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ゲーセン題材にしたエロゲないよな?PART3

1名無しさん:2008/06/06(金) 23:26:22
過去スレ

ゲーセン題材にしたエロゲないよな?
ttp://jbbs.livedoor.jp/game/28897/storage/1203343539.html
ゲーセン題材にしたエロゲないよな?PART2
ttp://jbbs.livedoor.jp/game/28897/storage/1206281458.html

2名無しさん:2008/06/06(金) 23:27:03

夢ってなんだと思いますか?

人の夢と書いて「儚い」だなんて何かのゲームキャラが言っていたけど
夢という字はそれそのものが逆さ睫毛の生えた目が夜の闇に覆われた様

―――だからきっと、夢が夢である限り、何時かは覚めてしまう美しくも儚い幻なんでしょう。

3名無しさん:2008/06/06(金) 23:27:35

或る日の水曜日、時刻は既に日暮れ時の中、街灯が灯る船橋の町を逸る足を抑えようともせず早足で歩いていく。

―――俺の名前、ゲーセンで名乗っているハンドルネームはNSという
この間大学に入るにあたって千葉県の習志野市―――この船橋に引っ越してきたばかりだ。
これから趣味である格闘ゲーム『ギルティギアXXAC』をやるためにある場所に向かっている。

商店街に入ると、すぐに目的地である少し古びた感じのゲームセンターが目に入ってきた。
『ゲームフジ船橋』このゲーセンが船橋に来てからの俺の新しい行きつけの―――所謂ホームゲーセンというやつだ、早速入り口に駐輪してある自転車の間を縫って入り口に入るという早くも既に板に付いた動作をこなす。

そこからすぐにフロアの中央から堂々と二階に向けて伸びる階段を上り、二階の一隅に有る3セットの筐体の方へと赴く
するとそこで筐体から少し離れて喋りあっているのはやたらに人目を引く長身の長い黒髪の女性と豪快な笑い声を上げる恰幅の良い角刈りの男性、二人は俺の接近に気付くと一旦話を中断してこちらを向いた。

「よお!」

片手を上げて鼓膜に響く大声で挨拶した男性はおざわと言う、常に豪快な大笑いしている、まるで山男みたいなスレイヤー使いだ。
対照的に水面のように静かな微笑をたたえた女性の方は俺はよっしーと呼んでいるが他の人からはメタルダーとか渋川とか呼ばれていたりもする、膨大な知識と精密な操作精度を持つ人でエディ使いにして色んなキャラをサブに持つ多キャラ使いだ。

右の筐体の方に目を移すと、少し暗い赤色のカラーをしたイノが映っている画面の前の椅子に座っている人の後ろで黒づくめの男装をした麗人が怜悧でありながら嘲弄するような笑みを浮かべて

「てんさん死なないでー」

などと、椅子に座ってコンパネと奮闘している帽子を被った眼鏡の女性―――てんさんに呼ばわっている。
某漫画の天さんがこの台詞の直後に死んでしまう、というのを承知の上で言っているのが男装の彼女―――バベさんらしい所だ。

所々コンボをミスって泥沼になりつつも必死にフォローするてんさんの隣に座り、黄色いソルが連勝中の筐体に50円を投入しながら軽く声を掛ける。

「やっ、てんさん」

「やっ、NS……やばっ、またミスった!」

慌てるてんさんを横目に苦笑いしながらスタートボタンを押し、迷わずメインキャラである聖騎士団ソルを選択すると反対側から聞こえていた話し声が止み、筐体越しに見覚えのある茶髪の男がひょっこり顔を出した。

「おい、NSじゃねーか!」

男はMKという、やっぱりかとでも言いたげな響きを込めつつ明るいよく通る声を上げた。

「このソル、MKの知り合いなのか?」

「電脳だよ」

聞き覚えの有る名前を耳にし、ああと納得しながら引き続き対戦を継続する。

電脳さんのソルはコンボこそ今一つ安いがサブキャラの割に立ち回りは中々堂に入っている。
ソルを倒すと向こうの台からにこやかに向かってくる眼鏡の女性が電脳さんだ。

「あはは……やっぱり私ってば不器用ですから、渋川さんみたいに上手くはいきませんねー」

「でも立ち回りは中々上手かったよ」

率直に述べると電脳さんの目が俺を見ず、まるで明後日の方向を見ていることに気付いた。
視線の先を探ると、何時の間にやら階段の方から二人の少女が姿を現している。

「いさ!」

電脳さんが片方の少女に向かって晴れ晴れした笑顔で呼び掛ける。

「キシタカがさー、ポケモンに熱中してた上にラルクの新曲買いに行くとか言いだして遅くなっちゃった」

「いさが補習で遅くなっちゃったからじゃない!」

言い合う二人を皆が微笑ましい視線で見守る―――こんな風景が俺の新たな環境である船橋フジの日常の一コマだ。

4名無しさん:2008/06/06(金) 23:29:50

「……おや、もうこんな時間ですか」

少し経つとよっしーが時計を見つめながら、事前に用意でもしていたかのような台詞を呟く。

「今日はお先に失礼します」

そう言って身を翻し、階段の方に向かって淡々と歩を進めるよっしーの背を見つめていると、いさがその場にいる皆に唐突に疑問を投げ掛けた。

「ねぇ、そういえば渋川って普段何やってるか知ってる?」

ある者は黙って首を横に振り、ある者は「いや」と皆が一様に否定を表す。

「だよね?それにあの人の家に行った事ある人いる?」

再び先程と大差無い反応が返ってくるのを見て

「結構謎だらけだよねー」

と、それに皆が頷くのを確認してから、悪戯好きの子供みたいな表情を隠そうともせずに声をひそめつつ

「…ね、後つけてみない?」

その提案に真っ先に反応したのはMKだ。

「面白そうだな、俺は乗ったぜ!」

そんな乗り気のMKに対し、てんさんが堂々と待ったを掛ける。

「あたしは反対よ、そんな探るようなマネは好かないわ」

「てんさん、そんな格好付けると死亡フラグ立っちゃうよ?」

揶揄するように口を挟んだバベさんに対し、てんさんが少しムッとした感じで「じゃあ、バベさんはどうするの?」と問い返すと

「あたしは面倒だからいーや」

心の底から関心なさげに答えながら、話を打ち切るようにポケットから煙草を取り出し始めた。

「俺もいいよ」

おざわもあっさり断ったのを見て、いさはやきもきしだした様子でいまだ返答の無い皆に声を掛けだした。

「電脳さん、行こうよ!」

「確かに少し興味有るかも…うー……でも、やっぱりよくないわ」


頼みの綱の電脳さんにまで断られたのがよほど意外だったのか

「ちぇー、電脳さんの癖にノリ悪ーい」

そう言うと、今度は不貞腐れた顔でキシタカに目を向ける。

「わたしはどうしよ、確かに気になるよね…」

考え込むキシタカを「じゃ、行こ!」とやや強引に引っ張りこみながら、とうとう俺に目を向けた。

「NSはどうする?」



A後をつける。
Bフジに残る。

5名無しさん:2008/06/06(金) 23:30:29

―――昼には春の兆しこそ有れ、夜風はまだまだ寒さの残る船橋の町の大通りを
長い黒髪を風になびかせながら、一定の歩調を維持したまま淡々と歩み続けるコートを羽織った長身の女性の姿は大いに目立つ。

―――よっしーの姿を目で追いながら、沿道の店先を遮蔽物にして身を隠しつつ
いさ、キシタカ、MKの3人と体を寄せ合って窮屈な体勢で尾行を続ける。

「さーてっと……謎の女、渋川の正体が今日こそ明らかになるのよ」

ワクワクと擬音が聞こえてきそうな程にいさは本当に楽しそう。

「よっしーについては、皆どのくらい知ってるんだ?」

俺の質問にいさは「さあ?」とばかりに両手を広げながら

「全然、だって何聞いてもはぐらかされるし」

「誕生日も…何才かも分かんないね」

いさとキシタカの答えを聞いたMKが腕組みしながら思い出して言うには

「確か、さんまの話ではゼクスからやってるはず…」

その言葉にいさとキシタカが「ええっ!」と露骨に驚きを見せる。

「うっそ!若すぎない!?
 見た感じどう見ても10代後半か20位じゃ…」

そんないさの言い分には流石に「お前が言うな」と突っ込みたくなったが、続くキシタカの疑問で遮られた。

「一体、何してる人なんだろーね?」



A豪邸住まいの良家のお嬢様だとか!
B貧乏アパート住まいの風俗嬢だったりして…
C中国人マフィアという線も有り得る。

6名無しさん:2008/06/06(金) 23:31:03

「豪邸住まいの良家のお嬢様だとか!」

「でも、そうだったら隠す必要は無いんじゃないの?」

キシタカの出した疑問を聞いて、いさがチッチッと指を振りながら得意げな顔をしてみせる。

「甘いわねキッシー、本当にお嬢だったら遠征費とか奢ってもらい放題じゃない!」

「おおっ!それいいな!」

「お前ら…」

ノリノリで皮算用をしだしたいさとMKに呆れていると、真面目な顔で考え込んでいたキシタカが少し深刻さを帯びた声で

「ねぇ…お嬢様はお嬢様でも、和風の屋敷に強面の兄さんが並んで
 『お嬢さん!お帰りなさいませ!』
 とか言ってたり……しないよね?」

「あっはっは!何よキッシー、そんなワケ………」

言い掛けた途中で、難しい顔をして笑いを止めたいさの続きをMKが付け足す。

「………無いとも言いきれないよな」

うーん、と皆で長考していると、何かに店先の照明が遮られ、スッと黒い影が伸びる。

「なかなか面白そうなお話ですね、私も混ぜて頂けないでしょうか?」

突然の衝撃にドキッと心音が跳ね上がる。
その声の主は見て確認するまでもない、いつの間に近付いていたのか、俺達を上から見下す形で立っている影の主―――よっしーの声が確かに耳に入った。

「えーーと、バレてた?」

あはは、と気まずそうに苦笑するいさに呆れた顔で応じる。

「寧ろそんな大騒ぎしながら尾行のつもりですか、貴方達は」

「…ちなみにどの辺から聞いてた?」

「NSさんが私が実は令嬢じゃないかとか言いだした辺りからですね」

やや怯えた様子のキシタカの質問に答えながら、ちらっと俺に視線を送り

「まったくNSさんの想像力……と言いますか、妄想力も大したものですね」

呆れ顔でこそあるが、ただ、どことなく満更でもなさそうな様子に見える。

「それとキシタカさんも、なかなか愉快な発想ですね」

キシタカはまさしく蛇に睨まれたカエルとでも言うべきか、冷や汗を垂らしながら硬直している。

「さあ、それより馬鹿な真似はさっさと止めて、戻っては如何ですか?」

「ちょっと位教えてくれてもいいじゃない!あたし達の事は色々知ってるんだからさー」

「私は教えて欲しいと頼んだ覚えはありませんよ?
 知られたくない事なら、言わなければ良いだけの事です」

いさの最後の食い下がりも、そう言って軽くあしらわれてしまった。

「……ちぇっ!しょうがないしフジに戻ろー」

渋々進行方向を変えたいさに伴われてフジに向かい歩みを進めながら、ふと振り返ってよっしーを見る。

―――こちらを見つめる彼女の目はまるで深海のよう
とても深く、冷たく、それでいて何処か悲しいものに見えた。

7名無しさん:2008/06/06(金) 23:31:43

―――これは夢だ。



そう知覚しながら見る事の出来る夢というのも、そうそう無いだろう。
夢の中の煙草の臭いがしないフジの2階に立ちながら、私はそんな事を考えていた。

内装を確認する迄も無い、だって目前に稼動しているギルティは青リロで、対戦している顔触れも懐かしい人ばかり
この風景は多分ランバトが終わった後だろうか?

あそこで対戦しているのはミリアとブリジット―――カラーと動きを見ると、マツさんとゆきのせさんだろう。

隣でサブキャラ対戦をしているのはkaqnさんとコイチさんか
コイチさんのサブはどうせ勝てないんだから、さっさとメインのミリアを使えば良いのに。

その隣の赤いヴェノムはもぐらさんだろうか?
今度コンボムービーの手伝いをしてあげないと―――ああ、そういえばこれは夢なんだったっけ。

油断すると夢である事さえ忘れそうになってしまう、楽しくも懐かしい過去の夢の中
ポンッと軽く肩を叩く感触に気付いた。

これには覚えがある、この人はきっと―――

「貴方は―――――」

振り向きかけた、その刹那

「―――貴方は誰?」

反響する自分の声に驚き、はっと目を覚ました。



―――どうにも目覚めが悪い、枕元の時計を見ると時刻はまだ深夜の2時だ。

『貴方は誰?』

―――その問いに、かっての何者でもなかった私はなんと答えただろう?
…今の私はなんと答えるんだろう?

モザイクか?
メタルダーか?
渋川か?
杉崎か?

―――どれにせよ些末な事だ。
その名のどれにも此処に居る『私』は居ないんだから。

再び布団を被って、再度眠りに落ちようと強く目を閉じる―――けど凄く、寝苦しい

―――今夜は、このまま寝付けないかもしれない。

8名無しさん:2008/06/06(金) 23:32:31

大学の講義を終えると、弾けんばかりの勢いをもって外に飛び出した。

一昨日、あれからフジに戻った後
てんさんが言うには、さんまさんという聖ソル使いが関西から帰ってくるらしく、八幡で大会ついでに対戦する事になっているらしい
他のみんなも来るようだったので楽しみだ。


―――しかし、駅前まで来たところで一つ問題が発生した。
てんさんは当然知ってるものと思っていたんだろうが、よく考えたら『八幡』って地名以外俺は何も聞いてない
それに考えてみると、千葉に引っ越してきてから船橋から外に出るのは初めてだ。

『船橋駅』というのは京成線の通る京成船橋駅と総武本線の通っているJR船橋駅の二つが在る。
二つの駅の距離はほど近く、構内からビルと陸橋を挟んで繋がっている。

路線図で軽く調べてみたところ、八幡という駅は京成八幡駅とJRの本八幡駅の二つが在る。



AJRかな?
B京成だな!
Cここは落ち着いて、○○と連絡をとろう。

9名無しさん:2008/06/06(金) 23:32:57

電脳さんと連絡をとろう、全く場所が分からないままフラフラする訳にもいかないだろう。
早速携帯電話をポケットから取り出し、慣れない動作ながらもなんとか電話帳から電脳さんの番号を見つけだした。

「―――もしもし、電脳さん」

「NSさん?どうかしましたか?」

電話の向こうからはピロピロとやや大きめの電子音が聞こえている。
多分既に目的地のゲーセンに着いていて電話の為に外に出た、といった所だろうか。

「今日八幡で対戦するって聞いたけど何処のゲーセンでやるのかな?」

俺の質問は相当意外なものだったんだろうか?
一瞬間が空いてから「えっ!?」と素っ頓狂な声を上げるのが聞こえた。

「知らなかったんですか?
 分かりました、じゃあ案内しますよ
 とりあえずJRに乗って本八幡まで来てください」



―――電脳さんの指示通りにJR船橋駅から電車に乗って、本八幡に到着した。
改札を出て周囲を見回すと同じくキョロキョロ改札から出てくる人々を吟味している眼鏡の女性の姿が目に入る。
その人の後ろから接近し、ちょいちょいと指先で背中を突つくとビクッと小さく跳ね上がりながら「ひゃっ!」と意外な程に子供っぽい声を上げた。

「NSさんですか!もー、ビックリしましたよー」

寧ろ驚いたのはこっちの方だ。
けど先に声を掛けなかった俺が悪い、「ゴメン」と軽く頭を下げつつ謝意を示す。

「じゃ、案内します
 エースってゲーセンでここからすぐそこです」

南口の出口へと向かう電脳さんを追う形で歩きだす。

「他のみんなはもう来てるの?」

「バベさんとメタさん以外は来てます、今はいさのエディが連勝してますよ」

そこから徐々に話はいさの事に移っていった。

「いさってばすっごい可愛いんですよ!萌え萌えなんですよ!」

眼鏡の下のつぶらな目を輝かせながら熱弁を振るう電脳さんは本当に生き生きして見える。

「前にロッテリアで何を間違えたんだか『スマイルマックバーガーください!』とか言っちゃって恥ずかしがってる時のいさとか
 青リロの頃にカイに負けちゃって凄い悔しそうに言い訳してるいさとかもう絶品で」

幸せそうに止めどもなく喋り続けるのを見ていると、つい言わざるをえまい。

「電脳さんってば…本当にいさが大好きなんだなぁ」

「それはもう!私が男だったら嫁に貰うどころか婿になっても良い位です」

間髪入れずに即答してから、何かに気付いたようにポンッと手を叩きながら

「………はっ!いっその事、いさが男で私がお嫁さんっていうのもアリかも」

………しかし駅前のど真ん中でそういう話題でこんなにエキサイトされても正直な話居場所に困る。

「両方男だったらどうするのさ?」

冷や水を浴びせる気で言ったつもりだったが、電脳さんは至極真面目な表情で考え込んでから

「………そ、それはそれで…!」

などと力強く答えた。
………初めて会った時から親しみやすい人だとは思っていたが、親しくなった代わりにどんどん残念な人になっちゃった気がしてならない。

「闘劇はやっぱりいさと出るの?」

初めて土曜フジに行った時に聞いた全国大会の名前を持ち出すと
ピタリと周囲の空気が止まったような感覚の後「………いえ」とトーンを落とした暗い声で呟いた。

「えーっと、私が弱いからしょうがないんです!」

深刻そうな雰囲気を消し飛ばすようにすぐに明るい笑顔に戻って、声を励ましつつフォローする。

「それより着きましたよー、ここです!」

クレーンゲームの台が並ぶ中に目的地である『ゲームエース南八幡』の入り口が見えた。

10名無しさん:2008/06/06(金) 23:34:27

対戦格闘ゲームが上の方の階に置いてある、というのは一種の定例なんだろうか?
最上階である3階まで上った所で、大会前の所為かやたらと沢山の人が居る一角の中に二つのギルティの筐体が在るのを確認した。


2台連なっている内の片方を見ると、なるほど確かにいさのエディが連勝中だ。
片一方の筐体では暗緑色の聖ソルとてんさんのイノの対戦が展開されている。

―――この聖ソル上手い、コンボの重さといい連係の幅広さといい、一つ一つの動きが理に適って意図がはっきりしている。

何やらおざわと大声で喋りながら、イノを倒して対戦を終えた聖ソル使いの女性に電脳さんが親しげに近付いていく。

「さんまさん、この人が例のNSさんですよ」

電脳さんが俺の腕を軽く引っ張り寄せながら紹介する。
聖ソル使いの女人は俺より見るからに年上ではあったが全身から漲るような若々しさと活力が有り、童女のように愛嬌の有る笑い方をする。
…この人がさんまか。

「へぇ、私の弟子になりたいっていうのはあんた?」

―――開口一番
…この人はいきなり何を言いだすのか?

「…いや、弟子とは言ってませんよ?」

「よーし、分かったわ!さんまズブートキャンプ入隊試験!
 まずはこのエディを倒してみせなさい!」

そう宣言するや否や隣の筐体で連勝中のいさのエディを指し示す。
人の話を聞いてるのだろうか?そもそも入隊試験がいさのエディってどうだろう?

―――まぁしょうがない……入るか。



―――そして案の定負けた……と言うより処理された。
…エディだ、キャラもプレイヤーもあまりにもエディ過ぎる。

「NSよっわーい!」

明るい声で煽ってくるいさが非常に憎らしい

「すいません、負けました」

入隊試験は失格か、と思いつつ声を掛けるとさんまさんはアッハッハと大笑いしながら

「気にしないで!私も全然勝てないから!」

そう白い歯を見せながらの眩しい笑顔で言い放った。

「……だが、しかし!甘い、甘過ぎるわ!
 今のあんたは言うならばMAXコーヒーね、もっとビターにならなければACは生き残れないわ!」

MAXコーヒーと言うのはこの辺りでは一般的に売ってるやたらと甘い缶コーヒーだ
変な言い方だが、言わんとする所は伝わった。

「具体的に言うとまずコンボが安すぎる!スーパーNS聖ソルは常時大特価セール期間中ですか?って位よ」

このお姉さんの冗談めかした物言いはそこそこ辛辣では有るはずだが不思議と全く不快では無かった。
こういう愛嬌っていうのはきっと天性のものなんだろう。

「それに反応と選択肢の使い分けの嗅覚は大したものだけど、引き出しが少なすぎるわね
 例えば―――――」

そこまで言った所で言葉を切って、俺の背後の階段の方に視線を向ける。
つられて振り向くと、俺も気が付かない内にバベさんとよっしーが来ていたようだ。

「へぇ、久々じゃない?」

バベさんはさんまさんに向けて、平素の彼女よりも少し柔らかめに見える微笑で笑いかけた。

「うおおお!バベじゃん!すっごい久しぶり!」

さんまさんは椅子を立ち、今にも抱きつかんばかりの勢いで熱烈に歓迎している。

「そんなに久しぶりなんですか?」

思わず洩らした疑問に、さんまさんは大きく首を縦に振りながら

「そうよ、かっては二人でモアの双龍と呼ばれた仲で……」

「モアでは二人して一生ネモられてた覚えしかないんだけど
 勝手に変な称号付けないでくれる? 禿、げ、朕」

バベさんお得意の毒舌を食らっても実に慣れた様子で笑い飛ばしている。

「もう!バベってば相変わらずツンデレなんだからー!」

「生きてるうちにデレが見つけられるように頑張れよ」

言い捨てたバベさんから苦笑して目を外しつつ、よっしーの方に視線を移した。

「やっ、よっしーも元気してた?」

よっしーは「ええ」と軽く頷いて早々に話を打ち切ると、さっさと離れていってしまった。

別にさんまさんが苦手という訳ではないんだろう、彼女はフジで見ていてもたまにこんな所がある。
髪の長さから俯いていると顔が半分隠れてしまう、その黒髪の間から覗く目を伏せて寂しげに独りたたずむ姿は俺でなくとも誰もが声を掛けるのが憚られるように映った。

11名無しさん:2008/06/06(金) 23:34:55

時刻はもう夕刻になった頃だろうか。
さんまさんの聖ソル話を聞いていると、てんさんが心配そうに周囲を見渡しているのが目に入った。

「これからランバトのつもりだったけど、人が多過ぎるわね」

確かに、見る限り結構な人数が集まっている。

「あたし前にここで働いてた事もあったし、店員さんに話しつけてランダム3on3のチーム戦にしてもらえるように言ってみようか?」

その話を聞いて、不満げな顔をしたいさが割って入る。

「ランダム3on?それ位なら宝島でも行って対戦しようよ、大会よりそっちの方が数できるし」

「地元勢としては大会が賑わってくれた方が嬉しいんだけどね、NSはどう思う?」

てんさんが手近に居た俺に意見を求めてきた。



Aランダムチーム戦にしてもらおう。
Bいや、いつも通りランバトをやるべきだ。
C別なゲーセンで早く対戦の続きをしよう。

12名無しさん:2008/06/06(金) 23:35:41

確かに、この人数なら3on3の方が効率が良いはずだ、大会も楽しみだし
是非ともやってもらいたいというのが偽らざる本音だろう。

「ランダム3onやりましょう」

それを聞いたてんさんは我が意を得たり、とばかりに笑みを浮かべて

「そーよねー、じゃあ早速言ってみるわ」

と大会の準備を始めようとしている店員に声を掛けに行った。


てんさんの提案はすんなりと通ったようだ。
いさも少し不満は有れど納得してくれたらしい。

早々にエントリーを終えて、チームの決定を待つ
大会の形式は少々特殊で3チームによるリーグ戦を四つ行い、一位の4チームがトーナメントに進出する、というものだ。
一回負けたらすぐ終わり、という事の無いように配慮されているらしい。

しばらく待つと、いよいよチーム及び組み合わせが発表された。

俺の相方は―――と、見ればキシタカにeleven shadowという医者使いらしい、見事に強キャラのいないチーム構成だ。
エディは誰が止めようか、いさかよっしーと当たったらどうしよう、とか思いつつ組み合わせの表を見てみると、同じリーグに知り合いの名前が無いのが確認できた。

「eleven shadowさんってのはどの人?」

店員に混じって準備を手伝っているてんさんに尋ねると

「向こうに居るよ…ほら、こっち来た」

そう言われて、てんさんの視線に合わせて振り向くと同時に「ハーイ」と明るく声を掛けて来たのは、驚いた事に背丈こそ並だが金髪碧眼のスタイルの良い外人の女性だった。

「アナタガNSサンデスカ?ヨロシクオネガイシマース!」

愛想の良い陽気な笑顔と発音こそおかしいが十分に上手な日本語に少し驚かされる。

「えーと、イレブンシャドー……さんですか?」

「NONO!elfen!!」

「エ…エレブン?エルフェン?」

「OKOK!」

グッと親指を立てる彼女にどう話を続けるべきか分からずに困惑していると
組み合わせの表を確認しているキシタカの姿が目に入った。

「なあ、キシタカ、俺らの相方さ…」

「外人医者でしょ?話した事無いけど、知ってるわよ」

俺に対してつっけんどんにそう言ってから、キシタカはエルフェンさん?に「よろしく」と少し挨拶しただけでさっさと身内の方に行ってしまった。
…なんともまぁ、早くもチームの結束に不安が残る所だ。

13名無しさん:2008/06/06(金) 23:36:09

さてと、俺達は最初のリーグだからすぐに試合だ。

最初の試合、先鋒は俺が出て3タテを達成した。
以前に船橋の皆はこの業界では有名なんだと聞いてはいたが、確かにこうして比べてみると、ここの対戦相手は心なしか楽に感じる。

続いての試合で「ワタシ、サキニデタイデス」とエルフェンさんが言いだした。
キシタカに目を向けて対応を伺うと、彼女はコクリと黙って頷いた―――了承したようだし、この人の強さはよく分からないが任せてみてもいいかもしれない。

そしてエルフェンさんは驚いた事に普通に強い、多少割り切ってリターン重視の荒いところもあるが、状況判断も対策もかなりのものだ。

外人女性が筐体に向かってレバーを動かしボタンを押して操作をこなす姿は、普段見慣れないものな所為か見ていて不思議な嬉しさが込み上げてくる。

キシタカは例によって、小さい女の子には少しばかり不似合いな、睨むような難しい顔をしながら黙って試合を見ている。

結果再び3タテ、全勝で文句無しの決勝トーナメント進出を決めた。

14名無しさん:2008/06/06(金) 23:36:38

……のは良いが、相変わらずキシタカは試合が終わるなりいさ達の方に行ってしまった。
手近に居た電脳さんに

「なぁ電脳さん、キシタカはなんで外人医者の人避けてるんだ?」

と尋ねると「うーん」と少し言いづらそうに苦笑いしながら

「もともとキッシーちょっと人見知りですし
 前にあの医者の人に負けた動画が流れて、その所為で大分からかわれたのを根に持ってるのかも…」

―――あいつは子供かと言ってやりたいが、実際子供なんだから仕方ない。
電脳さんとの会話が終わったと共に、エルフェンさんがニコニコと朗らかに笑って近くに寄って来た。

「ハイ!NSサン、ワタシノシアイノウゴキ、ドウオモイマスカ?」

「普通に強いと思うよ、びっくりした」

「OH!Thankyou!」

「エルフェンさんってアメリカ人なの?」

「YES!Chicagoニスンデマシタ」

話している内にふと気付いた。
そういえば今日、彼女が俺以外の人と話しているのを見ていない
それを想うと、なんだか勿体ないというか、なんともいえない感覚に襲われた。

例えば、俺がフジのみんなと知り合う事が無かったとしたら、今こんなに楽しかっただろうか?
だってわざわざシカゴから日本に来て、折角このゲームをやってるんだから
お節介かもしれないけど、もっと楽しんで欲しいような気がしてきた。

「エルフェンさん……ちょっと、こっち来て」

軽く彼女の腕を掴んで引っ張り寄せたまま、いさ達の話している前に出た。

「どしたの?NS?」

しかし、そこまで来て今更のように気付いた。
………どうしよう?と言うか何て言おう?
何となく連れてきちゃったが、幼稚園じゃあるまいし「この子も仲間に入れてあげて」じゃないだろうし………

15名無しさん:2008/06/06(金) 23:37:01

悩んでいると、何時の間にやら集団から前に出ていたキシタカが、おもむろにエルフェンさんを前に押し出しながら

「わたしとNS、今回この人と組んでるんだ」

そう言うと「へぇー」と皆が興味を持って寄り集まってきた。
と、その中からMKが

「待てよ、お前ら英語いけるのか?」

「あたしがやってみるわ!」

高らかに宣言しつつ、いさが一歩前に進み出る。

「えっとアイ…イズイサ!ユーズ…ソルアンドエディ」

どう?と感想を求めるかのように振り返ったいさを皆が憐れむような目で見ている。
その中でも電脳さんは「ええと…」と言葉を詰まらせながら

「私はいさのそういう所、凄く可愛いと思うけど……まだ遅くないから勉強した方が………」

ムッとした顔で何か言い返そうとしたいさを制しながら

「どきなさい、いさ」

さんまさんがいかにも自信有りげに前に出る。

「言葉なんてのはね、細かい事気にせずに魂で伝えるものなのよ!」

そう主張しながら堂々とエルフェンさんと正面から対峙した。

「ワタシの、ネームは、さんまデス」

身振りで自分を指しながら、なんとも堂々と一言ずつハッキリ区切って発声していく

「ノットアカシヤ!ドゥーユーアンダスタン?オーケー?」

………俺が思うに、この人の変な言い回しってのは単に考える前に喋った結果なんじゃなかろうか?
てんさんから初めて名前を聞いた時の『理論派聖ソル使い』で頭の中に構築されたイメージが、今はあまりにも遠い。

「OKOK!Year!」

さんまさんの自己紹介は意外にもエルフェンさんには大いに好評の様子だ。

「イエス!やっぱ魂で伝わるもんでしょ!」


喜ぶさんまさんに湧く一同、その中から

「…ねぇ、外人医者って日本語喋れるんじゃないっけ?」

突如放たれたキシタカの一言は時間を止めたかのように皆の動きを静止させた。
漸く口を開いたMK曰く

「キシタカのKY発言についてお前らの意見が聞きたい」

「さっすがkstkよねー」

いさを初め、皆が「これだからkstkは」と言い募る中でキシタカの顔が軽い赤みを帯びていく

「………当たり前の事言ったのに、KY呼ばわりって何よソレ」

ぶつぶつ文句を言うキシタカにあっはっはと笑い声を上げた一同の中から、エルフェンさんが

「キシタカチャン、トーナメントヨロシクネ」

キシタカは笑い者にされてあまり機嫌が良くないのか、ぶすっと不貞腐れた表情で

「…ちゃんとか言わないでよ」

「Sorry!ヨロシクオネガイシマス、キシタカサン」

そう訂正を加えたエルフェンさんに、少し表情を緩めて無言で頷くキシタカの姿は、なんだかとても微笑ましく感じた。

16名無しさん:2008/06/06(金) 23:37:39

いよいよ決勝トーナメントが開始された。

俺達はまた初戦から出番だ。
相手はさんまさん、てんさん、よっしー………ちょっとクジ偏り過ぎなんじゃないだろうかと思うようなチームだ。

じゃんけんで勝ち、後決めを選択して
相手側の先鋒てんさんに対して、こちらは迷わずキシタカを出す。

すると、対戦が始まると共に後ろの観衆から前に出て来たいさが応援を始めた。

「キシタカ頑張れー!kstk!kstk!」

実に生き生きと楽しそうに、チームメイトである俺達より大きな声を張り上げる。

「グランドキシタカ!」

「ヴォルカニックキシタカー!」

……いや、と言うか応援しているのか煽ってるのか、よく分からない。

そんな中でも、キシタカは真面目そのものの真剣な表情で画面と向き合って黙々と操作を続ける。
少し危ない場面も多かったものの、最後はヴォルカが狂言と噛み合って僅差でキシタカが勝ちを拾った。


続いて中堅にさんまさんの聖ソルが出てきた。
やはり上手い、コンボが重く、対策や連係を見ていると芸が細かい、と思わず感心させられる。

結局終始流れに乗った、さんまさんの勝ち―――さて


Aここで俺が出る!
Bエルフェンさん頼む。

17名無しさん:2008/06/06(金) 23:38:04

ここはやはり、有利キャラの医者を当てるべきだろう。

「エルフェンさん、頼む」

「OK!マカセテクダサイ」


―――強気に牽制を振り回して接近を阻むエルフェンさんの医者に、丁寧な立ち回りの中に随所でチャージでLVを上げてからのぶっぱなしでプレッシャーを掛けるさんまさんの聖ソル。
双方の対策のぶつけ合いの末、さんまさんの聖ソルがJ攻撃から触れる事に成功して、ダッシュから小技とCCを多用して刻む強気な固めに移る。

それを見て、第三者の視点だからだろうか?
不思議な違和感を感じた。

なんとなく直観的に『ここでエルフェンさんは暴れちゃうだろうな』と思うと同時に『ここで暴れちゃ駄目だ』と
そう思った直後に、小技を読んだと思しきドリル暴れにダッシュからのガンブレがCHした。

そうして、続いて俺の出番か、同キャラとはまた微妙な組み合わせになったなぁ…

同キャラ戦においては差し合いが通常と異なり『どの距離』で『どの技』を振るかより『どのタイミング』で振るかが重要視される。
じゃんけん的な読み合いが多い聖ソルは特にそれが顕著だ。

細かい読み合いでリードしてから、判定の外側をうろついて様子見しながら、焦って動いた行動を刈って、立ち回りで体力を徐々に削り勝った。

………けれども、その後の大将戦はよっしーのエディに捕まって、割り込みミスから呆気なく死んだ。


―――そして結局優勝はいさチーム………って言うかいさエディだった。

決勝戦大将戦でのてんさんの
「このエディ、本っ当にツマンナイ!!」
の叫びを聴きながら、ノリノリで6Pを連発するいさの子悪魔の笑みが忘れられない。

―――それにしても、終わっちゃったか…残念だったなあ。

「キョウハ、アリガトーゴザイマシタ」

お辞儀しながら丁寧に挨拶したエルフェンさんとお別れしてから

「さーてっと、あたし達も帰ろっか」

そう言いだしたいさを、さんまさんが呼び止めた。

「ちょい待ち、さんまお姉さんから君らにプレゼントよ」

いさが受け取った便箋を開くと、なにやら何枚かの券が入っているのが目に入る。

「何これ?ららぽーとの商品券じゃん」

「もうすぐ期限切れるけど、関西帰るまで行く暇無いから、あげるわ」

いさはうん、と満足気に頷いて

「じゃあみんな、明日はららぽーとに行ってから土フジね」

「ワリ、俺バイト」

即座にMKがかぶりを振る。
続けておざわも

「俺もRPG予約してる」

…そうして俺に目が向けられて、無言の問い掛けがなされる。

「俺は大丈夫だよ」

そう答えてから、安堵した様子で出口に向かういさと皆の後を追おうとすると
さんまさんが「ちょっと待って」と俺を呼び止め、声を潜めながら。

「師匠として、見所の有るNS君にはこれをあげよう!」

そう言いながら、そっと俺の手元に渡されたのは―――映画の割引券?

「…多くは言わないわ、ギルティだけでなく色々と頑張りたまえよ少年!」

そんな事を言って、ポンッと背中を押したさんまさんと別れて
光と音に満ちたゲームセンターから静かな夜の街に出て、船橋への帰路に着いた。

18名無しさん:2008/06/06(金) 23:38:28

―――――また、夢。



今度はもっと昔の夢、私は今よりずっと小さい少女の姿で、目の前で動いているのはなんとゼクスだ。
FCDとかまだ出来るんだろうか?
………どうせ夢だから関係無いか。


夢の中の幼い私は、あの日のままに時計を見上げて思う
―――そろそろ時間だ、家に帰らないと………あの家に
あの、無駄に物ばかり溢れて無駄に広い、誰も居ない家に―――

(………帰りたくないなぁ)

「―――ねぇ、あんた」

気落ちしていた所で、突然の女性の声に驚かされた。
振り向いて顔を見ようとしたが、何故か聞き覚えの有る声の主である彼女の顔を見る事は出来なかった。

「よく見かけるけど強いよね、名前なんていうの?」

この人は、此処によく居る少し年上のお姉さん達の集団の一人だ。
いつも五月蝿い彼女達には正直あまり良い印象は無かった。

それにこの時私はゲームセンターで話し掛けられる、という経験自体初めてだった筈
いきなり話し掛けられて狼狽しながら、確か―――あの日の私はこう名乗ったんだ。

「わ、私は吉田っていいます」

私の返事にキョトンとしながら、何かに気が付いた様子でズイと身を乗り出しながら

「吉田ちゃんはさ、大会とか出た事ないの?」

それに対して、私は意識して気を落ち着かせながら答えた。

「無い…です」

「勿体ないわねー」と言いながら彼女は順に語ってくれた。

大会ではRNという、言わばあだ名で出るのが慣例になっている事、ゲームセンターでは主にその名で呼び合っている事
そして口元に手を当てながら、考え込んだ様子の後。

「じゃあ、そうね……吉田だから………あんたの名前はよっしーね!」

………そのあだ名は、少しばかり安易にも程があるんじゃないだろうか?
「あの…」と文句を言おうとした私を置き去りにして「みんなー!」と筐体の反対側に居た知り合いに向かって

「船橋ヴェノムの子と話してみたよ!」

そう言って、ぐいっと私の腕を引っ張り寄せながら

「…この子、名前はよっしーね!」

私を自分の知り合いに引き合わせた。

「よっしー、この人達はね…まずこいつがkaqnで」

かきゅんさんは今より、良く言えば若々しく情熱的な人だった。
思えば、今は大人になったものだ。

「こっちがさんま」

この人は今でも変わらない、強いて言うなら今は昔より少し落ち着いたような気もする。

「こいつがバベね」

やる気なさげに挨拶している、この人は見た目も中身も驚く程に変わらない。

「それで私が―――」

漸く彼女の顔を見ようとした―――その瞬間に目が覚めた。



真っ暗な部屋で目覚めて、ぼうっとしながら窓を開ける。
寒気の残る外の大気を胸に納め、体が冷たくなると共に意識がはっきりしてきた。

これでどの道、もう眠れないだろう
コーヒーでも飲もうかな、と台所に向かいながら、心の中ではひたすらに想っていた。

―――早く、日が昇って朝になれば良いのに
―――夜が終われば、良いのに。

19名無しさん:2008/06/06(金) 23:39:01

『ららぽーと』というのは船橋駅から二駅行った先の南船橋駅にほど近い大型のショッピングモールで
同じような種類の店舗が3、4件は存在するんじゃあるまいか?と思う程に沢山のテナントが入っている。

俺達は昼頃に集合して、レストランで昼食を食べ終え、今はバベさんがデザートを食べ終えるのを待ちながら

「これからどこ行くー?」

などと話し合っている。

結局、集まったのは俺の他には、いさ、電脳さん、よっしー、キシタカ、バベさんと女性ばかりだ。
一応喜ぶべき場面なんだろうが、正直ちょっと心細い気もする。

「しかし、凄いなぁ………ここ」

こんな大規模な店は地元では見た事が無かった、素直に感嘆すると

「うっわー、NSってば田舎者丸出しー」

いさがおもいっきり馬鹿にした響きを隠そうともせずに言ってくる。
田舎者で悪いかよ、とでも言い返してやりたいが不毛な言い争いになりそうだ。

向かい側の席に座るキシタカが、俺にちょっとだけ同情するような視線を送ってから
デザートに出てきた大きなパフェを黙々と食べ続けるバベさんに

「……バベさん、前から思ってたけど、ヘビースモーカーの上に甘党とか不健康にも程が有るんじゃ…
 せめて煙草は止めれば?」

「大丈夫、そのうち肺ガンに分からされる予定」

スッパリと、切り捨てるような一言
何が大丈夫なのかはさっぱりだが、ある意味悟りきったバベさんの堂々とした態度は『それなら、いいかな』と錯覚させられそうだ。

「今日のフジは凄い強い人が来るんだよ」

「どんな?誰?」

いかにも興味を引く言い方をした、いさに聞き返すと

「どうせ言っても分かんないだろうし、教えてあげなーい
 ねっ!よっしー!」

「…………えっ?あ…はい、そうですね」

話を振られたよっしーはいさの呼び掛けに対し、なんともお粗末な返事を返す。

最近、と言うかここ数日のよっしーはどこかうわの空だ
いつもなら、こういう面白そうな話の振りには、すかさず乗ってきそうなものだけど…


食事を終え、レストランを出ると「じゃ、フジで再集合ね」と解散して、めいめい好き勝手な方に行ってしまった。
―――俺は何処に行こうか?



A服飾品店
BCDショップ
C本屋
D展望フロア

20名無しさん:2008/06/06(金) 23:55:29

最上階である9階の展望フロアに着くと、思わず声を上げてしまいそうなほどに壮観な景色が目に入った。

周囲のガラス張りの壁面越しに高所からの街を一望出来る。
一つだけ引っ掛かる点があるとすれば、蒼く澄み渡る空の端にちょこんとシミのように存在する暗い色の雲の存在くらいか。

周囲を見渡すと、同じくガラス越しに風景を楽しむ人々がちらほら居る。
その中に目を向けると、独り虚ろな目で眼下を見下ろしながら、静かに佇むよっしーの姿を認めた。

「やっ、よっしー」

「あ…………NSさん」

返された声にはやっぱり活力が無い、元からあんまり騒々しい人ではないが、これはちょっと異質なものを感じる。

「なんか…最近元気無いんじゃないか?」

「……少し寝不足なだけです」

俺に目を合わせようともせずに、型通りの返事を返す機械のように言う。

「………本当に、なんでもないの?」

目を伏せ、一拍置いて、すぅと軽く息を吸い込んだ様子から

「―――余計なお世話です」

明確な拒絶の意志を込めた、冷たく鋭い一言に気圧されて、次に言うべき言葉が見当たらない。

緊張し強ばった沈黙の空気の中―――彼女はふと、何かのスイッチでも入れたみたいにいつもの笑顔に戻って

「それより、ここに居ても退屈ですし……どこか行きませんか?」

「………ああ、それなら」

急な変化に戸惑いながらも、ポケットに入れていた映画の割引券を持ち出した。


―――ららぽーとの3階の端に在る映画館に着き、その場に居る人々の数を大まかに目算すると、土曜の昼間という時間帯にしてはそう多くはなさそうだ。

「では何を見ましょうか?」

よっしーに言われてから、カウンターの上映時間の予定表を確認すると、丁度良い時間の映画は3本有る。

「俺が選んじゃっていいのか?」

「貴方の割引券ですしね、どうぞ好きに選んで下さい」



Aアクション映画『ABEGENvs.PREDATORS』
B恋愛映画『浦板ラブストーリー』
C推理サスペンス映画『た.ぬきちのなく頃に』

21名無しさん:2008/06/06(金) 23:57:59

『浦板ラブストーリー』は昔に大ヒットした大作恋愛映画のリメイク版だ。

劇場の座席に座り、照明が落ち、お定まりの注意事項が流れ終わると、映画が始まった。


『浦板』
この街で彼らは生まれた
あふれかえる池沼
絶え間なく続く派閥争い
白い雪が降り積もる、この季節に…
ふたりは出会った―――――

映画館の一面の闇の中から、大画面に映る明るい光の映像が際立つ。
微かなひそひそ話しの声のみが聞こえる静寂の中から、大きな音声が際立つ。

―――物語は進む、主人公サイコは兵器として利用されようとしていた人外の少女ディズィーを助け
浦板の抗争を収めるべく奮闘する。

隣の席にチラッと目をやるとよっしーも興味深そうに大画面を注視している。

―――そしてサイコは過去に浦板の国王『夜空の神様』を殺し、浦板を混乱に陥れたのが自分のかっての恋人であった由利であると知る。

「いつからだ…ッ!?いつから、お前は西の奴らとッ!?
 ………答えろッ!答えてくれよッ!!!由利ィッ!!!!!!」

サイコの悲痛な叫びが劇場に響く。

「いつから裏切ったか…って?」

女の―――由利の真の名があゆみであったという事が明かされ、彼女はサイコに冷たく非情な宣告を下す。

「出会った時からよ…サイコ」

その台詞を聞き、ピクッと隣の席のよっしーが小さく動いた。

―――さらに映像は流れ、物語はクライマックスに近付いていく。

「―――――笑いあった、喧嘩もした、お互いの背中を預けたこともある、何度も命を助けられた、馬鹿な事もしたし、それを夜空の神様に怒られたこともあった、誰よりも近くにいた、誰よりも信じていた
 ………誰よりも浦板を愛していたッッ!!!」

サイコが涙ながらにあゆみに剣を突き立て

「やっぱりサイコは…人を信じすぎだね……」

「………ありがとう」

あゆみの最後の呟きを背に、ディズィーを抱えて消えゆく城から脱出する。
舞い散る蒼い羽と白い雪が描くコントラストの中、二人の唇が重なる感動のエンディング―――――


一つの物語が終わり、劇場に明かりが戻ると共に、周囲の様子に目を向けると感動して泣いている人もいる。
“いい映画だったなぁ”と余韻に浸りながら劇場から外に出る。

「どうだった、よっしー?」

ほんの少しだけ、よっしーも泣いちゃったりはしてないだろうか?なんて淡い期待を込めての問いだったが
いつもの澄ました顔を崩さないままの彼女はふむ、と小さく頷き

「娯楽作品としては中々でしたが」

言葉を区切り、ピタリと歩みを止めて

「私には主人公の行動が理解できません
 裏切られ、全てを失い、『信じすぎだ』と言われていながら、何を学ぶ事も何も変わる事もなく
 まるで存在しなかった由利のよすがを求めるかのようにディズィーを愛そうとしている…愚かしいとすら思えますね」

「そうかなぁ、俺はあの主人公は好きだけどなぁ」

「何故です?」

「どれだけ悲しんで、傷付いて、裏切られても、人を信じ続ける強さを持っていられるのって、格好いいんじゃないかな?」

俺の感想を聞き、彼女は少しだけ意外そうな顔をして

「………そうですか」

それだけ言って、目を逸らした。

「さっ、時間も丁度良いですし、そろそろフジに行くとしましょうか」

流麗な黒髪をなびかせ、再び歩きだしたよっしーの横顔を見ながら想う。

彼女は映画のヒロインだったディズィーや由利とは違う
笑顔を失ってはいない、共に笑う友達もいる。

―――けど、それでも、その微笑も優雅な所作も、どこか良く出来た作り物のような印象を拭えない。

―――俺は映画のサイコさんみたいになれるんだろうか?
彼女はいつか、心から笑う事が出来るんだろうか?

