサ(私という盾を構えた吸血鬼穂乃果が岩場を走り抜ける)
ツバサ(その間も漆黒の泥が形作った英霊や宝具の攻撃は私たちを襲い続けた)
ツバサ(けれどそのたびに私が防ぐ!)
ガキンッ! ガガガキンッ!!
ツバサ(今の私は泥の攻撃パターンに対して自動的に変形して対処する万能の盾)
ツバサ(剣には、槍には、鈍器には、飛び道具には、毒には、魔術には――――)
キィーンッ!
ツバサ(それぞれのパターンに対して最適な盾へ姿を変え、受けた傷は瞬時に治る)
ツバサ(それに加え、攻撃を受けるたびに飛び散った泥の欠片を捕食)
ツバサ(リアルタイムで大賢者が泥の攻撃パターン解析を進めることで、対応できるパターンと精度を高めていく)
タタタッ!
吸血鬼穂乃果「防げは防ぐほど宝具に対する防御を学習していく盾……か」
吸血鬼穂乃果「素晴らしいわね、もつこれ自体が宝具の領域に足を突っ込んでるんじゃないかしら」
・
・
ツバサ(そうして私たちは山頂の中心部へと近づいて行き、とうとうギルガメッシュたちの背中を捉えるまでになった)
ツバサ(ギルガメッシュたちの前にあるのは今までとは比べ物にならない数の泥の英霊の壁)
ツバサ(そしてその向こうに見える……)
ツバサ(あの
>>59
みたいなのが聖杯かっ……!)
59
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/20(月) 07:28:14 ID:AYwErV.2
ジュエルシードがすべてはめ込まれた
60
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/21(火) 04:17:19 ID:VZiVC9oc
ツバサ(私の目に見えた聖杯は文字通り黄金に輝く聖なる杯)
ツバサ(その杯の側面に植物の種子のような形の結晶体がはめ込まれている)
ツバサ(数は……遠目で見るだけで20個以上は嵌めてあるように見える)
タタタタタタッ
ツバサ「あれは…………」
吸血鬼穂乃果「ジュエルシードね」
ツバサ「え?知ってるの?」
吸血鬼穂乃果「私の知識……というよりは胸の賢者の石に蓄積された知識だけど」
吸血鬼穂乃果「あのジュエルシードって宝石はこちらの歴史にもたびたび登場するレア遺物よ」
吸血鬼穂乃果「願いが叶う宝石と言われていて、時の高名な魔術師や錬金術師が所持していたり」
吸血鬼穂乃果「1つのジュエルシードを巡って血で血を洗う争いが起きたこともあるらしいわ」
ツバサ「願いが叶う……願望機、聖杯と同じようなものね」
英玲奈「1つでもすごそうなのにあんなについてるのか」
ツバサ「大賢者!」
▼『はい、すでにこの距離で解析できる情報は解析済みです』
▼『宝石、呼称をジュエルシードとアップデートしたあの結晶体は全てで21個』
▼『その1つ1つから次元を歪ませる波動を感知しています』
▼『おそらくあのジュエルシードがこの神戸富士を覆う時空間異常を引き起こしているのでしょう』
ツバサ「なるほど、あの聖杯を手に入れて宝石をどうにか処分すればこの騒ぎは収まるわけね」
▼『はい』
英玲奈「……だが、そう事が上手くいくかは分からんぞ」
ツバサ「え?」
英玲奈「見ろ、ギルガメッシュたちと無数の泥の英霊が戦っている場所、あそこに
>>61
」
61
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/21(火) 05:39:43 ID:OdF8aTCg
空間が歪みはじめてる
62
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/22(水) 04:09:11 ID:95hSchyI
英玲奈「あそこで空間が歪み始めている」
グニュゥゥゥゥゥゥゥゥ!
ツバサ「本当……!」
吸血鬼穂乃果「まずいわね、歪みは聖杯自身を含めたあの一帯全てに及んでいる」
吸血鬼穂乃果「もし転移現象を起こしたら聖杯を逃してしまうわ」
ツバサ「なっ……!」
英玲奈「どうするツバサ、あの渦中へ飛び込むか?」
英玲奈「そうすれば私たちも巻き添えをくらう可能性があるが――」
ツバサ「あたりまえでしょ!」
英玲奈「……!」
ツバサ「ここまで来たらリスクも承知、アレを手にいらないと全部パーなんだから飛び込むに決まってる!」
英玲奈「……ああ、そうだな」
ツバサ「英玲奈はギリギリ歪みの範囲に入って待機、何かあったらサポートよろしく」
ツバサ「そして吸血鬼穂乃果!あなたはそのジャンプ力で一気にギルガメッシュたちの前に出て!」
吸血鬼穂乃果「出るのは良いけれど……あそこ戦場の真っ只中よ?」
吸血鬼穂乃果「金ピカでさえ抑えるのが精一杯の数の泥人形が、聖杯から現地直送で絶え間なく押し寄せている」
吸血鬼穂乃果「あんな気合入りまくった敵の最終防衛地点に飛び込んで大丈夫なのかしら」
ツバサ「大丈夫、盾である私を信じてドンと構えてて!」
吸血鬼穂乃果「……ま、そこまで言うなら」
ググッ……
ダンッ!!!!
吸血鬼穂乃果「貴女の覚悟、信じてあげるわ!」
ツバサ(吸血鬼穂乃果は私を構えながら高く跳ぶ)
ツバサ(泥の英霊たちとギルガメッシュたちの戦いによって更地となった神戸富士頂上の円形領域)
ツバサ(そのサークルの淵から中心へと一気に踊り出る!)
63
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/22(水) 04:09:25 ID:95hSchyI
士郎「……ギルガメッシュ!上だ!」
ギルガメッシュ「なっ!お前!我の頭上を超えていくなど……!」
ヒュゥゥゥゥゥゥッ!
ツバサ(着地地点は足のふみ場もないほど大量の泥の英霊が埋め尽くしている)
ツバサ(雑魚ではない、1つ1つがスペシャルな力を持った精巧な模倣品の群れ、普通ならば絶望的な状況)
ツバサ(けれど……)
カッ!
