したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ホーリーランドクラブ SS・イラストスレッド

1ホーリーランドクラブGK:2014/06/27(金) 20:19:46
SSやイラストはこちらで!

SSやイラストを作ると応援ポイントが手に入るぞ!

2冥王星:2014/06/27(金) 20:24:37
大男が突き刺さった剣SS
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3977269

3ミケナイト:2014/06/28(土) 00:02:59
『まっすぐ進め見習いナイト 〜猫耳の騎士・ミケナイト登場〜』

仏壇に並べられた写真に中学生ぐらいの女の子が混じっていることが、魅羽はとても気になった。
生まれつき三色まだらな変な髪の色をしている魅羽と違って綺麗な黒髪だけど、その点を除けば自分にそっくりだと魅羽は思った。
この子は誰なんだろう。
どうして死んでしまったのだろう。
魅羽は祖父に訊いてみた。

「ああ、姉さんのことかい。姉さんは酷いイタズラ者でね、それでオバケに連れてかれて消えちゃったのさ。ミウは良い子にしてなきゃいかんぞ」

「うん。みう、良い子にするよ」

魅羽は良い子らしく、そう答えた。
しっかりと決まりを守る真面目な魅羽の性格は、この写真が原点なのかもしれない。
でも、自分とそっくりな大伯母様が悪い子あつかいされるのは、ちょっと不満だったかもしれない。

(=・ω・=)

高校生になった魅羽は、馬術部に入った。
誇り高い騎士道精神を学びたかったからだ。
だけど、残念なことに魅羽に馬術の才能はなかったらしい。

「ウー、ワンワン!」
「ガルルル、ガルルルルル!」

餌やり当番で馬小屋に行くと、いつも通り一斉に馬たちが魅羽に吠えてきた。そう。魅羽はなぜか馬にすごく好かれにくい体質みたいなのだ。

「みゅーちゃんは、猫っぽいのがいけないのかなぁ」

とは先輩のシベリアン・ハスナイトさんの分析だ。
なんで猫っぽいと馬に嫌われるのか魅羽は不思議に思ったけど、さすがの魅羽もそれ以上はいけないとわかったので何も言わなかった。
とにかく、魅羽は馬に乗ることができず、新入生の中でも一人だけ騎士称号を貰えてなかった。

それでも魅羽は、偉大なる初代部長レトナイトさんのような立派な騎士になりたくて、熱心に武術鍛錬も馬の世話も頑張っていた。

(=・ω・=)

馬の世話には、もちろんお金がかかる。
馬術部が総力を挙げて鬼雄戯大会に挑むことにしたのは当然だった。
魅羽はもちろん戦力外……のはずだったけど……。

「私は猫耳の騎士ミケナイト。騎士道精神に則り正々堂々と勝負しましょう!」

特大スコップで天を指し宣戦布告!
猫耳兜で素顔を隠した、馬を伴わぬ謎の女騎士がそこにはいた!
果たしてミケナイトの正体は誰なのか?
勝手に騎士称号を名乗っちゃった見習い騎士は、過酷な戦いを生き延びられるのか?
まっすぐ進め見習いナイト! 正体は髪の色とかでわりとバレてるぞ!
(おわり)

4しづね:2014/06/28(土) 03:59:35
pic.twitter.com/UMzDWT9pU4
カヤミシーロ=コヨチちゃんです。

5ミケナイト:2014/06/28(土) 19:13:17
『タマ太の悪夢』


馬術部の馬小屋前に備え付けられたベンチに腰掛けて、練習後の一休みをしている魅羽。
その手には大好物の豆乳。
練習後の、この一本のために私は生きてるんだなぁと、ストローをくわえながら実感する魅羽だった。

魅羽の太ももに挟まれて、一匹の三毛猫が眠っている。
非常に珍しい、オスの三毛猫だ。
誰が名付けたのかわからないが、みんな“タマ太”と呼んでいる。
もちろん猫なので馬術部の馬達とはウマが合わず、いつも激しく馬達からワンワン吠えたてられているが、まったく気にせず馬術部へ何度もやってくる。

似たような境遇と毛並みにシンパシーを感じあったのか、魅羽とタマ太は仲が良かった。
魅羽の休憩中は、膝の間がタマ太の定位置であった。
もっとも、実はタマ太が女の子大好きのエロ猫だと魅羽が知ったら、こんな良好な関係は続かないだろうけど。


(=・ω・=)


暗い渡り廊下に、少女が倒れている。
死体だ。
猫耳のついたヘルメットは砕けて、防具としての機能を失っていた。
歪にひしゃげた頭部。
頭蓋が砕けたことが致命傷だったのだろうか。

少女のそばには赤黒い染み。
それは、原型を留めぬほどに叩き潰された何らかの小動物の死体だった。

他にもいくつかの死体が転がっている。
全身バラバラに切断された少女。
尖った武器で滅多刺しにされた少女。

スコップを持ち帰ろうと思った。
彼女が生きて、戦って、死んだことを覚えておくために。
ズルリ。ズルリ。
暗い通路の中、スコップを引きずりながら出口を目指す。
重い。
だが、このスコップは必ず持ち出さなければいけないと思った。
誰かに、届けるために。
誰に? わからない。
ズルリ。ズルリ。
暗い通路の中、スコップを引きずりながら出口を目指す。
ズルリ。ズルリ。


(=・ω・=)


「ブニャーオ!」

変な鳴き声を上げて、タマ太が身を起こした。
悪い夢を見ていた。
もし人間だったら、びっしょり汗をかいていたことだろう。

「あ、起きた。タマ太も豆乳、飲む?」

魅羽が優しく問いかけ、もう一本のパックを差し出す。

「ニャーン!」

タマ太は明るい声で応えた。
そして、嫌な夢を忘れようと、魅羽の胸に顔をうずめ、ふにゅふにゅした感触を楽しんだ。


(おわり)

6冥王星:2014/06/28(土) 19:50:56
キャラ確定まで我慢できなかったのでもう水星のSS・イラストを投稿しちゃいます!キャラ設定自体は変えないと思うので多分大丈夫!
水星プロローグSS
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3981024
水星と私。
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3981072
惑星と準惑星-side Pluto-
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3981219
イラスト:水星
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44366172

応援感想もこのスレでいいんですかね?
とりあえず感想言っちゃいます!
>>3
三色まだなら髪の色は三毛猫だからかな? シベリアン・ハスナイトさんとレトナイトさんについて触れられてる!こういう過去キャラをうまく絡ませてくるのは流石ですね!ぜひ今後見習いっていきたいものです
猫耳兜っていうのが可愛らしくて好きですね!見習い騎士さんは果たしてどんな活躍をみせてくれるのでしょうか、楽しみです!縁があったら手合わせしてみたいものです

>>4
やったー!ダンゲロスイラスト描き界隈期待の新星、しづねさんのイラストだ! しっぽは一体どんな感触なんでしょうか、触ってみたいです。 そして手に持っているのは聖書ですかね?帽子や服装も相まって神父さんらしく知的で神聖な雰囲気を纏ってますね!きっと素晴らしい戦いを見せてくれるのでしょう、期待してます!

>>5
タマ太、エロ猫なのか……w うわぁ、なんて怖い悪夢……スプラッタな描写とズルリという不気味な音が嫌な汗をかかせますね……でも夢でよかった! 正夢にならないといいなぁ ミケナイトさんの中の人はこういう嫌な予感をさせる描写がとても上手くて毎度ハラハラさせられますね……

7魚鬼:2014/06/28(土) 20:46:30
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=44369030
弾正院です。

8しづね:2014/06/29(日) 09:43:01
pic.twitter.com/SB8XRgVG6H
ミケナイトちゃんです。

9ほまりん:2014/06/29(日) 22:15:24
過去にツイッターで発表済みの卒羽ちゃんイラストを貼っておきます。
このキャラはもともとホリランに参加させようと思って作ったキャラでしたが、
ダンゲロスとは別の「戯書」というゲームでも活躍しています。
一応、「戯書」で使用した絵は外してますが、純粋にホリランクラブの為だけに描いた絵ではないので、採点対象外としていただくのが良いと思います。

夢見花卒羽 vs 矢達メア! ふたりは妃芽薗図書委員! pic.twitter.com/IwXnQwApv5
どりみちゃんの下半身設定画像 pic.twitter.com/JzjbU7UbiW
どりみちゃんの好みのタイプ pic.twitter.com/ibCWpDjwf9
蟹ちゃんを授与してパーフェクトモード! pic.twitter.com/9WpvysUzZz
夢見花どりみ vs 矢達メア(その2) pic.twitter.com/RjaKGeM74t

10村田ソフィア:2014/06/29(日) 22:37:00
模擬戦よりルガーVSどりみちゃん
tps://twitter.com/sophiamurata7/status/480707862771929088

11やられ:2014/06/30(月) 03:00:48
ジャグリングありさ
tp://0006.x0.to/oo/gif/jaguri.jpg

12ミケナイト:2014/06/30(月) 08:49:25
『触手対決!』

複雑に入り組んだ建築物が建ち並ぶ無機質な区画を走る。走る。自分がどこに居るのかわからない。なにしろ夢見花卒羽は希望崎の人間ではなく、妃芽薗学園の生徒なのだ。既にロングスカートは脱ぎ捨て、ホットトパンツ姿の六脚歩行。全力疾走だ。

襲撃を受けた。卒羽は、妃芽薗サバイバルゲーム部の仲間と共に、希望崎サバゲー部と技術交流を深めるために希望崎へやって来ていた。もっとも技術交流というのは妃芽薗の外出許可を取り付けるための題目に過ぎず、実態は合同コンパである。

その平和な交流会が、何者かに武力襲撃された。希望崎で部活道連合間の緊張が高まってることは聞いていたが、これほどまでとは。不意を打たれたサバゲー部は散り散りになって逃げた。妃芽薗のみんなともはぐれてしまった。

みんなは無事だろうか……ゲリラ戦は妃芽薗サバゲー部の得意とするところ。きっと大丈夫だろう。今は自分の身を守ることに専念……ザンッ! ひた走る卒羽の前に何物かが立ち塞がった!

赤い髪の少年。体格は大きくない。いや、むしろ少女のように華奢だ。先程の襲撃者たちの一人だ。先回りされた。やはり土地勘がないと厳しい。「妃芽薗サバゲー部、夢見花卒羽です。……みんなは無事かしら?」卒羽は敵を睨み付けた。

「非公認・葦菜部、一一です。……ふふ、おいしかったよ」そう言って敵は一枚のポラロイド写真を投げてきた。卒羽は右三つ編み触手で写真をキャッチする。……そこには蛸足触手に凌辱される妃芽薗の仲間が写っていた。「部長!? みんな……!!」

「くっ……羨ましい!」卒羽は恍惚とした表情を浮かべるみんなを見て悔しがった。そう、卒羽は触手が大好きなのだ。「えーっ、意外な反応!? でも、だったら話は早いな」一一は……いや、一一に擬態したマジック・ミミックオクトパスはズボンを下ろし触手を解放した。

……

「ふぅ……残念、勝っちゃったか」なんか体液をぶっかけられたり、いやらしく絡みつかれたりはしたものの、結局は卒羽が無傷で勝利した。「残念だけど、弱い触手には興味ないの。……動かなくなっちゃったけど、死んでないよね?」だが生死を確認している暇はない。卒羽は再び走り出した。

(おわり)

13ミケナイト:2014/07/01(火) 02:54:51
ミケナイトは特徴が非常にわかりやすいデザインなので、
普段あまり絵を描かない人も描いてアイテムを手に入れて頂きたいです!
pic.twitter.com/jdSdyHah1i

14冥王星:2014/07/01(火) 20:00:43
イラスト:野球帽
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44437065

応援感想
>>7
禅正院さんだ!精神攻撃に使う「男女の仲良し写真フォルダ」を持ってる!一体どんな写真が入ってるんだろう……。
そして右手のカメラで浮気の証拠を捉えるんですね!怖い!
>>8
ポーズが非常に猫っぽいミケナイトちゃんだ! 尻尾もキュートですね!
>>10
銃使い同士の対決ですね!かっこいい!臨場感がありますね!
>>11
ありさちゃんだー!服装がジャグラーっぽさをうまく表しててカワイイ!役になりきってる感がありますね!あと二つの尻尾っぽいのがいいですね!ありさちゃんは最大何個のボールを扱えるのだろうか……ちょっと気になります!
>>13
猫耳兜!かわいい!ジャージを下に来てるのがまた可愛らしいですね。そしてタマ太の目つきがいやらしいw

15ぽぽ:2014/07/02(水) 07:56:00
門司秀次 参戦SS

モジ君は結局いつもどおりだ。
馬鹿なのだ。
「部長、俺、今日こそ退部させてもらいます。今までお世話になりました。」
「なんでェ?」
気怠そうなミチノ部長の返事もいつもどおり。
そばかすに野暮ったい眼鏡ではあるが、美人だろう、と思う。
割と有名な家の分家筋の人らしい。
ただし、眼鏡の中の瞳は意地悪く笑っている。
これもいつものことだ。
「なんで辞めちゃうのさァ、そう理由。アタシは理由が知りたいわ。」
「いや、だって書道部、モテないじゃないですか。全然モテないですよね。女の子に声かけられる機会すらないじゃないですか。」
「ひっどい話ィ。ねェ墨川ァ、聞いた?アタシら女子扱いされてねーよ?」
私に話を振られても実際困る。
「ねェ、墨川ァ。」
面倒くさいなあ。
「そうですね、部長、ヒドイ話です。モジ君のゲス!!男女差別主義者!!」
「ぐッ、そ、そういう意味じゃなくて。だな。」
「やーィ、ゲスー。」
これである。
モジ君はこういう反論にも弱い。
だけれど、今日はちょっと頑張るようだ。
やめておけばいいのに。
「だってよ。ホラ。実際モテないじゃないですか。サッカーとか剣道とかなんかそういう方がいいんじゃないかって。俺、運動神経いいし。墨川も知ってるだろ?中学のときは…。」
「男子の過去自慢?モジ君はホント過去の栄光にすがるんですね。」
「え、いやそうじゃなくて。俺はモテたいんだよ。花のある高校生活を送りたいんだよ。」
馬鹿だ。
こんな事言ってるからミチノ部長に勝てないのだ。
「あーァ、墨川ァ。」
「なんですか?部長」
「あんたさァ、汚い字を書く男とさァ、綺麗な字が書ける男、どっちが好きよ」
「男女的な好き嫌いは置いておいて、どっちかと言われれば、綺麗な字の方がいいですね」
「いやいや、それだからってよお、書道部で聞いても…」
「たぶんその質問を他の女子に聞いても綺麗な字を書くほうがいいって言われると思うよ。」
「ほらモジィ、ウチの部で一番まともな墨川ちゃんの意見なら聞けるだろォ。」
これで終わり。
モジ君はさっさと部活の準備をするべきだ。
「いや、騙されねー。たとえそうだとしてもだ。サッカー部とかのほうがモテる。格闘技でもいい。青春はスポーツにこそあるんだ。クラスでモテてる男子もだいたいそうだ。」
ちっ、面倒くさい。
ほら、部長が悪い笑い方してる。
「すーみィかわー。」
「なんですか?部長。」
「あんたサッカー部と書道部どっちがモテると思うよォ?」
「う、嘘つくなよ。俺のデータ的に言ってもだなサッカー部のほうが。」
「顔か性格で選びますね。部活関係ないんじゃないですか?」
「正論だわァ、墨川ァ。それ正論だわァ。モジ君さァ、だから所属部活関係ないんだって、要するに。」
「で、でも。」
「部活は関係なくてもさァ、さっき言ったとおり字の綺麗な男は汚い字よりはマシなわけよォ、これ事実ね?」
「う、う」
また、半泣きだ。
それを見て部長はニヤニヤ笑っている。
やっぱりモジ君は馬鹿だ。

16ぽぽ:2014/07/02(水) 07:56:32
「おーい、居るか?」
「うぃーす、ビッグさん。はろー」
部長がひらひらと手を振って出迎える。
真野兄弟のデカイ方ことビッグ先輩は元部長である。
声も体格も声もデカイ。
しかし部員不足に悩んでいた書道部を武闘派部活として再建した立派な先輩だ。
モヒカン書道の使い手ビッグ・ザ・ショドーと言われている、本名は、なんだっけ?
「部費争奪戦っつうのが開催されるらしいぞ、「鬼雄戯大会」だとさ。お?なんだ、門司君。元気ないな。」
大きな紙には部活連合ごとの賞金の分配や参加選手に対する賞金などが書かれている。
へえ、勝てば美味しい展開かも。
新しい筆とか買えるかな。
「ビッグ先輩が出るんですか?」
「俺か?俺はもう受験を控えとるからな。ほとんど引退した身だ。お前らで誰か出ればいい。」
「じゃあ部長ですか?」
あ。
部長の方を見て気づいた。
悪い目だ。
でも、これは人選として悪くないだろう。
だってモジ君は馬鹿だけど、弱くはないのだから。
「モージィ」
「へ?なんです?部長。」
「アンタ、これモテるチャンスかもよ?女の子の前で活躍するチャンスかもよ?」
「ま、マジっすか?」
目を輝かせるモジ君。
やっぱりモジ君は結局いつもどおりだ。
馬鹿なのだ。

17ゆとりのぽこぺん:2014/07/02(水) 13:49:14
『好世様フェスティバル』

「誰もいない部室で正体解放してのオナニー最高オカマッ!」(シコシコシコ)

ここは女子高生こそ至高の存在であるとして、ただ女子高生を愛でる為だけに存在する
女子高生教の部室。その中央で肥満体のハゲ親父が下品な笑みを浮かべながらチンポをいじっていた。
と、その時!ガラッと扉が開き二人の男が入って来た。

「ギャー!見られた!ってサッサとカズじゃない。朝のオナニーが終わるまでは開けるなって言ってるでしょ」(シコシコシコ)

入って来た二人を見てオッサンはほっとする。
解説しよう!このオナニー中のオッサンは女子高生教の教祖山下ホイ、
部屋に入って来た男は弟子の工藤サッサと下柳カズだ。
女子高生をただひたすら愛でようという宗教をある程度広めたホイは女装して
女子高生那自分賀 好世(じょしこうせいなじぶんが すきよ)として希望崎に入り込み、
自らを教祖から後を任された二代目という事にして校内に女子高生教を設立したのだ。

「それで何よ?まさか、信者に私の正体がばれたとか?」(シコシコシコ)
「そのまさかでミッドナイト!あの帽子部の小僧があちこちに二代目と教祖が同一人物だと
言いふらしたでミッドナイト!」
「んで、信者が幹部達の静止を押し切ってこの部屋に乗り込んでくるでサタデーナイト!」
「・・・なんですってー!?」(シコシコシ、ピタッ)

オナニーの手を止めて慌ててホイは腹の肉を引っ張り揉みながら上へと持ち上げていく。
すると贅肉が胸の周りで固定されオッパイの様になったではないか!
山下ホイは皮膚の下に外科手術で形状記憶ワイヤーを埋め込んでおり、身体の内側に
補正下着を着ている様な状態なのだ!瞬く間に肉体は変化していき、チンチンは体内に押し込まれ、
頭部から飛び出したワイヤーにヅラを縫い合わせると裸の美女がそこに現れた。
そして、下着を身に着けた所で集団が部室に突入する!まさに間一髪!

「代表がオカマのオッサンってどういう事だオラァ!今迄貢いだ金返せオラァ・・・あ」

キラキラキラ〜ン

「私が、どうかしたのですか?」

先程までのオッサンはどこへやら、見た目は完璧な美女が下着姿で出迎え信者達は
思わず立ち止まる。声帯もワイヤーで変形させているので声も女だ。

18ゆとりのぽこぺん:2014/07/02(水) 13:58:15
「い・・・いえ、好世様がオッサンだなどという噂を聞き、真実を確かめたいという奴らが多くて
着替えの時間に突入してしまったわけでして。あ、いや私はとめたんですが」
「ばかやろう!そーいえば所々怪しいと言い出したのはテメエだろ!
も、もちろん俺はそんな噂信じてませんぜ。へへへ」

信者達はしどろもどろになりつつも好世のFS20ナイスボディから目が離せない。
この様子ならまだ正体を本気で疑っている様ではないと思われた。

「ほらほら、分かったら出て行け無礼者ども!好世様はお着替え中でミッドナイト!」
「お待ちなさい、聞いて下さい皆さん」

サッサによってさっさと帰らせようとされる信者を好世が留める。

「聞いて下さい、どうやら私をハメようとする存在があるのは間違いありません。
ならば、私は証明せねばなりません。噂が偽りである事を。私は、鬼雄戯大会に参戦します」

辺りから「つまりどういう事だってばよ?」「何でさっきの流れでそうなるんだ?」という
疑問が口にされる。もちろん、信者達の目は下着姿のままの好世に釘づけだ。

「お静かに。ここにいる皆さんも私の下着姿を見て噂が間違いと気づいたでしょう?
鬼雄戯大会で私は対戦相手に脱衣負けアリのルールを持ちかけるつもりです。
この大会は部費の争奪戦ゆえに学内・学外で非常に多くの人が注目しています。
そこにはびこる魔人達相手に脱衣勝負を挑み続け最後まで私が女性のままで立っていたならば」
「代表がオッサンという噂なんて消え失せるでミッドナイト!」
「その通りです。この噂も私の所に集まる信者さんの善意の寄付を狙ってのものでしょう。
ですが、私は卑怯な噂なぞに屈しません!」

部室内にオオオー!と男どもの雄たけびが上がる。最早この中に正体を疑うものは微塵も居ない。

(どうにか誤魔化せたみたいね。それにしても脱衣勝負か・・・
我ながらいいアイディアだわ。噂を消し飛ばせるし、勝負中相手に、ぐふふっふ)

けなげに振る舞う好世の身体がビクビクと震える。オナニーが終わって無い状態で
押し込んだチンチンが妄想で膨らみワイヤーを圧迫して身体が元に戻ろうとしていた。
胸の肉は腹へと移動しチンチンは偽物の割れ目から飛び出そうとする。

「や、やばっ」

慌てて身体の状態を確認する。

「・・・せーふ!」

幸いサポート力の高い特性の下着が肉体を抑えつけており、辛うじて股間が多少盛り上がって
胸が不自然に揺れているいる程度ですんでいる。信者達も悲しみと怒りに震えていると思っている。

「は、話は終わりです。着替えるので出て行ってください!」

信者に怪しまれる前に強引に追い出し、下着を脱ぐ。
肉体からメリメリという音がした後一分ほどかけて徐々にオッサンに戻りチンチンをしごきだす。

「この緊張感たまらんオカマッ」(シコシコシコ)

弟子二人はこのオッサンももう長くないかもなーと思い、財産の持ち逃げの計画を立て始めた。

好世様フェスティバル 終わり

補足
Q希望崎に女子は一杯いるのに何でこいつら好世あがめているの?
A女子高生教の代表を名乗り奉仕してくれるのは好世だけだからです。
如何にもビッチな勧誘文句に対し安易にセックスで釣ったりせずパンチラや水着の奉仕に
留まっている事、その見せ方が男のツボを突いてる所、着やせするタイプで豊満な肉体に
下着が食い込んでむっちゃエロイ所などが人気の理由です。

Qホイは好世として学校に来てるから女子高生扱いだけど、弟子って大人じゃないの?
A成人男性で学生ではありません。教祖からの命令で二代目のサポートを任されたという設定で来ています。
サッサが教師側への説得担当、カズがワイヤーのメンテ担当です。部員ではないので戦闘には参加できません。

Q噂をばらまいた帽子部の青年はどうなったの?
A他の部活やホイサッサーズに命を狙われ続けていたので潜伏中。
模擬線の壮絶さから一部では死亡説も流れてますが、もし女子高生教が消滅し安全を確認できれば
再登場もあるかもしれません。

19???:2014/07/02(水) 17:35:52
異教徒がいるようですねェ...。
聖戦が始まるぅ...あぁMARIYA様ァ...(ビクビク

20冥王星:2014/07/02(水) 19:00:48
水星と柊先輩のインタールードファッキュー!
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3998055

21ミケナイト:2014/07/02(水) 20:12:52
『ガンファイト!』

上から、卒羽を呼び止める声。「無傷でエロ蛸の奴を倒すとはなかなかヤルねぇ蜘蛛女さん。愉快な銃撃戦が楽しめそうだよ。グーテン・アーベンド、科学部のルガーだ」天井から蝙蝠の如く逆さにぶら下がった黒いスーツの女性。懐から二丁のドイツ製拳銃・ルガーを取り出す。夕闇の中、青い光を反射して拳銃が鈍く光った。

光源は、卒羽だ。魔力を帯びた髪が青く光る。『夢幻弾装ラブリーガン』により、卒羽が持つロシア製拳銃・トカレフを模した四丁のエアソフトガンに魔法弾が装填される。「妃芽薗サバゲー部、夢見花卒羽……蜘蛛とは失礼な。私はタカアシガニです!」

「蟹なのか……せいぜい横歩きで上手く弾を避けるんだな」「……蟹が横にしか歩けないと思ったら大間違いです。私たちクモガニ類は全方向に自在に歩けます!」「やっぱり蜘蛛じゃないか……」「クモガニは蜘蛛じゃありません!」

先手必勝! 卒羽は必殺技をいきなり仕掛けた! ちょっと怒ってる!「弾幕の海に沈みなさいっ! ドリーミー・ファストラァァッシュ!」四丁トカレフから無数の弾丸が放たれる! ガガガガ! ルガーの身体に何発もの魔法弾が命中!「はっ! ヌルいぜッ!」ルガーは意に介さず前進! なんたる頑丈さ!

ルガー接近! 打撃戦距離! ルガーは華麗にターンしながら回し蹴りを繰り出す! 卒羽は自在に動く三つ編みでブロック! そのままルガーの足に三つ編み触手を絡みつかせる!

しかしそれはルガーの術中!「そいつを待ってたぜ!」ルガーは足を絡まれたまま後方宙返り! 回転の勢いで卒羽の髪を一本釣りしロッドランドめいて反対側の床に叩き付ける!

「ぐぁっ……」頭部を打ち卒羽の意識が一瞬喪失する!「今度はこっちの乱れ撃ちだぜっ!」ルガーが二丁拳銃を乱射! ダウンした卒羽に弾倉内の全弾丸を叩き込む! ビーハイブ!

堅牢な甲殻下半身を持つ卒羽だが上体は脆弱な外皮の人間体!「ぐっ……ううーっ……撃ち返しっ弾んっ!」多数の被弾を受け、全身から青い鮮血を撒き散らしながらも卒羽は、起き上がり踏み込みながら両腕拳銃を真っ直ぐに突き出し! 有線サイコミュビットめいて両髪拳銃を展開し! 至近距離四丁拳銃射撃!

迫り来る四方向からの同時攻撃をルガーは上体を反らしてスウェー回避! そのまま低空後方宙返りして距離を取り、銃弾リロードの時間を稼ごうとする……しかし!

22ミケナイト:2014/07/02(水) 20:15:04
「がふっ!?」ルガーが吐血……もとい漏油!「いわゆる……オーラ撃ちです!」卒羽は再び距離を詰めて四丁拳銃近接射撃! ルガーは頑丈な肉体を生かした喰らいカウンター狙いの二丁拳銃近接射撃! ガガーン! 六丁の射撃音が同時に響き両者流血! 青いアントシアニン血液と、褐色の機械油が飛び散る!

「畜生……防御できないっ……!」ルガーは機械装甲で、弾丸自体は確かにガードした。しかし問題は、卒羽が射撃する際の衝撃波だった。卒羽の魔法弾『夢弾丸』はテニスボール大の当たり判定がある。その夢弾丸が狭い銃口を通過した直後、当たり判定を展開する際に防御不能の衝撃波を発するのだ。接近戦を挑み、至近距離射撃で衝撃波を当てる! これが四丁トカレフ触手拳・オーラ撃ちである!

鉄壁の機械装甲を最大の強みとするルガーにとって、装甲貫通オーラ撃ちを使う卒羽は天敵! ならば遠距離戦か? いや、打弾数と充填速度に勝る卒羽相手では遠距離戦も不利だ。つまり……「反撃する暇も与えない!」ルガーの近接猛攻!

ルガーの右回し蹴り! 卒羽は第二歩脚でムエタイめいてガードし反撃の拳銃を……いや、ルガーの左脚が早い! 銃撃モーションに入った卒羽の右手を蹴り上げる! トカレフが弾かれて右手を離れ宙を舞う! 卒羽は左手と両髪の三丁銃撃! しかしルガーは上空に飛んでオーラ撃ち範囲外! 宙返りしたルガーの両脚が卒羽の首を挟みフランケンシュタイナー!

卒羽の安定した六脚下半身ならば投げを堪えることは可能だった。だがそうした場合、首の骨が保たないのだ。やむを得ず為されるままに宙を舞う卒羽! 投げを打ちながら空中の卒羽の顔面を狙いルガーは銃撃!

銃弾の軌道を冷静に見極めた卒羽はゴーグルで受ける! 防弾硬質アクリルに亀裂! 卒羽は先程から自身の変調に苦しんでいた。土地のマナが不足しているのか『夢幻弾装』が十全に機能していない……!「平常心……平常心……!」だが卒羽は努めて平穏に精神集中し魔法弾を遠隔装填!

「これでトドメです! 全弾発射!」床に叩き付けられた卒羽は素早く起き上がり三丁拳銃連射撃!「悪いが見切ったよ!」ルガーは華麗に卒羽の背後を取る! しかしルガーは見た! 死角となっていた卒羽の第四歩脚が先程弾き飛ばしたトカレフを空中で回収し構えているのを!

23ミケナイト:2014/07/02(水) 20:18:47
「オーラ撃ち!」ルガーの装甲を貫通して衝撃波が走る!「ぐふっ……やられたぜ……!」精密な内部機構を揺さぶられ、ついにルガーが倒れた!

……

「私の負けだ……いい勝負だったよ、カニ女さん」ルガーが自嘲気味に笑った。「あーあ、ジンキンスに何て言い訳したもんかな」「あなたも、とても強かったですよ……本当に」卒羽も穏やかに微笑んだ。「あの、“カニ女”で合ってはいますが、あまり気持ちの良い呼ばれ方じゃないので“どりみ”でお願いできませんか」

「悪い悪い。それじゃ、どりみちゃんの今後の武運を祈ってるぜ」「ありがとうございます。また機会があったら手合わせ願いたいものですね」「ハハ、私は御免だな。相性が悪すぎる! ……さて、ひと眠りするぜ」そして、ルガーは目を閉じて自己修復モードに入った。

「さて……みんなの所に戻らなきゃ。無事かどうか心配だし……触手に襲われた感想も聞きたいし!」卒羽は深呼吸して精神を回復させると、再び歩き出した。マナリンクは回復せず、『夢幻弾装ラブリーガン』は依然不安定だ。だが、卒羽は自分の生還を疑っていない。「大丈夫……私はやれる!」

(『ガンファイト!』おわり)

24ぽぽ:2014/07/02(水) 22:58:33
門司秀次
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44460908

25ミケナイト:2014/07/03(木) 08:27:59
『魔法少女失格!』

強敵二人を撃破し、卒羽は無事に妃芽薗サバゲー部のみんなと合流することができた。部長以下全員、一一の猛威に曝されてもはや戦闘は不可能だったが、命に別状が無かったのは幸いだ。混乱状態の希望崎学園から脱出しようとする卒羽たち。しかし、彼女たちは最強の敵“ホイサッサーズの宿敵”と遭遇してしまう。

帽子部に所属するその男は“ホイサッサーズ”と名乗る怪しげな連中と交戦中だった。卒羽は状況判断し、ホイサッサーズに加勢することにしたが、その判断が間違いだったのである。味方のはずのホイたちの誤射と、帽子部の男の強烈な攻撃に挟み撃ちされ、卒羽は力尽きた……。

……

どぷん。緑色の粘液で構成された巨大なスライム状の物体が卒羽を包み込んだ。「君が死なずに済んで良かった。『リじぇねれーと・ミゅーかす』。まずはゆっくり休みなさい」「うぅ……老師、すみません。ありがとうございます」

“老師”と呼ばれた魔法少女は、残念そうに言った。「本国から帰還命令が出てしまった。君の人間界修行は一旦終わりじゃ」卒羽は愕然とした。「そんな……私はまだ……」「……素敵な理想の触手に出会えてない、とでも言うつもりかね?」

「うっ……」「魔法少女は、己自身のことよりも世界の平和と人々のしあわせを優先しなければならぬ。魔法少女には様々な在り方があるが、少なくとも君の国はそう考えておる。然るに、ドリミッカ・ドリミ。君は役得を求めすぎた」「で、でも……」

「最近、『タワムレガキ』の世界には行っておるかね?」「う……ホリランに集中してて、実はあまり……」「あまつさえ、合コン先で私闘を行い、少年一人を殺害した。流石の儂も庇いきれなかったよ」「えっ……あの子死んじゃったの……」「その顔じゃ!」

「そこで『貴重な触手が……』って顔をするから君はいかんのだよ」「そっそんな顔はしてませ」「魔法少女歴80年の洞察力を甘く見るなよ」「ううう……申し訳ありません……」「幸い彼は何故か生き返ったよ」「良かった……」

「治癒が終わり次第、君を本国に送還する。再び魔法少女を目指すか、別の道を歩むか、じっくり考えたまえ」「はい……」こうして夢見花卒羽の人間界修行は、ひとまず終わりを迎えた。でも、死ななくて良かった! そして、歴戦の魔法少女・後藤うさは救えなかった命に、特に50年前の雛代の魔法少女たちに思いを馳せるのであった。

(『魔法少女失格!』おわり)

26しづね:2014/07/03(木) 17:38:50
pic.twitter.com/Pr2JiQEwh1
水星さんです。

27ミケナイト:2014/07/03(木) 22:24:09
はい! 私も水星ちゃん描きました!
pic.twitter.com/LDpJKWWHN7

28しづね:2014/07/03(木) 23:22:11
pic.twitter.com/jimOMorDxL
二 三一五君!

29しづね:2014/07/03(木) 23:22:44
pic.twitter.com/jimOMorDxL
二 三一五君!

30冥王星:2014/07/03(木) 23:24:11
深見忌
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44477675
神社千代
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44479486
ミケナイト
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44480168

31minion:2014/07/03(木) 23:38:06
ホーリーランドクラブ模擬戦後SSその1。
『The day after / The day before』
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3954054
結論:多すぎる。メインヒロインは葦菜。他にもたくさん。

ホーリーランドクラブ模擬戦後SSその2。その1とはパラレルです。
『Magical Hack』
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3954111
結論:愛こそすべて。メインヒロインはラクティ・パルプ。

ホーリーランドクラブ模擬戦後SSその3。その1・その2とはパラレルです。
『Feast of Darkness』
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4002868
結論:やはりそうなる。メインヒロインは鴻畔&ルガー。

32ぽぽ:2014/07/04(金) 00:09:53
モジ君
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44481994

33ぽぽ:2014/07/04(金) 00:31:44
モジ君2
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44482798

34ミケナイト:2014/07/04(金) 08:56:15
魅「魅羽とハスナイト先輩の質問コーナー!」
タ「ニャーン!(おっぱい!)」
ハ「えっ俺? 何このコーナー?」
魅「皆様のお葉書の質問にお答えするコーナーです。私とタマ太だけじゃ会話にならないので、シベリアン・ハスナイト先輩にも来ていただきました!」
タ「ニャーウ(お前は邪魔だ帰れ)」
ハ「お、おう解った。やれるだけのことはやろう」
魅「よろしくお願いします。それでは、馬術部や謎の猫耳騎士・ミケナイトさんに関する質問にどしどし答えていきましょう!」
ハ(あっ、やっぱりみゅーちゃん、自分がミケナイトなのバレてないつもりなんだ……)

魅「最初のお葉書です『馬術部のアレ、馬って言ってるけど本当は……あっ」ビリビリ、ポイ。
ハ(無かったことにしやがった……)

魅「最初のお葉書です。『どうしてミケナイトは馬術部なのですか?』」
タ「ニャー(はっきり言って向いてないよね)」
魅「えーと、イギリスの警察官って馬に乗りますよね。あれがかっこいいなーって。あと、騎士道精神も学びたいです」
ハ「今はまだ見習いだけど、剣術訓練や馬の世話は良く頑張ってるし、きっといい騎士になれると思うよ」
魅「がんばります!」

魅「次行きますね。『セント・バーナイトさんが好きです。彼の出番はありますか?』……バーナイトさん……? そんな人、うちにいましたっけ?」
ハ「ああ、彼か。まだ中学三年生だけど、訳あって希望崎の購買部に住み込みで働いてる苦学生だ。馬術部にもたまに来るよ」
魅「中三なのにもう騎士称号持ってるんですか……すごいですね」
タ「ニャー(ミウのおっぱいも脱ぐと凄いぜ)」

魅「(タマ太が変なこと言ったような気がする……)では次です。『ミケナイトがあまり魔法少女に見えません』うん。見えないね」
ハ「えっ魔法少女なの?」
魅「この場合の『魔法少女』ってのは普通の意味とはちょっと違って、『魔人であるマスコットの能力を受けて擬似的に魔人同等の力を得た少女』という定義なんです」
タ「ニャン!(つまり俺様のチカラってことさ!)」
ハ「なるほど」
魅「ミケナイトが戦えるのはタマ太のお陰なんです」
タ「ニャー(要するにこうだ……『ご褒美におっぱい揉み放題』)」

魅「さて、ひとまず本日はこの辺で。また質問が来たらやりますよー」
ハ「また俺も?」
タ「ニャーン!(おっぱい!)」

35冥王星:2014/07/04(金) 22:56:54
晩田院巫弥
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44497430

応援感想
>>25
ホイサッサ―ズの宿敵は強かったですね。卒羽ちゃんは本当に触手が好きだなぁw
そして老師、誰かと思ったら後藤うささんだった!久しぶり!

>>34
ファッキュー形式だ! バレてないつもりのみゅーちゃんカワイイ! なかったことにしたww タマ太はホントエロ猫だなぁww 次回もあるのかしら……楽しみにしてますね!

36ミケナイト:2014/07/05(土) 13:23:06
【魅羽とタマ太の大冒険!】

第1話『VS水星&柊先輩』

魅羽とタマ太はとっても仲良し。
いつも一緒にお散歩するの。

「今夜は星が綺麗だから、丘に登って夜空を見ようね」
「ニャーン!(おっぱいもみたい!)」

魅羽とタマ太が丘の上に行くと、柊先輩と水星ちゃんが先に天体観測していました。

「こんばんは。私、馬術部のミウです」
「ニャーン(ちっ先客がいたか……)」
「こっちは三毛猫のタマ太」
「ニャーン(人気の無いところでミウに色々する計画が台無しだぜ)」

だけど、おやおや? なんだか様子がおかしいです。
なにやら柊先輩、ちょっと寂しそう。

「どうしたの?」
「ニャーン?(背の高い方……ふわっとした服で分かりにくいが……少なくともC……?)」
「うん。部員のみんなにも金曜の天体観測に来て欲しいな、って」
「天文部は、部長の人望が限定的なため部員不足なんです(私は先輩と二人だけでも構いませんけど)」
「うーん、それは難しい問題ですね(水星ちゃん今さらっと酷いこと言ったな……)」
「ニャー!(こっちの低い方は胸ぜんぜん無い……それもまた可愛いけど!)」

「そうだ、こんなところに豆乳があるわ」
「ニャーン」

魅羽とタマ太は豆乳を取り出すと、それを柊先輩と水星ちゃんにも渡してみんなで飲みました。
みんなで飲むと豆乳はいっそう美味しいです……何も解決しませんが!

「うーん、バナナみたいに上手くはいかないなぁ……あっ、こんなところにマタタビがあるわ!」
「ニャーン!(やったー!)」
魅羽とタマ太はマタタビの前に屈み込んで深呼吸。
マタタビラクトンを吸引して最高にハイな気分になりました!

「狩るにゃん! 狩るにゃん! 狩るにゃん!」
「ニャーン! ニャーン! ニャーン!(おっぱい! おっぱい! おっぱい!)」

完全にラリった魅羽達の様子を見て、水星ちゃん達もなんだか楽しい気分になってきました。
難しい言葉で言うと『プラシーボ効果』という奴です。

「星見よーぜ! 星見よーぜ! 星見よーぜ!」
「イルカ幼女! イルカ幼女! イルカ幼女!」

きらめく満天の星の下、みんな揃ってハイテンションで大騒ぎ!
楽しい時間が過ぎてゆきます。
水星ちゃんの発言がおかしいですが、最近見てるアニメの影響なので大丈夫です。

37ミケナイト:2014/07/05(土) 13:24:20
「コラーッ! お前たち何を騒いでるんだ!」

あんまり騒ぎすぎたので、巡回中の魔人警官に見つかってしまいました。
慌てて逃げようとしましたが、完全にラリってた魅羽とタマ太のせいで逃亡も失敗です。

「ん……君たち、天体観測をしてたのか?」
「はい。ペルセウス座流星群が見えるかと思いまして」
「ペルセウスにはまだ早いんじゃないかな?」
「え……お巡りさん、詳しいんですね」
「ああ、高校時代にちょっとね」

なんと、お巡りさんは希望崎の卒業生で、しかも天文部のOBだったのです。

「ハハハ、そっかぁ。部員不足かー。天文部はいつの時代もそんな感じだなぁ」

女の子だけで毎週金曜にここで観測してると聞いて、それはちょっと危険だと感じたお巡りさんは、巡回ルートにこの丘を入れることにしてくれました。
でも、お巡りさんからひとつだけお願いがありました。

「時々、僕にも望遠鏡を覗かせてくれないかな?」
「もちろん喜んで!」
「先輩が良ければ……」

天文部の部員は増えませんでしたが、金曜の天体観測に意外な仲間が加わりました。
マタタビ酔いから覚めた魅羽達は、お説教を喰らう前に猫足さし足でその場を離れました。
普段は真面目で規範意識の強い魅羽ですが、マタタビだけは別なのです。
そういう乙女心は、ちゃんとわかって欲しい。
ともかく、今夜のお散歩は大成功と言っていいでしょう!

「今日もいい事したね!」
「ニャーン(イイ事はしそこなったけどな)」
「明日もお散歩しようね!」
「ニャーン!(明日こそもみたい!)」
「明日はどこに行こうかなぁ」

めでたしめでたし。

38しづね:2014/07/05(土) 13:52:15
pic.twitter.com/xjfGn9NLHi
マリオネッテ・ドールドール・パペテリアさん!

39のし:2014/07/05(土) 18:20:57
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44515687
水無月劫穉

今回、このキャラは他のキャラと絡むことができるのでしょうか……。

40多味倫太郎:2014/07/05(土) 20:34:58
「な・ん・だ……これはアアーーーーーーー!!」

多味倫太郎は手に持っていた物体を床に叩きつけた。
それはひらがな4文字のタイトルでお馴染みの、ある有名な漫画の単行本である。
アニメや映画にもなった、『日本で一番売れたティータイム漫画』だと聞いていたのだが……
とんだ期待はずれであった!

まるでティータイムの真実を描いていないっっ

ティータイムは魔窟だ! 血涙だ! 極限だ!
それは地獄だ! それは天国だ! 水面下の白鳥だ!

ティータイムは……人生だ!
それが溶け出したものが!
『紅茶』だ!!!

倫太郎が振り返ると、この漫画を部室に持ち込んだ後輩女子2名はびくりと震えて即座にきおつけの姿

勢を取った。
ティータイム競技は男女混合で行われる。無論、部員としての秩序に男女の別は無い。
倫太郎は荒げていた呼吸を落ち着けると、後輩たちに視線を向けた。

「駄目だな。許そうかとも思ったが、これは我々の部室には相応しくない。俺が預からせてもらう」
「すっ……スミマセン!!」
「わかったらすぐに練習の用意だ。時間が惜しい。ランニング始め!」

一喝された後輩女子たちは機敏な動きで背を向けると、ぴたりと動きを揃えて走り去った。
目を伏せて頷きながら主将・倫太郎はそれを見送る。彼の目指すチームにはまだ遠い。

そもそもティータイム部のこの理想的な部室には、漫画の入る余地はない。
白を基調としたテーブルが複数、間には適度に植えられた緑が洗練された雰囲気を生み出し、
壁に掲げられた「一注入魂」の掛け軸や旧日本海軍の戦艦「金剛」の白黒写真、
そして紅茶界の生ける伝説「不動大尊」の肖像画は茶会への集中力を呼び覚ます。

几帳面に整頓された食器棚には清潔な純白の皿やカップが並ぶが、これらは訓練用であり一つ5キロ程

度の重量がある。
文化部とは思えないほど肉体を酷使するのもティータイム部の特徴である。しかし部員の大半は女子な

のだ。

もともと女性中心の競技であるという歴史はあるが、こと希望崎のティータイム部は女子率が高い。
それは正直、主将のルックスによるところが大きかった。最近の1年生の入部のきっかけの大半はそれ

である。
今では倫太郎に感化され紅茶競技への情熱をそれなりに燃やす彼女らも、しかし主将に怒られるのはち

ょっと嬉しいのであった。
その下心がバレたら、また怒られる気がするけれど。

何しろ主将の多味倫太郎センパイは。
女性のようにスラリとした体型で、
女性のように艶やか(つややか)な美肌を持ち、
女性のように艶やか(あでやか)な所作で紅茶を注ぐ。
まるで憧れの美女のようなイケメンの男子なのだ!!

あと、女性のように月に一回は体調を崩して体育を休む。
そんな弱い一面も彼女らにはまた、魅力的に映るのであった。

ティータイムのために必要な基礎体力をつけるべくランニングする後輩女子ら。
その前を、彼女等を追い抜いた倫太郎が走る。ショートカットのうなじから汗を飛ばしつつ。
それは厳しい部活の中の、ひとときの癒しであった――。



その晩。
多味倫太郎の自宅、彼の自室。
倫太郎――いや、多味倫は一糸まとわぬ姿でその書物を読み耽っていた。
『彼女』が、唯一本来の自分に戻る時間。その時、倫は己の能力の呪縛からも解放されるのだ。

目の前の紙面で繰り広げられるのは、全く中身の無い、彼女の蔑視するティータイム。
しかし、その光景は、その景色は、
「美しい――!」

溜息とともに思わず本音を漏らした倫は、全裸でその漫画を抱きしめた。
そしてあるページに顔を近づけると……黒髪ツインテールのキャラクターに、舌を這わせた。
「aznyn prpr……!!」
くぐもった何らかの音声がその唇から漏れ聞こえる。

部活では鬼の先輩。しかし家に帰れば。
多味倫太郎は、まさしく年頃の少年であり!!
多味倫は、まさしくそういう趣味の、ひとりの少女なのであった。

41多味倫太郎:2014/07/05(土) 20:40:46
すみません、>>40ですがメモ帳から直で貼ったら改行が崩れたので再投稿します。


「な・ん・だ……これはアアーーーーーーー!!」

多味倫太郎は手に持っていた物体を床に叩きつけた。
それはひらがな4文字のタイトルでお馴染みの、ある有名な漫画の単行本である。
アニメや映画にもなった、『日本で一番売れたティータイム漫画』だと聞いていたのだが……
とんだ期待はずれであった!

まるでティータイムの真実を描いていないっっ

ティータイムは魔窟だ! 血涙だ! 極限だ!
それは地獄だ! それは天国だ! 水面下の白鳥だ!

ティータイムは……人生だ!
それが溶け出したものが!
『紅茶』だ!!!

倫太郎が振り返ると、この漫画を部室に持ち込んだ後輩女子2名はびくりと震えて即座にきおつけの姿勢を取った。
ティータイム競技は男女混合で行われる。無論、部員としての秩序に男女の別は無い。
倫太郎は荒げていた呼吸を落ち着けると、後輩たちに視線を向けた。

「駄目だな。許そうかとも思ったが、これは我々の部室には相応しくない。俺が預からせてもらう」
「すっ……スミマセン!!」
「わかったらすぐに練習の用意だ。時間が惜しい。ランニング始め!」

一喝された後輩女子たちは機敏な動きで背を向けると、ぴたりと動きを揃えて走り去った。
目を伏せて頷きながら主将・倫太郎はそれを見送る。彼の目指すチームにはまだ遠い。

そもそもティータイム部のこの理想的な部室には、漫画の入る余地はない。
白を基調としたテーブルが複数、間には適度に植えられた緑が洗練された雰囲気を生み出し、
壁に掲げられた「一注入魂」の掛け軸や旧日本海軍の戦艦「金剛」の白黒写真、
そして紅茶界の生ける伝説「不動大尊」の肖像画は茶会への集中力を呼び覚ます。

几帳面に整頓された食器棚には清潔な純白の皿やカップが並ぶが、これらは訓練用であり一つ5キロ程度の重量がある。
文化部とは思えないほど肉体を酷使するのもティータイム部の特徴である。しかし部員の大半は女子なのだ。

もともと女性中心の競技であるという歴史はあるが、こと希望崎のティータイム部は女子率が高い。
それは正直、主将のルックスによるところが大きかった。最近の1年生の入部のきっかけの大半はそれである。
今では倫太郎に感化され紅茶競技への情熱をそれなりに燃やす彼女らも、しかし主将に怒られるのはちょっと嬉しいのであった。
その下心がバレたら、また怒られる気がするけれど。

何しろ主将の多味倫太郎センパイは。
女性のようにスラリとした体型で、
女性のように艶やか(つややか)な美肌を持ち、
女性のように艶やか(あでやか)な所作で紅茶を注ぐ。
まるで憧れの美女のようなイケメンの男子なのだ!!

あと、女性のように月に一回は体調を崩して体育を休む。
そんな弱い一面も彼女らにはまた、魅力的に映るのであった。

ティータイムのために必要な基礎体力をつけるべくランニングする後輩女子ら。
その前を、彼女等を追い抜いた倫太郎が走る。ショートカットのうなじから汗を飛ばしつつ。
それは厳しい部活の中の、ひとときの癒しであった――。



その晩。
多味倫太郎の自宅、彼の自室。
倫太郎――いや、多味倫は一糸まとわぬ姿でその書物を読み耽っていた。
『彼女』が、唯一本来の自分に戻る時間。その時、倫は己の能力の呪縛からも解放されるのだ。

目の前の紙面で繰り広げられるのは、全く中身の無い、彼女の蔑視するティータイム。
しかし、その光景は、その景色は、
「美しい――!」

溜息とともに思わず本音を漏らした倫は、全裸でその漫画を抱きしめた。
そしてあるページに顔を近づけると……黒髪ツインテールのキャラクターに、舌を這わせた。
「aznyn prpr……!!」
くぐもった何らかの音声がその唇から漏れ聞こえる。

部活では鬼の先輩。しかし家に帰れば。
多味倫太郎は、まさしく年頃の少年であり!!
多味倫は、まさしくそういう趣味の、ひとりの少女なのであった。

42ぽぽ:2014/07/05(土) 22:34:02
光画 煙巻
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44521706

43ぽぽ:2014/07/05(土) 23:19:20
野球神
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44523179

44サンライト=100しっこ:2014/07/06(日) 04:12:12
雨竜院暈哉プロローグSS
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4011868

45ぽぽ:2014/07/06(日) 11:19:39
キビト・ケン
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44533235

46ぽぽ:2014/07/06(日) 17:49:14

tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44540341

47しづね:2014/07/06(日) 17:55:03
晩田院 巫弥さん!
pic.twitter.com/VcVpD9VbzG

48サンライト=100しっこ:2014/07/06(日) 19:48:43
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44543105
雨竜院暈哉

49不祝誕生日:2014/07/06(日) 20:29:55
ビンセント・タークハイツ SS

『とある報道部員の手記より抜粋 その1』

----希望崎学園 エクストリームチェスボクシング部 バンタム級GM(グランドマスター)語る

 ああ、あんた確か報道部の……どうした?防衛戦はまだ先だし、インタビューされるような話題はなかったはずだが……
 あ?俺の記事じゃない。鬼雄戯大会?
 ああ、俺は参加しねえが、どうにも白熱してるらしいな。
 いや、だって俺は参加する理由はねえだろ。こちとらECB(筆者注:エクストリームチェスボクシングの略)のグランドマスターだぞ?
 学園外にだって立場があるし、部活なんか無くなったってECBは続けられる。メリットがねえ。
 第一、ECBはチェスとボクシングを同時に行う知略と戦略のスポーツだ。チェス盤を崩さないようにする立ちまわり。 敵の攻撃をかいくぐりなら持ち時間が切れる前に次の手を打つ技術。ダウンで途切れた意識を一瞬でつないで、チェスの手を考える回復力。
 必要な技術は山ほどある。それを全部鍛えてったら、そりゃ単純なスデゴロじゃあ他の格闘系部活には劣るさ……いくら早くチェックメイトしたって、鬼雄戯大会じゃ勝てねえからな。
 で、その鬼雄戯大会が俺となんの……
 参加選手について話を聞きたい?誰だよ。
 …………………おい、その話。どこで聞いた?
 ちっ、守秘義務かよ。クソが…………いいぜ、分かった。話してやる。
 ただし、だ。
 一つ、俺から話を聞いたってことは記事に書くな。誰にも喋るな。お前らのお好きな守秘義務ってやつだ。
 もう一つ、次の防衛戦の記事は一面で載せてもらうぞ。
 ああ?これぐらい安いもんだろうよ。
 この俺が素人にノックアウトされた話をしてやるんだからな。

------

 あれは試合前日のオフでな、家で棋譜を並べてたんだ。
 で、次の対戦相手の棋譜が一枚、どうしても見つからない。
 一枚ぐらいいいだろって?あのなあ、ベルトの掛かった試合だぞ?そんなこと言ってられるわけねえだろうが。
 研究が足りなくて初見の手でも打たれてみろ。チェスの方に長考し過ぎたら相手のパンチでお陀仏。かと言って適当にチェスをうったらパンチをさばかれてる間にチェックメイトされて負け、だ。
 未見の手ってのはECBで何よりも注意しなくちゃいけねえんだ、だから相手の情報は一つでも逃せない。
 ……だからなあ、密林(筆者注:大手インターネット通販サイトの略称)で取り寄せを頼んだのさ。
 ああ、ああ知ってるよ。
 希望崎へのお届けは悪名だかいあいつらが担ってるってのは俺も知ってた。
 だけどな、所詮宅急便だぞ?いくらおかしな技や能力を使うからって、流通業者なんだぞ?
 どんな手段を使われようと、この俺が、バンタム級GMが遅れるとは思わなかったんだよ!

 注文をしてから30分ぐらいだったかな。家のインターホンが鳴った。
 ああ、規定の関係であいつらが名乗らないのは知ってるからな。鳴らされた瞬間ドアに向かって走ったさ。
 下手な方法で逃げようとするなら捕まえてやる、抵抗するならフックの一発でも叩き込みゃおとなしくなるだろう。そう考えてたんだ。
 リビングからドアまで3秒もかからなかった。鍵はかけてない。左手でドアノブを回しながら、挨拶がわりに一発食らわせてやろう。そう思って拳を固めた。
 で、俺は仰向けになって玄関に倒れてた。
 棋譜はなかった。不在票とステッカーが一枚残されてただけだ。
 ……ああ?しかたねえだろ!本当にそれしか覚えてねえんだよ!
 あのなあ、いいか、教えてやる。エクストリームチェスボクシングで一番重要なのはなんだかわかるか?
 ダウンした時、いいパンチをもらった時、一番恐れなくちゃならねえのは盤面の状況を飛ばさねえことだ。
 パンチで頭が真っ白になってるうちに、どっちの手番だか忘れる。秒読みは続いてる。相手が打つ気配はない。だから自分のコマを動かす。2手続けて差したことで反則負け。
 エクストリームチェスボクシングの素人が一番よくやる負け方だ。
 だからこそ、ECBプレイヤーはダウンする寸前の記憶を焼き付ける技術に長けてる。今の状況を忘れないってのは、ECBにおいて初歩の初歩の技術なんだ。
 
 その上で、俺は何も覚えてねえんだ

 どんな奴が相手だったかも、どんな攻撃をくらったのかも覚えてねえ。ドアノブに手をかけた次の瞬間には仰向けに倒れてた。
 だから、俺が奴について答えられるのはこれだけだよ。
 あ?何、不在票と一緒に残されてたステッカー?
 大したもんじゃねえよ。顎にはられてたのさ『割れ物注意』ってな。
 人のことを『ガラスの顎』呼ばわりしやがったんだよ、運送屋ふぜいが。
 KOされた手前、反論は出来ねえけどな

50不祝誕生日:2014/07/06(日) 21:02:06
ビンセント・タークハイツ SS

『とある報道部員の手記より抜粋 その2』

----希望崎学園 宅急部 部長 “アンラッキーキャット”佐川ヤマト 語る

 これはこれは、ようこそ、我が宅急部へ。
 他の部活と違って競技会などもない目立たぬ部活ですが、それでもよければ、ええ、インタビューぐらいお安い御用です。
 まあ、お客様の個人情報や社外秘資料など、答えられないものもあるのはご了承いただきますがね。
 本日は鬼雄戯大会にエントリーしているうちの部員について、と聞きましたが……
 彼の不在票術について、ですか?
 いやあ、困りましたね。確かに、そういうものがあるという噂が流れていることについては私共も把握しております。
 ですが、我々はあくまで流通を担うもの。
 運送の効率化のため不在のお宅を後回しにさせてもらうことはありますが、それを好き好んで不在票を投函しているように言われるというのは心外ですね。
 
 ………

 ええ、全く。そのような事実は、ええ。
 いえ、名前を出さないから、とかそういう問題ではなくて、ですね。
 いやその、だから…… 
 ……はぁ、あなたもしつこいですねえ。何度言われても変わりませんよ
 一度、日を改めた方がよろしいのでは?
 私の勘ですが……きっと、あなたのお宅の郵便受け。10通ぐらい不在票がたまってますよ?
 一度取りに戻られた方が………

 っ!!
 
 ほう……どのような手品を使ったのか。一通分とはいえ、私の不在票術を止めるとは
 いいでしょう、分かりました。不在票を持って来られたのなら、品物を渡すのが我々の使命。
 一通分だけ、あなたの質問に答えましょう。
 ただし、私の名前は出さないでくださいよ。
 どれだけ噂がたっていようと、部長自ら不在票に関する噂を肯定するわけには行きませんからね

----

 実のところ、不在票術というのは体系だった技術ではありません。
 宅急部員の能力は千差万別。
 統一した技術体系を作る、という方が無理があります。
 宅急部のルールにのっとり不在票を投函するために磨いた技術や特殊能力の使用法、それらの総称が『不在票術』というわけです。
 例えば?そうですね……いろいろありますよ。
 高速系や幻術系は比較的破りやすい方ですね。代わりに負担が少ないのでたくさんの件数を回るのに向いていますが。
 現実改変系や概念系は燃費が悪い代わりに、不在票対策をしている相手にも効きやすいというメリットがあります。
 私ですか?ふふふ、さすがにそれは不在票一通じゃあ教えられませんね。
 そして--ビンセント、彼の不在票術は物理系。
 もっとも破りやすく、もっとも消費の少ないスタンダードな不在票術ですね。
 件数が回りやすいので不在票投函率は高いですが……大物は狙いづらい、そういうタイプです。
 まあ、物理系なんて格好つけてはいますが、やっていることは簡単ですよ。
 届け先がこちらに気づく前に殴り倒して意識を絶つ。それだけです。
 ……ああ、ECB部の。彼がなんと?
 ふむ、ふむ、認識も出来ずに意識を失った。と。
 いえ、だからそれぐらいは当然ですよ。認識されたら不在扱いできませんから。
 ビンセントはただ殴っただけです。ええ。
 ドア越しに、相手の体格も姿勢も実力もわからない状況から、一撃で意識を奪うことのできる急所を狙って、殴った。それだけです。

 我々が彼をエントリーさせた理由、ご理解いただけましたか?

 ええ、それは良かった。
 では、今後共希望崎学園宅急部を、どうぞご贔屓に。

51アギト:2014/07/06(日) 22:20:57
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44547532
『アサシン部』レオナ

52薬袋 品:2014/07/07(月) 03:17:56
薬袋品プロローグSS『あなたを知りたいと彼女は言った』
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4016746

53ミケナイト:2014/07/07(月) 19:00:31
もぎせん! tp://t.co/9t5vVQgwHk

54ミケナイト:2014/07/07(月) 20:26:57
【魅羽とタマ太の大冒険!】

第2話『VS野球帽』

魅羽とタマ太はとっても仲良し。
いつも一緒にお散歩するの。

「今日は文化部の部室棟エリアを歩いてみよう」
「ニャーン!(おっぱいは文化!)」

魅羽とタマ太が部室棟の辺りを歩いていると、野球帽を目深に被った小柄な少年(?)に出会いました。

「こんばんは。私、馬術部のミウです」
「ニャーン(む、こいつは……)」
「こっちは三毛猫のタマ太」
「ニャーン(感じる……微かなおっぱいの気配を……)」
「やあ。俺はオカルト研究会の鬼雄戯大会代表だ。訳あって名は明かせない……『野球帽』と呼んでくれ」

だけど、おやおや? なんだか様子がおかしいです。
野球帽さんは部室棟エリアをウロウロするだけで、一向に部室に入っていく様子を見せません。
それもそのはず、オカルト研究会には部室などないのです。

「なるほど、それは困りましたね」
「ニャー……!!(サラシで押さえつけてるわけではない……つまり……貧乳!!)」
「あっ、こんなところに豆乳があるわ!」

魅羽とタマ太は豆乳を取り出すと、それを野球帽さんにも渡して部室棟そばのベンチに腰掛けてみんなで飲みました。
みんなで飲むと豆乳はいっそう美味しいです……何も解決しませんが!

「ごちそうさま。うまかったよ。だが……大会で当たっても手加減はしないぜ!」
野球帽は、赤い唇から歯を覗かせて笑った。

「いえ、私は参加選手じゃないので……」

「へえ?」
心底意外そうに野球帽は言った。
「それじゃあ……腰にぶら下げてる剣は飾りってことか?」

「なんですって!」
魅羽は三色の髪の毛が逆立つかのような剣幕で憤りを顕わにした。
「まだ正騎士の叙勲は受けていない身ですが、そのような侮辱は聞き捨てなりません!」

「おっと悪い。別に侮辱するつもりじゃなかったんだ。戦うためじゃなくてファッションで剣を持ち、安全地帯から仲間の勝利を祈る。そんな騎士道があっても別に俺は否定しねぇよ」

「うーっ! これは正義をなすための剣です!」

「はっ、口先だけの騎士道もアリだと思うぜ?」
野球帽に悪意はない。単に思ったことを率直に言ってるだけだ。
だが、魅羽は激怒した。

「許さない!」

「じゃあ、そいつが飾りじゃないって証拠を見せてみな!」

55ミケナイト:2014/07/07(月) 22:53:41
ついに魅羽は、腰のブロードソードをじゃらりと抜きはなった。
高校生としては小柄な魅羽が構えると、その剣はいかにも無骨で大きかった。
臙脂色の希望崎ジャージの上に羽織りしは、栄えある馬術部の青いサーコート。

五メートルほど離れて対峙する野球帽は、魅羽よりも更に小さく、小学生かと見紛わんばかり。
だが、剣術を学びはじめて日の浅い魅羽は気づくべくもないが、その周囲に纏う空気は武術の達人のそれであった。
身に付けたるは此方もジャージ。改めて見てみると希望崎ジャージではない……部外者であろうか。

「ニャオーッ……!(やめろミウ! お前のかなう相手じゃないっ!)」
タマ太が制止する言葉は魅羽に届かない。
クラックの目立つモルタル塗りの地面を蹴り、魅羽が踏み込んだ!

「っりゃあーっ!」
突進力を乗せた水平大振りのチャージング斬撃!
本来なら騎馬突撃を合わせて更に威力を増すのだが、ブロードソードの質量だけでも相当の破壊力だ!
粗雑な軌道の攻撃だが……野球帽は避けない!
ミシィッ! 野球帽の脇腹に大剣が食い込む!
しかし、不敵に歪む野球帽の赤い唇!

「砕月――」
野球帽の右手が魅羽の喉輪を捉える!
それは尋常ならぬ膂力のなせる業か、技巧によるものか、はたまたその両方か。
魅羽の身体がまるで質量が無いかのように、ふわりと宙に浮いた!

「――無明!」
魅羽の身体が、なされるまま空中で半回転する。
いったい何が起きているのか、本人は理解していないことだろう。
そして野球帽は、魅羽の後頭部をモルタルの大地に優しく叩き付けた。
魅羽が認識したのは一瞬の閃光と、その後に続く無明の闇。

「力も技もからきしだが――気持ちのこもった良い剣だったぜ」
既に意識のない魅羽に、野球帽が語りかけた。

「フーッ! フウーッ!(これ以上ミウに何かしてみろ! 俺が許さないぞ!)」
倒れた魅羽と野球帽の間に、タマ太が割って入り威嚇する。

「おお怖い。心配いらねぇよ、じき目を覚ますさ」
そして野球帽は、不敵な笑みを赤い唇に浮かべながら立ち去った。
「そいつが起きたら伝えてくれるか? また一緒に豆乳を飲もうってな」

第3話に、つづく。

56ぽぽ:2014/07/08(火) 00:44:38
埴井鋸
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44576164

57ミケナイト:2014/07/08(火) 07:55:40
《四丁トカレフ触手拳・ヴァーサス・鬼無瀬時限流小太刀三十六刀》
tp://homarine.s1.adexd.net/dng/dorimi01.txt

こちらに書き込む順番は前後してしまいましたが、位置付けとしては夢見花卒羽のプロローグです。

58ミケナイト:2014/07/08(火) 08:19:13
【魅羽とタマ太の大冒険!】

第3話『VS魔法のスコップ』

魅羽とタマ太はとっても仲良し。
いつも一緒にお散歩する……はずでしたが。

「ごめんタマ太、やっぱり今日は馬術部でもう少し特訓しようと思うの」
「ニャー(しかたない、付き合うぜ)」

馬舎の前の広場が、馬術部の練習場です。
ウー、ワンワン! 魅羽の姿を見て馬達が吠えますが、魅羽は気にしません。
今はまだ嫌われてるけど、きっといつか仲良くなれると信じてるからです。
それよりも今は、剣術稽古。
強く――なりたい! あの野球帽の人と、ちゃんと戦えるぐらいに!

魅羽は、もうすっかり鬼雄戯大会に参加する気になっていました。
馬術部の先輩達は止めるだろうから、こっそりと自分でエントリーするつもりです。
ぶんっ! ぶうんっ! 気迫のこもった剣が振るわれます。
しかし、その太刀筋はいかにも拙いものでした。

「ニャア」
見かねたタマ太が、言いました。
「ニャーオ!」
そして、馬術部広場を離れて歩いていきます。
少し離れたところで立ち止まり、振り向きます。
どうやら魅羽に付いて来いと言ってるみたいです。

「どうしたのタマ太? やっぱりお散歩?」
「ニャア!」

魅羽には猫の言葉はわかりませんが、タマ太の様子があまりにも真剣なので、特訓は一休みして後に付いてくことにしました。

タマ太はずんずん進んでいきます。
希望崎の森の奥深く、まだ誰も足を踏み入れたことがないのではと思うぐらい奥深く。
藪の中の獣道をずんずん進んでゆくタマ太。
魅羽は藪をかきわけかきわけ、やっとの思いでついて行きます。

やがて、タマ太と魅羽は小さな洞窟の前に辿り着きました。
ここは誰も知らない、タマ太の秘密の隠れ家です。

「ニャー」
タマ太は魅羽にそう告げると、ひとりで洞窟に入っていきました。
人間が入れるサイズの穴ではないので、魅羽は中をのぞき込みがら待ちます。

やがて、洞窟の奥から何かを引きずるような音が聞こえてきました。
ズルリ。ズルリ。
音は、だんだん近づいてきます。
ズルリ。ズルリ。

洞窟の中から現れたタマ太は、古びたスコップをくわえて引きずっていました。
見るからに古いスコップですが、不思議なことに錆ひとつ浮いてなくて綺麗な状態です。
なぜならばこれは、魔法のスコップだからです。

59ミケナイト:2014/07/08(火) 18:45:05
「ニャーン」
タマ太が魅羽を促します。
よく状況が掴めぬまま魅羽はスコップを手に取りました。

「……あっ!」
スコップを触った瞬間、ばちりと静電気に打たれたような衝撃が走りました。
中に溜まっていた魔法エネルギーが、一気に魅羽に流れ込んできたのです。
練習と藪歩きの疲れが、一瞬で吹っ飛びました。
さらに、身体の中からも不思議な力がぐんぐん沸いてくるのがわかります。
魅羽の中に秘められていた魔法少女としての素質が、マジックアイテムに呼応して活性化しているのです。

魅羽は魔法のスコップを高く掲げ、マジカルワードを唱えました。
「狩るにゃん……イクイップメント!!」
スコップからまばゆい光が放たれます!

光の中、何かの気配を感じて魅羽が上を見上げると、そこにはいつの間にか騎士兜が浮かんでいました。
すぽん! 落ちてきた騎士兜が、魅羽の頭にイクイップメント!
サイズはぴったりです。
にょきにょきっ! 兜から光の猫耳がはえます。
ぱきん! 光が弾け、猫耳は兜本体と同じミスリル銀色となって一体化!

おしりにムズムズした感触を覚えて見てみると、青いサーコートを突き抜けて光の尻尾がにゅーっとはえてきました。
ぱきん! 尻尾が伸びきると光が弾け、魅羽の髪と同じ三毛猫カラーに!

最後はスコップです。
魅羽は手にしたスコップを2回転バトントワルしてから、もう一度高く掲げました。
ぎゅうんっ! 魅羽の魂のカタチに呼応して、魔法のスコップが巨大化!
それはスコップと呼ぶにはあまりにも以下略!
魅羽の魔法少女持物『斬馬大円匙』の完成です!

「な……な……なにこれ!? タマ太これどうなってるの!?」
事態が飲み込めず、魅羽はタマ太に問い掛けます。

「ニャー。ニャウニャニャーオ、ニャニャン。ニャーニャニャーウ、ニャオン」
タマ太が詳しく説明します。
たった今、魅羽は魔法少女となったのです。

「うん。なるほどわかんないや」
残念ながら魅羽は動物語がわかるタイプの魔法少女じゃなかったので、さっぱりわかりませんでした。
でも、全身にみなぎる力を感じます……これなら勝てる!
猫耳の騎士・ミケナイトの誕生です!

めでたしめでたし。

60ミケナイト:2014/07/09(水) 08:54:23
【魅羽とタマ太の大冒険!】

第4話『VS月見輝海』

魅羽とタマ太はとっても仲良し。
いつも一緒にお散歩するの。

「今夜はクラスメートの輝海ちゃんが入った競技ダンス部を見学に行ってみよう」
「ニャーン!(年頃の男女が密着! なんてけしくりからん競技だ!)」

でも、魅羽とタマ太がダンス室に行くと、競技ダンス部の練習はもう終わってて月見輝海ちゃんだけしかいませんでした。

「こんにちは、輝海ちゃん。今日はもうみんな帰っちゃった?」
「ニャーン(あっまた貧乳っ子だ)」
「あ、こっちは三毛猫のタマ太」
「ニャーン……!(だが俺にはわかる……この子のおっぱいは成長の可能性がある……FSの伸びに期待……!)」

だけど、おやおや? なんだか様子がおかしいです。
なにやら、輝海ちゃんは少し落ち込んでるみたい。

「どうしたの?」
「ニャー(もし貧乳のままでも可愛いから心配しなくていいぜ)」
「うん……部活のみんなに言われちゃったんだ。私のダンスはなんか質実剛健だって」
「それは褒め言葉じゃないの?」
「多分みんなはそのつもりなんだろうけど……」

どうやら輝海ちゃんの悩みは魅羽にはイマイチ理解しづらい次元のようです。

「そうだ、こんな所に豆乳があるわ!」

魅羽とタマ太は豆乳を取り出すと、それを輝海ちゃんにも渡してみんなで飲みました。
運動後の植物性蛋白質摂取は筋力増強に効果抜群です……輝海ちゃんの悩みは解決しませんが!

「うーん、なかなか上手くいかないなぁ……あっこんな所にマタタビがあるわ!」
「ニャーン!(やったーマタタビだー!)」

魅羽は懐から携帯マタタビ吸引キットを取り出し、タマ太と一緒に軽く吸いました。

「ふーっ、落ち着くなぁ」
「ニャー(なんだか、おっぱいがもみたくなってきたなぁ)」
「輝海ちゃんも少しどうぞ」
「えっマタタビなんて貰っても……あれ、いい匂い!」

61ミケナイト:2014/07/09(水) 08:55:38
なんと、魔法少女に覚醒した魅羽のレイノルズ数操作能力によって、マタタビラクトンの受容性が高まり普通の人にも効くようになったのです!
魅羽とタマ太と輝海ちゃんはマタタビ酔いでいい気分!

「狩るにゃん! 狩るにゃん! 狩るにゃん!」
「ニャーン! ニャーン! ニャーン!(おっぱい! おっぱい! おっぱい!)」
「男子と密着! 男子と密着! 男子と密着!」

どさくさにまぎれて、タマ太は輝海ちゃんの胸に飛び込んでゴロゴロと喉を鳴らします。
輝海はタマ太の背中を撫でながら言いました。

「うふふ、猫ちゃん。一緒に踊りましょうか?」
「ニャ?(えっ?)」

タマ太が返事をするいとまもあらばこそ、輝海ちゃんはタマ太を抱えて立ち上がりました。
窓から差し込む月明かりに照らされたダンス室の中、輝海ちゃんが優雅にくるくると舞い踊ります。
マタタビ酔いで程よく肩の力が抜け『男子と密着したい』という想いが溢れ出した輝海ちゃんのダンスは、魅羽が見ても惚れ惚れするほど艶っぽく、華麗でした。
たっぷり密着できてタマ太もゴキゲンです。

「ありがとう魅羽ちゃん! 私、何か掴めた気がする!」
「ううん、私は何もしてないよ。輝海ちゃんが自分で掴んだんだよ」

魅羽の言うことは本当にその通りで、魅羽はラリってただけで何もしていません。
ともかく、今夜のお散歩も大成功と言っていいでしょう!

