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主人公とヒロインがおねショタかつ相棒関係のSF小説
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の続編ができた
(これまでのあらすじ)http://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/storage/1417961151.html
決断的投稿する
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続きヤッター!!
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はよ
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…しかし思い立ったからといってそうそううまくはいかないもの。スターらが発ってからすでに3時間、手がかりは未だなし。
途中に遭った他のビークル乗りチームに掛け合ってもみたものの、ほとんどは当然まともにとりあってくれる筈もなく。
その中で話の通じる人間を見つけたとしても、ゴーストについてはほとんど知っているようなことしか口から出てこなかった。
現状としては、『四車線幹線道路に現れる』という全てに共通している情報を頼りにしらみつぶしにそこを走っているのである。
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待ってました
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「…くそ、マジに来るのかよ」
「走るしかないでしょ、こんなの…!」
「走ったって追いつけないんじゃねえのかよ!」
スターと黒髪の少年、進まない現状に焦れる二人は次第に苛立ち口論へと発展しかけてゆく。
…だが、それもつかの間。それは唐突に、そして些細な衝突も鋭く切り裂いて割り込んできた。縦列に並んで走る彼ら3機の、最後尾からの無線通信である。
『後ろから!?…ああ、今見た!インターチェンジから、後ろからゴーストだ!』
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「聞いた!?」
「あっちから出向いてくるとは!」
先程の一触即発と言える雰囲気もどこへ行ったのか、とうとう現れた目的のそれにふたりは興奮を隠せない。
だがその一方で、スターだけは何か不審な雰囲気を感じ取る。現れる時はいつもここを走っているはずのゴーストが、なぜインターチェンジから現れたのか?
規則的情報から突然現れた、理由のわからない例外をスターは危惧したのだ。その心配故に、黒髪の少年に注意を促す。
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「…見るだけなんでしょ!?」
「ここまで来てか!?冗談!」
無意味であった。元々短気でもあった彼らはすでに弾けている、こうなれば止まらないだろう。
後ろをふと見てみるとゴーストのシルエットはどんどん近づき、すでに二人からも捉えられるほどだ。そこへ、もう一つの通信。
『…大した速度じゃないぞ?いけるんじゃないのか!』
事実、そうである。彼ら3台まだ速度には余力を残しており、ゴーストにも並べないスピードではない。
実情も知れない相手への対応としては、まさに油断と言うに他ならない。だが、伝えられたその事実は黒髪の少年の欲をさらに掻きたてた。
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事実、そうである。彼ら3台まだ速度には余力を残しており、ゴーストにも並べないスピードではない。
実情も知れない相手への対応としては、まさに油断と言うに他ならない。だが、伝えられたその事実は黒髪の少年の欲をさらに掻きたてた。
『よし、やろうか!』
その一声を皮切りに、黒髪の少年はビークルのスピードをさらに上げさせる。先頭が加速したことで2機目、3機目とも加速は続いてゆく。
ゴーストも加速を続けるも、依然として並走できる程度のスピード。いつものようにウィンチを引っかけて横転させるなどとたやすいだろう。
だが、スターはある情報の一片をここでようやく思い出す。もっとも危惧していたはずの、“接近したビークルは突然爆発四散した”ということを。
「冗談をするなっ!…う!?」
…言い終わる頃にはすでに2台分の爆発、後列の二人のビークルは煙を吐いて無残な姿のまま遠ざかっていった。
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「…!まずいよって!?どうにもできない!」
「仲間を…なに!」
突然であった。黒髪の少年も、スターも。事前に得ていた情報も沸騰した頭の中に消えていて、行動へと働きかけなかったのだ。
それが今度は不可解な現象への頭の処理と、仲間の脱落に伴い渦巻き始める怒りでごちゃごちゃに混乱している。
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「もっとスピードをだよっ!!…うわ!」
「くそっ!」
スターの差し迫った大きな声は黒髪の身体を動揺から覚まして、動かす。急加速ゆえにスターも体勢を崩しかける。
見ればスピードメーターはもはや振り切れんとしている、近づいてはならないとした故の、正真正銘のトップスピードだった。
…しかし、それをもってしてもゴーストは追いすがる。スターが振り返ってみれば、常にそれは迫り続けていた。
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妙に富野ってぽいですね…
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「もう出ないの!?」
「もう…出ないよおっ、どうしろって!!」
怒りのベクトルがスターに向いて、鬱陶しく思うそれに怒鳴り散らす。だが、それで状況が好転するわけでもない。
近づけないのではウィンチを引っかけて引っ張ることもできない。そもそもあのスペックのゴースト相手では、馬力は負けているであろう。
追われている理由は解らない、とにかく今は逃げるほかないのだ。
(追ってくる?どうして、どういうワケで?…管理局のなにかなの!?)
