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不動産・土木・建設・土地建物等綜合スレ

1とはずがたり:2005/01/07(金) 14:03
今までの過去レスなどはこちら。
http://members.at.infoseek.co.jp/tohazugatali/kf.html

354とはずがたり:2008/07/07(月) 18:59:01

【第20回】 2008年03月07日
「スルガ地上げ事件」は、弁護士大量失業時代への警鐘か?
http://diamond.jp/series/nagasawa/10020/

 つい先日、大阪市の建設・不動産会社「光誉(こうよ)実業」の社長らが、弁護士資格がないにもかかわらず、オフィスビルの立ち退き交渉をしたとして、弁護士法違反容疑で逮捕されたというニュースが流れた。問題となったオフィスビルは、東京都千代田区にあった「秀和紀尾井町TBR」ビル。このビルの所有者は、東証二部上場企業の「スルガコーポレーション」。そのスルガコーポレーションが、光誉実業に対して立ち退き交渉を依頼、多額の報酬を支払ったと見られている。

 さらに光誉実業は、指定暴力団山口組と深いつながりがあるといわれており、実際の立ち退き交渉においても、お経を大音量で唱えるなどかなり荒っぽい手法をとっていたとされる。このビルのほかにも、渋谷区をはじめとするいくつかの物件でも、同じようなケースで取引を行なっていたともいわれており、上場企業の取引が暴力団の資金源として利用されていた可能性が高い。

 弁護士法72条により、弁護士資格を持たない者が、報酬を得る目的で、紛争性の高い案件の法律事務を業として行なうことは禁止されている。これは「非弁行為」といわれており、今回の事件はこれに違反したとして逮捕されたのである。

上場企業にあるまじき反社会的勢力との不適切な関係?

 われわれ弁護士が、M&Aなどの案件を取り扱う場合、買収対象となる企業について「暴力団その他の反社会的勢力と関係がないか」ということを必ずチェックしなければならないことになっている。また、上場申請するときも同様で、主要な取引先に反社会的勢力と一切関わりがないことの誓約書を幹事証券会社や取引所に提出させられている。したがって、今回の事件のように上場会社が、反社会的勢力と思われるようなものを使って、立ち退き交渉をするということは本当に考えられない話である。

 しかも、スルガコーポレーションは、形式上、一旦は光誉実業にビルを売却した形にし、所有者としての立場を仮装させていたという。光誉実業は、ビルの所有者であるスルガコーポレーションの代理人としてではなく、自らビルの所有者と装ってテナントに対応し、家賃も受け取りながら立ち退き交渉を行なっていたという。つまり、スルガコーポレーションは、弁護士法上、光誉実業が代理人として交渉できないことを十分に知ったうえで、形式的にビルの名義移転を行なったのではないかと考えられる。そういう意味では、今回逮捕された光誉実業よりも、依頼した側であるスルガコーポレーションのほうの責任が大きいと思われる。

「立ち退き交渉」というのは明らかに、紛争性が高い事案であり、それを弁護士ではない他の会社に委ねるというのはありえないことである。ただ実際には、バブル期の頃などには、「地上げ屋」といわれる業者が暗躍し、大手ゼネコンやデベロッパーのダミーとして立ち退き交渉をしたことがあったともいわれている。

 しかし今の時代は、各企業ともコンプライアンスが厳しくなっており、絶対にしてはいけない行為になっている。少なくとも、土地の売買に関しては、他の業者が買って立ち退きが完了して、きれいになったものを最後に買う、という形のルールを決めていることが多く、その場合でも反社会的勢力と関わりのある会社とは一切の取引をしないというのは当然の前提である。そういう意味では、今回の事件のように、他の業者が買ったかのように見せかけるため、名義だけを移し、そこに立ち退き交渉をさせ、その後買い戻して転売するということ、しかもその業者が反社会的勢力と関わりがあるということは、まさに反社会的勢力の威光を利用して地上げ行為をおこなったともいえるのであり、非常に悪質であることは間違いない。

