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Awake

51Awake 3話(21/24):2013/09/20(金) 05:48:26
もちろんそう宣言しても一朝一夕で自分の望む姿になるはずは無く、日々、鍛錬してい
けば行くほど肉体の軋みが毎日毎日俺を責め立て、師匠やヒューの足手纏いになっている自分
の力の無さに焦りが現れた。
「今日も生き残れたな、俺もお前も」
 ある日の討伐の時だった。俺はいつも戦闘の後にさえ余裕を見せているヒューの姿が見られ
る事で自分が生きているのを実感できていた。もっとも、俺は怪我をして倒れ込んだのを
助けられているような情けない格好でいる事が多かったけど。
「余裕だな。俺は生きた心地がしなかったよ」
「見れば判る。ほら手を出せ、引き上げてやるよ」
「いつもごめん」
「大丈夫か?」
「うん。痛くな……うっ」
「無理をするな。どうしてあんな無茶をしたんだ?」
「あの時のお前と同じ歳になったのに、ちっともお前に追いつけないんだ。お前は遠くへ
行ってしまう。あの時のままの姿で強くなって……だから焦って実力以上の行動を取って
しまった」
「お前は俺じゃない。俺だってお前じゃないんだ、気にすることは無い」
「……」
「それにお前が一歩引いて状況を座視して、やるべき所で俺を援けてくれるから気持ちよ
く戦う事が出来る。お前が俺と同じ力を持っていたら互いに牽制しながら力を誇示しあう
無様な戦いしか出来ないだろうな。つまりだ、柄にも無い事を考えるなって事だ」
「こいつ!」
 悩んだ事を軽く流されたのには憤ったが、力が無い事に自身が恥じる必要は無いし、あ
あ言ってくれた事で俺がヒューや師匠の力の支えになっている事に誇りを持てるようになった。
 だけど俺だって一度ぐらいお前に勝ちたいし、同僚としては対等の存在と認めて欲しい
んだ。


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