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【創作SS】しろがねの流星 Lap.2
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(1話:
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ヘッズからの支援絵
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お久しぶりじゃないすか!
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全裸待機重点
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…目が覚めて、ぼくはベッドからもぞもぞと這い出て部屋から出ようとする。壁についた操作盤を少しいじってドアを開けさせた。
若干寝ぼけた視界で、すぐに人影がないかどうか探し始めた。あの人がいないとどうしていいかわからない。
だけど、すぐにその人は見つかった。どうやら気にかけてくれていたようだ。
「や。起きたかい、気分はどうか」
「…あ、やわらかいとこで寝るのは…久々でした」
「気分はどうなのかって…いいか、情報欠損もないようだ」
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ここはステラさんの宇宙船『トップギア号』、名前の意味は知らない。外装はきれいな真っ白なのに、中はなんだか黒くて薄暗い。そんな宇宙船だ。
ワープドライブを抜けて、ぼく達はすぐこいつの中のガレージに辿り付いた。シルバー・スターは、そこに停めてある。
まあ、それも昨日のことだ。ステラさんはこいつの調整をするから、ぼくには寝ていてもいいと言ったんだ。それで、ぼくはその通りにした。
「宇宙船、飛べるんですか?」
「『トップギア号』だ、…昨日言ったっけか。まあ問題ないよ、飛べる」
ブリッジでコンソールを叩く片手間にステラさんは言った。でも、これが、宇宙に…またぼくの行ったことない場所に。
そう思うと、ふと外を見たくなった。艦橋は前面が大きくガラス張りになっている、ちょっと歩を進めてそこから周りを見てみた。
なんだかずいぶんと古びた感じが見受けられる場所だった、それに、どこを見ても開いている場所がない。
「開けるんですか?」
「そう。前時代の廃棄ブロックのシステムは単純でいい…ハッキングしやすい」
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いいタイトルしてんじゃねえの?
読んじゃうよ?読んじゃうよ!
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そう言ってステラさんが手元の携帯端末を操作すると、何やら外から大きな駆動音がし始める。
その場でもう一度周りを見ていると、それは上。天井の隔壁が開き始めていた。ここから、トップギア号が入ったのか。
「だから、ここを隠れ家に」
「そう。じゃ、行くよ。」
「どこに、ですか」
「…差しあたって、火星のアジトに帰るかな」
火星、地球の次の星だと拾った本に書いてあったのを覚えてる。そんなところからステラさんは来たのか。
ブリッジの座席に座るステラさんを見て、ぼくはもの思いに耽る。これから先、ぼくはどれだけいろんな所へ行けるのだろうか…
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「スター。座ってベルトを閉めなよ、揺れるから」
言われるがままに、隣の席に座ってシートベルトを巻き付ける。そうすると、浮遊感が唐突に来た。
ガラスを通して見る目の前の景色がどんどん移り変わってゆく、宇宙船が上昇している。
…そうして少し過ぎた後に見えたのは、真っ暗闇。出てきたばかりの壁面すらも、影に覆われていて…そこ以外は、真っ黒。これが、宇宙。
オービットベースからしばらく離れると、揺れはおさまった。宇宙船が安定したんだろう。そうすると、ステラさんが声をかけてくる。
「自動操縦だ、時間はたっぷりある。地球を一度見てきてもいい、ガレージから見えるかな」
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地球。オービットベースに連なる、とても綺麗な青い星…昔拾った本にはそう書いていた。シートベルトを外して、ガレージへ向かう。
一番後ろに、外を見るための小窓がひとつだけあった。壁に手を付けて、ぼくはそれをのぞき込む。
――ぼくが見たはじめての惑星。それは、ねずみ色に覆われた鉄の星だった。
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巡り廻って生まれた機縁。少年の馳せる心は、地球軌道を振り切って遥かな宇宙《そら》へと飛躍する。
謎にまみれた素敵な女性《ひと》と、一路火星への奇妙な相乗り。鋼の星に何を想った、赤土の星に何求む?
