したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

Awake

67Awake 5話(4/8):2013/09/20(金) 06:05:38
 だが微かに残っていた恐怖心を掻き消すかのように大声で恫喝した。
「小僧、冥土の土産に教えてやる。貴様の大事な師匠は既に我らの手中にある。」
「!!」
「…あの老いぼれは、我が主の血肉となる運命だ。儀式の支度が整い、月が満ち次第な。」
「何だと!」
――嘘だ! そんな事があってたまるか。魔性は嘘を並べる。人の表情と感情を糧にし
て言葉を次々と繰り出し人の心に入り込む。
 会話が途切れた刹那、ネクロマンサーは彼に向って両手を翳し光の輪を解き放った。
――チャクラム? 何が出てくるかと思えばただの投擲じゃないか。何っ
「うわあぁぁあぁっ!」
 相手がただの人間であれば投擲されても躱せば済むだけだが、死者の魂を弄ぶ悪魔にそ
の常識は通用しない。
 投げられた光の輪は存在が対象物に接触するまで追尾し続け、ネイサンは断続と連続を繰り
返して投擲された光の輪を躱しながら攻撃の機会を待ちつつ駆けていたためバランスを崩
してよろけてしまった。
 それを察知した輪が彼を狙って接触してきた。
さながら旋風を受けた鋭利な刃物の如く高速で回転しながらネイサンの身を切り裂き、肉を抉
る所であったが間一髪で薄皮一枚に止めた。
 それでも鮮血が床に迸り、彼は一瞬何が起こったか解らずその場に尻もちをついて硬直
していたが、
「怖気づいたか? 無理もない。生物というものは魂の消失を恐れる限り痛みを与えれば
弱くなる上に闘争の気概さえ削られていくものだ」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板