22名無しさん:2008/06/07(土) 03:01:11
>>1

23名無しさん:2008/06/07(土) 07:38:06
ようやく見つけた…
>>1

24名無しさん:2008/06/07(土) 10:54:13
合流>>1

25名無しさん:2008/06/07(土) 12:49:32
ただいま、うらいたとよ様!

>>1
スレ建て乙です!

旧板住人の皆さんはなんじゃこりゃ?と思うかも知れませんが詳しくはお手数ですが過去ログをお読みください。

では早速続きをどうぞ。

26名無しさん:2008/06/07(土) 12:51:05
船橋に戻り、日が沈みかけた夕刻の駅前の通りを
防御時の各種ファジーの使い分けとか意識配分とか、よっしーとギルティ絡みの雑談をしながら並び歩き。
パチスロ店、書店、ロッテリアと沿道に並ぶ店の前を通り過ぎる。
商店街に入るとゲームフジ船橋はすぐそこだ。

店内に入る、階段を上る。
いくつかの筐体の先にギルティの台が3台並んで存在する。

筐体の周りには十人前後の人々が確認出来る、既にいさ達は到着しているようだ。

「あれれ?渋川さん?」

俺達が到着したのに気付いた電脳さんが俺とよっしーの顔を見比べながら、軽い驚きを込めつつ声を掛けてきた。

「NSさんと二人で何やってたんですか?
 ………ま、まさかの熱愛発覚とか!?」

冗談めかした言い方ながら、興味津々な様子の電脳さんをよっしーは「はいはい」と余裕の微笑であしらう。

ギルティの画面に目を向けると
端の台で動いているのは緑色のエディ―――安定行動で固めきった連係と立ち回りでの常時エディの仕上がりっぷりを観る限り、小川かなと目星を付けつつ
手前の椅子に座る使い手の姿を見て、間違いなく以前にも土曜のフジで会った瓶底眼鏡の少女である事を確認した。

他の2台を見ると、それぞれ赤いテスタメントと、同じく赤い色のポチョムキンが戦況を優勢に進めながら対戦中だ。

A小川に乱入。
B赤いテスタに乱入。
C赤いポチョに乱入。

27名無しさん:2008/06/07(土) 13:28:34
C!C!C!
今こそ前ルートのリベンジを・・・

28名無しさん:2008/06/07(土) 17:41:23
俺もCにしとこう

経験的な意味で

29名無しさん:2008/06/07(土) 17:49:15
んじゃおれBにしとこう

30名無しさん:2008/06/07(土) 18:01:29
まぁCかな。
よっしーの次はおがちゃんだ!

31名無しさん:2008/06/07(土) 20:13:45
お、引越し完了か。遅くなったが1乙

Bかなー

32名無しさん:2008/06/07(土) 23:49:16
Cだな。いさルートでのリベンジも兼ねて

33名無しさん:2008/06/07(土) 23:57:56
引越し乙

Cでリベンジと洒落込もうぜ・・・

34名無しさん:2008/06/08(日) 12:34:09
もえいた民がこのネタパクッっててワロタ

35名無しさん:2008/06/08(日) 15:54:46
引越し乙〜
ここはCで

36名無しさん:2008/06/09(月) 01:57:17
早く続き書けよ冨樫

37名無しさん:2008/06/09(月) 07:53:39
htkt

38名無しさん:2008/06/09(月) 13:31:34
wktk〜Cで〜

39名無しさん:2008/06/09(月) 15:14:30
赤いポチョムキンに乱入しよう
対戦が終わるのを待って、筐体にコインを投入する。

―――強い、強すぎる。
直ガ、スラバからの割り込み、綿密な対策に基づいた状況と距離の判断の的確さ、コンボ、ハメの精度
膨大な経験と深い知識を感じさせる堅実な動きの前に、俺の操る聖ソルの体力はたちまち尽きた。

―――席を立ち、敗因を集中して考える。
先程苦しめられた点―――立ち回りでのJ様子見に対する距離別の対処、相手の割り込みポイントとそれに要する意識配分の比重を考慮した攻めの組み立て。

―――それから再度の乱入
だが今一つだ、寧ろさっきより駄目な試合内容になってしまった感さえある。

(上手くいかないなぁ…)

腕を組みながら悩んでいると、後ろで一連の流れを見ていたよっしーが声を掛けてきた。

「…NSさん、恐らくですが考え方が間違ってます
 確かにFABさんは反応も早いですが、少し意識配分を高く見積もり過ぎでリターンの有る行動を通せてません」

続いて横からいさが

「遠S振る位なら立ちHSで良いんじゃない?どうせポチョは地上で技振りにくいでしょ」

更に電脳さんも

「J様子見に着地狙いってのは良いと思うけど、無理矢理落としに行くプレッシャーが足りないんじゃないですか?」

後ろで見ていた皆が寄り集まって、わいわいと議論しだした。
その意見一つ一つを吟味して組み合わせ、自分の動きを見直す。

「……よし、やってみるよ!」

そう、皆に宣言してから椅子に座る―――三度目の乱入
皆がくれたアドバイスは確かに良く機能した。

なんとか最終ラウンドまで持ち込み
相手の体力は残り僅か、後ろ受け身をとったポチョムキンにダッシュJで近付きながら、これまでの流れを思い出す。

―――このポチョ使いは様子見多めの至極真面目な手堅い思考と十分な対策を積んでいる。
そんな人なら、この状況でコレをガードする危険性は理解している筈―――この状況から逆転を狙うにはバクステするしかない…!
そして意識を集中して、ダッシュJSが空を切ったのを確認し

「サーベイジファング!」

バクステにサーベイジの持続が当たり、SLASHの表示が流れると勝利の充足感が沸き上がる。

「おっ!やったじゃない!」

背後のいさが声をあげた
その直後、反対側から眼鏡を掛けた、豊満なスタイルの大人の女性が両替機に向かうのを見て、さっきのポチョ使いの人だなと直観した。
その女性は途中俺達の方をチラリと見て、俺と目が合うと、おもむろにこちらに近付いて

「君、やるわね」

短い挨拶の中に、静かな大人の余裕を感じさせる。

「FABが相手の事あっさり認めるとか、珍しいじゃん」

バベさんの言葉を聞いて、FABっていうのか、と目の前の女性の名前を確認する。

「あら、私こういう戦い方は好きよ
 …もう少し付き合ってもらえる?」

言われるまでもなく望むところだ。
俺の頷きを確認して、反対側に戻る彼女の後ろ姿を見つめながら、ふと思った事を口にする。

「あの人…立ち回り丁寧だし、真面目そうな人だな」

それを聞き、MKがニヤニヤと

「おやー?胸に釣られたか?」

なんて揶揄してきた。

「押田さんねー…確かに真面目かも知れないけど、あの人愚痴っぽいよ?厨房臭いスタイルの人に負けた時とか特に」

いさの言葉に少し驚いた。
パッと見ではそうは見えなかったが…ちょっと意外だなぁ。

「まぁ、愚痴ぐらい誰でも言うし、いいんじゃない?」

いさがそう付け足したのに対し、よっしーが同意の姿勢を見せながら

「そうですね……大体NSさん、ゲームセンターで対戦しているだけの他人の性格なんて、分かりっこないじゃないですか
 …あまり適当な事を言うのは控えた方が良いと思いますよ」

そう締め括った、まぁ確かにそれが正論だろう
―――それでも確かにあの瞬間、俺と彼女は一瞬互いを理解して、俺はあの人の一端に触れる事が出来た気がしたんだ。

40名無しさん:2008/06/09(月) 15:17:14
その後もFABさんとの対戦はひたすら続いた。

何十戦と対戦を続けていくにつれ、互いに人読みの色を濃くしながらも
相手の対応は一点読みに走る事がない、どこまでもリスクリターンを考慮した的確な対応を続けている。

俺も昨日のさんまさんのアドバイスを元にコンボ面でも努力はしている。
「諦めたらそこで成長は止まる!無理と思うな、やってから考えなさい!」
とか言ってたか、確かに器用じゃないしコンボは安くても仕方ない、と諦めていた部分は有る。

―――あまりの楽しさに時間を忘れた。
小川と赤いテスタを使ってた人が帰り、ふと時計を見るともう9時を回っている。

「遅かったね」

後ろでキシタカの放った声を聞いて、振り返ると濡れ鼠になったおざわが姿を見せている。

「いやー、いきなり雨降ってきてさぁ」

外は雨が降ってたのか、ゲーセンの中に居ると気が付かなかった。

「参ったわね、私傘持ってないし」

「家遠いですしね」

FABさんに補足するようによっしーが声を被せる。

「誰かの家泊まれば?」

いさの提案に対し『俺の家なら近いけど』と言おうとしたら、横から電脳さんが

「私、NSさんにお願いがあるんですけど」

突然そんな事を言いだした。

「いさとキシタカに勉強教えるの手伝ってもらえませんか?」

そこで聞き耳を立てていたらしく

「それなら俺が―――」

などと言いだしたMKに対し、電脳さんはいさの真似みたいに悪戯っぽく笑って

「ジョニー使いはロリコンだからイヤです」

「そのネタいつまで引っ張るの!?ねぇ!?」

MKのいかにも必死そうな言い方に周りの一同が笑う。

「NSさんならついこないだまで受験生だったんだし、中学生に教える位余裕でしょ?お願い!」

こちらをまっすぐ見据えた目を輝かせて頼み込む。
どうもこういう時の電脳さんの提案は断りづらい…うーん、どうしよう?

AFABさんを泊める。
B電脳さんを手伝う。

41名無しさん:2008/06/09(月) 17:18:29
((())))ぁぅお

42名無しさん:2008/06/09(月) 17:21:58
Bかな

43名無しさん:2008/06/09(月) 17:55:48
更新乙


しかしよっしー狙いの俺は悩むな。
FABだけってのは無いだろうからAかな

44名無しさん:2008/06/09(月) 18:59:49
キシタカ狙いの俺は当然B

45名無しさん:2008/06/09(月) 19:09:05
リアルモンクw
つーかおまえら大学生だろwww

46名無しさん:2008/06/09(月) 19:58:40
あー萌子たん帰ってしまった…
困ってる人を放ってはおけないしAで
っていうかみんなで泊まれば幸せになれると思うんだが駄目かな

47名無しさん:2008/06/09(月) 20:20:27
FABさぁん(*´ω`*)

A

48名無しさん:2008/06/09(月) 20:33:20
ごめん逆毛様。
電脳さんのためにB

49名無しさん:2008/06/09(月) 20:43:16
ここはおっぱい支援だろ常識的に考えて……

A

50名無しさん:2008/06/09(月) 22:03:24
キシタカ支援でBだな

51名無しさん:2008/06/10(火) 00:05:00
電脳さんがかわいいからB

52名無しさん:2008/06/10(火) 01:35:26
A

53名無しさん:2008/06/10(火) 02:12:35
b

54名無しさん:2008/06/10(火) 02:32:25


55名無しさん:2008/06/10(火) 02:49:55
A で

56名無しさん:2008/06/10(火) 03:48:19
FABのおっぱいが見たいのでA

57名無しさん:2008/06/10(火) 12:49:31
いさ派の俺はB

58名無しさん:2008/06/10(火) 12:54:50
更新乙
選択肢はAで

59名無しさん:2008/06/10(火) 14:33:28
Aで

60名無しさん:2008/06/10(火) 15:11:04
お前ら自演し過ぎwwwこんなに見てるやついるわけないだろ

61名無しさん:2008/06/10(火) 16:14:56
>>60
確かに前の選択肢よりも人数が圧倒的に増えてて笑うわwwwww


自演されるとどれが自演だか判断が付かなくなるから選択肢の意味合いが薄れるんだよな。
マジ止めて欲しいわ……。

62名無しさん:2008/06/10(火) 16:17:30
全くもって同意だわ。一人一票は常識だろ……

63名無しさん:2008/06/11(水) 01:47:20
ちゃんと読者こっちきてんのかな

kstk諦められない俺はBで

64名無しさん:2008/06/11(水) 01:57:26
中学生・・・だと
Bで

65名無しさん:2008/06/11(水) 02:13:45
FABさんいいなw かっけぇ
しかし、いさ厨房だったのか・・・いいのか?w

・・・贅沢言えば、いっそ皆でお泊りがいい気がするけどw
ここはBで

66名無しさん:2008/06/11(水) 07:16:09
これは流石に「こっち+あっち」で
それなりの人数になったと見るべきだろう

67名無しさん:2008/06/11(水) 14:32:17
1スレ目の頃から自演臭い票レスはあったけどな

68名無しさん:2008/06/11(水) 22:37:19
>>66
自演乙^^

69名無しさん:2008/06/11(水) 23:11:08
まあまあ、皆さん落ち着いて。

自演なんて匿名掲示板ではお約束みたいなもんですし
個人のモラルに任せるという事で…というかそうするより他に手は無いですしね。

続きはもうちょいお待ちを、最初見た時にAのが多そうだったからAで書いてたら気が付いたらBのが多くなってたんで現在書き直し中ですw

70名無しさん:2008/06/12(木) 00:38:46
両方投下すればいいと思うよ!思うよ!

71名無しさん:2008/06/12(木) 01:20:08
NS→大学生
いさ→中学生










うほっw

72名無しさん:2008/06/12(木) 01:33:11
>>69
多くて最初に書き始めたのがAならAでいいんじゃない?大変だろうし。
作者の見た時点で多かった選択肢でいいと思ってたんだがそこまでやってくれているとは……。

まぁA消してB書いちゃってる、またはBのほうが筆進んでるってならBでいいと思うけど。

73名無しさん:2008/06/12(木) 04:18:33
「分かった、手伝うよ電脳さん」

その瞬間、不安げな表情で頼み込んでいたのが一転、まるで花が咲いたような笑顔を浮かべた。
なんとも表情に出やすい電脳さんらしい。

「ありがとうございます!場所は私の家でやりますから、これから案内しますね」

喜ぶ電脳さんを見ながら、ちらっとFABさんに目を向けると

「私、人の家に泊まるのはあんまり好きじゃないしね……止めておくわ」

いさに対し、そう言って返すとその場の一同に別れの挨拶を済ませ、さっさと階段を下りていってしまった。
雨が降る中、遠くまで帰らせるのは少し気が引けるが………仕方ないか。

「さっ、いさ、私たちも勉強に行きましょ」

電脳さんが声を掛けるが、それを聞いたいさは見るからに不満げに

「えー、勉強やだー」

なんて、だだっこみたいに言う。

「ワガママ言わないの」

それを叱り付ける電脳さんはさしずめお母さんか

「だって…あたし教科書とか学校に置きっぱなしだし」

―――いるよな、そういう奴とか思いながら成り行きを見守る。

「キッシーのを借りればいいじゃない」

言い訳に詰まって、いよいよ露骨にだだっこを剥き出しにする。

「やーだー!予選近いし、そんなので時間取られるのやだー!」

「補習でもっと時間取られてもいいの?」

電脳さんは、文句の多いいさをひとまず黙らせる事に成功すると、やや強引めに手を引っ張って外に出ていった。
―――同じく勉強のはずだが、さっきから一言も発しないキシタカに目を向ける。

「キシタカは不満無いのか?」

「わたしだってイヤよ、でもやらなきゃいけないでしょ?」

……至極まともな意見で、なんか安心した。


外に出ると、街灯に照らしだされた商店街の路地に、ざあざあと大粒の雨が降り注いでは地面を激しく打っている。

―――とりあえず“コンビニで傘でも買おう”という事で意見は一致した。
未だ冷たいこの季節の雨を浴びれば、流石に死にはしないだろうが風邪をひいてしまいそうだ。

レジに透明なビニール傘を持って行くと、電脳さんが

「四本買うのも勿体ないですし、二人で一本ずつ買いましょう」

そう言ってきたと共に、突然何者かが横から丁度傘の値段の半分の額の小銭を小さな掌に乗せて、ズイと突き出してきた。
誰かと思えば―――キシタカだ。

「どうせ電脳さんはいさと一緒がいいだろうし……わたしはNSとでいいよ」

照れ隠しみたいに目を逸らし、明後日の方を向きながら、小銭を乗せた手を突き出す。

「ありがとな」とだけ言って、傘を買い
店から外に出て、降りしきる雨の中傘を開き、キシタカを傍に寄せる。

―――が、ここでちょっとした問題が発生した。
身長の関係で俺が傘を持っているが、雨がやたらに強いせいか、傘との高さが合ってないキシタカに横殴りの雨が当たってしまっている。
それとなく少し前かがみになって、傘の位置を低めに調節しながら歩く

「…………ねぇ」

「ん?」

俺にそういった気は無いが、ちょっと馬鹿にされた気がしたのかもしれない「それ、なんかヤダ」と不機嫌そうな声を上げる。
(余計なお世話だったかなぁ?)
と思ったが、目を合わせるのを避けるように下を向きながら

「―――けど、ありがと」

小さく抑えた声で、確かにそう言ったのが聞こえた。

74名無しさん:2008/06/12(木) 04:26:40
しばらく歩くうちに電脳さんの家に辿り着いた。

「濡れましたねー、さっさと風呂入っちゃいましょう」

浴室とおぼしき部屋に入って、しばらく経つと出てきて

「私の家のは狭いから、一人ずつね」

どうやら風呂の準備が出来たようで、そう言いだした。

「俺は最後でいいよ」

レディファーストなんて気はないが、女性の方が髪洗うのとか面倒だろうし、風呂の順番くらい譲って構わないだろう。

「じゃあ、お言葉に甘えて」

電脳さんが浴室に入る。

いさとキシタカと3人になったリビングで適当に雑談しているうち

「……いさはさ、電脳さんの事はどう思ってるんだ?」

気が付くとそんな質問をしていた。
いさは考える様子も躊躇する様子も見せず、すぐにこう返した。

「尊敬してるよ!便利だし!」

………果たして、普通尊敬と便利という単語は両立しうるんだろうか?

「どうして闘劇組まないんだ?」

「………嫌よ、あの人弱いんだもん」

それを聞いて、なんとなく不愉快な気分になった。
『そんな言い方は無いじゃないか』とか言おうとしたところで、浴室の扉がガラッと開き

「あがりましたー」

電脳さんがリビングに出てきた。
眼鏡を掛けておらず、桜色に上気した肌の彼女は普段と別人のようにさえ見えて―――こうして見ると、素直に綺麗だなぁ、と少しばかり見入ってしまう。

「どーかしましたか?」

「いや、なんでもない」

しかし、一々本人に言うような話じゃないだろう。

「次あたし入るねー」

そう言って、元気良く浴室に入っていくいさの背を見送ってから、再び眼鏡を掛けながら

「いさってば……最近ますます可愛らしくなった気がしません?」

電脳さんが俺達に同意を求めるように向き直る。

「好きな人でも出来たのかもね」

キシタカの放った言葉に目に見えて動揺しながらも、抑えた声で余裕ぶっている。

「キッシーってばー………いさはそういう事にはまだ奥手で……」

「………いや、かもねってだけで」

そう言って抗弁するキシタカの胸ぐらに突然掴みかかった。

「かもねもF式も無いんです!いさにはそういう事は、はーやーいーんーでーすーーー!!」

最後の6文字に合わせて、ブンブンとキシタカを揺さ振る。

「電脳さん落ち着いて下さい!」

俺が慌てて声を掛けるが

「これが落ち着いてられますかー!」

などと取り合って貰えない。
取り急ぎ、この状況を鎮静化させるための言い分を脳の中からサーチする―――検索完了、これならば!

「好きな人って、もしかしたら電脳さんの事かも知れないじゃないですか!」

ピタリと電脳さんの手が止まる。
「………え」と小さく呟いて、キシタカから手を放し、解放すると
まずは真剣に考え込んだ顔、次いでなにやら幸せそうな笑顔を経由して、ポーッと顔を赤くしたかと思うと、慌てて手近にあったティッシュ箱からティッシュを数枚取り出し、鼻に押し当て始めた。

「ふ…ふふ………ふ……………ちょっとお風呂でのぼせちゃったみたいです」

鼻孔に当てられたティッシュが赤く染まっていく
………キシタカがドン引きしてるが、とりあえず危機は脱した。

75名無しさん:2008/06/12(木) 06:19:21
かもねもF式もwwwww

76名無しさん:2008/06/12(木) 08:41:01
残念すぎる……

77名無しさん:2008/06/12(木) 09:14:21
電脳さんwwwいいぞもっとやれwwwww

しかし、電脳ルートに入るとするとここからどう進化していくんだ・・・ゴクリ。

78名無しさん:2008/06/12(木) 12:55:55
いいぞもっとやr…




…そーいやコレ、よっしールートだっけ…

79名無しさん:2008/06/12(木) 13:45:31
>>78
まだだ、まだわかr

80名無しさん:2008/06/12(木) 17:06:52
選択肢を選ぶ毎に電脳さんが残念になっていく気がしてならない

81名無しさん:2008/06/12(木) 17:23:51
kstkは逆にデレていく




堪らんなぁ

82名無しさん:2008/06/12(木) 17:40:43
kstkのがやばすぎるwww
もうkstkルートでよくね?

83名無しさん:2008/06/12(木) 18:21:55
かもねもF式も、が一瞬理解できなかったが、わかったwwwそういうことかwww

kstk可愛い

84名無しさん:2008/06/12(木) 19:03:55
kstkが好きになりました

85名無しさん:2008/06/12(木) 19:08:22
いさ以外みんな可愛い

86名無しさん:2008/06/12(木) 19:08:28
いさ以外みんな可愛い

87名無しさん:2008/06/13(金) 02:11:42
kstkかわいいぜ

88名無しさん:2008/06/13(金) 08:28:12
いさが風呂からあがると、キシタカは待ちわびていたかのようにそそくさと浴室に急いだ。

いさと電脳さんが楽しげに喋っている―――二人の顔を見比べているうちに
やっぱり、言わなければいけない気がしてきた。

「いさ、やっぱり闘劇は電脳さんと組んだ方が良くないか?」

出来るだけ気軽かつ自然に言おうとしたつもりだったが、いさはたちまち表情を曇らせて

「嫌って言ったじゃないよ」

と素っ気ない言い方でツンとそっぽを向いた。

「でもさ………」

なおも食い下がろうとすると、電脳さんが

「いいですよNSさん」

と、どこか苦い顔で制しようとする。

「でも、いさは電脳さんに大分世話になってるみたいだし………弱いから組まないだなんてそんなの―――」

そう続けようとした所で、電脳さんの方から

「いいですってば!何も知らないくせに勝手な事言わないで下さい!」

これまでの彼女からは聞いた事の無い、怒気を孕んだ大声が放たれた。
その直後に当の本人でさえも驚いたようにハッと頬を赤くして

「ご……ごめんなさい私ってば………」

恥じらうように面を伏せ、気まずい沈黙がリビングに流れる。
キシタカが風呂からあがり、そのまま一言も話す事が出来ないうちに俺は浴室に向かった。

やや狭い風呂の少し温めの湯に浸りながら、湯気で揺らぐ浴室の壁を見つめて物思いに耽り
『―――何も知らないくせに勝手な事言わないで下さい!』
―――さっきの電脳さんの言葉の意味を自問していた。

風呂からあがると、簡素ながら食事の準備が出来ている。

「さっ、NSさんもどうぞ!」

ニコッと、先程の気まずい雰囲気を振り払うかのように電脳さんが微笑む。

―――食事が終わり、それから勉強という事になった。
一対一で教えようという事だが、俺は―――


Aいさに教える。
Bキシタカに教える。

89名無しさん:2008/06/13(金) 08:55:59
背後!

Bでkstk支援だ

90名無しさん:2008/06/13(金) 09:33:37
B!
電脳さんの残念っぷりがもっとみt(ry

91名無しさん:2008/06/13(金) 10:53:55
NSさんその地雷の踏み方はぱねぇっすwwwwwwwwwwwwwww

92名無しさん:2008/06/13(金) 12:05:07
Bに決まっとるだろうが!

93名無しさん:2008/06/13(金) 13:30:58
Bだな

94名無しさん:2008/06/13(金) 13:43:34
kstk

B!

95名無しさん:2008/06/13(金) 15:30:55
Bだな!

96名無しさん:2008/06/13(金) 17:25:17
FABさん編は期待してもいいのかしら
しかし電脳さんいいなwww
ここは空気読まずw Aで

97名無しさん:2008/06/13(金) 17:30:45
Bしかない!!

98名無しさん:2008/06/13(金) 18:56:32
電脳さん見てておおきな木の話を思い出した

99名無しさん:2008/06/13(金) 21:51:39
A

いさときっちり話すべきー

100名無しさん:2008/06/13(金) 22:40:15
いさルート思い出したのでA

101名無しさん:2008/06/13(金) 23:59:20
Bしかない><

102名無しさん:2008/06/14(土) 01:41:44
お風呂のお湯を持ち帰る選択肢がないぞ

103名無しさん:2008/06/14(土) 07:22:36
むしろ飲み干せ、話はそれからだ!

104名無しさん:2008/06/14(土) 12:15:06
>>98
子供が欲しがるものを何でも与えていた木が、最後には、切り株だけになっちまうってやつかな?

105名無しさん:2008/06/15(日) 22:34:52
いさは電脳さんの方が慣れてるだろうし、キシタカに教えよう。

「じゃあ私はいさとですね」

電脳さんはホッとしたような……いや、むしろ当然とでも言いたげな風だ。

とりあえず英語を教えようという事になった。
いざ始めてみると、キシタカは隣で電脳さんに小言を言われながら数学を教わってるいさに比べて、真面目で基礎はちゃんとしているようだ。

「want toを使って文章を作ってみよう」

という問題を出すと、彼女は少し恥ずかしそうに照れながら

「I want to participate tougeki……なんてね」

と口にした。

「どーゆう意味?」

『tougeki』という単語に反応したのか、いさがノートから目を上げて電脳さんに質問する。

「『私は闘劇に出場したい』って意味よ
 …それとparticipateにはinを付けなきゃダメよ、キッシー
 それにどっちかっていうとtake part inとかcompeteとかにした方が良いわ」

と訳しついでに補足している電脳さんを見ると
(電脳さんって頭良かったんだ……)
と意外なような、そうでもないような、なんとも不思議な気分だ。
訳を聞いて、いさはクスクスと笑いだしたかと思うと

「スラッシュの頃に出れたじゃん、それにしても出場ってトコがキシタカだなーって感じねー」

『自分なら優勝だ』とでも言いたいのだろうか?
いずれにせよ今は下手に話を続けさせて時間を取るべきではない。

「今は真面目に勉強して、ゲームの話はそれからにしろよな」

「なによ、NSのくせに……」

強めの口調で注意すると、いさはぶすくれながらも勉強を再開した。

―――しばらくの間、静かなリビングにカリカリと鉛筆が走る音のみが響く。
俺が解き終わった問題を採点していると、いさが電脳さんにノートを渡す、受け取った彼女はノートに目を走らせ「………うん、よしっ!」と頷くと

「一段落したし今日はここまでね」

この勉強会のひとまずの終了を宣言した。

「やっと終わったー」

疲れ果てた様子でいさがソファーに寄り掛かり、キシタカもそれに続いた。

―――少し目を離すと二人共スヤスヤと安らかな寝息をたてている。

「ゲームや勉強って結構疲れますし、二人共頑張ったね」

電脳さんは、もはや意識の無い二人にねぎらいの言葉を掛けて

「いさは私が連れてきますから、キッシーを布団まで運んであげて下さい」

俺にそう言って、いさを抱き抱えて寝室に向かった。
起こさないように、ゆっくりとキシタカを抱え上げると、なにやら小声で寝言らしき事を言っている。

「そこでハンマー………足払い……やだ………」

ハンマーって事は医者かポチョのどちらか、医者なら2HSだろうから足払いが嫌って事は多分ポチョだろうか?

「キッシーって寝言多いんですよねー」

何時の間に戻ってきたのか、電脳さんが横から微笑ましそうにキシタカを見ている。

しかし夢の中でまで対戦とは恐れいる。
………そういえば、最近のキシタカは闘劇前だからだろうが凄く頑張ってる。
それでも、客観的に見ていさには及ぶべきもないというのが悲しい所だが。

「じゃ、私はいさと添い寝してあげるので、お休みなさい」

思わず我が耳を疑ったが
幸せそうにそう言って、寝室に向かう電脳さんを俺はただ見ている事しか出来なかった訳で………


―――翌朝
起き抜け早々に寝室からいさの怒声が聞こえてきて、しばらくして膨れっ面をしたいさとションボリした電脳さんが出てきた時点で大体の事情は察した。

午前中の内に勉強を終え、昼食をとりながら午後の予定を話していると、いさとキシタカは秋葉原に対戦しに行くらしい。

「やる気勢ねー、私達はさんまさんが関西に帰る前に船橋で対戦していくらしいから、そっちで」

電脳さんの返事を確認して、キシタカがこちらに目を向けた。

「NSは?一緒に秋葉行かない?」


A行く。
B行かない。

106名無しさん:2008/06/15(日) 23:05:14
背後
Aだな

107名無しさん:2008/06/15(日) 23:07:31
これはkstkの流れ!

Aで!

108名無しさん:2008/06/15(日) 23:34:38
更新乙
キシタカが徐々にデレてきたなw
Aで

109名無しさん:2008/06/15(日) 23:36:05
うp乙!

Aで

110名無しさん:2008/06/15(日) 23:57:43
よっしー派の俺は断固B!

111名無しさん:2008/06/16(月) 00:01:07
俺もさんまさん見送りたいし、よっしー派なのでB

112名無しさん:2008/06/16(月) 01:12:15
更新きた!
そしてよっしー派集まれ! Bを支援だ!

113名無しさん:2008/06/16(月) 01:20:25
電脳さんがキモイのを越えてウザクなってきたな

114名無しさん:2008/06/16(月) 01:44:37


115名無しさん:2008/06/16(月) 02:01:26
さんまさんに奥義を伝授してもらいたいのはやまやまだが
kstk可愛すぎるだろ…Aで

116名無しさん:2008/06/16(月) 02:17:48
Bでござる!

117名無しさん:2008/06/16(月) 02:32:51
kstkイベントのあとだからかAが多いな。
しかし俺はよっしー一筋、Bだ

118名無しさん:2008/06/16(月) 02:49:08
ロリコンな俺はA

119名無しさん:2008/06/16(月) 02:57:38
電脳さん可愛くね?
電脳ルートが見たいB

120名無しさん:2008/06/16(月) 03:26:48
B支援

121名無しさん:2008/06/16(月) 09:51:22
B

122名無しさん:2008/06/16(月) 13:27:48
よっしーB

123名無しさん:2008/06/16(月) 14:19:51
kstkだろう

Bで

124名無しさん:2008/06/16(月) 14:24:11
>>123
まちがた
Aで

125名無しさん:2008/06/16(月) 17:25:24
Aだな

126名無しさん:2008/06/16(月) 18:18:57
Aだな

127名無しさん:2008/06/16(月) 19:02:04
支援B!

128名無しさん:2008/06/16(月) 19:08:27
よっしーがきになる。
B

129名無しさん:2008/06/16(月) 20:16:11
Bかな

130名無しさん:2008/06/16(月) 20:22:57
Aでよろ!

131名無しさん:2008/06/16(月) 20:27:59
前回といい流れ早いってか人数多いな。
こりゃ本当に人増えたのか?



選択肢Bでお願いします

132名無しさん:2008/06/16(月) 20:47:59
ROMってたけど今回はBで

133名無しさん:2008/06/16(月) 20:50:26
Bでよっしー支援!

134名無しさん:2008/06/16(月) 21:32:40
渋川支援B

135名無しさん:2008/06/16(月) 23:07:05
ハンマーと言われてハマハンマーを思い出すおれは間違いなく異端

136名無しさん:2008/06/16(月) 23:23:43
kstkかわいいよkstk
Aでー。

137名無しさん:2008/06/17(火) 00:34:41
これはBを支援せざるをえない

138名無しさん:2008/06/17(火) 01:06:46
「俺もいいよ」

なにも遠出しなくても対戦は出来るし、さんまさんには聖ソルについて色々聞いてみたい事もある。

「そっか…」

俺の返事を聞き、キシタカが少し力なさげに声を落とした。

外に出ると、昨日から降り続く雨は霧雨となって継続している。
二人と駅で別れてフジへと向かって歩く、もはや馴れ親しんだ道の商店街の入り口、マツモトキヨシの店先の辺りで

「あの………昨日はごめんなさい、いきなり怒鳴っちゃったりして」

捨てられた子犬みたいにションボリした電脳さんが、急に詫びの言葉を口にした。
昨日、既に謝ったはずだが気に病んでいるのだろうか?

「別にいいけど、いさと前になんかあったの?」

「それは……その………一応組んだ事はあったんですけど………」

―――やはり言いづらそうだ、深くは聞かないでおくのが優しさとは限らないが、無理に聞き出そうとするのもよくないだろう。

結局、電脳さんはそれ以上を語る事はなく、黙々と歩いてフジに着き、二階に上がると他のみんなはもう来ている。
さんまさんは丁度対戦中のようだ、さんまさんの後ろで煽りながら試合を観戦していたてんさんがこちらに気付いて

「やっ、NS!いさとキシタカは?」

「秋葉行くってさ」

「へぇ、二人とも頑張ってるね」

揶揄するような調子ではなく、素直に感心したといった風
てんさんはこういう所はさっぱりしている。

他の台を見ると、片方はMKが対戦中、もう片方はよっしーらしきエディが一人用をしている。

他に空いている台も無いし、早速エディに乱入すると
―――なにか変だ、違和感がある。
普段の彼女ならまずやらないような操作ミスとぐだぐだな動き、勝つには勝ったが今一つ釈然としない
SLASHの表示が流れ、試合が終わると、反対側から予想通りの長身の女性がゆらりとこちらに回り込んできた。

「………ああ、やはりNSさんでしたか………」

トロンと焦点の定まらない目で俺を見る彼女は、昨日に輪を掛けて元気が無さそうに見える。

「………なぁ、大丈―――」

「やっ!NS!昨日は上手い事いった?」

どうやら負けてしまったらしく、隣の筐体から離れたさんまさんが俺の言葉を切って会話に割り込んできた―――かと思うと

「どーれ、それじゃさんまズブートキャンプ本番と行こうか!」

力の込もった声でそう宣言した。


「ちっがーう!そこはCKを使ってLV維持!」

「そこはディレイJCで慣性を残す!」

一回コンボを入れるたび、起き攻めや立ち回りからの連係に持ち込むたびに、次々に教官からの指令が放たれる。
なかなかにハードだなぁ―――さんまズブートキャンプ。

夕食を経て、更に続いたこの特訓を総括するように

「あんたは読みや反応、状況判断はかなりのものよ
 けどコンボが安過ぎるのと知識が足りないわ、それじゃ安定させるには限界があるわよ」

丁度そう言った瞬間

「そろそろ時間じゃない?」

彼女はてんさんの指摘に驚いた様子で壁に掛けられた時計の時間を確認する。

「んじゃあ時間も時間だし、駅まで送ろっか」

皆がてんさんの発案に従って外に出る。
夜の闇に覆われた町は雨こそあがったが、町を覆った寒気は残ったままだ。

「今日は寒いですね…」

よっしーの呟きに心から同意しながら駅に到着し、いよいよさんまさんとのお別れの時間だ。

「じゃあみんな、またねー!」

と改札を潜ろうとした直前に、何か思い出したように振り返って、巻き戻しみたいにこちらに戻ってくると

「あ、そうそうアド交換して」

と俺に向けて携帯を開いた。
そしてアドレスを交換した後、彼女は最後にこんなことを言い残して行った。

「あんたには期待してるよ、あんたのプレイヤー性能なら今年の闘劇荒らせそうだしね!」

俺は彼女の弟子になった気は無かったが
仮に弟子としてなら、嬉しくなるような褒め言葉で太鼓判を捺されたんだろう。

139名無しさん:2008/06/17(火) 01:10:17
「さーてっと、帰りましょうか」

「じゃあなー」

去って行く皆を見送り、気が付くと改札の前には
柱に寄り掛かって立ち尽くすよっしーと、携帯をいじってるバベさんしか残っていない。

よっしーが柱から体を離し、こちらに向かってくる。
その顔色を見て驚いた。
もともと色白の顔はもはや蒼白に近く、いつもと変わらない穏やかな微笑みが痛ましくさえ映る。

「では、私も………」

そこまで言った所で、フッとまるで支えを失った人形みたいに、俺に覆い被さるかのように倒れこんで来た。
目の前の不測の事態に面食らいつつも、倒れこんだよっしーを受け止めると、彼女は長身な体格に比して痩身な所為か案外あっさりと支えられた。

「…寒い………で……す」

ハアハアと息を荒げ、小刻みに体を震わせながら苦しげに訴える。
異変に気付いたバベさんが慌てる様子も無く、淡々とよっしーの額に手を当てる。

「熱があるわね、これ」

まるで家電の故障かなんかでも扱うかのように、平然とした態度で即座にそう断言する。

「家には案内してもらえないよね?」

バベさんは念押しして、よっしーが無言のまま首を縦に振るのを確認すると

「参ったね、あたしの家遠いんだよなー」

どうしたもんか、とぼやきだしたバベさんに―――他に手は無さそうだし、よっしーを放っておくわけにもいかない―――だから、こう発案した。

「…俺の家なら―――」


バベさんを連れ、よっしーに肩を貸しながら、なんとかアパートの俺の部屋に辿り着くと、すぐによっしーをベッドに横たわらせた。

「私……………どう………し……ました?」

消え入りそうな弱々しい声で呟く、どうも自分が熱で倒れたという事すら気付いていないらしい
「高熱を出して倒れたんだよ」と説明すると、彼女は注意しないと聞き取れないくらいの小声で一人ボソッと呟いた。

「―――これは………現でしたか」

「病人の前で煙草吸うわけにもいかないし、ちょっと外で一服してくるわ」

バベさんが外に出ていった…俺は何かよっしーの看病をしてあげようか。


A氷嚢を持ってこよう。
B卵酒でも作ってあげよう。
C………あ…汗を拭いてあげよっか……!

140名無しさん:2008/06/17(火) 01:29:50
むおー、迷うぞ!
どれでも良さそうだからこそ迷う!

141名無しさん:2008/06/17(火) 01:35:23
し・・・ゴクリッ・・・



Aでおねがいします;;

142名無しさん:2008/06/17(火) 01:36:37
B
俺卵酒なんて飲んだことないけどw

143名無しさん:2008/06/17(火) 01:40:21
Bで

144名無しさん:2008/06/17(火) 02:32:36
kstkorz
三周目待つよ……

145名無しさん:2008/06/17(火) 05:17:25
ここはCでCG回収だろJK

146名無しさん:2008/06/17(火) 07:41:25


147名無しさん:2008/06/17(火) 12:43:47
まだ体調悪そうだし、無理して胃に食べ物入れることもないだろ
氷枕でも持ってきて額にお絞り当ててあげようぜ

148名無しさん:2008/06/17(火) 13:35:48
C…やっぱAで

149名無しさん:2008/06/17(火) 18:50:58
自重しない!
C!

150名無しさん:2008/06/17(火) 19:15:10
kstkフラグが…
俺も三週目を待とう

151名無しさん:2008/06/17(火) 19:22:50
卵酒だ!!1

152名無しさん:2008/06/17(火) 19:43:14
せっかくだから俺はこのAを選ぶぜ!

