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仮投下スレpart1

1 ◆VxAX.uhVsM:2011/01/16(日) 16:06:09
規制で本スレに書けなかったり、書いたけど自信がない。
という方へのスレです。

2黒と赤:2011/02/06(日) 23:44:48
 朱い月の美しい夜だった。
 荒涼な大地に少年と少女の死体が転がっており、それを何の感慨もなく見つめる美少女がひとり儚げに佇んでいた。
 エリート中のエリート。 人外中の人外。 異常中の異常。 彼女を前にすれば、どんな化物でさえ(喩え吸血鬼でさえ)弱小な生物に成り下がる。
 そんな強大な化物……いや、もはや怪異とすら表現してもいいほどの圧倒的な理不尽を内包した規格外。
 黒神めだか(改)がそこにいた。
(このまま全ての参加者と戦い、殺し尽くせば私はより『完成』された私に近づくことができる!!)
 一人悦に浸っている黒神めだかを遠くから観察する影が二つあった。
 
 赤き制裁こと哀川潤と負完全こと球磨川禊だった。

「なあ、クマー。あんな化物どうやって仕留めるんだよ? ありゃあ、あたしには手に負えないぜ?
 真心だって敵うかどうかわからねえってのに……」
 と哀川は、隣にいる死んだ魚のような目をした少年に呟く。
「『……そのクマーって呼び方止めて下さいよ、哀川さん。呼び名だけで、ぼくをここまで不快な気分にしたのは
 安心院ちゃん以来ですよ』」
「てめえ、苗字であたしを呼ぶなって何回いえばわかるんだ。わたしを苗字で呼んでいいのは敵だけだ」
 ったく、と一発球磨川の頭を殴る赤いひと。
 本気で痛そうだった。
「おまえは本当にいーたんに似てやがるな。まあ、『似てる』だけで『同じ』ってわけじゃあなさそうだが……」
「『?』」っと首を傾げる球磨川。 
(いーたんって誰だ? まあ、哀川さんの大事なひとには違いなさそうだから覚えとこ〜と)
「大事にゃ違いねーが、止めとけ。そういう形ですらあいつには関わらない方がいい。
 特におまえみたいな奴はな」
(?)
 今度は本気で首を傾げてみせる球磨川。
「気にするな。それより何かいい案はねーのかよ?クマー」
「『……う〜ん、そうですね。あなたのそのマイナスほどの強さと
 ぼくの『大嘘憑き』があれば、なんとかなるでしょう』」
 そういって、ぞっとするほどマイナスな微笑を浮かべ、球磨川は螺子を取り出した。

3黒と赤:2011/02/07(月) 10:31:57
 だが、おとなしく観察されているだけの黒神めだか(改)ではなかった。
 突然、二人のほうを振り向くと、

「見ているな! 貴様ら!!」

 と超特大の怒声を上げた。
「―――――!!」
「『―――――!!』」
 突如、体の自由を奪われ土下座のような体勢にさせられる人類最強と負完全。
 それを嘲笑うかのようにゆっくりとした動作で、獲物に詰め寄る黒神めだか(改)。
 月明かりに照らされた黒神めだか(改)は、異様な妖艶さを含んだ美しさに満ちていた。
 あまりにも美しい存在は、見るものに否応なく『死』を意識させる。
 殺し名七名、序列七位の石凪調査室の者でさえそのような形で『死』を意識させる
死神はいないだろう。
 今の黒神めだか(改)は、まさに『死』を振りまく『死神』と化していた。
 それに対する哀川潤はどうしようもなく『人間』だった。
 『人類最強』の名を冠する哀川潤だが、人類という種から見て最強なのであって、
決して『最強の生物』という訳ではないのだ。
 本当の意味での『人外』である黒神めだかと本当の意味での『人間』である哀川潤。
 そして、そこが勝敗を分ける決定打となった。

 月明かりに照らされた荒涼名な戦場に赤い湖が出来上がっていた。哀川潤と球磨川禊の血の湖である。
 球磨川はうつ伏せで、腹からは贓物が零れ落ちている。 哀川潤は、黒神めだか(改)に襟首を掴まれ吊られている。
「しかし、分かりません」
 と黒神めだか(改)は死にぞこないの二人に問いかける。
「なぜ、あなたたちは私の姿を見て仕留めようなんて馬鹿なことをしようとしたのですか?
 逃げていればあなたたちは助かったかもしれないのに」
 それに対し哀川潤は
「く、ククク、ハハハハハハ!!」
 と笑って答える。
「何がおかしいのですか? これから死ぬというのに何がそんなに楽しいのですか?
 それとも気でも違いましたか? まあ、いいでしょう。もう、死になさい」
 手刀を構え、そのまま赤き制裁の胸部に、

「あれ?」

 胸の辺りに激痛を感じ、目を落とす。
 そこには、人類最強の手が突き刺さっていた。
「――――――――!!!!!」
 なにが、起きたのか理解できない黒神めだか(改)を人類最強は何の感情も抱いていないドライな
目で見つめる。
「お前に言ってやれる言葉は何もないが、ひとつだけいいことを教えてやる。
 いつだって化物を倒すのは化物ではなく、人間だ。
 人間でなくちゃあいけないのさ」
(それ、アー、、、カー、、ド)
 心の中で突っ込みをいれ、黒神めだか(改)は力尽きた。

 『大嘘憑き』によって黒神めだか(改)に負わされた怪我をなかったことにされた哀川潤はピンピンしていたが、
球磨川は『大嘘憑き』の不具合により自身の怪我をなかったことにできなかったため満身創痍だった。
「それにしても無茶苦茶にやられたな、クマー。なんかあいつに怨まれるようなことでもしたのか?」
「『まあ、、、あの娘には、、いろ、い、、ろ、酷いことを、しましたからね。
 自業、、自得ですよ』」
 それより、球磨川が今にも死にそうな声で呟く。
「『この、、傷じゃあ、もう、助かり、、そうにありませんから、、、早く殺して、下さい、、よ。
 痛くて、、、どうにかなり、、、、そう、なんですよ』」
「ああ、そうだな。じゃあ、一思いに頭を潰してやるよ」
 そう言って、頭を軽く踏む哀川。
「『ああ、、最期に、ひとついいですか?』」
「あん?」
「『がんばれ』」
 これに満面の笑みを浮かべ
「頑張る!!」
 と答え、思いっきり球磨川の頭を踏みつけた。


【黒神めだか@めだかボックス 死亡】
【球磨川禊@めだかボックス 死亡】

【一日目/深夜/B−2】
【哀川潤@戯言シリーズ】
[状態]健康
[装備]
[道具]支給品一式×4
[思考]
適当にプラプラするか〜。
いーたんがいたら適当にからかって遊んでやろう。
[備考]
※時系列的には、人間関係(伊織との関係)後です。

4 ◆mtws1YvfHQ:2011/02/10(木) 22:44:11
本スレの方は規制されていたのでこちらの方で投下させて頂きます。
宇練銀閣、浮義待秋です。

5閃々響々 ◆mtws1YvfHQ:2011/02/10(木) 22:46:20
「ぐっすり眠れると思ったんだがなあ」
横になったまま呟いた。
眠れた。もう起きる事もない位深く眠れた。そう思った。
ところがそう言う訳にはいかないらしい。
宇練銀閣は首輪を撫でた。
あの不知火理事長とか言ったか、が言うバトルロワイヤルに参加してみるのも良いかもしれない。
虚刀流と、一度はついた決着を付け直すのも悪くないかもしれない。

しかし、
「久し振りの熟睡――――邪魔されたは苛付くな」
宇練は眠い頭を無理矢理巡らす。
参加するのは悪くないが、気持ちよく寝てる所を起こすような相手の言いなりになって良い物か。
あの不知火理事長とか言うのを殺して逃げ出す。
なかなか良いかもしれない。
虚刀流を含む全員皆殺しにして願いを叶える。
願い。
――砂に埋もれた藩の復活。
出来る筈がない。出来る筈などありはしない。そう思いながら首を振る。

結局はなるようになる。おれ自身で動くのは何と無くらしくない気がする。
そう考えながら上半身を起こして、目を開けた。
場所を確認すると、白い部屋のベットに横になってたようだ。
ベットから降りている最中に部屋の外から足音が聞こえる。
右手が空を掴む。無意識に斬刀を掴もうとしていたのだ。
苦笑する。ある筈がない。奪われまいと抵抗して、負けたんだから。

6閃々響々 ◆mtws1YvfHQ:2011/02/10(木) 22:48:27
扉が開いた。
目を向けると、総白の髪を全て後ろに流し、腰に刀を二本差した男が立っていた。
「家鳴将軍家御側人十一人衆がひとり、浮義待秋」
そう名乗りながら刀の一本を鞘から抜き放った。
宇練は何も持たず、浮義は刀を持っている。
既に命運は決まったに等しい。

しかし、その状況に浮義はにやりと笑いながら腰に差していたもう一本の刀を鞘ごと投げ渡してくる。
空中で受け取る。
「一角の剣士と見た。僕が錆や、あの忌々しい虚刀流を越えるための、踏み台になって貰う」
その浮義の、自信満々の態度を無視して、投げ渡された刀を腰に差して右手をそえる。
浮義は自然な動作で刀を下段に構える。
そして思い出した様に口を開き、
「ああ、先に言っておく」
「…………」
「腕がどの程度かは知らないが、油断しない事だ――!」
言い終わった瞬間、宇練まで軽く数m以上は開いていた筈の距離を一瞬で詰めていた。

速い。まさに一瞬。
瞬き一つすると間合いを寄せられていたと言って過言ではない。
その正体は宇練は知らないが、虚刀流の『杜若』よりも自在とされる足運び。爆縮地。
いつの間にか上段に構え直された刀が頭を真っ二つに斬り分けんと振り下ろされる。
それを咄嗟に横に跳び退いて避けるが、そのまま浮義は横薙ぎに片手で持った刀を振りその後を追う。
しかしそれは、
「秘剣零閃」
しゃりん。
音が一つ鳴った時には腕を半ばで斬り捨てていた。
腕だけで済んだのは何かしらの予感があったのか咄嗟に浮義が下がろうとしたからである。
その咄嗟が無ければどうなっていたかは想像に難くない。
驚愕の表情を一瞬浮かべた浮義だったが、すぐさま己を取り戻すと勢いのままに飛んでいく腕付きの刀に先回りし、刀だけ取った。
「…………驚いたな。最初は手品かと思ったが実際にそんな歩法があるとはな」
感心したように宇練が言ったが、浮義は黙ったまま一旦刀を差し直し、自身の服の一部を片手で千切って斬られた部分を縛り上げ、一応の応急処置だけ済ませた。
そして再び刀を抜き、下段に構える。
ちなみに宇練は浮義が応急処置している最中も刀の柄から手を離してはいなかった。

7閃々響々 ◆mtws1YvfHQ:2011/02/10(木) 22:50:36
向かい合ったまましばらく、浮義の額に大量の汗が浮かび始めた頃に思い出したように口を開いた。
「音がした時には既に抜刀と納刀を終えている居合いの技……まさか、奇策士の報告書にあった宇練銀閣か?」
「…………」
「そうか。となると油断していたのは僕の方か…………だが、負けるつもりはない。行くぞ!」
片手で持った刀を浮義は真っ直ぐ宇練に向け、言い放つ。

――来る。
宇練がそう思った瞬間、既に抜刀と納刀を終えていた。
しゃりん。
「零閃」
しかし浮義は倒れない。
幸か不幸か腕が斬られた事により身体のバランスが崩れ、移動を、爆縮地の動きを妨げた。
それによって偶然にも零閃を避ける事に成功したのだ。
「白兎」
そして苦し紛れに近いながら宇練の頭に刀が振り下ろそうとする。
が、既に零閃を避けられた事のある宇練は、その偶然すらも許さない。
しゃりん。しゃりん、しゃりんしゃりん。
「編隊」
「開眼!」
浮義の身体は、
「五機」
一瞬とすら言えぬ間に、音が部屋を響いた時には既に、腕が腹が足が輪切りに斬り分けられていた。
部屋と宇練を血肉で汚し、手から抜けた刀が天井に突き刺さる。
「――――    …………見事だ」
そして、床に倒れ伏した浮義はそう振り絞るように言い終え、力尽きたかのように動かなくなった。

8閃々響々 ◆mtws1YvfHQ:2011/02/10(木) 22:52:17
しゃりんしゃりん!
と、更に音が二つ鳴ると浮義の首だけが頭と胴体から斬り離される。
それを見ながら、宇練は不満そうに呟いた。
「斬刀より遅いな……」
そして幾つにも分かれた死体の首から何となく首輪を拾い上げる。
拾った首輪を弄びながら思い付いたように、
「浮義待秋だっけ? あんたの名前、一応覚えとくよ」
そう言い残して自分と浮義の荷物を持って宇練は血肉薫る部屋を後にした。

部屋の外で、幸い血塗れになっていない荷物の中身を探ると地図があった。
広げて見ると、早々に因幡砂漠と言う文字が宇練の目に入った。
目を閉じ、下酷城を思い浮かべる。
砂漠に建つ城。砂に埋もれつつある城。
「……探すか、下酷城」
居場所と言える居場所は、あそこしかない。
殺し合いも結局はなるようになるだろう。
来る者は両断し、来なければ無視する。それでいい。

ぼぅっと歩き始めると宇練は無意識に手を刀の柄にやっていた。
だがそれは掴むつもりだった刀ではなかった。
――斬刀。
黙って抵抗して黙って奪われた。なら、今度会ったら全力で奪い返す。
決着をつけ直す時があるとしたら、その時ぐらいしかないだろう。
しゃりん!
音が一つ、鳴った。



【浮義待秋@刀語シリーズ 死亡】

9閃々響々 ◆mtws1YvfHQ:2011/02/10(木) 22:54:32
【1日目/深夜/F-5診療所内】
【宇練銀閣@刀語】
[状態]健康
[装備]刀@不明
[道具]支給品一式×2、ランダム支給品(1〜4)、首輪×1
[思考]
基本:因幡砂漠を歩き回って下酷城を探す。
 1:流れに身を任せる。
 2:斬刀は二人から奪い返す。
[備考]
 ※鑢七花に殺された後からの参戦です。
 ※斬刀は七花かとがめのどちらかが持っていると思っています。

10 ◆mtws1YvfHQ:2011/02/10(木) 22:56:01
投下完了。
家鳴将軍直下×自称ながら錆の好敵手×爆縮地を使えるだけの実力=かませ(笑)
は、流石に不憫過ぎると思いながらかませにしようとしたら予想を越えて暴れてくれました。
なにかご意見があればお願いします。


以上をどなたか投下お願いします。

11 ◆BoVaEdQZq.:2011/02/25(金) 23:08:53
だが投下する
ま、おまけにでも後で適当に突っ込まれるかもしれないしね

12誠剣伝説 ◆BoVaEdQZq.:2011/02/25(金) 23:10:39
満天の星空の下、煙を吹き上げる校舎を振り返り、少年は呟いた。

「ケッ、どうかしてるぜまったく……」

そして再び前を向き出来るだけ早く速く歩き続ける。他の参加者達がアレを見て近寄ってくるとマズイし、何よりもまずは苦しげに呻き声を挙げ顔に血のかかった怪我人の身の安全を守ること、それが彼のセイ義に繋がるからだ。



時は少し遡る



「ボケがッ!どうなってやがる!?」

机を叩き子供が一人歯を剥いて憤慨している。彼の名は雲仙冥利、箱庭学園の誇り高き風紀委員長でありルールのためならどれ程人を傷つけようとも構わぬ刀のような人物であった。
彼が目覚めたのは教室の真ん中、机に寝そべるような形で放置されていた。
起きてすぐ思い出すのは運ばれてくる直前の出来事。

「球磨川の差し金か?いや逆に奴が理事長の刺客だったって方がしっくり来るか・・・・」

自分達がいくら痛め付けようともまるで無限ループの如く再生してきた男、球磨川禊。その男に好き放題痛め付けられ気を失い、気がつけばこの計画に連れてこられていたのだ。
あれは一言で言えば異常(アブノーマル)を飛び越えた異常の中の異常、あの理事長が目を付けないわけがない。恐らくこの殺し会いとやらは全国から球磨川と同類の化け物を呼び寄せ現フラスコ計画と闘わせる事でどちらがより優れているかを競わせるつもりで開かれたものなのだろう。
そう検討をつけ同時に

(なめるなよジジイ……!)