「今日もいい事したね!」
「ニャーン!(した! 良かった! 密着!)」
「明日もお散歩しようね!」
「ニャー……(輝海ちゃんが成長したらまたダンスしたいな……)」
「明日はどこに行こうかなぁ」
めでたしめでたし。

62ぽぽ:2014/07/09(水) 21:27:45
パントマイムよしお様
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44607496

63ネーター:2014/07/09(水) 21:52:22
ミケナイト
tps://pbs.twimg.com/media/BsGoGe8CAAI_FWM.png

64ぽぽ:2014/07/09(水) 21:57:48
生徒会役員共
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44608105

65ぺんさん:2014/07/10(木) 00:09:21
tp://twitpic.com/e7upe8

アッシーナ

66ぽぽ:2014/07/10(木) 00:43:08
モジ君その3
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44613310

67薬袋 品:2014/07/10(木) 01:39:15
前に作ったの一応投稿しておこう。
既存のあれからなので特に採点とかは必要ないです。

薬袋 品
tp://image2.atgames.jp/selfy.swf?&accef=1034671&hair=10442895&face=10639663&acceh=10560773&coat=10339566&top=10576485&shoe=10344951&bgFlg=1

68ぺんさん:2014/07/10(木) 02:35:25
tp://p.twipple.jp/5DrQW
真野雷人

69のし:2014/07/10(木) 03:07:10
水無月劫穉SS
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4029523
プロローグでーす

70しらなみ:2014/07/10(木) 05:05:04
ホ―リーランドクラブSS『英子と四囲美の人間革命R』OP

◆◆

「うわわわわわわわわーーん、四囲美どーーーしよーーーーー」

そのぶっちゃけありえない事態に、部室に戻ると同時に私こと林葉・英子は
ひしーと心の友の四囲美に抱きついた。よしよしと慰めをうけながらも、それで
この絶望的な事態が改善するわけでもなく。ただただその豊満な胸に蹲り、
泣きわめくしかなかった。ああ、一難さってまた一難。


◆◆

〜遡ること一時間前の生徒会執行部〜

「なんでうちの部が悪・即・廃部になるんですが!!!!!納得いきません!!」

ばああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん

私は生徒会室の応接用のテーブルに思いっきり両手を叩きつけると向かいの相手に
前ノメリ姿勢で向かい合い、一歩も引かないぞーと言う意志表示を示した。

応対に出てくれたのは生徒会役員の避所之・秘書子さん(特技:ひしょひしょ話)、
こちらが気が落ち着くまで待っていたのだろうか、暫くすると慣れた様子で徐に
資料をめくりながら話始めた。

「ハイハイ、フォークソング部所属の林葉・英子さんですね。」
「…あっ、ハイ。」
「フォークソング部。主な活動内容は各国の民謡や文化の研究。必要によっては
研究に付随した遺跡の探索等も行う。
在籍者2名。本年の実績・・・」

「特になし。」

「う。」
痛いとこ、さり気についてきた。秘書子さんは続ける。

「まず誤解があるようですが、フォークソング部は人数要件を元々満たしていません。
そして過去の実績はともかく現状は貴方の部は完全なポテチ部です。
部同士の抗争でとっくに潰れてても可笑しくないレベルなのですよ。それでも辛うじて平穏に
生き延びてこれたのは『フォークソング部にある像』に関して一切、アンタチャブルとすることと
いう申し送りが過去”部連”にあった故なんですよね。」

で、貴方はその像の管理をしていたわけですから、今どうような状況か把握していますね。
そう云われて私は半年前の記憶を巡らす、彼女のいっているのは『あの女王様』のことだろう。
先の黙示録に先立ち、荒ぶるのもじ像に降臨し、学園内で好き放題暴れまくった超傍迷惑なドS女王様の
ことだ。彼女は最終的に生徒会役員の夢売誘子に潜む Sの眷属 アビメルムの現象を打ち破った。
左手の[A・o・H]で悪夢を吸い上げ地に映した彼の影を常夜に返したのだ。これにより常世に潜む
潜在的世界の危機が一つ去ったらしい。
…何を言っているか判らないだろうけど私も受け売りなので正直何を言ってるか全く判らない。

「今、その像がなくなりました。あの像は先の黙示録に先立ち、自由意思を得て、学園内で好き放題
暴れまくったあげく最終的に番長側に加担、あろうことか…」

ここで端麗な秘書子さんのこめかみに青筋が浮かぶのが見えた。そうそう問題はその後ですね…

「その後、パントマイムで話しかけられたヨシオ様の高貴なるド頭に『キチンと喋らんか若造!あと
わらわは初めから像だ。ちゃい技など効かん』と飛び蹴り食らわして、どこぞに行方晦まし
やがってるわけですが、それらを踏まえても潰すなとおっしゃられるわけですね。」

ピーターン。次の瞬間、ほぼ反射的に猛烈な勢いで背を90度直角に曲げる自分が居た。

「その切は!うちの像が!大変な失礼!申しわけございませんしったっ!」

勢い余って机に今度は両手ではなく額を叩きつけることになったがそれどころではなかった。
廃部の件で頭に血が上ってすっかり失念していたが、あの人、あの後キッチリやらかしやがったんだった…
そういう意味ではここは完全な敵地である。
ぐさぐさぐさ。
なんだろう急に周囲の温度が下がって、何かがあちこちから殺意的なナニカが突きささってくる気が
してきたぞ周りからの視線が急に痛く感じるのは、うん、きっと気のせいだろう。
秘書子さんはため息をつく。

「まあ、ある意味申し送り通りのアンタチュブラーな有様でしたし、その件はヨシオ様の寛大にも
不問に処されたので、ホント個人としては色々思うところは有りますが、責任追及いたしません。
でもホントもうアレはね…。ええと、ハイ、じゃ話題戻しますよ。」

71しらなみ:2014/07/10(木) 05:07:14
そういいわたくし英子の手に渡される一枚の用紙。
「…へ、廃部決議の取り下げ申請?」

「そう廃部決議は取り下げ可能です。
今回、生徒会は部活動の規定に満たさない部の整理を決定いたしましたが、生徒会費ねん出の為の
陰謀だと吹聴する輩もいますが、何も全部が全部、廃部にしようとしているわけではありません。
”どうしても続けたいという熱意がある部”に関しては特例的に存続を認めるということになっているんです。」

…特例的に存続を認める?
わたくし英子の手がプルプルと震える。おおおおうう…これは…

「条件はプリントに書かれている通り、期間中に下記の生徒会特別役員メンバーの同意を得ること―以上です。」

「ぜ、全員からサインか印鑑もらえばそれだOKなんですか」

、、、、、、、、、、、
「ええ、条件はそれだけです」

カツ!!先ほどとは違った意味で全身の血が沸き立つのを感じた。
ヤッター!アリガトウございます!
そして私は小躍りしながら生徒会室から駆けだしていったのでした。第三部完。



◆◆

「ってなことがあったわけね。たしかにこれは…絶望的状況だわ。」
抱きつかれた四囲美は改めて英子が渡されたというプリント用紙を見やる。

『取り消し申請の有効期日は「鬼雄戯大会」開催期間終了まで、希望者は”大会に参加し”
下記特別役員の承諾を得ること』

”どうしても続けたいという熱意がある部”へ仕掛けられた魔のハードルがこれであった。
大会は情け無用のバトルロワイアル。そして遭遇即必殺の精神で徘徊する生徒会特別役員が、
出あった部活動参加者をどうするかなどとあえて語るまでもないことであった…
この文章は廃部が嫌なら特別役員と総当たりで対戦してこいという死刑宣告に等しかったのだ。

「ふえええええええええええええええん。先輩から預かった部がなくなっちゃうよ。」
「……まあ、勝ってこいと書かれてないとこだけは、まだ慈悲(?)があるわね。」

四囲美は涙でぐちゃぐちゃになった英子の顔をハンカチで拭いてやり、最後に鼻も噛んでやる。
「ちーん。」
「確かに私達だけじゃどうしようもなさそうな案件だわ。
どうする、英子?先輩に連絡取って見る?先輩にお願いすれば”何とかしてしまう”可能性あるわよ」

その四井美の問いに英子はふるふるふると首を振る。
それだけは絶対に出来ない。私が先輩から「後お願いね」といわれ預かったのだ、そして私は
「任せて下さい」と返したのだ。今更先輩の手を煩わせるなどありえない話だった。
それが「現場のルール」だってモラウさんも確か31巻あたりでいってた。

「まあ英子ならそういうわよね。じゃ、もう一人のほう頼って見る?」
「??」

首を捻った英子に四囲美は苦笑して続けた。その手には携帯。
「ある意味こっちのほうが当事者。妃芽薗に向かったはずだけど。私の弄ってもらった携帯なら確実に繋がるし。」
「あ。」


◆◆

数回の呼び出し音の後、魔法陣中央の置かれた携帯の上にずいんと女性の立体映像が浮かぶ。
そして、一通りの事情を聞いた女王様は射居丈高にこう断言した。

『た・わ・け。
、、、、、、、、、、、、、、、、
お前ら二人とも唯の人間じゃねーか、魔人相手できる戦力なんか端っからねーのに無茶するんじゃねー。
常識で考えろJK(じょしこうせー)』

ハイ、無理筋とは重々承知しておりますが、そこをなんとかお願いします、女王さま。 by四囲美
常識で考えろとか貴方に云われたくないですJK。by英子


=====QUEST発生================================

『生徒会特別役員どもと接触し、廃部回避のためのサインをGETせよ』

=======================QUEST発生===============

                          (『英子と四囲美の人間革命R』・つづく)

72ぺんさん:2014/07/10(木) 11:56:52
p.twpl.jp/show/orig/yVzyx
ヴェーダ君!

73ぺんさん:2014/07/10(木) 13:49:33
p.twpl.jp/show/orig/EUnX1
水星ちゃん!

74ネーター:2014/07/10(木) 17:39:44
晩田院 巫弥
tps://twitter.com/nater_gamer/status/487153933677117440/photo/1

75あやまだ:2014/07/10(木) 18:27:45
埴井葦菜プロローグSS前編
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4030980

76ミケナイト:2014/07/10(木) 19:43:59
【魅羽とタマ太の大冒険!】

第5話『VS水無月劫穉(みなづき・ごうじ)』

魅羽とタマ太はとっても仲良し。
いつも一緒にお散歩するの。

「水星ちゃんと決闘の約束しちゃったから、今夜は“B4”の下見をしておこう」
「ニャーン!(おっぱいも下もみたい!)」

魅羽とタマ太が渡り廊下その1に行くと、そこには水無月劫穉がいました。
彼は最近、希望崎学園にやって来たのですが、あまり他人と関わろうとしないのでイマイチどんな人なのかわからない存在です。
前から劫穉くんが何者なのか気になっていた魅羽は目をキラキラさせながら声を掛けました。

「こんばんは。私、馬術部のミウです」
「ニャーン(ちょ、やめとけコイツ凶暴だぞ)」
「こっちは三毛猫のタマ太」
「ニャーン……(なにより女の子じゃないし……)」

だけど、おやおや? なんだか様子がおかしいです。
なんだか劫穉くん、今にもブチ切れそう。

「どうしたの?」
「……殺されたいのか?」
「えええー!?」

想定外の応答に、魅羽は驚きました。
なんでこの人、いきなり敵対的なんだろう、戦闘開始!? ……いやいや、落ち着かなきゃ!

「あっ、こんな所に豆乳があるわ!」

魅羽はポーチから豆乳を取り出して、劫穉くんに手渡しました。
豆乳パックには、明るい太陽の下で鳥が舞う、希望に溢れた絵が描かれています。
劫穉はその絵が、明朗な魅羽の態度が、そしてこの世界のすべてが気に入りませんでした。
彼は、豆乳パックを握り潰しました。
ブッシャアーッ!
微かな褐色を帯びた白い豆乳が飛び散ります。なんという握力!

「死ね」

唖然としている魅羽に、劫穉は拳を固めて殴りかかります!
筋肉質の逞しい腕が魅羽に迫る!
先日までの魅羽だったら、一撃で頭蓋骨とその中身が大破して、その短い人生にピリオドが打たれていたかもしれません。
だけど今は違います!

「狩るにゃんイクイップメント!」
腰に下げていたスコップを抜きながらマジカルワードを唱えます!
スコップが劫穉の剛拳とかち合って打撃力を相殺すると共に放たれるまばゆい閃光!
光がおさまると、魅羽のいた場所には猫耳兜をかぶり特大スコップを持った謎の騎士・ミケナイトが立っていました。

77ミケナイト:2014/07/10(木) 19:45:27
ミケナイトは、斬馬大円匙を高く掲げて言いました。

「風紀委員長・蒲郡苛の名にかけて問います! 汝は学園の秩序を乱す者ですか?」

規範を尊び、警察官を志す魅羽は、馬術部員であると共に風紀委員でもあるのです。
理不尽な暴力は許せません!
そして今、魔法少女・ミケナイトとなった魅羽には正義を為すための力があるのです。

「秩序? ……興味ないな。俺はただ、お前の眼が気に入らない。――殺す!」
このように言ってはいますが、実のところ劫穉が本当に人を殺すことは稀です。
なぜなら、半殺しにした辺りで厭きてしまうから。

「ならば――風紀委員を執行します!」
狩るにゃん渦に揺れる尾をたなびかせ、ミケナイトが風のように踏み込む!
「っりゃあーっ!」
大振りのチャージング水平斬撃が劫穉の脇腹に突き刺さる!
窓の外まで弾き飛ばされそうな衝撃を劫穉は堪えた!
足元の床が薄氷の如くに砕ける!

「痛ってえな! お返しだぜぇー!」
反撃のボディブロウ! 早い!
ミケナイトは振り切ったスコップを引き戻して防御しようとするが間に合わない!
剛拳の直撃を受け猫耳の騎士が吹き飛び……いや違う!
ミケナイトは後方宙返りを決めて音もなく着地!
拳が触れた瞬間、自ら飛んで打撃ダメージを殺していたのだ! ……そのはずだった!

「ぐあっ!?」
予想外の痛みにミケナイトは呻き、膝をついた。
脇腹に痛烈な痛み。まるで、特大スコップで斬りつけたような……。
(これは……? 委員長のダメージ反射……!?)
その想像は当たらずとも遠からず。
劫穉の『纏畏(まとい)』は自分の痛みを触れた相手に体感させる能力!

「ニャーン!(なんかヤバい! もう逃げよう!)」
例によって弱気のタマ太が逃走提案!
だけど今回ばかりはミケナイトも同意見!

「狩るにゃんサンドスプラッシュ!」
スコップで廊下を浅く削り取った砂埃の目潰し攻撃!
劫穉の視界を一瞬奪った隙にミケナイトは猛ダッシュで逃げ出しました!

「ちっ、逃がしたか。だが、鬼雄戯大会が楽しみになってきたぜ。三毛猫め……必ず殺してやる!」


(=・ω・=)


「ふーっ、今夜は危ないとこだったね」
「ニャー(まったくだ)」
「今度は危なくない人に会えるといいな」
「ニャーン!(できればおっぱいが大きな子!)」
「明日はどこに行こうかなぁ」

(無事に逃げられたので一応)めでたしめでたし。

78村田ソフィア:2014/07/10(木) 22:19:53
ソフィアのイラスト
夏だ!薄着だ!
tps://twitter.com/sophiamurata7/status/487224230329602048/photo/1

79ミケナイト:2014/07/10(木) 23:02:41
べとべと好きの後藤うさ老師と触手好きの夢見花卒羽ちゃんの役得アクアリウム
tp://pic.twitter.com/HJbJjfni7B

80村田ソフィア:2014/07/11(金) 00:30:47
ソフィアのESS
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4032920

81ぽぽ:2014/07/11(金) 01:36:18
埴井葦菜
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44633736

82水星:2014/07/11(金) 02:07:07
水星と柊先輩の作戦会議!〜大会開始前〜

柊先輩「最初の戦闘はやっぱり大事よね!」
水星「うむ。大事ですね」
柊「まずは……確実に負けそうな相手は避けるか」
水「はい、相性が悪いのは避けたいですね。これは重要です」
柊「防御キャラが多いから、防御不可攻撃系のキャラが多いね。ちょっと怖いね」
水「愚かな人類め〜〜!」
柊「いきなりどうしたのッ!?」
水「いえ、漫画の影響で言ってみたくなっただけです」
柊「そう……。続けて大丈夫?」
水「はい」
柊「あとは目的に沿うとすれば名が上がるような相手がいいよね」
水「愚かな人類め〜〜!」
柊「……」
水「……ごめんなさい」
柊「よろしい。今回はオクトパスとかウーパールーパーとかでてるのね。この人(?)達倒したら名が上がるかな?」
水「動物虐待はんたーい! とか保護団体の人がうるさくならないですかね」
柊「保護する必要があるとは思えないほど強そうだけど……まぁ保留にしておくか」
水「アイドル……留学生……新興宗教の教祖……ヒーロー……なんかどれも殴ったら各方面から怒られそうな方達ばかりですね」 
柊「うーむ、そこらへんは今回の挑む人候補からは外しておこうか」
水「あ、魔法少女が居ますよ。この人なら倒したら名が上がりません?」
柊「えー? 魔法少女って殴ったら怒られそうな人の筆頭じゃない? 私達悪役みたいじゃない」
水「魔法少女は戦ってこそ魔法少女なんですよ。ほら、魔法少女が殺しあう作品もありますし」
柊「いや、『ほら』とか言われても知らないし……とりあえず水星が魔法少女に一家言あるのはわかった」
水「あと騎士らしいですよ。完全戦闘ジョブじゃないですか。戦ってなんぼですよ」
柊「ふむ……じゃあそれでいいか、騎士なら決闘とか申しこめば受けてくれそうだしね」
水「騎士と決闘……いいですね。なかなか格好いいシチュエーションです」
柊「正直勝てるかどうかは全然分からないけど、まぁ力試しに挑んでみるのもいいかもね」
水「……とまぁ」
柊「……ここまで色々理由つけてみたけど」
水「正直今回の戦闘相手の選択は中の人の目的達成という意味が強いのですよね」
柊「そう。ミケナイトさんの中の人とは案外絡んでそうでダンゲロス内で直接的には絡んでなかった人の一人だからね」
水「せっかくの個人戦だし、絡める時に絡まないとって話ですね」
柊「種明かしもしたところで、今回の作戦会議は終了としますか」
水「はい。ではみなさん試合結果をお楽しみにしていてください。きっと良い試合になるでしょう」
柊「さようならー!」
水「愚かな人類め〜〜!」
柊「……」
水「ごめんなさい無言で睨むのやめてくださいわかりましたちゃんとお別れの挨拶しますから……さようならー」

【END】

83カツオのひじ:2014/07/11(金) 03:05:06
カツオプロローグイラスト
tp://p.twpl.jp/show/orig/4UC8Q

今明かされるカツオの過去!

84サンライト=100しっこ:2014/07/11(金) 10:12:10
>>49-50

刃牙でよく見る手法ですが、ECBGMのキャラが良かったです。
エクストリームチェスボクシングというアホくさい競技の選手を何となくいそうな感じに仕立てているあたりうまいな〜と思いました。


>>78

おお……カワイイですね。カワイイが、しかしSSを呼んだ後だとこの可愛さもなんだか複雑だぜ。

>>79

老師が出るだけでなんだか泣きそうになってしまう。いいなあ……凄いいいなあ。

>>80

怖いぜ……悲しいぜ……。
腐っていく愛する者の死体というのは……いやあ……。
ソフィアちゃん、そしてショーゴ=サンどうなるんでしょうね。

>>81

ギャランドゥ……。
褐色男性にしても予想外の方向から攻めて来た感じでなんか凄い面白いですね。
強そうだけど同時に妖術とか繰り出してきそうでもある。

>>82

愚かな人類とは……。

>>83

1コマ目の名も無きモブの悍ましさがヤバい。
真ん中のカツオは表情もモヒカンも普通に決まっててかっこよくて、その直後の崩した絵柄を引き立ててていいですね。
「指でいいんで」「何をする」「任せろ」の流れとか、断片的な会話で想像をかきたてるのも良かったです。
「難しいぜ―」のカツオカワイイ!

85辻 斬子:2014/07/11(金) 18:40:00
pic.twitter.com/EKu9Hbo0HJ
神社ちゃんの設定絵

86ぶらぼう:2014/07/11(金) 22:41:07
tps://pbs.twimg.com/media/BsRGKpYCQAAAVLt.jpg

マリオネッテ

87のし:2014/07/11(金) 22:59:20
>>76
魅羽ちゃん、危ないー!!
劫穉は本当に危険だな。女の子にも手加減なしかよ……。
本当、少しは他の人と仲良くしなさいよ。
でも、劫穉も魅羽ちゃんを戦士として認めてるってことだね。
彼は、弱者を嬲ることには興味がない“暴力”嫌いな男だから……、

88ミケナイト:2014/07/12(土) 00:17:51
>>87
あー、暴力嫌いだけど好戦的なのが良くわからなかったけど、戦いが好きなんですね。
うん。何らかの強者の雰囲気を感じ取ったということにしてください!

89ネーター:2014/07/12(土) 10:14:45
門司秀次
tps://twitter.com/nater_gamer/status/487766824855957505/photo/1

90のし:2014/07/12(土) 13:59:00
>>76-77の1コマを描きましたー
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44658674

91ミケナイト:2014/07/12(土) 18:20:44
>>90
うわあああいやったあ!
SSの挿し絵ですって!? すごいやったあ!
激突の瞬間! 長い髪を翻しスコップを構えたミケナイトが走る!
劫穉は凶悪な拳を固めて迎え撃つ! あぶない! 緊迫感!
ありがとうございました!

92神社 千代:2014/07/12(土) 18:56:11
>>30
感想が遅れてしまいましたが、このビッグウェーブに乗ります!

幼なめな感じにつぶらな瞳が可愛いです。
やっぱり他の方に千代ちゃん書いてもらえるとすごく嬉しいです。

ありがとうございます、ほんと...。

93ミケナイト:2014/07/12(土) 21:10:55
ミケナイトと月見輝海さん描けたよー!
キャンペーン横断イラストなので両方に投稿しますが、ポイント二重取り狙いではないので、
ポイント半分にする等の措置をよろしくお願いします。(お手数をお掛けして申し訳ありません)
tp://t.co/5reakofd39

94ぽぽ:2014/07/12(土) 22:22:59
>>89
やった ありがとうございます
水墨っぽくて素敵です

紅炎峰 コロナ 描きました
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44668182

95ぽぽ:2014/07/12(土) 22:25:07
がんばれがんばれ
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44633997

96魚鬼:2014/07/12(土) 23:13:23
ミケナイトさん
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=44669471
多味倫太郎さん
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=44669733

97水星:2014/07/13(日) 02:14:08
>>36
わーい!水星のSSだ!イルカ幼女!イルカ幼女!イルカ幼女!アニメの影響なので仕方ないですね!
おぉ……OBの警官さんか。こういう朗らかな雰囲気はほまりんさんのSSの特徴の一つで、好きなポイントだったりします! そしてタマ太の発言が毎度エロい!w 水星をだしてくれてありがとうございました!

>>38
フルプレートアーマーのマリオネッタさんだ!かっこいい!毎度しづねさんのイラストは綺麗だなぁ

>>39
水無月くんだ! 鋭い視線がかっこいい! 目と鼻の間にあるのは傷跡ですかね? 一匹狼らしさもしっかりでていてどこか近寄り難い雰囲気も出ていますね。仲良くなってみたいけどなかなか大変そうだ……!

>>41
「日本で一番売れたティータイム漫画」ってアレですね!アレのことですね! 「ティータイムは……人生だ」って言葉かっこいい! ラ、ランニング!? 競技茶会は運動面も鍛えなければならないのですね…… 不動大尊!? 懐かしい名前が! SS3のキャラでしたね。そういえば彼は紅茶関連の能力を持ってましたね……なるほど。 倫太郎さんほぼ女性じゃないですかー! 憧れの美女のようなイケメン男子って確かに女性人気高そうですね。 そして垣間見える本性……!「aznnyn prpr」が何を指しているかわかってしまうなぁ……w ティータイム部の独特な雰囲気が分かって面白かったです!

>>44
雨の雰囲気がにじみ出たようなしっとりした綺麗なSSでした! 二人の会話が男子高校生らしい自然な会話で、読んでて非常にしっくりきました。半左くんをつい意識してしまい、それがバレないように頑張ってる暈哉くんの描写が良かったです! 好きな人に好きになってもらえる自分になれるように頑張るってのは、かっこ良くて好感がもてました! ぜひ勝ち残って、思いを告げてほしいなぁ。二人の関係の行方が気になるところです……!

>>49-50
ビンセント・タークハイツさんのSSだ! キャラ説の「不在票術使い」という強烈なワードに思わず笑ってしまいましたw 最初はESC部のインタビューか。エクストリームチェスボクシング部ってのがまた独特でいいなぁw リアルにインタビューした手記っぽくて上手いなぁって感心しました。あと個人的にこのESC部の人好きですw そして次は宅急部部長さんだ! ほ、ホントに好き好んで不在票を投函してるわけじゃないのかなぁ? 「10通ぐらい不在票がたまってますよ?」って台詞面白くて好きだなぁw そしてこの報道部員も一体何者なんだろう……部長の不在票を止めるとは……。 現実改変系とか概念系の不在票術も見てみたいなぁw どんなのなんだろう……そしてどうしてそこまでして不在票を届けようとするんだろうw 面白かったです!

98水星:2014/07/13(日) 02:14:28
>>51
レオナさんだー!攻撃性の強そうな感じ! 表情がいいっすねーw

>>52
こ、この人大会を実験の機会と捉えてる……! 恐ろしい子! そして科学部は二人でるのかーw 科学部同士の対戦も、もしかしたらもしかして実現するかもしれませんね。「心配ですか?」からの台詞は結構好きだなぁ この二人の関係もいいなぁ ぜひ生き残って欲しいですね!

>>53
うぉー! 模擬戦のキャラ全員だー!すげえええ!! これは、なんて感想を述べたらいいんだろう…… とりあえず大男が突き刺さった剣を描いてくれてありがとうございます! もうただただ「凄い」としか言えないですね…… ほとんどスペースを余すことなく上手くこのスペースに納めてるのも凄いですね! とにかく凄いです! 

>>54-55
野球帽さんとミケナイトさんのSSだー! 野球帽さんの遠慮をせずに率直に言う性格はいいなぁ そしてそれをうまく描いているミケナイトさんの中の人もさすがですね!
タマ太もいざという時はミウをちゃんと守るんだなぁ。いい飼い猫だ。エロ猫だけど。
野球帽さんの最後のSSかっこいいなぁ 3話も期待ですね!

>>58
吠え声www これ馬じゃn(以下略 魔法のスコップだー! タマ太が要所要所でサポートしてくるのいいな…… ふむ。こうやってミケナイトが生まれたのですねー 動物語がわかるようにならなくって良かったような悪かったような……w

>>60-61
毎度のことだけどタマ太の発言が面白いw 豆乳とマタタビは便利アイテムだなぁw た、タマ太を羨ましいと思うことがあるなんて! うん、魅羽ちゃんはラリってましたよね完全に。 めでたしめでたし!

>>69
「  」さんが顔文字使ったキャラクターで独特ですねー。 「  」さん転校生だったのか てか水無月くん転校生相手に神経遮断できたのすごいなぁ これが異色のコンビができたストーリーかぁ この二人の関係好きですねー

>>75
めっちゃ面白かったです!所々ででてくるあやまだ節が素晴らしいなぁ 後編期待してます!

>>76-77
安定のタマ太ww (なにより女の子じゃないし……)がタマ太の総てを語ってますね! 水無月くんのヤバさがうまく表現されてるなぁ 現在だと魅羽とタマ太の大冒険はここまでみたいですねー 続編が出るとしたら楽しみだー

99水星:2014/07/13(日) 02:20:28
>>54-55の、野球帽さんの最後のSSかっこいいなぁってのミスですね
正しくは「野球帽さんの最後の台詞かっこいいなぁ」ですね

100サンライト=100しっこ:2014/07/13(日) 04:15:17
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44676521
雨竜院暈哉
wikiの学生証の写真(?)はこちらを使っていただければと思います。
後、お手数ですが可能であれば学生証に記載されている生年月日を「2002年8月6日」にしていただけますか?

101サンライト=100しっこ:2014/07/13(日) 04:19:31
>>100

訂正します。生年月日は2000年8月6日でお願いします。

102ミケナイト:2014/07/13(日) 06:13:26
水星さんの感想はいつも凄いなぁ……!
とてもありがたいです!

>>96
やったカラーだ! 三色ロングヘアの質感が猫っぽくてステキ!
そして猫耳兜フェイスガードの隙間から覗く目は……ニャー! 猫っぽい! 怖い! 強者の風格……!

103ネーター:2014/07/13(日) 12:16:40
ドーモ、下っ端空手部員デス
tps://twitter.com/nater_gamer/status/488159811305889792/photo/1

104神社 千代:2014/07/13(日) 14:22:45
pic.twitter.com/LcL7iz6zKu
学生証の写真はここに張ればよいのでしょうか..?

105神社 千代:2014/07/13(日) 18:48:28
>>104
pic.twitter.com/zIcU4Gp3hI
学生証修正版
tp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5187421.png
学生証サイズ 174x190

106一 十四:2014/07/13(日) 23:22:17
薬袋 品。
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44695422
化学系マッドサイエンティストさん。

107冥王星:2014/07/14(月) 00:57:35
【水星と野球帽】

「ふむ……意外と狭いですね」
「天井も思ったより低いね―」

水星と柊美星はミケナイトと約束した戦場、渡り廊下の下見に来ていた。
鎖を武器として扱い投げを主体とする水星が勝利するためには、戦闘場所の事前の確認が非常に重要となってくる。障害物の有無や広さによって、鎖の振り回し方、位置取りなどが変わってくるからだ。
水星が顎に手を当て戦法などを考えていると、ぬっと人影が現れた。

「ん。あなたは……」

目深に野球帽を被った小柄なジャージの女性。
不敵な笑みを浮かべてこちらに歩いてくる。

「屋外文化系だった気がしたけどいつの間にか屋外運動系になってた野球帽さんじゃないですか」
「ホントだ。記憶が確かなら私達と同じ屋外文化系だったはずで、仲間だと思っていたら、実は敵対勢力の屋外運動系だった野球帽さんね」

そう、彼女は屋外文化系なような気がしたがよくよく見たら屋外運動系だった、野球帽。水星と同じく鬼遊戯大会の参加選手だ。

「そういうおめェらは水星とその先輩の柊って奴か。なんだかやたら含みのある言い方だが、オレは屋外運動系だ。屋外文化系だなんて、気のせいだろう」
「そういうことなら、私達の発言に含みがあるのも気のせいでしょう。別に、オカルト研究会ってやっぱり文化系じゃね? とか思ってませんよ」
「そうそう、仲間だと思ってたのに裏切られた気分だな―、とか思ってないよ」
「……おめェらなかなか面倒くせーな。」
「どこがですか?」「どこが?」
「……ハァ」

野球帽は心底面倒くさそうにため息をつき、頭を掻いた。

「で? こんなところで何してんだ? 戦場の下見ってやつか?」
「はい。少しでも勝率を上げるためには下見は大事ですからね。野球帽さんの方は?」
「オレはうるせーのから逃げるためにぶらぶらしてるだけだ。あー……水星、お前に聞きたいことがあるんだけどよ」
「なんでしょう?」

「――勝率を上げるだどうこういってたがよォ、お前、ホントに勝ち残るつもりあるのか?」

午後のまどろんだ空気が一変、張り詰めたものへと変貌する。問いを投げられた水星にとって、その言葉は予想だにせず、しかし核心をついた言葉だった。

108冥王星:2014/07/14(月) 00:58:17

「……」
「水星……?」

隣に立つ柊が声をかけるが、水星は黙って野球帽を見据えたままだ。

「完全に勘だが、おめェからは死を覚悟した気配を感じる。まるでバンザイアタックでもヤりにいくような雰囲気だ」
「……なるほど。最強と自称するだけの嗅覚は備えているようですね。えぇ、確かに私は”アレ”を使うことで死ぬ危険性が跳ね上がります」
「フン、成る程。詳細は分からねェが勝つために死の危険すら背負うか。オレはそういう姿勢嫌いじゃねえが、おめぇの隣のねーちゃんはどう思うかな?」
「……ッ!」

水星は一瞬身を強張らせた後、怯えるようにゆっくりと柊の方を見た。

「ねぇ、水星。どういうこと?」
「……」

戸惑うように瞳が揺れている柊。対する水星は躊躇うように口を開いては閉じ、何も話さない。

「まァ、そこらへんは二人でゆっくり話すんだな。オレはそこまで知ったこっちゃねー。……もし大会中に戦うことになったら宜しく頼むぜ、水星」
「……えぇ。その時はよろしくお願いします」

野球帽は後ろ手に手を振り、去っていった。
残ったのは水星と柊。
夕暮れの光が窓から差し込み、チャイムが時刻を告げる。
二人の間には静寂が横たわり、しばらく時が進むことはなかった。

やがて、柊が口を開いた。

「絶対に生き残るって約束したじゃない! 死ぬ危険性が高いってどういうこと!?」
「……勝つためには、勝つためには仕方ないんです」
「そんな……無理に勝たなくてもいいよ! それよりも、私は水星が生き残ることの方が……」

柊の言葉の途中で、水星は手で制した。

「……この話は、あとでしましょう。後で必ず話しますから。すいません、今は少し一人にさせてください」
「……分かった。後で必ず話してよ」
「はい。後で必ず」

そう言って、水星は来た道を戻っていった。

夕暮れの校舎には、一人涙ぐむ柊のみが残った。

【END】

109ぺんさん:2014/07/14(月) 01:28:24
『真野来人 プロローグ』

校門付近に設置された、
鬼雄戯大会の参加者を報せる掲示板。その前に、男が一人。

かつて学園で最速と恐れられた四人。
南波南、黒き旋風、大木区するね、そして自分、真野来人。

掲示板に目を通す。
南も、黒き旋風と名乗るあの男も死んだ。当然名前は載っていない。
唯一、期待していた大木区するねの名も、そこには無かった。
「俺だけか、残ったのは。」

びゅう、と風が吹き、砂が巻き上がる。
次の瞬間、男の姿は消えていた。
「これで誰も、俺に追いつけない。」
悲しげな呟きだけを残して。

110ミケナイト:2014/07/14(月) 05:55:05
伊藤ライフゲーム!(わいせつ画像ではありません)
はじめくん がんばれ がんばれ
tp://pic.twitter.com/fhL6ZiGUNd

111ネーター:2014/07/14(月) 10:58:45
灰色熊も余裕で倒せるクリーチャー 熊殺しのウーパールーパーめごちゃん
tps://twitter.com/nater_gamer/status/488502585234440192/photo/1

112ぺんさん:2014/07/14(月) 21:05:06
p.twpl.jp/show/orig/xmYbf

ミケナイトさん

113ネーター:2014/07/14(月) 21:41:02
最下層からの支配 御来光滝 暗闇
tps://twitter.com/nater_gamer/status/488664372739186688/photo/1

114冥王星:2014/07/14(月) 23:45:05
水星と雨竜院暈哉


「よし、カツオ先輩と勝負の約束を取り付けられたぞ」

校舎裏の人気のない日陰の場所。
雨竜院暈哉は鬼遊戯大会の参加選手一覧が載っているパンフレットを眺めていた。
現在見ているのは最強の男、「カツオ」のページだ。

「最強を名乗るだけあって、カツオ先輩はなかなかの強敵だ。勝てるかな……いや勝たなきゃな。傘部の皆も、半左も応援してくれてるんだ」
「そうそう、その意気ですよ」
「あぁ。決して楽な道ではないだろうが、カツオ先輩に勝って、次も勝って、どんどん勝ち残って、そして……」
「そして?」
「そして……半左に告白するんだ。って、あれ……?」
「ん? どうかしましたか?」

暈哉が顔を上げると、目の前には伸びきった黒髪のテンションの低そうな女子が立っていた。
その少女に会ったことはなかったが、暈哉には見覚えがあった。

「お前は確か……」

いつの間にか現れていた少女に目を白黒させながら、暈哉は慌てて持っていたパンフレットをめくる。

「……水星、か。何の用だ? というかいつからそこに居た!?」
「いや、普通に会話に混ざった辺りからですよ? 何をそんなに驚いているのですか?」
「普通は驚くからな!? なんでナチュラルに人の独り言に混ざってんだよ……」
「ふーん、そういうものなのですか。そうですか。私そういう機微に疎くてですね……すみません。それにしても……」

水星は暈哉をじっと見て、言い淀んだ風に言葉を止めた。

「それにしても、なんだよ?」
「半左さんって、最近転校してきた二年生の男の人ですよね。柊先輩が話してました。いまいちクラスに馴染めていないみたいだったけど最近友達ができたみたいだって。もしかしてその友達って雨竜院先輩だったんですか?」
「あぁ……多分俺のことだ。って、あー!」

半左のことが話題にあがったことで、暈哉は勝ち残ったら半左に告白するという旨の発言を聞かれたことを思い出した。思わず頭を抱えてうずくまる。

「どうしたんです?」

水星は表情を崩さず呑気に上から覗きこんでくる。

「あ、あのさ……」

暈哉は立ち上がり、水星の両肩を掴んだ。

「む? 人気が無いことを良いことにあんなことやこんなことをするつもりですか? きゃーえっちー」
「いや、無表情でそんなことを言われてもだな……。ていうかそんなことしねぇよ! 俺は女には興味ねえよ」
「あぁ、やっぱり同性愛者さんですか。半左さん男だったはずだけどおかしいなーって思ってました。なるほど」
「なんか文句あるか?」
「いえ、私は特に同性愛者だからって差別するようなことはしませんよ。むしろ柊先輩を狙うような可能性がゼロになるということで安心しました」
「……そうか。で、悪いんだがさっき喋ったことは内緒にしてくれねぇか。頼む!」
「ん? 今ジュース奢ってくれるって」
「言ってない」
「ちぇっ。まぁいいでしょう。話したところで私にメリットもないですしね」
「すまねぇ、恩に着る。……そういやお前なんで俺のところに来たんだ?」
「同じ屋外文化系連合として鬼遊戯大会に参加するということで、挨拶しにきたのです。本当は面倒くさくて嫌だったんですけどね。柊先輩が言うので仕方なく来ました」
「そ、そうか……」

それだけの理由で来た奴に、割りと重大な秘密を聞かれてしまった訳か。そう思い、暈哉はまた頭を抱えたくなった。

「……まぁ、なんだ。よろしく頼む」
「はい、よろしくお願いします。では他の人達にも挨拶をしなければならないので、そろそろ行きますね」
「おう。あ、ちょっと待て」
「ん?」
「ほらよ」

暈哉は財布から硬貨を取り出し、立ち去ろうとする水星に投げ渡した。

「ジュース代だ。最近暑くなってきてるし、熱中症には気をつけろよ」
「……」

水星は立ち止まり、渡された百円玉を眺め無言でしばらく立っていた。

「なんだ? お礼も言えねえのかよ」
「いえ、意外と気の効く方だな、と思いまして。ありがとうございます」
「『意外』は余計だ、バーカ」
「ふふっ」

水星は、暈哉との会話で初めて表情に笑みを浮かべ、一礼すると去っていった。

【END】

115冥王星:2014/07/14(月) 23:57:23
>>109
この短さでこれだけカッコいいSSをかけるとは…… さすがぺんさんですね!

>>113
御来光滝さんだ!かっこいい! マントがイケてますね!

116ぽぽ:2014/07/15(火) 01:17:47
 熊殺しのウーパールーパーめごちゃん

tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44718035

117しらなみ:2014/07/15(火) 05:23:37
英子と四囲美のOPSS続きです。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ホ―リーランドクラブSS『英子と四囲美の人間革命R』その2

(前回のあらすじ)
弱小文化部のくせに生意気だって生徒会にいじめられた
そして、どらえもんを召喚したら、たわけって言われた。


・四囲美追記
私達、フォークソング部は、各国の民謡や伝承を研究するクラブです。
その中には世界に散らばる予言詩の解析・解釈なども含まれており、
日夜その解析を日夜(カラオケ行ったりお茶をしばいたりする間とも
いう)行っていました。

”7月、空から恐怖の大王が来る。
その余波はアンゴルモワの大王を蘇らせるだろう
マルスの前と後の期間を首尾よく支配するために。世界オワタ。”

そんな最中、研究課題の予言詩の一節である『アンゴルモワの大王』様が
(正確には女王様がでしたが)今年の7月うちの部に降臨しました。
驚きの展開の連続です。
それはそれで色々ありましたが、それから数カ月後、今度は生徒会による
廃部の一方通告が発生。我がフォークソング部最大の危機を迎えました。

そこで私はメアド交換を成功させていた前述の宇宙的存在の女王様に
コンタクトを取り助力を仰ぐことにしたのですが…。



◆◆部室

机の上に置かれた携帯は、呼び出しに応え、10数センチの立体映像を浮かびあがらせる。
黒帽子を被った女性の姿をしたその存在は一連の話を確認すると私達にこう告げた。

『レギュレーションは確認した。結論でるだけ無駄だな。ヤメトケ。
第一お前らだと参加以前に味方陣営に出場自体握り潰されるんじゃないのか?』

学園の「鬼雄戯大会」は部活動連合間で争われ、得点を稼ぐルールとなっている。
そして最も多く得点を稼ぎ優勝した部活動連合に部費の支払いが約束されるのだ。
彼女の言う味方、この場合は屋外文化系部活動連合ということになる。

『部連が対抗戦と銘打っている以上、魔人の参加がほぼ前提だからな。
ある程度の戦力有してなければ相手にポイントを与えるだけの足手まといになる。
そんな中、一般生徒が私もでたいでーすとかいっても、通る話じゃないだろう。
そのまま行方知れずになって翌日男子便所に転がされている可能性のほうが高そうだ。』

「????」
相変わらず歯に衣を着せない…。
英子は意味が判らなかったらしく眼をぱちくりさせる。

「文科系の部連は話を聞くにそこら辺割と甘いみたいです。今の部の表明状況見ても
参加自体は大丈夫かと思います。ただ…」
『運動部はガチ選抜してくるということだろ』
「???」
「…流石の女王様でも生徒会と運動部、二つ同時に相手しての勝ち抜けは難しいですか?」
こちらの投げかけに女王様は鼻で笑った。
『煽るなよ。前の騒動は「学園全体の危機」だった。今回は単なる学校行事だ。これは
元来お前達だけで完結すべき問題なんだよ。わらわは子供の喧嘩には関知せん。』
「無理筋ですか」
『無理筋だ。だいたいアイツが自分の設立した部の進退の1つや2つ気にする玉か。』

私は項垂れた、予想はしてたけど、うん、外から見たら”それだけの話”だよね。

「…ごめん。英子、私、貴方に余計な期待持たせちゃった。」
「??…あっ」
そこでようやく、私が女王様に部の”代打ち”を要請していたこと、そしてそれを
筋違いだと断られたことを理解したようだ。英子の涙腺が再び緩み、瞳がうるうるとしだす。
その様子を見、女王様が軽く舌打ちをした。
『泣くなよメンドクセー。それ以上泣くならこの件は打ち切りだ。部のことは諦めろ。』

118しらなみ:2014/07/15(火) 05:26:15
私は英子を見た。
私はその感性豊かなところが好きだった
その彼女は天を仰いでいた。虚ろに。何を見る出なく。そして彼女はそのまま、

―ごきゅん。―
((ごきゅん?))
泪を涙点に流し込んで飲みほした。

『……な、泣くの堪えやがった』
「っていうか飲みこんだ。なんて器用な真似を。」

英子は―
「ながない。だから部のことも絶対諦めない。」

絶対そこだけは曲げようとしなかった。
なんでそこまで頑張るの、私はそういいかけた口をつぐむ。いや言えなかった。

私はこの子がどうしてここまで部の存続にこだわるのかを知らない。
だけれども、聞いたら返ってくるだろう言葉を私は判っているから。

先輩との―――。完全に嫉妬だ。
私の内面の心境を余所に女王様は爆笑して手を叩いて喜んでいた。

『くくく、相変わらず面白い奴だ。
では助力はしないが踏ん張った褒美に助言はしてやろう。

この局面、詰むか詰まざるか―でこ娘に聞いてみるといい。』

◆◆部室2

『お前達も知っていると思うが、アイツは能力ちょっと特殊でな。その特質上、
大銀河のときもそうだったが、幾つか高い精度で予防線を張っていた。
お前に像の管理を頼んでいたのなら同じく奴はお前達が危険になった際を見越した
保険やら指示を何某かかけているはずだ。
英子、像ではなく、もしお前達自身の身にピンチが迫ったら、こうしろとか
何か云われてなかったか?』

英子はぽかーんと3秒ほど呆けた後、やおら猛ダッシュで今は上が空席となった台座に
向かった。下の引き出しを開け、奥の方から一枚取りだし掲げる。
「”ぶっちゃけどーしようもない”ほどの状況になったらこれ使いなさいって。」
「これはドリムス専用のCD。本体、部室にあるわよね。」

『再生してみろ。Rock'n'Rollども』

ドリーム・ムスカ。
隠れダゲゲーで有名なその家庭用据え置き機にCDをセットし端末を起動させる。

英子が気を落ち着かせようと大きく息を吸い込んだ。
常識で考えると恐らくこれはビデオレターで先輩のメッセージである。
先輩絡みだと見終わった後、爆発四散ぐらいしそうだし、一字一句、見落とせない。

その様子を四囲実と女王は見やる。
常識的に考え、英子の『詰み』で終わりだ。
たぶん「後輩」の猪突猛進を予測しての「先輩」の諌めの言葉が入っているはずだ。
それで彼女も折れるはずだ。
第一、録画は1年以上前なのだ、複雑な状況に対応できる具合的な指示など出せるはずもない。


(ん/でも/まてよ)


(先輩/先輩/あの特級馬鹿に、常識なんてあったっけ)

††

ぷぉぉぉぉん と

土星のマークが浮かんだ。

次に浮かんだのは

―マイクを2本ご準備ください。― の文字。

とりあえず四囲実が云われた通りに通り、マイクを用意する。

(そういや3人でよくコレ使ってカラオケしたっけ…)

119しらなみ:2014/07/15(火) 05:33:32
そして


「ん?」
「あれ?」
『……なんだと』

  ” MAX〜HEART〜♪ ”

「!?」
張りのある威勢のいい声とともにそれが始まった。

―――――――――――――――――――――――――――――――
☆☆☆☆☆☆☆☆      ☆☆☆☆


『DANGEN!!ふたりはダンゲロス子☆』
               
                 歌;英子&四囲美 withのもじ
          (ロイヤルティは適当に支払うこと)

  ☆☆☆☆             ☆☆☆☆☆☆☆☆

―――――――――――――――――――――――――――――――

画面に映ったテロップと共に
てぃれってぃれ〜、てぃれってぃれ〜と聴き馴染みの
あるイントロ音が流れ始める。”ふたりはダンゲロス〜こ?!”

『いやいやいやいや本気で意味わかんねぇぞ、なんだこれ』

「こ、この曲は!?」
「!英子、マイク。出だしはお願い。」
「うん、行くわよ!四囲美」

マイクを受け取った英子は小指と人差し指を立て歌い出す。

A「一難去って、また一難 ぶっちゃけありえない〜♪」MAX〜HEART〜♪     

C「♪制服着ててもふたりは むちゃくちゃタフだし〜」MAX〜HEART〜♪ 

それに応えて四囲美。

AC「お互いピンチを乗り越えるたび、♪  A「強く〜」C「近く〜」なるね―♪」
        
A&C&N( イエイ!  your best! my best!)

A&C
「生きてるんだから 敗北なんてメじゃない!  ヒューー!

笑う門に福来るでしょ! ネガティブだって ふきとぶ! いのちの花〜咲かせて! 思いっきり〜

もっともDAGEROUS!!

だんげだんげだんげだんげろす(N:Your Best Friend!!)

ふたりはふたりは
ふたりはダンゲロス子?! だんげだんげだんげろす MAX〜HEART〜☆」


===========================

120しらなみ:2014/07/15(火) 05:34:38
終わりがけ、二人で完璧な決めポーズを決める英子と四囲美。

そしてムスカの採点。得点は…

ちゃららららららららららん
100点!
キャバーン!!画面には毛蟹が乱舞、文句なしの最高得点だった。

ヤッター!Wに跳びあがってハイタッチする二人。
先ほどまでのネガティブさはもう綺麗にぶっ飛んでいた。気分爽快青空模様ヒャハー。

『・・・・・・・・・あー。』
そしてその様を何とも言えない表情で見やる立体映像のクイーン。

「いやー久しぶりにキマッターって感じ。でもこれって、ぶっちゃけ、
なんの問題解決になってなくない?ホワイト。」
「先輩らしいといえば先輩らしいけど、でもブラック?なんか違和感が…」

四囲美は英子を見た。
彼女はとてもどこかでみたことのある黒いフリル衣装をいつの間にか着ていた。可愛い。
英子は四囲美を見た。
彼女はとても既視感のある白いフリル衣装をいつの間にか着ていた。可愛い。

小首をかしげる二人。

「…。」
「…。」
『なあ、お前らのその衣装って確かプリキ…

「「こ、これは伝説の戦士ダンゲロス子の衣装!!!!」」
                             じゃね』

女王の革新をつく鋭いコメントを二人の叫びが切り裂いた。

「なんてこと、伝説の戦士の顕著化現象が起きるなんて!
予言の書の7月の詩にはそんなこと一言も書かれていなかったのに!!」
「いやまって、続きがあったって解釈でいいんじゃない。
この場合当て嵌まるのはポポタマスの叙述詩の第三節!」
妙に盛り上がっているフォークソング部2名。

『…いやアイツ(www47.atwiki.jp/gldangerous/pages/31.html)んな恰好してなかっただろ。
それにさっき、自分達のことブラック、ホワイトとかナントか…』

「ああ私たちなんて所詮EDで主人公の後ろでタンバリン叩いてるあたりが精々っていう存在、
仮初でもダンゲロス子様の名を騙るなんてなんて恐れ多いっ」
「こう背後的な無言の圧力に潰されそう。圧迫祭よぉぉぉぉ今度こそ圧迫祭の開催よぉぉぉ」

人の話を全く聞かない二人に対し女王(なお彼女自身も他人の話は全く聞かないが)は
やおら端末をどこからか取り出すとポチっとスイッチを押した。

『はい、フォーク(直角落下的な意味で)でドン。』
「「ふぁ(浮遊感)」」

それは平然と行われるエゲツない行為。
二人のいた床が消え、次の瞬間、水柱が10m直下の水面で二本、立ち上がった。


◆◆部室3
二人がはい上がってきたのは水音を立ててからきっちり3分後の出来ごとであった。
せっかくの衣装が水浸しである。

「人の部室になんで勝手に/いつのまに、落とし穴なんて作ってるんですか!」
『趣味だ。』
二人の抗議に、にべもなく応えると女王は端的に告げた。

『アイツの能力発動を確認した。過去の例から考え効果は2週間から最長1カ月。』
顔を見合わせる二人。
『体力はB、運動性はCってとこだな。魔法少女化することで一時的に一般魔人と
同程度の身体能力をお前達は手に入れたようだ。
ふむ、お前らの主張を尊重してフルソンブリンク「ダンゲロスコカッコカリ」とでも
名付けておこうか。後、継続して使えるかは親元の判断次第だ。
しかし最低限の要件だけ満たしてあとは『任せた』か。らしい回答だすじゃねぇか』

「「・・・・」」
完全に絶句してしまった二人に対し、女王様はじゃ〆の台詞行くぜとそれはそれは
楽しげな笑顔でこう続けた。

『数多の強豪魔人どもがひしめく中をモブポジが出しぬいて何かをやり遂げる。
そういうのがストーリー的に一番、燃えるんじゃないか。人生谷あり崖あり。
めでてーな。フォローはしてやるから、今回も気張ってやれ。』

「「いいいい、イエッサー!」」
『やれやれ、サーではないアラサーと呼べ。』

かくて
武も勇も持たない少女たちの部と友を守る戦いが再び、始まる。

            (『英子と四囲美の人間革命R』・了)


◆◆
???「んんんーーー!!!
???「ニャーン(どうしたんだい)」
???「なにかどこかでライバルがまた一人(二人?)誕生した気がするニャ!同業者的に」
???「ニャー?(ネタ的に?)」
???「ネタ的に」

 (to be continued)

121ネーター:2014/07/15(火) 10:47:08
つば九朗
tps://twitter.com/nater_gamer/status/488862211977134080/photo/1

122しお:2014/07/15(火) 20:33:52
月読七菜プロローグ

(((……こえますか……聞こえますか……)))
(((……あなたは、鬼遊戯大会に参加し、優勝する。そう運命が決まっています……)))
(((……なぜなら、あなたはアイドル……そう、アイドルを超えたアイドルマス)))

「……うっさいわね……聞こえてるわよ、部長……」
「ふむ、起きていたか。それから私のことは部長ではなくプロデューサーもしくは柿Pと呼び給え」

ここは希望崎学園アイドル部の部室(仮)。
部長(自称プロデューサー)柿本タカシと月読七菜の二人が所属している、同好会降格ギリギリの部だ。
なかなか同好会に降格しないところを見ると、この柿本という男はそれなりに敏腕らしい。

「で、今度は何よ?森林伐採?砲雷撃戦?」
「フフフ、察しが早くて助かるよ。流石は私が見初めた超次元アイドル」

そう、平行世界にてアイドルの可能性の限界を見てしまい隠れるようにして生きていた七菜を
再びアイドル道に(無理矢理)引き戻したのが柿本だったのだ。
それからというもの様々なムチャぶりを課しアイドルとしてステップアップを重ねてきたのであった。

「……だが今回のアイドルカツドウはプリズムショーでもコンペイトウの除去でもない。というかさっき聞いていたろう」
「え、マジ……?あたし格闘とか苦手なんだけど」
「問題ないッ!真のアイドルに不可能はない!根性だ!魂を燃やせ!」
「バッカじゃないの!アンタが出ればいいじゃん」
「すまんが既にエントリーは終了している。健闘を祈る」
「はぁ!?」
「がんばれ♡がんばれ♡」
「うっさい!馬鹿!死ね!」
「アイドルが死ねとか言ってはいかんなぁ!はーっはっはは!」(煙のように消える)
「……う、うぎぎぎぎ!」

というわけで何か鬼遊戯大会に出場することになったのであった。
がんばれ!まけるな!月読七菜!

「……蛹が蝶になる瞬間を見たくはないか?」

……to be continued→

123みやこ:2014/07/16(水) 07:25:50
>>107 >>108
やったーSSだー!
再三の屋外運動部ディスで笑いましたw
登場人物のみならず、ナレーターさんにまで責められるとはね!ごめんなさい!
事前に戦闘フィールドを調査するムーブは、本気感あって好きです。
後ろ手に手を振って去っていく様子がカッコよかったので、今後積極的に真似していこうと思いました。
あとは、水星さんと柊パイセンの仲に亀裂を入れるのに一役買えてうれしかったです!
意外とこの一件は水星&パイセンイチャラブストーリーの中でも重要な一件なのでは…!?

124ははは:2014/07/16(水) 14:08:35
仮面武者・剣嵐のプロローグSSです。
====

 天を獲る

 世界を己の色に染める

 その栄光を君は求めるか

 その重荷を君は背負えるか

 人は己一人の命すら思うがままにはならない

 誰もが逃げられず、逆らえず

 運命という名の荒波に押し流されていく

 だが……もしも、その運命が君にこう命じたとしたら

 世界を変えろと

 未来をその手で選べと

 君は運命に抗えない

 だが――世界は君に託される


 『仮面武者 剣嵐』


 希望崎学園のどこかにあるというヒーロー部部室。
 部室とはいうが他の運動部のように部室棟に部屋があるわけではない。まるで秘密基地のように隠されているのだ。
 関係者しか知り得ないその部室にて、仮面の男が申し訳なさそうに正座していた。
「まことに申し訳ないでござる……。拙者が不甲斐ないばかりに」
 目を引く派手な白装束に身を包んでいるが、これでも仮面の男は忍者――NINJAだ。
 コードネームは“仮面の銀鴉(マスク・ザ・シルバークロウ)”。仲間にはクロウと呼ばれている。
「これでは……拙者はヒーロー失格でござる……」
 仮面のせいで表情は読み取れないが、声色から落ち込んでいることはありありと分かる。
 そんな彼を、小柄な少女が励まそうとしていた。
「え、えぇと……先輩は、その、頑張ってましたよ! ワンパンでやられましたけど!」
「……はぁ〜、でござる」
「あ、あれ、先輩!? え、えぇとぉ……ど、どうしよう……!?」
 この少女――意志乃剣の頭の出来は、少々残念だ。
 更に沈んだ様子を見せるクロウに、剣は必死でかける言葉を考えるがまったく思いつかないどころか自分が追い討ちをかけたことにすら気づいていない。
 そも何故クロウが落ち込んでいるかというと、理由は先の部活連合による連合紛争からだ。
 彼はヒーロー部の代表として紛争に参加した。とはいっても、ヒーローらしく争いを解決しようとして、だ。
 だが結果として、雪合戦部の南波南の一撃を食らって昏倒するという情けない姿を見せることになってしまった。

「やっぱり拙者は諜報に回るべきでござるかなぁ」
「えぇっ、そんなぁ!」
 NINJAであるクロウの戦闘力は、ヒーロー部の中でも高い方だ。先の戦いで一撃でやられたとはいっても運が悪かったのもある。
 だからこそクロウは鬼雄戯大会でもヒーロー部代表としてエントリーする予定であった。
 ――うぅっ、だけどこの先輩のモチベーションは……ちょっと厳しいものがあるなぁ。
 先輩ヒーローのへこみっぷりに、剣はそれも仕方ないかと納得する。取得スキル『不屈』はどこにいってしまったのだろうか。
 しかし、そうなると大きな問題が浮上する。
「それじゃあ……誰がエントリーします? 私出ましょうか?」
「そうでござるなぁ……。グリーンレッド殿はミッション遂行中でござるし、サジットアポロレオ殿は修行の為にいないでござるし……」
「あーっ、無視するー!」
 頬を膨らませて怒りをアピールする剣だが、クロウはまったく取り合わない。

 それもそうだろう。なにせ剣はヒーローとして戦う術を持っていない。辛うじて魔人ではあるのだが……。
 ……私の魔人能力、自分でもよくわかってないんだよね。
 魔人として目覚めた時は確かに力を得た感覚があった。心が奥底から熱くなった。だが、それだけだった。
 具体的な能力は分かっていない。身体能力向上も、せいぜい一般人に毛が生えたものだ。運動オンチの彼女はそれすらも使いこなせていない。
 ……お姉ちゃん曰く、ヒーローとして戦うようになれば、分かる……らしいけど。
 幼少の頃に姉に言われたことを思い出して、剣は大きな溜息をつく。
 姉は剣と違って何をやらせても完璧な人間であった。できないことがあっても不断の努力で成し遂げてしまう。
 まさに姉こそが剣にとっては理想のヒーローであった。姉のようになりたいと、ヒーローになりたいと思った。
 しかし、現実はこれだ。
 力の無い自分がヒーローとして戦うことはない。なら、自分が力に目覚めることもないのではないだろうか。
 そんな堂々巡りの矛盾を前にして、剣は足掻いていた。鬼雄戯大会への参加希望もその一環だ。
「運命、か……」
 ――時がくれば、運命の花が開くだろう。
 姉の言葉だ。彼女は剣の魔人能力を看破したらしい……が、それを話してくれることはなかった。
「もう、わけわかんないよぅ、お姉ちゃん……」

125ははは:2014/07/16(水) 14:09:13

 剣が本日2度目の大きな溜息を吐いた時、彼女の持つ携帯が震えた。
「メール……?」
「む、こちらもでござる」
「先輩、iPhone使ってるんだ……」
 何はともあれメールの内容を確認する。差出人は、
「部長だ」
「うむ、こちらもYU−YA殿でござる」
 もしやと思いクロウの操作する画面を覗いてみたところ、全く同じ内容のメールであった。
 YU−YAはヒーロー部の頼れる部長だ。どこかチャラい印象を受けるが、しかし仲間を纏めるのはうまい頼れるリーダーだ。
 ……? あれ、部長ってYU−YA先輩だよね……?
 ふと違和感を覚える。別の人が部長だったような気もする。だが剣がいくら記憶を遡っても、YU−YAが部長だったという記憶しかない。
 気のせいかと考え直し、再びメールの内容に目を落とす。

『面白いものを手に入れた。体育の用具倉庫前まできてくれ』

 メールにはベルトのバックルのようなものが写っている画像が1枚添付されていた。
「先輩、これなんだと思います?」
「ふぅむ……分からぬでござるな。ともかく、行くのがよいか」
 クロウの言葉に頷くと、2人は用具倉庫まで移動することにした。


「なに、これ……!?」
「むむぅ……!」
 用具倉庫に移動した2人であったが、そこには待ってる筈のYU−YAは居なかった。
 代わりに居たのは、
「なんでこんなところにモヒカン雑魚が……!」
 理性を持たず、本能のままに暴れまわるモヒカンヘアーの世紀末生命体。
 以前の希望崎学園ならそこまで珍しいものではなかった。
 しかし、今は違う。パントマイムよしおが生徒会長となって学園を支配してからは駆逐された筈ではなかったのか。
「十や二十では済まない数でござるぞ!?」
 無数にいるモヒカン雑魚。一説には1人見かけたら無限の数だけ現れるとも言われている。
「ヒャッハー! 女だぁ〜!」
「ヒャッハー! ぶっ殺してやるぜー!!」
「やばっ、気づかれた!?」
「逃げるでござるよ!」
 こちらをターゲットとして認めたモヒカン雑魚は棍棒やら火炎放射機やらを手に襲い掛かってくる。
 いくらなんでも無限に湧いてくるモヒカン雑魚を対策も無しに相手することはできない。2人は逃げることを選択する。
「――あれは」
 だが、その前に剣があるものに気づいた。
 用具倉庫のすぐ傍に落ちているベルトのバックルのようなもの……。YU−YAが送ってきた画像に写っていたものだ。
「よくわかんないけど……!」
 部長がわざわざメールで見せたんだからきっと大事なものの筈だ。そう判断した剣は、必死に逃げながら何とかそれを回収するのであった。

 どれぐらい逃げたのだろうか。
「やばっ、先輩と逸れた……!?」
 気づけば一緒に逃げていた筈のクロウの姿が見えなくなっていた。混乱のせいだろう。
 追いかけてくるモヒカン雑魚の数は半分ぐらいに減った……ように見える。
「いや、でも、これ結局無限じゃ……!? って、あ――」
 しまった。逃げる道を間違えた。
 目の前には高く立ちはだかるフェンス。もはや逃げることのできない行き止まりだ。
「ヒャッハー!」
「ヒャッハー!」
「ヒャッハー!」
 追い詰められた。
 力があればフェンスを登って逃げることができたかもしれない。もしくはモヒカン雑魚を駆逐できたかもしれない。
「だけど……私は……!」
 何もできない悔しさに、歯を軋ませる。
 ヒーローなら、ヒーローならこの窮地を脱することができるのに。
「……ヒーロー?」
 そういえば。
 さっき拾ったベルトのバックル。これは……見ようによっては、ヒーローの変身アイテムにそっくりではないだろうか?
「えぇい、ダメでもともと!」
 バックルを腰に当てる。するとバックルから金属製のベルトが伸びて、剣の腰に固定された。
 更に、今まで何も無かった筈の剣の右手に、光が生まれる。
「これは……」
 光を握る。何かを掴んだ感触がある。
「……判子、えと、スタンプ?」
 桜の花を模したスタンプが、その手に握られていた。
 どういう理屈で出てきたものかは分からない。だが、こういうものの使い方は相場が決まっている。
「これは――多分、こう、だよね!」
 スタンプを、バックルの真ん中に押す。

 ―スタンプ オン―

 バックルから機械音声が流れ、その直後、激しい花吹雪が剣を包む。
 モヒカン雑魚が棍棒を投げつけてみるものの、花吹雪は棍棒を跳ね返し、その中にいる剣に攻撃が届くことはない。
 そして――花吹雪が晴れた。

126ははは:2014/07/16(水) 14:09:40

『ブロッサム――櫻華剣嵐!』
 そこに居たのは先ほどまでの剣ではない。
 桜の意匠が散りばめられた、仮面の鎧武者――新たなヒーロー!
「いい夢、見せてあげる!」
 仮面武者・剣嵐、爆誕!
 だがモヒカンたちは怯むことはなく、剣嵐に突っ込む。
「ヒャッハー! 変身したところでなんぼのもんよぉ〜!」
 棍棒を振り下ろすモヒカン雑魚。剣嵐はそれを篭手を装着した左腕で受け止めると、右手に持った薙刀を逆袈裟に振るう。
「てぇい!!」
「うぎゃあぁ!?」
 斬られて吹き飛んだモヒカン雑魚は爆発!
 仲間をやられて逆上したモヒカンどもが次々と襲い掛かるが、いずれも薙刀――サクラセイバーにより散らされていた。
「いける、これなら――っ!?」
 サクラセイバーが受け止められた。モヒカン雑魚の中にもできる奴がいたようだ。
 ……? 見たことがある?
 攻撃を受け止めたモヒカンの顔を見て、何かを思い出しそうになる。
 だがモヒカンの振るう棘付き棍棒による連続攻撃が、その思考を外に追い出してしまった。
「強い……! これは一気に決めないと……!」
 その時、セイバーの柄に窪みがあることに気づいた。
 剣嵐はヒーローとしての直感で、窪みにスタンプを押す。
『ブロッサムチャージ』
 サクラセイバーを淡い光が包む。
 剣嵐はサクラセイバーを構えなおすと、モヒカン雑魚に渾身の一撃を叩き込む!
「セイハーッ!!」
 その一撃は、受け止めようとした棍棒をも砕いて、モヒカン雑魚の体を切り裂く。
 斬りつけられたモヒカン雑魚を、桜の形をした光が包み、
「ぷべらぁ!?」
 爆発。モヒカン雑魚の肉体は浄化され、桜の幻光となって散り、消えていった……。

 リーダー格のモヒカン雑魚が倒されたのを見て、モヒカン雑魚どもは蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
 もとより剣はモヒカンから逃げていたのだ。追いかける必要はない。一息ついてから変身を解除する。
「これが……私のヒーローとしての力……」
 腰から外したバックルをじっと見つめる。
 これがあればヒーローとして戦える。それどころか鬼雄戯大会にも参加することができるだろう。
「大丈夫でござるか!?」
 そんなことを考えていると、クロウが目の前に突然現れた。NINJAらしい心臓に悪い出現の仕方だ。
「拙者の次元斬断アシュラブレードはどうしても速効性に欠ける故……申し訳ないでござる」
「そんなに気にしなくていいですよ、先輩。これのお陰で大丈夫だったんだし」
「これは……YU−YA殿の」
「あ」
 そうだ。
 そういえば部長のYU−YAはどこにいったのだろうか。
「……うーん、でもまぁ、そのうち戻ってくるかなぁ?」


 何はともあれ。
 こうして仮面武者・剣嵐に変身することができるようになった意志乃剣は、ヒーロー部の代表として鬼雄戯大会にエントリーすることとなった。

127ネーター:2014/07/16(水) 21:42:30
トップスピード 真野来人
tps://twitter.com/nater_gamer/status/489389445590700033/photo/1

128一十四:2014/07/17(木) 04:01:23
一十四プロローグSS『天使の旅立ち』
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4056920

129アギト:2014/07/17(木) 18:04:33
戦闘態勢のレオナさん
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44761076

130村田ソフィア:2014/07/18(金) 03:16:39
生徒会役員共
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44772159

131NWJP-FJ:2014/07/18(金) 06:58:28
【一人全役VSマスコット】
鬼雄戯大会を控えた生徒会室、生徒会の役員達は連日鬼雄戯大会の準備に追われていた。
一般生徒会役員である模府 鋭(もぶ えい)は受付業務に着きつつ参加選手の書類を整理していた、その時
「たのもーっ!」
威勢良く間違った掛け声と共に入ってきたのは野球部のユニフォームを着た男子生徒である。
「一体何の用ですか?後ここは道場の類ではありません。」
野球部といえば今回の鬼雄戯大会では野球神が生徒会所属選手として参加するため、生徒会に不満を持つ各部活動の中では
生徒会側に近い部活動だ、いきなりこの忙しい時期に飛び込んできて道場扱いされてもそこまで邪険にしなくてもいいだろう。
そう思いながら模府は入ってきた野球部員に対して応対した。
「鬼雄戯大会に参加したい!書類はもう持ってきた!」
「…はい?」
「鬼雄戯大会に参加したい!」
前言撤回である、この男子生徒は思いっ切り生徒会の敵だった。
何故参加するんだ、野球部は元々部費が割と多い上に野球神が部費を稼ぐはずじゃないか!
「えーっと・・・何故参加を?野球部には野球神さんが倒しただけの部費が入ると既に通達してある筈ですが?」
「その野球神!俺はその野球神と戦いに来たんだ!」
しかも生徒会所属選手と戦うなどと言い出した、子飼いの犬が全力で襲いかかりに来た形である。

書類を見ると《浜星 昇》(はまぼし のぼる)と迫力のある汚い字で書かれている。
新聞部の出している新聞で見たことはある、どんなポジションでもこなせる野球部期待のエース候補だと。
「貴方は野球部のエース候補等と呼ばれていますよね?そんな選手が長期離脱濃厚な怪我や最悪死亡の恐れのある
 鬼雄戯大会に参加していいんですか?」
「その話ならキャプテンやコーチや監督に散々された!もう聞き飽きたぜ!」
「じゃあ参加を取りやめて…」
「もう説得はし終わったぜ!『俺は野球神と野球したい!そして俺の強さを確かめるんだ!』と言い続けてたらOKが出た!」
何故もっと止めてくれなかったんだ野球部首脳陣、この如何にもな野球バカを止めろというのも無茶な話かもしれないが。
「というわけで参加申請するぜ!」
残念ながら書類に不備は無い、話が色々とややこしいことになるが了承を出さざるを得ないだろう。
模府がそう諦めの表情で書類写しを作りに行こうとしたその瞬間、また生徒会室の扉が突然開いた。

そして入ってきたのは……どこかの球団で見たことのあるペンギン、いや、ツバメのマスコットだった。
「…一体何の用ですか?」
いきなりの有名マスコットの乱入に戸惑いつつもお役所仕事の姿勢を崩さず応対する模府、
するとそのマスコット、つば九朗は手に持っていたスケッチブックを模府の目の前に突き付けると1枚ずつめくりだした。
『きゆうぎ大会にさんかしたいです.』『しょるいはもう持ってきてます.』『しょぞくはやきうぶで.』
しばらく模府は共に呆気に取られていた、このマスコットまで参加者だという、しかも野球部所属で。
参加許可を今か今かとワクワクして待っていた浜星もこの乱入者には呆然としている様子だった。
目の前の畜生ペンギンは書類を受付カウンターに置きつつ続ける。
『12000円とけんこういんりょうののみほうだいじゃさすがに生きていけない.』『やきうぶしょぞくだけどぶひはあげないよ.』
更に横にいる野球部員の浜星の姿を見るとペン置きからペンを取りスケッチブックに何事かを書くと、
『きみもやきうぶなんだ、しょうらいスワロゥズに入らない?』『もんだいおこしてえんじょうしなければ入れるよ.』
と浜星に見せると用事は終わったと言わんばかりに踵を返すとそのまま生徒会室を出てどこかへ行ってしまった。
つば九朗オフィシャルブログで鬼雄戯大会参加の記事が出るのはこの日の夜のことである。
「……」
「……」
「…あ、参加申請通りました。」
「…あ、お疲れ様ッス」
両者乱入者に勢いを削がれたのかその後の手続きはスムーズに進んだ、
子飼いの犬どころか他所の犬もといツバメまで噛み付いてきたという余りの結末に模府は疲弊してその日の業務を終えた。

「キャプテン!」
「なんだ浜星?参加申請は通ったのか?」
「ペンギンを倒す方法を教えて欲しいッス!」
「ハァ?」
浜星の倒す目標に野球神と共につば九朗の名前が入った一日の話である。

132埴井葦菜:2014/07/18(金) 16:44:33
tp://www1.axfc.net/u/3278705?key=club

「全キャラのステータスや必殺技のデータを入力したエクセルよ!
 マッチング相手のリストアップとかに使ったらいいんじゃないっ?
 べ、別にアンタのために作ったわけじゃないんだからねっ!!
 たまたま自分用に作ったやつがあっただけなんだから!
 間違ってても知らないわよっ!? 使いたければ自己責任で使いなさいよねっ!!」

133冥王星:2014/07/18(金) 16:48:30
>>132
ひゅーっ! 葦菜さん素敵!

134雨竜院暈哉:2014/07/18(金) 18:46:52
>>132

ありがとう埴井先輩!
(やっぱオカマなのかなあ……この人も男が好きなのかな)

135志筑綴子:2014/07/18(金) 21:04:46
志筑綴子プロローグSS『魔道 その1』

「キィエアアアァァァッ文我一如!!」
「文即是空――ッ!!」
「文学キエーッ!!」

 朝。薄暮を劈く文学少女達の哮り。
 希望崎学園文芸部。回廊の窓より門徒らの執筆の様を眺める影も、少女である。消灯の屋内にあ

って、僅かに反射する丸眼鏡。黒く流れる長髪。そして……尋常ならぬ文気。
 ――文学少女であった。名を、空木啄木鳥(うつぎきつつき)と云う。

 そして今、空木の傍らには影の如く小姓が控え、報告を囁いている。

「師範代。図書館地下の件、検視報告をここに」
「――下手人の特定。有か、無か」
「無にございます。文芸にて死した以外の事実は、一切」
「……結構」

 報告を止める一言に、小姓はやはり影めいて姿を隠す。そういった存在である。
 空間には、再び門徒達の執筆の喊声のみが残った。文我一如。文即是空。正しき文学を志すもの

は、すべからく自我と空とをひとつに成さねばならぬ。不要な我欲を滅した先、全てが許される純

文学。未熟なライトノベルが為して世に邪悪の誹りを受ける過激な暴力描写も性描写も、正しき純

文学が為すのであれば、俗悪ではない。
 しかしこの風景に、空木は僅かな苛立ちを覚えた。秩序。ほんの前夜の無残――希望崎図書館に

降りた文学少女達の死をも、すでに忘れ去ったようにすら。

(二十と三の文学少女が殺られたのだぞ。我ら希望崎学園文芸部の門徒が)

 希望崎の文芸部が、文壇の頂点に君臨する最強ではなかったのか。如何なる戦闘者が相手であれ

全殺せしめる純文学が。
 ――下手人は文学の遣い手。当然、そうであろう。正統たる彼女らの文芸が打ち斃される以上、

相手はそうでなければならぬ。しかし。

(誰が、それを成し得た)

 空木と比すれば遥か未熟であれ、地下探索行の任を負った文学少女二十三名、並なる遣い手では

ない。下手人は想像を絶する文章力であろうと評価する他ない。空木啄木鳥自身ならばその離れ業

とて可能なことだ。だが、自らの他はどうか。“四文鬼”の残り三人のいずれかか。関西の野で文

を磨くと聞く、耳長の小説家か。あるいは彼女の理外に存在する、強力な文芸者の手によるものな

のか。

136志筑綴子:2014/07/18(金) 21:06:19
 修行の有様を横目に、空木は回廊を引き返す。偉大なる文芸部室。長い壁面には、かつての偉大なる文芸部長新島マリアがしたためた、「ゴーイングマイジャンル」の書。庭では門徒の一人が、

三点リーダを三度続けて用いた咎で、囲まれ棒で打ち据えられていた。全身の骨が折れ、既に絶命しているであろう。珍しい事態ではない。
 師範代である空木は、この過酷な早朝修練をとうに免れた身である。そして彼女自身が自らに課す執筆の凄まじさは、この門徒達の比ではない。“四文鬼”の内、誰よりも基礎文章力を高め、誰よりも禁欲的なる純文学を用いる、文芸部の求める理想たる文学少女。各部活代表同士の殺戮の果てに部費を定めるという――文学少女にとっては遊戯の如き――鬼雄戯大会に、空木が誰よりも先に名乗りを挙げた理由は、その誇りにこそあった。
 敵対者は全殺あるのみ。

(その矢先に兇徒。……凶兆か)

 果たして、危惧の通りであった。視線の先――いまだ夜闇が重く残る廊下の突き当りに、白い文学少女の影があった。今この時まで、努め忘却し続けていた存在であった。

「志筑」
「鬼雄戯大会への御出座――まこと、おめでとう御座います」
「志筑。その、書は……貴様」

 志筑綴子(しづきつづりこ)であった。三月の時を隔てなお、かつての妹弟子の相貌からは、無情より他の心を読めぬ。彼女の白魚の如き指が掴む書の方が、余程雄弁に事実を伝えていた。
 幾人もの黒い血に塗れた書。存在しないとされる真性奥義書。……文学少女達が果てた、希望崎図書館地下の。

「貴様か。貴様が書を獲ったか。門徒共を殺したか!」
「これはしたり。うふふ。あれは文芸部の者達でしたか。余りに稚拙な文芸でしたゆえ……。気付かぬ不行儀をお許しいただきたい」

 侮蔑の色を込めた不遜な笑いが漏れるも、志筑の表情筋はやはり氷の如き無情である。淀み濁った白い瞳からも、何も読めぬ。
 空木は覚悟を決めた。相手が“魔文”の志筑であれば、そうせねばならぬ。自身が正しき文学の全てを収めた師範代であり、相手が道を追われた邪道の妹弟子であったとしても。

「文芸の道は、奥義書の存在を認めぬ。渡せ」
「無論、このようなもの。お返しいたしますとも。……今は、私の目前に」

 もっと欲しいものが御座ります――。
 その声が響いた時には既に、叩き伏せられた空木の肉体が、床板を割っていた。

----

 一日後、報道部室。文芸部の参加選手として、インタビューを受ける少女の姿があった。それは文学少女である。

「本来出場を予定されていたが残念なアクシデントにより辞退となってしまいましたが……志筑桜子様、鬼雄戯大会の意気込みに関しては、如何でしょうか」

 ただしそれは、白い髪の少女であった。
 少女は問いに対して一言――全殺、と答えるのみである。

 瞳からは、無情より他の意志を読めぬ。


文芸部選手……志筑綴子、参戦!

137志筑綴子:2014/07/18(金) 21:08:37
イラストも描いたのだ!志筑綴子!
tp://silicon14.uijin.com/siduki.png

138一 十四:2014/07/18(金) 22:31:29
一十四。
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44783306
マジ天使です。

139ホーリーランドGK:2014/07/18(金) 23:40:14
>>129 まで
水星:27 → 76,31 衣類、救護セット 残り7
ミケナイト:42 → 16,53,51,63 スズハラX、武器*2、防具 残り2
神社 千代:17 → 15 闘魂ハチマキ 残り7
弾正院 倫法:8
ソフィア:6
ジャグリングありさ:2
門司秀次:30 → 25,37,23 自画像・自伝*2、脱衣指南書 残り0
女子高生那自分賀 好世:5
一 十四:9
水無月:4
多味 倫太郎:3
雨竜院:5
ビンセント:7
レオナ:6
薬袋 品:1
紅炎峰 コロナ:17 → 84 コロッケ 残り7
真野:14 → 89 コロッケ 残り4
英子と四囲美:5
埴井葦菜:3
カツオ:4
人形遣い:2
月読七菜:3
仮面武者・剣嵐:3
野球帽:1

140神社 千代:2014/07/18(金) 23:42:34
トップレベルの応援マシーンとの圧倒的ポイント差...。

141弾正院:2014/07/18(金) 23:49:56
tp://touch.pixiv.net/novel/show.php?mode=cover&id=4005857
プロローグ
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=44785468
部活紹介。

142弾正院:2014/07/19(土) 01:12:07
tp://touch.pixiv.net/novel/show.php?mode=cover&id=4063277
今度こそアイテムが欲しいから連続投稿。

143埴井葦菜:2014/07/19(土) 19:11:25
埴井葦菜プロローグSS後編
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4065339

144アギト:2014/07/19(土) 21:05:39
清書版ファイティング(戦闘態勢)レオナさん
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44801629
鉛筆で清書してみましたー

145門司秀次:2014/07/20(日) 14:16:33
学生証用の写真だ
写真屋のおっちゃんがでかいサイズでプリントしちまったんで
縮小できそうならお願いしたぜ
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44816728

146ミケナイト:2014/07/20(日) 15:09:42
>>31>>143 を総合した結果こうなりました。
tp://t.co/JtFVNilaH0

147薬袋 品:2014/07/21(月) 00:57:38
つば九朗
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44831308

148水星:2014/07/21(月) 17:20:02
>>143
討ち入りww やっと会えた仇を斬り殺さんと走る戦国武将の如き凄絶さww
幼少期の話や失敗談はちょっと知りたかったな……
ここで出たか―っ!マジック・ミミックオクトパス!身代わり役として大人気ですね!
おーっ。ここで埴井鋸の名が出ることによって参戦動機が描かれるのかー
ドラゴン殺しは男の浪漫ですよね!
あ、『高貴にして〜』は凄い既視感がありますね!
シリアスな部分もしっかりと描かれてて凄いなー。ご都合主義じゃなくて、鈴ちゃんの心を動かす過程がしっかりあって素敵です!そしてその途中にも笑いがある!流石ですね!
やはり期待通り、いや期待以上の面白さでした!

149しづね:2014/07/21(月) 20:10:10
pic.twitter.com/42KO5kkpPi
ミケナイトさん!

