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主人公とヒロインがおねショタかつ相棒関係のSF小説
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書くとどんどん長くなっていくのだが
(これまでのあらすじ:
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20196/1417961151/l50
http://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/storage/1418653923.html
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http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/20196/1419866529/-100)
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ドウニュウ・ジツ
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ペースを落とせば捕まるのはこちらだ、だからこそ、全速全身を以って走るのみ。身体のみならず感覚をも挿げ変えていても、スターの考えは変わらなかった。
とはいえ、スターは流石に戸惑っている。アームレイカーでのハンドリングを以って先ほどまで走っていたのに、それすらも感覚でやれと言われればそうもなる。
『動け』と念じて…シルバー・スターがそれを受け取って動かしているから、アクセルワークこそ変化ないものの、乱れは確実に走行ラインに見えている。
そしてその乱れは1秒ごとに積み重なり、それから目的地へ向かう4回目のカーブにおいてのターンインにて表れる。見れば、真後ろを許してしまっている。
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過去スレそのまま提示するのはあらすじとは言わないのでは…
わざわざこれまでのあらすじ書いてくれとまでは言わんけども
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(追いつかれて!…しまったかっ)
これではいけないのだ。スターは、管理局のビークルにふつう搭載されている電磁ネット射出機の存在を恐れて後ろをつかせないような走りをしていたのだ。
この機械の身体にそれが通用するかどうかなどと考えているようでは甘い。捕まったら終わりだという精神を以って走らなければならない。
今走っている長めのカーブを超えれば狙いを付け始めるだろう。その前に後ろについた1〜2機のビークルをどかさねばなるまい。だが、どうやって?
(勘違いしてた、ぼくはビークルじゃなく、今は人型で人間でもない。ならさ)
人間にも、ビークルにもできないような動きでさえ、今の自分には可能だということ。スターは刹那の思考の後、ガードレールから覗くその下をちらと見る。
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…一瞬の覚悟。自らの現状を信じ、意を決して実行する。オーバーステアを目いっぱいに効かせ、右手のガードレールを掴み、そのまま体を浮かせて乗り越える。
だが、その先にあるのは落下。…ここは、高高度ジャンクションなのだから。
『こうだっ!』
だが、考えなしに落ちているというワケではなかった。なぜならここはジャンクション、その下には当然また別の道路がある。
そして、今しがた離れた上部の道路からでは追手はシルバー・スターに合流できない。一斉に撒いてみせたのだ。
ホイールを上げた脚部が着地の衝撃を受け止める。路面にヒビが入り始めるほどの衝撃、それを抑えきって2・3歩走ったシルバー・スターが再びホイールを降ろし走行を始める。
人型ならではの動き、これがスターの考えるそれならではの走り方。多少、目的地へのコースからは外れてしまったがリカバリーの算段はすでにある。
(…なるほど!)
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底が見えないこのマシン、だが、スターはわからないなりに理解してみせる。
珪素生物の使う普遍的なビークルと違って全てを思考操縦できるとはいかないが、シルバー・スターにはとんでもないスペックがある。
車両と人型、二つのマシンを同時に乗りこなす煩雑なテクニックを要求こそすれど、引き出せたならそれは強大な力となるのだ。
…だが、それでも追ってくるものはひとつあった。先程の、人型機械。同じような方法で、自分の後ろに着地してくるのがその轟音で計り知れた。
しつこいモノだ、とスターは思う。確かに、これはひとえに執念の成せることでもあろう。
だが、ここはしばらく一本道…すなわち直線勝負。最高速がモノをいうのだから、シルバー・スターが負けるはずはない。
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(勝負するまで!)
食らいつかれてはならない。圧倒的なまでに引き離さなくては、撒いたことにはなりはしない。
今までより強く、スターは『走れ』と念じた。レース勝負の決着を付ける最大のファクターとは、結局はスピードだ。
ホイールにこすれる路面がいっそう高い唸りを上げる。この音響こそが、スピードの世界への理解をより深めてくれる。
…だが、この道路の向かう先はまたも市街地。スターの算段はそこを経由して前進しつつもう一度ルートへ戻ることだが、追われたままでは都合が悪い。
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(ここでできるだけ離してやれば!)
逃走劇もいよいよ大詰めが近づく。決着は如何様になるものか?スピードだけが答えを知っている。
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市街地へと突入した、3m程度の2つの人型。一つはシルバー・スター、もう一つはそれを追う第7チューブ区画管理局の人型ビークル。
両者とも一つ目・右へのターンインを難なくねじりこみ、一般ビークルの間を縫って走行し続ける。
強いて言えば、人型ビークルの走行は立ち上がりを重視するようになっただろうか。ともあれ、未だ両者の間では熾烈な逃走劇が繰り広げられている。
もう一度左へのターンイン。これをこなして、一般ビークルの通りが少なくなった道路を走っているスターがもう一度地図を確認する。
(もうすこし。回り道したけどここを超えれば復帰できる!相手は1台だっ)
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ようやく終わりを見せた逃避行。少しの安堵とそれを戒める意思が混ざって、人間の身体ならば溜息ひとつでもついていただろう。
だが、それはまさしく油断であったとスターはすぐに思い知らされる。視界を占有するビル街の壁ががなりをひそめてそれを抜け出さんとする時である。
…見えてきたのは、おそらく別働隊の待ち伏せ。思えば、この区画から出られるのは目の前の高架下ただ1か所のみ。そこを塞げばいいだけの話だったのだ。
(…連絡をよこしてないわけもなかった!くそ)
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先程からこちらに対して妨害電波でも放っているのか、ステラとの通信は途絶している。このままビークル数台相手に突っこむわけにもいかない。万事休すか?