ツバサ「漆黒変幻盾(ヴェノムシールド)――――」
シュルルルルルルルルッ!!
ツバサ「全方位無限防壁(マルチアンリミテッドウォール)!」
ドドンッ!!!!
ギルガメッシュ「なっ……!」
士郎「全てを……防いでる!?」
ガカカカカッ!!
ツバサ(あらゆる角度から一斉に迫る泥の英霊の即死攻撃)
ツバサ(けれど解析と学習を極めた私という盾は、攻撃を予測、必要な盾の種類と数を弾き出して瞬時に変幻する)
ツバサ(今の一瞬の攻防で吸血鬼穂乃果の周囲に展開された漆黒の盾は同時に10個)
ツバサ(それぞれ形や厚さ、かけてある加護の違う、スペシャルに対応したスペシャルな盾だ)
ツバサ(例え1つが壊されたとしても、すぐに再生して進化した新しい盾へと生まれ変わるから問題ない)
ツバサ「どう!?吸血鬼穂乃果!」
吸血鬼穂乃果「へー……この盾と技にそんな名前が……」
ツバサ「いやそこじゃなくて……そこは適当に考えただけだから流していいわよ……」
吸血鬼穂乃果「はいはい分かってるわよ、この盾の性能は確かにすごいわ」
ガガガガガッ! ガキンィッ!!
吸血鬼穂乃果「こんな乱戦のど真ん中、常に二桁の宝具の攻撃にさらされてる状態だってのに傷1つ付かない」
吸血鬼穂乃果「それに加え、
>>64
」
64
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/22(水) 07:00:11 ID:D47wiqAw
かっこ(・∀・)イイ!!
65
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/23(木) 04:12:38 ID:iNgAqn.w
吸血鬼穂乃果「かっこ(・∀・)イイ!!」
ツバサ「それはどうも」
ギルガメッシュ「貴様ら!貴様らも聖杯を狙っていたのか!」
吸血鬼穂乃果「気が変わったのよ、あんたはそこで雑魚の始末でもしてなさい」
ギルガメッシュ「なっ……!?少し待て――」
士郎「ギルガメッシュ横だ!」
ギルガメッシュ「ちっ!」
ガギンッ!!
ギルガメッシュ「雑魚の数が多すぎる!」
ギルガメッシュ「敵の宝具を見てから『王の財宝』から適した宝具を取り出して対処するのでは後手後手に回ってしまう」
ギルガメッシュ「かといって広範囲を殲滅する宝具を使ったのでは聖杯まで巻き込む可能性があるからな――――」
吸血鬼穂乃果「お先っ!」ダシュッ!
ギルガメッシュ「……っ!」
吸血鬼穂乃果「よっ!」
タタタタタタッ!
ツバサ(ギルガメッシュたちに背を向けて吸血鬼穂乃果は先へと進む)
ザッ
シュシュシュッ! ガガガンッ!
ツバサ(漆黒の群れを弾くように強引に割り込み、どうしても処理が甘い部分は吸血鬼穂乃果がステップで華麗にかわす)
ツバサ(いちいち反撃するのではなく受け流すことで、足を止めることなく走り抜けることができる)
ツバサ(その弾いたりかわしたりした攻撃が別の泥の英霊に当たり同士討ちを招き、密集陣形に僅かな穴を生む)
タンッ!
ツバサ(その穴へまた身をねじ込むように突撃!)
ドッ!!!!
ツバサ(そうして猛攻ドリブルを続けた吸血鬼穂乃果は漆黒の群れの奥へ奥へと迫り――――)
吸血鬼穂乃果「はああああああああぁぁぁぁぁっ!」
ツバサ(ついに群れを切り抜け、聖杯の元へとたどり着く!)
ドンッ!!
タタッ
吸血鬼穂乃果「どう!?これが私の実力ってものよ!」
ツバサ「テンション上がってるとこ悪いけどまだ油断しないで!早く聖杯を手に!」
吸血鬼穂乃果「ええ!」
タタタッ
ツバサ(光輝く聖杯は神戸富士山頂の中心、小さな祭壇の上に安置されていた)
ツバサ(ここから見れば遠近法などではなく聖杯が本当に人が持ち運びできる程度の大きさなのが分かる)
ツバサ(それに何故か漆黒の泥の英霊たちは、私たちをもう追ってこようとはしない)
ツバサ(ここまで来たものを聖杯を手にするものと認めた……ということかしら?)
ツバサ(分からないけどチャンスに変わりはない)
ツバサ(警戒を続けながら私を装備したままの吸血鬼穂乃果は聖杯の祭壇へと駆け寄る)
ツバサ(そして、ついに聖杯に手をかけ持ち上げた)
ツバサ(すると
>>66
)
66
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/23(木) 05:51:41 ID:DRBOPgl.
全てを悟った
67
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/24(金) 03:50:45 ID:/tCeSce6
ツバサ(すると吸血鬼穂乃果は聖杯を持ったままピタリと静止した)
吸血鬼穂乃果「…………」
ツバサ「どうしたの?」
吸血鬼穂乃果「悟った……」
ツバサ「え?」
吸血鬼穂乃果「全てを悟ったわ、この聖杯のこと、この聖杯戦争に関する全てを悟った」
吸血鬼穂乃果「ありとあらゆる情報が聖杯を通じて私の賢者の石へ流れ込んで来ている」
キィーーーーーーーーィンッ
ツバサ「聖杯から情報が!?」
吸血鬼穂乃果「ええ、聖杯自身の使い方までしっかりと分かるわ」
吸血鬼穂乃果「これをこうして……こうして……こうすれば……」
スッ スッスッ
ツバサ(吸血鬼穂乃果は聖杯の側面に等間隔で埋め込まれてる21個のジュエルシードを触っていく)
ツバサ(ただ闇雲に触るだけじゃなく、一定の順番でタッチしたりなぞったり)
スッ スッ
ツバサ(私の目から見るとジュエルシードはどれも同じで見分ける目印などない)
ツバサ(おそらく聖杯の取扱説明書みたいなものが頭にインストールされると、見分けがついてパターン入力できるようになるのだろう)
吸血鬼穂乃果「こうね!」
キュインッ!
