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一時投下・修正用スレ

1二人で一人の/通りすがりの名無し:2010/11/10(水) 23:40:59
規制に引っかかっていて、本スレに投下できなかったり
SSの仮投下や修正を行いたい場合は
こちらへどうぞ

2 ◆LQDxlRz1mQ:2010/11/23(火) 18:55:09 ID:???
流石にさるさん規制に引っかかりましたorz

それでは状態表を投下します

3 ◆LQDxlRz1mQ:2010/11/23(火) 18:55:48 ID:???
【1日目 昼】
【G−7 沿海施設】

【左翔太郎@仮面ライダーW】
【時間軸】本編終了後
【状態】疲労(小)、ライダージョーカーに2時間変身不能
【装備】ロストドライバー&ジョーカーメモリ@仮面ライダーW
【道具】支給品一式×2(翔太郎、木場)、翔太郎の不明支給品(0〜1)、木場の不明支給品(1〜3)
【思考・状況】
1:仮面ライダーとして、世界の破壊を止める。
2:木場を失った強い悲しみ。
3:木場のような仲間を集める。
【備考】
※ 木場のいた世界の仮面ライダー(ファイズ)は悪だと認識しています。
※ 555の世界について、木場の主観による詳細を知りました。
※ オルフェノクはドーパントに近いものだと思っています(人類が直接変貌したものだと思っていない)。


【相川始@仮面ライダー剣】
【時間軸】本編後半あたり
【状態】疲労(小)、カリスに2時間変身不能、罪悪感
【装備】ラウズカード(ハートのA〜6)@仮面ライダー剣
【道具】支給品一式、不明支給品(0〜2)
【思考・状況】
1:栗原親子のいる世界を破壊させないため、殺し合いに乗る。
2:これでよかったのだろうか……?
3:「ジョーカー」のライダーに興味。
【備考】
※ ラウズカードで変身する場合は、全てのラウズカードに制限がかかります。ただし、戦闘時間中に他のラウズカードで変身することは可能です。
※ 時間内にヒューマンアンデッドに戻らなければならないため、変身制限を知っています。時間を過ぎても変身したままの場合、どうなるかは後の書き手さんにお任せします。
※ 左翔太郎を『ジョーカーの男』として認識しています。また、翔太郎の雄たけびで木場の名前を知りました。

4 ◆MiRaiTlHUI:2010/11/26(金) 21:12:42 ID:???
最後の最後でさるさん喰らってしまったので、続きはこちらに投下します。

5 ◆MiRaiTlHUI:2010/11/26(金) 21:14:36 ID:???
 


「逃げたか」

 市街地のど真ん中で、ぽつりと呟いた。
 突然怪人体の変身が解けてしまった事に、混乱していたのだ。
 それでなくても、変身を解いた今、変身したままの奴を追いかけられるとは思えない。
 仮に追い付いたとしても、あのオレンジに変身した男は弱い。
 最強最悪などと口だけの存在であった。
 クウガはクウガで何処か不自然だったし、追いかけてまで殺す気になれなかったのだ。
 だから今は無理に追いかけないが、次に出会った時は容赦はしない。
 そう、次に出会った時は絶対にこの手で――。

「ボソギデジャス」

 ――殺してやる。


【1日目 昼】
【G-5 市街地】

【ゴ・ガドル・バ@仮面ライダークウガ】
【時間軸】第45話 クウガに勝利後
【状態】健康、怪人体に二時間変身不可
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品×3
【思考・状況】
1:ゲゲルを続行する
2:何故変身が解除された……?
【備考】
※デイバッグの中はまだきちんと調べていません。


///////////////////////////////////////////////////
これにて投下終了です。
サブタイトルは、「その力、誰の為に」です。
最初にトリが変わってしまったのはこちらのミスです。
混乱させてしまって申し訳ありません。
それでは何か問題点などがあれば指摘の方宜しくお願いします。

6 ◆VbYNTlLnDE:2010/11/26(金) 21:19:50 ID:???
一時投下します

橋の手すりに寄りかかり眼前に広がる海を眺める者がいた。
黒い革のコートに身を包んだ、がっしりとした体格の男だ。

「うーみーはひろいーなおおきぃーなー……」

思うところがあったのか、男は童謡を歌い始める。静かな歌声が海風にのまれていく――

この場がどういう場所か男は理解をしている、今この瞬間にも危険が迫っているかもしれない。
しかしどのような時、場所であろうと常に平常心とマイペースを保つ。
それが鬼として長年戦い続けてきた男、ヒビキの強さの一つだった。

「つーきーはのぼるーし、ひものーぼーるー……」

穏やかな童謡とは裏腹にヒビキの頭は状況の整理をフル回転で行う。
既にデイバッグの中身は確認し、周りの環境と地図を照らし合わせ自分がG2エリアにいる事も把握済みだ。
そして名簿の内容も――

(イブキもトドロキも参加していない、良い事なのか悪い事なのか……)

ヒビキの知り合いは3人参戦していた、既に鬼の道を退いたあきら、まだまだ不安が残る京介、そしてベテランのザンキ。
仮にそれぞれの世界で対立をしたならばヒビキ達が生き残る可能性は限りなく低いだろう。
だからといって『はいそうですか』と諦めるほどヒビキは落ちぶれてはいない。必ず全員で生きて帰る決意を固めている。
もっとも、それはこの戦いに乗るという事ではない。大ショッカーを倒すという方針だ。

7 ◆VbYNTlLnDE:2010/11/26(金) 21:20:37 ID:???
(それでお終い、ってわけにはいかないんだよなぁ……)

口ずさんでいた童謡をため息が途切れさせる。
大ショッカーの老人が言っていた全てを戯言と流す事もできるだろう、しかしそれらが現実だったら?
少なくとも60人もの人間を僅かな抵抗も許さず集めのけた大ショッカーだ。
それだけの事をやってのける組織の言葉全てを嘘と決め付けられるだろうか。鵜呑みもできないのは勿論だが――

