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Keeper of the secret --歪んだ記憶の住人--

1神奏 琉音 ◆XuuscjqfhY:2011/03/07(月) 18:48:22 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
お馴染みです(( 自己紹介が一回も変わらない、神奏 琉音(カミカナ ルオン)です。

今回は珍しく英語にしてみましたw 意味……?調べて下さい((
取り合えず、Keeper of the secretの日本誤訳は、歪んだ記憶の住人と僕は当てはめました((勝手ですw

ええっと、亀並みに遅い更新と駄作で誤字脱字もあると思いますので、暖かい目でお願いしますw

えー…、グロテスク表現があると思いますがなるべく押さえるようにしますね、がんばります^^
ん、と、ファンタジー、中二byo……、とかとか腐ってたりする主なので………スイマセン!!

駄作ですが見て取れ行って下さい。

感想はいつでもお待ちしておりますッ!

2神奏 琉音 ◆XuuscjqfhY:2011/03/07(月) 19:47:09 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp

 いつの日か、真っ黒な羊は自分の記憶を封じ込め、真っ白な普通の羊を演じる事が上手くなっていきました。
自分は人とは違う事は生まれた時から、物心が付いた時から自分は違和感を感じていました。

 何時も何時も、自分は全てみんなと違っていたのです。
何もかも、存在している場所、気持ち、感情、趣味、全て、全てが同級生の人達とは話しがあわなかった。あえなかったのでした。

 それから、真っ黒な羊は、真っ白な普通の羊に何もかもを合わせ、真っ黒な羊毛に真っ白な粉をまぶし、何時も仮面を被り、道化(ドウケ)を、お化けを演じ続けてきたのです。


……生まれた時から、自分はそう言う、体質でした。




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プロローグ前の独り言だとでも思って下さい((
次がプロローグです。

3神奏 琉音 ◆XuuscjqfhY:2011/03/08(火) 12:53:59 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
--序章(プロローグ)・記憶--

雨の音、風の音、雷の音、様々な音が混じり合う“不協和音”。
そんな中に一人傘も突っ立ている少年をとある少女は見つけた。

その少女は、金髪を太股まで伸ばし、左右三つ編みにして腰程度まで三つ編みをしてある。ハーフのような顔立ちをしていて、瞳は右目薄紫色、左目赤色のオッドアイ。服装はこの学園、水鈴学園(スイリンガクエン)の制服、白いYシャツに高等部用の青いネクタイ、真っ白なブレザーで黒いスカートをはいている。胸元のポケットには星型のバッジに高等部生徒会長と書かれている。名前は、光咲 紫音(コウサキ シオン)である。

傘もささずに突っ立っている少年は、茶髪を首より5cm程度短くして少々跳ねていたりする。青い瞳をし、白いYシャツに青いネクタイ、黒いズボン。胸元には高等部生徒会副会長と書かれた紫音と同じバッジ。名前は神楽 翠(カグラ ミドリ)。

紫音は翠に見覚えがあった。同じクラス、同じ生徒会の人。普段はニコニコとしている為、不可解な行動に出た翠を紫音は教室から不思議そうに眺めていた。

紫音は友達に別れを告げると一直線で翠の元へ向かう。傘を取ったけれどささずに走って行く。
水たまりの水が跳ねパシャッと言う音が聞こえる。それに気付いたのか翠は紫音の方を眺める。

「翠……君?」

何時もと違う翠の雰囲気に戸惑ったような表情をする紫音。ジトッとした目で、暗い瞳で睨み付けるようにして見ている。

「何ですか……?」

冷たい眼差し。冷たい声。何時もと違う雰囲気。
戸惑ったような声で紫音は声を掛けようとするが何も言えず、どうしようか、と考えていれば、傘を思い出し、バッと翠に渡す。
翠にはッチと低く舌打ちをすれば無表情でボソリと呟いた。


……………………………………………………………………………………………………

区切りますね、、

4名無しさん:2011/03/08(火) 13:23:41 HOST:p6087-ipbfp205gifu.gifu.ocn.ne.jp
おもしろいです!
早く次が見たい><

5神奏 琉音 ◆XuuscjqfhY:2011/03/08(火) 17:55:16 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
>>4様様
ありがとうございます、 Thank you!!