ツバサ「何をしたの?」
吸血鬼穂乃果「聖杯が引き起こした事象についての聖杯の記憶……履歴一覧のようなものにアクセスしたわ」
吸血鬼穂乃果「貴女は見えないでしょうけど私の頭の中では空中に光るモニターが見えているわ」
吸血鬼穂乃果「後はここからジュエルシードを押して操作して時間を絞って検索すれば――――」
ピッ ピッ
吸血鬼穂乃果「――あった!貴女の娘たちが時空間転移に巻き込まれた時の履歴よ」
ツバサ「ほんと!?」
吸血鬼穂乃果「嘘付いてどうするのよ」
吸血鬼穂乃果「ええと……貴女の娘たちは聖杯の元へ向かう途中、ギルガメッシュたちと出会ったところでパーティーに言及し消失した」
吸血鬼穂乃果「そして
>>68
」
68
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/24(金) 06:31:36 ID:ggP2URQI
このままだとだんだん記憶から消えていく
69
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/25(土) 03:05:33 ID:.invWzOI
吸血鬼穂乃果「そしてこのままだとだんだん記憶から消えていってしまう」
ツバサ「なっ……!記憶から消える?てんこたちが!?」
吸血鬼穂乃果「ええ」コクンッ
吸血鬼穂乃果「貴女の娘たちが巻き込まれたた時空間異常は普通のものとは違う」
吸血鬼穂乃果「普通の異常ってなんなのよって話にもなるけど……この場合の普通という定義は、神戸富士という環境で自然に頻発している時空間の歪みとしてちょうだい」
ツバサ「ということは……てんこたちの場合は偶発的な現象に巻き込まれたわけではないと」
吸血鬼穂乃果「そういうことになるわ」
泥の英霊「グオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
ドゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
吸血鬼穂乃果「……っと、説明をする前にまずはうるさい外野を鎮めて置かないと」
スッ スッ
吸血鬼穂乃果「聖杯の機能を操作して泥の英霊を停止――させると今度は金ピカが邪魔してくるか」
吸血鬼穂乃果「うーむ……なら私たちに対する攻撃だけを停止、金ピカたちに対しては妨害を続けさせましょう」
ピッ キュインッ
吸血鬼穂乃果「加えて神戸富士全体の時空間異常も抑制させて……」
ツバサ「そこまで操作できるものなのね」
吸血鬼穂乃果「当然よ、全てはこの聖杯が引き起こしていたことだもの」
吸血鬼穂乃果「あなたの娘が巻き込まれた現象含めてね」
ツバサ「…………」
吸血鬼穂乃果「履歴を見るにあのケースはかなりイレギュラーなケースだったらしいわ」
吸血鬼穂乃果「偶発的な時空間の歪みなら巻きこまれたなら1つ2つ位相のズレた平行世界に飛ばされる程度」
吸血鬼穂乃果「歪みが解消されればちゃんと元の時空へ戻ってくることができる」
吸血鬼穂乃果「けれどこのイレギュラーケースはそんなものとは比較にならない」
吸血鬼穂乃果「飛ばされた先の次元に対して追跡することも参照することもできないのよ」
吸血鬼穂乃果「偶発的な時空間変動率が0.1や0.2とすれば、これは1000や10000を超えて数値化できない変動率を叩き出している」
ツバサ「そんな……!」
吸血鬼穂乃果「単なる異世界や平行世界じゃ収まらない、深淵や外郭界だってこんなことにならないはず」
吸血鬼穂乃果「たぶんもっと奥の奥の……認識できない次元の最果てへ飛ばされた可能性が高い」
ツバサ「待って、どうしててんこたちだけにそんな聖杯の特殊能力が働いたの?」
ツバサ「近くにはギルガメッシュと士郎だっていたはずだし、私達だって後から山頂を目指して同じルートを通ったはずよ」
吸血鬼穂乃果「そうねぇ……ここからは聖杯の記録情報を元にした私の推測になるけれど、
>>70
」
70
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/25(土) 06:22:52 ID:Ffd6qbs2
聖杯に選ばれた
71
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/26(日) 04:10:04 ID:GUzeE1TE
吸血鬼穂乃果「聖杯に選ばれたんだと考えている」
ツバサ「選ばれた……?」
吸血鬼穂乃果「ええ、聖杯に残されたデータの中で唯一何にもタイトルや説明のないファイルがあるの」
吸血鬼穂乃果「ここにてんこ、ここピョン、トラ子……と3人の名前が記録されているのよ」
ツバサ「……!」
吸血鬼穂乃果「ファイルのある階層は下の下、他の事象とは違う例外、あきらかな特別扱い」
吸血鬼穂乃果「これはある意味で聖杯に選ばれ、聖杯自身の意思で飛ばされた可能性が高いわ」
吸血鬼穂乃果「いや……この聖杯を意思など無いただの機構とするのなら」
吸血鬼穂乃果「"貴女の娘たちの意思"に反応した聖杯の機能によって飛ばされた、と言ったほうが正確かも」
ツバサ「あの子たちの意思?あの子たちが何かを願って聖杯が特別に叶えたってこと?その結果が謎の時空間への消滅?」
ツバサ「いったい何をどうして願ったって言うのよ!」
吸血鬼穂乃果「……落ち着きなさい、これはあくまで推論に過ぎ無いし、答えは飛んだ彼女たちしか知り得ない」
吸血鬼穂乃果「事実なのは聖杯が私たちの――私の手の中にあって、自由にする権利と能力を得たということだけ」
ツバサ「そ……そうね、取り乱したわごめんなさい」
ツバサ(せっかくあの子たちと再会できそうだったのに……ダメダメ、こう言う時こそ私が落ち着いていないと)
吸血鬼穂乃果「どうする?取り敢えずもう聖杯戦争は終わらせておく?」
ツバサ「……ええ、お願いするわ、これ以上時空間を歪ませてはおけないし、泥の英霊とギルガメッシュたちを暴れさせておく必要もない」
ツバサ「それと聖杯戦争を終わらたら
>>72
」
72
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/26(日) 06:24:53 ID:Sh5TxzuY
クッキングの準備
73
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/27(月) 04:07:45 ID:upHgGKbM
ツバサ「聖杯戦争を終わらせたらクッキングの準備を初めましょう」
パッ シュルルルルルルッ
スタッ
ツバサ(私は変幻を解除して盾から人間の姿へと戻る)
吸血鬼穂乃果「貴女たちって本当にクッキングが好きなのねぇ、子供が心配にならないの?」
ツバサ「すごく心配だけど……今ここで慌てたところでどうにもならないんでしょ?」
ツバサ「次元の彼方へ消えてしまったあの子たちを探すにはそれ相応の手段と準備が必要になる」
ツバサ「だったら私たちは今できることをするだけよ」
吸血鬼穂乃果「それが……クッキングだと?」
ツバサ「ええ」コクンッ
ツバサ「とりあえず英玲奈をこっちに呼んで、食材と調理器具を揃えましょう」
ツバサ「食材は前の拠点から持ってきていた分を使い、調理器具には私自身が変幻してみる」
ツバサ「ただ、それじゃ足りない箇所が出てくるだろうから、そこは2人の能力――後は聖杯の力なんかに期待してるわ」
吸血鬼穂乃果「……分かったわ、私も他に
できることがないか聖杯を調べておく」
ツバサ「お願いね」
ツバサ(私は両腕をまくり、手を腰に当てて堂々と構えて、神戸富士山頂から下の世界を見渡す)
ツバサ「よし!それじゃあ山頂クッキングスタートよ!」
ドンッ!
