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中・長編SS投稿スレ その2
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しかし彼らが余裕を保っていられたのもそれまでだった。
『……他の保管庫が?』
『馬鹿な。十分な距離があったはずだ。トラップが発動するはずがない』
管理局が保管していたロストロギアの暴走の余波は、次元消滅弾頭が爆発する寸前に他の次元世界のロストロギアに
いや彼らが存在を知らなかった別の大量破壊兵器、恒星間弾道弾も及んでいたのだ。
これが通常のものであれば、そこまで問題はなかった。だがこれには大威力の超新星爆弾が搭載され、さらに確実に
目標に命中するためにプレイヤーによって亜空間潜行能力が備えられていた。
『馬鹿な。そんな偶然が……』
だがもはや事態を収拾する術を彼らは持っていなかった。破壊につぐ破壊。それは急速に第8世界の天の川銀河を
覆う勢いで広がりつつあった。
そのころ、黒旗軍艦隊主力が土星圏に集結したのを確認した耕平は、春蘭の艦橋でため息を漏らした。
「さてと今のところ、手がかりは無し。どうしたものかね?」
1000年前の作品が多数出てくるゲーム。前世の記憶を持つ耕平からすれば興味が引かれて当然の
ものであったが、手がかりは無し。
今後、マブラヴ世界の調査に取り掛かるつもりだったが、現状では手がかりが得られるか判らない。
「……管理局は吹っ飛んだし、他の惑星の探索も当面は諦めざるを得ないし。全く踏んだり蹴ったりだ。
何か面倒になってきたな。それに全て運営が仕込んだみたいに思えてきた」
当初は誰かが何かの意図をもって、NPC文明の構築を図ったと考えた。だが艦隊に大打撃を受けた
ことで冷静さを取り戻した耕平は壊滅した第8世界を取りあえず再建するために著作権がとっくに切れた
1000年前の作品を参考にしてNPC文明を作ったのではないかとの考えが脳裏に過ぎるようになった。
しかしその考えには穴があった。
「でもマブラヴ世界を構築するために、あんな広範囲にBETAみたいな害獣を宇宙にばら撒く理由はないし。
さてさて、どうなっているのやら」
プレイヤーに快適なプレイ条件を提供するのがゲーム会社の仕事だ。わざわざBETAみたいな醜悪な物を
宇宙に無数に送り込む理由はない筈だった。
「……まぁ良いさ。リアルの生活に支障が出ない程度に付き合ってやるか」
しかしそう言った直後、耕平は強制的にログアウトさせられる。
「何が起こった?!」
PC画面には緊急事態を告げるメールが表示される。
「あの銀河が吹き飛んだ?!」
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