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主人公とヒロインがおねショタかつ相棒関係のSF小説
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の続編がまたできた
(これまでのあらすじ:http://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/storage/1418653923.html)
深夜だがかまわず決断的投稿だ
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『…ふうん、やっぱり随分と小さい』
「な、なに?」
ゴーストから映し出されている、光でできた妖精のようなその人型…肩まである白い長髪に、白衣を着こんだ女性である。
それはスターを舐めるように見回す。まるでショーケースの中の商品を吟味するように、である。
『まあ、いいよ。幼かろうとそれでもいいさ』
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『まあ、いいよ。幼かろうとそれでもいいさ』
「なに言って…ゴースト、なんだあなたは!」
『うん…それはすまない』
スターは、問いただしながらもその衝撃を抑えられない。散々に追い回してきた謎の相手がまだ日も登らない間にこちらを訪ねてきたというのだから。
その脳内に沸きあがる気持ちにも、もはや整理のつけようなし。まだ幼い感情の海が渦巻き荒れて、正常さを麻痺させているのだ。
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『落ち着いてくれよ、話をしたい』
「ん……!何が言いたいっていうんです」
小さな女性はスターに冷静さを取り戻させるための計らいとして、その言葉と少しの溜めを作らせた。そののちに説明を始めようとする。
『このビークルはな、君のためのものだ。そしてわたしが生みの親』
「あなた…名前は!いや、どうして」
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スターの問いの瞬間、女性は不思議そうな顔をしてスターに背を向け、うつむきながら顎に手を当てて思案を始めた。スターも返答を待つため口を閉ざす。
もっとも大きく声を上げた「名前は」という問いだけを頭に入れてしまっているので、いきなりビークルの名前を問うてくる目の前の少年に対して訝しんでいるのだ。
かといって、実のところ彼女はビークルに名前をつけてはいない。その命名の考えも思案には含まされている…やがて、彼女が呟く。
『名前か…そうだな、君の名前は?』
「なに!?…スターですよ。こんなとこにいるし、姓はありませんから」
『スター…運命だろうか?じゃあ、このビークルの銘は〔シルバー・スター〕だ。ゴーストではない、そして』
銘を付けるまで、後ろに手を組んでシルバー・スターに向けていた身体を、白衣を翻しわざと大仰な素振りで言葉を繋ぐ。
『私はステラエール・エトワール。シルバー・スターは、君が乗るべき代物だ。そのために君を追いかけた』
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「ぼくが…ビークルに」
『そして、一つ頼みもある。切実なんだ、どうか断らないでくれ』
スターは、恐る恐るシルバー・スターへと歩み寄る。歩みの遅さの理由は、軽々しく決めていい事ではないと迷っているからだ。
今、彼にとって、この選択はこれから自ら歩む人生のすべてを決めかねないものではないかと思えてならなかった。
唐突だからというだけではない。自らの欲を揺り動かされ、しかし今の自分の立場と反対にある存在が目の前の誘い。そういった板挟みにあったからだ。
妖しく艶めくシルバー・スターの、白銀の有機的なボディも、いっそうスターを惑わせているのだ。
…だが、その思考は突然やってきたサイレンにかき消されていった。
『C.H.A.S.Eだ!投降しろ!』
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ステラAILE
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『チェイサーか、手が早い…スター!猶予がなくなった、乗るんだ!』
「な、なに…!?」
管理局ではない、チェイスという聞いたことのない名前。だが、経験がスターの身体をすぐに動かしていた。
乗るしかないとわかってしまっている彼の身体は、とっくにシルバー・スターを操作できると思しき部分を見つけ、それに合わせて自然とうつぶせの形に飛び乗った。
手を合わせてみたそれは、見慣れないアームレイカー型のインターフェイス。
手形に合わせて掴んだ一瞬後、目の前に浮かんだ空間投影ディスプレイが搭乗者認証完了の文字を映し出す。
どういうワケかその瞬間にスターの視界はずっと鮮明になり、いきなりの変化に酔いを起こしかける。
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『アクセルは意思で踏み込め!』
「動くんだよ!!」
…半信半疑でそう念じた瞬間、運命の車輪は廻りだした。
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「無人でないという!?」
無人機であるという情報のはずのそれが、此方へと形振り構わず突進してくるのを見てC.H.A.S.Eの一人がそう言いながら避ける。
止めたいのであれば、本当はそこを動くべきではなかった。だが死を恐れる気持ちがそうさせてしまい、シルバー・スターの道を図らずも開けた。
「た、隊長…!」
「言うな、追うぞ!」