そういう思いが込み上げてきた。

彼はこれまで幾度となく自らの信じる正義、【みんなで決めたルール】を破戒する者達へ処刑とも呼べる鉄槌を下してきた、生徒も教師も、敵も味方も。
今回の場合はどうだろうか?学園の長たる者の管理する場所ならばきっとこの校舎含めた敷地一帯も風紀委員会の管轄内である箱庭学園ということだ

そこで騒ぎを起こすものは全て悪である

13誠剣伝説 ◆BoVaEdQZq.:2011/02/25(金) 23:12:36

故に彼が出した結論は今学園の風紀を乱している理事長そしてその思惑に乗った全ての人間を抹殺することだった。

「首に爆弾はめられようが関係ねぇ、風紀委員会は正義!故にボケ共を取り締まらねぇ理由はねぇ」

とはいえひとまずは装備の確認作業を行わねばならない、本人の言葉を借りるならば「トリックスター気取りのただのガキ」である雲仙にはどうしても道具が必要だった。一つ前の机に置いてあるバッグを自分の手元に引き寄せる。

「…なっ!マジで言ってやがるのかこりゃ!?」

彼はまだ中身を確かめた訳ではない、驚いたのはバッグの方。
この手触り、この厚み、実際に着ている者にしかわからないが間違いなく自分が今着ている制服『白虎(スノーホワイト)』と同じ材質だったのだ。少しチャックを開けて確認すると内側は対刃仕様となっているようだった。

「オイオイ…抜き身の刀千本突っ込む訳じゃあるまいし、なんだこの高級バッグはよぉ……ん?いや、待てよ…」

彼はそれが出来る人物を知っている、宗像形なら…
あるいはそれに準ずる技能を持ったものならそれも可能だろう。
そんな重量を持ち運ぶならばこの材質も納得できる。刃物を剥き出しの状態で入れる意味はとんと検討がつかなかったが…

「ま、いいや。つまりはこれ自体が最強の防具って事だろ。ケケケ、こりゃ今から中身が楽しみだぜ」

ウキウキとバッグの中身を改める彼の姿はどうみても新しいオモチャを貰ってはしゃぐ子供そのものだったという。それはさておき最初に出てきた物はどうしようもないハズレだったが何故だか親近感のようなものを感じ、とっておく事にした

「…胸に仕込んどきゃ弾除けぐらいには使えんだろ」

14誠剣伝説 ◆BoVaEdQZq.:2011/02/25(金) 23:13:53

そして次の武器は彼にとってみれば当たりといって差し支えない程度には当たりの部類に入るものだったが……

(とはいえサイズが違ぇな…試し打ちしとくか)



◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆



《否定姫の場合》
金色のツインテールに透き通るエメラルドグリーンの美しい瞳、おおよそ日本人とは思えぬ整った容姿を持つ不忍の仮面を被った女性が理科室の中心に君臨していた。女の名は否定姫という。しかしせっかくの美貌も今日この時は曇り模様、眉を潜めて前方、自分に支給された道具を見据えている。何故ならここは殺し会いの場であるにも関わらず、もらった装備は呆れ返るほどお遊び極まりない物ばかりだからだ・・・・
一つ目、黒神めだかの扇子。
鉄扇ならまだしも天晴と書いてある普通の扇子だった。

二つ目、壁。
信じられない事にバッグに壁が入っていた、一里塚木の実とかいう何処かの阿呆が空間操作能力と言いつつ通路を塞ぐのに使っていたらしい。それをいったい誰が信じるというのか?
もう一枚入っていたがもう精神的に無駄に重く感じるので出したくない

三つ目、これは説明書を読まずともわかった、癇癪玉だ。子供がよくイタズラに使うやつだろう。

「これじゃ交渉にすら使えないじゃない…」

15 ◆BoVaEdQZq.:2011/02/25(金) 23:15:34
首輪に触れ、嘆息しながら自らの運の無さに脱帽する。これから共に旅をする予定であった頼れる用心棒、七花も側にはいないうえ装備がこれでは…
最初に会った人物がこの面白くもない殺し合いとやらに肯定的であったため死んでしまいましたとさ!
という事にもなりかねない、最初に爆破された皿場工舎じゃあるまいしそんな不幸な死に様は断固として否定せねば。
そう、彼女こそ粋な世界に無粋な言葉で穴を開ける。例外なく全てを否定する者、現在の不幸を乗り越えこの殺し合いにすら華麗に『否』の字を叩きつけてみせるつもりである。
不明な点も懸念事項も山積みではあるが…
まずは警戒しつつ人を探す、次に首輪を外す技術者の確保等々の必要事項を整理しつつ理科室を出る。と、都合良く何やら声が聞こえてきた。それもどうやら子供の声らしい。
このような場に呼ばれるような子供なのだから録な者ではないだろうが様子を見て声をかけてみようか?

16誠剣伝説 ◆BoVaEdQZq.:2011/02/25(金) 23:18:23
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「あーボケが、殺っちまったよ……どうしてこうメンドクセェ事が立て続けに起こるんだぁ?」

雲仙は今、自分のせいで鼻から血を流して気絶した見知らぬ女性を運んでいる。
数分前、真庭人鳥の『忍法柔球術』に使用する壁などに反射する事で威力速度を増す楕円球をどの程度の使い勝手なのか窓の枠部分に当たるよう投げてみたところ飛び出してきた否定姫の鳩尾と顔面を強打する事となり放って置くわけにもいかず、という訳だ。

「武器も出さずに飛び出してきたところを見ると、どうやらドンパチやりに来た訳じゃねぇだろうし。仕方ねぇか。まったくお子様がやる仕事じゃねぇだろこれ」

そして現在、彼女のバッグを数分かけて探しだし今は保健室に向かおうとしていた所だった。
その途中、見知った人影がいた。しかしどうも彼の様子がおかしい、今自分が背負っている女性とは対照的に殺気立ち獲物を探しているように見える。

「見ない内に随分悪党顔になったなぁ。えぇ?阿久根君よぉ」

「雲仙くんか、怪我人を背負っている所を見ると君は殺し合いには乗らなかったようだね」

滲むような殺気を放ち、君『は』乗らなかったようだな、などと口走るということは…間違いないこの男は乗ったのだ。理由は恐らく黒神めだかの優勝といったところだろう。

「一つ、言っとくぞ。俺が今着てんのはな、紛れもなくモノホンの風紀委員会特服だ。こりゃ支給されたもんじゃあねぇ」

何の事かと戸惑う、いや感ずいてはいるのだがそれを認めるのは阿久根にとって些か酷過ぎる事であるために気付かないフリをしているようでもあるが、更に続ける。

「つまり!黒神の乱心モードが標準レベルかそれに近けぇ奴らが集められてるってことだろうが、全員殺すより先にやることがあったんじゃねぇのか?あ゙?」

17誠剣伝説 ◆BoVaEdQZq.:2011/02/25(金) 23:19:33
そう、もしもそれほどの強者がわんさと居るのなら阿久根高貴では明らかに力不足、序盤から殺して回らずに仲間を集め、黒神めだかを探し出して警護し、あらかた事が済んでからその他を殺して回ればいい。いや、そうしなければ知らぬ間に黒神めだかは死ぬ可能性すら考えられる。

「………めだかさんなら大丈夫さ、それに君みたいな子供や無抵抗の人間を壊す所は見せたくないからね」
言いながら手に持つ十字架を降り下ろさんと迫る阿久根に対し、バッグの中のあるものを持ちながら雲仙は言い放つ。

「そんじゃあペナルティを科さなきゃいけねぇな。つっても今は充分な装備がねぇからよ、今回は逃げて伝えといてやるよテメェの大好きなめだかちゃんにな!!」

そこで彼が死角から投げつけたのは壁だった。対象は勢いそのままに投げつけられた壁に激突し向こう側の相手の台詞を聞く。

「これが俺が新しく得た能力!空間操作能力だぜ!よく考えてみろよあのメンバーの中でオレだけがボール遊びしてるただのガキだと思うんじゃねえ!!」

「ぐっ、た…確かにっ!!」

雲仙は黒神めだかとの戦いの戦いで道具しか使って来なかった。しかし電磁波を操る男や改造人間やってる女もいるのだ確かにそれも無くはないだろう。
しかし―――

「しかし!これしきで俺は止まらない!」

壁をぶち抜き彼はなおも前へ進む、愛をもってして破壊する。
既に小柄な人影は何処かへ消えていたがどうすれば見つかるかはわかる。壁を追えばよいのだ。聞けば最近身に付けたらしい能力、空間操作等という大技をそう簡単に習得可能とはいくら飛び級入学の特待生といえどあり得ないはずだ。

18誠剣伝説 ◆BoVaEdQZq.:2011/02/25(金) 23:20:47
「つまり壁が行く手を阻む場所に!」

ある教室の扉の向こうが壁で塞がれているきっとこの先に居る。居るに違いない。この場での情報の漏洩は非常に不味いのだ早く速く壊さなければならない!

「―――君がいる!!」


その焦りが、災いした。




ここで話は冒頭に戻る。

(ケッ!仕込みはヤッツケだったし多分死んでないとは思うが、まー戦闘不能にはなったか)

否定姫の持っていたのは癇癪玉ではない、それの名は炸裂弾『灰かぶり(シンデレラ)』。老朽化した壁なら余裕でぶち抜ける代物。
それを理科室に置いてあった壁に穴を開けて埋め込み扇で蓋をした所謂仕込み爆弾によって爆発した理科室を見て思う。

どうかしてる、と


黒神めだかの為に人殺しをしようとした阿久根高貴もそうだがこの場にいる全員に定価九千万近いだろうバッグを手配できるような得体の知れない主催者へ反旗を翻す決断といい、今背中で寝息をたてているこんな日光江戸村からパクってきたような外人も区別無く殺し合いにブチ込む理事長もだ。

19誠剣伝説 ◆BoVaEdQZq.:2011/02/25(金) 23:22:58

特に雲仙自身違和感を感じるのは主催者への反抗意識が自分に明確に存在する事。確かに校内での殺しなど通常ご法度もいいところであるが学校側の決めたことならばそれもまたルールではないのか?
疑問に思うも何故かこの殺し合いの方が『違う』気がするのだ。

それはもしやこの世で最も誠実な刀、彼の胸にしまわれた誠刀「ハカリ」が原因なのかもしれない、かつて飛騨鷹比等がそうであったように―――

【1日目/深夜/D-4箱庭学園】
【阿久根高貴@めだかボックス】
[状態]重症
[装備]エピソードの十字架@
[道具]支給品一式、ランダム支給品(0〜2)、
[思考]
基本:めだかを優勝させる(めだかがいなければ善吉を優勝させる)
 1:????
[備考]
 ※庶務戦開始前からの参加です
 ※どの程度の怪我かは次の書き手さんに任せます

【1日目/深夜/4-D箱庭学園付近】
【雲仙冥利@めだかボックス】
[状態]健康、肉体疲労(中)
[装備]灰かぶり(シンデレラ)@めだかボックス、白虎(スノーホワイト)@めだかボックス
[道具]支給品一式×2、誠刀「ハカリ」@刀語、忍法柔球術の玉@刀語、ランダム支給品(0〜1)
[思考]
基本:風紀委員会として正義を執行する
 1:休める所に行く
 2:学区内で人殺しをした者を裁く
[備考]
 ※めだかボックス7巻で球磨川禊に攻撃された後から参戦

【1日目/深夜/箱庭学園付近】
【否定姫@刀語】
[状態]気絶、鼻血
[装備]不忍の仮面@刀語
[道具]無し
[思考]
基本:この殺し合いを否定する
 1:気絶中
 2:頼れる人間を探す
 3:首輪を解析出来なくない人物を探す
[備考]
 ※アニメ版ED後から参戦

20 ◆BoVaEdQZq.:2011/02/25(金) 23:30:04
まぁおおよそそんな感じで、文章力など無いくせに勝手ばかりしてしまい大変ご迷惑をお掛けしました。
以後は見るのみ、もしくは裏方にまわらせて頂きたく存じます

21管理人 ◆VxAX.uhVsM:2011/03/08(火) 07:56:58
投下できないから規制っぽいな。
こちらに投下します。

22管理人 ◆VxAX.uhVsM:2011/03/08(火) 07:58:09

しかし、もう次の瞬間に彼は消えていた。

「どこに、どこにいるんだにゃ!」
すぐに、どこにいるか分かった。
後ろから攻撃を食らい、羽川がブッ飛ばされた。
「にゃあああああああああああああああああああ!!」
しかし、すぐに受け身を取る。
そして、その直後に日之影に襲いかかる。
すぐに日之影も姿を消す。
普通に考えればこの時点で日之影空洞の勝ちは決まっていた。


そう、それが普通の人間に対してであればの話だが。


(安心しろ、一撃で終わらせてやる!)
ブラック羽川に飛びこんだ。
これで攻撃をして終わり、ではなかった。
ブラック羽川は確かにこっちを向いて、手を伸ばしていた。



☆  ☆  ☆  ☆  ☆



ここで一つ豆知識代わりに。
猫の嗅覚は人間よりも圧倒的に強いのだ。
だから、相手から襲いかかってくるのを待てば、確実に倒せるということだ。



☆  ☆  ☆  ☆  ☆


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
攻撃、力がこもった拳骨が、ブラック羽川に炸裂した。
「にゃあああああああああああああああああああ!!」
ブッ飛ばされ、壁に激突してブラック羽川は動かなくなった。
「……動かなくなったけど、怖いな」
しかし、元は女の子?っぽいのでこのまま放っておくわけにもいかない。
日之影は、最後の気遣いという事で客室まで毛布を取りに行って、それをかけてやった。
「……さーてどうしたものかねぇ」
不知火理事長がなんかやるって言ってるしな。
なーんかめんどくさそうだし。
「俺は普通にいつも通りでいいか」
彼は、生徒会長時代もそうだった。
誰にも認められずとも、決してあきらめずに戦ってきた。
それが巨大な敵であろうともだ。

「さあ、元生徒会長の出陣だ」

彼は急いで豪華客船を飛び出た。
彼がもし、今の黒神めだかとあったらどうなるのだろうか。

23出陣だ ◆VxAX.uhVsM:2011/03/08(火) 08:01:09
殺すのか、元に戻すように仕向けるのか、それはまだ分からない。
会わないのかもしれないし、出会いがしらに殺されるかもしれない。
それでも彼自身は知ることはない。


それは、これから起こるかもしれないものだから。


彼自身がどうなるかを知ることはできない。

【1日目/深夜/G-2豪華客船看板】
【日之影空洞@めだかボックス】
[状態]エナジードレインによる疲労(中)
[装備]なし
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1〜3)
[思考]
基本:いつも通り悪物をブッ飛ばす。
 1:この場にいるのなら、黒神と接触したい。
 2:さっきの女、どんな能力を…?
[備考]
 ※生徒会戦挙庶務戦前からの参戦です。


☆  ☆  ☆  ☆  ☆


ああ、油断したにゃ。
人間がこんにゃ能力を持っていたにゃんて。
ああ、今は体が動かにゃいから休むにゃ。
でも、覚えていろよ人間。


絶対にお前をぶち殺してやるにゃ。


そして、ブラック羽川の意識は闇に落ちて行った。

【1日目/深夜/G-2豪華客船内ホール】
【羽川翼@物語シリーズ】
[状態]体に軽度の打撲、気絶中
[装備]なし
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1〜3)
[思考]
基本:???
 1:???
 以下はブラック羽川の思考
 ?:絶対にあの男は殺す。
[備考]
 ※化物語本編のつばさキャット内のどこかからの参戦です。
 ※次起きた時にどうなっているかは次の書き手にお任せします。

24出陣だ ◆VxAX.uhVsM:2011/03/08(火) 08:02:26
誰か代理投下してくれるとうれしいです。

25管理人 ◆VxAX.uhVsM:2011/03/08(火) 19:48:59
指摘ありがとうございます。
うん、今読み返すとひどいです。
チェックしたとき眠くて頭に入っておりませんでした。
修正を書いて出すのでお待ちください。

26管理人 ◆VxAX.uhVsM:2011/03/08(火) 19:58:53
今から見苦しい言い訳をします。

自分は知っての通り文章力がないわけです。
なのでいつもは何回か見直すんです。
しかし、今回はそれがおろそかになってしまいました。

まことに申し訳ありませんでした!

27管理人 ◆VxAX.uhVsM:2011/03/09(水) 07:00:43
昨日は申し訳ありません。
矛盾点を直した(はず)なので投下します。
題は昨日の通りです。

28出陣だ ◆VxAX.uhVsM:2011/03/09(水) 07:01:29



にゃああああはっはっは!




にゃあああああああはっはっはっは!





にゃああああああああああっはっはっはっはっは!