153名無しさん:2008/06/17(火) 20:28:40
タマゴ酒はしっかり沸騰させて酒臭さを抜いてからタマゴを入れないと不味くなるぜ〜
つーか治りかけに飲むのが良いからAだな

154名無しさん:2008/06/17(火) 20:53:07
セーブさせてください><

155名無しさん:2008/06/18(水) 00:10:48
せっかくだからおれはこのCを

156名無しさん:2008/06/18(水) 00:56:01
Aかなー

157名無しさん:2008/06/18(水) 08:07:15
Aだな
さり気ない優しさが一番かと

158名無しさん:2008/06/18(水) 17:24:42
冷凍庫から氷を取出し氷嚢を作ると、苦しげに横たわる彼女の頭にそっと乗せた。
荒かった呼吸が徐々に鎮静化して正常なものに近づいていく。

「…………あ………は…あ………気持ち……いい………で…すぅ」

一瞬、思わず心音が跳ね上がった。
色気の無い体型に隠れていたが、熱に浮かされて蕩けたような目と、うっすら汗ばんだ肌に、普段目にする事の無かった女らしさを意識させられる。
しばらく見ていると静かな呼吸は寝息に変わり、目を閉じて眠りに落ちたようだ。

―――そういえば最近寝不足だと言っていたな、この体調不良もその所為かもしれない
せめて今はゆっくり眠れればいいんだけどな。

159名無しさん:2008/06/18(水) 17:41:56
エロい。背後

160名無しさん:2008/06/18(水) 18:34:31
うむ

161名無しさん:2008/06/18(水) 21:04:21
えwwwこれ続き?wwwww

162名無しさん:2008/06/18(水) 22:15:50
短っwww

163名無しさん:2008/06/18(水) 23:39:56
よっしーのセリフに不覚にも勃起した

164名無しさん:2008/06/19(木) 00:40:38
色気の無い体型って失礼だなw
本人に言ったらNSも口の中火傷させられるぞw

165名無しさん:2008/06/19(木) 00:53:51
―――今度は無印か。

―――この夢は嫌いだ。
決して悪夢ではない、楽しかったはずの思い出なのに―――緩やかに私を苛むのだから。

画面を見ると、映っているのは勝利ポーズをとる黒いブリジットの姿―――ゆきのせさんに負けたんだ。
今考えると無印ブリジットは相当おかしい性能だったなぁ、低空スターシップとか設置とか色々。

―――そういえば、この頃の私はなんて名乗ってたんだっけ?
思い出そうとしていると

「よっしー…あんた、もう少しガードしなさい」

あの人の声が耳に飛び込んできた。

「各種ファジーと暴れの使い分けがこのゲームにおける最適の防御法だと思いますが」

自分の立てた理論通りに落ち着いて反論する。

「それは間違ってないわ、けど様子見を兼ねた相手の動きを見るためのガードは必要よ
 折角攻めのバリエーションが豊富なのに勿体ないわよ」

―――なるほど、一理有る。

「分かりました、やってみます」

後ろから随時送られるアドバイスを実行していくと、試合は徐々に優勢に傾いた。
確かにこうした方が相手の攻めに余裕を持って対応できる。
ブリジットの体力を全て奪い去ると、後ろから見た目の割に子供みたいな誇らしげな響きを持ったあの人の声が聞こえた。

「ねっ、上手くいったでしょ!」

166名無しさん:2008/06/19(木) 00:56:22
―――いよいよ船橋フジの閉店の時間だ。
解散の前にあの人が、何かに気が付いたように「ねぇ」と前置きして

「あんたよく遅くなるけど、家に連絡しなくていいの?」

「………いいんですよ」

(私の事なんて、どうでも………)

後半こそ口に出しはしなかったが、口にした6文字だけでも自分が発したと思えないほど暗い響きを帯びた声だった。

(………しまった)

余計な詮索を招くかもしれない、と少し焦った。
…けどあの人は

「………そっか」

とそれだけ言って、背中越しに手を回し軽く抱きつくような形で

「よーし!じゃあ、お姉さんの家に遊びに来なさい!
 バベとkaqnとゆっきーも来るよね?」


―――あの人の操縦する車に乗り込み、既に真っ暗な夜道を走る。
凄い早さだ、開いた窓からビュンビュン風が鳴る音が聞こえ
外の景色は早送りでもかけたみたいな速さで流れ、カーブを曲がるたびガタンと車内が揺れる。

「ちょっとちょっと!少しはスピード落としなさいよ!!」

kaqnさんが怒声を張り上げる…けど

「こうなった私は止まらないわよー!」

声と共にアクセルを踏み込んだようで、グンと更に速度を増した。

「ちょっ………まっ…前!人ー!!!」

ゆきのせさんの叫びに急ブレーキをかけて、辛うじて通行人の手前で静止することに成功した。

「リアル跳ねる!で人を跳ねて、人生ゲージ全消費とかシャレになってないわね」

バベさんが心なしかいつもより乾いた笑いでジョークを飛ばす。

「分かったわよ」

スピードを緩めた車の中で、安心した所為かウトウトと瞼が重くなってきた。

―――夢の中でまた眠るという感覚も味わってみたかったが、シャッターが下りたような暗闇が訪れただけだ。
―――そして闇が晴れた。


「ほら、起きて」

車内を見渡すと、私とあの人の他に乗っていたはずの3人がいない。

「他の皆さんは?」

「家に置いてきたわ、それより見て!」

彼女が指差した方向に向けて目をやると

「―――わあ」

海岸線の東の空が昇ろうとする朝日に赤く染められている。
青白い明け方の空と赤い朝焼けの対比が描く、一幅の絵のような芸術的な色彩
その景色に魅入られて―――世界中の時間が止まったかのような錯覚さえ覚えた。

「どう?よっしーは理論や知識が先行して実体としての認識を軽視する傾向が―――――」

云々、と長口舌を振るい始めた。
この人は無駄に難解な言い回しを好む癖がある。
そして相手が―――今の私みたいに不可解な表情をしていると、決まって最後はこう締めるのだ。

「うーん、ちょっと難しかったかしらね?ちなみにバベは分かってくれました」

自慢げな必要以上に大人ぶった態度を見て、少しばかり滑稽に感じ、クスッと忍び笑った。
―――でも、そんな些細な欠点なんてどうでもよくなる位
夢で見ている今も、夢と現の境目すらも曖昧になりそうな程に
―――あの日の朝焼けは美しかったんだ。

167名無しさん:2008/06/19(木) 01:11:37
なんだこの恋劇ZERO

もっとやれ

168名無しさん:2008/06/19(木) 02:22:04
kttt

169名無しさん:2008/06/19(木) 02:28:49
北辰事変
かつて、ギルティ界には北辰というエディ使いがいた。
彼はギルティの腕もさることながら、リアル立ち回りが神がかっていた。
普通の人なら一行で片付ける文をレポート用紙三枚分にして書く、
ゲーセンのトイレでリアルドリスペ(ウ○コ)を設置する、
暴れる相手に対してわざわざ筐体の裏に回って説教する、
エディ使いなのにリアルファフニールの使い手である、等々……。
とにかくリアル立ち回りが神がかっていた。
あまりにも神がかっていたため、彼を快く思わない人間も多くいた。

そんな彼がある日突然、GGXXBBSの管理人にこう進言する。

―――GGXXBBSにID制を導入してはどうだろう?いや、むしろそうしろ―――と。


かくしてGGXXBBSにはID制が導入された。だが、事件はこれだけでは収まらなかった。
なんと北辰の身内が匿名をいいことに自作自演で北辰を叩いていたのだ。
そしてIDの表示によりそれらの自演叩きが全てバレてしまった。
北辰は静かに、しかし激しい怒りを燃やしながら、その身内達を※非道な方法でゲーセンへと呼び出し
店の前で正座させ一時間以上の説教を行った。

そしてその身内達は北辰との関係をほぼ断ち切り、北辰自身も何も無かったかのように掲示板へと戻ってきた。

北辰曰く

「ちょっとお話してきただけぎぞ」
とのこと(彼は語尾に「ぎぞ」を付ける)。

パンピーもあまり深く詮索しては命に関わると判断し、この事件はここで幕を閉じた。
これが世に言う北辰事変。GGXXが稼動してから少ししてのこと。

170名無しさん:2008/06/19(木) 03:23:05
初背後?
久々に見にきたら結構更新進んでいてうれしいなw
北辰事変ってこういうことだったのか、初めて知ったわ

171名無しさん:2008/06/19(木) 07:08:43
そして説教された側が作った新たな匿名掲示板、それがうらいた―
紆余曲折を経て今は2つあるけども

172名無しさん:2008/06/19(木) 12:34:50
余計な詮索はしたくないが北辰とこのスレは関係ない気もする

173名無しさん:2008/06/19(木) 14:50:42
ネタバレいくない

174名無しさん:2008/06/20(金) 01:45:17
少し返信を。

>>169
説明乙です。

>>170
残念ながら>>169は違います。

しかし今更だけど、このスレの読者ってどの辺からギルティ始めた人が多いんでしょ?よかったら選択肢ついでに教えてもらえませんか?
/やACから始めた人だと、キシタカさんは最近今更のようにネタにされてるから知ってても、北辰さんはおろか電脳さんとか渋川さんとか知らないって人がいたりしそうな予感。

>>173
まぁ、これについてはバレバレ過ぎますし、読者にもある程度分かるの前提で書いてますので
お気持ちは有り難いですが、ネタバレを恐れるあまりスレの活気が無くなっても書いてる方としては微妙ですから、あまり細かい事は気にしないようにしましょ。

175名無しさん:2008/06/20(金) 01:46:28
(…まだ、起きないかぁ)

一夜が明け、俺とバベさんが目を覚ましても
よっしーは起きる気配も見せないまま、時刻は既に昼に近づいている。
眠り姫のような彼女のか細く静かな息遣いはまさに“死んだように眠っている”という表現がそのまま当てはまる感じで、見ていてこのまま目覚めなかったらどうしようなどと一抹の不安さえ覚える。

「んっ………」

微かに呻く声が聞こえたかと思うと、彼女はゆっくりと目を開いた。

―――いや『開いた』と断ずるには、あまりにも虚ろな瞳
心ここにあらずといった風情のまま、しばらくボーッとしていたが

「………もう、大丈夫です」

と言うや否や、壁に掛けておいた上着を手に取りベッドから立ち上がろうとする。

「まだ早いんじゃないか?」

上着に袖を通しながら、引き止めようとした俺に答える。

「いえ、あまり迷惑を掛けても心苦しいですし
 体調が戻ったら、また今度遊びに来ますよ」

ぺこりと一礼して、素早く玄関から外に出ていった彼女を為す術もなく見送って
部屋には俺と、隅で壁にもたれかかって本を読み耽っているバベさんの二人きりになった。
―――そういえば、今日は月曜日…れっきとした平日の筈だ。

「バベさん、仕事とかいいんですか?」

俺の質問に、本から目を離さずに答える。

「自主休業、NSこそ大学は?」

…痛い所を。
まぁ、これまで単位はちゃんと取ってるし、一日くらい大丈夫だろう。

「…自主休講です」

「まぁ万里みたいになんなきゃいいけどさ」

ポツリと呟く、聞き覚えのない名前だ。

「万里って誰ですか?」

と、問い返すが

「んーん、こっちの話」

にべもなくそう言って、ようやく手に持っていた本から目を離したかと思うと―――こう言いだした。

「暇だし何かしない?」


A家でダラダラしましょう。
B駅前でもぶらつきましょう。
Cフジに行って対戦しましょう!

176名無しさん:2008/06/20(金) 01:53:14
背後?更新乙。

>>174
俺はスラ稼動直前からだけど、結構名のある人なら無印以前の人でも結構知ってる。
北辰とかサイコさんは色んな意味で有名だしw


選択肢はCと言いたい所だけど、何か色々ありそうで面白そうだからBで。

177名無しさん:2008/06/20(金) 02:33:41


178名無しさん:2008/06/20(金) 03:25:52

俺はゼクスの終り際からやってる。

179名無しさん:2008/06/20(金) 04:13:58
ここはBで


ちゃんとやりはじめたのは無印からかなー

180名無しさん:2008/06/20(金) 04:42:38
Aだな

181名無しさん:2008/06/20(金) 06:45:29
Bかな

俺が始めたのはスラッシュ稼働してしばらくしてからかな

でも、この話に出てくる人はほとんど知ってるよ
AC稼働初期に聖ソルでいさソルに勝ったのは良い思いで

182名無しさん:2008/06/20(金) 06:52:45
B。
自分は知ったのはゼクス後期、まともにやり始めたのは青リロ中期かな。

183名無しさん:2008/06/20(金) 07:26:16
Cで。
俺は無印初期からだな。

184名無しさん:2008/06/20(金) 11:07:25
やっとバベさんフラグが
ここはBで
自分は青リロ中期ぐらいかなー

185名無しさん:2008/06/20(金) 11:33:31
Cで

ギルティを知ったのは無印、やり始めたのは/です

186名無しさん:2008/06/20(金) 12:21:39
Aでようやくタイトル通りの展開ですね。

187名無しさん:2008/06/20(金) 18:10:42
Bで

188名無しさん:2008/06/20(金) 19:15:38
更新乙

やり始めた時期とか有名人の把握具合とか>>176と同じで吹いたwww


選択肢は無難にB

189名無しさん:2008/06/20(金) 19:21:48
無印末期からかな、当時はあんまり掲示板は見てなかったけど
Bで何かのイベントを期待

190名無しさん:2008/06/20(金) 20:07:51
つい最近w 2ヶ月前くらいかな。他キャラの技性能すら把握してないし、有名人もこのスレで知った人ばっかだけど、それでもこの話面白いわw

Aでー

191名無しさん:2008/06/21(土) 14:25:41
>>169も小説の一部かと思ったが、違ったのかw
>>174
ゲーセンで#Rが出たばかりの頃、無印の練習台で遊んでいたのが最初か
ただ掲示板みたり、有名人の名前を覚えてきたのはココ2〜3年w
あとやってる時間は長いがそんなに上手くない・・・家庭用持ってないしw

選択肢はBで〜

192名無しさん:2008/06/22(日) 02:42:08
なるほど、結構色んな人が見てくれているようですが
それに伴う形でちょっと作者から言い訳というか念押し気味な事を。

これを書き始めてから、このスレの派生形らしきスレを三つ程見かけまして、それらを見て思ったんですが。
自分はあくまで「ゲーセンを題材にした(出来るだけ面白い)ギャルゲー」を書こうと思って書いているのであって、別に「有名人を女性化させたギャルゲー」を書こうと思った訳ではありません。
大体後者だったら、何も登場人物を千葉勢にしないでも(以下敬称略)小川、ネモ、コイチ、FAB、にが、まちゃぼーとか今現在名前が知れ渡ってる人達を出して、舞台ももっと有名で流行ってる秋葉セガとか新宿べガスとかにした方がいいんでしょうが

自分は『ゲーセンの楽しさ』『格ゲーの持つ魅力』と『そこから生まれる物語』を上手く書き出せればなぁ、と思い
それから最初の方のレスで「有名人を女性化」っていうのを見て、確かにうらいた的にそっちの方が面白いかも、とか思いながら題材を活かす為の最適な人物と舞台を考えて、船橋フジって結論が出た訳でして。

つまり別に有名人女性化に関してはあくまで二次的な要素であり、面白さ最優先でイメージ重視フィクション上等で書いてます。
いさが中学生だったりするのも、リアル年齢のままだとヒロイン全員が主人公より年上のギャルゲーとかになって、正直微妙だなーって感じなのでイメージ重視+ギャルゲー補正でそうしたまでですので
皆さんこのスレの設定をあんまり真に受けないで下さいねっていう話でした。

193名無しさん:2008/06/22(日) 02:44:15
「駅前でもぶらつきましょう」

俺の案に対し、バベさんも乗り気な様子で

「そうねー、やる事も無いし」

と、本を床に置いて立ち上がった。
…正確に言うなら、やるべき事は確かに有った筈だが、自分達で勝手に放棄した訳だけど。


―――外に出る。
気が付けば、既に春を感じるうららかな日の光と暖かい風を感じながら、駅前に着くとバベさんは

「とりあえず、本屋でも行こっか」

と、真っ先にときわ書房という、俺にとってはもはやお馴染みとなった書店に向かった。
先程の読書に集中してた様といい、余程本が好きと見える―――なんか意外な気がした。
人間のイメージとは不思議なもので、どちらかというとバベさんは読書人というよりは音楽でもやってるようなイメージが有った。
一通り店内を見て回り、好きな歴史小説でも買ってから、再び一階を見回すとバベさんは新作の本が平積みされている場所で立ち読みをしているようだ。

「何を読んでるんですか?」

そう尋ねると、黙ってこちらに向けて本を傾けた。
見ると、目に入ったのは驚いた事に「あーんして」といった感じにスプーンに乗せたデザートを差し出す女の子の挿し絵―――恋愛小説のようだ。

「こういうの好きなんですか?」

「別にたまたま、本なら大体何でもいけるわよ」

平然と答えて、本を閉じ棚に戻す。

「それより、そろそろ食事にしない?」


一旦近くの百貨店に入り、レストランで昼食をとる。
一足先に食事を終えると、バベさんがデザートに注文したパフェを食べ終わるのを待つ。
淡々とではあるが、美味しそうにパフェを口に運ぶ彼女を見て、思わず大した意味も込めずに感想をそのまま口に出した。

「バベさん甘いもの好きですよね」

クスッと、いつもの彼女の持ち味である、全てを嘲笑うかのような皮肉げな笑みを浮かべたかと思うと

「食べてみる?……ほら、口開けて」

スプーンにパフェをすくいとり、乗せた。
先程の小説の挿し絵を思い出し、ドキッと心臓の鼓動が大きくなる。

「目を閉じて」

言われるままに目蓋を閉じ、心の準備をするものの―――待てども開いた口には何の感覚も訪れない。

「………はい、間抜け面の出来上がりっと」

慌てて目を開く。

「バーベーさーんー!」

悪ふざけだったと気付いて、我ながら柄にもなく少し大きめの声で抗議の意志を発した。

「冗談よ、んでコレがお詫び」

開いていた口の中にひょいっと何気なくスプーンが侵入してきた。
甘いクリームの味が口の中にジワッと広がっていく。

「どう?」

「………美味しいです」

「じゃ、行こっか」

レシートを手に取り、飄々と出口に向かうバベさんを見て。
(―――なんか、負けちゃったかな)
と、なんだか一種の敗北感のような感情を覚えた。
―――けど、それは決して不快なんかじゃなく、むしろ心地良いものにすら感じた。

194名無しさん:2008/06/22(日) 02:46:02
再度駅に出ると、全く見覚えの無い、やや背が高めの大人っぽい女性が

「あれー?バベじゃん!」

と元気良くバベさんに向かって話し掛けてきた。

「誰ですか?」

バベさんに尋ねると、一瞬驚いたようであったが

すぐにニヤッと微笑みながら

「こいつは月み―――」

と言いかけた所で、その女性はバベさんの口を塞ぎ、少し俺から離れた位置でヒソヒソ話を展開しだした。
なにやら『若さ故の過ち』がどうとか言っているのが微かに聞こえる。
しばらくして話を終えると、女性は俺と向かい合って正面から

「あたしはかきゅんよ、よろしくね!NS君」

と、自己紹介した。
俺の名前を知っているのは、バベさんから聞いたんだろうか?

「で、何してんの?」

バベさんの問いに、かきゅんさんと言うらしい大人の女性は堂々とした、風格らしきものすら感じる態度で

「船チャリで仕事よ」

と、一応の聞き覚えが有るゲーセンの名を持ち出す。
船橋チャリオットというゲーセンは行ったことこそ無いものの、その存在は耳にしていた。

「組み手だっけ?」

「そっ、予選前だし私も対戦しときたいしね
 あんた達はこれからどうするの?」

何をしてるの?と聞かなかったのは平日の昼間にぶらついている時点で割と察したのか……
さて『これからどうするの?』か―――――



A船橋チャリオットに行く。
B船橋フジに行く。
C引き続き駅前をぶらつく。
Dバベさんに任せる。

195名無しさん:2008/06/22(日) 04:19:36
Dで

PC版ゼクスからやってるけど
掲示板とか見始めたのはここ数ヶ月だなあ
FRCの存在とか知ったのスラッシュの後期だしwww

196名無しさん:2008/06/22(日) 11:51:51
A!

経験値積んで闘劇に備えんべ

197名無しさん:2008/06/22(日) 16:29:00
よっしーはどこにいる!?
Dで遭遇期待

198名無しさん:2008/06/22(日) 16:42:11
>>197
俺はお前の選択肢に便乗させてもらうぜ!

D

199名無しさん:2008/06/22(日) 21:56:35
>>192 
あ〜なる 元はといえばそういう話だったよねw

バベさんとパフェのくだりがいいなw
ここはAで

200名無しさん:2008/06/23(月) 07:43:47
Dかなぁ?

201名無しさん:2008/06/23(月) 08:02:03
ここはCで
バベさん一筋なおれはもう少しこのままでいたい…

202名無しさん:2008/06/24(火) 02:19:07
「バベさんに任せます」

俺の答えを聞き、バベさんは軽く嘆息しながら

「おいおい……どこ行くか位、自分で決めれば?」

呆れ気味に言った後「ま、いいけどさ」と付け加えて。

「んー………とりあえず船チャリは無いわね」

「なんで!?」

かきゅんさんと名乗った女性が声を荒げる。

「ただでさえやる気無いのに、1クレ100円のトコでガチなんてやりたくないわよ」

動揺の色も見せずに言い放ったバベさんに対し、彼女は言葉に詰まった様子の後

「ちぇっ、ケチ」

と不貞腐れ気味に言い放って

「来てくれたら嬉しかったんだけどねー
 それじゃあ仕方ないし、あたしは一人淋しく仕事でもしてくるわよ」

などと、冗談めかしつつも残念そうに言い残して去っていった。
少し気の毒な後味の悪さを残しながら、その後ろ姿を見送って
次に肝心の俺たちが何をするか、という点についてだがバベさんの案は

「そーねぇー、じゃあ電脳の家にでも襲撃かけよっか」

との事だ。
しかし、この時間では

「電脳さん、家にいるんですか?」

「『大学が休講でした!』って昨日浮かれてたから多分居る、居なかったら居なかったで諦めましょ」

後半の結論がいかにもバベさんらしい、と思いつつも行動を開始して
記憶を頼りに、一昨日訪れたばかりの電脳さんの住居であるマンションの一室に到着した。
インターホンを押すと、ピンポーンと間の抜けた音が響き、入り口の扉が開く。

「ふぁい…どなたですか?」

寝癖の付いた頭、ずれた眼鏡と子供っぽいパジャマ姿と、寝起きそのものの格好の電脳さんが寝呆けた声を発したかと思うと

「………って、バベさんにNSさん!な、なんの用ですか?」

今更のように慌てふためいた様子

「遊びに来たわ」

バベさんはニッと微笑して
「ちょっと待って下さい!」
と室内に駆け込む電脳さんをニヤニヤしながら悠然と眺めていた。
それにしても電脳さん、こんな時間まで寝てたのか…


小綺麗に整頓されたリビングに通してもらい、雑談の流れになり。

「バベさんと電脳さんって付き合い長いんですか?」

ふと出てきた疑問に電脳さんが答える。

「そうでもないですよー、無印の終わりから青の初期だったような」

「ええと…」とバベさんに視線を固定したまま、考え込んだかと思うと

「バベさんの名前を初めて知ったのが『バベルフィッシュたんハアハア』って、最初の闘劇の優勝チーム名でしたから」

なんだそりゃ、と言いたくなるような話を持ち出す。

「今更ながら迷惑極まりない名前だったわね」

流石に少し照れ臭そうに煙草に火を点けるバベさんを見ていると、思わず苦笑せざるをえない。

「それにしてもどこの誰ですか?そんな変なチーム名で出た変人は」

軽い気持ちで尋ねてみたが

「さっき会ったじゃないの」

意外な返答に「え?」と間の抜けた声で再度問い直す。

「さっき会ったkaqnはそのチームの内の一人よ」

電脳さんがクスクス笑いながら

「かきゅんさんに言っちゃおっかなー」

などと、楽しそうに言っている。

「面白そうね」

バベさんも賛同の構えな事を見定め。

「………すいません、勘弁してください」

謝意を口にしつつ『口は災いの門』とか『雄弁は銀、されど沈黙は金』なんて諺が頭をよぎった。
“分かっていても、時には実行するのは難しい事も有る”っていうのは、きっと言い訳になってしまうんだろうな。

203名無しさん:2008/06/24(火) 20:28:35
更新キター

良い感じにバベ√?
取り合えずこれから何するのか期待w

204名無しさん:2008/06/25(水) 16:19:47
更新来てたのか、乙

バベさん呆れ顔だな、選択肢ミスかね

205名無しさん:2008/06/25(水) 21:04:06
俺と電脳さんが雑談を続けるうちに、だんだんと退屈そうにしだしたバベさんが

「ねぇ、テレビ点けてもいい?」

と言いだした。

「いいですよ」

電脳さんの許可が下りると、即座にテレビに光が灯る。
重々しいBGMが聞こえ、徐々に鮮明になった画像を見ると、季節外れのホラー番組なんてやっているようだ。
各地の怪談を紹介する、なんて番組らしい。

「何コレ?」

バベさんは恐がる様子など微塵も見せずに馬鹿にした風に笑う。

「バベさんはこういうの信じなそうですよね」

「むしろ信じる要素が無いわよ」

俺に対してきっぱりと断言したくせにバベさんも―――それに電脳さんも多少は興味があるのか、お喋りを止めてじっと画面を見つめ始めた。
途中から見始めたので話を把握するのに時間を要したが
なんでも“とある男に捨てられた女が自分を捨てた男とその再婚相手に祟りを為す”なんて話らしい。

「こういうのって、おかしいと思うんですよ」

興味深げにテレビを注視していた電脳さんが唐突に口を開いた。

「なんで?」

バベさんが画面から目を外し問う。

「だって本当に相手の事が大好きだったなら…自分の事を忘れて欲しいって思う筈です
 ………自分の所為で好きな人が幸せになれないなんて、そんなの……嫌ですよ」

―――それは微かな熱を帯びた、真剣そのものの言葉だった。
バベさんは冷たく皮肉の一つでも飛ばすかと思いきや
「へぇ……」とだけ言って、興味なさげに―――いや、あえて深く言及するのを避けるように口をつぐんだ。

テレビに視線を戻すと先の話が終わり、続いての話は西に伝わる怪談のようだ。

「あ、そうそう!すっかり忘れてました!」

電脳さんが先程と打って変わって明るい声で

「今週末に関西勢の人たちが遠征にくるらしいんですよ」

と言いだした。
関西勢、と言われても俺にはさっぱりだというのは先刻承知のようで

「あ、NSさんはコレを見てくれれば分かりやすいと思いますよ」

パソコンの電源を点けて、手慣れた所作でマウスを動かすと、ディスプレイに映し出されたのはギルティの対戦ムービーのようだ。

―――ミリアとエディの対戦
一見した感じミリアの縦横無尽の立ち回りに四苦八苦しているが、エディのこの色と動きを見ると………

「このエディ、小川?」

「正解!この時のおがちゃんは調子悪かったみたいですけどね、相手のミリアはヲシゲさんって関西の人です」

―――あの小川が対応に追われて完全に後手に回っている。
そして確実にダウンを奪うコンボの安定度
体力を奪い尽くすまで執拗に続く2択の嵐
「凄い……」と感嘆の言葉が意識と無関係に洩れた。

「この間勉強会の手伝いしてもらいましたし、よかったらお礼に手持ちの関西勢の動画まとめてあげましょうか?」

「それじゃあ、お願いするよ」


それからDVDが出来る頃には、もう外は暗くなっていた。

「よければ泊まっていきませんか?」

バベさんがかぶりを振る。

「昨日からこの服着たきりだしあたしは帰るわ」

となると常識感覚で考えて、男一人で女性の家に泊まっていく訳にはいかないだろう…俺も帰るか。
―――玄関に行く途中、カレンダーに記入された予定が目に入る。
今日の予定を見ると、午前中にバイトとの予定の書き込みが入っている。

「どうかしたんですか?」

ニコニコ微笑む電脳さんを見て思い出した。
―――昼に来た時に寝ていたのは、もしかしてその所為?

「………いや
 じゃ、お邪魔しました電脳さん!」

「また、いつでも来てくださいね」

206名無しさん:2008/06/25(水) 21:04:57
―――こうして電脳さんの家を出て、駅前に到着した。
いよいよ丸一日一緒に過ごしたバベさんと、ひとまずのお別れだ。

「今の関西勢、相当仕上がってるらしいから精々頑張ってね」

別れ際に完全に他人事のような台詞を言う。

「バベさんは来ないんですか?」

「千葉県内なら気が向いたら行くかもね」

この様子を見る限り、気が向く可能性は非常に低いと考えた方がいい。

「やる気無いなあ」

「あたしのやる気は青リロの辺りから枯渇してまーす
 よかったらやる気分けて欲しいわ……ギルティだけじゃなくて、全てに対するやる気を」

そんな事を言って「じゃーねー」と力の抜けた挨拶をして去っていく。
あの人を見ていると『不思議な人だな』とも思う
ただの毒舌な冷笑主義者という訳ではないだろう
発言の一つ一つに隠れた知性とほのかに漂う愛敬のようなものが、一種の不思議な魅力を放っている感がある。

さて、家に帰ったら電脳さんにもらったCDを見て対策でも考えようかな
―――今から週末が楽しみだ!

207名無しさん:2008/06/25(水) 21:35:55
関西勢ktkr


更新乙、どくらを楽しみにしてますwwwww

208名無しさん:2008/06/25(水) 21:55:14
更新乙
今度はるぅちゃま達に会いに行きたいな

209名無しさん:2008/06/25(水) 22:13:20

バベ良いなぁ

210名無しさん:2008/06/26(木) 00:36:03
>>206
の最後CD→DVDでした
間違えました。

211名無しさん:2008/06/26(木) 00:36:59
あっと言う間に数日が過ぎ、関西勢が来る日はいよいよ明日だ。

遠足を明日に控えた子供みたいな、まるで心が跳ねて踊りだしそうになるような、そんな心境を前にしてはフジから家に帰り着いて時計の針が1時に近づいても、ちっとも眠くならなかった。

いっそこのまま明日の朝まで起きていようか?なんて事まで考えだした瞬間、携帯電話からメールの着信の合図である電子音が鳴った。

From よっしー
Subject 無題

本文 明日ですが、関西勢は夜行バスで関東に着いた後、中野と五井に分かれるそうです。
私はキシタカさんと中野に行こうと思いますが…NSさんはどちらに向かいますか?


A中野。
B五井。

212名無しさん:2008/06/26(木) 01:13:46
Aだな

213名無しさん:2008/06/26(木) 03:11:16
A1択だな

214名無しさん:2008/06/26(木) 03:20:59
中野に決まってるだろうが!

Aで

215名無しさん:2008/06/26(木) 03:44:52
Aだ!中野だ!

216名無しさん:2008/06/26(木) 07:03:54
ここはAしかあるまいて

217名無しさん:2008/06/26(木) 09:00:43
B

218名無しさん:2008/06/26(木) 09:00:54
B

219名無しさん:2008/06/26(木) 09:00:56
B

220名無しさん:2008/06/26(木) 09:00:59
B

221名無しさん:2008/06/26(木) 09:01:02
B

222名無しさん:2008/06/26(木) 09:01:05
B

223名無しさん:2008/06/26(木) 09:01:24
B

224名無しさん:2008/06/26(木) 09:01:28
B

225名無しさん:2008/06/26(木) 09:01:32
B

226名無しさん:2008/06/26(木) 09:01:34
B

227名無しさん:2008/06/26(木) 09:01:42
B

228名無しさん:2008/06/26(木) 09:01:44
B

229名無しさん:2008/06/26(木) 09:22:22
Aで
中野は俺のホームだし

230名無しさん:2008/06/26(木) 09:59:24
Aで

231名無しさん:2008/06/26(木) 10:06:31
Aで

232名無しさん:2008/06/26(木) 11:46:52
B

233名無しさん:2008/06/26(木) 11:46:55
B

234名無しさん:2008/06/26(木) 11:46:58
B

235名無しさん:2008/06/26(木) 11:47:05
B

236名無しさん:2008/06/26(木) 11:47:09
B

237名無しさん:2008/06/26(木) 11:47:12
B

238名無しさん:2008/06/26(木) 11:47:14
B

239名無しさん:2008/06/26(木) 11:47:15
B

240名無しさん:2008/06/26(木) 11:47:19
B

241名無しさん:2008/06/26(木) 11:53:38
Aに決まってる

242名無しさん:2008/06/26(木) 13:00:33
A:9 B:21

243名無しさん:2008/06/26(木) 14:15:22
えらい伸びてて変だと思ったら連投かよ('A`)
Aでるぅはショタ

244名無しさん:2008/06/26(木) 16:04:56
ヲシゲルート

245名無しさん:2008/06/26(木) 16:33:23
Aで

246名無しさん:2008/06/26(木) 17:17:12
一周目は五井行ったんだっけか。
Bで。

247名無しさん:2008/06/26(木) 18:05:04
Aで

248名無しさん:2008/06/26(木) 18:27:24
Aで

249名無しさん:2008/06/26(木) 18:46:02
連投はノーカンになんの?

250名無しさん:2008/06/26(木) 18:58:49
あからさまな連投はノーカンだろうな。
まあその辺の裁量は作者に委ねられるわけだが。
俺らは連投とかしないように心掛けてればおk

そしてよっしールートであろうともkstkに会えるだけで満足な俺はA

251名無しさん:2008/06/26(木) 20:35:37
これはもう中野だろう、Aで

252名無しさん:2008/06/27(金) 02:22:59
いつの間にか関西勢が来る話になってたw バベさんえぇのぅ

ここはAで

253名無しさん:2008/06/27(金) 09:00:24
バベさぁぁぁん
…行ってしまった。

254名無しさん:2008/06/27(金) 09:01:03
バベさぁぁぁん
…行ってしまった。
ちなみにAで。大丈夫、きっとまた会えるはず

255名無しさん:2008/06/27(金) 19:59:22
Bで決まりだな

256名無しさん:2008/06/27(金) 20:47:06
Aで。

257名無しさん:2008/06/28(土) 00:04:30
Aでお願い

258名無しさん:2008/06/28(土) 08:25:19
>>252
なんせ2週目ですんでマンネリ防止のため展開は意識して早めにしてますが、出来るだけ手抜きにはならないように頑張ります。

それと作者も人の子、連投は当然ノーカンです。

259名無しさん:2008/06/28(土) 08:31:21
田舎者故の悲しさか『中野』という土地は東京都というだけで高層ビルが林立する大都会であるというイメージが先行していたが
視界の端に商店街の入り口が見え、鮮やかな日の光が刺す駅前の広場はイメージとは全く違ったものだった。

休日だけあって行き交う人々で賑わう広場を見つめながら、一足先に到着した俺はよっしーとキシタカを待っていると
ふと、ポケットから振動を感じた―――携帯に着信が入ったようだ。

―――よっしーからのメール
なんでも「少し遅れます」との話で
「先に行ってて下さい」との事だが
困った事に俺は目的地である中野TRFまでの道のりを知らない。
よっしーに案内してもらう気だったんだが…。

不測の事態に対し、どうしたものか?とばかりに立ち尽くし善後策を考えていると

「―――で、そのTRFっていうのは何処なんですの?」

女性の声で発せられたキーワードが耳に入り、反射的に振り向くと
なにやら女性の3人組が言い合っている。
一人は男の子みたいに快活そうな中高生位の少女
一人は煙草を吹かしながら威圧感の有る佇まいをした大人の女性
そして長い髪の毛をなびかせながら、周囲の視線を意識しているかのような少し気取った雰囲気を持つ女性が先程の声の主か

わいわい騒ぐ彼女達に頭の中でそれぞれに『元気娘』、『姐さん』、『お嬢』なんて仮のあだ名を付けてみた。

「ちょい待ちや、今調べてるから」

携帯をいじくりながら、他二人の発言を制する
仮称『姐さん』を見て、意を決した。

「あの、すいません」

いきなり話し掛けられるのも迷惑かもしれないが、黙って後を付いていくというのも気が引けるからなぁと思いつつ声を掛ける。

「さっき少し話が聞こえちゃったんですけどTRFまでの道、分かるんでしょうか?よかったら案内してもらえませんか?」

少しばかり驚いたようではあったが、快活そうな少女―――仮称『元気娘』がすぐに人慣れした親しみやすそうな笑顔で

「いいですよ、ボク達もこれから行くとこなんです!」

そう返してくれたのに少し胸を撫で下ろした。

「じゃ、行きましょ」

携帯を閉じ煙草を捨てた姐さんが先達になって案内を始めた。


商店街に入り、奥にある中野ブロードウェイという建物に入る。
細い通路に沢山のテナントが入るように区画が整理された内部はちょっと改装すれば迷路にでも使えそうな感じだ。
しかし黙って歩くのもなんだし、なんか話でもするか、と思い
隣を並んで歩いている元気娘をひとまず会話の対象に選んだ。

「助かったよ、俺千葉から出て来たばっかりで道知らなかったからさ」

「へぇー、千葉ですか、ボクは徳島から来たんですよ」

―――なんと徳島とは、はるばる四国から来て午前中からゲーセンとは変わった人たちだなぁ……待ち合わせの時間調整かなんかだろうか?

「なんでTRFに行こうとしてるん?
 ……ってゲームしに行く以外ありませんよねー、なんのゲームやるんですか?」

こちらの考えている事を見透かしたかのように逆に問われる。
多少引かれるかも知れないが正直に話すか。

「格闘ゲームが趣味でさ、遠くから強い人達が来るっていうから対戦しようと思って」

「え?それって―――――」

何か言いかかった口をお嬢が塞ぐ。

「それはまた結構なご趣味ですわね………ちなみに勝算はいかほどお有りなのです?」



A勝ってみせるさ!
B多分勝てないと思う…
C楽しめればいいかな。

260名無しさん:2008/06/28(土) 08:39:50
TRFと言えばガチホm・・・ もといガチレズのクソルに期待せざるおえない
選択肢はCで

261名無しさん:2008/06/28(土) 08:52:36
NS的に考えてCかな

262名無しさん:2008/06/28(土) 08:57:44
ここは強気にAで

263名無しさん:2008/06/28(土) 10:23:11
Cかな〜

264名無しさん:2008/06/28(土) 13:38:20
おお!ついに(北斗的に)アイドルだらけのTRFに!
あえて強気にA

265名無しさん:2008/06/28(土) 15:24:19
やっぱ気概を見せないと!
Aで。

Cはショタにはウケそうだけどね〜

266名無しさん:2008/06/28(土) 22:02:16
ショタktkr ここはCで

267名無しさん:2008/06/28(土) 22:49:27
Aでいいんじゃね?
これはショタか!!

268名無しさん:2008/06/28(土) 22:49:43
Aでいいんじゃね?
これはショタか!!

269名無しさん:2008/06/29(日) 04:07:48
NSの性格を考えるとCだな

270名無しさん:2008/06/29(日) 11:06:36
Aで

271名無しさん:2008/06/29(日) 11:37:22
楽しむのが一番だからCかな

272名無しさん:2008/06/29(日) 14:42:09
AはヲシゲCはショタかな…

273名無しさん:2008/06/29(日) 14:46:58
Cで

274名無しさん:2008/06/29(日) 15:16:49
「勝敗関係無しに楽しめればいいかな」

意外な回答に面食らった様子のお嬢が力を緩めたか、口元を解放する事に成功した元気娘が目を輝かせながら

「だよね!そういうのって、凄く大事なことだと思うよ!」

そう言って、にっこり微笑んだ。

「まったく、楽しいだけで勝てたら苦労しませんわ」

「まぁまぁ、ええんとちゃう?楽しもうってのは私も賛成や」

お嬢と姐さんがあれこれ言い合ううちに、4階の一角から大きめのゲームの音声が聞こえてきた事により、目的地の存在を認めた。

どちらかと言うと『ゲームセンター』と言うより『ゲームコーナー』と言った方がしっくりする、やや小さめの空間に数々の筐体が並んでいる。
その周囲の人々の中から、一人の女性がこちらを向き急ぎ足で歩み寄ると

「やっと来たわね、るぅちゃまー!」

猫かなんかを思わせるような動作で抱きつかんばかりの勢いで元気娘の肩に手をついた。
よく見てみると、その女性はやや化粧が強めだが全身から生き生きした活力を感じ、大人っぽさと子供らしさの同居したような不思議な印象を持っている。

「じゃ、早速対戦しましょっか!」

元気娘の声を聞いて、先程の女性が言っていた名前を思い出す。
………あれ?るぅ?るぅって言えば確か―――
俺の浮かべた不可思議な表情を読み取ったか、元気娘は笑って

「ボクがブリ使いのるぅだよ」

と名乗った。

「それでこの人が少女………あ、今は松本ね」

仮称『姐さん』を指して言う―――この外見で少女というのに突っ込みは不要なんだろうか?

「それでこいつがヲシゲ」

『お嬢』を指して言う。
この子達が関西勢だったか、関西勢って位だから大阪、京都辺りだと思いきや、よもや徳島とは

「先に行ってるね」

ギルティの台の方に向かうるぅから、ふと視線を移すと、なにやら別の筐体の周囲に人集りが出来ている。
男ばっかりだなぁと思いつつ、よく見ると
中心に置かれた筐体に映し出されているゲームは―――

(あ、あれは『ギャルズパニック』!)

これは一種の陣取りゲームで敵をかわしつつシルエットを線で囲み
囲んだ部分の占有率が一定以上に達するとシルエットの女の子が服を脱ぎ、100%を達成した時には更に過激な画像を見れる―――なんて、言わば脱衣陣取りゲームみたいなものだ。
懐かしいなぁ、地元で面子が集まるまでの暇潰しにやるゲームがなかったから、得意な奴に教えられながらやったもんだ。
どんな人がやってるんだろう?と思い、よく見てみると
少し意外な事に、さっぱりした服装と人好きしそうな容貌の少し年上と思わしき男性だ。

―――だがプレイ中の画面を見るに、明らかに不慣れな様子でクリアにすら到達できずにいる。

(俺がやれば、もっといけるのに―――)

虚しく筐体にコインを飲み込まれながら、彼はコンパネに目を伏せ口惜しそうに嘆息し呟いた。

「ここまで……なのか…?」



A漢ならば逝くしかない!!
B………さっ、ギルティでもやろうか。

275名無しさん:2008/06/29(日) 15:45:54
罠だとわかっていてもAを押さざるを得ない

276名無しさん:2008/06/29(日) 15:53:42

懐かしいなギャルズパニック

277名無しさん:2008/06/29(日) 16:45:01
Aを選ぶとヒロイン逹から蔑みの目で見られるんですね、わかります


さてAを選択する作業に戻ろうか

278名無しさん:2008/06/29(日) 16:57:29
え、これ実在するゲームなの?ww

A

279名無しさん:2008/06/29(日) 18:00:36
こwれwはw

いつかみたいにセーブして…てのは無理ですよね?www

Aで

280名無しさん:2008/06/29(日) 19:09:39
浅葉やっと登場かw

281名無しさん:2008/06/29(日) 19:28:07
S2とS3が大好きな俺は間違いなくAwww

282名無しさん:2008/06/30(月) 01:23:50
あからさまな釣りには引っかかるべし
Aだ

283名無しさん:2008/06/30(月) 03:57:48
漢として逝くしかないだろう!
ギャラリーの間を縫って、プレイ中の男性の隣に進み出る。

「………俺に任せてもらえませんか?」

あまりに突然に為された提案に多少驚いたようではあったが

「分かりました、お願いします!」

素早く席を立った。

「よかったら、このお金使ってください」

彼が筐体上に積んでいた50円玉を指し示す。

「………ありがとう」

山と積まれた50円玉から一枚を手に取り筐体に投入する。

「後は財布にしまってくれていい」

「一枚でいいんですか?遠慮しなくても―――」

「1クレ有れば―――十分だ!」

―――このゲームならば既に知っている。
『ギャルズパニックS2』ギャルズパニックシリーズでもかなりの高難易度を誇るこの作品だが、同時に最もやり込んだタイトルでもある。
精神を集中させ、スタートボタンを押す。
そして脳の記憶から攻略法を引き出す。

―――最初に選択するべきはスポーツ系のキャラ達だった筈、さしあたってはテニス娘を選択する。

「第1話 ついに完成!!必殺のライジングショット」

ゲームの開幕を告げるタイトルロゴから―――闘いが始まった。
このゲームにおいて100%を達成するには、如何に敵の攻撃を避けつつ端の否シルエット部分に追い込むかが重要になる。
敵の弾を密着で回避しつつ端に誘導した敵を囲み、行き場を失った敵が爆発のエフェクトで消え去る。
100%の表示が流れると共にギャラリーの歓声が沸き

「うぐぐ、完敗だわ」

脱衣シーンが始まった。

「まぐれとはいえ見事だったわ」

80%では纏っていた筈の服まで脱ぎさったアニメーションが表示され、ギャラリーの盛り上がりは高まる一方だ。

―――これがアーケードゲームの醍醐味、自らのプレイでギャラリーが沸き上がる充足感に気が昂ぶる。


―――周囲のギャラリー達の想いが俺に力を与えたか、今日の俺は絶好調だ。
途中、写真部の女の子に勝った際の

「そのスケベヅラ!しっかり撮ったかんね!」

とのボイスに、ふと我に返りかけて軽く折れそうになったが、こういう時には冷静になったら負けだと思う。
走り始めた情熱を止める事なく更にステージを進め、10人目の弓道少女を攻略した。

(―――あれ?この子)

…少しだけ誰かに似ているような気がした。

「お父さま、お母さまに顔むけできませんわ」

ギャラリーからの歓声と共にお待ちかねの脱衣シーンだ。
長い黒髪を乱しながら横たわる少女の画像を見て
一瞬、先日俺の家のベッドに横たわっていたよっしーの姿が頭をよぎった。

「あなた、責任をとってくださいね」

ゲーム筐体から放たれた筈のその音声が、まるでよっしーが発した声のように聞こえ、驚きでビクッと心音が跳ね上がった。

284名無しさん:2008/06/30(月) 04:03:34
―――そしてなんとか全ステージのクリアに成功し
俺の前にプレイしていた男性が微笑でもてなしながら、黙って片手を差し出した。

その手を握り返し、硬く握手を交わす。
達成感と充足感の中―――その空間に形成された人々の一体感はまさしく漢達のアヴァロ―――――ん?


視界に入ったギャラリーの人垣の向こう側で見慣れた少女―――キシタカが凄い苦々しい顔でこっちを見てる。
そしてその隣にはよっしーと思われる女性が顔を伏せながら立っている。

目が合ったキシタカが、ツカツカとわざとらしい位大きな足音を響かせながら歩み寄る。
侵入者たる一人の女子中学生により漢の空間は呆気なく崩壊し、まるで海を割るモーセのように人波を二つに裂きながら、キシタカは俺の面前に立ち

「NSってば、サイテー!!」

と叫んで、怒りながらギルティの台の方に行ってしまった。

―――後には顔を伏せたままのよっしーが残されている。
よく見れば、よっしーは微かに肩を震わせているようだ。

「あの……よっしー?」

もしや泣いてたりはしないだろうな?とは思うけど、つい先程の不埒な妄想の事もあり僅かな不安に駆られる。

「うっ………ふ……ふふ………あっはっはっ!」

彼女は突然に、もう耐えられないとばかりに大笑いしだした。

「ど、どうしたの?」

「だってNSさんが真剣にギャルズパニックに興じて………ふ………ふふ………あはは!!」

なんか分からないがツボに入った様子で、今まで見た事もないくらい笑い転げている。

「ありゃ、渋川さんの知り合いでしたか」

俺と握手を交わした男性が改めて話し掛けてきた。

「僕、浅葉っていいます、よろしくおねがいしますね」

にこやかに人当たりの良い笑顔で、慣れた調子で挨拶を交わす。
俺も自らの名を名乗ると

「渋川さんの知り合いって事はやっぱりギルティやるんですか?」

もちろんだ、とばかりに肯定する。

「是非僕のスレイヤーを見てください!」

彼はそう言って、ギルティの筐体の方に向かっていった。
―――スレイヤーかぁ、キツい対戦になりそうだな
などと思いながら、彼の後を追って歩いていった。

285名無しさん:2008/06/30(月) 06:00:20
アヴァロン

286名無しさん:2008/06/30(月) 08:36:59
S2は1クレ7面が限界だったわ・・・NSスゴス

287名無しさん:2008/06/30(月) 09:02:37
ttp://ameblo.jp/tokimeki-kirameki/entry-10074533195.html

これかw

288名無しさん:2008/06/30(月) 10:23:49
浅羽さんktkr

289名無しさん:2008/06/30(月) 13:34:22
キシタカかわぇぇ

290名無しさん:2008/06/30(月) 14:49:29
ttp://uraita.s158.xrea.com/upotr/source/ggxxup1959.jpg
そのスケベヅラ!しっかり撮ったかんね!

291名無しさん:2008/06/30(月) 15:31:26
あさぴんは男なのかw

292名無しさん:2008/06/30(月) 16:26:59
よっしーまさかの大爆笑。これはレアだ。

293名無しさん:2008/06/30(月) 19:57:44
マッパギロチンとデッドリーバーストに辱められるNSに期待するしかないwwwww

294名無しさん:2008/06/30(月) 20:30:05
浅葉さんのスレイヤーとかwww
作者のいつもの対戦の表現力がどう活かされるか見物だw

295名無しさん:2008/06/30(月) 23:36:00
学習するぷっぱに期待w

296名無しさん:2008/07/01(火) 10:53:48
ギャルズパニック頑張りすぎワロタwwwww

髭戦にも期待〜

297名無しさん:2008/07/01(火) 11:32:37
3台並んだギルティの筐体に向かうと、周囲の女性陣からひとしきり冷たい視線が浴びせられる。
思わず少し顔を伏せ気味にする俺に比べ、そんなものはどこ吹く風とばかりに堂々としている浅葉さんはある意味大物だと思う。
3台有る筐体の内2台は松本さんとヲシゲが死体の山を築いているが、幸い端の1台が空いている。

「じゃあ、早速やりましょうか!」

まだ俺の使用キャラすら聞いていないはずだが、浅葉さんは意気揚揚と反対側に向かう。


対戦を開始して、まず驚いたのは凄まじいまでのリターン重視っぷりだ。
次々に大技を振り回し、こうしている間にも中距離でマッパフェイントから突如ビッパーが放たれる。

「出たー!マッパギロチン!」

この連係はお約束なのか、るぅが楽しげにはしゃいでいる。
気を抜いた所に金バーストを当てられゲージを確保された、となると―――。

「本物パンチ!」

これ位は読めている。
当然のようにガードし、反対側に飛んでいった所に反げ―――

「本物パンチ!」

―――戻ってきた。
予想外の選択肢にラウンドを奪われ、苦笑するしかない
試合の最中、筐体の周囲からは笑いが絶えないでいる。

…まぁ、これもゲームを楽しむってスタイルとしては有りだろうか、などと余裕の態度で構えていると
―――ヤバい、気が付けば既に2ラウンドを先取されている!