(戦う意思は無さそうだな)
「……厄介な事に巻き込まれたもんだよなぁ、お互い」

ヒビキが橋下に声を掛ける、すると

「いやー……ほんと、そうですよね」

若そうな青年の返答が返って来た。
橋下を覗くと真っ白なコックコートと赤いスカーフを巻いた青年が人のよさそうな笑顔を浮かべていた。


  ◆  ◆  ◆

8 ◆VbYNTlLnDE:2010/11/26(金) 21:21:49 ID:???
ヒビキが橋下に降り、お互いに自己紹介を済ませる。

「俺はヒビキ、本名日高仁志。ヨロシク」
「俺は津上翔一って言います。本名は沢木哲也ですけど。ヨロシク!」

握手を交わし、河川敷にデイバッグを置きその上にお互い座り込む。

「本名じゃない方が名簿に載ってるのか……俺もヒビキって載せてもらったほうがわかりやすかったろうに」
「違いはなんなんでしょうね?まぁ、どうでもいいか。それよりヒビキさんはいつから俺に気づいてたんですか?」
「んー、ここに飛ばされてデイバッグの中身確認してる頃には、な。物音っていうか気配みたいなものは感じたよ」
「すごいですね!俺はヒビキさんの歌声で初めて人がいるって気づきましたよ。ほら、うーみーはひろいーなって。
 そういえばなんで『ひはしずむ』じゃなくて『ひはのぼる』って変えたんですか?」
「日が沈むってなんかネガティブな感じがしてちょっと嫌だったんだよね、それだけ」
「わかる!わかりますよ、お日様っていいですよね!こう、何でも照らすぞ!ってところが!」

笑顔で語り合う二人の男。和やかな雰囲気だが軽く笑いあった後真剣な面持ちになり、和やかな空気は消えた。

「津上はどう思う。世界崩壊とか大ショッカーの事、さ」
「……ただいらないなんてわけのわからない理由で簡単に人一人の命を消す大ショッカーに従うつもり俺はありません。
 仮に複雑な、まともな理由があったとしても俺の大ショッカーへの思いは変わりません。
 世界崩壊とかは正直わけわかりませんし、信じたくもないですけど――大体『仮面ライダー』って何なんでしょう?」
「俺にもわからない。ただ、『特別な力』の持ち主達を総称して『仮面ライダー』と呼んだんじゃないかと俺は思う。
 そういう『特別な力』が俺にはあるからな」
「『特別な力』っていうと、物が透けて見えるとか離れた物を動かせるとか、超能力みたいなもんですか?」
「いや、俺は鬼になれる」
「鬼っていうと――」

津上が両手の人差し指を立て、自分の頭の横につけ鬼の角に見立てる。
その仕草にヒビキは苦笑しながらも頷いた。

9 ◆VbYNTlLnDE:2010/11/26(金) 21:23:05 ID:???
「うーん、なんかよくわからないけど、わかりました。それじゃ俺はアギトになれます」
「アギト?」
「はい。覚えてますか?確か3年前だったと思うんですけど、未確認が暴れてた時に話題になった第四号。あんな姿に変われるですよ」
「ちょ、ちょっと待て未確認とか第四号とかってなんなんだ?」
「え、覚えてないんですか?やだなぁヒビキさん。未確認と言えば――」

津上が事件の顛末を語るがヒビキにはその全てが初耳の話だった。続けてアンノウンの起こした事件の事も話したがそれも同様だった。
ヒビキはお返しとばかりに山間部、特に夏頃毎年事故や行方不明者が出ていないか津上に確認するが目立った事件事故はそう何度もないらしい。
お互いに語り終え、二人は違う世界の人間であると――大ショッカーの言葉が真実である事が理解できてしまった。
どちらからともなく視線を逸らし、しばらく沈黙が続いた。

「……俺、皆の場所を護りたいから強くなりたいと思って、実際強くなってアンノウンとも戦えました。
 その力が原因で世界そのものが滅ぶかもなんて……信じたくない、というより認めたくないです」
「俺もだ。多分、参加してる他の『仮面ライダー』も同じ思いだろうな」

暗い雰囲気にたまらず津上が髪の中に手を入れ唸る。

「うー、大ショッカーの言葉に従わずに世界崩壊を止める方法とかないもんなのかなぁ」
「あるだろうな」

間髪いれずのヒビキの返答に津上は目を丸くし、次の言葉を待った。

10 ◆VbYNTlLnDE:2010/11/26(金) 21:24:16 ID:???
「大ショッカーは底知れない強さを持っている……そう言っていいだろ?
 だったらいるはずだ、大ショッカーに敵対できるほどの強さを持つ『仮面ライダー』がさ」
「おお!」
「大ショッカーは異なる世界にも干渉できる、敵対する『仮面ライダー』もできるはずだ、でないと相手にならないからな!」
「なるほど!その人を探せばもしかしたら!」
「ああ!」

お互い妙なテンションで笑いあい、すぐに冷めたため息をついた。

「ま、いたらだけどな……」
「ですよねー……仮にいたとしてもこの場にいるかどうかすら」

ヒビキが立ち上がり、伸びをしながら話を切り上げる。津上もそれに倣って立ち上がった。

「大ショッカーを倒すにしろ、世界崩壊を止めるにしろ俺達が分かる事は一つだ。知識と情報が足りない」
「俺達以外の世界の人達と接触しない事には始まらない、そういうことですね」
「そう、そしてこの場は常に危険が付き纏っていると言っていい。知識や情報を持つ人物にも例外なくな」
「なら俺とヒビキさんにできることは――」

「「護る事」」

力強く頷きあい、二人の思いが一致する。どのような場所でも彼らは『仮面ライダー』だった。


  ◆  ◆  ◆

11 ◆VbYNTlLnDE:2010/11/26(金) 21:25:19 ID:???
「津上、支給品の確認は済んでるか?」

ヒビキがデイバッグの中身を取り出しながら問いかける。それに応えるように津上はデイバッグの中から支給品をいくつか取り出していく。

「変てこな赤い携帯電話、変てこなキャラクターのキーホルダー。ふうと君って言うみたいですね。それ以外は共通の物みたいです」
「どっちも使い道がわからないが、持ってても支障はないかな。俺は着替えが3着、あきら達にも支給されてるといいんだが。
 津上に一着渡しておくな?それと寝袋。最後に、よくわからないカードが4枚。見覚えあるか?」

4枚のカードを手渡された津上が一枚一枚確認していく。

「イン……ビジブル?そんな映画あったなぁ。これはレッカダイザントウ?読みづらいなぁ。
 えーっとこっちはライオトルーパー?なんだか兵隊みたいですね。で、最後が……これは――」
「何か気になるものがあったか?」
「え、えぇ。名前は今知りましたけど、見覚えはあります。めちゃくちゃな威力なんですよ、これ」
「ギガント、か。ミサイルで直接狙うのか?なんとなく良い気分はしないな」

津上が一瞬顔を曇らせるがカードを返しすぐ笑顔に戻る。

「そんなカードで何ができるって話ですしね、気にしないようにします」
「そう、だな。しかしもう少し身を護れそうな物が支給されれば良かったんだが……」
「それはそれ、これはこれ。支給品の分は俺達自身の力でカバーしましょう!」
「随分自信があるんだな?」
「だって俺アギトですから。ヒビキさんこそ大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫、鍛えてますから」