355とはずがたり:2008/07/07(月) 18:59:36
>>354-355
司法制度改革のひずみ?
「弁護士大量失業時代」の到来

 そうはいっても、こういった立ち退き交渉を弁護士がうまくやれるかというと、必ずしもそうとはいえない面もあるのも事実だ。すべての法律事務を弁護士に独占させるのがいいのかどうか、という議論も多かった。そこで、近年の司法制度改革により、「行政書士」「司法書士」などの隣接の資格者が一部の法律業務をすることができるという規制緩和も行なわれており、弁護士独占の状況も一部崩れつつある。

 一方で、司法制度改革により、弁護士の数は急速に増えている。私が弁護士になった当時(1984年)、弁護士は12000人程であったが、現在は25000人を超えている。あと10年もすれば50000人を超えるだろうといわれている。先日、日弁連の会長選挙があったが、弁護士増員反対派の候補が、接戦の結果敗れたものの、かなりの得票数を得て話題となった。このように弁護士業界では、弁護士の大量増員に関して大きな危機感をもっている。

 それは、「弁護士大量失業時代」の問題である。司法試験制度の変更により、ロースクール(法科大学院)ができ、そこから毎年3000人の試験合格者が出ることになった。それまでの合格者は500人、そのうち弁護士になるのは300人程度。今後は、3000人の合格者が出ることで、弁護士の数も飛躍的に増えることは間違いない。これまで日本は弁護士が少ないといわれてきた。とくに地方は少ない。そういう意味では、地方にも多く弁護士を行き渡らせるというメリットはあるかもしれないが、一方で、就職できない弁護士が増えてくる可能性が非常に高い。

 これまで新人弁護士は、いわゆる「イソ弁」(居候弁護士=勤務弁護士)といって、弁護士事務所に就職して、給料をもらいながら修行するのが一般的だった。それに加えて近年では、「ノキ弁」という弁護士事務所に軒先を借りて仕事をするという、いわゆる固定給のない「歩合給」型の弁護士も登場している。彼らの多くは、国選弁護人やクレジットやサラ金等の負債整理などに特化せざるをえないため、なかなか他の仕事を学ぶことができないだけでなく、弁護士としての姿勢を学ぶ機会も少なくなってしまう。しかし最近では、そのノキ弁よりも厳しい、「タク弁」(自宅弁護士)というスタイルも増えてきているという。弁護士事務所に入ることができず、自宅で、携帯電話一本で開業するといった具合である。このように新人弁護士をめぐる状況は年々悪化しているのだ。今後毎年発生する、3,000近くにも及ぶ新人弁護士たちが全員就職できる可能性は非常に低いだろう。
弁護士への「信頼」
を守れるか?

 このような「量」の変化に伴い、明らかに弁護士の「質」が変わってくるのではないかという心配がある。前述したような就職できない弁護士が、仕事欲しさに、非弁行為を行なう業者と「非弁提携」をしたりする状況も発生している。整理屋といわれる負債整理業者や、示談屋と称する交通事故の示談交渉を行なう業者などに名義貸しをするのである。示談屋に関しては、民主党の西村真悟代議士が示談屋に名義貸しをしていたとして逮捕されたという実例もある。

 このほかにも弁護士の不祥事が相次いでおり、それに伴い、弁護士資格剥奪という懲戒処分も非常に増えているという憂うべき現実がある。また、光市母子殺害事件の刑事弁護人に対する懲戒請求が多くの市民から寄せられるなど、今まで考えられなかった事態も発生している。もしかすると弁護士に対する信頼が、かなり薄らいできているのではないかとさえ思ってしまう。このような状況の中では、「法律事務を弁護士に独占させていいのか」「資格を持っていることにどれだけの意味があるのか」という議論にもなりかねない。

 今回の地上げ事件では、弁護士資格を持たない会社が実際に立ち退き交渉を請け負って問題となってしまったが、こういうニーズをわれわれ弁護士がきちんと拾えていないという反省もある。一連の不祥事に対する弁護士への不信感、そして弁護士の大量失業時代などを抱える現在の弁護士界に、この地上げ問題は一石を投じた事件であるといえるだろう。


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