☆  ☆  ☆  ☆  ☆


「ああ、いい気分だにゃ」
彼女、ブラック羽川は豪華客船の中にいた。
その傍には、大男が倒れていた。
その男は、ピクリとも動いてはいなかった。

「そうだにゃ……この際ここでご主人のストレスを一気に消そうかにゃ」

羽川翼、いやブラック羽川は歩き出す。
しかし、そこでブラック羽川にとってあり得ない事態が起こる。




「おいおい、酷いじゃないか。いきなり人を襲うなんて」




「!!」
そう、普通からしたらあり得ない。
起き上がってきたのだ。
かつて自分の親を一撃で気絶させた時、その時よりも強く吸収したはずだったのだ。
彼、日之影空洞は決して死んでなどいなかった。
  ミスター・アンノウン
『知られざる英雄』と呼ばれる彼は、能力だけではなく単純に強いのだ。
普通の一般人と同じに考えてはいけないのである。
そう、それが怪異という存在であっても。
同じに考えてはいけないのである。
「くっ!ふざけるにゃ!こんな事くらいで、勝ったと思うにゃよ!」

しかし、もう次の瞬間に彼は消えていた。

ブラック羽川は、周りを見回した。
しかし、彼はどこにもいない。
「どこに、どこにいるんだにゃ!」
すぐに、どこにいるか分かった。
後ろから攻撃を食らい、羽川がブッ飛ばされた。
「にゃあああああああああああああああああああ!!」
しかし、すぐに受け身を取る。

29出陣だ ◆VxAX.uhVsM:2011/03/09(水) 07:03:09
そして、その直後に日之影に襲いかかる。
すぐに日之影も姿を消す。
普通に考えればこの時点で日之影空洞の勝ちは決まっていた。


そう、それが普通の人間に対してであればの話だが。


(安心しろ、一撃で終わらせてやるよ猫!)
日之影空洞がブラック羽川に飛びこんだ。
(これで終わりだと思うにゃよ!)
ブラック羽川は確かに日之影空洞をめがけて、手を伸ばしていた。



☆  ☆  ☆  ☆  ☆



ここで一つ豆知識代わりに。
猫の嗅覚は人間よりも圧倒的に強いのだ。
だから、相手から襲いかかってくるのを待てば、確実に倒せる。
というのがブラック羽川の考えであった。



☆  ☆  ☆  ☆  ☆

30出陣だ ◆VxAX.uhVsM:2011/03/09(水) 07:04:06


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
攻撃、力がこもった拳骨が、ブラック羽川に炸裂した。
ブラック羽川の手が日之影空洞に触れるよりも早く、ブラック羽川を殴った。
ただそれだけのことである。
「にゃあああああああああああああああああああ!!!?」
ブッ飛ばされ、壁に激突してブラック羽川は動かなくなった。
「……動かなくなったけど、怖いな」
しかし、元は女の子?っぽいのでこのまま放っておくわけにもいかない。
日之影は、最後の気遣いという事で客室まで毛布を取りに行って、それをかけてやった。
「……さーてどうしたものかねぇ」
不知火理事長がなんかやるって言ってるしな。
なーんかめんどくさそうだし。
「俺は普通にいつも通りでいいか」
彼は、生徒会長時代もそうだった。
誰にも認められずとも、決してあきらめずに戦ってきた。
それが巨大な敵であろうともだ。

「さあ、元生徒会長の出陣だ」

彼は急いで豪華客船を飛び出た。
彼がもし、今の黒神めだかとあったらどうなるのだろうか。
殺すのか、元に戻すように仕向けるのか、それはまだ分からない。
会わないのかもしれないし、出会いがしらに殺されるかもしれない。
それでも彼自身は知ることはない。


それは、これから起こるかもしれないものだから。


彼自身がどうなるかを知ることはできない。

【1日目/深夜/G-2豪華客船看板】
【日之影空洞@めだかボックス】
[状態]エナジードレインによる疲労(中)
[装備]なし
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1〜3)
[思考]
基本:いつも通り悪物をブッ飛ばす。
 1:この場にいるのなら、黒神と接触したい。
 2:さっきの女、どんな能力を…?
[備考]
 ※生徒会戦挙庶務戦前からの参戦です。


☆  ☆  ☆  ☆  ☆


ああ、油断したにゃ。
人間がこんにゃ能力を持っていたにゃんて。
ああ、今は体が動かにゃいから休むにゃ。
でも、覚えていろよ人間。


絶対にお前をぶち殺してやるにゃ。


そして、ブラック羽川の意識は闇に落ちて行った。

【1日目/深夜/G-2豪華客船内ホール】
【羽川翼@物語シリーズ】
[状態]体に軽度の打撲、顔に殴られた痕、気絶中
[装備]なし
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1〜3)
[思考]
基本:???
 1:???
 以下はブラック羽川の思考
 ?:絶対にあの男は殺す。
[備考]
 ※化物語本編のつばさキャット内のどこかからの参戦です。
 ※次起きた時にどうなっているかは次の書き手にお任せします。

31管理人 ◆VxAX.uhVsM:2011/03/09(水) 07:04:50
投下終了です。
修正に意見を下さった方に感謝!
間違いがあったら言ってください。
お願いします。

32傾物語【怪】 〜こよみゾンビ〜:2011/03/12(土) 23:37:29
完全におまけssです。
注意点
1:初ssで初当下です。
2:阿良々木君が復活しちゃいます。
3:阿良々木君チート級なっちゃいました。
4:矛盾点いっぱい
5:無駄に長い
6:文のレベルが低い。西尾らしさどころか、言葉遊びが1つもない
ほかにもいろいろだけど暖かく見守ってやってください。

33傾物語【怪】 〜こよみゾンビ〜:2011/03/12(土) 23:38:32
「いやぁ、本当に悪かったよ忍。
僕の失態のせいでいろいろ面倒巻き込んで。
あまつさえ、お前のことをミステイク忍なんて呼ぶなんて
許し難い行為だったな。本当に悪かった。許してくれ忍」
「……………」
「本当にお前は吸血鬼の鑑だよ。まぁ吸血鬼は鏡に映んないけどね。
実際は僕も実は不安だったんだよね。
あんなバイオハザードも尻尾を巻いて逃げだしそうな怖い怖い
世界から帰ってさ、いきなり戦場ヶ原や羽川に会って
少しでも正常でいられるかってさ。きっとゾンビのことを思い出して逃げ出したと思うな。」
「しかしそれなのにお前は、その気持ちを察してくれたんだな。
一回クッションをいれて不安を和らげようとしてくれたんだよな」
「……………………」
「さすがは忍だ。相談もしてないのにこんな僕を慮ってくれるだなんて。
お前に隠し事はできねぇな。さすがの僕のヘタレっぷりでも
こんな醜く汚い殺し合いの世界に連れてきてくれたら
ゾンビなんて目でもねぇよな。もしかすると影縫さんにも
ビビらずに立ち向かえるよ。断言できるね。まぁそれは大言壮語かも
しれないけどさ。サンキューな忍。これなら安心して戦場ヶ原たちに会えるよ。
マジで感謝だぜ。お前にはいくら礼を言っても言いたりないけど、
あと一回言っておこう」

「ありがとうございました!」

深々と頭を下げる僕。
忍は目を逸らしっぱなしである。
「で、だ」
そして顔を起こす。
だけど今回は憤怒というよりは哀憐の表情を浮かべていると思う。
「なんかさぁ、ミステイク忍も板についてきたな。
失敗ばかりじゃん今回のお前」
「……………………」
「………まぁいいや、やること決まった訳だし、とりあえず行くぞ。」
冗談を言えるのはここまでだ。
これからはどうしようもなく笑えない状況に首を突っ込むから。
「…………………そ、そうじゃな。」
久しぶりに発せられた、忍の声。
僕が思い返すは三十分ほど前のこと

34傾物語【怪】 〜こよみゾンビ〜:2011/03/12(土) 23:39:08
後日談というか、今回のオチ…を語るつもりでいた。
いた。とは過去を表わす言葉。ようするに、簡単に言うと、語れなかった。
本当は北白蛇神社に無事着いて、太陽の光で目を覚まし、
忍に膝枕してもらい、八九寺と戯れて、家に向かう予定だった。
そこ。メタとか野暮なツッコミはいれない。
しかし現実に目を覚ましてみると
「どこだよ…。ここは」
そう北白蛇神社ですらなかった。見た感じゴミ捨て場らしき場所だった。
神なんていそうにもない、禍々しい雰囲気を感じさせるところ。
なんていうかさ…また?忍ちゃんまた失敗?
「おいミステイク忍、どこだよ。ここは」
「……知らぬ。時代を間違えることがあっても、
場所がこんな大幅に変わるなんてこと本来ないじゃがな。
あとミステイクなどしておらん。」
どう見たってミステイクだろ。なんて言える状況ではない。シリアスだもん。
ちなみに今は夜だが、まぁこっちは大方、忍がまたミスったと考えられるので
あまり気にならないが、しかしなぁ。
「お前間違えて江戸時代とかにとんだ、という可能性は?」
というか、そう思いたかったが、
「おそらく無い。一応こういった類のゴミばかりということは、
おそらくそこまで昔じゃなかろうし、そもそも山などないからの。
たとえ今が江戸時代じゃろうがなんだろうが、場所そのものが変わっておる。
だからその問いにあまり意味はないぞ。」
そのへんに落ちてた鉄屑を手にして言う。
あっさり言ってくれるな。この張本人が。 全くもって偉そうに。
「そっか。でさぁ、帰れるわけ?僕たちは」
目を逸らす忍ちゃん。
「…も、もも、もちろんじゃ」
声が震えている忍ちゃん
「じゃ、じゃがな、こんな不思議な体験をしておるんじゃ。
どうせなら最後まで謎を解明するまで、帰るのはもったいないと思うぞ。うんうん」
意見を主張する忍ちゃん
「………まぁいいよ。じゃあとりあえず歩いてみようぜ。なんか分かるかもしれないし」
…別に忍の主張にのっとるわけじゃない、というか忍が嘘をついているのは、
バレバレなわけだけど、それ以外することがないし、うん。ただ付き合うだけ。
「うん、それがいいぞ。それが。うんうん」
…そういうわけでこの辺りの探索をすることになった。

35傾物語【怪】 〜こよみゾンビ〜:2011/03/12(土) 23:41:38
「やぁ、阿良々木くん。やっと来たね。待ちくたびれたよ」
と。
忍野メメは、当たり前のように、そこにいた。
それと同時に忍は僕の影に消えていった。
そういやこいつ忍野のこと嫌いなんだっけ。
「うん、首輪もつけてないし、あの殺された阿良々木くんの亡霊というじゃあ
なさそうだね。よかった、よかった」
首輪?殺された?…いやそんなことよりも、
「な、なんで忍野が……」
本来、もう僕と忍野の会える確率なんてほぼ0に等しい縁なのに。
「阿良々木くん。君は変なことを言うねぇ。
別に僕は、それこそ君みたいに死んだわけでもないわけだし
縁が≪合えば≫再び出会うことなんて不可能なはなしじゃあないよ」
まぁその通りなんだが、あんま納得できんな。…いや、それももちろん大事だが、
それよりも…またきた阿良々木暦死亡説。君みたいに死んだ。って。
まるで僕が死んだみたいじゃないか。いや、忍野は意外と日本語下手なのかな?
きっとそうだ。だって僕は一応設定では不死身なんだぜ。
神原、いやレイニー・デヴィルのグロイ攻撃を耐えたこの僕が?
ははっ、ありえないって。でも一応確認はしておかないとな。うん。
「ちょっとまってくれ。僕もお前に言いたいことはいっぱいあるし
聞きたいこともたくさんあるが、まず一つ聞かせてくれ。」
「なんだい?」
「この世界の僕もすでに死んでいるのか?」
「うん、ついさっきにね。」
即答だった。少し悲しかった。どこにいったんだろ。僕の不死身性。
変態度はじょじょに順調に着々に上がっているにさ。設定変わりすぎだろ。
紳士で、ニヒルで、クールで、不死身な僕は最近消滅したのかなぁ。
いや、でもそれは忍のせいってことになったからな。ほっ。ひとまず安心だな。
しっかし…ついさっき?こんな真夜中に?吸血鬼性が一番上がるこの時間帯に?
意味分かんねえよ。why?なぜに?どうやって?
「なに?ブラック羽川?」
「ううん。黒神めだか…いや、めだかちゃん<改>かな。」
うわー何だろう。怪異の王の眷属って何だろう。とても悲しいよ。
何?<改>?自分は強いぞ的な?はぁ、なに?中二病患者君に僕は殺されたの?
「まぁ落ち着いてよ、阿良々木くん。
何かいいことでもあったのかい?それについて今から説明するから。」
少し気持ちをブルーにしてくれた忍野はいつもの調子でいつも通りに話を進めていく。
…ちょっと前に手紙を読んだけど、なんか懐かしいな。そんなに前のことじゃないけど。
「それで、順をおって今から説明したいことを説明するけど準備はいい?」
「あ、ああ」
積もる話や、言いたいこともいっぱいあるけど、一大事っぽいので先に譲ってあげた。
「それでね、とりあえず先に言っておくと。阿良々木くんみたいな人にはきつい話に
なると思うんだ。それでもとりあえず最後まで黙って、聞いててくれるかな。」
おぉ。なんかすごい憤った顔で迫ってきたので
「ああ」
と、しか言えなかった。別に断る理由もないけどね。
しかし忍野があんな顔するなんてよっぽどのこと、なんだよな。きっと。
「よし。じゃあ阿良々木くんもそう言ってくれたことだし、
言葉を選ばず、簡潔に、単刀直入に言うよ。」
一回ご丁寧に間を置いて衝撃的な一言を言ってくれた。

36傾物語【怪】 〜こよみゾンビ〜:2011/03/12(土) 23:42:54
「今ここではね、殺し合いが行われているんだ。」

「…………………は?」
うん、僕の頭が正常ならば、忍野は殺し合い、といっていたな。
全くもう、ゾンビ達の次は人を相手取るってわけか。面白い冗談だ。
…………いやいやいや殺し合い?意味分かんない僕が死んだこと以上に意味分かんない。
そして全然面白くねぇぞ。冗談だとしても。
「理解に苦しむのはよくわかるけど。一回僕の話を聞いといてね。」
あくまで冷静に言う忍野。どっからどう見ても冗談をいってるようには見えない。
おいおいこういう時にいつもの爽やかすぎて逆に不快な笑顔をしてくれよ。
真顔って。いやいや似合わないからさ。いつも通りにしてくれよ。
「それで普通そんなこと言われてやる人なんていないと思うけど、
そこで重要になってくるのが首輪というものがでてくるんだけど」
徹底して淡々と言う忍野だが、
「けどお前してないじゃん」
そう忍野は首輪をしていない。
約二カ月前までと同じサイケデリックなアロハ服も、
アニメ化の際少し格好よくなってしまった顔も、清潔感のない感じも、
ほぼ何一つ変わっていなかった。何一つ異常なところはない
…まぁ僕の周りの人たちが変わりすぎなだけかもしれないけど思うと、
具体的には、戦場ヶ原と、羽川と、神原と、妹たち………僕の周りが異常なだけだった。
「まったくせかすなよ。阿良々木くん。何かいいことでもあったのかい?
で、それについても後で言うよ。まずは首輪の役割のことだけど、
まず一つに禁止エリアという場所に入ったら爆発する。
二つ目に一定時間ごとに人が死ななければ、全員の首輪が爆発する」
もうさすがに冗談とは思えなかった。ここまでボケを重ねるわけなしな。
しっかしまぁ何ていうか言葉が出ない。なんか驚いてばっかだな。最近。
現実味が全然わかない。緊張感もでない。
「阿良々木くん、まだついてきているかい?
もうここまで言えば察したかもしれないけど、」
「その殺し合いにのった奴に僕は殺されたわけだ」
忍野の言葉を遮って答えを言う。簡単すぎる問いだった
「…ご名答」
「しかしなんで僕を殺せたんだ?」
「阿良々木くんのくせに視る点が鋭いじゃないか」
「くせには余計だ」
相変わらずこいつは一言多いなぁ。
「で、そこがこの殺し合いのミソでもあり、僕が怒っていることなんだけど、
簡単に言うとね、ある薬物の影響でこの殺し合いの参加者のステータスやスキルが
ある程度下げられているんだよね。阿良々木くんの場合は物資創造能力や
肉体変形とかが禁止させられて、再生力が著しく下げられたんだよ」
「それでも相手は普通の女の子だったんだろ?」
勝てない相手じゃあないと思うけど。
「普通じゃあないよ。異常だよ。それも異常中の異常、
相手が悪かったよ。あの子はさあ、なんていうか
エナジードレインならぬスキルドレインって感じでさぁ。
阿良々木くんの再生力を奪って、しかも、全盛期の忍ちゃんも殺しちゃうぐらいだもん。
まぁこの場所だったからだろうけどね。普通はどんな手使おうが、ありえないけどね。」
「……………」
マジかよ。全盛期の忍がねぇ。
あと関係ないけどさっきからだんまりが多すぎだな、僕。気をつけなきゃ。
「けど、僕が怒っているのはそこじゃあない。むしろバランサーの僕からみたら
結構好きな状況なんだけど。阿良々木くんこれを見てくれる?」
そういって紙束を渡された。
そこには顔写真と細かな情報が書かれていた。
「とりあえず一通り見てみて。」
その紙束には、

37傾物語【怪】 〜こよみゾンビ〜:2011/03/12(土) 23:43:36
本名不詳          〜戯言遣い〜
哀川 潤          〜人類最強〜
零崎 人識         〜殺人鬼〜  とか
水倉 りすか        〜赤き時の魔女〜
供犠 創貴         〜『魔法使い』使い〜 とか
鑢 七花          〜虚刀流七代目当主〜
容赦姫           〜尾張幕府家鳴将軍家直轄預奉所軍所総監督〜
真庭 鳳凰         〜神の鳳凰〜 とか
櫃内 様刻         〜破片拾い〜
串中 弔士         〜悪魔の子ども〜 とか
黒神 めだか        〜完成〜
人吉 善吉         〜普通の皮をかぶった異常〜
球磨川 禊         〜大嘘憑き〜 とか
阿良々木 暦        〜吸血鬼もどきの少年〜
戦場ヶ原 ひたぎ      〜蟹に行き遭った少女〜
羽川 翼          〜猫に魅せられた少女〜 …とか
ちなみに忍野メメの名前は無かった。
「…………………!!」
自分でも血の気が引いていくのが嫌でも分かる。なんで、なんで!
「分かると思うけどそれ参加者名簿だよ」
それぐらい分かる。そんなことより
「なんであいつらの名前があるんだよ!ついでに言うとお前の名前はどこにもねえぞ!」
「ついでとは酷いなあ。これでも恩人だぜ。そんなんだからツンデレとかいわれるんだよ。
それとそんな大きな声で言わなくても聞こえるよ。
何かいいことでもあったのかい?…ていうか三回も言わせないでくれるかなぁ」
「茶化すな!言えよ!なんでだ」
「……分かったよ。まずは阿良々木くんの質問から答えよう。めんどくさいなぁ」
はぁ、とため息をついて、本当に面倒くさそうに話し始める。
「じゃあまず、ツンデレちゃんとかのヤツからね。何ていうか
え〜とね、まずねこの殺し合いは、ある程度固まりをもっているんだ。
全員が全員、赤の他人じゃあない。ある人間に焦点をあててその周辺の人間を
連れてきたんだ。でこの場合焦点が阿良々木くんだったから、
ツンデレちゃんや委員長ちゃんたちが来たってわけ。」
「なんで僕なんだ」
「ん?分かんないかい?なら言うけど、
君はあの鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの眷属なんだぜ。
すこしでもその手のことかじっていれば、珍しいことこの上ないよ。」
「…なんで戦場ヶ原とかを巻き込んだ?」
「さぁ?大方、焦点である君たちのやる気を出すためとかそんな感じじゃない。」
なんかもう怒る気にもならないな。
なにがしたいんだ。この殺し合いの主催者は。
「他の参加者も大体そうなっているよ。これで納得言ったかい?」
「納得なんざ全くできないが、もういいよ。次に進んでくれ。」
もう驚きや怒りを通りこして何ていうか呆れてきた。
「じゃあ進ましてもらうけど、それで僕の名前がない理由だっけ。簡単さ。
参加者がいれば、主催者も当然いるさ。そして参加者じゃなければ
もう主催者側しかいなじゃないか。」
うん、まあ分かることだったけどね。たかが参加者程度が
今まで言ってたことすべて知っているとは思えないし、
伏線みたいなものは他にもあった。
「それで、そのお前は、何しにここに来た。僕を殺しにか。」
…それならそれで逃げるけど。殺したくないし。
「はっはっは全く元気がいいな。阿良々木くんは。
四回目だけど、何かいいことでもあったのかい。
別に僕はそんなつもりはないよ。むしろ協力してほしいぐらいさ。」
「…殺し合いの促進か?」
「いやいや全っ然的外れもいいとこだよ。阿良々木くん。
逆、逆。この殺し合いをぶっ壊してほしいのさ。」
「…はぁ?意味わかんねぇよ。じゃあなんでお前はそっち側にいるんだよ。」
矛盾もいいとこだ。

