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中・長編SS投稿スレ その2

568earth:2011/06/11(土) 20:45:39
短めですが第11話を投下します。

 未来人の多元世界見聞録 第11話

 
 テストが無事に終わり、自己採点の結果、満足の行く出来だったことに安堵した耕平は久しぶりにゲームにログインした。
 
「さて、テストも終ったし、バイトで金も貯めてある。この疲れを癒すために新しい工廠を買って新型艦や新兵器を作るぞ」

 このゲームでは保有できる艦隊の規模は工廠の数に影響される。
 何しろゲーム世界(人工宇宙)で作ったとはいえ、実物の宇宙戦艦なのだ。その整備には細心の注意が必要だ。 
 このためプレイヤーは工廠の整備能力を超える数の宇宙船を整備できないとされている。現状でさらに新たな宇宙戦艦を
多数建造したければ、既存の艦を廃棄するしかない。
 しかしそんなことをするつもりは耕平にはさらさらなかった。
 
「親に棄てられる心配がないコレクションを、自分で棄てるか!」

 1000年前の前世で、勝手にコレクションを棄てられたことを未だに根に持っているのか、まずゲームで使うことは
ないであろう艦隊(例:ガンダムのバーミンガム級戦艦、マゼラン級戦艦、サラミス級巡洋艦で構成される連邦艦隊)を
いまだに後生大事に保管している。
 実際、アンドロメダが収容されている本拠地(人工惑星)のドックには多種多様な艦船が収容されている。滅多に使わない
ものはそのまま置物だが、他のプレイヤーとも戦える艦(ヤマト、マクロス、Rシリーズ等)は損傷している艦もあり、ドック 
では補修工事の音が鳴り響いている。

「さて、次はどんな工廠を買うか。連休中に頑張って稼いだからな……やっぱり、超大型の工廠を買うか」  

 鼻歌を歌いつつ、アンドロメダの艦長席でカタログを広げる耕平。そして財布の中身と相談した後、新しい工廠を購入する。
 
「あとは新兵器開発だな」

 対惑星兵器として耕平は量産が効き、使い勝手もよいジオイド弾を選んだ。数が多いBETAに対抗するには、ある程度
数が必要だった。加えて波動砲の改造、さらに波動砲搭載型戦艦を護衛・サポートするための純砲戦用戦艦の開発に取り掛かる。 

「あと復活編で出たバリアミサイルでも作るか。波動砲非搭載戦艦に装備させて、イザとなったら盾に出来る。
 たとえ波動砲発射直後に艦隊の動きが鈍くなっても、艦隊を覆うくらいのバリアを一時的に展開すれば体勢は立て直せる。
 ……って、報告をみるのを忘れてた」

 そして2通のメールを読む耕平。1通目の地球情勢に関する報告を読み終えた直後、彼は大笑いした。

「ははは、何だ、この火葬戦記は! いや出来の悪いSFか!」

 あ〜笑えると言って2通目のメール、長門からの報告を読む。最初はニヤニヤとしていたが読み進めるにつれて彼は
自身の表情が硬くなるのが判った。

「あり得ない。そんなことが起こりえるはずが無い」




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