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石油・LNGなど=エネルギー総合スレ=

2442とはずがたり:2017/10/27(金) 17:31:29
>>2440-2441
株主資本利益率が重要になってくるにつれ…
ところが1990年代に、かすかな変化が起こった。それまでは、シェルの従業員が話す内容は、海底をどのくらい採掘したか、あるいはいかに大変な状況のなかでガスを生産して運搬したか、といったたぐいのものだった。

もちろん、利益も上げなくてはならなかったが、それは石油やガスの採掘や生産に力を尽くしていれば、自然とついてくるもの、と見なされていた。それが次第に、株主資本利益率が重要になってくるにつれ、財務目標に重きが置かれるようになってきた。当時の年次報告書の調子にもそれが現れている。

「我々の目標は利益を上げる成長であり、株主資本利益率を引き続き伸ばしていくこと」。1997年の報告書の冒頭にはこうした言葉が並んでいた。他の上場会社、どこにでも当てはめられるような文言だ。序文ではシェルを偉大にし、従業員が誇りに思っている採掘や生産といった独自の能力については触れていなかった。設備投資額、効率性、成長、利益、株価水準、石油埋蔵量、競争力、コスト削減が主な内容だった。シェルの石油とガスの採掘と生産に対する限りない向上心は、次第に妥協されるようになってきた。仕事を速く進めることが求められ、従業員はより厳しい短期的な結果で評価されるようになってきた。給与のボーナス要素が増え、主に財政目標が評価基準とされた。

リーダーシップのポジションで、人が頻繁に入れ替わるようになった。「1990年代の終わりには、リーダーシップ・レベルのポジションの平均年数が短くなりすぎました」。ファン・デルフェールは言う。「計画した者は結果の責任を取ることがなくなり、『会社ファースト』から『自分ファースト』のメンタリティ、態度へと変わっていきました」。振り返ってみると、何か問題が起こらないほうがおかしいくらいだ。

原油埋蔵量スキャンダルへと発展
そして、大変なことが起こった。「もう嘘をつくのに、疲れてうんざりです。埋蔵量に関しても、大幅に強気/楽天的な数字に対して必要な下方修正についても」。これは2003年11月9日に、元採掘のディレクター、ウォルター・ヴァン・デ・フェイバートが当時の会長、サー・フィリップス・ワッツに宛てたメールの書き出しだ。

このメッセージがメディアに流出し、シェルの原油埋蔵量スキャンダルへと発展したのだ。結局原油の埋蔵量は約20パーセント、下方修正された。米証券取引委員会(SEC)に対して多額の罰金を支払うことになり、株価も大幅に下落した。会社が目指していたのが、株主の利益を追求することだったのは、皮肉なことだ。

シェルは会社の建て直しを図り、もとの能力循環に戻った。「リーダーシップの任期も、もとの平均4年から8年に戻りました」。ファン・デルフェールは言う。「十分な長さです。さらに長くなると、自己満足に陥るリスクが出てきます。短すぎると、何かを達成するには時間が足らず、重要な貢献をしているのかどうかの判断もできません」。エンジニアは再び仕事に誇りが持てるようになった。(2006年に)初の海上ガス生産プラットフォームで、風と太陽エネルギーに取り組み、(2009年に)サハリンⅡ ―LNG工場を、気温の低い環境で実現した。

2011年の年次報告書の序章では、CEOは最初のパラグラフで、シェルが変化をもたらしたプロジェクトについて触れている。パールGTL、カタールガス4、アサバスカ・オイル・サンド・プロジェクトだ。さらに「成長は我々の戦略の鍵だが、優れた運営、将来の可能性の開拓も同じく重要だ」と書いている。そして2012年に、シェルは「フォーチュン500」で上場企業の世界第1位に輝いた。


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