スターは思い始めた、今までの情報ではゴーストに関わったビークル乗りはみんな管理局の後始末の時に捕まっている。
そういうことなら、このゴーストは自分たちをすべて捕らえるための罠なのではないかと。
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「おおっ!?」
突然の揺れがスターを襲い、思考を途切れさせる。我に返って前を見てみれば、カーチェイスの舞台はすでに別の車両がいる区間へと移っていた。
不安定な二人乗りで、高速のままに1台のビークルを避けた故の揺れであった。後ろを見てみれば…またも、爆発。生きてはいないかもしれない。
避けたはずの一般車両がゴーストによって爆破されているのだ。思わず冷や汗がスターの頬を伝う、見境も何もあったものではない。
(管理局じゃない…めちゃくちゃだ!)
自分たちへの対応には手段を問わない管理局だが、いくらなんでも不特定多数の他人を巻き込んでまでというのは今までにはなかった。
こんな恐ろしい手段を以って追ってくるものが管理局の手のものじゃないという、確信のようなものがあった。
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「う、うわ!」
「うめくなっ!…まだ追ってくる!」
黒髪の少年の操縦は最高速度を維持し続け、なおかつ他複数のビークルを避け続けているにも関わらず見事なものだった。
しかしなおもゴーストは、周りの車両をポップコーンのように弾けさせながら迫り来る。もはや辺りはさながら戦場である。
常に死の可能性が背中から迫りくる、これではいずれ集中にも限界が来るというもの。もはや猶予なし、早々に逃げおおせねば命はない。
「…そうだ!インターチェンジだ、見えてるだろ!」
「は!?」
「あいつはここ以外を走ったことない、街中ならぼく達に有利なんだ!」
それは集めきれていない不確定な情報から打ち立てた仮説でしかない。それでも、ここを乗りきらねば命はないのだ。
藁にも縋る思いで、スターはこの作戦に望みを託す。無論操縦するのは黒髪の少年だが、無茶でもやりきらねばどうにもなりはしない。
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それは集めきれていない不確定な情報から打ち立てた仮説でしかない。それでも、ここを乗りきらねば命はないのだ。
藁にも縋る思いで、スターはこの作戦に望みを託す。無論操縦するのは黒髪の少年だが、無茶でもやりきらねばどうにもなりはしない。
「く…知らねえぞ!」
最高速度のままに左手のインターチェンジへの連絡路入口に突入、そのまま旋回。ガードレールにボディをこすりつけ、タイヤの寿命を縮めながらもどうにか曲がりきる。
では、検問所は?市民パスを持たない彼らが検問を正規の方法ですりぬけることはできない。…中央突破である。
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「うおお…っ!」
行く手を阻むバーへとスピードのままに突入、ビークルにへこみを付けながらもそのままねじふせた。
…スターが衝撃に耐えて後ろを振り返ったその時である、何か光を反射するものをゴーストが自分に向けて飛ばしてきた。
「わっ!…?」
何も、起こらない。それどころか、ゴーストはその場に停車したまま動いてもいない。仮説が正しかったのだろうか、とスターは思う。
…ゴーストを振り切ったまではよい。だが、検問所を破ったならば、当然この作戦はもう一つの敵を呼び寄せることともなった。
『こちら管理局!暴走車、速やかに停止しなさい!』
「やっぱ…!」
「あとひと踏ん張りなんだろぉっ!?」
管理局の追手との、再びのカーチェイス。これを振り切りさえすれば、どうにか拠点へは帰りつくであろう。
…蒸気と人ごみだけではない。一抹の狂気が人口の街を包み始めていても、人工の太陽は変わらず更け行く。
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すでに時は夕暮れ。元々は人口の基地であっても、温度の変化こそないものの変わらず昼と夜は存在する。
太陽がいつもあるかぎり、生き物はそれを忘れることができないからだ。…夕焼けが照らす廃墟のビルに、満身創痍で帰り着いた少年二人の影がある。
「…ゴーストってのはなんなんだ」
「…わからないよ、どうしてあんなに速いのか」
「そういうことじゃねえ!!」
言葉の上ではかみ合っている、だが黒髪の少年は返答を求めてはいなかったのだ。
逃げおおせた安心感もあって、いきなりの怒鳴り声に怖気づいたスターは言葉を続けず押し黙る。…一瞬の沈黙の後、黒髪の少年は再び言葉を繋ぐ。
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「ゴーストだぞ…俺の仲間を、よくも…」
「それは…ぼくも、思うけどさ…」
「そうだろう!理不尽なんだ、あいつは!」
「…ぼくらが出向いたからなんだろ」
「うるさいよ!!」
「っ」
大声でまくしたてられたスターはまたも口を閉ざす。その後すぐに余計なコトを言ってしまった、と後悔した。
何も言えるはずがない。勝てる見込みだったはずのスピードでは負け、ビークルも2台失い、仲間までゴーストに奪われた。
その後悔も喪失感も、計り知れないものだろう。だから、ひとまずそっとしておいてあげるべきだったのだ、と思うのだ。
「…ごめん」
「………」
…何も、言えなかった。
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「…ホントは行っちゃならなかったんだ」
「え?」
すっかり日も暮れた暗い夜。夕方から続く激しく損耗したビークルの修理にスターが苦闘している、そんな時に聞こえた言葉だった。