いや、そうではない。スターの目に留まったのは…封鎖された道路に沿う、高架に近いビル。
これを使えば、道が開けるとスターは確信した。それならば、ためらいかけた前進を再び行うのみ。
『止まれ!!おい!!』
向こうのビークルのスピーカーユニットから聞こえる大音響の怒鳴り声。気の毒だが、スターに止まる気は毛頭ない。
スターの目論見通り、ここまでの速度ならば相手も電磁ネットを撃ってはこない。特攻覚悟のような加速に怖気づいたのか、狙いがつかないのかはわからないが、とにかくそうなのだ。
そして、衝突寸前のギリギリの瞬間。身体への影響を無視した急ブレーキで減速、ホイールを上げたその足部で、思いっきりビルへ飛ぶ。
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『誰もいませんように!』
高架へは届かない。だが、シルバー・スターは迫ったビルを思いっきり蹴りつけて、方向転換とさらなる上昇をしてみせる。
…三角跳び。これならば、高架の道路へ届くのだ。
高架道路に乗り上げることができたシルバー・スター、いきなり転がってきたそれに驚いて、後ろでビークルが横転しているようだが気にしてはいられない。
ホイールを降ろして再び走行を試みる…そうしようとした矢先、左側から何か飛んでくるのが見えた。
またも、先刻の人型ビークルである。上昇用スラスターが搭載されていたようで、難なくこちらへ飛んできた。
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(だけど、もうおしまいだ)
目の前の道と合わせて、スターはこの人型ビークルを振り払う考えをすぐに思いついた。そのためには、ただ前進し続ければいいだけだ。
ホイールが回転し、シルバー・スターは速度を抑えめに、またも走り始める。着地してすぐさまそれを追う人型ビークル。
…決着はすぐにつき、なんともあっけないものだった。
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『変換融合、解除!』
人型になっていた各部はその一言と同時に車両形態への変形を進め始める。四肢は再び4脚型となり、光球体タイヤを形成する。
胴体部分に見えていた内部機構もシャーシの中に完全に隠れ、頭部は元の座席部分に戻る。以って、車両形態への分離成功。
融合が解かれたことで変換されていたスターの肉体も再び形成され、うつ伏せ姿勢でのアームレイカー操縦へと移行する。
だが、重要なのは元に戻ったことではない。――車高が、下がったことだ。
先程から速度を抑えたシルバー・スターにぴったりと前につかれ、視界が狭まるようにされていた人型ビークル。
――人型では通れない、ビークル用のチューブロードが近づいていたことが、わからなかったのだ。
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「や…った!」
スターが振り返る。上半身を激しく衝突させて、火を噴き始めた人型ビークル。紛れもなく行動不能となっただろう。
チューブロードを抜ければ、目的の場所はすぐそこだ。どうやら居住区地下・深部のようだが、そこを選んだ意味は今詮索しても意味のないことだ。
人工のものながら、もはや朝日が昇らんとする時刻ともなった。スターは何か脱力してゆくような感覚を覚えた。
が、最後まで油断してはならないと先ほど学んだばかり。気を引き締めて前に向き直る、ゴールはすぐそこだ。
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淡く明るい色になり始めた地表と比べて、天と地ほどに暗い居住区深部。どうにかビークルごと乗りこめたスターは、確かに目的地に着いたことを調べてみる。
だが、ここでどうすればいいのか?それを知らされていない。本末転倒に思えるようだが、その真意もステラと通信がとれないのではわからない。
ゴール地点で八方ふさがりに陥ると言う、奇妙な状況にスターは晒されていた。
(どうすればいいんだ…?)
そこに響く靴音。地下という環境で良く聞こえたそれは、スターへとだんだん近づいてきた。
薄暗さが一層の恐怖を引き立て、それに感化されたか思わず身が強張るスター。…だが、やってきたのは見覚えのある人物だった。
腰までかかるような白いストレートの髪、それとコートのような白衣。生身での対面は、初めてだった。
「ステラ…さんですか」
「ナイスドライブだ。よくやったね、スター」
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◆今日はここまでな◆ ◆次回で最終回◆ ◆欺瞞が一切ない◆
『スターは絶対に攻撃しない』という縛りを加えた状態でどうやって人型ビークルを振り切らせるかと考えたらこうなった
ちょっと間抜けな終わり方だったかもしれない…
質問があるという前提で話すようだが、なにか聞きたいことなどあれば答えるゾ
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アームレイカーってなんだよ(哲学)
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http://i.imgur.com/kN89o5v.jpg?1
あからさまにこの運転席の丸い操縦桿なのだ!
というかシルバー・スターは画像の乗り物とアークエンジェルを混ぜたものにギアスの紅蓮のような乗り方で乗るものだと思ってもらってもよいだろう
人型形態のホイールもKMFのあの走行方法からヒントを得ていることだ
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はえ^〜
絵が上手いNanじぇい民は書いてみてくれよな〜頼むよ〜
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メカ描くの好きなんで興味ありますけど設定みたいなのって過去ログ読んでけばなんとなく把握できますかね…?
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たぶんできるのではないかと思う
わからなかったらインストラクションを授けるので実際安心な
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はえ^〜すっごい…
というかスターくん、12の割にクッソ度胸ありますね…
かっこいいショタという新路線いいゾ〜これ、これなら愛宕に勝てる(確信)
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