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中・長編SS投稿スレ その2

659earth:2011/07/04(月) 21:35:22
さて戦争ですが、描写は薄いです(爆)。
反応に戦々恐々としつつも第4話です。


 未来人の多元世界見聞録 第二部 第4話

「自分達の基地に使者が付いた途端に重火器まで持ち出して殲滅って……連中、正気か?」

 テロリストもびっくりのやり方に絶句する耕平。そんな耕平にアンドロイド参謀が冷静に助言する。

「正気かどうかはわかりませんが、本気であることは間違いないかと。
 すでに恒星系外縁部に集結していた『敵』艦隊はこちらの艦隊の集結地点に向けて進撃を開始した
 とのことです」
「……」
「決断を」

 司令部に集まっているアンドロイド参謀、モニターに映る各艦隊司令官の視線が耕平に集中する。

「……」

 もうはやゲームではない。曲がりなりにも知的生命体と殺し殺されする戦争。それを開始するかどうか
の決断を耕平は迫られていた。21世紀と31世紀、両方の世界で過ごした時間を考えれば精神年齢は
30をとっくに超えている。だが耕平は一般市民である自分が国家の命運を決するような決断を下したり、
そんな場面に立ち会うなど想像すらしたことがなかった。
 確かに教練でスキルや擬似的経験は体験した。しかし教育を受けたからと言って即座に決断ができる
わけではない。

「……」

 沈黙する耕平。だが刻一刻と敵艦隊は味方の艦隊に向かっている。 
 技術格差からすれば、仮に防戦一方になっても問題はない。だが無為に犠牲を出すことになる。
総司令官が決断を下せなかったという理由で犠牲を出すのは馬鹿げている。ゲームなら許されるかも
しれない。だが耕平にとって、この世界はゲームではない。この世界こそ『リアル』だった。
 そして耕平は決断を下す。

「……は、派遣艦隊全艦に命令。敵宇宙艦隊を撃滅せよ」




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