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都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……代理投下スレ
683
:
足音、足音?
◆nBXmJajMvU
:2016/12/31(土) 00:08:01 ID:pjJTxBTM
治療室を出て少し歩いたところで、ゴルディアン・ノットは冷たい空気を感じた
比喩表現ではなく、本当に空気が冷たい
まるで、真冬の寒空の下を歩いているかのような冷気
完全に乾ききっていない布の表面が、ぱきり、凍ったような
冷気の主はすぐに見つかる
司祭服を着た髪の長い男その男を中心に、辺りに冷気が広がっている
戦技披露海が始まってすぐ、その実力を見せつけていた「教会」所属の男だ
契約者……ではなく、契約者付きの都市伝説。飲まれた存在でもなく、契約者本人は戦技披露会には参加せず、単体で参加したという変わり種だ
男は、何やら思案している様子だった
己が強い冷気を発しているのだという自覚もあまりない様子だ
このように辺りに冷気が漏れているせいか、辺りに他に人影は見えない
別の通路を通るべきか、とゴルディアン・ノットが考えだした、その時
「あーっ!メルセデス司祭様、駄目っすよ。冷気、思いっきりダダ漏れ状態っす!」
後方から、そんな声がした
振り返ると、ぱたぱたと少年が駆け寄ってきていた
ゴルディアン・ノット……にではなく、レイキの発生源たる男、メルセデスにだ
少年の姿は見覚えが合った、と言うよりつい先程までいた治療室で見た顔だ
ぱたぱたと忙しく「先生」の手伝いをしていたうちの一人で、「先生」から「休もう?君がばらまいた羽で十分治療できるから君はもう休もう??」と何度か言われていた……確か、憐とか呼ばれていたか
憐の背後、もう一人同じ年頃の少年が居て、駆け出した憐のあとを追いかけてきている
メルセデスは憐に声をかけられた事に気づいたようで、顔を上げ………冷気が、弱まっていく
「もう。考え事してる時に冷気ダダ漏れになるの悪い癖っすよ」
「別に、このふざけた催し物の参加者ならこの程度平気だろ」
「戦闘向きじゃねー人もいるっすし、冷気が弱点な人もいるだろうから、っめ、っす」
自分より有に頭一つ以上大きい上、正体を隠す必要もないからか悪魔独特の威圧感を放つメルセデス相手に、慣れているのか恐れた様子もなく注意をしている
…もっとも、憐のような少年の注意等、メルセデスは意に介していないようだが
その事実は憐も理解しているようで、むぅー、と少し困ったような顔をしてこう続ける
「……カイザー司祭様も、気をつけるように、って言ってたでしょう」
「っち」
あからさまな舌打ちをして、漏れ出していた冷気が完全に止まった
契約者の名前なのだろうか。流石にそれを出されると従わざるをえないのだろう
メルセデスは、ゴルディアン・ノットや憐の後から駆けてきた少年にも気づいたようで、この場を立ち去ろうとし
「あぁ、そうだ、憐」
「何っす?」
「………「見つけた」からな」
ぴくり、と
一瞬、憐の表情が強張った様子を、ゴルディアン・ノットは確かに見た
メルセデスはそのまま、すたすたとどこかへと立ち去っていってしまう
「憐君、どうしたの?急に走り出して……」
「あ、えーっと。なんでもないっすよ、すずっち。問題は解決したんで」
追いついてきた少年に、へらっ、と笑いながら答える憐
そうして、ゴルディアン・ノットにも視線を向けて
「んっと、メルセデス司祭の冷気の影響、受けてないっす?凍傷とかの問題なさげっす?」
と、心配そうに問いかけてきた
「あぁ。特に問題ハない」
「そっか、ならいいんすけど………じゃ、すずっちー、観客席戻る前に、何か屋台で買っていこう。死人の屋台以外で。死人の屋台以外で」
「大事な事だから2回言ったんだね……って、死人の屋台?」
ぱたぱたと、少年二人は立ち去っていく
憐の方は少しふらついているようにも見えたが、とりあえずは大丈夫なのだろうか
……あのへらりとした笑みに、一瞬強張った瞬間の、感情を一切感じさせない表情の影は、なかった
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