ヒビキに手渡された服に津上が着替え、お互いの荷物の整理を終えて準備を完了する。

12 ◆VbYNTlLnDE:2010/11/26(金) 21:25:56 ID:???
「津上、一緒に行く方がお互い安全だとは思う。だが俺達の今の位置は都合が良い」

ヒビキはコートの内側にしまった地図を取り出しながら津上に説明を始める。

「E2エリア近辺の住宅街、G4エリア近辺の住宅街、そのどちらにも俺達は近い。
 住宅街には参加者が集まったり隠れてたりしてるんじゃないかと俺は思うんだ。そこで――」
「お互い別々の住宅街を目指して他の世界の参加者達と接触を図るってことですか?」
「そういうこと。被害が出る前にこの戦いを終わらせたいからな、時間は大切だ」
「わかりました!」
「集合場所と時間も決めておくか。連絡手段があれば良いんだがな……よし、E4エリアの病院屋上にしよう。時間は0時頃でいいかな」
「今から12時間後って所ですか。それだけあれば住宅街もある程度調べられそうですね」

集合場所と時間を決め、二人は河川敷からT字路に向かう。

「今回の俺達のように他の参加者達とも上手く接触できるとは限らない、忘れるなよ」
「はい。ヒビキさんも、あんまり背負わないでくださいね」
「……俺そんな思いつめたような顔してた?」
「ちょっぴりですけどね。あと物理的な意味でも」
「寝袋の事か。置いていってもいいんだけど有っても困るものじゃないしな」

T字路で立ち止まり、お互い視線を交わす。

「必ずまた会おう、津上!」
「えぇ、約束ですよヒビキさん!」

一時の別れの言葉を告げ、二人は別々の住宅街を目指し歩き始めた――


  ◆  ◆  ◆

13 ◆VbYNTlLnDE:2010/11/26(金) 21:26:40 ID:???
(顔に出てたか……)

住宅街を目指しながらヒビキは表情を引き締める。

(シャキッとしなきゃな。俺がしっかりしなきゃ)

世界を一人で背負った重圧を感じつつヒビキは歩く。


  ◆  ◆  ◆


(言えなかったなぁ、木野さんの事……)

死んだはずの命の恩人、木野。その名が名簿には確かに載っていた。
ヒビキにはアンノウンとの戦いの顛末を語りはしたが木野の最期は伏せたままだったのだ。

(えーい、木野さんに会ったらその時はその時だ!)

漠然とした不安を感じつつ津上は歩く。

14 ◆VbYNTlLnDE:2010/11/26(金) 21:27:20 ID:???
【1日目 昼】
【G-2 T字路】

【津上翔一@仮面ライダーアギト】
【時間軸】本編終了後
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、コックコート@仮面ライダーアギト、ケータロス@仮面ライダー電王、ふうと君キーホルダー@仮面ライダーW
【思考・状況】
1:打倒大ショッカー
2:殺し合いはさせない
3:大ショッカー、世界崩壊についての知識、情報を知る人物との接触
4:木野さんと会ったらどうしよう?
【備考】
※響鬼の世界についての基本的な情報を得ました。

【日高仁志@仮面ライダー響鬼】
【時間軸】本編第41話終了後
【状態】健康
【装備】支給品一式、アタックライドカードセット@仮面ライダーディケイド、着替え(残り2着)、寝袋
【思考・状況】
1:打倒大ショッカー
2:殺し合いはさせない
3:大ショッカー、世界崩壊についての知識、情報を知る人物との接触
4:俺がしっかりしないと……
【備考】
※カードセットの中身はカメンライド ライオトルーパー、アタックライド インビジブル、レッカダイザントウ、ギガントです
※アギトの世界についての基本的な情報を得ました。アギト世界での『第四号』関連の情報を得ました。

【共通備考】
※1日目0時、E-4エリアの病院屋上で合流する予定です
※E-2エリア、G-4エリア近辺の住宅街をそれぞれ探索予定です。津上、日高がそれぞれどちらに向かったかは後の書き手さんにお任せします

15 ◆VbYNTlLnDE:2010/11/26(金) 21:33:10 ID:???
これで全部です
誤字、脱字、問題点ご指摘お願いします。問題が無ければ明日の21時頃に投下予定です

個人的に思う問題点
インビジブルを支給品配布にしちゃうとディエンドの行動が制限されちゃいますか?
レッカダイザントウはコンプリートフォームでないと使用不可?
ギガントは激情態でないと使用不可だと個人的に思うのですが備考に載せるべきでしょうか?
もしくはギガント自体削除した方が良いでしょうか?

16 ◆LuuKRM2PEg:2010/11/26(金) 21:51:36 ID:???
投下乙です
自分は、特に問題点はないと思います
翔一君とヒビキさんのキャラが、実に出てますね

そして問題点に関してですが
インビジブルは、他のキャラに支給してもディエンドが取り戻すまで
使えなくなるだけなので、そのままでも問題ありません

レッカダイザントウは、個人的解釈としては
殿様と一緒に戦った結果、使えるカードと思ってますので
そのまま使用しても、烈火大斬刀は出ないと思います。
ただし、ここは他の方の意見も必要かもしれませんが

ギガントは、氏の言うように激情態でなければ使用不可を
備考に載せれば大丈夫だと思います

17二人で一人の/通りすがりの名無し:2010/11/26(金) 22:07:17 ID:/G3HkZxI
アギト本編とTVスペシャル→劇場版ってパラレルじゃなかったっけ
ギガントってテレビ本編にも出てきた?

18二人で一人の/通りすがりの名無し:2010/11/26(金) 22:12:11 ID:KZyQ29c2
仮投下乙です。
基本的な感想は本投下のときにまた…

インビジブルは海東の基本カードに含まれるんじゃないかなーと少し思いますが、同じく取り戻せばよいだけだし問題は少ないかと

レッカダイザントウかー自分はあの世界は本当に特殊であり、本来ライダーがいない世界で起きた特殊なカードだと思います。
別のカードに変えたほうが良いような… 同じく他の方の意見次第ですし、大きな矛盾があるというわけではないですが…

ギガントは同じくそのような制限を備考に書いておけば良いと思います。キャラ視点で認識しているかは別として

19 ◆VbYNTlLnDE:2010/11/26(金) 22:24:13 ID:y./MacTA
ご指摘ありがとうございます。
レッカダイザントウは削除し配布カードは3枚にします
それとパラレル設定完全に忘れてました、申し訳ありません。津上のギガントへの反応部分を変更しておきます

まだまだご指摘お待ちしております。インビジブルどうしようかな…

20 ◆BaIp17LTls:2010/11/27(土) 01:41:44 ID:b9/LfjPc
一時投下します


木々が生い茂り、葉と葉の折り重なった隙間から漏れる降り注ぐ陽光、
その木漏れ日に照らされている男―――五代雄介は先ほどのこのくだらぬゲーム開始時の惨劇を思い出し、大ショッカーへの怒りを募らせる。


