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703言理の妖精語りて曰く、:2008/05/27(火) 04:17:06
叫びの剣は斬るたびに耳をつんざく絶叫を上げ、数多の戦場を恐慌で満たした。
嘆きの剣は斬るたびに激しく震えて慟哭し、数多の戦場を悲嘆で満たした。
二つの剣が斬り会うと、渦巻く不協和音は奇妙な力場を形成し、数刻の間、
異界への門を開いた。

3体の《のっぺりしたティドロソフ》が現れると、人の子は戦争を忘れて逃げ出した。
のっぺりしたティドロソフは、白く、光沢が無く、触れると硬く、浮いており、
そしてとにかく巨大であった。生物だったのかは、わからないとされる。
あらゆる武器と魔法が効かなかったので、人の子はそれがどいてくれるまで、戦争を
中断するしかなかったという。

彼らはゆっくりと――ひと月ほどかけて――上に向かって移動し、雲の中へと消えていった。

今でもときどき、雲の間にのっぺりしたティドロソフを見たと言い張る者がいるが、
それが嘘か誠かを判断するすべはないとされる。




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