38傾物語【怪】 〜こよみゾンビ〜:2011/03/12(土) 23:44:30
「うん?あぁ。僕もねこの殺し合いじゃなきゃ仕事を真っ当してもよかったんだけど、
この殺し合いは駄目だ。異常すぎる子ばっかりだもん。
これじゃあこの殺し合いが終ったあと、バランスが崩れるのは必至だよ。
これはバランサーとしては防がなきゃあならない。
僕としてはもっと普通の子ばっかりだと思ったんだけど。」
「それもそれで許せんが、それより質問に答えろ。
そもそもなんでお前はそっち側にいるんだ。と聞いたんだ。僕は。」
「いや〜。恥ずかしい限りなんだけど、ある日、主催者リーダーのジィさんに
金を大量に出す。といわれてね。とりあえず仕事を請け負ったんだけど、そのあと
詳しい内容も一応聞いても全然教えてくれなくてね。無理に聞くと金のことを言われてね
渋々聞かないでいたんだ。ようするに賄賂みたいなものだよ。いや違うかな。
しかし欲に目がくらんだのが間違いだったね。
まさかここまでとは思わなかったよ。敵、いや味方かな?どっちでもいいけど天晴れだよ」
「お前ってそんなに金に汚い男だったけ?」
それは貝木だけで十分なキャラ付けだ。
「というよりは、君たちの町が異常に仕事が繁盛しただけだよ。
基本的に僕は、金に汚い男だよ。…それで僕の頼みごと頼まれてくれるかい。」
まぁ、何にしたって僕の答えは既に決まっている。
そして僕は答える。
「僕は

39傾物語【怪】 〜こよみゾンビ〜:2011/03/12(土) 23:45:01
「そうそう言い忘れていたけどここは不要湖という場所だよ」
「こ?湖?どこが?」
水なんてどこにもねえぞ。
「このがらくたのせいで今は見れないけどこの立ってる場所の下も
水が溜まっているはずだよ。もったいないね。名前の由来は、
見ての通り不要な物が溜まっている。だから不要湖、と呼ぶらしいよ。
そして今は関係ないけど昔ここは壱級災害指定地域と呼ばれていたんだよ。
「へぇ。足元が危険だからとか?」
木屑や鉄屑が一面広がっているもん。僕も結構危ない
「そんなわけないだろ。正解は昔ここには、恐ろしき殺人からくり人形が徘徊してたから。
名前は日和号、又は微刀「釵」らしいけど、まぁ今はここからは撤去したからね。
心配しなくても、大丈夫だよ。」
ふーん。すげぇなぁ。しかしそんなもんどうやって作ったんだろう。
今でも難しいだうろな。自立型の機械なんて。そんなに興味もないけど。
「それでさぁ、僕はそろそろいくけど最後に一つだけ聞いていいかな」
「別にかまわないけど」
「そう、じゃあ聞くけど、
なんで阿良々木くんたちはこの世界にきたの?」
……………………………………………これは……。
「はぁ?お前が呼んだんじゃあないのか?」
僕はてっきりそう思っていたけど。
「いやいや僕は確かに阿良々木くんたちが来やすいように。って、
結界を薄くはしていたけどここに来るのは僕には強制できないよ」
これは。これは。忍フラグが立ったな。けど一応ね。確認確認
「え?でもお前実際にここにいて待ちくたびれたよ。なんていってくれたじゃないか」
「それはね、ここがこの場所のエアスポットに代わる場所で、
君たちと会う十分前ぐらいにここを中心にエネルギーの流れが変わったからね。
これは阿良々木くんかな?と思って、
今か今か、早くしろよ早くしろよと思って待ってたからね。つい本音がでちゃたんだよ」
お前、毎回毎回そんなこと思っていたのか。
お前絶対女の子とデートできないぞ。
それで、ここに来たのは、ようするにあいつが間違えた、ということだ。
「それで、おそらく忍が失敗したんだろうけど。
あいつも場所は変えられないと言っていたぞ」
「まぁ、普通の怪異だとそうだろうけどなんつったって怪異の王だからね
それ相応のエネルギーがあれば不可能じゃないかもしれないよ。僕も知らないけど。
何が起きようとあの子の前では、あの子だから。で説明ついちゃうからね」
なるほど。これ以上ないくらいわかりやすい説明だ。
ようは、あいつ。全盛期の自分自身のエネルギーを扱いきれなくて、
間違えてここに来ちまったと。なるほど。なるほど。よ〜くわかった。
「…?まぁわかんないようなら別にいいよ。
それじゃあ僕はとりあえず帰るね。君は死なないと思うけど、
くれぐれも気をつけていってきてね。それじゃ、また」
そう言うと忍野はさっさと行ってしまった。
「ああ、お前も気をつけろよ。」
僕は既にいなくなった忍野に言った。もちろん返事はなかった。
…まぁこうして探索開始三十分にして僕のやることは決まった。
そんで。
「……忍、そろそろ出てこい」
「………………………」
目を逸らしつつ、渋々、嫌々、軽く涙目で出てきた。
怒られると思っているのかな?僕がそんなするわかないのにね。
「あぁ、さすがは忍だな」
「…………………………………」

40傾物語【怪】 〜こよみゾンビ〜:2011/03/12(土) 23:45:44
ここで、冒頭に戻ってくるわけなんだけど。
テンションが全然違うとか言わない。僕だって気づいてるよ。
仕方ないじゃん。文をほとんど真似したんだもん。
「……………そ、それで、こ、これかりゃ、ど、どど、どうするんじゃ」
まだ声が震えている。それとそういう地味な噛み方はツッコミづらいんだよな。
「そうだな。」
と。言いつつ、忍野から渡された紙束を改めて見る。
しかし改めてみるとツッコミどころ満載だぞ。この名簿。
まず目を引くのは、この尾張幕府家鳴将軍家直轄預奉所軍所総監督ってなんですか?
尾張幕府って。いやいやいや。僕が言えることじゃないけどね。
そして本名不詳が何人か。例えば戯言遣いと否定姫とか、こんなに調べといて、
名前が分からないって。どんな人たちだよ。すげーよ。尊敬しちゃうよ。
挙げればきりがないから最後にするけど僕たちの扱い酷くね?
何?蟹に行き遭った少女って?事実述べてるだけじゃん。
他の人たちは破片拾いやら、大嘘憑きやら、それなりの異名があるのに…。
事実にしたってさ、虚刀流七代目当主とか人類最強とか格好つくやつできなかったのか?
もっと手を抜かず頑張ろうぜ、主催者。……もういい。とりあえず話を戻そう。
「やっぱこの人じゃないかな。とりあえずは。」
開いているページには、
「哀川潤さん、人類最強、主人公体質、ほか色々。仲間にするなら心強いだろうね。
二重丸だし、いいんじゃないかな。あともう怒ってないから」
「うむ。そうか。怒ってないか。それはよかった。
それで、その赤い奴かいいと思うぞ。そいつにこれを飲ませればいいんだな。」
こいつは相変わらず立ち直り早いな。
それで忍が手にしているのはカプセル。
中身は以前名瀬夭歌という人が開発したらしい能力開発薬を勝手に改良させた薬らしい。それでこれを参加者に飲ませれば、能力抑制薬(仮)を中和して以前の力を
取り戻すらしい。で、さっき言ってた二重丸というのは飲ませた後の影響だ。
簡単にいうと、
◎…必ずいいように動いてくれる。
○…高確率でいいように動く。
無印…不明、又は影響がほぼ出ない。
△…高確率で悪影響がでる。
×…必ず悪影響がでる。
らしい。詳しいことは忍野に聞け。もう僕にはわからん。
それでカプセルは2つしか渡されなかった。
だから今、とりあえず歩きながら渡す相手を考えてるってわけ。…説明疲れた。
「うむ。わかった。じゃあとりあえず探すかの」
「そうだな。早くこんなゲームぶち壊してやろうぜ。」

とても長くなったプロローグ。
だけどまだ物語は進み、もっというなら加速していくだろう。
そんな中一度死んだ僕はどこまで抗えるか僕も分からない。
まぁ。それは。これからのお楽しみだ。

41傾物語【怪】 〜こよみゾンビ〜:2011/03/12(土) 23:46:19
【一日目/深夜/E−7】
【阿良々木暦(2)@物語シリーズ】
【状態】疲労(小)
【装備】なし
【道具】参加者名簿(通常より詳細)
【思考】
基本:この殺し合いをぶち壊す
 1:哀川潤という人に会う
 2:余裕があれば、殺し合いに乗った人を止める
【備考】
※傾物語直後から
※装備・道具は最悪忍が作れる

【忍野忍(2)@物語シリーズ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本:我が主様を守る
 1:我が主様についていく
 2:もう失敗できないの
【備考】
※傾物語直後から
※装備・道具は最悪自分で作れる

42傾物語【怪】 〜こよみゾンビ〜:2011/03/12(土) 23:48:15
最後まで読んでくださった方ありがとうございました。
なんか申し訳ありませんでした。
駄文失礼しました。

43傾物語【怪】 〜こよみゾンビ〜:2011/03/13(日) 19:24:00
すいません。
訂正といいますか、表現の付け足しみたいなのをします。
阿良々木君と忍は、吸血鬼の目のおかげで夜でも普通に見えているというふうで
メメは、懐中電灯を点けていて、そのおかげで、忍は影に潜れた。ということにしといてください。
あとこまかい設定は忘れてしまいましたが。一応終わりはメメから、懐中電灯をもらい、
その光で忍は影から出た。ということにしいておいてください。
矛盾など多いですが、初ssということで勘弁してやってください。

44誰でもない名無し:2011/03/15(火) 19:16:54
このおまけSSについての感想、こっちでいいかな?
んじゃ、まずなにはともあれ、投下乙!
すごいぞ、初SSw
これで初だなんて、他ロワの書き手だけど、俺はいったいなんなんだ!?
めちゃくちゃ地の文な阿良々木や、キャラ同士の掛け合いが西尾西尾してるじゃねえか!
しかもちゃんとメタネタ完備! 死んじゃったことへのツッコミや、名簿見ての反応も素晴らしいの一言
いきいきしてる、なんだこの野生の西尾維新w
いやあ、読んで良かった良かった!
いろんっな意味で、氏が書きたいと思ったことが全部表現されたすごい話だと思う
面白かった、掛け値なく面白かった
一つの話としても、化物語の二次創作としても、ここへの投下としても、GJだ!

45傾物語【怪】 〜こよみゾンビ〜:2011/03/16(水) 14:35:26
ここで返信していいかは僕もわかりませんけど
この場を借りてお礼を言わせていただきます。
まず、読んでいただきありがとうございます。
そして何より感想も言ってくださりありがとうございます。
しかし感想をくださった方が何のロワの話しを書いているのかは
分かりませんが、僕はあくまで単発ですけど、連載?をしているんですから
あなたの方が何倍もすごいと思いますよ。
それでも、褒めて頂きありがとうございます。これを励みにこれからも
なにかしら頑張っていこうとおもいます。

この話を読んでくださった方。駄目だしでも結構ですので、
感想をいただけるとありがたいです。

46誰でもない名無し:2011/03/16(水) 20:06:04
てす

47誰でもない名無し:2011/03/16(水) 20:25:57
お、いけた
では自分も感想を

ぶっちゃけ、これおまけじゃなくていいんじゃね?w
制限解除カプセルは少々出るの早すぎだと思うがそれ以外は問題なかったし
むしろ疑問だったあまりにもめだかが完全版キスショットに完勝だったわけの説明とか、細かいところに手が届いていた
さすが突っ込みマスターらぎさん
殺しあいや名簿への反応をはじめ、俺らが気にしてたことをずばずばと
お約束のアニメねたふくめ笑わせてもらったぜ
投下おつー

48 ◆xzYb/YHTdI:2011/03/16(水) 21:11:24
ありがとうございます。
そこまで言われると本スレに投下しちゃいそうです。
なにはともあれ、ありがとうございます。
好評をいただけて書いた僕も、作者冥利につくというものです。

49 ◆xzYb/YHTdI:2011/03/16(水) 21:12:28
あぁ48は傾物語【怪】の作者です。

50 ◆xzYb/YHTdI:2011/03/17(木) 17:13:19
 0

確かに現実は残酷だ。
ただしそれは君に対してだけだ。

 1
 
妖怪の類の話をしよう。
そもそも妖怪とは、普通の世界で人々によって語り継がれる
奇怪な現象を引き起こす非日常的な存在のことだ。
まぁしかしあくまで、普通の世界だけの話でありその普通の世界からみたら
暴力の世界なんて妖怪だらけといっても過言ではないだろう。
それはともかく、妖怪などは結局は信じるか信じないか。これにつきると思う。
写真に変なものが写ったって、それを悪戯とかとみるか、妖怪とみるか
それによってだいぶ印象は変わってくる。ドアが勝手に動いた。
それは妖怪のせいだ。風のせいだ。そんな見方によって心情は変わるだろう。
かつてER3でも妖怪の研究をやってはいたらしいが最終的に答えはなかった。
そのぐらい存在するのかどうかもわからない曖昧な存在だ。
そのくせに人によっては怖がられ、人によっては求められ。と。
いろんな人の人生に、無意識に、無為式に、干渉し続ける存在だ。
ちなみにぼくは信じない。というかさ。
ぼくはそこで思考をやめて目の前の少女を見る。
「う〜ん。なんか難しいな。こういう類の話は」
「何か言いましたか?」
少女はこちらを向き、ぼくの至極どうでもいい呟きに反応した。
「いや、何も」
「そうですか」
さて。さっきのことも踏まえて彼女について説明しよう。
名前は八九寺真宵。簡潔にいうと幽霊らしい。
彼女を説明するには少し過去を遡らなければいけない。
遡ること5分前…

51 ◆xzYb/YHTdI:2011/03/17(木) 17:14:03
戯言さんとお呼びするけど、よろしいですか?」
「うん別に構わないよ」
というかそこはもういまさらな感じだから結構どうでもいい。
それよりもぼくが気になっているのは。
「それで、さっきの。もう死なないうんぬんって、どういうこと?」
「あぁ、あれはですね。そのままの意味ですよ。
私はすでに死んでいて幽霊になってます。なぜか今は生身みたいですけど」
うん。なんか慣れちゃったな。死人が生き返るのって。
出夢君とか、真心とかのせいだな。全く、ぼくの常識を変えやがって。
…まぁ、だからといって、いきなり、幽霊だ。といわれて
そうだったのか。とかえすほどぼくは終わってはいない。
「へぇ。けど今は生身なんだよね。君が嘘を言っているとぼくは考えるけど」
「むぅ。そんな小さいこと言うのは、主人公としてどうかと思いますよ」
だからなんだ主人公って。メタばかりじゃないかこの子。しかしでも。
「ふぅん。まぁそういうことにしといてあげる」
子どもの冗談に乗ってあげるのは大人の役目だろう。
ぼくはあの一連のことを通し成長したんだから。このぐらいなんともないさ。
「まぁ。分かればいいんですけど」
なんか意外と単純な子だった。純情というべきかな。
「そんなことより、もっと重大なことがあります。戯言さん」
なんかさっぱりしすぎじゃないかな。君の存在そのものだろう。
「なんかあったかい」
「あなたの呼び方噛みづらいです。戯言さん。
キャラ殺しをしないでください。主人公でしょ!」
…それはぼくのせいなのか。ちなみに主人公はもうスルー。仏の顔も三度までってね。
そして、そもそもキャラってなんだよ。小説の登場人物みたいなことばかりいうなこの子。
幽霊とか、メタとか、キャラとか。それとも早くも中二病にかかっちゃったのかな?
よし。子どもの間違いを正すのも大人の役割だろう。ここは一肌脱ぐか。
「おいおい。真宵ちゃん。勘違いしちゃあいけないよ。キャラというものは
自分一人でも成立するような独特性のことをいうんだぜ。
他人の手を頼るようじゃあ、まだまだ半人前だよ」
「なっ!なんですと!?そ、そうだったんですか。知りませんでした」
割と本気でショックを受けている真宵ちゃん。結構適当にいったのになぁ。
けどなんか面白かったので、そのまま続けてみる。…ぼくってMのはずなんだけどなぁ。
「全くそんなんであんな偉そうなにキャラとか言ってたの?
言っておくけどね。ぼくの周りは出オチの人でももっとキャラ濃かったよ」
ノイズ君とか、玉藻ちゃんとか。
「ホントですか!」
「本当だよ。けどまだまだ人生長いからね。まぁこれからも頑張れ!」
励ましの言葉を忘れない。これが大人というものだ。…嫌味に近いけど。
「は、はい。頑張らせていただきます」