自分の世界の未確認生物と同じように、人々の命を簡単に踏みにじり、笑顔を奪っていく。
五代雄介にはそれが許せなかった。
あそこで殺された者の事など、五代には知る由もないが、その者の笑顔は未来永劫失われてしまった。


そんな事になってしまったことを阻止できなかったことを悔やみ、同時にもう二度とそんなことを起こさせぬよう決意するのだった。
クウガとして、この殺し合いに招かれてしまった人々を守ると。そのために大ショッカーを倒すと。


「そういえば、名簿が入ってるって言っていたっけ・・・確認してみよう」


デイバッグを取り出し、しゃがみこんで中身をあさり、名簿らしき物を手に取る。
他にも色々入っていたが、今はとにかく名簿だけを取った。
そして名簿を見て驚愕する。


「そんな!一条さんまでこの場に・・・!」


五代の知り合いの刑事、一条薫。自分の理解者であり、友である男。
その男もこの殺し合いの場に居るというのだ。

21 ◆BaIp17LTls:2010/11/27(土) 01:43:02 ID:b9/LfjPc

「他には・・・知っている人は、一条さんだけみたいだ・・・」


あらかた名簿に載っている名前を見たが、知っている名前は一条薫だけだった。
他に知り合いが呼ばれてなくて幸いというべきなのか・・・。


「なら、とりあえず一条さんと合流しなきゃ。一緒に協力しないと」


行動方針を決め、デイバッグを持ち、立ち上がる。


「そこの君、ちょっと待ちたまえ」


不意に後ろから声をかけられる。
後ろを振り向くと、そこにはいつの間にやら自分より若干年下であろう青年が立っていた。
ちょっと遠目の位置に居るのが気になるが。


「・・・誰ですか?」

「や、突然引き止めてすまないね。僕は海東大樹。歩いて居たら君を見かけたんでね。
 ちょっと情報がほしくて声をかけたのさ」

「あ、どうも。俺は五代雄介って言います。情報、ですか。あの大ショッカーとか言う奴等の?」

「いや、この殺し合いをどう考えてるとかね。ちょっと教えてほしい。よければだけどね」

22 ◆BaIp17LTls:2010/11/27(土) 01:44:02 ID:b9/LfjPc

海東大樹と名乗った青年はそういった。
殺し合いをどう考えているか・・・。


「当然こんなことをやらせるのは間違っていますし、止めなきゃならない。
 人を殺すことなんて絶対に間違ってます」


強い意志を持って、五代はそういった。


「なるほどね。確かにそうだ。でもこの殺し合いに勝たなければ君の世界は消滅してしまうんだよ?
 ここに居るものだけでなく、君の世界に居るであろう友人、家族、親しい者・・・全員が」

「でも・・・そのために他の人達を犠牲にするのは間違ってるから・・・俺は少しでも多くの人々の笑顔を守りたいんです。
 だからこの殺し合いを仕組んだ奴等を倒します!」

「へぇ、大ショッカーを倒すか。面白いことを言うのだね君は。
 奴等がどれだけの力を持っているのかもわからないのに?」

「・・・それは・・・確かにそうです。でも・・・それでも!俺はこの殺し合いを止めて見せます!」


問いかけるような口調で海東は言う。しかし五代はなおも強い意思で言う。
その強くてまっすぐな意志に、海東はクウガに変身する小野寺ユウスケを思い出す。
彼も、人々の笑顔を守りたいとか言っていたっけ・・・。


「そうか。そこまで言うからには君には何か力があるんだよね?たとえば仮面ライダーだったりとか」

「仮面ライダー・・・って言うのは良くわかりませんが・・・うーん・・・」

23 ◆BaIp17LTls:2010/11/27(土) 01:45:17 ID:b9/LfjPc

そういって五代は少し考え込む。自分がクウガだということを言っていいのか。
まぁ別にいいかと楽天的に思い、五代は言う。


「俺はクウガになれます。あの最初のスクリーンに流れてた映像に少し出てました」

「・・・なんだって?クウガ?それは本当かい?」

「ええ、まぁ・・・信じてもらえないと思いますけど」


少しおどけながら五代は言う。大して、海東は表面上隠しては居るが驚いていた。
この男がクウガ・・・もし本当なら違う世界のクウガと言う事か?ということはクウガの世界は二つあったのか・・・?これは面白い。


「海東さんはその仮面ライダーなんですか?」

「どうかな。それで・・・クウガ、君は人々の笑顔を守るといったね。それが君のお宝なのかい?」

「お宝・・・まぁそうですね。守りたい、大切なものですから」

「そうか。僕も僕のお宝は守りたい。そこでだ、僕と協力しないか。互いのお宝を守るために」

「いいですよ」


親指を上げてサムズアップ。五代は海東の提案を快く受け入れる。
その笑顔とサムズアップは、どこか人を安心させるものがあった。


「ありがとう。それで、君はこれからどうするつもりだったんだい?」

「知り合いが一人居るのでその人と合流したいと考えていました。
 何処にいるのかは解らないですけど・・・」

「ならその人を探そうじゃないか。味方は多いほうが良いからね」

「そうですね。そういえば海東さんは何をやっている人なんですか?」

「僕かい?僕はトレジャーハンターをやっているんだ」

「へぇ〜いいですね!俺は冒険家なんですよ。世界を見たり回ったりして」

「なるほどね」

「あ、海東さんのお宝って何なんですか?」

「さてね」

24 ◆BaIp17LTls:2010/11/27(土) 01:48:07 ID:b9/LfjPc

【1日目 昼】
【A−8 森林】



【五代雄介@仮面ライダークウガ】
【時間軸】第46話終了後
【状態】健康
【装備】アマダム@仮面ライダークウガ
【道具】支給品一式、不明支給品×3
【思考・状況】
基本行動方針
0:人々の笑顔を守る。
1:海東さんと共に行動
2:一条さんと合流したい
3:仮面ライダーとは何だろう?