「あれ、NSさん?危ないんじゃないですか?」

穏やかではあるが、含みを持たせた響きでよっしーが煽ってくる。

―――流石にこれは不味い、ここで負けたらネタとしては非常に美味しいんだろうが
なんだか大切なものを失ってしまう気もする。

防御と様子見を徹底させ、ぶっぱなしを最大限に警戒した立ち回りに切り替える。

「いいよー!相手必死だよー!!」

なにやら向かい側から女性の煽り声が聞こえるが、今はそんな些事に気を取られている場合ではない。

最終ラウンド―――FBパイルをガードした
やや近目の間合い、スレイヤーのゲージは25%のこの状況。

―――相手の選択肢はDステか?バクステか?まさかのガードか?
―――だって3ラウンド目以降、有利状況では確定反撃とローリスクな暴れ潰し、様子見を続け
―――積み上げてきた、これまでの流れからして
―――その辺りしかありえないだろう?

そんな理を寄辺にレバーを前に2度、ダッシュを入力すると、画面に向かい集中させていた視覚が“何かが光った”と認識したと同時に
―――映し出されたのは空高く吹き飛ぶ聖騎士ソル

「アッパー」

天に向かって拳を突き上げる髭の紳士の姿は、勝ち誇りガッツポーズを取っているかのよう。

(あんたを信じた俺が馬鹿だったよ!!!)

とでも叫びたくなるようなこの感情は―――そう、まさに

「浅葉さんいいよー!辱めた!」

反対側の女性の言う通り
『辱められた』という表現が適合する。
それよりこれは不味い…本気で死ぬ!
最速での受け身を取るべくボタンを連打する。

しかし安定コンボを選択している浅葉さんがミスる可能性は低いだろう
軽い絶望を感じかけたが、バーストゲージが溜まったという希望が再び思考に火を点けた。

俺は相手を根本から計り間違えていた。
―――相手の『やるべき事』ではない
―――相手の『やりたい事』は何か?

あえて一瞬連打を止めてタイミングをずらし、受け身を取ると
青サイクか最速受け身に空中投げを狙ったであろうスレイヤーがJHSを空振りすると共に受け身に成功した。

この状況でダッシュ
FDで停止し反射的に振られた2HSを空かして―――
「ドンッ」っと効果音が鳴り、有利Fから硬直に刺さらない程度に遅らせて打ったファフがCHし
そこからのコンボはギリギリながらもスレイヤーの体力を全て削りきった。

…きっと彼は勝ちたかったと言うよりは―――相手を辱めながら、ただ単純に楽しみたかったんだろう。

298名無しさん:2008/07/01(火) 12:10:44
こwwwwれwwwwはwwwww

ttp://blog.livedoor.jp/m-13_62278/archives/51324553.html

 とりあえず常に浅葉さんのテンションゲージを確認しておく。
 25%以上あるときは大半の確立でビックバンアッパーが飛んでくるので常に念頭に。
 とくに浅葉さん伝家の宝刀

 『FBパイル(ガード確認)>ビックバンアッパー』

 というストレート>アッパーのコンビネーションには要注意。
 暴れやジャンプ、その他いろいろな行動が辱められてしまうのでこれだけは食らいたくない。

299名無しさん:2008/07/01(火) 16:22:33
浅葉さん対策www

こいち「浅葉さん対策忘れてた!」

あさば「俺対策とかねーよ!w」

300名無しさん:2008/07/01(火) 17:11:53
浅葉wwwwwww最高wwwww

301名無しさん:2008/07/01(火) 19:29:05
ギャルズパニックに続く激戦に少しばかり疲労感を覚え、天井に視界を向けながら深呼吸を行っていると
浅葉さんがこちら側に回り込んできた。

「いやー、NSさんの聖ソルは真面目なスタイルで辱め甲斐がありました」

確かに辱めるという目標は完全に達したんだろう。
あっはっは、と無邪気に大笑する彼からは何故か憎めないものを感じる。

気が付くといつのまにか周囲を囲むギャラリーの数が増えている。
時計を見てみると、時刻は既に正午に差し掛かっている。
気が付かなかったが、ギャルズパニックで大分時間を取られてしまったようだ。

隣の台を見ると、なんとあのヲシゲが苦戦している。
相手は赤いポチョムキン―――動きを見た感じ、FABさんのように見える。

「ポチョムキンバスター!!」

一瞬にして真っ赤に染まる体力ゲージ
悔しそうにムスッとした顔でヲシゲが席を立つのを見て、頃合いと判断したか。

「そろそろ飯食いにいこうか」

松本さんが提案しだして
その案によっしーと浅葉さん――まだ名前を知らない、やや化粧の強い女性が賛同する。

その時、視界の端に今まさに筐体に向かおうとする少女の姿が見えた。
…おや?

「キシタカは来ないのか?」

まだ少し怒っているのか、目を合わせようともしないで

「…もうちょっと、対戦してからにする」

そう言って、椅子に座り筐体にコインを投入した。
―――――さて、俺は



A昼飯に行こう。
Bもう少し対戦を続けよう。

302名無しさん:2008/07/01(火) 19:40:44
A!!

303名無しさん:2008/07/01(火) 19:49:13
相変わらず早い更新だ。乙

Aで

304名無しさん:2008/07/01(火) 19:58:41
キシタカルートはまだ終わっていない!
Bで!

305名無しさん:2008/07/01(火) 20:09:41
この流れはよっしーAといわざるをえない

306名無しさん:2008/07/01(火) 20:33:59
kstkが可哀想だと思わんのか!
B!

307名無しさん:2008/07/01(火) 21:10:44
Bだ

308名無しさん:2008/07/01(火) 21:20:24
Aだ!!

309名無しさん:2008/07/01(火) 21:26:53
まて、ギャルゲーにおいてルートに入った後に別キャラのフラグを狙いに行くのはあきらかにバッドエンドルートだ
キシタカルート狙いだったから正直悲しいが、三周目にまわすしかあるまい
ということでA

310名無しさん:2008/07/01(火) 21:35:03
ばいばいきしたか

311名無しさん:2008/07/01(火) 21:38:46
Aで

312名無しさん:2008/07/01(火) 21:39:50
早く続き書けよ冨樫

313名無しさん:2008/07/01(火) 21:39:53
早く続き書けよ冨樫

314名無しさん:2008/07/01(火) 21:39:56
早く続き書けよ冨樫

315名無しさん:2008/07/01(火) 21:39:59
早く続き書けよ冨樫

316名無しさん:2008/07/01(火) 21:40:02
早く続き書けよ冨樫

317名無しさん:2008/07/01(火) 21:40:05
早く続き書けよ冨樫

318名無しさん:2008/07/01(火) 21:40:08
早く続き書けよ冨樫

319名無しさん:2008/07/01(火) 22:01:45
みんなごめんちょっと釣られる

さっき一瞬冨樫が馬鹿に見えた・・・・
いや、まぁそれだけなんだけどね

ちなみに選択肢はAで

320名無しさん:2008/07/01(火) 23:25:07
これはA

321名無しさん:2008/07/02(水) 00:59:55
>>287>>298ワロタwww 浅羽さんすげぇwww

ここはAで

322名無しさん:2008/07/02(水) 08:01:22
Aだなっ!

323名無しさん:2008/07/02(水) 14:17:02
流石に腹が減ったし、昼飯に行こう。

「じゃあ悪いけど、俺は先に飯食ってくるからさ」

とキシタカに告げると
彼女は画面に向けていた真剣な目線をほんの一瞬だけ緩めて、何か言いたげにこちらに向けたかと思うと
俺と少しだけ目が合った瞬間、プイとそっぽを向いて再び対戦に戻った。


ブロードウェイの通路を7人連れで歩き回りながら、女性陣は昼食の場所についてあれこれ言い合っている。
なんでも中野には飲食店の類は沢山有るらしい
意見がまとまらないのを見て、浅葉さんが

「じゃあ、これから別行動して食べる所を探しましょう!
 30分後に一階に再集合して、1番良さそうな所って事でどうでしょ?」

と、提案しだした。
差し当たり、一通り見て回ってから皆で決めれば文句も出にくいだろう、との目論みか。

「じゃあ、そうしよっか」と提案はすんなり通って
一人また一人と散らばって外に出ていく。
―――俺は何処に行こうか?


Aブロードウェイの中から探そう。
B商店街から探そう。
C一旦駅の方に出てみよう。

324名無しさん:2008/07/02(水) 14:25:13
いつもそばにいてくれたkstkが少しずつ遠くなるのを感じる。
離れて初めて気が付いた。kstkを確かに愛していたんだ。
でももう時間は戻らない。涙をふいて歩こう・・・・前へ。

ってことでC

325名無しさん:2008/07/02(水) 14:43:14
これが世界の選択か・・・

Bを推しておく

326名無しさん:2008/07/02(水) 15:47:25
誰が何処に向かうか分からないしな…Aで
てか、バットに向かってる気がする(´・ω・`)

327名無しさん:2008/07/02(水) 16:49:05
この選択肢あれだな、実際にゲームでガチ攻略してるときなら即セーブレベルの難易度だな

328名無しさん:2008/07/02(水) 17:33:13
早く続き書けよ冨樫

329名無しさん:2008/07/02(水) 18:02:27
作者乙

Bかな……

330名無しさん:2008/07/02(水) 18:37:11
フォーアテみたいに移動先にキャラアイコンあればな…

331名無しさん:2008/07/02(水) 23:14:14
どれがよっしーかな・・・。
取り敢えずAで。

332名無しさん:2008/07/03(木) 01:22:52
よっしーはAだと俺の勘が(ry

Aで

333名無しさん:2008/07/03(木) 07:20:41
Bじゃね?

334名無しさん:2008/07/03(木) 13:01:16
お前らの勘を信じてA

335名無しさん:2008/07/04(金) 00:08:32
kstkがちょっち切ない・・・ ブロードウェイ内は店が豊富だと知っているんでw
ここはAで

336名無しさん:2008/07/04(金) 01:39:37
ブロードウェイの中にも飲食店は何軒か存在する。
その中から良さそうな店を探していると
ふと目に入ったのは物珍しそうに周囲を見回す女性の姿。

「ヲシゲじゃないか」

「あら…ええと」

言い淀む姿を見て、自分が未だに名前を言っていなかった事に気付いた。

「俺の名前はNSだよ、それより探さなくていいのか?」

「あら、失礼しましたわNSさん
 関東の事はよく分からないですし、皆さんにお任せしますわ」

なるほど、それで動く気が無いのか
確かに遠征者としてはそういう気持ちにもなるのかもしれない。
………と、そういえば

「そういえばヲシゲとはまだ対戦してないよな?」

と言うか、中野に来てからやった事といえばギャルズパニックと浅葉さんに辱められた位でるぅとも松本さんとも対戦していない。
おそるべしギャルズパニックと浅葉さん。

「対戦は結構ですが、わたくしには勝てませんわよ?
 レッツ式戦術論は最強ですわ、立ち回り、起き攻め、読み合いの3大要素が―――」

云々、としばらく語った後

「よろしかったら勝率を上げる秘訣を教えてさしあげましょうか?
 わたくしとの試合ではそれなりに変わると思いましてよ」

見下したような感のある台詞を、自慢げに胸を張りながら宣う。

「俺は俺なりにやらせてもらうよ、そのレッツ式戦術論とやらは勝ってから聞かせてくれ」

と反論すると、少しばかり機嫌を損ねた様子で

「……そうそう、ペンとメモ帳を持ってくるのは教えてもらう側のマナーですわよ?
 幸い商店街には百円均一の庶民向けのお店も有るようですし、選んできてはいかが?」

引き続き、一段と鷹揚な態度で構えながら

「よろしかったらハンカチもどうぞ………オーホッホッ!」

と高笑いした。

337名無しさん:2008/07/04(金) 01:41:42
こいつ…言いやがる!
これは負けられないな、と闘志を燃やしかけた所で

「おや、NSさん」

通路の角から、ひょっこり顔を出した一目で分かる背丈の女性
特徴的なその姿はまさしくよっしーだ。
―――瞬間、ヲシゲとよっしーの視線が交錯する。

「この方はどなたでしたかしら?見覚えは有るのだけど………」

ヲシゲが俺の耳元に少し口を寄せ気味にしつつも、よっしーにも聞こえるくらい大きな声で尋ねてきた。
どうも話した事の無い相手に直接聞くのは躊躇されるが内緒話と取られるのも嫌だ、といった所か。

「よっしーだよ」

まず真っ先に浮かんだ名前を口にするがヲシゲは

「存じませんわね」

とかぶりを振る。
考えてみると、彼女をよっしーと呼ぶ人は案外少ない……じゃあ

「渋川と言えば分かって頂けますか?」

俺より先によっしーがヲシゲに語り掛けた。

「…あら、渋川というと、あの『攻めの神』と同じ方でしたかしら?」

「攻めの神?」

確かによっしーのエディの知識と技術を活かした攻めは見事なものだが、神と呼べる程のものだったろうか?
どちらかというと、その称号はいさの方が相応しい気もする。

「………昔の話ですよ」

彼女は僅かに顔を落とし、俺とヲシゲ―――二人に対しまとめて回答した。
それ以上触れるべきではないと判断したか、ヲシゲが再びこちらに話を向けてくる。

「それにしても、わたくしに宣戦布告とは無謀な真似をなさいますわね
 …でも、貴男のような方は嫌いじゃありませんわよ」

そこまで言った所でよっしーがいきなり

「NSさん、そろそろ時間です、待ち合わせの場所に行きましょうか」

などと言いだした。
時計を確認し
“まだ少し時間があるけど?”
と首を傾げて身振りで示す。

「どうせ私達は積極的に探す気は有りませんし
 遅刻する事のないように早めに集合しておくべきだと思いますね」

俺には有るんだけど、と言い返そうとしたが

「以上です
 さ、行きましょう」

…といつもに比べ、心なしか愛想の無い言い方をしたかと思うと、俺達に背を向けスタスタと一人で歩いて行ってしまった。

その姿は普段のよっしーに比べ異質で―――不思議とどこか感情的なものを感じさせるように映った。

338名無しさん:2008/07/04(金) 01:45:00
更新乙
ヲシゲいい性格してやがるwww


よっしー来てちょっと安心

339名無しさん:2008/07/04(金) 02:40:30
これ今どういう展開なんだっけ

340名無しさん:2008/07/04(金) 06:11:31
更新乙
がちゃぴんwwww高飛車すぎwwwwww

341名無しさん:2008/07/04(金) 07:10:53
これは間違いなくよっしーの嫉妬だろうw

342名無しさん:2008/07/04(金) 07:23:12
これがSHITだとしたら…
よっしーかーわいーw

343名無しさん:2008/07/04(金) 09:01:44
アーティと渋川で関東2大ヴェノムだったんだっけ?

344名無しさん:2008/07/04(金) 21:11:55
実際強かったの渋川だけだけどな

kstkはまだ出てくるかな…

345名無しさん:2008/07/05(土) 12:15:12
ヲシゲがペトラと激しく被るw 俺だけか

よっしーいいわ〜

346名無しさん:2008/07/05(土) 20:32:48
ヲシゲはティータみたいな感じ

347名無しさん:2008/07/06(日) 02:43:00
協議の結果、決まったのはブロードウェイ中でも飲食店の多い2階に在るうどん屋だ。

店内に入り、ひとまず注文を終えると、まず最初に気になったのはこの中でただ一人未だ名前を知らない大人の女性の存在。

「なあ、俺まだあんたの名前聞いてないよな、何て言うんだ?」

この業界の事情について自分の無知は自覚しているつもりだが、今の質問は相当意外なものだったんだろう一座全員が驚いた様子だ。

「私の名前を知らないなんて珍しいじゃないの」

と前置きしつつ

「私はコイチっていうのよ、あんたは?」

「あー、そういえばボクも聞いてないや」

コイチさんと名乗った女性の問いにるぅが乗っかる。

「俺はNSだよ」

皆、揃って訝しげに顔を見合わせる。
俺は有名でもなんでもないし当然といえば当然だろう。
それと察したよっしーが

「最近船橋に引っ越してきた方ですよ」

と軽く説明してから、ちらりと俺の顔を見て

「そうですねぇ、随分と…手の早い方です」

「よ、よっしー!?」

そりゃあ船橋の女性陣とは仲良くしているが、そんな事を言われる筋合いは断じて無い「手が早いってなんだよ!」と抗議したものの

「そのままの意味です
 広辞苑では物事をするのが、てきぱきと敏速であると定義されていますね」

それが何か?とでも言わんばかりにとぼけてみせる。
これにより、これ以上の反論を封じられた俺をいじろうと

「手が早いってマジで!?お姉さん参っちゃうわねー!」

コイチさんがここぞとばかりに会話に乗ってきたが

「いやー、こいちさんは少しキツいんじゃないすか」

浅葉さんがことさら明るい声で笑う。

「キツいってなんすかあさばさん」

「いやー、だって………」

『言えるものなら言ってみなさい』とでも言わんばかりのコイチさんとわざとらしく口籠もる浅葉さんの二人を横目にしつつ

「よっしー、なんでそんな言い方するんだよ」

いつもに比べるとちょっと意地の悪い冗談に対し再度の抗議を試みる。

「面白そうでしたからですが」

「そうか?さっきからなんか変だぞ微妙に感情的って言うか」

その台詞が少し気に触ったようで、ピクッと眉根を寄せて

「私は感情的になんてなっていません
 大体なんで私が感情的にならないといけないんですか?
 感情的と言いますが、如何なる感情に基づくものですか?
 非論理的ですし理解しかねます」

いつもは聞き役が主のよっしーがなんとも雄弁に語る。
それだけ熱くなってるのは十分に感情的と言えると思うんだが、と思いながらも口に出さずにおいていると

「関東勢仲良いねー、ボク達に負けてないよ、夫婦漫才みたい」

などと、るぅに勝手に夫婦認定された二組の内、浅葉さんとコイチさんは

「ねーよ」
「浅葉さんはねーわ」

ほとんど同時に言い放って大笑したが、よっしーは

「私がNSさんと……」

と小さな声で呟き、目を瞑って考え込んだ。

「何?ひょっとしてまんざらでも無かったりする?」

興味津々に尋ねるるぅに目を開き、静かな表情に戻って

「………やっぱり、それは有り得ないと思います」

彼女の取り澄ましたような穏やかな声は
誰もそれ以上踏み込む事の許されない
―――或いは底知れぬ怖さのような
―――或いは迂闊に触れると壊れてしまいそうな儚さのような
―――――そんな印象を与えるものだった。

348名無しさん:2008/07/06(日) 02:46:15
「人の恋愛に口を出してる暇が有ったら自分の方を顧みては?ショタコンじゃ先が思いやられますわ」

場の空気がやや暗くなりかけたのを察したか、ヲシゲが明るくるぅに話題を転嫁した。
ショタコン?その年で?と驚きを顔に出した俺に更に続けて

「NSさん、この子には挨拶代わりに『るぅはショタ』でいいですわよ」

突然矛先を向けられたるぅは楽しそうに、どことなく慣れた感じで切り返しを試みる。

「うっさい、ガチャピン!ぷにぷに!」

ガチャピンという表現に思わず笑いが洩れそうになった。
確かに目元の辺りとか少し似ているかもしれない。

「なんですって!
 そもそも前から言ってますが、身長、体重、体脂肪率、スリーサイズ等から考えて貴女の方がぷにぷにですわ!
 ショタ!そっちこそぷにぷに!」

まるで子供みたいな言い争いだ、3人組で唯一大人と見える松本さんは見慣れた様子でニヤニヤ傍観している。
きっと互いを理解しきった彼女達の、無邪気に笑いながら軽口を叩き合える間柄ってのは正直ちょっと羨ましくもある。


そんな楽しい食事が終わるなり、TRFに戻って対戦を再開するのかと思いきや

「さてと、良かったら皆さん、これから僕の家に来ませんか?」

俺にとっては唐突に思える提案を浅葉さんが言いだした。

349名無しさん:2008/07/06(日) 02:53:01
おーけー筆者
オレはよっしーに一生ついていくコトにしたぞ

350名無しさん:2008/07/06(日) 03:03:23
あさぴんが最強にいかしてるwwwwww

351名無しさん:2008/07/06(日) 08:27:49
浅葉の家wwwwなんか色々すげーモンがありそうなんだけどwwww

352名無しさん:2008/07/06(日) 13:27:27
よっしー最高!
ニヤニヤしてる俺キメェェェェェ!

353名無しさん:2008/07/06(日) 18:05:08
ぷにぷにwww 意地になってるよっしーが最高でした
浅葉さんw 家に行っても大丈夫なのか?www

354名無しさん:2008/07/06(日) 21:45:04
今日の更新はちょっと大きめになりそうなんでしばしお待ちを。
ここで作者から突然オマケコーナー。

〈恋劇よもやま話〉
主人公のNSは色んな人、キャラのイメージが混じったオリジナルキャラですが、強いてモデルを挙げるならばゼロさんではなくイ○ウ○さんだったりします。
そんな訳で見た目は割とイケメン設定と思ってくれていいですw

355名無しさん:2008/07/06(日) 23:34:54
いきなりオマケきたwwwww

NSイケメン設定に全俺が嫉妬した

356名無しさん:2008/07/07(月) 00:13:53
コイチさんが真っ先に賛成して浅葉さんの家に行くのは決まったが

「あ、ちょっと待って」

と浅葉さんが階段を上り、立ち寄ったのは一つ上の階のなにやらPC対応らしきゲームが大量に積まれている店。

「NSさんもBUYしていきませんか?」

『BUYする』とはまた新しい言語の使い方するな、と妙に感心しながら手に持っているゲームを見ると『超昂閃忍ハルカ』と読み取れたパッケージには18禁の表示が書いてある。

「コレ萌えるし、凄くエロいんですよ!オススメです!特に催眠調教のシーンが―――」

俺もそういうのに興味無いとは言わないけど、頼むから止めてくれ。

るぅとヲシゲが冷たい目で見てくるのが切ない
よっしーは浅葉さんの行動には馴れているようで遠巻きにして眺めている。
松本さんとコイチさんは大人故の割り切りか、割と興味有りそうに店内を見回っているのが救いといえば救いか。

「さぁ、行きましょう!」

ゲームを『BUY』してから、先頭を切って歩きだす。
その堂々とした態度は羞恥心のあまり小さくなっていた俺に少しの勇気と感動を与えてくれた……………訳ねーだろ。


浅葉さんの家に着くと
通された部屋は完全に閉めきられていて、この中にいると外が昼だとすら分かりそうにない
床の上には無造作にゲームが散乱している。

浅葉さんは先程BUYしたゲームを置いて、早速PCを起動させ始めた。
見るとディスプレイの周囲にメモが貼られている。
手に取ってよく見ると、書かれているのは女の名前と趣味、好きなブランド、芸能人………
噂に聞く出会い系でもやってるのか?

「あ、それは僕ネトゲでネカマやってるんですけど、辻褄が合うように設定書いてるんですよ」

「ネ、ネカマ?確かネット上で性別偽ってる奴だっけ?」

悪びれもせずに頷いて肯定する。

「ネカマは便利ですよ、チヤホヤしてもらえますし、アイテム貰えたりもしますしね」

勝つためならばゲームで可能な行動の範疇でいかなる選択肢も厭わない、これが浅葉イズムか……その姿にちょっぴり感銘を……………受ける訳がない。

「しっかし細かいなぁ」

しかも内容は一般の女性そのものといった感じで至極まともだ。
てっきりあの空気読めなさから言って、見た目の割に女性とは接点が無い人かと思っていたが

「僕が女の人の趣味に詳しいのは意外でしたか?友達と恋人はちゃんと分ける主義ですんで、普段はもう少し空気読みますよ」

俺の考えは言外から少し察せられたか、しっかりと読み取られた上で返された。

なるほどなぁ、その割り切りっぷりはある意味適切かもしれない
とはいえ友達にしても女性なんだから、もう少し意識しても良いんじゃないだろうかとも思う。

357名無しさん:2008/07/07(月) 00:50:50
早く続き書けよ冨樫

358名無しさん:2008/07/07(月) 01:01:59
「早速だけど最初にるぅちゃま達の身内戦見せてよ」

そう言ってコイチさんが勝手知ったる我が家のようにギルティのソフトを捜し出し起動させる。

「じゃあ、最初はヲシゲと少女で」

コイチさんの言葉に、『少女』とは程遠い印象を与える高めの身長と威圧感を持つ松本さんが静かに床に置かれていたレバーを手に取る。

「思うんだけど、最初に少女って言いだしたのは誰なんだ?」

キャラセレの画面を見ながら、俺のふとした疑問にPCの前に座っていた浅葉さんが

「僕ですよ」

と名乗り出た。

「昔は徳島で台を押し合う仲だったんですよー、最近のゲーセンはみんなめっきりマナー良くなっちゃって……」

それを聞いたよっしーが

「昔が悪過ぎただけでしょう、たかがゲームで本気で怒るとかどうかしてます」

と苦言を呈するが「あはは」と笑顔のままの浅葉さんは

「別に本気で怒っちゃいませんよ、なんだかんだで仲良くなりましたし」

「久々に会ったら、こんな人になってて驚いたけどな」

浅葉さんを見ながら、松本さんが感慨深げに言う。
そこでヲシゲの

「昔話はそれ位にしてさっさと始めなさいな」

との言葉を合図にテスタメントに合わされたカーソルが決定音を鳴らした。


両者のキャラ対策人対策が共に仕上がりきった、限りなく最高に近い形での対戦
両者共に高い攻め能力を有し一度のダウンが死に直結する。

守りに入る事を許さず、的確な状況判断からナイフを放ちつつ猛攻を掛けるヲシゲ
ヲシゲの展開の早い攻めを捌きつつ攻勢に転じる松本さんの読み合いの強さ
―――見ているだけで血が沸き立つような素晴らしい一戦だ。

この戦いの結果はどちらが勝っているという訳でもなく、今回は偶々松本さんが勝利したという事実を示しただけだろう―――それ位、両者の実力は拮抗していた。

「流石ですわね」

結果に対し、意外な程に素直な物言いでレバーをるぅに譲る。
プライドの高そうなヲシゲもこの人ばかりは認めざるを得ないんだろう。

359名無しさん:2008/07/07(月) 01:03:18
BUYしちゃったのかwwwwwwwwwwwww
ようこそこちら側へwwwwwwwwwwwwwww

360名無しさん:2008/07/07(月) 01:07:40
続いてるぅ対松本さん

「本気で行くよー」

これから始まる対戦が楽しくて仕方なさそうなるぅに

「来いや」

同じく、愉悦を抑えがたそうな松本さん


―――そして、その両者の対戦は
るぅのブリジットの松本さんの読み合いの強さに負ける事の無い、引き出しの多さと連係、対策の仕上がりは膨大な研究と練習の跡を感じさせる―――その動きに魅了された。

倒れるテスタメントを見て確信した。
この日本に―――否、世界中にただ一人、このブリジットだけは『特別』だと。

―――最後にるぅ対ヲシゲ


ミリア対ブリジットとは事前に抱いていた印象に違わず、やはりキツそうな組み合わせだ。

対応を絞らせない攻めで押し続けるヲシゲのミリアには並のブリジットでは大した抵抗も出来ずに瞬殺されてしまうだろう。
るぅも負けじと対応しだしたが劣勢は覆しきれず、割り込みのメイズを食らって僅差で負け。

するとヲシゲは僅かに残ったミリアの体力ゲージを指差しながら

「この差がわたくしと貴女の差………といった所ですわね」

「オーホッホッホ」と高笑いしだした。

「もう一回やっていい?」

悔しそうに申し出るるぅに俺達は反対する術を持たない。

なんと次戦では空中投げが冴え渡り、体力5割程を残してるぅの勝ち。

るぅは先程のヲシゲと同じようにブリジットの体力ゲージを指差し

「コレがボクとお前の差だっ!」

と嬉しそうに言い放った。

「もう一回!もう一回ですわ!」

本当に悔しそうなヲシゲに頬が緩みかける。
皆この対戦に魅せられていた事もあり、すんなりと再戦を認めた。

3戦目はるぅが踏み込みすぎた際に足が刺さってしまい、ミリアの必勝パターン―――起き攻めがループし続け、ほぼパーフェクトでヲシゲが勝利した。

満足気に微笑みながら、無言で体力ゲージを指差すヲシゲの挑発的な態度にるぅは

「このガチャピン…すっごいうざいー!!」

と叫んだ。
ただそれは傍目に見ていても本当に仲の良い、じゃれあいのように見えるものだったが。

361名無しさん:2008/07/07(月) 01:10:21
「いやー、参考になったわ」

コイチさんがヲシゲに対し俺の心象を代弁するように言う。

「コンボは若干妥協気味でしたが」

よっしーの言葉にヲシゲが軽くムッときた様子で

「貴女、今はエディ使いではなくて?ミリアのコンボなんてお分かりになるのかしら?」

やや喧嘩腰に尋ねるが

「ええ、少しは心得ていますよ」

涼しい顔で受け流すよっしーに一層不愉快そうな顔をして

「それはそれは……よろしかったらご教示願えないかしら?」

そう言うや否や、よっしーの意見を聞くより早く対戦モードを終了して、トレーニングモードを選択する。
よっしーがミリアを使ってるのは見た事が無いが、大丈夫だろうか?
―――なんて心配を余所に、彼女はいつも通りの澄ました微笑で

「ええ、分かりました……では―――――」

よっしーがレバーを操り始まるなり、たちまち画面に華麗なコンボが展開される。
ミリアの知識があまり無い俺から見ても難度の高そうな繋ぎを平然とこなし

「これがダメージ、ゲージ効率、起き攻めの状況から考えて最善のコンボかと
 ……ああ、難度が気になるのでしたら妥協コンボにもできます
 コンボ時間を短縮して、復帰不能時間を増やす事により猶予が2F伸びて―――」

淡々と語るよっしーの解説に聞き入る俺を余所に
るぅと松本さんが画面を見て唖然としている。

「ちょ……ちょっと、二人とも!確かに良いコンボでしたけど、二人がそこまで驚く程とは―――」

「いや、そこやない」

松本さんが驚きの込もった真剣な声を発する。

「渋川さん、もう一回お願いします」

と頼んだ浅葉さんが俺とヲシゲに

「下の表示を見てください」

と指し示したのはレバー、ボタンの入力が表示されるコマンドディスプレイと言うやつだ。

―――前、前、下、右上、前、前―――――

そこに表示された記号の数々は―――驚くべき事に一切余分な方向にレバーを入れる事の無い、精妙な入力を示している。

「凄っ!凄いよ、これ!」

るぅが感嘆する。

「ふ…………ふん!こんな小手先技なんて実戦の役には立ちませんわ!」

「でもコレは私も真似できそうにないで」

ヲシゲと松本さんが言い合う中で

「実戦の役にはあまり立たない……と、それは否定しませんよ」

そう言って、よっしーはあっさり引き下がった。

改めてよっしーを認めたらしく、軽い畏敬を込めたような目で見ながら
ヲシゲはある事に気付いたようで、俺の方に向き直ってこう言いだした。

「それよりNSさん
 申し出の通り、是非対戦しようではありませんか」

362名無しさん:2008/07/07(月) 02:21:05
―――そうして対戦が始まるなり、一方的に惨殺される俺がいた。

これはきっと『ギルティギアXX』じゃなくて『ヲシゲー』って新作ゲームに違いない、とでも妄言を吐きたくなるような内容だ。

ゲーム内容は―――延々と攻めてくるミリアに頑張って対応するけど、そのうち転ぶまでの立ち回りゲーム
→ミリアの択をどれくらいガード出来るかの視力測定ゲーム
→浮かされている間ボタンを連打するゲーム
―――とかそんな感じで。

突破口が掴めず悩んでいるのを見て、るぅが言ってくれた。

「NSさんって反応凄いよねー、でもちょっと頼りすぎてるんじゃないかな
 リターンのある置き技を振り回すのも差し込みのリスクは有るけど必要だと思うよ」

とのアドバイスを頼りに
置きで使う足払いを増やしながら、徐々に接戦に持ち込んでいく
だんだんと差を縮めながら10戦目辺りに足払いヒット確認からのサーベイジでようやく一本もぎ取った。
―――その瞬間、達成感から来る嬉しさに

「やった!」

と思わず軽く声を上げた。
―――それに、そうすれば例によってヲシゲは悔しそうにこう返すはずだから

「もう一回ですわ!」


それからコイチさんとよっしー、るぅ、松本さんを交えながら対戦し続けていると浅葉さんが突然こう言いだした。

「僕とNSさんは買い出しに行ってきますよ」

対戦を妨害されたこともあり、何故俺が?と軽く疑問に思ったが

「長くなると思いますから、風呂には先に入っといてください
 3人くらいなら一度に入れますよ」

皆にそう説明している姿を見て
なるほど、女性陣のみで気兼ね無く風呂に入ってもらおうとの配慮か、と検討を付ける。

部屋が閉めきられている上、一つしかない時計が壊れていて時間が分からなかったが携帯を開き時刻を確認すると―――20:00―――もう夜だ。

外に向かうべく玄関で靴に足を伸ばそうとした俺を浅葉さんは急に押し止め
『静かに』とジェスチャーをして靴を戸棚にしまうと、俺を玄関脇の扉に引き入れた。
やや狭く、自分の手元すら見えづらい真っ暗なこの部屋は物置か何かだろうか?

戸惑う俺に彼は壁に空いた二ヶ所の小さな穴を指差した。

「何も言わず、見てみてください」

言われるままに壁に顔を付けて、明かりの差し込む穴の先を見ると、ほのかに湯気が立ち上る風呂場とおぼしき場所が見える。

「本来なら一人で決行するはずでしたが……あのギャルズパニックS2をクリアしたNSさんを共に戦うに値する仲間と見込んで」

………覗こうと?
と言うか友達と恋人は区別するんじゃないのか?

「覗きなんて失礼だろ」

「NSさん、こういう状況で魅力的な女の子に囲まれたら男として覗いてしまうのは当然の事なんです
 むしろ覗かない方が失礼ですよ、相手に魅力が無いって言ってるようなものです」

……いかん、この人の口八丁を聞いてると騙されそうになる。
まるで本当にそんな気にさせられてしまいそうだ。
俺は―――――


A………駄目だ!俺には出来ない!
B………やってやる、やってやるさ!

363名無しさん:2008/07/07(月) 02:40:30
浅葉さんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
神wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
これBしかねーだろどう考えてもwwwwwwwwwwwwwww

364名無しさん:2008/07/07(月) 02:48:11
Bしかない

365名無しさん:2008/07/07(月) 03:35:53
B






366名無しさん:2008/07/07(月) 04:01:39
B

367名無しさん:2008/07/07(月) 08:21:45
浅葉さんwww何やってるんですかwwwww

368名無しさん:2008/07/07(月) 09:13:48
ASBさんはこんなことしねーよ!!



…Bで

369名無しさん:2008/07/07(月) 12:46:38
なんというバッドエンドフラグ…!



Bで。

370名無しさん:2008/07/07(月) 13:15:33
今日は七夕だよ〜^^

Bで

371名無しさん:2008/07/07(月) 13:21:46
間違いなくBだな

372名無しさん:2008/07/07(月) 15:52:17
Bですね

373名無しさん:2008/07/07(月) 21:58:29
横槍いれて申し訳ないけど 自分でも結論出せないのでここで訊いてみます
自分もいつかゲーセンを題材にしたギャルゲっぽいSSをここで書いてみたいのですが
流石に当スレの存在あって抵抗感が拭えません 文章力ないしorz
それでも書いちゃっていいものでしょうか……

374名無しさん:2008/07/07(月) 22:21:47
えろえろしい描写に期待してBしかないwwwww

375名無しさん:2008/07/07(月) 23:24:33
Bでお願いします

376名無しさん:2008/07/08(火) 00:43:50
更新がガバっと来て俺は嬉しいよ
浅葉さんがハルカだしたシーンはわろたw 挙句に覘きとかwww 最高すぐる 
対戦シーンもよかったぜ〜 ヲシゲーってw

ここはBで 

>>373
普段文章描かない自分が言うのもアレかもしれんが
ちゃんと別スレ立てたりすれば問題ないと思われ・・・応援ならするわよw

377名無しさん:2008/07/08(火) 01:44:34
>>373
自分も含め、名無しさんの発言は皆平等だからこその匿名掲示板なんですよ。

気後れせずに書いちゃって下さい、文章力なんて自分も無いですしw
内容が面白ければ読む人はきっと付いてきますよ!

378名無しさん:2008/07/08(火) 01:48:47
「………やってやる、やってやるさ…!」

俺の決意を聞いて
浅葉さんは俺の手を握り、握手を交わしながら

「さすが、僕が見込んだ人なだけはあります」

そう小声で囁いた。
―――と同時に浴室の扉が開く音が鳴り、それを合図にして俺と浅葉さんの二人は完全に口をつぐんだ。

覗き穴に目を寄せて中の様子を見ようとするが、湯煙の所為でどうにも見えにくい
中から聞こえてくる声で判断するに、風呂場に入ってきたのはコイチさんとよっしーのようだ。

「……にしてもよっしー、相変わらず身長の割に細いわよねー、ちゃんと食べなよ」

コイチさんの大きな声が狭い浴室の壁に反響する。

「気を付けますよ」

本気で実行しようという意志はそこまで感じ取れない、適当に相槌を打って聞き流そうとしている感じだ。

「あー……でも私最近食べ過ぎてピザってきてさー、もうヤバいのなんのって」

………こういう会話は男としては聞いててちょっと冷める内容だ。

「何もよっしーもピザ仲間にしようってんじゃないけどさ、そんな細いとなんかの拍子に倒れそうじゃん」

漸く湯煙が薄まって、合間に浴槽から顔を出している二人の白い肌が覗く
この位置からなら二人の表情に至るまで如実に判断できる。

「実際、この前倒れちゃいましたしね」

その言葉に驚いたのか、コイチさんがパシャっと湯を弾く音と共に立ち上がり

「マジで!大丈夫だった?」

と叫ぶ。
発言は色々と荒っぽいコイチさんだが、赤みを帯びた裸身を見るになかなか豊満で色気の有る身体だ。

「NSさんに助けてもらいましたよ」

「ああ、あのコ?
 手が早いって言ってたけど………」

「もしかして……」なんて言いだしたコイチさんに対し、よっしーはクスクス笑って

「あれは冗談ですよ、この間は一緒に映画を見に行ったりしましたね」

会話を続けながら、彼女は浴槽から出てその身を晒した。
『映画』の単語が耳に入ったと共に先週二人で一緒に見た映画『浦板ラブストーリー』の記憶がちらっと頭をよぎる。

「なんだかんだでお世話になりましたし、感謝していますよ」

―――彼女の身体を構成する、流麗な長い黒髪、水滴を滴らせる白い肌、細い体型に控えめな双丘―――その全てに目を奪われながらも

その言葉はまるで針―――風船のように膨らんでいく罪悪感を突く針のように―――胸に突き刺さった。

………俺は何をしてるんだろう?
あの時、俺は彼女に何を言い……何を思った?

真っ暗なこの部屋の中に息を潜めていると
光の下、目映い肢体を見せている彼女達と比べ、自分がとても薄汚い存在のように思えてくる。

………知らず、覗き穴から目を離した。
すると浅葉さんがポンっと肩に触れ

「……悪いと思うなら、さっさと謝っちゃいましょう
 僕も付き合いますよ」

この暗闇ではいまいち表情が判別しがたいが、目を凝らして見ても彼はにこやかな微笑を崩してはいない。

「なーに、平手の一発や二発は食らうかも知れませんけど、それ位我慢しますよ
 僕は別名ぴゅあさばですから」

『ぴゅあさば』との自称に苦笑いした。
どうもこの人にとっては、これはスカート捲りかなんかと同じようなノリの悪戯だったらしい。

その瞬間、いきなり闇の中に一条の光が射し込んだ。

「何をしてますの?」

玄関の照明が照らす逆光を背に―――扉の前にヲシゲが立っていた。

379名無しさん:2008/07/08(火) 01:49:42
「まったく呆れ返りますわ!」

「覗きだなんて……見損なったよ………」

今まさに『第一回浅葉邸覗き魔裁判』が開廷しようとしている。
ヲシゲとるぅの言葉から推察するに、取り敢えず開廷前から裁判官一同の心象は最悪………と。

「まぁいいんじゃない?減るもんじゃないし」

と被害者兼検察側のコイチさんから寛大な発言の後
こんな質問が続けられた。

「やっぱ私のナイスバディに見とれてたって感じ?」


Aええ、コイチさんに見入ってました。
Bどちらかと言うとよっしーに………。
C二人共、とても良かったよ!

380名無しさん:2008/07/08(火) 01:56:44


381名無しさん:2008/07/08(火) 04:35:15
んじゃBで

382名無しさん:2008/07/08(火) 05:04:17
ぴゅあさばに濡れたわ
Bのような気がしないでもない

383名無しさん:2008/07/08(火) 05:31:54
ここは考えた挙げ句でのあえてのCで

384名無しさん:2008/07/08(火) 09:18:32
B

385名無しさん:2008/07/08(火) 13:02:57
Bかなあ

386名無しさん:2008/07/08(火) 13:43:47
Bしかねぇ

387名無しさん:2008/07/08(火) 16:03:03
ビーカー

388名無しさん:2008/07/08(火) 17:36:48
敢えてC

389名無しさん:2008/07/08(火) 18:48:51
選択肢ってレベルじゃねぇw




390名無しさん:2008/07/08(火) 18:59:05
>僕も付き合いますよ

言い出しっぺが何をww
Bしかないな

391名無しさん:2008/07/08(火) 19:12:11
早く続き書けよ冨樫連投してる馬鹿いるんだから

392名無しさん:2008/07/08(火) 19:26:31
アク禁要請って管理スレで良いのかね?
そろそろご退場願っても良いと思うんだが

393名無しさん:2008/07/08(火) 20:08:44
いちいち訊かんでいいよ早く要請したら?w

394373:2008/07/08(火) 21:04:27
>>376-377
わざわざ返信ありがとうございました
折がついたら新スレ立ててみますね


選択肢はBでお願いします

395名無しさん:2008/07/09(水) 01:56:40
前のうらいたの時、ゲーセン題材にしたやつで思い出すのがあるわ。
ロボ使いの女の子がメインキャラで、スラッシュカイに乱入されても余裕で渡り合うやつ。
ただ、連勝しすぎ&ギャラリーが多すぎ、しかも確か夏場で冷房ききすぎの店内。
トイレ行きたくても行けなくて我慢してて、スタンハメから熱暴走のタイミングで「だめぇ・・・出ちゃうぅ〜!!」とか言いながら漏らすとかいうストーリー作ったスレあったなぁ。

あれの続きが読みたい。

396名無しさん:2008/07/09(水) 03:05:06
ぴゅあさばって自分で言うかwww 
やっぱ見つかったか、これは後が気になる
ここはCで

>>395
なにそれ粗筋だけで興奮しちゃうんですけど

397名無しさん:2008/07/09(水) 06:01:14
>>395
懐かしいなおいwwwww

あれはとても良かった。
そして続きが無くて一番凹んだ作品だ。

398名無しさん:2008/07/09(水) 14:22:36
「どちらかと言うとよっしーに……」

照れ気味になりながらも正直に白状した俺だが、それを聞いたコイチさんは女のプライドを傷つけられたか

「へー、ピザってきた私なんかアウトオブ眼中ってかー」

と冗談じみたことを笑って言いつつも、心なしか語調に怒気が含まれている。
傍で聞いてたよっしーも呆れたように溜息をこぼしながら

「媚びた言い訳で助かろうとは感心しませんね」

と辛辣な物言いだ。
別に助かろうとは思ってないが、その誤解ばかりは解いておかねばなるまい。

「本気だよ、よっしーが凄く綺麗だったから…ちょっと見とれてた」

じっと彼女の瞳をまっすぐ見据えながら言うと、よっしーは慌てて目を逸らしながら微かに顔を赤く染めて

「そ……そうですか、ですが………その…………覗きという行為は社会道徳的に考えても……………」

などと、しどろもどろになりながら、怒っているのかなんなのか要点が掴めない事を言っている。

「………で、この二人どうするの?」

るぅの催促によって松本さんが判決を下した。

「放っておくと寝てる間にまたセクハラしだすかもしれんし
 罰としてスマキにして押し入れに放りこんでおこーか」

浅葉さんと目を見合わせるが、彼は例によってお気楽そうに笑いながら『仕方ない』といった感じ。

当然簀など一般家庭には無いので布団でスマキにする。
布団に丸められた俺を解けないように縛る松本さんが女のヤクザみたいで
このまま東京湾に沈められてしまうんじゃないだろうか?なんて考えてしまう。


暗い押し入れの中に閉じ込められながら

「NSさんも隅に置けませんねー、手が早いって案外本当じゃないですか?」

なんて浅葉さんの軽口を聴きつつ
重くなってきた瞼に逆らわずに眠りについた。

399名無しさん:2008/07/09(水) 15:20:25
よっしーやべぇwww

400名無しさん:2008/07/09(水) 18:36:41
……ふぅ

よっしーかぁいい

401名無しさん:2008/07/09(水) 18:41:01
ウホッ

402名無しさん:2008/07/09(水) 19:11:03
よっしーいいなぁ〜
あさばさん普通に脱出してそうwww

403名無しさん:2008/07/09(水) 20:11:14
やぱい、かわいい

404名無しさん:2008/07/09(水) 20:48:27
浅葉さんクラス杉並ばりに脱出するよ

405名無しさん:2008/07/09(水) 21:28:21
「―――メタさん」

誰かの呼ぶ声が聞こえて目を覚ます。

―――――いや、覚めた訳じゃない
だってこれはまた―――あの夢の中
私を呼ぶその声は段々と大きくなっていく。

「メタさん!」

視界が開けて、真っ先に目に入ったのは目前で愛想のいい笑顔を見せる一人の少女
確か同い年だったはずなのに、人懐っこくて素直な性分のせいか妙に幼く見えるこの子はハックルだ。
確かこの時はまだ同い年だったとすら気付いていなかった覚えがある。

メタルダーと呼ばれてた青リロ時代のこの日は確か―――――
周囲を見渡すと、筐体の周りに集う沢山の人々にkaqnさんがマイクを持って挨拶を述べている。
―――――これは確か、船橋フジの最後のランバトの日。

「みんなでかきゅんさんに寄せ書き書いてるんですよ、メタさんも書きませんか?」

差し出された一枚のCDにビッシリ書かれた寄せ書きの数々
昔のゼクスの頃、一人だった私なら“くだらない感傷”と一笑に付したであろうけど、私はそれを手に取った。
一緒に楽しめる仲間を得た今は“終わって欲しくない”と心から願っていた。


―――ふと瞬きをしただけで、気が付けば筐体の前に座っていて
数瞬前と一転して誰もいないフジに驚いたけど、背後に懐かしい人の気配を感じた
それが誰かは振り返るまでもなく理解できた。

「本戦出場おめでと、よっしー……今は渋川なんだっけ?」

「まあいいや」と笑いながら、そっと背後に立ったあの人が私の肩にそっと手を乗せて

「ねぇよっしー、東西21onの参加断ったって聞いたけど………」

と穏やかな声で尋ねてきた。

「新宿は遠いですから」

この頃にはこの人に関して悪い評判も多く耳にしていた。
それでも信じたくなかった―――信じなかった。

「あんたは本当に……名誉とは無縁でありたいのね」

名誉と言えば、当時のこの業界でこの人程の名誉に包まれた人もそうはいないだろう。

「……そこに価値を見出だせませんから」

別に名前なんて広まらずとも、皆で笑ってゲームセンターで遊ぶ日々こそが私にとって最良の価値なんだから
肩に置かれた手が緩やかに下方に交差し、少し筋肉質で固い腕が私を抱く。

「じゃあ代わりに私が認めてあげる、世間の皆が小川やコイチを持て囃しても
 知識と操作技術では間違いなく……あんたが全1よ」

触れた肌から伝わる温もり、耳元に寄せられた声

「当日は私も応援に行くつもりだからさ『私の全1』が来てくれないと応援のしがいが無いわ」

―――あの人の言葉にきつく目を閉じる。
………終わって欲しくない―――終わって欲しく――――なかったんだ。

406名無しさん:2008/07/09(水) 21:33:53
―――でも、これが終わり。
―――今まで視てきた夢の終着駅である事を直感した。

再度一転して、私が立っている船橋の駅前は空に照り輝く夏の太陽が眩しいが―――夢だからだろう、暑さは感じない。

私はフジに向かい商店街に歩を進めながら
見慣れたゲームセンターが視界に入ったと同時に、あの人の姿を認めて歩みを止め
声を上げて呼び掛けようとした瞬間、ただならぬ気配にピタリと動きを止めた。

聞こえてきたのは
怒号と哀願の声
地に伏す見知らぬ男

短い金髪にスーツを纏った見慣れた姿の女性がうつ伏せに倒れた男に蹴りを入れ、襟を掴んで引き起こしている。

今度は幾らあの人の姿を見ても目は覚めなかった
―――もう既に、美しい夢は醒めてしまっていたのだから。

二人の会話に聞き耳を立てると、彼女が男の胸ぐらを掴みながらに述べているのは
プレイスタイルがどうとか、勝ち一撃がどうとか、本当に取るに足らない事。

―――何故そんな事で?
―――たかがゲームでしょう?