150立川:2014/07/21(月) 22:01:48
「おい……。何よ、コレは」

「………………………。」

「いや、見りゃ分かるよ。これが応援幕だってことくらいは。そうじゃなくてよ……」

「……?」

「なんで、なんで応援幕に俺の名前が入ってるのよ」



〜〜〜〜 参戦SS ミステリアスパートナー 〜〜〜〜



「だからよ、言ってるだろうが。 俺は鬼雄戯大会には出ねーってよ」

「……………………………………。」

「ケッ。何言っても無駄だぜ。そもそもよ、俺は目立ちたくねーのよ」

「…………………?」

「ああ。目立つと碌な事にならねーからな。 卒業までの残り1ヶ月、俺はひっそりと過ごしてーんだよ。鬼雄戯大会なんて目立つイベント、出るわけねーだろ」

「……。」

「……大体よ、何で俺なんだよ。そもそも、ボクシング部の代表はスズハラ太郎でほぼ決まりだろうが。どうせならアイツを応援してやんな」

「…………。 ……………………………………。」

「カカッ。言うねぇ」

「……! ……………………!!」

「知ってるよ。悪気が無ぇーのは。 ただ、ま、俺も同意見だ。アイツじゃ優勝なんて無理だろうな」

「……………………。」

「で、俺に出てほしいってか。 そもそもよ、何でそこまでしてボクシング部を優勝させたいのよ?」

「……」

「あ?」

「……。 …………………………………………。………………。」

「……ケッ。聞かなきゃ良かったぜ。辛気くせぇーのは嫌いなんだよ」

「………………。」

「……オメーが謝る必要なんて無ぇーだろ。 ……それと、もう一つ聞かせろよ」

「……?」

「俺だったら? 俺だったら、優勝出来るのかよ」

「……。 …………。 ………………………。」

「カカッ。……おい、オメー、その手に持ってるやつ、貸せよ」

「……? ……。」

「さっきも言ったがよ。俺は目立ちたく無ぇーんだよ」

「…………。」

「だからよ………これを、まあ見てろよ」

「…………。」

「これならよ。中身が俺だって分からねぇーだろうが」

「………………。」

「ああ、出てやるよ。鬼雄戯大会。聞きたくも無ぇー話を聞いちまったしな」

「…………。」

「ばっ!おまっ!そ、そんな顔するんじゃねえよ!」

「………。……!」

「ケッ。やり辛ぇー女だぜ……」


<<ミステリアスパートナー 参戦>>

151ミケナイト:2014/07/22(火) 03:04:57
ミケナイトの学生証用の画像
tps://pbs.twimg.com/media/BtFYXQ5CYAE1V50.jpg

ミケナイトの中の人の学生証画像
tps://pbs.twimg.com/media/BtFYXRJCAAAwiwx.jpg

ミケナイト学生証の製作の様子
tp://pic.twitter.com/b25HtTLoWE

152志筑綴子:2014/07/22(火) 06:10:54
志筑綴子プロローグSS『魔道 その2』

 仄暗く赤い、秋の陽であった。
 およそ新入部員の訪れるべき時期を遙かに外れて、その新参者は部室の戸を叩いた。白化病めいた髪。原稿用紙から見上げた矢先に合った白い虹彩が、空木啄木鳥(うつぎきつつき)の神経を、ふと、射竦めた。

----

 知覚不能の豪速に乗った重力が、梃子の如く、体を引き倒したかのような。それが志筑の文章であった。
 自らの背が木板の繊維を裂く音をすら知覚しながらも、空木は既に執筆を開始している。先の手を越される事も、予期の内に入る。志筑綴子(しづきつづりこ)こそは文芸部の生んだ、真正の魔才である。

「それほどの文才をもって、走った先が魔道か」

 跳び、起き上がったその時、両指には最終稿がある。入部より三年。生まれてより十八年。純文学の理念ひとつに忠を尽くし、基礎の執筆鍛錬のみで至った――仰天たる速筆の境地。

「――哀れ」

 筆の速さは機の速さとなる。志筑の次の動を待たず、片指四枚。両指に八枚。三千二百文字もの破壊描写が志筑の臓腑を揺らし、破裂音と共にその体は飛んだ。

「落ちよ、志筑。道を外れた書と命、今取り立てようぞ」

 一瞬にして八の打突が、硬く体幹へと撃ち込まれたが如く――空木の作品の描写は、そうであった。基礎に忠実でありながら、決して人間認識の否定し得ぬ、現実に法則した被打撃描写。それを三千と二百の文字に尽くし、志筑に知覚させた。
 正統たる文芸の道に、邪文奇文は無用である。希望崎学園文芸部に奥義はなく、このような基礎の文芸の極みにただ至ることこそが、それ即ち奥義であるとされる。
 ――故に真正奥義書の存在、断じて認められぬ。探索行の目的は取得ではなく破壊にあり、それを命じた者も“四文鬼”にあって最も秩序を重んじる、空木啄木鳥自身に他ならぬ。

「うふ」

 天井を仰ぐ志筑の呼吸が、笑いを含んだ。ゆらりと起こした瞳に、朝の反射光が灯る。その光を見て、空木の海馬はいつかの感情を思った。

「哀れはどちらか、姉者。貴女ほどの文芸者ならば、自ずと解ろうというもの。文芸に魔道無し。姉者が奉ずる純文の道すらも、もはや今の世……一のジャンルに過ぎませぬ」
「……邪道の文が我ら正統の文芸に並ぼうとは思い上がったものよ。野犬めいた貴様らは、道としての品位を持たぬ。伝統を」

 「ゴーイングマイジャンル」の書が風に揺れた。

「伝統。似た者故に落としまするか。他ジャンルの品位を貶めて得る品位など、愚の骨頂というもの――」

 ――この眼であった。この少女が妹弟子として文を磨いていた、修行の時。威を前に白い眼が折れる様を、空木は知ることがなかったのだ。

(ああ、その瞳が)

 既に知らず、空木は8枚の原稿を書き上げていた。日常的に鍛錬を課した筆先は、無意識の内にも文学のぶつかり合いを求めていた。自らと拮抗する、対手と。
 絶対的な文芸という秩序の日々に現れ、混沌を齎した対手と。伝統を嘲笑い、師父を殺し、そして消えた……霞のように、一度この手をすり抜けて失われた、その姿と、今。

(志筑。その白い瞳。白く滑らかな肌。その指先も。……文学少女の色は黒。許せぬ。ああ、貴様が文芸の道を踏むことを、この私が許しておけぬ)

 裏腹に、空木は白い文学少女の内に飛び込んでいた。歓喜していた。既に間合いだった。

「“絶招”」

 それが志筑の文芸。

「――“殺一警百”」

 重い塊が飛んだ。水を含んだ音が天井を打ち、落ちた。
 空木の左腕であった。既に書き上げていた筈の原稿八枚を打ち込むいとますらなく――空木は、志筑綴子の文芸を、読まされていた。一瞬のうちに。

153志筑綴子:2014/07/22(火) 06:11:19
「……ああ。ああ、志筑」
「終局にございますな」

 志筑の唇が、侮蔑の微笑を浮かべた。
 崩れる膝を自覚しながら、空木啄木鳥もまた嗤っていた。痛覚神経と致死の出血が、全てを証明していた。白い文学少女のしなやかな指が書いた文芸が、今、空木の命を絶ったのだ。
 不可解な一瞬、文学少女として踏むべきでない間合いを踏んでしまった理由。それは。

(……志筑……お前の白い肌に、初めて赤い血が)

 文学少女にあるまじき、悦びだったのだ。自らより歳も身分も下でありながら、決して手届かぬと思われた少女の肌に……紛れも無く己の文芸が傷を刻みつけた、その事実が。

 白い髪を疎ましく思いながら、その色がいずれ黒く変じていくことを、空木啄木鳥は恐れたのではなかったか。正しき文芸に依らぬ突然変異の才がこの世に在ることを、心のどこかで信仰したかったのではなかったか。
 志筑が師父を手に掛け、部から失せた事を知ったその時……門徒らに隠れ、空木は嗤っていたのではなかったか。文芸の檻に捕われぬ自由。それでこそ、私の想う志筑綴子なのだと――

(……ああ。今知った。真の魔道は……私)

 血を失った世界は、歪み、見えぬものと成り果てていた。
 欲望と卑屈を覆い隠し、強いて自らを律した日々。だからこそ欲を禁じねばならなかったのか。誰もの模範たる文学少女を演じながら、精神の奥底は。
 見透かすような瞳を持った志筑の名を、努め忘却し続けてきた。そうでなければ……

 無情に濁った白い瞳が、それを見下ろしていた。

「文芸の技量の程、これでお認めになられたかと。出場権、頂戴いたしまする」
「……待て、まだ」
「では――失礼」
「まだ、まだだ。この程度では、志筑」

 ――私の醜さを伝えきれないのだ。
 声は、白い後ろ姿に阻まれて消えた。誰よりも基礎文章力に秀で、禁欲と正道を知られた“四文鬼”の一角、空木啄木鳥は、一切を語ることなく果てた。

----

【第0ターン 文芸部室前】
志筑綴子○ ― ●空木啄木鳥

154志筑綴子:2014/07/22(火) 19:07:13
ミケナイトさんも描きました!
tp://silicon14.uijin.com/mikeknight.png

155ミケナイト:2014/07/22(火) 20:51:54
【魅羽とかもめちゃんのインターキャンペーンファッキュー】

魅羽(以下“魅”)「未来からこんばんは! 馬術部正騎士・ミケナイトこと私、魅羽がみなさんの質問にお答えするコーナーです!」
百合原かもめ(以下“か”)「キャー! お姉様ステキですわ!」
魅「スパイダンゲロス2との関係とかの設定を中心にお答えしますね」
か「スパイ2に不参加の皆様はじめまして。陣営の壁を越えてミケナイトお姉様と結ばれた、美少女アンドロイドの百合原かもめと申します」
魅「結ばれてません。かもめちゃんには、タマ太のかわりにエロ枠として来てもらいました」
か「エロ枠って必要ですの……?」

魅「最初の質問です『スパイ2は西暦何年の出来事なんですか?』」
か「これは公式設定ではありませんが、ホリランクラブの一年後の2019という設定で話を進めてますわ」
魅「すごい! かもめちゃんが普通の台詞を言ってる……! エロ枠なのに……」

魅「関連して、『月見輝海さんもスパイ2に参加してましたが、ミケナイトと学年が違います。留年したの?』」
か「留年しそうな子には見ませんわね。これは……若干パラレル?」
魅「私と輝海ちゃんは同級生であったとも、一年違いであったとも云われてます。だが、気ままな学者達も、ここだけは声を揃えて語るのだ。いずれにせよ二人は仲の良い友達だったと……」
か「あら、こちらの輝海ちゃんは胸が全然ないのですね」
魅「スパイ2の輝海ちゃんは胸がすごかったね!」
か「爆乳というか超乳というか……あぁ、あの胸に顔をうずめたいですわ!」
魅「むむ……」
か「まあ嬉しい! お姉様が嫉妬してくださってますわ!」
魅「むー、嫉妬じゃないもん」
魅「次の質問です『タマ太って死んだの?』うっ……ううっ……」
か「ちょっと! もう少し言葉を選んで質問なさい! お姉様を泣かせるなんて許せませんわ!」
魅「タマ太は……生きてます……私の胸の中で永遠に……」
か「そう、この胸の中で永遠に……」(ふにふに)
魅「こらっ! もむなーっ!」
か「あの猫がお姉様の命を救ったのは事実ですから、悔しいけど認めざるを得ませんわ……」(ふにふにふに)
魅「にゃんっ、やめ……んにゃ……っ。もーっ! タマ太よりタチが悪いー!」

156ミケナイト:2014/07/22(火) 20:54:01
魅「はぁ、はぁ、次っ!『ミケナイトは語尾に“にゃん”を付けて喋るの?』これは、あんまり付けません」
か「ふざけてる時とか、マタタビに酔ってる時ぐらいでしょうか?」
魅「あと特殊能力『狩るにゃんベスティアリ』で獣モードになった時も多少にゃん語気味になります」
か「ベッドの中で獣のように私と愛し合う時もにゃんにゃん言ってますね!」
魅「嘘つくなーっ! 碌でもないゲスト呼んじゃったなぁ……」

魅「次ーっ『ベスティアリってなんですか?』あ、こっちではまだFS上がってないから使えないんだっけ」
か「どんな効果にするか、まだ中の人も決めかねてるみたいなので楽しみですわ」
魅「ちなみに、Wiki閲覧できるメタ認識者であるハッピーエンドメーカーを倒すために『まだWikiに乗ってないけど時系列上は習得している技を出す』という能力バトル展開でした。わかってもらえたでしょうか」
か「流石にそれを読み取ってもらうのは無理ですわ……」

魅「引き続き能力関係の質問です『能力によってマタタビが猫以外にも効くようになったそうですが、レイノルズ数操作能力でそんなことができるとは思いません』」
か「言われてみればそうですわね」
魅「うーん、私自身はレイノルズ数を意識してるわけじゃなくて『気体や液体の流れを僅かに操作できる』能力だと思って使ってるからその辺はなんとも……」
か「ぶっちゃけると、人間にも効く設定にすれとフラン&ゴリラ形式にしやすいからそうしたんだ」
魅「かもめちゃん? 口調が……?」
か「はっ私は誰かに操られてましたの私は悪くありませんわ」
魅「からずやだぜ・・・」

魅「さて、最後の質問です『ミケナイトは優勝しましたか?』うん……それがその……うん……」
か「私達の世界では、ミケナイトお姉様は健闘しましたし部費も稼いだのですが残念ながら……」
魅「スパイ2の世界に繋がるかどうかは、これからの展開次第です! がんばれミケナイト!」
か「勝っても負けても私とハッピーエンドですから安心なさって!」
魅「でも……タマ太は……ぐすっ」
か「泣かないでお姉様っ!」

魅「それでは私達は未来に帰ります! お疲れさまでした!」
か「帰ったらいっぱいニャンニャンしましょうね……」
魅「しないよ!」

(おしまい)

157のし:2014/07/22(火) 21:26:35
水星さん
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44868606

158蟹田 正継:2014/07/22(火) 23:16:40
■蟹田正継プロローグ1
希望崎学園落語研究会会長、蟹田正継が鬼遊戯大会に参加する事になった時の経緯を語ることにしよう。
その時の事を語るには鬼遊戯大会開催一月前に遡らなければならないだろう。

鬼遊戯大会開催前の2018年1月、当時学内は『鬼の哄笑』により大荒れに荒れていた。
事件は様々な憶測が呼び、ついには『連合間紛争』と呼ばれる一大事件が発生してしまう。
団結して生徒会に立ち向かわなければならない同志であったはずの部活連合は血で血を洗う様相を見せ始めていた頃だった。
また鬼遊戯大会を目前にして他のライバルとなるであろう部活を叩きつぶそうという輩が出ることも必然であっただろう。
そう、落語研究会は窮地に立たされてたのだ。

「や、やめたまえ!こんな事をしても意味が無い、佐藤二郎先輩はこんなことを望んでいない!」

そう訴えるのは落語研究会二年の堺未来生。彼の後ろには数人の男女、つまり落語研究会の後輩。
そして彼らを取り囲むのは大勢の男、男、男―――男の群れ。
男たちはみな一様に逞しく、筋骨隆々としている。まさしくジョックと呼ばれる類の人種。
ジョック達は堺の訴えを聞くや否や大声で笑い出す。

「ハッハッハッハ!!佐藤二郎だって〜〜〜〜っ?そんな奴関係ないね!」
「俺達はあのクソみたいな奴がいなくなってむしろせいせいしてるんだ、ようやく本当の俺達らしい事ができるってね!!」

そう、学園の上位カーストであるジョックにとって佐藤二郎は目の上のたんこぶもいいところだったのだ。
佐藤二郎による統制が乱れた今、ジョックは本能のおもむくままに下位カーストを虐げようするのも必然であろう。

「クッ……やはり、魔人ラグビー部。我々とは対話が出来ないということか」

堺未来生は覚悟を決め、扇子を握り魔人能力を発動させようとする。
堺未来生の持つ魔人能力は『在らざるものは此処に在り』。
落語家は扇子を他の道具に見立てて噺を表現する、この能力はそうして見立てた道具を具現化するのだ。
発動すればこの場にいるジョック達の何人かを道連れにすることも可能だろう。
しかし、それは叶わない。一人の男がジョックの海を割って現れたからだ。

159蟹田 正継:2014/07/22(火) 23:16:54

その男の名は葛原王理。
希望崎学園魔人ラグビー部のエースにして部長。
爽やかな甘いマスクと高い身長、逞しい肉体がそれぞれ主張しつつも調和した美しさがある。
さながらギリシャ彫刻が命を吹き込まれて動き出したかのようと形容されることもある。

「ハハハ、無駄なことはやめた方がいい。死にたくなければな」

男の発する圧倒的ジョックオーラにより堺未来生の足が竦む、対峙した瞬間に理解する恐怖。

「な、なんで貴方がこんな所に……葛原王理!!」

堺がその言葉を口にした瞬間、堺の体が中空を舞った。
この場にいた誰もが理解できなかった。
中空を舞った堺、堺の後ろで怯えている落語研究会の後輩達、取り囲んでいるジョック達すらも。

「誰が僕の名前を呼び捨てにしていいといった。……下郎が」

腕をアッパーカットの形で振り上げている葛原。
葛原が堺を殴り上げたのだ。誰の目にも留まらぬ圧倒的超スピード。
音速を超える超音速によって繰り出されるアッパーカットにより堺の下顎は粉々に砕かれていた。

(……な、何が起こったんだ!? 何も見えなかった)

堺は砕かれた顎の激痛と突然の出来事に思考を乱されつつも思考する。
堺は運動能力に自信があるわけではない。しかし、落語家としての目があるが故にその事象に困惑する。


(僕の目を持ってしても見えなかったなんて……どういうことだ!?)

落語家は万物を『語り』と『演技』によって表現すると言われており、そのためには物事の本質を見抜き理解するしなければならないのだ。
つまり落語家は常人よりもはるかに優れた観察眼を持たねば末席に連ねることすら不可能、落語家は『噺家』とは違うのだ。
末席すらコンマ一秒で二十桁の数字を理解することは容易とも言われているほどである。

その堺の目を持ってしても理解することはおろか、目にも留まることすら許さぬ葛原の一撃。
己の目が優れており、それを自負しているからこそ困惑せざるを得ない。
そして、心が折れるのも当然とも言える。

「……ア、アァ」

堺は砕かれた顎で、怯えている落語研究会の後輩に逃げるように口を動かそうとする。
されど口から漏れるは意味を持たない呻き。後輩達はその姿に恐怖して動くことすらままならない。
その哀れな姿を見てジョック達は堺達を嘲笑する。

「ハッハッハッハッハ!! 葛原様、如何されますか?」
「フン、徹底的にして構わない。放置していても鬼遊戯には支障はないだろうがうろつかれると目障りだからな」
「……ほう、徹底的にやっていいので?」

ジョックが下卑た笑みを葛原に向ける。

「構わん、だが……」

ジョックに向かって葛原は頷くように答え、一度言葉を切った。
そして、ジョックオーラを込めて次の言葉を口にする。

「由緒正しい魔人ラグビー部の名が傷つかないように気を付けろ。万が一があれば……分かるな?」
「は、はい……ッ!!」

その言葉に恐怖しながらもジョック達は顔に笑みを形作る。
この後に行う行為への期待、得られるであろう満足感に胸を踊らせながら。

(す、すみません……会長、留守を守るつもりでしたが……)

堺は薄れゆく視界の中で後輩達の怯える声が、叫びが耳に届く。
自らの無力さを心中で嘆き、絶望で胸を満たし始める時に―――その声を聞いた。

「あらら〜、なにやら楽しそうな事になってますねぇ」

その声はこの場に似つかわしくない、とても軽いものだった。
例えるならば、友人との雑談中に語りかけてくるような軽薄さ。
されどその声はここにいる者、落語研究会の人間ならば聞いたことのある声。

「ちょっくら、あたしも混ぜて貰っても構いませんかね?」

―――その声の主こそ希望崎学園落語研究会会長、蟹田正継である。

〜蟹田正継プロローグ2に続く〜

160一太郎:2014/07/22(火) 23:58:08
一太郎(現在)
tp://0006.x0.to/oo/gif/1.png

一太郎学生証(入学時)
tp://0006.x0.to/oo/gif/2.png

161門司秀次:2014/07/23(水) 00:29:01
月見 輝海
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44874042

162ももじ:2014/07/23(水) 00:58:45
「ふむ、この蟇郡 苛!決して貴様の心配などしておらぬからな!!風紀委員長としてこの機に乗じてよからぬ事を企む者共を...」
「大丈夫ですって〜。この二つ星極制服があればちょちょいのチョイですよ〜。」
「ふむ、グラウンドなどで躓いて擦り傷など出来ては事だからな。体育館あたりで健全に...」
「わかりました〜!ここですね!!」

(ガラガラ)

・・・ッシュッシュ!!・・・シュッシュシュッ!!
虚空に放たれるボディブロー!!
・・・ッシュッシュ!!・・・シュッシュシュッ!!
・・・ッシュッシュ!!・・・シュッシュシュッ!!
虚空に放たれるボディブロー!!

「せんぱ〜い!あの人何してるんですかね?ウォーミングアップにしては念入りな人ですね!」
「ふむ、人事を尽くして天命を待つ、良い心がけだな」
「あれあれ〜?でもでも、彼なんだか辛そうですよ??だって息も上がってるし、独り言ブツブツ言ってるし、絶対変ですよ!!」
「ふむ、過ぎたるは猶及ばざるが如し、ここは風紀委員長として助言を...」
「はぁはぁ、なかなか手ごわい悪霊だったぜ...。(な、なんだ!!あの禍々しい姿は...ボールギャグを咥えたミイラだ...と...)」
「ふむ、貴様、停学処分を受けていた武藤ではないか?」
「・・・(なぜ?俺の名を!!ヤバイ!!真名を知ることは悪霊が憑りつく常套手段!!こ、これはやられる前にやるしかない!!)」
「悪霊退散!!!」

勢いよく飛びかかる武藤 雅紀に一切の迷いはなかった。
退魔師として、か弱い少女に憑りついたボールギャグミイラを見過ごす事は出来なかったのだ。

「貴様ぁ!!喧嘩騒ぎを起こし!あまつさえ停学処分を受けたにも関わらず、一切反省の色もなしとは!!その性根叩き直してくれるっ!!」

こうして『体育館』での(蟇郡 苛&満艦飾 マコ)VS(武藤雅紀)の戦いが始まったのであった。

163薬袋 品:2014/07/23(水) 01:07:00
ミステリアスパートナー
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44874570


熊殺しのウーパールーパーめごちゃん
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44874749

164サンライト=100しっこ:2014/07/23(水) 01:29:11
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44875438
深見忌

165薬袋 品:2014/07/23(水) 02:47:11
埴井葦菜
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44876540

166ミケナイト:2014/07/23(水) 06:18:25
決着つく前に描いとかないと! 第1ターンB4!
tp://pic.twitter.com/LLbXyAxnuh

167ミケナイト:2014/07/23(水) 08:55:37
【魅羽とタマ太の大冒険!】

第6話『VSセント・バーナイト』

魅羽とタマ太はとっても仲良し。
いつも一緒にお散歩するの。

「今日は大会に備えて、購買部に買い出しにいこう!」
「ニャーン……!(購買部のお姉さん、密かに巨乳なんだよな……!)」

魅羽とタマ太が購買部へ向かって通路を歩いていると、なんということでしょう!
馬術部の先輩と馬達が大怪我して倒れているではありませんか!
シベリアン・ハスナイト先輩とハスキー馬も血塗れです。

「先輩……どうしたんですか……!?」
「ニャーン……(チッ、嫌なことを思い出させる光景だぜ……)」

「う……うぅ……みゅーちゃんか……。情けない。不意打ちを受けて総崩れさ……」

どうぶつはつよい。これはじょうしきです。
つまり、どうぶつを操る技能を持った馬術部は、ふつうに考えて超強いことです。
だから……奇襲によって潰されました。

「馬は開けた地形で最大限の能力を発揮する……だから狭い通路で待ち伏せしてやがった……卑怯な奴め……!」

聞くと、たった一人の敵によって馬術部の正騎士全員が倒されたとのことです。
地形効果を生かしたとは言え、恐るべき戦闘能力です!
特に犯人は決めてないので『馬術部は俺が潰したぜ!』ロールをしたい方は御自由に御利用ください。

「これじゃあ鬼雄戯大会にはでられない……このままでは馬術部が潰れてしまう……」
ハスナイト先輩は、重傷を負った自分自身よりも、馬術部の将来を心配して悔しがりました。
「クウーン」
ハスキー馬達も不安げに鳴き声をあげます。

「大丈夫です!」
魅羽は力強く言いました。

「みゅーちゃん……?」
床に横たわるハスナイト先輩が、不思議そうな顔で魅羽を見上げます。

「大丈夫! 馬術部は私が……ううん、とにかく大丈夫です!」
魅羽は自分がミケナイトとしてエントリーしていることを言い掛けましたが、やっぱりやめました。
こんな状況でも、いや、こんな状況だからこそ、先輩達は魅羽のことを止めるでしょうから。
だから、魅羽は何も明かさず、ただ力強く微笑みました。
その笑顔の意味はわかりませんでしたが、ハスナイトは少し安心して、目を閉じ、意識を失いました。

「ニャーン(こっちだぜ)」
タマ太が『保健室』と書かれた水色のタオルをくわえて走ってきます。

それを追って保健室の先生。
「泥棒猫め待てーっ! ……あっ、この有様は一体!?」

168水星:2014/07/23(水) 13:36:01
>>155-156
ファッキュー形式だ! 百合原かもめさん……! スパイ2には参加してなかったけど名前と最初の二つの台詞でなんとなくどんなキャラか察しました! エロ枠ww 百合だ―! 胸をもむとはなんてあざとい…… 百合原さんは完全にエロ枠だなぁw タマ太がどうなったのか、ミケナイトがどう活躍したのかは気になるところだなー 

>>157
わーい、水星だ! 蛇を模した鎖をちゃんと再現してくれてる! やったー! ありがとうございます!

>>166
迫力満点の試合イラストだ―! 格好いい手甲と鎖を描いてくださってありがとうございます! 惑星記号まで描かれてるのは嬉しいなぁー

169サンライト=100しっこ:2014/07/23(水) 19:03:33
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44884770
雨竜院暈哉対埴井葦菜

170ミケナイト:2014/07/23(水) 19:03:55
色濃い闇をたたえた、死の洞窟を思わせる渡り廊下その1。通称“B4”。

少女が一人、立っている。
その頭には、猫耳ヘルム。
その手には、スコップ。
その足元には、死体がひとつ。

既に物言わぬこの死体もまた、少女の姿をしている。
もっとも、姿は少女だが、その正体は長い時を経て力を蓄えた強大な存在であった。
恐るべき敵だった。

強靭な耐久力を誇る相手に、スコップの物理打撃だけで挑んだならば確実に負けていたことだろう。
スコップに魔法的エネルギーを乗せて打ち込み、体内に直接“能力”を作用させる。
魔法少女能力を応用した一種の“発勁”が勝利の決め手だった。
一方、相手は高い耐久力を最大限に生かした戦法を使ってきたが……それが命取りとなったようだ。
少女の姿をした星霜の魔女は、自らの技によって滅びたのだ……。

はじめて人を殺した。不思議と落ち着いた気分だ。
冷たい空気を深呼吸。
血の匂いに胸が悪くなるが、この空間に満ちた魔法的な力が戦いの傷と消耗した精神を癒してくれる気がした。

次に殺すべき敵が、通路の向こうからやってくる。
白い衣に身を包んだ小柄な少女。
青い瞳。つややかな緑の髪。見知った顔だ。

彼女と私は、風紀委員とトラブルメーカーという間柄であり、お互いに疎ましく思っていることは事実だ。
しかし、どことなく自分と同じ雰囲気がある気がして、私は彼女のことは嫌いではなかった。
彼女も、そう思ってくれてたらいいのだけれど。

「……先輩とは、いずれ戦う運命にあると思ってました。でも、こんな形で戦いたくはなかった」
風紀委員の少女は、哀しげな表情で武器をスピンさせる。

「同感。もっと仲良くケンカしたかったよ」
トラブルメーカーである私はそう答えて、スコップで地面を数度、衝いた。

これが、私と彼女の最期の戦い。
だから精一杯戦う。全てを賭けて。
戦いは二人のいずれかが死ぬまで終わることはない。
これは、ハルマゲドンだから。

……いや、私はもう結末を知っている。
私は彼女に殺されるのだ。
私を殺す少女の名は――南海螢、あるいは魔法少女マジカル☆ドルフィ。

171しづね:2014/07/23(水) 19:26:43
pic.twitter.com/xko7BW37se
1ターン目 VS下っ端空手部員!

172ミケナイト:2014/07/23(水) 19:55:09
「あなた! 気をしっかり!」
保健室の先生に声を掛けられ、魅羽は我に返りました。

先輩達が倒れたショックで、なにやら恐ろしいヴィジョンを見ていたようです。
(いや……もしかするとこれはヒントかもしれない……)
魅羽は気付きました。
謎めいたヴィジョンの中に、水星ちゃんの『辰星鉄』を破るヒントがあることに。
(相手の体内に狩るにゃんフィールドを打ち込んで循環器系に作用させれば……!)

「ニャーン(それより購買部の姉ちゃんのおっぱい見に行こうぜ)」
タマ太が考え込んでる魅羽の、ジャージの裾をくわえて促します。

「あっ、そうだ。装備を買いに行かなくちゃ」
ハスナイト先輩達のことは、先生に任せておけば大丈夫そうです。
それなら、馬術部のために魅羽に必要なのは勝利あるのみです。
魅羽とタマ太は購買部に向かいました。

「狩るにゃんイクイップメント!」
魅羽は物陰でミケナイトに変身!
自分が買った装備をミケナイトが使ってたら怪しまれるから、買い物は変身してからするのです。
「ごめんくださーい。いい武器ありますかー?」
「ニャーオ?(いいおっぱいありますかー?)」

ところが、購買部にはいつものお姉さんはいなくて、代わりにセント・バーナイト君が店番をしていました。
「あのー、お客様……フルフェイスヘルムでの来店は困ります……」
しかも、却って怪しまれてしまいました。

ガシャン。
仕方ないので魅羽は、フェイスガードを上げて素顔を見せます。

「あっ、えーと、みゅーちゃん先輩じゃないですか!」
希望崎学園中等部三年生のバーナイト君は、時々馬術部にも来ているので魅羽のことも知っています。

「お願い、バーナイト君。馬術部のみんなには、私がミケナイトだってことは秘密にしてくれる?」

「いいですけど……危ないですよ? みゅーちゃん先輩、まだ騎士見習いじゃないですか。ハスナイトさんとか、正騎士の皆さんに任せておいた方が……」
中三にして既に騎士称号を得ているバーナイト君は、魅羽のことを心配してくれてます。

「ところが、そうもいかなくなったの」

173ミケナイト:2014/07/23(水) 22:30:46
魅羽から馬術部正騎士が全滅した話を聞いて、バーナイト君は鉄仮面の奥で顔を真っ青にしました。見えませんが。
「そんな……馬術部がなくなったら僕のバーナード馬はどうしたら……」
バーナイト君は、事情があって故郷を離れて購買部に住み込みで働いている苦学生なのです。
一緒にいるセント・バーナードという品種の馬は親友です。
もし馬術部が潰れて馬小屋がなくなってしまったら、バーナード馬が行く場所はもうどこにもありません。

「ワオーン……」
バーナード馬も悲しげにいななきました。

「大丈夫! このミケナイトがばっちり解決します!」
魅羽は自信満々に胸を張って言いました。

「ニャーン!(背はちっこいけどミウはおっぱいが大きいからな!)」
タマ太も胸について言い張りました。

「うーん、不安しかない……」
「ワン……」
バーナイト君たちはまだ不安顔です。鉄仮面で見えませんが!

「ふー、仕方ないにゃー。中学生にはまだ早いかもしれないけど、特別に不安がなくなるおまじないをしてあげよっか!」
「ニャッ!?(その言い方なんかエロいぞ!?)」
魅羽は鞄の中から特製マタタビを取り出して、二人と二匹は仲良くマタタビを吸いました。
するとどうでしょう!
不安はどこかに飛び去り、希望がぐんぐん湧いてきました!
鬼雄戯大会を勝ち抜き、馬術部を守る決意を新たにトキの声を上げます!

「狩るにゃん! 狩るにゃん! 狩るにゃん!」
「ニャーン! ニャーン! ニャーン!(おっぱい! おっぱい! おっぱい!)」
「アイテム積むぞ! アイテム積むぞ! アイテム積むぞ!」
「ワオーン! ワオーン! ワオーン!」

叫んでみて、バーナイト君は良いことに気付きました。
「そうだ! 僕が荷馬車でアイテムを運べば、みゅーちゃん先輩は普通の二倍ぐらい装備を使えるよ!」
「ワン!」

それを聞いて魅羽たちも大喜び!
「やったーありがとう! これでいっぱい勝てる!」
「ニャーン!(おっぱい勝てる!)」
こうして魅羽たちは、水星ちゃんと戦うための万全の準備ができたのでした。

めでたしめでたし。

174弾正院 倫法:2014/07/23(水) 23:11:01
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=44890066
生徒手帳用の画像

tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=44878760
埴井葦菜さん

175ぶらぼう:2014/07/23(水) 23:12:37
ミケナイト、暗闇、一、水星
pic.twitter.com/8lsfOwHvf0
はにい、おくとぱす、つばくろう、まの
pic.twitter.com/qpaBi9XpOD
ミステリアス、うーぱー、深見、雨竜院
pic.twitter.com/F68HN09cfJ
薬袋、志筑、好世、多味
pic.twitter.com/CJ6s6T5Xr8
平井律、蟹田、神社、二
pic.twitter.com/lCF2oypaHq
つらい、達弘、一太郎、ヴぇーた
pic.twitter.com/HujJi7KHQp
ああああ
tp://t.co/QEy3RPoqhS

176弾正院 倫法:2014/07/24(木) 00:04:07
>>175
質と量が凄いです。自分の手の届かない所にあるような集中力を持っているようですね。

177水星:2014/07/24(木) 02:23:00
水星VSミケナイトSS

かつて行われたハルマゲドンで度々要所となった渡り廊下の右側。
今、一つの決闘が行われようとしていた。

「ふむ。ちゃんと逃げずに来たようですね」
「む。それは私が決闘から逃げると考えていたってことかな?」
「あぁ、言い方が悪かったですね。約束通り来てくれて純粋に嬉しかったのですよ。ありがとうございます」
「あ、これはご丁寧にどうも。こちらこそ決闘のお誘いありがとうございます。決闘は騎士としての誉れだからね!」
「ふふっ、私も騎士と戦えるとは光栄です……さて、早速ですが勝負と致しましょうか」
「うん! では、いざ尋常に……」

「「――勝負……!」」

「狩るにゃんヴォルテックス!」
初動、先手を取ったのはミケナイト! 初撃でまさかの必殺技だ。
対する水星は――
「ぐっ……!」
左手で凌いだ! そしてそのまま踏み込み、カウンターの発勁だ。防御不能の拳がミケナイトの身体にめり込む。
「ぐぅ……なかなかやるね――っとぉッ!!」
続く必殺技攻撃! 今度は防御が間に合わず、水星はまともにダメージを負ってしまう。
カウンターにはならないが、お返しとばかりに水星が発勁を打つ。
「っと、立て直しますか」
バックステップで水星が下がり、両者睨み合う構図になる。
「ふっ」
浅く息を吐き、ミケナイトは三度目の必殺技を繰り出す! 水星がとった行動は――回避!
「っと、わわわっ」
だが思いの外攻撃が鋭く速い! 巨大シャベルが迫り、ヒット!! 
「らぁああああああっ!!」
「うぉおおおおおおっ!!」
そしてここからはひたすら攻撃し合う形になる。
水星はひたすら発勁を。ミケナイトは必殺技、そして間に発勁を。
「ぜはぁ……はぁ……」
「はぁ……はぁ……」
攻撃の打ち合いが終わったあと、両者は肩で息をする程に疲労していた。
そして体力に余裕があるのはミケナイトの方!
「これで、どうですか……!」
ジャラジャラと音が響く。投げ狙いの鎖が投擲されたのだ!
しかしミケナイトは鎖に捕まるよりも早く動く!
「せいっ!」
とどめの発勁!!! 水星は派手に吹き飛ばされ、頭を強く打ち、倒れた。
「はぁ……なんとか勝てた」

鬼遊戯大会一回戦、渡り廊下、通称B4の試合決着!
――勝者、ミケナイト!!!!!

【END】

178ミケナイト:2014/07/24(木) 08:41:02
>>177
ヤッター! 試合展開を忠実に再現したバトルSSだー!
特大スコップの一撃を腕一本でガードする水星ちゃんが格好いい!
決闘ありがとうございました!

179水星:2014/07/24(木) 21:16:07
水星と柊先輩の反省会 〜1ターン目〜

水星「今までのあらすじ:渡り廊下の右側にてミケナイトに決闘を申し込んだ水星だったが――!?」
柊先輩「まぁ見事に敗北してしまったというわけです。さぁ、反省会始めるよー」

Q1.負けちゃったけどどんな気分? ねぇ今どんな気分?

水「なんか質問文に煽られてるんですが……」
柊「これは質問の仕方が悪いわね……で、実際どうよ? 大丈夫? 次もちゃんと戦えそう?」
水「えーと、戦意喪失するほどショックは受けてないですが、それなりに凹んでは居ますよ。具体的には精神一つ分ですね」
柊「そっかー。その悔しさをバネに次頑張れるといいんだけどね。なんかアフターケア的なことした方がいい?」
水「んー、じゃあぎゅっと抱きしめて頭撫でてくれます?」
柊「いいけど、それ本気で言ってる? キャラ違くない?」
水「いえ、冗談です。自分で言っておいて恥ずかしくなってきました」
柊「ふむ。まぁ私の方で何かしら考えておくよ。今後のSSに期待しておいてね」
水「おー、先輩がいつになく優しい」
柊「そりゃまぁ、後輩が凹んでるときに助けてあげられないようじゃ先輩失格だと思ってるからね」
水「……どうやら私は良い先輩に恵まれたみたいですね。ありがとうございます」

Q2.今回の反省点は?

水「反省点ですかー、正直そんなに反省すべきところはないと思うんですよね」
柊「んー、ダイスに関してはアレがベストだった気がするもんね。回避を何かに変えても勝敗は変わらなかったと思うし」
水「惜しむべくは防御ダイスの奮わなさですかね。しかしこればっかりは運だからしょうがない」
柊「対戦相手を別のキャラにすべきだったというのはないしねー。そもそも今回は勝ちを狙うとか以前に中の人が絡みたい人のキャラと戦うっていう目的があるからね」
水「そういえばこれ待ち合わせ掲示板でいい忘れてたんですが、『騎士と決闘して勝利すれば名が上がるのでは?』という私達キャラのフレーバ設定の面での理由もちゃんとあったりします」
柊「あと、反省すべきところを絞り出すとすれば、行動提出SSを忘れたことね」
水「なんか中の人、HL4でも1ターン目の行動提出SSは忘れてたらしいですよ」
柊「学習能力というものがないのかしら……次ターンこそは行動提出SS忘れないといいね。2ターン目も忘れてたら、ホリランクラブ関係者の方達は『あいつまた忘れてやんのーwww』って嘲笑ってやって下さい」
水「反省会って銘うっておきながら反省すべきところ少なかったですね」
柊「まー反省点が少ないってのはいいことじゃん? じゃあ次行こうか」

Q3.2ターン目の行動はどうするの?

水「これはもう今の時点でだいぶ固まってます」
柊「また決闘を申し込む感じだねー」
水「はい。そして申し込む相手ですが……おっと、これはさすがにまだ明かせませんね」
柊「まぁ正直決めかねてるんだよねー。二人までは絞り込めてるけど、後はアイテム次第かな」
水「そういえば、今回初戦で敗退したからアイテムが貰えるんでしたね。負けたら負けたでそれなりに嬉しい特典があるというGK様の粋な計らいですね。モチベーションアップに繋がって良いシステムですね。GK様ありがとうございます」
柊「よしっと。今日の反省会はここまでかな」
水「そうですね。では皆様また今度―」

【END】

180ももじ:2014/07/24(木) 22:06:05
【武藤 雅紀vs蟇郡 苛&満艦飾 マコ】

「先手必勝!喰らえ!『大祓詞』!!!」
武藤必殺のボディーブロー!!否、『退魔』攻撃である。
並の悪霊はこれで昇天してしまうほどの聖なる力の籠った一撃である。
「やった...か...?」

退魔の光と土煙の幕が晴れ行く中でボールギャグが怪しく蠢く...。
「っくっくっく、うぬの渾身の一撃がそれか!!この蟇郡 苛の皮膚にも及びはせんぞ!!!」
「なん...だ...と...」

当たり前である。
蟇郡 苛はボールギャグミイラなどといった悪霊などではなく、ただの変態魔人なのだから...。
『退魔』に力をどれだけ込めても何の意味もないのである...。
つまりはただのボディーブロー。鉄壁を誇る蟇郡 苛にとっては蚊の刺す程度なのだ...。
武藤は根本的に力の入れどころを見誤っていたのである。
まぁ、あの見た目では同情は禁じえない...。

「っく、なぜだ!!なぜ、こんなにも『退魔』の力を込めて放っているのに...。」
「ふはははは、いいぞ!もっとだ!もっと俺を殴りつけろ!!!絶頂に達するまでっ!!!」
距離を取ろうとする武藤を布で縛り捕まえては「ほら、もっとだ」と至近距離に引き込む蟇郡 苛。
どうみても悪霊であるかのような振る舞いである。
「オカシイ...何かが...オカシイ」
さすがの武藤も『退魔』の力ではなく純粋な物理攻撃のみが相手に伝わっているのが理解できた。
それでも彼の疑念は止まらなかった。
「オカシイ...何かが...オカシイ」

「っくっくっく。達したぞ!絶頂に!!見よ!これが死縛の装である!!!」
蟇郡の必殺技が決まり、武藤の右腕がへし折れる音が勝負の終わりを告げた。

「っぐ、あがっ...参った...それより...」
最早、彼の目は蟇郡には向いてはいなかったのだ。

「おわ〜!先輩強いですね〜!!私の対戦相手だったようだけど、ラッキーををじあうygsんbjへg」
突如、滝のように血を花から流す満艦飾 マコ。
「マズイ...こっちだったか!!!」

悪霊はいたのである。武藤の背筋を凍らせていたのは目の前の変態ではなく、その後方からの圧倒的魔力だったのだ。
悪魔の名は...『七つの大罪は貪食、魔王ベルゼブブ』!!!!!!!!
「なんてことだ...全てを食らい尽くす魔王の憑代になれるほどの器があんな小娘に...?」

「な、どうした!!?満艦飾!!!」
「一刻を争う!!手刀を首筋に打ち込め!!」
「む、鼻血の時によくする首トントンか...よかろう...」
蟇郡の首トントンはマコの気を失わせるには十分なほどの威力であった...。
「よし!こっちだ!!!」
刹那、武藤は息を大きく吸い込み、あろうことか魔王を取り込んだのだ。
「ブンブンブン、バカメ、貴様ゴトキガ我ノ憑代ニナレルトデモ...」
「そうサ...分かってイるサ...不十分な憑代デ貴様の魔力も1/10程度シか出せテいなイぜ...」
「ブンブンブン、デハサッサト死ネ!!!」
「あア、お前もナ!!!」
武藤は折れた右腕で自分の丹田を必殺のボディーブローで打ち抜いたのだ。
ありったけの『退魔』の力を込めて...。
「ブンブンブン、グワァ!コンナヨワイ憑代デハ...アバブベブバァァァァフタグン!!!!」

眩い光と共に崩れ落ちる武藤。
「おい!!何をしている!!大丈夫か!!おい!!!...息が...。誰かぁ!救急車を呼べぇ!!」
密かに世界を救った退魔師、武藤 雅紀。この場の誰にもその偉業を知られることなく眠りについた。

---------------------------------------------
氏名 武藤 雅紀
性別 男性
必殺技名 大祓詞
生年月日 XXXX年XX月XX日
上記の者は真の退魔師であることを証明する
東京都XXX区XXX◎−▼
神道退魔術協会 理事長 八重樫
---------------------------------------------

181ぺんさん:2014/07/24(木) 22:54:08
真野来人 1ターン目開始SS

「鹿を追う虎を、人は卑怯と言いはしない。なぜだか解るか?」
希望崎学園校舎屋上。誰も居ないその場所で、真野来人は静かに語る。
「俺にはわかる。虎が鹿を追えるのは、その為の機能を備えているからだ。虎はその為に、全てを捧げているからだ!」
言いながら、ゆっくりと後退する。距離を取るために。助走をつけるために。
「虎は草を食べて生きてはいけない。だが代わりに!誰にも負けぬ“速さ”を使い生きているからだ!」
コツコツと、床を靴で叩く。感触を確かめる。全力で走るために。
「故に!俺も自分の行動を!卑怯とは思わない!そこにある獲物を追わぬことは!俺自身の速さを!愚弄することだからだ!」
前を見る。眼下には広大なグラウンド。そして彼にとっての獲物……御来光滝暗闇!

「さあ!全速全開で!駆け抜けるぜ!」

床が爆ぜ、轟音が鳴り響く。それより速く、来人は奔る。
空を、風を切り裂きながら。最速の男が今、グラウンドに降り立つ。

182ぺんさん:2014/07/24(木) 23:01:36
>>127
おお……これは……!
スローにも関わらずこのスピード感……!
メッチャかっこいいです!ありがとうございます!

183ももじ:2014/07/24(木) 23:18:12
【戦闘前 門司秀次vs蟇郡 苛&満艦飾 マコ】

「だ、大丈夫??」
「ううん、ちょっと久しぶりだったからビックリしただけ...」
「こ、ここはどう?」
「っあ」
「ご、ごめん...」
「ううん、優しくしてね...」
「う、うん、こっちはどうかな??」
「っあん!」
艶めかしい太ももに伝わる筆...。
顔を赤らめ、男に下半身をゆだねる少女...。
ぎこちない男を誘うように少女はスカートをたくしあげた...。

かのように、風紀委員長:蟇郡 苛の目にには映ったのであった。

「ゴラァァ!!貴様らぁ!!何を白昼堂々と...不純異性交遊にうつつを抜かすとは!!!」
「っえ!!?いやこれは...」
「私、足を怪我...」
「ほう、ではすぐに医務員に頼んで運んで貰えばよかろう」
「い、いや骨が折れてないか診ていただけで...(折角、女の子の太もも凝視できるチャンスなのに・・・)」
「そ、そうです!門司君はそんな不埒な事思ってません!(折角、男子と密着できたのに・・・)」
「ならば、なぜ筆を使う必要がある!!貴様は医務特化型魔人であるか!?否!!貴様は書道部であろう!!」
「こ、これは筆で文字を書いて治そうと...」
「この期に及んでなお、かような申し開きをするとは...風紀委員長!蟇郡 苛!この名において第12風紀事項を執行する!!」
「(え?とりあえずこのオッサンをチョチョーイと倒せば良いとこ見せれるな...)良く分からんけど、やってやるぜ!!」

こうして半分正解、半分不正解の戦いが始まったのであった。

184しづね:2014/07/24(木) 23:26:24
1ターン目 神社 vs 下っ端空手部員 

「月読はどこだアアアア!?」
  体育館に響く怒声。声の主は白く透き通る髪を掻き毟り、
今にも飛び出しそうなほどに目を見開きながら叫ぶ。

体育館の中心に『神社』はいた。
  突如、体育館に響く低音。マイクチェック。
  今、まさに月読がライブを始めようとしている所だ。

  体育館は千代にとって教会そのものなのだ。
『MARIYA』教はこの建物と共に歩んできた。

  その神聖な場所を穢される訳にはいかぬのだ。
「見ぃつけたァ”ァ”ァ”ァ”ア”ア”!!」

  月読に向かって一直線に走り出そうとする。
「押忍!!!」
 
  突如、行く手を阻むかのように胴着を着た数人、数十人の男女に囲まれたのだ。
「ァら、空手部の皆さんでハありませんカ。通してもらってもよいで――」

「押忍!!!!!」
「あの――「押忍!!!!!!」
(は、話が通じないッッ!!)

 そして『MARIYA』教の尊厳をかけた戦いが今始まった。

185門司秀次:2014/07/24(木) 23:46:01
筆で描こうと思ったけどよー
ペイント&マウスで描いたぜ!!
マウスは偉大なり
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44909095

186ミケナイト:2014/07/25(金) 00:13:22
「いきなりミステリアスパートナーの正体が丸出しになっちゃったんだけど……」
「そんな時にはオーバーボディです!」
「なるほど……!」
というような会話があったようです。

第1ターン、ミケナイト vs 謎の全裸男性!
tp://t.co/I6YkLDHfiN

187水無月劫穉with「 」:2014/07/25(金) 00:51:24
第1戦終了後

〜番長小屋前〜
「 」「初戦、勝っちゃいましたね劫穉さんO(≧∇≦)O」
劫穉 「……」
「 」「感想をどぞヽ(・∀・)ノ」
劫穉 「……」
「 」「今のお気持ちは(*^ー゚)v」
劫穉 「……」
「 」「次はどんな人と戦いたいですか\(^ ^)/」
劫穉 「……」
「 」「100万、手に入っちゃったけど何に使います(*- -)σ個人的にはデブ丸伝の新刊が欲しいでーすヾ(´▽`*;)ゝ"」
劫穉 「……」
「 」「あの〜、聞いてます(?´・ω・`)」

ブンッッッ

バゴシャーン!!!

「 」「ヒドイよ、ヒドイよ、いきなり瓦礫を投げるなんて(p>□<q*))マイク壊れちゃったじゃん、もう〜o(TヘTo)」
劫穉 「……黙れ」

そう言い捨てると、元の位置に戻り寝始めた。

「 」「む〜(o ><)つまんな〜い。・"(>0<)"・。」

しばらく、喚き続ける「 」


劫穉 「(チッ、鬱陶しい奴だ)……ゴフッ!」
「 」には気づかれないように咳き込む劫穉。押さえた手のひらには血の後がッ……!!

劫穉 「(忌々しい、脆い身体め……)」

本来の力が出ない自身の身体にそう毒づくと、劫穉は何事もなかったかのように眠りにつくのだった……。

188水星:2014/07/25(金) 00:57:52
柊先輩
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44907999

189のし:2014/07/25(金) 02:12:37
神社千代さん
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44912488

190のし:2014/07/25(金) 03:58:50
〜if〜 ちょっとインタビュー風

Q1 お名前をどうぞ?
劫穉 「……」
「 」「今をときめく花の転校生、皆のアイドル、とっても愛され体質の「 」だよ(≧∇≦)」
劫穉 「……」
「 」「こちらにいるのは、水無月劫穉さんよ〜(ノ≧∀≦)ノ・‥…━━━★」

Q2 戦闘スタイルはありますか?
劫穉 「……」
「 」「対峙したんだけど、劫穉さんは人体の急所をよく知ってるのよ〜、ガクブルだよねッσ(゚ー^*)」

Q3 好きなものは何でしょう?
劫穉 「……」
「 」「忍者デブ丸伝は面白いよ〜(o≧▽゚)o餃子は大好き、毎日3食は食べたいねぇ〜(´ω`*)」

Q4 逆に嫌いなものは何でしょう?
劫穉 「……奴は殺す、必ずな」
「 」「(゜ロ゜)私はお仕事が嫌ー、ゲームとかできないんだもん(≧ヘ≦ )」

Q5 願いが今すぐ叶うとしたら、何を願う?
劫穉 「……こいつを俺の視界から永遠に消し去ってやる、鬱陶しい」
「 」「��(゚□゚;)ガーン(。□。;)ガーン(;゚□゚)ガーン!!……私は、デブ丸伝のプレミア版が欲しいッ!!p( ̄へ ̄o)」

不穏な空気を感じ始める、リポーター……。
では、気をとりなおして大会に向けてのインタビューに参ります。

Q6 今大会の抱負は?
劫穉 「知らん」
「 」「建前でも、優勝って言わないとダメーー(っ`Д´)っ」
劫穉 「黙れ」
「 」「ガ━━��(´・ω・|||)━━ン」

Q7 誰と一番戦いたいか?
劫穉 「言わせるな」
「 」「えっとね〜、たしか咲“ドゴッ、バキッ、メキッ!!”o(TヘTo)」

Q8 あなたにとって『鬼雄戯大会』とは?
劫穉 「くだらん」
「 」「案外、ノリノリだったくせに(¬¬;)」
劫穉 「おい」
「 」「何も言ってないよ、発してなんかいないよヾ(゚ロ゚*)ツ三ヾ(*゚ロ゚)ノ」

Q9 応援してくれる方々に一言どうぞ
劫穉 「ない」
「 」「最高に可愛い「 」ちゃんを崇め奉っちゃってくださいo(´∇`*o)(o*´∇`)o」
劫穉 「バカが」
「 」「。゚(゚*´Д⊂グスン」

Q10 最後に言いたいことはありますか?
劫穉 「目障りだ、死にたくなければさっさと失せろ」
「 」「( ´・ω・)y━。 o ○(´・ω・`) 。 O (´・ω・`) ショック…」


つづく(?)

191サンライト=100しっこ:2014/07/25(金) 04:42:01
雨竜院暈哉対埴井葦菜

 最強を自称する男・カツオと戦うべく、渡り廊下の左側へ馳せ参じた男が2人。
 1人は雨竜院暈哉。もう1人は埴井葦菜(2m56cm、289kg! デカい!!)。
 しかし2人の目の前でカツオは左手の窓から颯爽と飛び降り、着地するや否や体育館へヅダダダダ……と一目散に駆け出していく。
 その姿を2人はぽかんとして、並んで窓から見下ろしていたのだが、鳴り響くチャイムが開戦の合図となった。
『1回戦、開始の時刻となりました。各会場、試合を始めてください』
 2人がいる渡り廊下でも既に他の二組が戦い始めていた。やるしかない。
「仕方ないわね(野太い声)! 行くわよ(野太い)!」
 あしながおじさん埴井葦菜、太く長過ぎる脚で大きく踏み込み、近接。
(速い!)
 というか暈哉が遅い。反応0の上に鈍重な得物。蛟で下がるより先に間合いに入られたのは必然だった。
「とぅえりゃ!」
 傘の先を反らしつつ、丸太のような腕で当て身。
「うっ」
 葦菜には軽い一撃だが、体重差は実に4倍強。軽く済むはずはない。ぐらついたところを掴み、力任せの投げ技を放つ。
 が、寸前、今度は暈哉が柄尻で水月に打ち込んだ。痛みと呼吸の乱れから葦菜の投げは鈍り、暈哉に受け身を許した。
 爬虫の如くに身を低くした暈哉に躍りかかろうとする葦菜。対して暈哉は脱ぎ捨ててあった制服の上着、それを槍の穂先で巻き上げ、放った。宙を舞う学ランが葦菜の視界を遮る、と同時に傘を広げ、突進。
 叢雲牙ーー雲間より出し竜の牙。
「小賢しいわねっ(太い)!」
 叢雲を蜂の一刺しが貫いた。
 蜂のように舞い、蜂のように刺す。葦菜必殺の膝蹴りである。
 上着を吹き飛ばした葦菜の膝とアナンタの牙。2つは交差し、そしてーー。

192サンライト=100しっこ:2014/07/25(金) 04:57:36
>>191の続き


 十数分後……。
「『臨』『兵』『闘』『者』『皆』『陣』『烈』『在』『全』」
「そればっかね」
 葦菜の前で、暈哉は九字の真言を唱え続けていた。敵前で印を結びこそしないが、祈りとは心の所作。口で唱え、心で結べば問題無い。
 体力は残り僅かだった。暈哉は何度か上手く葦菜の技を捌いてみせたが、満身創痍ではどこまで保つかわからない。そして、次に一撃貰えば間違いなく敗れるだろう。
 だがそれは葦菜にも当てはまっていた。暈哉よりはまともそうだが、やはり満身創痍と言っていい。右腕も折れているようだ。
(あの腕じゃあ投げは無理……膝蹴りで来る)
 暈哉は真言を唱えることで飛びそうになる意識を繋ぎ留め、丹田に気を溜めていた。
(次の膝蹴りを捌いて撃てるか……それが全て)
 葦菜の方も暈哉の思惑には察しがついていたが、取る手段を変えるつもりは無かった。
 左腕だけでは投げられないし、ビンタでは倒せない。
 何より、良くも悪くもプライドの高い葦菜はこの局面に至って必殺技で決め無いなどありえない、と妙な義務感を抱いていたから。
「行くわよ」
「おう」
 葦菜が駆け出し、そして跳ぶ。
 真言によって高められた暈哉の集中力は、はっきりとその様を捉えていた。
 自分に向って迫る鋭い膝。そして、高く持ち上げられた、筋肉で張り詰めた丸太のような太腿の間、蹴り技の連発で激しく擦り合わされることにより、薄くなったスパッツの生地が遂に裂け、人間離れした逸物が零れ落ちているのを。
「キャッ!」
 葦菜自身もToLOVEるに気付き、褐色の顔を赤らめるが、蹴りは止まらない。
(デケえ……)
 引き伸ばされた意識の中、ゆっくりと揺れる棒と袋に彼は目を奪われていた。
 暈哉は同性愛者だが、ビックディックに見惚れていたわけではない。
 緊迫した戦いの中、そこから大きく外れた出来事が起こればそちらへ意識を持って行かれる。ごく自然な反応であり、それを応用した技は数多く存在する(男の子同士の術、ハミチンサーブなど)。
 今回は偶然だが、このような不運も戦いには付き物と言えるだろう。
「ハッ!」
 暈哉が我に返った次の瞬間、やや低い軌道を描いた葦菜の膝が脾臓の位置に突き刺さっていた。

 暈哉を死闘の末に下した埴井葦菜。勝ち誇るでも無く、股間を隠した彼に、いや彼女に歩み寄る埴井家の三姉妹がちょっと引き気味だったのはきっと気のせいだろう。

193女子高生那自分賀 好世:2014/07/25(金) 09:13:34
好世第一戦SS
多味倫太郎戦ほか二戦

「私は自らに降りかかる疑いを晴らす為特殊デスマッチを提案します」
「この多味倫太郎受けて立つさ!」

なんという紳士力!普通に殴れば確実に勝てるにもかかわらず提案を受けた倫太郎はガチで紳士だ!
さあこの特殊デスマッチどのような攻防が繰り広げられるんだ!

「うわー、つまづいて転んでしまったー」「うわー、つまづいて転んでしまったー」

何と初手からお互いの声を完全にハモらせながら転倒して股間にダイブ!
シックスナインの状態で密着しながら服を破いていく二人!

「フオオオオ、さすが絶世の美女!今迄触って来たどんな女子よりもムチムチした、
そう圧縮されたゴムの様な感触の肉体だ」
「ウホホホー、こんなイケメン初めて!スベスベしていて汗臭さも全然ない」

服がビリビリと破けて、両者とも残すは下着のみ!
好世は身体を半回転し、お互いの股間が下着越しに擦り合う様に腰を動かし始めた!
この時、誰もが好世の行為は悪手だと考えた。男女がお互いの股間を擦り合わせた時、
先にパンツが脱げるのはまず間違いなく女性の方だからだ。男子の方が勃起したチンチンに
引っかかる分脱げるのが遅れるのである。

だが、本当に際どい勝負だったが先に全裸になったのは倫太郎の方だった。

「おおっ、チンチンでパンツが引っかかって有利なはずの倫太郎が負けたぞ!
・・・げーっ!チンチンが無い!」

観客達が異常気づく。そう、倫太郎は女性だったのだ。女性だからチンチンでパンツが引っ掛かる事もなく
脱げてしまったのだ。好世もこれにはビックリ。別に倫太郎の正体に気付いていた訳ではなく、
単純に股間同士で擦り合うのが気持ちいいからやっていただけだった。

「皆さん、石を投げるのはおやめ下さい!」

突如好世が倫太郎を守る様に立ちはだかる。別に誰も石とか投げてないのだが、
プロ宗教家の好世の誘導によって観客達はもう少しで倫太郎を責め立てていたであろうと
錯覚すると同時に好世のカリスマに惹かれていく。

「倫太郎さんが性別を偽っていたのは事実、ですがここに新たに一人の女子高生が発生したという
奇跡に比べればそんな事は些細な問題にすぎません」

そう、女子高生教の趣旨に従うなら男装していた女子高生の正体が発覚した場合、
祝福されるべきとされている。(逆に女子高生の正体が女装者だった場合は即殺すべしともある)

「フッ・・・負けたよ」

多味倫太郎は己の敗北を認め去って行った。となると、ほぼ全裸の好世に全員の視線が集まる。
好世のパンツは半分脱げかけた状態で留まっていた。勃起しかけたチンチンが股間を押し上げて
ストッパーになっていたのだ。

「ああーっ、見ろ好世様の股間を!!」

観客達が変化していく股間の異常に気付く。好世万事休すか、否!

「せ、生理だー!好世様が女装者なんて噂はやっぱりガセだったんだ!」

戦いの中で負った痔の出血で下着が赤く染まっていた。
股間がモリマンになっていく変化よりも分かりやすい女性の証が発生した事で観客の疑いは
凄い勢いで消えて行った。
この後の試合で全裸になるのを嫌がるレオナをグヘグヘ笑いながらどんどん脱がせていったり、
斎藤ああああにしばかれて敗退する時、肉体を支えるワイアーが限界近くを迎え全身が
膨張しかかっていても好世を疑うものは誰もいなかった。

(続く)

194神社 千代:2014/07/25(金) 20:13:31
pic.twitter.com/AbxG8xWyGh
門司秀次君!

195ももじ:2014/07/25(金) 20:25:49
>>185
わーい!やったー!っと思ったら死んどる〜!!w
遺影にします。ありがとうございます!

196神社 千代:2014/07/25(金) 21:45:47
>>189
ありがとうございます。
漂ってくる色気が凄く好みです〜。
かわいい...。

197門司秀次:2014/07/25(金) 21:46:59
蟹田 正継
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44924067

198ミケナイト:2014/07/25(金) 22:03:21
>>154
うおおおおーっ! すげえ! やったー!
猫耳兜のフェイスガードのデザインが猫っぽいし、
スコップが魔法のスコップ感あるし、
タマ太はリアリティある可愛らしさだし全体的に全部凄い!
志筑綴子さん、ありがとうございます!

199蟹田 正継:2014/07/25(金) 22:04:43
>>197
あたしの顔が描かれるってのは嬉しいねぇ。
今回はあたしに運が回ってきたけど次はいい勝負をしたいねぇ

200蟹田 正継:2014/07/26(土) 02:53:55
現在の希望崎学園内において一番の話題といえば鬼遊戯大会である。
各部の存続を掛けて血で血を洗い、時には死者すらも出すバトル。
ハルマゲドンが度々起こる希望崎学園生徒にとって格好の話題となるのも宜なるかな。
この一幕も本大会に於ける世間話の一つ。

希望崎学園内のとある教室。
語らっているのは二人の男子生徒、話の種は言うまでもなく鬼遊戯大会である。

「おい、お前知ってる? 体育館で最期まで勝ち抜いた奴」
「いや、しらねーけど。空手部員、野球帽とかその辺り?」
「違う」
「ほんじゃ、七菜ちゃんとか?」
「それも違う」
「門司? 月見? カツオ? 紅炎峰? 神社? 武藤? 風紀委員か?」

否定され続けたせいか、はたまた正解を勿体ぶって焦らす様に後半は苛立ったように男子生徒が名前を続けて言う。
しかし、出された名前はどれも正解とは違う、だから相手の男子生徒はこう答えるのだ。

「そいつらじゃあない」
「ってーと……え。 誰?」

困惑する男子生徒、体育館で名高い闘士-ファイター-は出し尽くしている筈である。
だからその名前はあまりにも不意打ちに過ぎた。

「蟹田正継」
「誰だよ、そいつ」
「落語研究会の会長」
「……ふーん」

名前の聞いたことのない奴だと男子生徒は思った。
しかし、別段珍しいことはない。 無名の闘士-ファイター-であれ鬼遊戯大会に参加できるほどの力はあるはずなのだ。
今回の事も騒ぎ立てる程のない運の良いラッキーマンだったというだけだ。
しかし、相方の男子生徒が続けた言葉は聞き捨てならない衝撃を与えた。

「しかも、そいつは無傷で制した」
「は?」
「傷を負うどころか、一度たりとも攻撃を受けずに体育館を勝ち抜いたんだ」
「……おいおい、そんな馬鹿みたいな話があるわけねぇじゃねぇか」
「俺もアイツの姿を見なかったらそう言っていただろうな……だけど、俺は見たんだ」

相方の男子生徒は目を瞑り、その時の情景を思い出そうとする。

危険故に、戦闘が終わるまで立入禁止になっていた体育館。
その施錠が解かれ、選手が体育館が開放されるその時。
あるものは死亡し、またあるものは大怪我を負い死屍累々といった様相を見せる中、その男は出てきた。
傷はおろか埃一つ体についてなかった男、蟹田正継。

「こんなことがあるのかと思わず体が震えたよ」

相方の男子生徒の体が震える、興奮によるものだ。
その様子を見て、話を聞いていた男子生徒はそれが事実だということを認識する。
そして彼自身、その話を聞いて興奮し体に震えが走った。

俄に信じがたいこの事実は希望崎学園内を静かに駆け巡ることになるだろう。
そして全くの予想外の使者である落語研究会会長、蟹田正継というダークホースは注目を集め始めることになる……ッ!

-------

「という話が既に出回っているんですが、そこんところどう思ってるんですかね。会長」

そう問いかけるは落語研究会の二年生、堺未来生。
答えるのは勿論―――

「いやぁ、事実とはいえちょっと怖いねぇ」

落語研究会会長、蟹田正継その人である。

「あたしは普通に楽〜に勝てそうな相手と闘っていっただけだからねぇ。『凄い男が出てきた!』なんていうのはちょいと違う、と」

軽薄そうな笑みを浮かべつつも謙遜する。
しかし、笑みの下に見える瞳は描いた絵図通りに事が進んだ策士の光を放っていた。

「で、新しく入部希望者が来ていますが……どうします?」
「とりあえず、仮入部だけはさせておいて欲しいねぇ。もしかしたら使うかもしれないからさ人は集めておきたいよ」

瞳の光がその様相を変える。策士のものから全くの別の何かへと。
より昏い、暗澹としたものへと。

「―――『地獄大喜利』を、さ」

201門司秀次:2014/07/26(土) 10:11:59
>>194
やったー ありがとうございます

202珪素:2014/07/26(土) 16:08:14
志筑綴子第一試合SS『強 その1』

「あれは、浜星……」

 生徒会役員室。模府鋭(もぶ えい)が息を呑む音。大グラウンドのビデオ判定員は彼女一人ではない。故に、模府があの浜星昇(はまぼし のぼる)の試合審判に振り当てられたのは、単純な奇遇といえる。
 野球の道を行く者でありながら、野球神(やきゅうしん)を討つ事が生涯の目的であるという。彼を最初に見た日を思い出す。神を殺す所業に一点の後ろめたさすら持たぬ、陽の狂気――

「一人全役……尋常ではない。それは、尋常の敵では……あなたが考えているような、志筑」

 志筑綴子(しづき つづりこ)。音もなく浜星へと歩み寄る修羅の名称が、それであった。犠牲者の血に餓えたその文芸が第一の犠牲としてその男を捉えたことは、不運と言う他はないのだろう。それが浜星昇でなければ。

(……恐ろしい。第一の、まだ五分も経過していない――その試合が、浜星と志筑。鬼雄戯大会。何故よしお様は、このような事を……)

 全てのポジションに完全を極めた野球選手は、もはや野球選手ではない。野球はチームプレーであるからだ。浜星昇はそれだ。この男は既に、野球の彼岸を踏み越えてしまったものである。そのような男が、神を殺し、野球という世間の頂の座に立つと豪語している。
 また、生徒会役員である模府が、志筑の闇に関して知らぬはずがない。文芸部最強の一角と目される空木啄木鳥(うつぎ きつつき)を、何者が殺したのか。しかし今ならば分かる。彼女を前にした者は、白い虹彩のその暗黒を前に……最大の容疑者の参加を、受け入れざるを得なかったのだ。

 異形怪才の徒二人。この第一戦で潰し合う事すら、運命の拒絶がためか。

『……ところで』

 対手に背を向けたまま、浜星が呼んだ。

『さっきからそこにいる女子は』

----

「“絶招”」

 その時にはもう、抹殺の文芸を打っている。志筑綴子は奥義を惜しむ精神を持たぬ。
 一撃にして空木啄木鳥の命脈を絶った、正体不明の邪文。
 ――殺一警百という。

 殺意が弾け、砂塵が波紋の如く流れた。……浜星は投球の構えを解き、残心した。その交錯で砂に座していたのは、仕掛けた志筑綴子だった。

「やるじゃねえか!」

 にかり、と笑った。邪悪に淀んだ志筑の眼差しと対称を成す、まるで野球部員である。

「今の投球、防いだな。文芸部の……!」
「うふ……どうやら、速い」

 立ち上がりつつ志筑が捨てたのは、原稿用紙に包まれた野球ボールである。先の砂塵を巻き上げる運動量で放たれたそれは、本塁直行レーザービーム。外野手の殺技に他ならぬ。

203珪素:2014/07/26(土) 16:13:39
----

「野球技術に依るものであれば、全ての技を繰り出すことができる。全て。専門のポジションに遜色のない力量で」

 自ら読み上げた技能詳細に幾度も目を通している模府にあっても、やはり、脳が認識を拒絶する映像であった。それが浜星の技。一人全役。

(一般的に、野球部員の戦闘能力は低いものと思われている。それは、技の応用性に劣るとされているから。しかし、一つ一つの技は……今のように)

 野球の理を越える野球の技について、模府は想像で補完する他ない。例えば、150km/hの豪速球を見落とさぬバッターの動体視力を以て、志筑の文芸の初動を認識していたとしたらどうだろうか。それを二塁手の瞬発力で。そしてあの至近からの、外野手の投球……乱闘要員の無慈悲さで、それを直接人体に。
 思考を巡らせる間に、凶人二人の交錯は続いた。先頭打者のバッティング。打撃認識を叩きつける文芸。一撃、二撃。三撃――彼女の処理機能ではもはや追いつかぬ。
 ……追いつかぬまま、志筑の肩が外れた。

(また使った。一人全役)

 怒りの一本背負い。乱闘中にのみ許される、外道のラフプレーである。

----

「なあ志筑先輩! 前々から……許せねえ事があったんスよね、俺!」

 少女の華奢な体で大地を割り、その肉体を破壊してなお、浜星の顔に罪悪の色はない。もっとも、文学少女を相手取って情けをかける愚者が、この学園の歴史に生存した試しはなかったであろう。

「アンタら文学少女とやらは……自分達の文芸だけが、人体破壊のエキスパートだと思い上がってやがる。気に食わねえ!」
「……くふ」

 細かな血を吐き、志筑は身を起こす。損傷は明らかに志筑の側が深く、無論運動部と文芸部の基礎体力量には雲泥の差が開く。希望崎文芸部を知る者にとって信じ難い、文芸者の不利であった。

「俺は強い!」

 それが事実。

「――だが、俺の強さを認めやがらねえ奴がまだ学園中にいやがる。だから俺が野球神と野球するには、この方法しかねえ。この大会しかな。志筑先輩……アンタらみたいに、他人から強え強えともてはやされてよォー……胡座をかいてる輩を、俺はどうにも許せねえ」
「……許せずに如何なさる、野球部の浜星とやら。その道理を押し通す力、貴方の技に果たして在るか否か……私は生きて二度、貴方の技を見たぞ」
「決まってるッスよ」

 ――俺の野球で、全員潰す。
 にかりと笑った。浜星もまた、自らの力に微塵の疑惑を抱かぬ。

 迅速の踏み込みが停止した。浜星はその速力のままにたたらを踏み、のめった。すれ違いに志筑の文芸を読み。
 合気の理合の全重力が、顔面を砕くが如き文章表現。それを浜星は受けた。グラウンドの砂が、今度は浜星の血華を吸った。

(不発……!?)

----

「――不運よの、浜星昇」

 遠く旧校舎内にて、垂水枕流(たるみちんりゅう)はくつくつと笑った。文芸部“四文鬼”の一角たる文学少女にとっては、報道部の映像放送も、実況すらも無用の長物である。
 志筑の試合の様を、聴き、脳に書き記し、読んでいた。

「……文芸を記すのみが文学少女ではない。読書こそが、本懐。引き伸ばされた動作の描写を。対手の心理情景を」

 ……今まさに垂水がそうしているように、志筑は技と心理を読む。先んじて踏み込みを圧す文芸を読ませたことで、浜星の奥義は不発に終わった。そして、文芸を無防備に受けた。

「しかし、一人全役……本来であれば、読みの通じぬ――我ら文学少女の大敵たる絶技であったものを。投球の踏み込み。柔の踏み込み。貴様は同じ足で踏んだな」

 それは偶然であったのだろう。無限の可能性を収束する一人全役という技そのものが、一種偶然性に支配された奥義であるとも言えるかもしれぬ。しかし、故に、志筑はそれを二度見た。同じ強烈な踏み込みが、一人全役共通の初動の開始であると誤認した。
 さらに浜星は今また、レーザービームか一本背負いのいずれかを発動してしまった筈である。不運にも。確率の誤認に、浜星の技は狩られた。

「死合は無慈悲なもの……今の不運で、もはや勝負あった。貴様ほどの逸材であれば、文芸を汚した憎き志筑の首……口惜しいのう。くふふ。ああ口惜しや……」

 心折れぬ浜星が立ち上がる。痛恨のカウンターを受けてなお、体力は互角。無論この程度で折れぬ浜星の闘志までもを、垂水は読んでいる。文芸。バッティング。そして次の一撃。既に未来は決まっている――この呼吸の刹那に、来る。

「見せよ。絶招」

204珪素:2014/07/26(土) 16:17:24
----

「“殺一”」

 原稿用紙が、浜星のバットを停止していた。

(違う。止めているのは俺自身だ。俺が)

 極限の集中に鈍化した時間流の中、浜星はバットに絡む原稿用紙を読書させられている。微に入り細を穿つ心理描写。認識に訴える文芸にて、浜星がバットを停止する様が記されている故に、止めねばならぬ。レーザービームが致死に届かなかったあの時、どのようにそれを防いだか、疑惑に至るべきであった。
 あと一手先にこの手の内を理解していたなら。偶然性の掛け違いが、そこになかったのなら。敵が、白い文学少女でなかったなら。
 攻撃動作に同調して逆撃の文芸が――

「“警百”」

 時が動いた。暗黒が浜星昇の視神経を侵し、あふれた。

「視力能わねば――」
「うおおおおおおおおおおっ!」
「――野球技、能わぬ。一人全役、浜星昇。討ち取った」

 無残に摘出された眼球が二つ、地上に落ちた音を浜星は聞いた。腕を失えど、スライディングで攻める。脚を失えど、タックルを繰り出すことができる。しかし……しかし、ボールと敵を映す眼を失えば。それはもはや。

「て……めえ!」

 次の瞬時、介錯の文芸を浜星は躱す。それは闇雲に発動した一人全役であった。短距離スプリント。そのスパイクを、志筑の脱臼した肩に、さらに螺子込んだ。

「負けねえ……俺の野球は負けねえ! 待っていろ! 俺は! 野球神を殺す男だ!!」
「うふふ。如何にも。くふっ、紛れも無き強者也」

 多大な負傷に咳き込みつつ、志筑は嗤った。
 真の強者――それを刈る事こそが、邪道に堕ちた文芸者にあって、唯一つの。

「  」

 密着した耳元で、白い唇が文芸を囁いた。
 視力を封じられた上で打ち込まれた文芸に……今こそ野球部の生んだ突然変異の異端、浜星昇が斃れる。

----

【第1ターン 大グラウンド】
志筑綴子○ ― ●浜星昇

----

「さあ」

 昏い瞳は、感情を映さぬ。その行為が紛れも無く、文の殺戮に身を浸す悦楽でしかなかったとしても。
 ――そして希望崎学園の文芸部は、敵対者に決して容赦をかけぬ。

 昏睡の中にある浜星の命を絶つべく、文芸が打ち込まれる。その時。

205珪素:2014/07/26(土) 16:31:08
志筑綴子第一試合SS『強 その2』

 ――介錯は成されなかった。

 風であったかもしれない。数秒の刻を遅れて、ばぢり、と空気の弾ける音が鳴った。同時、否、それより遥かに早く、志筑綴子の身体は吹き飛んでいた。
 轍。その瞬間以前に存在していたとは思えぬ。深く長く、遥か遠くに繋がる運動軌跡。

「――なんだ、今のやつは」

 轍の先端に立つ者は、両の拳をポケットに入れた、男である。今、意識を刈り取った白い文学少女を見た。生気に満ちた浜星とも、悪意に淀んだ志筑とも異なる……退屈に倦んだ眼球であった。

「遅すぎる」

 たった今、横合いより志筑の側頭を打った彼の一撃を目視し得たものが、世界に存在し得ただろうか? 生徒会は、記録映像の速度を極限にまで落とした上で、なお彼の勝利を推測する他ないのだろう。

 “学園最速”四人の残る一人。次元外から飛来したかの如き、それは強者であった。名を真野来人という。

「……遅すぎる、誰も」

 ばぢり、と空気が鳴った。

----

【第1ターン 大グラウンド】
真野来人○ ― ●志筑綴子

206村田ソフィア:2014/07/26(土) 18:09:52
晩田院 巫弥
tps://twitter.com/sophiamurata7/status/492959168609779712
ソフィアとショーゴ
tps://twitter.com/sophiamurata7/status/492959511317975041/photo/1

207カツオのひじ:2014/07/26(土) 18:20:22
【Turn1】渡り廊下左側の戦い 其の一

渡り廊下。そこかしこに覗かせるのは、暗く淀んだ血の滲み。深く抉られた拳の跡。
それは数多の戦をその身に刻んできた、勇壮にして悲壮なる、戦士達の墓標。闘志宿す聖域。

故に、

「カツオ先輩。俺と戦ってもらえませんか?最強だっていう先輩の道と俺の道、張り合いがしたいんで」

集うのだろう。

「ヘッヘ!悪くねェな。いいぜ、俺がお前をブッ飛ばす!」

力を示さんとする、者たちが。






「なんか確か左側って言ってたよな。お椀持つ方だからこっちだ」

力を示さんとするカツオは左側の窓を破り外へと消えていった。


最強の男は、未だ止まらない――。

208水星:2014/07/26(土) 20:38:52
水星とジャグリングありさ

水星と柊は屋外文化系連合のメンバーにあいさつ回りをしていた。
その道中、中庭に着くと、ジャグリングありさが部活の練習に励んでいた。

「こんにちはー」「こんにちは」
「フッフッフ、こんにちわ……」
「私達、屋外文化系連合の方々に挨拶をしてまして。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします……」

ジャグリングありさは会話中でも器用にボールジャグリングをしていた。

「そのボールって何個まで投げられるんですか?」
「フッフッフ、私の魔人能力、『ぐるりぐるりと回りませ』は一度投げたらどんなものでもジャグリングできる能力……理論上は何個でも、どんなものでも投げ続けられますよ……」
「へぇー! ジャグラーにとってこれ以上ないと言っていい程適した能力ですね」
「大道芸部ってボールジャグリング以外に何をやってるんですか?」
「皆さんご存知の生徒会長、よしおさまの様なパントマイムを始め、種目は多岐に渡りますよ…… ジャグリングでもボール以外にもボーリングのピンみたいなクラブを投げるクラブジャグリングがありますし、皿回し、二つの棒で一つの棒を器用に操るデビルスティック、三色の箱を巧みに操って入れ替えたりするシガーボックス、中国ゴマとも呼ばれる二本のハンドスティックに通した糸でコマを回すディアボロなどもあります……」
「種類豊富なんですねー」
「面白そうなものがいっぱいですね」
「どうですお二方、何か体験していきませんか……? 私は基本ボールジャグリングがメインですが、基礎的な技なら他の道具も教えられますよ」
「え、いいんですか? じゃあお言葉に甘えて……うーんと、その三色の箱やってみたいです!」
「じゃあ、柊先輩がそれにするなら私もそれで」
「シガーボックスですね。了解しました」

ありさは道具箱からシガーボックスを取り出し、二人に渡した。

「外側の箱の中央をそれぞれ手で持って下さい。では、基本の動きから。 まず、シガーボックスを持ったまま足腰を使って身体を上下させてください……」
「こう、ですか?」「ふむ……」
「そうそう、そんな感じです…… シガーボックスはほとんどの技でこの動きが重要になってきますからよく覚えておいてくださいね…… 今度はその動きの途中に箱を一瞬離してまた掴んで下さい…… 箱を浮かせることを意識すると良いですよ……」
「よっと」「むっ、バラバラになって落ちてしまいました」
「箱の側面には摩擦でくっつきやすくするシートが張ってあるので、摩擦を意識してちょっとだけ中央に向けて力を与えるようにしてから手を離すとうまくいくのではないでしょうか……」
「お、できました」「やったね!」
「その調子です…… 今度は一番オーソドックスな技、『中抜き』を教えましょう…… こんな感じに、片方の箱から手を離し真ん中の箱をとって、元々持っていた箱を挟み込むんです……」
「んー?」「むむむ……」
「えーとですね…… さっきの手を離して掴むだけの動きを思い出して下さい……」
「これでどうだ! あ、できた!」「あ、先輩ずるいです。私も……うーん、ダメだ」
「箱を浮かせるようにして……なるべく早く手を動かして……」
「ふむ……お、できた」「おー、やったじゃん! 水星!」
「二人共できたようですね……」
「ありがとうございました!」「ありがとうございました」
「フッフッフ、礼には及びません……」
「でも意外とこれ疲れますね、全身を使うというか」「足腰にきますね」
「大道芸部は文化系でも運動系でもない、第三の部活と呼ばれたり呼ばれなかったりしますしね……」
「へぇー」「凄いですね……さすが生徒会長よしおさまがいる部活」
「そのうち公演もありますので良かったら見に来て下さい……」
「はーい」「ではジャグリングありささん、今日はありがとうございました。もし鬼遊戯大会で対戦することになったらその時はお互い全力で戦いましょう」
「フッフッフ、貴方の身体もジャグリングしてあげますよ、では」
「さようならー」「さようなら」

【END】

209熊殺しのウーパールーパーめごちゃn:2014/07/27(日) 00:36:54
【巨大ウーパールーパーVS巨大オクトパス 購買部前の決戦!】
(その1)

 購買部前は、既に異界と化していた。


「俺! 食事! 貴様! 邪魔!」

「うじゅる……うじゅるう……うじゅるる……
(※:所詮は獣か。人の言葉も介さんようだな)」

 片や全身をぬめぬめと粘液で覆う巨大な怪物。
 全身を照り光らせる魔人ビオトープの王。ウーパールーパー、めご。

 八本の柔軟な手足、巨大な頭部。
 生まれながらの圧倒的水中適性を誇る水泳部の新人。オクトパス。

「不理解! 愚カ! 俺! 支配!」
「じゅるじゅる……ふしゅるるるるる……
(よかろう。暴力は本意ではないが、罪なき店を襲う非道、許せん)」

「それでは、両者合意と見てよろしいですね!!
 鬼雄戯大会本戦、開始ィ―――――ッ!」
 
 どこからともなく現れた審判の号令と共に、両者はぶつかりあったのだ。
 ――飛び散る粘液。引き潰された肉片、米粉。ここで発売されていたはずの弁当の残りであった。

 八本の脚から放たれる洗練されきった発勁。
 暴れ回る獣の破壊がぶつかりあう。

「己! 生意気!」
「フシュルルル……!(この質量……侮れん!)」

 魔人学園にあってなお怪物の域に存在する二者の衝突。
 溢れ出るエネルギーは、もはや小宇宙の爆発に等しい。

 弁当が飛び、焼きそばパンが焼きそばとパンに分離崩壊。
 コッペパンが木端と化し、茹で卵が爆発四散し、パック牛乳が千切れ飛んだ。

 仲間を先に逃がしていた気丈な学生店員の少女が、べとべとな粘液に身体を覆い尽くされわれながらも、
 先に逃がしていた仲間に助け出され、かろうじてその場を離脱した。

「生意気! オ前! 倒ス! 支配!」
「ブジュルブジュル――――ッ!!(やらせはせん!)」

 泥仕合……と呼ぶことすら躊躇われた。
 もはやそれは、一つの戦争だった。

 肉体の大きさにおいては、僅かに、しかし確かな差で、水泳部が勝っている。
 しかし、オクトパスは理性ある人間である。
 八本の脚を有し、尋常ならざる水中適性を備えながらも、彼は愛の為に戦う。

 それは、この大戦争には決して、向いているとは言い難い。
 棲処を追われたビオトープの王は、圧倒的な怒りと暴走で動いている。

「飯! 喰ウ! 邪魔!」
「ふしゅ―――ッ!?(何!?)」

 発勁を放つべく上がった触手が、突如として床に叩きつけられる。
 ぱくぱくぱくと、ウーパールーパーが宙に浮いていたお握りを食べる。

 魔人能力【幼生大戦争】。
 水に浮いて食べにくい餌から『浮力』を奪って沈める為の力――
 怒りと暴走により、半ば重力操作にすら近い域に達していた。

 水泳に適した巨体が、たった二度三度の交錯で、
 今や眼前のウーパールーパーと同じ程度の体力にまで引きずり降ろされた。

「ふしゅる―――ッ!(だが――!)」

 だが、オクトパスは崩れない。水泳において、ペースを乱すこと=死だからだ。
 再びの発勁――いや、それだけではない!
 オクトパスは、その水泳向けの八本の脚を使い、ウーパールーパーを締めあげた!