遥か深淵の暗黒宇宙に人の思惑は混じり溶けゆく。夢の彼方にスターは何を見る?答えはスピードの中にこそ。
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あれぇ…(地球が)おかしいね
誰もいないね…
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(はあ)
身体を洗うということにスターはあまり馴染みがない。通常、ほぼ全域が重力ブロックのトップギア号では鼻栓やゴーグルは不必要だ。
だが、温水をかけ流したり石鹸で身体を洗うという行為の経験がほぼないスターは、それでもどこか息がつまるような思いをした。
風呂場に必要なものこそ渡されたものの、何をどこにどう使うのかてんでわからない。
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(だいたい、なんなんだ。身体なんか洗うって)
裸なのに暖かいというのも初めての感覚だ。人間の機能についてよく知らないので仕方ないことでもあるが、スターはこの行為に疑問を感じてやまなかった。
そこで、唐突に自動ドアが開く。
「やあ、ちゃんと洗えてるかい?」
「へえ!?」
かかっていたはずのロックを解除して、唐突に現れたステラ。予想だにしない訪問を受けて、とっさにスターは前を隠すよう背中を向ける。
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「ああ、やっぱり…スポンジ取って、教えてあげるから」
「なにを…」
「私が隅々まで洗うって、それで覚えてくれよ。前向け前」
「な、ええ…!?」
身体を洗うためのもの一式を渡しただけではなにもわからないと、そう思い直した故のステラの来訪だった。自分でもわからない、そんな気恥ずかしさに襲われるスター。
シャワー室に入るために、自分と同じく裸であるステラの形を意識するとなおさらその気持ちは強くなってゆく。自分とは違う、どこか丸みを帯びたスタイル。
そして、そのたび感じる下腹のあたりがキュッとするような感覚。正体のわからないそれに悩まされるスターは、それからただステラの言う通りにされるばかりだった。
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「これをな、こうするんだ」
「ちょ、うわ…!」
…何か、大事なモノをこのときに失った気がする、と。後にスターはそう振り返った。
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>>10
ブライガーの次回予告みたいですき
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「…このペラペラなのを?着るんですか?」
「うん。着込めば君に合わさるようにしてくれる、なにかと着ておけば便利だぞ」
ひと悶着終えてからの、ブリッジでの会話だった。スターが両手で持って訝しげに眺めるのは、ゴム製のようなスーツ。前が開いて、そこから足をつっこんで着るような形になる。
ステラが勧めるなら、ということで戸惑いながらも着てみる。四肢の袖を通しきると、開いていた前がひとりでに閉まった。
「首元、足首、手首にそれぞれなにか付いてるだろ、それも閉まってる。余ってるとか、きつい感じは?」
「…ないです。すごいですね、これ」
軽く腕を振って、服が動きを邪魔しないか確認するスター。スーツはぴっちりと肌にくっついて、ボディラインがより強調される。
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おねショタ要素入ってるやん!
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「なんで着せたかっていうと、これだ。見てみて」
「この数字、なんです?」
ステラが先ほどから自分に視線を向けることなく、注視していた携帯端末のモニター。
そこにあるのは、何やら意味のわからない数字やグラフの羅列。それらの横には文字もあるのだが、スターには読めないものだった。
「心拍数、血圧、体温、脳波。君のあらゆる生体情報をスーツがここに送り続けてるんだけど、成功だな」
「なんのために」
「君の生体情報を同期することでシルバー・スターとの情報融合を最適化するため…」
「…でもあれば、君の命の保証のためでもある。胸の真ん中にあるのは除細動器だしね」
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「命が危ないって、そんなことさせるんですか」
「…もしもの話。最適化をきっちりしないと、身体を戻す時にひどいからね。腕の情報が欠けてれば、腕だけ帰ってこなくなる」
「そんなに!?」
先ほどまでは急ぎだったから仕方がないが、何の説明も受けずにそういう恐ろしいことが起こりうるマシンを操っていたという事実にスターは戦慄する。
それと同時に思うのは、そういうことが起こり得るならあのマシン――シルバー・スターについてもっと知っておくべきではないかということだ。
これから先、もう一度乗れるのかどうかはわからない。だが、もしもそうなら、聞いておきたい。
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「…あの、シルバー・スターっていったいどういうビークルで」
「それは後できっちり勉強させてやるから。とりあえず、次を着てみてくれよ」
そう言われてスターが手渡されたのは、ひとつなぎの真っ白な厚手の服。その意匠はレーシングスーツのようであり、宇宙服のようでもある。
まるで聞かなかったかのように話を流されたスターは少し不満を募らせるが、ステラの言う事とあれば素直に聞くしかない。
「だいたい、そのスーツじゃ人前には出せないしね。恥ずかしいったらない」
ステラの言う事にスターははっとする、確かに、今のスターはその形だけで言えばほぼ裸なのだ。
その事を意識してしまうと、もうその姿じゃいられない。早急に渡された服をスーツの上から着込んだ。
…はいいのだが、どこの袖も余り方が尋常ではなく、もはやぶかぶかである。明らかにその服はスターの身長に合っていなかった。
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いいじゃん…
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「…いやあ、わかっちゃいたが…ダメだなこれは」
それを見て、半ば呆れたような自嘲混ざりのステラのため息。
今現在スターが着ているスーツはオートフィット機能があるのだが、この白い服にはそれがない。
ステラが当初、シルバー・スターと同時にこの服を設計した際、このような子供の着用を考慮に入れていなかったのだ。
「え?」
「いいよ、それは。椅子にでもかけといてくれ、替えの服をやるから」
有機人類を探したところで、それが大人とは限らない。どうしてこういうことを考えておかなかったのか――
後悔めいた考えがステラの頭に浮かぶ、が、後ろ向きな考えはすぐに考え直してしまうのが彼女なのだ。
(作り直すとしたら、どうするか。今なら柔軟性に改良の余地が――)
スターの困惑をよそに、ステラが別の服を取ってくる間、考えているのはそんなことばかりであった。
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(ssだからあまり言いたくないが、三点リーダを使うときは偶数ずつで使うってルールがあるんだぞ……)
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◆原稿用紙10枚分◆ ◆今日はここまでな◆
Q&Aコーナー
Q.球体タイヤって走ったら球体じゃなくなりそうだけど
A.光のなんかが常にタイヤを再構築し続けているのでごあんしんです
Q.おねショタ要素が入ってないやん!
A.今回入れたのでごあんしんです
Q.そもそも球体のタイヤって接地点ほぼないんだけど走れるのか
A.ごあんしんです
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>>24
知らなかった
マンゴー研修してきます
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おつしゃす
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乙シャス!
シルバー・スターのモデルってFREEDOMに出てきたアレなんですかね
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ええぞ!ええぞ!
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>>28
過去スレ見れば解ると思うのだがその通り
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