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「傘……? そんなの僕には必要有りません!!」

紫音から渡された傘を思いっ切り、地面に、グラウンドに叩き付ける。
翠は少しハァッハァッと息が上がり、しかし紫音を睨み付けている。
何もかもが、何時もの翠と違う。紫音は違和感を何時も感じていた。

翠の嘘っぽい軽い笑み、楽しくもないのに笑っている、そんな様子が何時も伺えた。

「倒れるのも時間の問題だよ?……みー君、体弱いしさっ」

みー君とは、翠の事である。二年連続で生徒会役員に選ばれた為、仲は結構良い方。

「貴女(アナタ)より丈夫です。……紫音さん、貴女の方が傘をささないと倒れますよ」

面倒臭そうな低い声。今は人と関わりたくないと言うようなアピールだった。紫音ははぁっとため息を付くと「今、貴方(アナタ)が叩き付けたのが私の傘」と負けじと冷ややかな口調で言う。
しかし、翠は感情の籠もっていない声で、「そうですか……すいませんね」と微かに唇を動かす。

「何を……していたの…?」

「別に……過去を振り返っていただけです……貴方には関係の無い事ですよ」

言い返しようのない言葉。ぐっと紫音は言葉につまる。

「でも……ほら、幼馴染、でしょ?」

「関係ありません。 貴女を幼馴染だと思った事もありません。ただの“友人”いえ“知り合い”です」

無表情でピシャッと言い切る。
紫音は眩暈(目眩/メマイ)がした。フラリと体が左右に揺れる。翠はうつろな目でそれを見る。冷たい視線、真っ暗な瞳、ずぶ濡れな服。
それが最後に見た光景出合った。

6神奏 琉音 ◆XuuscjqfhY:2011/03/08(火) 19:59:44 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
「…………!!」

ハッと紫音が目覚めると寮の自分の部屋。黒い学生鞄、その他教室に置いていった物全てが自分の寮の自室にある。一体誰が……と呟こうとした瞬間、翠だ、と思いついた。

ベッドの脇にある茶色の机には、真っ白な紙に、

“今日はすいませんでした。今日の仕事は全て僕がやって置くので明日、風邪を引かないようにして下さい。また何かあれば僕を呼ぶが自分で何とかして下さい。今日の生徒会は全て僕がやっておきました、なので仕事のことは無視して休む事に集中して下さい、お願いします”

それを見て、紫音はクスクスと小さく笑う。その手紙の後には“追伸.明日、風邪引けば僕のせいなので薬代とか要求して貰って構いません”と書いてある。それを見れば再びクスクスとクスリと笑う。
トントントン、と階段を降りて来る音が聞こえ、紫音はハッとする。まだ、午後三時四十分前後。生徒達は部活動、もしくは委員会活動をしている筈。そんな思考をグルグルと回していると紫音の部屋のドアがノックされる。

「…は、…………はい」

ガチャリ、とドアノブを回し前を見ると、……翠、だった。

「……えっと……その……大丈夫、ですか…?」

「あ…、うんっ、大丈夫」

コクコクと何度も頷く紫音と、ヘコヘコとお辞儀をする翠。
翠は微かに笑みを浮かべながら「あ、一応生徒会の仕事は全て終わりました」と告げる。紫音はニコニコしながら「ありがとう、流石、副会長だね」とポンポンと翠を頭を撫でた。

「んにゃっ!? はぅぅぅ、そう言うので、あぅ、えっと失礼しましたっ!!」

ダダダダーッと猛スピードで走って行き、階段を一気に駆け下りて行く音が聞こえてくる。

紫音はクスクスと笑いながら「……相変わらず、おかしな子だね」と呟いた。

7神奏 琉音 ◆XuuscjqfhY:2011/03/09(水) 19:50:16 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
--第一章・裏切り者--

タンタンタン、階段を降りる音、トントントン、廊下を歩く音。それが交互に続いてくる。真っ暗な校舎の中には、二つの影。その影の持ち主は、光咲紫音と神楽翠である。
現在、午後十一時前後。ここの学園の生徒達はそろそろ寮に帰り、宿題をやったり、趣味、寝たりしている頃だろう。しかし、二人の胸元でキラリと光るバッジを持っている者はなかなか帰れない。まだ“仕事”が残っているのだ。

