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電力・発電・原子力スレ
1
:
とはずがたり
:2004/04/07(水) 04:36
原子力発電は根本的な欠陥を持つのではないかという疑念を晴らせないで居る。
太陽光・風力など自然エネルギー活用型社会への移行を目指すスレ
http://www.fepc.or.jp/index-f.html
電気事業連合会
http://www.fepc.or.jp/menu/link.html
同会リンク
http://eneken.ieej.or.jp/index.html
日本エネルギー経済研究所
2179
:
とはずがたり
:2014/05/07(水) 22:10:21
>>2131
改
新しいエネルギー政策における安全保障と自給率の限界
原子力と自然エネルギーはともにエネルギー自給の目的には貢献しない
http://ieei.or.jp/2012/08/opinion120818/3/
2012/08/18
久保田 宏
東京工業大学名誉教授
(前略)
エネルギー自給率向上のためには、そのエネルギーが再生可能でなければならない
(前略)以上、結論として、先に i = 1 を仮定して図1 に示した自給率の小さい値とともに、原子力エネルギーを国産エネルギーとして位置づけることで、そのエネルギー安全保障への貢献を訴えることは、科学的に合理性を欠くと言わざるをえない。
自然エネルギーの国産利用での大きな制約
太陽光、風力、水力、地熱などの自然エネルギーを国産エネルギーとみなすことには、そのエネルギー源がいわば無限に近く存在することから、上記の原子力エネルギーに較べれば、確実に現実的と言える。しかしながら、国土の狭い日本では、その地勢学的条件等により影響される発電設備の導入可能量(ポテンシャル)には、かなり大きな制約があることも厳しく認識されなければならない。
国内における各種自然エネルギーによる発電設備の導入可能(ポテンシャル)量については、環境省による詳細な委託調査研究結果が報告されている(文献4 )。この報告書に与えられた各自然エネルギー発電設備導入可能量、および設備利用率の値を用い、次式
(発電可能量)=(発電設備導入可能量)×(設備利用率)
( 2 )
により、それぞれの設備の発電可能量の推定値を概算し、さらに、現状(2010年)の発電量に対する比率の値を発電可能量比率として表1 に示した。ただし、ここでの値は、各設備について経済性を無視して実用化を図った場合の発電可能量の言わば最大値である。同じ表1中には、さらに、今回(2012年7月から)実施されるようになった自然エネルギーの利用・普及を推進するための発電量の固定価格買取(FIT)制度を適用して、市販電力料金の値上げの形で経済的な負担を国民に強いた場合の設備可能量の値から( 2 ) 式を用いて計算した発電量、および、その現状(2010年)国内発電量に対する比率の推定値も示してある。計算の条件、各エネルギー源の設備の設置条件、さらには FIT 制度導入での電力会社による買入価格等、推定計算の根拠等の詳細については文献5 を参照されたい。
表1 自然エネルギーのエネルギー源種類別の発電可能量と現状(2010年)の国内総発電量に対する比率の計算値
(文献4に与えられた発電設備導入可能量のデータを基に発電可能量を計算した。計算根拠等の詳細については、文献5 を参照されたい)
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/epower/opinion120818-chart2-1024x270.png
*1;
FIT 制度を導入した場合の設備導入可能量、および、それを基に( 2 )式から計算した発電可能量、同対現状発電量比率の値をカッコ内の数値として示した。
*2;
有効国産エネルギー比率iの略。
この表1に見られるように、いま、日本で自然エネルギーとして最も大きな期待を集めている太陽光発電が、現状では、FIT 制度を利用してその普及を推進しようとしても、その導入可能量がゼロと、厳しく評価されていることに注意したい。これは、表中に同時に示した( 1 ) 式を用いて計算した有効国産エネルギー比率 iの 51 %という小さい値とともに、太陽光発電は、市販の電力網を通しての国産電力としての量的な貢献がゼロに近いことを明確に示している。
また、この表1から、中小水力や地熱についても、FIT制度による支援を受けても、国内の発電可能量は現状の電力需要量に対してかなり小さい。唯一、可能性のあるのは、風力(陸上)発電であることが判る。しかし、この風力(陸上)についても、その立地が電力の主な需要地から遠く離れた北海道や東北地方などに限られ、送電網の設置には相当の時間と費用がかかる。
