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亡国の逃亡姫

44名無しのごんべへ:2019/07/21(日) 00:02:42 ID:TCCyLj1w0
「産まれたくないのかな…この子。私をこんなに苦しくして…痛くして…父親が居ない世界には産まれたくないって…」

息を整えながら、水分を口にしながらそんな事を思わず口にするアンジュリーゼ。

「弱気なことを言うんじゃないよぉ。アンジュリーゼさんを苦しくしてるのも、痛くしてるのも産まれたがってるから。
大体、産まれたくないならそういう行為をしたときに出来てなんかいないよぉ?」

優しく、それでいて強く、マリーはそう断言する。

「でしたら…良いのですが…んぁっ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

短く、激しくなる陣痛の荒波。股を閉じたくなるほどの股関節の痛み。
瞳を潤ませながら、必死にアンジュリーゼは息みを続ける。

その甲斐があってか、それから何回かの息みにより、頭頂部が少しずつ姿を現し始めていた。


「…これはやっぱりおかしくないか…?」
一方その頃、順調に進むナタリーの出産の様子を見ながらアルカは胎児の様子に違和感を持った。

「んぁっ、ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛っ…はぁ、はぁ…どうし、たの」
陣痛の波が収まったのか、息みをやめ息を整えながらナタリーが尋ねた。

「普通の子供ってのは頭から産まれるんだろ?
白いものに包まれたまま産まれそう…ってのは違和感がある。
…素人の俺じゃ判断できない。辛そうなところ悪いが、マリーさんに聞いてくる」

そう言って背を向け行こうとするアルカの手首を、強い力で握るナタリー。

「…アンジュリーゼ様には、アンジュリーゼ様にはくれぐれも心配をかけないよう…ん゛っ、ああ゛あ゛ァァァ!」

主人であるアンジュリーゼを不安にさせたくない。
そんな思いから握ったようだ。

「心配すんな。マリーさんに原因と対処法を聞いて、俺が対処法を出来るならやってみせるさ。
もちろんお前のご主人様には心配かけずにな」

そう話しまアルカは、息みを加えるために手首を力強く握っているナタリーの指をゆっくりと外し、早足でマリーとアンジュリーゼの元へ向かったのだった。


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