「……雨、強くなってきましたね。流石に今日は中での戦いになりそうですし、片付けも面倒臭くなりそうですね」

ポツリと、翠が暗くなった窓硝子(マドガラス)で外を見ながらため息混じりに言う。一緒にいる紫音は少々苦笑混じりに「そうね、あの子達が大人しくしている訳ないからねー……」とうんうん、と何度も頷きながら仕方無い、と翠に、自分に言い聞かせる。
二人が付いたのは、白いプレートに真っ黒な太文字で生徒会室、と書かれた部屋。その部屋はかなり広めではいれる人数は最後三五人程度。生徒会役員は初等部で五人、中等部で七人、高等部で八人の構成で計二十人。まだまだスペースがある。しかし、机は縦長の物が四つ、椅子が二五個、モニター、パソコン、ホワイトボード等、生徒会関連に必要な物が沢山置いてある。その為か、狭くも感じるが何もなくすとかなり広いのである。
紫音はその生徒会室のドアをガチャリ、と言う音を立て入って行く。その後に翠を続き、翠が丁寧にドアを閉める。それに気付いた他の役員達はバッと振り返る。
モニターもジッと真剣な眼差しで見ている少女、薄オレンジ色の髪を黒いリボンでツインテールにしている。高い位置でしている割りには踝より2〜3cm短いけれど解くとかなりの長髪だと見受けられる。茶色に赤が混ざった瞳に服装は白いYシャツ、中等部用の赤いリボン、白いブレザーに黒いスカート。ブレザーのボタンを全て外している為、真っ白なYシャツが見える。ブレザーの胸元のポケットには星型のバッジに中等部生徒会長と書かれている。そんな少女は、水鈴 有希(スイリン ユキ)と言い理事長の孫娘。十四歳である。紫音と翠は十六歳。先輩後輩関係無く、生徒会は和やかな雰囲気を何時も漂わせている。
パソコン画面をジッと面倒そうな顔をして見ているのは、小日向 海斗(コヒナタ カイト)。濃いめの水色の髪に茶色のメッシュを入れ、黒の眼鏡をしている。髪は腰より5〜6cm程度長い男子にしては長髪である。藍色の瞳をし服装は白いYシャツに赤いネクタイが有らなければないないのになく、白いブレザーを着ているので上は真っ白であり黒いズボンをはいている。胸元のポケットには、星型のバッジに中等部会計と書かれている。
取り合えず、これだけ入れば一通り何とかなるだろう、と紫音は考える。翠はジィッと生徒会室全体を見回していた。翠は見回し終わったのか、カタン、と音を立て静かに自分の席へと座る。
紫音はと言えば、辺りを見回した後、海斗に声を掛け、話が終わると有希に話掛ける。モニターは一番大事な仕事、だから有希に任せてある。

「……今の現状は?」

「何時も通り……と言った所です。何時も通り、十六夜(イザヨイ)双子兄妹とその妹さんです」

「初等部の、回復能力(レコーバリースキル)の持ち主だけ行かしたぜ」

紫音と有希の会話に海斗も割り込む。生徒会役員は必ず特殊能力を持っており、会長が一番強い能力を持っているのである。 翠はモニターをジッと見ながら、カラーの付いた画面を見つめる。一分程度立つと、翠は「紫音さん……今回は貴女は行かない方が良い……絶対そのバッジ、取られますよ」といきなり呟く。生徒会役員は必ずバッジをしており、バッジがなくなる、なくすと生徒会役員としては認められない。

「今回は僕と海斗さんで行きます、貴女達はモニターで加戦が必要だと考えれば来て下さい。貴女達の判断に任せます」

「っえぇぇぇぇ!? 俺もっ!?」

翠が言い終わった途端に海斗が不満有りげな顔をし、翠を見る。翠は冷たく「言い争っている暇はありません、いくら回復能力(レコーバリースキル)を持っていようと、傷を受けた時の痛みは受ける!!分かりますか?今戦っている人達は精神の限界を超えています、ストレスが溜まっているのなら、今あの場で発散して下さい!!」と叫ぶように言う。海斗は仕方無いと言うように生徒会室を出ていく。