52 ◆xzYb/YHTdI:2011/03/17(木) 17:14:58

ということがあったんだけど。
まぁ、ここまで思い出さなくってもよかったかもしれない。
今後は気をつけなきゃな。剣呑剣呑。…相変わらず使い方は違う気がするけど。
それはともかく。幽霊。と彼女は言った。
だからといっても特に確証は無い。というか。今もあんまり信じていない。
とにかく、別に彼女は壁を通り抜けるとかもできないし、普通に触れる。
そんな彼女を幽霊として扱うのがそもそもおかしいのではないか。
これも彼女を幽霊と信じれば確かに幽霊だが、
信じなければただの少女だ。それ以上なにものでもない。
そういうわけで、よし。自己完結だ。ぼくは幽霊を信じない。これでよし。
…まぁ戯言だけどね。
そして。意外と楽しかった話はもうおしまい。店仕舞いの時間だ。
こっからは案外真面目に嫌な現実。
「それで、まず真宵ちゃんの探している人って誰?」
「えぇと言ってませんでしたっけ?じゃあ言いますね。
阿良々木暦という人です。変態です。変態という名の紳士をやっている方です」
…どうしよう。一気にやる気なくしちゃったなぁ。回復アイテムでも落ちてないかな?
「どのくらい変態かというと、彼女をもちながらエロ奴隷を引き連れて、
女友達の胸を揉もうとしたらしいですし、二人の妹のファーストキスを奪ったらしく、
中学生にブルマやスク水を借りたり、そして何より、私に会うたんびに
抱きついてきて胸を触ったり、パンツを脱がそうとするぐらいの変態です」
…………………今ならまだ逃げれるかな?
やる気が、どうしようもなく湧いてこないぞ。どうしようかな。
「今の説明だけでしたら、ただの変態ですけど、一応恩人といえる人ですからね。
信用もできますし信頼もできます。なによりこういう時に彼がいると安心するんです」
……ここで断ったらぼくはただの人でなしじゃないか。ヒドイ話だ。
まぁぼくとしても知り合いの一人くらい見つけたいし、ここは乗っておくか。
「うん。分かった。暦君だね。よし、彼が死なない内に探し出すか」
「不吉なことをいわないでください!しかし大丈夫です。
そんな現実があったも、私がそのふざけた現実をぶち殺す!!」
………………………………………………………………………。
「………………………………………………………………………」
「………………………………………………………………………」
漫画だったら枯れ葉が風に流され、ヒュー、という擬音がついただろう。
しかしぼくは優しいのでスキル「スルー」を使わせてもらおう。
「よし。じゃあ探しに行くか」
「ちょっと待ってください!スルーはやめてください!悲しいです」
なんだよ。せっかく気を利かせてやったのに。
というか、また微妙にアレンジくわえているところがまた。痛い。
「うん。パクリはやめたほうがいいと思います」
思わず敬語になってしまった。
「なぜに敬語をつかっているんですか!」
「うん。君のことを凄いと思ったからだよ」
いろんな意味でね。彼女が輝いてみえるよ。
「うぅ、まだまだ修行が足りませんか……」
今、この殺し合いでやることではないと思うよ。まぁ、なにはともあれ。
「そろそろ動くか。真宵ちゃん」
「次は…。ってはいはい。行きましょう。行きましょう」
「それじゃ。いっちょ気合いを入れて、
殺して解して並べて揃えて晒しに行くか」
「パクリは駄目だと思います」
…なぜ知ってるんだ。

53 ◆xzYb/YHTdI:2011/03/17(木) 17:15:28
【一日目/深夜/G−6】
【戯言遣い@戯言シリーズ】
[状態]健康、落ち着きは大分取り戻せた
[装備]
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1~3)
[思考]
基本:殺し合いをする気はないし、あの爺さんをどうにかする気もない。
 1:真宵ちゃんとツナギちゃんと行動
 2:ツナギちゃんを観察
 3:暦君を探す
 4:友はどうしているかな…

【八九寺真宵@物語シリーズ】
[状態]健康、ツナギに対する恐怖
[装備]
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1~3)
[思考]
基本:殺し合いはしない
 1:戯言遣い、ツナギと行動。…怖い
 2:阿良々木さんを探す

【ツナギ@りすかシリーズ】
[状態]健康
[装備]
[道具]支給品一式、ランダム支給品
[思考]
基本:襲ってくる奴は食らう
1:戯言遣い、真宵ちゃんと行動
2:二人との親睦を深める
3:タカくんとりすかちゃんがいたらそっちと合流する
[備考]
※九州ツアーの最中からの参加です
※魔法の制限に気づいています(512→5)

54 ◆xzYb/YHTdI:2011/03/17(木) 17:18:29
自信がないのでいったんこっちに投下しました。
感想いただけるとありがたいです。

あと前回の傾物語【怪】の感想も書いていただけると
ありがたいです。

両方ともダメだしで十分です。

55 ◆xzYb/YHTdI:2011/03/17(木) 17:36:32
そういえば題名は
 「一寸先は口!?」
です。一応りすか風の題名です

56 ◆xzYb/YHTdI:2011/03/17(木) 18:50:24
入れ忘れていた。すいません。52の後です。



 2

ちなみにあそこで前みたくすでにやられたと思った?
いやいや甘ぇよ。でもそんな甘さは大好きだけどさ。
なんて戯言を遣っている場合ではなくなった。
目の前にいるのは、少女。外見は、ノースリーブのシャツに長ズボン。
鴉のような黒く艶のある髪。真宵ちゃんとそう大差ない体躯。
ある一部分を除けば、普通の少女、真宵ちゃんとそう変わらない。
まぁその一部分が厄介なんだけど。
口いや、むしろ牙の塊といっても過言じゃないかもしれない。
そんなものが額に一個両手の甲に各一個ずつ。しかも、時折蠢く。
真宵ちゃんなんかよりよっぽど妖怪っぽい姿だ。そんな彼女は
「君たちは、なんの魔法をつかうの?」
と。なんの前触れも言わず、ただそう言った。
………どうしよう。どう対処しよう?魔法だって。
「ぼくは、なにも使えないよ。強いて言うなら、戯言を遣っているけど」
「わ、私もなにも使いません。強いて言うなら、言葉を巧みに使います」
…自分で言うな。
「は?えっ!?君たちどこに住んでいるの!?」
「ぼくは、京都に住んでいます」
「私は住所不定です」
まだ引っ張るのか。幽霊の話。
「はあぁ!?九州ですらないの!?どういうこと!?」
というかさっさとどっか行ってほしい。襲ってこないから殺意はないみたいだけど。
「なんでもいいけどその危なかっしい口しまってもらえるかな?」
「まぁいいや。それで一応聞くけど戦う気は?」
「襲ってこない限りありませんよ」
「うん、じゃあいいや。武器も持ってないし。閉まってあげる。それよりも君面白いね」
といいつつ両手の牙は消えて、額の牙は絆創膏によって封じ込められた。
「何がかな?」
「魔法も知らない人がこれをみても、眼も閉じず、そこまで怖がっていないなんてね。」
「まぁ。似たような体験は結構していますから」
病毒を使われたり、空間を変えられたり、平手打ちでコンクリ破壊されたり、いろいろ。
「ふぅん。いいね。面白いね。…よし決めた。君たちについていこう」
「…は?」
柄にもなく聞き返してしまった。
何をみてそんな結論に至ったたんだ。途中式を書いてください。
「だ・か・ら君たちについていくの」
「なぜに?」
「気分♪」
どうしよう。厄介なのに目をつけられたな。昔だったら問答無用で逃げるのに。
「ついてこないで。と言ったら?」
「君たちを食らう」
普通にやりそうだからなぁ。この子。
「わかった。ついてきていいよ。真宵ちゃんもいいかな?」
「………はい」
あきらかに怖がっている。
「じゃあ。そういうことで!私はツナギちゃんでーす。よろしくぅ!」
巫女子ちゃんみたいなノリだ。
「ぼくのことはいーちゃん、いーさん、いっくん、いの字、戯言遣い、
他にもあるけど、そんな感じで呼んでくれればいいよ」
「…私は八九寺真宵です。よろしくお願いします」
「うん、いーくんに真宵ちゃんね。わかったよ。あと真宵ちゃん。私は
味方には、攻撃しないから安心していいよ。というより
信頼してくれなきゃ、こうだ!うりうりぃ」
愛情たっぷりの頬ずりを受けている真宵ちゃん。
「戯言さぁん」
助けを求める声が聞こえるが、大人としては、
心を鬼にして真宵ちゃんの友達づくりに協力しなきゃね。
「ほら。真宵ちゃん。仲良くしなきゃ」
「そ、そんなぁ」
「ほれほれ、いーくんもそういってんだから」
まぁそんな感じでツナギちゃんに会って五分ぐらい。
なんか味方?が増えた。

57 ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 17:42:19
規制されているので、ここで投下させて頂きます。
どなたか長いですが代理投下の方をよろしくお願いします。

想影真心、とがめ、病院坂黒猫、病院坂迷路、時宮時刻、零崎人識、櫃内様刻を投下します。

58 ◆Z1jS.11Mpk:2011/05/08(日) 17:43:45
 不要湖。
 ありとあらゆるがらくたが積み重なりがらくたによって出来がらくたによって形成されたがらくたの地。
 そこに二つの影が姿を現したのは の頃だった。
 姿を現した影の片方、総白髪の女、とがめがぽつりと呟いた。
「相も変わらぬ惨状だな、ここは」
「ん? 知ってるのか?」
 聞き止めて影のもう片方、橙色の髪の少女、想影真心が聞き返した。
 それに白髪の女は、
「知らねば来る筈あるまい。いや、そもそも」
 言いながら途中で気が付いたように首を傾げる。
「なぜおぬしは知らぬのだ? 何処に住んでいようが壱級災害指定地域の一つである不要湖の話の一つや二つ知っていても可笑しくはあるまい」
「いや、知らないぞ。そもそも壱級災害指定地域って言うのに誰が決めたんだ?」
「そんなもの尾張幕府に決まっておろう」
 ふーん、とでも言いたげな雰囲気だった真心が今度は首を傾げる。
「……尾張幕府ってなんだ?」
「……まさか、尾張幕府を知らぬのか?」
「知らないぞ」
 不意に二人とも足を止め、観察するように見詰め合う。
 心なしかお互いの額に皺が寄っているようにも見える。
「髪の色で引っ掛かってはおったのだが、まさか異国の者だったのか? いや、それにしては少し言葉が流暢過ぎるし……」
「そもそも尾張幕府ってのは何なんだ? 幕府って言ったら……それに壱級災害指定地域って言うのも聞いた事ないし……」
「「――――――」」
 お互いの認識に、あるいは知っている事に、多少ではない隔たりがある。
 それに、この壱級災害指定地域、不要湖を切っ掛けに気が付いたのだった。
 そして知っていることに違いに気付けば自然とどこがどう違うか知ろうとするのはそれ程おかしな事でもない。

59 ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 17:45:11
失礼。題名を突っ込む場所を間違えていました。
やり直します

60混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 17:46:33
 不要湖。
 ありとあらゆるがらくたが積み重なりがらくたによって出来がらくたによって形成されたがらくたの地。
 そこに二つの影が姿を現したのは の頃だった。
 姿を現した影の片方、総白髪の女、とがめがぽつりと呟いた。
「相も変わらぬ惨状だな、ここは」
「ん? 知ってるのか?」
 聞き止めて影のもう片方、橙色の髪の少女、想影真心が聞き返した。
 それに白髪の女は、
「知らねば来る筈あるまい。いや、そもそも」
 言いながら途中で気が付いたように首を傾げる。
「なぜおぬしは知らぬのだ? 何処に住んでいようが壱級災害指定地域の一つである不要湖の話の一つや二つ知っていても可笑しくはあるまい」
「いや、知らないぞ。そもそも壱級災害指定地域って言うのに誰が決めたんだ?」
「そんなもの尾張幕府に決まっておろう」
 ふーん、とでも言いたげな雰囲気だった真心が今度は首を傾げる。
「……尾張幕府ってなんだ?」
「……まさか、尾張幕府を知らぬのか?」
「知らないぞ」
 不意に二人とも足を止め、観察するように見詰め合う。
 心なしかお互いの額に皺が寄っているようにも見える。
「髪の色で引っ掛かってはおったのだが、まさか異国の者だったのか? いや、それにしては少し言葉が流暢過ぎるし……」
「そもそも尾張幕府ってのは何なんだ? 幕府って言ったら……それに壱級災害指定地域って言うのも聞いた事ないし……」
「「――――――」」
 お互いの認識に、あるいは知っている事に、多少ではない隔たりがある。
 それに、この壱級災害指定地域、不要湖を切っ掛けに気が付いたのだった。
 そして知っていることに違いに気付けば自然とどこがどう違うか知ろうとするのはそれ程おかしな事でもない。

61混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 17:48:18
 切り出したのはとがめの方からだった。
「――これから」
 少し躊躇いながら口を開いたとがめ。
 真心は変わらずじっとその様子を見詰める。
「これから幾つか変な質問をするやもしれぬ。喋れぬ物があるなら仕方が無いが、喋れるものであれば正直に答えて貰いたい」
 真心はしばし逡巡する。
 逡巡するが、何かと不味い内容であれば答えなければ良いだけなのだし、真心自身もとがめに聞きたい事が幾つか出来た所だった。
「――――良いぞ。俺様の方も、幾つか聞きたい事が出来た所だし」
「では不公平が無いよう交互に質問し、答えると言う風にしようと思うがどうだ?」
「それで良いと思う」
「では、まず此方から一つ。おぬしは……」
 質問をしようとした途端、まるで謀ったかのような絶妙のタイミングで絶叫が響き渡った。
「なんとまあ、間の悪い……」
「先に見に行くか?」
「うむ、仲間を増やせるやも知れぬからな」
 会話をしながらも一応は足を悲鳴のした方に進んでいた。
 途中、何処からかがらくらの崩れる音が聞こえはしたが見える範囲で崩れた場所はなかった。
「やっぱり誰か居るみたいだな」
「人であれば良いがな」
 そしてがらくらの山一つ越え二人の目に映ったのは、うつ伏せ倒れた男の周りに立つ一組の男女が立っていた。
 向こうの二人と目が合う。
 途端、脱兎のごとく、とがめと真心が居るのとは正反対に向けて二人は逃げ出した。
「あ、おい待て!」
 思わず前に出たとがめを真心が無言で引き止める。
「何を……!」
 振り返ると、真心はじっと目を細め倒れた男を見詰めていた。
 そしてその目は用心深そうに辺り一帯を巡り、再び男へと戻った。
「どうした?」
「見た目は怪我しているように見えるが、殆ど怪我をしていない。それに止めを刺さずに逃げるのはおかしくないか?」
「つまり、罠だと?」
「そう思う」
「ならば行こう」
 真心の警戒を余所に、とがめはあっさりそう言った。
「え?」
「罠は知らずに掛かればこそ十二分に効果を発揮する。しかし、知っていながら掛かるのであればそれは最早罠とは言えまい」
「――罠をそのまま踏み抜くって事か?」
「簡単に言えばそうだ。しかし成功すれば精神的打撃も含めて十分な成果は期待できるがどうする? あくまで踏み抜くのはおぬしであるしな」
「……まあ、やってみる価値はありそうだな」
 よっと、と言いながらがらくたの山を駆け下り、真心は男の少し離れた所に立った。

62混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 17:50:11
 その後を派手な音を立てながら転げ落ちたとがめが立ち、並ぶ。
「うーむ、死んでいるようにしか見えないが……?」
 ちらりと横目を向けるが、真心は確信を持っているようで表情を変えずに男の横に立ち、おもむろに男の頭を掴むとそのままあっさりと持ち上げた。
「うおっ?!」
「今から十秒毎に握力を強める。死にたくなければ早めに死体のフリをやめた方が良いぞ」
 言い終わった途端、ミシリ、と男から不気味な音が鳴った。
 動かない。
「……九、十」
 再び、ミシリ、と音がした。
 動かない。
「……九、十」
 ビシ、と音が鳴った。
 それでも動かない。
「二、三、四……」
「おい、本当に生きているのか?」
「……七、八」
 無視して数え続ける。
「九、じゅ」「悪かった。こちらの負けだ、辞めてくれ」
 十、と数え終わる前に後ろから男の声がした。
 ガラクタの中で足音一つしなかったのに。
 え、と二人して振り返り、とがめは男と目を合わせ、真心は咄嗟に目を閉じた。
 閉じたまま真心はもう片方の腕を男の顔へと伸ばす。
「守れ」
 しかしたった一言言うと、横に居た女が身を投げ出すようする事でそれを遮った。
 真心の手はその際に肩を掠めただけの筈なのに女の肩を外したが悲鳴の一つ、表情も変えなかった。
 続いて、
「蹴ろ」
 と言った。今まで頭を掴まれたまま微動だすらしなかった男の踵が真心の腹を蹴り付ける。
 頭を掴まれたままで、勢いがない筈のそれは真心の脇腹にめり込んだ。
「ッく!」
 来る予想は出来ていてもその威力は予想外だったのか思わず目が少し開いてしまった。
 それを男は逃さず、真心と目を合わせた。
 真心の身体が一瞬跳ね、地面に倒れた。