千葉の国王とも闘劇覇者とも呼ばれた彼女ともあろう人が………
―――否『呼ばれた人だからこそ』かも知れない
無数の勝利を積み上げ、名声を得て、その名を必死に守りながら、無駄なプライドを肥大化させ
―――そこまでして何を得るというのだろう?

「テメー、もう二度とフジに来るんじゃねーぞ!」

口汚く罵られながら、ほうぼうの体で逃げ出す男性

「あっ…よっしー来てたんだ」

急転換した、一片の後ろ暗さも無い明るい言い様に軽く怖気が走った。

「………何を……してたんですか?」

愚問だと分かっていても、なにかの間違いじゃないか?と彼女に確認したかった。

「別にー、あいつウゼーんだもん」

まるで蝿や蚊でも潰したかのように軽く言い捨てて
フジに入って二階に上がる彼女を見ながら思い知った。

―――皆が私を知らないのと同じ
―――私もあの人の事なんて、なにも分かってはいなかったんだ。


………それで終わり。
この頃にはゲームセンターで見掛ける機会も減っていたあの人はこの日からふっつり見掛けなくなって、スラッシュの稼働時に少し顔を出して以降は完全に見なくなってしまった。

―――どうせ何時かは醒めてしまう夢なんだから
なにもこんな後味の悪い終わり方をしなくたって良いのに――――――



目が覚めるとまだ夜半、既に皆が寝静まった中
不思議と目から流れ落ちていた一筋の水滴を拭いながら、落ち着いて考察した。

―――これは涙なんかじゃない
だって、なんら感情を乱すに足る事象が有った訳ではない
“私があの人を知らなかった”という、ただそれだけの、ごく当たり前の事実が有っただけだ。

自らにそう言い聞かせながら、再度の睡眠を得ようと布団を被りなおした。

407名無しさん:2008/07/09(水) 21:42:17
こわっ

408名無しさん:2008/07/09(水) 21:43:16
嫌な事件だったね

409名無しさん:2008/07/09(水) 21:53:24
きたたつしね

410名無しさん:2008/07/09(水) 22:22:21
これがリアルドリスペか

411名無しさん:2008/07/09(水) 22:36:17
よっしー超いいやつじゃん
さすが作業全一w

412名無しさん:2008/07/10(木) 00:23:39
しどろもどろよっしーが可愛すぎた GJ
そんなこともあったんだなぁ・・・

413名無しさん:2008/07/10(木) 02:37:55
おいTS、金借りてこい

414名無しさん:2008/07/10(木) 05:00:37
(=゚ω゚)ノ……

415名無しさん:2008/07/10(木) 17:41:10
………あれからどれくらい時間が経ったんだろう?
身動きが取れないまま目が覚めて、真っ暗で狭い押し入れの中で長い長い時間だけが虚しく過ぎ去って
先日の昼飯から何も入れてない腹が悲鳴を上げ、身体から気力が削り取られるかのようだ。

実際はそれほど時間が経った訳ではないのに、もう三日は過ぎたんじゃないだろうか?とさえ思う。

漫画とかでは旅の主人公が悪党を叩きのめして、行き倒れ『ここ2、3日飲まず食わずで…』なんてシーンがよく出るが
こうしてしばらく飲まず食わずになってみれば、こんな状態で悪党を叩きのめす活力が出るだなんて
あんなの現実にあり得ないと心から思う。

「…………NSさん……僕………もう駄目みたいです………僕が死んだら……家のパソコンの……ハードディスクを………壊して下さい………」

蚊の鳴くようなか細い声で浅葉さんが遺言じみた事を言いだす。

「浅葉さん、しっかりしろ!」

このままでは本気で命に関わる。
覗きの罰でスマキにされたまま餓死とか死に様としては御免蒙りたい………
そう思った矢先に狭い暗闇の中にゆっくりと光が差し込んだ。

「どうかしましたか?」

部屋の明かりを背にして、呑気な台詞と共によっしーが立っていた。


「てっきり疾うに助けだされてたとばかり思っていました」

ゲーム機の電源が点いている辺り、すっかり忘れてゲームに興じていたらしい
自由になった瞬間、真っ先に時刻を確認したらほとんど丸一日閉じ込められていたという事実が明らかになった。
空きっ腹に水とコンビニ弁当を掻き込みながら尋ねる。

「他のみんなは?」

よっしー以外の四人はこの家の中に影も形も気配すらも感じない。

「新宿の大会に行きましたよ、今から行っても間に合わないでしょうが野試合位は出来ると思います」


A行く。
B行かない。

416名無しさん:2008/07/10(木) 18:38:13
行かない

417名無しさん:2008/07/10(木) 18:46:22
B
よっしーとしてる
ぴゅあさば?誰それ

418名無しさん:2008/07/10(木) 18:52:01
そろそろ主人公の強さに不安が出てくるトコだし対戦した方がいい
Α

419名無しさん:2008/07/10(木) 18:58:42
よっしーと一緒にいるべし
Bだ

420名無しさん:2008/07/10(木) 19:01:14
Bだな

421名無しさん:2008/07/10(木) 19:07:01
遺言糞ワロタwwwwwハードディスク壊してくださいwwwwwww
まあ俺もぴゅあさばのことは言えんがな!

Bで

422名無しさん:2008/07/10(木) 19:09:04
Aで
強くなれる機会を逃してはならない
他の関西勢が見たい訳ではない、決して、決して!

423名無しさん:2008/07/10(木) 19:41:27
ぴゅあさばと会ってからろくにギルティできてないなwww

やっぱりギャルズパニックと覗きは攻略的に考えてよろしくなかったか



だがそれが(ry

Bで浅葉とよっしーとの交流を深めよう

424名無しさん:2008/07/10(木) 19:44:12
浅葉さんは空気読んで寝た振りするんじゃねーかな

425名無しさん:2008/07/10(木) 22:45:07
丸一日も簀巻きってw 浅葉さんの遺言ワロタwww
ここはBで

426名無しさん:2008/07/11(金) 14:39:09
「いいや、止めておくよ」

野試合の為にわざわざ新宿まで行くほどでもないだろう。
口一杯に詰め込んだ飯を飲み下し、水を流し込んだ合間に一息入れながら答える。

「そうですか」

とよっしーが簡素に返す声に浅葉さんが

「じゃ、僕の家庭用ゲームコレクションで対戦しましょう」

と明るく被せてきた。

「ギルティだと勝てませんからね」

などと冗談を言いながら、床一面に散乱したカセットやらCDを一つ一つ手に取り
『修羅の門』とか書かれたタイトルのCDを選抜して起動させながらコントローラーを手に取る。

「そうそう、もうすぐ闘劇予選が始まりますね
 二人とも組む人は決まってるんですか?」

よっしーにもう片方のコントローラーを渡しながら
自分にはあまり関わりのない観戦者のような語調で、彼女とひとまず観戦に回った俺とに交互に視線を送りながら尋ねる。

「いや」

「私もですね」

俺とよっしーの大して迷う事もなく繰り出された返事に少しばかり意外といった表情をして

「二人で組めばいいじゃないですか!」

『是非そうしましょう、いや、寧ろそうするべきだ』とでも言いたげな彼の勢いに軽く気圧されて黙って首を縦に振る。

「構いませんよ」

とよっしーも穏やかにあっさりと承諾した。
俺になんら異論は無いが、彼女のあまりにも気軽な了承は『本当にいいのか?』と念を押したくなる。
しかし、彼女はそんな事はお構いなしとばかり

「予選……楽しめればいいですね
 普段あまり会う機会の無い知り合いにも会えたりしますし」

浅葉さんにか、はたまた自分に言い聞かせるかのようにか主目的はそっちにありといった風情の彼女を見て
一種不安に駆られたか、なんだろうか?ふと―――

「…………よっしー、出来れば全力でやってみてくれ」

そんな言葉が口を突いて出た。
彼女は振り向かず、深い色の瞳だけをこちらに向けて一言

「………何故ですか?」

短い彼女の言葉の持つ意味は『何故本気を出していないと思うのですか?』か
はたまた『何故本気を出していないと分かったのですか?』
あるいは『何故本気を出さないといけないのですか?』かもしれない。

差し当たり、最も可能性の高いと思われる三つ目の意味と解釈して、頭に浮かんできた想いを勢いそのままに放出した。

「本八幡でランダム3onやった時にさ、急拵えのチームではあったけど………
 みんなで頑張って勝ちを目指して、凄く楽しかったし、凄く熱かった」

―――そう、だから

「ランダム3onであれだったんだから………よっしーと一緒に全国を―――もっと上を目指せたなら
 もっと、ずっと楽しいんじゃないかな…って思うんだよ」

微動だにせず、聞いているのかいないのか画面から視線を外さない彼女は
最後まで話終えたのを確認してから、緩やかに口を動かし

「―――貴方の意見は楽観的に過ぎますよ」

と言いながらも、こちらに向き直り。

「………でも、たまには悪くないかも知れませんね」

427名無しさん:2008/07/11(金) 14:41:22
喜びに胸が熱くなりかけた瞬間、いきなり聞こえてきた浅葉さんの大笑いに驚き画面を見ると
―――レオンというらしい、よっしーが操るキャラは浅葉さんのキャラを組み敷き、ひたすら殴り続けている。
笑い転げながらコントローラーを床に置く浅葉さんに尋ねる。

「これ、抜けられないの?」

「はい、永久です」

浅葉さんの対戦相手―――ボタンを楽しげに連打し続けるよっしーを見ていると

「楽しんでる………んだよな?」

という疑問が自然口を突いて出る。
彼女はそれこそ、いつもと同じに微笑んだまま

「ええ“ゲームを知る”というのはただ単に知識を得るという以上―――
 そのゲームにおける最終完成形を思い描く事が出来るということです
 私はそれが見てみたい」

―――それはコミュニケーションも勝敗さえも越えた言わば真理の探求に近く
彼女の『最終完成形』とは言うなれば『ゲームを終わらせる』と言うのに等しいかもしれない―――ならば

「じゃあ、やっぱり最強キャラ以外使わないかぁ」

一瞬の間よっしーの手が止まった………だが。

「………ええ、私は自らが最強と見込んだキャラだけを使います」

ニコリと笑ってそう言うや否や、再びボタンを連打しながら延々と永久が続く画面に目を戻した。

―――ふと閉めきられた部屋の窓を開くと、夜の外気は既に冷たいだけの物ではなく、季節は既に春
いや―――夏の足音さえもが聞こえ始めていた。

428名無しさん:2008/07/11(金) 15:25:28
よっしーは鬼やなw

429名無しさん:2008/07/11(金) 15:46:39
伝説のクソゲーw

430名無しさん:2008/07/11(金) 19:06:00
AQwwwww

431名無しさん:2008/07/11(金) 20:30:33
浅葉日記にあったやつかww

432名無しさん:2008/07/12(土) 00:07:47
上手く軌道修正されてるなw

433名無しさん:2008/07/12(土) 00:16:36
カチャカチャカチャカチャ
レバーを動かす音

パチパチパチパチ
ボタンを鳴らす音

カチカチカチカチ
時計が針を刻む音

三つの音が奏でる単調なリズムを聞きながら、家庭用で調べ物を続ける。
明日は――――いや、正確には今日は関東最初のエリア決勝の日。

―――――なのに、どうして私はこのキャラを使っているんだろう?

今となってはこのゲームの最終形なんてエディの一強である事は分かってる人には周知の事実だ。

『全力でやってくれ』

全力で………か
仮に全力でやるとするなら―――使うべきは最強のキャラに決まってる筈だ、彼にも言ったじゃないか「最強と見込んだキャラだけを使う」と
…ならこんなのは理にそぐわない、何が何やら理解不能だ。

………それでもレバーを操る手は馴染んだ操作を止めようとはしない。

―――思えばあの人が船橋に来てから調子が狂いっぱなしだ。

後で考えると理解不能にも程があるような行動や言動をとっていたり

―――あんな夢を視たり

でも、今となってはずっと遠くに感じるあの日の私は―――――

434名無しさん:2008/07/12(土) 00:20:54
―――――いよいよ迎えた関東最初のエリア予選の日
それ以前にも幾つか有った店舗予選は固定チームが組めずにいたが、3人目が決まってからはこの秋葉原の予選が俺たちの初陣となる。

土曜の秋葉原駅前の人混みの中、道行く人々に目を凝らして待ち人を探すと
その中に先日加わった3人目のチームメイトの姿を認めた。
ほぼ同時に向こうも俺に気付いたようだ。

「NSさーん!」

きっちり予定した時間の5分前に到着しながらも、俺が先に着いてるのを見て慌てて駆け寄ってきた。

「や、電脳さん」

まるでコアラみたいなつぶらな瞳を向けたアクセル使いの彼女―――電脳さんを先日誘ったところ色良い返事を貰えた。
続いて眠たそうに欠伸をしながら、長身の女性がゆったりとこちらに歩を進めるのが見える。

「よっしー」

彼女は呼び掛けた声に無言で軽く手を振って返す。
今後はこの3人が固定チームとして予選に出る事に決定した。
エディでポチョ、スレイヤーを倒し、主に先鋒で聖ソルが切り込んで、下位に有利なキャラが多いアクセルが抑える。
このチーム構成ならキャラバランスもそう悪くない。


人波を縫って、目的地であるクラブセガ秋葉原に入り
狭い階段を通ってギルティが置いてある3階に行くと、その場の溢れんばかりの人数の多さと熱気に圧倒されそうになる。

「NSサン、オヒサシブリデース!」

突如耳に響くような元気な声と変わった発音の持ち主は知り合いには一人しかいない
エルフェンさんだ。

「キョウノヨセンハガンバリマショウ」

親しげに話す彼女に応じつつ、周囲を見渡すと他にも見知った顔が沢山いる。
既に店舗を取ったいさはもとより、キシタカ、FABさん、観戦目的と思われるコイチさんなど。
今更のように激戦区たる関東の最初のエリア決勝の重みを感じながらエルフェンさんと話していると
階段から電脳さんの呼ぶ声が聞こえた。

「NSさーん、エントリーは3人いないとダメだそうですよー」

慌ててエルフェンさんと会話を中断し、一階に降りるとカウンターの前にチームメイトの二人はもう待機している。

「さっ、どうぞ二人共」

電脳さんが渡してきた登録用紙に『NS』と名前を『OR』とキャラを書き込み、よっしーに用紙とペンを預ける。
彼女は少しの間、瞑目して考えた様子の後用紙に名前とキャラを書き込んだ。
店員に提出された用紙をチラリと見た電脳さんが目を丸くして

「………あれ?渋川さん、この名前……?」

と疑問の口調だが、彼女は多くを語らず。

「………少しばかり昔を思い返しただけです」

そう言って、俺たちに背を向け階段を上がっていく
その背から目を外し、カウンターの上に置かれた用紙を見ると、そこにはこう書かれていた。

NS(OR)、電脳(AX)
――――――モザイク(VE)

435名無しさん:2008/07/12(土) 00:29:12
エリア決勝の前には店舗予選を突破し赤賞状を手にしなければ話にならない
店舗予選の試合が始まり、一回戦は何の因果かなんとエルフェンさんの外人チームだ。

こちらの先鋒で出るは電脳さんのアクセル
彼女とて場数は踏んでいる、悠々と席に座って筐体に向けた視線は少し気負った風でこそあれ、過度の緊張は見られない。

彼女の操る黄色いアクセルの丁寧な立ち回りから繰り出される牽制はまさに結界―――寄らせる事無く先鋒の聖ソルを封殺し
高い精度の回る直ガ割り込みを使った的確な防御で中堅のエディを倒し

大将エルフェンさんとの対戦
アクセル対医者は別に有利ではない、というのは以前からの説明で聞いていた。
…更に電脳さんが苦手としている事も

中距離での当て身が噛み合わずにジリジリと体力を削り取られ
次々投げられるアイテムは動きを束縛する。
最後はダッシュに超レレレが引っ掛かり、画面上に黄色い服のアクセルが倒れる。

「…すいません、負けちゃいましたー………」

しょぼくれた電脳さんを励ましながら、考える。
『次に誰が出るべきか?』はキャラを考慮すればそれほど長考するまでもないだろう
よっしーのヴェノムの登場だ。

彼女は空いた椅子に座る直前、ボソッと呟いた。

「………勝手な真似をしてすみません」

正直、未だに困惑は続いている。
何故ヴェノムなんだ?
いくら彼女が多キャラ使いとはいえ、ヴェノムを使っているのは見た事が無い。


――――そう思っていた彼女の試合を観て
全ての符号が一致し、その名の持つ意味を理解した。

―――それはかって、最強と謳われた船橋の天才少女
膨大な知識によって編まれ、緻密な操作によって形作られた、無数の起き攻めと固め
―――『攻めの神―――モザイク』の名の意味を―――――

―――――そのヴェノムは紛れもなく、彼女が見込んで彼女が造り上げた最強のキャラ。


瞬く間に体力ゲージを失った黒い医者が倒れ伏す様を観ながら
この最高のチームなら、どこまでも行けると信じた
―――――どこまでも行くと誓った。

436名無しさん:2008/07/12(土) 00:34:27
ちょっときのこ風味になってきました

437名無しさん:2008/07/12(土) 00:41:40
モザイクに憧れてフォモ使い続けてるオレには鳥肌な展開

438名無しさん:2008/07/12(土) 00:43:23
やばいわこれ
よっしーがかっこよすぎて波だが↓

439名無しさん:2008/07/12(土) 00:45:30
泣かせるぜ…

440名無しさん:2008/07/12(土) 04:19:35
修羅の門www しかしよっしーいいな 
ヴェノムの戦いにも期待してしまうぜ

441名無しさん:2008/07/12(土) 08:21:07
なんかすごいな〜やりたい放題書きまくり
バレなきゃ何してもいいってかwていうかやめさせようとしても悪者扱いされるだろうから本人達は出てこれないだろうね

なんか言われればやめるとか言いつつもそれわかっててやり続けるとか書いてる人頭いいわ〜
なんでこんなの書いてるかは意味わかんないけどwストレス解消かなんか?

442名無しさん:2008/07/12(土) 08:37:40
やば…!熱すぎるっ!!

443名無しさん:2008/07/12(土) 09:08:54
わんわんお!(��^ω^)

444名無しさん:2008/07/12(土) 09:11:51
>>441
リアルで嫌なことでもあったのか?
なんでこんなレス書いてるかは意味わかんないけどwストレス解消かなんか?

445名無しさん:2008/07/12(土) 09:16:13
>>441
悪者扱いなんてしないから。

446名無しさん:2008/07/12(土) 12:24:25
>>436
作者は割と厨二病なのでご理解ください。

>>441
>>悪者扱い〜
>>445さんも言ってますが、至極当然な要求と思う事は有っても悪者扱いとかされる訳が無いです。
寧ろ序盤に一部有名人の方から応援が有った事の方が驚きですよ。
>>なんで書いてんの?
アホな作者がゲーセン題材にした話ってのを妄想してみて
やべ、これ面白いかも!って書いてみたのがきっかけで、深い意図は特に無いです。


でも確かに渋川さんとか目立つの嫌いそうな人の名前を引っ張り出したりした時点で反省の余地は有りますし
作者自身のモチベ低下&クオリティの低下もあって、二週目を書き上げたら終わりにする予定でしたが、『今すぐ止めて欲しい』って本人達からの意見が有ったらここで打ち切ろうかとも思います。

このスレ見てる方がいたら意見をお待ちしています。

447名無しさん:2008/07/12(土) 13:25:58
ゼリー状のの便がでるまで書き続けて

448名無しさん:2008/07/12(土) 15:07:00
せめて一回はディズィー出して><

449名無しさん:2008/07/12(土) 22:00:22
>>447
体重急降下ワロタwwwww

450名無しさん:2008/07/12(土) 22:58:26
キシタカルートは見れないのか・・・

451名無しさん:2008/07/12(土) 23:19:24
kstkとか端から眼中にない

452名無しさん:2008/07/12(土) 23:55:33
やっと全部読めた
オモシロー、作者さん頑張って

453名無しさん:2008/07/13(日) 11:02:27
どうせなら最後まで書いてくれ上げ

454名無しさん:2008/07/13(日) 14:21:53
本人がみてる〜って話は、こっちに移ってから見てないと思うが
お願いだ、この2週目は最後までみせてくれ><

455名無しさん:2008/07/13(日) 16:12:07
大丈夫でしょ、前スレでもここでも何言われてもやめる気はありませんって宣言してるじゃん
本人からのクレームじゃないって理由で拒否り続けてるし

仮にいさとか渋川が文句言ったとしてもうらいたじゃ本人かどうか確認できないのにね。
わざわざうらいたを選んでるのは何があっても書き続けるためでしょ。ちゃんと考えてくれてるよ作者さんは。

456名無しさん:2008/07/13(日) 16:34:31
トリ使ったり誰かのブログやミクシーの日記と併用すれば本人証明は簡単じゃね?
そもそも大分前にかきゅんが日記に書いた時点で何人かは見てるんだろうし
それでも目立った苦情が来ない=どうでもいいってんじゃねーの?

そもそもお前ら自分をモデルにしたヒロインのギャルゲーSS(作者はフィクション宣言済み)が書かれてるからって本気で止めさせようって気になるかwww?
せいぜいきめえwwwwwwwって思うくらいでどうでもよくねww?

こんなんでガチで苦情が来るんならうらいたのスレの八割がアウトじゃねーかw
どこもガチな叩きばっかだしレディーススレに至っては実在の女性を肉便器呼ばわりだぞwwマジありえねぇwwwww

457名無しさん:2008/07/13(日) 17:16:00
まぁここうらいただし

458名無しさん:2008/07/13(日) 18:28:29
うーん……自分は本人達からの苦情が有り次第、すぐにでも取り止める気だっただけに
正直>>455さんみたいに受け取られているのは心外でした。
これまで有った「止めろ」ってレスも“モデルになった本人の意思を尊重して”というより明らかに“自分が気に食わないから”という感じに見受けられたので、続きを希望してくれてる人の意見を優先させてもらっていたんですが………

そういう風に取られていたんでしたら止めた方が良いですね、自分で始めた話だけにこれまで読んでくれていた人達の為にも決着は付けておきたかったんですが、ここで打ち切らせてもらいます。



最後に言い訳しておきますと、作者の所謂有名人と呼ばれている人達に対する認識は
面白いからゲームをして、楽しいから大会に出ていただけで祭り上げられて、異様に神聖視されたり下らない事で人格否定まで持ち出すレベルで叩かれてたりするのを気の毒に思う事こそあれ、なんら恨み辛みや憎しみの類は抱いてはおりません。

例えば以前あったレスで
「女性化N男さんが格好良くて俺に舐めプレイした人がモデルとは思えないw」
というのが有りました。

作者はN男さんと話した事こそ有りませんが、本人の日記やスレから読み取った人柄は『現実的な思考法で、凄く真剣な人』という印象でした。
同時に真剣さ故にゲームしててもたまに対戦相手の適当さがちょっと許せなくなる時もあるだろうなって程度にしか思いませんが、彼及び匿名掲示板の一般意見としては
「N男は舐めプレイや連コインするから性格最悪」「日記で自虐するから性格最悪」「大会で一撃準備するから(ry」だそうで
……多分そういったレスを書いてる人の多くは話した事すら無いのにね。


そういった想いを底流に乗せながら書いていたつもりではありますが、前スレからの読者さんにも読み取って頂けなかったのはひとえに自分の表現力の未熟さ故と思います。

ではさようなら
>>456さんも言ってますが、皆さんも叩くようなレスをしそうになった時にはエンターキーを押す前に相手の事に少しは想いを馳せてみて下さい。

459名無しさん:2008/07/13(日) 18:56:15
朝起きたら美少女になってたスレと浦板ラブストーリーを足した感じだろ
時期に飽きて話題にも上らなくなるからほっとこうぜ

460名無しさん:2008/07/13(日) 18:58:17
ここで終わりか…楽しみにしてたからちょっと寂しいね。
なんにせよ筆者ありがとう。筆者のよっしーのお陰で渋川ヴェノムに憧れてたのを思い出してヴェノムを続けようと決めたよ

461名無しさん:2008/07/13(日) 19:06:07
ちょ、こんなトコで切るとか有り得ん('A`)

復活しろよー。
書いているものには責任持てし。
俺も某所でSS書いてるから人のことあんま言えんが。

456の言う通り、ここで本人証明できなくても日記とかで連携すれば楽に取れるんだし、有名人には特にどうとも思われてないんじゃないの?
やっちゃえやっちゃえ

462名無しさん:2008/07/13(日) 19:11:12
>>455は明らかに叩き誘導というか釣りというかなんというか
まともな人はあんな事言わないと思うからそんな感じだと思ったんだけど
じっさい本人確認出来ないからって理由つけてやめないとかだからうらいたに書いてるとか
お前、作者は分かってるとか、流石にねーよって感じなんだが
つづきがよっしー好きだから見たかったけど作者さんの気持ちが固いなら仕方ないね

463名無しさん:2008/07/13(日) 19:18:52
N男はどこでも人気者だなあ

464名無しさん:2008/07/13(日) 19:21:29
いつも富樫富樫言ってる前スレから居る粘着君じゃねーの?気にする必要無いと思うんだけど
再開する気になったらいつでも来てくれ、待ってるぜ

465名無しさん:2008/07/13(日) 19:57:41
もちつけ筆者
>>455がそう受け取ったってだけだから
今の段階では自分が気に食わないからと大して変わらない
なによりもう終わりも間近っぽいし文句が来るならとっくに来てる

ようするに最後まで書くべきだよ、つーか書いてください

466名無しさん:2008/07/13(日) 20:31:05
いとふゆ

467名無しさん:2008/07/13(日) 23:51:51
俺がこの板に来る理由もなくなるわけか

468名無しさん:2008/07/13(日) 23:54:52
これで終わりだったら原因作った奴全員アク禁にするべき

469名無しさん:2008/07/14(月) 00:28:43
楽しみにしてたんですけど残念です。

470名無しさん:2008/07/14(月) 00:28:49
ここでやめたら荒らしの思うツボ

471名無しさん:2008/07/14(月) 01:10:06
じゃあ、>>395の続きを書くという事でOK?

472名無しさん:2008/07/14(月) 01:17:54
………さよなら宣言して半日も経たない内に戻ってくるとか、叩かれても仕方ない事しているのは自覚しています。

別に富樫とか止めろとか言われたりするのはスルー出来るんですが本人達の意思を持ち出されると弱い所
……けど落ち着いて考えたら、やっぱり此処で放り出すとかスッキリしないし、この話は中途半端に終わらせたんじゃ却って本人達にも失礼な類の物です。

もう中途半端に迷ったりしません『本人と証明できる形での苦情、中止勧告』以外は全面的にスルーさせてもらいます。

止めるとか言っておいて、すぐ再開ってのは本人としても急ぎ過ぎの感は有りますが、なによりこの話は闘劇前に書き上げておきたいんですよ。
この上は当人達が見ても納得してもらえる位、読んだ人が闘劇見に行きたくなる位、良い物を書くのがこの話を始めた作者としての義務だと腹を括りました。


更新は明日の朝の予定ですんで、皆さんそれまで好きなだけ作者を叩いておいてくれていいです。

473名無しさん:2008/07/14(月) 01:20:27
>>458
やめちゃうのかよ!w
かなり楽しみにしてたのになw
そういう風に取ってるのは一人くらいでしょ?w
この程度の煽りでやめちゃうくらいなら続きが気になるんで最初から書かないでほしいんすけどw
作者さんは真摯に格ゲーやってたNSと比べて最高にかっこわるいっすね!
しかも>>456を引用するくらいならちゃんと全部読みましょうよwww456が言いたかった事は明らかそこじゃねーですしw

474473:2008/07/14(月) 01:23:10
うはwwwww長文書いてたら作者レス来てるwww
八秒で見直したわ!あんたかっけーよ!

475名無しさん:2008/07/14(月) 01:36:57
楽しんでますよー

476名無しさん:2008/07/14(月) 01:44:14
応援するぜ

477名無しさん:2008/07/14(月) 02:27:09
終わらなくてよかった;;

頑張ってください><

478名無しさん:2008/07/14(月) 08:34:41
手の込んだ自演だな

479名無しさん:2008/07/14(月) 09:02:55
まあまあ

480名無しさん:2008/07/14(月) 09:10:57
いつも楽しんで読ませてもらってますよ。
荒らしに負けずに頑張ってください!

481名無しさん:2008/07/14(月) 09:34:02
早く続き書けよ冨樫

482名無しさん:2008/07/14(月) 13:00:44
店舗決勝においても勢いに乗ったよっしーのヴェノムは止まる事無く
微有利状況からの低空ダッシュがポチョムキンのバクステを捉えたと同時に実況のマイクから発せられた宣言が会場に響いた。

「最後は先鋒モザイクの三縦!店舗予選優勝はNSチームです!」

こうして俺自身の戦績こそあまり芳しくなかったものの、初めて店舗予選を通過し
店員が赤賞状に名前を入れている最中も、写真撮影の最中も、これから始まるエリア決勝にだけ思考を集中させる。


秋葉原のエリア決勝は4チームによるトーナメント戦で、俺達の相手チームは―――よりにもよって、と言うべきか、いさのチームだ。
いさエディ、012ソル、サトシポチョムキンと優勝候補筆頭のこのチームと当たるとは、形式上仕方のない事ではあるが…

「それでは第一試合を開始します、両チームはこちらに」

店員の呼び出しに応じ、人混みを掻き分け現れた
背後に落ち着いた所作の色白の少女とやや威圧的な風貌の小生意気そうな少年を従えた
少年よりもっともっと生意気そうな少女―――いさは顔を合わせると、その幼い瞳に不似合いな、対戦前に高揚しきった獰猛な肉食獣のような色を浮かべたが
こちらを見つめるその視線は俺に向けられたものではなく―――
視線の先を目で追うと――――――隣、電脳さん?

「………ねぇ」

目を外していた隙に目前にまで進んでいたいさに驚き、視線をそちらに戻すと

「…さあ、さっさとじゃんけんしよ!」

と今度は殺気すら漂わせる真剣そのものの表情
じゃんけんに負け、筐体の選択権を奪われて、軽く謝意を示しながらチームメイト達のもとに戻ると、よっしーが軽く腕を組みながら

「嫌な所と当たりましたね」

それには俺も同意せざるを得ない、ソルはキャラ相性面ではどうにかなる相手とはいえプレイヤーの012は独特の丁寧な立ち回りと高いコンボ精度を持ち、そこいらのソルとは比較にならない強さだ。
残る両者は多くを語る迄も無い
サトシのポチョは聖ソル、アクセルはもとより、ヴェノム戦もかなり仕上がっている。
止めにエディという、このチーム構成において天敵とも言えるキャラを使う、現在船橋最強の少女いさ
難敵だが、どの道いずれ本戦で当たる相手だ。

―――全力でやるしかない!

決意を新たにするや、計っていたかのようなタイミングで店員が声を掛けてきた。

「先鋒のキャラを申告して下さい」


A俺が行く!
B電脳さん、行ってくれ!
Cよっしー、任せた!

483名無しさん:2008/07/14(月) 13:09:44
よっしーかNSだなぁ。。
Aで

484名無しさん:2008/07/14(月) 14:02:25
俺ならいさ読みで何を置くかかなぁ…
電脳さんを抜かして考えるとどっちを出すのがキャラ相性いいんだろうか
どっちでもイベント起きそうで悩む…

485名無しさん:2008/07/14(月) 14:16:45
相性関係なく
NS-いさも見たいし、電脳-いさも見てえぇ
まぁAで

486名無しさん:2008/07/14(月) 15:59:27
Aだろうな

487名無しさん:2008/07/14(月) 22:53:32
先鋒012だろうからな

488名無しさん:2008/07/14(月) 23:26:14
Bかな

489名無しさん:2008/07/15(火) 01:31:05
作者さんおかえり。
Aで!

490名無しさん:2008/07/15(火) 20:38:19
B

491名無しさん:2008/07/15(火) 20:45:41
しばらく見てないうちにゴタゴタしてたようだが続きがあってマジ安心したw
ここはAで

492名無しさん:2008/07/15(火) 22:05:42
ごたごたあったみたいだけど続いててホッとしたよ
NSのマスコット化に期待しつつAで

493名無しさん:2008/07/16(水) 00:02:40
「俺が行く!」

一歩を進み出て椅子に座る。
周囲の喧騒と応援を耳に、煙草の香りの染みた空気を喉に入れつつ、スタートボタンを押して、キャラ選択画面のカーソルを自キャラに合わせた。

「落ち着いて、冷静になれば貴方ならやれますよ」

背に向けられたよっしーの声を聞くと、確かに冷静になれと訴えるのにこれ以上の適役もいないだろうと、どこか納得させられる。


試合が開始された。
冷静に距離感覚を測った地上戦、無駄な技を振らず、距離調節で以てこちらの選択肢を限定させようとする立ち回りの妙技は以前から何度か野試合をして見知った所。

双方1ラウンドを取得し、最後のラウンドを迎えてもジリジリと体力を削りあう刺し合いの中

(ここなら通るはず!)

一種確信を抱きつつ低空ダッシュからHSボタンを押した
その刹那、相手キャラを中心に固定されていた視野に入ったのはソルの地上ダッシュモーション

「しまっ………!」

―――だが一度押されたボタンから指を離そうが押し続けようが、時間を巻き戻す事は叶わない
裏回りから躊躇なく繰り出された立ちK対空を始動にした無補正コンボは瞬時にして聖ソルの体力を赤く染め上げた。


SLASHの表示を確認し席を立つ。
とんだ失態だ、このチームを相手とする以上、どんなに困難でも最低先鋒戦を征しておかねばならないのは必須条件に近い

「………ごめん」

腑甲斐ない自分自身に対する失望にそう詫びた―――そうとしか言えなかった。

「ドンマイドンマイ!大丈夫ですよ!」

電脳さんは気にしてないとばかり明るく言い放って
よっしーも穏やかな表情を崩してはいない

再び、このチームに心から感謝したくなった。

―――さて中堅は考え所だ。
此処を抜けても後ろに控える二人がいる以上、目先の相性にばかり気を取られてはいられない

「私が行きます」

話し合いの末、恐らくは出来る限りポチョにヴェノムを当てられるようにするためか、続いて椅子に腰を下ろしたのは電脳さんだ。


012の行動一つ一つに的確に対処を続けて
綿密な対策に基づき集中した反応と読みはあらゆる接近行動を拒み続ける。

加えてスラバを狙いたがるのを見越した上でか、6HSを随所でちらつかせながら強気な行動を通し続ける経験則に依った読み。

―――やはり電脳さんも強い

012の操る黒いソルが倒れ、周囲を取り囲む歓声が一際強まる。

「さあ、続く中堅戦!席に座ったのは………いさエディー!」

『ついに来たか』と思いながら、いつもにも増して真剣な電脳さんの横顔を見つめ、その手が黄色カラーを示すDボタンを押したと同時に再度画面に目を戻した。


―――その試合展開はまったくの互角、いや体力差のみを考えれば電脳さんが押してすらいる。
召喚と接近を抑止するべく絶妙に振られるJS、適度に接近戦のプレッシャーを掛けながら、自在に緩急を付けた遠距離牽制
―――だが、それも一撃で引っ繰り返るが故の最強キャラ
―――だが、その一撃を回避し続けるが故のキャラ対策

いさの苛烈な攻め手をギリギリでいなしながら、虚空が引っ掛かってのワンチャンス『やった!』と叫びだしたくなりながら画面を見守ると
2S―JDからアクセルボンバーが出ずに着地し
受け身を取ったエディの躊躇なしのダッシュ2K―――続く回るがバクステに引っ掛かる。

―――奮闘虚しく、黄色いアクセルが地に伏した。

494名無しさん:2008/07/16(水) 00:06:12
「すみません、やっちゃっいました………」

電脳さんがコンパネから手を離した
その時、背後にひしめく観衆から聞き取りづらい、ごく小さな声ではあったが確かに

「……わざとじゃね?」

と忍び話をする声が聞こえた。

―――怒りを通り越して呆れすらしたくなる。
この場を共に戦う身として、そんな事は有りえないと断言できる。
電脳さんもいさも全力で戦い、自らの持てる力を全て出し尽くしたこの結果
あれだけの闘いをやりきった彼女を死因がコンボミスだというだけで責められる人間はこの場にいないだろう。


―――事実エディの性能を活かした圧倒的な攻め
いさの反応を活かした圧倒的な立ち回りと防御の前に
大将よっしーのヴェノムもあっさりと敗れてしまったのだから。


続く決勝戦をもいさは圧倒的な攻めで押しきり、関東初のエリア通過チームはいさチームで確定した。

「優勝はいさチーム!皆さん、拍手をお願いします」

会場の中心に置かれた大型モニターの前に控える店員から発せられたマイク越しの声と共に拍手が鳴り響く中
自分のチームメイト達を見やると、よっしーも電脳さんもパチパチ拍手の音を鳴らしながら、身内の勝利を笑顔で祝福している。

特に電脳さんはいさに駆け寄って、本当に嬉しそうになにやら語り掛けようとしたが

「ごめん、電脳さん
 写真とか手続きあるから後でね」

いさはそう言って電脳さんに背を向け、チームメイト二人と談笑しだした。

身を退きながら、それを見つめる電脳さんの表情は心からエリア通過を祝って微笑みながらも―――どこか寂しげに映った。

495名無しさん:2008/07/16(水) 00:15:53
電脳さん…

496名無しさん:2008/07/16(水) 00:19:40
さて、明日は五井の予選があるし課題も残ってる、大会が終わったからにはすぐにも帰らなければ
チームメイト二人にその旨を伝えると

「私はコイチさんと浅葉さんの家に寄っていきます
 心配なさらずとも、明日の五井予選にはちゃんと行きますよ」

俺にそう言い残したよっしーと別れて

「あっ、私も用事が有るから一緒に帰ります」

そう言って、ひょっこり付いてきた電脳さんと二人
階段を下りクラブセガを出て、電気街通りの人波を越え、改札を過ぎて、ホームに辿り着き“空いているから”と先頭車両の到着予定位置に立つと
うららかな春の日暮れを感じながらも、それほど時を置かずして駅に滑り込んだ帰りの電車に乗り込んだ。


二人がけのシートを占領して、ガタンガタンと一定の規則性でリズムを刻む電車に揺すられながら
不意に隣の電脳さんを見ると、こちらを見ていた電脳さんと丁度目が合った。

「今日はいさ、やりましたねー…本当に強かったですよ」

すぐさま気まずくならないよう、話題を振る気遣いは流石と言うべきか
今こそ以前からの疑問をぶつける時が来た。

「……電脳さん、いさとチームを組まないのは何があったの?」

彼女の表情が一瞬強ばったかのように見えた。
しかし、何か観念したかのように普段以上、不思議な程に穏やかな顔で口を開いた。

「そうですね、私たちチームメイトですし…話しておきましょうか」

そうして電脳さんは語りだした
―――――遠い昔、彼女が抱いた一つの夢の話を。

497名無しさん:2008/07/16(水) 00:21:03
(´;ω;`)

498名無しさん:2008/07/16(水) 00:33:27
初めてあの子を見たのは、ランドセルを背負って登校中の姿
その時から“可愛い子だなー”とは思っていたけど
柏のランバトで再び出会った時、当時ソル使いだった私はあの子の溢れんばかりの才能と、誰よりも素直でまっすぐな有り様に強く心を引かれて―――文字通り、恋に落ちたんです。

「あれ、電脳さん?」

次に会った時にはアクセルを使いだしていた私を見て、あの子は驚いてました。

「キャラ変えしようと思ってね、今度シュウトに教えてもらうの」

「キャラ変え?なんで?」

「教えなーい、内緒」

(だって同じキャラじゃ、一緒に闘劇に出れないじゃないの)

その頃は存在を知ったばかりの全国大会の、あの舞台にあの子と―――いさと、いつか一緒に立ちたいと思ったんです。

そうして2年が過ぎ、私もいさも本戦に出れるだけの実力を付けて
―――それは今から3年前のちょうど今みたいな予選の帰りの電車の中でした。

戦績は上々、今日は惜しくも切符を逃したけど、この調子なら今年こそは本戦にだって手が届く筈
想像するだけで胸の高鳴りが抑えられないで、心が弾みだすかの様でした。

「………ねぇ、電脳さん」

どことなく様子がおかしいのは、今日負けたのがよほど悔しかったのかな?と思っていました。
隣に座り、珍しく暗い顔で携帯を覗き込んでいたいさがポツリと呟いたのが聞こえて

「なあに?」

それからパチッっと携帯を閉じる音を合図にして、あの子の口から発せられた言葉は

「……………ぶっぱと……コイチさんと組んでいい?」

―――それを聞いた瞬間、まるで時間が止まったみたいにショックで動けなくなっちゃった。

けど、日々強くなっていくあの子を見ていて―――薄々気が付いてはいました。
……この子は私なんかと違う
『闘劇に出たい』じゃない
―――もっとずっと上に行ける
―――優勝だって出来る才能の持ち主だって。

―――泣きだしたかった
『止めて、そんな事言わないで』
って叫んで引き止めたかった。

けど、私の我儘でこの子の才能を縛り付けるのは―――可能性を奪うのは、この子の為にならないと思ったから
だから―――――

「………………分かったわ、いいわよ」

―――――最後にせめて、精一杯微笑む事が出来たはず。

「……ごめん、電脳さん」

謝る声音も表情も、いさらしくもない、神妙な落ち込んだものでした。

「謝らなくてもいいわ………でも、必ず勝つのよ
 あなたなら、きっと優勝だって狙えるわ」

「……うん!」

そうして目を輝かせて頷いたいさが電車から降りる時、最後に言った言葉

「………さよなら、電脳さん」

あの時の『さよなら』は今でも鮮明に思い出せます
独りになった電車の中、窓からさす赤い夕日が凄く―――眼が痛くなるくらい眩しかった。

私の夢はこうして、びっくりする位あっさり覚めちゃったんです。

499名無しさん:2008/07/16(水) 00:43:37
「―――その年の闘劇は私は1回戦、いさは2回戦で負けちゃいました」

―――ガタンガタン―――ガタンガタン

語る言葉の合間を埋めるかのような、或いは沈黙を強調するかのような電車の揺れる音の中
言葉を失った俺に彼女は穏やかな笑顔で淡々と言葉を紡いだ。

「あの子はもう、あの時の約束なんて覚えていないでしょうけど
 それからも出来得る限りの強さのチームメイト、次の年はコイチさんとkaqnさん
 その次の年は渋川さんとマルケンさんと組んで闘劇に出て……」

彼女は笑顔のまま、語り続ける。

「………ああ見えて凄いあがり症なのに、毎年酷い負け方をしても諦めないで
 今年はキャラまで変えて優勝を狙い続けているんです」

小刻みに肩が震え、笑顔が悲しげに歪む。

「…………立派じゃ………ないですか………………」

眼鏡を外し、崩れ落ちるように面を伏せて嗚咽を堪えながら、切れ切れに搾り出すような声を発した。

「『私と組んで』………だなんて………言える訳………ない…じゃない………で………す………か………」

「電脳さん………」


A謝る。
B叱る。
C抱き締める。

500名無しさん:2008/07/16(水) 00:50:15


501名無しさん:2008/07/16(水) 00:53:14
AもBも気まずくなりそうだからCを選ぶしかないww

502名無しさん:2008/07/16(水) 00:55:10
叱るのはありだろ

503名無しさん:2008/07/16(水) 00:55:33
また自演かよ

504名無しさん:2008/07/16(水) 01:01:41
うーん・・・チームメイトとして渇入れる意味でBも良いんじゃないか

505名無しさん:2008/07/16(水) 01:14:09
NSならピュアな心のままで女性を抱きしめることくらい出来る
C

506名無しさん:2008/07/16(水) 02:08:08
胸の奥にいさに勝って欲しい想いがあるから最後にコンボミスをしてしまったんじゃないだろうか、そういう精神的に弱い面を振り切って欲しいのでB

507名無しさん:2008/07/16(水) 02:33:01
ああっとー!
Cは何か起きそうだぞこれー!