【備考】
※支給品はまだ確認していません


【海東大樹@仮面ライダーディケイド】
【時間軸】最終話終了後
【状態】健康
【装備】ディエンドライバー@仮面ライダーディケイド
【道具】支給品一式、不明支給品×3(確認済み)
【思考・状況】
基本行動方針
0:お宝を守る。
1:五代雄介と共に行動
2:五代雄介の知り合いと合流
3:知らない世界はまだあるようだ

【備考】
※クウガの世界が別にあることを知りました。

【共通備考】
※これから二人が何処に向かうのかは次の書き手さんにお任せします。

25 ◆BaIp17LTls:2010/11/27(土) 01:52:03 ID:b9/LfjPc
一時投下終了です。
何か問題点、誤字、脱字、矛盾点あったらお願いします。
問題がなければ本投下します。

なにぶん初めてなので解らないところがあったりして
迷惑をかけるかもしれませんがお願いします。

あ、タイトルは『笑顔とお宝』です。

26二人で一人の/通りすがりの名無し:2010/11/27(土) 08:40:21 ID:u2NzhEwA
投下乙です
特に矛盾とか、問題点はないと思います
本投下を楽しみに待ってます

27二人で一人の/通りすがりの名無し:2010/11/27(土) 10:41:22 ID:wfwa4sqs
仮投下乙です!
同じく問題点はとくにないかと思います

内容外の件ですが
・・・ではなく、…(三点リーダ)と呼ばれる記号を使用した方がSSとして読みやすいかと思います
状況にもよりますが基本的には確か2個セットで……のように使うと見やすいハズです。
あと、感嘆符(?や!)の後はスペースを入れた方が良いかと思います。理由は上記と同じです。
文末は除いて

例として>>23、4行目
>「・・・なんだって?クウガ?それは本当かい?」

を「……なんだって? クウガ? それは本当かい?」

内容の感想は本投下のときにします! 改めて投下乙です!

28 ◆BaIp17LTls:2010/11/27(土) 11:23:34 ID:b9/LfjPc
ご指摘有難うございます。
ではその点を修正して、本投下します。

29 ◆BaIp17LTls:2010/11/27(土) 12:00:59 ID:b9/LfjPc
投下終了と書き込んだら連投しすぎてまさかの規制。
とりあえず本投下終了しました。
何かあったらご指摘お願いします。

30 ◆VbYNTlLnDE:2010/11/27(土) 20:36:35 ID:RYGSJxIs
日高仁志の状態表【道具】の欄が無くて【装備】欄に書かれちゃってました。
wiki収録済んだら修正しておきます。見落とし申し訳ない

31 ◆Wy4qMnIQy2:2010/11/27(土) 21:32:19 HOST:250.160.233.111.ap.yournet.ne.jp
完成が遅れて申し訳ありません。これより仮投下を開始します。


「許せるかよ、こんなの……!」
外観も豪華な洋風の屋敷。その中にある広大な庭の芝生の上で、加賀美新は怒りを零した。
矛先はつい数分前、影山瞬が抗議をする間もなく殺された悲劇。
彼を殺した死神博士と名乗る男は、この場で互いに殺し合うことを命じた。
それがたった一つだけでも世界を守るための手段だという。
(だからって、あんな人を馬鹿にしてる奴らに従えるか)
「いらないから」なんて勝手な理由で人を殺し、さらに多くの命を互いに奪い合わせようとする大ショッカーという組織。
加賀美には、彼らがただ人の命と弄ぶ非道としか思えなかった。
心は奴らを決して許せないという怒りに熱く燃える。

(でも、奴らに逆らって世界が消えてしまったら……)
しかし、現実に人の命が消えようとしているらしいことを考えると、心は揺らぐ。
少しでも多くの命を救う手段として提示された可能性を蹴って、全てを無に帰してしまうのは果たして許されるのか。
(俺は、どうすればいいんだよ……!?)
先の見えない未来。その苦悩で頭を抱えていると、
ズズッと背後で何かを引きずる音がした。
「ん?」
加賀美が後ろを振り向いた時、視界の中にいたのは、
彼の体めがけて思いきり剣を振り下ろそうとする男の姿だった

「なっ!?」
咄嗟に飛び退き、ギリギリのところで避ける。
直前まで加賀美が立っていた場所で土が飛び散り、銀色の刃が深く突き刺さった。
「おい君やめ、うわっ!」
加賀美が剣を持つ男に制止の言葉をかけるが、遮るように男はもう一度剣を振る。
直前の一撃に比べれば、今度は若干の余裕をもって回避できた。これには一つの理由がある。
(そんな重すぎる剣で、人を仕留められるかよ)
武器があまりにも重いのだ。
剣を持ち上げようとする動きから太刀筋が少しは予想できるのに加え、振る度にいちいち地面に剣先を下ろさなければならない。
ただの人間が扱うには明らかに不向きな得物だ。
しかし、それでも青年は闇雲に剣を振り続けてくる。間違いなく、こちらの命を奪うことが目的だ。

32 ◆Wy4qMnIQy2:2010/11/27(土) 21:33:31 HOST:250.160.233.111.ap.yournet.ne.jp
どうにかこの状況を切り抜けられる手段はないかと考えるが、あいにく支給品は役に立ちそうにないものだけだった。
なら向こうに隙があればと、加賀美は男の姿を見る。ゆらりと目を向けてくる男は、加賀美より少し若く見える青年だった。
どちらかというと気が弱そうな顔つきで、この重い武器を扱うのも、さらに言えば殺意を抱いているというのも不釣合いに見える。
「なんでこんな奴まで……」
結局何も策が思いつかないまま何度目かの攻撃をかわした時、加賀美はある異変に気がついた。

『ふぐぉっ、…の、あ痛っ! …たるっ、こら!』
青年のディバッグからがさごそと音がする。いや、声が聞こえる。
加賀美が不可思議そうに見つめると同じく、青年も鬱陶しそうにディバッグを見る。
すると、

「ぶはっ! やっと出られたぁ〜」
突如、黄色い何かが飛び出してきた。
その小さな黄色い生物には一対の目と羽があり、小さな牙も生やしている。
まるで蝙蝠のような外見であるが、明らかにおかしい点がある。
たった今、こいつは喋った。ただの蝙蝠だとしても、もし仮にゼクターの一種だとしても、喋る蝙蝠など前代未聞である。

「おい渡! いきなりオレ様をこんなもんの中に押し込んだと思ったら、何物騒なことしてんだよ!?」
この黄色い蝙蝠はいったい何なのか。蝙蝠に抗議の言葉を浴びせられている青年は何者なのか。
加賀美が奇異の目を向けるが、それに構わず一人と一匹はお互いに睨みあった。蝙蝠に向かって、青年は一言吐き捨てる。
「…黙っててよ、キバット」
純朴そうな顔には似つかわしくない、冷たく響く言葉。しかし蝙蝠は怯まずに言い返す。
「相棒が道を踏み外そうとしてんのに黙るわけねえだろ!
 オレ様がどれだけお前と一緒に戦ってきたと思ってんだ!」