─────────────────
神戸富士〜山頂
PM6:50〜??(時空間の歪み) 新終末編・焔『220』了
74
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/27(月) 04:08:33 ID:upHgGKbM
というわけでここまで
ようやっと一区切り
新終末編・焔『221』に続く
かもしれない
75
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/28(火) 04:05:34 ID:WwKmDqOU
新終末編・焔『221』
─────────────────
──神戸富士・山頂
PM??
・
・
ザッ
ギルガメッシュ「貴様らが……聖杯を手にしたのか……!」
吸血鬼穂乃果「その通りよ」
吸血鬼穂乃果の「随分辿り着くのが遅かったじゃない、英雄王さん?」
ギルガメッシュ「……っ!」
ツバサ(私と吸血鬼穂乃果がクッキングの準備を進めていると、聖杯の祭壇の前までギルガメッシュたちがやってきた)
ツバサ(とは言ってもあの吸血鬼が律儀に下準備を手伝うわけがないので殆ど私が一人でやっていたのだが)
カチャカチャ
ツバサ(私が食材を切ったり混ぜたりしてる間、吸血鬼穂乃果は近くの岩場に座って手に入れた聖杯を片手でクルクル回しながら眺めていた)
ツバサ(そこへ苦渋の表情に顔を歪ませたギルガメッシュが到着したというわけ)
吸血鬼穂乃果「わざわざご苦労さま、でも聖杯戦争は私の手によってついさっき終わりを告げたわ」
吸血鬼穂乃果「聖杯も文字通り私の手中にある」ニヤリ
ギルガメッシュ「…………」
吸血鬼穂乃果「あー、そういえばー聖杯戦争が終わった時ってサーヴァントも消えるのではなかったかしら」
吸血鬼穂乃果「金ピカ、貴方は帰り支度しなくていいの?」
ギルガメッシュ「……っ!言わせておけばこの――――」
バッ!
士郎「待てギルガメッシュ!」
ギルガメッシュ「……?」ピタッ
ツバサ(感情的に腕を振り上げようとしたギルガメッシュを隣の青年が制止する)
士郎「なんだこの匂いは……?」
士郎「おいそこの人!ここでなにか料理をしているのか!?」
ツバサ「ええそうよ、今正に
>>76
を作ってる最中なの」
76
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/28(火) 05:16:27 ID:olZ01DKU
お雑煮
77
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/29(水) 03:47:08 ID:9pFfCpIA
ツバサ「今正にお雑煮を作ってる最中なの」
士郎「ほう、お雑煮か……」
吸血鬼穂乃果「お雑煮?お雑煮ってなに?」
ツバサ(名前……確か士郎だっけ?士郎の質問に私が答えていると何故か吸血鬼穂乃果が割り込んできた)
ツバサ(最初から横で調理してたのに今更疑問を持つの……?)
ツバサ(そこが気まぐれな吸血鬼穂乃果らしいと言えばらしいけど)
ツバサ「お雑煮って言うのは簡潔に言えば餅の入った汁物ね」
ツバサ「日本では主に正月に食べられて、餅以外の具材やつゆなんかは地域によってバリエーションがあるわ」
吸血鬼穂乃果「へ〜、つまり餅スープってわけね」
ツバサ「まぁ……近からず遠からず」
士郎「ふむふむ、ふむふむ……」ジーッ
ツバサ「士郎さん?」
ツバサ(吸血鬼穂乃果に受け答えしてる間に、いつの間にか士郎が下準備の手元をのぞき込んで来ている)
士郎「ああすまん!少し料理に造詣があってどんな風に作るのか見ていただけなんだ」
ツバサ「ああ、そういうことなら構わないわ」
士郎「しかし興味深いな」
士郎「このお雑煮、
>>78
なんて他では見たことがない」
78
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/29(水) 05:48:33 ID:B7VOHUMU
チーズケーキ
79
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/30(木) 05:00:23 ID:Oe7XZtOc
士郎「チーズケーキなんて他では見たことがないな」
士郎「和風の料理に洋菓子をぶちこむ斬新な手法……いや……案外ありなのかもしれない」
ツバサ「そ、そう?」
ツバサ(別にチーズケーキを使うつもりでいたわけじゃない、とりあえず邪魔にならないようテーブルに置いておいただけなのよね)
ツバサ(何故か知らないけど必ずと言っていいほど携行食料の中に入ってるのがチーズケーキ)
ツバサ(嫌でもクッキングをする時にはこれをぶち込んだらどうなるだろうという考えが頭をよぎる)
ツバサ(よぎるというか実際色んなところで何度も使われてるらしい、みんな発想は似るのでしょう)
ツバサ「ふむ……」
ツバサ(そんなこんなで今回も使うか迷っていたのだけど、士郎がそう言うのなら試す価値はあるのかもしれない)
ツバサ(てんこからの情報でこの青年は料理が大の得意と聞いている)
ツバサ(あくまでクッキングでは素人に過ぎない私の感覚よりは信じられるだろう)
ツバサ(作るのは和洋折衷の新しいお雑煮……!)