63混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 17:52:48
 気絶したようだ。
 その拍子に頭を掴んでいた方の手を離したが真心と目を合わせた男はそれを気にも留めていない風に真心を見下ろす。
「――――――――――」
「橙なる種、人類最終が何故此処に居るかは知らない。だが、此処に居るのは丁度良い。特に時期としてはるれろの《調教》も頼知の《病毒》もしたばかりの筈だ」
「――――――――――」
「さて」
「……ぐ……ぅ……」
 身体が言う事を聞いて居ないらしく、妙な震えを全身に走らせているとがめの方を向いた。
「随分と強靭な意志を持っていたようだ」
 そして男はとがめの顎を掴んで顔を上げさせ、
「…………く……」
「だが無意味だ」
 目と目を合わせた。
「立て」
「………………」
「名前は」
「………………」
「名前は?」
「………………」
「……強靭な意志だ。まあ、後で精々働けるだけ働いて貰うよ。さて」
 と、男は足蹴に真心を仰向けし、
「迷路、黒猫。立たせろ」
 そう言うと、頭を掴まれていた男、迷路と肩が片方外れた女、黒猫は片方ずつ腕を掴み無理矢理引き立たせた。
 男は真心の瞼を持ち上げたり、脈を測ったりとしながら、何度か頷き、あっさりと操想術に掛かった事も含め、男、時宮時刻は確信した。
 この真心にはしっかりと『操想術』の根が降りている。
 解放する為に蜘蛛の巣のように繊細に張り巡らせた『操想術』と、逆に縛り付ける鎖として使うための『操想術』。
 ならば好都合。この二つを起点として、しばらく完全な人形にしてやろう。
 そう思いながら、瞼を引き上げる目を覗き込み、語り掛ける。
「起きろ、橙なる種。
 夕暮れは過ぎ、夜を越え、黎明に入り、朝に到る。
 夕暮れを告げる鐘は鳴り、十二時を叫ぶ時計は止まり、朝を告げる鳥は既に鳴き疲れている頃。
 目を覚ませ。もう朝だ。もう――次の日だ」
 ゆっくりと焦点が定まらずに何処か虚ろな真心の目を見ながら時刻は僅かな違和感を覚えた。
 覚えたが、気のせいだろうと首を振った。
 そして苦笑する。
「しかし橙なる種を使う事になるとは、全く何て」
 呟く。
「――戯言だろうな」
 と。
 真心は緩慢な動作で隣の腕を掴んだままで居る二人の腕を掴み、男は腕と身体が別れる勢いで投げ飛ばし、少女は片腕だけを引き千切っていた。

64混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 17:54:29



 時は少し遡り、場面も変わる。
 そこで少年が二人、がらくたの中を進んでいた。
「くそっ! くそっ!」
「慌てんなって。慌てたって何にも変わらねえぞ?」
「ああ、分かってる――くそっ!」
 その二人とは、言葉では冷静で居ようとしながらも焦りを隠せていない男、櫃内様刻とそれを呆れ半分面白半分に眺める男、零崎人識だった。
 二人は時宮時刻の進んでいる方向は分かっていながらも追い着けず、遂には不要湖まで到達し、そして時刻を完全に見失った。
 ましてや木々と言う人工物の目立つ場所ではなく、人工物によって構成された場所。
 ここで見付けようにもその見付け難さは並み尋常の物ではない。
 それが様刻が焦りを隠し切れていない理由。
 それ故に先へ先へと足を進め、その後を人識が追い掛ける構図になっていた。
 これが後の悲劇の原因の一つとなる。
 不意に不要湖の中に悲鳴が響き渡った。
「ん、今のは……?」
「迷路か!」
 既に様刻は悲鳴のしたがらくたの山の方へ駆け出した。
「おいおい……待」
 待てよ、と人識は言おうとしたのだろう。しかし言い終える前に悲劇は起きた。
 前を走っていた様刻の足元からがらくたの山が崩れ始めたのだ。
 様刻は慌てて飛び退いて逃れる事は出来たが、下の方に居る人識はそうはいかない。
 がらくたは雪崩打って人識に向かって襲い掛かる。
「ォ、ウォォォォオオォオオオオオオオオォオオ!」
 逃げる。
 鉄片が飛ぶ。木片が砕ける。鉄屑が掠める。木屑が舞い散る。
 その中を逃げ、最後の最後でがらくたの一つに足を取られ、倒れ、
「オォオ…………セーフ?」
 巻き込まれたが、下半身に軽い重しがのっかっている程度の被害で済んでいた。
 しかしその上にはがらくたの山。慎重に抜け出さなければ上が崩れる事は想像に難くない。時間を喰いそうに見える。
 これには人識も思わず苦笑い。
「かはは…………全く、運が良いのか悪いのか」

65混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 17:56:39
「大丈夫か!」
 慌てて降りて来た様刻に向かって人識は取り出したナイフを軽く放り渡した。
 驚いた表情の様刻が何かを言う前に、
「行けよ、あいつを殺すんだろ?」
 そう言った。
 様刻は目を見開き口を開けて何かを言おうとしたが、結局は閉じて、今度は慎重にがらくたの山を越える。
「がんばれよー。あとあいつの目には気を付けろ」
 その後を人識の気のない声を聞きながら、様刻はがらくたの山を越え、目撃した。
 がらくたの中を絶叫が響く。
 様刻が見ている所からでも十分見える。
 橙色の髪の女が、迷路は片腕と身体を別れさせながら空高く放り投げ、黒猫の腕を人形の腕を外すように易々と引き千切ったのだ。
 続いてその女は目の前に居たあの『操想術』の男、の片腕を踵で削ぎ落し、最後に呆然と立ち尽くしている総白髪の女をがらくたの山の一つまで蹴り飛ばし、
「ァアァァァァァアアアァァアアァァァアアァァァアァ」
 絶叫を上げながら何処へと駆け去っていった。
 がらくたの山を駆け下り目指すは、あの男。
 迷路と黒猫の二人は腕を飛ばされているにも関わらず血を止めようともしていない。
 その原因はあの男の言っていた『操想術』しか考えられない。
 ならばここで最善の選択は、今すぐにでもあいつを殺す。殺せばその『操想術』が解けるか分からない。分からないが殺るしかない。殺らなければ死んでしまう。
 男までの距離を一気に詰めようと足を急かすが、がらくたを踏み分ける音で気付いたのか、男が此方を向き、目と目があった。

「――ァ」
 意識に一瞬空白が出来た気がし、気付けばさっきまでそこに居た筈の男は消えていた。
 慌てて辺りに目を走らせる、安心する。すぐ傍で男は倒れていたのだ。
 その男に近寄り、仰向けにし、馬乗りになる。まだ生きている。まだ、呼吸をしている。だったら、
「死ね」
 まず首に深々とナイフを突き刺す。抜く。
 次いで、胸辺りに突き刺す。抜く。
「死ね、死ね、死ね、死ね、死ね」
 刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。
 抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。
 刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。
 抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。
 刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。
 抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。
 刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。
 抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。
 刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。
 抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。
 刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。
 抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。
 刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。抜く。刺す。
「死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね!」
 服に飛び散る返り血を気にせずただひたすらに、死ね、死ね、死ね、と憑かれたように、一心不乱に突き刺し続ける。

66混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 17:58:27



「よっ、ほっ、ふんっ、ぬ……やっと、抜けれたぜ。あー首が痛ぇ」
 人識はようやくがらくたの山から抜け出した。
「あーあ」
 身体を軽く伸ばして軽い準備運動もして、がらくたの山を越える。
 そこから少し離れた所に一心不乱に何かを刺している様刻の姿が見えた。
「やってるねぇ」
 かはは、と笑いゆっくりと近付きながら、
「ん?」
 首を捻った。
 様刻が一心不乱に刺しているモノに違和感を覚えたのだ。
 駆け足気味に刻様の後ろに立った。
 そして、違和感の正体に気付き思わず顔を顰める。
「おい、何してんだ」
「ん? ああ、人識か。見ての通り殺ってる所だ」
 恐らく様刻は、にぃ、っと笑ったのだろう。
 後ろからでも顔面が歪んだのが見えた気がした。
「いや、それは分かってるが殺ってる何を殺ってんのか分かってんのかって聞いてんだ」
「はあ?」
 言いながら様刻が振り返り目を見開いた。
 そして先程まで刺し続けていたモノと人識を交互に見、慌てて人識にナイフを向けながら距離を取った。
 目の移動が激しい。動揺しているようで、しかも口を金魚のように開いては閉じを繰り返す。息も荒い。
「なんで、お前、なんで? だって、刺して、そこに、なんで」
「よーしよしよしよしよしよし、落ち付け、まずは深呼吸をしろ」
 そう言いながら人識は、かはは、と笑いながら後ろに下がり敵意がない事を示す。
 そのお陰でかどうかは知らないが、多少なりとも余裕が出来て来たのか目を少し閉じ、頻りに深呼吸を繰り返し、落ち付いたのか、様刻はゆっくりと目を開けた。
 そして、手に持っていたナイフが手から滑り落ち、カラン、と小さく金属音が鳴った。
「は? え? え? え? え? は? え?」
「あーあー、やっぱりか。折角あいつの目には気を付けろって言ってやったのによ」
 はぁ、と溜息一つ付きながら先程まで刺され続けていたモノに近寄り、眺める。
 どうやっても死んでいた。どこからどう見てもしんでいた。
「あーあ、こりゃあ…………」
 首を振り、ナイフを落としてから後ずさりを続けている様刻に一瞬目を向け、

67混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 18:00:49
「こいつの名前、何て言ったっけ? 確か――――病院坂黒猫って」
「アアアアアアアアアアアアァァァァァァァァ!」
 絶叫し、何処へと逃げて行く様刻をチラリと見はしたが、結局は声を掛けずただ溜息を付いた。
 病院坂黒猫と呼ばれた少女は首を刺され、腹も刺され尽くし、どうしようもなく死んでいた。
 辺りを見渡すと、迷路と呼ばれた男の死体も見えた。
「全く、最高に最ッ低な傑作だ。そう思わねえか…………欠陥製品」
 そう呟きながら、人間失格はそっと手を合わせ、黙祷。
 しばらくそれを続け、目を開けると、
「んじゃ、使ってないもんは貰ってくぜ? あんたらの友達に折角のナイフがぼろぼろにされちまったんだからよ」
 そう言いながら、落ちていたナイフを拾い上げた。
 拾い上げたナイフの刃はボロボロで、もう使えそうにはない。
 それを後ろに放り投げ、かはは、と笑うと人識は黒猫と迷路の二人の持ち物を遠慮も何もない様子で剥ぎ取って行った。



【病院坂迷路@世界シリーズ 死亡】
【病院坂黒猫@世界シリーズ 死亡】



【1日目/黎明/E‐7不要湖】
【零崎人識@人間シリーズ】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]支給品一式×3、ランダム支給品(2〜8)
[思考]
基本:この後どうするか決める。

[備考]
※時系列的には、「ネコソギラジカル」上巻からの参戦です。

68混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 18:02:11



「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」
 刺していたのはあの男だった。
 だけど、何時の間にか黒猫に変わっていた。
 なんで?
 なんでだ?
 なんでだよ?
 なんでなんだ?
「なんでっ、僕は黒猫を刺していたっ!」
 訳が分からない。
 刺していたのはあの男の筈だ。
 刺されていたのはあの男の筈だ。
 刺したのは僕で、刺されてたのはあいつ。
 なのに、なんで、黒猫を刺していた?
 刺していたのは僕で、刺されていたのは黒猫。
 どう言う事だ。何が起きた。
 理解が追い付かない。
 馬乗りに刺しながら、あの零崎人識に声を聞いて、振り返ればあの男が居た。
 じゃあ馬乗りになっているのは何かと見れば、あの男が居た。
 それから、振り返ってもあの男が居て、下を見てもあの男が居て、零崎の声が聞こえて、深呼吸をして、それど、それで、それでそれでそれで。
 ――――――目を開けたらあの男の代わりに、憐れそうに此方を見る零崎と、血塗れの黒猫が、
「なんでなんでなんでっ、なんでっ、なんでっ、なんでっ! なんでっ! なんでぇえええええ!」
 気が付けば、叫んでいた。
 気が付けば、頭を抱えていた。
 そして、気が付けば、涙が零れていた。
 そして、そして、気が付けば、膝を付いていた。
 そして、そして、そして、気が付いた。

69混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 18:03:29
「――――催眠術」
 そうだ。
 あの男が、僕から逃げるために催眠術を掛けた。
 それで幻覚を見せた。
 そうに決まってる。
 そうに決まってるじゃないか。
 目を合わせた瞬間から全て。
 倒れていたあの男を刺したのも。
 何度も何度も刺し続けたのも。
 零崎の声が聞こえて振り返ったのも。
 あの男が二人居たのも。
 深呼吸をしたのも。
 身体を刺し傷だらけで死んでいた黒猫が居たのも。
「全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部ゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブゼンブッ」
 幻覚だ。
 幻だ。
 まやかしだ。
「…………いや、違う」
 思い出した。あの橙色の髪の少女に迷路と黒猫が腕を引っこ抜かれた所は現実だ。
 そこから溢れる血を抑えようとしなかったのも現実だ。
 そうだ、だから、催眠術を解くために、一刻も早くあの男を殺さないといけないんだ。
 そうだ。そうだ。そうだ。そうだ。そうだ。
 此処が何処だか分からないけど、あのがらくただらけの場所には零崎が居る。
 だからきっと二人の事はなんとかしてくれる。
 きっと。
 だから、そう、僕は、



 アノ男ヲ殺サナイト



【1日目/黎明/E‐6】
【櫃内様刻@世界シリーズ】
[状態]健康 、興奮状態、『操想術』により視覚異常(詳しくは備考)
[装備]
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1〜3)
[思考]
基本:操想術を施術された仲間を助ける。
 1:時宮時刻を殺す。
 2:病院坂黒猫と病院坂迷路を助けたい。

[備考]
※「ぼくときみの壊れた世界」からの参戦です。
※『操想術』により興奮などすると他人が時宮時刻に見えます。

70混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 18:04:58



 時宮時刻は、既に不要湖から抜け出していた。
 どうやってあの時、櫃内様刻の目から逃れ得たかと言うと、目を合わせた瞬間既に、一回は掛け損ないだが、二回掛けた『操想術』の下地を利用して、十秒程度意識を奪うのと同時に、近くにいる人間が時宮時刻自身に見えるように変えた。
 なぜ意識を奪うだけに留めなかったかは単純に、少しでも時間を稼ぐため。
 少し前に研究所で時刻を襲い、今さっきは何故か居なかったもう一人が何時現れるかもしれないのだ。
 少なくとも操り人形にできるだけの時間安全かも分からないし、欲を言うなら同士討ちするように仕向けたい。そう思ったからだ。
 そしてそれはある程度の意味では成功しているのだが、ひたすら逃げている時刻はそんな事知るよしもない。
 今の所は追って来ていない。それが大事だ。
 そして多少なり余裕が出来た所で、
「…………しかし」
 ふと、時刻の中に疑問が生じた。
 それは、
「なぜ、解放されてしまったんだ?」
 なぜ、橙なる種が、もう、解放されたのか。
 いや、どちらかと言うと『調教』が解け、何らかの原因で弱まっていた『病毒』を無視して解放された。気がする。
 右下るれろの『調教』が解けた理由は分かる。
「戯言」
 そう、「戯言」と言う言葉がキーになり、るれろがその場にいたにも関わらず抑える間もなく暴走した事がある。そう聞いた気がする。
 だから《調教》が解けた理由は分かる。
 しかしそれだけが解けたからと言って奇野頼知の《病毒》は?
 それにこの《時宮時刻》の掛けた《術》はどうした?
 《病毒》の効果が弱まるのも、あるいは切れるのはまだしばらく先の筈。《術》もまたしかり。
 《調教》と言う鎖の一本がなくなろうと、依然として《病毒》と《操想術》の二本の鎖はある筈だ。
 にも関わらず、《鎖》が絡まり身動きもまともに動く出来ぬ筈なのに、《操想術》と言う鎖を締める間もなく――――――
「――――――違う」
 締める間もなかったんじゃない。締める鎖自体がない。そんな感触の方が近かった。
 それが本当なら掛かっていた筈の『操想術』が解けた?
 それもまたおかしい。

71混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 18:06:01
 精神的時間を進めたのは精々半日程度。解けるまでの間の有り余る膨大な日数をどう間違えば半日程度の時間と間違える道理などある筈もない。
「いや、待て」
 半日程度?
 もしも、なんらかの理由で三本の鎖が解けるまでの時間が肉体精神共に半日程度になっていたとしたら?
 だとすれば精神に作用する『操想術』は時間を進めて僕自身が解いてしまい、肉体に作用する『調教』は「戯言」と言う言葉が解いてしまったと言う事か。
 そして残る『病毒』は、時間が解いてしまう。
 仮定としては面白い。しかし――そうなる理由がない。
 そう出来る理由もない。
 何と言っても時宮の『操想術』に奇野の『病毒』、そしてなにより右下るれろの『調教』。
 この三つを揃えるのは、恐らく不可能。
 出来る理由がない。
 理由はないが、
「もし、この仮定が本当にそうだとすると……」
 世界の終わりは、
「もう」
 すぐそこ?
「――ふ、ふふふ、ふふふふふ、ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふうふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
 笑いが底無しに込み上がってくる。
 今しばらくこの仮定を元に動くのも悪くない。そう思えて来たのだ。
 と、言ってもやる事は変わらない。
「まずは」
 時刻は左腕に目を向ける。否、左腕のあった場所に目を向ける。途中で削ぎ落された腕。
 今は縛って血が出ないようにしているが、念の為にも消毒はして置きたい。
 とすれば行き先は、薬局か、レストランが妥当な所だろう。

 《時宮時刻》は歩き続ける。ただ、世界の終わりを見るために。



【1日目/黎明/F‐7】
【時宮時刻@戯言シリーズ】
[状態]背中に負傷、左腕欠損
[装備]
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1〜3)
[思考]
基本:生き残る。
 1:できるだけ多くの配下を集める。
 2:この戦いを通じて世界の終焉に到達したい。
 3:薬局かレストランに行って傷口を消毒する。

[備考]
※「ネコソギラジカル」上巻からの参戦です。

[操想術について]
※対象者と目を合わせるだけで、軽度な操想術なら施術可能。
※永久服従させる操想術は、少々時間を掛けなければ使用不可。

72混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 18:07:18



 想影真心は走る。
 己の心のままを執行する為に。
 ただ、壊す為に。
 いーちゃんも、狐も、何もかも。
 まず目指すは、骨董アパート。
 既に頭の中に地図は入っている。
 故に、方向を間違える事もない。
 ただ己が心を実行する為に。
 心臓に施された『操想術』。その役割は『解放』。
 故に、今まで抑圧され続けていた感情は、迸る。
 激流のように。
 激情のように。
 激昂のように。
 押し流すだろう。
 打ち砕くだろう。
 削り割るだろう。
 しかしそれを止める手立てなど有りはしない。
 解放された人類の最終形を止めるなど、出来る人間など居ない。