───相棒。
加賀美はキバットと呼ばれた黄色い蝙蝠の必死な台詞によって、一つだけ理解できた気がした。
例え姿形は全くの別物であっても、互いに信頼しあうことができるかけがえのない相手。
きっと目の前の一人と一匹は、そんな強い絆で結ばれた関係なのだろう。
ふと、加賀美の頭にある男の姿が浮かぶ。
全てを救うために誰よりも強くあろうとした、加賀美の知る中で最も偉大な男。
いつも傲慢な態度で接してきて、けれどいつも自分と肩を並べて戦ってきた男。
(ちぇっ、またあいつに世話になっちまった)
彼との戦いの日々が、加賀美にこの殺し合いの中でするべきこと、成し遂げるために必要な自信をもたらした。
(大ショッカー、俺はお前らなんかに負けねえぞ。絶対に皆を救ってやる!)
仲間と力を合わせて巨悪を倒す。かつ、全ての世界を救う方法を探す。
おそらくあの男はとっくに決めているだろう行動方針を胸に刻む。そのためにもまずは。

33 ◆Wy4qMnIQy2:2010/11/27(土) 21:34:19 HOST:250.160.233.111.ap.yournet.ne.jp

「あのさ。相棒がこうしてほしいって言ってるんだから、聞いてやったらどうだ?」
ここでふさわしいのは青年と戦うよりも、止めさせること。
加賀美の説得に加えてキバットからの懇願を聞いたら、青年も思い直すかもしれない。
なにより、相棒とわかりあえないままこの青年が罪を背負うことになるなんて悲しすぎる。
「おっ、いいこと言うねぇ兄ちゃん。そうだぞ渡、まずはもう一度オレ様の言葉を聴こうぜ、な?」
「もしかしたら俺だって君の力になれるかもしれない。いや、俺よりもすごい奴に心当たりはあるんだ。ほら、まずは落ち着こう」
「……」
青年は動きを止めた。返答はないが、きっともう一押しだ。
「俺の名前は加賀美新。君の名前は…渡君だったっけ?確か名簿だと上の名前は……」

「紅。紅渡。

 残念ね。二人とも違う世界の出身だなんて。もし同じ世界の男だったら扱いも考えてあげたのに」

加賀美とも渡とも、もちろんキバットとも異なる声が響いた。
全員が声の聞こえた方に目を向けると、庭の一角に一人の女性が立っていた。
「…なんですか、あなたは」
「あぁ、私は園崎冴子」
渡とは対称的に両目に強い野心のようなものを感じさせる女性は、どこか高圧的な態度で名乗り、
「でも聞くだけ無駄よ? だって」

───タブー───

金色に輝く一本のメモリを取り出し、腰のバックルに挿入した。
「どうせ今ここで、私に潰されるんだから」
女の身体が妖しく輝き、異質なものへと変わっていく。
眼の無い頭、赤と紫と黒の肌、脚が無い代わりとばかりに単眼がこちらを覗く下半身。
姿を一言で表現するなら、怪人。加賀美の宿敵であるワームという化け物に何か近いものがある。
その顔からは、明確な敵意だけがひしひしと伝わってくる。
こいつは危険な相手だ、加賀美は渡にそう告げようとした。が、その前に怪人は右手から赤く光る弾丸を撃ち出してきた。
「危ないっ!」
すぐに渡に飛び掛って地面に伏せ、なんとか直撃は避けることができた。
しかし怪人は余裕の態度を見せる。このまま光弾を打ち続けられたら、加賀美も渡もいつかは身体に傷を負ってしまうだろう。
そう、このまま怪人対生身の人間という構図が変わらなければ。

34 ◆Wy4qMnIQy2:2010/11/27(土) 21:35:58 HOST:250.160.233.111.ap.yournet.ne.jp

「渡君、話の続きは後だ。今はその蝙蝠と一緒に中に隠れてろ」
「ってオイ待てよ兄ちゃん! なんか策でもあるってのか!?」
「ある。いや……『いる』」
加賀美が右手を天にかざすと、空高くから青い鍬形虫が飛んできて手中に収まった。
「俺の、頼もしい相棒がな」
両足でしっかりと立ち上がり瞳を真っ直ぐ怪人に向け、加賀美新は叫んだ。

「変身!!」

気合とともに、右手に持った青い鍬形──ガタックゼクターを銀のベルトに向けて力強くスライドさせた。

───HEN-SHIN───

電子音声とともに、加賀美の身体は瞬く間に青と銀の装甲に包まれていき、力強さが漲る戦士となる。
変化が終わった時、怪人は少し驚いたように一つの名前を呟いた。

「その姿、まさか? ……そう、あなたが異世界の『仮面ライダー』ってやつね」

それが、戦いの神───仮面ライダーガタックがこのバトルロワイアルの場に君臨した瞬間だった。




壁を挟んだ向こう側から爆音と振動が伝わってくる。どうやら部屋の外では戦闘が始まっているらしい。
「始まったか。渡、お前は行かなくていいのか?」
キバットバットⅢ世は、黙ったまま俯く渡に声をかけた。

35 ◆Wy4qMnIQy2:2010/11/27(土) 21:36:58 HOST:250.160.233.111.ap.yournet.ne.jp

「…ここに来てすぐの時にも言ったけどよ、オレ様は渡が前みたいに戦うっていうなら力を貸すぜ。
 それ以外じゃ断固お断りだし、あの変なメモリも譲らねえ」
かつて渡は、父から受け継いだブラッティローズが奏でる音色に祈りを重ねた。
自らの奥底に眠る本当の自分自身を知りたい、そして他人が内包する美しさを守りたい、と。
一途な願いは、渡が理不尽に命を奪われようとする人々を守るために戦い続ける理由となっていた。
キバットもまた渡の願いに共感し、一心同体のパートナーとして苦楽を共にしてきた。
はずだったのに。

「……」
今の渡の目に光はない。
彼はこれまで困難に突き当たった時、殻に閉じこもって塞ぎこんでしまうことが何度かあったが、今の暗さの比ではない。
渡をここまで絶望の底に沈めるには、あの悲劇は十分すぎたのだ。

「また一緒にキバっていこうぜ渡。奪うためじゃない、人の音楽を守るためにさ」
キバットは、ずっと共に生きてきた仲間として今の渡を放っておくことができなかった。
この箱庭に来てから初めて出会ったあの正義漢のようになってほしい。もう一度光を求めて一緒に戦って欲しい。
そんな想いから、キバットは渡を励ますことを止めない。

「キバット」
ようやく渡は口を開いた。声には陰が差していて、明るさなど欠片もない。
「……僕はもう、あんな思いはしたくない。だから、やっぱり答えを変えられないよ」
加賀美とキバットの説得もむなしく、渡は考え直すことをしなかった。