210熊殺しのウーパールーパーめごちゃn:2014/07/27(日) 00:37:42
【巨大ウーパールーパーVS巨大オクトパス 購買部前の決戦!】
(その2)

 その長い脚は、水泳の際に独特の泳法に使えるだけではない!
 こうして伸ばせば、その軟体は一転、捕えた相手を決して逃がさぬ縄となるのだ!

「ヌ―――!? 邪魔! 不快! 不快不快不快!」

 暴れ回るウーパールーパー。だがその暴走の威力は、明らかに減じていた。
 繰り返す零距離からの発勁。その度にウーパールーパーの体表に波紋が走る。
 オクトパスの理性の技が、ウーパールーパーの怒りの暴走を、完全に抑え込んでいた。

 先程までとは一転して、周囲の被害はない。
 だが、巨躯二匹が密着したその内部には凄まじいエネルギーが満ちている。

 もし仮にこの場に肉体自慢の魔人がいたところで。
 暴れ回るウーパールーパーの尻尾、あるいは締めを確実なものにするべく床を噛む
 オクトパスの脚に触れただけで、ミンチと化すに違いない。

「離セ! 無礼! ヌゥゥゥゥゥウウ!」
「ふしゅ――――ッ!(チィィッ!)」

 三度目の大暴れが、オクトパスを引き剥がした。
 壁に叩きつけられる直前で、八本足の水泳部は壁に張り付く。
 彼の脚は震え、既に満身創痍。だが――

「己……オノレ……生意気……許……」

 ――ずうううん、と。
 熊殺しのウーパールーパーは、購買部の机を押し潰し、その場に倒れた。
 立ち上がる気配は見せない。

「熊殺しのウーパールーパーめごちゃん、VS オクトパス、決着!
 勝者、オクトパス!!
 屋外運動系部活連合に1ポイントが加算されます!」


「……ふしゅるるるるる…………(危なかった……)」

 オクトパスは肩を竦め、静かに汗を拭う。
 紙一重の勝利であった。

 あのウーパールーパーの大暴れは、本人の肉体に過剰な負荷を掛けている。
 それゆえの威力であったが――もし仮に、あのウーパールーパーの身体がそれに耐えられる
 肉体をしていたならば、紙一重で負けていたのはオクトパスの方であったろう。

 ともかくオクトパスは、購買部を襲う脅威を退けられたことに安堵し、


「――では鬼雄戯大会、二戦目!
 一太郎VSオクトパス!」
「ふしゅ?」

 視界いっぱいに迫る、彼の体表よりもなお赤いレッドカードと。
 それが、どんな職人の包丁よりも鮮やかに、自身の巨体の致命部位を貫いたのを見た。 


 ――オクトパスには知る由もない。

 目の前の審判が、彼らの審判を行うと同時に、
 別の参加者と戦い、無傷で勝利していたこと。

 そして鬼雄戯大会本戦のルールに忠実に、
 勝者であるオクトパスに試合を挑んだこと。

 それを理解するには、彼はあまりにも遅すぎたし、運が悪すぎた。
 そして、これこそが、鬼雄戯大会なのだ。


◆       ◆


「グ……!」

 数分後。
 誰もいなくなった購買部で、巨体が身じろぎする。

「見テイロ! アノ邪魔者! 八本足ノ水泳部! 復讐! 不可避!」

 右腕が折れているようだ。
 以前より慎重に動かなければならないだろう。

 怒りに打ち震えながら、熊殺しの幸運な怪物は、ずんずんとその場を後にした――

211熊殺しのウーパールーパーめごちゃん:2014/07/27(日) 00:39:10
【巨大ウーパールーパーVS巨大オクトパス 購買部前の決戦!】

tp://twitpic.com/e8y8hd

212ミケナイト:2014/07/27(日) 03:07:19
ミステリアスパートナー(全裸でない)&不動茜さん!
pic.twitter.com/QoEoTzQXC7

ほりくら4こま!「およげ水星ちゃん」「ミステリアス漫才」の2本です!
pic.twitter.com/8Pu6JUrL4i

213サンライト=100しっこ:2014/07/27(日) 03:49:21
※ゲームとの整合性とかは気にしないでいただけるとありがたいです。
※気に障ったらすみません

ヴェータ、16歳冬
己の肉体とカルタに限界を感じ、悩みに悩み抜いた結果
彼がたどり着いた結果(さき)は礼拝(サラート)であった
自分自身を育ててくれた神(アラー)と百人一首への限りなく大きな恩
自分なりに少しでも返そうと思い立ったのが

一日一万回 感謝の礼拝札取り!!
(並みのムスリムの実に二千倍である)

膝を着き 平伏し 祈り 唱えて 取る
一連の動作を一回こなすのに当初は1分前後
一万回取り終えるのに初回は七日以上を要した
取り終えれば倒れるように寝る
起きて身を清めてはまた取るを繰り返す日々

「いや、これ時間かかりすぎじゃないですか流石に」
「信仰とはただ従うこと違う。信仰を深めるにはより洗練された祈りへと移る必要あります」

高速で神への言葉を唱えながら倒れ込むようひれ伏しつつ取る
半年目に編み出したこの取り方は彼の札取りを大幅に簡略化し
一万回を18時間で終えられるまでになった

二年が過ぎた頃異変に気付く
一万回取り終えても 日が暮れていない
齢20を超えて 神と一体化する
感謝の札取り 1時間を切る!!
かわりに 回る時間が増えた

大会に出た時 ヴェーダの土下座は
音を 置き去りにした

審判「周りの札も全部吹っ飛ぶからね、それ。やらないように」

214門司秀次:2014/07/27(日) 04:18:25
ミニ蟹田くん
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44952129

215門司秀次:2014/07/27(日) 13:15:59
神社 千代
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44956285

216門司秀次:2014/07/27(日) 14:28:30
【vs蟇郡】
「風紀委員長!蟇郡 苛!この名において第12風紀事項を執行する!!」
「くっ!!良く分からんけど、やってやるぜ!!」
風紀委員を名乗る大男は訳のわからない事を叫びながら猛進する。
ぐぎゅるぎゅる。
更にその体に包帯のようなものが巻きついていく。

「オイオイ、オッサン。こんなところでそんな格好して走るもんじゃねえぜ!!」
門司はポケットから紙の束を取り出し空中へ投げ上げる。

「貴様ッ!!体育館にゴミを捨てるかッ!!」
怒る蟇郡は、しかし直後に目を見開いた。
門司の巨大な筆が素早く動くと巻き上げられた紙、いや書道に用いられる和紙、半紙だ。
無数の半紙が周囲の壁や床に勢いよく張り付いていく。
「ベカラズ!!」
周囲に張り付いた紙には字が書かれている。

「むうッ!?『足元注意、転んで怪我をする』だと」
「そうさ、むやみに走らない方がいいぜ。オッサン」
「ぐぬッ」
目の前には既に居合の構えの男
「一文字!!」
刀の一閃、しかし蟇郡にとってこの程度の攻撃を防ぐのは容易である、いや容易なはずであった。
ありえない、この体育館にバナナの皮が落ちている事さえなければ!!
「うおおおッ!?」
一閃がまともに蟇郡の体を切り裂く。
木刀でなければ、いや木刀でなおこの威力。
「ぬうん!!」
「どわっ」
しかし反撃の鞭が門司の体を弾き飛ばす。

「いてて、なんつう硬さだよ」
「このバナナの皮、今までここにはなかった、これが貴様の能力か?」
「へっへっへ。注意はしたぜ。足元注意、走るべからず。俺のベカラズの領域の中で戦おうってんだからそれなりの覚悟ってのはしてもらうからよオッサン」

217門司秀次:2014/07/27(日) 14:29:22
「俺はオッサンではない、そしてこの能力をどうせふしだらな事に使うのだろう?」
「なんでだよ!!」
「問答無用だ!!」

門司の居合を受けてなお倒れぬ蟇郡の鞭が唸る。
そして。
「ぬおおおおッ」
「なんだこりゃああああッ!!」
突如、蟇郡の体の包帯が蠢き門司を掴む。
「ってオッサン。これはいいのかよ!!これ十分アブナイぜえええッ!!」
「黙れレイプ魔!!」
「違うっ、ってぬわー!!」
強烈な投げによって門司の体が壁に激突!!
「逃がさんッ」
「逃げてねーッ」
追撃の鞭攻撃と居合の交錯。

「そろそろ観念して己の非を認め、おとなしく縛につけい!!」
「い、いやだ。だいたい俺は悪くねえ!!それに、そこだーッ!!」
「何ッ!!なぜこんなところに泡立った石鹸が落ちているッ!?」
蟇郡の巨体が宙に舞う

「アンタにかまってる暇はねえんだよう!!喰らえッ!!」
「お、おのれ。レイプ魔ッ!!」

門司の居合抜刀の構え。
その周囲には淡く黒い影が集まる。
「貴様―ッ!!」
「水墨龍(スイボクドラゴン)!!」

黒き龍のような一閃が蟇郡を弾き飛ばした。

「はぁ、はぁ。て、手ごわいオッサンだった。オイ大丈夫か?おい…」
「……」
「おい、オッサン。えと蟇郡?」
「……」
「死んでる?」
「……」
返事はないただの屍のようだ
「や、やっちまったーッ!?違う、こ、殺すつもりは無かったんだー」

218立川:2014/07/27(日) 16:28:44
>>163
やったー!ありがとうございます!
このミステリアスな雰囲気、堪りません!
まさか1T目で正体バレするなんて……ど、どうしよう……

>>166
バトルロイヤルかっこいい!
躍動感あるなー。
こういう乱戦形式、良いですよね。

>>175
凄いイラスト量産力だ……!
各キャラの特徴が出てるなー。
自キャラも描いていただいてありがとうございます!

>>186
ゲ、ゲェー!?
オーバーボディー!
ミケナイトちゃん、かわいいぜ。

>>212
不動さんまで……
ありがてえ……ありがてえ……
何でこいつら、漫才やろうとか思っちゃったんだw
水星ちゃん、かわいいぜ。

219立川:2014/07/27(日) 16:33:43
6度目のゴングが聞こえる。
地鳴りを上げる歓声、むせ返るキャンバスの熱気。
目の前には、ふざけた格好をした男の姿。
ふさげやがって!なんだその格好は!?
ボクシング部代表!?
貴様みたいな野郎が 鬼雄戯大会を口にするなぁっ!
……行かせない 行かせない 行かせない!
ボクシング部代表はこの俺! スズハラ太郎だ!
我は死神! 様式・死神(モード・ミキストリ)!


〜〜〜〜ミステリアスパートナー参戦SS2 『誰が為に鐘は鳴る』〜〜〜〜


「チィっ!」
放たれるリードブロウ。頬をかすめる砲弾。
その風圧は皮を裂き、肉を削ぐ。
空振りですら寿命が縮む暴風地帯。
だが、それがどうした?

「なんだそれ?」

地雷原を駆け抜ける無謀さで。
フットワークと呼ぶにはあまりにも雑なステップで。

「なんだそれ?」

腹ワタが煮えくり返ってるんだよ!
カンタンにボクシング部代表と言うなっ!
鬼雄戯大会を舐めるんじゃねぇっ!

「なんだそれぇっ!?」

「がはっ!?」

左手に感じる手応え。
散弾の雨に潜り被せた左ストレートだ。
その先にははっきりと見える。
ふざけた格好をした、あの男の姿が。
……観衆よ!見ろ!思い知れ!

「こいつには何も期待できないというコトを!!」

奴のジャブが砲弾ならば、俺のジャブは死神の鎌。
特徴的なメキシカンジャブ。
その『伸び』と『軌道変化』は、徐々に命を削り取る。
変幻自在の軌跡は予測すら至難の業。
もう貴様は、死刑台に昇っているんだよ!

「〜〜っ! 相変わらず小賢しいジャブだぜ」

……そうだ、相変わらずのジャブだ!
そろそろ目は慣れたか?

「だがよ。 流石にこれだけ見せられれば、嫌でも慣れるってモンだぜ」

……そうだ、そのために打ち続けたからな!

「カカカッ! そろそろこっちの番かよ?」

……そうだ、もっと近づいて来い!

知ってるか?必ずダウンを奪えるパンチを。
それは……”意識の外から放つパンチ”
俺のジャブは十分に見ただろう?
直線の軌道に目が慣れているだろう?
もうお前は、フックが来るだなんて考えてすらいないだろう?
これが世界レベルの駆け引きだ!
食らえ!

―――――『パーフェクト・フック』―――――

220立川:2014/07/27(日) 16:35:16
===============================

左手には、柔らかい肉の感触が残っている。
今までに何度も味わった感触。『パーフェクト・フック』が完璧に突き刺さった証。
俺の左拳は、確かにあいつのテンプルを撃ち貫いた。
だというのに。

「……何で。 何で貴様は立っていられる!?」

咄嗟に避けた? 否、有り得ない。
俺の戦略を読んでいた? 否、有り得ない。
だったら……

「今のは効いたぜぇ〜? 何を貰ったんだ? フックかよ?」

「何でだ!?何で貴様は立っていられる!?」

「あぁ? そんなの決まってんだろーが。 テメーの拳は”軽い”のよ」
「どっかの女が言ってたぜ。鬼雄戯大会はありとあらゆる部活動による異種格闘技戦ってな」
「”ボクシング”なんて小さい枠のチャンピオンを目指してるテメーじゃ、ちょいと力不足だとよ」

「だったら……だったら貴様は何のために鬼雄戯大会に出る!」
気がつけば、大きく右を振りかぶっていた。
見え見えのテレフォンパンチ。
避けることなど造作も無い。
だが、

「これも、どっかの女が言ってたんだけどよ」
「”ボクシング”が最強の格闘技だと証明したいんだとよ。ケッ、難儀なモンだぜ」

俺の右拳を額で受け止め、退屈そうに言いやがった。

身体は火照っているのに、芯は凍えるほど寒かった。
俺の右拳から覗くあいつの目。
その姿。その野生。
まるで、俺の憧れた……。
思考を取り戻したのは、背中に感じる異物感が切欠だった。
コーナーポスト。
自分が退がっていたと気づくことには、それほど意味を要しなかった。
何故ならば――――。

「遠くまで逃げたところ悪いんだけどよ」
「そこは――――俺の射程距離なのよ――――」

何故ならば、あの男のそんな台詞が聞こえてきたから。
何故ならば、その瞬間、目の前が漆黒に覆われたから。

===============================

けたたましくかき鳴らされるゴングが聞こえる。
地鳴りを上げる歓声、むせ返るキャンバスの熱気。ひんやりとしたマットの感触。
見上げると、ふざけた格好をした男の姿。

「遅くなっちまったがよ」
「これで、ボクシング部の代表、そして、鬼雄戯大会最後のエントリー者が決定だ」

ふさげやがって! ふさげやがって!
……世界チャンピオンの前に、まずは貴様を倒してやる。
だから……。
それまで……負けるんじゃねぇ。



<第0ラウンド 〜ボクシング部 室内リング〜>

●:スズハラ太郎−ミステリアスパートナー:○
(6R2分25秒:ダッシュストレート)

221しらなみ@英子と四囲美:2014/07/27(日) 20:23:35
偽典SS
英子と四囲美の人間革命『燕は二度、啼く』


●発端
ことの発端は 米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)のチアリーダーたちの賃金にまつわる
ツイートだった。
彼女らには交通費も支給されない、小道具も自前、サービス残業あたり前の劣悪な環境、実質最低賃金以下…
ミリオン高給取りが乱舞するNFLにおいてチームを支えるチアリーダーたちは極めて薄給でいるというのだ。

ペンペンペン。カクサシャカイのゲンジツ、ザケンナー、ペンペンペン。
彼は遠方の同胞の苦境に憤り、激しくデスクを叩いた。当然の様にこれをリプライ、コメントを付け広く
フォローするファンに記事の拡散を呼びかけた。

そして 翌日、彼のその発言はオフシャルにより削除され、彼=つば九朗はフロントからの呼び出しを喰らった。
再三の注意にもかかわらず
彼は、球団オフィスから出た彼は、最後まで納得しなかった。
そして
彼はこう自問した。
これは氷山の一角でないか、このような現実がより身近にも存在しているのではないか、これを見過ごしていいのかと。

――2カ月後
―――――スワローズのマスコットは
―――――――希望崎学園にいた。



燕条・つば九朗はいわゆる不良マスコットのレッテルをはられている。

乱闘の最中、仲裁するフリをして必要以上にブチのめしたため、今だ病院から出てこれない選手もいる。
威張るだけの脳なしなんで 気合を入れてやったコーチはもう2度とグランドへとやって来なかった。
他にも性質の悪い酔っぱいの客には冷水代わりに容赦なく平手叩きをお見舞いするし、
「やーい悔しかったらカメハメ波撃ってみろよキックキック」とかわけわからないこといい蹴りを
入れて来る餓鬼には返しでフライングボディアタックをかますこともある。

だが、そんな彼にも吐き気がする『悪』はわかる!

『悪』とは!
自分の都合のためだけに 弱者を利用し、ふみつけること。
しかも華盛りの女の子をだ。
おめーらの『スタンドプレイ』は被害者自身にも法律にも見えないしわからねえ…

だから、オレが裁く!
希望という名の冠したこの学園で行われている弱肉強食の鬼雄戯大会、そこで行われている『悪』を


『減俸つばめ返し』が空を切る。
その失われた相手の年棒が”どこ”に降り注ぐかそれを知る者はいない。


●大グラウンド

「「LETsGO!!GETs!WIN! Swallows!! 
     L・O・V・E。
        L・O・V・E。
      TU・BA・KU・RO!!YA!!」」

チアリーダー部の声援を受けながら
呼び出した不明部部長、御来光滝・暗闇が現れるのを大グランドで待っていた。
一説には生徒会とのつながりがあると噂される特殊な能力を持つ人物を

彼は暗黒が彼の誘いを断らないことを確信していた。

”スタンドプレイ”同士は惹かれあう。

『御来光滝暗闇が今回グランドに来るメリットはない。
まあそういう面も含め、今回ここほど戦局が読みやすい場所はないだろう。』

奴は必ず来る!

『何故ならば来ても来なくとも奴は”必ず”他の奴はに狙い撃ちされるからだ。
結果は同じ。それを踏まえ、誰を狙うべきかは明白だろう。
そこでお前達が勝ち抜けれる確率は…、おおよそ5割といったところだな。』

暗黒はこなかった。ペンペンペン#。

「「ハイ。フォークでどーん!!」」

打ち震えたところに後ろから蹴りが飛び、ぺんぎ…燕は大地にスラインディングをかます。
着ぐるみ故にダメージはない。
慌てて振り返るとチアリーダーが二人立っていた。踊っていた他のメンバーは退避している。

二人の腕が交差した。「!?」

「「dangerous!!crossover!!」」

 黒き闘士の炎 ダンゲ☆ブラック
   燃える命の輝き ロスコ☆ホワイト
   
 「「 ふたりはダンゲロス子!!  」」


「ザケンナー」
「「デスヨネー。」」

変身を終えた本人たちにも自覚があるのか、綺麗にハモッタ返答が返ってきた。

222しらなみ@英子と四囲美:2014/07/27(日) 20:31:28
●大グランド2回戦

戦いの均衡は最初の数ターンのみだった。

『お前達に負けはない』そう予言された通り、ダンゲブラックとロスコホワイトが押し始めた。

理由は…
理由は…

…俺はコイツらからはウバエナイ

…もし奪ってしまえば、

…二人の必死な表情から彼女達が何かを守ろうとしていること、その為に戦い抜く『覚悟』を
もった人間であることが
言葉でなく 心で伝わったからだ。

燕条・つば九朗はやれやれだぜと心中で呟くとふらついた足元を気合で”しゃきん”とさせる
「コイ。(カープ的な意味で)」
攻撃を受ければ再び気合を入れ直す。
そして戸惑いを見せる相手に攻撃の手を緩めるなと手まねきをした。

最終的には反撃すら放棄したのだ、その意味―意気を感じとり少女達の目に涙が浮かび始める。
燕条・つば九朗の意気が
スワロー・プラチナの想いが言葉でなく 心で伝わったからだ。


この試合、燕の翼はついに最後まで翻ることがなかった。


(う…)
気が付けば天を仰いでいた。突き抜けるような蒼天だった。そして心配そうにのぞきこむ
チアリーダー部の皆の顔。
そして両脇の手羽先に感じるぬくもり、ハグしているのは先ほどまで戦っていた二人だ。
どうやら気を失っている間、全員で介抱してくれていたらしい

「チクショーメ。」
つば九朗は嗤った。女の子を泣かせた上に泣かせるとは罪深いツバメだった。



             『燕条・つば九朗の奇妙な冒険〜スターダスト・クルセイダー〜(完)







―とかまあそんな感じで1回戦お前らは被ダメージを最小に抑えられるだろう、スロットの2つか3つ、
攻撃0にフッテくれるわけだしな、感謝して懇ろにしてさしあげろよ。あとは生徒会役員が場に来て、
連戦時に彼らと引き分けに持ち込めればベストだが、そうでなければ恐らく真野との削り合い勝負―
その生存競争に勝ち残った奴が、ここでの勝者となるだろう。全ての鍵は…”体力”にある。』




…むむむ、だがこの両方の羽の位置は、もみもみもみ 
…ふむ、なかなかの揉み心地、もみもみもみ

「「それはアウト。」」

(チクショーメ。)

ぺちん、二人の同時ツッコミを受け、燕は二度啼いた。


・1ターン目1回戦結果
× つば九朗 VS  ○英子と四囲美

つば九朗:FS(畜生)2上昇

223しらなみ@英子と四囲美:2014/07/27(日) 20:33:39
(おまけ)
●大グランド2回戦

「スナイパーカルタ」とは

遠距離から機先を制し、己の最高のパフォーマンスを維持する!

なにより先制を取り続けることに極意がある。

そこより派生する一撃必殺 それが”スナイパーかるた”だ!!

                      ( 〜民明書房「室内武芸帳百選」より〜 )

中東の留学生ウェーダ―は一回戦カンガルーとの壮絶な殴り合いの結果ボロボロのはずなのに
独特な陽気なノリでそこに乗り込んできた。

「ハハハ、貴方達が次の相手ですか。五月雨やJKのひざ下眺めて〜」
「ハイ!フォークでどーん(下の句的な意味で)」

いきなり正座しJKの膝元を下からのアングル、しかも濃い顔で仰ぎ見たため、反射的に
顔面を蹴られ吹き飛ぶ、ガタイのいい中東の兄さんウェーダ―

(「ふぅが。
これは!?スナイパーカルタ!?0.1秒もたたずに覚えたというのか、

Aikoマスターよ。
ならばおまえにあたえよう スナイパーカルタの免許皆伝を!!」)


バタリ(正座の状態から仰向けで気絶)

その様に思いっきりひく2名。

「わわ、なんかいきなり目の前で正座し異様な目線で見られたから、思わずけちゃ
ったけど、このひとよく見たら同じ野外文化部の人だ!」
「・・・・・・あー、でも、なんかこの人満足そうに気絶してるわね、どーしようか…これ…」

英子と四囲美は顔を見合わせるとどちらともなく頷いた。

>そっとしておこう


・1ターン目2回戦
× ウェーダ VS  ○英子と四囲美

224つば九朗:2014/07/27(日) 21:03:35
つば九朗
tp://0006.x0.to/oo/gif/IMG_1289.JPG

225レオナ:2014/07/27(日) 21:18:15
繊維喪失!!レオナさん
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44965131

226ははは@剣嵐:2014/07/27(日) 21:20:56
剣嵐、1回戦
====

 生徒会役員、埴井鋸と戦闘になった剣嵐。
 鋸が大きく振りかぶるはチェーンソー!
「ケヒィー!」
「ぐっ……!?」
 サクラセイバーで受け止めたものの、回転する刃に弾かれて剣嵐は大きく態勢を崩す。
「もらったァ!」
 隙ありとばかりに鋸は剣嵐のがら空きの腹に蹴りを入れる。
 蹴り飛ばされた剣嵐は、しかし勢いに逆らわず後ろに大きく跳んで距離を取る。
 蹴りの威力は大したものではない。せいぜい固定10ダメ程度の威力だ。
 だが、問題はチェーンソーだ。
 セイバーで受け止めることが難しいのは先ほど体験した。この身で受けるのは論外だ。
「だけど……。私、避けるの苦手なんだよね……!」
「へーえ、じゃあ何なら得意なのかしらネェー!」
 再び飛んでくるチェーンソーの刃。剣嵐は再び防ぐが、やはり再び態勢を崩す。
 手痛いダメージは、ない。
「けど……精神的には、厳しいかな……!?」
 ぎりぎりの攻防は彼女の精神を磨耗させる。
 それによって緊張の糸が途切れてしまえば、今度こそチェーンソーは彼女の体そのものを捉えるだろう。
 ――そうなる前に、なんとかしなきゃ!

 剣嵐が腰の横側に手を伸ばす。
 そこには剣が初めて剣嵐に変身した時に現出した、いくつかのスタンプがあった。
 剣嵐がベルトからあるスタンプを取り外すと、その手で感触を確かめる。
「向日葵のスタンプ……!」
 まだ使ったことはない。だが、この場を切り抜けるにはどんなものでも試してみたい。
 だから、使う。

 ―スタンプ・オン―
『サンフラワー――焔夏夢想!!』

 地面から伸びた蔓が剣嵐の体を包み込み、それが新たな鎧となる!
 獅子を想起させる金色の鬣を蓄えた兜。そして両手には巨大な円形の盾があった。
「成る程……! これが向日葵の力ってことね!」
「姿が変わったところでェー!!」
 再び振り下ろされるチェーンソー!
 だが剣嵐は円盾でそれを難なく受け止める。
「このシャインシールドをそう易々と突破できるとは思わないでよ!」
「チィ! だが受け止めてばかりで勝てる気かァ!?」
 尤もだ。受け止めているだけでは勝つことはできない。
 サンフラワーフォームの手持ち武器はシャインシールドのみ。攻撃能力でいえばブロッサムフォームに劣るだろう。
 だが、
「確かに……勝てそうにないけども」
 剣は仮面の下でニヤリと笑みを浮かべる。
「あなたも……このまま戦ってていいの?」
「なにィ……?」
 言われて、鋸は気づく。
 そうだ。周りには何がいるのか。
「モヒカンか!」
 先ほどまで大人しかったモヒカン雑魚であったが、鋸が戦闘を始めてしばらく経った頃から、落ち着きがなくなってきている。
 戦いの熱気に当てられているのだろうか。このまま放置すれば面倒なことになりかねない。
 鋸もそれを理解したのだろう。剣嵐と距離を取ると、チェーンソーの回転を止める。
「まぁ、いいわ。今日はここで退いてあげる。……何より、最大の目的は果たしたしネェ?」
「最大の目的……?」
「クク、あんたに『死の運命』を植えつけたのよ。これを祓ってほしければ、1千万円用意するのね!」
「な、なにバカなこと言ってんの……!?」
 動揺する剣嵐を気にも留めず、鋸はモヒカンを引き連れてこの場を去っていく。
「信じずにあんたが死ぬのは勝手だけどねェー!」
 という言葉だけを残して。

227ははは@剣嵐:2014/07/27(日) 21:21:23


「死の……運命……?」
 変身を解除した剣は、呆然としていた。
 あの生徒会役員は自分に死の運命を植えつけたと言っていた。
「確か……聞いたことがある」
 死兆星。
 それが見えるものは遠くないうちに死ぬという。
 空を見上げた剣の視界には、果たして。
「……嘘」
 昼間だというのに。怪しく光る星があった。
 つまり、鋸の言葉は真実ということになる。
「は、はは、嘘、嘘だよね、そんな……?」
 剣は認めたくないとばかりにその場に蹲り、渇いた笑いを浮かべる。
 どうしようどうしようと剣の思考がぐるぐると回る。
 それを中断させたのは、新たに現れた人物の足音であった。
「あ……」
 西洋ファンタジーに出てきそうな鎧と剣を、学生服の上に身に着けた人物。
 見覚えがある。
「斉藤先輩……」
 斉藤ああああ。
 希望崎学園は屋内文化系部活、救世部部長。
 ヒーロー部と救世部。どちらも人を助け、救う者ということでそれなりに交流があった。
 だが。
 だが、今は鬼雄戯大会真っ最中。
 剣がヒーロー部からエントリーしているように、彼もまた……救世部からエントリーしていた。
「悪いな、意志乃。潰させてもらうぞ」
「あっ――」


 斉藤ああああがソードを大上段に振るう。
 剣はそれをぼうっと見ているしかできない。
 そのままソードが振り下ろされ、剣の心臓に突き刺さった。
 視界が赤に染まる。力が抜ける。意識が消えていく。
 ――あぁ、私……死ぬんだ……。

「うぷっ!?」
 胃の底から込み上げる吐き気。頭ががんがんする。
 犬のシバリングのように激しい呼吸が止まらない。心臓が早鐘のように鼓動をうち続けている。
「あ……れ……?」
 生きている。
 ソードを振りかぶっていた、肝心の、
「斉藤先輩は……?」
 倒れていた。動く気配はない。
「……ん」
 剣は己の呼吸が落ち着いてきたのを確認してから、恐る恐る倒れている斉藤の傍に駆け寄る。
 意識は、ない。
 いや、それどころか……。
「――えっ?」
 死んで、いる。

 剣には与り知らぬことであるが。
 斉藤ああああは瀕死の体を、精神力で無理矢理動かしていた。
 だが、斉藤がソードを振りかぶった時、彼を右腕骨折の痛みが襲った。
 その不意の痛みが、斉藤の張り詰めていた精神力の糸を切ってしまい……意識を失ってしまった。
 そしてそのまま、死を迎えたのだった。

「あ……」
 ここにきて、剣は改めて鬼雄戯大会の恐ろしさを知る。
 誰が死んでもおかしくない、殺しあい。自分が死ぬこともあるし、相手を殺すことも……ある。
 自分はそんな戦いに身を投じてしまったのだ。
 そして、
「……死の、運命」
 先ほど見えたビジョン。あれはまさしく死の運命なのではないだろうか。
 剣はぐっと歯を強く噛む。……どうやら、もう一度鋸に会う必要があるようだ。

228弾正院 倫法かくかたりき:2014/07/27(日) 21:29:26
負けss レオナVS弾正院
鬼遊戯大会が始まる2時間前ほどから、弾正院は中庭で待機していた。何故か。相手は暗殺者、自分が勝てる見込みはほとんどないからだ。少しでも勝率を上げる為に弾正院は中庭に仕掛けを施していた。同部の後輩には透明人間*を大量に貰っているものの、その一人一人が弱いため、弾正院の盾として存在しているような物だった。*不倫は文化部プロローグ参照
鬼遊戯大会、戦闘時間の開始10分前、レオナが中庭に到着する。しかし、そこに弾正院の姿は無い。戦闘開始時間の5分前になってやっと、弾正院は息を途切れさせながら走ってきた。にレオナが話しかける。
「暗殺者相手に時間ギリギリとは余裕だね。言っておくけど容赦なんてしないから。」
「いやー写真を現像していたらこんな時間になってしまったよ。参った参った。」
一枚の写真を手持ち鞄から取り出しレオナに見せ付ける。そこには、異常性癖を楽しむ彼女自身の姿があった。
「えっ!?いつの間に撮ったの?」
「いやー本当偶然だよね。」
「だからいつ撮ったのこれ?」
「いやー参った参った。偶然って凄い!!」
「誤魔化すなーっ!」
レオナの叫び声と前後して戦闘開始のチャイムが鳴った。
「殺す。写真も跡形も無く消す。」
レオナが弾正院の視界から飛び出すように膝のバネを思い切り使って横に跳ねる。弾正院は目で追うことも無く一言声をかける。
「それは大変だ。あの写真の入っているネガは学校の外の人に渡してある。僕が死んだら…って手紙も書いてね。」
攻撃体制に入ろうとしていたレオナは行動を躊躇し、一歩後ろに下がる。
「それならそいつも殺すだけ。」
再び攻撃体制に入る。
弾正院は鞄からファイル(男女*例外有りの仲良しフォルダー)を取り出し、中に入っているプリントをばら撒いた。
「それ拾ってくれ…あ。」
内容を一切見ていないレオナはファイル及びプリントを踏み潰した。
「そうだ。君良い体つきしてるし、さっき撮った写真もスキャンダルにしなくても一枚2k〜5kで売れるよね!」
フォルダーを踏み潰された腹いせの冗談だったが、弾正院の周りで跳ね回っているレオナには少しだけ効いたようだった。レオナの足が少し止まったのに気付き、弾正院を護衛していた透明人間の一人がレオナに殴りかかる。ダメージは殆ど無いが、弾正院を念動力の使い手と思わせ、牽制することは出来た。続けて透明人間がもう一発叩き込もうとした時、写真云々に関して吹っ切れたレオナが俊敏な動きで弾正院の腹に鋭い突きを入れた。
「殺った。」
内臓を潰し、腹を貫通した感触を手のひらで味わい、標的の死を確信したが、そこには制服の腹は少し破けているが身体は無傷の弾正院が立っていた。身体に鈍い衝撃が響く。レオナは一旦距離を置いた。何が起こったか分からないが、普通に攻撃しても効かない、そう悟ったレオナは、最初に繰り返したように中庭を跳ね回った。しかしこれは先程行った攻撃体制とは違い、相手の死角に確実に入り込み、反応する時間を与えずに攻撃する算段である。高速で動き回ったレオナが最終的に移動を終えたのは、弾正院の延髄の上の辺りだった。
「今度こそっ!」
バキィッ骨が折れる音。今度は手だけでは無い。耳でも確認した。背骨、それも首の部分を折れば即死か、良くても戦闘不能に成る筈である。しかし、またしてもそこには無傷の弾正院がいた。死角にいたものの自らの聴覚を疑ったレオナはまた反撃を喰らう。もう良い、多少の反撃は気にせず、確実に攻撃を当てる。彼女はそう決めた

229弾正院 倫法かくかたりき:2014/07/27(日) 21:30:30
暗殺奥義『THANATOS-IF I CAN'T BE YOURS-』を使う事に決めたのだ。この奥義は今までの動きは何だったのかと言える程の速度で決める無慈悲な手刀だ。使えば自分も隙だらけになる諸刃の剣だが、当てれば、少なくとも今の弾正院では、透明人間が盾に成っても致命傷を負うことになっただろう。しかし弾正院はここで何よりも速く動く物、即ち『光』を用いた。カメラを取り出し、レオナのいる方角に向けて、シャッターを切る。眩いフラッシュが焚かれた。レオナは目が眩み、手刀を繰り出す事が出来ずに立ち止まった。
「卑怯な手を使って楽しいか。」
暗殺者はもう一度敵の方へ突っ込んだ。フラッシュなどという手には2度と引っ掛からない策を練って。彼女は敵のカメラにに掛ける指だけに注意して、それが押されるような動きがあったら目を瞑りながら攻撃することにした。敵の攻撃は見えないから、目を凝らしても仕方が無い。見えない攻撃に威力はさほど無いので、まずは自分の攻撃を当てる事を優先したのだ。弾正院の指が微かに動く。暗殺者はそれを見逃さず、目を瞑りながら弾正院の顔があるべき所に拳を叩き込んだ。鼻の骨が折れ、顔面が陥没する手応えがある。油断してはいけない事は経験で分かっているので素早く身を引く。やはり弾正院に傷は付いていないが、ダメージを無効化するのにも限界があるのか、汗をかき、深呼吸をしているようだった。あと一撃でも当てれば勝てる、そのような確信がレオナの中にあった。弾正院も、これ以上透明人間の数が減らされれば、戦闘行為は不可能になるだろう事を自覚していた。しかし、その両手はデジタル一眼を握り、目をファインダーから離さない。弾正院にとって中庭は戦場では無く、撮影会だとでもいうのか。
またフラッシュが焚かれる。レオナは弾正院の指を警戒するようにしていたので、光が目に届くより早いタイミングで目を閉じ、敵の攻撃を予想したバックステップで、透明人間の攻撃も避けられた。次の攻撃でこの戦闘は終わる。拳を握りしめ、敵の指を警戒する。そのまま一気に距離を詰め、正面から水月を殴りつける。
一瞬意識が飛んだ。指は動かされていない。レオナが何が起きたか理解する前に服が破け、足は妙な方向に曲がった。
弾正院の手元にカメラは無い。それはレオナの足元に落ちていた。弾正院はカメラを手首のスナップで投げつけたのだ。鼻にカメラが当たり痛みで動きが止まったレオナの服を、透明人間達が総動員で破り取った。そして無理矢理靴下を脱がそうとした個体のミスで脚が折られたのだった。しかしレオナには何が起こったか分かる筈も無かった。弾正院も透明人間の行動を全て把握している訳では無いので、右足を骨折させた事には気付いていなかった。
ジー パシャリ
デジタル一眼は仕掛けられたセルフタイマーで超ローアングルの写真を撮影した。透明人間の靴下要員は仲間からリンチを受けて死んだ。
デジタルカメラを拾った弾正院はレオナに背を向けた。これ以上の戦闘は不利でしか無いと分かっていたからだ。レオナはそれを追いかけ、拳を振り抜く。透明人間2人が粉砕される。少し届いた衝撃に、弾正院は二つ目のファイル(男女の仲良しフォルダーpart2)を落とした。今度こそレオナはそれを拾ったが、フォルダーの中身はレオナとは全く関係の無い人物の[ピー]撮り写真だった。しげしげとそれを眺めるレオナ。気付くとファイル内の写真全てを鑑賞していた。こうして中庭での戦闘は終了した。殺人ほど異常な写真では無かったが、レオナを興奮させる物はあった。次の試合で女子高生那自分賀好世に簡単に服を脱がされたのもその時の興奮のためと思われる。女子高生那自分賀好世もこの写真を拾い、興奮して斎藤ああああに倒され、ああああもこの写真を見て興奮、殺害されたという話もある。しかしここで話された全ては、弾正院が逃げ帰った後に広めた話なので真実なのかどうか確かめる事は出来ないのだった。

230水星:2014/07/27(日) 23:15:19
>>212
わーい! 水星だ! 凄い!天体知識を使ってる!

231薬袋 品:2014/07/27(日) 23:17:40
>>212
水星ちゃんかわいいしめごちゃんやオクトパスもカワイイですね。
ミステリアスパートナーの4コマは漫才なのに全く聞き取れない不動さん可愛い

何がいいたいかというと全て可愛いです

232レオナ:2014/07/28(月) 06:53:41
>>228>>229|д゚)私のSS!!
弾正院、貴方良い人だな!!(o≧▽゜)o

233弾正院 倫法:2014/07/28(月) 23:04:39
>>232
怒られなくて良かったー。
ファイル踏まれる場面と最後らへんを書きたかったから取り敢えず書いたけど、それ以外の文はボロボロだし改行してないし。
伏線回収してないし。

234ミケナイト:2014/07/28(月) 23:23:41
【第1ターン・ミケナイト】

ジャラジャラと音が響く。投げ狙いの鎖が投擲されたのだ!
しかしミケナイトは鎖に捕まるよりも早く動く!
「せいっ!」
鋭い踏み込みからのチャージング特大スコップ!

ガシィッ!
しかし水星の左手甲が斬馬大円匙を受け止める!
「甘いっ! 狩るにゃんインパクトっ!」
スコップと手甲の接触箇所でマジカル閃光! 魔法発勁!
辰星鉄の防御を貫通する衝撃を受けた水星は派手に吹き飛ばされ、頭を強く打ち、倒れた。

「はぁ……なんとか勝てた」
勝者となったミケナイトも、水星の発勁を何発も受けたダメージは大きく、その場にへたりこんだ。
(やった……狩るにゃんフィールドの格闘応用は成功……)
緒戦を勝利で飾れたことで、鉄仮面の中の口元が緩む。

その時、ミケナイトの脳裏に昨日視た不吉なヴィジョンが蘇る。
“初めて人を殺した……格闘応用は成功”
そういえば、水星ちゃんは言っていた。
惑星パワーを引き出す『辰星鉄』は身体に大きな負荷がかかると……!

「水星ちゃん!」
「ニャーン!(大丈夫か!)」
ミケナイトとタマ太は倒れて動かない水星に駆け寄った。
タマ太は水星の胸に耳をあて、口元に手を翳し心音と呼気を確認する。
「ニャーン……(よし、無事だな……)」
「タマ太どいて! 水星ちゃん……水星ちゃん……!」
ミケナイトはタマ太を撥ね退けて水星の肩を掴んで揺さぶる。

「……ん……うーん」
水星が目を覚ます。
「ああ、どうやら負けちゃったみたいですね。おめでとうございます」
そして、無表情な顔にちょっとだけ笑顔を浮かべて勝者を讃えた。

「水星ちゃん! よかった!」
ミケナイトは思わず水星を抱きしめた。
ガツン! 猫耳兜が水星の額に激突するインシデント!
「いたっ! 下手したら今の頭突きが致命傷ですよ。それに、倒れてる人を揺さぶるのは良くないです」
「ニャー(もっと触りたかった)」
「あ、わわっ、……ゴメンナサイ」

「ま、私の頭は固いから大丈夫ですけどね。良い決闘でした、ありがとうございます」
「こちらこそ!」
「ニャーン!(こちらこそ!)」

そして、ミケナイトは気になっていたことを聞いてみた。
「どうして、私に決闘を申し込んだんですか? 決闘じゃなければ……たぶん発勁を用意しなかっただろうから、私は負けてたはずです」
「ふふ……だって騎士と決闘なんて格好良いじゃないですか」

235ミケナイト:2014/07/28(月) 23:30:17
「そんな理由で……?」
「いやいや、これが大事なんですよ。なにしろ我等が天文部は部員不足ですからね」
「……? 部員不足と決闘がなんで関係あるの?」
「つまり私は、勝って部費を稼げればいいわけじゃないんです。良い戦いをして注目を集めないと天文部の宣伝になりませんから」
「なるほど……大変ですね」
「馬術部もたくさん部費を稼がなきゃならないから大変そうですけどね。頑張ってね、魅羽ちゃん」
「ななっ!? ミ、ミウチャン誰デスカ私ミケナイトダケド!?」
「(バレバレなんですけどね……)さ、次の敵が来ましたよ。戦え! ミケナイト!」
「えっ、ハイ!」

そしてミケナイトが振り向くとそこには……全裸の男性が!!
「キャアアアーーッ!?」
「ニャアーッ!!(変態だーっ!!)」

「俺はミステリアスパートナーだ。勝負してもらうぞ!」
「勝負はいいけどっ! 前ぐらい隠しなさい!」
ミステリアスパートナーの名誉のために言っておくと、彼は変態ではない。
第一試合で薬袋品と戦った際に薬品攻撃を受けて着衣を完全破壊されてしまっただけなので、全裸なのはしかたないのだ。

「蒲郡苛の名において……風紀委員・猫岸魅羽、第12風紀事項を執行します! 変態誅滅!」
斬馬大円匙を掲げ、凜として宣戦布告するミケナイト!
だが、うっかり本名を名乗ってしまうあたり、動揺は明らかだ!

ミケナイトの体力消耗は著しいが相手も手負い。
ミケナイトは速攻を仕掛ける!
「……インパクトっ!」
先制の発勁を打ち込む!

「ぐふっ、だが被弾は織り込み済みだぜ!」
全裸男性は怯まず前進しミケナイトに抱き付く!
これはクリンチであり正当なボクシング行為のため猥褻が一切無い!

(うわわーっ!? 密着!? 輝海ちゃんごめんねーっ!)
混乱して謎思考のミケナイトをミステリアスパートナーは投げ飛ばす!
「うりゃーっ!」
闇ボクシング奥義“大外刈り”!
右足でミケナイトの左脚を外側から引っ掛けて密着状態で押し倒す!
(むぎゅっ!)
巨体に押し潰され声無き呻きを上げるミケナイト!
ボクシングに投げ技など無いと思ってた時期!

236ミケナイト:2014/07/28(月) 23:49:27
ミケナイトはグラウンドに持ち込まれる前に巨体を撥ね退けて立ち上がり、敵から離れようとバックステップを踏む。
逃げるミケナイトにミステリアスパートナーが迫る!
再びクリンチからの投げ狙いだ!
だが……投げが来るとわかっているならば。

スズハラXの服用によって高まったミケナイトの動体視力は、この瞬間、ミステリアスパートナーの動きを完全に把握していた。
スゥと小さく息を吸い込んで精神統一すると、ミケナイトは遠ざかる動きから一転して逆に踏み込んだ!
迫る腕を身を低くして潜り抜けながらカウンターのスコップ突きをミステリアスパートナーの腹部に突き立てる!
巨体が突き飛ばされてロッカーに激突し、金属扉をひしゃげさせた!

「カカカッ! やるねぇお嬢ちゃん! しかたないから俺も本気になるとするか!」
不敵に笑いながら立ち上がるミステリアスパートナー。
「いくぜ! 必殺『ダッシュストレート』!」
テレフォンパンチどころではない必殺技発動宣言と共に、ミステリアスパートナーは走り出した!
相手を舐めているわけではない。
己の強さに絶対の自信を持っているのだ。

(魅羽……落ち着いて! よく見る! 決して避けられない攻撃じゃないはず!)
魅羽はスズハラXの力を借りて相手の動きを注視する。
もう一度、さっきのようにカウンターを決めれば勝てるはず……!

ミステリアスパートナーが走ってくる。
ぶらんぶらん。
(あっ……)
ぶらんぶらんぶらーん。
(駄目っ! 魅羽! そんなの見ちゃ……パンチに集中しなくちゃ!)
ぶらぶらぶららーん。
ミステリアスパートナーのダッシュに同期して何かが揺れる!
一度気になり出すと、もうそっちにばかり意識が行ってしまう!
(嫌……別にそんなの見たいわけじゃないのに……どうしても目がそっち行っちゃうよぉ!)

視界が暗闇に染まる。
魅羽は思った。
ああ、これは、アレだ。
見習い女騎士・ミケナイトは、あのお約束に破れたんだ。

(やっぱりチンコには勝てなかったよ……)

もし未来の世界で、ミケナイトが百合の世界に走るようなことがあったとしたら。
この時に植え付けられた男性器への恐怖が、その遠因のひとつなのかもしれません。

●:ミケナイト − ミステリアスパートナー:○
(3R1分18秒:ダッシュストレート)

237水星:2014/07/29(火) 00:19:38
>>234
わーい! 1ターン目SSだ! 強烈なスコップの一撃でした! 死亡判定をくぐり抜けたのは幸運でしたね!  猫耳兜がww あ、ちゃんと水星の参加動機を拾ってくれている! 嬉しいな! か、彼は全裸になってるだけで変態ではないはず! 少なくともタマ太に言われる筋合いはないと思います! あ、さりげなく本名言っちゃってる!w 全裸状態でやたら密着してくるミステリアスパートナーさん!w 何かが揺れてる! あぁ、ミケナイトさんでも勝てなかったのですね……w

238ネーター@紅炎峰コロナ:2014/07/29(火) 01:11:02
紅炎峰コロナ 対 月読七菜 SS 1/3

紅炎峰コロナが月読七菜を最初の対戦相手に選んだのは、げんかつぎのようなものだ。

紅炎峰家は大銀河拳の流れを汲む「太陽勁(たいようけい)」なる闘気法を代々受け継いできた。

熱を速さに、速さを力に、力を意思に自在に変える、それが「太陽勁」の真髄である。

そして、その業は「字に日・地・月・火・水・木・金・土・天・海・冥を持つ者と戦うことで磨かれる」と言い伝えられている。

数多の格闘者が己の家門に殉じていた頃であれば、流派の教えと言えなくもないが、現在においてはただのオカルトに過ぎない。

だが、さしたる因縁を持つ相手もいないコロナはこの言い伝えを試してみることにした。

”月”の字を持つ月読七菜が己の居場所を明らかにしていたことも後押しとなった。

(いかに魔人と言えど格闘者でないアイドルを倒すことは容易いはず・・・・・・)

――だった。

239ネーター@紅炎峰コロナ:2014/07/29(火) 01:11:25
紅炎峰コロナ 対 月読七菜 SS 2/3

だが、幾度にわたる衝突を終えてなお、七菜は倒れなかった。

常人であれば、いや歴戦の戦士であっても耐えられるはずのない猛攻を守りきってみせた。

それどころか途中で衣装を着替えさえした。

(なぜ、倒れない?)

そんな疑問がを抱きつつもコロナは攻撃の手を緩めない。

「ファンが見ている限り、私は負けない!」

月読七菜はそう言いながら、コロナの拳を受け止める。

(なるほど、ファンの存在がタフネスの秘密か)

その台詞と周囲の歓声から、七菜の力の源を理解したコロナは大きく息を吸い込んだ。

「乳炉動力最大火力(パイロキネシスフルバースト)!」

コロナの乳房が超高熱の溶鉱炉に変わり、辺りに火炎を撒き散らす。

瞬時に周囲に火炎の壁が反り立つ!

(ファンの視線を断ち切り、心を折る!)

だが、それでも七菜は倒れない。

一押しすれば崩れそうな身体だが、何かが彼女の闘志を支えていた。

(ああ、そうか……)

コロナはそこでようやく悟った。

(私は君の闘志に魅せられていたのだな……)

眼前に月読七菜の不屈の戦いぶりのファンとなったコロナがいる限り、七菜が倒れることはないのだろう。

240ネーター@紅炎峰コロナ:2014/07/29(火) 01:12:08
紅炎峰コロナ 対 月読七菜 SS 3/3

戦闘停止を知らせる合図が鳴る。

コロナは敬意を持って、七菜に握手を求めた。

「私はこの大会、必ず勝ち抜いてみせるわ」

そう言って、七菜は不敵に笑う。

「ならば、私も君と再び会うときまでに強くなろう」

七菜のアイドルとしての矜持、そして不屈の魅力。

己の慢心も含めて、この戦いに勝てなかったのは必然だろう。

(だが、ファンになってしまった以上、すぐの再戦は避けたい気分だ・・・・・・)

「幸い、"月"はもう一人いる」

241ネーター@紅炎峰コロナ:2014/07/29(火) 12:03:09
紅炎峰コロナ 対 門司秀次 SS

月読七菜の戦いを終えたコロナの前に現れたのは、書道部所属の門司秀次だった。
今この場にいるということは戦いを生き抜いた猛者であることを意味する。
全身に鞭を振るわれたような痕を残しつつも、その瞳は勝者の誇りに満ちていた。
「相手にとって不足はないな」
コロナは残された力を振り絞ると拳に炎を纏わせた。
(互いに手負いの身・・・・・・。ならば短期決戦あるのみ。最大加速で拳を振り抜く!)
試合開始の合図とともにコロナは門司へ向かって急加速!
距離をとろうと門司が放った蹴りを喰らいつつも、射程距離に入り込む!
「これで終わりだ!」
コロナの拳は門司の心の臓を貫くべく神速の動きを見せる。
だが刹那、門司は懐から半紙を取り出し筆を走らせていた。
「ベカラズ!」
半紙に書き記されたのは『殴るべからず』という一文。
重い鎖に縛られたかのようにコロナの炎拳が止まる。
「なっ?!」
「悪いがここは俺の領域さ。ルールは守ってもらうぜ?」
いくら力をこめようとも拳は先へと進まない。
(これが君の能力か。ならば・・・・・・)
コロナは瞬時に攻め手を投げへと変えた。
たとえ、門司が『投げるべからず』と書いたとしてもそのまま締めに移行すればよい!
「ぐっ」
だが、門司は投げをそのまま喰らった。
「勝機!」
続けざまに投げを繰り出そうとするコロナ!
そのとき、門司は筆を不自然に”とめ”、片手を”はらった”。
筆に仕込まれた刀による居合い。
その一撃に耐えうるだけの力はコロナの中に残っていなかった。

―試合後
「・・・・・・負けたか」
意識を取り戻したコロナだが、勝者たる門司は既にその場にいなかった。
「門司秀次。見事な腕前だった。次に戦うときは・・・・・・」
コロナの胸が文字通り熱くなる。
タンクトップが燃え尽きる。
「その墨ごと消し炭にしてみせる」

紅炎峰コロナ 一回戦
対 月読七菜 引き分け
対 門司秀次 敗北
現在の成績 1敗1引き分け

242水星:2014/07/29(火) 16:06:23
水星と柊先輩の作戦会議! 〜2ターン目前〜

柊先輩「前回は……うん、負けちゃったね」
水星「はい、負けちゃいましたね……うぅ、頭がクラクラする」
柊「大丈夫? 水星が動けないとなると一気に作戦の幅が減るわね」
水「すみません……治す手もありかと思いましたが例え二十万とはいえ生徒会に借金するのは怖いですね」
柊「まぁ、勝負は時の運って言うし、怪我しちゃったものはしょうがないよ」
水「そうですね、まずは先を見据えましょう。さて、私としてはやはり相手を指名して決闘といきたいのですが」
柊「そうだねー、乱戦になって誰か分からない相手と戦うよりは対策も取りやすいしね。で、そういう観点からいくとできれば乱入も避けたいね」
水「乱入を避けるというなら、周りから見てあまり戦いたくない相手……ですかね。しかし私が勝ち目のないような強大な相手でも困りますし、うむむ……」
柊「対戦相手の選出は慎重に選ばないとね。しかしその条件に当てはまるような人って居るかなぁ?」
水「まぁ乱入狙ってくるひとで恐ろしいのは反応の高い人達ですかね。っていうと同じ反応が高めの人とかどうでしょうか? 特に神速攻撃をよく使うような人を相手に反応型の人は戦いたくないでしょうし」
柊「それだね! えーと、1ターン目で神速攻撃をしていた人は、真野さんとヴェータさんか」
水「ふむ……。真野さんは決闘を申し込んでも聞いてくれなさそうな予感がしますね。となるとヴェータさん?」
柊「彼も決闘を受けて貰えるかどうかは分からないけど、打診してみる価値はあるかもね」
水「あ、でも留学生……前回の作戦会議で私、留学生とか殴ったら怒られそうな気がするって言ったような……」
柊「あ、そういえばそんなことも言ってたっけ……」
水「……」
柊「……」
水「ま、まぁ国際交流ってことで」
柊「そうよね! ヴェータさんもその点は覚悟して鬼遊戯大会に参加してるのだろうから、大丈夫だよね!」
水「よし、じゃあ待ち合わせ掲示板にさっそく書き込みますね」
柊「うん、いっちゃえいっちゃえ!」
水「というわけで今回の作戦会議はここで終了です」
柊「お疲れ様でしたー!」

【END】

243ミケナイト:2014/07/29(火) 18:56:22
ほりらん8コマ!「本人確認」
登場キャラ:雨竜院暈哉、神社千代、ミケナイト、降凍死滅理(DNG)。
しめりちゃんは28歳ぐらいかなー。
tp://t.co/GogJivbrnb

244ミケナイト:2014/07/29(火) 20:24:35
【めごちゃん、理想の城を得る】version 1.0

未明の闇の中、一台のトラックが希望崎にやってきた。
搬入物は、破壊の化身。
後部の荷台は改造され、大型水槽が据え付けられている。

槽内には、有史以来最強の両生類個体。
通り名は“熊殺し”。
流通名は“ウーパールーパー”。
真名は“めご”。

彼は捕らわれの身に非ず。
厚さ20センチ足らずの強化アクリル水槽など、その気になれば容易く砕ける。
この旅籠が快適であり、自分に相応しい城に運んでくれると聞いたので大人しく載っているだけだ。
彼に与えられた居城は、希望崎ビオトープ。

錠前と鎖が外され、水槽の蓋が開かれる。
ビオトープの王となるべき両生類の巨体が、水槽からのっそりと這い出した。
ゆっくりと水域に向かう、めご。
だが、不遜にも“王”を呼び止める者がいた。

「ようこそ、めごちゃん。私たちは貴方を歓迎するから!」

めごを出迎えたのは蟹柄ワンピースの少女。
飼育部ビオトープ班長、港河廻衣香(みなとがわ・めいか)だ。
廻衣香の両腕は、パワーショベルのバケットめいた巨大なカメノテである。
そういう魔人なのだ。

「俺、支配! 貴様、下僕!」

めごは、友好的に挨拶した。
彼にとって“友好的”とは“食料にしない”という意味である。

「なるほど、噂通りの暴君みたいね。でも、よしお様の治める希望崎では、好き勝手はさせないから!」
廻衣香は恐るべきカメノテアームを、ガシガシと打ち鳴らしてから、油断のないカラテを構えた。
「改めて、ドーモ。生徒会役員、港河廻衣香です。ビオトープの生態バランスは私が管理する。貴方も例外じゃないから!」
そう、廻衣香は生徒会役員であり、よしお様に忠誠を誓った報奨としてビオトープの建造・運営費と強大なカラテを手に入れたのだ!

「愚か! 俺、王様! 貴様、倒す!」

口の端から粘液の泡を飛ばしながら吼える両生類の王!
だが、いかに外界で暴虐の限りを尽くしたとは言え、彼は希望崎を知らぬ井の中の蛙である。
めごは、知ることになる。
希望崎生徒会役員の恐るべき力を! 戦闘開始!

245ミケナイト:2014/07/29(火) 21:16:57
----

(古代ローマ)

----

どさり。
力尽きた生徒会役員・港河廻衣香は倒れ、巨大なカメノテアームが地面を抉って動きを止めた。
熊殺しのウーパールーパーめごちゃんの暴威が、よしお様の加護を打ち破ったのだ。

「俺、強い! 貴様、下僕!」

勝ち誇るめご。

「両生類ごときに私が負けるなんて……こんなのありえないから! もう一回! 今度こそ負けないから!」

口惜しげに叫ぶ廻衣香のことを見向きもせず、王はゆったりとした歩みで水辺に向かい、心地良い水の中にどぶんと潜った。
目に付いたザリガニと、数匹の鯉をつるりと呑み込む。

(ウマイ!)

めごは思った。
なるほど、このビオトープは我が城として相応しい。
あの女も、戦闘能力は口ほどにもなかったが、生態系管理については確かな実力を持っているようだ。
あの両腕のカメノテは美味そうだったが、食べてしまうには惜しい腕だ。
王宮の庭師兼食料調達係として忠誠を誓うのならば、生かしておいても良いだろう。

ビオトープの王は、澄んだ水の中を悠然と泳ぐ。
快適な居城を得たことで、彼の権力志向も落ち着きを見せることになった。
小さくも快適なビオトープの中、世界に破滅をもたらすはずだった凶悪な破壊者は、魚類や甲殻類を貪りながら満ち足りた日々を送る。
世界は救われたのだ……。

(「めごちゃん、理想の城を得る」おわり)
※なお、このSSは後日とてつもなくパワーアップする予定です。主に「古代ローマ」の部分が。

246門司秀次:2014/07/29(火) 22:20:17
ベカラズはあれなんです
「禁止」の能力ではなく「注意」の能力なので相手が注意を怠った場合にデメリットがある程度の効果だと思ってくだせえ

それはそれとして
>>241
SSありがとうございました

247弾正院 倫法の後輩:2014/07/29(火) 22:27:08
人倫探訪記〜変な宗教〜
「女子高生好きだー。大好きだー。」「JKの太腿ペロペロー!」「JKのお臍ペロペロ〜!!」「JKの肘ペロペロ〜〜!!!」
明らかに学生ではなく、先生にも保護者にも見えない男達が希望崎学園に入って来ました。でも、皆気にしません。だっていつものことだから。
彼らは女子高生教とかいう教団の信者です。2代目教祖が希望崎学園の生徒らしく、昼休みや放課後には教祖の所へ大量の信者達がなだれ込むのです。最初は恐怖を感じるほど不気味に思っていましたが、教祖以外の生徒に手を出す事も無く、いつのまにか学校に馴染んでしまいました。こんな集団に慣れてしまった自分も怖いです。
自己紹介が遅れました。私は「不倫は文化部」所属の高校2年生、コンテス・パラディンと言います。え?プロローグではカタコトだったのになんで普通に話せているかって?何故なら、適当に先輩方から推敲して頂いたからです。弾正院先輩は優しい人なんですよ。私がこの学校に来た時、学年も違うのに一番最初に話しかけてくれて、打ち解けられていない同級生に紹介までしてくれたんです。また、私の居場所として、部活にも誘ってくれました。先輩には感謝しても仕切れませんよ。今回の調査も、部活動の一環です。広報部の振りをして調査だなんて、スリルがたまりません。それでは自己紹介が長くなりましたが、調査結果です。
今回私は女子高生教の教祖さんに直接取材に行きました。教団の人達は最初、私の事も崇めたてる対象にしようとしていた様でしたが、男のパーツが付いて要ることを知るとブチ殺されそうになりました。両性具有の事を理解してもらうのにも時間がかかり、理解してもらった後も複雑な顔をされました。
「アリっちゃアリだけど微妙に戒律に抵触しそうな気もする。」
そんな事を言われました。一応言っておきますが私はそんな所に入るつもりは毛頭ありません。
インタビューに来た事を伝えると、教祖の女子高生那自分賀好世さんは簡単にOKを出してくれました。どうやら最近悪い噂を流されているらしく、良い噂もどんどん流して欲しいとの事です。まあ、私が本当の広報部員だったら良かったんですけどね。今回は弾正院先輩のための情報収集に来ただけですからね。取材後に噂を流すポーズだけはさせて頂きました。
女子高生教の主な活動は女子高校生の素晴らしさを世に広める事です。そのまんまですね。信者の皆さんはその素晴らしさを視覚聴覚嗅覚味覚触覚フル稼働で好世さんから直接受け止め、家族に知られたら絶縁される程の金額を貢いでいるそうです。お金の問題について、私は口を出すつもりはありません。私も部活動でお小遣いを稼いでいるクチですから。ただ、それは大人のお店と同じなのではないかと思って口に出してしまったのです。
それを聞いて好世さんは言いました。
「あんなお店で働いているオバサンと一緒にしないで下さい。女子高生だからいいのです。よくニュースでやっているように、女子高生が怪しいお店で働くと捕まります。でもこれは宗教活動の一環だからセーフなのです。」
信者の皆さんはそれを聞いてがやんややんやと盛り上がりました。あちらこちらで
「好世様サイコー!」
「来月の行事も楽しみだなー。」
行事…?
どうやらこの宗教では、月ごとに色々な行事を作って楽しんでいるようです。キリスト教のクリスマスやイースター、仏教のお盆みたいな物でしょうか。来月の行事はとてもここで口に出せるような内容のお祭りでは無いみたいですが、弾正院先輩に教えれば、多分喜んで撮りに行くと思います。ただ、演技でも先輩が信者になって欲しくはないです。
この後も好世さんにいくつか質問をしました。教団のこと、好世さんのこと、今度の鬼遊戯大会のこと。
最後に何枚か写真を撮らせてもらって、私はそこを立ち去りました。
後日、好世さんと2ショットで撮った写真の現像が出来た時の話です。一枚目の写真に写った好世さんの姿はナイスバディの女子高生でしたが、二枚目、三枚目は気のせいかお腹が膨らみ、胸が萎んでいるような気がしました。
…多分気のせいです。あの後活動時間外の女子高生教の部室前を通った時に異臭がして、興味で覗き込んだら好世さんと同じ髪型と制服のおじさんがなにかしていたのも気のせいです。あれは多分コスプレしてしまうくらい熱狂的な信者の方なんです。

248ネーター@紅炎峰コロナ:2014/07/29(火) 23:06:54
>>246
なるほど、”べき”+”ず”だから行為自体は禁止されないんですね。

重い鎖に縛られたかのようにコロナの炎拳が止まる。
「なっ?!」
「悪いがここは俺の領域さ。ルールは守ってもらうぜ?」
いくら力をこめようとも拳は先へと進まない。



墨汁がコロナの眼前に突如出現し、視界を遮る。
「なっ?!」
「悪いがここは俺の領域さ。ルールは守ってもらうぜ?」
コロナの炎拳が虚しく空を切った。

こんな感じの変更でどうでしょう?

249ネーター@紅炎峰コロナ:2014/07/29(火) 23:18:13
紅炎峰コロナ 大会前の武井壮風インタビュー

―鬼雄戯大会に参加されるそうですね。
「ああ」

―たくさんの部活動の精鋭に加え、生徒会特別役員も出場しますが勝ち抜く自信はありますか?
「生徒会特別役員との対戦はシミュレート済みなので問題はない」

―でも手ごわい面子ですよ。例えば、長く封印されていたトレーニング人形のキビト・ケンとか・・・・・・。
「キビト・ケン。あいつはイージーだ」

―えっ?!
「なぜならあいつは”木”だからな」

―それがどうかしました?
「打撃に来たところをガッとつかめばこちらのもの」

―はぁ。
「乳炉動力で着火して、離れたところでマイムマイムでも踊ってれば勝手に倒れる」

―・・・・・・。
「インタビューは終わりか?」

250NWJP-FJ@浜星 昇:2014/07/29(火) 23:22:42
【第1T終了後 保健室は暗闇の中に】
浜星 昇が意識を取り戻したのは日が沈み一般生徒が帰宅した頃だった。
(ここは…保健室のベッドの上か?)
未だ視界は志筑 綴子の奥義『絶招・殺一警百』に眼球を抉られた時のまま暗黒に閉ざされていた、
しかし眼球があるという感覚はする、恐らく魔人能力によって高速治癒されたのだろう。
(クソッ一歩届かなかった…だが確かに打撃での手応えはあった)
今の時刻は本来ならば夕食をたらふく食い特訓に励む時間だろう、
しかし眼球を抉られた痛みとその眼球を再生する痛みが容赦無く再び意識を刈り取ろうとしていた。
(掴む物はあった…これを特訓でモノにしたいが…今日は…)
そして明朝の鬼雄戯大会2日目に向け治療を優先することを選択、そのまま浜星は眠りについた。

【第1T終了後 関係者は語る】
大グラウンド野球場、野球神が存分に野球を楽しんでいる光景を眺めつつ
希望崎学園野球部キャプテン鷹棟 九(たかとう きゅう)は浜星と志筑の試合、いや『死合』について考えていた。
「あれが噂に聞く文芸…文学少女…相手に文を読ませ、殺す者」
鷹棟は震えていた、あのような奥義があの速度で完成し相手を刈るのならば、
「野球に勝ち目は…無い」

野球とは"視る"競技である、打者の構え、捕手のサイン、監督の指示、投手の投球、打者が打った球、
全てを視なければ相手の攻撃はこちらの守備を流れるようにすり抜け、こちらの攻撃は相手の守備を乗り越えることはないだろう。
無論浜星もあの死合にて相手を視続けた、野球ではそれが当然だからだ、そして文芸を読んだ。
「アウトレンジで投げ続けていれば勝機はあっただろうか…いやそれでは攻撃力が足りない上に
 相手に行動を読まれ投球を止める文芸を読まされ終わっていただろう、あれが最善だったのだ…」

相手に気まぐれがあれば勝機はあったかもしれない、だが相手は殺人野球も経験してきた鷹棟でさえ経験したことの無い
どす黒い殺意を持って文芸を冷酷に読ませ切り、浜星は最悪に近い眼球喪失という結果を以ってグラウンドに斃れた。
終了後浜星は即刻保健室へ搬送され、部室に帰ってきたのは眼球喪失の治療費500万円の領収書だった、
100万円はスペシャルユニフォームに付いたスポンサーにより賄えたが残りの400万円は野球部の借金として残った。
「やはりあの時止めておくべきだったか…だが最早始まってしまった事だ、借金を返せるようあいつをサポートせねばなるまい」
鷹棟は生徒会室へ帰る野球神を見届けると彼もまた帰宅しようとする。
「さてどうサポートしたものか、今まで1年程キャプテンをやってきたがその経験が通じる場では無いな」

251月読七菜:2014/07/29(火) 23:41:47


「ーねえ、観客が多いのは

252月読七菜:2014/07/29(火) 23:42:21
>>251
誤爆です。

253人形遣い:2014/07/30(水) 00:39:40
水星
tp://t.co/zIyNUxO5qB

254ミケナイト:2014/07/30(水) 03:14:37
>>244-245 のバージョンアップ版できました!
要JavaScriptのマルチエンディングSS(?)です。
tp://0006.x0.to/oo/gif/megochan.html
完成まで2〜3日かかると思ってたけど意外と早くできてしまった。
特に良いことがあるわけではないけど、衣服全破壊&べとべと付与の完全勝利を目指そう!

255薬袋 品:2014/07/31(木) 02:36:22
謎の刺客・ミステリアスパートナー現る!
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4095261
やっと1ターン目SSできたー

256ミケナイト:2014/07/31(木) 06:16:35
>>254 をバージョンアップしました。(Version 2.1)
tp://0006.x0.to/oo/gif/megochan21.html
変更点
・スキル「甲殻」で挑発を防げないバグを修正。
・JavaScriptがない環境では普通のSSとして最後まで読めるように修正。
・その他、細かい修正。

ちなみに、JavaScriptエンジンとしてjQueryを、乱数生成にメルセンヌツイスタ法ライブラリを使ってるので、
MIT と GPL v3 とダンゲロス二次創作規約のトリプルライセンスになります。

257弾正院 倫法:2014/07/31(木) 06:52:50
>>256
面白いです。まだ一回も勝ててないけど。

258一十四:2014/07/31(木) 07:01:17
一十四プロローグSSその2『天使の降臨』。
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4111428

259ミケナイト:2014/07/31(木) 09:01:55
SSのエラッタです。

>>60 第4話『VS月見輝海』スキル見落としてた。
×「ニャーン……!(だが俺にはわかる……この子のおっぱいは成長の可能性がある……FSの伸びに期待……!)」
○「ニャーン……(だめだ……この子のおっぱいは育たない……FSはもう伸びないんだ……。でも貧乳もいいものだよ……。おっぱいで重要なのはサイズじゃない……おっぱいであることそのものが尊いんだ……)」

>>77 第5話『VS水無月劫穉』
>>235 【第1ターン・ミケナイト】
委員長の名前間違って覚えてた。ごめんなさい! R.I.P!
×蒲郡苛
○蟇郡苛
スパイ2の方も直しておきます。

260ミケナイト:2014/07/31(木) 10:42:55
【魅羽とタマ太の大冒険!】

第7話『VS蟇郡苛』

魅羽とタマ太はとっても仲良し。
いつもなら一緒にお散歩するのだけれど……。

「タマ太、今日は風紀委員の会議があるから散歩はひとりで行って来てね」
「ニャーン(ふむ……女子寮でも覗きに行こうかな)」
「駄目だよタマ太、会議には連れてけないよ」
「ニャ?(えっ?)」

じゃあくな計画を思案しているタマ太を見て、魅羽はタマ太が一緒に委員会に来たがっていると誤解しました。
魅羽とタマ太が大の仲良しなことは間違いありませんが、実は魅羽はタマ太のことを良く理解していません。
だって、猫語が解らないのだから仕方ありませんね!

「よし、いいこと考えた」

魅羽は、だぶだぶのサーコートの腹の部分にタマ太を入れて、こっそり委員会に連れて行くことにしました。
本来、サーコートは鎧の上から着るための衣服なので、ジャージの上に直接着るとぶかぶかです。
おまけに、魅羽はまだ見習い騎士なので、このサーコートは部室に置いてあった先輩のお古なのでサイズもやや大きめです。
なので、タマ太を腹のところに入れても全然違和感がありま……ありませ……うーん、まあ、ありません。


「暑いだろうけど我慢してね。冷たい豆乳も入れとくから、水分しっかりとるんだよ」
「ニャーン!(おお……これは……すばらしい!)」

サーコートの中は、タマ太にとって天国でした。
ジャージごしに伝わる柔らかいおなかの感触、見上げると天には双つの丸い膨らみ。
ちょっと身体を縦に伸ばせばちょうど胸の谷間にタマ太の頭がジャストフィットします。
おまけに豆乳のみほうだい!