【1日目/黎明/F‐7】
【想影真心@戯言シリーズ】
[状態]解放
[装備]
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1〜3)
[思考]
基本:壊す。
 1:骨董アパート。
 2:いーちゃん。狐。MS−2。
 3:車。

[備考]
※ネコソギラジカル(中)、十月三十一日から
※三つの鎖は『病毒』を除き解除されています

73混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 18:09:03



「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」
 息も荒く、意識も遠退いて行く。
 それでもとがめは生き残ろうと、逃げようと、もがく。
 全身を苛む鈍痛を堪え、身体から流れ出る血を無視し、這いずる。
 痛みにも耐える。今までだって耐えて来たのだ。
 どんな手を使おうが、どんなに人に罵られようが、どんなに人を踏み躙ろうが、どんなに思いを叩き潰そうが、耐えて来たのだ。
 例えどれ程の血が流れようが、例え屍山血河の中を歩む事になろうが、例え自分の心を偽ろうが、決めたのだ。
 あの時、白く変わったこの髪に。
 あの時、恐怖に染まったこの髪に。
 その為ならどうなっても良いと。
 生き残る。
 生き延びなければならない。
 全身木屑に塗れながら、全身鉄屑に傷付けられようが、這いずってでも、何をしてでも。
 混沌に沈みそうでも耐えて来た。
 困頓に倒れそうでも耐えて来た。
 それを今更、志半ばで、諦められるかと。
 こんな、何かも分からない殺し合いに巻き込まれ諦められるかと。
 しかしその思いを絶ち斬るように、
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ……ッ!」
「      」
 足音が鳴った。
 恐る恐るとがめは足音のした方を見る。
 全身を覆う金属が光る。
 四本の手に持つ四本の刀が光る。
 四本の足があらゆるがらくたを踏み躙る。
 無機質な目が、とがめを睨む。
 無機質な声が、無常を唱える。
「人間・認識」
「日和、号っ……!」
 それは、不要湖の主。
 尾張幕府認定の壱級災害指定地域の原因。
 がらくたの国のがらくた王女。
 それは紛れもなく、日和号。
「即刻・斬殺」
「く、く、く」 
「微刀・釵」
「来るなぁああああああああああああああああああああああ」
 とがめが叫ぶ。

74混沌は始まり、困頓はお終い ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 18:10:03
 しかし聞こえてもいないと言う風に。まるで聞き流していると言う風に。日和号は口を開いた。
「人形殺法・竜巻」
 一瞬にして、四方から同時に来る四本の刀によって服が、腕が、足が、血が、臓が、斬り裂かれ、宙を舞う。
「ぁがっ」
 斬り裂かれた身体から淡々と血が流れる。
 呻き、残った腕を無意識に日和号に伸ばすが、一瞬の内に斬り裂かれ、がらくたの中に落ちた。
「う、ぁ……う、ぅ」
 身体が震える。
 死ぬのかと。果たせぬ内に死ぬのかと。こんな所で死ぬのかと。
 目の前がぼんやりと黒くなっていく。堪えようとしても、黒くなっていく。
「……七、花……ぁ……」
 身体を容赦なく苛む幾多もの苦痛からか、世界が黒に染まっていく恐怖からか、果たせぬままに逝ってしまう無念からか、積み重なった今までの歩みへの虚脱からか、これから逝くであろう場所への拒絶からか、喉からか細い声が漏れた。しかし何処にも聞く者は居ない。
 誰にも聞き遂げられず、有象無象の混ざった戦場の中で、とがめは静かに目を閉じた。



【とがめ@刀語シリーズ 死亡】



 金属音を奏でながら、日和号は歩く。
 どれだけの時が流れようと、幾星霜の歳月が過ぎようと、役目は変わる事のない。
 黙々と不要湖を徘徊し続ける。
 数百年立って尚も、課せられた役割を果たす為だけに。



【1日目/黎明/E‐7不要湖】
【日和号@刀語シリーズ】
[状態]損傷なし
[装備]刀×4@刀語シリーズ
[思考]
基本:人間・斬殺

[備考]
※不要湖を徘徊しています

75 ◆mtws1YvfHQ:2011/05/08(日) 18:13:40
以上です。
長い上に所々急ぎもあり詰め切れなかった感はあります。
とりあえず修正した方が良い所、また感想などがあればよろしくお願いします。



以上をどなたか代理投下お願いいたします。

76代理投下:2011/05/09(月) 08:39:57
本スレにて、◆mtws1YvfHQ氏の作品を代理投下していた者ですが、こちらも
規制されてしまったため、投下を中断せざるおえなくなりました。
申し訳御座いませんが、どなたか続きを投下して頂ければ有り難いです。

「混沌は始まり、困頓はお終い」の個人的な感想ですが、
感想だけ書く。
失敗した、失敗した、失敗した、失敗した、失敗した、失敗、失敗した、失敗した。
どうして? なんで?
なんでくろね子さんが? なんで? どうして?

失敗した、失敗した、失敗した、失敗した、失敗した。。。

というのは冗談でww(これが言いたかっただけです。ごめんなさいww)
マジで、面白かったです。
マーダー化してしまった様刻くんの今後の展開が気になりますし、というか時刻の旦那が
チートすぐるww片腕になっちゃたけど、やばい。マジでヤバイ。
こいつが、どんな死に方をするのかも気になるところです。
投下お疲れさまでした。

77+から堕ちた者と−と認められなかった者 ◆xzYb/YHTdI:2011/05/22(日) 22:33:14
今回はこっちに一回投下します。
意見を求めてます。指摘があればいってください。
では投下。
串中弔士、黒神めだか

78+から堕ちた者と−と認められなかった者 ◆xzYb/YHTdI:2011/05/22(日) 22:33:57

 Ⅰ

今、この場は殺し合いが行われている。
と、いう文から始めればなかなかいかれている小説っぽく始められる。
しかしその実情はただ殺し合いが行われているだけであり、それ以上の物語は期待できそうにない。
なぜならこれは『異常』では無いのだから。
例えば動物園の猛獣がここにいるとしよう。
もちろんそこに檻など存在しない。
これは異常なる状況下である。
しかしそのときぼく自身が必ず襲われるかといったら案外そうじゃないのかもしれない。
何故なら檻があったときもだが、その猛獣がぼくを襲ってくることなんて無いからだ。
飼育されているから。日常的に。
いつも惰眠を貪り、何をするわけでもなくただ存在している。
サファリパークもそうだ。『食べていい』と知っている肉がそこにあるからこそ、近づいて食べるだけであり、
『ぼくを襲う』という考えは意外と無かったりする。
手を出さない限りは。ぼくを噛み切るなんて動作はそうそう起こらない。
それが日常だから。
だからぼくはこの状況が囲われてようが壊れてようが割れてようが。
関係があまりない。
日常の対義語は異常であるが、それは言葉上でのみの話であり、
ぼくの日常が壊れようが、異常に囲われることはない。そしてぼくという存在が割れることは無い。
表裏一体。一心同体。日常と異常はそんな関係上にある。
先日のこぐ姉殺人事件においてぼくはこれ以上ないぐらいの『異常』な出来事を体験しただろう。
しかし終わってみればその探偵と助手での物語は物凄く『日常』という形で終わっていた。
いつも通りの起床に。
いつも通りの朝食に。
いつも通りの登校に。
いつも通りの授業に。
いつも通りの昼食に。
いつも通りの眠気に。
いつも通りの下校に。
いつも通りの夕食に。
いつも通りの風呂に。
いつも通りの就寝に。
それの繰り返しの中、ただ一個。『異常』が投じられただけ。
だが『異常』というものは『日常』に飲み込まれてしまう。
だからぼくはたかだか一週間で、姉といういちばん身近にいた人の死を乗り越えられたのだろう。
時間が全てを解決したといっても過言ではない。
そもそもあの事件だって別に警察に任せておけば近い内解決していただろう。
だからぼくはこう考える。
殺し合いがなんだっていうんだ。と。
それこそ他人に任せておけば勝手に終わるだろうしぼくは首を突っ込みたいとは思わない。
足が浸かっても、首は突っ込まない。首は洗わずとっとと脱する。
これは『異常』でなく『異端』。
ぼくの望むべくものではまるで違う。
そもそもこの殺し合いが誰を対象としているかはぼくは知らない。
悪く言うのであればぼくだけがただの中学生で、他は先ほどの『異端』な能力の持ち主だっていうことは十分ある。
もう一度言うがこれは『異常』ではなく『異端』。
ぼくでは手の着けように無いものだ。
日常の対義語は異常。表裏一体。裏表。
であるけれど、異端は違う。
異端の対義語は正統。王道とも言うべきか。しかしこれも表裏一体。
だからこそ、まっるきり正統では無いぼくが『異端』と馴れあえるはずがないのだから。

 Ⅱ

悪いけど時系列は少し戻る。
まぁ気絶していたぼくがいきなり普通に話していて驚いただろう?
だからぼくが目覚めたところからね。
ではでは話そうと思う。

79+から堕ちた者と−と認められなかった者 ◆xzYb/YHTdI:2011/05/22(日) 22:34:27
まず目覚めたのは、とある一戸建ての一階。どうやら二階もあるようだ。
さて、と。
ぼくが覚えているのは学ラン男にデケー螺子ぱくられて、身体にぶち込まれて、
そしてそのまま気絶したんだっけ。
…………。
なんで生きているんだろうか。
見たところ、この床の血跡が意味するのはぼくの敗北…というか死だろう。勝負でもなかったし。
ならなんだ。この感覚は。輸血された訳ではないだろう。そんなことができるものも無いし。
貧血も起きない。身体の感覚もまるっきり前と同じ。……輸血された訳などないからそのへんよく分かんないけど。
――――いや、この際それは些細な問題なんだ。
これが些細というのもおかしい話だけど。
些細は些細。矮小だ。
なんて覚えたての言葉を使いたくなる気持ちを解放しながら、その強大なる問題を言う。
それは、このこぐ姉のセーラー服と、攻撃を受けた箇所。
普段と何も変わらない。
それが問題だ。
確か記憶が確かな物ならば、ぼくは服ごと心臓に螺子を刺されたはず。
ならば服は血に塗れながら穴をあけ、ぼくの胸にもポッカリ穴があいているはずだった。
しかしそれがない。感覚は少し残っている程度だ。
何も無い。何も変わっていない。
痛みも無く、味わいも無く、因果も無い。
完全にSFの世界だった。
ならば頭をSFにしながら考えよう。
では何をされたらこんなことになるか。
一人議論スタート。
Q治癒能力では
Aそれでは服が説明づかない。次。
Q時間を戻す能力では
Aそれではぼくの記憶が残っているのもあれだし、仮に対象が選べたところで、刺されたという感覚が残っているから違う。次。
Qならいっそ、虚構にする能力では
A……それっぽいがそれはいいのか?殺し合いでそれはいいのか。許されるのだろうか。
まぁもうネタも無いわけだが。
さて、どうしましょうかね。
……。
まぁいいや。そのうちピンと来るのがあるだろう。
それほど急ぐ議論ではないな。
で、じゃあ何しようかな。
この家でも探索するか。
まずは一階でその後二階を調べるかな。
何か良い物有ればいいけど。

 Ⅲ

さてと。探索は終わった。
今、支給品も含めると。
『心渡り』という刀。
ケータイ(カメラしか使えなかったが)

80+から堕ちた者と−と認められなかった者 ◆xzYb/YHTdI:2011/05/22(日) 22:35:00
一般的な釘と画鋲。
絆創膏とかの応急処置道具。
食糧少々。
を手に入れた。
『心渡り』という刀は『怪異』なるよく分からないが、そういうものを斬るためにあるらしいが、
人を斬れないことはないだろう。………斬るつもりもないが。
まぁ良いだろう。
と。
思っていた時。

ギィィ

という音が聞こえてきた。
誰かが入ってきたらしい。
別にぼくは誰かと一緒に行動したいが、無理にしたいわけでは無い。
だって人を失うのはやはりつらい。
中学生のぼくがそんな人の死に何回も立ち会って正気でいられるほど特別ではない。(既に知り合い3人ほど死んでるけど)
まぁよっぽど人が来ない限り勧誘はするけどさ。

タッ タッ タッ

階段を上ってくる音がする。
会ってみるのも、いいかな。
さっきみたいな人もそうそういないだろう。
そして歩き始めるが、

「こんばんは」

と。
それを制すようにドアから女の人が入ってきた。
髪の長い女の人だった。
………。
危険だ。この人は。
まず見た目が危なすぎる。
服に血がべっとり付いて、異臭を放つ。
何度見ても、その光景は変わらない。
何をしたらこんな状況になるんだ?
―――いや答えは一つだった。
人を、殺した。
―――ダメだ。この勝負、詰んだな。
いやそれこそ駄目だ。考えろ。何か突破口があるはずだ。

「こんばんは。と私はいったのですが」
「ああ。そうだったね。こんばんは。お名前は何ですか」
「黒神めだかちゃん〈改〉です」
「そう。ぼくは串中弔士だよ。よろしく」
「はい。はじめまして」

何故こんなにもゆったりとした時間が流れているのだろう。
おかしい。

81+から堕ちた者と−と認められなかった者 ◆xzYb/YHTdI:2011/05/22(日) 22:35:30
……そうか。このめだかさんは余裕なんだ。
ぼくを殺すのなんて余裕。
しかしこれはぼくにとっていい風に働く。
けど、どうやって?回避する?
刀。釘。ケータイ。
そうだ。こういうのはどうだ。

「ぼくはもう行くので。そうですねぇ。あなたの知り合いと遭ったら、
ぼくからも伝えておきますので、一応このカメラで撮っておきますね」
「―――はい?」

という言葉を無視して、スカートのポケットからケータイを取りだし

パシャッ

と。
写真を撮る。
それと同時に、大量の釘と画鋲を撒き散らかす。
まるでまきびしのように。
ぼくの考えはこうだった。
人は急な光を浴びれば本能的に人は怯むと。聞いたことがあった。
だからそれを利用して、ケータイのフラッシュを使い、怯ませ、
その隙に、釘と画鋲をばら撒くという作戦だった。
まぁ全部が全部上に棘を向けているわけではないが、
半分ほどはちゃんと上を向いている。踏めば痛い以上になると思う。(何故だか裸足だし)
前にまきびしもどき、後ろはドア。―――早く退いてくれ。
しかしめだかさんはぼくとまきびしもどきに一瞥して言う。

「――――なるほど。そういうことでしたか。
『異常』ではなさそうな人のやりそうなことですね」

アブノーマル。
普通じゃない。
普通じゃない。じゃない。ようは普通。
―――まぁそうだろうな。さっきといい、この人といい。
異端過ぎる。
人間としての道理を踏み越えている。

「悪いかい?ぼくは精一杯考えたんだよ。これでも」
「いえ、何も悪くありません。ただ私はあなたは敵対したと
みてよろしいのかと思いまして。せっかく見逃してあげてもよろしかったのに」
「ホントにそうだったらよかったのに」
「あら、ばれますか。さすがに」

何でもいい。早くどっかいってくれよ。
ぼくとしては早くこの緊張感から解放されたい。
でも、ぼくの望みは叶いそうにもなかった。

「ふむ。このぐらいでしたら、大丈夫でしょう」

踏み越える。
画鋲も、釘も、踏み、越える。

「――――――」
「…………やはり歩きづらいですね」

何なんだよこいつ。

82+から堕ちた者と−と認められなかった者 ◆xzYb/YHTdI:2011/05/22(日) 22:36:02
常識、どこにいかれるのですか。

「――――んだよ」
「はい?何ですか」
「何なんだよっ!!お前らはっ!!」

刀の柄を握る。
重い。けど振り回せないこともない。

「あなたが勝てるとでも」
「勝てる勝てないの問題じゃないんだっ!こっちはさぁ!」

似合わないのは分かってる。
だけどこいつはなんなんだ!?
ぼくだって命は惜しいが、もうそれしか方法はなかった。
そして、刀を振った。

スゥゥゥ

刀は、すり抜けた。

「―――――え?何で!?」
「まぁ何だってよろしいのですが」


「 跪 き な さ い 」


この声でぼくは、跪かされた。
しかし、だった。

「―――――あなた、この場を早く立ち去りなさい」
「――――は?」
「いいから」


「 退 け 」


そしてぼくはよく分からないまま、
この場を去った。

 Ⅳ

何だったのか。
よく分からない。
もしかしたら何かこの刀が功を奏したかもしれない。
何はともあれ早く離れよう。
目指すはぼくの知ってる場所も無いので、喫茶店にでも行こう。人が集まらなそうだ。
やっぱりこの『異端』な状況下では、ぼくは何もできなさそうだから。
ぼくは駆けだした。

83+から堕ちた者と−と認められなかった者 ◆xzYb/YHTdI:2011/05/22(日) 22:36:32
そこに男と美女の死体があったが、気にしない。
ほっておこう。悪いけど。


【1日目/黎明/B‐2】
【串中弔子@世界シリーズ】
[状態]健康
[装備]心渡り@物語シリーズ
[道具]支給品一式、、ケータイ(カメラのみ)@不明、応急処置セット@不明
[思考]
基本:できる限り人と殺し合いに関与しない。
1:喫茶店に行く。…というか人が集まらければどこでもいい。
[備考]
※ケータイと応急処置セットは現地調達です。
※ケータイのカメラには黒神めだかの顔が保存されました。


 ◇

一戸建てにて、自称黒神めだかちゃん〈改〉は座り、足の釘やら画鋲やらを抜いていた。

(おかしいですね。傷が治りません。あの暦さんの回復力が効かないわけないのですが…。
それともあれでしょうか。このぐらい傷と見なさないということでしょうか)