ツバサ「……よし」
ツバサ「じゃあ使う食材は餅、具材となるお肉野菜類、つゆはだしに醤油の味付けかしら」
ツバサ「こうチーズの甘さとつゆのしょっぱさが合わさって良い感じになる……的な?」
士郎「ああ、それも良いけど……ちょっと今使える食材を見せてくれるか?」
ツバサ「ええ」コクンッ
スタスタ
士郎「……なるほど」ジーッ
士郎「和洋折衷のお雑煮か、それなら今ここにある
>>80
を入れるとさらに自然になると思う」
80
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/30(木) 05:45:02 ID:hqTwg0qA
ほむまん
81
:
◆WsBxU38iK2
:2019/05/31(金) 04:42:37 ID:ZzMpbRxU
士郎「ここにある饅頭を入れるとさらに自然になると思う」
ツバサ「まんじゅう……ああ、ほむまんのことね」
士郎「そうだ」
吸血鬼穂乃果「スープに更に菓子を投入するってわけ?大丈夫なの?」
士郎「大丈夫……だと思う」
吸血鬼穂乃果「思うってまた曖昧な」
士郎「この饅頭は初見だが他の食材通しを丸く繋いでくれるような気がするんだ」
士郎「まぁ長年料理してきた勘でしかないから信用できなくても仕方ないが……」
ツバサ「いや、信じるわ」
士郎「本当か?」
ツバサ「だから一緒にクッキング手伝ってくれる?」
ツバサ「正直サボり吸血鬼がいるから人手不足でね、猫の手も借りたいところなの」
士郎「ああ、任せてくれ!」
ツバサ「ありがとう」
ツバサ「じゃあまずはこの野菜を切って――――」
・
・
ツバサ(……ま、正直この男のことを信用したわけではない)
ツバサ(聖杯戦争が終わったとは言え、てんこたちと争っていた敵側のマスターに変わりはない)
ツバサ(何か怪しい動きがないように警戒して然るべきだ)
ツバサ(それでも協力を頼んだ理由は2つ)
ツバサ(1つは本当に人手が欲しいから)
ツバサ(吸血鬼穂乃果はあの様子だし、英玲奈は何故かまだ到着しないようし、私はそれほど料理経験がない)
ツバサ(そこで料理経験がある人が手伝ってくれるのは純粋に助かる)
ツバサ(もう一つの理由はクッキングをしながら士郎に話を聞きたかったから)
ツバサ(結果的に敵同士になったが、聖杯戦争が始まる前から向こうの世界でてんこたちと知り合いだった人物)
ツバサ(話を聞けば何か手がかりが得られるかもしれない)
ザクッ ザクッ
ツバサ(私はそんな思案をしながら士郎と共にクッキングの工程を進めていく)
士郎「火にかけるぞー」
ツバサ「わかったー!お願い」
トントンッ カタカタッ
・
・
ツバサ(そうしてクッキングの工程が半分ほど終わった時……)
英玲奈「おーい!ツバサー!」タタッ
ツバサ(やっと英玲奈が祭壇のある山頂の更地の中心へとやってきた)
ツバサ(更地の端から中心まで距離があるとは言え、普通に駆け足で来ればここまで時間はかからないはずだ)
ザッ
英玲奈「ふぅ……やっと着けたぞ」
ツバサ「遅かったじゃない、何かあったの?」
英玲奈「スマンな、実は
>>82
」
82
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/05/31(金) 05:41:40 ID:hLtIgqPw
誰かが倒れてた
83
:
◆WsBxU38iK2
:2019/06/01(土) 04:54:26 ID:oc18JwwA
英玲奈「スマンな、実は来る途中で誰かが倒れていたんだ」
英玲奈「そこで助けていたら到着するのが遅れてしまった」
ツバサ「誰かってことは……知らない人なの?」
英玲奈「ああ、誰だか知らないが気絶してるみたいなんだ、どこかで休ませることはできないか?」
ツバサ「そうねぇ、この辺りは戦闘で更地だし、組み立てた簡易調理台はさすがに使えないし……」キョロキョロ
ツバサ「あの聖杯が置いてた祭壇にでも寝かせておく?」
英玲奈「よし」
スタスタ
ツバサ(私が祭壇を指差すと英玲奈はそこまで歩いていって背負っていた人を降ろす)
ツバサ(その様子を見たのか鍋の前の士郎が話しかけてきた)
士郎「雑煮はもう少しで完成するぞー……ってどうした?また人が増えたのか?」
ツバサ「ええ、片方は私たちの仲間の英玲奈、もう片方は知らない人ね」
士郎「知らない?戦いに巻き込まれた地元の一般人とかか?」
ツバサ「その可能性はあるけど……旧神戸市街は主に神戸富士の麓から中腹の側面にぐるっと張り付いている」
ツバサ「ただの一般人は歩きじゃとても山頂まで来ることはできない」
ツバサ「仮に時空間異常で飛ばされとしても、さっきまで英霊と準英霊が殴り合ってた山頂の戦場に転がってて無事とは考えにくいわね」
士郎「それもそうか」
ツバサ「あとその人の見た目なんだけど、
>>84
」
84
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/06/01(土) 05:03:32 ID:pXvB29Mo
喋る武器を持ってる
85
:
◆WsBxU38iK2
:2019/06/02(日) 04:05:13 ID:tqqAMPuU
ツバサ「一般的なこの時代の人間とは異なる服装だし、何より喋りそうな武器を持っていた」
士郎「喋る武器……それはますます普通とは思えないな」
ツバサ「でしょう?」
ツバサ「とりあえずそっちは英玲奈に看病を任せておいて私たちはお雑煮を完成させましょう」
ツバサ「料理はどのくらいまで進んだ?」
士郎「もう殆ど完成したよ」
ツバサ「ほんと?手際いいのね」
士郎「こんなとこで嘘をついてどうする、あんたがペラペラ喋ってる間にも手を進めていたからな」
ツバサ「あらごめんなさい」
士郎「調理中やたらてんこやここピョンについて聞いてきたが、答えた以上のことは本当に知らないんだ」
士郎「あいつらとは向こうの世界――冬木市の高校で同じ学年だった」
士郎「だからクラスや行事で見かけてはいたし、聖杯戦争が始まってからは魔術師関連の話もするようになった」
士郎「だから友達並みの情報は知っているけどそれ以上詳しいことは知らない」
士郎「むしろあんたが母親だと言うならあんたのほうが知っているだろう」
ツバサ「そうねぇ……」
ツバサ(士郎に嘘をついている様子はない)
ツバサ(彼が知らないというのならそうなのでしょう)
士郎「……で、雑煮の方だが器に餅と饅頭を入れて」カタンッ
士郎「そこへチーズケーキをベースに作ったスープを注げば――」
ジョボボボボボッ
士郎「完成!チーズ饅頭雑煮だ!」
ツバサ「ほう」
ツバサ(士郎が手にした器には黄色いスープの今まで見たことのない料理で満たされていた)
士郎「味は――」
クイツ
ツバサ(味味のために士郎は雑煮へと口をつける)
ツバサ(すると
>>86
)
86
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/06/02(日) 06:32:48 ID:71vBS1Wo
ブッ倒れた
87
:
◆WsBxU38iK2
:2019/06/03(月) 05:17:17 ID:0zucZSlg
士郎「うっ……」フラッ
バタンッ!!!!