(=・ω・=)


風紀委員会の月例会議では、今月の重点取締り項目について、蟇郡委員長から指示があります。

「最近、学園内で奇妙な宗教が流行っている。女子高生教やMARIYA様信仰などだ。信教の自由があるので迂闊に手出しできないのが歯痒い」

教祖格の女子高生那自分賀好世と神社千代の写真がホワイトボードに張り出されます。
そして、それぞれについて懸念される危険性のブリーフィング。

「他にも、よしお会長就任以前に認可された部活には妙な物が多い。『この世は地獄部』と『不倫は文化部』にも注意すべきだ」

迚持ライと弾正院倫法の写真も貼られます。

「……ところで猫岸魅羽くん」
「ふぇっ? ひゃい!!」

突然委員長に呼び掛けられ、魅羽は裏声で返事をしました。

261ミケナイト:2014/07/31(木) 20:08:39
蟇郡委員長は、魅羽の僅かに膨らんだおなかの辺りを見ながら言いました。

「委員会では機密事項の伝達もあるので、友達を連れてくるのはやめなさい」
「うえっ、すっ、スミマセン」

委員長は、タマ太のことをお見通しでした。
タマ太が静かにしてるので大丈夫だと思ってたのに、まさかあんなに遠くにいる委員長に見破られるなんて。

「委員長は部外者立入禁止だが……ペットについての規則はなかったな。ゆえに今回は不問とするが、今後は駄目だぞ」
「はい。わかりました」
「猫岸くん。君は真面目で熱心な風紀委員だが、グレーゾーンに対する姿勢がリベラルなところが気懸かりだ。気を付けなさい」
「あっ……はいっ! ありがとうございます!」

魅羽には解りました。
委員長はきっと、マタタビのことを言ってるのです。
確かにマタタビは完全に合法です。
そもそも普通は人間がマタタビに酔ったりはしないので法規制する意味がありません。
でも、だからと言って好き放題マタタビを吸っていいわけはないでしょう。
魅羽がマタタビに酔ってやらかした失敗が、委員長の耳にも入っていたようです。
恥ずかしさに顔を真っ赤にして、魅羽はうつむきました。
さいわい、この話はもう終わりでした。

「さて、いよいよ来週から鬼雄戯大会が始まる。連合間の衝突は小康状態だが、再び活性化が予想されるので各自注意するように。そして――」

蟇郡は風紀委員会室の入口に歩いてゆき、ガラリと引き戸を開く。
するとそこには、セーラー服を着たマッシュルームカットの小柄な少女がいた。

「俺も、喧嘩部部長と組んで大会に参加するので応援よろしくな!」

小さな喧嘩部部長はぺこりと一礼してから威勢良く自己紹介した。

「マコです! 満艦飾マコ! よろしくな! で、蟇郡先輩、あの子のことも紹介するんでしょ?」
「おう。その正体は秘密だが、馬術部の『ミケナイト』と名乗る選手も、実は風紀委員なんだ。彼女のことも応援してやってくれ!!」

(きゃーっ!)

魅羽は心の中で叫びました。
まさか、私がミケナイトだってことまでバレてる!?
恐る恐る蟇郡委員長の顔を見ると、委員長とマコ先輩がニッコリ笑いました。

(やっぱりバレてるーっ!)

魅羽は、やっぱり委員長にはかなわないなぁと思いました。

めでたしめでたし。

262不倫は文化部 部長D.M:2014/07/31(木) 21:51:22
>>260
すいません。話に出してくれるのは大変ありがたいのですが、当部活は生徒会の承認を受けていません。学園の殆どの生徒はこっくりさんのような噂の一つと思い込んでいます。それと部長は不明ということでお願いします。SS自体は魅羽さんと蟇郡さん満艦飾さんの掛け合いが可愛くて良かったです。本当すいません。

263ミケナイト:2014/07/31(木) 22:19:37
>>262
あわわわ。そうでした!
なんかうっかりしてました!
むむむ、弾正院倫法さんにはミケナイトの正体を暴く重要な役をお願いしたかったんだけど、実態不明だとミケナイト側から襲撃する動機がないな……。
偶然対戦するのも難しいし、うーむ。
SSはリライトします。御指摘ありがとうございます!

264不倫は文化部 部長D.M:2014/07/31(木) 23:05:25
>>263
パラレルってことで…
弾正院もいつ死ぬか分かりませんし。

265ミケナイト:2014/08/01(金) 00:07:49
>>209-210
幼生大戦争を初戦からいきなりクライマックス運用してるの超ウケました!
めごちゃんの喋りもカワイイ!
めごちゃん大好き! ミケナイトのこともべとべとにして欲しい!

266村田ソフィア:2014/08/01(金) 03:10:05
SS「ショーゴの手記」
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4115207

267ぺんさん:2014/08/01(金) 14:39:44
tp://p.twpl.jp/show/orig/fOPoL
志筑綴子さん

268ぺんさん:2014/08/01(金) 16:34:58
//p.twpl.jp/show/orig/E2tEN
レオナさん

269ミケナイト:2014/08/01(金) 18:06:06
>>255
やったー! ミケナイトがちょくちょく出てるー!
ミケナイトの正体もぜひ暴いて欲しいなー。
死亡フラグとしてキャラ説に書いておいた「好奇心」を使われちゃったぜヤッターありがとうございます!

270ぺんさん:2014/08/01(金) 18:42:38
//p.twpl.jp/show/orig/VH3TE
ビンセント・タークハイツ

271水無月 劫穉with「 」:2014/08/02(土) 00:36:28
「む〜、誰も来ないじゃんかぁo(*≧д≦)oせっかく手紙だしたのにぃーヽ(#`_つ´)ノ」
ここは、番長小屋。いつもの如く(?)、「 」が喚いています。どうやら、誰も来ないことにご立腹のようです。

(「フン……」)

劫穉は、冷めた目でそれを見ています。今すぐ、黙らせたい。しかし、∞の防御を誇る「 」には、生半可な攻撃では傷一つつけることが出来ません。
反回神経でも、遮断してやろうかとも思いましたが……、
それはそれで、暴れそうなので止めました。劫穉自身、行動に移すのが面倒くさいという思いが一番の理由ですが……。

すると突然、
「ッ!!あ、何かくるーΣヾ(゚Д゚)ノ」
「 」が声を発しました。そして、視力6.0の眼が向かってくるそれを捉えました。
番長小屋へと赴いた主、それはペンギンに似て、実はツバメのマスコットのつば九朗でした。

「着ぐるみだーΣヾ(;☆ω☆)ノサイン貰えるかなぁ、劫穉さんσ(∧_∧;)」

劫穉は、いつも通り無視を決め込みます。しかし、次の対戦相手となるであろう人物(?)には興味がありました。

そして今ッ、
つば九朗が、番長小屋の扉に手を掛けるッ。
劫穉は瓦礫の上から、扉をじっと見据えるッ。
そして、「 」は色紙とペンを手に持つッ(心なしか、目も輝いているようだ!)


果たして、どうなるッ
第2試合、いざ開戦ッ!!

272大万里終:2014/08/02(土) 01:39:03
「大万里によると、体育館裏にある木人のトレーニングマシーンで鍛えることで剣士として更なる飛躍が望めるとかなんとか。早速行ってみるでゴザル!」

―――体育館裏―――

「ふむ、これが噂のトレーニングマシーンでゴザルか」
トレーニングマシーン?「――――――!?」
「おお!喋ったでゴザル!!流石最新式!!木で出来ている物とは全く思えないでゴザルな!!」
「特にこの胸の部分など、大万里の言っていた通りまるで本物のようでゴザ……」
トレーニングマシーン?「!!!?」
「あれ…コレ……ほん…も…の……?」

大万里終の策略によって、まんまと騙されてしまった小薙君!
いやぁー!しかし期待を裏切らない人ですね彼はww
そして始まる惨殺処刑!!でもおっぱい揉めて良かったねwww

次回!ダンゲロスホーリーランドクラブ!w
〝太陽を掴む者たち〟いざ、ゴザルwww

273レオナ:2014/08/02(土) 11:12:02
>>268あ、私のイラストだー(喜)
ありがとうございます((o(^∇^)o))

274ぺんさん:2014/08/03(日) 01:15:56
//p.twpl.jp/show/orig/slkfV
浜星さん

275弾正院倫法の後輩:2014/08/03(日) 01:18:07
人倫探訪記〜熱血王子〜
ガシャーン
ビチャッ
「スイマセん!本トウニすいまセン!着替エまで借りたのに汚シテしまテすいません!」
皆さんこんにちは。コンテス・パラディンです。今のは当然私の声です。ボイスレコーダーに変な声を入れてしまいました。
今回私が訪れたのはティータイム部。インタビューする相手は部長の多味 倫太郎さんです。私はティータイムを正直舐めていたようです。まさか、ティーカップが、ティーポットがこれほど重いとは思っていませんでした。油断して持ち上げようとしたカップを落としてしまったのです。その時に制服を汚してしまい、着替えのジャージを借りたのです。しかし、今度はティーポットを落としてジャージだけでは無く、真っ白なテーブルクロスを茶色く染め、その下にあったテーブルにも紅茶を染み込ませ、床に敷いてあったカーペットにも染みを付けてしまいました。
私はひたすら謝りました。すると倫太郎さんは気難しそうな顔をしたまま私のジャージを脱がせたのです。あっという間に上半身を裸にされた私に、倫太郎さんは
「濡れたままだと風邪を引くぞ。身体を拭いてやる。」と言いました。
それを言ったのが汚い男の人であれば反射の如く拒否したことですが、実際は女子に人気の格好良い青年、多味倫太郎。私が完全な女であれば、もう彼にメロメロだったことでしょう。いえ、私には弾正院先輩が居ますので、今の発言は撤回します。発言時、なんだか彼の鼻息が荒い気がしましたが、気のせいだと思います。
倫太郎さんがタオルを持ってきました。タオルを貸してもらえれば自分で拭くと言いましたが、頑なに拒まれました。そして、どことなくいやらしい手付きで身体を拭かれた気がしました。やらかしたのは私なので意見を出すことは憚られます。
私は両性具有者なので、上半身だけ見れば完全に女ですが、下半身だけ見れば、男のシンボルが目立ち、完全な男に見えます。しかしここで倫太郎さんはあろうことか、「下も濡れているだろう。」と、ズボンまで脱がそうとして来たのです。これ以上の行為はどう考えてもセクハラ。しかし、彼の素早い動きは私の抵抗で敵うものではありませんでした。



空白の時間………
……


彼は気絶してしまいました。まだインタビューをしていませんが、色々と面倒臭そうなので、気絶した彼に「弁償しマスから。」とだけ言ってその場を後にしました。

後日弾正院先輩に訳を話し、弁償代を建て替えて貰いました。先輩の話によると、倫太郎さんの家に直接弁償代を届けたということです。その後倫太郎さんとすれ違う事が何度か有りましたが、尽く目を逸らされました。


弾正院「いや、金が無かったからね。ギターを持ったツインテールの女子のフィギュアとポスターを何種類か送らせて貰ったよ。」

276ミケナイト:2014/08/03(日) 06:31:04
第二ターン開戦前よんこま!
tp://pic.twitter.com/lEKy7TvaEU
登場キャラ:平井 律、ミケナイト、女子高生那自分賀 好世、薬袋 品

あと、>>166 薬袋さんの名前の読み方まちがってたので、あげなおし。
tp://pic.twitter.com/wVw62dFI8s

277水星:2014/08/04(月) 01:14:17
水星と柊先輩の反省会〜2ターン目一回戦〜

水星「ふふん、勝ちましたよ」
柊先輩「おめでとう! 初勝利だね!」
水「もっと褒めてもいいんですよ。ご褒美とかくれてもいいんですよ」
柊「いいよ、今度御飯奢ってあげるよ」
水「え、いいんですか? 嬉しいです。あのケチの先輩が奢ってくれるなんて……
柊「そりゃ後輩の華々しい初の戦果だからね。奢りもするわよ。あと、最後の一言は余計だよね?」
水「ふふふ、なんのことやら。さぁて、もらいましょうかね」
柊「……あくまで学生のお財布で賄える範囲でお願いね? そしてそろそろ反省会始めようか」
水「そうですね。いやーギリギリの戦果でハラハラしましたよ。でもその分、勝てた喜びは大きいですね」
柊「おぉ、それは良かった。あと今回無傷で勝利できたのは大きいね―。水星が怪我しないで良かった!」
水「あれだけ激しい攻防をして、無傷だったのは奇跡に近いですね」
柊「そして成長がFSかぁ。鉄分が上がったのね。一体どういう原理なんだろう……」
水「……戦闘後にほうれん草でも食べたのでは? ……すみません、中の人の想像力が脆弱なのでこれ以上良い理由が思い浮かびません。どなたか良い理由付けがありましたらご一報いただけると有難いです」
柊「えーと、戦略的には特殊能力が100%になったのね。これでまさかの事態に躓く可能性が一つ減ったね。良かった良かった」
水「或いはスキルを取ってみるという可能性も……? ふふふ、どうしましょうかね。嬉しい悩みです」
柊「だねー。スキル一覧は見てるだけで涎がでてくるね。あと、結果に喜ぶだけじゃなく分析して次に活かさないとね。さて問題です! 今回の一番の勝因はなんでしょう!」
水「はい先生。今回はぶっちゃけ運が良かったのが一番大きかったと思います」
柊「……うん、まぁそうね。相手が右足骨折でダメージが出たのは大きかったね。でもここまで削れたのは水星が頑張った成果だと思うよ。誇っていいんじゃない?」
水「おっと、そこまで言われちゃうとウザい程に胸を張りますよ。天狗になりますよ? 有頂天になりますよ? いいんですか?」
柊「あぁ、うん。割りとウザそう。でも今回は連戦あるんだからね、油断大敵だよ」
水「えー。だってこのままだと当たるのはどうせ『あの人』でしょう? 残りHPを見る限り、まず勝てないですよ」
柊「あー…… うん、ちょっと私にも勝てるビジョンは見えないね…… でも、どこが成長するかは水星次第だよ! 今後の戦いで何を掴むかは重要だからねー。足掻くだけ足掻いてみよう!」
水「ふむ、そうですね。諦めちゃだめですね。(まぁ……成長以前に辰星鉄の制約で死ぬ可能性は充分に高いのですが……この点については語るとシリアスな雰囲気になり、柊先輩の表情を曇らせてしまうので今は置いてきましょう)」
柊「そうそう、その調子! あとはー、えーと、今回の行動提出についても触れておこうか」
水「はい。今回ヴェータさんを狙った理由は主に良い試合ができそうなこと、今まで絡みが少なかった人のキャラと絡むという目的に沿った、という二点ですね。これは行動提出前に投稿したSSでも語られてますね」
柊「そしてその二点の理由というか目的に関しては無事達成できたという感じね。お互いギリギリまで削り合う凄絶な試合になったし、乱入者も現れずに無事にヴェータさんと戦うことができたしね」
水「そしてダイス目についてですが、これはまぁ前回と同じなのですけど、特に回避は相手の特殊能力を挫くのに重要でしたね」
柊「回避自体は成功と失敗半々だったけど、無事特殊能力を挫くことは成功したね。これがもう少し回避が出るのが遅かったら危なかったね」
水「次はアイテムについて。アイテムを衣類にしたのは万が一ヴェータさんが必殺技を積んで来た時に備えた結果ですね。ただ、ヴェータさんは全面投げという完全メタ配置でしたので完全に無意味になりましたが」

278水星:2014/08/04(月) 01:14:47
柊「そしてSS的な何かでヴェータさんが来るか心配だったのは、中の人が水星とヴェータさんの模擬戦をした結果、水星の方が勝率が高かったからなんだよね。もし相手も模擬戦をしていたらもっと勝率が高い相手を狙いに行く可能性があったからね」
水「結局、杞憂に終わりましたがね。約束をしていただいたのに、不信感を抱いてしまったことをここにお詫びいたします」
柊「行動提出の解説はここまでかな。んー、水星他に何かある?」
水「あー、実は悩みがあるんですよね」
柊「ほうほう、優しい柊先輩が聞いてあげようじゃないか」
水「私、待ち合わせ掲示板で戦いたい人を誘って決闘してるじゃないですか。この手法の大きな欠陥を見つけたのです」
柊「ほうほう、絡みたいキャラと絡むという目的達成の上ではこの手法が一番だと思うんだけどね。どんな欠陥があるの?」
水「あのですね、相手は戦う予定の相手が決まっているので、ヴェータさんの様にメタ張ってダイス配置ができるのですよ。そうするとですね、防御が全く発生しなくて特殊能力がまるで活かされてないのですよ…… せっかく大きなデメリットを背負ってあれだけの高発動率を算出していただいたのに……」
柊「あぁ、なるほど。それは確かに致命的な欠陥だね…… ちょっと方針を見直す必要があるかもね」
水「はい、なのでこれは二人でよく話し合って決めましょう」
柊「そうだね。その相談は追々するとして……反省会自体はもう話すことはないかな?」
水「ないですね、そろそろお開きにしましょう」
柊「さて、ニ戦目はどうなるかなぁ」
水「連戦でどうなるかは今後を大きく左右しますからね。私達の試合にちょっとだけでも注目していただけると有難いです」
柊「ではでは皆様、ここまで読んでいただいてありがとうございました!」
水「お疲れ様でしたー」

【END】

279神社 千代:2014/08/04(月) 19:44:57
pic.twitter.com/6Ess4krr1o
神社 千代vs迚持 ライ!

280SSR GK:2014/08/05(火) 00:18:35
ダンゲロスホーリーランドクラブSS「最速の競技」

――最速の競技、とはなんであるか。
例えば誰かはそれを短距離走であると言おう。肉体のみで生み出される速度においては他の追随を許さないと言うだろう。
例えば誰かはそれを馬術であると言おう。人の足は馬に追い付くことは出来ぬと言おう。
いやいや、それはバトミントンであると言うものもあろう。時速160kmを超えるシャトルを撃ちあうバトミントンこそ最速であると言われれば納得もいこう。
移動速度に限定しないのなら候補はまだまだある、卓球、ホッケー、ラクロス、陰陽道、文芸、俺の道………

そして、そのいずれをも一方的に倒すことができる。
その自負がヴェータにはあった。


2月の大気にさらされたコンクリートから、彼の両足へと冷気が伝わってくる。
屋上を吹く風は階下よりも冷たい、だが、弓の弦を引く彼の指がぶれることはない。
眼下に広がるグラウンド。集まる鬼雄戯大会の参加者が小指ほどの大きさで見えている。
指に伝わる弓の張力を確かめる。問題はない。誰一人の例外もなく詞燃弾で貫くことができよう。

文学少女がいる。
マスコットが居る。
フォークソング部が、野球部が、不明部が、
そして最速とうたわれた陸上部員が居る。

だが、誰一人としてヴェータに届くことはない。
地上をどれほどの早さで移動できようと、同じ速度で屋上までの高さを駆け上がることができようか。
どれだけの野球選手であろうと、重力に抗い打ち上げる白球が弓より高い精度を持つことがあろうか。
故に、彼は断言する。
自分は、グラウンドに居る誰よりも優位に立っている、と。
なればあとは吟味するだけだ。
果たして、どれが一つ目の戦果にふさわしいか―――


――最速の競技、とはなんであるか。
なんであっても関係ない、と、ビンセント・タークハイツは断言する。
初速、最高速、加速……さまざまな基準において最速の競技は存在しよう。
だが、そんなもの宅急を前にしてはなんの意味も持たない。
いかな競技であれど、常に「最速」を保ち続けることはできないのだ。
トップスピードまで持っていく助走、初速を出すためにクラウチングスタート、高速のシャトルを打ち出すスナップ。
そんなもの、準備されていなければなんの意味もない。

故に、ビンセント・タークハイツはあらゆる最速をあざ笑う。
獲物を前にわざわざ襲い掛かると宣言する狩人がいるだろうか?
届け先のインターホンを押してからわざわざ名乗りをあげる宅配者がいるだろうか?
どんな最速も、予兆の無い拳に対応することはかなわないのだ。
意図せぬタイミングで意図せぬ場所から配達する。
それさえ満たせれば荷物を受け取ることの出来る相手はいない。
そしてそれは、鬼雄戯大会であっても変わることはない。

じり、じり、と慎重に獲物へと近づく。
相手の警戒の一歩外、半歩外、四分の一………
キリキリ、と弓の軋む音が耳朶を打つ。獲物は確かにそこにいる。
これ以上の位置はない。
これ以上のタイミングはない。
仕掛けるのならば、今―――

281ビンセント・タークハイツ:2014/08/05(火) 00:19:20
ヴェータとて、奇襲を警戒していなかったわけではない。
だが、屋上へと続く扉はただひとつ。校舎より高い建物はない。
扉さえ封鎖してしまえば、校舎の内からも外からも屋上へとやってこられるものはいなかったはずだ。
だから、まさか、階下の窓から壁伝いに奇襲者がやってくるなどと、想像していたはずもない。

奇襲者……宅急部の、ビンセント・タークハイツはタンっ、と硬い音をさせて窓枠を蹴る。
壁の凹凸に手をかけ、パイプを蹴り、まるで落下するような動きで、重力に逆らいビンセントはヴェータへと迫る。
引き寄せられるように、ただただ進む。獲物の姿など確認する必要もない。
流れる空気が、音が、そして狩人としての勘と宅急部員としての経験が相手の急所を伝えてくる。
一撃で叩き潰す。一撃で駄目な、相手が事態を把握する前に追撃を。
それで全てはお終いだ。
ギシ、と足蹴にしたパイプがきしむ。距離が近い。相手の姿が初めて目に入る。
ビンセントの目の前には、弓弦を引き絞るヴェータがいた。
視線が交差する。ヴェータの目には驚愕も動揺もなく、ただ獲物を狙う意志がある。
脳裏に浮かぶのは驚愕と動揺。何故、何故、奇襲に気づくことができたのだ。
そしてそれすら詞燃弾に吹き飛ばされた右腕の痛みにかき消され、ビンセントは重力の向くままグラウンドへと落下していった。


――確かに、ヴェータはビンセントの存在に気づいていなかった。
彼がビンセントの奇襲を知ったのは、ビンセントが窓枠を蹴り彼に対して向かってきたその瞬間だ。
階下から猛烈な速度で迫ってくるビンセント、対してヴェータはグラウンドに照準も集中も向けていた。

完璧な奇襲であった……だが

ビンセントが鳴らした足音は、一音節を頼りに読み札を判断することと比べればあまりにも雄弁で
階下から迫るビンセントに照準を向けるのは、数多の取り札から読み札と合致するものを選び出すよりもあまりにも容易で
ビンセントが迫るより早く詞燃弾を放つことは、対手より早く札を取ることと比べればあまりにも遅く

……つまり、ビンセント・タークハイツは舐めていたのだ。
こと『判断速度』という点において、競技かるたを上回るものは存在しないという現実を。

----

【第1ターン グラウンド】
ヴェータ○―●ビンセント・タークハイツ 決まり手:カルタ

282ミケナイト:2014/08/05(火) 19:59:02
>>280-281
これは素晴らしいSS! すごく面白かったです!
確かに速いけど普通は最速議論に出てこない馬術がでてくるサービス精神が嬉しい。
あと地上最速の格闘球技ラクロスについて触れてくれてるのも嬉しい。
そして……最速を外側から嘲笑うビンセントが、気付かぬうちにヴェータの速度領域に踏み込んでいて敗れる構成の美しさ!
決着は一瞬! だって最速だから! 名作だと思います!

283ビンセント・タークハイツ:2014/08/05(火) 23:14:27
ダンゲロスホーリーランドクラブ 2ターン目1戦目SS

――グラウンド

ごうん、ごうん、ごうん

グラウンドに鈍い音が響き渡る。
重さ数十キロはあろうという大鎚が地面にめり込む。
槌に撃たれヒビの入った大地は、意志を持つかのように蠢き隆起し槌を弾き飛ばす。
そしてまた槌が地面に落とされる。その繰り返し。
今やグラウンドは原型をとどめておらず、槌による陥没と隆起した土壁によりまるで塹壕のような障害を形成している。
その中心にいるのは小柄な少女だ。
今にも形成されていく土壁と壕に守られていてもなお、少女の表情に余裕はない。

――!!

地響きとは異なる、鋭い音が響く。一拍遅れて土壁が一枚、中程よりへし折れる。
折れた土壁には拳の跡。
誰が打ち込んだのか、姿はない。
改めて周囲を見回してみれば、同じように倒れた壁が何枚も見つけられる。
外周部より始まり、内へ、内へ、彼女へと近づくように折れた壁が連なっている。

少女の顎を汗がつたい、ぽたり、と地面に染みをつくる。
目に入る汗も意に止めず、少女は能力の発動を続ける。
壁を
壕を
自分を守り相手を倒す、そのために能力を。

土壁が折れる、音が近い。相手の姿は見えない。
歯の根が合わない、頬を使うのが汗なのか涙なのか、もはや判別がつかない。
能力を使う。確かな手応えがある。
土を打つのとは異なる鈍い音。

――ここだ!

ありったけの能力を叩き込む。出し惜しむ余裕などない。
肉を打つ音、相手の生命を削る音が響く。
少女と土壁一枚隔て、土の柱が乱立する。そこにいる相手を倒すために。
壁越しの気配が薄れる。
肩で息をし、顔を伝う雫を拭う。
大丈夫だ、終わってみればなんてことはなかった。
自分にそう言い聞かせ、気持ちを落ち着けるために目を閉じ深呼吸を……
轟音、土塊が頬をかすめる。自分に迫る誰かの気配。
歯の根が合わないのは恐怖のせいか
目が開かないのは、見つめたくない現実から逃げているのか
それとも……

――彼女にとっての幸運は、恐怖の対象を認識する前に意識を絶たれたことだった

【第1ターン グラウンド初戦】
深見忌●―○ビンセント・タークハイツ 決まり手:不在票

284ミケナイト:2014/08/05(火) 23:20:57
猫岸魅羽(ミケナイト)のカツオ君ファースト・インプレッション
tp://pic.twitter.com/gWwQ1XO81X

285水星:2014/08/06(水) 00:36:03
>>238-240
コロナさんのSSだー! 太陽勁の真髄格好いいなぁ。そして行動提出の理由が明かされた! げんかつぎかぁ。名前の中にある字を指定して狙うってのは面白かったです! そして意外とそれに当てはまるキャラが多いのがまたなんたる因果か……w アイドル強かったですね!w 着替えもするとはなんたる余裕w 名前にそぐう超高熱能力! 格好いいですねー 火炎の壁をファンの視線を断ち切るということに使うという発想が凄いです! 戦った相手に敬意をもって握手っていうのは清々しい終わり方
で私大好きです! 自分自身がファンになった結末、良いなぁ。対戦相手の闘志に魅せられたというのがビシバシ伝わってきます!

>>255
あ、なんか興味持たれてる! 薬袋品さんとはぜひ今後戦ってみたいですねー

>>256
す、すげー! 新しいタイプのSSだ! 戦闘結果によって展開が変わるSS……発想からして凄いなぁ!
>>280-281
最速の部活に陰陽道や俺の道が入ってるのには笑いましたw 弓という解釈はいいなぁ!格好いい! 「最速の競技とはなんであるか」という問いに対する両者の解釈の違いが生まれてるの良いですね! 
「届け先のインターホンを押してからわざわざ名乗りをあげる宅配者がいるだろうか?」いるよ!w ちゃんと名乗ってくださいよ……w 戦闘描写カッケェー! ミケナイトさんも感想で仰ってますが、一瞬で決着が着く美しさは堪らないものがありますね! 価値観の違いから生まれる勝利の結末……いいなぁ! ゾクゾクしました!

286薬袋 品:2014/08/06(水) 02:48:29
レオナ
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45160089

287ミケナイト:2014/08/06(水) 06:09:09
この描き方なら3日ぐらいでいけるのではないかと思ったが実際は2週間かけても終わらず諦めかけたがナントカ倒した。
tp://pic.twitter.com/FxWsnsCgSy

288のし:2014/08/06(水) 10:54:26
>>287
全員描いてある!
この人数を描くのは凄い!!
それぞれの特徴もしっかり出てますね〜(^^)
ありがとうございます!!

289村田ソフィア:2014/08/06(水) 14:58:25
薬袋品
tps://twitter.com/sophiamurata7/status/496897534585876482/photo/1

290水星:2014/08/07(木) 00:05:08
SS:水星と柊先輩と魅羽ちゃんと
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4139716

291門司秀次:2014/08/07(木) 01:11:30
好世様
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45178578

292ミケナイト:2014/08/07(木) 08:10:28
>>290
お買い物だ! いいんですかウチの子たちデートの邪魔じゃないんですか?
可愛いSSに出演させてもらってありがとうございます!
タマ太の唐突なおっぱい発言おもしろいなぁ。
水星ちゃんの残念なセンスがとても可愛いですねー。惑星だからしかたないなー。
後編も楽しみにしてます!

293ミケナイト:2014/08/07(木) 09:04:17
【魅羽とタマ太の大冒険!】

第8話『VS平井律』

魅羽とタマ太はとっても仲良し。
今日も仲良くお散歩するの。

「昨日はひどい目に遭ったなぁ……」
「ニャーン……(ミステリアスパートナーの全裸とか誰得……)」
「とにかく、人を裸にして喜ぶとか許せない!」
「ニャーン(それは許せるけど)」
「化学部の薬袋さん! いつか風紀を執行してやる!」
「ニャー!(風紀はともかく脱衣姉ちゃんとの対戦は是非して欲しい!)」

「さて、とは言え薬袋さんの居場所はわからないから、脱衣デスマッチをしてた人に風紀を執行しよう!」
「ニャーン!(賛成っ!)」
「ついでに門司さんに会って、輝海ちゃんの脚を折ったことについて問い詰めたいな!」
「ニャーオゥ!(無抵抗の女の子に酷いことする奴は殺せーっ!)」

そんな感じでミケナイトに変身した魅羽とタマ太が大グラウンドに向けて歩いていると、家庭科部の平井律先輩に会いました。

「こんにちは。私、馬術部のミケナイトです」
「ニャーン(わーい、りっちゃんだー)」
「こっちは三毛猫のタマ太」
「ニャァーン……(癒される……なんて素晴らしい家庭的おっぱいだ……)」

「こんにちは。ミケナイトさんはどちらへ?」

話をしてみると、平井先輩も脱衣デスマッチは快く思ってなかったそうで意気投合。
二人と一匹は連れ立って、大グラウンドに向かいました。
願うは風紀正しい平和な学園!(タマ太は別に願ってない)
しかし……


(=・ω・=)


「あなたの本当の姿、ぜひ知りたいですね」
「フォオオーッ! なんてキメ細かな美肌! 興奮しちゃうーっ!」

ミケナイトたちが到着した時には、ディゾルバーまみれでもつれ合う薬袋品と好世はもはや全裸寸前でした。
希望崎の風紀は、もう手遅れです……。
美女の誉れ高い女子高生教の二代目教祖と、密かにファンの多い科学部長の対決に集まったギャラリーも大興奮!
不倫は文化部の面々も首魁の試合そっちのけで隠し撮りに励んでいるようです。(だから弾正院さんが負けたのは無理もありません)

「うーん、仕方ない、平井先輩と戦いますかー」
「えっ、ちょっと待って、他の人と戦おうよ?」
「待ったなしです! 猫耳の騎士・ミケナイト、参ります!」

「ニャーッ!(ヤッター! 品ちゃんの全裸だーっ!)」

デスマッチの決着を告げるタマ太の声援を合図に、ミケナイトは突進を開始しました!

294ミケナイト:2014/08/07(木) 09:05:33
ミケナイトは全力で踏み込み、全力で特大スコップ『斬馬大円匙』を振るいました!
水星ちゃんとの戦いでは『辰星鉄』を警戒してたので出さなかった全力のチャージング斬撃です!

(これが……この子の本気の攻撃なのね!)
平井律は猛烈な攻撃を避けきれず、肩口に手痛いダメージを受けます。
でも、避けられなかったとしても。防ぎ切れなかったとしても。
ミケナイトの攻撃に対応できなかったわけではありません。

「大振りの攻撃! ……隙だらけですよーっと!」
フライパンでミケナイトの足元を掬い、スコップ打撃の遠心力をも利用してひっくり返します!
「ぎゃんっ!」
一回転して背中から叩き付けられるミケナイト!

「ニャーン!(おおっ! 好世様が立ち上がった! いけない! 大破状態で更に戦うなんていけないぞ!)」

(うぅ……全力攻撃は返しのダメージがキツいな……)
ミケナイトはスコップを支えにして立ち上がります。

そこに、立ち上がるのを待ち受けていた平井先輩の平手打ち!
ぐわーん!
猫耳フルフェイスヘルム越しに平手打ちの衝撃が伝わり、脳を揺らします。

「あなたの攻撃なんて、効きませんよ!」
平井先輩は鋭い視線でミケナイトのことを射抜きました。
ミケナイトはたじろぎます。
怯みながらも反撃のスコップを突き出すミケナイトでしたが、それは腰の入ってない弱気な攻撃でした。
スコップがぺしんと平井先輩を打ちます。でも、先輩は涼しい顔。

ぐわーん。さらに必殺のビンタ!
ミケナイトが放つ反撃のスコップはまたしても弱々しく。
ぺしん。スコップの直撃を食らっても平井先輩は余裕の笑みを返してきます。

でも……実際に押されているのは平井律の方でした。
平気な顔をしてみせているけど、律は特大スコップ攻撃を何度も受けて倒れそうなのを必死で堪えてたのです。
(かなりまずい……な。うまくあのスコップを防いで返し技を決めないと……。耳鳴りが酷い……できるかな……)
律のスコップ攻撃を防御するためには、相手を萎縮させて攻撃リズムを単調にする必要があります。
震える心を押し隠し、強い視線でミケナイトを穿つ!
家庭科部を守るため、平井律、決意のポーカーフェイス!

「ニャーン(ふむ、好世様の次なる敵は門司くんかー)」

295ミケナイト:2014/08/07(木) 09:07:06
律先輩の強い視線を、魅羽はまともに受け続けることができませんでした。
(これが……これが家庭科部を背負う人の実力……やっぱり見習い騎士の私じゃ勝ち目なんか……)
まっすぐ先輩の顔を見ることもできなくなった魅羽はうつむいて、先輩の足の辺りを見つめます。

(あれ……?)
魅羽は気付いてしまいました。
先輩の足が、小刻みに震えていることに。

(もしかして……本当はスコップが効いてる?)
視線を上げて、律先輩の顔をまっすぐに見てみます。
先輩はやはり涼しい顔で強い視線を向けていますが……。

(もしかして……先輩も戦うのを怖がってる?)
魅羽にはわかってしまいました。
平井律先輩は戦いが好きではないことを。
本当は、戦いを怖がっていることを。
それでも、恐怖を乗り越えて家庭科部のために戦ってるからこそ……先輩の瞳は鋭く胸を打つのです。

もう、魅羽は迷いませんでした。
猫耳ヘルムの奥で光るミケナイトの瞳には、律先輩と同じ鋭さが宿っていました。

「ニャオオーッ!(いいぞ! その意気だ! 脱がせ門司くん!)」

タマ太の声を合図に睨み合う二人が動きだしました!
平井律のビンタがみたび放たれます!
しかしミケナイトは更に鋭く踏み込み!
ぺちん。自ら当たりにいったミケナイトによって打点をずらされたビンタの威力は半減!

(今だ……!)
必殺技を防がれ体勢の崩れた平井先輩に、ミケナイトは反撃の斬馬大円匙を叩き込もうとします。
しかし、平井先輩はまたも鋭い瞳でミケナイトを射抜きました!
視線に怯んだミケナイトの動きが一瞬止まり、その一瞬で平井先輩は体勢を立て直します。

それでも。恐れる心を飲み込んで。ミケナイトは全力で踏み込みます!
ズガアッ! 決意を乗せた斬馬大円匙が平井先輩を打ち据えました!

「ニャアアオーン!(決まったーっ! 好世様の美しき全裸がいよいよ白日の下に晒されるーっ!)」

大円匙を振り抜いたミケナイトは止まりません! 更に一回転して再度全力斬撃!
ズガアッ! 辛うじて持ちこたえていた平井律が連続攻撃でついに倒れました!

「ニャバーッ!?(ギャーッ!? 好世様の股間にちんアバーッ!?)」

魅羽は大きく深呼吸して、タマ太の方を向きました。

「やったよタマ太……って死んでるーっ!?」

めでたしめでたし。

296紅炎峰コロナ:2014/08/07(木) 10:41:19
スイリマスターミヤ(晩田院 巫弥 vs 下っ端空手部員その1〜15)
tps://twitter.com/nater_gamer/status/497195371378909185/photo/1

297水星:2014/08/07(木) 16:34:58
水星VSヴェータ

渡り廊下その1、通称右側。
踊り場から繋がるその長い通路に向かう者が一人。
水星だ。
全身を覆い隠す漆黒のコートを羽織った彼女は、鈍重とも言える重い足取りで一歩。そしてまた一歩と踏み出していく。すぅーっと浅く息を吐く彼女の表情は緊張しているのか強張っている。
渡り廊下の入り口、そこに辿り着く最後の一歩を踏みしめた後、水星は正面を見据える。
戦闘開始の刻限まで後少し。
競技かるた部1年、ヴェータ。水星が約束をしていた相手は果たして決闘に現れたのだろうか。

居た。

競技かるた部の勝負服(ユニフォーム)なのか、着物を羽織り毅然として向かいの入り口に正座している。
超長距離射撃体勢《正座》――これこそ、己がポテンシャルの最大値を引き出す為の日本古来の伝統的体勢。
一切揺らぎもしないその長身は古来より大地に根付いた巨木を連想させ、日本の文化に馴染みが薄い水星でさえ、はっと息を呑むような美しさがあった。
少しでも多くの情報を読み取ろうする水星の視線に対し、瞑想をしているのかヴェータの瞳は閉じられていた。

戦闘開始まであと一分。
渡り廊下中央の時計から、時を刻む針の音だけが響き。
そして。
戦闘開始の合図を告げるチャイムが校舎全体に鳴り響いた。

刹那、カッと見開かれるヴェータの力強い瞳。
いずれ音速を超える逸材と評されたのは伊達ではない。先手は無論、彼が取った。
しなるように長い腕が唸り、前方に置かれたカルタの一枚を弾く。
鞭で叩くような音を残し、カルタが弾かれる。いや、もはや射出されたと言っても良い速度だ。
更に如何なる妙技か、カルタには回転が加わっている。豪速で飛ぶカルタはまるでライフル弾の様であった。

迫るカルタに相対する水星は渡り廊下を駆ける。
少しでも近くに。鎖の射程圏内に敵を収めるため。前傾姿勢で駆け抜ける。
一直線で駆け抜ける水星に、飛来するカルタは。

水星に当たることなく、横を通り抜けた。

水星は回避行動をしていない。首を曲げることすらなく、ただ真っ直ぐに走っていただけだ。
ならばヴェータの狙いが外れていたのか? 遠距離射撃体勢を維持している彼が狙撃に失敗することがあるとでも?

――否。否否、断じて否。競技かるた部を見くびる事なかれ。

彼の狙いはカルタを敵に命中させることではない。もっと別の目的がある。
それはカルタが通り過ぎた後、一瞬の間を置いて生まれる。

「ッ!?」

一言で言えば、豪風。
カルタが通った道筋を中心として渦巻く強風が水星を襲う。
超高速で放たれたカルタがこの風を引き起こしたのだ。そしてその銃身となったヴェータの腕前たるや如何程ばかりか。もはや魔人の域に到達していると言って過言ではあるまい。
水星は、足元をすくわれ後方に吹き飛ばされる。
これこそヴェータ流の”投げ“。前方から面攻撃となって襲い来る強風であるため防御など不可能だ。

しかし、水星もただ黙ってやられているばかりではない。
即座に体勢を立て直すと、右手を支点に鎖を回転させ、投擲。
蛇を模した鎖の先端、蛇の顎がヴェータ目掛けて飛ぶ。
だが、遠すぎる。長さが足りず途中で墜落する未来が幻視される。
――しかし、鎖は墜落など知らないかの如く伸びてひたすら前に進む。
コートの内側から伸びたそれは、正座したまま動かないヴェータへと向かう。
そう、コートの内側には大量の鎖が隠されていた。渡り廊下に到達するまでに歩みが遅かったのはその為である。ヴェータが長距離射撃を得意とするという情報を手に入れたが故の対策だ。
防御不可の攻撃がヴェータの鳩尾を狙い、直撃。

「……ッ!」

それでも彼は姿勢を崩さない。これを崩したが最後、自分のペースが崩れるとわかっているからだ。傷を負いながら、尚正座を崩さない彼の精神力は生半可なモノではないだろう。

そして二度目の、射撃。力強い音が響く。
強風に煽られ、水星は更に吹き飛ぶ。

298水星:2014/08/07(木) 16:35:18
「なるほど……まずはあの姿勢を崩さなければ攻略は難しそうですねっとォ!!」

故、水星が選択するのは――投げ。微動だにしないヴェータを鎖で絡め、引き寄せるように投げる。投げてしまえば強制的に体勢が崩れると考えたのだ。
しかし、水星の認識は甘かったと言わざるをえない。
ヴェータは投げられ鎖から解き放たれた瞬間、空中で受け身を取り着地と同時に正座をしていた。彼の体勢をそう簡単に崩すことなど出来ないのだ。

「なかなかやりますね……!」

水星は歯噛みする。恐らく正座を崩すことが出来なければ相手に有利を取られたまま、いずれ敗北するだろう。
現状、打開する案は浮かばないが何もしなければ削り殺される。
水星は敵の姿勢を崩すことは出来ないと知りつつも、投げや発勁を選択するしかなかった。
無駄だと分かっていながらも苦渋の選択を迫られている時点で、完全に相手の手中にある。
一方ヴェータは淡々とカルタを弾き飛ばす。しかし只真っ直ぐに飛ばしているだけではない。相手がどんな位置にいても吹き飛ばせるよう、時には前に放ったカルタによる暴風の余波すら利用して軌道を曲げて飛ばす。
彼は狙撃手。
弾速、風向、風力、ターゲットとの距離。これら総てを把握してこそ一流の狙撃手足り得る。そしてヴェータの空間把握能力、否、もはや空間支配能力と言っていいそれは充分以上の素質を持っていた。

「……では、これならどうです!」

都合五度目の攻防の後、水星は打開案を思いついたのか、投げ・発勁以外の第三の選択をする。
回避。
ヴェータがカルタを放つ前から回避行動に出た。先手を取られた驚きに、一瞬、ヴェータの瞳が揺らぐ。
そして、水星が取った行動は回避だけではない。回避と同時に鎖を飛ばす。真正面ではなく真横に。

「――ッ!?」

今度こそ、ヴェータの全身に動揺が走る。
渡り廊下側面の窓ガラスが割られたのだ。外からの風が入ってくる、あるいは中で暴れていた風が外に流れ出すことにより風向が、風力が乱れる。
よって、ヴェータの計算が狂う。それでも即座に計算しなおし、暴風を相手に当てようとしたのは流石というべきか。
しかし、先手を取られた動揺が思いの外響いたのか。それとも暴風を外さないようにすることにばかり意識が向かってしまったのか。あるいはその両方だったのかもしれない。
とにかく、水星の策略によりヴェータは致命的な失敗をすることなる。

――ヴェータは、体勢を崩してしまったのだ。

ヴェータの計算は精密過ぎたが故に、それを破られた時の綻びは大きかった。
姿勢を崩してまで当てようとしたカルタの暴風は水星を吹き飛ばすことに成功したが、不安定な体勢で放たれた分、威力は明らかに下がっていた。
続く水星の回避行動。
ヴェータの心に焦りが広がる。少なくとも攻撃だけは当てなければと逸るが、今度は無理な姿勢をしたせいで右足骨折が痛み出した。
「痛ッ!」
手元が狂い、あらぬ方向へとカルタが飛んで行く。当然、水星の回避は成功。

「どうやら、此処までのようですね。観念してくださいよ、ヴェータさんッ!!」

水星は一撃目に発勁、二撃目に投げを選択する。
最後のあがきとして、ヴェータはカルタを飛ばすがやはり威力が足りない。第一惑星を排除するには至らない。

鎖による投擲が見事に決まり、水星は勝利した。

【END】

299薬袋 品:2014/08/08(金) 02:30:19
真野来人
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45201231

300ミケナイト:2014/08/08(金) 06:15:25
プール企画8こま! 掲示板の流れそのままです。
ミケナイト、二三一五、埴井葦菜、薬袋品、神社千代、紅炎峰コロナ。
tp://pic.twitter.com/oodcfPvoP4

301ミケナイト:2014/08/08(金) 08:52:42
『VS野球帽(2)』

強敵、平井律先輩を倒したミケナイト。
しかしミケナイトには休息する暇も、互いの健闘を称えて律先輩と豆乳を飲む暇もありませんでした。
タマ太が単に気絶しているだけなのを確認したミケナイトは、背後から近付いてくる気配を察して振り向きます。
見覚えのある野球帽を被った、小柄な選手。
その手には生徒会特別役員キビト・ケンの首。

「よォ。小さなナイトはお休み中かよ?」
「むっ。私はまだまだ戦えます!」
「あ? アンタはまだ“見習い”だろ? 俺が言ってるのはそっちの猫さ。アンタを護るナイトっぷり、見事なモンだったぜ?」
「……?」

魅羽は以前に一度、この人と戦ったことがあります。
まったく勝負になりませんでした。
その時はまだ魔法少女ではありませんでしたし……なにより戦う意志が弱かったのです。
でも、今の魅羽は違います。今の魅羽は、猫耳の騎士・ミケナイトなのです。

「強い自分になりたくて。あなたと戦えるようになりたくて。私は大会に参加しました。今度は前のように無様に負けたりしません!」
「嬉しいねェ。じゃあ少しは……楽しませてくれんだろうなァ!」

キビト・ケンの首を放り投げ、野球帽は右正拳突き!
身に染み着いた「兵藤の武」をそのまま絞り出したような正確で美しい突きです。

ミケナイトも斬馬大円匙の水平斬りで応戦します。
馬術部で習った英国式の大剣術をそのままスコップに置き換えた太刀筋!

兵藤の鉄拳と特大スコップが激突!
巨大武器のリーチと質量を上乗せして尚、当たりは全くの互角!
反動で飛び離れる野球帽とミケナイト。
ばぎん。宙を舞っていた木人の首が、地面に激突して二つに割れました。

「短い間にずいぶん強くなったじゃねェかよ? 武器も剣よりソイツのがアンタに合ってるぜ」
「……ありがとうございます」
「クハハッ、礼はいらねェぜ。技術も武器も雑だって意味だからよォ!」
「……っ! また軽口を!」

ミケナイトは特大スコップを握り締め、軽く腰を落とし、上体を前に傾けます。突撃開始2秒前!
不思議と怒りはありません。
野球帽の言葉が、裏表のないサッパリとしたものだからでしょうか。
今はただ、前よりも強くなった自分の全力を、強きもの・野球帽にぶつけたい。
それだけでした。

302ミケナイト:2014/08/08(金) 08:53:41
(タマ太……!)

ミケナイト――猫岸魅羽は泡を吹いて倒れている友達に、一瞬だけ視線を向けた。
タマ太と一緒だったから、馬たちに嫌われてワンワン吠えられながらも厳しい馬術部の練習を頑張ってこれた。
タマ太と一緒にいろんなところに散歩して、沢山の友達と出会えた。
タマ太が与えてくれた不思議な力で、今こうして私は戦うことができている。
きっとタマ太は私が平井先輩に気押されてる情けない姿を見て、心配のあまり気絶してしまったのだろう。
もう、あんなみっともない戦いはしない!
この一撃はタマ太のために――全力で!
ミケナイトの全身全霊全力突撃!

「いいねェ! だがコレで終わりさ!」

野球帽は突進に合わせて完璧なタイミング回し蹴り!
狙うは猫耳ヘルム! なぜ鎧をつけてない胴体ではなく完全防護を施した頭部を?
蹴り足が猫耳兜の顎を掠めるように打ちました。
ミケナイトの兜が首を軸にぐらりと揺れます。
それは、首を720度回転させて捻じ切るような残虐な蹴りでこそありませんが、恐るべき必殺の蹴りでした。
兜越しに小さく揺さぶられたミケナイトの脳は、肉体の制御権をあっけなく手放しました。
兵藤一族秘伝『斬岳・無明』!

戦乱の世に起源を持つ「兵藤の武」は効率的に敵を倒すために洗練されてきました。
もともと想定する敵は、鎧兜に身を固めた武士。
迚持ライのような非物理領域からの搦め手に不覚を取ることはあっても、物理戦闘で後れを取ることはありえません。
相手が西洋剣術を使う騎士だったとしても、それは同じことです。

――でも、相手がただの騎士ではなく、魔法少女だったとしたら?

(この一撃……必ず決める……! タマ太のために!)

脳から切り離されて崩れ落ちるのを待つばかりのはずだったミケナイトの肉体が突進をやめません!

「っりゃあああああーっ!」

チャージング斬撃炸裂!
全力フルスイングを胸部に受けて吹き飛ぶ野球帽の小柄な身体!
みしり。野球帽は身体の軋みを感じました。

(アバラをやられたッ! 糞がッ! アイツ何故動けるッ!?)

魔法少女の精神は、脆弱な肉体の従属物ではありません。
その精神状態が臨界点を突破すると、あらゆる物理現象を超越した事象を引き起こすのです。
その境地の名は“MoMa”。
“MoMa”を使いこなした魔法少女は、敵と対峙した瞬間に勝利すると言われています。
それは全盛期の野球神に等しい力……!

303ミケナイト:2014/08/08(金) 08:54:48
キビトに左腕を折られました。
今の一撃で肋骨もヒビが入ったようです。
満身創痍の野球帽でしたが、その闘志は依然衰えていませんでした。
いえ、強敵を前にしてその闘志は一層燃え上がっているのです。

強敵。そう。強敵です。
目の前にいる猫耳の騎士は紛れもない強敵であると、野球帽は認めました。
ミケナイトの一撃は、野球帽の胸の奥底まで届いたのです!

兵藤の秘伝技には二つのモードがあります。
ひとつは、相手の意識を刈り取り、最小限のダメージで戦闘不能にする「無明」。
もうひとつは、相手の肉体を破壊し、最大限のダメージで再起不能にする「赤滅」。
後者は真の強敵にのみ放つ禁忌の技です。

「うぉりゃああーっ!」

ミケナイトの全力攻撃が続きますが……野球帽は避けません!
ミシィッ! 野球帽の脇腹に斬馬大円匙が食い込み肋骨が砕けます!
しかし、不敵に歪む野球帽の赤い唇!

「砕月――赤滅!」

野球帽の右手が魅羽の喉輪を捉えます!
魅羽の身体がまるで質量が無いかのように、ふわりと宙に浮きました!

……「砕月」を決めるためには、尋常ならぬ膂力と、卓越した技巧、そしてそれらを束ねる強靭な精神が必要です。
そして、キビト・ケンとの戦いで消耗した今の野球帽には精神力が不足していました。

(……しまった! タイミングがズレた!)

技の入りが浅いことを察して野球帽は「砕月」を中断してミケナイトの喉から手を離しました。
ミケナイトは後方宙返りを決めると着地後即座に踏み込みスコップ斬!
ミシミシミシィ! アバラが何本も折れた手応えが、ミケナイトにもはっきりと感じ取れました。

「糞がァーッ!」

野球帽は飛びそうになる意識の中、やぶれかぶれで反撃のパンチを撃ちました。
右拳がミケナイトの胸に突き刺さります!
「兵藤の武」に裏打ちされた正確な打撃と、平井律との戦いで蓄積されたダメージによって、ミケナイトはついに限界を迎えました。

(あ……駄目だ……私もう倒れちゃう……。でも……かなり頑張ったよね……タマ太……)

魅羽はがくりと膝をつき、前のめりに大グラウンドの地面に倒れ伏しました。

【第2ターン 大グラウンド】
ミケナイト●―○野球帽 決まり手:右正拳突き

304ミケナイト:2014/08/08(金) 19:42:26
野球帽は思い起こす。「砕月」を止めた瞬間のことを。
完全にタイミングが崩れていたにもかかわらず、ミケナイトの身体は宙を舞っていた。
なぜか。それは、ミケナイトが自ら飛んでいたからだ。

もしあのまま「砕月・赤滅」を出していたら、ミケナイトは必殺の一撃を完全に回避していたのではないだろうか。
そして、必殺技を空振りした野球帽の硬直時間に、全力スコップ斬撃がクリーンヒットしていたのではなかろうか。
そうなった場合、ここに倒れていたのは野球帽自身であろう。
野球帽は身震いした。

「無明」と「赤滅」の違いは技の最終段階だけだ。
「無明」は相手の頭部を地面に叩きつけ、脳震盪による無力化を狙う。
「赤滅」は更に顔面に肘や膝を叩き込み、正中線の急所を打ち抜く致死打撃を追加する。
つまり、どちらのモードであろうと回避方法は一緒なのだ。

以前、文化部の部室棟エリアにおける戦いで、野球帽は猫岸魅羽を「砕月・無明」で倒した。
その時に見切られてしまっていたのか……?
いや、「兵藤の武」は一度で見切られるほど底の浅いものではない。
さっきの完璧な回避は、偶然の助けもあったのだろう。

(だが、いずれにせよコイツは恐るべき強敵だ……)

野球帽は兵藤一族の流儀に従い、強敵に対する作法でミケナイトを讃えることにした。
すなわち――この場で潰す。
今ならまだ、試合中の事故として処理できるタイミングだ。
野球帽がミケナイトに向かって倒れ込もうと肘を構えた瞬間。

「ニャア(おい貧乳、試合終了だぜ)」

猫の声と共に、背後から凄まじい殺気が野球帽に降りかかった。
タマ太がいつの間にか目を覚ましていたのだ。
その全身には無数の爆竹。
必殺「ねこばくフレンズ」をいつでも放てる状態だ。

「ウニャーア(言ったはずだぜ、ミウに手出ししたらただじゃおかねぇってな)」

「あー、そんなこと言われてもなァ。猫語とかわかんねえし……。ま、大体わかったけどな!」

そう言って野球帽は、大グラウンドの中央をのし歩くピンク色の怪物の方を見た。

「じゃあこうしようぜ! まずは俺があの化け物をブッ倒す! その後で一緒に豆乳! それでいいな!」

タマ太はうなずいた。
そして野球帽は、傷だらけの身体をひきずるようにしながら怪物の方へと歩いていった。

めでたしめでたし。

305真野来人:2014/08/09(土) 17:06:56
//p.twpl.jp/show/orig/4aHKY
野球帽

306ミケナイト:2014/08/09(土) 22:09:24
【打者、ミケナイト】

平均的な高校生女子と比較しても、猫岸魅羽は野球のことをよくわかっていない。
ボールを打ったら走る。確か……右の方へ? そんなレベルだ。
しかし、生徒会役員の命令には逆らえない。
猫耳兜の下では、鼻から血がだくだくと流れ出て止まらない。
そんなのは野球をしない理由には全然ならない。

――野球しようぜ!

だが……魅羽には秘策があった。
秘打。名付けて『狩るにゃんミータックス』。

野球には『ストライクゾーン』というルールがあるのを御存知だろうか。
猫岸魅羽は、知っていたのだ。
『ストライクゾーン』を通ったボールは、ボールではなくストライクになるということを。
いかに野球神と言えども、この『ゾーン』を利用しなければ、ボールはボールのままのはず。

五角形のひし餅みたいなのの上空。膝と肩の間。
五角柱の形をした『ゾーン』こそが野球を支配する最重要領域である。
そして、斬馬大円匙ならば……一振りで『ストライクゾーン』全域を完全に抉り取ることができるのだ!

ミケナイトは特大スコップを手に、バッターボックスに立った。
マウンド上には生徒会特別役員・野球神。
後ろを振り向くと、主審を務める一太郎が親指を立てて『グッドジョブ』のサインを魅羽に贈ってくれている。

だが、一太郎の口から出たのは魅羽が予想だにしない冷酷なひとことだった。

「バッターアウッ!」

(え? 私の名前は『アウ』じゃなくて『ミウ』なんだけど……? いや、正体は秘密だけど……)

などと魅羽が考えてるうちに、ミケナイトはバッターボックスから追い出されてしまいました。

(……!? 何をされたのか全然わからなかった……! まさか野球神は『ゾーン』を使わず……いや、ボールを投げすらせずストライクできるの!?)

恐るべき野球神のチカラに、打ち震えるしかないミケナイトであった。

ピッチャー:野球神
バッター:ミケナイト
結果:規定外バットの使用によりバッターアウト

307真野来人:2014/08/09(土) 23:27:40
//p.twpl.jp/show/orig/oZLy6
かっちゃん

308真野来人:2014/08/09(土) 23:35:57
もういっぱつ
//p.twpl.jp/show/orig/yMp0C

309雨竜院暈哉:2014/08/10(日) 10:12:00
雨竜院暈哉2回戦の後で

「暈哉、鼻血止まった?」
 半左が暈哉に話しかけるが、呆けたまま反応を示さない。鼻血は止まっていないので新たなティッシュを鼻穴に詰めてやる。
 1回戦ではチンチラが気になって(ごめんなさい)埴井葦菜に破れ、2回戦では仮面忍者剣嵐に破れ、精神が1になってからこの調子だった。Lみたいな姿勢で椅子に座り、トイレに行ったり食事を摂ったり、時折「バリヤード絶対に許さねえ……」と理不尽に呟いたりはするが話しかけても返事は返ってこない。
「暈哉、今は野球が流行ってるんだってね」
「実は傘部の応援もスワロゥズファンみたいに傘を振るって設定があったけど消化せずに来ちゃったね」
 何を言っても反応しない。目の前で手をブンブンしても眉一つ動かさない。
「まずいよ……今きっと精神0.5くらいだよ。このままじゃ0になっちゃう」
 半左も部員達も心配していた。
「ねえ、暈哉……」
 半左は冗談混じりに、耳元でふっと息を吹いてみる。
「あっ……」
 暈哉が小さく声をあげた。
「暈哉?」
 やっと反応を示した暈哉に半左は繰り返し息を吹いてみる。すると「あっあっあっあっ」とポックルめいた声が続く。
 他の部員も同じようにするが、反応は無かった。
「半左さん……」
「ええっ? 何それ!?」
 部員が思いつき、耳打ちした内容に半左は困惑するが、1時間後……

「か、暈哉……ちょっと恥ずかしいけど、頑張って応援するから……暈哉も3回戦頑張って……」
 暈哉の目の前には傘を手にしたレインコート姿の半左がいた。
 レインコートは部員に貸してもらったが、何故か下は履いておらず、生白い太腿から長靴に包まれたふくらはぎまでが顕になっている。
「がんばれ*顗,*んばれ*顗*
 傘を広げ、スワロゥズ式に応援する半左。部員にならった振り付けでは無駄に腰をフリフリ、捲れた裾からボクサーパンツの端が見えたり見えなかったり。
 恥ずかし気に裾を気にしながら(でもパンチラしながら)の扇情的なダンスが始まって1分程経った頃……
「は、半左!」
 暈哉が叫ぶ。
 カッと目を見開き、虚ろだった瞳には生気が宿っていた。
「暈哉、よかった……」
「部長!」
「皆、心配かけたな……ありがとう」
 暈哉に戦える精神力が戻ったことを皆が喜んでいた。
 しかし依然精神1。次に負ければ死を待たずして再起不能だ! どうする雨竜院暈哉! どうなる雨竜院暈哉! 果たしてバリヤードに負った借金300万を返せるのか!?

「ところで暈哉、何でL座りのままなの? 立たないの?」
「いや、なんだ、ちょっと……立てないというか勃ってるというか……」

 ちゃんちゃん♪

310レオナ:2014/08/10(日) 19:20:02
「本当は水着なんか着たく無いんだけどさー(ソワソワ)」
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45260137

311ビンセント・タークハイツ:2014/08/10(日) 21:33:44
ダンゲロスホーリーランドクラブ 2ターン目2戦目SS「最速」

――宅急部
希望崎学園において流通を担う部活の一つである。
特徴は恐るべき配達速度。
通常配送ならば国内で8時間、速達であれば2時間を切ることすら珍しくない。
短所は全体で60%を上回る不在票投函率。
口さがない生徒たちは「宅急部の荷物は不在票を持って営業所まで受け取りに行くもの」といって憚らない。

学園全体に必要性を認識されつつも上述の欠点から嫌われている宅急部ではあるが、一方で宅急部員が特定の届け先を嫌うことはまず無い。
全ての届け先は均等に顧客であり、不在票投函の難易にて「区別」をすることはあれど、それに伴う好悪で「差別」をすることはほとんどない。
宅急部員が不在票を投函するのはあくまで一件あたりにかかる時間を下げるための工夫であり、特定の届け先への悪意を持って行われていることではないのだ。


故に、特定の届け先を嫌うことは『ほとんど』無い。


何事にも例外は存在する。
そして真野来人はその例外の一人である。

被不在票投函率が低いから――ではない、むしろその点に関しては全くの逆である。
真野来人に対する不在票投函率は100%、一度として彼が玄関先で荷物を受け取ったことはない。


最初に真野来人の元へと宅急部員が訪れたのは5月の中旬、ゴールデンウィークの終わった直後のことであった。
当時からその速度が話題に登っていた彼に対し、宅急部は一年生区域担当宅急部員の中でも最有望株を当てる。
初宅配の新入生に対する扱いとしては最上と言っていいものだろう。
これで不在票投函に失敗した場合、初年度の5月時点で一年生担当エリアリーダーか二年生区域担当を特例投入するという前代未聞の事態になりかねない。
不在票を投函できるのか、はたまた荷物を受け取られてしまうのか……宅急部中の注目を受けながら配達した部員は、インターホンを鳴らして拍子抜けすることになる。
インターホンを鳴らしても全く反応がなかった。すなわち、正しい意味での『不在』
結果は先送りか、といつものように不在票に必要事項を記入し、宅急部員は部室へとまっすぐ帰還する。

「不在票が届いていた。荷物はまだ戻っていないそうなので、待たせてもらった」

戻った部員を迎えたのは無感情な言葉。
宅急部の部室でパイプ椅子に座り、退屈そうな顔で不在票を弄ぶ真野来人がそこにいた。

真野来人の家から部室に戻るまで寄り道はしていない。
そも、彼の家に宅配したのは一番最後だ。途中で寄るべき場所も存在しない。
距離がそこまで離れているわけでもない。
配達した部員の足が遅いわけでもない……むしろ平均より速い。高速系の不在票術者を除けば上位である。
なのに、真野来人はそこにいた。
配達した部員が荷物を持って部室に戻るよりも速く、不在票を手に宅急部へと訪れていた。
汗の一つもかいていない。顔色も変えていない。
ただただ暇そうな表情で

「待たされた。早くしてくれ」

と言った。


宅急部運営による競技の結果、担当部員の変更はされないことになった。
そして次も、その次も、更に次も、宅配の結果は変わらなかった。
真野来人が荷物を直接受け取ることはない、そして配達した部員が真野来人より速く部室へと戻れることもなかった。
彼は速い、圧倒的に速い。だが宅配の邪魔をするものではない。
高速系の部員に担当変更をするべきではないか?あるいは特例措置を認めるべきではないか?
そういった議論は幾度か上がったが、配置変更が宅配効率を変えるものではないとして措置は行われなかった。

そうして、真野来人は宅急部にとって取るに足らない一届け先となった。
……実際に宅配を担当する部員、ビンセント・タークハイツ以外にとっては。

312ビンセント・タークハイツ:2014/08/10(日) 21:34:05
―――

深見忌を殴り倒し、ビンセント・タークハイツは息をつく。
一戦目は遅れをとった。治療にも費用が掛かった、だが、まだ挽回は可能だ。
部のためにも借金を背負うわけには行かない。
勝てる相手を見繕い、狩る。そうやって賞金を稼がねばならない。
なすべきことも、そのための方法も彼は理解していた。

グラウンドに轟音が響く、視界の端で土煙が見える。
聞くものが聞けば突風としか聞こえないであろう。
だが、ビンセント・タークハイツにははっきりと理解できる。

それは屈辱の音
それは敗北の音

――ビンセント・タークハイツはあらゆる最速をあざ笑う。己の土俵の上では敵でないとあざ笑う。
――それはすなわち、裏を返せば真っ向からでは追いつけぬと認めている、ということである。

足音に速度の衰えは感じられない。対して、自分は深見の能力で手傷を負っている。
勝ちが見込める相手ではない。
万が一勝てたとしても、被害は甚大であろう。
戦う理由は―――

足音の先へと回りこむように走りだす。背後から追いつくことは不可能だ。待ち構え、カウンター気味に拳を叩き込む。それで一撃だ。相手は速いだけだ。耐久力はない。ベストなタイミングで、相手の速度をも乗せてこの拳さえ当てられれば無力化することは出来る。拳を固め、息を吐く。狙うはただ、一交差。

――戦う理由は、己の誇り以外に何が必要だろうか。
土煙を上げて走る真野が視界に入る。
ビンセントは右拳を構え……………

――――

追うものは、常に先行者の背中を見続けることになる。
そこに何を感じるかは個々人で異なる。
屈辱か、感服か、畏怖か、あるいはそれ以外の何かであろうか。

だが、追う者が何を感じようと先行者には届かない。

走りながら振り返る馬鹿はいない。
後ろに何人いようと、最速で駆け抜ける者に見えることはない。
先行するものは、ただ孤独に先の風景をみるだけだ。

それは真野来人にとっても変わらない。
たとえビンセントが真野に対してどんな感情を抱いていようと、真野にとってはただの宅急部員であり。

――遅い

と、それ以上に抱くべき感情はない。
故に彼はすれ違う。ただ最速で、ビンセントの横を駆け抜ける。

ただ、少し、ああ邪魔だな、と思い。
すれ違いざま、左肩に引っかかった太い棒のようなものを振り落とした



あとに残されるのはただ一人、右腕を失ったビンセント・タークハイツのみである。

【第2ターン グラウンド二戦目】
真野来人○―●ビンセント・タークハイツ 決まり手:速度

313紅炎峰コロナ:2014/08/10(日) 23:01:56
紅炎峰コロナ VS 小薙武蔵 SS

紅炎峰コロナは体育館裏で2回戦の対戦相手、小薙武蔵と対峙していた。
人をトレーニングマシン扱いしたり、いきなり胸を揉んできたり変態の類には違いないが、技量は確かのようだ。
「パントマイムよしおの恐るべき計画を止めるため、同じ連合同士で争っている場合ではないでゴザル!」
先ほどから説得と思しき言葉を投げかけてくるが、真剣勝負の中にあってそれは挑発に等しい。
「戯言は勝ってから言うんだな」
心を削り取るがごとき鋭い斬撃。
それは小薙の武技の極み、回転と居合いの融合スタイル!
だが、コロナの眼はその軌道をしっかりと捉えていた。
敗北から学んだ確かな成果。
「運が悪かったな。今の私相手に”居合い”とは!」
門司の居合いへの怒りを速さに変え、コロナは小薙に渾身の投げを放った。

紅炎峰コロナ WIN!

314紅炎峰コロナ:2014/08/10(日) 23:20:23
紅炎峰コロナ VS 蟹田 正継 SS

初戦を勝ち抜いたコロナの前に現れたのは、蟹田 正継。
落語研究会会長にして鬼遊戯大会1回戦、ランキング1位の男。
「次のお相手はあんたかい?月読ちゃんほど粘らないでくれると嬉しいねぇ」
その身体には激戦の痕が確かに刻まれていた。
「さすがは月読」
1位相手に喰らいついた根性に敬意を払いつつ、コロナは彼女の置き土産を最大限に活かそうと狙いを定める。
「ふぅ、さっそくですが始めやしょう」
蟹田は独特の構えから言葉を紡ぐ。
「月読七菜とかけまして、神社千代ととく」
通常であれば、コロナもそのなぞかけに気をとられたかもしれない。
だが、思考さえも運動エネルギーに変え加速したコロナにその言葉は届かない!
一気に間合いを詰め、蟹田の頭部を掴んで思いっきり壁へと押し付ける。
「”掴み”は私の方が上手かったようだな」
思考を取り戻し、コロナはにやりと笑った。
右手による束縛を解こうと蟹田は至近距離からの発勁を放つ!
が、ダメージを受けつつも不動の構えのコロナ。
「倒れた噺家とかけまして、この右手ととく」
「そ・・・その心は・・・・・・?」
すぅと息を吸い込んで、コロナは炎を纏わせた左足でローキックを叩き込んだ。
「どちらもはなさない(話さない/離さない)だ!」
鈍い音とともに崩れ落ちる蟹田。
「お、おあとがよろしいようで」

紅炎峰コロナ WIN!

315紅炎峰コロナ:2014/08/11(月) 00:15:41
紅炎峰コロナ VS 神社 千代 SS

3戦目の相手、神社 千代は無傷のままで現れた。
2回戦が始まってからの時間を考えれば、少なくとも1人の選手とは戦っているはず。
にも関わらず無傷となれば、相当の強者であることは間違いあるまい。
「アなたは神を信じますカ?」
およそ戦場にはふさわしくないような優しい口調で神社は問いかける。
(今日の私は話好きと戦う運命らしい)
自嘲気味に笑いながら、コロナは言葉を返した。
「そうだな。信じるものがあるとすれば、それはお天道様と受け継いだ技だ」
そうコロナが口にした瞬間、
「Es tut mir leid・・・違ウゥ”ゥ”ゥ”ゥ”ゥ”ゥ”!!」
神社は尋常ならざるスピードで聖書を振りかざしてきた!
「くっ」
紙一重のところでその一撃を避けるコロナ。
すかさず反撃を加えるも、不思議と手ごたえは感じられない。
「神ハ『MARIYA』さまノみ!」
およそどの格闘技にもない不可思議な動きにコロナの攻撃が外れ始める。
(ならば、攻撃を誘って一気に殲滅するのみ!)
コロナは胸から高熱を発し、その熱を全身から放った。
「紅炎峰流、陽炎!」
陽炎は身体から発する熱によって周囲の空気の密度を変化させ、人為的に蜃気楼を作り出す技である。
相手の視覚誤認を誘い、攻撃の隙を突いて勝利を狙う避けの極意。
ゆらめくコロナの姿に神社の攻撃が空を切り始める。
(よし・・・・・・あとはカウンターで蹴りを加えれば・・・・・・!)
だが、確実に避けたはずの聖書が眼前に迫る!
見えざる力が働いたとしか思えない攻撃の軌道!
不意を突かれたコロナは脳天に一撃を喰らい、意識を失った。

(あの攻撃はいったい・・・・・?本当の神の力だとでもいうのか・・・・・・?)
薄れゆく意識の中で、コロナは神社の周囲に蠢く”何か”を見た気がした。

神社 千代 WIN!

316ミケナイト:2014/08/11(月) 08:00:11
めごちゃんが野球に行っちゃったよ4コマ。
hp://pic.twitter.com/igdQ9HJokV
登場キャラ:めごちゃん、夢見花卒羽、港河廻衣香、後藤うさ、ミケナイト

317迚持ライ:2014/08/11(月) 12:28:19
迚持ライちゃん!

tps://twitter.com/krsr_dng/status/498671546043351041/photo/1

318ミケナイト:2014/08/11(月) 20:43:21
『ミケナイト VS 後藤うさ』

猫耳兜の魔法少女が振るう斬馬大円匙の巨大な剣先が迫る。
節足甲冑の魔法少女は「5-2後藤」と書かれた濃紺スクール水着の前で、両手をロクロに構えた。
どろり。手甲状に変形している“ぷてりん”の遊泳肢から緑色の粘液が溢れ出し、うさの平たい胸の前でビーチボール大の球体を形成する。

半透明でぷよぷよした球体は見るからに柔らかそうで、後藤うさの胴体は球体ごと両断されるであろう思われた。
だが、ミケナイトの魔法エンハンス剛腕で振るわれた特大スコップは球体の半ばまでめり込んだ所で動きを止めた。
後藤うさの魔法少女能力は『液体の粘度操作』である。
うさの手の中にある液体球は、コールタールよりも粘り気のある切断不能物体なのだ。
粘液による防御で相手の打撃を絡め取って投げ飛ばす。
それが後藤うさの魔法格闘術『海ソーサリー』!

だが、後藤うさは投げない。
理由はふたつ。

ひとつめの理由は、本日のうさの目的はめごちゃんの試合を観戦することだからだ。
希望崎の風紀委員会と本格的に事を構えるつもりはまったくない。
だから、防御に徹する。
『海ソーサリー』の粘液防御は簡単には崩せないはずだ。

後藤うさは、ミケナイトの短い魔法少女歴を侮っていた。
ミケナイトは戦ったことがあるのだ。
ミケナイトは思い出す。
水星ちゃんとの戦いを。
いかにして高い防御力を誇る太陽系第一惑星を倒したかを。

「狩るにゃんっ……インパクトぉおおっ!」

液体球に絡め取られたスコップに、魔法エネルギーを流し込む!
狩るにゃんフィールドを敵体内に直接叩き込む魔法発勁!

ミケナイトの魔法少女能力は『レイノルズ数操作』である。
レイノルズ数を操作することで、流体の挙動を支配するのだ。
つまり……後藤うさの『粘度操作』と本質的には同系統の能力である。

同系統能力の正面衝突。
本来ならば魔法少女歴が長く自身の能力への理解も深い後藤が勝てるはずの局面だった。
だが、後藤の精神には大きな隙が生じていた。

319ミケナイト:2014/08/11(月) 20:47:18
(馬鹿な!? その声は……!?)

後藤うさは動揺した。
ミケナイトの声が、ある少女の声に生き写しだったからだ。
その少女は、50年前に命を落としたはずの……。
精神集中が乱れ、防御球体の粘度が下がる!

「っりゃああーっ!」

ミケナイトは斬馬大円匙を一気に振り抜く!
緑色の液体球が弾け飛び、後藤うさのスクール水着とミケナイトの三毛猫カラーワンピース水着に降り注ぐ!
発勁貫通! 後藤うさが吹き飛ぶ!

「グワーッ!!」

プールサイドを囲う緑色のフェンスに叩きつけられた後藤うさは白煙を巻き上げて爆発!
爆煙がおさまると、そこには甚平を着た白髪のしわしわなお爺さんがいた。
……この老人男性が、ベテラン魔法少女・後藤うさの正体である。

ザンッ。斬馬大円匙でプールサイドを突き、ミケナイトが宣言する。

「水着パーティーは男子禁制です! お爺さんでも容赦しません。即刻、立ち去ってください!」

「わかった……じゃがひとつだけ教えてくれ……なぜ儂が男だとわかった?」

「老人ホームに勤めてる学園OGから電話があったんです。『魔法少女に変身して水着パーティーに紛れ込むお爺さんがいるかもしれないよっ!』って」

「ぬううーっ、ゆにばちゃんめ裏切ったな……!!」
後藤はうつむき、入れ歯で歯軋りをした。

「あーあ、だからやめとこうって言ったでしょ」
後藤うさに師事する多脚魔法少女・夢見花卒羽はそう言ってシュルシュルと長い二本の三つ編みを伸ばして、小さな老人を抱え上げた。
「さ、帰りましょ、老師」
腰を抜かした師匠を軽々と髪の毛で抱え、六本のタカアシガニ状の歩脚で卒羽は悠然とプールサイドから去っていった。
手には空になったトロピカル・ジュースの器。
卒羽は水着パーティーをそれなりに満喫できたようだ。
後藤うさは為されるがままに運ばれている。
いや、抵抗する力も無いのである。

後藤うさが戦いたくなかったもうひとつの理由。
90歳を超える老人である彼には、フルパワーの魔法少女戦闘は数分しか継続できないのだ。

ミケナイト VS 後藤うさ
勝者、ミケナイト!

320レオナ:2014/08/11(月) 21:31:00
第2ラウンド終了後のレオナさんは的な話し。

第2戦修了後、ほんの少しの休息、今大会の参加者は皆思い思いに過ごしていた、ある者は激戦の傷を癒し、ある者は次戦に備え更なる鍛練を、ある者は己の勝戦を祝い、ある者は己の敗戦を嘆いた。

え?私?私は………

コンコン♪と小気味の良い扉をノックする音、「失礼するよー」の声に私は「どーぞー」と応える。
扉をガラガラーと開けたのは悪友のケニー・ミシェルだった。

「やっほーレオナ♪首尾は上々ー?」
「全くダメだな、暗殺者の誇りやら自信とか無くしそよ(T-T)」

実際にそうだ、今大会での戦績は1勝2敗で終いには骨折に打撲、普通の生徒なら既に死んでいても可笑しく無いんだけど。

「レオナが愚痴ってるの珍しいねー(* ̄∇ ̄*)」
「仕方無いでしょー、中庭で衆人観衆の前で全裸にさせられるは、Σp[【◎】]ω・´)撮られてネットに流されるは( ノД`)………」

暗殺者じゃなくても、ネットで世界各地に恥(裸体)を晒してしまえば色んな意味でオワタ\(^o^)/だ。
ま、その元凶の一人は門司君が殺してしまったんだけど…………(あー、報酬がー(T-T))

「依頼された標的(ターゲット)って残るは弾正院君と三ー五君でしょ?」
「そうね、その2人さえ片付けてしまえば今回の仕事(暗殺)は終了よ」

そう簡単に始末(暗殺)出来ないから、ここまで疲弊しているんだけどね私(´-ω-`)

「次のラウンドはどうするのレオナ?(´・ω・`)?」
「あー……、ミケナイトさんからプールに誘われてるのよ」

風紀委員の番犬ならぬ番猫、ミケナイトの企画により女子生徒だけのプール大会を開くそうな。

「ネコちゃんが企画したんだ?」
「ま、今回はまだプール使われて無かったし、有効活用したかったんじゃない?」
「風紀委員も大変よのー(´-ω-`)」

確かに、どちらかと言えば生徒会よりの立場だし、ミケナイトさんなりに気苦労が絶えないんだろうなー。

「そう言えば、あんだけ大々的にプール大会を宣伝したんだから、弾正院君と三ー五君が大人しくしないんじゃないかにゃー(´・ω・`)?」
「あ、あーあー……、一番の不安要素、危険因子を忘れてたわ(・_・;」

あの二人がこんな乱痴気騒ぎを見過ごす訳無いわね、誘って貰った手前、今回だけは依頼(仕事)云々抜きで働いてあげますか。

「しょうがないはね、薬中(ドランカー)と盗撮魔は私が相手するわ(´-ω-`)」
「今度は水着Σp[【◎】]ω・´)がばらまかれるねー(σ≧▽≦)σ」
「もうどうにでもして( TДT)」

こうして私は水着に着替えプールに向かうのだった(´-ω-`)

321ミケナイト:2014/08/12(火) 06:35:31
>>319 より続く

『もしもし? こちら振樹です』

「やあ、渋流くん。ちょっと頼みたいことがあるんじゃ」

『なんすか? ま、他ならぬ後藤さんの頼みなら何でもしますがね』

「実は猫岸家について、改めて調べて欲しいのじゃよ」

『え、だってあそこは……特に新しい情報とか出ようもないんじゃ?』

「それが、不思議な子に出会ってしまってね……」

『……ほう、そいつは奇妙な話ですね。調べてみましょう』

「よろしく頼む」

『でも、そーゆーオカルト混じりの調査は、刑事の俺なんかより適任の探偵が居るんじゃないすか?』

「具体的な心当たりがあるみたいな言い方じゃな?」

『ええ。シマは希望崎でしょ?』

「うむ」

『その探偵の名は――霊媒探偵・晩田院巫弥』

(「ミケナイト VS 後藤うさ」おわり)

322ミケナイト:2014/08/12(火) 08:48:15
>>320
わーい! 水着パーティー防衛戦ヤッター!
風紀部の手が届かない場所をアサシン部がフォローしてくれる、キャラクター説明どおりの展開が本戦で見れそうなのは熱いです!
がんばってプールを守りましょう!
顔文字いっぱいで、レオナさんホント可愛いなぁ。
勝って生き残ろうね……。

323神社 千代:2014/08/12(火) 19:15:54
pic.twitter.com/9g59QvuGcH
紅炎峰コロナさんです。

324水星:2014/08/12(火) 22:03:51
SS:「作戦変更」
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4165793

325薬袋 品:2014/08/13(水) 02:36:21
薬袋品3ターン目開始前SS「プールだから女の子が多いほうがいいよね」
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4167312

326水星:2014/08/13(水) 19:30:14
水星
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45329832

327深見忌:2014/08/13(水) 20:11:08
や、やったー!奇跡のウルトラ逆転敗戦ビデオだー!