そう。回復しない。
何故?
それは、心渡り。あれに斬られたからである。
心渡り。
それは怪異を斬れるという刀。
そしてそれは、『不死身性』…いやこの場に限り『怪異性』とでもいうべきか。
何にしたってそれを切り裂いた。殺した。消し去った。
だから以前ほどの回復力など望めるはずもない。
串中を見逃した理由も別に何のことは無い。
ただ単に、彼があの場にいると、足に刺さったものが抜くに抜けなかったから。
その前に殺してもよかったが、そうすると自然に足に力が入り、痛い。
深々と刺さった釘や画鋲がさらに刺さる。
反射神経がなくとも、痛覚ぐらいはある。
痛いは痛い。
どっちにしたって逃げられるのなら、面子を保っていて損は無いと思ったから。
まぁ何にしたって、串中がやった行為は全てが全て無駄になったわけではないのだ。
もちろんケータイのくだりは反射神経のないめだかにとっては意味の無いものなのだが。
しかし、そこで止まる程めだかちゃん〈改〉は軟ではなかった。

「病院に向かいましょう」

いつまでたっても中心部分に辿りつけないめだかちゃん〈改〉であったが。


【1日目/黎明/B-1 一戸建て2階】
【黒神めだか@めだかボックス】
[状態]足の裏に刺し傷(治療はできていない)、めだかちゃん(改)
[装備]なし
[道具]支給品一式×2、ランダム支給品(2〜6)
[思考]
基本:自分という人間を完成させる
 1:色々な異能の持ち主と戦い、その能力を自分のものとする。
 2:ついでに殺しておく。
 3:真黒を見つけたら次は殺す。
 4:左右田右衛門左衛門には警戒しておく。
 5:病院に向かうよう動くが、『異常』を見つけたらそちらを優先する
[備考]
※『不死身性』は消えました。
※疑問には思っているが、まだ『不死身性』が消えたとは本気では思っていません。

84+から堕ちた者と−と認められなかった者 ◆xzYb/YHTdI:2011/05/22(日) 22:37:10
以上です。

85誰でもない名無し:2011/05/23(月) 23:02:22
ひとまず一つは串中弔子を殺しててもさほどおかしくはない流れ
殺すのに抵抗があるのかも知れませんが少なくともめだかちゃんがアイテム没収するぐらいはしそう。最低でも心渡りが何なのか確認のために
あとは、一回切られただけですし不死身性は完全に消さずとも弱体化程度で良いのでは?
突っ込みを入れる所はこれぐらいかと思いますがわたしだけではなんとも…
もしなんでしたら本スレの方で意見募集の旨を書かれては?こちらにあるのに気付いていない人もいると思いますし

86 ◆xzYb/YHTdI:2011/05/23(月) 23:20:02
意見ありがとうございます。
参考にさせて頂きます。
あと、一応本スレでも意見募集の旨を書かせていただきました。

87誰でもない名無し:2011/05/23(月) 23:58:24
自分もこの流れで殺害しないのは不自然かと
跪かせていれば、画鋲抜いてる間に反撃なんてされませんし……

あとまぁこれはどうでもいいんですけど、釘は流石にばら撒いても上を向かないのでは?
ちょっと変だなと思いました
あと携帯に強力なストロボって搭載されてます?
普通にデジカメでいいんじゃないでしょうか

88 ◆H5vacvVhok:2011/05/24(火) 00:01:48
規制されているため、こちらに投下させて下さい。
どなたか本スレに投下して頂ければ幸いです。

それでは、零崎人識、匂宮出夢、鑢七実を投下します。

89 ◆H5vacvVhok:2011/05/24(火) 00:04:14
 なあ、お姉さん。少し気になったことがあるんだが、訊いても良いかい?」
「なにかしら?」
 深い森の中、二人の女―――一人は、髪を散切りにしている少女で、もう一人は触れただけで死んでしまいそうな印象を受けるほど顔色の悪い女だが、
それでも人を魅了する美しさを備えた麗人である―――がトボトボと歩いていた。
 傍目からみれば、女の二人歩きなど無用心極まりないが、彼女たちに限ってはその心配は必要ない。
 彼女たちと相対した(してしまった)者は皆一つの教訓を得るだろう。
 人を見かけで判断してはいけない、と。
 一人は、元殺し屋で、もう一人は、病弱な女の皮を被った化物である。彼女たちの名前は、匂宮出夢と鑢七実。
 正しく、最強にして最凶の組み合わせである。
 その元殺し屋である匂宮出夢が、口を開く。

「あんた、弟を探し出してどうするつもりだ?」

 この質問に、無表情を保ってきた七実の表情が変化した。
「……………………」
「別にあんただって弟が心配だから探そうとしてるんじゃあないだろう?」
「そうね。あの子はもう、私がいなくても十分に一人でこの戦いを生き延びていけるわ」
「ぎゃはは! そうだろう。それじゃあ何故、弟君の捜索を? やっぱり家族だからか?」
 そんな出夢の質問に七実は、今にも消え去ってしまいそうな儚い表情を浮かべ
「それもあるけれど、私はあの子と戦って死にたいのよ。そして、最期を看取って貰いたい」
 ただ、それだけよ、と言う。
 七実のそんな告白を受けて、出夢は納得したように、「やっぱりか」と呟いた。
「最初に会ったときから、なんとなくそんな気はしていたよ。僕はさ、お姉さんみたいな奴を一人知ってるんだ」
「…………………?」
「そいつは、なんだか死んでいるのに生きているような、まるでゾンビみたいな奴でさ、全身から負のオーラを発して、常にATフィールド全開にしてるんだよ。
 いや、だけどさ、話してみると案外いい奴なんだよ。でも、多分あいつは人間とそこら辺に落ちてるごみ屑の区別さえついてなかったんじゃあないかと思うんだよ。
 とにかく、僕から見ても変わった奴だったね。いや、変わってるなんて言い方は、ちょっと控えめ過ぎるな。あいつは、他の何よりも逸脱していたよ。
 だからこそ、あの狐面のおっさんに目を付けられたんだが………。
 とにかくだ、お姉さん。あんたの目は、その厭世観まるだしのアホと同じ目をしているんだよ。とてもまともな人間とは思えない」

90 ◆H5vacvVhok:2011/05/24(火) 00:04:55
 それに、七実は凶悪な笑みを浮かべ
「まさか、あなたに“まともじゃない”なんて言われるとは思わなかったわね。出夢さん?」
 とからかうように言った。
「ぎゃははは!! そりゃあ、悪かったな」
「でも、あなたが語ったその“厭世観まるだしのアホ”っていう人には一度会ってみたいわ」
 その発言に出夢は
「そうだな。一度、会ってみるといい」
 ニヤニヤしながら言った。
「あんな奴は滅多にいないからな。いい勉強になると思うぜ」
 それから、出夢は感慨深そうな表情を浮かべて周りの竹林を眺めた。
(そう言えば、最初に人識と出会ったのは、この“雀の竹取山”だったよな。確か、あの時は昼間だったが)
 『戯言遣い』のことを語ったついでに、あの『殺人鬼』のこともいっしょに思い出したのだ。まるで、箪笥の引き出しを開けたときに、もう一段別の引き出しまで開いてしまったかのように……。
 なんだか複雑な心境のまま、歩を進めると竹林の中から一人の人影が現れた。

「傑作だぜ―――」

 いや、人影という表現は正確ではない。鬼影と言った方が恐らく正しいのだろう。
 暗く、冥い闇の中、その鬼影が愉快そうに口を開いた。
「よう、匂宮出夢。まさか、こんなところで会っちまうとはな」
 それに、出夢は鬼も逃げ出す邪悪な笑みを浮かべ、
「……零崎―――――」
 その鬼の名を、呼んだ。
「――――人識!!」

91 ◆H5vacvVhok:2011/05/24(火) 00:06:15
☆ ☆ ☆

 少し時間を遡る。
 零崎人識は、大量の廃棄物により埋め立てられた湖―――不要湖にて、なにやらゴミを漁っていた。
 彼が、何故こんなルンペンのような真似をしているのかというと、先程まで行動を共にしていた櫃内様刻によって、支給されたナイフをボロボロにされてしまったのである。
 ナイフなしでも、彼は『曲絃糸』と、ある程度の体術は使えるのだが、前者は使用する糸がなく、後者はこの戦いを生き残っていくには、あまりにも心許ないため、こうして支給されたナイフに代替する獲物を求めてゴミを漁っていたのである。
 そして、数分後……。
 すぐに獲物は見つかった。
 脇差し程度の長さしかない日本刀である。
 発見時は、綺麗に鞘に納まっていて、刀を抜いてみると錆も全くなく、刀身に触れただけで切れてしまいそうな程の見事な業物であった。
(獲物はナイフに越したことはないが、贅沢は言えねえな)
 人識は渋々といった感じで、その小柄な日本刀を懐にしまった。
 それから、人識は思い出したように竹林の方に視線を向けた。
(出夢の野郎と最初に殺し合ったのも、そういえばこんな感じの竹林だったな)
 昔の出来事を思い出し、急に懐かしい気分になった人識の足は自然と竹林のほうへと向いていた。
(あの時は、確か兄貴に拉致された挙句に腕の骨を折られて、車から放り出されたんだよな……)
 歩を進めるごとに思い出が次々と人識の脳内シアターに映し出されていく。
(ほんで、玉藻と遭遇してこれから殺し合おうってときに出夢が割り込んできやがって―――)
 どれほど歩いただろうか? 人識が顔を上げると二つの人影が見えた。
 近づいてよく見てみると、二つの人影は女性だということが確認できた。
 そして、一人は人識の知っている顔だった。

「傑作だぜ―――」

 思わず呟いてしまう。
 いま、自分の脳内シアターに映し出されていた人物が目の前にいる。
 その現実に人識の頬は愉快そうに緩んだ。
「よう、匂宮出夢。まさかこんなところで会っちまうとはな」
 それに、匂宮出夢は鬼も逃げ出しそうな程の邪悪な笑みを浮かべて、
「……零崎―――」
 彼の名を呼んだ。
「―――人識!!」

92 ◆H5vacvVhok:2011/05/24(火) 00:07:00
☆ ☆ ☆

 そうして、八回目になる匂宮出夢と零崎人識の殺し合いは幕を開けた。
「おい、お姉さん」
 出夢は殺気立った声で七実に話掛ける。
「こっから先は、あんた一人で弟を探してもらえるかい? 僕は急に用事ができちまったからな」
 それに七実は、
「ならしょうがないわね。ここで別れましょう。短い間だったけど、あなたとの時間は悪くなかったわ」
 いえ、やっぱり悪かったかしら、と凶悪な笑みを浮かべて、すたすたと行ってしまった。
 そして、あとに残された二人は殺戮のダンスを共に踊っていた。
 出夢の『一喰い』―――イーディングワンが、竹をなぎ倒していく。人識は持ち前の素早い動きで出夢を翻弄しつつも攻撃の機会を窺っていた。
「かははは―――」
「ぎゃははは―――」
 こんなにも壮絶な命のやり取りをしているというのに、二人は無邪気に―――まるで、子供がじゃれているかのように、恋人が互いの愛を確かめ合うように―――笑い、明らかにいま展開されている殺し合いを愉しんでいた。
 いま、この瞬間。人識と出夢の間には、あの蜜月の時のような親密な空気が甦っていた。
 人識は出夢だけを、出夢は人識だけを見つめている。
 友人よりも、恋人よりも、家族よりも、強固な絆が二人の間に結ばれていた。
 皮肉にも、それは、“宿敵”という最も残酷な形で結ばれたのである。
 そして、互いの刃と凶手が交差した瞬間に、長きに亘る因縁に決着がついた。

93 ◆H5vacvVhok:2011/05/24(火) 00:07:57
☆ ☆ ☆

 胸の辺りに、鋭い痛みを感じる。
 そこから血が溢れ出し、体中の熱が奪われていく。
 即死は免れたものの、数分後には死に至るであろう傷を負いながらも、匂宮出夢は晴れやかに笑っていた。
「ぎゃ、、は、は、、、人、識。お前、強くなったな」
 それに人識は、酷く冷たい声音で、まるで怒りを押し殺したようにに言った。
「出夢。お前、なんで避けなかった。お前ならあれくらい、目を瞑ってたって避けれただろう?」
「僕は、さ、もう、疲れたんだよ」
「疲れた?」
「ああ。理澄が、いなく、なって、、もう、全てに疲れたん、だ」
 そこまで言って出夢は、長い腕を人識の首に絡め、強引に引き寄せた。
 人識と出夢の唇が重なる。
 瞬間、全ての時が停まり、世界には二人だけが取り残された。
 それから経過時間して十秒―――二人にとっては、十年分ほどの時間―――程して出夢は、笑顔を絶やさぬまま、
「最期の、相手が、お前で、良かったよ。人識」
 と言って力尽きた。

 それに零崎人識は、俯いたまま、もう動かぬ最愛の“宿敵”に黙祷を捧げた。

【匂宮出夢@人間シリーズ 死亡】

94 ◆H5vacvVhok:2011/05/24(火) 00:09:25
☆ ☆ ☆

 そして、数分後。人識は立ち上がり暗闇の方に向かって呼びかけた。
「おい、見てるのは分かってるんだ。さっさと出て来い」
 すると、竹薮から病弱そうな女が出てきた。
 女は酷く気だるそうな感じで出夢の亡骸に歩み寄った。
「出夢さん。あなたは、本懐を遂げたのね。私からも祝福させてもらうわ」
 本当におめでとう、と出夢に語りかけ何処かへ立ち去ろうとした。
「おい、待てよ」
 それを人識は引き止める。
「なにかしら?」
「出夢のやり残したことは、俺が引き継いでやる。なんだたっけ? そうだ、あんたの弟探しを手伝ってやるよ」
 それに七実は、
「そう、ならお言葉に甘えて手伝ってもらいましょうか」
 と悪そうな微笑を浮かべ言った。
 
☆ ☆ ☆

 こうして、結成された殺人鬼と化物の凶悪な二人組みは、果たしてどのような末路を辿るのか……。残酷な運命の物語は、まだ始まったばかりである。

【一日目/黎明/E-8】
【零崎人識@人間シリーズ】
[状態]健康
[装備]小柄な日本刀
[道具]支給品一式×3、ランダム支給品(2〜8)
[思考]
基本:鑢七実の弟探しを手伝う。

【鑢七実@刀語】
[状態]健康
[装備]双刀・槌
[道具]支給品一式×4、ランダム支給品(1〜6)
[思考]
基本:弟である鑢七花を探す。
 七花ととがめ以外は、殺しておく。

95 ◆H5vacvVhok:2011/05/24(火) 00:18:34
投下終了です。

リアルが忙しく、なかなか創作に集中できなかったため、ご都合主義満載の作品となってしまいましたww
見苦しい言い訳ですが、ご容赦ください。

>>管理人様
感想用スレの需要が全くないようなので、言いだしっぺの私が言うのもなんですが、
削除をお願いします。本当に空気の読めない提案をしてしまい、申し訳御座いませんでした。orz

できれば、作品の感想を頂ければ有難いです。

96 ◆H5vacvVhok:2011/05/24(火) 00:22:37
連レス済みません!!
作品の題名を投下していませんでしたww

作品名は、NO ONE LIVES FOREVER です。

97 ◆H5vacvVhok:2011/05/24(火) 21:52:02
本スレに投下してくださった方に、この場を借りてお礼申し上げます。
本当に有難う御座いました。

あと、感想を頂き光栄です。今後も投下することがありましたら、力不足ですが期待に副えるように努力しますので、宜しくお願いします。

98 ◆xzYb/YHTdI:2011/05/24(火) 23:50:37
本スレに投下しました。
指摘くださった方。ありがとうございます。
これからも読み手さんを頼りにする場面があるかと思いますので、そのときもまた
よろしく頼まれると嬉しい限りです

99 ◆xzYb/YHTdI:2011/05/27(金) 20:10:36
はい。今回もこちらに一回投下します。
しかしはっきりいって、この作品、何か違和感があります。
けれど何回読んでもそれが分からないという自分の不甲斐なさ。
まぁ自虐は程々にして、というわけもあり、
違和感に気付いた方は指摘くれるとありがたいです。
では投下します。
日之影空洞、哀川潤

100知られざる英雄(知られた英雄) ◆xzYb/YHTdI:2011/05/27(金) 20:13:03
日之影空洞は見た。
海が眩しく煌く姿を。
そしてそれが意味することもよく分かる。
海の向こうに誰かいる。
けど、あの理事長のやること。
そんな一般人を紛れ込むようなことはさせないだろう。
ならなんだ?
そう、参加者である。
それが善人か悪人かは日之影の知るところではない。
しかし待ってみるのもまた一興。
…というよりはそれが悪人だった場合、あの眠らせておいた猫娘はもちろんのこと、
その他被害が被られることは阻止しなくてはならない。
というわけで船から降りて、砂場に立つ。
威風堂々。凛々と。しかしその姿は、誰にも気づかれない。

 ◇

断章

さて豆知識でもない再確認。
日之影空洞の『異常性』についてだ。
彼の異常名。それは…
『知られざる英雄(ミスターアンノウン)』。
もはや『反射神経』やらと扱いが違うのは突っ込まないとしよう。
さてさて話が逸れたが、『知られざる英雄』とはだが。
それは彼の『強さ』から成るの『異常性』。
その『強さ』は少なくとも地上に限るのならば、あのめだかも、
『十三組の十三人(サ―ティン・パーティ)』において、男最強を誇る、高千穂でさえも足元には及ばないという。
しかし『知られざる英雄』という『異常性』はそれだけでは収まらない。
『強さ』の副作用として、誰にも気づかれない、認識されない。
これは影の薄さ故に、では無い。むしろ彼本人自体はその巨体から目立って仕方がないだろう。
じゃあ何故なんだ。という話であるが、それは。
皮肉な話だが、その絶対的な、目も背けたくなるようなほど、日之影が自身が、破壊的に強すぎるからである。


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