508名無しさん:2008/07/16(水) 03:31:12
Cで修羅場に期待

509名無しさん:2008/07/16(水) 03:43:53
かっこいいNS期待してB!

510名無しさん:2008/07/16(水) 07:26:46
BB

511名無しさん:2008/07/16(水) 08:16:08
あえてA

512名無しさん:2008/07/16(水) 13:41:24
抱き締める→よっしーに見られる→修羅場

513名無しさん:2008/07/16(水) 13:58:41
まぁBで

514名無しさん:2008/07/16(水) 15:37:09
雨降って地固まる

515名無しさん:2008/07/16(水) 16:36:08
腹が痛いからBで

516名無しさん:2008/07/16(水) 17:20:44
ここはBで
優しさだけでなく、強さを追ってほしいから

517名無しさん:2008/07/16(水) 19:50:08
よっしー√から外れるのが怖いだけだろw

518名無しさん:2008/07/16(水) 20:18:30
と言うよりも全てのルートから外れてバッドエンド行くのが怖い
よってA

519名無しさん:2008/07/16(水) 22:09:38
前回の選択ミスったのかどうかわからんがバッドエンド臭がするw
あんまり迂闊な行動しない方がいいと思うのでBで

520名無しさん:2008/07/16(水) 22:13:17
でも電脳さんにはここで吹っ切れてもらわんといけない気がする

B!

521名無しさん:2008/07/16(水) 22:21:51
安心しろって、青空の見える丘の伊織ルートみたいな感じだから

522名無しさん:2008/07/17(木) 18:09:27
早く続き書けよ冨樫

523名無しさん:2008/07/17(木) 19:26:21
A

524名無しさん:2008/07/17(木) 21:57:29
電脳さんやべぇな・・・そんなにいさを思って(ノд`)
ここはBで

525名無しさん:2008/07/17(木) 22:01:18
早く続き書けよ冨樫

526名無しさん:2008/07/18(金) 02:02:28
人目も憚らず泣きじゃくる電脳さんを見ながら、胸に沸き上がった、悲しみとも怒りともつかない感情を放ち、ぶつけた。

「しっかりしろ、電脳さん!」

突然の怒声に驚いてビクッと肩を震わせた彼女は、こちらの顔色を伺うようにゆっくりと面を上げた。

「例えいさの為にキャラ変えしたんだとしても、今までやってきたのは自分の―――電脳さんのギルティだろ!?」

今日、共に闘った黄色いアクセルは他の誰でもない『彼女のギルティギア』の結晶に他ならないんだから

「自分の強さに自信を持てなくてどうするんだよ!
 ………大丈夫!電脳さんは強い!全一にだってなれるんだ!!」

嘘偽りの無い、率直な感想だ。
少なくとも俺は電脳さんと並び得るアクセル使いはバベさん位しか知らない。

「私が………全一………?」

「ああ」

「………無理ですよー……………私のアクセルなんて……地味だし……峰打ちしちゃうし……………天放ダンスだしー………」

ボロボロ零れ落ちる涙を堪えきれずに言葉を詰まらせながら、切れ切れに話を繋ぐ。

「そんな事ないさ―――きっと、行けるよ」

電車が速度を緩め、車窓から見慣れた駅の景色が覗く―――――船橋駅に到着したようだ。

「………ほら、行こう」

彼女の手を引いて、座席から立ち上がった。

「行けるはずだよ、もっと上に………どこまでも、さ」

残った涙を拭いながら、眼鏡を掛け直した彼女は強く俺の手を握り返した。

「………ありがと、ちょっとは気が楽になりました」

ホームに降り立ち、顔を見合わせると
涙の残る顔で心細げに手を握る彼女が今更のように可愛らしく思えてきて、恥ずかしさに若干視線を逸らし気味になってしまう。

改札を出て、電脳さんと別れる間際

「NSさん、明日の予選も頑張りましょう!」

一際声を励ましながらの彼女と別れの挨拶を交わしながら
―――また一つ、負けられない理由が増えた事を実感した。

527名無しさん:2008/07/18(金) 02:05:28
―――――それから一ヵ月が過ぎた。

「妖斬扇!」

視認不可能な高速の中段攻撃が放たれる度、隣で床に片膝をつきながら見ている俺も心臓の音が痛みそうな程大きく鳴る。
幸いそれはノーゲージだ、受け身を取った彼女はそれでも攻めの姿勢を崩す事無く前に出て、ダッシュから2Kを―――

「迂闊だなっ!」

FDストップから先行入力で仕込まれていたガードキャンセルに吹き飛ばされ、ヴェノムがその体力を総て失い―――――敗れた。

「大将シャロン梅喧の逆3タテー!ゲームチッタ八千代台店、優勝はシャロンチームとなります!」

―――予選も既に中盤、関東における予選のほぼ半分が終了しても、俺たちのチームは未だ青切符の獲得には至らなかった。
こうして今日も夜になるまでの激戦の末、店舗予選の決勝リーグで敗北を喫し

「なぁキシタカ、次の予選は何処だっけ?」

「ちょっと待って」と、今日同じように決勝リーグで敗れた少女が鞄からアルカディアを取り出し、日程と会場の一覧を見つけだすのを黙って見守る。

「明日はエリアが有る埼玉ポピーと…成田の店舗があるよ」

キシタカに軽く礼を言いながら
―――この分ではバイクの免許は切符取るまでお預けかな、などと考えていると
チームメイトの一人である長身の黒髪美人が

「少し、いいですか?」

と声を掛けてきた。


このゲームセンターは中に入ると、一階のパチンコ店への入り口と、二階のゲームセンターに続くエスカレーターが伸びている。
その二施設を繋ぐ基点となる、一階のホールにて1対1で対峙すると、よっしーは話を切り出した。

「………明日はどうする気ですか?」

予選に決まってるだろう?
と思ったが、どうも彼女が論点としたいのは、そこではないらしい。

「率直に言いますが、私は成田ならまだしも、埼玉なんて遠くまでは行く気がしませんよ」

………自分は埼玉に行く気が満々だっただけに、これは困った。
成田の店舗予選は通過したところで津田沼のエリアを通過しなければ本戦には出れないのだから、単純に二度手間だ。
本戦を狙う以上、エリア決勝の有る埼玉予選には是非出ておきたいのだけど…………


A埼玉に行くべきだ!
B………しょうがない、成田に行こう。

528名無しさん:2008/07/18(金) 02:17:06
どれがいいのかわかんねー…
さいたま好きだからAで

529名無しさん:2008/07/18(金) 04:23:49
急がば回れっつう事でBかな

530名無しさん:2008/07/18(金) 06:19:31
成田でいいんじゃね

531名無しさん:2008/07/18(金) 07:49:06
一本道だけどそれだけ相手が強いってこと、だからここは経験を積む意味でもBだなぁ〜

532名無しさん:2008/07/18(金) 07:50:48
いさルートの時ほどNS強くなってないのかな

533名無しさん:2008/07/18(金) 07:53:50
おまいらはエリアの重要性を理解できてない
やる気勢ならAだろ

534名無しさん:2008/07/18(金) 09:04:52
いさのアゲマンっぷりは異常

535名無しさん:2008/07/18(金) 10:21:10
強さに不安があるからこそチャンスは多い方がいい、埼玉だな

536名無しさん:2008/07/18(金) 13:48:49
チームメイトの意見は尊重するさ
これギャルゲーだし
って事でB

537名無しさん:2008/07/18(金) 17:20:42
これチーム解散の危機とかになったりしない?
でもよっしールート希望なのでB。

538名無しさん:2008/07/18(金) 17:51:29
よく闘劇のルール知らんからとりあえず、よっしーの意見尊重してBで

539名無しさん:2008/07/18(金) 18:14:18
そもそも絶対に闘劇に参加しないと行けないってわけじゃないだろ

540名無しさん:2008/07/18(金) 23:48:06
自分のギルティだろ!のとこいいねb 年上の言うことは聞くもんだ?
ここはBで

541名無しさん:2008/07/19(土) 00:36:44
>>539
それじゃマリオでピーチ助けないようなもんだぞww

542名無しさん:2008/07/19(土) 01:50:41
「…………しょうがない、成田に行こう」

「では、そのようにお願いします
 私は先に帰らせてもらいますね」

外の夜道へと出ていったよっしーを見送ってから
そういえば、電脳さんに一切明日の予定を説明していなかった事に気が付いた。

早急に二階に上がり、知り合いと雑談中の電脳さんを見つけ、先程の会話をほぼそのままの形で伝えた。

「……えっ!?成田ですか?
 明日は埼玉に行くんだとばかり思ってました」

やはり伝えるのがちょっとばかり急過ぎたか、彼女はどことなく不満げなようにも見える。

「いいですけど…………本戦に出たいんじゃなかったんですか?
 青紙欲しいなら、今のうちに埼玉に行くと思ってたんですけど…………」

『今のうちに』の意味が分からず、軽く首を傾げた俺に対して、彼女は少しばかり困った顔でこう言った。

「津田沼の予選から、とうとうおがちゃんが動くらしいんですよ」


―――――そして、その不安は現実の物となった。
成田の店舗こそ通過したものの、津田沼の店舗を取った小川と浅葉さんとマイクのチームを交えたエリア決勝で小川に3タテされた俺たちは敗退し

―――――それから俺たちは赤切符すらも入手出来ず。
関東の枠は埋まり、俺たちの闘劇は予選を突破する事無く終わった。



―――――bad end

→continue?

543名無しさん:2008/07/19(土) 01:56:43
なにいいいいぃぃぃぃぃ
バッドエンドなんて認めるかー
よっしールート再開希望で…
もちコンテニュー!!!

544名無しさん:2008/07/19(土) 02:06:29
ゆっくりした結果がこれだよ

545名無しさん:2008/07/19(土) 02:34:29
バットエンドw
もちろんコンティニューで

546名無しさん:2008/07/19(土) 02:48:45
浅葉さんwwwww何やってんのwwwww

547名無しさん:2008/07/19(土) 07:21:10
よっしールートも遂に終わりか
次はkstkルートだな!

548名無しさん:2008/07/19(土) 09:06:56
あーあ、NS甘えるからー

549名無しさん:2008/07/19(土) 10:19:37
こんてにゅー!

550名無しさん:2008/07/19(土) 13:17:20
小川がラスボスすぐる;;

551名無しさん:2008/07/19(土) 14:00:17
「埼玉に行くべきだ!」

ここは譲れない所だ。
確かに地理的に遠い上に激戦が予想されるが、俺たちは『店舗を通過できればいい』んじゃない『本戦に行きたい』んだ。
………そのためには、少しでも多くのエリアに出られる確率が高い方が良いに決まってる。

「では、貴方方二人で行ってはどうですか?
 これまでの戦績もまずまずですし、組む人は一人位どうにかなるでしょう」

不貞腐れたようでもなしに彼女は至極冷静に言い捨てる。

「駄目だそんなの、3人揃ってないと意味が無い」

俺の返答を聞いて『分からない』とばかりに首を傾げて

「本戦に出たいというのは分かります
 ………ですが、そこまでして私と行く理由は無いでしょうに」

「理由は有る!」



A『よっしー』が好きなんだ!
B『モザイク』を闘劇で見たいんだ!

552名無しさん:2008/07/19(土) 14:04:33
Aか?

553名無しさん:2008/07/19(土) 15:12:45
Bかな

554名無しさん:2008/07/19(土) 15:19:29
恋人ルートと親友ルートか…っ!
俺には決められぬ…

555名無しさん:2008/07/19(土) 15:23:54
これは迷うw
よっしー派な俺はAで

556名無しさん:2008/07/19(土) 16:45:52
A

557名無しさん:2008/07/19(土) 17:06:48
めっちゃ迷うが…Aで

558名無しさん:2008/07/19(土) 19:46:41


559名無しさん:2008/07/19(土) 21:16:01


560名無しさん:2008/07/19(土) 23:37:36
お〜バッドエンドかと思えば また選択肢がw こんなにうれしいことはない
ここはAで

561名無しさん:2008/07/20(日) 05:29:51
「『よっしー』が好きなんだ!」

―――そうだ、俺は初めて会った時から、ずっと彼女に心惹かれていたんだから
激情に身を任せてしまった感もあるが、俺の渾身の告白だった。
その場の空気が凍り付いたかのように張り詰めた物となり、異様に長く感じた沈黙は
―――小さく乾いた笑い声によって破られた。

「あ………は…は」

その声は間違いなく目の前から―――よっしーから発せられたもの。

「………あーっはっはっはっはっはっ!!」

伏せ気味にした表情を長い黒髪で覆い隠し、彼女はなにかが壊れたみたいに、狂気さえ滲ませながら笑い続けた。

―――けど幾ら笑われようが、俺は今言った言葉を嘘にも冗談にもする気はない、気圧されそうになりながらも真剣な表情を続けるうちに
ピタッと笑いが急停止した。

「………私の事が、好き?」

声と共に顔を僅かに上げた彼女の髪の合間から覗いて見えたのは―――また、あの目だ
―――深い、冷たい、何者も受け入れない―――暗い瞳。

「………では問いましょう、貴方は私の何を知っているというのですか?」

………何を知っているか、だって?

「貴方が知るのはゲームセンターに居る時の私だけ、住所も、職業も、家庭環境も、年齢も、実名さえも
 ……何も知らない貴方が私を『好きだ』『愛している』と?
 貴方が語る愛とは随分と薄っぺらい感情ですね」

―――俺が知っているのはあくまでゲームセンターで会う『よっしー』でしかない、日常を過ごす『彼女』の事は―――何も、知りはしない。

「ゲームセンターからは何時か必ず離れる時が来ます
 ゲームセンターで出会い、共に遊んだ私達はゲームに飽きたら足が遠退いて………気が付いたら見なくなって……………そうして、別れて
 ………ただ、それだけの仲にすぎないんですよ」

明確な距離感を持ち出され、彼女の理になんら言い返す術を持たなかった。
俺に背を向けて、入り口の自動ドアに向けて出ていこうとした彼女を―――それでも引き止めたくて、懸命に言葉を探した。

―――それは見つからないし、明確な理など有りはしない
それでも俺にとっての彼女は―――『よっしー』は確かに此処に居るんだから―――だから―――――

「……………けど、俺はよっしーが好きだ」

耳に入ったのか、よっしーは俺に背を向けたまま、入り口の手前で足を止めた。

「綺麗で格好良くて、たまに可愛くて、凄い物知りで色々教えてくれて、話してて楽しくて、誰も思いつかないような新しいコンボや連係を考え付いてはその場で披露してくれて
 よっしーと一緒にいるのは凄く楽しいし、フジに行くたびに今日はよっしーは居るのかな?って考えると、楽しみで胸が熱くなってくるんだ」

理を紡いでいるのではない、浮かんだ想いを次々述べ続けただけの言葉は、自分でも何の理屈にもなっていない事は分かっている。
………そう、本当にただそれだけ………………それだけの仲だけど

「…………ただ、それだけで人を好きになっちゃ………いけないのかな……………?」

よっしーは微動だにしないで立ち尽くしたまま、再度訪れた長い沈黙の末、微かに震えた声で呟いた。

「………私は貴方が想っているような人間では……ないんです」

自動ドアが開き、彼女が後にしたホールの中に名残のような夜風が染み入った。
冷たさを感じない春の夜風を体に受け、実感した。
もう5月も下旬、関東における予選のほぼ半分が終了して
―――初めて出会ったあの時から、もう三ヶ月近くが経ったんだ。

562名無しさん:2008/07/20(日) 10:05:07
よっしー可愛いよよっしー

563名無しさん:2008/07/20(日) 12:50:45
NS・・・恥ずかしい奴・・・

564名無しさん:2008/07/20(日) 13:10:16
NS…漢だぜ……

565名無しさん:2008/07/20(日) 17:25:07
だがそんなNSが俺は大好きだぜ

566名無しさん:2008/07/20(日) 17:48:23
NSかっこいいよNS

567名無しさん:2008/07/20(日) 18:50:49
NSいいなぁ

568名無しさん:2008/07/20(日) 21:19:29
これはいい

569名無しさん:2008/07/21(月) 13:28:02
―――埼玉は遠い。

船橋から目的地がある岩槻までは電車でも1時間半もの時間を要する。

―――――埼玉は遠いんだ。

「―――――さん」

………なんか、声が聞こえる。
……………女の声だ。

「えーぬーえーすーさーーん」

見慣れた眼鏡を掛けた顔のコアラみたいな女性が目の前で俺の名を呼び掛けている。

「大丈夫ですか?すっごい上の空でしたよ」

埼玉の岩槻に向かうその電車の中によっしーの姿は無く
今は電脳さんとキシタカのチームと共に岩槻に向かう途中だ。

「マジで大丈夫っすか?さっきから明らかに変っすよ」

目の前にいる高校生位の男が気遣ってくれているようだが………誰だっけ?こいつ?

「………えーと、誰?」

「俺ですよ!オギワラっすよ!秋葉とか予選で何回か対戦したでしょ?」

ああ、確かスレイヤー使いだったか
予選期間中に何回か顔を合わせたから、一応キシタカチームのスレイヤー使いって程度には記憶に残ってた。

「あたしの風邪が移ったってんじゃないわよね?」

ケホケホと軽く咳き込みながら、こちらをまっすぐ見据えた女性は
以前バベさんと駅前をぶらついていた時に会った、kaqnさんだ。

「大丈夫ですか?無理しないで休んだ方が………」

咳が止まらない彼女を電脳さんが気遣っているが
彼女は首を横に振りながら、熱の込もった双眸を輝かせながら

「それなりに長い付き合いだし、キシタカを本戦に連れてってやりたいからね」

「Kさん毎年出てますからねー、今年もきっと出れますよ」

「ええ、キシタカにもバサラにも、あの舞台で優勝を目指す時の熱さを味わわせてやりたいからねー」

二人の会話を横で聴きながら、キシタカとバサラことオギワラの二人は照れ臭そうではあるが、期待を込めた眼でkaqnさんを見ている。
彼女たちも今日戦うかもしれない相手なんだ、と思うと今更ながら沈鬱な思いに囚われそうになるが
暗い表情が顔に出ていて察せられたか、kaqnさんはこちらを一目見て、ニッと笑うと

「NS君、『お互い』頑張りましょ」

と念を押すように言った。
―――――彼女の言う通り、どれほど親しい仲だとしても、彼女たちの闘劇と俺たちの闘劇は違うんだ。


―――岩槻に着いた。
空は曇ってこそいるが、雨は降っていない
駅の周囲を見渡し、コンビニ一つ無い駅前の風景を見ると、改めて天候に感謝したくなる。


―――そこから更にしばらく歩くと、遂に目的地の埼玉ポピーに到着した。

入り口を通り一階の中を見渡すと、フジの赤い階段と対照的な青い階段が二条、地下に向けて伸びているのと
並ぶ野試合台と中央に置かれた大型のモニター、既に大会に向けて用意が出来ている店内の様子が目に入った。

―――店舗予選開始まで、あと2時間
一縷の希望を胸に野試合台の周囲に目をやるが、彼女はいない。
落胆しかけたその時にオギワラが

「チーム数に登録制限有るらしいっすよ、早めに行った方がいいんじゃないすか?」

と追い打ちのように言い放った。

「渋川さんどうしちゃったんでしょうね?メールも返事こないし………」

困惑している電脳さんに対し、俺は――――――



Aしょうがない、斡旋で登録しよう。
B…………待ってみよう。

570名無しさん:2008/07/21(月) 13:36:20
Bだ

571名無しさん:2008/07/21(月) 14:30:11
これA選ぶ人は明らかBAD狙いだろwwwwwwwww

572571:2008/07/21(月) 14:31:04
途中で送信しちまった
Bで

573名無しさん:2008/07/21(月) 14:38:04
Aを選ぶ奴いないだろコレ絶対www
Bでお願いします

574名無しさん:2008/07/21(月) 15:14:01
Aだな

575名無しさん:2008/07/21(月) 17:17:14
これは例え地雷選択でもBだろ……jk

576名無しさん:2008/07/21(月) 18:47:39
Aだろ

577名無しさん:2008/07/21(月) 22:26:37
(・∀・)b

578名無しさん:2008/07/21(月) 22:27:15
NSが背信するとは思えない、B

579名無しさん:2008/07/21(月) 22:54:15
Bで

580名無しさん:2008/07/21(月) 22:54:55
何も考えずにB

581名無しさん:2008/07/21(月) 23:13:23
チーム登録制限wwwなんてこったwww

ぎりぎりまで待つじゃろ
B

582名無しさん:2008/07/21(月) 23:20:35
(・A・)

583名無しさん:2008/07/22(火) 01:04:16
A

584名無しさん:2008/07/22(火) 02:58:02
b

585名無しさん:2008/07/22(火) 09:13:48
エネコンみたいだな

586名無しさん:2008/07/22(火) 12:07:34
Bで

587名無しさん:2008/07/22(火) 16:14:52
はいB。

588名無しさん:2008/07/22(火) 19:48:00
「…………待ってみよう」

ただの未練かもしれないけど………俺はよっしーを信じたいんだ。

「………そうですね」

それだけ言って、すんなり受け入れてくれた電脳さんに感謝しながら
今日出場するであろう人々が対戦中の野試合台でも観戦しようと、店内をふらふら歩いていると何者かと肩がぶつかった。

「すいません」

ぶつかった女性がkaqnさんであることに気付いたのは既に詫びてからだ。

「あっ、NS君」

彼女はなにやら、店員らしき人と語らっていたようだ。
少しばかり興味が湧いて話の内容を尋ねると

「この店来月で閉店しちゃうのよ、もったいないわよね」

………ちょっと意外な話だ。
これまで行った事の無いゲーセンだが、立地の悪さに比してイベント慣れした様子から、それなりに常連が付いているのかと思った。

「客が入ってないようには見えないんですけど……」

「経営が問題ってワケじゃないみたいよ、けどゲームセンター自体最近は経営キツイ所が多いわね」

そういえば気が付かなかったが、この人の職業もゲーセンの店員だったか

「若い子はみんな、金かからないし楽なネット対戦とか好きだろうしねー
 ………っと、これじゃ年寄りみたいよね」

冗談めかして軽く笑いながらも、どことなく寂しげに嘆息した。
その様子を見て、反射的に

「そんなの違いますよ!ネット対戦なんかじゃ―――」

声を荒げてしまった事に慌てて言を中途で止めたが、俺の言いたかった内容はなんとなしに彼女にも伝わったようで『分かってる』とでも言いたげに彼女は頷いてみせた。
―――――そう、ネット対戦なんかじゃ、今まで得た出会いも感動も味わう事はなかったはずだから

「そうね、だから私も私なりに店員として頑張るつもりよ」

力強く返事を返すkaqnさんが店員との会話に戻るのを見送ると、いつのまにか隣に立っていた電脳さんが話を聞いていたのか

「かきゅんさんは昔はフジの店員やってたんです
 昔っから船橋勢にとっては頼れるお姉さんって感じでしたよ
 ………ゲームしてる時はさておき」

そう補足を加えるかのように言った。
………終わりぎわで語尾が濁ったのが少し気になるが

「ねぇねぇ、あんたNSさんだよね」

そこに突如加わった、聞き慣れない女性の声に振り向くと、年の頃は同年代のようにもやや下にも見える、茶髪と大きな瞳が特徴的な可愛らしい女の子が気が付かない間に手が触れる位近くまで寄っていた。

「予選でちょこちょこ会ってるよね?あたしHH、ハマでいいわよ」

どことなく小悪魔じみた、男受けのしそうな顔をこちらに寄せて、上目遣いで目線を合わせようとしてくる。

「ちょっと小耳に挟んだんだけどさ、昨日渋川にフラれたんだって?」

『なんでそんな事知ってるんだ?』
とでも叫びたくなったが、ハマの話はまだ続く構えだ。

「あんま話した事無いけど、何考えてるか分かんない人よねー、NSさん割とイケメンなのにさ」

俺をからかっているのか、明るい表情でジッと目線を合わせたままで堂々とそんな事を言ってきた。

「あんた達二人しかいないならさ、よかったらあたしと組まない?」



A………組むか。
B………ごめん。

589名無しさん:2008/07/22(火) 19:56:05
もちろんBで

590名無しさん:2008/07/22(火) 20:05:06
漢に二言などありえぬ

B!

591名無しさん:2008/07/22(火) 20:20:36
なんだこのフラグwwww

592名無しさん:2008/07/22(火) 20:23:23
ここが踏ん張り所ですよ、B!

593名無しさん:2008/07/22(火) 21:17:41
よっしぃぃぃぃ!お前が、好きだあああああああ!お前が、欲しいいいいいいい!

Bに決まってんだろっp

594名無しさん:2008/07/22(火) 22:06:08
ここで折れたら全部台無しじゃん!
Bで

595名無しさん:2008/07/22(火) 22:32:26
ホントゲーセン事情はどーにかならんかねぇ・・・
ここはBで

596名無しさん:2008/07/22(火) 23:46:09
B以外ありえにいお!

597名無しさん:2008/07/23(水) 00:54:08
過去に囚われていてもしょうがないでしょA

598名無しさん:2008/07/23(水) 02:07:14
やっとディズィー使いが出てきたか


599名無しさん:2008/07/23(水) 02:25:40
BBBBBB!!!!

600名無しさん:2008/07/23(水) 02:32:05
(・A・)

601名無しさん:2008/07/23(水) 03:35:20
取り敢えずHHとホテルいこうか
悲しみを肉体的快楽で紛らわす、心身共に腐っていくNS(・∀・)イイ
Aで

602名無しさん:2008/07/23(水) 03:43:43
>>597
間違いない
Aな

603名無しさん:2008/07/23(水) 03:56:36
ここにきてw
Bで

604名無しさん:2008/07/23(水) 07:35:52
A

605名無しさん:2008/07/23(水) 09:34:35
HH好きだからA

606名無しさん:2008/07/23(水) 10:23:18
んー…
セーブして両方選びたいな
とりあえず安定行動でBにしとくかなw

607名無しさん:2008/07/23(水) 12:09:51
Bでしょ〜

608名無しさん:2008/07/23(水) 12:45:41
(・A・)

609名無しさん:2008/07/23(水) 13:04:38
B

610名無しさん:2008/07/23(水) 13:16:08
ここまで来たらB
ビッチに用はありません

611名無しさん:2008/07/23(水) 13:38:03
傷心を癒してくれるのは新しい恋です

612名無しさん:2008/07/23(水) 16:31:57
どうせまっててもよっしー来ないで闘劇終了
A

613名無しさん:2008/07/23(水) 18:06:53
よっしーを待つに決まってんだろB

614名無しさん:2008/07/23(水) 21:56:05
寝暗キャラ見てると腹立つ

615名無しさん:2008/07/23(水) 22:03:38
同感。次はもっと明るい人が見たい

616名無しさん:2008/07/23(水) 23:28:59
(・A・)

617名無しさん:2008/07/24(木) 01:41:09
好感度が足りないとBを選んでもよっしー来ないみたいなんだろうな、ゲームなら

618名無しさん:2008/07/24(木) 02:17:33
それでも俺はBを!

619名無しさん:2008/07/24(木) 03:46:36
尚更(・A・)

620名無しさん:2008/07/24(木) 04:04:10
よっしー自殺END

621名無しさん:2008/07/24(木) 05:57:31
kstkスキー必死だな

622名無しさん:2008/07/24(木) 13:48:08
こらこら

623名無しさん:2008/07/24(木) 14:21:40
Bでしょ…

624名無しさん:2008/07/24(木) 15:58:27
B

625名無しさん:2008/07/24(木) 16:27:13
「………ごめん」

小さくそれだけ言って、ハマに向けられていた面を下げた。

「んー、じゃあしょうがないね
 あたしは他に組む人もいないから、組みたかったらいつでも声掛けて」

愛想を惜しまず振りまくような笑顔でヒラヒラ手を振りながら離れていくハマを見てから
一連のやりとりを隣で黙って見守っていたチームメイトに目をやる。

「………電脳さんもごめん、勝手に決めちゃってさ」

彼女としてはそろそろ文句の一つも有っていい状況の筈だ。

「いいんですよ、それより渋川さんが来るまで暇ですしチーム名でも決めましょ
 毎年人の名前が入ってると縁起が良いんですよ
 んー………全員入れて『電NS川』とかでどうでしょ?」

予想と裏腹に気にする素振りも見せず、にこやかに笑う電脳さんに多少の安心感に浸りかけたが、先程のハマの話で気になる点が有ったのを今更のように思い出した。

「そういえばさ、昨日の俺とよっしーの話ってみんなに知られてるのか?」

「フラれたって話は知りませんでした
 けど、NSさんが渋川さんのこと好きなのは、みんななんとなく知ってると思いますよ」

自分では気付かれていないと思っていただけに、バレバレだったと分かると恥ずかしさに赤面してしまうのを抑えられない。

「………でも、まだフラれてませんよね?」

―――――え?

「NSさんはまだ、渋川さんを待っていられるんですから
 『フラれた』なんて言うのは来なかった時までとっておきましょ」

―――電脳さんはもう待っている事は出来ない、彼女が待っていた筈の相手は
気が付いたら彼女を振り切って、もうずっと先まで走って行ってしまったんだから

「ねぇ、二人とも」

ひょっこり顔を出したのはキシタカだ。

「……渋川を待ってるの?」

「ああ」

他人事とは思えないのか、この少女の真面目な性分故か、俺の答えを受け取ったその顔はまるで自分のチームの話のように真剣な表情だ。

「渋川を悪く言う気はないけど、かきゅんさんは風邪ひいてても、わたしたちの為に来てくれたよ
 本当に来る気なら、もう来ててもおかしくないんじゃないかな………?」

確かにもう大分時間も過ぎた、俺たちは―――――



Aハマと組もう。
B………待とう!

626名無しさん:2008/07/24(木) 16:37:07
引っ張るねぇー
Bで!

627名無しさん:2008/07/24(木) 17:16:28
これは…!我々のよっしーへの愛を試しているのか!!
もちろんBで。

628名無しさん:2008/07/24(木) 17:51:58
しつこいな…(・A・)

629名無しさん:2008/07/24(木) 18:26:21


630名無しさん:2008/07/24(木) 18:32:56
ま、Bだな

631名無しさん:2008/07/24(木) 19:27:14
ここまできて妥協する気はない!
よってBで

632名無しさん:2008/07/24(木) 19:28:01
ここで翻したらそれこそ格好悪い=Badend直行だろ
Bだ!

633名無しさん:2008/07/24(木) 19:33:05
念押すなーw
B一択せざるをえない^p^

634名無しさん:2008/07/24(木) 19:45:21
BB

635名無しさん:2008/07/24(木) 19:51:14
Bで

636名無しさん:2008/07/24(木) 22:22:50
(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)(・A・)

637名無しさん:2008/07/24(木) 22:27:38
荒らし必死だなあ、Bだろ

638名無しさん:2008/07/24(木) 22:28:05
作者さんゆっくり書いていいからね!^^

639名無しさん:2008/07/24(木) 22:44:11
ここまで来たらBしかないだろ

640名無しさん:2008/07/24(木) 23:17:29
チーム名がなかなか上手いw と思ったのは俺だけか
ここはBで

641名無しさん:2008/07/24(木) 23:23:51
コミケの日夜勤だわ(´・ω・`)

642名無しさん:2008/07/24(木) 23:59:50
荒らしてる心算はないんだけどな
俺は純粋にBADが見たいんだよ

643名無しさん:2008/07/25(金) 00:30:52
邪悪な
気配がすると思えばお前のような厨房は
眼障りだ消えろ!

644名無しさん:2008/07/25(金) 00:48:18
これはBだろう

645名無しさん:2008/07/25(金) 01:42:08
ぐ…やめろ…このスレにくるな…
お前も巻き込んでしまう…!!

646名無しさん:2008/07/25(金) 01:54:02
ヘッ…なにを今さら、お前独りにはさせないぜ!

647名無しさん:2008/07/25(金) 12:14:07
>>642が中二過ぎる

648名無しさん:2008/07/25(金) 18:29:02
全てのEDを見ないと気が済まないとかいう話なら納得しなくもないが。

649名無しさん:2008/07/26(土) 15:23:29
早く続き書けよ冨樫

650名無しさん:2008/07/26(土) 17:41:10
お前さ 仮に自分の作品にそんなレスついたら嫌だろ?
筆者焦らせてクオリティ落ちた連載されてもつまらんだろ?
楽しみにしてるのは皆同じなんだから プラスにならんレスはやめて気長に待とうぜ

651名無しさん:2008/07/26(土) 19:08:18
早く続き書けよ冨樫

652名無しさん:2008/07/26(土) 20:16:47
>>650
かわいそうな子なんだよ。ほっといてやろーぜ

653名無しさん:2008/07/26(土) 20:35:46
煽る気はないが、こういうのが信者っていうんだろうな

654名無しさん:2008/07/26(土) 20:57:14
早く続き書けよ冨樫

655名無しさん:2008/07/26(土) 21:01:59
早く続き書けよ富樫

656名無しさん:2008/07/26(土) 21:45:33
作者頑張れー 気長に待ってるわー

657名無しさん:2008/07/26(土) 22:03:03
早く続き書けよ冨樫
便乗すんな塵屑

658名無しさん:2008/07/26(土) 22:46:18
true、Bad両方書いてたりしてw

659名無しさん:2008/07/26(土) 23:06:47
>>650
せっかく今までスルーされてたのに……。




思うけど冨樫ってむしろ誉め言葉だよな。
クオリティ的な意味で。

660名無しさん:2008/07/26(土) 23:33:41
いい加減不快だったからってのと
当人の僅かな良心に期待してみたかったから
でもこれで言っても聞かないってことが証明されたから
これまで通りスルーするよ すまんかった

661名無しさん:2008/07/26(土) 23:53:48
>>659のポジティブさは尊敬に価スルー

662名無しさん:2008/07/27(日) 01:10:04
ノー天気だな

663名無しさん:2008/07/27(日) 01:57:59
釣られる奴も荒らしと変わらない

664名無しさん:2008/07/27(日) 03:21:14
「………待とう!」

もう迷う事なんて無い、昨日言った筈だ。
“よっしーも一緒じゃないと意味が無いんだ”って

「………大丈夫なの?」

心配顔のキシタカは電脳さんに目をやるが、彼女が微笑さえ浮かべながら『それでいい』とばかりに頷いたのを確認すると
それ以上何も言わず、自分のチームメイトのもとに戻っていった。

「もう来なかったら来なかったで諦めがつきますよ
 私もいさが遅れていたら待つでしょうし」

そう言いながら、相も変わらず怒る気配すらない電脳さんに

「なんで?」

と尋ねるや、彼女は顔を寄せてつぶらな瞳を生き生き輝かせながら語りだした。

「人を好きになるのって、凄く素敵な感覚じゃないですか!
 どうでもいい小さな事でも、好きな人と一緒だと嬉しくて楽しくて……」

そこまで話した瞬間、入り口の方向の人波から、長い人影が一歩ずつこちらに歩を進めた。
その人影を見て電脳さんの顔が見る見る喜色を得る。

「登録してきますね!」

急いでカウンターに向かった彼女と目礼を交わしながら
引き続きこちらに向かい、淡々と一定の足取りを刻む
―――その人物は―――その女性は、俯き加減のまま

「私を………待っていたそうですね?」

ゲーセンの騒音の中で、掻き消されそうな程に小さな声を発した。

「………なんで……待ってるんですか?」

感情を押さえ込んだかのような無機質な声が微かに震えている。

「昨日……あれだけ言ったんだから………来る訳…無いじゃないですか………」

震える声で笑おうとしたようだったが、声の震えはますます大きくなって
上手く笑えないようで「………は…は」と呟いただけだ。

「………貴方、おかしいですよ」

漸く上げた顔がゲーセンの照明に照らされ、瞳から滲んだ何かに光が反射したように見えた。

「でも、よっしーは来てくれたじゃないか」

「…なんで…………でしょうね?………分かりません」

誤魔化そうとしている風ではなく、心の底から自分自身の行動の意味を把握出来ていないような
或いは自分を突き動かした物をどう命名するべきか判断しかねているような
至極不可解といった表情だ。

「………私も、おかしいですよ」

彼女はひとまず、そう結論づけたらしい

「ギリギリ間に合いましたー!」

電脳さんが報告しながら、もう一人の女性を連れだって戻ってきた。

「あれ?結局きたの?」

―――もう一人の女性、ハマは予想外といった表情で俺とよっしーを見比べた後
「まっ、いいや」と言いながら、甘えるような仕草で俺の腕に手を絡め

「でも渋川さんは昨日フッたんだし、NSさん今フリーっしょ?
 予選終わったら私と遊ばない?」

いかにも慣れた調子で上目遣いに誘惑するような視線を交わそうとする。
そんなハマに刺すような視線を向けながら、よっしーは低い声で呟いた。

「………離れて下さい」

「え?」

聞こえなかったようで、聞き返したハマに

「離れて下さい、と言いました!」

怒気を表に出した、よっしーらしからぬ大声で怒鳴った。
驚いて俺から手を放し目を白黒させるハマを横目に、電脳さんがニヤニヤ笑いながら

「あれー?クールな渋川先生の発言とはとても思えませんねー」

などと煽っている。

「知りません!」

不機嫌そうにそっぽを向いたよっしーに、なんと声を掛ければいいやら悩んでいると、まるで見計らっていたかのようなタイミングで

「ただ今から、ギルティギアイグゼクス アクセントコア闘劇08店舗予選を開催いたします」

―――店内に開戦を告げるアナウンスが響き渡った。

665名無しさん:2008/07/27(日) 03:41:22
まさかこんな時間にw

666名無しさん:2008/07/27(日) 03:42:39
背後
よっしー萌え

667名無しさん:2008/07/27(日) 03:46:11
作者乙!
やっぱよっしーですわ

668名無しさん:2008/07/27(日) 03:47:45
寝る前に見たら、丁度更新きてるw

669名無しさん:2008/07/27(日) 05:17:10
よっしー愛してる

670名無しさん:2008/07/27(日) 10:31:04
これは勝ったな!

671名無しさん:2008/07/27(日) 10:52:30
うむ。

672名無しさん:2008/07/27(日) 11:05:43
好感度足りてたんだ
よかったよかった

673名無しさん:2008/07/27(日) 18:38:05
早く続き書けよ冨樫

674名無しさん:2008/07/27(日) 20:09:16
早く続き書けよ冨樫

675名無しさん:2008/07/27(日) 21:15:51
早く続き書けよ富樫

676名無しさん:2008/07/27(日) 21:27:29
早く続き書けよ雷句

677名無しさん:2008/07/27(日) 22:17:28
早く続き書けよ冨樫

678名無しさん:2008/07/27(日) 22:43:25
ふらぐきたああああ

679名無しさん:2008/07/27(日) 23:01:49
早く続き書けよ冨樫

680女の子が:2008/07/27(日) 23:04:01
よく更新しているのでオススメのブログです。

普通の子が書くリアルなアレって
とってもおもしろいです。

ttp://www.geocities.jp/eiji2585f/has/

681名無しさん:2008/07/28(月) 11:20:27
いつの間にか更新来てる!
よっしー大好きだぁぁ

682名無しさん:2008/07/28(月) 12:06:31
早く続き書けよ冨樫

683名無しさん:2008/07/28(月) 14:03:15
ヒャッハー!よっしーはいただいていくぜー!

684名無しさん:2008/07/28(月) 17:54:22
キモい…早く続き書けよ冨樫

685名無しさん:2008/07/28(月) 18:22:49
わんわんお!(��^ ω^)

686名無しさん:2008/07/28(月) 19:39:24
早く続き書けよ富樫

687名無しさん:2008/07/28(月) 21:36:26
早く続き書けよ

688名無しさん:2008/07/28(月) 21:36:36
早く続き書けよ

689名無しさん:2008/07/28(月) 21:36:39
早く続き書けよ

690名無しさん:2008/07/28(月) 21:36:47
早く続き書けよ

691名無しさん:2008/07/28(月) 21:36:49
早く続き書けよ

692名無しさん:2008/07/28(月) 21:36:51
早く続き書けよ

693名無しさん:2008/07/28(月) 21:36:55
早く続き書けよ

694名無しさん:2008/07/28(月) 21:36:57
早く続き書けよ

695名無しさん:2008/07/28(月) 21:38:07
早く続き書けよ富樫

696名無しさん:2008/07/28(月) 21:38:09
早く続き書けよ富樫

697名無しさん:2008/07/28(月) 21:38:12
早く続き書けよ富樫

698名無しさん:2008/07/28(月) 21:38:15
早く続き書けよ富樫

699名無しさん:2008/07/28(月) 21:38:18
早く続き書けよ富樫

700名無しさん:2008/07/28(月) 21:39:30
NGワードわろた

701名無しさん:2008/07/28(月) 21:39:33
NGワードわろた

702名無しさん:2008/07/28(月) 22:12:13
冨樫

703名無しさん:2008/07/28(月) 22:12:34
書き込めるじゃん

704名無しさん:2008/07/28(月) 22:59:10
―――――1回戦、2回戦、3回戦と驚くほど順調に駒を進めるうちに確信した。
俺もよっしーも電脳さんも、3人とも今までに無い位の絶好調だ。

トーナメント表を上がっていったその先の、決勝で待っていたのは―――あのチーム

『キシタカの二千年に一度』
―――キシタカ(SO)
―――オギワラ(SL)
―――かきゅん(OR)

筐体の前に進み出ると、相手のチーム3人はそれぞれに親しさを覗かせながらも、それ以上に闘志に満ちた表情でこれから始まる試合に備えている。

「代表者同士でジャンケンをお願いします」

店員の呼び掛けに応じ、一歩前に進み出たキシタカに応じて俺も前に出る。

―――この少女とは幾度も同じ予選を闘ってきた
―――同じ場所を目指して
―――同じ夢を見てきた。

絡んだ視線の先の彼女の目には感傷など無い、ただこれから闘うべき敵として俺を睨み据えている。
―――無論、その想いに俺も全力で応じるまでだ。

ジャンケンに勝ち、迷わず調子の良かった1P側を選び、オーダーの相談に移る。

このチームを相手にする際の問題としては、相性的に3縦されかねないスレイヤーをどう倒すかが鍵となる。
これまでの予選でもエディとスレイヤーには苦渋を味わさせられ続けてきた。

「スレイヤーには私が行きます」

珍しくもよっしーが自信有りげに立候補しだした。

「いけるか?」

「ええ、問題有りません」

静かな自信に満ちた微笑を湛え

「私は『モザイク』ですよ?」

彼女は自らの矜恃をその名で示した。

「…分かった、頼んだよ」

俺が椅子に座ると同時にマイク越しの大音声が構内に響き渡った。

「店舗予選決勝戦『電NS川』対『キシタカの二千年に一度』ーっ!」

相手チームのキャラ選択はソル―――予想通り、キシタカだ。
―――まずは一人一殺、ここは確実に勝っておかねば

JHSに対する対空を意識しながら、下がり気味に立ち回るソルを追い込み、流れを取り戻すべく繰り出される強気のぶっぱを捌く

「いいよ!その調子、弱気にならないで!」

かきゅんさんが声を張り上げてキシタカを応援しているのが聞こえる。

―――対戦相手の少女が今年の闘劇にかけてきた一途な想いを俺は知っている。
同じホームのごく身近にいる同キャラ使いの天才、いさと比較されながら
才能の差を嘆く事もなく、寡黙に不器用に努力を積み続けながら
―――目指していた夢を知っている。

(それでも俺は―――――)

キャンセルロックを読んだであろう、逆転狙いのGVを落ち着いてガードして

(―――俺達自身の為に、負けられないんだ!)

冷静に操作をこなして、確定の反撃を打ち込んだ。

705名無しさん:2008/07/28(月) 23:58:03
VOOO!