328ミケナイト:2014/08/14(木) 03:27:31
プール防衛戦・開始前よんこま! tp://pic.twitter.com/bJSTpHFZI8

329ミケナイト:2014/08/14(木) 04:19:29
プール潜入の件で呼び出しをくらう後藤うさ。
卒羽は老人ホーム「まつごのさけ」で研修中です。
tp://pic.twitter.com/aeMKs550QB
(夢見花卒羽、後藤うさ、福篠単波)

330ミケナイト:2014/08/14(木) 09:18:29
>>328 の修正版です。
平井さんの行動提出と色々ちがってたので帽子をかぶせたりしました。
tp://pic.twitter.com/lBk73n3toa

331ミケナイト:2014/08/14(木) 11:15:14
ミケナイトvs多味倫太郎、開戦前よんこま!
tp://pic.twitter.com/OmUf0zyNbK
僕も忘れかけてる設定ですが、
魅羽ちゃんは規範意識が高いのでこのぐらい融通の利かない反応であってますね。
能力OFFにできないことは気付いてなくてもうしわけありませんでしたが、
行動提出がものすごく面白かったです。

332神社 千代:2014/08/14(木) 11:33:54
志筑綴子 水着ver!
pic.twitter.com/lVCn7R6zIJ

ランキング一位vs(最強)自称!
pic.twitter.com/GWdH5KRAAW

333多味倫太郎:2014/08/14(木) 18:24:35
>>331
ヤッター!ついに漫画に出してもらえたぞ!
ありがとうございます!
男装子だって思春期の性欲は押さえられない!だって逸脱者だもん。
ていうか能力オフれないのに普通にプール行ってごめんなさい。

そして……いい勝負だった!!

334ミケナイト:2014/08/14(木) 19:24:43
>>334
多味さん、ほんと手強かったです……!
水着パーティに参加したい思いの強さを感じました!

そして、さようならタマ太。
tp://pic.twitter.com/DJjYsteoq7
一コマ目はレオナさんとミケナイト(猫岸魅羽)です。

335しらなみ@英子と四囲美:2014/08/14(木) 20:13:29
プールにきゃきゃ遊びにいけなかった諸々な事情とか書かれてたりなかったり


ホリ―ランドクラブSS『英子と四囲美の人間革命 ―二日目 ―』

―二日目 渡り廊下―

四囲美が、渡り廊下に到着した時、そこでは地獄絵図が繰り広げらていた。

正確には到着”するまで”といったほうが正しかっただろうか。鋸は四囲実を視線に収めると
掴んでいた英子の頭を放すと床にどさりと放り出した。


「英子!?」
慌てて英子に駆け寄った四囲美は胸をなでおろす。大丈夫、意識を失っているだけで息は有る。
…ただ、異常ではあった。意識を失った英子が、かいている汗が尋常ではない。
ここで何が起こったのだ。
周りに散らばっているのは戦いの流血の後などでなく血反吐を…恐らく英子がまき散らした痕なのではないか。。


「貴方、英子に何をしたの…」
四囲美の震える声に、鋸はおどけた様子で両手を広げて答えた。
「何?って、試合よ。大会選手がこんな人気のないとこ突っ走ってちゃ生徒会のうちらがでるしかない
じゃない。私に偶然会ったのは不運とは思うけど、そこは恨みっこなしでお願いしたいわ。」

四囲美の悪い予感が的中した。水星とヴェーダの戦いは人気のない渡り廊下の一角で行われた。
こういう場所では、対戦相手のフリ―の選手を狩っている生徒会役員に目を付けられる可能性が格段に上がる。
しかもある種、最悪の相手と遭遇してしまった。このサディスティック特化の魔女にだ。

「ちゃんとね、約束もしたのよ。私と試合したら廃部撤回のサインもしてあげるって
英子ちゃん、寧ろ喜んでいたくらいだわよ。ヤッターって」

喜んでいられたのは最初の3分くらいだけだったけど。

「ところが彼女、途中で精魂尽きちゃってね、立っているのがやっとでデコノボー状態でさ。
その時点でほぼ勝負ついちゃったし、でも彼女負け簡単に認めないし、暇だし、しょうがないから
手慰みに無力化したコイツ締め上げて、あばらを上から順番に折っていったわけなのよ。」
「!!」
「えーとなんだっけ『試合は既に拷問に代わってるんだぜ』…ってやつ。4本目に取りかかったとこで
この子気を失っちゃって、ああ、もう、どーしようかなーっ残りいっきにやっちゃおかなーと思ってた
ところに貴方が来たわけ。もう、それまでの間、血反吐はいて先輩先輩って叫んで転げまわって大変だったわ。
ホント、私も心痛んだわ。」

もう明日お腹が筋肉痛になりそうなくらいには。

「…ああああ」
「あれ、でも変よね、四囲美ちゃんって英子ちゃんと同級生じゃなかったっけ?おかしいわね。
私、貴方の名前聞いてないけど、あれ一番の友達なんでしょ?おかしいな」

悲壮な四囲美の顔を覗き込みながら、鋸はちくりちくり精神攻撃で彼女の精神の表層にささくれを
掻きたてていく。その漂白一色の顔をのぞき込み、うっとりと満足げな笑みを浮かべる。

なお、鋸が英子と”偶然”会ったというの全くの嘘だった。そもそも彼女は、朝治療しにきた英子に
会っている。彼女はその時から英子に目を付けていたのだ。
居場所も治療中、何気ない会話で今日の行動予定を聞きだしておいたので目星はつけれていた。
 選んだ理由は”素人”だから、英子本人は怪我の痛みを上手く隠しているつもりのようだったが、
専門家の鋸の目から見ると『痛がりよう』はバレバレだった。
その『痛がりよう』は一目瞭然で、彼女が痛みに対する耐性を他の選手のようにはもっていないことを
証明していた。恐らく本格的な格闘やバトルの経験などなかったのだろう。

336しらなみ@英子と四囲美:2014/08/14(木) 20:13:44
ひらひらと一枚の紙が四囲美と意識を失った英子の足元に落ちる。

「例の奴、サインしといたわ。はーい、お疲れ様。
ちなみに治療は一日一回までだから、今日は受付ないわよ。また明日いらっしゃい。」

(…はやく手当しないと…あばらの応急処置は普通じゃダメ、コルセットか何か使わないと、でも
病院に連れていったら即入院だし、…保健室…あそこなら、あそこに今晩泊めて貰って明日朝一番に治療に…)

四囲美は英子を背負うと新校舎内へとは入っていった。


††


真の地獄は翌日だった。

翌日、怪我の治療のため、運営本部を四囲子の付き添いの元、訪れた英子は
埴井鋸のにやにや笑いを認めた瞬間、悲鳴を上げ重症にも関わらず逃げ出そうと暴れ出した。

先日拷問を受けた相手に身体を弄られるような治療(こと)を許すほど彼女の精神は強くなかった。
いや、昨日まで普通の一般学生としていた彼女としては極めて正常で健全そのものであった。

四井美は―

四井美は最終的に暴れる英子の意識を当て身で失わせた。
そして鋸の作りだした蜂の子を分けて貰い、咀嚼して口移しで英子に無理やり飲み込ませていった。

彼女は友人を背中に背負うと昨日と同じように歩き出していった。
その様子を屋外文化部の面々はなんとも言えない面持ちで見て見ぬふりをし。
他の部は(ありゃ完全に心を折られたな…)と心の中でフォーソング部の名前の上に大きくバッテンを
付け、その存在を消すことにした。

その一部始終、最初から最後まで、鋸のにやにや笑いは収まらなかった。


其の日より英子は部室に閉じこもり、シーツを被り一歩も外に出ようとはしなかった。


                (「無刀ブラック備刀ホワイト」へ続く)

337門司秀次:2014/08/15(金) 01:20:44
3ターン目の真野
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45359209

338門司秀次:2014/08/15(金) 02:12:52
真野来人
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45363890

339月見輝海:2014/08/15(金) 14:55:02
・キミ死にたまふことなかれ

「……ミ…キミ……キミ……」
底も天井も知らぬ闇の中、
朦朧とした意識で漂う少女の耳に、誰かが誰かに呼びかける声が聞こえる。

「…キミ……ツキミ…ミ、……ツキミ……ツキミキミ!」
ツキミキミ、月見輝海。そうだ、それは闇に漂う彼女の名前だ。
自分の名前を認識した彼女は、月見輝海は自分と言う存在を確定させる。

浮遊、あるいは潜行。

目を開いた月見輝海は自分が、
弓道場とも書道場ともつかぬ日本的な雰囲気を漂わせた室内に居ることを知る。
だが丸い月見窓から見えるのは水に墨汁を垂らしてかき混ぜたような渦を巻いた異様な空間。
ここは現実ではない!
ここはどこだ。月見輝海という名の自分は何者だ。

「月見輝海!」
突然自分を呼ぶ声に心臓がひとつ、大きく跳ねる。

「月見輝海!」
再び自分を呼ぶ声に心臓がふたつ、大きく跳ねる。

「月見輝海!」
カタンと音がして、床の間に書道が書かれた掛け軸が現れる。
月見輝海は書道は分からないが明朝体めいた文字でこう書かれている。
[ナンジ、死すべからず!]

「月見輝海!」
ガタンと音がして、鴨居の上にに書道が書かれた額縁が現れる。
月見輝海は書道は分からないが明朝体めいた文字でこう書かれている。
[ナンジ、死すべからず!]

「月見輝海!」
ガタリと音がして、壁の前に書道が書かれた屏風が現れる。
月見輝海は書道は分からないが明朝体めいた文字でこう書かれている。
[ナンジ、死すべからず!]

「月見輝海!」
カラリと音がして、障子の開いた先に書道で満ちた空間が現れる。
月見輝海は書道は分からないが明朝体めいた文字でこう書かれている。
[ナンジ、死すべからず!]

「月見輝海!」
自分を呼ぶ声に心臓が何度も、大きく跳ねる。
止まらない高鳴り?これを招くこの声の主は?
異様に上昇する脈拍に月見輝海はふらりと倒れ伏す。

倒れこんだ先に書道が書かれた布団が現れる。
月見輝海は書道は分からないが明朝体めいた文字でこう書かれている。
[ナンジ、死すべからず!]

包まれた布団のお餅のような柔らかさに月見輝海は安らぎを得る。

「月見輝海!」
高鳴る胸。布団の安らぎ。
[ナンジ、死すべからず!]

「月見輝海!」
高鳴る胸。布団の安らぎ。
[ナンジ、死すべからず!]

「月見輝海!」
高鳴る胸。布団の安らぎ。
[ナンジ、死すべからず!]

伏した月見輝海の前には「NO」と大書された枕。

「月見輝海!」
高鳴る胸。布団の安らぎ。
[ナンジ、死すべからず!]

伏した月見輝海は安らぎがもたらす緩慢さの中、
決断的意思を振り絞り「NO」と大書された枕を表に返す。

「月見輝海!」
いいだろう。
この高鳴りを確かめに行こう。

[ナンジ、死すべからず!]
いいだろう。
この高鳴りを確かめに行こう。

だが。

月見輝海は枕に顔を埋め静かに目を閉じる。
今はただ眠りたい。

月見輝海は心の片隅に燻る闘争の予感に目を瞑る。
今はただ眠りたい。

目を覚ましたとき、そこに誰がいるのか。
目を覚ましたとき、ここを覚えているのか。
それは分からない。
だが今は、今はどうでもいい。

今はただ眠れ、月見輝海。

340水星:2014/08/15(金) 23:41:05
【水星と柊先輩と死亡判定】


「え……?」

信じられなかった。
プールの観客席から見える水星が倒れたまま動かない。
私は観客席から飛び降り、水星の元へと駆け抜ける。途中、生徒会所属の係員に抑えられたが構わず突き飛ばして前へと進んだ。
水星との距離があと一歩となった瞬間、審判の冷酷な判定が下る。

――死亡。

身体から大事な芯が抜け落ちてしまったようであった。
がくっと膝をつき、水星の身体に触れる。
目はうっすらと開かれているがその瞳に光は無く。四肢はだらんと投げ出されていて力がまるで感じられない。

「水星……? 起きてよ。水星ってば! あはは、またフザケてるんだよね……笑えないよ、その冗談」

水星の身体を何度も大きく揺さぶるが、何も反応は返ってこない。
「……」
やがて、揺するのをやめて腕を力なく離す。

「あっははは、はははははっ」
力なく笑う。私は、私はこんな事、認めない。
私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は――――

◇◇◇

「あの、入部したいんですけど……」

部室代わりに使っている空き教室。
そこに、おどおどした感じの背丈の小さい子が訪れる。

――まるでいつだったかの焼き直しの様に、その少女はやってきた。

上履きの色から、学年を判断する。
「一年生かな? はじめまして。私は部長の柊美星です」
「えとぉ……はじめまして、一条千冬(ちふゆ)と言います。その、私水星さんに憧れて……」
「……あぁ、なるほど。主に活動してるのは私しかいないけど、それでもいいかな?」
「は、はい……」
千冬と名乗った少女は緊張しているのか、声が裏返ってしまっていた。小動物じみた容姿が可愛らしい。
「さっきも言った通り、部員がとにかくいなくてね。一人でも入ってくれると助かるよ。天体観測とか好きなの?」
「はい!」
終始おどおどしながら話していた千冬は、ここにきてとびっきりの笑顔を見せてはっきりとした返事をくれた。きっと本当に天体観測が好きなんだろうな、と思う。
「そっか。それは良かった。じゃあ入部届けを見せてもらえる?」
「あ、はい」

――こうして、天文学部に新たな仲間が増えたのだった。

◇◇◇

「やったよー ついに新しい部員が増えたよ。これが小動物チックな子で可愛いんだよねー」

ベッドに横たわる水星に声をかける。
返事はない。

「水星に憧れて入ってきたんだって。つまり水星のおかげだよ。ありがとね」

水星の頭を撫でる。
水星の瞳は閉じたままだ。

「でもまさか水星に憧れるなんて物好きな子が現れるなんてねー。まぁ、その為に鬼遊戯大会に参加した訳だけど、実際そういう子が出てくるとびっくりだなー」

水星の身体は身じろぎ一つしない。

「明日は日直だから、早く寝ないと……おやすみ、水星」

布団に潜って、水星の隣に寝転ぶ。
彼女の肌は、冷たい。

【END】

341薬袋 品:2014/08/16(土) 00:03:48
死にたい人にお薦めの危険な大会鬼遊戯大会

・空手部上がりの15人なら大丈夫だろうと思っていたら同じような体格の探偵に襲われた
・プールから徒歩1分のプールサイドで水星が頭から血を流して破壊されていた
・足元がぐにゃりとしたので購買部をめくってみるとオクトパスが倒れていた
・マントをしたミステリアスパートナーが襲撃され、目が覚めたら衣服が切り落とされていた
・めごちゃんが対戦者に突っ込んで倒れた、というか勝った後から修正とかで敗北する
・参加者が野球神に呼び出しされ、女も「男も」全員野球させられた
・体育館から中庭までの10mの間に龍に襲われた。
・中庭にいれば安全だろうと思ったら、中庭の対戦相手が全員生徒会役員だった
・未来所持者の3/5が死亡経験者。しかも淡い希望が成長させるという都市伝説から「風紀部委員長が危ない」
・「そんな危険なわけがない」といって出て行った参加者が5分後死兆星で戻ってきた
「何も持たなければ襲われるわけがない」と手ぶらで出て行ったアサシンが靴と服を破られ全裸で戻ってきた
・最近流行っている宗教は「女子高生教」 脱衣勝負によって女子高生が脱衣をするから。
・月見輝海が門司秀次にあう確率が150%。一度襲われてまた襲われる確率が50%の意味
・鬼遊戯大会における屋内運動系部活動連合の参加者は約20人、うち約15人が空手部員。

342水星:2014/08/16(土) 16:40:57
水星と柊先輩の反省会〜3ターン目〜

柊先輩「はい、今回の反省会の始まり始まりー!」
水星「……」
柊「今回はねー、なんといっても戦術を切り替えて自信を持ち始めたのが良かったね。成長が美味しかった」
水「……」
柊「だよねー。防御+2で勝利後の精神上昇も含めて精神+4ってのは大きいよね。必殺技打てる回数増えるし」
水「……」
柊「うんうん。初回の薬袋品さんとの戦闘で、HPが半分残ったのも良かったね」
水「……」
柊「あ、ちなみに薬袋品さんとの決闘挑んだ理由はキャンペーン跨いだリベンジをしたいというのが主な理由ですね。HL4では見事に負けた記憶があったからね」
水「……」
柊「よくよく考えると中の人はかなり執念深いというか、ストーカー気質というか……キャンペーン越しでっていうのはなかなかよね」
水「……」
柊「で、二戦目の志筑さんは神社さんがかなり削ってくれたので助かったねー」
水「……」
柊「まぁ必殺を二発空撃ちしちゃったのは後々響いてきたけどね。おかげで埴井さんにはワンパンKOだったし。あそこ一発耐えれるHPあれば変わってきたんだろうけどねー」
水「……」
柊「ん? あれ、おかしいね。なんで水星の方は成長してないんだろうね。負けた分どこか+2点成長するはずなのにね。おかしいなー」
水「……」
柊「今回はなかなか上々の結果だったので、あまり話すべき反省点はないね。次のアイテム配布と野球神に連れてかれる人がどうなるか楽しみだね、水星」
水「……」
柊「よーし、じゃあ今回の反省点はここまで! 次のターンの水星の行動もお楽しみに!」

【END】

343真野来人:2014/08/16(土) 17:35:24
tp://p.twpl.jp/show/orig/mWEvP
門司秀次君!

344水星:2014/08/16(土) 18:02:36
回想――水星と柊先輩と魅羽ちゃんと。【後編】
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4181734

345真野来人:2014/08/16(土) 18:33:15
tp://p.twpl.jp/show/orig/DzGPt
つばくろー!

346ミケナイト:2014/08/16(土) 20:48:41
『ミケナイトVS多味倫太郎』


「Z!(絶対に!)」

僕は女性限定水着パーティに参加するんだ!
紅茶部の女子たちが!
鬼雄戯大会に参加している女の子たちが!
無数の一般女生徒たちが!
プールサイドで待っているんだ……!
倫太郎は、回想する。
そう、あれは3年前の夏のことだっ(以下50ページ省略)

目の前にいる猫耳鉄仮面の少女は、まぎれもない強敵だ。
正直、倫太郎が今まだこうして立っているのも不思議なくらいだ。
だが……

「M!(負けられない!)」

相手がいかに強くても、倫太郎は負けるわけにはいかないのだ。
しかし、倫太郎よりも頭一つ低い小柄な身体になんというパワーを秘めているのだろうか。
しかも、普段のだぶだぶサーコート姿ではよく判らなかったが、三毛猫柄ワンピース水着になってみるとはっきりわかる。
ミケナイトの胸は……かなり大きい!
正体は貧乳少女である倫太郎は羨んだりはしない。
そのかわり、ミケナイトの豊かな胸をprprしたいという思いを強く感じた。
そういう性癖なのだ。
倫太郎は想像する。
あの鉄兜の下には、どんな可愛らしい素顔が隠れているのだろうか。
実は、倫太郎はミケナイトの正体である猫岸魅羽と会ったことがある。
倫太郎の苛烈すぎる熱血紅茶指導が問題となり、風紀委員会の調査が入ったことがある。
その調査メンバーの中に猫岸魅(以下50ページ省略)

「P!(パンチ!)」

倫太郎の熱血魂を形にしたような真直ぐなストレートが繰り出される!
極めてシンプルな軌道。
決して超高速とは言いがたい速度。
だが……

(……避けられない! いや、避けちゃいけない気がする!)

ミケナイトの魔法少女能力は『流体操作』である。
特に空気の流れを操ることに長けており、それを攻守に渡って活用して戦闘アドバンテージを得ているのだ。
ゆえに……空気の流れを読むことにも長けている。
延べ100ページを超える回想シーンを挟んだ必殺技を避けられるはずもなかった。
ストレートがミケナイトの胸の中央に突き刺さる。
そして猫耳の騎士は、ばったりと仰向けに倒れた。
コンクリートに打ち付けられた兜がぐわんと鳴る。

347ミケナイト:2014/08/16(土) 20:52:42
「ワンワン! ワンワン!」

意識を失った魅羽の脳裏に、馬たちの鳴き声が響き渡る。
まるで、プール防衛戦を果たせずに力尽きる自分を責めているような声だ。
水着パーティも守れない。
馬術部も守れない。
そんな私だから、馬たちに嫌われているのも仕方ない。
魅羽はそう思った。

(だから私は! そんな私を乗り越える!)

意識を取り戻した魅羽は素早く起き上がりながら特大スコップを振るう!
プールは守る! 馬術部も守る!
馬たちにも認めてもらう!
決意を乗せたスコップ斬撃!
言うなれば……ZMS(絶対に負けられないスコップ)!

多味倫太郎は油断していたのかもしれない。
ZMPの手応えは完璧で、相手が起き上がれるとは思えなかったこともある。
そして、紅茶部の試合はティーセットが整った状態で行われるものであり、ダウン状態から直接仕掛けて来るような不作法な攻撃には不慣れだった。
結果として倫太郎はスコップの直撃を受け、勝負はそこで決まった。


(=・ω・=)


青い空。白い入道雲。
背中のコンクリートが、熱い。
強い日差しを、猫耳の鉄仮面が遮った。
対戦相手のミケナイトだ。

「すみません多味先輩。男性である以上、通すわけにはいかないんです」

「いや、謝るのはこっちの方さ。能力オフにできないのに来てしまって悪かったね」

「どうして先輩は男装をしてるんですか?」

失礼な質問かもしれない、とも思ったが、魅羽は好奇心を押さえ切れずに聞いてしまった。

「そっ、それは……」

倫太郎は周囲をキョロキョロと見回し、近くに人が居ないのを確認してからミケナイトに耳打ちした。

(恥ずかしいから一度しか言わないぞ。実は僕は……女の子が好きなんだ!)

「なるほど、そういうわけでしたか」

秘密を打ち明けてくれた相手に仮面のままでは失礼なので、魅羽はフェイスガードを上げてにっこりと微笑んだ。
その笑顔は、鼻血まみれの酷いものだった。
だが、倫太郎は見覚えのあるその顔を見て、やっぱり可愛い子だったな、と思った。

348ミケナイト:2014/08/16(土) 20:55:11
「女同士を好きになるなんて、変だと思わないのかい?」

「うん。まー、そーゆーのもアリだと思うよ」

そう言って魅羽は、昨日の楽しかった一日を思い出した。
柊先輩と水星ちゃんは、それはもうお似合いのカップルだよなー、と思った。
水星ちゃんはさっきイルカ形フロートを小脇に抱えてプールに入って行ったところだ。
もちろん柊先輩も一緒だった。
薬袋さんと対戦するって言ってた。恥ずかしい目にあわなきゃいいのだけど。

「だから……多味先輩も頑張ってくださいね」

魅羽の励ましは心の半分は目の前の先輩に、半分は水星ちゃ「女同士を好きになるなんて、変だと思わないのかい?」

「うん。まー、そーゆーのもアリだと思うよ」

そう言って魅羽は、昨日の楽しかった一日を思い出した。
柊先輩と水星ちゃんは、それはもうお似合いのカップルだよなー、と思った。
水星ちゃんはさっきイルカ形フロートを小脇に抱えてプールに入って行ったところだ。
もちろん柊先輩も一緒だった。
薬袋さんと対戦するって言ってた。恥ずかしい目にあわなきゃいいのだけど。

「だから……多味先輩も頑張ってくださいね」

魅羽の励ましは心の半分は目の前の先輩に、半分は水星ちゃんたちに向けたものだったので、どことなくふわふわした感じになってしまった。
それでも倫太郎は嬉しく感じ、明日は紅茶部の子たちのためにもっと頑張ろうと思ったのだった。

(まあ、私は普通に男の子のほうがいいけどね)

今のところ、魅羽は特に好きな男子がいるわけではない。
ゴールデン・レトナイト大先輩、シベリアン・ハスナイト先輩、そしてセント・バーナイト君。
馬術部には素敵な男性がいっぱいだ。きっと素敵な恋も見つかることだろう。

ぶらーん。

魅羽の心の中で不吉な影が揺れた。

ぶらーん。ぶらーん。

(私は……)

ぶらーん。

(普通に男の子が……)

ぶらーん。ぶらーん。

(好き……な……はず……)


(『ミケナイトVS多味倫太郎』おわり)

349ミケナイト:2014/08/16(土) 21:02:59
>>348 は張り付けミスりました……


「女同士を好きになるなんて、変だと思わないのかい?」

「うん。まー、そーゆーのもアリだと思うよ」

そう言って魅羽は、昨日の楽しかった一日を思い出した。
柊先輩と水星ちゃんは、それはもうお似合いのカップルだよなー、と思った。
水星ちゃんはさっきイルカ形フロートを小脇に抱えてプールに入って行ったところだ。
もちろん柊先輩も一緒だった。
薬袋さんと対戦するって言ってた。恥ずかしい目にあわなきゃいいのだけど。

「だから……多味先輩も頑張ってくださいね」

魅羽の励ましは心の半分は目の前の先輩に、半分は水星ちゃんたちに向けたものだったので、どことなくふわふわした感じになってしまった。
それでも倫太郎は嬉しく感じ、明日は紅茶部の子たちのためにもっと頑張ろうと思ったのだった。

(まあ、私は普通に男の子のほうがいいけどね)

今のところ、魅羽は特に好きな男子がいるわけではない。
ゴールデン・レトナイト大先輩、シベリアン・ハスナイト先輩、そしてセント・バーナイト君。
馬術部には素敵な男性がいっぱいだ。きっと素敵な恋も見つかることだろう。

ぶらーん。

魅羽の心の中で不吉な影が揺れた。

ぶらーん。ぶらーん。

(私は……)

ぶらーん。

(普通に男の子が……)

ぶらーん。ぶらーん。

(好き……な……はず……)


(『ミケナイトVS多味倫太郎』おわり)

350門司秀次:2014/08/16(土) 23:09:03
一太郎
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45400168

351一 十四:2014/08/16(土) 23:24:30
一十四プロローグSSその3『天使の邂逅』。
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4183146

352レオナ:2014/08/16(土) 23:47:03
第3ラウンド終了後のレオナさんは的な話し。

ガラケー特有の着信音が鳴り響く、着信音は某ピンクのパンサーなテーマソングだった。
携帯電話のディスプレイには"依頼人"とだけ表示されていた。

「………もしもし?」

相手は学園関係者にして今回仕事(暗殺)の依頼をしてきた年配の男だった。

「先ずはおめでとうレオナくん、君のお蔭でまた学園の不良魔人(ゴミ)が減ったようだ」
「そいつはどーも、そんな事より報酬(金)は何時もの口座に振り込んだの?」
「そうがっつくな、何時も通り振り込んで有るから後で確認してくれ」
「そう、それなら良いよ………」

そう、報酬さえ貰えればそれで良いんだ、それで良い。
特に用事が無ければ、こんな下衆と誰が話したりするものか………

「それじゃ、これで……」
「あ、それともう一つ!!」
「………何ですか?」
「天文部部長の柊くんだが……」
「!!」
「今の彼女なら、君にとって良き商売客になるんじゃないか?(笑)」

年配の男は電話越しに卑下た笑い声を上げていた。
私は唇を噛み締め、携帯電話を強く握っていた………。

「私は暗殺者(アサシン)、何の躊躇(ためらい)も迷いもなく標的(ターゲット)を暗殺(始末)するだけ……………」

そう、私は坦々と依頼(任務)を遂行すれば良いんだ、だから、誰が殺されようが誰が死のうがどうでもいい。
そう、どうでも、いいんだ………

「どうやらレオナくんは、柊くんの錯乱ぶりを見て迷いが産まれつつある様子だね」
「仕方ないですよー、彼女(レオナ)って意外に仲間想いの強い子ですから(ゝω・´★)」
「 まーアレだ、引き続き彼女の監視を行ってくれケニーくん」
「了解ですボス♪(ゝω・´★)」

こうして私の知らない所で色々な思惑が交差し、私は何者(誰)かの操り人形として、このクソっ垂れな殺戮ゲームに身を投じるのだった。

「レオナ!!お前は俺だ!!俺はお前だ!!お前を待ってるのは破滅だけ!!お前は破壊と殺戮を繰り返し快楽に身を委ねるのさ!!俺は先に地獄(天国)へ逝ってるぜ!!お前も早く来いよレオナ?(笑)」

353ビンセント・タークハイツ:2014/08/17(日) 01:25:08
ダンゲロスホーリーランドクラブ 3ターン目SS「正義とは」


※おわび※
※野球中継延長のため、本来掲載予定だった3ターン目SS「正義とは」は繰り下げて投稿されます※
※引き続きグラウンドからの野球中継をお楽しみください※



試合が終わればノーサイド、これはスポーツの大体ほとんど全てに共通すると言っても過言ではない理念である。
それは命と部費とあと着衣とかなんかそういうもろもろを賭けて行われる鬼雄戯大会であっても変わらない。
野球神の名の下、試合の後は野球をする。
それがここグラウンドでの唯一のルールであった。

しかし、このターンの試合がほぼ終わったのに、未だに野球は始まっていない。
用具もそろえた、チームも分けた、ポジションも決めた、審判も居る。であるのになぜか。

それはグラウンドの中心。ピッチャーマウンド上で体育座りをする一人の男がためである。
その男の名はビンセント・タークハイツ。宅急部員、現在1勝2敗。
度重なる右腕切断により、肩部をジョイント化処置した彼は、キュッポンキュッポン右腕をつけたり外したりしながらピッチャーマウンドに「の」の字を書き続けている。

端的に言って非常に邪魔であった。誰かがどけ、と言えば済む話ではあろう。
だが、彼の全身から漂う「なんかさー、わりと強い必殺技作ったのに全然勝てないし、マッチングうまくいかないし、15%ぐらい回避率あるのに全然成功しないしもう死にたい……」みたいなオーラが話しかけることを躊躇させるのだ。

ピッチャーマウンドが使えないと試合は出来ない。しかし、あの面倒くさそうな男に関わりたくない。
それがビンセントを除く全員の総意であった。
キュッポンキュッポン右腕ジョイントをつけたり外したりする音だけが響く気まずい静寂。
だが、それを断ち切る声が響く。

「人類!愚カ!俺!支配」
「き、君は……めごちゃん!?」
「俺!奴!説得!野球!可能!」
「き、君にそれが出来るというのか……!?」

期待と驚愕を背に受けて、めごちゃんはピッチャーマウンドへと向かう。
めごちゃんは人類支配を目論むウーパールーパーである。
ゼロから人語を解すまでに至ったそのコミュニケーション能力の高さ、適応力の高さはもはや言わずもがな。
鬼雄戯大会参加者の中でもトップクラスに位置するだろう。
彼ならば奴をピッチャーマウンドからどかすことが出来る、そう期待されることも無理もない話である。

「オ前!退ケ!」

めごちゃんは立ち上がり、ビンセントを見下ろしながら説得する。
常人ならばすぐに屈服し門下に下ってもおかしくない威容。だが、ビンセントは体育座りをとかない。
彼はわずかに首を動かし、片目でめごちゃんを見る。

354ビンセント・タークハイツ:2014/08/17(日) 01:25:46
「……なんの用だコアラ?」

その一言でグラウンド中に衝撃が走る。
彼が口走ったのは未知の言語……いや、あれは……

「ありゃあ、オーストラリア語ですねぇ」
「知っているのか、蟹田!」
「ええ、以前落語留学してきたオーストラリア人がしゃべっていましてねぇ……まさかこんなところでお目にかかるとは」
「だ、だが、あいつが何語を話していようとめごちゃんなら……!」
「いや、あれを見ろ!」

皆の視線の先、ピッチャーマウンド上のめごちゃんは額に冷や汗を浮かべていた。
たしかに、めごちゃんはゼロから人類とコミュニケーションが可能になるまで至った脅威のウーパールーパーである。
だが、不運にも彼の周囲には日本語話者しか居なかった。
今まで日本語こそ言語であると思ってきていたウーパールーパーにとって、初めて触れる外国語はどれほどの衝撃であったであろうか。

「用があるんだろう?速く言うシドニー」
「ウ、ウヌ……!」
「どうしたエアーズ・ロック?」

たじろぐめごちゃん、もはや趨勢は誰の目にも明らかである。
時期に彼はすごすごと引き下がり、好物の乾燥シュリンプを食べながら受けたダメージを癒すことになるだろう。

「う、嘘だろ……めごちゃんが……」
「か、蟹田!お前オーストラリア語を聞いたことがあるんだろう?ラーニングしてないのか?」
「いやぁ、まさか必要になるとは思いもしていなかったものでしてねぇ」
「くそっ……!人類はオーストラリア人に勝てないのか……」

再度ただよう絶望感。ピッチャーマウンド上では、打ちひしがれたように萎びためごちゃんがいる。
その肩に、ぽん、と手が置かれた。

「オ、オ前……」

その手の主は、野球神であった。
彼はぐっと親指を立てると、めごちゃんにかわりビンセントと相対する。

「む、無茶だ野球神!」
「あんたが野球概念そのものであったとしても相手は野球後進国・オーストラリアの人間だ。あんたの力が通じるとは………」

叫ぶ人々を手で制し、野球神はビンセントへ声をかける。

「I live in EDO」

彼の口から出たのは、また日本語でもない未知の言語

「お、おい蟹田!あれはオーストラリア語なのか?」
「いえ……あれはあたしにも………」

オーストラリア語でないなら、通じるはずがなかった。
だが……

「タスマニアデビル?」

ビンセントが言葉を返す。

「つ、通じたぞ!どういうことだ!?」
「お、おい、見ろ、あれは………」

野球神の背には「3」の背番号が浮かぶ。
それはかつてアテネの地にて日本代表を指揮した伝説の監督の背番号。
そして、日本代表と戦ったチームこそ……オーストラリア……!

「魂だ……!言語じゃない、勝負を繰り広げた日本代表とオーストラリア代表の魂が繋がっているんだ……!」

言葉は、いや、思いは通じた。
固唾を呑み、人々は二人の会話を見守る。

「アイム失礼!」
「いや、別に構わんカンガルー」
「How old おいくつ?」
「16だアボリジニ」
「魚編にブルー」
「鯖だストライカー・エウレカ」

いくつか言葉を交わし、ビンセントは野球神の差し出したグラブを受け取る。
一拍遅れ、グラウンドが歓声に満ちる。
野球しようぜ!その思いが伝わった瞬間であった。

355ビンセント・タークハイツ:2014/08/17(日) 01:26:11
――――

生徒会室の窓からグラウンドを見下ろす影がある。
生徒会長、パントマイムよしおだ。
野球をする生徒たちを見ながら、彼は内心でパントマイムする

(………さすがは野球神、頑なだった人々の心をつないだ。か)

グラウンドには平和が満ちている。
皆が微笑み、野球をする。充実した空間

あるいは……はじめからこうであれば、鬼雄戯大会など開く必要はなかったのかもしれないな

ふいに彼の体をついて出たパントマイムに、生徒会役員達は驚愕の視線を向ける。
だが、だれよりも驚いていたのはほかならぬよしお自身であった。
無意識に出てきたパントマイム。あるいはそれは彼の本心であったのかもしれない

だが……時間は戻らない。

独り言のようにマイムし、窓のブラインドをおろす。
確かに絆はあったのかもしれない。だがそれは一時的なものだ。
ゆえに……鬼雄戯大会は進めねばならない。

グラウンドの歓声を聞きながら、パントマイムよしおは生徒会業務へと戻った。


おわり

356雨竜院暈哉:2014/08/17(日) 02:12:15
「ここが暈哉の部屋か。男の子の部屋って初めて入ったなー。
 あ、自分の部屋以外のね」
「……」
「……暈哉」
 夕日の差す暈哉の部屋。
 半左の目の前で、暈哉はベッドの上に座っていた。昨日のL座りが崩れて、だらしない体育座りみたいになっている。その表情に力は無く、視線は虚空を泳いでいた。
 雨竜院暈哉精神1。
 本日、精神1で臨んだ負ければ最後という試合、暈哉はランキング2位の蟹田に勝利する大金星を挙げた。
 借金320万円を一気に返済し、精神にも余裕が戻ったのだが、何を思ったのかそのまま連戦。次なる対戦相手一太郎の圧倒的な速さの前に敗れたのだった。
 結果、精神は再び1になってしまい、しかも先の試合で負ったトラウマも効いてより昨日より深いダメージを負った状態だった。
「でも暈哉、昨日よりはずいぶん強くなってるよ反応もFSも伸びたし」
 そう励ますも、暈哉はやはり反応を示さない。
(うーん……何か、何かしよう)
 手をパタパタしたり、耳に息を吹きかけても、やはり反応は示さない。
(人のおウチでがんばれ*顗,辰討垢襪里呂舛腓辰函帖鎮僂困*しいし……着替えさせて貰うのも……)
 今、暈哉の目の前で着替えを始めれば恐らく反応してくれるだろうが、鈍い半左はそんなことに気づかない。恥ずかしかったし。
(あー……そうだ)
「ねえ、暈哉」
 隣に腰掛け、言う。
「好きな子に告白するのだってさ、勇気がいるでしょ?」
 名前も知らない相手をダシにするのが卑怯な気はしたが、続けた。
「最後の最後の、告白するのも、結局気持ちの問題だからさ。
 そりゃ告白とは違うし、人も死んじゃうくらい危ないことだけど……でもやっぱり勇気が無きゃ。何でも」
 窓から覗く夕日を見ながら、半左は思いを言葉にしていく。
 たとえ破れても、勇気を持たないといけない。同性の親友に告白する勇気。暈哉が得ようとしている勇気。FS。
「わた……僕はさ、勇気のある暈哉が好き」
 その言葉に、暈哉の目が見開かれ、半左の方を見る。 
「はっ半左!」
「わっ! 戻ったんだ暈哉。良かった……」
 半左は安堵し、顔を綻ばせるが、暈哉は真剣な表情になり、じっと見つめ続ける。
 少し間があって、再び口を開いた。
「半左、俺……」
「ど、どうしたの?」
「……いや、あ、ごめん……」
 昨日とは別な意味でバツが悪そうに、暈哉は目を逸らす。
 今はまだ、FS(勇気)が足りない。
「……でも、取り敢えず戦う勇気は貰ったよ。昨日の今日で、ごめん。
 ……ありがとう」
 そう力強く言って、横に置かれた半左の手を握った。
「あ、ん……」
 今度は半左の方が恥ずかしそうにする。
 2人とも顔が赤いのは、きっと夕日のせいだけでは無いだろう。
 

「じゃあ、またね暈哉。
 明日も応援するから」
「おう、頑張るよ」
 半左を駅まで送り、別れると暈哉も家路につく。 
 歩きながら何となしに空を見上げた。すっかり夜で濃紺のヴェールに星が散っている。
「……」
 暈哉は地学も履修していないし、星を意識して夜空を見たことなどここ数年無い。
 しかし、何か、足りないような気がした。とても身近な、けれど名を知らないまま見ていた星が消えたことを、何となしに感じ取っていた。
「なんだ……何だろう、この感じ」
 一度だけ話した天文部の女子生徒・水星が死んだことを知るのは、この翌日のことだった。

357カツオのひじ:2014/08/17(日) 02:18:11
やきゅうぼうー
tp://p.twpl.jp/show/orig/ytVFV

358ミケナイト:2014/08/17(日) 08:09:47
【魅羽とタマ太の大冒険!】

第9話『VSシベリアン・ハスナイト』

魅羽とタマ太はとっても仲良し。
今日も一緒にお散歩するの。

「さて、今日も怪我しちゃったし」
「ニャーン(身体は大事にしろよな。特におっぱいとか……)」
「埴井鋸さんになおしてもらおう!」
「ニャー……(あの子ちょっと怖い……)」

今日は悲しいことがいっぱいありました。
プールでは、水星ちゃんが命を落としました。
葦菜さんの暴挙を止められなかった自分のせいです。
中庭では、輝海ちゃんが命を落としました。
委員長とマコさんの不穏な動きに気付けなかった自分のせいです。
でも、自分を責めて悲しんでばかりもいられません。
馬術部を守るために、戦わなければならないのです。
だから、まずは治療です。

魅羽とタマ太は、埴井鋸のいる特設医務室にやってきました。

「こんにちは。また……治療お願いします……」
「ニャーン……(おっぱい……)」

魅羽はおずおずと挨拶しました。
それは、自分の肉体を切り取って食べさせる鋸さんの治療法が、痛そうで申し訳なく、そして怖いからです。
タマ太のおっぱいコールも弱々しいものでした。
これは、鋸の胸が貧弱だからというわけではなく、鋸からほとばしるサドっ気に当てられてタマ太が萎縮しているからです。
鋸の胸は平均かそれよりやや小さめかぐらいで、喝采を浴びるような貧乳ではありません。

「ふふ、また来たのねミケちゃん。鼻とお尻の具合が悪そうだけど、どちらを治すのかしら?」


(=・ω・=)


治療を終えた魅羽とタマ太は、馬術部に帰ってきました。
勝って負けての繰り返しだけど、治療費を差し引いてもトータル賞金はプラス。
大丈夫、私はよくやっている。
そう思えるから足取りも多少力強くなります。
輝海ちゃんと水星ちゃんのことは、努めて考えないようにしています。

馬小屋の前を通り掛かった魅羽は、奇妙なことに気付きました。
いつもなら魅羽が通り掛かるとワンワン吠えてくる馬たちが今日は静かなのです。

(あれ……散歩中かな?)

そう思って魅羽が馬小屋を覗くと、中にはちゃんと馬たちがいて「ワンワン!」と魅羽に吠えてきました。
でも、それは今までのような怖い吠え方ではなく、優しい吠え方でした。
尻尾を振ってる馬までいます!
魅羽の頑張りを馬たちも認めてくれたのです!
(FSが1上った!)

359ミケナイト:2014/08/17(日) 08:12:36
「おお、これは! やったじゃないか、みゅーちゃん。これで正式な騎士になれるぞ!」

そう言ってくれたのは、シベリアン・ハスナイト先輩でした。
襲撃で受けたハスナイト先輩の怪我はそれほど重くなく、もう登校できる程度には回復しています。
もちろん、埴井鋸さんの能力を使えば一瞬で回復できたのでしょうが、鋸さんは大会以外の怪我は治してくれないのです。

「へっへへー。だといいな。先輩も豆乳飲みます?」
「ニャーン(俺のおごりだぜ!)」

もちろん魅羽の食費で買った豆乳です。
二人と一匹は、馬小屋の側で仲良く豆乳を飲みました。
馬たちが優しい目で静かに見てくれているので、いつもよりも何倍も美味しい豆乳でした!
水星ちゃんや輝海ちゃんのことを思い出さなければ、の話ですが。

「あれ? みゅーちゃん、どうして座らないんだい?」

ハスナイト先輩は、魅羽の様子がおかしいことに気付きました。

「いえ、別に、疲れてない、ですし」

明らかに嘘です。

「……ちょっと部室に来てくれるかい?」
「はい?」
「ニャー?(なんだ?)」


(=・ω・=)


部室に入ると、ハスナイト先輩は中から鍵をかけました。
これで、タマ太を除けば魅羽とハスナイト先輩の二人っきりです。

「フーッ!(ミウに妙な真似するんじゃないだろうな!)」

タマ太は全身の毛を逆立てて警戒しています。

「さて、みゅーちゃん。パンツを脱いでお尻をこっちに向けなさい」
「ええっ!?」
「フンギャロバーッ!(やっぱりそういうことかッ! 食らえ『ねこばく……)」

タマ太が怒声を上げ、全身に爆竹を巻き付け飛び掛かりました!
しかし、ハスナイト先輩は素早いチョップをタマ太の狭い額に打ち込み意識を奪います!
これで、魅羽と先輩は完全に二人っきりです。

「タマ太ーっ!?」
「邪魔されると困るんで眠ってもらったよ。さあパンツを脱ぎなさい」
「……どういうつもりですか?」
「こっちが聞きたいね。なんで鋸さんところで鼻血を治したんだい? 痔の方が優先だろ?」
「それは……その、おしり見せるの恥ずかしかったので……」
「命が懸かってるのに恥ずかしがってる場合じゃないだろ? さあ脱ぎなさい」
「あ、いいこと考えました。私だけ脱ぐのは恥ずかしいから先輩も脱ぐってのはどうでしょう?」
「却下」

360ミケナイト:2014/08/17(日) 08:14:10
ハスナイト先輩は、医者や獣医を多く輩出している家系の出身で、医術の心得があるくのです。
そして、一族秘伝の『霊薬』によって、どんな怪我でも治せるそうです。
患部に霊薬を塗布してもらったお陰で、魅羽の怪我は翌日には全快していました。

でも……あんな格好で、あんな所に指を突っ込まれて薬を塗られるのは屈辱的な体験でした。
もっと屈辱だったのは、可愛い後輩の女の子にそんな格好をさせておいて、冷静そのものだったハスナイト先輩の態度です。

ぜんぶ見られてしまいました。
誰にも見せたことのない場所を、はっきり間近でぜんぶ見られてしまいました。
それなのに、ハスナイト先輩は興奮した様子ひとつ見せませんでした。
我慢できずに襲って来たら流石に困りますが、少しは動揺して見せるのが礼儀ではないでしょうか。

(私って、女性としての魅力がないのかな……)

怪我を治してもらったことに感謝しつつも、落ち込む魅羽でした。

(少なくとも今後、痔の治療は鋸さんに頼もう……)


めでたしめでたし?

361紅炎峰コロナ:2014/08/18(月) 00:42:05
紅炎峰コロナ VS 人業遣い SS

捨て身の覚悟。
ビジネスであれば、多大な利益のためにリスクを恐れず突き進むこと。
芸術であれば、心身を削って魂の作品を作り出すこと。
さまざまな人生の岐路で多くの人間が捨て身の覚悟を決めてきた。
紅炎峰コロナも戦いの中で勝利を得るために己の傷を省みなかったことはある。
しかし、今紅炎峰コロナの前に現れた相手、人業遣いはどこかが違う。
捨て身の覚悟を決めるのではなく、捨て身なのは当たり前といった体で攻撃に傾倒した動きを繰り出してくる。
その異様さに押されながらも、コロナは着実にダメージを与えていく。
そして、禍々しい闘気に激しく身を灼かれながらも、加速させた拳を人業遣いの顔面に浴びせる。
繰り出した拳の感触はコロナに勝利を確信させた。
その確信に一切の慢心はなかった。
だが、とどめの一撃で倒れるはずの人業遣いは、意思を持たぬ塊となってコロナに肉薄する。
およそ人間とは思えない歪なモーションが、掴んだはずの勝利を手離させた。

―鬼遊戯大会三回戦、コロナはまだ多くのものを掴めないままでいる。

紅炎峰コロナ VS 人業遣い ダブルK.O.

362水星:2014/08/18(月) 01:25:09
【回想――水星と柊先輩の水着選び】

私と水星は水着選びに来ていた。
催される水着パーティに参加するためである。

「私に似合うの、これとこれ、どっちが良い?」
「んー、右、ですかね」
「よっしゃ左ね」
「え? ちょっと。私右が良いって言ったんですよ」
「うん。だから水星のセンスの無さを信頼して、反対の方を選べばセンス良いやつになるかなーって」
「えー? ひどくないっすか。私センス有りますよ。ではですねー、んー、これとか先輩に似合うんじゃないですか?」
「あれ、普通に可愛いじゃない! そっちにしようかな…… 水星がこんな良いの見つけるのなんて、一体どうしたの?」
「ふふん、聞いて驚くが良いです。これは私が一番可愛くないなって思った水着です。逆を選べば可愛い水着になるんじゃないかと思いまして。どうです、この天才的な閃き、すごいでしょう」
「それって自分のセンスの無さを決定づけた上に、さっき私が使った手じゃない……二番煎じも良いところよ」
「……」
「……」
「愚かな人類め〜〜!!」
「またそれか! 芸が無いな!」
「あ、じゃあじゃあこれはどうです? これ先輩に似合いません?」
「……水星は私をなんだと思ってるの? こんな布地の面積の少ない水着、着る訳ないでしょ!」
「じょ、冗談ですってば……さすがにこれがダメだっていうのは私も分かりますよ。今から真剣に選びますから怒らないで下さいよ」
「いや、水星のセンスには期待してないんだけど……」
「じゃじゃーん、これ、これどうですか?」
「またその気持ち悪い謎の宇宙人か! ていうかなんでそれTシャツだけじゃなくて水着バージョンもあるのよ! まさか流行ってるの!? もしかして私のセンスの方が悪かったりするの!? あぁ、なんだか頭痛くなってきた……」
「ふふんっ、やはり私のセンスの勝利のようですね。というわけで水着パーティにはこれを着ていきましょう」
「いやいやいや、それはないって! そんな気色の悪い水着死んでもつけたくないから!」
「まったく……ヒドイ言いようですね。可愛いのに……それなら私が履くことにします」
「ちょーっと待った! それはそれで困る! 水星は今天文学部の代表として鬼遊戯大会に出てるんだから、困るって! そんな水着履いてる人と一緒の団体に属してると思われたくない!」
「そこまで拒否されると余計履いていきたくなりますね! 見てて下さい、この可愛さを、私が全世界に広めてあげますよ!」
「そんな悲壮な決意を背負った顔しないで! 頼むからそれだけはやめて! お願いします水星さん!」
「ん? 今ジュース奢ってくれるって」
「言ってない! 言ってないけどジュース程度でこの未曾有の危機が収まるなら奢るわよ!」
「やったー」
「意外とチョロくて助かった……。じゃあ水着選び終わったら奢るね」
「ありがとうございます。で、結局この水着が駄目なら私はどんな水着を着ればいいんですか?」
「普通に可愛いと思った物を……あー、水星が可愛いと思うものは最悪だってさっき学んだんだった。じゃあ、私が選んであげるよ。 これとかどうよ?」
「なんというか、地味ですね」
「いやいや、これそこそこ派手な方だと思うよ? というか水星の選ぶ水着が派手すぎるんだよ……」
「そうですか……んー、じゃあこれにします」
「あれ、意外と聞き分けがいいんだね」
「どうせ、私のセンスは駄目ですから……」
「あー悪かったから、そう拗ねないでよ……センスなんて今後磨いていけばいいんだからさ、ね?」
「そうですね、頑張ります」
「よしよし、その意気だ。ところで水星って泳げるの?」

363水星:2014/08/18(月) 01:25:29
「いえ、全く」
「駄目じゃん! 水に突き落とされたら溺れて死ぬ未来しか無いよ!」
「いやー、いざとなったら泳げるようになりますって。火事場の馬鹿力とかいうでしょう?」
「ローマは一日にしてならず! そんな簡単に泳げるようにはなりません! 今から泳ぎを覚えるのは無理だから、浮き輪的サムシングを買おう!」
「あ、このフロートどうです? イルカのフロート!」
「……なぜにイルカ?」
「イルカ幼女ですよ! イルカ幼女! うぉーイルカ幼女!」
「あぁ、アニメの影響ね……」
「何か駄目ですか? なんならこっちのでもいいですよ」
「またか、また生理的嫌悪感を抱かせる宇宙人か! そんなに流行ってるのかそれ! なんでこうも貴様は私の前に立ちはだかる!?」 
「悪役みたいな台詞ですね」
「この宇宙人が採用されないなら悪役にもなるよ……アニメの影響でもなんでもいいから、イルカの方にしときなさい」
「はーい」
「よし、これで水着パーティに必要な物はそろったね。じゃあ私はまとめて会計してくるよ。お金はあとでいいから。その内にジュース買ってきなよ。はい、ジュース代」
「ありがとうございます。じゃあ、行ってきます」
「いってらー」

レジに水着とフロートを持って行き、支払いをする。
会計を済ませて、水星と合流しようとすると、首筋に何か冷たいものが触れた。

「ひゃっ!」
「ふふふー、良い声出しますね。一度やってみたかったんです、こういうの」
「もー、超びっくりしたんだけど。後で仕返ししてやるからなー 覚えてなよー」
「いつでも掛かってきて構わないですよ。はい、これどうぞ」
「ん。ジュースか。ありがと……ってそれ水星の金で買ったの?」
「ですよ。私からの奢りです」
「それじゃ意味なくない? 私せっかく奢ったのに」
「いいんですよ。こういうのは気持ちの問題です。奢ってもらったってなんだか気分いいじゃないですか」
「まぁ、それもそうか。うん、ありがとね」
「いえいえ。しかし、水着を新調したからには是非とも勝ち進んでいかなきゃならないですね。果たして勝てるのでしょうか……」
「いや大丈夫だよ。水星ならできるから。だから頑張って! ファイト!」
「えへへ、頑張りますよ―。水着クイーン目指してやります」
「その意気だ! よし、あれやるよ! えいえい――」
「……」
「おー!」
「……」
「ちょっと、なんでやらないのよ! 一人じゃ恥ずかしいじゃない!」
「いやぁ、人前でやるのは流石に恥ずかしいなぁと思いまして。それに一人でやって恥ずかしがる先輩とか面白そうだなぁって」
「うぐぐ、やりおったな…… 後で覚えておきなさいよ」
「先輩、毎回そういうこと言ってますけど特に仕返しとか来たことないですよね」
「言ったな―! ちょっとそこ動かないでね。今に仕返ししてやるから」
「動くなと言われたら動きたくなるのが人間というものでして」
「あ、ちょ、逃げるなー!」
「それも逆効果ですよー 私、逃げ足には自信ありますからね、そう簡単に捕まりませんよ」
「そう言われると追いかけたくなるのが人間というものでね……待てー!」

突如始まった追いかけっこに、私はなんだかんだで楽しんでいた。
水星なら「青春を謳歌してますね」とでも言うだろう。
こんな楽しい毎日がずっと続く。

そう、信じていた。

【END】

364薬袋 品:2014/08/18(月) 02:35:21
水星ちゃん
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45427190
気持ち悪い謎の宇宙人を描こうとしたらこうなった

365雨竜院暈哉:2014/08/18(月) 04:21:39
>>356

>(人のおウチでがんばれ*�,辰討垢襪里呂舛腓辰函帖鎮僂困*しいし……着替えさせて貰うのも……)

この部分、

(人のおウチで頑張れ♥ 頑張れ♥ ってするの恥ずかしいし……着替えさせて貰うのも……)

に差し替え願います。

366ミケナイト:2014/08/18(月) 06:05:10
葦菜さんの水着パーティ制覇をお祝いして全員集合イラストをかきました。
tp://pic.twitter.com/0kMgNhCMca

367雨竜院暈哉:2014/08/18(月) 16:26:04
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45433773

ミケナイトさん

368月見輝海:2014/08/18(月) 17:56:52
【魅羽と輝海のガールズトーク!】

魅羽と輝海ちゃんはとっても仲良し。
いつも休み時間にはお話しするの。

「魅羽ちゃん。じつはさっき門司くんからメールが届いたの」
「すわっなんで輝海ちゃんのアドレスを!?」
「ニャーン(ストーキングだな。ゴミとか漁るんだ)」
「え?このあいだ体育館で待ち合わせるために交換したんだよ」

おっと失敗。先入観は目を曇らせます。

「あははそうだよね。あの頃はまだ知らな……」
「あの頃はまだ……?今日の魅羽ちゃんなんだか変だね」
「そっそんなことないよ!それよりメールなんだったの?」
「ニャー(ホテルへのお誘いだな。やりたい盛りの男子だぜ?)」
「まだ読んでないんだけど……あれ?動画サイトのアドレスが」

輝海ちゃんは何気なくリンクを踏みました。
ほんとに動画サイトに繋がるかは分かりません。
怪しげなサイトに飛ばされて色んなデータがぶっこ抜かれるかもしれません。
ほんとだとしてもどんな動画が待ってるか分かりません。警戒心!警戒心が大事です。

「キャー!」

とつぜん輝海ちゃんの悲鳴が響きます。やっぱり罠だったのです。

「ニャーン(この子、口を閉じたまま悲鳴を上げるなんて器用だな)」

おやおや?それはおかしな話です。
よく見ると悲鳴は輝海ちゃんのスマホから聞こえてきます。

『キャー!』
『まだまだ。もう一度だ!水墨龍(すいぼくどらごん)!!!!』

スマホの画面の中では門司が仕込み筆を目にもとまらぬ速さで抜刀!
黒いドラゴンのオーラが輝海ちゃんに襲い掛かります。
ふたたびキャー!という悲鳴を上げ倒れこんだ輝海ちゃんの右足が変な方向を向いています。

「これって……」
「うん、体育館で私と門司くんが戦ったときの動画だね。」

画面の中では場面が切り替わって、今度はグラウンドでふたりが戦っています。

『一文字!』
『キャー!』

開始早々に門司は痛烈な横薙ぎで輝海ちゃんの左足を打ち据えます。
そして倒れた輝海ちゃんに必殺技で追い討ちをかけると、
右!左!しつこく足を打ち据えます。ついに左足が変な方向を向いたのを確認した門司は、
悠々と刃を収め、必殺水墨龍の構えをとり、瞬間!画面いっぱいに暗黒のオーラが溢れ、
画面に再び光が戻ったとき、そこには瀕死の輝海ちゃんが転がっていたのです。無惨!

「なんでこんなものを輝海ちゃんに!」
「ギオッ(ていうかわざわざ撮ってたのかよ!)」
「これを見て研究しなよってことかな?」

輝海ちゃんはひどい目にあわせられた相手に対して前向きです。
なんらかの心理的防衛機構が働いたのでしょうか?それは果たしていいことでしょうか?

「魅羽ちゃん、さっきからなんだか胸がドキドキする!」

それは当然トラウマというものでしょう。自覚は無くても心の傷は残っているのです。

「男の子からメールを貰ってドキドキ……これって、これって恋?」

あ、違う。この子ダメな子だ。その瞬間魅羽は確信しました。
恋に恋して拗らせて、ちょっぴりトラウマブレンドして、斜め上に飛んでっちゃった。
でも……本人が幸せならそれでいいのかもしれません。
現実に直面させて、心に血反吐を吐かせるのがいいことなのか。
そもそも魅羽だって恋愛についてはなんだか最近ちょっと迷走気味?
人様の恋に意見をすれば、それが自分の恋の方向性を決定付けてしまいそう。
頭がぐるぐる、目玉がぐるぐる。ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる回って。
何にもいえなくなった魅羽は一言ズバリと告げました。

「ニャー!!」(ばたり)

369門司秀次:2014/08/19(火) 01:08:02
よしおさま注目の部活
「押忍押忍言ったら君への合図」で獲得した部員 一人!!
生徒会役員になった空手部!!
「卒業までに300人」

顔の見える衣装に代えてとの声も多いが正体不明!!
ボクシング部 ミステリアスパートナー
「つーかミステリアスですから」

人の良さそうな顔に似合わず 人体破壊が得意!!
文芸部 志筑 綴子
「人が見てるとこじゃやんないスよ」

バランスの良い能力値で現在怪我0!!
しかし順位は20位そこそこ
ティータイム部 多味 倫太郎
「座右の銘 逸脱1」

参加選手一の技巧派にもかかわらず その不明さはなんなんだ!!
不明部 御来光滝 暗闇
「オレ、バイロケーションなんす」

馬術部歴1年を驚異の応援量でカバー アイテム所有の天才!!
馬術部 ミケナイト
「オス光栄ッス」

納得いかなきゃ先輩だろうと余裕でぶっ飛ばす!!
希望崎学園の核弾頭
カツオ
「やっぱオレ、渡り廊下の左で待ってるわ」

こいつに倒された魔人急増中「一太郎の反応の伸びが怖い」と訴える!!
得意の足で逃げ切れ
陸上部 真野来人

そしてホーリーランドクラブ戦いたくない相手ナンバーワン!
主な理由 ステータスが高くて邪魔 サイコパスっぽい 恋愛を勘違いしてそう
多分 3ターン目もぶっちぎり
俺様 書道部 門司秀次!!

370薬袋 品:2014/08/19(火) 01:48:06
『LOST PLANET』
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4193359

371ミケナイト:2014/08/19(火) 23:38:23
>>367
わー、凛々しい!
侵入者を待ち受ける姿、自分でも描きたかったんだけどなかなか納得のいく出来にならず断念しちゃったのを代わりに描いてもらえて良かった!!
兜の目の部分を猫目っぽい孔にするのいいなあ。可愛らしさと格好良さと不気味さが同居してる。
サーコート&軽装鎧のデザインもスマートにきまっているし、何よりスリットから覗くミケ水着!
ありがとうございました!

>>368
やった! 輝海ちゃんとのガールズトークだ!
勝手に作った友人設定を追認してもらえるとすごく嬉しいです!
そして復活決定早々の門司君いじり……輝海ちゃんそっち行っちゃ駄目だーっ!
輝海ちゃんと門司君にハッピーエンドはあるんだろうか……?
魅羽とタマ太をうまく使ってくれてありがとうございました!
倒れちゃうとこ可愛いなぁ……!

372門司秀次:2014/08/20(水) 00:11:48
ミケナイト
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45464511

373弾正院 倫法:2014/08/20(水) 00:50:43
モジ君
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=45455311

>>368
(これってもしかして僕のスナッフフィルムだったりしないかな…もう海賊版が作られたのか?大丈夫だろうか。)

374ミケナイト:2014/08/20(水) 08:40:31
>>372
ヤッター! 描いてもらうには対戦しなきゃならない? でも勝てそうにない……という悩みから解放された!
全身のちんまり可愛いフォルムから溢れる猫っぽさ!
記号的要素だけではなく全体の雰囲気がすごく猫っぽいのはすごい……確かな描写力……!
サーコートの合間から見えるプレート装甲がかもしだす油断ならない屈強なファイター感も素敵だ!
僕としてはミケナイトはドワーフ戦士みたいな、ちっこくてやや太ましいイメージなのでばっちりです!
ヤッター!

375ミケナイト:2014/08/20(水) 20:29:16
【もはや懐かしき桜舞う日のこと】

いよいよ私の高校生活がはじまる!
ああ、希望崎学園。我が学び舎よ。願わくば素晴らしき出逢いのあらんことを!

魅羽は、けして猫背にならないように、背筋を真っ直ぐにして席から立ち上がり、クラスメートたちを見回した。
自己紹介! 第一印象! 一撃必殺!
スウと息を吸ってからハキハキした声で、魅羽は言った。

「雛代中学出身、猫岸魅羽です。よろしくお願いします」

教室が、一瞬凍りついたような反応だった。その後、ざわめき。
どうやら、魅羽の一発目は大失敗であったようだ。

「はい。猫岸さんがユニークな人なのは保護者の方から聞いてますよ。それじゃ次の人」

冷たい感じのする担任教師はそう言って魅羽を座らせた。
クスクスという笑い声が何箇所かで起きる。完全に、失敗した。
魅羽はしょんぼりと自席に腰をおろした。

“雛代中学校”は既に存在しない学校である。
生徒の失踪事件が相次ぎ、最終的にはハルマゲドンが発生して廃校となったのだ。
最近開校した魔人女学院、妃芽薗学園のルーツであることでも有名である。
そんな中学校の出身を名乗れば、クラスがこんな反応になるのも当然のことだった。

(あーあ、失敗しちゃったなぁ……)
と魅羽が落ち込んでいると、左の席の子が脇腹をひじでツンツン突いてきたので左に顔を向ける。
確か、隣の子の名前は、えーと、月見さん!
月見さんはちょっとタレ気味の目を満月の夜の海のようにきらきらと輝かせながら、小声で話しかけてきた。

(ねーねー、猫岸さんもやっぱり高校デビュー狙ってるクチ?)
(高校デビュー……まあ、そうなるかなぁ)
(今のブラックジョーク、私はいけてたと思うよ!)
(うにゃー、ありがと)

それが、輝海ちゃんと交わした最初の会話だった。
窓の外には校庭の桜並木。
一陣の風に散らされた桜の花弁は、開いた窓から教室の中まで運ばれてきて二人の頭の上に乗った。
「あ」と二人は同時に呟き、同時に互いの髪へと手を伸ばして花弁を摘んで手に取った。
その動きがまるで鏡写しのようで可笑しくて、二人は同時に「ふふふ」と笑った。
その笑顔が、魅羽が希望崎に入って最初に見つけた宝物だった。

(おしまい)

376ミケナイト:2014/08/20(水) 23:58:08
第4ターンの行動提出イラスト!
自称魅羽ちゃんじゃない人登場。
tp://t.co/fh3AfzNkum

377ミケナイト:2014/08/21(木) 06:17:03
夢見花卒羽の好物は「スパモンズヌードル(シーフードあじ)」に決まりました。
tp://pic.twitter.com/OSmKnADV9A

378雨竜院暈哉:2014/08/21(木) 14:40:34
tp://touch.pixiv.net/novel/show.php?id=4203151&mode=text#1

雨竜院暈哉SS
オナニーとかあるのでR18です。

379ミケナイト:2014/08/21(木) 19:12:59
『はるか昔の出逢いのこと』

タマ太と出逢ったのは、私が中学二年の春だった。

帰り道沿いの空き家に痩せた三毛猫が出入りしているのが気になった私は、不法侵入を繰り返すこと三度目、ついに遭遇に成功した。

埃っぽい土間の奥にうずくまる猫の近くに、私は持参したビニル袋から煮干しを取り出して置いてやった。
一瞬、警戒心と空腹がせめぎ合った様子もあったが、警戒心は瞬殺され、その後、煮干し達も秒殺された。

「ニャーン!(おいしかった!)」

久し振りに満腹するまで食べたのだろう。
猫は満足げに鳴いて、私の方に半歩近付いてから床に丸まった。

「おまえ、さ、親とかいないの?」
「ニャア?(おやとか?)」
「……いないんだろうな。うちも母さんが私を産んですぐ死んじゃって、父さんと二人きりだけど、家族がいるだけマシだよね」
「ニャーン(おさかな、おいしかったよ)」

飢えに苦しむ子猫を一匹、空腹から救うことができ、私はとても充実した気持ちだった。
名前が「猫岸」ということもあって、犬か猫かと問われたら私はダンゼン猫派だ。

「そうだ名前!“おまえ”じゃ呼びづらいもんね。どれどれ、男の子かな? 女の子かなー?」

腋の下に手を入れて持ち上げ、股間を確認する。
煮干しですっかり懐柔できたようで、抵抗はまったくなかった。
んー、ついてる。男の子だ。

「よし、それじゃ、おまえの名前は“タマ太”にしよう!」
「ニャー……!(たまた……!)」

なんか下品な命名になっちゃったかもしれないが、ほかの名前は考えつかなかった。
本人(本猫)も嬉しそうだし、悪い名前じゃないと思う。

「そして、誇り高き“猫岸”の名も与えよう。猫岸タマ太! 今日から私の弟になりなさい!」
「ニャーオ!(おとーと!)」

それから数週間、私は姉の務めとして煮干し、鰹節、オカラなどをせっせとタマ太に運んでやった。
やがてタマ太の身体はみるみる立派になり、狩も上達して姉の助けはいらなくなった。
自慢の弟だ。

「だが弟よ、恩義をけして忘れず、姉が困った時には必ず助けるのだぞ」
「ニャーン!(当然だぜ姉ちゃん! まかせとけ!)」

(おしまい)

380神社 千代:2014/08/21(木) 19:55:57
3ターン目プールの水星さん!
pic.twitter.com/1AMAdb2LT3

381月見輝海:2014/08/22(金) 21:57:24
放課後。競技ダンス部の練習を終えた輝海はふと思い立って馬術部へ行きました。
馬場にはもう誰もいません。そこで馬小屋へ行ってみることにしました。
中へ入ってみるとお友達の魅羽ちゃんが一人で掃除をしていました。
「魅羽ちゃんおつかれさま。掃除ひとりで頑張ってるんだね」
あたりを見回しながら独り言のように漏らした問いに、
「うん、馬達と早く仲良くなりたいからね……。
 皆に頼んでやらせてもらってるんだ。へへへ」
魅羽は額の汗を拭いながら、
ちょっぴり残念そうに、それでいてとても楽しそうに笑います。

「そうだ」
そんな魅羽を微笑ましく眺めていた輝海は鞄から魔法瓶と、
薄っすらピンク色した小さな塊が詰まったガラス瓶を取り出しました。
魅羽はいかにも興味津々といった様子で見ています。

「はい」
輝海は魔法瓶のフタを外して魅羽の手に持たせると、
ガラス瓶からピンクの塊を2つ取り出し、まぶされていた白い粉を払うと、
魅羽の手のコップの中へ落とし、魔法瓶から透明な液体、
湯気の立つお湯を注ぎました。
すると辺りに例えようのない独特な香りが漂い、
お湯の中ではピンクの塊がふわりとほころんで小さな花に姿を変えました。
「わぁ、桜だ……」
季節外れの桜に魅羽は驚きの声を上げます。
「うん、桜湯。桜茶っていったりもするね」
そういって輝海は目線で桜湯を飲むように促します。

コクン。

一口含むとほんわりとしたしょっぱさとすっぱさが。
飲み込むと鼻からふわっとあの桜餅みたいな香りが抜けました。
まさかこの時期に桜の花を楽しめるなんてちょっとしたサプライズです。

「体を動かして汗をかいたら水分・塩分とクエン酸なんかを摂るのはいいんだよ」
風流のいまいち分からない輝海らしく質実な説明です。

だけど本当にそれだけでしょうか?
この桜は、二人が初めて出会ったあの日、窓の外に咲いていたあの桜です。
その花を摘んで水洗い。
ゴミやガクを取り除いて数日塩漬け。
水分が出たら絞って梅酢に漬けて、2-3日したら絞って天日干し。
最後に塩をまぶして容器に密閉。
難しくはないけど手間暇掛けたそれは。

コップの中で2輪。並んで可憐に咲いています。

輝海は魅羽の手からコップを取り上げちょっと迷うと、
いたずらっぽく笑って魅羽が口を付けたところからコクリと飲みました。
目をまん丸くした魅羽は破顔してアハハと声をはじけさせます。
舌をちろりと出した輝海も照れくさそうにウフフと笑いました。

窓の外では桜が青々と茂らせた葉の影で、涼む小鳥がキョキョキョと囀ります。
季節は夏。輝く光。魅かれる笑顔。
多感な10代の少女たちの、宝石のような友情。
その先にはきっと幸いが待っているのです。

382薬袋 品:2014/08/22(金) 22:43:22
ミケナイト
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45522150

383月見輝海:2014/08/22(金) 23:23:01
>>381
冒頭とラストシーンがそぐわないので少々訂正。


昼休み。月見輝海はふと思い立って馬術部へ行きました。
馬場には誰もいません。そこで馬小屋へ行ってみることにしました。
中へ入ってみるとお友達の魅羽ちゃんが一人で掃除をしていました。
「魅羽ちゃんおつかれさま。掃除ひとりで頑張ってるんだね」
あたりを見回しながら独り言のように漏らした問いに、
「うん、馬達と早く仲良くなりたいからね……。
 皆に頼んでやらせてもらってるんだ。へへへ」
魅羽は額の汗を拭いながら、
ちょっぴり残念そうに、それでいてとても楽しそうに笑います。

「そうだ」
そんな魅羽を微笑ましく眺めていた輝海は鞄から魔法瓶と、
薄っすらピンク色した小さな塊が詰まったガラス瓶を取り出しました。
魅羽はいかにも興味津々といった様子で見ています。

「はい」
輝海は魔法瓶のフタを外して魅羽の手に持たせると、
ガラス瓶からピンクの塊を2つ取り出し、まぶされていた白い粉を払うと、
魅羽の手のコップの中へ落とし、魔法瓶から透明な液体、
湯気の立つお湯を注ぎました。
すると辺りに例えようのない独特な香りが漂い、
お湯の中ではピンクの塊がふわりとほころんで小さな花に姿を変えました。
「わぁ、桜だ……」
季節外れの桜に魅羽は驚きの声を上げます。
「うん、桜湯。桜茶っていったりもするね」
そういって輝海は目線で桜湯を飲むように促します。

コクン。

一口含むとほんわりとしたしょっぱさとすっぱさが。
飲み込むと鼻からふわっとあの桜餅みたいな香りが抜けました。
まさかこの時期に桜の花を楽しめるなんてちょっとしたサプライズです。

「体を動かして汗をかいたら水分・塩分とクエン酸なんかを摂るのはいいんだよ」
風流のいまいち分からない輝海らしく質実な説明です。

だけど本当にそれだけでしょうか?
この桜は、二人が初めて出会ったあの日、窓の外に咲いていたあの桜です。
その花を摘んで水洗い。
ゴミやガクを取り除いて数日塩漬け。
水分が出たら絞って梅酢に漬けて、2-3日したら絞って天日干し。
最後に塩をまぶして容器に密閉。
難しくはないけど手間暇掛けたそれは。

コップの中で2輪。並んで可憐に咲いています。

輝海は魅羽の手からコップを取り上げちょっと迷うと、
いたずらっぽく笑って魅羽が口を付けたところからコクリと飲みました。
目をまん丸くした魅羽は破顔してアハハと声をはじけさせます。
舌をちろりと出した輝海も照れくさそうにウフフと笑いました。

窓の外では桜が青々と茂らせた葉の影で、涼む小鳥がキョキョキョと囀ります。
季節は夏。輝く光。魅かれる笑顔。
多感な10代の少女たちの、宝石のような友情。
その先にはきっと幸いが待っているのです。

384英子と四囲美:2014/08/23(土) 15:20:58
ホ―リーランドSS【英子と四囲美の人間革命 ―3日目―】


●部室
「女王様、今日の件ですが、私の自由にさせて頂いて構いませんか?」
『まあそりゃ、構わんが。』
「ありがとうございます。」
『四囲美。』
「はい。」
『刀。今なら持っていけない理由はないと思うが持ってかんのか。』
「…。」

四井美は黙って一礼すると外に出た。



●密約
「はぁ、てっきりリベンジでも来るかと思ったのに、話ってそういうこと」

埴井鋸は、治療時に交した彼女の言葉に応え、彼女と落ち合っていた。
昨日、散々挑発したのが効をそうし2連続でカモがひっかかった〜とるんるん気分だった
彼女だが、話が進むうち、いつも浮かべているへらへら笑顔を強張らせていった。

四井美は頭を下げてきた。
鋸は苛立ちの表情を隠さずに吐き捨てた。
「ああん、違うだろ。”お前達”が『お願い』するときはそうじゃねぇ、違うだろ。」


四井美は土下座した。

ガス。
その頭を鋸は足で踏みつけ歎願者の顔面を地面にぐりぐりと押しつけた。女学生は全くの無抵抗だった。

想定外だ。想定外のカスだ、コイツ。まさか、ここで部の廃部を避けるためキビトのサインを
頂けないでしょうかと”自分に”お願いしてくるとは思わなかった。
昨日と今日、自分がお前のツレになにやったのかもう忘れたのか。そんなに部活が大事か…これだから
プライドのないやつは…。

鋸は暫く、足を足踏み機においていたが、やがていつもの調子を取り戻しニタニタと哂いだす。

「いいわ、今回でぶっ壊れたキビト・ケンのハンコ貰ってきてあげるわ。アンタのいうように
結局アレ、只のクグツだから科学班に言って判押させるだけの話なのよね。
無論、只ではない。条件次第ね。」

鋸はここで大会参加選手3名の名を挙げた。

「代わりに将来勝ち組に確実に入っていききそうな連中、誰でもいいので潰してきてもらおうかしら?
同陣営狙ったら不自然だろうし、真野は…まあアレはどうやっても捕まらないだろうし」
貯金してる上位ランカーに怪我を負わせて借金させる。
マイナスにおちこんだ連中は更に某で叩いて浮上できないまで沈める。
私の欲しいのはそういう連中への『でかいダメージ』―意味わかるわよね、豚は極限まで太らせてから食べる。
それが私のお・仕・事なのよ。一・般・ち・ゃ・ん」

そう、これが本来あるべき魔人と自分達(もぶ)の正しい姿だ。四囲美は自分を完全に見下したであろう
相手を直視することもなく視やり、心の中で韜晦する。

この学園には純然たるカースト制度が存在している。いつだって。

まず生徒会長ヨシオを頂点とした生徒会メンバー。
そして各部や委員会の有力魔人たち。
ついで、それらの庇護下に活動を許された魔人外の学生。
そして最下層になんの力を持たない一般学生や弱小部活動メンバーたちが来る。

「一般学生」には力を持つものはほとんどいない、ただ一方的にヒエラルキー上層の”されるがまま”だ。
悪名高き学生自治法は学校内の治外法権を約束し、それが彼らが平和に生きる保証と権利を奪った。

魔人たちがこの世の春を謳歌する影で力なき「一般」は常に搾取されていた。
学園の平和を守るヒーロ部?風紀委員会?
欺瞞だった。お前達が今奪い合ってる部費の原資の大部分はなんだ。血みどろになった体育館やプールの
修復や清掃に借りだされているのは誰だ、誰が誰に命じられている。

弱者の怒り。ルサンチマン。
そもそも裕福な者や子女は、危険な希望崎学園にわざわざ来たりしない。魔人を完全排除した天道学園
あたりでボディーガードに囲まれていればいいのだから。世界は常に下層に厳しい。

この現状を弱者が乗り越え、踏破する手段は主に二つ。今ある「外社会」の様に圧倒的数を頼みに相手を
圧するか、あるいは何れかの手段により同様の力を手に入れ。これに抗するか。

そして今日、その変革を為そうとした一つの存在が闇に屈し、堕ちた。

385英子と四囲美:2014/08/23(土) 15:25:24
●制裁
午後、体育館。

「「「押忍。押忍。押忍。押忍。押忍。押忍。押忍。押忍。押忍。
押忍。押忍。押忍。」」」

四囲美は破壊されたキビトケンの代わりに新生徒会役員―正確には生徒会直轄部として生まれ変わった
『新生・空手部』のスパーリングの相手を勤めていた…否、形式こそスパーだが事実上の集団リンチの様相と化していた。

そして、それが本日、学園の闇に屈した存在『新生空手部』に与えられた通過儀式だった。
そこにカツオの右腕を鋸で引き落としてきた埴井鋸が現れる。やたらとテンションが高く、見た目にもそのご機嫌のよさが伝わった。

「やほー無能ちゃん、お仕事頑張ってる?吉報よ〜」

明るく彼女が右腕(カツオの)を振るが反応はない。四囲美は道場の床に伏したまま、虚ろな眼で横たわったままで
動かなかった。

「貴方の狙うはずだった門司くん、月見ちゃん、剣嵐ちゃん全員、初戦敗退よ。
しかも月見ちゃん、剣嵐ちゃんは死亡。ようやく借金マイナスで脱落した部活がでてきたわね。
いやぁ、将来勝ち組に入りそうな連中だったんで笑いが止まらんわ。
これも貴方が全員空振りしたおかげ…しかし目を付けた直後に全員がこれってアンタ本当に疫病神じゃね。」

彼女は煽るように右手(カツオの)に摘まませ、一枚の紙をひらひらと振る。
四囲美の指が、初めてぴくりと動いた。
「先にケビの木製ハンコは押してもらってきたけど、残念ながら今回のお仕事ぶりじゃね――」

彼女がゆっくりおきあがった。
返すのはお預けね。そう鋸がいいかけたとき、彼女はゆっくり立ちあがった。
「…。」
タイミングを外され思わず沈黙してしまった鋸に対し、彼女は虚ろな目のまま頭を下げる。
「ありがとうございます。明日こそ期待に答えれるよう頑張りたいと思います。」
「ええ、ああ。」

そういうと四囲観はふらつきながら、彼女の横を通り過ぎた。
鋸は調子を狂わされたまま、曖昧に返事を返す。

「失礼します。」
「「押忍。押忍。押忍。」」

そのまま鋸と空手部員たちが見守る中、室内の道場を出る際に一礼すると外に出た。
「…。」「…。」
「ところでお前らさ…って、あ。」

ここで鋸は、初めて自分のサインとケインの捺印が押された申請紙を四囲美が持って行ってしまったことに
気づいた。何をやっているのだ。大ポカもいいところだ。いや、自分だけではない。
空手部の連中もおかしい。
、、、、、、、、、、、、、
何故、アイツを無事に返す。
鋸は出ていく前に”何をしたっていいからコイツ、徹底的にやっちゃて”と空手部に命じてから、狩りに出た。
戻ってくるころには薄い本状態になっているのを期待してだ。
いや『空手部』の生徒会での立場を判らせるために、鋸は暗にとはいえ、はっきりそう彼らに命じたつもりでいた。
それが何故、黙って見送るというような、こんな調子崩れな真似をしているのだ。

「なんだこりゃ、なんか…、すげー気味が悪い…」

疫病神、先ほど自分でいった何気ない言葉が、一周して彼女の中にじわりと忍びこんできた。滲むように
這いよるように…。

「ふへへへへ、やーめた。やめだやめ。」

そして鋸は―
埴井鋸は、あの女とその部の件に深く関わり合いになることを止めることにした。今なら実損ゼロだ。
キビトの件に関しては向う側が吹聴することはまずないし、黙っていれば誰にも判らない。

ならば適当に距離を置いておくのが正石だろう。
自身に火の粉が振りかかりそうなことヤバそうなことにはそれ以上踏み込まない、
残虐にそして果てしなく卑屈に、
それが彼女の処世術なのであった。そしてそれは恐らく正しい判断で会った。


●最速
四囲美は体育館を出ると水で患部を冷やすため、ふらふらとグランド脇の水道口のほうに向かう。
そして校舎の角を回ったところで人影に遭遇する。

そこには気だるげに壁に身体を預ける一人の男がいた。
女はちらりと男に視線を向けただけで、興味なさげにその前をふらつく足取りで通り過ぎる。

その足が止まる。

「何故、お前は本気を出さない。」

女は億劫そうに男を見た。男はキロ制限の道路標識でも見るような目で女を見た。

男の名は真野来人。学園最速を標榜する男。

386真野来人:2014/08/24(日) 13:58:12
3T終了時点で勝手につけた強さランク。A-ランクまで。

協力:野球帽、埴井葦菜 他。

【SSランク】門司修二
仕込み筆を使い戦う剣士。
瞬発力、対応力、成長性、連戦性能、マッチング力など全てが高水準。
特殊能力も非常に強力。3ターン目では敗北したものの、前回と変わらずSSランク維持。
現参加者中最強の男。

【SSランク】真野来人
陸上部所属。
希望崎学園最速の男(暫定)。
高い反応値によるマッチング力の高さと、圧倒的な瞬発力が武器。
精神上昇によって連戦性能があがり、Sランクから昇格。
強者取得が待たれる。

【Sランク】一太郎
審判部のNo.3。A+ランクから昇格。
非常に高い反応値を誇る選手。
カウンター状態からの精神削り、精神攻撃は非常に強力。
技配置にも隙がない。
連戦性能が高いのも魅力的だ。
強者を取ることでSSランク昇格もありうる。

【A+ランク】ミケナイト
馬術部の騎士見習い。Aランクから昇格。
高い攻撃力と体力を併せ持つキャラクター。
応援力を生かした金鶏によるステータス上昇が、このキャラのA+ランクたる所以。
対応力トップと言えるだろう。成長性も十分。
今後ランクを駆け上っていくであろうキャラクター。

【A+ランク】野球帽
高体力高攻撃勢。Aランクから昇格。
圧倒的なパワーで正面から相手を破壊し、闘志によって連戦性能を上げる。
王者の風格すら漂う性能。
残り2のFSをどう使うかに注目が集まる。

【A+ランク】志筑綴子
文芸部の残虐ファイター。A-ランクから昇格。
成長の引きがよく、非常に高い防御と体力を持つ。
この性能で自信を持っているのも驚異的。
A+ランクも当然といえるだろう。

【Aランク】埴井葦菜
2m超のマッチョメン。
高い攻撃力体力とそこそこの反応。
野球帽に酷似した性能だが、体力が低い分Aランクに留まる。
果たして呪いが解除されることはあるのだろうか。

【Aランク】ミステリアスパートナー
高体力高攻撃勢。やはりこのステータス振りは強いのである。
豊富な精神力により、やや重めの必殺技を振り回せるのも強い。
Aランクではあるが、A+ランクに上がるのもそう遠くはないだろう。

【A-ランク】平井律
家庭科部所属のファイター。
2m超の男が繰り出す膝蹴りと同じ威力のビンタを繰り出す。
ステータスは他のAランク以上のキャラと遜色はないが、
必殺技の威力の関係上、ダメージレースで負けるためこのランクに。
しかし、このテクニカルな必殺技は後半でこそ真価を発揮するだろう。

【A-ランク】熊殺しのウーパールーパーめごちゃん
B+ランクから昇格。バランスの取れたステータスが魅力。
必殺技のデメリットの重さからA-ランクに留まる。
個人的な話だが、キャラクターロールが好きなので今後も生き残ってほしい。
大気弾を積んでいる数少ない選手の一人でもある。

【A-ランク】水星
B+ランクから昇格。地獄から蘇った防御振り期待の星。
ステータスでは志筑に劣るものの、必殺技の火力が高いのが武器。
強者さえ取れればA+ランク入りまであり得る。今後に期待。

387ミケナイト:2014/08/25(月) 19:32:29
『ミケナイトの正体』


正体を隠している人の、正体を暴くのは面白い。
馬術部所属の風紀委員。
白黒茶色の三色ロングヘア。
スコップを腰に携え、ジャージの上にだぶだぶのサーコート。
二本の尾を持つ三毛猫を伴っている。
果たしてミケナイトの正体は何者なのか、私は非常に興味をそそられている。


(=・ω・=)


水着姿の女性が二人、プールサイドで交戦している。
二人の水着は既に薬品によって損傷を受け、中破状態だ。

不慣れな投げ技を狙い続けるミケナイトの攻めは、明らかにぬるかった。
これは、薬袋品にとって予想外であり、好都合で、そして興味深かった。
気弾を連打すれば数ラウンドでミケナイトは確実な勝利を得ることができたはず。

「まるで、私がその水着を溶かすのを待ってるみたいですね?」
手に持ったフラスコの中に光る溶解液を揺らして見せながら聞いてみる。

「そ、そんなわけにゃいです! 正々堂々決闘ですっ!」
特大スコップをぶんぶん振り回し、慌てて否定するミケナイト。
なるほど、脱がされるのを望んでいるのだな、と品は理解した。
ミケナイトは、嘘をついたりするのは苦手なようだ。

予想外だったが、理解できない行動ではない。
ミケナイトの狙いは「脱衣指南書」による追加賞金なのだろう。
鬼雄戯大会の進行に伴う出来事は傷害、殺人、露出などであっても通常の校則や風紀事項の適用外とする裁定が既にでている。
つまり、初日のミステリアスパートナーのように全裸で戦闘を続けても、規則は何一つ侵していないということだ。
だからと言って全裸ボーナスを狙いに行くのは風紀委員としてどうなのかと疑問だが、猫岸魅羽はそれをやってしまうメンタリティの持ち主だった。

そこが、猫岸魅羽の面白いところだと、薬袋品は考えている。
いかにも風紀委員らしい規範意識の高さと、ルール違反でなければ非常識行動も辞さない二面性。
品の予想では、後者が魅羽の本質だ。
自由奔放な本性を抑制するために、自分自身に規範の枷を嵌めて優等生を演じているのだろう。

(私は見てみたい。規範意識の戒めから解き放たれた、猫岸魅羽の本当の姿を)
正体を隠している人の、正体を暴くのは面白い。

388ミケナイト:2014/08/25(月) 19:36:38
足元を刈るように振るわれる投げ狙いの低空スコップを軽やかに飛び越えながら、薬袋品はミケナイトの頭上で『ディゾルバー』を炸裂させた。
砕けた丸底フラスコの中から溶解液が飛び散り、二人の水着を溶かしてゆく。

薬袋品、大破!
残された水着の面積はマイクロビキニの如くごくわずか。
細くしなやかな肢体の美しい肌のほとんどが、白日の下に晒される!
そして……ミケナイト轟沈!
もはや水着は完全に溶け去り、猫耳鉄仮面を残すのみ。
その豊かな胸も、尻尾の生えた健康的な肉付きの尻も、あますとこなく観衆の目にするところとなった!