カラカラカランッ!
ツバサ「……っ!士郎さん!?」
ツバサ(雑煮の味見をした士郎は地面に倒れて動かなくなった)
ツバサ(彼の持っていた味見用の器がスープをこぼしながら地面を転がる)
ツバサ「士郎さん!士郎さん!」
士郎「…………」
ツバサ(肩を揺すって声をかけるけど反応がない)
ツバサ(息はしてるみたいだから意識を失ってるだけなんだろうけど……いったいなんなの?)
チラッ
ツバサ(私は鍋に残っているチーズ饅頭雑煮を見る)
ツバサ(確かに素人目に見ても味の保証はできない代物)
ツバサ(けれど入ってるのはたかだかチーズケーキと饅頭とお餅、一口で健康な高校生を気絶させるほどの劇物にはなり得ないはずだ)
ザッ
ギルガメッシュ「おいおい何をやっている、我がマスターが気絶しているではないか」
ツバサ「ギルガメッシュ……!」
ツバサ(気付かなかった、いつの間に……)
ツバサ「いや、この鍋の料理を食べたら突然倒れてしまって……」
ギルガメッシュ「このスープでか?情けないやつだ、どれを一つ味見をしてやろう」スッ
ツバサ「あっ!待ってギルガメッシュいきなり口に入れるのは――――」
ギルガメッシュ「うぐっ!!」
バタンッ!!
ツバサ「やっぱり!?」
ツバサ(マスターの士郎、サーヴァントのギルガメッシュの両者が謎のスープの前に倒れ伏してしまった)
ツバサ「いったい何が起きてるっていうのよ……?」
ググッ
??「それは……私が……説明……を……」
ツバサ「……!」バッ!
ツバサ(聞き覚えのない声に振り返ると、それは祭壇で英玲奈の看病を受けていた謎の人物のものだった)
ツバサ(謎の人物は英玲奈に支えられながらやっとといった様子で上半身を起こす)
ツバサ「あなたは……誰なの?」
??「私は……
>>88
」
88
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/06/03(月) 05:34:16 ID:t3laqv92
名も無きモブ
89
:
◆WsBxU38iK2
:2019/06/04(火) 05:06:33 ID:Eq1CUjrk
??「私は……名もなきモブ」
ツバサ「モブ……?」
ザザザザッ
ツバサ(何故だろう、モブと自己紹介した人の姿を注視しようとするとモザイクのようなものがかかる)
ツバサ(まるで周りにモブの姿を知らせない、あくまで知らない人物Aに押し留めておくような現象)
モブ「ああ、私の声や姿は気にしないで、知ろうとしてもどうせ分からないから」
ツバサ「……………」
英玲奈「どうやらそういうことらしい」
ツバサ(モブの横の英玲奈が両手を挙げて諦めたジェスチャーを取る)
英玲奈「私も看病してる間に身体的特徴なんかを探ろうとしたが何一つダメ」
英玲奈「"知らないやつ"という特徴以外に、一つとして認識することも記憶することもできなかった」
ツバサ「……そう、でも話は聞けるのよね、まずはそれを聞きましょう」
ツバサ「身体まだ辛そうね、ゆっくりで良いから話してくれる?」
モブ「……」コクンッ
モブ「私は……この"喋る武器"と一緒に時空間を守る仕事をしていました」
モブ「たぶんこの頃のことは……私がモブである限り……詳しく伝えることはできないと思います」
モブ「なので詳細は省きますが、私は仕事の最中に巨大な時空の歪みに巻き込まれました」
ツバサ「時空の歪み……」
モブ「その後、気がついたらここに倒れていて……英玲奈さんに助けられたんです」
モブ「時空間を漂流した極度の疲労はありますが、幸い大きな怪我などを負うことはありませんでした」
英玲奈「それは何よりだ」
モブ「そして、皆さんが聞きたがっている先程のスープを飲んだ二人に起きた現象ですが……」
モブ「私の経験から言って、あれはおそらく……
>>90
」
90
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/06/04(火) 05:46:48 ID:p2jq43Cc
ことほのショック
91
:
◆WsBxU38iK2
:2019/06/05(水) 03:44:19 ID:jA4/ZDUg
モブ「あれはおそらくことほのショック」
ツバサ「聞いたことのない現象ね」
モブ「そうでしょうね……この時空間では知られてない現象でしょうから」
モブ「概念象徴物についての知識は?」
ツバサ「いえ」
ツバサ(また聞いたことない言葉、私は首を横に振って否定する)
モブ「じゃあそこから説明しますね」
モブ「概念象徴物は固有の概念に紐付けされた特定多数の物体のことです」
モブ「例えば飲み物という概念には水、権威という概念には王冠のように」
ツバサ「ふむ」
モブ「もちろん概念と象徴物は一対一の関係ではなく、一つの概念に対して多数の象徴物があります」
ツバサ「つまりこの場合、ことりの概念の象徴物がチーズケーキ、穂乃果の概念の象徴物がほむまんというわけね」
モブ「その通り、理解が早くて助かります」
モブ「そしてこの概念象徴物は単体では危険なものではありませんが、組み合わせ方によっては予期せぬ効果を発揮することがあります」
モブ「私のいた時空ではその組み合わせの法則が体系化されていて、一つの技術として確立されているんですよ」
モブ「象徴を組み合わせて通常科学を超越した現象を引き起こす技術――それを私たちは『象徴魔法』と呼んでいます」
モブ「さっき私が口にしたことほのショックもこの魔法の一種」
モブ「"ことり"も"ほのか"も私たち―ザザザザッ―にとっては必修レベルの有名な概念だからひと目見てわかりました」
ツバサ「なるほど、私たちの知らない異能が知らずのうちに暴発したわけね」
モブ「はい」コクンッ
ツバサ(しかし穂乃果やことりの人名が概念になってる世界か……)
ツバサ(この名もなきモブがいた世界はどんなものなのか、どうして歪みに巻き込まれて自分の素性すら話せないモブになってしまったのか)
ツバサ(謎は尽きないけれど……今は話を進めましょう)
ツバサ「それでこの魔法の詳細と効力は?」
モブ「この魔法は概念象徴物同士が1つの器に入ってスープような形で熱されているのが条件」
モブ「その場合、スープを口にした相手を気絶させて
>>92
』
92
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/06/05(水) 05:35:03 ID:Mlu4xOt.