「…何だよ」
渡の返答を聞き、キバットの声は震えていた。
「オレ様じゃ駄目なのかよ!? 今のお前の絶望を吹っ飛ばすのにオレ様じゃ力不足だってか? 
 一人で辛いの全部抱え込んで、それであのふざけた奴らの言いなりになって何もかも壊ちまうのかよ?
 オレ様とあの加賀美って兄ちゃんが渡に希望を捨てるなって言ってるのは、お前にとってどうでもいいことかよ!?」
ついにキバットは怒りを爆発させた。恐怖から抜け出せない渡と、そんな彼の心を救えない自分自身への怒りを。
しかし、感情を昂らせたキバットを前にしても、渡は奇妙なくらいに落ち着いたまま何も言わない。

36 ◆Wy4qMnIQy2:2010/11/27(土) 21:38:46 HOST:250.160.233.111.ap.yournet.ne.jp

「〜〜っ、もう勝手にしろ!! でもオレ様は、今のお前になんか手を貸したりしねえからな! やりたきゃ一人でやれってんだ!」
どこまでもわかりあえない青年に絶縁を告げて、キバットは背を向けた。
「……うん」
渡は仲違いになってしまった相棒にむかって小さく頷き、再び剣を握り締めた。




園崎冴子───タブー・ドーパントもまた、現状に腹を立てる一人であった。
自分をずっと粗雑に扱ってきた父、園崎琉兵衛をこの手で倒す。
自分の力を見せつけて彼を屈服させ、『ミュージアム』のトップの地位を奪い取る。
それが、冴子が今日まで生きてきた理由である。
目的を果たすためには、本来なら馬鹿の考えたゲームに付き合う暇はない。
主のいない園崎の屋敷の模造品の中で遊んでいる暇だって勿論ない。

しかし帰るべき世界が消えてしまうとなれば話は別だ。
なんとしても他の世界を消し去って、父のいる世界を崩壊から防がなければならない。
(皮肉ね。憎いお父様を倒すために、そのお父様を守るなんて)
行動方針から生まれる矛盾がたまらなく不愉快で、冴子は速やかにこの殺し合いを終わらせることを望んだ。

だというのに、目の前に立ちはだかる青い仮面ライダー、ガタックが立ち塞がって邪魔をする。
「はっ!」「このっ!」
タブーの両手から放たれる光弾とガタックの両肩からの砲撃が再び正面から衝突し、爆発を起こした。もう五度目になるだろうか。
ガタックが追加で攻撃してくるのを見て、タブーは空中で旋回する。
何にも当たらずに空を切る弾丸には目もくれず、こちらからもガタックの横側から素早く光弾を撃ち返す。
ガタックは身体ごと向きを変えて照準を定めなければならないため、今この瞬間では反撃が間に合わない。
咄嗟に地面に転がってかわそうとしたが、一発は上半身に命中した。

37 ◆Wy4qMnIQy2:2010/11/27(土) 21:40:25 HOST:250.160.233.111.ap.yournet.ne.jp

「やっ…てないわね」「そんなのが効くか!」
ほとんどダメージを与えられなかったようで、力強い声が返ってくる。
当てることを重視したために威力を抑えた点もあるが、やはり一番の原因はガタックの重厚な装甲にあるのだろう。
機敏さにかけてはタブーにアドバンテージがあり、一方のガタックは防御力に秀でている。
このまま戦い続けても、ただの時間の浪費になるだけだ。

(このままじゃ埒があかないわね。やっぱり、あの支給品はここで使うべきかしら……)
こちらから手の内を明かすのは癪だが、いつまでも状況が変わらないままというのも気に入らない。
支給品を使うのもやむを得ないか、と決断しようという直前で、その必要がないと気付いた。

「あははっ、チャンスがのこのこ歩いてきたわ!」
冴子が見つけた、喜びを隠さずにいられないチャンス。
それは彼女のとって絶好の鴨───剣を重たそうに引きずりながら歩いてくる紅渡だった。
常識で考えれば、生身の人間がこの場に来たところで何も出来はしない、それどころか自殺行為とさえ言える。
まさか扱いづらいだけの武器で二人を殺そうと本気で考えてるのか、それともただ単に気が狂ったのか。

「えっ……? 馬鹿、なんで戻ってくるんだ!?」
ガタックが叱咤しながら必死に渡のもとへと走り出す。
渡の前に出れば、少なくとも身を挺して庇うことくらいは出来ると考えたのだろう。

「でも、させないわ」
タブーは右手で弾を放った。しかし着弾点は渡の身体ではなく、彼のもとへ走るガタックの足元だ。
標的が自分の方だとは予想もしていなかっただろう。ガタックは足元の爆発にろくに対応できない。
分厚い鎧も意味を成さずに、その場で大きくバランスを崩した。
みっともなく膝をつくガタックに可笑しさを感じながら、また両手にエネルギーを溜める。

これで、紅渡は誰にも守られることなく命を絶たれる。
加賀美新は渡の身体が砕かれるのをただ見ていることしか出来ず、無力感に打ちひしがれることだろう。
戦いの舞台から一人が消え、正義のヒーローの心には消えないダメージを与えられる。
最高の未来が訪れることを確信し冴子は笑みを浮かべる。
ガタックが何やら叫んでいるのを聞きながら、自らの崇高なる目的達成の第一歩を踏み出そうとした時。

38 ◆Wy4qMnIQy2:2010/11/27(土) 21:41:03 HOST:250.160.233.111.ap.yournet.ne.jp


冴子には見えた。

「渡の、馬鹿野郎がああぁぁっっ!!」

黄色い蝙蝠が屋敷の中から真っ直ぐに飛んできて、渡の左手に噛み付くのが。

一瞬で渡の腰に赤いベルトが出現し、蝙蝠が頭を地に向けてベルトに張り付くのが。

冴子が慌てて撃った赤い光弾を渡の目がまっすぐに見据えて、その口が「変身」と呟くのが。


大きな爆発が起こり、辺りに煙が立ち込める。
「……まさか、あなたもだったなんて」
描いた未来が歪んでしまったことを悟り、冴子はまた苛立ちを募らせる。
煙が晴れたとき、そこには一人が立っていた。
姿は───人間のものはない。
月の光のようなイエローの眼。血のように赤い肉体。
立っていたのは、紅渡が「変身」した戦士だった。
未知の存在であるはずなのに、やはり既視感と憎らしさを覚える。

「渡君、きみも……」
「また別の、『仮面ライダー』」




自身を死地に放り込むことはあまりに危険な賭けだった。失敗すれば何も成し遂げられずに死ぬこととなる。
でも、賭けに勝った。こんなところまで相棒は来てくれた。
───エンジン───
彼が一緒に持ってきた銀色のメモリを右手で握る剣───エンジンブレードに差し込む。これでようやく全ての性能を引き出せる。