激闘に興奮した純粋な格闘愛好家達の純粋な大歓声が湧き上がる!
その熱狂ぶりは昨日、水着クイーン決定した瞬間よりも烈しいものであった。
魅羽は、観衆の反応に確かな手応えを感じていた。
やはり、私には女性的魅力がちゃんとあるんだ。
目的達成。後は薬袋さんを倒し、素早くここを立ち去ろう。
いくら顔が隠れていても、裸でこんなとこに居るのは恥ずかしいから。

「まだ終わってませんよ」

薬袋品の眼鏡が、真夏の太陽を反射して鋭く光る。
ガシャン。足元で金属落下音が響き、魅羽の視界が突然開けた。
猫耳兜のフェイスガードが脱落したのだ。

「にゃっ!?」

慌てて左手で顔を隠す魅羽。
だが、左手が兜に接触した瞬間、兜本体も中央から真っ二つに割れてガシャリと地に落ちた。
髪留めは既に融解しており、アップスタイルで兜の中に纏めていた三色の長髪が、支えを失いはらりと解けて肩に掛かる。

「兜のミスリル素材に合わせて調合した特製ディゾルバー、どうやらクリティカルしてくれたみたいですね」
薬袋品は、自分の身体を隠そうともせず嬉しそうに微笑む。
「さあ、これで完全に丸裸です。本当の貴女を見せてください、ミケナイトさん――いえ、猫岸魅羽さん!」

魅羽は特大スコップの剣先で身体を隠しながら後ずさる。
なんてこと。魔法金属でできた猫耳兜が溶かされるなんて。
私がミケナイトだということが、こんな最悪に恥ずかしい形でみんなにばれてしまうなんて。
観客の大歓声が、ずいぶん遠くのように聞こえる。
頬が燃えるように熱い。照りつける真夏の太陽よりも、もっと熱い。
早く――早くこの場所から逃げ出したい!

389ミケナイト:2014/08/25(月) 19:39:47
できるだけ早くこの場を立ち去る!
そのためには!
迅速すみやかに!
目の前の敵を狩るにゃん!

「んにゃああーっ!」

プールサイドを素早く駆ける薬袋品を、スコップで掬うように持ち上げ叩き付ける! 叩き付ける!
薬品による反撃が肌を灼くが、構わず何度も叩き付ける!
どんな劇薬よりも! 頬を焦がす羞恥の焔のほうがなお熱いから!

「うにゃあああーっ!」

とどめの一撃!
だが、マタタビ酔いのせいか、羞恥で混乱ているせいか、夏の太陽のせいか、あるいは微かな殺意のなせる業か。
斬馬大円匙の軌道が僅かに、より残虐な方向にぶれたのだ。
魅羽の手に伝わる、肉と骨を両断する嫌な手応え。
見上げれば、青い空に一筋の赤い線を引きながら舞う、細く白く美しい、薬袋品の右足。

薬袋品は右足の支えを失って、水と流血で濡れたプールサイドに倒れた。

(ああ)
(これでもう終わりですね)
(でも“足を斬られて良かった”かもしれません)
(私の予想が正しければ、魅羽さんの正体が、これでもっと見られるはず)

期待に目を輝かせ、品は魅羽の立っている方向へと顔を向ける。
だが、目が霞んでよく見えない。
足からの出血とともに、意識も薄れてゆく。
観客席から、品の名を叫びながら駆け寄ってくる足音が聞こえた。

(こうなったら私の代わりに魅羽さんの正体を見届けてもらいたいものですが……)
(私がこのざまで、あの人にそれを望むのは、まあ無理でしょうね)
(でも)
(毒島先輩が、こんな大きな声を出すことがあると判ったので、今日の収穫は十分ですね)

第4ターン
ミケナイト ○ ― ● 薬袋品
決まり手:斬馬大円匙による右足切断

390レオナ:2014/08/25(月) 21:16:24
夢を見た、それは決まって私が生命(いのち)の危機に瀕した時によく見るのだが。
私の知らない部屋、暖かみが有りとても落ち着く部屋。
私の知らない女性、優しさと母性に満ちた綺麗な女性。
「レオナは強く生きるのよ?お母さんとの約束ね?」
きっとこの女性が私の母親なんだろう、小さい頃の記憶が無いから実感が湧かないな。
だけど、この夢を観てる時は何故だが安堵するし、何故か寂しい気持ちになる。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

深い微睡みから意識が覚醒し始める。
「……………………夢」
未だ閉じようとする瞼をゆっくり開くと白い天井、全神経が覚醒を始めるのと同時に鼻腔を刺激する消毒薬の臭い。
そして…………、このえもいわれぬモフモフとした暖かい布団。
「保健室か…………(モフモフ堪んないはー(・ω・))」
そう言えば、水星ちゃんと戦って確かー…………、完膚無く叩きのめされたな私。
よく見ると、右足はギブスでがっちり固定され、天井からロープで吊るされていた。
其処へ……………「ヤッホー(ゝω・´★)」
奴が現れた。
「何の用ケニー、私の無様な姿でも観に来たのかしら?」
「うん!!(ゝω・´★)」
ムカつくはーこいつΣ( ̄皿 ̄;;
「今回は水星ちゃんにフルボッコされたんでしょー?一回死んじゃった後輩にフルボッコされるってどんな感じどんな感じ!?(σ≧▽≦)σ」
「あー、例えるならこんな感じ」
そう言って私は、ケニーの鳩尾に手刀を見舞った。
「痛っ(T△T)」
少しは大人しくして欲しいは、これでも怪我人なんだから私(´-ω-`)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「ねーレオナー、弾正院くんの暗殺(依頼)ってキャンセル(中止)すんの?」
「うん」
「!!(゜ロ゜;ノ)ノ」
そんなに驚く事なのか?確かに、私は快楽殺人者だし殺人嗜好症だから、大義名分を掲げ合法的に殺人が出来る暗殺者(アサシン)をやってるんだが。
「何かさ、色々と考えちゃうんだよね………」
「あー……、ひー(柊)ちゃん?」
「うん………」
私は沢山の人を殺して来た。
それはそれは残酷に、残虐に、肉体を壊し、精神(こころ)を殺す、そんな拷問も躊躇なくしてきた。
「今までも精神(こころ)が壊れて発狂死する人も観てきた」
だけど、柊さんみたいに誰かを、況してや宇宙からの外来者の為に悲しんだり、喜んだり、怒ったり、そんな優しい人が壊れて逝く様を観てて、私は迷ったんだ。
「結局は殺したいだけ殺して、それを利用されて暗殺者になって、今になって後悔するって…………」
何か凄い情けないなー私(´-ω-`)
「良いんじゃないかなー?」
(;`・ω・)えっ?
「レオナってさー、殺人嗜好症で快楽殺人者の癖にどっか優しい所も有るし色々矛盾してるけど、仲間思いなんだよねー(゜∇^d)!!」
「な、馬鹿っ!!」
「照れるな照れるな、可愛い奴め〜(σ≧▽≦)σ」
Σ( ̄皿 ̄;;く、こいつ、私が弱ってるからって嘗めてるな………。
そして本日二度目の手刀を鳩尾に見舞ってやった。
「痛いっ!!(T△T)」
まったく、こいつはすぐ調子に乗るから困る、だけど、こうして私が本音を話せるのはとても助かるし、とても有り難い。
「ボソッ(ありがと///ω///))」
「へ?何ー?(´・ω・`)?」
「ん、何でも無いよ(苦笑)」
「んー?変なレオナー(´-ω-`)」
お前に言われたく無いけどな。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「ケニー、貴方に頼みたい事が有るの…………」
「頼み?何かにゃー(´・ω・`)?」
「もし私が死んだら」

391レオナ:2014/08/25(月) 21:45:18
>>390の続き

「もし私が死んだら………」
「解ってるよ、残った依頼(仕事)は私が殺(や)っておくよ(ゝω・´★)」
「それも有るけど、もし私が死んだらミケナイトちゃんや水星、柊さんの助けになって欲しい」
「ガッテンだ(o≧▽゜)o」
これで遺言は残せた、普段はふざけてるケニーだけど、こう言う時に一番信頼できる。
後は現生徒会役員に挑むか、ミケナイトちゃんに挑むかだ…………。
ま、今はゆっくり休んで怪我の治療に専念しよう。
こうして私は次の闘いに赴くのだった。

392水星:2014/08/26(火) 00:55:01
SS:「水星復活」
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4223673

393水星:2014/08/26(火) 01:56:29
水星と柊先輩先輩の反省会〜4ターン目〜

柊先輩「はい! 今度はちゃんと二人居る反省会です!」
水星「前回の反省会の悲壮さといったら凄まじかったですからね。まぁ、そんなことは置いておいて、ワイワイガヤガヤやっていきましょう。」
柊「まずは、今回私達にとって一番大きかったのは何より、水星の復活だね!」
水「ですかね。今回友情の証を引いてくれた人がいて本当に良かった。アイテムを使った交渉できるだけのアイテムを持っていたのも幸運でした。私が死んだと知ってからの中の人は私を生きかえらせるために応援それなりに頑張ったらしいですね」
柊「最初は『水星ぶち殺す!』って勢いで水星作ったはずなのにね。たった数週間戦っただけで愛着が湧くとは中の人もチョロいね」
水「HL4でも同じことがあったようですしね。なんで今回ばかりは愛着沸かないと思ってたのでしょうか」
柊「そこはほら、水星の好きな台詞の出番じゃない?」
水「愚かな人類め〜〜!」
柊「うん、なんかそれ聞くと今ではほっこりする。さてさて、話を戻そうか。水星の蘇りについてのことだっけ。蟹田さんが交渉受けてくれて本当に良かったね」
水「はい。話の通じる方で良かったです。蟹田さん、本当にありがとうございました」
柊「蟹田さんが応じてくれなかったら今のこの対談も実現してないからね。感謝してもしきれないくらいだ」
水「よし、それでは今回の対戦について感想兼反省を述べていきましょうか」
柊「うむ。まずはレオナさん! 普通に負ける可能性も高かったけど、技ダイスの出目が良くて助かったね、必殺技を2連続引いたのは大きい」
水「レオナさんが必殺技引かなかったのも助かりました。彼女の必殺技はなかなか威力が高いので怖かったです」
柊「実際ここで残った体力は後の連戦でも活きてきたからね。そして、伸びたのは反応かー。うーむ、一番要らないステではあるんだよね」
水「ちょっと残念でしたが、勝ちも怪しかった所を勝てたのでまぁ良しとしましょう。ちなみにレオナさんを決闘の相手にしたのは掲示板で絡んでくれたのがきっかけで中の人が興味をもったからですね」
柊「あの時の私はちょっと失礼な態度とっちゃったから後で彼女に謝らないとね」
水「今後も掲示板で賑やかしてくれることを期待していますが、精神が低く、リタイアの危険性があるのがなんとも残念ですね。本人も転校生に挑んで散ろうとしている節があるので、心配です」
柊「あとはまぁ、無傷で済んだのも嬉しいね! まぁ残り体力が多かったからなんだろうけど。……って今見返したら死亡ダイスでレオナさん1引いてるの!? すごいなー。間違って殺しちゃったりしなくてよかったね」
水「既にその手を血に染めてしまった選手はいくらかいるようですが、私は運良く人を殺めずに済んでいますね。できることなら殺人など犯したくないものです」
柊「そりゃそうだ。えーと、次の対戦相手は野球帽さん! これは勝てたの僥倖だったね!」
水「はい。野球帽さんは強敵ですからね。レオナさんの時と同じく相手方が必殺技を引かなかったのが良かったです」

394水星:2014/08/26(火) 01:56:44
柊「つくづく今回は幸運に恵まれてるな―、と思うよ。勝ち残った結果残りHP4だよ? これはレオナさん戦でダメージ少なかったのが救いだったよねー」
水「そして成長は体力が伸びましたね」
柊「そう、体力伸びたのは素直に嬉しい! 二番目に伸びて欲しいステだもんね! 二番目に! 伸びて欲しい! ステ!」
水「一番目はやはりFSですね。FS3となれば有用なスキルが選べますからね。あと2……あと2上がれば……」
柊「そこで自信が効いてくるわけですよ。勝っても負けても2伸びるのは嬉しいよね―。皆さんも自信をとりましょう! 素晴らしいスキルですよ! そしてあとはFSを引くだけ! 引くだけ!」
水「まぁまぁ、この試合では体力引けたのでそこは妥協しましょう」
柊「うむ。次は剣嵐戦か! 残りHP4だったからねー。そりゃ負けるでしょうって話ですよ」
水「別に転校生に負ける事自体は成長がおいしいのでいいんですが、やっぱり死ぬのが怖かったですね」
柊「中の人は試合結果が張られる直前、死なないようにめっちゃ祈ってたらしいよ」
水「また話を掘り返すようでアレですが、ホントになんで殺すつもりで送ったキャラにそんな必死になってるんでしょうね」
柊「それだけ愛着が持たれたってことでいいんじゃないの。これで中の人のなんとか死なないように立ちまわってくれるだろうし」
水「ですかねー。そして話を戻すと剣嵐戦、成長は『悪くはないかな……』レベルですね。攻撃が増えたのは投げの威力が上がるので嬉しいけど、反応は微妙ですよねー」
柊「んー、でも先手が取れるのは嬉しいんじゃない? マッチングに有利になるとかはさすがに4だと厳しそうだけど……」
水「連戦になると先手とれることがかなり重要になってきますからね。うん、そう考えると悪くはないのかもしれない」
柊「さて、そろそろ今回の反省会は終わりかな」
水「反省という程の反省はなかったですね」
柊「今回は運が良くて成長以外はベストだったからね! ではではみなさんまた次ターンにお会いしましょう」
水「さようならー」

【END】

395ミケナイト:2014/08/26(火) 20:49:02
>>389 の続き

右足を失って横たわる薬袋品を、魅羽は呆然と見つめていた。
己の裸身を隠すことも忘れて。
特大スコップで乱雑に斬られた断面からは骨と潰れた筋組織が覗き、真っ赤な血がだくだくと流れ続けている。
血の匂い。

「違う……そんなつもりじゃ……」

じゃあどんなつもりだったのかにゃー?
心の中で、もうひとりの自分が話しかけてくる。
エモノをやっつけた。それでオッケーじゃないかにゃ?
駄目。人を殺したり傷つけたりするのは規律違反だよ。
それはニンゲンのセカイのきまりだよね? そんなの、きにしなくてイイんじゃにゃい?
駄目だってば。私は人間だから、規則を守らなきゃ。
でもタイカイではきまりはまもらなくてもいいんだよ?
守らなくても……良いのかな……?
オッケーオッケー! イインチョーだってイッパイころしてるにゃん?
そっか。良いのかぁ。
さあ、おもいっきりニオイをかいで!
血の……匂い……獲物を捕らえ、殺し……食べる!
そう! そのチョーシ! おじいちゃんのおしえてくれたことをおもいだすのにゃ!
狩る……獲物を狩る……! 狩るにゃん!

「ヴニャアーオ!(狩るにゃん!)」

魅羽が人ならざる声で、低く鳴いた。
両手を床につけ、背を引き絞った弓のように丸めて力を溜める。
標的は、薬袋品。
まずはガスマスクをつけた邪魔者を排除し、それから、食事だ。

「ニャアッ!(ミウっ! いけないっ!)」

さっきまで黙って脱衣試合の行く末を見守っていた三毛猫又のタマ太が鼻血をぬぐって駆け付ける!

「ヴニャン(邪魔しないで)」

魅羽は片手でタマ太を軽くあしらう。
跳ね飛ばされたタマ太は、プールの水面で二度バウンドして反対岸に到着し、動かなくなった。

その時。一陣の花吹雪が舞い、魅羽の視界を覆い尽くす。
花吹雪が去り、視界が晴れると魅羽の前には、鎧を纏ったヒーローが立っていた。

(様々な花が蒔絵風にあしらわれた胸部装甲のアップ)
(白銀色の兜側面からのアップ)
(虹色に輝くゴーグル部分の正面からのアップ)

「そこまでだ! 君の相手は私がするっ!」

それは生徒会所属となった仮面超役員・剣嵐・極であった!

396ミケナイト:2014/08/26(火) 20:51:59
斬馬大円匙を投げ捨て、魅羽が叫ぶ!

「ヴニャアアアアアオ!(だったらオマエから狩るにゃん!)」

全身から三色の毛が生えて素肌を覆い隠す!
手の平には肉球が形成され、爪が長く鋭く伸びる!

「身も心も怪物になってしまったのか……!?」
剣嵐は極彩色のスタンプをひねりながらベルトに二度、スタンプ・オンする。
『サクラセイバー』『コスモスキャノン』
虚空から桜色の薙刀と、秋桜色の巨大銃が現れ、剣嵐・極の手に握られた。
生徒会役員(オーバーロード)となった剣嵐は、全てのフォームの武器を同時に使いこなせるのだ!

「セイハー!」
コスモスキャノンから砲撃!
直後にサクラセイバーからの飛ぶ斬撃!
斬撃は砲弾に追いつき包み込み巨大なエネルギー弾と化して、獣人となった魅羽に炸裂!
プールサイドに巨大なエネルギーの爆炎が立ち昇る!
これが剣嵐・極の……弱攻撃だ!!

「ヴニャーッ!(ぶっ殺してやるにゃっ!)」

爆炎の中から猫獣人が飛び出して剣嵐に掴みかかる!
仮面に爪を立てて鷲掴みにし、力任せに押し倒す!

マウントポジションを取ろうとする魅羽の腹を剣嵐は蹴り上げ、掴んだ腕を軸に後方に回転させて叩き付ける! 巴投げ!
仮面役員の強烈な投げを受けながらも猫獣人は素早く立ち上がると剣嵐の頭部を再び鷲掴みにする!
そして、腕一本で剣嵐の身体を吊り上げ、ハンマー投げのように水平に三回転させてから地面に叩き付ける! 人外の怪力!

「ぐっ……やはりやるしかないのか……!」

剣嵐は極スタンプをサクラセイバーに押印する!
『極チャージ!』
季節外れの桜吹雪が、剣嵐と魅羽を包み込み、観客たちの目から覆い隠す!

魅羽は……桜吹雪の中で誰かが笑っているような気がした。
「ニャ……ア?(輝海……ちゃん?)」
それは、入学式の日に魅羽が見つけた、最初の宝物。
希望崎で、たくさんの人と出会った。
たくさんの宝物を、いっぱい、いっぱい見つけた。
だから……だから私は……獣なんかじゃない! 私は人間なんだ!

「オウカストーム・春嵐万!」
極彩色に輝くサクラセイバーが魅羽を切り裂く!

……桜吹雪が収まった時、そこに獣人の姿はなかった。
剣嵐の足下に全裸で横たわっているのは、一人の人間、猫岸魅羽だった。

(『ミケナイトの正体』おわり)

397ぽぽ:2014/08/26(火) 23:54:49
志筑 綴子
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45609105

398門司秀次:2014/08/26(火) 23:55:32
志筑 綴子
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45609105

描いたのは俺だ

399雨竜院暈哉:2014/08/27(水) 17:56:03
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45620327&tag=%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96

>>396でネコ人間になってしまったミケナイトさんです。何か喰ってますが多分薬袋さんの脚では無い。イメージ。
全裸です。

400ミケナイト:2014/08/28(木) 08:47:48
『みけはす前半反省会!』

ハスナイト「さて、鬼雄戯大会の前半戦も終了したことだし、今までの戦いを振り返っていこう」
猫岸魅羽「やだぁーっ! 思い出したくないですっ!」
ハ「裸になったことや獣人化したことは忘れてあげるから気にしないで」
魅「ううっ、大体あれはハスナイト先輩のせいなんですからね」
ハ「えっ俺のせい? なんで!?」
魅「わからなくていいですっ! 反省会しましょう!」

ハ「ではまず、1ターン目。水星ちゃんから決闘を申し込まれたね」
魅「水星ちゃん強敵だから逃げたかったけど、折角の申し出なのでお受けしました」
ハ「強攻撃を並べる通常の技配置だったら9割5分負けるもんなぁ」
魅「頑張ってなんとか6割勝てる技配置を考えました。『投げ』の防御キャラに対する有効性に気付いてたらもっと良い配置はできてたかもしれません」
ハ「結果は見事に初戦勝利! やったぜ!」
魅「今日までの四日間で一番ドキドキしながら結果を開いた試合でした」
ハ「ところで決闘場所に渡り廊下B4を選んだのって何か意図あったの?」
魅「んー、何も考えず一番上の地形を選んだだけど」
ハ「B4がキャラ的に因縁深い場所だったのは偶然なんだ」
魅「毒雪姫……南海螢……うっ頭の中で何かが」

ハ「そして二回戦は全裸のミステリアスパートナー」
魅「いやああっ! 思い出したくないですっ!」
ハ「相手はHPを多く残してたので、これは順当に負けたね」
魅「轟沈進撃ダメゼッタイ! 規則違反じゃなかったとしても、全裸で戦うのは人間としてどうかと思います!」
ハ「スパイ2の百合エンドに向けて話が進んだのは良かった点かなぁ」
魅「良くないですっ! 私はノーマルな恋をするのっ!」

ハ「そして第2ターンは唯一の秘密行動で大グラウンド」
魅「人の多いとこに行けば連勝できるかなーって」
ハ「好世狙いの意図は?」
魅「そこは脱衣許すまじって気持ちの表現で、実際に当たれるとは思ってません」
ハ「結局、同じく好世狙いの平井りっちゃんと戦闘に」
魅「平井先輩も強いんですよねー。あぶれた強キャラ同士で潰し合っちゃう低反応の悲しさです」
ハ「でも意外と余裕ある勝ち方だったような?」
魅「平井先輩は防御キャラ対策等を盛り込んだバランス配置で、私は全力殴り配置だったので相性が良かったんです」

ハ「なるほど。そして二回戦はキビトを潰してHPに余裕がある野球帽。これも相手が悪かった」

401ミケナイト:2014/08/28(木) 08:52:26
魅「でも野球帽さんはSS上で戦って、私が大会に参加した理由となった人なので本戦でも戦えたのは良かったです」
ハ「試合もけっこう惜しかったね。野球帽のMPが切れてなかったら実は勝てたという」
魅「その辺の運も、野球帽さんの風格ですねー」

ハ「三回戦! 女性限定水着パーティー開催っ! 見たかったなーっ!」
魅「ふうん。普通に女性に興味はあるんですね」
ハ「えっ?」
魅「なんでもないです。これは第1第2ターン誰もプールに行かなかったので考えました」
ハ「実は戦略的に色々考えたんだよね?」
魅「フレーバー的に高反応男性キャラが狩りをしにくい状況を作るのが狙いでした」
ハ「突入してきそうな男性との相性が悪くないので、スズハラX飲んでマッチング性能も上げて防衛戦!」
魅「多味さんと当たったときには水着クイーンいける! と思ったんだけど」
ハ「いやー強かったねぇ、多味さん」
魅「シミュレーションでは勝率99.9%以上だったんですよー。三千回対戦して一回しか負けなかったのに」
ハ「判定が二転するギリギリの勝利だったね」
魅「ホリラン怖いですねー」
ハ「そして着実に積み重なる百合フラグ」
魅「やーめーてー!」

ハ「二回戦は葦菜さん」
魅「これは勝てない。結局葦菜さんが水着クイーンになっちゃいましたね」
ハ「すごいよな。男性化してなお高い女子力」
魅「女子力というか筋力というか……」
ハ「盛り上がったし、応援ネタもいっぱい手に入ったし、水着パーティー企画は成功だったね!」
魅「そうですね」
ハ「あと、ここで俺の『霊薬』がやっと役に立った」
魅「うーあー! その話はうにゃあー!」
ハ「みゅーちゃん怪我あまりしてないからねえ。怪我ダイスには恵まれてる」
魅(うぬぅ、平然としやがってコイツはコイツはー!)

ハ「さて運命の第4ターンは薬袋さんから決闘を申し込まれた」
魅「は、反省会はもう終わりにしましょ!」
ハ「気弾を積んで全力で潰しHPを多く残す方が手堅かったけど、面白さ優先で脱衣ボーナス狙いにした」
魅「あ……あぅ……」
ハ「二戦目で剣嵐と当たったのは不運だったが脱衣で200万円得たから正解だったね」
魅「忘れるって言ったのに……」

ハ「総括すると、連勝はしてないけど攻撃と体力が順調に伸びてるので運は悪くないね」
魅「騎士らしく華のある戦いができてると思います!」
ハ「この調子で来週も頑張ろう!」
魅「はい!」

(おわり)

402英子と四囲美:2014/08/29(金) 04:59:20
●繰言
給水口、蛇口から水が流れる。
季節はまだ肌寒い、そんな最中、女はむき出しにした患部を水で冷やしながら、振り返ることもなく
数mの距離を置き壁に身を傾ける男の言葉を否定した。

「私はただの一般生徒よ。妙なこと言わないで」

女の言葉はその水の冷たさのようにそっけなかったが、男の豹とした冷徹な声はそれを遥か上回った。

「例えば今朝の件。お前は相方を大人しくさせていたが―
手刀一発で暴れる重傷人を気絶させれる”素人”など存在しない。いや玄人でも難しいかもな。
明らかな手練れの技だ。」

男は女の戯言に付き合う気はないようだった、自身のペースで言葉をただ続ける。

「そして、もう一つ。『眼』だ。初日の戦い、お前の相方は完全にオレを見失っていたが、お前だけは
オレの動きを終始、確実に捉えていた。結果あろうことか三度も攻撃を喰らったわけだが…

そこで聞きたい。あの時、お前は俺を”何回以上””斬った”。」

女はため息をついた。
両者の間に数秒ほど沈黙が落ちる。いつの間にか夕は夜の帳を迎えていた。
そして男は不意に自らに振りかかる『必殺』を知覚した。
身体を僅か捻ると斬撃を軽くいなすと、放った先を見やる。女は背を向けたまま、全く身動き一つしていなかった。

表情は不敵な笑みに歪んでいた。

「そうそれだ。オレが感じたのはそれだ。実際の攻撃よりも遥かに速く届く斬撃。正体は―」

『殺気』か

「ヴェーダをやったのも、それだな。アイツがあそこまで完璧に先手を取られるとは妙だと
思ったがなるほどこれで『納得』がいった。」

確かに、四囲美は心の中で首肯した。英子と四囲子の二人がヴェーダと戦った際、攻撃を加え倒したのは
英子だった。だが実際の勝負を決したのは彼の機先を制し、カルタ術から先手を奪ったのは四囲子の
放った殺気による目くらましの一撃だった。
 ヴェーダのカルタ・スナイプ―あまりに鋭すぎる感性は放たれた殺気の斬撃を本物と認識。そのあまりに
理想(はや)すぎた神速に彼は感嘆し、免許皆伝を叫ばすに至った。それが真相だった。

「抜刀術の初歩よ。昔取った杵柄。新たな出会いを受けて、失われた昔の自分。」
ここぞとばかり枷を切ったようにポエムる女。女は高二病だった。
「最速の抜刀術、鬼無瀬時限流。連中は基本、部に所属しない。大会では相まみえることはないかと
残念に思っていたが…」
男は笑みを浮かべた。こんなところに潜んでいたか。そして
果たして、その居合とオレ、どちらが速いか。そう確かに呟いた。

(コイツ…)
ここに至り女はようやく男の真意に気づく。
恐らく鬼無瀬の居合術と己のスピードを競わせるつもりでいるのだ、そして恐らく『勝つ』気でいる。

(し、真性のスピードバカだ…)
そもそも性質が違うし、突っ込んでくるコイツより『観て』迎撃する居合のほうがどう考えても速いに
決まっている。それとも本当にこちらの目にもとまらぬ速さで動くつもりなのか…。

どちらにしろ相手をする気はなかった。女は振り返り、手を振った。
「生憎、剣は置いてきたの。少なくとも英子といる間は…」

そして次の瞬間手首を掴まれていた。

††

気づくと息吹が感じられるほど近く、男の顔が己が直ぐ目の前にあった。
「!?」
一瞬で間合いを詰められた驚愕、それ以上に四囲美は男の表情に愕然とした。

男は喰いいるように何かを見ていた。
それは今までの四囲美の人生で初めてみる、表情だった。どこまでも真剣でそれで…

恐らくその時の男の表情を一生忘れないだろう。そう思った。
それほどの。

「お前、相方と一緒になってから何年になる。」

「え、あ、…五年、…いや四年かしら」

「そうか」
男は手を離した。

「…すまなかった。先ほどの件は忘れてくれ。」

男はもう一度呟いた。

「すまなかった。」

男は女に背を向けると去っていった
一人取り残される形となった四囲美は、あまりの展開についていけず茫然と呟いた。

「一体なんなのよ。あの男」

その間も、水だけは止まることなく流れ続けていた。
そして翌日より、
四囲美の悪夢が始まる。

403門司秀次:2014/08/29(金) 23:51:54
迚持ライ
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45667016

404ミケナイト:2014/08/31(日) 01:07:14
『ドラゴンを狩るにゃん』

私の名前は猫岸魅羽。人間だ。
雛代中学を卒業して、希望崎に入学した、ごく普通の人間だ。
不思議なスコップの力によって魔人並の強さを手に入れたけど、それ以外はまったく普通の人間だ。

それじゃあなんで、私は猫の怪物に変身してしまったのか。
スコップの副作用だろうか。
そうかもしれない。
でも、心の奥底で渦巻いている嫌な予感は決して消えてくれない。
自分は本当は人間じゃなくて、怪物の方が本来の姿なのではないかという気がしている。

大丈夫。
そうだとしても大丈夫。
答えはもう、輝海ちゃんから貰っている。
桜舞うあの日の輝海ちゃんの笑顔。
ちょっとすっぱくて春の香りがする桜湯。
豆乳片手に話したたくさんの色々なこと。
それら全ては間違いなく「人間・猫岸魅羽」の大切な思い出だ。

蟇郡委員長&マコさんとの戦いで倒れた輝海ちゃんは、今、病院で生死の境をさまよっているという。
面会することもできない危険な状態だそうだ。
どうか無事でいて欲しい。
馬術部の部室に飾られた騎士聖人・聖ゲオルギウスのタペストリィに、魅羽は祈りを捧げた。

聖ゲオルギウスはキリスト教の聖人で、馬術をたしなむ者にはなじみの深い存在だ。
馬術にあまり縁のない方でも、“龍退治のブリティッシュ・コーギナイト”と言えばピンとくるだろう。
馬術部のタペストリィにも、ブリティッシュ・コーギーという品種の馬を駆り、カッパドキアの邪龍を槍でひと突きにする聖ゲオルギウスの勇壮な姿が描かれている。

(ドラゴン……!)

聖ゲオルギウスの姿を見て、魅羽は途方もないことを思い付いてしまった。
竜退治こそは騎士として最大の誉れである。
もし、自分が竜退治を成し遂げたのなら……!
それは、誰もが認める「人間・猫岸魅羽」の偉業となろう。

決めた。私は副会長の龍さんに挑もう。
そして、必ずや打ち倒し、ドラゴンスレイヤーとして私の名前を歴史に刻み込むんだ。

決意に燃えて立ち上がる魅羽。
振り向くと、部室の入り口に誰かが立っていた。
黄金に輝く鎧を纏った堂々たる騎士であった。

「龍に挑むつもりか……そのままでは君は死ぬことになる」

黄金の騎士は、魅羽にそう告げた。

(『ドラゴンを狩るにゃん』おわり。次回につづく)

405ミケナイト:2014/09/01(月) 01:53:38
休日ショッピング4コマ
>>290 のお買い物SSに出てきた趣味の悪い宇宙人のぬいぐるみを買ってしまった水星ちゃんと柊先輩。
一方、夢見花卒羽と師匠の後藤うさも同じショッピングモールに来ていた。
tp://t.co/VygPW5Qcrw

406流体少女(クワイエットシャッフル)のぽぽ:2014/09/01(月) 07:45:39
顔出しミケナイト

tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45720272

407門司秀次:2014/09/02(火) 03:43:02
門司秀次
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45740931

>>406
も描いたのは俺だね

408雨竜院暈哉:2014/09/02(火) 04:07:12
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4254509

雨竜院暈哉SS

409ミケナイト:2014/09/02(火) 08:12:52
主題歌『Let's 狩るにゃんミケナイト』

ミケミケ ミケミケ ミケナイト (ニャア!)
ミケミケ ミケミケ Let's 狩るにゃん!

(タイトル画面:猫耳の騎士ミケナイト)

嗚呼 騎士道は 一日では成らず
千里の道を 一歩ずつ行こう
ワンワン 馬たちが いななくシンフォニー
勇気の スコップを 奮い立たせる

ねえ そよ風よ 教えてくれるかな
私の 未来に咲くのは どんな花だろう
今はただ 胸の高鳴りを 信じて
Are You ready? ひたむきに チャー! ジング! あるのみ!

(ゲスト台詞〔例〕:エーッ、また仕様変更!? カタカタカタ、ッターン!)

ミケミケ ミケミケ ミケナイト (ニャア!)
ウズウズ 渦巻く ヴォルテックス
ミケミケ ミケミケ Let's 狩るにゃん(ニャン!)
全ての 道は シヴルリィ

まっすぐ進め 猫耳の騎士 (ニャーニャー!) ミケナイト

410ミケナイト:2014/09/02(火) 19:41:08
『VSゴールデン・レトナイト』

時は既に夕暮れ時。
頼りない蛍光灯に照らされた馬術部の部室は闇の気配を隠し切れていないが、黄金の騎士は内側から光を放っているかのように気高く輝かしかった。
猫岸魅羽は、黄金の騎士の名を知っている。
ゴールデン・レトナイト。
馬術部を創設した伝説的なOBである。
今は大学生のはずなのに、なぜこんな所へ?

「試合は見せさせて貰った。今のまま龍に挑んだならば、君は内なる獣に喰い殺されることになるだろう」

レトナイトは、力強さを湛えた声で静かに宣告した。
傍らには愛馬のゴールデン・レトリバー。
レトリバー馬は無言で、全てを見透かすような優しい目で魅羽のことを見つめている。

「では、私はどうすれば良いのでしょうか」

魅羽は入り口に向き直り、正座の膝を正して素直に尋ねた。
自分が何者なのか不安になった時に、頼れる存在が現れて安堵していた。

「さいわいなことに明日の創立記念日から三連休だ。特訓をするといい。ついて来なさい」

レトナイトに従い、部室裏へと向かう魅羽。
そこには部員が使用するための頑丈な木のテーブルが置かれている。
レトナイトは皮袋の中から一本の丸木を取り出してテーブルの上に置いた。

「君にはこの『不滅の薪』を使ったスカム修行をしてもらう」

「スカム……とはどのような意味でしょうか?」

「汚物という意味だ。つまり、これからする修行は無意味だと最初に言っておく。見なさい」

電光石火!
レトナイトの西洋式抜刀術が一閃し、テーブルの上の丸木が縦真っ二つに割れた!

「君には一日中、薪割りをしてもらう。そして、この『不滅の薪』は、何度でも蘇る。これがスカム修行たる所以だ」

レトナイトが二つに割れた薪を両手に持って一つに合わせると、薪は全く元通りの丸木に戻った。

「ミケナイトへの変身は禁止する。朝から晩まで、食事、トイレ、風呂以外の時間はこのテーブルの上で薪を割り続けること。それだけが修行のルールだ」

「なるほど、筋力と持久力を鍛えつつ正しいフォームを身に付ける。合理的な修行ですね……!」

「違うよ」

「えっ、違うんですか?」

「無意味だと言ったはずだ。これは無意味に耐える精神修行なのだよ」

(つづく)

411ミケナイト:2014/09/03(水) 06:30:50
神社千代さんが千代狐さんだったころの仲間たちです。
ゴールデン・レトナイト:馬術部OB
相合傘愛:傘部OG
降凍(雨竜院)死滅理:暈哉くんの従姉妹
tp://pic.twitter.com/qOzUcS2mnp

412雨竜院暈哉:2014/09/03(水) 11:12:33
半「暈哉と空のインタールードファッキュー!!」
暈「ええ〜〜……」
半「僕と暈哉が寄せられた質問に答えていくコーナーです! って、どうしたの暈哉?」
暈「いや……別に」
 (「なりふり構わなくなってきたな」とか「あの二組に比べて俺らに興味持ってる奴どれだけいんだよ」とか思うところはあるけど、この手の形で「作者は〜」みたいなことキャラが言うのもスゲーゾワッとするから口に出さない)
半「じゃあ最初のお便り! 東京都のHN『黄色いお兄さん』さんから。
  『傘部って屋外文化系なのは何故ですか? 屋内運動系のような気がします』」
暈「あ〜」
半「これ、僕も気になってた! 武道系の部活じゃない?」
暈「……まあ、傘部ってこのキャンペーンだと『傘術部』って感じになってるけど、元々、俺の従姉の姉さんが創部した時にはそうでもなくて。
  傘術の稽古もしたけどメインの活動は『雨の日の校内を散策する』ことだったんだよ。『ネギま!』のさんぽ部みたいな」
半(暈哉、意外な漫画読んでる……)
暈「だからまあ、屋外文化系なんだ。うちの部は。他の連中は乗り気じゃないけど、大会が始まる前はたまに散歩とかしてたよ」
半「成る程〜。キャンペーンでは散歩と言えばミケナイトさんってイメージだよね。僕らも、これからからでも散歩、してみる?」
暈「……う、うん……そうだ、な」

半「次のお便り。さっきと同じ黄色いお兄さんから。
  『暈哉君はお漏らしするんですか?』」
暈「しねーよ!! 雨竜院家は別に男の尿道は緩くない」
半「『……でも、雨竜院家自体お漏らしするのは某姉妹だけだったのにいつの間にか女性はお漏らしが多いみたいになったし、男もいつかするようになるかもね』
  気持ち悪い……」
暈「気持ち悪いね」
半「『半左君のお漏ら』……」ビリビリ、ポイ
暈「……」

半「次は東京都のHN『黄色い海に揺蕩う保育士』さん。お兄さんと関係あるんですかね。
  『半左君は空手やってたんですか? 後付け設定ですか?』
  これは僕にだね。後付けじゃありません」
暈「空手やってたのか。意外だな……」
半「見えないでしょ。前の学校でね。そんなに強くなかったけれど、茶帯だったし。
  実は『半左空』って名前も空手漫画『ハンザスカイ』から取ってるんです」
暈「へ〜(取ってるってなんだよ……)」

半「これが最後かな? 東京都中野区『神の漫画読み』さんから。
  『お互い、秘密にしてることはありますか?』
  僕は……あります」
暈「俺も……でも、いずれ言う」
半「え、今は言えないの?」
暈「今はダメ!! 絶対ダメ!!
  ……あ、半左は?」
半「僕は…………うん、言う。言うよ。僕の秘密も、暈哉に話す」
暈「そっか……。じゃあさ、いつかお互い、一緒に言うってのは?」
半「そう、だね……。その時までは、内緒」

続く

413雨竜院暈哉:2014/09/03(水) 11:19:03
>>412 以下に差し替えお願いします

半「暈哉と空のインタールードファッキュー!!」
暈「ええ〜〜……」
半「僕と暈哉が寄せられた質問に答えていくコーナーです! って、どうしたの暈哉?」
暈「いや……別に」
 (「なりふり構わなくなってきたな」とか「あの二組に比べて俺らに興味持ってる奴どれだけいんだよ」とか思うところはあるけど、こ
  の手の形で「作者は〜」みたいなことをキャラが言うのもゾワッとするから口に出さない)
半「じゃあ最初のお便り! 東京都のHN『黄色いお兄さん』さんから。
  『傘部って屋外文化系なのは何故ですか? 屋内運動系のような気がします』」
暈「あ〜」
半「これ、僕も気になってた! 武道系の部活じゃない?」
暈「……まあ、傘部ってこのキャンペーンだと『傘術部』って感じになってるけど、俺の従姉が創部した時にはそうでもなくて。
  傘術の稽古もしたけどメインの活動は『雨の日の校内を散策する』ことだったんだよ。『ネギま!』のさんぽ部みたいな」
半(暈哉、意外な漫画読んでる……)
暈「だからまあ、屋外文化系なんだ。うちの部は。他の連中は乗り気じゃないけど、大会が始まる前はたまに散歩とかしてたよ」
半「成る程〜。キャンペーンでは散歩と言えばミケナイトさんってイメージだよね。僕らも、これからからでも散歩、してみる?」
暈「……う、うん……そうだ、な」

半「次のお便り。さっきと同じ黄色いお兄さんから。
  『暈哉君はお漏らしするんですか?』」
暈「しねーよ!! 雨竜院家は別に男の尿道は緩くない」
半「『……でも、雨竜院家自体お漏らしするのは某姉妹だけだったのにいつの間にか女性はお漏らしが多いみたいになったし、男
  もいつかするようになるかもね』
  気持ち悪い……」
暈「気持ち悪いね」
半「『半左君のお漏ら』……」ビリビリ、ポイ
暈「……」

半「次は東京都のHN『黄色い海に揺蕩う保育士』さん。お兄さんと関係あるんですかね。
  『半左君は空手やってたんですか? 後付け設定ですか?』
  これは僕にだね。後付けじゃありません」
暈「空手やってたのか。意外だな……」
半「見えないでしょ。前の学校でね。そんなに強くなかったけれど、茶帯だったし。
  実は『半左空』って名前も空手漫画『ハンザスカイ』から取ってるんです」
暈「へ〜(取ってるってなんだよ……)」

半「これが最後かな? 東京都中野区『神の漫画読み』さんから。
  『お互い、秘密にしてることはありますか?』
  僕は……あります」
暈「俺も……でも、いずれ言う」
半「え、今は言えないの?」
暈「今はダメ!! 絶対ダメ!!
  ……あ、半左は?」
半「僕は…………うん、言う。言うよ。僕の秘密も、暈哉に話す」
暈「そっか……。じゃあさ、いつかお互い、一緒に言うってのは?」
半「そう、だね……。その時までは、内緒」

続く

414ミケナイト:2014/09/03(水) 19:53:15
>>410 の続き

テーブルに立てた丸木の中心目掛けて、スコップをふり下ろす。
スコン、と軽い音を立てて丸木が真っ二つに割れる。
割れた半円柱の木を両手にとって合わせると、完全に接合して元の丸木に戻る。
テーブルの上に再び立て、スコップを構える。
これでワンセット。10秒とかからない。

早朝から初めて、もう何百回繰り返しただろうか。
そろそろ千回は越えたかもしれない。
五百回あたりで時間の感覚を失い、数えるのはやめてしまったのでさっぱりわからない。
昼ご飯は食べたっけ? ああ、さっき食べた。ならば午後か。

上達の楽しみが目に見えてあったのは最初の百回ぐらいだけだった。
レトナイトさんが持っていた魔術的アイテム『不滅の薪』は非常に割りやすく、それが作業の不毛感を増している。
割った薪が積み上がってゆかないのも精神的に辛い。
賽の河原で石積みをしているような、無限ループに囚われた感覚。
腕と足腰の痛み、全身の気だるさが支配する空間に、薪を割る音が響き続けた。

もしこれが筋力トレーニングならば、三日で上がる成果はたかが知れている。
斬撃フォームの矯正が目的ならば、もっと様々なフォームを練習するべきだろう。
ゆえに、これはやはり無意味と戦う精神修行なのだ。

スコン。スコン。
黙々と薪割りを、ただ続ける。
スコン。スコン。
疲労と筋肉痛を身体が訴えてきて煩わしいので、脳と肉体の連絡系統を一時的に遮断する。
スコン。スコン。
それでも肉体は自動的に手順通り薪を割り続ける。

こうなると、以外と暇なものだ。
ここでじっくり自分自身を見つめ直すのも、修行のうちかもしれない。
自分は何者なのか、思考のヴォルテックスが魅羽を飲み込み翻弄する。
確かに覚えている。
獲物を捕らえ、引き裂き、血肉を喰らう感覚を。
私は何者なのか。
そして、脳裏に再び現れるもう一人の自分自身。

はーい! よんだかにゃー?
わあっ出てきた! 一体貴方は何者なの!?
えー、ワタシはアナタだよ。わすれちゃったのー? ひっどーい!
ごっ、ごめんなさい! でも、本当に思い出せないんです……。
まー、ニンゲンにならなきゃだから、しかたないけどにゃー。

もう1人の自分はクスクスと笑った。
意外と悪い子でもなさそうな感じだ。

(つづく)

415虚構奇術師のルフトライテル:2014/09/03(水) 23:05:56
『Cat Addict』
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4260774

416薬袋品:2014/09/03(水) 23:07:17
あっ>>415の名前治すの忘れてた

417ミケナイト:2014/09/04(木) 08:11:46
>>415
やったーSSだーっ! 足斬っちゃってゴメンね。
なるほど薬袋さんは死とか精神崩壊のように研究対象が喪われることを忌避するんですね。
変人なりの譲れない一線があるのは美しい設定だと思いました!
あと、獣人に興味が出たら神社さんとか狙ってみたらどうでしょう!

418ミケナイト:2014/09/05(金) 12:15:44
>>414 より続く

身体は半自動で薪割り修行を続けながら、魅羽の脳内では自分会議が続いている。
脳内に結ばれたイメージは薄靄がかかっているように不鮮明だが、対峙する「もう一人の自分」は魅羽本人の何倍も猫っぽい雰囲気を纏っていた。

教えて。貴方は……私は何者なの?
おしえてあげたいけど、おしえれないにゃん。
何故だめなの?
じつは、ワタシもよくおぼえてないのにゃー。
そんなぁ。さっき酷いって言ったくせにー。
んっふふー、でも、おしえられることもあるよ。
何? 教えて! どんな事でもいいから!
つよくなるホウホウ!
あっ龍退治にすごく最適! お願い、どうすればいいの?
カンタンだよー。ルールなんてブッこわしちゃえばいいのにゃ!

もう一人の魅羽は、溌剌として言った。
「規範意識を棄てろ」と。
ようやく魅羽にも相手の正体が解ってきた。
自分が“人間”であるために。
人間の世界の規則に従って生きるために抑圧してきた衝動が、「もう1人の自分」となって現れたのだ。
マタタビ遊びのようなグレーゾーン行為をやりがちだったのも、彼女の働きかけによるものだろう。

チカラをかしたげるにゃ! しってるでしょ? ワタシのパワー!
うん……剣嵐さんを片手で振り回してた……。
もいちどヒトツになろう! ニンゲンのルールなんてわすれてさ!
そうだね。貴方は私。ごめんね、ずっと閉じこめてて。
べつにきにしなくてイイにゃん。だってジブンがしたことだもんね!

脳内イメージの薄靄が晴れてゆく。
魅羽の目の前にいたのは小さな子猫。
タマ太よりも可愛らしくて幼い、小さな三毛猫の女の子。
魅羽は子猫を――もう1人の自分をそっと抱き上げ、強く抱きしめた。
子猫はスウッと魅羽の胸に吸い込まれ、ひとつになった。

コンゴトモヨロシク! さあ、ルールをブッこわすにゃん!
……ごめんね。
にゃっ?
ルールは壊さない。だって私は“人間”だから……私は“猫岸魅羽”だから。
にゃっ!? おのれハカったにゃー!?
ルールは守る。でも、ルールに縛られたりしない。自分らしく生きる。“人間”として。このへんが妥協点でしょ?
うにゃー。ま、そんなトコかにゃー。
輝海ちゃん、水星ちゃん、馬術部のみんな、風紀委員のみんな。大切な友達が、いっぱいいるから。
うん。そうだねー。トモダチはだいじだもんにゃー。

(つづく)

419ミケナイト:2014/09/05(金) 13:14:25
理由はよくわからないけど、私の本性は獣らしい。
これは、認めるしかない。
獣と言っても可愛い子猫なのは救いと言えば救いだろう。
そして……自分の本性を受け入れた上で、慎重に解き放ってゆこう。
外側は“人間”として規範を守りつつ、内側では本性を抑えず、心は自由に。

魅羽は薪割りの手を止め、何度も深呼吸した。
身体の奥底から力が溢れてくる。
全身の毛がざわつく。
獣の姿になったあの時と同じ感覚。
理性の手綱をしっかりと握り締め、心の中で子猫の姿をした暴れ馬と共にギャロップする。
内面に渦巻く獣のヴォルテックスは更に激しさを増してゆく。
魅羽の肌が熱を帯びて赤く色付く。
身体から蒸気が立ち昇ってゆく。
力が、爆発しそうだ。

「っにゃああああーっ!」

魅羽は獣の導きに従い、力強くスコップを振り下ろした。
ズゴォン! スコップは薪を割っただけでは止まらず、薪を乗せていた頑丈なテーブルまで真っ二つに叩き割った!
しかも、ミケナイトに変身していない生身のままで。

これが、新能力『狩るにゃんベスティアリ』である。
魔法少女能力的に説明すると、体内に狩るにゃんフィールドを展開し、呼吸器系、循環器系、細胞内TCAサイクルの全てを支配する能力だ。
レイノルズ数を完全制御することでエネルギー効率を最適化し、爆発的に身体能力を向上させる。
極めて精密で複雑な制御が必要な能力だが、魅羽は体の中を元気に駆け巡る子猫をイメージすることでこれを実現したのだ。

だが、魅羽は目眩を覚えてばったりと仰向けに倒れた。
『ベスティアリ』は急激に体力を消耗する両刃の剣なのだ。
一度倒れてしまうと、一日中薪を割り続けた疲労がどっと押し寄せてきた。
これはいけない、と感じた直後には、魅羽は既に眠りに落ちていた。


(=・ω・=)


夢を見た。
おじいちゃんに狩りを教わる夢だ。
なかなか上手く鼠を取れずヘトヘトに疲れた私は、おじいちゃんの背中に乗せてもらって猫岸の家に帰る。
そんな、懐かしい夢だった。

レトナイトさんが、ゴールデン・レトリバーの背に私を載せて運んでくれたのだと、翌朝に寮長さんが教えてくれた。

☆スキル「強者」取得
☆特殊能力『狩るにゃんベスティアリ』確定

(『VSゴールデン・レトナイト』おわり)

420ミケナイト:2014/09/06(土) 08:03:03
この辺で人物関係まとめ!
スペースの都合で傘部とかめごちゃんとか色々入らなかったけどメンダーコ星人は入った。
tp://pic.twitter.com/kWZgHA2NWV

421ミケナイト:2014/09/07(日) 06:31:33
『古強者達の地下闘技場』

わああああーっ!
地下闘技場の観衆から大歓声が上がる。
スポットライトに照らされた金網のリングでは、ゴリラの如き筋肉の老人が、小学生のような少女の脚を掴んで逆さ吊りにしていた。

「ぐふふゥ……ワシの勝ちじゃァ……! 見とるかクミコォォォッ!!」

勝利を確信した老人は孫娘の名を叫んだ。
後は金網なり床面なり叩き付ければ勝負ありだ。
しかし!

「まだ終わってないよっ!」

ど・み・そ!
逆さ吊りになった少女の拳に填められたナックルが電子音とLED明滅パターンでモード変更をお知らせする!
出力電圧リミッターを解除した違法改造医療機器「低周波ナックル」が彼女の武器だ!
ぱしゅん! 軽い電炸音と小さな閃光!
少女はナックルで自分自身の太腿を電撃殴打した!

「やあっ!」

少女の短い脚が驚くべき力を発揮してゴリラ老人の巨腕を振り解く!
ナックルから放たれる電流によって強制的に筋肉を駆動して潜在能力以上の脚力を発揮したのだ!
だが限界を越えて強制動作させられた脚へのダメージは大きい!

次で決める!
少女は宙返りしながら低周波ナックルのモード変更スイッチを二度押下!
どれみふぁそらしどー!
ナックルが電圧フルチャージの電子ノーション!

「応急対所攻撃っ!」

ずばちゅんっ!
まばゆい閃光と空気を震わせる電炸音!
宙を舞う少女は右腕を繰り出し、電気パンチで巨大ゴリラ老人のこめかみを打ち抜いた!

「ぐぼああァーッ!!」

泡を吹いて倒れる老人!
着地した少女は足の痛みによろめき膝をつくがまだまだ元気な様子!
勝負あった!

「うゥーん。やっぱり、ゆにばちゃんには勝てんのゥ」

心配して駆け寄った孫のクミコさんに抱え起こしてもらいながら、能力が切れて本来のやせ細った姿に戻ったお爺さんが勝者の少女を讃えた。
彼女こそは臨戦介護師・福篠単波。
老魔人養護施設「まつごのさけ」地下に建造された地下闘技場の発案者にして若きチャンピオンである。

ここは、平和な時代にあって幸か不幸か老齢まで生き延びてしまった戦闘型魔人のためのレクリエーション施設なのだ。
身体を動かすことによって、痴呆症が劇的に改善した入所者もおり、良い効果が出ていると言えるだろう。
たまに死者も出るが、学園自治法に準じた法適用により問題なく運用されている。

422ミケナイト:2014/09/07(日) 06:36:16
ぱしゅ、ぱしゅ、ぱしゅっ。
地上の職員更衣室に戻ったゆにばちゃんは、汗で濡れた体操着を脱ぎ、痛めた脚を低周波ナックルでほぐします。
昼間は福祉の大学で勉強、夕方から夜にかけては老人ホームの準職員、おまけに地下闘技場でのバトル。
ゆにばちゃんの毎日は多忙ですが、充実しています。

希望崎学園の三年生だった頃に参加したハルマゲドン、通称「War&Wall」から数年が経ちました。
進学した者、就職した者、なぜか未だに希望崎にいる者。
生き延びた学園の仲間は、それぞれの道を歩んでいます。
例えば、今もゆにばちゃんと親しくしてくれている雨竜院家の畢(あめふり)ちゃんは短大を卒業して今年、念願の保育士になったそうです。
僕もがんばらなくちゃ、と気を引き締めるゆにばちゃんでした。

(そう言えば葦菜さん……)
ゆにばちゃんは「War&Wall」で転校生に捧げられそうになった、ミス・ダンゲロスの埴井葦菜さんのことを思い浮かべました。
畢ちゃん経由で伝え聞くところでは、葦菜さんは呪いを受けて男性化してしまい、呪いを解くため格闘大会に参加しているとか。
(浮気者の彼氏を持つと大変だねっ!)
ゆにばちゃんは葦菜さんに同情しました。

(ところで……仕事の前にもう一戦あるのかなっ?)

ゆにばちゃんの介護第六感が先程から、何者かが更衣室に潜んでいることを伝えています。
ナックルの安全装置を解除。
どれみふぁそらしどー。

(そこだっ!)

ぱちゅんっ!
金属製のロッカーに軽く電気パンチで通電!

「ギャニャッ!(アバッ!)」

ロッカーの中から、職員の手荷物に紛れ込んで潜入し、その後昼寝をしていた猫がびっくりして飛び出してきました。
その猫は三毛猫で、二本の尾をはやしていました。

「ニャー……(うう……小学生なみのダブルAおっぱい……かわいい……)」

電撃を受けてフラフラになりながらもおっぱいレポートは忘れないこの根性!
この猫はもしかして、ミケナイトのマスコット、タマ太ではないでしょうか?
でも、どうしてこんな所に?

「うーん、可愛い猫ちゃんだけど、衛生上出てってもらわなきゃねっ!」

423ミケナイト:2014/09/07(日) 09:00:08
ゆにばちゃんは新しい体操服に着替えてエプロンを羽織ると、電撃でぐったりしているタマ太を抱えて中庭に向かいました。
猫アレルギーの入所者がいたら大変なことになるので、猫はすぐに追い出さなければなりません。
でも、その前に中庭を掃除中の夢見花さんに事情を聞く必要があります。
タマ太が潜んでいたロッカーは、研修生の夢見花卒羽さんのものだったからです。

「あっ、タマ太さん!」

ゆにばちゃんの姿を見た卒羽は、手に持ったホウキと髪に持ったチリトリを置いてあわてて駆け寄りました。
諸事情で妃芽薗留学を取り消された卒羽は、熟練の魔法少女・後藤うさの監視の元、この施設で人間界研修中です。
自在に動く長い三つ編みはとても便利だし、四丁トカレフ触手拳で闘技場でも活躍しています。
噂によると、葦菜さんの彼氏を一度は殺害したこともあるとか……?