とてもか細い声であったが、どうしてかその時はしっかりと聞き取れた。まるで悲嘆するような声の調子がそうさせたのだ。
「油断だったってことだろ、ああやってやられちまって…」
「しょうがないでしょ、過ぎちゃったコトで…そういうふうに済ませはしないけど」
…それからしばらく、機械同士が当たって鳴りあうかちゃかちゃといった音が響くだけであった。
スターも黒髪の少年を何度か傍目でちらと見る。が、相変わらず魂が抜けたように無気力に座ったままだった。やがて、またかすれた声で言葉が漏れた。
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「…目標ができた」
「なにか?」
「ゴースト野郎に復讐してやらねえと」
「…大丈夫だよ、すぐ直すから」
「悪い…」
こんな弱音を吐く黒髪の少年を、スターは共に生きた十二年の中で初めて聞いたのだった。もっとも、スターが拾われたのは彼が4歳のころであったが。
ことビークルを手に入れて自分への当たりが強くなってからは、そんなものを見せるような気配もなかっただけにスターは彼が相当にまいってしまったコトを察したのだった。
(がんばってよ…)
思い返せばこのような仕打ちを受けているのもたった一年前からだ、それまでは常に自分たちの生活を支える頼れるリーダーだったはずなのだ。
育て親のような存在がこうしてしまっているというのは、スターにも相当にこたえているのだ。
無意識に止まっていたビークルを直す手をさらに早める。特に意味などないが、スターは無性にそうしたくなった。
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時はさらに夜更け、地球標準時では深夜帯に差し掛かろうかという時刻である。
スターは相変わらず破損個所の修理と戦っていた。だが黒髪の少年の方は、今日の疲れもあってかすでにぐっすりと寝てしまっている。
一人になって、焚き火の元が弾ける音だけが鳴る廃墟でスターは思案に耽り始めた。
(ゴーストの正体、目的…復讐するとは言った、けどあれじゃあ…)
今日ゴーストと相対してわかったことは、ないと言ってもいい。すでに得ていた情報というのもある、だがその他要素でさえあまりにも謎すぎる。
工の字型のフォルム。謎の光球四輪タイヤに、圧倒的なスピード。それと周りのビークルを爆破する機能。どれも何一つ正体がつかめない。
その行動目的でさえ謎なのだ。並走したと思えばいきなり追い回し始め、インターチェンジから逃げおおせればそこで止まり、何かを発射してきた。
実体を掴める要素など、何一つないと言っていい。
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「…ん?」
ビークルの下に潜り込んで逆さになった視界に、不意に光が灯る。おそらくビークルのランプだろうが、ここにこんな夜中にビークルが来ることはない。
不審に思ったスターは、地面を手で押して荷台を転がしビークルの外へ抜け出て、光の方へと歩き出す。
…ありえないはずのそれが、忘れられないそのシルエットが、小さな人型とともにそこにはあった。
『やあ、探したよ』
「――ゴー…スト…」
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ここまで
実際13日まで何も手つけてないので実質昨日と今日で書いたも同然だ
それゆえ粗が多いかもしれない…まあ、マルナゲだ!
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オツシャス!
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ニンジャは文豪
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恐ろしい完成度ですね…お疲れ
>「もう…出ないよおっ、どうしろって!!」
ん?
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>>27
同じこと思いました
もう少し砕けたと言うか荒っぽい口調でもいいと思いました
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主人公とヒロインがおねショタかつ相棒関係のロボット小説書きたい
ガンバルゾー!
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ショタ提督ネタを取り入れているということを言いたかったんだ
ゆるして
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愛宕「もう出ないの!?」
ショタ提督「もう…出ないよおっ、どうしろって!!」
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台詞に溢れるトミノ的アトモスフィアすき
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>爆発四散
やっぱりニンジャスレイヤーじゃないか(歓喜)
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おね要素あくしろよ(ホモはせっかち)
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読みやすくていいなと思いました
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富野語録と忍殺語録が合わさり最強に見える
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