「それでは……、今度、会えたら会いましょう?」

そう呟き、生徒会室を出ていく。



タタタタタッと駆け足、走りながら現場に向かう。場所は三練二階、自由スペースでの出来事。生徒会室があるのは二練一階、三練までは、かなりの距離がある。

8神奏 琉音 ◆XuuscjqfhY:2011/03/09(水) 23:09:06 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
「……海斗さん、今から空間移動(テレポート)します。しかし築かれるのもマズいので、三練一階までです」

そう呟くように言えば、翠は海斗に触れ、触れた瞬間に海斗はヒュッと消えた。翠はため息を付きながらも自分もテレポートし、海斗と同じ場所に空間移動(テレポート)した。

三練一階。海斗が東階段から、翠が西階段から相手を追い込むと言う作戦を練り二人共バラバラに離れた。
海斗はスゥッと大きく息を吸うと音を立てず、しかし早めに階段を駆け上がる。それは翠も同じであった。

 翠が先に付いた。壁から相手を警戒するように眺める。初等部の人達の制服は真っ赤に染まっている。翠は相手が背中を向けた所でスィーッと言う小さい音を立てながら剣を取り出す。バッと勢いよく飛び出すと相手、琥珀色の髪を黒いフリルの付いたリボンをしていて、ポニーテールにしている。右目赤色、左目薄水色のオッドアイの瞳。服装は白いYシャツ、“裏切り者”と表される薄黄色のリボン、黒いスカート、黒いブレザー。その少女は、十六夜 月華(イザヨイ ゲツハ)である。翠は月華を見て、「楽しいですか?人を殺すのは。 あ、すいません、貴女の大好きなお兄様の為でしたね?」と嘲笑うように冷たく言い放つ。
月華はその言葉にバッと振り返り、冷たい視線を翠に送る。翠と月華は激しく睨み合う。先に沈黙を破ったのは月華であった。月華は不愉快そうな顔をし、「やっと、何も出来ない生徒会の登場? 僕達にかなわない癖にねぇ?」と無表情だが、確実に嘲笑うように言う。

「月華。やめておきなさい」

月華の後ろから低い不愉快そうな声。その後から少々甲高い、幼い声。

「姉様ー、兄様ー」

ペタペタと足音を立てながらうれしそうな声で琥珀色の髪を肩より5cm程度短いショートカットにし、赤色の瞳、服装は白いYシャツに薄黄色のリボン、黒いブレザー、黒いスカートをはいた少女、十六夜 月葉(イザヨイ ツキハ)である。
最初に月華に声を掛けた低い声の持ち主は、琥珀色の髪を腰まで伸ばしたロングヘアーに、右目赤色、左目には包帯をし、服装は白いYシャツに薄黄色のネクタイ、黒いブレザーとスカートを着た少年、十六夜 來華(イザヨイ ライハ)はクスリと小さく笑う

「さて、月華の変わりに僕が。 用件は何でしょうか」

「立ち去る事」

來華の問いかけに翠ではなく、海斗が答える。 來華はッチと低く舌打ちをすれば「やはり仲間がいたか……」とやはりね、と言うような顔し、「良いでしょう……、しかしそのバッジを貰ってからです」と來華は持っていた剣で翠と海斗のバッジを差す。翠は「そうですよねぇ」と呟く。 翠も元から抜いていた剣を相手へ向ける。海斗と言えば、月華に睨まれ、「死にたい?」等と問いかけていた。そんな問いかけに月華は面倒臭そうに「お前がな」とスッとナイフを取り出し、海斗の首に当てる。海斗は苦笑混じりに笑いながら「氷(アイス)」と呟けば、月華の持っていたナイフが凍結して行く。

「んー、じゃぁ、ボクは生徒会室でも行くね!!」

ナイフをスチャッと準備をし、空間移動(テレポート)で生徒会室に移動した。

「そうですねぇ、んと、來華さんでしたっけ? 何様ですか?つか、そんなにバッジ欲しいですか」

「ええ、欲しいですよ。私達の目的は今の生徒会の人物を消すと言う事でも良いでしょうね」

ハハハハ、と不気味に笑う來華と苦笑気味の翠。 翠は自分の胸元のポケットから星型のバッジを外し、ピンッ、と上へ投げ飛ばす。來華はハッとしたような顔をし、ギリッと歯ぎしりをする。 ジャンプを少しした後、剣を使おうと考えたのだろう、しかしジャンプをする前に、翠は先を越しジャンプしバッジを取り來華のブレザーの肩部分に剣を刺し、「ざーんねん。僕は予知能力(ファームスキル)の持ち主でした」とニッコリと勝ち誇った笑みを浮かべる。
月華は焦るように「來兄様!?」と來華を見る。翠は少々歪んだ笑みを浮かべながら「どうします? 他の所を刺しましょうか?それとも退却しますか? 妹さん達を連れてね……?」と剣をスーゥと刺していたのを綺麗に抜いて行く。