39 ◆Wy4qMnIQy2:2010/11/27(土) 21:42:00 HOST:250.160.233.111.ap.yournet.ne.jp

「ありがとうキバット。……ごめん」
絶縁を告げたはずなのに結局は自分を見捨てずに駆けつけてくれたキバットへの感謝と、
その優しさを目的のために都合よく利用することへの謝罪を漏らす。
(でも、どんなに汚くても僕は退けないんだ)

最愛の女性を蹴り殺した時のおぞましい感覚は決して忘れることができない。
彼女が最期に残した声の小ささは耳に、身体が砕け散る様は目に焼きついて離れない。
あの時は深い傷と喪失感を抱えたまま生きる気にもなれず、いっそ死んでしまいたいとさえ願った。
しかし、大ショッカーによって連れ去られ、現実はもっと悲惨であることを告げられた。
自分のいた世界が跡形も無く消えようとしていると。
失うことの恐怖が頭に蘇った時、思い浮かんだのは今日まで自分の周りにいてくれた人達の顔だった。
この瞬間、ひとつの新たな願いが生まれた。

もう二度と、大切な人を失いたくない。
名護も、恵も、静香も、健吾も、兄も、母も、そして───今どこかにいる父も。

あるかどうかもわからない希望を追い求めて全て奪われるくらいなら、修羅の道を往く方を選ぶ。
あの絶望を味わわないためなら、他の誰かを犠牲にしてもいい。たとえ、優しい言葉をかけてくれた加賀美でも。
今まで築き上げた暖かい日々を捨て去ることも厭わない。明日から誰にも受け入れられなくて構わない。
覚悟はもう出来てしまった。
この想いこそが、僕自身だ。

(今度こそ失くさない。そのために……僕は戦う!)
固い、けれど哀しい決意を胸に、紅渡───仮面ライダーキバは目の前の敵へ向かって跳躍した。



【1日目 昼】
【D-8 園崎邸の庭】

40 ◆Wy4qMnIQy2:2010/11/27(土) 21:42:43 HOST:250.160.233.111.ap.yournet.ne.jp
【加賀美新@仮面ライダーカブト】
【時間軸】第36話終了後
【状態】健康 仮面ライダーガタック(マスクドフォーム)に変身中
【装備】ライダーベルト(ガタック)@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、ランダム支給品1〜3(確認済)
【思考・状況】
1:仲間を集めて大ショッカーを倒し、全ての世界を救う方法を探す。
3:冴子を倒す。
4:渡君に止まってほしい。
【備考】
※擬態天道と乃木を知らない時期からの参戦です。
※支給品は戦闘で役に立たないものと判断しました。

【紅渡@仮面ライダーキバ】
【時間軸】第43話終了後
【状態】健康 仮面ライダーキバに変身中
【装備】キバットバットⅢ世@仮面ライダーキバ、エンジンブレード(メモリ挿入済)@仮面ライダーW
【道具】支給品一式
【思考・状況】
1:何を犠牲にしても、大切な人達を守り抜く。
2:まずは加賀美と冴子を倒す。
【備考】
※過去へ行く前からの参戦なので、音也と面識がありません。また、キングを知りません。

【園崎冴子@仮面ライダーW】
【時間軸】第16話終了後
【状態】健康 タブー・ドーパントに変身中
【装備】ガイアメモリ(タブー)+ガイアドライバー@仮面ライダーW
【道具】支給品一式、ランダム支給品1〜3(確認済)
【思考・状況】
1:最後まで生き残り、元の世界に帰還する。
2:同じ世界の参加者に会った場合、価値がある者なら利用する。
3:まずは加賀美と渡を倒す。
【備考】
※照井と井坂を知らない時期からの参戦です。
※ガイアドライバーを使って変身しているため、メモリの副作用がありません。
※支給品は戦闘で有益になるものと判断しました。

41 ◆Wy4qMnIQy2:2010/11/27(土) 21:43:51 HOST:250.160.233.111.ap.yournet.ne.jp
仮投下を終了します。タイトルは『エレジー♪支えてくれるひと』です。
誤字脱字、矛盾点の指摘があったらお願いします。

もし問題がなければ本投下…したいのですが、PCが書き込み規制されましたorz
どなたか代理投下をお願いいたします。

42このレスは荒らしによって破壊されてしまった:このレスは荒らしによって破壊されてしまった
このレスは荒らしによって破壊されてしまった

43 ◆Wy4qMnIQy2:2010/11/27(土) 23:01:34 HOST:250.160.233.111.ap.yournet.ne.jp
ID:dKpl9AYJさん、RFxjgRulさん代理投下ありがとうございました。
ID:ZZxyscH5さん、感想をくださってありがとうございます。

44 ◆7pf62HiyTE:2010/11/30(火) 11:57:00 ID:yk2g/4Jg
本スレ>>758より

>>連中が大ショッカーを打倒するならそれで良し
>世界崩壊を防ぎたいって思考を展開していたのに、最後にこれだと意味不明なのでは?

という指摘を受けましたので本スレ>>753


 とはいえ、それこそ机上の空論以前の妄想でしかない。だからこそ現状は大ショッカーの指示通り自分の世界を守る為に他の世界の連中を打倒するつもりだ。
 勿論、それに平行して前述の通り大ショッカーの情報も集めるつもりだ。しかし彼等との戦いは仮面ライダー達に任せておけばよい。
 連中が大ショッカーを打倒するならそれで良し、逆に返り討ちに遭っても障害が減るわけなのでそれでも構わない。


この部分を


 とはいえ、それこそ机上の空論以前の妄想でしかない。だからこそ現状は大ショッカーの指示通り自分の世界を守る為に他の世界の連中を打倒するつもりだ。
 勿論、それに平行して前述の通り大ショッカーの情報も集めるつもりだ。しかし彼等との戦いは仮面ライダー達に任せておけばよい。
 大ショッカーを打倒した場合、自分の世界が崩壊するという懸念が無いわけではない。だが、前述の通り大ショッカーの言葉を鵜呑みにしているわけではない。崩壊するという言葉が真実という確証はない。
 現段階で結論を急ぐ必要は皆無、本当に崩壊するならば大ショッカー打倒を妨害する事も辞さないが今はまだその時ではない。大ショッカーの情報を集めてからでも遅くはないだろう。
 故に、現状は仮面ライダーの大ショッカー打倒を妨害するつもりはない。もっとも、金居自身が手を出すまでもなく妨害する者がいるのは明白だろうが。
 連中が大ショッカーを打倒するならそれで良し、逆に返り討ちに遭っても障害が減るわけなのでそれでも構わない。今の所はそれで良いだろう。


以上の様に修正します。また何か何か問題点や疑問点等があれば指摘の方お願いします。

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