猛烈にことほのの絡みが見たくなる
93
:
◆WsBxU38iK2
:2019/06/06(木) 04:59:25 ID:Ynwa3ejM
モブ「スープを口にした相手を気絶させ、相手が目を覚ますと猛烈にことほのの絡みが見たくなる衝動を引き起こす」
モブ「しばらくの間それしか考えられなくなる、思考をロックしてしまう魔法です」
ツバサ「それは恐ろしいわね……」
英玲奈「だがことほの好きになるだけ とも言える、なら問題はあるまい」
英玲奈「ことほのを求めて暴れないよう今のうちに拘束して置きたいが……ロープのようなものはあるか?」
ツバサ「ロープねぇ、無いことも無いけど、普通の人間の士郎さんならともかくギルガメッシュを縛るとなると……」
英玲奈「ああ、確かに普通のロープでは役に立たないか」
モブ「拘束ですか、それなら私が魔法を行使しますよ」
ツバサ「今言ってた象徴魔法ってやつ?」
モブ「はい、普通なら拘束に使えなさそうな物品同士を組み合わせて概念的に対象を拘束します」
ツバサ「ほう」
モブ「元々時空かザザザザッで働いていたので荒事には慣れているんです、任せてください」
ツバサ「…………」
ツバサ(またノイズだ)
ツバサ(名もなきモブに対する謎の修正力がここでも働く)
ツバサ「まぁやってくれるというなら2人のことはモブさんに任せるわ」
英玲奈「私が付き添おう、必要なものがあれば取ってくるよ」
モブ「ありがとうございます」
ツバサ(そうしてモブは英玲奈に肩を貸され、祭壇から降り歩いていく)
ツバサ(後はこのスープのことだけど……)
チラッ
ツバサ(モブがああ言ってるんだからさすがに食べるわけにはいかない)
ツバサ(モブが2人を拘束してるうちにこれを
>>94
しちゃってクッキングは終わりにしましょうか)
94
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/06/06(木) 06:09:16 ID:JYfBuPXs
奉納
95
:
◆WsBxU38iK2
:2019/06/07(金) 01:02:10 ID:mok2X18I
ツバサ(これを奉納しちゃってクッキングは終わりにしましょうか)
ツバサ「よいしょっと」グイッ
ツバサ(私はチーズケーキ饅頭雑煮が大量に残っている鍋を抱えて聖杯の祭壇まで歩いていく)
ザッ ザッ
ツバサ(最初に聖杯が安置されていて、さっきまで名もなきモブが寝ていた祭壇)
ツバサ(側面に彫刻の掘られた台座が置いてあるだけの簡素な作りながらも、こうして近づくとどこか神聖な雰囲気を感じさせる)
ツバサ(聖杯自体は別世界から来たものだけど、この祭壇はいったいどのタイミング作られたのか)
ツバサ(聖杯がこちらの世界へ来た時?それとも初めから神戸のどこかに存在していた?)
ツバサ(ふーむ……この祭壇も祭壇で謎なスポットよねぇ)
ツバサ「よっ」
ゴトンッ
吸血鬼穂乃果「ちょっ!貴女何してるのよ!」
ツバサ「ん?」
ツバサ(振り向くといつの間にか吸血鬼穂乃果が私の背後に立っていた)
ツバサ(さっきまで遠くの岩場にいたはずなのに、おそらく私の行動を見て走ってきたのだろう)
ツバサ「何って……この料理を奉納しようと思ったのよ」
ツバサ「食べられないなら捨てるしかないけど、それじゃあ勿体無いでしょう」
吸血鬼穂乃果「はぁ……」
吸血鬼穂乃果「あのねぇ、この祭壇は私の聖杯が置いてあった記念すべき聖なる祭壇なのよ」
吸血鬼穂乃果「そこにこんなゲテモノ創作料理を置くなんて頭おかしい、最早私への冒涜よ」
ツバサ「いつの間にあなたの聖杯になったのやら……思い込みが激しいこと」
吸血鬼穂乃果「思い込みではなく事実だから」フンッ
ツバサ「まぁなんと言われても雑煮の鍋はここに置かせてもらうわ」
ツバサ「食べれなかったのは悔しいけどこれでひとまずクッキングは終了――――」
キィィィィィィィィンッ!!