以上、結論として、現状の原発分の電力を自然エネルギー電力で置き換えるためには、極めて大きな制約があると言わざるをえない。
2180
:
とはずがたり
:2014/05/07(水) 22:11:10
>>2179-2180
国産電力の自給を当面はあきらめて、石炭火力に頼るのが現実的な対応である
旧エネルギー基本計画(文献1)の中で、エネルギー自給率の向上ためとして使用されてきた原発電力、さらにその代替としての自然エネルギー(国産の再生可能エネルギー)の使用は、上記したように、その目的に対して、現状においても、将来的にも、その目的達成が困難なことは明白である。
いま、国産電力の自給に拘らなければ、石油危機以来、最も安価で安定な電力の生産が保証されてきた石炭火力が利用できる。1980年代以降の原油価格の低落に助けられた経済成長の継続で、高い電力料金を可能にした国内事情から、電力生産のコストを無視した原子力エネルギー政策が推進され、さらには、1990年代半ばから始まった「エコ神話(地球温暖化の防止のためには経済性を無視しても日本のCO2 排出量を削減しなければならない)」の盲信から、電力生産でのCO2を多量に排出するとされる石炭火力発電設備の建設が大幅に停滞していた中で起こったのが福島原発の事故であった。この事故の起こる前から始まっていた世界経済恐慌に伴う日本経済の苦境を緩和するとともに、大震災からの復興の原動力ともなる電力の確保のためには、電力の生産に、世界各国と同様、現状で最も安価な石炭火力発電を使う体制を構築することが急がれなければならない。しかも、日本には、世界一優れた石炭火力発電の技術がある。この技術を、新興途上国に移転することで、世界の省エネ政策にも大きく貢献することもできる。
いま、政府は、福島原発事故以降の「国民の生活を守るために必要な電力(野田首相)」を確保するための原発電力代替が自然エネルギー電力であると勝手に決め付けた上で、原発比率を低くするほど、国民の経済的な負担が大きくなるとの政府作成の資料を添付した三つの「原発比率」の選択肢案を国民に提示し、これに対する討論型世論調査と称する方法の結果を参考にして、新しいエネルギー政策の中での「原発比率」を決めようとしている(文献 6 参照)。しかし、自然エネルギー電力の利用では、上記したように、現状でも、また政府が目標としている2030 年の時点でも、量的にも、また経済的にも、原発電力の代替にならないことは明白である。これに対して、原発電力の代替が自然エネルギーでなければならないとの政府が勝手に決めた制約条件を外せば、現状で、最も安価で、安定供給の可能な石炭火力が利用できる。すなわち、原発代替を石炭火力とした上で、「原発比率」を決めるとする新たな選択肢を、国民に提示した上で、改めて国民の意見を聞くべきである。これこそが、澤が主張する「知らないではすまされないエネルギー問題(文献7)」を正しく知った上での国民による「原発比率」の選択でなければならない。
地球が大変なことになるから、お金をかけても、いますぐ自然エネルギーを利用すべきだとする「エコ神話」への盲信によって嫌われものになってきた石炭であるが、どうやら地球の寒冷化が始まるとの学説も出てきて、地球温暖化のCO2 原因説には黄色信号が灯って、「エコ神話」が崩壊しようとしている。いや、「エコ神話」が崩壊しなくとも、世界のCO2 の4 % 程度しか排出していない日本が、CO2 の排出にお金をかけても地球は救えない。日本の経済の現状を考えるときに、新しいエネルギー政策の最優先課題は経済性である(文献7)。石炭火力を使えば、当面、電力供給の不安を解消して、福島原発の厳しい現実から国民の多くのが希望している原発廃止の実現も可能となる。
引用文献;
1.経済産業省資源エネルギー庁編;「エネルギー基本計画、経済成長・エネルギー安全保障・地球温暖化対策を同時に達成する2030年に向けたエネルギー新戦略」、経済産業調査会、2010 年
2.日本エネルギー経済研究所編;「EDMC/エネルギー・経済統計要覧2012年版」、省エネルギーセンター
3.久保田宏;「脱化石燃料社会―「低炭素社会へ」からの変換が日本を救い地球を救う」、化学工業日報社、2011年
4.経済産業省資源エネルギー庁編;「エネルギー基本計画、経済成長・エネルギー安全保障・地球温暖化対策を同時に達成する2030年に向けたエネルギー新戦略」、経済産業調査会、2010年
5.久保田 宏;「科学技術の視点から原発に依存しないエネルギー政策を創る」、日刊工業新聞社、2012年
6.久保田 宏; 余りにも非常識な原発比率の選択肢案の評価 ~自然エネルギーの利用を原発廃止の条件とすべきでない~ 、国際環境経済研究所
7.澤 昭裕;「知らないではすまされないエネルギー問題」、WAC、2012
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