「生徒会を舐めてはいけませんよ……?」

にっこりとした不気味な笑顔。來華は焦る様子もなく小さく何かを呟いた。

9神奏 琉音 ◆XuuscjqfhY:2011/03/10(木) 07:11:25 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
p:すごい誤字発見w
  來華くんの服装で、黒いスカートじゃなくて、黒いズボンです
  男がスカートってww 有り得ないっすね((

>>all

10神奏 琉音 ◆XuuscjqfhY:2011/03/10(木) 18:40:30 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
「Mours231(モウルス231/全てを突き通し打ち砕く刃)……」

そうポツリ、と呟けば翠の周りに数十本のナイフが飛び交う。翠の腕、頬、太股等に切り傷が入る。頬からツーゥッと真っ赤な血が流れ出る。翠は微かに笑えば「魔術師か…? けれど、ザンネンデシタ」最後は口元はニィッと笑っている。翠の後ろから、“翠が”出てくる。最初に居た翠はスゥーッと薄く透明になり、最後には消えて行く。後から来た翠は「ホンモノは僕でした。ザーンネン」とクスクスと嘲笑う。嬉しそうに騙された事を喜んでいるようだ。

「幻影ですか……?」

ッチと再び低く舌打ちをすれば、面倒臭そうに少しニィッと歪んだ笑みを浮かべて。翠は少しイライラとしたような表情を浮かべ「楽しいですか?」とため息を付く。


「來兄様……!! 月葉が暴れてる!!」

生徒会室に行った月葉。月葉が暴れるとどうしようもない、暴れるとどうしても止まらない。それが月葉達の家系であった。 來華は戸惑いをあらわにし「クッソ、残念ながら、高等部生徒会副会長、神楽翠さん、中等部生徒会会計、小日向海斗さん、決着は付けられませんが……生徒会室へ行った方が宜しいかと?」とサラリと告げれば、來華と月華は一瞬で消える。翠とは違う座標地点(ムーブポイント)と言う奴だ。



「海斗さん!! 僕達も行きますよ!!」

海斗をまず生徒会室まで飛ばし、そのあと自分も生徒会室に飛んだ。
翠がギュッと生徒会室のドアノブを握り締め、くるりと回す。中の光景は悲惨であった。月葉を止めようとする、來華と月華がいる。月葉はとことん暴れている。机や椅子は倒れ、モニター、パソコンは画面が映っていない。海斗が低く舌打ちをすれば「月葉、だっけ……あんたがかよ!? 有希と紫音先輩は!?」と辺りを見回す。姿がない。 返り血がついている月葉。月葉は微かに目を開きうつろな目で「ああ、会長さん?逃げたよ、バッジおいて……ね?」クスクスと不気味に笑いながらバッジを持ち、余計にニッコリと笑った。

11神奏 琉音 ◆XuuscjqfhY:2011/03/10(木) 22:11:45 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
序章(プロローグ)・記憶 >>3 >>5-6
第一章・裏切り者 >>7-8 >>10-11

