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中・長編SS投稿スレ その2

829earth:2011/09/23(金) 14:34:55
 ボラー連邦はその広大な領土を維持するために、膨大な数の宇宙船を必要としていた。
 勿論、宇宙での覇権を支えるために必要となる宇宙戦闘艦の数もそれ相応の数になる。よって量産性を重視され1隻あたりの
性能は抑えられていた。軍はイザとなれば数で質の面の劣勢をカバーするつもりだったのだ。

「ふむ。では我がボラーがその気になれば、彼らに打ち勝てる艦を作れるとでも?」
「勿論です。地球人が作ったものよりはるかに優秀な艦を作ってみせます! 彼らに出来て我々に出来ないことはありません!!」

 実際にはボラーの技術は地球に負けるものではないし、機動要塞を建造できることを考えれば一部では地球を凌駕していた。
 だがこうまで地球人の戦闘能力の高さを見せ付けられ、さらに自軍の負けが続くと誰もそうは思わなくなる。

「地球との技術交流(というか技術の強奪)も必要なのでは?」

 一部の人間からは真剣にそんな声が出ていた。
 べムラーゼも、もしもヤマトに匹敵する艦が作れないのであれば、それも必要になると考えていた。
 しかし即座に実力行使を含む強硬路線に出ることも躊躇われた。

「狂戦士のような地球人類を屈服させるには、ボラー連邦軍を総動員するしかないのではないか?」

 ボラー連邦軍と政府内部ではそんな声さえ囁かれていた。
 彼らは戦争に勝てないとは思っていない。やれば勝てる……しかし、そこまでして勝つだけの意味があるのかという疑問が
出ていたのだ。地球を滅ぼしたものの、ボラーも疲弊した挙句に内乱に陥るという悪夢は誰もが避けたかった。

「もはやボラーの威信を回復するにはアンドロメダ星雲に攻め込み、ガトランティス軍に痛打を浴びせるしかない。
 遠征を始める前までに、必ずボラーの象徴となりえる新型戦艦を、あのヤマトに打ち勝てる艦を建造せよ!」

 同時にボラー連邦は本格的に地球を脅威と見做すようになる。
 彼らにとって地球は取るに足らない新興国ではなく、小さいながらもボラーと張り合うプレイヤーだった。

「地球人の目に見えるように軍事演習を行え。それと未開発の地域の探索と開発も急がせろ。
 反乱分子への締め付けも忘れるな。とくにシャルバート教徒などの宗教狂いの狂信者共は徹底的に取り締まるのだ」

 かくして俄かにボラー連邦の動きが活発化することになる。




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