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中・長編SS投稿スレ その2

936earth:2011/10/16(日) 11:15:44
第50話です。


 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第50話


 ボラー連邦建国以来最悪の大敗北を喫したとの情報はボラー連邦を揺るがした。
 機動要塞、スターレン級戦艦6隻、それに各地から引き抜いた宇宙艦隊が悉く失われたのだ。
 それは軍制服組の責任追及だけでは終らない重大な問題であり、ボラー連邦のトップであるべムラーゼも苦境に立たされた。

「ボラー連邦が保有していた宇宙艦隊は大打撃を受け、自由に動ける部隊は殆ど無くなった」
「今回の敗北は戦術的な問題に留まらない。戦略的、政治的な大問題だ。首相の責任は重大だ!」
「この度の敗戦は首相の指導力不足、いや決断の誤りによるものが大きい。べムラーゼ首相は指導者の器ではないのでは?」
「首相の解任を要求する!」

 べムラーゼの政敵達は次々に彼の責任を追及し、首相の解任を要求した。
 勿論、べムラーゼは潔く失脚するつもりはなく、あらゆる手段を用いて対抗し、ボラー上層部は政争に明け暮れることになる。
 軍でも主流派であった人間達が悉く戦死するか今回の敗戦の責任を追及されて失脚していった。そして主流派に代わって軍の
要職に就いた者たちは軍の再建に頭を抱えた。

「スターレン級を量産するより、まずは安価な従来艦を量産して戦力を回復させなければならない」 
「まずは数だ。正直、数がないと話にならない」
「場合によっては地球防衛軍がやっているような無人艦を導入するべきだろう」

 かくしてボラー連邦軍は各地の造船所をフル稼働させて艦艇の建造に勤しんだ。
 デスラーも補給の問題から一旦兵を引いたこともあり、ボラー軍は再建の猶予が出来たかのように見えた。
 だがその猶予もデスラーの気分次第でどうなるかわからない。
 故にボラー軍は手っ取り早く艦艇を補充する方法として地球から艦船を購入することを考えていた。実際、ボラー軍は政府に
働きかけてその旨を地球連邦政府に打診した。
 この打診を受けた連邦政府は勿論、困惑した。

「今の防衛軍に譲れる艦艇はありません」
「それにショックカノンを輸出するとなれば、地球の優位を崩しかねません」

 藤堂と議長はそう言って反対した。
 だが議長としてはボラーから色々と技術を得たいと思っていた。このためボラーに借りを作るべく防衛軍の艦ではなく、サルベージした
旧ガトランティス軍の艦を提供することを提案した。

「大戦艦や駆逐艦、それに大型空母を提供しましょう。資源としては惜しいですが、使いようによっては十分な対価が期待できます」

 この議長の意見は防衛会議や大統領府でも審議された末、承認された。




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