一応まとめておきました。少ないですがねw

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「……月葉さん、それをどうやって?」

少し戸惑った表情を浮かべ。会長が置いて行く何て有り得ない、と翠は考えていた。 キラリ、と光るバッジは月葉の手に握られている。月葉はちょこちょこと兄の元へ近寄り「お兄様、はい。それとも、お姉様?」とキョトンとした瞳で來華に渡そうとした瞬間……、ガラリ、と音を立て生徒会室が開いた。翠、海斗、來華、月華、月葉が一生に振り返った先には、紫音、有希、それから……見知らぬ少女。薄赤色の髪を腰までのロングヘアーにし、黒色のリボンの付いたカチューシャ、両目には包帯をしている。服装は白いYシャツ、薄黄色のリボンに白いブレザー、黒いスカートの筈がキュロットスカートになっている。そんな少女、神夜 優(カミヤ ユウ)と言う名で知られている、十六夜兄妹達の仲間。その後ろには、紫音の義理の妹、風音 紫月(カザネ シヅキ)が立っている。紫色の髪をサイドテールにしていて、少しふんわりとしている。瞳は右目水色、左目濃いめの青色のオッドアイ。服装は白いYシャツに初等部用のオレンジ色のリボン、白に黒いラインを少し入れたブレザー、黒いスカートに下は短パン。胸元のポケットには星型のバッジに初等部生徒会副会長と刻まれている。
辺りは、シン、と静まり返る。優は無言で月葉の持っているバッジを指差した。ついでに言うと紫音の胸元にもバッジはついている。優は全て知っているように静かな口調で「……それ、偽物(フェイク)よ。あたし達のリーダー(來華)がそれに気付かないなんて……サイアクね」そう低く舌打ちと共に言う。月華は鋭く優を睨む。紫月は生徒会室全体を見回して「海君(カイクン)、みー君、どういう事、なの?」と生徒会役員をあだ名で呼ぶ習性がある為、その名を呼ぶ。何故こんな事に発展し、生徒会室がぐちゃぐちゃなのか聞きたいのだろう。紫月が問いかけたのとほぼ当時に月葉のギリィッと歯を食いしばり、偽物のバッジを握り締め壊す。余程強く握ったのか、ポタポタと赤い血がゆっくり流れ落ちる。

「……ご…め……ん、私……限…界……か……も…っ」

紫音が儚くそう言うとその場で崩れ落ちた。裏切り者達はそれを見て動揺なんて一切しないで、ただ立ち去る。裏切り者達は、それだけ酷く残酷なのである。
優にやられただろう、と考えられる頬、首筋、腕等にはツーゥッと血が流れていた。目眩、もしくは疲れ、と言ったあたりだろう、と翠は推測する。「紫月さん、貴女のお姉さんを保健室へ連れて行きます、話はあとにして下さい、良いですね?」と早口で呟くように言えば、紫月は微かにコクリと頷いた。

12神奏 琉音 ◆XuuscjqfhY:2011/03/14(月) 07:23:35 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
「し……お……さん」

「し………姉」

「紫音さん!!」

「紫音姉ッ」

自分の名前が呼ばれている事に、紫音は数十回呼ばれるまで分からなかった。うつろな瞳で相手二人を見る。口を微かに動かし「……翠……君、紫月……?」と呟く。
そんな瞬間、ガラガラとドアが開き、ハイライトの白髪を首当たりでひとつに結び、腰程度まで伸ばしてある。右目薄赤色、左目薄銀色のオッドアイ。服装は白いYシャツに初等部用のオレンジ色のネクタイ、黒いズボンにチェーンが付いた物をきている。一瞬冷たそうな少年、二ノ宮 瑞希(ニノミヤ ミズキ)と言う女の子っぽい名前の瑞希は、顔も少女っぽく間違われる事もある。

「大丈夫ですか。居眠り時間二日。僕達の残業は絶対手伝って下さいね」

小さくため息を付き毒舌を吐く。しかし瑞希は少し頬を赤らめ「…でも………無事で良かったです……」と紫音だけに聞こえる位の大きさで言い、紫音は口元がほころぶ。瑞希は相変わらず頬を赤らめながら「紫月。今回の事実を話す。来い」と冷たく言い放つ。紫月は小さく返事をすれば、部屋を出て行った。

部屋には紫音と翠だけ。妙な緊張感が辺りを包み込む。
こんな沈黙は嫌なのか、翠が先に話を切り出す。翠は妙に深刻そうな顔をし、「そう言えば……何故、裏切り者達は僕達に被害を加えるんでしょうか?」クイッと横に首を無邪気に傾げる。 紫音は一瞬青ざめれば「貴方は……知らないのに、生徒会にいるの…?」と冷ややかな口調で言う。紫音は同じ冷ややかな口調で「私からは言えない……言いたくない。紫月に聴いて……」と耳を塞ぎながら続け「もう、私に思い出させないでぇっ!!」と必死に叫んでいた。

翠は小さく頷き、助ける事さえ出来なかった。

13 ◆ptZpvaYoVY:2011/03/14(月) 22:34:26 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
--第二章・ムオンノイタミ(無音の痛み)--