取り合えず一勝かー
ガンバレーNSと筆者ー

706名無しさん:2008/07/29(火) 00:07:30
チーム名が何か二股っぽいなw

707名無しさん:2008/07/29(火) 00:31:16
次に出たのは相性を考慮した結果当然というべきか、オギワラのスレイヤーだ。

荒々しい強気な動きだが、同時に攻守の基本をしっかりと押さえた上でのリターンを優先した動きでもある。
相手の一撃を防ぎきるべく守りに回るが、開いていくゲージ効率差を鑑みれば何時かは動かざるを得ない
―――そうなればダメージ効率の差は如実に現れる。

典型的なスレイヤー戦の負けパターンをなぞってしまった形で席を立つ。

「よっしー……頼んだ」

後を任せるべく、背後のチームメイトに顔を向けた。

「………はい」

彼女は静淑な所作で席に座り、左手でレバーを軽く包みながら、こちらに目を向け

「……今の私なら、いけると思うんです」

そう囁きながら、頬に少しだけ赤みがさした気がした。

―――事実その試合は何かの手品でも使ったかのように一方的、シューティングから得た有利状況は無限に続き、あらゆる回避手段を読み切ったかのように潰していく
全てが終わるまで2分掛からなかっただろう、スレイヤーを瞬殺し大将kaqnさんの黒い聖ソルを引っ張りだした。

だがkaqnさんとて歴戦の強者、大会という場を知り尽くした冷静さと大胆さを兼ねた動き
その読みの鋭さはまさに『匂い』を嗅ぎとっているとでも言おうか?
早い展開から意識の間隙を突くかのような飛び込みも投げも迎撃される事無く不思議なほど通る。

対空反応の一瞬の遅れからCHを食らってしまったのが決定打となり
よっしーが立ち上がる。

―――こちらの大将、電脳さんが席に座った。

「私………かきゅんさんには普段、あんまり勝てませんよ」

心細げに肩を落とした彼女の肩を軽く叩きながらの

「大丈夫、行けるはずだろ」

「普段の戦績など大会で当てにならない事位、貴方も承知しているでしょうに」

俺とよっしーからの励ましを受け取って、先月の電車の中でのやり取りを思い出したかのように両目が光を帯びた。

「は……はい!頑張ります!」


その黄色いアクセルは驚異の集中を以て対応を続ける。
投げを投げ返し、立ちKで接近を押し返し、飛び込みを距離と高度に応じた状況判断から対処し
観ている俺も自分の試合であるかのような………いや、一種それ以上の緊張感を感じ続けながら

―――聖ソルの飛び込みに対して置かれていた2Sが刺さった瞬間
―――そこからのコンボで止めを刺した瞬間
叫びだしたい程の喜びに包まれた。

「店舗予選優勝は『電NS川』です、みなさん拍手をお願いします!」

「や………やりましたー…」

今の一戦で精魂を使い果たしたかのようにコンパネに突っ伏した電脳さんをよっしーと二人で笑いながら引き起こしていると
反対側の筐体からkaqnさんとキシタカが姿を見せた。

「あたし達に勝ったからには本戦行きなさいよ、そっちでリベンジしてあげるわ」

余裕を感じさせる口振りでそう言ったkaqnさんに対し、キシタカは心から悔しそうにきつく目を閉じながら

「………おめでと」

とだけ言って、すぐにその場を離れた。

「では、写真撮影と賞状の記入が終わり次第、エリア決勝を開始します」

店舗予選の優勝手続きの最中も気が急いて仕方ない
―――だって、今のこのチームなら、エリア決勝だろうと負ける気は全然しなかったんだから。

708名無しさん:2008/07/29(火) 00:45:02
ずっと疑問だったんだけど、電NS川ってなんて読む?

709名無しさん:2008/07/29(火) 01:21:55
赤切符獲ったどー!

710名無しさん:2008/07/29(火) 02:30:32
でんえぬえすがわ

711名無しさん:2008/07/29(火) 11:14:10
よっしーが着てくれたあたりと、私は『モザイク』でありすよ?
ってシーンがカッコよすぎだ!
エリア決勝戦も期待

712名無しさん:2008/07/29(火) 13:08:27
このモチベーションを保ち続けられたら良いね

713名無しさん:2008/07/29(火) 13:20:50
きしたか可愛いww

716名無しさん:2008/07/30(水) 14:43:41
荒らしが削除されてるwwww

723名無しさん:2008/07/31(木) 01:55:54
とがしざまぁwwwww

724名無しさん:2008/07/31(木) 02:38:50


725名無しさん:2008/07/31(木) 02:42:03
エリア決勝のリーグ戦を一戦一戦勝ち抜く度に
幾重にも閉ざされた扉の鍵を、一つずつ解いていくかのような
一歩ずつ、その先に向けて足を踏み出していけるかのような感覚を覚え、胸の高鳴りが大きくなり続ける。
―――自分自身にもハッキリ聞こえてくるかのようだ。

最後の試合、画面端のコンボ―――JHSからJDを出すべくボタンを押し
相手チーム大将のテスタメントが倒れたと同時に、SLASHの表示と共に歓声が響き渡った。

「関東エリアB―4通過は、埼玉ポピー代表『電NS川』となります!!」

『みなさん拍手をお願いします』と続けて言うまでもなく、筐体の周囲に万雷の拍手が鳴り響く。

「やったぁ!青切符ですよ!本戦に出れるだなんて3年ぶりですよ!」

喜びを隠す気など微塵も無さそうにはしゃぎまわりながら、勢いそのままに電脳さんが抱き付いてきた。
柔らかい胸の感触を感じて当惑していると
突然襲ってきた殺気じみた気配に気付き、驚き振り向くとよっしーがこちらを睨んでいる。
肝を冷やしたが、彼女は何か解除したように睨むのを止めると取り澄ました表情で

「………いえ、チームメイトとして通過の喜びを分かち合うのは至極当然の事ですよね
 ………ですが………その……………あまりに…密着し過ぎではないかと」

それを聞きながら、電脳さんは先程までの純然たる喜びとは別種のにやけ顔で

「それだけですかー?渋川さん」

俺の身体に回し絡めた両腕に一層力を込めて身体を押し当ててきた。

「何が言いたいんですか?」

少し眉を釣り上げて機嫌を損ねたような表情

「さっきHHに怒鳴ったりしてたけど、あれはなんでですか?」

「あれは同じ女性として、あまりの軽薄さに少なからず嫌悪感を感じたようなものです」

「へー……本当にですか?」

電脳さんは挑発するような口振りで念を押しながら、俺にひっついて離れようとしない。

「………電脳さんごときが私をからかう気ですか
 野試合でもしていきますか?財布の中身が尽きるまで相手になってあげますよ?」

……ただでさえエリア決勝で時間が押しているのに、埼玉から千葉まで帰るのだからこれ以上時間を空費するわけにもいくまい。

「『モザイク』の時間はもう終わりだろ」

―――だから、電脳さんの腕をそっと振りほどいて、よっしーに手を差し出した。

「―――――帰ろう、『よっしー』」

俺と視線がぶつかった彼女は『珍しくも』と言うべきか、真摯な―――どこか不安げにも見える表情だ。

「………貴方の『よっしー』とは、一体どんな人物ですか?」

「昨日言った筈だろ」

正直言って結構恥ずかしかったから、あまり何度も言わせないで欲しい。

「………はっ、貴方はやはり、何も分かっていませんよ」

―――その嘲弄の笑みは誰に向けられたものだろうか?

「貴方の持つ私のイメージはゲームセンターとゲームを通しただけの私です」

―――だって、俺はそれ以外のよっしーを知らないから

「………たかがゲーム仲間、でいれば……気軽で…気楽な知り合いでいられるんです」

―――それは昨日の彼女が言った、何時か見なくなって自然消滅してしまうだけの希薄な関係。

「『好き』だなんて言ってしまうと、貴方の知らない私を………私の知らない貴方を……沢山見せ合わなければならない………」

―――それは、きっと美しいものばかりではない筈だ。

「………それでも、貴方は私を好きでいてくれるんですか?」

―――それは大きな体躯と膨大な知識、多くの名に糊塗された中に垣間見えた『彼女』のひどく心細げな弱音のようにも聞こえる。
―――だって、彼女の口から続けて、力なく洩れた言葉は――――――

「………嫌わないでいて……くれますか……………?」



A当たり前だ!
B嫌う事もあるかもしれない。
Cそんな事を言うよっしーは嫌いだ。

726名無しさん:2008/07/31(木) 02:56:14

これまでの流れからAで

727名無しさん:2008/07/31(木) 02:58:58
A GE

728名無しさん:2008/07/31(木) 03:20:41
常識的に考えればAだが
恥ずかしい台詞が聞きたいのでC

729名無しさん:2008/07/31(木) 03:31:08
Cだな

730名無しさん:2008/07/31(木) 08:04:48
≫728に激しく同意
よってCで

731名無しさん:2008/07/31(木) 09:12:40
よっしーともあろう者が嫌悪感を感じたなんて言っちゃいかんw

732名無しさん:2008/07/31(木) 11:12:13
NSみたいな熱い男はA一択!

733名無しさん:2008/07/31(木) 12:19:38
Aしかない!

734名無しさん:2008/07/31(木) 15:43:04
A

735名無しさん:2008/07/31(木) 16:13:42
熱血バカだからA

736名無しさん:2008/07/31(木) 17:20:39
裏の意味を考えろよB

737名無しさん:2008/07/31(木) 20:05:48
・・・これは・・・Cで

738名無しさん:2008/07/31(木) 22:00:02
A

739名無しさん:2008/07/31(木) 23:31:48
青切符ktkr 電脳さんが悪戯っぽくていいなw
ここはCで

740名無しさん:2008/08/01(金) 00:01:12
電脳さん(´Д`)ハァハァ

741名無しさん:2008/08/01(金) 00:44:56
俺はお前らに託す

742名無しさん:2008/08/01(金) 00:51:21
A。

743名無しさん:2008/08/01(金) 05:50:58
裏とか表とかもういいよA

744名無しさん:2008/08/01(金) 11:33:06
Cかなあ

745名無しさん:2008/08/01(金) 19:53:38
俺もCかな

746名無しさん:2008/08/01(金) 21:32:27
Bの後に続く言葉が俺には浮かばないから素直にA

747名無しさん:2008/08/01(金) 23:02:50
「当たり前だ!」

そんな事、聞かれるまでもない
よっしーのどんな部分を知っても嫌いになんてなれるものか!

「よっしーが好きだ!」

両手に力を込めて、彼女の白く細長い象牙細工みたいな指が並ぶ手を強く握った。

「よっしーの事を………もっと知りたいんだ!」

俺も彼女も一切の動作を静止したまま、数瞬の時が流れる。
彼女は俺より数センチ上背があるが、顔を伏せると覗き込もうにも長い黒髪の所為で表情が窺い知れない
長い沈黙が続くかと思いきや、彼女が早々に口を開いた。

「………あの、ここでは………ちょっと」

ゲーセンの騒音の中、ゲームの音声に負けまいと放った俺の声は気付かぬ内に相当大きくなっていたのか
周囲を取り巻く好奇の目が突き刺さる。

「あ……ごめん」

慌てて手を放して距離をとる。
すると、電脳さんが俺とよっしーの合間に入り込み

「取り敢えずここから出ましょ
 駅まではそれなりにありますし、続きは歩きながらでも」

748名無しさん:2008/08/01(金) 23:10:21
ニヤ(・∀・)ニヤ

が止まらないw

749名無しさん:2008/08/01(金) 23:11:03
エリア決勝が終わってすぐに出ていった人々は既に駅まで到着しているだろうし、野試合をしていく人々はまだポピーに留まっているだろう。
埼玉は岩槻という、どちらかと言えば僻地に分類されるこの地、既に夜の暗闇の中に浸りきった帰りの道筋は人一人見かけず閑散としている。
3人で道を歩く中、電脳さんはさり気なく距離をとっている為、実質並んで歩いているのは俺とよっしーの二人だけだ。
―――さっきの話の続きをするべきだとは思っていても、既にさっきまでの熱情が過ぎ去った今、話をどう切り出すべきかで頭を悩ませていると

「………貴方なら、そう言ってくれると思ってましたよ」

隣を歩く彼女が話の口火を切った。

「私もNSさんが好きです」

不思議な程に軽妙な物言いで言ってのける。
その『好き』の価値がどの程度かは分からなくとも、ひたすらに嬉しく、胸がドキドキした。

「………けど、怖いんです」

彼女は暗い声でそう続ける。

「自分に自信が無いの?」

―――だとしたら、また随分と謙虚と言うか、念の入った話だ。
あれだけの知識を抱え込む頭脳と美しい容姿を打ち消し得る程の欠点なんて、余程の事情でもないとそうそう見つからない
―――だが、彼女はかぶりを振る。

「私の事が知られるのもですけど、それ以上に貴方を知り過ぎて『私のNSさん』が変わって……消えてしまうのが怖いんです
 ………あの人の様に」

彼女は自分の思い描いてきた『NS』から裏切られる事を怖れている。
―――なら、俺はどう言えば信じてもらえるんだ?

「もー………じれったいですねー
 いいじゃないですか、お互い好きなんだから!」

離れながらも、ちゃっかりこれまでの話は全て聞いていたらしい、電脳さんが突然声を大にして話に割り込んだ。

「今回の予選だって何回も負けて………
 こんな遠くまで来て、ようやく取れたんじゃないですか」

唐突な話題の転換に戸惑いながらも
もうよく覚えていない負けた回数を頭の中で芒洋と数え上げてみる。

「最初から最後まで全部好きじゃなきゃいけないんですか?
 人間がそんなに完璧な訳ないじゃないですか!
 相手の事を沢山知って、好きな所も嫌いな所もいっぱい見えてきて、嫌いな所でも許して受け入れて
 ………そうやってどんどん好きになっていくんじゃないですか!」

我が事のように真摯な彼女の叫びに目が覚める思いだ。
………思えば、電脳さんの愛してるあの少女は見た目とギルティの腕はともかく、人格的な面では欠点も多い
天真爛漫だけど我儘で生意気、その上酒乱の癖がある。
そんないさを彼女は許し続けて―――心から愛してるんだ。

普段は大人しい電脳さんの剣幕に少したじろいでいるよっしー
そんな彼女に軽く視線を送ったかと思うと、電脳さんはエリア通過を決めた時の再現みたいに俺に身体を寄せて抱き付いてきた。

「あんまりモタモタしてると私がNSさんの事、奪っちゃいますよ!」

照れ気味に頬を赤くした電脳さんの意外な物言いに
よっしーは少しの間、目を白黒させていたが、眼前の異常事態で却って頭を冷やしたか、落ち着いた冷静な表情に戻った。

「電脳さん以外の人が言えば、少しは焦ったかも知れませんね」

小馬鹿にしたような物言いに電脳さんが軽く眉根を寄せる。

「私はいさが可愛くて可愛くて仕方ないだけで別にレズとかじゃないんですよ! だから………その……………いざとなったら男の人でも……」

俺の身体に回された腕に力が込もると共に、見る見る電脳さんの顔全体が真っ赤になっていく。

「はいはい、分かりましたよ」

余裕の微笑と呆れたような口調、いつものよっしーそのままだ。

750名無しさん:2008/08/01(金) 23:19:58
どうやら効果が無いと気付いたらしく、少しばかり残念そうな顔をして俺から身体を離した電脳さんは、ようやく岩槻駅の前まで辿り着くと

「今日はめでたい日ですし、帰りに焼肉でも食べていきましょう」

と提案しだした。

「電脳さんのおごりですか?」

完全に調子を取り戻したよっしーがふざけて言う。

「いさ以外におごる気はないでーす
 割り勘で大丈夫ですか?」

俺とよっしーが頷くのを見て

「じゃ、さっさと行きましょう!」

駅に向かい早足で歩きだした電脳さんから目線をずらして、隣を歩くよっしーに向ける。

「俺は………よっしーの事をもっと知りたい」

『次に何を言うのか?』とばかりに興味有りげにこちらを見ている彼女と視線を交わしながら、言葉を紡いでいくと、言うべき言葉が次々と湧き出てくる。

「寧ろ、これから俺の知らないよっしーを沢山知る事が出来るなんて
 凄く嬉しくて、楽しい事だと思うよ」

浮かんだ台詞をそのまま口に出すと、よっしーは慌てて顔を伏せ俺の視線から隠すように手で覆った。

「………あ……貴方という人は………どうしてそんな台詞を恥ずかしげもなく………」

指の隙間から頬が紅潮しているのが分かる。

「そんなよっしーも俺は知らなかったしさ」

俺の知る限り、よっしーならここで静かに笑って流すとばかり思っていた。

「……私だって、貴方が面と向かってそんな台詞を言いだすような方だとは知りませんでしたよ」

―――それは

「……やっぱり、怖い?」

彼女はその問いを聞くと
俺に背を向け、歩みを早めて、先に行った電脳さんの後を追いながら
改札の前でやっと足を止め、こちらを振り返って

「………いえ」

黒髪の合間から覗く朱に染まった顔を伏せたまま、消え入りそうな声で呟き、再び足を早めてホームに向かった。

電車が来るまではもう少し猶予がある。
ホームに向けてゆったり足取りを進めながら思った。
―――俺はもう、どうしようもない位、彼女に魅せられているんだなって。

751名無しさん:2008/08/02(土) 00:32:04
ふぅ・・・
続き待ってます

752名無しさん:2008/08/02(土) 03:17:29
これは……終わり?

753名無しさん:2008/08/02(土) 04:21:40
ふぅ…
早起きして良かった

754名無しさん:2008/08/02(土) 04:42:53
終わりって事はないだろうよ
本選も期待してます

755名無しさん:2008/08/02(土) 21:35:29
更新乙

終わりってこた無いだろw
今度こそ本戦優勝!

756名無しさん:2008/08/02(土) 22:00:39
話が進む度に賢者が増えてしまう……

757名無しさん:2008/08/02(土) 22:06:43
プレイヤー名が出る度におっさんの顔がちらついちまう…

758名無しさん:2008/08/03(日) 00:56:19
あ〜電脳さんもよっしーも可愛すぎだろ!
クーデレっていいよねw

759名無しさん:2008/08/03(日) 04:16:04
―――――あれから、約二ヵ月が過ぎた。
もうすぐ8月―――予選は全て終了して、本戦まで残す時もあと僅かだ。
あれからも多くのキャラ対策と実戦を経て、出来得る限りの努力を費やしてきたつもりだ。
…少なくとも自分としては、の話だが。

夜とはいえ、冷房を付けていない為、やや蒸し暑いアパートの自室で蛍光灯の白い光の下
机に向かいながら、講義の内容を書き写した大学ノートを広げ、睨めっこを続ける。
明日の午前中に試験が終われば、いよいよ夏休みだ。

一層の気合いを入れ直した瞬間に、突如聞こえた単調で機械的な着信音の合図で携帯を開いてみれば、知らせていたのはよっしーからのメールだ。
―――その文を見た瞬間、彼女本人の声で再生されるかのような錯覚さえ覚える。

「明日の夜に船橋の駅から少し歩いた場所で花火大会が有るんですが、よければ行きませんか?」


A行く。
B行かない。

760名無しさん:2008/08/03(日) 04:18:47
浴衣か……ふぅ……


Aで

761名無しさん:2008/08/03(日) 05:39:24
2択になってないw



762名無しさん:2008/08/03(日) 06:44:11
Aれこれ選択肢なんてあるの?

763名無しさん:2008/08/03(日) 08:26:26
押田さんフラグを期待してAで

764名無しさん:2008/08/03(日) 08:51:17
A!

765名無しさん:2008/08/03(日) 08:58:45
ふぅ・・・A

766名無しさん:2008/08/03(日) 10:01:41
お前らふぅふぅ言いすぎwwwwwwww

A

767名無しさん:2008/08/03(日) 15:03:09
A以外ないでしょこれ

768名無しさん:2008/08/03(日) 15:19:40
よっしーはエアマスターの皆口由紀みたいな感じだと思ってる
んでA

769名無しさん:2008/08/03(日) 22:04:15
俺はリトバスのくるがやさんの胸を小さくした感じ A

770名無しさん:2008/08/04(月) 00:51:44
花火か、いいねぇ・・・ふぅ
ここはAで

771名無しさん:2008/08/04(月) 03:19:17
よし、行こう!
試験の終わりに丁度こんな話が来るなんて願ってもない事だ。

返信のメールを打とうと動かしかけた指を中途で止め、やっぱり電話にしようと心変わりした。
前よりは慣れたけど、今だにメールを打つのがあまり上手くないのもあるが
なにより、今は無性によっしーの声が聞きたかった。

「………ああ、NSさん」

電話越しの彼女の声はなんだかひどく新鮮に聞こえる。
普段以上に静かに冷静そうに聞こえる。

「明日の花火大会、俺も行くよ」

「他の皆も来るそうですよ
 では、7時前にフジに集合という事でお願いします」

『皆も来る』というのは本来は喜ぶべき事柄なんだろうが、二人きりでデートだなんてちょっと薄甘い期待をしてた俺は期待を裏切られて、ほんの少しだけ気落ちしてしまった。

「分かった、よっしーの浴衣姿楽しみにしてるよ」

「………えっ!?」

素っ頓狂な声を上げた彼女の反応で、ちょっと品の無い言い方だったかな?とか反省箇所を考えるが

「あ……いえ、何でもありません
 では、また明日フジで」

よっしーは努めて冷静に会話を終了させ
電話が切れたのを確認して、俺は再度机の上のノートに目を戻した。

772名無しさん:2008/08/04(月) 03:27:22
翌日、試験が終わってから、足早にフジに向かった。

そんなに急ぐ意味もないのだけれど、解放感故か妙に気が急いて、炎天下に汗を垂らしながら商店街の道筋に急ぎ
冷房の効いた…と言うか、やや効き過ぎた感も有る船橋フジの中に避難感覚で飛び込むと
時刻はまだ午後3時―――約束の集合時間まで4時間もある。

ひとまず習慣のようにギルティのCPU戦を一周してから
特に何をするでもなく、ぶらぶら店内を見回っていると、鉄拳の横に最近新しく入った新作ゲームの4つの筐体が正方形を描くように並んでいる。
そのゲーム―――ストリートファイター4の椅子に座っている男に見慣れた感覚を覚え、よく見てみるとおざわだ。
バイソンとサガットが動き回る画面に相対し、集中した様子から対戦中の様ではあるが、対面する筐体には誰も居ないで正方形の丁度逆、おざわから見て対面側の隣の筐体に人が座っている。
その人の画面を見ると、動いているキャラはバイソンとサガット
―――間違いなく、おざわと対戦しているのはこの人だ。

対戦が終わったのを見計らって、おざわの視界の範囲内に入り声を掛けた。

「よっ」

「よおっ!」

相も変わらず元気な太い声で挨拶する。
彼の前の画面を見ると、対戦していたサガットはCPUらしきダルシムに変わり、彼の動かすバイソンがマッパハンチみたいなストレートを打っている。
ギルティのスレイヤーといい、こいつは突進技で殴るキャラが好きなのだろうか?
…いや、それよりも―――

「これってどういう対戦台なんだ?」

イスカやガンダムならいざ知らず、一対一の格ゲーでは対面の筐体と対戦するもの以外は見た事がない。

「4台全部が繋がっていて、空いてる奴には自動で対戦が起きるんだ」

それはまた珍しいな、とか考えながら、財布を開き
思い付きの産物としか言いようの無い提案を為した。

「俺もちょっとやってみようかな」

暇だったというのもあるし、この変わったシステムの筐体に軽い興味を抱いたのもある。

「よーし、いいぞ!こいよ!」

自信満々な様子のおざわを横目に
一番手近な彼の横隣の台に座り、100円玉を入れてリュウを選択した。


ターンパンチと言ったか、振りかぶってからのストレートで波動拳を抜けられ

「これ無敵マッパみたいだな」

と言うや

「マッパハンチ!」

などと口真似してくれる愉快な対戦相手を隣にしてのプレイはなかなかに楽しい。
おざわはギルティでも丁寧な立ち回りと高火力のコンボが売りだが、スト4ではギルティ以外の格闘ゲームは数える程しか触っていない俺とは比べるべくもない強さだ。
すぐ隣の席にいる対戦相手に基本コンボやら技性能を尋ねながら、惰性に近い感覚で連コする。
―――しかし、結果は当然のように

「か……勝てない………」

「ま、カプゲーで俺に勝とうとか十年早いな!」

「ガッハッハッ」と大笑するおざわに“こいつめ”と少し悔しく思いつつも、圧倒的な地力の差を認める他ない。

773名無しさん:2008/08/04(月) 03:47:16
―――その時、ふと視界の端に紫色の服が映った。
………もしかして、とばかりに振り向くと

「……わぁ」

いつのまにやら、見慣れた長身の女性が澄まし顔で観戦を決め込んでいたようだ。
紫色の浴衣に身を包んだよっしーの姿は長い黒髪の美しさを強調して―――あまりの麗しさに言葉が出なかった。
目を離せずに、それでいて何も言えずにいる俺に彼女が口を開いた。

「……やはり、似合いませんか?」

例によって不貞腐れた風でもなく、実に淡々とした物言いだ。

「私……大きい女ですし、色気もないですから」

『いや、凄く綺麗だと思う』

たったこれだけの台詞を言うのが、不思議な程に躊躇われる。
―――だって、今の彼女の美しさは半端な美辞麗句じゃあ言い表せない程に、寧ろ不粋な言葉が価値を下げてしまう程に映ったから
―――つい、気が引けて

「みんな、もう来てるの?」

などと尋ねると、彼女は無言で頷きながらギルティの台が並ぶ店の奥に歩みを向ける。


ギルティの方に行くと、気が付けば祭りの時間が近づいている所為か、沢山いる見慣れない人々を相手に、いさの操るエディが死体の山を築いている。
浴衣姿の中学生女子が格闘ゲームで連勝し続けるという、一見ちょっと珍妙な光景も今や見慣れた感がある。


彼女の戦いぶりに注目すると、体力差の開ききったソルを相手に2K、ダッシュ2Kと刻み続けている。

―――これはもう詰みに近い、ソルがエディ2Kに勝つには遠めに足払いの先端で潰すか、やや置き気味に2Sを振る
―――しかないが、エディがダッシュの距離を変えながら強気に2Kを振り続けるこの状況ではどちらも厳しそうだ。

後は飛ぶか―――ぶっぱなすか―――だが前者はいさなら平気で反応するだろうし、後者の行動をとらせるには絶望的なまでの体力とゲージ状況差がある。

―――結果、ソルのとった立ちHSという選択肢は2Kに潰され
勝利を決めてから、死体蹴りに止めとばかり再度の2Kが放たれる。

バンッッッ!!!

反対側から台をぶっ叩いた時特有の軽い振動と大きな音が響いてきた。
席から立ち上がった男はズカズカと力を込めて足音を強調しながら
いさを睨み付けながら、横を通り過ぎて階段に向かった。

彼が階段を降りていったのを確認して、いさの表情を伺うと、意外な事にニヤニヤと笑みさえこぼしている。

「アイツ台パンなんかしてやんの!笑っちゃうよねー」

同意を求めるかのように、俺の隣のよっしーに目を向ける。

「ええ、なかなか良い舐めプレイでしたよ」

よっしーも微笑を浮かべながら、そんな事を言っている。

「…………」



A………そういうのは、良くないと思う。
B………まぁいいや。

774名無しさん:2008/08/04(月) 08:58:07
うーん……一週目で掲示板関係に触れてたこともあるしなー。

A,なのかなぁ

775名無しさん:2008/08/04(月) 10:34:15
Aだと北辰さんとのことが問題になりそうだから
Bで

776名無しさん:2008/08/04(月) 12:48:02
そういえば北辰の話出てたのに伏線回収できてないな

Aで

777名無しさん:2008/08/04(月) 13:13:20


778名無しさん:2008/08/04(月) 17:18:38
Aだと思うんだけどなぁ…

779名無しさん:2008/08/04(月) 19:24:38
この程度ならべつにいいような…… 
ってことでB

780名無しさん:2008/08/04(月) 22:07:44
Bでよろしく

781名無しさん:2008/08/04(月) 22:16:22
常時マジモードのNSは舐めプレイとか好かないだろうし
正直に言ったほうが良いと思う

A!

782名無しさん:2008/08/04(月) 23:03:16
Aだな!

783名無しさん:2008/08/04(月) 23:53:19
Bじゃ!

784名無しさん:2008/08/05(火) 00:08:35
よっしーの浴衣姿に見とれるNSがいいよw
ここはAで

785名無しさん:2008/08/05(火) 00:30:04
よっしーはNSを試してんのかな?
のってやるぜ(`・A・´)

786名無しさん:2008/08/05(火) 03:33:27
そこまで舐めプレイって訳でも無いよね、相手が対策できてないのをいいことにやりたい放題しただけだし
Bで

787名無しさん:2008/08/05(火) 03:54:17
Bかね
相手が悪いし

788名無しさん:2008/08/05(火) 06:32:44
B

789名無しさん:2008/08/05(火) 08:36:11
A

790名無しさん:2008/08/05(火) 11:17:04
Bかな

791名無しさん:2008/08/05(火) 12:37:19
Aじゃね?

792名無しさん:2008/08/05(火) 17:09:13
「………そういうのは、良くないと思う」

「なんで?」

俺の意見を耳に入れたいさは顔をこちらに向け、心から不可解そうな表情で首を傾げる。

「あいつはあいつなりに真剣だったんだと思うし
 ……からかって遊ぶのは、やっぱり良くないよ」

たちまち唇をキュッと絞め、眉を寄せた不愉快そうな表情に変わる。

「………真剣ってどこが?
 3回位入ってきたけど、ちっとも学習しないし!全然真剣じゃないじゃん!
 台パンするほど悔しいんだったら少しは学習してよね」

………いさが本当の意味で頑張って、適正な努力をして
さっきの相手なんか比べるべくもない位、真剣にやってきたのは知っている。

先程の対戦相手は丁寧に立ち回ろうという意志こそ伝わるが、明らかに防御技術も伴ってないし、リスクリターンや意識配分に応じた選択肢の使い分けを出来ていない
―――まるで、ずっと昔の俺を見ているかのよう。
彼女から見れば、あんなの舐めプレイと大差無く映るのかもしれない。

「同感ですね、大体たかがゲームで怒りを露にするなんて馬鹿げてますよ
 ましてやゲームの枠内だけでなく、台に八つ当りするなんて異常でしかありません」

よっしーから追い打ちのように断言されたうえ
彼女はさらに俺に―――久しぶりに見る気がする冷厳な視線を向けた。

「………そうですねぇ、ついでに聞きたいですが
 貴方は闘劇に何を求めているんですか?」

―――何を求めているか、だって?

「ゲームに対し『真剣に』取り組んで
 優勝して何を得るんですか?」

……そんなの考えた事も無かった。
悩み、言葉に詰まった俺に救いの糸のように電脳さんの声が投げ込まれた。

「みんな揃ったみたいですねー」

声のした方向に目を配ると、浴衣姿の電脳さんと平服のバベさんが並び立ち
さらに周囲に目をやると、MKとおざわが話しているのと、藍色の浴衣を着たキシタカが階段の近くで待機しているのが見える。

「では、行きましょうか」

ひとまず話を中断し、よっしーが階段に向かったのに気付いたいさは

「ちょ…ちょっと、待ってよ!」

と慌てて筐体から離れた。

俺も彼女達を追うべく階段に向かおうと歩を進めた。
数歩歩き―――ふと後ろを振り返ると、いさの座っていた台の画面に乱入を報せる表示が虚しく映っていた。

793名無しさん:2008/08/05(火) 17:30:14
『船橋』という地名は伊達ではなく
東京湾の北岸に位置し、今では工業化が進んでいるが、江戸時代の頃には江戸と下総を船で結ぶ交通の要衝の港町として栄えていたそうだ。

そんな船橋の漁港の近く、親水公園でその花火大会は行われる。

既に日が落ちた大通りを行き交う人々を眺めながら、目的地に向かい雑談しながら進む。
田舎暮らしの俺としては『街の花火大会』のイメージはTV越しに見た隅田川の花火大会なんかで、身動きが取れない程の大混雑を予想していたが
道を行く人々の、その数は予想よりはるかに少なく、顔触れも『都会の花火大会』と言うよりは『地元の花火大会』と言った感じで、男女の二人組より親子連れや同性の友人の集団を多く見かける気がする。

「思ったより…混んでない……?」

俺の呟きにバベさんが心中を見透かしたかのように

「隅田川の花火みたいに死人でも出ると思った?」

クスッと怜悧な笑みをこぼした。
自分が田舎者な事は自覚しているし、気後れはしていないつもりだったが、久々に実感させられると少しばかり恥ずかしい物が有る。


目的地の親水公園に近づくにつれ、道筋に並ぶ露店が目立ってきた。

「さっ!まだ始まるまで時間有るし、なんかして遊ぼー!」

いさが元気良く駆け出したのを合図に、皆めいめいに露店に向かい
残ったのは俺とよっしーだけだ。

先程の気まずさを引き摺った沈黙の中、よっしーがおもむろに口を開いた。

「……私たちも、何処か行きますか」



A金魚すくいをやろう。
B射的がやりたいかな。
C軽食でも食べよう。

794名無しさん:2008/08/05(火) 17:31:52
NS…

795名無しさん:2008/08/05(火) 17:34:24
落ち着いて話でもすっか
C

796名無しさん:2008/08/05(火) 18:28:01
間違ったことは言ってないでしょ
Aが良いな

797名無しさん:2008/08/05(火) 20:10:52
よっしー金魚すくい上手そうだからA。

下手だったとしても可愛いに違いないからA。

798名無しさん:2008/08/05(火) 20:23:47
NSは金魚すくいや射的はうまそうだな
が、あえてC

799名無しさん:2008/08/05(火) 22:25:39
廃人思考についていけないわ
C

800名無しさん:2008/08/06(水) 00:58:39
よっしーだって女の子だからなAで

801名無しさん:2008/08/06(水) 01:29:51
もぉ…お姉さま、ちょうし… んっ、ダメ…怒りますよ

802名無しさん:2008/08/06(水) 01:46:38
ふと思ったけど
電脳×いさなのか
いさ×電脳なのか

どっちなんだろ?

803名無しさん:2008/08/06(水) 02:04:38
ここから俺のチラ裏






学習したくても学習出来ないレベルの俺は一体どうしたらいいんだろうな…
一生懸命をバカにされるのがどれだけ辛いのか分かってるのかな…
やっぱりゲームごときに真剣になるのは傍目から見て狂気の沙汰なのかな…

804名無しさん:2008/08/06(水) 02:32:55
>>801お前はwwww

805名無しさん:2008/08/06(水) 02:39:20
>>802
狂ってるよ^^
俺は21歳高卒ニート^^
どっちが狂ってると思う?

806名無しさん:2008/08/06(水) 10:07:18
>>796
お前死体殴りされただけでキレそうだな

Cで

807名無しさん:2008/08/06(水) 12:29:30
なんらかのテーマ性を乗せようとする作者の心意気は買うし応援するけど
ギルオタって読解力の無い奴多そうだしよっぽど上手く書かないと誤解曲解されかねないとおも

>>803
この話の中で一番真剣にギルティやってるのは多分いさだけど狂ってるように見えるかw?
真剣さのベクトルを間違えんなって意味じゃねーの?

808名無しさん:2008/08/06(水) 17:20:07
C

出来ればチョコバナナを…

809名無しさん:2008/08/06(水) 17:55:33
射的が少ないからB私怨。

810名無しさん:2008/08/06(水) 20:15:41
ううむ、いさとよっしーの言うことも、そうだけど・・・
ここはCで

>>801-802
お前らwww 俺は電脳さんがいさを可愛がりたい!だと思ってたが

>>803
俺もよく負けるけどさ・・・うまい人を見習うってのはいい練習だと思うよ
真剣でもいいけど、ゲームなんだし楽しむ気持ちが大事だ。とNSも言ってた?

長々とスマソ

811名無しさん:2008/08/07(木) 02:31:26
>>801は百合SSスレのネタね

812名無しさん:2008/08/07(木) 23:51:17
「何か食べよう」

そうして落ち着きながら、さっきの話の続きでもするべきだ。

並ぶ屋台を一つ一つ吟味しながら歩いていると
綿菓子を食べているバベさんに擦り寄るような仕草でいさが何か話しかけているのが目に入った。
この二人が二人きりで一緒にいるのは珍しい取り合わせな気がする。

「バベさん、一口ちょうだーい」

甘えるような口調のいさに対し、バベさんは例によって面倒臭そうな仕草ながら綿菓子を差し出した。

「ほら、さっさと食べなさい」

いさは一口分を口に含むと、唇の周りを軽く舌で舐め取りながら

「ありがと!」

と満面の笑顔を見せた。
無垢な少女の姿は先程までのエディ使いとは別人のような印象さえ受ける。

「よっしーも食べる?」

俺の問い掛けに彼女は迷わずかぶりを振った。

「綿菓子は髪に付いてベタつくと気持ち悪いんですよ」

なるほどな、と思い。

「綺麗な髪だからね」

と言いながら彼女の髪に手を触れてみると、抵抗も無くサラサラと流れ
しばらく触っているとその感触に酔い痴れそうになる。
しかし、少しの間そうしていると
無言のまま、彼女の表情が次第に赤みを帯びてきた。

「………あ、勝手に触ってゴメン」

怒っているのか、と思い慌てて手を離す。

「……………あ、いえ………そんな………」

何か小さな声で言っている彼女に耳を近付けると

「………もう少し………触っていてもいいんですよ?」

―――確かに、そう言っているのが聞き取れた。

813名無しさん:2008/08/08(金) 00:03:46
結局俺たち二人はたこ焼きと飲み物を一個ずつ買って
港の水際近くのコンクリートの上に並んで座り込んだ。

「先程の話の続きですが」

たこ焼きを口に運びながらの沈黙は長くは続かず、彼女から口火を切った。

「貴方は闘劇に何を求めているんですか?」

―――そう、その問いだ。

「己が最強を証明しようと?」

彼女は恐らくは一番一般的と思われる回答を先回りして口にする。

「………私は結構な昔からこのゲームをやっていますが、その過程で頂点を求めた人を何人も見てきました
 栄光と称賛を求めるあまり、たかがゲームである事を失念する人も沢山ね………」

それは俺も予選中に色んな人と知り合って何人か見てきた。
性格について語らってる時にまで、何かにつけてゲームが強い弱いの話を持ち出すような人間や、弱い人を徹底的に馬鹿にする人間を。

「だったら―――――」

―――さっきみたいな人の気持ちも、もう少し理解できるはずだ。
そう言おうとした俺の発言を早期に片手で制した。

「でも、それ以上に………何より私が嫌いなのは
 たかがゲームの、たかがプレイマナー程度で先程のように台に当たり、時には見知らぬ他者の人格さえも否定しようとする
 …………そういう人間です」

―――俺は見た筈だ。
初めての土フジに行ったあの日に掲示板で、いさを知らない人間が恐ろしく簡単に彼女の人間性を否定し中傷しているのを。

「………私は時々、虚しく感じるんです
 なんで皆……“たかがゲーム”って考える事が出来ないんでしょう?
 こんなものは何時かゲームセンターを離れたその先には何の意味も持たない
 ………何も残さないからこそのゲームなのに」

………彼女の言う事は正しい

(………けど、あくまで一面しか見ていない)

熱意も気持ちも実力も全く違う、見知らぬ相手とするゲームは多くの齟齬を産むけど
俺たちが筐体を挟んで対戦しているのは紛れもなく一人の人間なんだ。

どんな形であれ他人に屈辱を与え、憎しみを煽って努力を強いるゲームなんて間違っている。
―――ゲームは強いるものじゃない
楽しいと思うから―――もっと遊びたいと思う筈なんだ。

事実、俺はいさに捨てゲーされて悔しかったけど、俺があの少女と話し、抱いた勝ちたいと想う感情は
憎しみではなく憧れに近いものだった筈―――

「………『たかが』なんて言っちゃいけない
 それは―――その言い方は、フェアじゃないよ
 その『たかがゲーム』を俺たちは―――例え結果的にでも、一生懸命頑張って来たんだろ?
 今日のソル使いの人だって、強さは及ばなくても一生懸命だった筈なんだよ
 俺たちに比べて、足りない時間をやりくりしてきたのかも知れないし、不器用な指で練習してきたのかも知れない」

―――その一生懸命を馬鹿にされて、挙げ句自分よりよっぽど強い彼女に『たかが』なんて言われたんじゃあ
―――ちっとも浮かばれないじゃないか

「貴方はどっちの味方なんですか?」

いさの真剣さも、彼の悔しさも、よっしーの主張も
―――みんな理解できるから

「人の気持ちに『結論』は有っても『答え』は存在しないと思う………
 だから……どっちも………誰も……否定したくなんて…ないんだよ…………」

814名無しさん:2008/08/08(金) 04:57:21
最初から見てて初背後w

815名無しさん:2008/08/08(金) 08:51:57
なんかいい話になったw

816名無しさん:2008/08/08(金) 16:41:17
別に良いけど、最近「…」と「―」が多くなったよね

817名無しさん:2008/08/08(金) 17:01:14
それから長く、深い沈黙が続き
語る合間に黙々と食べ続けていたたこ焼きがとうとう無くなった。
彼女が語り始める様子が無いのを確認してから、何を言うべきか言葉を探し続けていると、静かな動作でおもむろによっしーが立ち上がった。

「ゴミ、捨ててきますね」

「あ、俺も………」

たこ焼きを食べ終えて残ったスチロール製の容器と空き缶を手にして、ゴミ箱を探しに屋台の周辺の人混みに飛び込んだ。
この規模の祭りでも、集まる所には人はそれなりにいるもので
ふと周囲を見渡すと、人に紛れてよっしーの姿は見えなくなっていた。

「キャアッッッ!!」

―――叫ぶ声が聞こえた。
慌てて人混みを掻き分け、声の聞こえた場所に向かい駆け寄ると、目に入ったのはざわめく人々の中心で尻餅を着いたような形でコンクリートにへたり込むよっしーの姿。

「大丈夫!?転んだ?」

「いえ……その………」

彼女の状態を確認するべく足元から全身に目を走らせる。
下駄の鼻緒が切れたという訳ではないようだ。
よく見ると帯が解けているようで、左手で着物の襟を押さえ右手で帯を押さえたまま身動きがとれないでいる。
大勢のど真ん中でいつまでもこうしている訳にもいかないし、こんな状態の彼女を衆目に晒したままにしておくなんて出来る訳無い。

「よし………!」

「……?………きゃっ!?」

肩と膝裏に手を着けて力を込めつつ、映画みたいな格好で彼女を持ち上げた。
白い顔が紅潮していくが、抗議する素振りは見せず
代わりに尋ねてきた。

「………重くない……ですか?」

正直、結構キツい
彼女は身長の割には十分軽いけど、俺より身長が高い相手をこうやって―――所謂、お姫さま抱っこの態勢で持ち上げるとなると実際問題かなり重い。
けど、まさかそんな事言える訳もなく、黙って彼女を運び
なんとか人混みを離れて、先程の水際まで戻った。

818名無しさん:2008/08/08(金) 17:06:35
再びゴミ捨てに行く前と同じような状況に戻ったが、今考えているのはまるで別の事だ。
―――彼女に何があったか?
帯が解けるとなると何かに引っ掛かったか
それとも、もしかして。

「………あまり遭った事は無いんですけど……前にもありました」

その予測をこちらから口に出すのはなんとなく憚られたが、彼女の方から切り出してくれた。

「痴漢……ってやつ?」

よっしーは黙ったまま頷く。

「別に触られた程度で死にはしませんよ」

―――声が震えている。
俺も男だし、そういった欲望は無いとは言えないけど
俺が彼女に抱いていた想いの形は
震える声を聞きながら沸き上がった想いは
きっと独占欲なんかじゃなくて―――――

「こう考えるべきだ、とか理屈ではこうだ、じゃなくて
 よっしーはどう思ったんだよ」

襟と帯を握った両手が、肩が、脚が小刻みに震え
瞳に涙が滲んだ。

「…………怖いし……………悔しい………です……………」

「当たり前だよ!」

彼女は目に涙を浮かべたまま、ゆっくりとこちらに顔を向けた。

「見知らない、話した事もない、名前も知らない、赤の他人が
 見た目か、雰囲気か、知らない奴だからか、無意識だろうが、意識的だろうが………そんな下らない理由で
 こいつにはこんな事をしてもいい、なんて悪意を持っているのは怖いし
 こいつにはこの程度の扱いでいい、なんて侮っているのは悔しくて………当たり前だよ」

再度、沈黙が流れ
彼女は次第に呼吸を落ち着かせ、震えが止まった。

「前から思ってましたけど………
 貴方、ちょっと格闘ゲーム向いてませんよ」

そう言って、僅かに口元だけで笑う。

「優し過ぎます」

―――似たような台詞を何処かで聞いた。
―――あの時の映画だ。

『やっぱり、サイコは人を信じすぎだね』

優しく在り続ける強さ、信じ続けていられる強さを―――俺は目指していた筈だ。
言われて悪い気はしないけど、やっぱり過ぎるというのはどこかしら歪みを生むものかも知れない。

「でも、ゲームなら………………ゲームだから
 否定しあって、ぶつかって、すれ違ったとしても
 最後は気楽に水に流して、笑いあっていられると想うんだ」

その瞬間
ドーン!と大きく爆音が轟き、最初の花火が夜空に広がった。

「………だから、闘劇は何も気兼ねせず、全力で楽しもう!
 年に一度のお祭りなんだからさ」

「貴方の結論はそれですか?」

「俺はやっぱりギルティも、真剣に対戦するのも好きだし
 全国から集まってきた強い人と力を尽くして戦える舞台は楽しみで仕方ないよ
 だから勝つ事に意味を求めるとするなら―――次の闘いを楽しむ為に勝ちたいんだ!」

俺を見つめる彼女の瞳は暖かく

「貴方らしいですね」

彼女の笑顔は今まで見た事も無い位、優しく真に迫って見えた。

819名無しさん:2008/08/08(金) 17:07:42
はだけた浴衣を見てNSが自分を制御できなくなり、そこから18歳未満お断りの展開ですね!