ツバサ「……って何!?」
ツバサ(祭壇に置いた雑煮の鍋が突然眩い光を放ち始めた)
ツバサ(あまりの眩しさに近くの私と吸血鬼穂乃果は思わず手で目を覆う)
ツバサ「ちょっと……いったい何が起きてるのよ!」
─────────────────
神戸富士山頂
PM??〜??(推定7時台) 新終末編・焔『221』了
96
:
◆WsBxU38iK2
:2019/06/07(金) 01:05:10 ID:mok2X18I
というわけでここまで
一応クッキングが終わったので一区切り
神戸富士の時空間異常は吸血鬼穂乃果が聖杯を手に入れたことで収まりかけていますがまだ微量残っています
次パートが終わればまた別の場面へ行けますかね
新終末編・焔『222』に続く
かもしれない
97
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/06/07(金) 03:29:15 ID:8qr4.eWo
おつ
98
:
◆WsBxU38iK2
:2019/06/08(土) 01:20:37 ID:mRdkGdrg
新終末編・焔『222』
─────────────────
──神戸富士山頂
PM??
キィィィィィィィィィィィンッ!
ツバサ「……っ!」
ツバサ(突然輝き出した鍋の光は10秒ほど発光を続け、やがて元に戻っていく)
ツバサ(そして目を開けられる程度まで光が収まり、私が祭壇へ目を向けると……)
ツバサ「鍋が……消えてる?」
ツバサ(確かに祭壇へ奉納したはずのチーズケーキ饅頭雑煮の鍋が目の前から消えていた)
ツバサ(慌てて祭壇の横や後ろを確認してみるけど、どこにも鍋を見つけることができない)
キョロキョロ
ツバサ「いったい消えた鍋はどこに――――」
吸血鬼穂乃果「なっ!なぁぁぁぁぁぁっ!?」
ツバサ「ん?どうしたの?」
ツバサ(私が鍋を探してると後ろで吸血鬼穂乃果が大声を出した)
ツバサ(その目は祭壇ではなく自分が手に持っている聖杯へ向けられている)
吸血鬼穂乃果「どうもこうもないわよ!見てこれ!私の聖杯の中!」
ツバサ「中って……えぇ?」
ツバサ(言われたとおりに聖杯の中を覗き込むと聖杯の中に黄色い液体が見えた)
ツバサ(とろみのあるチーズの匂いをする液体、その中に浮かぶ饅頭や肉や野菜)
ツバサ(間違いない……聖杯の中にチーズケーキ饅頭雑煮が入ってる……!)
吸血鬼穂乃果「これあなたたちの作ってた料理よね、私の聖杯を器代わりにするなんて何考えてるのよ!」
ツバサ「ええ、でもどうして聖杯の中に転移したのかしら」
吸血鬼穂乃果「はぁ……?それは私の方が聞きたい質問よ」
吸血鬼穂乃果「聖杯はずっとこの手で持っていたけど何かが注がれたり転移れた感覚はなかった」
吸血鬼穂乃果「本当に"気付いたら"杯の中に液体が満ちていたって感じだし」
ツバサ「そう、だったらやっぱり祭壇に鍋を奉納したのが原因みたいね」
ツバサ「お雑煮が満ちてること以外に聖杯に他に変化は無い?」
吸血鬼穂乃果「
>>99
」
99
:
名無しさん@転載は禁止
:2019/06/08(土) 07:32:23 ID:0o0ECpek
お雑煮がだんだん減ってる
100
:
◆WsBxU38iK2
:2019/06/09(日) 05:01:55 ID:z4.tRUGQ
吸血鬼穂乃果「そうねぇ、聖杯の外側に特に変わったところはないわ」
吸血鬼穂乃果「強いて言うなら中のお雑煮がよく見るとだんだん減っていることかしら」
ツバサ「減ってる?」
吸血鬼穂乃果「ええ、ぱっと見では分からないけれど本当に微量ずつ水位が減少してるのよ」
吸血鬼穂乃果「まるで……見えない誰かが雑煮を飲んでいるみたいに」
ツバサ「誰かが……ねぇ」
ツバサ「吸血鬼穂乃果、ちょっとその聖杯触らせてくれな――」
バシュンッ!!
ツバサ「……っ!」
吸血鬼穂乃果「なっ!?」
ツバサ(吸血鬼穂乃果の言葉を不思議に思い私が聖杯へ手をかざした瞬間、私の手と吸血鬼穂乃果の手の間に一筋の閃光が走った)
ツバサ(それはまるで冬に体験する静電気のような瞬間的にバチッと来る感覚)
ツバサ(そしてその感覚と共に、私の脳内に未知の情報が流れ込んでくる)
キィィィィィィィィンッ
ツバサ「……っ!」
ツバサ「これ……は……」
▼『――報告、ツバサ様のユニークスキル大賢者とアイテム賢者の石の接続が確認されました』
▼『これにより賢者の石のデータバンクと演算力を大賢者に上乗せすることでより高度で幅広い解析が可能となります』
ツバサ「……………」
▼『自動解析:聖杯の解析を開始します――――』
吸血鬼穂乃果「ねぇ、ちょっと!何が起こったのよ!」
ツバサ「……あ、ああごめん、私の中の大賢者が言うには私のスキルとあなたの賢者の石が接続されたみたい」
吸血鬼穂乃果「接続……?このタイミングで?手を近付けるだけでいいならもっと前に接続されてもおかしくないけど」
ツバサ「それはおそらく……私が聖杯を調べようとしたタイミングだからじゃないかしら」
ツバサ「私の大賢者単体じゃ聖杯を解析するには足りないものがあって、周囲を検索したら補助デバイスとしてあなたの賢者の石を発見した……的な?」
ツバサ「実際、頼んでもないのに自動的に聖杯の解析が始まったし、大体そういうことなんだと思う」
吸血鬼穂乃果「はぁ……勝手に賢者の石を借りられるのは嫌な気分ね」
ツバサ「別に私がそうしろって命令したわけじゃないし、賢者の石単体で分からないことも二つ合わせれば分かるかもしれないでしょ?」
吸血鬼穂乃果「まぁねぇ」
ツバサ(私は吸血鬼穂乃果と一緒に聖杯に触れたまま30秒ほど立ち尽くす)
ツバサ(想定してなかったことだが聖杯を大賢者で調査できるのはありがたい)
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