次の日。生徒会室に一番乗りした翠。その生徒会室の中には紫月だけが静かに本を読んでいた。昨日、紫音に聴けなかった事を紫月に聞く。紫月は目を丸くし、サーァッと血の気が引いて行くかのように、何も言わなくなった。翠は首を傾げながら「昨日、紫音さんに紫月さんに聞けって…」と呟くように言う。すると、紫月はしおりを読んでいたページに挟み、黒い鞄の中へ入れると、バンッと机を強く叩き「紫音姉に聴いたの!?馬鹿じゃん!?」と酷く罵倒していた。

「……まあ、良いや。紫音姉が来る前に話すね。これから何を言っても、みー君、紫音姉だけには言わないでね」

翠は小さくコクコクと頷く。紫月は、それで良いと言うように小さく頷く。

「昔、ね。三年位前だけど、生徒会役員が……裏切り者グループメンバーを殺しちゃったの。昔からね、あんな風じゃなかったんだよ、裏切り者は。強いて言うなら仲良くて生徒会にも協力してくれてたんだよ?だけど、そのせいで“亀裂”が出来ちゃって………。一応被害者の名前分かるけど……?」

「お願いします」

「ん。光咲紫音、小日向海斗、水鈴有希、十六夜來華、十六夜月華、十六夜月葉。以上生存者、以下死亡者。光咲見月(コウサキミツキ)、十六夜來人(イザヨイライト)、十六夜神月(イザヨイシンゲツ)、小日向海(コヒナタカイ)、その他数名」

淡々と名前をずらずら上げて行く。生存者はもちろん全て翠が知っている名。しかし死亡者の方は翠は全く知らなかった。
翠はクイッと首を横に曲げ「十六夜……小日向……光咲……?」と聞き覚えのある苗字を繰り返す。紫月はまだ気づかないのか、と呆れ気味に翠を見る。

「光咲見月は紫音姉の実の兄。小日向海は、海斗君の双子の兄。十六夜來人は、十六夜家長男、來華君達の兄。十六夜神月は來華君達の姉」

ずらずらと単語を並べて行く。つまりは「………死んだのですか?紫音さんのお兄さんは…」と小さく呟く。

「ええ、死んだわ。見月お兄ちゃんは死んだの。アイツ等のせいで。知ってる?一般的には私達生徒会が悪い見たいになってるけど、あっちだって悪いのよ。向こうが先に喧嘩を売ったし。………だからね、私はね、十六夜家の人間が死んだって仕方無いと思うの」

低く冷たい声。感情の籠もっていない無表情。

ココロガイタイ、イタムヨ。カエッテキテー……?オネガイダカラー……!

紫音の心の弱さ。兄のせいで来る過去吸。何時も思っていたのに死んでしまった最愛な人。もう会いたくたって会えない。紫音のうつろな瞳は翠を捉え「ねぇ……返して?私の見月お兄ちゃんを返してよ!!嫌ぁぁぁぁっっ!!返してよぉっ!!」と叫ぶ。

「じゃあ……僕の兄様と姉様も返して?僕の一番大事な一番一番大事な人……。それに、海君は……僕の彼氏だったんだよ!?」

何時もとは冷静さがない月華。
一瞬で儚く散った笑顔。月華の頬にはツーゥッと涙がこぼれていく。兄と最後に交わした言葉。“月華。みんなに迷惑掛けるなよ?”、姉と交わした最後の言葉。“元気で生きなきゃダメだよ!周りの人達はたらなきゃ!”。その言葉を裏切ってしまったことへの罪悪感。月華は低い声で「何でも……海君も殺されたの?関係なかったよね!?ねぇ!!どうなのっ、しーちゃん(紫音)!!」と力強く叫ぶ。紫音はただただ、小さく“ごめんなさい”と繰り返すのであった。

「月華。おいで………」

小さく來華は月華を呼ぶ。月華はフラフラしながら來華へ倒れ込む。來華はキッと紫音達を睨めば「……これ以上、月華を壊さないで……」と力なく呟いた





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第二章でいきなりシリアスですいませんorz

14神奏 琉音 ◆XuuscjqfhY:2011/03/29(火) 22:59:32 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
おぉっと、久し振りですね、更新できていなくてスイマセンでした!

これから再び更新していきますが、いきなり第二章でシリアスでホントスイマセン!!

これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします


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