捕獲対象が逃げたとあっては責任を問う時間も惜しい。シルバー・スターを追って、彼らは発った。
…だが、それだけでは終わらない。一部始終の全てを見届け、今まさに彼らを追って発たんとする者もそこに一人いたのだ。
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『動かせるか?わかるか?』
「いけます!…えっと」
車道へと飛び出たスターは、初めてのその感触を確かめつつも、シルバー・スターを乗りこなさんとつたない運転をしてみせる。
どもって会話を途切れさせてしまったのは、先程の質問で次々に突き付けられた事実に飲まれて、彼女の名前を呼ぼうにも覚えていられなかったからだ。
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『ステラエールだ、ステラでいい!悪いな、こうなって』
「いいんです!…チェイス、って、何なんですか?」
そうしてスターがステラに問うと、空間に投影されたステラの小さな人型はスターの目の前に降り立つ。
光でわかりづらかったその容姿がようやくハッキリ見えた。小さくなってわかりづらいが見惚れるほどの長身と美貌である。
だが、スターはそれに気付けるほどの余裕がない。空間投影ディスプレイは網膜投影へと移行して、情報は彼に直接送り込まれている上、何より今は運転中だ。
『太陽系警察の特殊部隊だよ、…警察と言うとわからないか?ここの管理局とようは同じだ』
「た、太陽系?」
『…そこからか?まあいいよ、管理局なんかよりもっとデカい所だ。比べようがない』
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「そんなに…!なんで追われて」
『前見ろ!!』
スターがステラに視線を送った、たった瞬間程度の時間だったがそれは充分にシルバー・スターと一般ビークルの距離を縮めすぎていた。
ステアリングを効かせて、どうにか間一髪で回避するスター。ステラの指摘がなければ衝突を免れなかっただろう。
「…ぅわあ」
『冷えてる場合ではない、追いついてきたぞ!』
前方に何もないことを確認してからステラの視線の先である後ろを傍目で見る、たしかにC.H.A.S.Eの白黒のビークルは追ってきていた。
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『焦ってはいけないぞ、私のシルバー・スターの性能を奴らは計り切れてはいないんだからな。追いつけるはずがない!』
そう言い放ったのち、スターの網膜内に新たな情報が追加される。周辺のマップデータと、何かを示すルートであった。
『この通りに来てくれ、そこに私がいる。どうしても行けないワケがあった』
「これを…ですか!?」
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『シルバー・スターならできる!そのうちに撒けるだろう。ヘヴィであるかもしれないが、君のドライブに私は賭ける!頼むぞ!』
一通り喋り終えたのち、ステラの虚像は浮かび上がってスターの視界から退いていった。
状況の波に押し流されて、自らも整理できずにいるスター。だが、ひとまずこなすべき目標がここに出来上がった。
スピードの世界に一度入りこんだならば、それ以外の全てに意味はない。ただ今は、走りぬくのみ。
齢十二歳のスターの目には、初めて覚悟の火が灯った。心のエンジンが弾けて、それは突き抜けるための力となる。
「…やるよ!」
『…へえ?可愛い眼じゃないか』
そのステラのつぶやきは、シルバー・スターが空気を割るような響きの中に消え行った。
白銀の流れ星が、眠りについた深夜の街のしじまを切り裂き駆け抜けてゆく。カーチェイスはまだまだこれからだ。
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◆今回はここまでな◆ ◆眠たみ◆
もう原稿用紙30枚以上に到達すると思うがあと1回だけ続く見込みだ
それではオタッシャデー
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ステラとエトワールはイタリア語とフランス語で星
エールは当然AILEくん
淫殺兄貴もやっぱ好きなんすねえ
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星星アンド星ですね…
スターくんとステラさんの設定とかもうあるんですかね?あったら教えてくださいオナシャス!
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乙ゥ^〜
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>>18
あることにはあるがどこまで教えていいのか…
もう最後に至るまでの全ての設定をし終えているのでどうにも教えづらいことだ
ここはNaNじぇいの古事記ホモビデオに倣って身長年齢体重とかそういったものを記載することとする
スターくんの身長:130cm台中ぐらい
年齢:12
体重:30kg台最後半ぐらい
ステラ=サンの身長:170cmぐらい
年齢:24(ケイ素生物なので大した年齢じゃない)
体重:74kg
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>ケイ素生物なので
ファッ!?
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もう終わってる!
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ARMSを彷彿とさせますね……
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