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中・長編SS投稿スレ その2
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第14話です。
『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第14話
満身創痍とも言うべきボラー連邦艦隊は、地球防衛艦隊の護衛の下、太陽系に到着した。
当初は強硬な姿勢を貫こうと考えていたボラー連邦特使であったがガトランティス帝国軍によって一方的に味方艦隊が叩かれた上に
ヤマトの圧倒的戦闘力を見せ付けられたことから、強硬な姿勢など取れるわけが無かった。
天王星軌道で開かれた会談の席(会場は地球側が用意した豪華客船)でボラー連邦の特使は、防衛艦隊の健闘を褒め称えた。
「地球は素晴らしい戦艦や軍人をお持ちのようだ。羨ましい限りです」
「いえいえ奇襲にもかかわらず、ボラー軍も健闘したと聞きます」
地球側の特使はそう言ってボラー連邦の面子をつぶさないように努力した。
尤も新興国家の小国から配慮されても、ボラー連邦が失った面子が戻るわけがなかった。実際、べムラーゼは怒り狂っていた。
「何だ、この醜態は!」
ボラー軍高官は揃って震え上がった。目の前の怒れる独裁者の機嫌をさらに損なえば、首が物理的に飛ぶのだ。
「これは奇襲であったのが原因かと」
「奇襲されること事態が無能の証拠だ、馬鹿者が!」
言い訳を切って捨てるべムラーゼ。
「軍は気を緩めすぎているのではないのかね?」
「そ、そのようなことは……」
「ふん。だがこの失態は大きいぞ。ボラー連邦軍が大したことがないと思われれば反体制派が勢いづく。
まして地球の戦艦がボラー連邦の1個艦隊に匹敵する実力があるなど知られたら、地球と連携しようとするかも知れん」
「で、ですが本国艦隊を派遣すれば地球など一撃で下して見せます」
「当たり前だ。だが、問題は我がボラーの体面を傷つけた愚か者だ。連中の正体は?!」
「ふ、不明です。地球側は捕虜を取ったようですが」
「何としても情報を引き出せ!」
軍の高官は転げるように部屋を後にした。それを冷たい視線で見送った後、べムラーゼは小声で呟く。
「……ガミラスに勝ったのは伊達ではないということか。地球の評価を改める必要があるな」
こうしてボラー連邦は、新興国家であるはずの地球連邦をある程度認めるようになる。
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