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電力・発電・原子力スレ
2188
:
とはずがたり
:2014/05/10(土) 21:23:27
“原発と揚水発電は不可分の関係”は誤りか?
http://icchou20.blog94.fc2.com/blog-entry-91.html
[ 2011/07/29 (金) ]
様々な発信によって、原発の本当のコストが安くはない事については、すでに明らかになっている。
本来の原発のコスト
(出典:東洋経済6月21日原発「安価」神話のウソ、強弁と楽観で作り上げた虚構、今や経済合理性はゼロ)
その要素の一つとして、上記図も含めて多くの情報は、『原発の本当のコストに、揚水発電のコストを含めるべき』との主張があるが、それに対する反論もある。反論の中には、“原発と揚水発電のセット論は大島堅一立命館大教授が作った都市伝説”との言い回しも。
そこで、実データから確認してみた。
『原発の本当のコストに、揚水発電のコストを含めるべき』との理由は下記の論理である。
【その1】
揚水発電は、夜間電力で水をくみ上げて上部調整池にためておき、需要の多い昼間に落水して発電する。
原発はつねに一定の出力で発電するため、“夜間は電気が余る”。揚水はその有効活用策だ。つまり、揚水発電は原子力のために存在する存在であり、両者は不可分の関係にある。
【その2】
揚水発電所がなければ、余剰の夜間電力を"捨てる"場所がなく、原発の運転に支障を来す。
ポイントは“夜間は原発の電気が余る”かどうか?であり、電力会社などが提供している下図の、朝5時頃の最小電力の時に、原発の発電量が余っていて、揚水に使われているかどうか?である。
03ベストミックス
東電の2010年の1年間の電力使用実績をグラフにした。
2010年東電電力使用実績02
年間最小電力は、2010年5月4日5時の2,142万kWである。
(参考までに、2011年の年間最小電力は今までのところ2011年5月4日5時の2,099万kW)
一方、東電の原発能力は、
東電の原発設備能力(2010年)
設備能力 備考
自社 1,731万kW 2007年の地震以来停止している柏崎刈羽原発2・3・4号機(計330万kW)も含む
他社受電 89万kW 日本原子力発電(株)からの購入
合計 1,820万kW -
これは、2010年の東電が自ら発表している値で、全ての原発設備の単純合計である。
自社は、東電の自社原発の全ての能力合計で、その中には2007年の地震以来停止している柏崎刈羽原発2・3・4号機(計330万kW)も含まれている。一般的に、供給能力は、点検停止中のものもあるので、設備能力の8割〜9割程度になると思われる。
他社受電は、日本原子力発電(株)からの購入電力である。
以上から判る様に、年間最小電力でも、(過剰な見積もりである)設備能力合計より多く、年間を通して“夜間は原発の電気が余る”ことは一度もない。すなわち、“原発と揚水発電は不可分の関係”ではない事が判った。(少なくとも、東京電力においては)コストの面でも、原子力に揚水発電のコストは含めるべきではないと思う。 →調整が難しいとされる発電は原発と石炭火力発電であるけどその辺を含めてもそうなんか?
揚水発電は、ピーク対策のもっとも有効な手段であるが、火力発電の電力で水を持ち上げ、それを落としてもう一度発電するわけだから、エネルギー効率は非常に低い。電力会社はできるだけ使用を控えたいのだろう。2010年エネルギー白書のデータから計算すると、2009年では1日当たり平均で45分の稼働となる。(100%能力での運転として)→結構低いが逆に余力はあると云う事か。
2009年の揚水発電の稼働状況(全電力会社合計)
年間発電電力量 70億kWh
(全電力会社の)設備容量の合計 2,564万kW
(定格能力での)平均稼働時間 273時間/年=45分/日
今後は、風力や太陽光などの不安定な自然エネルギーの活用のなかで、その間欠性と変動性に対応する為の蓄電設備として、改めて生きて来るのではないか、と思う。
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