820名無しさん:2008/08/08(金) 18:19:01
「それより………その………着物直せば?」

目の前の彼女の乱れた浴衣姿は手で押さえてこそいるものの、所々から肌が覗いて目のやり場に困る。

「実は私……着付けが出来ないんです」

ちょっとばかり意外なような、でも何か納得できるような、そんな不思議な気がした。

「店で着せてもらったんですが………
 やはり似合いませんし、こんなことになるなら平服で来るべきでしたね」

あはは……と自嘲するように力なく笑う。

「そんな事ないよ!凄く………」

―――綺麗だ、と言おうとした筈だった。
反射的に声を大にして、正面から彼女を見つめていると襟の間から胸元が覗いて、ちょっと変な気分になってくる。
呼吸は荒くなり、心音がどんどん高く鳴って、鼓動が直接耳に響いてくるかのようだ。

「あれ、二人共こんな所にいたんですか」

そんな状況で突如聞こえた電脳さんの声には心臓が飛び出しそうな程に驚いた。

「誰か着付けの出来る方を知りませんか?」

よっしーの問いに電脳さんがあっさりと答えた。

「私は出来ますけど」

「電脳さん、気付け出来るのか」

さっきまで抱いていた邪な心を誤魔化すように感心しながら言うと、彼女は誇らしげに言ってのける。

「いつでもいさに嫁入りする準備はバッチリです!」

日本国の法律の枠内で大学生の女性が中学生女子に嫁入りする手段が有るなら教えて欲しいもんだ。

「ではお願いできますか?帯が解けてしまって……」

電脳さんは目を丸くしてよっしーと俺の顔を交互に見比べながら、こんな事を言いだした。

「も………もしかしてNSさん…………
 そういう事、悪いとは言いませんけど………お猿さんじゃないんですから……
 神社の裏とかならまだしもここよりは場所を選んだ方が………」

「何を勘違いしているんですか、この色情狂は」

俺が抗議するより早く、よっしーが突っ込みを入れながら
ついさっきまで俺に見せていた表情を全て消し去って、いつもと変わらない澄ました微笑を浮かべているのが
何故か妙に可愛らしく見えて、嬉しかった。


着物を直してもらっているよっしーを見ながら、話の続きをしようと思った。

「………ゲームは何も残さない訳じゃないよ、こうしてよっしーと電脳さんと会えて
 目指す目標に向かって頑張って、楽しかったんだからさ」

二人の視線が俺に集中する。

「だから闘劇は楽しむ為に頑張って………勝とう!」

「ええ」

よっしーの返事

「はい!」

電脳さんの返事を聞いて
遥かな天空に目を向けると、暗闇の夜空を彩り光る華の火が広がっては消えながら
互いに輝きを競っていた。

821名無しさん:2008/08/08(金) 22:57:36
雨降って地固まる

822名無しさん:2008/08/08(金) 23:43:01
ふう・・・・

823名無しさん:2008/08/09(土) 00:38:37
うむ。

824名無しさん:2008/08/09(土) 02:10:41
ふぅ

825名無しさん:2008/08/09(土) 07:17:56
だからおまえらふぅ自重しろよwwww

826名無しさん:2008/08/09(土) 09:18:39
むふぅ

827名無しさん:2008/08/09(土) 10:12:47
ふぅん

828名無しさん:2008/08/09(土) 10:34:53
ぬふぅ

829名無しさん:2008/08/10(日) 00:26:39
むふふぅw

830名無しさん:2008/08/10(日) 03:19:22
潰れてしまいなさい

831名無しさん:2008/08/10(日) 11:28:35
はあと様乙

832名無しさん:2008/08/10(日) 11:54:41
ワロタwwww

833名無しさん:2008/08/12(火) 04:37:16
いよいよ当日、皆で有明の会場に向かい
選手登録を終え、会場に入り、目に飛び込んできた光景は
数々の筐体とその周りに波のように並ぶ客席、その中心の天井から釣り下げられ、四方に向けて映し出される箱形の大型モニター

―――これが待ち望んでいた。
―――――闘劇の舞台。


緊張から来る焦燥の中、過ぎる時間はあっと言う間で、俺たちの出番はすぐにやってきた。
呼び出しを受けて、集まった選手達の中には見知った顔も沢山いる。
その中にいさの姿を認めた電脳さんが駆け寄った。

トーナメント表は事前に配られている、いさのチームは確か反対側のブロックだった筈だ。

「頑張りましょ、いさ」

声を掛けられたいさはどことなく元気が無いように見受けられる。

「うん」

いつもに比べて、ずっと小さな声で答えたいさに電脳さんは

「いさはスローターターだからねー」

などとふざけ調子で言ってみせる。

「うっさい!」

声を大きくして言い返したいさを見ながら、よっしーが忍び笑いを洩らし言う事には

「電脳さんは緊張を解そうとしてあげているんですよ」

との事だ。

俺達の一回戦の相手はいきなりの強敵である九州チームだ。

じゃんけんの為に出てきたのは今まで見た事も無い位可愛らしい、本物のアイドルか何かみたいな女の子
彼女は明るく、それでいて穏やかに人好きのする微笑みを見せると目礼しながら挨拶した。

「私はロイっていいます、よろしくね」

「あ、はい」

少しばかり彼女の麗しい容姿に見とれていると背後から

「………NSさん」

よっしーのゾクッと背筋が凍り付きそうになるような冷たい声が耳に入る。

「は…はい!」

慌てて先鋒として出るべく椅子に座り
―――闘劇、開幕だ。


一回戦のこのチーム相手には俺の役割が重要―――な筈だった。
ヴェノムと、出来るなら紗夢も倒しておかなきゃいけない
けど実際の所は俺は先鋒戦でソルに負けてしまい、チームそのものは電脳さんの頑張りによりギリギリで勝った。

2回戦も電脳さんが他二人を社長エディをよっしーが倒して、またしても僅差の勝ち。

………そう、俺一人だけ
ここまで一回も勝っていない。

3回戦の相手はkaqnさん
しかし、そのチームメイトは以前の埼玉予選とは異なっている。

「予選の借りは返すわよ」

とばかり意気込む彼女に

「あの時とはチームメイトは違いますね」

と言うと、彼女は表情を曇らせ、やや苦々しげに返す。

「………キシタカとバサラは納得してくれたわ」

そうして試合を始めるべく、己がチームメイトの下に戻った。
毎年、この舞台に立ち続けた彼女にもまた多くの矜恃と葛藤が有ったんだろう。

―――先鋒戦はkaqnさん対電脳さん
電脳さんの黄色いアクセルから繰り出される牽制と的確な暴れは黒い聖ソルの接近を阻み続け
まんまとkaqnさんを倒し、貴重な一勝を上げる事に成功した。

続いてはカズキディズィー対電脳アクセル
kaqnさんの新たなチームメイトにして、関東最強の女性ディズィー使いカズキさんの莫大な量の研究とやり込みに裏打ちされた、驚異のセットプレイは瞬く間に電脳さんのアクセルの体力を削り取る。
特に端でダウンを取ってからというものの体力ゲージは時間に正比例するかのようにガリガリと減っていく

気が付けば、と言っていい速さで倒れた電脳さんに代わって、俺が席に着く。
―――ここで、勝たなきゃ…!



Aいつも通り、落ち着いて立ち回ろう。
B強気に前に出よう。
C人読みを重視して動いてみよう。

834名無しさん:2008/08/12(火) 04:39:36
すみません、闘劇までに終わらせる為に日数的な問題で展開を大分早めて飛ばしました。

何卒ご理解下さい。

835名無しさん:2008/08/12(火) 06:59:08


確かにそろそろ日程がきついね

836名無しさん:2008/08/12(火) 09:59:05
NSはマスコットになるわけですね。

B

837名無しさん:2008/08/12(火) 11:55:42
そういえばもう一週間切ってるんだな。

A

838名無しさん:2008/08/12(火) 12:11:31
超面白くなってきたな…
大会だからこそガン攻めな俺はBを選択してみる

839名無しさん:2008/08/12(火) 16:23:05
俺も大会は強気にいってるしBで

840名無しさん:2008/08/12(火) 17:53:26
Aで。筆者がんばれ。

841名無しさん:2008/08/12(火) 18:44:33
ロイさんの美少女っぷりが嬉しい俺は九州勢ww
意気込むと余計動きが硬くなりそうだし…Aで

842名無しさん:2008/08/12(火) 19:27:35
半マスコット化してる今、いつも通りじゃ勝てないかもな。
というわけでB

843名無しさん:2008/08/12(火) 21:31:19
荒らしに行けB

844名無しさん:2008/08/12(火) 23:37:40
九州ルートまであるなんて、このゲームはばけものか

C

845名無しさん:2008/08/13(水) 00:09:16
こういう時って何やってもダメだよな、強気にいっても待ち気味に潰されるし、いつも通りやろうって思う程変な動きになっちゃうし…
よってC

846名無しさん:2008/08/13(水) 03:24:06
強気に前に出ようと心に決めて、始めた試合ではあったが
―――上手くいかない
追えば追う程相手は遠く、体力差は開き続けて

―――負けたくない

―――勝ちたい

という想いばかりが先に立っては空回りしていく
どれほどの想いを込めようとも審判すらも必要ない、格闘ゲームにおいてもたらされる結果は常に無情だ。

俺に代わって、よっしーが舞台と場面を考慮すると奇妙に見える程穏やかに筐体の前に座った。

―――カズキのディズィーとよっしーのヴェノム
共に強キャラとは呼びようのないキャラながら、両者の練り上げられた攻めの連係の数々は一回のチャンスで試合を決める程の破壊力を持ち合わせている。

―――3ラウンド目
逃げるディズィーをヴェノムが遂に端で捕らえた。
そこから続く連係はディズィーのメイン防御行動の一つである屈FDを驚くべき速さで確認しながら、何パターンにも組み替えられて、ディズィーはさながら籠に閉じ込められた鳥が力を尽くしてもがくかのようにジャンプ、バクステ、FD、直ガ、スラバ―――可能な限り全ての選択肢を使いきって
―――力を失い、地に墜ちた。

そして大将のテスタメントをも
後ろエグゼを読み切ったかのようにCHを受ける事無く生成されたボールで要塞を突き崩し、前エグゼの割り込みに要する僅か2フレームの隙間も与えぬ連続ガードの固め連係の末、倒してみせた。


試合を終えて、再び姿を見せた一人の女性に向けて

「kaqnさん………」

一言だけ、呟いた。

「壇上、おめでとうね………頑張りなさいよ」

そのたった一つの『おめでとう』に彼女が込めた想いは―――きっと、まさに万感と言うべきものであったろう。


反対側ではいさのチームが順調に勝ち上がっているようだ。
俺たちの出番である準決勝の第2試合に向けて、舞台裏にて待機していると、一際大きなどよめきと叫びの中

「決勝戦進出は0120―13―3104です、みなさん拍手をお願いします!」

彼女達、いさのチームが準決勝にて
あのるぅ、少女、ヲシゲが組んだ『ガチャピンリベンジ』を下した事を意味する、実況の女性の叫び声が耳に入った。

「そろそろ準備して下さい」

係員の言葉に頷きながら

「それでは準決勝第2試合、選手の入場です」

演出に吹き上がる白煙の中、壇上のステージに向かい歩みを刻み始める。

「1P側、関東エリア埼玉POPY代表『電NS川』!!」

―――――ステージの中央にて足を止め、周りを見渡せば
周囲を取り囲む一面の人、人、人―――
その視線の全てが集中し、まるで自分が世界の中心に立ったかのような感覚―――

「2P側、中部エリアゲームBOX.Q2代表『きみとぼくの壊れた世界』!!」

反対側の白煙の中から現れた相手チームを見やると、先頭を歩く二人の女性もまた緊張した様子だ。
ただ一番後ろのセミロングの茶髪の女の子は観客席に向かい大きく手を振りながら、一見した感じ軽妙な仕草を見せている。

「両チームのみなさん、試合前に一言どうぞお願いします」

火九さんというらしい実況の女性から、手近にいた俺に最初にマイクが渡される。
すると、客席の一角から聞こえてきた小さなざわめきが次第に大きくなりながら、一定のリズムを取りだしていく
耳を澄ませるまでもなく、聞こえてきた内容は

「ヒーモ!!ヒーモ!!」

と連呼している。
思わず反射的に苦笑いしながらも、なんとも落ち込んだ情けない気持ちになってきたが、何時までも黙っている訳にもいかない
早く、何か言わないと―――



A………ヒモにならないように頑張ります。
B………彼女達には感謝しています。
C嫉妬してんじゃねーよ!

847名無しさん:2008/08/13(水) 04:12:57
A

848名無しさん:2008/08/13(水) 04:45:05
吹いたww



849名無しさん:2008/08/13(水) 05:10:15
ついに準決かぁ
Cだろw

850名無しさん:2008/08/13(水) 07:08:56

まあ無難にBで

851名無しさん:2008/08/13(水) 07:40:12
ヒモw


んー、まぁBだろうなぁ

852名無しさん:2008/08/13(水) 08:12:40
Cだな

853名無しさん:2008/08/13(水) 08:47:37
たしかにヒモだわwwwAでいいんじゃないのかなw

854名無しさん:2008/08/13(水) 08:48:14
Aは0勝5敗フラグww
Bで

855名無しさん:2008/08/13(水) 09:26:49
もうマスコットとして活躍してもらうしかないな
C

856名無しさん:2008/08/13(水) 09:40:18
DVDで反省会ですね。わかります。
Bで。

857名無しさん:2008/08/13(水) 09:46:53
DVDで反省会wwwww
Bを選択してみようかなw

858名無しさん:2008/08/13(水) 10:16:41
C

859名無しさん:2008/08/13(水) 11:53:27
Cでお願いします

860名無しさん:2008/08/13(水) 11:59:38
無難にB

861名無しさん:2008/08/13(水) 13:18:51
AかBだけど…


Bでお願いします

862名無しさん:2008/08/13(水) 13:43:22
個人的にはCを叫びたい所だがNSならBかなw

863名無しさん:2008/08/13(水) 13:47:10
B

864名無しさん:2008/08/13(水) 14:05:28
どの選択肢を選べばNSが楽しみ始めるかだな
ということでC

865名無しさん:2008/08/13(水) 15:25:24
じゃあCで

866名無しさん:2008/08/13(水) 16:12:53
これは凄まじい自演臭…!

867名無しさん:2008/08/13(水) 18:51:14


868名無しさん:2008/08/13(水) 19:32:04
Bがいいな

869名無しさん:2008/08/13(水) 19:36:02
これはC一択

870名無しさん:2008/08/13(水) 19:41:08
笑ったwwww

Cだろ!

871名無しさん:2008/08/13(水) 19:58:00
実に一ヶ月ぶりに見に来たが…
管理人動かすとは、なんと眩しい…
こりゃいさルート越えるかもわかんね。

>>708
でんナスがわ?

872名無しさん:2008/08/13(水) 21:48:09
708だけど、電NS川の意味がやっとわかったわ・・・
C

873名無しさん:2008/08/13(水) 22:19:59
Bで

874名無しさん:2008/08/13(水) 22:46:56
C

875名無しさん:2008/08/13(水) 23:09:55
Bが良いかな

876名無しさん:2008/08/14(木) 00:31:18
Cもありかも

877名無しさん:2008/08/14(木) 00:52:51
随分前にあっちのうらいたで1スレ目を見てました。
新しいスレになってから荒れたように思えたのでしばらくうらいたすら見てなかったです。

最近久しぶりにここに戻ってきてこのスレを発見。
んでようやくさっき読み終えました。

今更ながら…ギルティ歴?を聞きたがってる風な事が前書いてあったので…
青リロ中期〜後期くらいですかね。
マツさんのところが優勝したのよりは後で小川さんのとこが優勝したのよりは前です。

選択肢はCで。更新楽しみにしてます。

878名無しさん:2008/08/14(木) 01:50:30
NSがありさかさんになれることを期待してB

879名無しさん:2008/08/14(木) 02:22:51
Cだから

880名無しさん:2008/08/14(木) 02:59:39
こんなに読んでるやついるわけないだろwひとり1票制守れよ

881名無しさん:2008/08/14(木) 13:51:32
だ、誰??

882名無しさん:2008/08/14(木) 19:16:20
Bで
てかこんなの全然大した選択じゃないよね
試合前のやりとりが変わるだけだし
一人一票守れよ

883名無しさん:2008/08/14(木) 23:34:23
わあ投票レスが34もあるよ
このSSは34人もの人が見てるんですねー

884名無しさん:2008/08/15(金) 02:36:48
ROMってたけど携帯で画面メモ更新でいつも見てますよー
ギルティ歴はゼクス中期からです
選択肢は流れに任せますw

885名無しさん:2008/08/15(金) 02:57:41
普通に見てる人多いんじゃね
そう考えられないくらいひねくれてんのかおまいらw

886名無しさん:2008/08/15(金) 03:12:46
壇上に上がった興奮で気持ちが昂ぶっていたか、囃し立てる声を聞いて、ついつい心の赴くままに叫んでしまった。

「嫉妬してんじゃねーよ!!」

笑い声が沸き上がり「してねーよ!」
と応える声も聞こえる会場の反応を見る限り、結果的に多少は盛り上がりに貢献出来たんだろうか?
次いでマイクがよっしーに渡される。
彼女はチラッとこちらに目を向けると

「無心に貢いでいたら、こんな所まで来てしまいました」

なんて言ってのけ、会場の笑い声はますます強まった。
次の電脳さんはかなり緊張して見える。

「いさと決勝で当たるためにも頑張ります」

マイクは更に相手チームに譲られ、まずは一人目。

「この二人と組んだお陰で、ここまで上がってこれました………頑張ります!」

相手チームの二人目、浅黒い肌の鋭い目付きの女性。

「私は今回で二度目の壇上になります
 今回は…………いえ、今回も……ね
 ………出し切ってくるわ、自分による自分の為のギルティを」

そして最後にマイクを手にしたのは入場の際にやたらはしゃいでいた茶髪の女の子

「あたしは一度壇上に上がったら言ってみたい事が有りました、チ―――」

言い終えぬ内に浅黒い肌の方の女性が彼女の頭を軽くこづきながらマイクを手からひったくった。

「すいません、試合始めていいです」

「………あ、はい
 では両チームのみなさん握手をお願いします」

実況の合図で一人ずつ握手を交わす。
握手をしながら彼女達の目を見ると、皆これから始まる試合に向けて気力の充ちた顔をしている。
―――俺は今、どんな顔をしてるんだろうか?

887名無しさん:2008/08/15(金) 03:18:23
「……さあ、それぞれ関東と関西の職人が揃った両チームですが、これまでの経過はまさに対称的」

筐体に向かいながら、有りもしない心の余裕を求めてか実況に耳を傾けてみる。

「ほぼ毎回大将戦にもつれ込まれながらも、危うい所を電脳、モザイクがきっちり締めて勝ち上がってきた『電NS川』チーム」

……なるほど、こうして振り返ってみるとヒモと呼ばれても仕方の無い戦績だ。

「対して一回戦から、えふて、どぐら、N女がそれぞれ3タテを繰り返す形で勝ち上がった関西のチーム『きみとぼくの壊れた世界』」

オーダーについては事前に相談しておいた通り、俺が先鋒に出る。

「1P側に座るのは関東の新鋭聖ソル使いにして、現在不本意ながらもヒモ状態、NS
 古くは第一回闘劇以来、闘劇ギルティギアイグゼクスにおいて
 kaqn、ゆきのせを初め、北辰、マツ、KA2と千葉勢は多くの覇者を生み出してきました
 その千葉の中でも柏と並び、古くからギルティギアの街として知られる船橋のこのチーム―――」


―――実況の声を、会場のざわめきを。
意識すればするほどキャラセレ画面で聖ソルに合わせたカーソルと、それを動かす手が小刻みに震える。
その時レバーを持つ左手によっしーがそっと手を被せた。

「………少し気負い過ぎています、貴方の動きはもっと軽かった筈ですよ」

―――耳元で囁く声はこんなにも近く

「囚われずに……冷静になって下さい」

―――気が付けば震えは止まっていた。

「それでは始めちゃって下さい!」

合図と共に開幕した準決勝の第一戦
相手の先鋒はメイ
だが、その闘いはそれまでと違い妙に頭がすっきりして、対メイ戦の対策が次々と思い浮かぶ
距離と高度に応じた状況別の対空の使い分けを、身体に染み付いた動作のように自然にこなす事が出来る。

最後、拍手にファフが刺さって、ようやく待望の一勝を上げた。
客席から歓声が沸き、実況が叫ぶ、会場全体の熱が全身に感じ取れるかのよう。

「見事ヒモ状態を脱出したNS、ここから輝けるかー!」

だが、中堅に出てきた相手は灰色のロボカイ
キャラ毎の個性が強く、対策が非常に重要視されるこのゲームにおいて、関東では使用人口の少ないロボカイ相手は対策不足がたたったか
電力が溜まる前には攻めきれず、溜められた後には守りきれずに負けてしまう。

「続いて出てきたのは電脳アクセル、シュウトと並び関東の黄色いアクセルとして名を知られる実力者です」

電脳さんのアクセルは空ミサに立ちP、連係の馬に当て身を合わせ、座談の上からはすぐに押し出す、完璧な対応を見せ付ける。

けど、それだけでは決定的なダメージに結び付かない
どぐらはファジーを多用し、崩しを食らう素振りも見せずにゲージを溜め続ける。

緊張と焦り、大会に潜む一種の魔物が冷静な判断を狂わせたか、焦って出した6HSにタックルがCHした。
―――そして電脳さんの敗北が確定した。

888名無しさん:2008/08/15(金) 03:25:56
「さーて…大将、出てきたのはモザイクヴェノム
 一時は色々と名前を変えたりしていたようですが、今回は何か思う所が有ったのでしょうか?
 無印、青リロ時代には全1とも言われた『攻めの神』です」

そんな解説を受けながら、静かに席に座った彼女はいつも通り冷静そうに見えつつも、何処か違和感を感じる。
気負っているという訳でもなく、何処か―――嬉しそうに感じる。


相手のこのロボのヴェノム対策はかなりのものだ。
防御行動、立ち回りの細かい競り合いにおける判断力と精度
だがそれ以上に今のよっしーのヴェノムの苛烈な攻めは―――まさしく神の攻め
その手が司る操作は寸分たりともブレる事無く、その目が司る状況判断は僅かも狂う事が無い
直前ガードによって増える電力よりも、増え続ける熱量とGBがロボにプレッシャーを与え続ける。

そして一瞬の隙間を狙ったホームランはあっさりとガードされ
すでにピカピカに点滅しだしていたGBは元来高いよっしーのコンボに即死級の威力を上乗せした。

そのあまりにも鮮烈な闘い振りに会場の熱は高まる一方だ。

「『攻めの神』モザイクヴェノム……
 対するは関西を代表するプレイヤーにして、その安定した防御と立ち回りで現在最強に最も近いと言われている…N女のヴェノム!
 決勝に行くのは果たしてどっちなのかー!!」

―――いよいよ準決勝の最後の試合が幕を開けた。

よっしーの黒いヴェノムとN女さんの白いヴェノムの
それは、その闘いは―――まるで、矛盾

最強の矛と最強の盾の有り得べからざる激突
―――そんな言葉を想起させるような闘い。

―――攻めと守り―――魅せと実用―――理想と現実

同じキャラを用いながら、互いに異なる結論を出して、目指した果てに完成した二つの理想形のぶつかり合い。

最初のラウンドこそ圧倒的なシューティングの前に一本を取られたが
2ラウンド目、対空6PをFDされて6HSを地上ガードされ
黒いヴェノムの採った選択肢は

「スティンガー!」

驚異の操作精度によって実現した
ゲージ25%の状況から通常有り得ない、暴れ潰しの選択肢
N女さんの驚きと舌打ちの音までもが聞こえてくるかのようだ。

最終ラウンド、押され気味の状況から起死回生の金バーストが当たった。
迷う事無く起き攻めに移る。

「ダークエンジェル!」

―――そう、そうだ
格闘ゲームは最後の1ドットでも残っている限り、最後まで分からない。

「これはどうなるのかー!」

最高のチームメイトの最高の闘い振りを観ながら
―――どこまでも行けると信じた
―――どこまでも行くと誓った。

―――白いヴェノムは冷静さを失わない、ダークエンジェルのガード硬直が切れた瞬間の、敢えての投げさえも抜けてみせた。

―――そうして、それはまさしく、ほんの一瞬の刹那の間
低空ダッシュと生成のモーションが視界に交錯し

―――――SLASH

表示と共に立っていたのは、生成から間髪入れずに即立ちP弾きを行った。

―――――白いヴェノム

「決勝進出はー!きみとぼくの壊れた世界ィィー!」

万雷の拍手と火九さんの叫び声が響く会場で
現実を認識するまで少しの間を要した。


―――――ああ


――――俺達は、負けちゃったんだ。



―――俺達の夢は終わった。
スタッフに参加証を返し、どちらの客席に戻ろう?



Aよっしー
B電脳さん

889名無しさん:2008/08/15(金) 03:34:32
背後get!起きててよかったw

890名無しさん:2008/08/15(金) 03:53:38
(無言でAをこする俺)

891名無しさん:2008/08/15(金) 04:06:56
選択肢の意味がない件

892名無しさん:2008/08/15(金) 04:13:29


893名無しさん:2008/08/15(金) 04:15:01
こんな時間におっつー
簡単には優勝しないあたりにこだわりを感じるぜ
Aで

894名無しさん:2008/08/15(金) 04:38:49
どぐら信者の俺を複雑な気分にさせる話だぜ

どぐらもNSも大好きなんだぜ
A

895名無しさん:2008/08/15(金) 05:18:46
チンk



選択肢はやっぱAっすよね

896名無しさん:2008/08/15(金) 06:19:42


897名無しさん:2008/08/15(金) 06:27:14
これはAだなー

898名無しさん:2008/08/15(金) 10:14:42
そして闘劇で絶対に優勝できない主人公w
ループが足りない!!

899名無しさん:2008/08/15(金) 15:04:48
メルブラverA並にA連打

900名無しさん:2008/08/15(金) 19:43:55
いさルートのNSならどぐらには勝てたんだろうな

901名無しさん:2008/08/15(金) 20:03:37
上手い事言うなよっしーw対戦シーンも格好いいし、言う事無いわ
勿論Aで!

902名無しさん:2008/08/16(土) 23:58:18
舞台裏から観客席に出て、よっしーの隣の席に座った。

「あ、NSさん」

彼女はそれだけ言ったきり黙ってしまい
周囲の観客の歓声が聞こえる中、俺達は互いに一言も発する事無く漫然と決勝戦の繰り広げられている壇上に目を向けている。

―――大体、俺から何か言うとしても、何を言えっていうんだ?
今日の戦績を詫びるとでも言うのか?
彼女がそんなのを望んでいるとでも思うのか?

「………たかがゲームだ、と思ってました」

隣を見れば、よっしーが壇上から目を離さずに口を開いていた。

「楽しければいいし
 適当に、やりたいようにやっていればいいと
 遠征してまで本戦を目指す、なんて考えられなかったし、闘劇の壇上にも優勝にも興味なんて有りませんでした」

そこで一呼吸置いて、軽く目蓋を閉じた。

「けど、なんだか今は自分でも不思議な位、無性に悔しくて悲しくて
 ………それなのに今までに無い位、楽しかったんです」

再度の間が空いて後、彼女は続けて唐突とも思えるような笑顔
―――今なら分かる、いつも彼女が少しだけ意地悪な気分の時に見せるような笑顔を見せて、言った。

「一つ我儘を言っても良いでしょうか?」

903名無しさん:2008/08/17(日) 00:03:37
一旦視点を移すと、そこにはまた別の―――
この日生まれた幾つものドラマの最終章が訪れようとしていた。


チームメイト二人とは少し離れた、船橋勢の皆と一緒の客席に戻った。

―――準決勝敗退
二人には悪いけど、これで良かったのかもしれない
なんて少しだけ思ってしまう。

だって決勝に上がっても、あの子とどう向き合うべきか私には未だによく分からないんだから
でもまぁ、客席に戻った今はそんな事より応援だ。

やはり強キャラを擁する優勝候補と中堅キャラの職人が集まったチームでは後者を応援するのが会場の空気というもので、全体の声援はN女チーム寄りだ。
―――けど、だからこそ
あの子の抱いてきた想いも、そのために費やした努力の日々も知っている私があの子を応援してあげないでどうするんだ。


先鋒012ソルがメイに敗れ
いよいよ中堅、いさのエディの登場だ。

メイを冷静な常時を完遂した立ち回りで圧倒し
割り込みを徹底して警戒しながら中堅のロボを倒し
大将のヴェノムの立ち回りを一瞬の隙から切り崩し、押し切って――――

「優勝はーっ!!0120―13―3104ぃぃぃ!!!」

火九さんの勝利宣言と共に全身で喜びを表すかのように両手を振り上げた彼女は
すぐに何かに気が付いたように客席を見渡し、ステージから降りて、一直線にこちらに向かい駆け出した。

―――その瞬間、全てを悟った。

………そっか、この子はあれからずっと忘れた事なんて無かったんだ。
目に涙すら浮かべながら、勢いそのままにいさは私の胸に飛び込んで抱き付いた。

「電脳さん!あたし……あたし……………勝ったよ!!」

彼女を両腕で固く抱き締めながら、心からの祝福の言葉を投げ掛けた。

「おめでとう……いさ」

右隣に座るキシタカが恐る恐る、遠慮気味に拍手を始め
左のMKがそれに続くと
徐々に伝播した拍手は会場中を包み込んでいった。

904名無しさん:2008/08/17(日) 00:07:48
その後の打ち上げを断って、日付は既に翌日になった
時刻はもう朝方に近い深夜、真っ暗な夜道をバイクで走る。

「そこを左、そこからまっすぐです」

道交法には当然違反だが、後ろにしがみつく彼女の導きに従って、ひたすらに道を行くうちに
暗かった夜道がだんだんと薄明かりを帯びていく。

「………そう、ここです!」

潮風が匂う海沿いの地の海岸線に滲んだ赤い光
―――その美しさに言葉を失った。

「以前ある人に教えてもらったんです
 この場所、好きなんですよ」

「………うん」

赤い朝焼けの光を背に、潮風に髪をなびかせた彼女の姿は一際映えて―――まるで女神みたいに美しく見えた。

「なんだかんだ言っても
 やっぱり、ゲームはゲームですよ」

惚けている暇もなく彼女が切り出す。

「それでもあんなに心を揺さ振られたのはきっと………」

薄ら顔を赤くして、急に声が小さくなったが、今度はしっかりと聞き取る事が出来た。

「貴方と一緒だったからだと思います」

そこからのお互い口を開かない空白の時間も、今は気まずいどころか安心感すら感じる。

「「あの―――」」

声が同時に重なった。
彼女はクスッと静かに微笑み

「一緒に言いましょうか」

と提案した。
勿論、頷くしかないだろう
同じ時、同じ場所、同じ気持ちで互いに言うべき言葉はもう既に決まっている。

「「好きです」」

―――そして

「「愛してます」」

ゆっくりと覆い被さるように身を寄せた彼女と抱擁を交わしながら
俺には『たかが』なんて言える訳が無いと思った。

例えギルティが終わって、ゲームセンターから離れる時が来たとしても
こんなにも熱かった夏の思い出は―――――ずっと、胸に残り続けるんだろうから

905名無しさん:2008/08/17(日) 00:24:51
―――それから数日後、夢の続きを見ました。


夏の陽射しが今だに照り輝く中
早足気味にフジに駆け込んでギルティの台に向かうと、少し時間が早過ぎた所為か
他には見知った顔どころか、人は一人として居ない。

椅子に座り、コインを入れる。
暇潰しのコンボ練習なんてどのキャラでも構わないが、闘劇の感慨も有ってか、ふとヴェノムを使ってみた。

しばらくコンボ練習をしていると
突然の乱入者を知らせる表示から、キャラ選択のカーソルはエディに合わされた。


コンボこそあまり出来ていないものの、丁寧な立ち回りと常時エディ
2Pロマキャンからのダッシュダムド

―――懐かしさすら感じる、この動きはあの人だと直感した。

対戦に勝利すると、筐体の横からひょっこり顔を出した彼女は

「久しぶり、よっしー」

戸惑う私に構わず、気軽に声を掛けてきた。
その声も、短めの金髪も、スーツ姿も―――全く変わらない、あの夢のまま

「大きくなったじゃないのー………えー……っと、一部は除いて」

私の胸元に視線がいってる。
悪気は無いんだろうが、こういう所も変わってないのかと思うと、もう少しデリカシーと言うか配慮と言うか、そういった物を求めたくなってくる。

「あの………」

言いたい事は沢山有る筈なのに、多くの言葉がぐるぐる頭の中を周回するばかりで、何を言うべきか全く台詞が出来上がらない。

「まーた、よっしーは………
 アレコレ考える前に、たまには思った事をすぐに言ってみなさい」

そんな事を言われても、すぐには脳に溢れた言葉を整理できないでいる私に
彼女は『しょうがないか』とばかりに軽く苦笑しながら、息を吐いて

「今日はちょっと寄ってみただけだから、すぐに帰るわ
 また今度、どっかで話でもしましょ」

そう言って、こちらに向けられた彼女の背を見ながら
………どんなにありふれてても、全ての始まりだった彼女に送る言葉はこれしかないと思った。

「……ありがとう、北辰さん」

彼女は一瞬足を止めたが
振り返る事は無く、掲げた手をヒラヒラ左右に振りながら
赤い階段の下に消えていった。


更にCPU戦を進める内に再度、乱入者の表示
その乱入者は一直線に、キャラを選ぶ数秒すらも待ちきれないとばかりに聖ソルを選んだ。

もう、その仕草だけで
彼だろうな、となんとなく感じとれた。

登場演出中のノーマルカラーの聖ソルを見ながら、開幕行動は何にしようか?とか
負けたら彼はどうするんだろうか?
話し掛けるのか?悔しがって連コインしてくるだろうか?とか
そんな些細な事を考えただけで、不思議な位に胸が躍った。

―――“勝ちにいこう”と心に決めて画面を注視する。
………さぁ、いよいよ対戦の始まりだ!


HEAVEN OR HELL

DUEL ONE

―――LETS ROCK!




――――――FIN

906名無しさん:2008/08/17(日) 00:35:53
うおぉぉお感動した!
ありがとう作者、そしてお疲れさま(´;ω;`)

907名無しさん:2008/08/17(日) 00:36:15
これにてこの話は完結です。

渋川さんとかただでさえよく分からない人柄な上に後半はギャルゲー補正入りまくりでもう完全に別人ですが、もともとそんなに『モデルに似せて人物を描写する』事に気を使って書いた話ではないので、何卒ご理解下さい。

明日の闘劇はどうなる事やら分かりませんが、出場者と観戦者一人一人の心に残る舞台になる事を切に願っています。

それでは今まで応援レスして下さった皆さん、ありがとうございました!

908名無しさん:2008/08/17(日) 00:36:23
おつ

909名無しさん:2008/08/17(日) 00:41:31
作者おつかれ!
めっちゃ面白かったです!
過去を受け入れ、新しく歩いくよっしー…
あ、涙が…

910名無しさん:2008/08/17(日) 00:52:02
作者乙

明日は盛り上がるといいね

911名無しさん:2008/08/17(日) 01:03:56
乙うううううう
面白かったですよー

明日の闘劇も楽しみだわぁ
個人的にはガチャピンリベンジ期待

912名無しさん:2008/08/17(日) 01:23:35
乙です。
なんか、こう……格ゲーっていいよな!!!!

913名無しさん:2008/08/17(日) 02:20:36
作者おつ
ありがとう

914名無しさん:2008/08/17(日) 02:40:59
よっしーどころかぎぞぎぞ君にまで補正がかかっとるわー
なんにしても作者乙
明日闘劇楽しんで見に行くぜ!

915名無しさん:2008/08/17(日) 02:59:05

久々に感動したわ;;

916名無しさん:2008/08/17(日) 04:08:15
よっしールートまとめてみた


>>2-21>>26>>39-40>>73-74>>88>>105
>>138-139>>158>>165-166>>175>>193-194>>202>>205-206


>>211>>259>>274>>283-284>>297>>301
>>323>>>336-337>>347-348>>356>>358
>>360-362>>378-379>>398>>405-406>>415>>426-427>>433-435>>482>>493-494>>496>>498-499>>526-527>>542>>551>>561>>569>>588>>625>>664>>704>>707>>725>>747>>749-750>>759>>771-773>>792-793>>812-813>>817-818>>820>>833>>846>>886-888


>>902>>903>>904>>905fin


北辰事変
>>169


ミスってたらごめん

917名無しさん:2008/08/17(日) 04:47:45
うおおおおおおお作者さんおつです!すげぇ楽しかったです!またいつか次回作に期待!

918名無しさん:2008/08/17(日) 05:33:02
楽しませてもらいました、作者さんおつかれさまです!!

919名無しさん:2008/08/17(日) 05:39:51
楽しい時間をありがとうございました

長い間本当にお疲れさまでした

920名無しさん:2008/08/17(日) 06:05:45
楽しかった!!迂闊にも目から汁が…
今日の闘劇も盛り上がっていくぜー!!!1

921名無しさん:2008/08/17(日) 07:00:28
おつ!最高に楽しい時間をありがとう!
ゲームから広がっていく友情や愛が上手く表現されてて本当に素晴らしかった!
またなにか書く機会があるんなら絶対見るわ!



これでいさたちが優勝したら作者、世紀末預言者ってレベルじゃねーぞw

922名無しさん:2008/08/17(日) 07:16:48
正直画面滲んだわ
お疲れ様。またどこかで会いましょう
そしておまいらとは闘劇会場で会いましょう!

923名無しさん:2008/08/17(日) 13:31:26
うおおお乙彼えええええ

これで終わりと思うと少し寂しいなw

俺はギルティ初心者だから良くわかんねーけど、これ読むといさ応援したくなるわなww

924名無しさん:2008/08/17(日) 14:02:39
お疲れ様でした
素晴らしいEDにしみじみしてしまいました
また何か書かれる時は全力で応援します、本当に有難うございました

925名無しさん:2008/08/17(日) 14:49:24
いさチーム二回戦突破したぞ!

926名無しさん:2008/08/17(日) 15:16:34
ちょwwwww
3回戦いさチーム対N男チームwwwwwwww

927名無しさん:2008/08/17(日) 16:00:45
俺は無言で会場を後にした

928名無しさん:2008/08/17(日) 20:35:31
実際の闘劇はここの妄想以下の寒い結果でしたとさ

929名無しさん:2008/08/17(日) 21:26:27
乙ーすごい楽しませてもらいました
また機会があればぜひよろしく

930名無しさん:2008/08/17(日) 22:33:38
いさチームの詳細な結果分かる人いる?
まさかいさ、今年も0勝だったりするのか?

931名無しさん:2008/08/17(日) 22:34:25
N子と組めばNSも優勝できるのか?

932名無しさん:2008/08/18(月) 11:13:51
例のコメント言ったら壇上でぶん殴るんじゃねw

933名無しさん:2008/08/19(火) 21:21:49
久々に読みに来たら終わっていたか・・・作者乙ー!
>>887の、よっしーがNSを鼓舞するくだりと、いさ勝利シーン
最後の告白とか本気で感動したわw

934名無しさん:2008/08/19(火) 21:25:04
このスレともお別れかな

935名無しさん:2008/08/20(水) 01:32:14
俺はキシタカルートで闘劇優勝を楽しみにしてるんだが。。。

936名無しさん:2008/08/20(水) 01:43:29
一応他のルートで再開期待してるよw

937名無しさん:2008/08/20(水) 07:45:46
念願の012ルートか

938名無しさん:2008/08/20(水) 14:11:28
バベさん√はまだか・・・

939名無しさん:2008/08/20(水) 17:30:00
うおー!
別キャラルートが見たいなぁ!(チラ

940名無しさん:2008/08/20(水) 19:09:53
も、萌子たん…あ、何でもないです

941名無しさん:2008/08/20(水) 19:22:00
>>940
萌子たんはラスボス

942名無しさん:2008/08/20(水) 21:23:35
夢を壊すようだけど、船橋勢以外の攻略はしないんじゃ…

943名無しさん:2008/08/21(木) 19:42:07
いくら綺麗に花が咲いても、人はまた、吹き飛ばす

944名無しさん:2008/08/21(木) 22:29:40
ごめん、次スレに向けてやっぱりこの言葉は言わせてくれ。



萌子たん愛してる

945名無しさん:2008/08/22(金) 00:59:52
ここはレス1万までもつんじゃなかったか?



俺はひそかにルゥるーとを期待してる

946名無しさん:2008/08/22(金) 01:06:51
おれも別ルートで再会してもらいたいなあ

947名無しさん:2008/08/22(金) 08:04:06
るぅルート良いなぁ。
個人的にるぅは外見まんま鰤で想像してるけど。

948名無しさん:2008/08/22(金) 08:27:03
このスレともお別れだな

949名無しさん:2008/08/22(金) 11:31:16
残念ながら、今度こそ本当にここで終わりです。

2周目の時点から筆者のモチベも下降傾向でクオリティの低下や記憶違いも酷いし
あんまり続けても以前も話題に出たように本人たちに悪いですしね。
それに筆者もそこそこ長くこのゲームやってて、この業界の悪い部分もいっぱい見てますから
これ以上続けてもあんまり良い話にはならないと思います。


ちなみに作者は今年の闘劇が盛り上がらなかったとは全く思っていません
この話は千葉勢の視点で書いたからこういう話になったってだけで
関西勢の視点から見れば、また別の物語が出来ていたんだと思いますし
エンさんの話とかも心に響く物がありましたしね。

………かと思えば某メルブラ勢みたいに闘劇ブッチしてコミケ行く人もいたりでw
この辺の温度差もまたゲームの面白い所
詰まる所、所詮はゲームなんだけど、どんな形であれ人々の想いが織り成すドラマは感動ものです
出場チームの内、1チームを除く31チーム93人が敗者になる大会で
筆者があんまり安易に『優勝してハッピーエンド』って形にしたくないのもその辺が要因だったりもします。

また気が向いたら、どこかのスレでも乗っ取って何か書く事も有るかも知れないので、その時はよろしくお願いします。
それでは皆さんさようなら、これからも楽しく格闘ゲームやっていきましょう!

950名無しさん:2008/08/22(金) 11:31:16
電脳いさの3Pがありだと思うんですけどどうですかっっっ!

951950:2008/08/22(金) 12:07:04
まったく時間一緒だ結婚しよう

これで終わりか寂しいもんだ。こうやって夏も終わっていくんだろう…
だがゲームは続けるよ、だって面白れーもんな!

952名無しさん:2008/08/22(金) 13:04:58
マジだww

953名無しさん:2008/08/22(金) 13:48:04
>>950
わかった、電脳さんといさはお前に譲るとしよう…

だが俺はおがちゃんとシュウトで3Pするもんね!



作者さん、マジ乙でした。
またいつか、こういう何かを書いてくださいな

954名無しさん:2008/08/22(金) 14:34:12
>>953
いさいんねーからよっしーください!

955名無しさん:2008/08/22(金) 16:09:32
ここ見て、久しぶりにギルティやってみたよ。

あぁ、ちくしょーおもしれぇ!!
あんなに好きだったこのゲーム、嫌いになんかなるわけなかった。

作者ありがとう。

956名無しさん:2008/08/22(金) 23:56:09
メルブラでそんなことあったのかよwwwww最高wwwww

957名無しさん:2008/08/23(土) 00:59:50
日程もろ被りだからw
少年チームは負けた瞬間、まだコミケに間に合う時間帯だと確認するなり、
速攻で闘劇会場から去り、戦場に向かったらしいよw

958名無しさん:2008/08/23(土) 01:15:15
>>957
少年って結構硬派なイメージあったんだけどwww
思いっきり崩されたわwww

959名無しさん:2008/08/23(土) 10:37:08
メルブラで闘劇出るようなヤツはどいつも同じってことか…

960名無しさん:2008/08/23(土) 16:34:30
kstk優勝させたかったなぁ・・・

でもほんとお疲れさま
楽しかったよ
またどこかで会えるのを待っているよ

961名無しさん:2008/08/27(水) 08:29:05
来年もいさチーム応援するぜぇ

来年、闘劇ギルティあるのかしら

962名無しさん:2008/08/28(木) 10:01:21
ないよ^^

963名無しさん:2008/08/31(日) 13:10:16
>>957
松本なにしとんのwwwwwwwwwwwwww

964名無しさん:2009/03/06(金) 19:44:31
この前千葉に越してきて初めてららぽーと行ったんだけど、展望台ってあるの?

それっぽいところがあったから上がってみたら美容室だったんだがw

965名無しさん:2009/03/10(火) 18:43:37
このスレ懐かしいな
電脳さん√期待してたんだが…もう一周しないかな

966名無しさん:2009/03/13(金) 12:24:27
ないものは自分で作ればいいじゃない!
こうしてSSとは発達していくという

967名無しさん:2009/08/09(日) 15:22:26
さて今年の闘劇は誰が優勝するのやら
久しぶりにageてみる

968名無しさん:2009/08/10(月) 05:15:04
糞懐かしいスレだな

969名無しさん:2009/08/11(火) 10:34:34
いさとかコイチの絵ってもう消えてるよね。仕方ないね

970名無しさん:2009/11/28(土) 20:28:20
てs

971名無しさん:2013/06/18(火) 06:13:33
はげ


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