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中・長編SS投稿スレ その2
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「このあと、どうされます?」
アンドロイド参謀の問いに耕平は少し考えると決断した。
「補給を済ませた後、敵の恒星系へ侵攻を開始する。ただし罠や伏兵にやられないように、念入りに偵察は
行うように」
戦争は長々とするものではない。素早く侵攻して敵に対して城下の盟を強要しなければならない。
かといってことを急いで背後を取られては元も子もない。
「まぁ、いくら何でも母星周辺を丸裸にされたら、負けを認めるだろう」
だが耕平が思っていたより、宗教国家というのは頑迷であった。
彼らは各地の基地や防衛艦隊が潰滅しても尚も抗戦の意思を崩さなかったのだ。それどころか恒星系の
他の惑星周辺を航行していたら、非武装らしき民間船が特攻さえ仕掛けてくる始末だった。
「連中は現実というものが見えないのか?」
司令部のモニターに映る爬虫類が「神の恩寵を受けている我々が機械生命体に屈服することはない!」などと言って
喚いている(本当は画像の下側に字幕が出ている)姿を見て、耕平はため息をついた。
「ひょっとして銀河にはこの手の連中が沢山いるのか?」
今回は弱い相手だったので何とかなったが、もしも自分を圧倒する力を持つ者が、この手の勢力だったら
と思うと耕平は寒気を覚えた。
「宗教や価値観で衝突したら目も当てられないな……」
同時に自分達がロボット文明とも言えるものであることに気付かされた。
(俺も、他の連中からすれば、黒旗軍のほかのアンドロイドと同じか……二回死んだ挙句に、人ではすらなくなるとは)
耕平は嘆息する。そして、自分が今では人間ですらないという事実に顔を歪ませる。
(だが俺は生きている。少なくとも意思はある。コピーや残滓かも知れないが、俺は俺だ。誰が何と言うおうとだ。
そして俺は三度は死なない。いや死ぬとしてもムザムザとは死なない)
戦争が続く中、耕平は絶対に生き残ってやると再度誓った。
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