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ゲーセン題材にしたエロゲないよな?PART3

6名無しさん:2008/06/06(金) 23:31:03

「豪邸住まいの良家のお嬢様だとか!」

「でも、そうだったら隠す必要は無いんじゃないの?」

キシタカの出した疑問を聞いて、いさがチッチッと指を振りながら得意げな顔をしてみせる。

「甘いわねキッシー、本当にお嬢だったら遠征費とか奢ってもらい放題じゃない!」

「おおっ!それいいな!」

「お前ら…」

ノリノリで皮算用をしだしたいさとMKに呆れていると、真面目な顔で考え込んでいたキシタカが少し深刻さを帯びた声で

「ねぇ…お嬢様はお嬢様でも、和風の屋敷に強面の兄さんが並んで
 『お嬢さん!お帰りなさいませ!』
 とか言ってたり……しないよね?」

「あっはっは!何よキッシー、そんなワケ………」

言い掛けた途中で、難しい顔をして笑いを止めたいさの続きをMKが付け足す。

「………無いとも言いきれないよな」

うーん、と皆で長考していると、何かに店先の照明が遮られ、スッと黒い影が伸びる。

「なかなか面白そうなお話ですね、私も混ぜて頂けないでしょうか?」

突然の衝撃にドキッと心音が跳ね上がる。
その声の主は見て確認するまでもない、いつの間に近付いていたのか、俺達を上から見下す形で立っている影の主―――よっしーの声が確かに耳に入った。

「えーーと、バレてた?」

あはは、と気まずそうに苦笑するいさに呆れた顔で応じる。

「寧ろそんな大騒ぎしながら尾行のつもりですか、貴方達は」

「…ちなみにどの辺から聞いてた?」

「NSさんが私が実は令嬢じゃないかとか言いだした辺りからですね」

やや怯えた様子のキシタカの質問に答えながら、ちらっと俺に視線を送り

「まったくNSさんの想像力……と言いますか、妄想力も大したものですね」

呆れ顔でこそあるが、ただ、どことなく満更でもなさそうな様子に見える。

「それとキシタカさんも、なかなか愉快な発想ですね」

キシタカはまさしく蛇に睨まれたカエルとでも言うべきか、冷や汗を垂らしながら硬直している。

「さあ、それより馬鹿な真似はさっさと止めて、戻っては如何ですか?」

「ちょっと位教えてくれてもいいじゃない!あたし達の事は色々知ってるんだからさー」

「私は教えて欲しいと頼んだ覚えはありませんよ?
 知られたくない事なら、言わなければ良いだけの事です」

いさの最後の食い下がりも、そう言って軽くあしらわれてしまった。

「……ちぇっ!しょうがないしフジに戻ろー」

渋々進行方向を変えたいさに伴われてフジに向かい歩みを進めながら、ふと振り返ってよっしーを見る。

―――こちらを見つめる彼女の目はまるで深海のよう
とても深く、冷たく、それでいて何処か悲しいものに見えた。


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