「ごめんなさい、福篠さん。その猫……タマ太さんがどうしても老師に話があるって言うものだから……」

卒羽はタマ太を連れ込んだ理由を慌てて説明しました。
その時! どこからともなく中庭に声が響きます。

「ほう、儂に用があるじゃと……?」

中庭の地面から大量の粘液が噴出し、巨大な粘液の柱を形作りました!
ばしゃあっ!
粘液の柱が崩れると、そこにはウミサソリの鎧を纏った小さな魔法少女がいました。

「瞬間移動っ!? 後藤さんいつの間にそんな技を?」

驚くゆにばちゃんに、後藤さんの弟子の卒羽が解説します。

「『ヴぃすかす・テれぽーと』……噴き上げた粘液の死角から密かに走って近付き、瞬間移動で現れたように見せかける老師の移動技です!」

「いや、そこは解説せんといて欲しいんじゃが……」

せっかく格好良く決めた登場演出の種明かしをされて、赤面する後藤うさ。
気を取り直して、ゆにばちゃんに抱かれたタマ太に語りかけます。

「ニャーン(猫岸家のことは調べさせてもらったよ。タマ太くん、君は猫岸舞さんの飼い猫だじったのじゃな)」

「ニャ……(いや、俺は……)」

「ニャオ(ああ、すまぬ。“弟”と言ってあげるべきだったのう)」

「……」

「ニャーン(君の方から来てくれて助かった。教えてくれ。ミケナイトとは、“猫岸魅羽”とは一体何者なのかを)」

「ニャーン……?(言えば……俺の頼みも聞いてくれるか……?)」

(『古強者達の闘技場』おわり)

424ミケナイト:2014/09/07(日) 09:48:26
>>423
× 猫岸舞さんの飼い猫だじったのじゃな
○ 猫岸舞さんの飼い猫だったのじゃな

うむー……タイポが多いのう。
ちなみに地下闘技場は大雨の時に水を貯める機能があって洪水防止の国家予算がつぎ込まれているため、
老人ホーム的にはそれほど財政負担なく建設されたという裏設定があったりします。

425レオナの悪友ケニーさん:2014/09/07(日) 12:45:17
>>420レオナは忙しいから代わりにお礼を言わせてねー(´・ω・`)?
イラストに載せて貰ってありがトゥース(ゝω・´★)

426水星:2014/09/07(日) 13:49:11
水星と柊先輩と同棲生活。
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4275149

427英子と四囲美:2014/09/07(日) 18:28:41
ホリーランドSS『英子と四囲美の人間革命―三日目―』

●業
渡瀬 四囲美は鬼無瀬流の傍流の家に生まれる。
渡瀬家の人々は代々、熱心な鬼無瀬流剣術の信奉者であり、いずれ、家から本家に一角の剣士を
排出したいと願っていた。

そんな渦中、四囲美は一族の子として生まれる。
そして彼女は幸か不幸か、剣の才に恵まれた。しかも、尋常ならざるレベルで。

『天才』。

そう評して余りある才の片鱗が、少女に見られたのは彼女が鬼無瀬の門をくぐり、初伝の伝授の為、
初めて師範代と立ちあいを行った時であった。

鬼無瀬流抜刀術初伝「抜駆逐」。

鬼無瀬流抜刀術、居合の基礎。これを繰り返してみよと告げた師範代に一礼すると、
彼女は一呼吸の元、師に向かい無数の虚像の斬撃を浴びせつつ、先ほど見た居合の一撃を放った。

その数、虚実を含め、実に十三。
とっさに受けつつも師は驚愕した。無数の殺気の刃に隠し必殺の居合を放つ。その技は初伝ではなかったからだ、

その技は…
その技は…
彼自身が最も得意とする鬼無瀬時限流奥義の一つ『暮蛇蛙』だったのだ。

「どこで御身、その技を」
許可なき資格なき者への奥義の伝授は硬く禁止されている。
慌てて幼きで弟子に問いただした師範代に少女は首をかしげると不思議そうに問い返した。

「でもこの技、お師さまが、いつも鏡の前でイメージトレーニングされているじゃないですか?」

えっと、なにか不味かったですかと。
師はことの経緯をしたためると翌日本家に彼女を推挙し、そのまま道場から出奔した。
武芸の世界に置いて天才と称される人物は意外と多い、このことで彼女もその一人に数えられることとなったのだ。

本家への推挙を知り、彼女の家族が狂喜したのはいうまでもない。
だが、その最中、本人はただ、道場で空席になった師の席をぼーとみていた。


††

天才そう評してもいいだろう。修行の推移を見ながら、本家の魔人師範達はそう判断した。

 彼女は人の子、数えで十に届いたばかりの矮小の身でありながら、どんな教えられた鬼無瀬の技も、
まるで生地に水が染み込んでいくようにやすやすと吸収していった。
巨躯ひしめく道場にあり、その彼らの十倍以上のスピードで剣技を修得していく様は、ある種の
感動すら憶えたという。そして少女は厳しい稽古が終わると自修練に励む同門達を尻目に日課とし
一人本堂に赴き、鬼無瀬の文献の写本を行っていた。
『文武両道たれ』という彼女の”元”師の言葉に従うように。
本来なら禁じるべき行為なのだが、同門の彼を知る師範たちはこれを黙認した。


そして1年、2年立ち、その異常が現れた。

いや現れなかった。

変化がないのだ。

いつまでたっても
どのような修練や試練を与えても、彼女は魔人化しなかったのだ。
稽古も行うし、修練も受けている。だが、一向にその兆しがないのだ。

最初は苦笑していた魔人師範達も修練が進むうちに首を捻りはじめた。
そんなはずがないのだ。鬼無瀬のカルキュラムは魔人化するように”できている”。もし、できなけ
れば命を落とす。最終的にはデッドオアダンゲロス、その2択1択に必ずなる。
修練は無茶の連続、いうなれば崖から突き落としているようなものなのだ。人の身で今まで皆伝まで
登りつめた存在は一人もいない。日が立つにつれ原因は何なのか、どう対処すればいいのか師匠たちは
真剣に協議しはじめるようになっていた。

428英子と四囲美:2014/09/07(日) 18:30:15
††


…限界かな。

同様のことを彼女も感じていた。彼女にとっても鬼無瀬の修練は甘いものではなかった。
今までのところのらりくらりと開発した『しん技』でごまかしてはいたが、それも限界に来ていた。

鬼無瀬の技の分類には奥義、中伝、初伝のほか失伝、禁忌、秘伝などがある。
皆伝者が修得するのは前述の3つ。禁忌はなんらかの理由で抹消された剣術、失伝は作られたものの
歴史の中で消え去って失われたもの。秘伝は非伝、特別なものにしか伝授されない。

彼女のいうしん技とは彼女が文献から探り、再現させた失伝のことだ。
しん技とは一度死んだ技だ。
少女は剣における『開発・復元』の天才だったのだといえよう。なかでも幻惑系の剣術を彼女は得意とし、
気や剣の動きにより相手の注意を奪ったり、隙を作ったり…もっとも悪辣なものは催眠状態にして
偽の記憶をすり込んだりすることができた。
いけないこととは自覚していたけど、どうもどこかで何かの一線を越えてしまったらしい。そう彼女は判断した。

…で、どうしようか

少女はいま別れ道にいることを自覚していた。今なら多分、魔人化できるだろう。それが如実に感じられた。
本当に鬼無瀬の修練は甘いものではない。掠れ逝く視界の中、もう一度それを見やる。

…ああ

実の親が自分に跨り首を絞めていた。

…でも、たぶん、かくせいしたら私この場にいる皆殺すよな。こういう場合”むざい”になるんだっけ

心の中で乾いた笑いをたてると彼女は進むべき道を選ぶ。

両親への愛情がブレーキになったわけでも、命を奪うことに躊躇いがあったわけでもない、
自分のせいで二度と会えなくなってしまった最初の師匠を想い浮かべた訳でもない…
ただ、だだ

…なんかメンドクサイ

そんなアンニュイな気持からだった。少女は高二病であったのだ。
そして彼女は覚醒することなく意識を手放した。

次に目覚めた時、彼女は病院のベットにいた。
分岐点を越えれば”それ”は二度と現れない。そう言われている。
非魔人というカテゴライズを獲得することで彼女は仮初ながらも一つの自由を手に入れたのだ。
そしてメッキが剥がれた幼き天才はひっそりと鬼の一門を去っていった。

なお文献を読み解き、再現して見せた『失伝』は軽く片手の指を超えたが、それは
其の術は彼女自身と実験に付き合った二本の刀”達”のみが知るところで有り、その刀も
別の門下の元に渡り、その失われし技は再び世に出ることはなかった。



●虹
そう、出会いは小六の時だった。

四井美は道を歩いていた。
それは雨上がりの午後、晴れ上がった青空には大きな綺麗な虹がかかり、道には大きな水たまりが
幾つも溜まっていた。
向うから自分と同じくらいの少女がかけてきたのが見えていたので、よけようと端によけたら、
少女は何の目ぶれもなく水たまりの中に派手にすっころんだ。
びたーんという擬音がこれ以上ないくらい当て嵌まる転び方だった。

なんでここで転ぶの?転ぶ気配を全く感じとれなかった四井美が唖然としてみていると
ダイブした少女にもぞもぞと動きがあった。あ、これは絶対泣きだす流れだなと思ったら、

その少女は何が楽しいのか笑いだした。

――
―――
本当にそのときは何気なしだった。

私はすーと彼女に手を差し出してみた。
彼女は不思議そうに大きな眼でこちらを見ると手を伸ばして私の手を握った。握られた手はどきりと
するほど柔らかかく、冷たいのに暖かかった。そして今度はこちらの手をぐいっとひっぱられた。

おきあがるかと思ったらまたもや逆、そして私は、

びたーんという擬音がこれ以上ないくらい当て嵌まる転び方で水たまりにダイブしていた。

全身水浸しとなり茫然としている自分の横で何故か少女が大きく頷いた。


――
―――
しばらく後
そこにはきゃっきゃと水浸しになりながら水を互いに掛け合うただの二人の少女がいた。


それから2年後、四囲美は再会した彼女、林場英子と友達となる。

429ミケナイト:2014/09/08(月) 06:01:33
『どりみ☆パルプのマジカルないしょ話どっかーん!』

夢見花卒羽「どりみふぁそらしどー! ラブリーガン☆フルチャージっ!」
魔技姫ラクティ☆パルプ「うわあっ、変なイベントに巻き込まれちゃった!?」
卒「みなさんこんにちは! 魔法の弾幕ドリーミィ☆ドリミでーす! こちらは相方、貝虫類のパルプちゃん」
パ「もうなんか色々突っ込みきれません! そもそも初対面なんですけど!?」
卒「だって私、マスコットがいないから漫才できないんですよ……」
パ「漫才しなくてもいいと思うけどなぁ。そもそも私にとって卒羽さんは大切な人を殺した仇なんですよ!」
卒「でも私、襲われた被害者だもん。正当防衛高密度弾幕乱射面制圧殺害だもん」
パ「過剰防衛にも程があります!」

卒「さて、このコーナーでは過去キャンペーンに参加してない人向けに設定を解説します」
パ「ミケナイトさんの設定はかなり過去キャンペーンに依存してるので、なかなか理解しにくいかもしれませんからね」
卒「それじゃパルプちゃん、決め台詞よろしく!」
パ「えっ? ……あ、そうか。ラクティ☆パルプがばっちり解説!」
卒「うわ、知らない人置いてけぼりの決め台詞ネタやっちゃったよこの人」
パ「ええっ、自分で振っといてひどいっ!」
卒「そんでもってURLどーん!」

tp://www57.atwiki.jp/drs0x/

パ「これは『流血少女ISV』ですね」
卒「西暦1968年に雛代中学校を廃校に至らしめた、魔法少女たちのハルマゲドン!」
パ「魔法少女とは魔人生物と契約して魔人に近い能力を手に入れた少女っていう設定もコチラから来てます」
卒「生徒会の『南海螢』さんは私と同じ国出身の大先輩。番長Gの『猫岸舞』さんがミケナイトさんと関係深い人物です」
パ「あれっ? 後藤さんの紹介は?」
卒「あー、よっぽど暇な人は『後藤うさ』を見ればー。老師のプロローグとエピローグも応援スレにあるから探してみたらいい好きにすればいい」
パ「なんで師匠の扱いがそんなに雑なんですか……」
卒「そして螢さんと舞さんの対決を描いたSSがこちら!『でこぼこ☆フレンズ、螢と舞』です!」

tp://togetter.com/li/625537

パ「本気で殺し合いなので閲覧注意! 作者は悲しくて書くのが辛かったし、今でも読み返すと泣いちゃうらしいよ」
卒「だったら書かなきゃいいのに……」
パ「ですよねぇ」

430ミケナイト:2014/09/08(月) 06:03:02
卒「そもそも螢さんも舞さんも他の人が作ったキャラなのに何故ここまで入れ込んでるか謎だ……」
パ「いちど気に入られると本人の預かり知らぬ所でガンガン活用されてしまうダンゲロスの闇ですね……」

卒「気を取り直して馬術部について軽く紹介しましょう」
パ「馬術部とは、ダンゲロス・ニュージェネレーション(DNG)で登場した部活です」
卒「ゴールデン・レトリバーと言う品種の馬を駆るゴールデン・レトナイトさんが登場!」
パ「あくまでも馬なので注意してください。『ワンワン』といななく品種の馬です!」
卒「公式設定ではないけど、DNGはホーリーランドクラブの数年前として話を進めてます。神社千代さんが一度死亡したのもこの時ですね」
パ「また、シベリアン・ハスナイトさんが登場したスパイダンゲロスと、セント・バーナイトさんのバーゲンセールは、ホリランクラブの翌年としてます」
卒「ふーん、じゃあ蟹ちゃんになるのは来年のことなんだ」
パ「蟹ちゃん……知らない子ですね?」

卒「あと、本キャンペーンのSSについてもいくつか解説しておきましょう」
パ「意図的に猫岸舞さんのことを魅羽さんのように誤解させる書き方してましたからね……!」

卒「まず、 >>3 のミケナイト・プロローグにある仏壇の写真は舞さんですね」
パ「うん。これは特に捻ってないね。この頃は魅羽さんの正体設定とか別に考えてなかったらしいよ」
卒「正体が後付け設定とか、長期キャンペーンならでは!」
パ「なんで三色の髪の毛なのか、なぜマタタビ酔いする体質なのかを真摯に考えた結果みたいです」
卒「最初に考えとこうよ……私の多脚下半身設定とか触手好き設定も後付けなんだよ……」
パ「ホーリーランド4も後付け設定だらけだったなぁ……」

卒「>>5 『タマ太の悪夢』は不吉な未来視に見せかけた、タマ太の50年前の実体験!」
パ「おっぱいの話ばかりしてるタマ太だけど、地獄を見てるんですよね……」
卒「ちなみに私の胸はそれなりにあります」
パ「そんな話はしてませんっ!」

卒「私のSSとか大冒険シリーズは特に補足はいらないから飛ばして……あっ >>110 に蟹ちゃんの伊藤ライフゲーム絵がっ!」
パ「知らないっ! 知らない子ですっ!」

431ミケナイト:2014/09/08(月) 06:05:42
卒「>>170 のB4の戦いも未来視に見せかけた過去の出来事ですね」
パ「『でこぼこ☆フレンズ』の#2と流血少女の実際の戦いをベースに、猫岸舞vs毒雪姫ともミケナイトvs水星とも読めるよう工夫して書いてますね」
卒「その後、vs薬袋品さんに見せかけて、『先輩?』『風紀委員とトラブルメーカーが逆では……?』からの『南海螢』で種明かし!」
パ「いやコレ……ついて来る読者いないよ……誰に向けて書いてるの……?」
卒「自分……なのでしょうか……?」
パ「熱意は認めるけど……ねえ?」

卒「試合SSは未来のスパイ2からのフィードバック中心だから、解説は百合原さんの仕事かな」
パ「着々と百合エンドに向かってますね……時間の強制力……恐ろしい……」

卒「あー、>>316>>318-319 で私と老師がプールにお邪魔してますね……はぁ……」
パ「本来なら過去と現在が交差する時! と盛り上がるべき場面なのに、どうして後藤さん出歯亀行為を……」
卒「私は止めたんですが『どうしてもベトベトの女の子が見たいんじゃー』って聞かなくて……」
パ「困ったお爺さんですね……あっ >>321 の振樹渋流刑事は知ってる人だ!」
卒「刑事さんはホリラン4出身なのね。流血少女で生き残った振木静流さんのお孫さんってことで老師と縁があります」
パ「あれ?『樹』の字が違うよ?」
卒「その辺は単なる表記揺れって判断みたい」
パ「最後に晩田院さんの名前が出たけど、直後に退場しちゃったね」
卒「晩田院さんにはミケナイトの正体を看破してもらう予定だったけど、残念なことです」
パ「結局、猫岸家の調査は振樹刑事が、正体暴きは薬袋さんがうまくやってくれました」

卒「次でラスト! >>379 で描かれてるのはもちろん魅羽ちゃんじゃなくて……」
パ「猫岸舞さんとタマ太の出会いですね。子猫の頃は可愛かったのにねー」
卒「それが今ではおっぱい星猫に……」
パ「タイムストローク……」

卒「そんなわけで、ミケナイト=猫岸魅羽ちゃんの正体もほぼ明らかとなりました」
パ「後半戦には魔物がいるよ! 魅羽ちゃん気をつけて!」
卒「パルプちゃんが言うと重みがある……! ところで……聞きたいことがあるんだけど……いいですか?」
パ「なんでしょう?」
卒「臨海学校でクラーケンに襲われた時のこと、詳しく教えてほしいな……///」
パ「結局触手オチですかーっ!」

(おわり)

432多味倫太郎:2014/09/10(水) 22:49:07
さあ、そろそろ巻き返していきたいところだぜ

たみりん
tp://0006.x0.to/oo/gif/tamirin.png
写真1
tp://0006.x0.to/oo/gif/tami_icon.png
写真2
tp://0006.x0.to/oo/gif/rin_icon.png

433ミケナイト:2014/09/10(水) 23:21:17
晩田院さんvs空手部員!
tp://pic.twitter.com/Db6bECXhdG

434門司秀次:2014/09/11(木) 01:47:54
門司秀次tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45908169

435紅炎峰コロナ:2014/09/12(金) 20:38:54
志筑 綴子
tps://twitter.com/nater_gamer/status/510391895801864193/photo/1

436水星:2014/09/12(金) 21:39:46
水星と柊先輩の反省会〜休日を経て〜

水星「こんばんは。またもや始まりました反省会形式のSSです」
柊先輩「始まりましたー!」
水「反省といっても今回はしばらく休日で戦ってないので、反省するようなことは特にないんですけどね」
柊「んー、パワーアップイベントの行動提出に関しては反省あるかもしれないけどね」
水「ふむ。それはあるかもですね。まぁ、その前に全体についての話をしましょうか」
柊「うん。……いやー、皆強くなったね!」
水「ですね。前に比べて格段に皆強くなりましたね。……私なんて、霞んで見える程に」
柊「あれ、もしかして落ち込んでる?」
水「落ち込んでるというかなんというか…… 皆さんの成長ぶりを見て、その後自分を省みるちゃいますと……」
柊「ちょっとちょっとー、元気出しなさいってば。水星だってそれなりに成長してるじゃない」
水「はい。『それなりに』しか成長できてないんですよ。他の方達はもっとそれ以上に成長してるんですよ。単にステータスだけでなく、必殺技の見直しで格段に強くなった人たちばっかりなんですよ? こう、置いてかれてる感がね、凄まじいんですよ」
柊「んー。じゃあ何が悪かったんだと思う? せっかく反省会なので反省をしようか」
水「そうですね。うーん、FSを固定で上げて更にランダムで上がることを期待するのは決して悪い選択ではなかったと思うんですけどね」
柊「FS上がれば強者取れたもんね。まぁ、目論見は外れて精神が上がったわけだけど」
水「賭けに負けましたね。それなら、無難に体力あげとけばよかったかな、という気もするんですよね」
柊「体力上げてたとして、ランダム成長でFS上がったら悔しくない?」
水「む。それはそうかもしれないですね。ふむ……となるとまぁ選択は妥当だったいうわけでしょうか」
柊「そうそう! きっと間違ってなかったよ! 自信を持って!」
水「んー、後は必殺技性能を変えるっていうのも一つの手だったのでは、とちょっと後悔もしてるんですよね」
柊「えーそれはどうかなぁ? じゃあ聞くけど、もし必殺技を変更するとしたらどういう必殺技にするつもりだったの?」
水「『投げ×3』、ですかね」
柊「んー、それって消費MP結構高くならない? 単純に消費MP6になるかっていうと厳しい気がするけど。で、精神は初期値に戻るから精神5でしょ? 固定成長1を精神に回してたとしても精神6。運良くランダム成長で精神7になったとしてようやく二発撃てるかどうかじゃない? ダメージ効率悪くならない?」
水「むむむ……そう言われると確かに必殺技変えたら厳しくなってたかもしれませんね。安定感で言ったら今の方が良いのかもしれません。となると、やはり間違ってなかったということでしょうか……?」
柊「もしかしたら必殺技変更したり固定成長ステータス別のにした方が良かったのかもしれないけど、少なくとも悪い選択ではなかったとは思うよ」
水「ふむ……ありがとうございます。ちょっと元気取り戻せた気がします」
柊「うむ。それは良かった」
水「あー……でもステータス交換器さえ入手できればまた事情も違ったんですけどね」
柊「それは確かに。それに関しては完全に中の人の怠慢ね。まったく何をやってたのかしら」
水「キュキュ、キュイー!」
柊「あぁ、水星がまた何かに影響されて変な台詞を…… 要するに中の人がアニメかゲームにハマってた訳ね」
水「ですね。自分の怠慢で強く成れなかったのに、後悔してるんですから世話無いですね。愚かな人類めー!」
柊「さて、今回の行動提出締め切り時間はもう過ぎたわけだけど、どうなるかしらね」
水「あ、ちょっと。何か反応くださいよ。愚かな人類めー!」
柊「コロナさんと戦えるかなー? どうなるだろうねー」
水「あ、露骨に無視し始めましたね。拗ねますよ」
柊「あ! 行動提出と対戦の組み合わせが来たみたいだよ」
水「もはや完全にスルーされてる……そしてマジですか。めっちゃ気になります」
柊「ふむふむ。今回は中庭に皆集った感じね…… あっ、蟹田さんの行動提出……」
水「あ。あー……そりゃあまぁ……うん」
柊「対戦表を見ると……うん。コロナさんとは戦えなかったね」
水「うーむ、今まで決闘に成功していたこともあって、すっかり横槍が入る可能性を失念していましたね」
柊「だねー。今回はそこんところちゃんと考えられてなかった甘さが原因だね。次からはちゃんと考えて行動提出しよう」

437水星:2014/09/12(金) 21:40:06
水「ですね。反省反省っと。そして私の対戦相手は人業遣いさんですか。攻撃力が高いのでかなりきつそうですね。そして恐るべきは何より特殊能力」
柊「水星にとって成長で一番困るのは引き分けだからね。しかも100%かー」
水「かなり困る相手ですが、よく考えず行動提出した結果なので自業自得ではありますね」
柊「うむ。どうなったとしてもそこは結果をしっかり噛みしめるように受け入れるべきだね。良い勉強にはなったんじゃない?」
水「そうですね。まぁ最悪引き分けでも、FSさえ上がってくれれば勝ったようなものですが」
柊「そうあってくれることを祈るしかないね……」
水「今回の反省会は導入で思ってた以上に反省が多くてまさに反省会って感じでしたね」
柊「そうだね。んじゃ、そろそろ締めますかー」
水「はい。では皆様また今度― 愚かな人類めー!」
柊「あれだけスルーしてたのにまだ使うんだ……なんという胆力……」
水「ふふん、私を舐めてもらっては困りますよ。愚かな人類めー!」  
柊「はいはい。これ以上水星がうざくならない内に締めます。また今度……!」
水「う、うざいだと……愚かな人類め……」

【END】

438紅炎峰コロナ:2014/09/12(金) 23:47:04
ミケナイト(獣人態)
tps://twitter.com/nater_gamer/status/510439234730070017/photo/1

439紅炎峰コロナ:2014/09/13(土) 23:43:30
ジャグリングありさ
tps://twitter.com/nater_gamer/status/510800669582716928/photo/1

440水星:2014/09/14(日) 00:08:25
水星と柊先輩と反省会〜5ターン目終了後〜

柊先輩「はい! なんかつい一日前に投稿された気がするけど、またまた反省会ですよ!」
水星「ですです」
柊「いやー惜しくも二戦目で負けちゃったね!」
水「元々一戦目の時点で勝てるか怪しかったですから、悪い結果ではないと思いますけどね」
柊「んーそれもそうだね。よし、じゃあ一戦目から振り返っていこうか」
水「了解です。一戦目は……そうだ、コロナさんと当たれなかったんでしたね」
柊「蟹田さんが間に入ってきて、お互い反応高いわけではなかったからねー」 
水「ここは前回反省した通り、決闘の相手を選ぶ際の思慮が足りなかったということですね。次回は気をつけましょう」
柊「うん。あ、そうだそうだ。前回言うのすっかり忘れてたんだけど、コロナさんを選んだ理由は、コロナさんの中の人と関わってみたかったからというわけなんだよね。勿論勝てない相手じゃないっていうのもあったけどね」
水「ですね。そして実際一回戦目に当たった人業遣いさんですが、正直勝ちすら怪しいと思ってましたね」
柊「そだねー。攻撃力高いし、何より引き分けに持ち込まれそうな特殊能力があったからね」
水「まぁ、一戦目に関してはかなり運が良かったようで、必殺を二回引いて速攻で倒せましたね」
柊「うん、めっちゃラッキーだったね」
水「結果論ですが、もしかしたらコロナさんと戦うよりも良かったかもしれません」
柊「だねー。デッドエンドロールも防御が発動してダメージ少なく済んだしね」
水「欲を言えば、1ラウンド目に必殺技をくらわなければ二戦目も生き残れたかもしれませんけど、これは欲張り過ぎですね」
柊「うむ。そして二戦目は、今回初勝利を飾ったカツオさんとの勝負だったね」
水「これは完全に勝利の流れに押されてしまった形になりましたね。カツオさんは一戦目に当たった相手と相性が良かったこともあって、体力が豊富に残っていたのも削りきれなかった要因ですね」
柊「投げの後必殺技引いてるからこっちの運も悪くはないはずなんだけどね」
水「まぁ、カツオさんに負けたこと自体はそんなに悪い気分ではないです。むしろ清々しいというか。彼にはこのまま最強への道を突き進んでいって欲しいですね」
柊「カツオさんは将来が楽しみな人だね。これからどんどん強くなってくんだろうなー」
水「そうそう、強くなったといえば成長の話をしましょう。今回は反応でしたね。しかも2連続。合計4点」
柊「反応かー。どうなんだろうな。反応の特徴と言えば、先手が取れることとマッチングに有利になること、か」
水「反応が少ない人相手に優位が取れるのは嬉しい事ですね。しかしマッチングに関してはどうなのでしょうね。反応高い人はそれなりにいますから、8程度だと太刀打ちできるかというとそうでも無いですし」
柊「もしかしたらマッチングが有利になるかもね、位に考えておけばいいんじゃない? 基本はいままで通り、反応は少ないものとして考えていけば」
水「ふむふむ。そうですね。体力とFSが伸びて欲しかったのですが、そううまくいくものではないですね」
柊「そうだね。あとFS1さえ伸びれば強者取れるんだけどねー。そしてあと話してないことは怪我かな」

441水星:2014/09/14(日) 00:08:43
水「あと、死亡判定についてもですかね。とりあえずこのターンは生き延びられてよかったです」
柊「鼻血があるから決して死亡率低い訳ではないからね。生き延びて良かった」
水「そして怪我はイップス。うぅ……辛いの引きましたね」
柊「治すにしても500万円だからねー。借金かぁ。きついなぁ」
水「先輩に迷惑掛けない為にもなんとか返済したいところですけど、果たしてどうでしょうか……」
柊「ランク差ボーナスをうまく利用すれば稼げそうだけど、そろそろランク上位となると単に運だけじゃなく実力も伴った順位になるだろうからねー」
水「うむ。それについてどうするかは後々考えて次のターンで活かせるようにしましょう」
柊「よしっと、語るべきはこのくらいかな?」
水「あ、今後の目標について少し話しておきましょうよ」
柊「おーけー。長期的な目標となると、やっぱり最終ターンに生き残ることかな」
水「はい。優勝もできることならしたいですが切断にイップスと来たのでちょっと厳しいでしょうね。とりあえず生き延びること優先でいきましょう」
柊「んで、短期的な目標はどうする?」
水「やはり次のターンで怪我を治して負うことになる借金返済でしょう。あとは、中の人的には応援を頑張ることですかね。ステータス交換機を手に入れたいと言っています」
柊「あー、ステータス交換機手に入れられればFSあげて強者手に入れられるもんね。体力を上げれば生存力に直結するし、なんとか手に入れたいもんだ」
水「ですね。さて、今回の反省会はここらで締めましょうか」
柊「うん、語るべきことは語り尽くしたね」
水「あ、先輩が気持ち悪いとおっしゃる宇宙人の可愛さについて今こそ語るべきなのでは?」
柊「いや、それはいいから」
水「えー?」
柊「はいはい、締めるよ!」
水「むぅ。ではでは皆様また今度―」
柊「さようならー」

【END】

442門司秀次:2014/09/14(日) 22:59:27
カツオ
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45981075

443門司秀次:2014/09/14(日) 23:59:49
レオナ
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45982882

444多味倫太郎:2014/09/15(月) 00:00:00
カツオ(成長前)
tp://0006.x0.to/oo/gif/katsuo1_tami.png
カツオ(成長期)
tp://0006.x0.to/oo/gif/katsuo2_tami.png
カツオ(成長後)
tp://0006.x0.to/oo/gif/katsuo3_tami.png

445水星:2014/09/15(月) 00:41:16
水星とカツオ戦

「うしゃらばァー!」

人業使いを倒した水星のもとにやってきたのは、弾正院をくだしたカツオ!
最強の男、カツオ!!
最強に勝てる術などない!!!

「俺のパンチだぁぁあああああ!!」

女だろうが関係ない! 戦場に立つ者はカツオの前に倒れるのみ!
水星は鎖でなんとかカツオを縛り付け、一度投げるがそんなことはカツオにとって些事に過ぎない!
なぜなら彼は最強だから!
 
「俺の速さだぁああああ!!!」

そして今度はその体躯の素早さを活かした神速攻撃! 瞬速の攻撃が水星の身を打つ! 
反撃とばかりに水星は必殺技を繰り出す!

「辰星流戦闘術 黒天・苑月!」

鎖で絡めたカツオを大きく振り回してから投げ飛ばす。遠心力を活かした大技だ!
だが!相手は!最強の!!カツオだ!!!

「なんだァ……? 大したことねぇなァ!!」

そして満を持してカツオの必殺技が繰り出される!

「こいつが俺の全力だ・改(あらため)ぇぇぇええええ!!!」

最強の男が放つ、全力の一撃! 故に最強の一撃!!
水星は必殺技を放とうとするが、そんなもの間に合うはずもない! なぜなら、目の前にいる男は、最強だから!!

「ぐっ……!」
「悪ィなぁ。しばらくそこで寝ててくれ! 俺は次の獲物を探すとするぜ!!」

走り去っていくカツオ! 太陽を背に走るカツオ!!
お前の最強の道はまだ始まったばかりだ!! きっと、未来は明るい!!
走れ、カツオ!! 戦え、カツオ!!
最強の名の元に!!!

【!!!完!!!】

446門司秀次:2014/09/15(月) 00:57:46
高生那自分賀 好世
美少女版

tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45984679

447二 三一五:2014/09/15(月) 01:02:06
レオナと肉の塊
tp://0006.x0.to/oo/gif/DSC_0083.JPG

448やられ:2014/09/15(月) 01:04:04
とてもつらい
tp://0006.x0.to/oo/gif/totemotuyara.jpg
レオナと肉の塊
tp://0006.x0.to/oo/gif/yarareona.jpg

449しお:2014/09/15(月) 01:06:06
カツオ
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45980890
レオナ
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45982301
好世様
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45983819
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45984376

死者にポイント入らないようなら葦菜くんとかにあげてください。

450ヌガー:2014/09/15(月) 01:09:16
カツオ蘇生基金応募イラスト
ポイントはどうしたらいいかよくわからないのですが
可能ならカツオを蘇生するために使うか、あやまださんに譲渡してください

カツオ
tp://0006.x0.to/oo/gif/katuo2.png
tp://0006.x0.to/oo/gif/katsuotti.png
レオナ
tp://0006.x0.to/oo/gif/reona.png
好世さん
tp://0006.x0.to/oo/gif/hoihohoi.png

451真野来人:2014/09/15(月) 01:13:25
たつのよカツオ!起きろミラクルイラストラジオでの自分の成果

ここまでのあらすじ!
・最初は戦いづらいが、成長性がすさまじいキャラクターだったカツオ。
・数多の敗北と引き分け、そしてパワーアップイベントを経て、終に初勝利!そのまま、このターンまさかの3連勝を果たす!
・しかしその栄光も束の間、4戦目、雨竜院との対決で敗北。ろっ骨骨折により命を落としてしまう。
・ここでカツオの冒険は終わってしまうのか……。そう思われたその時!
・遂に花開いたその力を惜しみ、今、参加者達がカツオを蘇らせる為に集結した!
・果たして友情の証を引き、奇跡を起こす事はできるのか……!

パワーアップイベント(休日)の時のカツオ
tp://p.twipple.jp/ATJ5T

掲示板でのレオナさん!よく掲示板でこういう顔してる気がする!
tp://p.twpl.jp/show/orig/D9Jzk

tp://p.twpl.jp/show/orig/F00hB
スキヨサマ!

452薬袋品:2014/09/15(月) 01:15:44
カツオ
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45981875

>>83にでてくる愉快なやつら
tp://0006.x0.to/oo/gif/katsuonomobkatsuo.png
tp://0006.x0.to/oo/gif/katsuomobmedama.png
tp://0006.x0.to/oo/gif/katsuomobkatsuo2.png

完全敗北した好世様
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45984604

453弾正院倫法:2014/09/15(月) 01:18:08
好世
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=45985496

tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=45984706

tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=45984210

レオナ
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=45982793

tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=45982383

カツオ
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=45981596

tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=45981190

454野球帽:2014/09/15(月) 01:38:14
■第五ターン 三戦目 vsカツオ■

第五ターン開始より十数分、中庭に集った歴戦の闘士二十余名も残すところ一桁となった。
戦場には余裕綽々で次の対戦相手を探す者もあれば、大怪我を負い虫の息の者もある。

この戦いは正に前者と後者の戦いであった。

長い地中生活から抜け出し、ついに羽化した無垢なる“最強”の闘士カツオ。
これまでの敗北は全てこの時の布石。
このターン果敢に龍に挑み、王の正当後継人・弾正院を壮絶な打ち合いの末捻じ伏せ、惑星を全力の一撃でもって破壊し、それでもなお余力有り。
その勢い破竹の如し。

対するは、同じく“最強”を自負する正体不明の野球帽を被りし小柄の闘士。

だが、二人のコンディションには圧倒的な差があった。
無傷のカツオに対し、耳が聞こえず、右大腿骨が完全骨折し、同じく左足関節が完全骨折し、右肺の強打により呼吸が整わない野球帽。
片や余裕綽々、片や虫の息。
この二人の対戦結果は火を見るより明らかである。

それでも二人は戦った。

左膝・両拳の3点を支えに、辛うじて倒れていないだけの野球帽。
しかし、彼女の闘志は健在。
破竹の勢いを足に乗せ、次の対戦相手を探し求め文字通り疾走していた半裸の男を呼び止めた。

それが開始のゴング。

「さいッッッきょおおおおおおおッッ!!」

野球帽の存在を認めると同時に、歓喜に震え、カツオは吠えた。
彼を取り囲んでいた空間が瞬く間に沸騰し、爆ぜる。

「――――はッ! 上等ォ!」

カツオの咆哮を、カツオの天を衝かんばかりの闘気を正面から受け、それでも野球帽の唇は不敵に歪んだ。

両者に打算はない。
カツオは野球帽を倒す価値のある「敵」と認め、野球帽もまたカツオを倒す価値のある「敵」と認めた。
故に戦いが生じるのは必然。
両者に打算はない。
そこにあるのは全力の一撃と、純粋なる闘志のみ。
お互いの掲げた“最強”の御旗を賭けた、魂の勝負。

弱攻撃「俺のパンチだ」 vs 弱攻撃「鋲(びょう)」

「俺の―――――」

カツオが力強く踏み込み、右の拳を引く。
野球帽が左手の拳を広げ、五指を地面に突き刺す。

「――――パンチ――――」

カツオが引いた右の拳を、肩・腰をはじめとした全身を使い打ち出す。
野球帽の左腕が一瞬だけ倍ほどに膨れ上がり、もはや死に体と思われた本体を驚異的な速度で打ち出す。

カツオの拳を最大速度に達する前に額で受けた野球帽は、鍛えこまれた右手の一指を喉仏に向かいノーモーションで突き入れる。

≪兵藤宗流・鋲≫

「――――だァァァッらッしゃああああああッッッ!!!!」

カツオの拳が、防御を、技を突き破り、振り抜かれた。
紙一重カツオの速さが上回り、紙一重野球帽の防御が届かなかった。

「最ッ!強ォーーーーーーーーーーッ!!!」

放物線を描いた野球帽の落下を見届けることなく、手に残った勝利の感覚をかみしめ、カツオは再び駆け出した。


(○)カツオ − (×)野球帽
決まり手:俺のパンチだ(弱攻撃)

455埴井葦菜:2014/09/15(月) 01:55:49
かつお
tp://0006.x0.to/oo/gif/katu0.jpg

れおな
tp://0006.x0.to/oo/gif/re0na.jpg

すきよさま
tp://0006.x0.to/oo/gif/sukiy0.jpg

456志筑綴子:2014/09/15(月) 02:55:44
カツオ
tp://silicon14.uijin.com/katsuo2.png

カツオ?
tp://silicon14.uijin.com/katsuo1.png

457水無月 劫穉:2014/09/15(月) 03:53:33
カツオ
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45988008
凄く濃ゆいきゃらになってしまった

458レオナ:2014/09/15(月) 06:29:28
私自身(SDレオナさん)
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45982880

459やられ:2014/09/15(月) 07:36:24
tp://0006.x0.to/oo/gif/yaraarisa2.png
ジャグリングありさ、髪は地毛だよ

460真野来人:2014/09/15(月) 11:13:40
tp://p.twpl.jp/show/orig/KMohl
昨日のラジオ参加者から抜粋。
弾正院「ホ……ホリランクラブの英雄勢揃いじゃねえか!」
ご参加どうもありがとうございました!

461ミケナイト:2014/09/15(月) 14:17:47
(前回までのあらすじ)

日曜日。特訓の合間に、魅羽は希望崎総合病院に足を向けた。
だが、驚いたことに月見輝海は既に全快し、退院していた。
しかも、生徒会特別役員に就任し、明日から鬼雄戯大会の戦場に再び立つという。
色々と不安なことはあったが、ひとまずは月見輝海が無事なことに安堵する。

魅羽は、第九次ハルマゲドンの負傷により長期療養中の友人、丙乃午頭女(ひのえの・うずめ)に不安を吐露した。
「大丈夫。今は離れててもきっと、みゅーちゃんのことを大事に思ってくれてるよ。だって親友なんでしょ?」
うずめに励まされ、龍狩りへの決意を深める魅羽だった。


『ミケナイトのドラゴンハント!』


中庭に面した校舎の三階ベランダに身を潜め、龍の出現を待つ。
レオナさん経由で弾正院さんから手に入れた龍の活動パターンが正しければ、もうすぐ来るはずだ。
確かに龍の耐久力は極めて高いが、攻撃の破壊力なら互角以上のはず。
やがて、龍が巨体を現し、ゆっくりと中庭をのし歩く。
そしてミケナイトが潜むベランダの真下に来た時、ミケナイトは斬馬大円匙を構えて飛び降りた! 先手必勝!

「っりゃあああーっ!」

龍の弱点はその長い首!
重力加速度を乗せたスコップを叩き込み一撃で決めてやる!
しかし龍は野生の直感で襲撃を察知すると、降ってくるミケナイトを巨大な目で睨み上げ、吼えた。

「ギャオオオーン!」

すると忽ち嵐が巻き起こり、荒れ狂う風がミケナイトを包み込み体勢を崩す。
しまった。午頭女さんにI.Z.K.効果を付与してもらうべきだった。
後悔しながらミケナイトは斬撃をあきらめてレイノルズ数操作を駆使して空中姿勢を制御し、突風の中でかろうじて着地を決めた。
見上げると龍の大顎が真っ赤な舌と鋭利な牙を覗かせ迫ってくる。

ミケナイトはスコップを頭上に掲げて噛みつきを防ごうとする。
だが、龍の牙はスコップをがっしりとくわえ込み、首を振ってミケナイトを放り投げた。
為す術もなく宙を舞い、校舎外壁の2階付近に叩き付けられる!

壁面をずり落ちるように落下するミケナイトだが、地面激突前に壁を蹴って体勢を立て直し、足から着地。
そして、その場でハンマー投げのように三回転して特大スコップを投擲する!
空飛ぶギロチンと化して龍へと向かう斬馬大円匙!
土日の特訓で身に付けた新技、大気弾『狩るにゃんジャッジメント』だ!
周囲1マスの狩るにゃんフィールド内ならば気流操作による投擲後の誘導でほぼ必中!
龍の喉元に突き刺さるスコップ!

さらにミケナイトは大円匙に取り付けられた鎖を引いて跳躍!
水星の武器にヒントを得た、バーナイト君のDIY改良だ!
刺さった大円匙を手懸かりに龍の首の後ろに飛び乗り、力任せに大円匙を引き抜く!

「っおりゃああーっ!」

引き抜いた勢いのまま垂直に一回転!
重い斬撃を再度、龍の首に叩き込み、飛び降りて離脱……する予定だった。

龍の首から飛び降りて地面へと向かう空中のミケナイトに、龍は向き直り、その巨大な口をおおきく開いた。
ミケナイトには、その動きがひどくゆっくりと感じられた。
無数の牙に囲まれた喉の奥に、揺らめく焔が見える。

狩るにゃんフィールドに可能なのは猫が着地体勢を取るような空中姿勢制御が限界で、空を自在に飛べるような能力ではない。
つまり、この状況では……。

龍の口から燃え盛る吐息が吐き出され、ミケナイトの全身を包み込んだ。

(つづく)

462水星:2014/09/15(月) 17:01:43
水星と柊先輩と新入部員と。【前編】

私の名前は、一条千冬。
希望崎学園の学生だが、魔人能力を持たない一般的な生徒だ。
普通の人と違う所といえば、極端に引っ込み思案なところだろうか。
一年の最初、皆が部活を選び入部している時、私は入りたいと思った天文学部に入部届けを出すことが出来なかった。何か深い理由があったわけではない。ただ、なんとなく勇気が出せず躊躇ってしまったのだ。
他人がなんとも思わない様な普通の事柄でも躓いてしまう。あとちょっと勇気が出せたら、と思うことが何度もあった。
小学校中学校となんとかやっていけたが、高校でも同じようにやっていけるか、入学当初はとても不安だった。
それでも、幸運なことに友達は何人かできた。おとなしいグループで、クラスで目立つことはないが浮かない程度の位置はキープできていた。

そう、私はクラスで浮いてなかった。
“彼女”とは違って――

その人は名前からして、普通ではなかった。
苗字も無く、ただ「水星」という名だけがクラスの名簿に載っていた。
彼女に関して、まず最初に強く印象付けられたのは自己紹介の時だった。

◇◇◇

「えっとぉ、私の名前は……一条ちひゅ……千冬です。趣味は天体観測です。よろしくお願いします」

噛んでしまった。顔が真っ赤になったのが分かる。私はいそいそと席に戻った。
高校一年の最初の自己紹介ということで、私だけでなく皆緊張している様子が伺える。
私と同じように途中で噛んでしまう人、途中で何を言おうとしたか忘れて照れ笑いを浮かべる人など、失敗をしてしまう人は複数いた。私だけでなかったのだ。ちょっと安心した。
そんな中、堂々と席を立ち、飄々とした様子で教壇に向かう人が居た。水星さんである。
クラス分けが発表されて、苗字もなく「水星」とだけ書かれた文字を見て不思議に思った人は少なからず居たようだ。先生の挨拶や皆の自己紹介が始まるまでの僅かな時間に既に噂になっていた。
その水星さんはぺこりと一礼してから、自己紹介を始めた。

「どうも。水星です。皆さんご存知、太陽系第一惑星です。地球を征服しに来ました。この教室を拠点に支配していくつもりです。ふははははーっ、我が征服計画の礎になること、光栄に思うが良い! 愚かな人類めー!」
「「「……」」」

教室中が静かになった。
先生までもが固まってしまっている。

「……ふふん、皆さん恐怖のあまり声も出せないようですね。でもご安心ください。さっきのは冗談です。征服なんてするつもりはありません。これから一年、よろしくお願いします。ふふっ、それにしても皆さん動揺しマーキュリー(しまくり)ですよ。おっと、水星ジョークがでてしまいましたね。くすくすっ」

何かツボに入ってしまったのか、肩を震わせ笑いながら自分の席に戻る水星さん。
そして言うまでもないことだが、クラスメート達は恐怖に怯えて黙ってしまったのではない。呆気にとられてしまったのである。水星さんが言ったように動揺はしていただろうが。

その後の昼休み、水星さんに話しかける者はいなかった。
かくして「変人」の称号を手に入れた彼女は、クラスで浮く存在となった。

◇◇◇

それからしばらくは、水星さんに関して特に気にするようなことはなかった。
いや、気にしてはいたけど見て見ぬふりをしていた。
彼女はクラスでは変わらず浮いていて、いつも一人だった。しかし、水星さんは特に気にしてるような様子はなかった。

463水星:2014/09/15(月) 17:02:07
私は、彼女を強い人だと思った。
私は、絶対に孤立することに耐えられないと思う。私は一人で学校生活を送っていくことなどできないと思う。
どうして彼女は平気でいられるのだろう?
その疑問の答えを、私はある日目撃することになる。

二階にある職員室に用事があった私は、その帰りに普段はなかなか通ることのない二年生の教室の前を歩いていた。
その廊下で、私は水星さんを見つけた。
誰かと談笑している。相手は二年の先輩だろうか。
その時見た水星さんは、無表情だけどどこか雰囲気が柔らかく、とても楽しんでいるように見えた。
そういえば風の噂で彼女は天文学部に入ったと聞いた。ということは、話し相手は天文学部の先輩なのだろうか。

そして、私は悟る。
――あぁ、水星さんは一人じゃなかったんだ。クラスではなく、部活に居場所があったから、平気でいられたんだ。

情報通の友達に聞いた所、天文学部は今二人だけで、水星さんが話していた相手は部長の柊先輩らしい。
それから私は、なにかしら用事をかこつけて、頻繁に二年生の教室の前を通るようになった。そこでは、水星さんと柊先輩が楽しそうに話しているのを、何度も見た。
そして、よくよく注意していると、色んな所で二人が仲良く行動しているのを見かけるようになった。
背の低い水星さんと背の高い柊先輩。無表情な前者と表情豊かな後者。対照的な二人だけど、かっちりと嵌ったようにお似合いに見えた。
そしてそんな二人を、遠くから眺めるのが私は好きだった。
きっと、二人の関係に憧れてたんだと思う。
私には、そこまで仲の良い友だちはいなかったから。
一人でいるのが嫌だから、なんとなく馴れ合っている。そんな集団が私をとりまく友人たちだった。だから休日に遊んだりしないし、仮に学校の外で会っても他人の振りをするか、軽く挨拶するだけ。そういう密度の少ない関係を続けていた。
友達は多いけど、親密度は薄い私。仲の良い人は一人しかいないけど、その一人とはとても仲が良い水星さん。
私はどっちがいいか聞かれたら、迷わず水星さんの友人関係のあり方を選ぶだろう。
でも、現状どうすることもできないから、ただ二人を眺めることしかできなかった。
その輪に入りたいと思いつつ、私は勇気を出せなかったのだ。

◇◇◇

鬼遊戯大会。
生徒会が企画した、いわば部費争奪戦とも言える格闘大会。
部活に入ってない私には他人事だと思っていた。
魔人能力も格闘技術もない私には無縁のものだと思っていた。
鬼遊戯大会の参加者名簿一覧をみるまでは。

「ぇ……」

思わず、小さく声が出た。
掲示板に貼りだされた参加者一覧。友達が皆興味本位で見に行くというので、私もついてきた。
その中に、私の憧れている水星さんの名前も含まれていた。
最近生徒会は各部活に対して厳しい扱いをしていると聞く。
天文学部は二人しかいないから、このままでは潰されてしまうのかもしれない。そう考えると鬼遊戯大会は、部活存続させる為の千載一遇のチャンスなのかもしれない。
だけど。
鬼遊戯大会は魔人達による本気の勝負だ。もしかしたら、水星さんは死んでしまうかもしれない。
私がこっそりと見ていた幸せの風景が、壊れてしまうかもしれない。
そんなのは嫌だ。
大した趣味もない私にとって、あの二人を遠くから見ることはもはや唯一の楽しみになっていた。
なんとかしたい。でも、なんともできない。
もしかしたら、水星さんに直接辞めるように伝えれば、止められるかも知れない。
けれど、私にはそんな勇気はなくて。
勇気を出せない臆病な自分を呪いながら、私は鬼遊戯大会が始まるまでの期間を不安な心持ちで過ごすことしかできなかったのだ。

【続く】

464紅炎峰コロナ:2014/09/15(月) 23:18:15
神社 千代
tps://twitter.com/nater_gamer/status/511519007715753984/photo/1

465ミケナイト:2014/09/15(月) 23:29:07
カツオ君はホリラン4のパルプが掴めなかった大器晩成の星に手が届く人間なんだ……まだ終わるな……!
というわけで、パルプの友人、恵
比原静穂さんも応援してます!
tps://twitter.com/homarine/status/511517451410878466

466カツオのひじ:2014/09/15(月) 23:52:41
好世様だよ!
tp://p.twpl.jp/show/orig/rlaaP

参加賞イラストは鋭意作成中だよ!

467村田ソフィア:2014/09/16(火) 00:43:36
カツオは蘇ることができるのか・・・
tps://twitter.com/sophiamurata7/status/511539470282133504
tps://twitter.com/sophiamurata7/status/511539727816609793
tps://twitter.com/sophiamurata7/status/511539937775075328

468ミケナイト:2014/09/16(火) 19:35:30
>>461 の続き
(=・ω・=)


「龍の攻撃で最も恐ろしいのはドラゴンブレスだ。直撃を受ければ三発で君は倒れるだろう」
レトナイトさんは、金色の兜の奥に深刻な表情を覗かせながら言った。

「逆に言えば、二発までなら耐えられるだろうってこと。被弾を恐れずスコップを叩き込む。多分それが一番勝率が高い」
そう述べながらも、銀の兜に隠されたハスナイト先輩の目は不安げだった。

「ありがとうございます。全力で行きます。そして、必ずや龍を打ち倒して見せます!」


(=・ω・=)


燃え盛る龍の吐息がミケナイトの全身を焼き焦がす。
至近距離での直撃。常人なら即死であったろう。
しかし、魔法エンハンスされた猫耳兜とだぶだぶサーコートの内側に保持されたエーテル層がミケナイトを守った!
お互いの被弾は二撃ずつ。次のラウンドで先制権勝負だ!

ブレスに炙られながら着地したミケナイトはすぐさま旋回を開始する。
全身にまとわりつく残り火を振り払いながらジャッジメント投擲用意!
一方、龍もブレス終了後ただちに追撃にかかる。
牙を剥いて地上のミケナイト目掛けて突進!

「っりゃあああーっ!」

ミケナイトが一瞬早い!
手から放たれた斬馬大円匙は一直線に飛び、龍の眉間に深々と突き刺さる!

「グギャアアアアーッ!」

龍は苦悶の叫び声を上げる。
体勢を崩し、その長い首が、地響きを上げてミケナイトのすぐ脇に倒れた。
彼は、龍族としてはまだ若い個体だったが、それでも齢百歳を越えている。
その龍の、永い時を見つめてきた大きな瞳が静かに閉じられた。
眉間に突き刺さったスコップの付け根から、龍の鼓動にあわせ大量の血がだくだくと溢れだしている。

「やった……私は狩ったにゃ……。人間として……ミケナイトが龍をたおしたんだ……」

安堵の笑みを浮かべて、ミケナイトはその場にへたりこむ。
これできっと、戻って来てくれるはず。
そう思うと、胸の中が暖かい気持ちで一杯に満たされた。

ブウンッ!

背後で何か巨大なものが振るわれる音。
振り向く間も無く全身に衝撃を受け、弾き飛ばされるミケナイト。
これは……尻尾? 巨大な尻尾。
回転しながら吹き飛び、地面で二度バウンドして仰向けに倒れる。
龍が。ゆっくりと。鎌首を持ち上げた。

「そんな……まだ動けるなんて……!」

ミケナイトの中の人は愕然とした。
三ターンで決まるはずだった。
戦闘シミュレータの致命的な実装ミス……大気弾の威力が攻撃力×2+5だと思い込んでいたのだ!

メタ視点さておき、瀕死のダメージを受けたミケナイトは動けない。
ダメだにゃー。おじいちゃんにおそわったとーり、エモノにはきっちりトドメささなきゃー。
ミケナイトの脳裡に響く、獣性の囁き。
ざわり。全身の毛が逆立つ。獣人化の兆候……!

(つづく)

469神社 千代:2014/09/16(火) 19:45:32
pic.twitter.com/1d3Ph2oCAE
ミケナイト!

470弾正院:2014/09/16(火) 20:56:06
モヒカンのカツオは描いてなかったので
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=46018944

471弾正院:2014/09/16(火) 21:09:27
レオナも
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=46019238

472紅炎峰コロナ:2014/09/16(火) 22:00:54
人業遣い
tps://twitter.com/nater_gamer/status/511861543525294080/photo/1

473水星:2014/09/16(火) 23:35:13
水星と柊先輩と新入部員と。【中編】

鬼遊戯大会一日目。
水星さんはミケナイトさんに挑んで敗北した。
負けてしまったのは残念だったけど、生き延びたことにほっとした。

二日目。
水星さんは一勝一敗だった。
今回もなんとか生き残れたみたいだ。戦闘の一挙一動に喜び、嘆き、心の奥底から水星さんを応援する自分がいた。

三日目。
プールでの水着大会。
恐れていたことが起きてしまった。水星さんは、死んでしまった。
死亡判定が下り、力なく膝をつく柊先輩の姿は、見ていてとても痛々しかった。
柊先輩が負ったショックには到底届かないだろうけど、私もぽっかりと心に大きな穴が開いてしまったかのようだった。

どうしたらいいのだろう。
残された柊先輩に対して、何かしてあげたかった。
でも、こんな私が何をしてあげられるだろうのか。悩み、迷い、考え抜いた。
そして、私は決意した。
ここが正念場だ。勇気の使い所だ。
今まで楽しみを与えてくれたお礼に、最大限自分にできることをしよう。

◇◇◇

私は、空き教室の前に居た。正確には、天文学部の部室として使われている教室である。
ここに来るまでの廊下で何度も立ち止まった。今も足が震えている。それでも、勇気を振り絞るんだ。
一度、深呼吸をする。多少、気持ちが落ち着いた気がする。
一歩踏み出して、ドアをノックする。

「どうぞー」
「……失礼します」

私は今、柊先輩の目の前にいる。女性としては高い身長のはずの柊先輩は、あまり大きく見えなかった。何か抜け落ちてしまったかのようで、地に足がついていないような印象を受けた。
それでも、いいやだからこそ、私が少しでも助けにならないといけないと思った。

「あの、入部したいんですけど……」

私の決意とは、天文学部に入部すること。
水星さんは、部員を集める為に鬼遊戯大会に参加したのだ。少しでも人気を得て、部員を増やすために。
今の所、新しい部員は入っていないようだった。ならば私が、二人に魅せられた第一人者として入部しようと思った。新しく部員が入ることで、一人になってしまった柊先輩を喜ばせられれば良いな、と。側にいることで、少しでも柊先輩の寂しさを埋めることができればいいな、と。
無論、それだけの理由で入ることにしたのではない。そんな慰めの為だけに入部されても迷惑だろう。水星さんと柊先輩が欲していたのは、一緒に楽しく天体観測できる部員だ。元々、私は一度天文学部に入部しようとして躓いている。最初天文学部に入部しようとしたのは、勿論天体観測が好きだからである。今でもその気持は変わっていない。

「一年生かな? はじめまして。私は部長の柊美星です」
「えとぉ……はじめまして、一条千冬と言います。その、私水星さんに憧れて……」
「……あぁ、なるほど。主に活動してるのは私しかいないけど、それでもいいかな?」
「は、はい……」
緊張して、声が裏返ってしまった。恥ずかしい。
「さっきも言った通り、部員がとにかくいなくてね。一人でも入ってくれると助かるよ。天体観測とか好きなの?」
「はい!」
これは、元気に答えられた。普段おどおどしている私でも、自分が大好きな物に関してはこうしてはっきり答えられる。
「そっか。それは良かった。じゃあ入部届けを見せてもらえる?」
「あ、はい」
鞄から入部届けを出し、提出する。
こうして、私は天文学部の一員となったのだ。

474水星:2014/09/16(火) 23:35:29
◇◇◇

入部届けを出してから、しばらく話をした。
最初は、思ったよりも気丈に話すなぁ、と思った。大切な人を失った直後にしては、自分を律して平静を保っていると思った。

――でも、違った。
彼女は平静ではなかった。話してみて分かった。
彼女は、壊れていた。

柊先輩は水星さんが死んだことを受け入れてなかった。現実から逃避し、水星さんは生きてるものだと思い込んでいた。
私は、悲しかった。憧れの人がこんなことになっているなんて。
柊先輩の今の様子を知ったら、水星さんは悲しむだろう。
だから。
私は、現実を受け入れて欲しかった。その一心で訴えた。

「あの……先輩、聞いて下さい。水星さんは、死んだんです」
なるべく真摯な気持ちを込めて、先輩の顔を見る。
「水星が、死んだ……?」
「先輩その場にいたでしょう……? 確かに水星さんは死亡判定が下ったんです」
「そんなことない! 水星は、今私の部屋で寝てるだけで生きてる!」
その言葉に私は戦慄する。まさか……
「え? 先輩の部屋に今居るのですか? それって死体を……」
「死体じゃない! 水星は、私の水星は! 生きてるの!」
柊先輩は、ヒステリック気味に叫んだ。
私は怖くなった。一歩、知らずと後ずさっていた。
「ぁの……違います。水星さんは死んだんですよ、現実を見ましょうよ……」
「死んでない――!!」
ビクッと私の身体が震えた。
駄目だ。どうしたらいいか分からない。頭の中がパニックになっている。
ごめんなさい、水星さん。私には、柊先輩を正気に戻すことは出来ないみたいだ。
「ごめんなさい……私、私出直してきます……!」
逃げるように、扉を開け放って、私は部屋を出て行った。
悔しかった。柊先輩の、水星さんの力に成れなかった。少しでも支えになるようにと入部したはずなのに。
私は、役立たずだ。
涙が一滴、頬を伝った。

【続く】

475カツオのひじ:2014/09/16(火) 23:53:15
〜たつのよカツオ!起きよミラクルキャンペーン参加賞シリーズ〜

しづきん!
tp://p.twpl.jp/show/orig/ySl6M
もじくん!
tp://p.twpl.jp/show/orig/JGBJy
だんしょいん!
tp://p.twpl.jp/show/orig/fCZy8
みないん!
tp://p.twpl.jp/show/orig/vM2qD

キャンペーン参加者はまだまだ募集中だぞ!
君も「おやぁ〜?友情の証を手に入れたらカツオに使っちゃいそうな気がするなァ〜。ン?ン?」という姿勢を見せながら応援をしよう!

476真野来人:2014/09/17(水) 00:00:11
来人と八方の反省会 〜前半戦〜

真野来人「さて、HLCも残り4ターン。そろそろ俺達も反省会でもしておくか。」
真野八方「折角水星ちゃん達が書きやすいフォーマット作ってくれたんだ。便乗しなきゃ損だぜ!」
真「ま、そういう事だな。ちなみに相方のこいつは会話の相手が居ないから、急遽呼び出された真野八方だ。」
真「おう!俺の事が詳しく知りたければHLCより前に行われたキャンペーン、HL3を見てくれ。世界4位だぞ!」
真「多分俺よりも全然弱いと思うけどな。」
真「うるせえ大気弾食らわせるぞ。」

真「さて、それじゃ早速やって行くか。まずは第1ターンからだな。」
真「って言ってもなあ。別に反省するところ無いんじゃねえの、これ。」
真「ああ、3連勝してるしな。時間ももったいないし、次に行くか。」

真「そんじゃ、次。第2ターンだな。」
真「ここも特に反省点は無いな。」
真「無傷で二連勝。成長もいい。順調だな。」
真「ああ。時間ももったいないし、次に行くか。」

真「そんじゃ、次。第3ターンだな。」
真「ここも特に反省点は無いな。」
真「無傷で二連勝。一人は格上だ。FSも上がったし順調だな。」
真「ああ。時間ももったいないし、次に行くか。」

真「そんじゃ、次。第4ターンだな。」
真「ここも特に反省点は無いな。」
真「無傷で二連勝。一人は役員だ。FSも上がったし順調だな。」
真「ああ。時間ももったいないし、次に行くか。」

真「そんじゃ、次。第5ターンだな。」
真「ここも特に反省点は無いな。」
真「無傷で二連勝。一人は役員だ。成長は悪いが、順調だな。」
真「ああ。時間ももったいないし、次に行くか。」

真「お、これで全部終わったかな。」
真「今まで特に反省点は無いな。」
真「無傷で一位。下との差もある。体力は低いが、順調だな。」
真「よし、それじゃ反省会はこれで終わり。後半戦もがんばりたいところだ。」
真「ああ、実際俺も途中まで一位だったのが後半失速したからな。油断すんなよ!」

477紅炎峰コロナ:2014/09/17(水) 01:05:25
月読七菜
tps://twitter.com/nater_gamer/status/511908525182693377/photo/1

478雨竜院暈哉:2014/09/17(水) 02:41:53
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4316730
自キャラSS

479ミケナイト:2014/09/17(水) 19:06:23
>>468 のつづき

龍の口元で赤い焔が燻っている。
ドラゴンブレスの前兆……次に喰らえば間違いなくもう立ち上がれない。
かるにゃん! ドラゴンを
かるにゃん!
内なる獣が騒ぐ。
そうじゃない、私は人間として……。
人間として勝てるのか?
獣の力を解放せずに、動くことができるのか?
ダメージは重篤。ドラゴンブレス発動まで残された時間は僅か。

「がんばれミケナイト!」

誰かの声がした。
一人じゃない、何人もいる。
重い首を回し、声の方を見やる。

「がんばって! あなたならできるO(≧∇≦)O」
水着パーティ防衛戦を共に戦ったレオナさん!

「君の戦いはしっかり撮ってるぞー!」
委員長に要注意と言われた気がしたけど別にそんなことはなかった弾正院さん!

「立てよ。それともテメェはその程度の奴ってことか?」
私が目標とする強い人、野球帽さん!

「思いっきりやれ! 後には最強の俺が控えてるから心配要らないぜ!」
名簿を見て魚だと思ってたけど普通に人間だったカツオさん!

「龍退治を俺に見せてくれ!」
傘部の背が高い、えーとえーと、雨で始まる名前の人!

私が龍に挑むと聞いて、こんなに多くの人が応援に駆けつけてくれた!
獣化現象が止まり、獣の力が内在化する。
みんなが私の戦いを見てくれる。私が人間だって証になってくれる。
体内を子猫が駆け巡る。満ち溢れるパワー!

……でも、足りない。
ここには、絶対に居て欲しい大親友が、居ない。

ミケナイトは素早く身を起こし、体を丸めて一瞬の溜めを作ってから大地を蹴った。
今まさにブレスを吐かんとしている龍の頭部目指して一直線に跳躍。

魅羽は、自分を止めようとした大親友を殴り飛ばしてしまった。
人間として許されざるルール違反。獣の所業。
あれ以来、タマ太は魅羽の前から姿を消した。

龍が大きく口を開く。
無数の牙。赤い舌。喉の奥に燃える焔。
だが、ドラゴンブレスが放たれるよりも速く。
ミケナイトの爪が龍の鼻面を捉えた。

だから魅羽は、人間として龍を倒さなければならない。
獣の力を御することができる証として。
タマ太が安心して戻って来られるように。

鼻面を掴んだ手を軸に前方に半回転。
狙いは額に突き刺さったままのスコップ。
スコップの柄に全力の蹴りを叩き込む。
刃が龍の脳まで届くように。
体の中を巡る獣の力を全部ぜんぶのせて。人間として。タマ太のために。

龍の額から大量の鮮血が噴出し、その巨体が傾いて行く。
口元から吐きかけの炎をこぼしながら、倒れる。
地響きと血の混じった土埃。
ミケナイトも猫捻りする余裕すらなく肩から地面に落ちた。

龍の角を手で掴み、よじ登るように身を起こすミケナイト。
龍は動かない。
額に刺さった血塗れの斬馬大円匙をぐいと引き抜く。
大きく深い傷からどろりと脳漿があふれた。
百年を生きた猛き龍は、遂に力尽きたのだ。
ドラゴンスレイヤー!

(『ミケナイトのドラゴンハント!』おわり)

480雨竜院暈哉:2014/09/17(水) 20:19:46
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46034811
カツオ

481とてもつらい:2014/09/17(水) 21:17:24
カツオ
tp://0006.x0.to/oo/gif/horirannkatuoinu.png
tp://0006.x0.to/oo/gif/inunokatuo2.png
tp://0006.x0.to/oo/gif/inunokatunotataki.png
レオナ
tp://0006.x0.to/oo/gif/inunoreona.png
好世様
tp://0006.x0.to/oo/gif/inunojosikousei.png

482水星:2014/09/17(水) 21:33:35
水星と柊先輩と新入部員と。【後編】

翌日早朝、私は再び天文学部の教室の前にいた。
柊先輩は、毎日授業が無い時はこの教室か、廊下で過ごしていると言っていた。
きっと、水星さんと共にこれらの場所で過ごしていたのだろう。でも今は……
ぐっと手を握りしめる。水星さんは今いないのだから、私が代わりに支えなければならない。
私は今、昨日のプールでのビデオを持っている。友達に無理を言って、貸してもらった。
水星さんが死ぬ瞬間がここに収められている。このビデオを見せればもしかしたら現実を見てくれるかもしれないと、一縷の望みを持ったのだ。辛いかもしれないが、正気に戻してあげた方が先輩のためだとおもうから。

ノックをして、扉を開ける。
「……失礼します」
そこで私が見たものは――

「あの、先輩あまりくっつかないで下さいよ。ろくに作戦会議が出来ないじゃないですか」
「えー、いいじゃーん」

やたら身体を密着させようとする柊先輩と、それを引き離そうとする水星さんだった。
「へ? え……? 水星さん?」
なぜ、水星さんがいるのだろうか。彼女は間違いなく死んだはずでは……そしてなんだろう、この拍子抜けするようなほんわかした空気は。
「あ、千冬ちゃんこんにちはー」
「ん?お知り合いです?」
「ほら、この間言ったじゃん。新入部員の一条千冬ちゃん」
「あぁ、なるほど」
呆然とする私の前に、水星さんは歩み寄ってきた。
「えーと、確かクラスメイトですよね? 一条さん」
「ぁ、はい……」
「入部してくれてありがとうございます。歓迎しますよ。よろしくお願いします」
そう言って、手を差し出してくる水星さん。
「こ、こちらこそお願いします!」
それに応じて、握手をする私。いや、そうじゃなくて……!
「あの、水星さん一体どうしてここに……? 確か、その、死んだはずでは……?」
私は、水星さんが生きていると言い張る柊先輩を説得するためにここに来たはずだ。でも、その水星さんが生きて目の前にいる。これでは、私のほうがおかしかったみたいではないか。
「はい、一時は確かに死にましたよ。けど、この通り。私は今、生きてます」
「え? それって蘇ったってことですか?」
「そうなりますね。まぁ、どうして蘇れたのかということに関しては私もよく分かってないので、聞かれても困るんですけど。あはは、信じられないって思うかもしれませんね」
そう口にして、苦笑する水星さん。私は一瞬、何かの夢を見ているのではないかと思った。けれど、思い出す。この世界は様々な能力を持つ魔人が居る世界だ。生徒会の埴井鋸さんは金さえ払えば一瞬で怪我を治癒してくれる。同じように、死だって覆せる魔人もいるのではないだろうか。
未だ納得できない気持ちもあるが、ここはひとまず水星さんが生き返ったという事実を受け入れるべきなのではないかと思った。

「いえ、信じます! その……水星さんが死んだ時はショックでした。憧れの人だったので。でも、こうして生きて会えて光栄です!」
「え? 私が憧れ、ですか?」
「へぇー、物好きが居たものね」

483水星:2014/09/17(水) 21:33:54
「えと、水星さんというか柊先輩にも憧れていたというか……柊先輩と水星さんの二人の関係に憧れてて……」
「ふむ。そんな憧れるような関係でしたかね、先輩?」
「特別な関係じゃない! 同棲だってしてるんだもの」
「へ!? お、お二方、同棲してるんですか? 」
「まぁ……成り行きでそんな感じになっちゃいましたね」 
「わっ、わわわ! えと、じゃあ今お邪魔でしたかね? いや、間違いなくお邪魔でしたよね! 私が入ってきた時もなにやらお楽しみの最中だったみたいですし!」
「ちょ、ちょっと待って下さい。勝手に先輩がひっついてきただけで特にそういうのじゃないです」
踵を返して出ていこうとしたが、水星さんに腕を捕まえられてあえなく離脱は失敗した。
「ほんとに誤解しないでくださいよ。私達付き合ってるとかじゃないですからね」
「ほ、ホントにですか?」
「ホントに本当です。一条さん、思い込みが激しいみたいですね。やたらベッタリしてくるようになった先輩といい、苦労しそうです。……何やら急に子供が二人できた気分です」
「も、もしかして柊先輩のお子を身篭って……!?」
「ッ!? な、何言ってるんですか。物の例えですよ。それに私達は女同士です! 早速思い込みの激しさを見せてくれますね……とりあえず落ち着いて下さい。一条さんにはお礼をしなければならないのですから」
「お礼、ですか?」
「昨日、先輩を正気に戻そうとしてくれたらしいですね。ありがとうございます。柊先輩のことを思って行動してくれる同志に出会えて私は嬉しいです」
「あ、あれは……水星さんがその場に居たら絶対正気に戻すよう行動するだろうと思って。でも、結局力には成れませんでした……」
「いえ、行動を起こしてくれたこと自体に感謝してるのですよ。勇気ある行動だと思いますよ。私は、その勇気を讃えます」
水星さんは爽やかな笑顔で言った。思わず顔が熱くなるのを感じた。臆病な私が、勇気を持ったことで感謝される日がくるとは思っても居なかった。
そして、なんと返答しようか戸惑っていると、後ろから柊先輩が覆いかぶさってきた。
「ひゃっ!?」
「千冬ちゃんって小動物チックだよねー。可愛い〜」
腕を回され、頭をがしがし撫でられる。
「わっわっ、えと、あの……」
「先輩、一条さん困ってますよ。離れてあげてください」
「ちぇー」
柊先輩は、渋々といった様子で開放してくれた。
「すみませんね。なんだか先輩、正気に戻ったはいいものの抱きつき癖が発症してしまったようで」
「そ、そうなんですか……」
「あ、それで今後の活動なんですけど、鬼遊戯大会が終わるまではちょっと天体観測できなさそうなんですよね……」
「いや、全然構いませんよ! むしろ鬼遊戯大会に専念してくださいっ! 私、応援してますから!」
「ありがとうございます。せっかく入ってくれたのに申し訳ありません」
「私は、お二人と関われるだけでも幸せです……!」
「ふふ、慕ってくれる人がいるというのは、嬉しいものですね。おっと、もうこんな時間ですか。そろそろ移動を開始しないと」
「あ、鬼遊戯大会ですね! 頑張ってください!」
「どうも。応援、よろしくお願いしますね」
「はい!」
「じゃあ千冬ちゃんは私と一緒に応援席の方にいこうか」
「はーい!」
柊先輩に手を引かれ、移動し始める。私は今、憧れの人と関われて本当に幸せだ。
この二人の行く末を見守っていきたい。願わくば、水星さんが生き残れますように。そして、三人で天体観測をするのだ。
それはきっと、今以上に幸せなことだと思うから。
私は浮かれた足取りで、応援席へと向かった。

【END】

484カツオのひじ:2014/09/18(木) 02:22:52
〜たつのよカツオ!起きよミラクルキャンペーン参加賞シリーズ〜

ライちゃん!
tp://p.twpl.jp/show/orig/1KQaa
水星ちゃん!
tp://p.twpl.jp/show/orig/9Q9tw
ありさちゃん!
tp://p.twpl.jp/show/orig/A9mnw

キャンペーン参加者はまだまだ募集中だぞ!
君も「フッフゥ〜ン!友情の証が手に入った暁には、ほれ!カツオクゥ〜ン。これが欲しいのかね。どうしようかなァ〜。しかたあるまいなァ〜?」という姿勢を見せながら応援をしよう!

485紅炎峰コロナ:2014/09/18(木) 19:05:46
紅炎峰コロナ
tps://twitter.com/nater_gamer/status/512542787498029056/photo/1

486ミケナイト:2014/09/18(木) 19:57:53
「勝負だドラゴンスレイヤァーッ!」
「やめましょう!? だって野球帽さん、レオナさんとの戦いで両足が折れてまともに歩くこともできないのに!」
「クハハッ、聞こえねぇなぁー。お互い瀕死なことか? だからいいんだよ! 一撃勝負、受けてもらうぜぇーっ!」
「聴覚も失ってる……! やるしかないっ!」
「確認させてもらうぜ! プールで『砕月』を避けかけたのはマグレだったのかどうかをな!」
野球帽は四つん這いの体勢から腕と膝の力で野獣の
如く跳んだ。
ミケナイトの首を右手で掴み、右足を左手で刈る!
疲労のためか。野球帽の技の切れが以前よりも増していたためか。ミケナイトは避けられない!
後頭部に衝撃! 意識喪失!
そして……野球帽の身体の下敷きになったミケナイトの右足は、異常な方向に折れ曲がっていた。
『砕月・赤滅』。この骨折は、野球帽がミケナイトのことをまぎれもない強者であると認めた証である。


『事後のドラゴンスレイヤー』


窓の外が明るい。もうお昼を過ぎてるかもしれない。
魅羽は寮の自室で深い眠りから目覚め、ベッドから起き上がった。
(昨日の戦いは激しかったもんなぁ……)
寝坊したのは無理もない。
魅羽は激戦を回想し、嬉しそうに頬を赤く染めながら下着と部屋着を身に付けた。

壁に立て掛けてある愛用の武器を見て、魅羽は違和感を覚える。
スコップに、チェーンが取り付けられている。
龍と戦う前に、セント・バーナイト君が取り付けてくれたものだ。
もちろん知っている。でもなんだろう、この違和感は。
説明しようのない不安に、魅羽は頭の上に手をやり、自らの猫耳をふにふにと触って気持ちを落ち着けた。

「……ねえ、かもめちゃん」

予告もなしに昨夜遊びに来てそのまま部屋に泊まり込み、好き放題した疲れでまだ眠りこけている友人を揺り起こす。

「……ああ、ミケ姉様。もう朝ですのね」
「むしろ昼だよ。あのさ、私の武器のスコップ、なんて名前か知ってるよね?」
「当たり前ですわ。屠龍大円匙(とりゅうだいえんし)。変なことをお聞きになりますのね?」
「うん……でも、斬馬大円匙って名前じゃなかったっけ?」
「うふふ、私の愛を試しているのですね。龍を退治した記念に改名したとおっしゃったの、ちゃあんと覚えてますわ」
「ん、よくできました」

魅羽は、かもめのことを抱き締めて頭を撫でた。
ひんやりとした肌が気持ちいい。
たぶん、気のせいだろう。
世界も、可愛いかもめちゃんも昨日とおんなじだ。

――実は、気のせいではない。
世界は既に改変されている。
ドラゴンスレイヤーとなったことで、ミケナイトの未来は変化したのだ。

遅い朝食のトーストと豆乳をお腹に収めると、魅羽はベランダに出て青い空を見上げた。
馬肥ゆる秋晴れのよい天気。
魅羽は唇に指を二本あて、口笛を吹いた。
すると、馬術部の馬小屋からミケナイトの愛馬が駆けつけ、ベランダの外の空中に止まった。

ミケナイトの愛馬は、空を飛ぶ巨大な馬だ。
額に大きな傷があり、見るからに獰猛な面構えだが魅羽の言うことはよく聞く賢い馬である。
オリエンタル・ドラゴンという珍しい品種の馬で、名前を“龍”と言う。

「今日はいい天気なので、温泉にでも行こう!」
「まあ素敵ですわ! 私、城崎に行ってみたいと思ってましたの!」
「かに王国かぁ……日帰りで行けるかな?」
「ギャオオオーン!(大丈夫! 行けるぜ!)」

馬が力強くいななきました。
そして二人は龍の背にのって旅立ちました。

魅羽とかもめはとってもなかよし。
いつも二人でお散歩するの。
遠出の時は愛馬に乗って、地の果てまでもひとっ飛び!

タマ太はどうしたのかって?
もちろんタマ太も一緒です。
いつでもタマ太は、魅羽の胸の中に。
永遠に、一緒です。

(ミケナイト暫定エピローグ、おわり)

487弾正院:2014/09/18(木) 20:40:02
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=46034964
既に見てる人がたくさんいるらしいミケナイトイラスト

488紅炎峰コロナ:2014/09/18(木) 22:58:53
仮面超役員・剣嵐・極
tps://twitter.com/nater_gamer/status/512601508093767680/photo/1

489薬袋 品:2014/09/19(金) 01:05:31
神社千代
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46057790

490ミケナイト:2014/09/19(金) 19:07:13
>>487
わーい! すごく可愛い!
漫画肉やったー!
お食事風景の絵は大好きなので、描いてもらえてスッゴク嬉しいです!

491紅炎峰コロナ:2014/09/19(金) 19:54:47
ビンセント・タークハイツ
tps://twitter.com/nater_gamer/status/512917554126282753/photo/1

492紅炎峰コロナ:2014/09/20(土) 10:01:05
カツオ
tps://twitter.com/nater_gamer/status/513130414546763776/photo/1

493村田ソフィア:2014/09/21(日) 05:59:47
夜更かしして描いたカツオとミケナイトとカツオです
tp://drawr.net/show.php?id=5945475
tps://twitter.com/sophiamurata7/status/513428955634757632
tps://twitter.com/sophiamurata7/status/513429959843385344

494村田ソフィア:2014/09/22(月) 03:17:09
tps://twitter.com/sophiamurata7/status/513752913005400064/photo/1

495ミケナイト:2014/09/22(月) 19:14:19
ミケナイトの後ろ髪について。
本当は描き忘れてただけです。
tps://twitter.com/homarine/status/513567558415290369

ミケナイトこと猫岸魅羽と、流血少女1968の猫岸舞さんを並べてみた。
tps://twitter.com/homarine/status/513458183277256704

496月見輝海:2014/09/22(月) 22:03:52
「*!」
*****************************************。
「*、*、*、***?!」
********************。*********************。
****!******!!***************!?
「***************?**********************?
***、*****。***************!
***************************************************************************!」
*********************!
*******、***********。
***、*************!!
「ω!」
**〜〜〜〜**〜〜〜〜、***************。
「ω、ωωωωωω*!*****ωωωωωω****!?」
「*****、*、********!ωωω********!
***************!**!****!!」
*********************************。
***********、
ωωω、ωωωω
**********************************!
「******、****?****************。
******。*****。*********!」
**********************!

***、***************。
*****************。
*****。******。*****。
********************!……***。



(無修正版)

「*!」
月見輝海の目に飛び込んできたのは四つん這いで裸の尻をこちらに向ける一太郎の姿だった。
「な、な、な、何をぅ?!」
輝海は男性とお付き合いをしたことすらない。まして男性の*を見るなど当然初めてのことだ。
ショック!大変ショック!!いったいぜんたい何が起きたのだ!?
「ナニってあんた保健委員なんだろ?試合が終わったら治療してくれるって言っただろ?
なあ俺、痔なんだよ。治してくれよ助けてくれよ頼むよ!
あんたも恥ずかしいかもしれないけど俺も恥ずかしいんだよこれ治療なんだよ恥ずかしいことじゃないんだよこれやましいことじゃないんだよ変態とかじゃないんだよ!」
そういって尻を広げ*を見せ付けてくる一太郎!
あわわあわわわ、泡を食って後じさる輝海。
その時、ぼろんとまろび出るものあり!!
「ω!」
ひぃ〜〜〜〜やぁ〜〜〜〜、情けない悲鳴をあげて転げる輝海。
「お、おいなりさんが!毛の生えたおいなりさんがぁぁぁ!?」
「おっと悪い、俺、変態じゃないから!そっち見せる気ないから!
俺が見せたいのはこっちだからさ!ほら!ほらほら!!」
そういって転がった輝海の上まで這ってくると目の前まで*を寄せてくる。
だがそんなことをすれば、
ペタリ、ペタリン
顔に張り付くおぞましい感触に輝海は死に物狂いで一太郎の下から這い出す!
「待ってくれよ、何でだよ?ただ*を治して欲しいだけなんだよ。
助けてくれよ。お願いだよ。ほらほらほらほらぁ!」
目一杯に尻を割り広げ後ずさって迫りくる一太郎!

その後、何があったか詳細は伏せておこう。
だが輝海の名誉のために記しておこう。
痔は治った。輝海は治した。治したのだ。
最初で最後の応急手当で男の痔を治したのだ!……可哀相。

497紅炎峰コロナ:2014/09/22(月) 23:42:04
多味倫太郎
tps://twitter.com/nater_gamer/status/514061871624638464/photo/1

498多味倫太郎:2014/09/23(火) 01:11:54
『脱衣指南書 悶の章』より抜粋

※悶の章、猥の章、妄の章(失伝)などが存在。
 作者不詳。流浪の脱衣者が後世のチラリズム格闘の隆盛を願い著したと言われる。
 脱衣者は聖人として諸国を渡り、庶民に教えを説いて回った。

【序文】
バトルシーンのアクセントとしての脱衣は女性である以上欠かすことのできない
重要な要素であり、真剣な戦いの中、その一部のみを見え隠れさせる下着は
戦闘者が一面においては一人の女性である事を否応無く読者に印象づけるものです。
それを気にして恥ずかしがるも良し、下着を気にする余裕すらない状況で見せたまま戦うも良し。

日常における脱衣シーンと戦闘中との差は明確であり、命をかけて集中すべき
シチュエーションの中での脱衣であるという点が最も大きいポイントとなる。
勝つために前を向く事と一人の女性としての羞恥、その狭間で心が揺れ動けばそれは
心のエロスを生み出し、逆に一切気にしないのであれば剥かれた肌はただ晒されるままとなり
身体のエロスを生み出す。どちらに転んでも美味しい脱衣の世界。
基礎から学べば何も怖くありません。順を追って身につけてゆきましょう。

【下準備編】
脱衣に貴賎はなくいずれも尊いものではありますが、効率的な脱衣のためには
準備が不可欠となります。例えば服選び。
戦闘のためには動きやすい服装を選びがちですが、脱衣界においては平服も尊重されるという
点は覚えておくべきでしょう。本来戦闘する服装でないからこその趣きというものはあります。
そもそも戦闘とは本来非常時に行われるもの。あなたは敵襲にあったその時、常に
道着や防具を身につけておけるでしょうか?

また、相手の攻撃力が高くない場合は鎧などの固いものは避けておくのがベターでしょう。
あなたが女騎士であったとしても、アーマーは肩、肘、膝、脛当てくらいまでに抑えるべきです。
なお反応の高いあなたは「相手の攻撃を回避してしまったら脱衣効率が下がるのでは?」と
心配されるかもしれませんが、脱衣の起こる攻撃はクリティカルヒットといい、
相手の極度の集中によって必ず命中しますので問題ありません。
脱衣への渇望はステータスの壁を越えます。

【実践編】
実際の戦闘においては、脱衣すべき部分はガードを開き、逆に脱衣すべきでない部分は
徹底して守る事を心がけてください。脱衣にガードは不要という誤解をよく見かけますが、
情緒ある脱衣には調整が不可欠です。考えを改めてください。

例えば序盤はソデやスカートの裾が破ける程度にしておくと良いでしょう。
いきなり乳房から出すという手法も世の中には存在しますが、あまりに即物的で下品なため
お勧めはしません。脱衣は結果ではなくプロセスだという事を肝に銘じてください。

こと、時系列に沿ったパンチラ密度はデリケートな問題です。一例としては
序盤は0.1ptr/sec(10秒に1パンチラ)程度の密度で様子を見つつ、
徐々に密度を上げ、ピンチが最高潮に達する場面では3ptr/secに達する大サービスが求められます。
ここは本人だけでなくカメラワークも重要になりますので、完璧な連携を心がけましょう。


★続きは応援ポイントでお買い求めください。(10P、ダイス36〜40)

499村田ソフィア:2014/09/23(火) 01:26:07
かつお
tps://twitter.com/sophiamurata7/status/514086028726923264/photo/1

500レオナ:2014/09/24(水) 23:41:19
レオナ(女王様)覚醒!!
※元ネタは爆裂ハンター
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46168714

501薬袋品:2014/09/25(木) 01:01:56
空手部モヒカン
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46170978

502神社 千代:2014/09/25(木) 21:26:05
pic.twitter.com/60DobnXyHI
薬袋品さん!

503ミケナイト:2014/09/26(金) 23:38:33
『最速に挑む者』

購買部でのアイテム交換を終え、追加の武器を入手して御機嫌のミケナイト。
しかし、その帰り道に出会ってしまった。
戦ってはいけない相手のひとり、ビンセント・タークハイツに。
不運な怪我が重なってランキング下位に甘んじているが、ビンセントの打撃力は最強クラスのである。
その必殺技「不在票投函」は、龍ですら撃破に三撃を要するミケナイトの耐久力を二撃で突破する超破壊力だ。
同じ屋外体育系陣営でもあり、できるなら避けたい相手だ。

でも。
ミケナイトの心の中で、野球帽さんがわらう。
「大義のためなら恥を棄てて逃げ回るのも立派な騎士道だぜ」と。
それも、ひとつの騎士道ではあるだろう。
でも、今は逃げるべき時じゃない!
ミケナイトは意を決して名乗りを上げた。

「宅急部のビンセント様とおみうけします。我が名は猫耳の騎士ミケナイト。尋常に勝負していただきたく!」

ビンセントにとっても、ミケナイトは戦いたくない相手だった。
馬術は最速競技のひとつであるだけではない。
宅配においても、機械動力を使わぬ条件ならば馬術こそが最速の高速系宅配術なのだ。
だが、徒歩戦闘のミケナイトならば話は別だ。
(馬さえなければ、俺の方が確実に速い!)
規格外の速さを持つ真野に苦渋を嘗めさせられ続けて尚、ビンセントは己の速さに自負があった。

「宅急部、ビンセント・タークハイツ! ドラコンスレイヤーを狩らせてもらう!」

名乗りを終えた次の瞬間には、ビンセントの拳がミケナイトの腹部にめり込んでいた。神速!
だが、龍と互角以上に殴りあったミケナイトがこの程度で沈むわけがないことは、ビンセントも重々承知だ。
ビンセントは即座に反撃に備える。

「狩るにゃん……」
ミケナイトの周囲にレイノルズ数制御を受けた非定常な狩るにゃん渦が広がるのをビンセントは感じた。
必殺技が来る!
「ドラギ……」
今だ! ビンセントは龍殺しの特大スコップを避けようとせず、逆に踏み込んだ!
斬撃スイングにパワーが乗り切るよりも前のタイミングで敢えて喰らう!
「にゃっ!?」
ミケナイトがバランスを崩してよろける!
ビンセントは短く息を吐きながら、渾身の神速拳をミケナイトのボディに叩き込む!
「ぶにゃごぶぉーっ!!」
キリモミ嘔吐しながら吹っ飛ぶ猫耳の騎士!

504ミケナイト:2014/09/26(金) 23:40:07
地面で一度バウンドし、なおも回転しながら吹っ飛んでいくミケナイト!
勝負あったか!?
いや違う! ビンセントを見る狩猟者の目を見よ!
この回転は攻撃の予備動作だ!

「ジャッジメントーっ!」
回転力を乗せた屠龍大円匙が高速で射出されビンセントに突き刺さる!
ミケナイトは大円匙に取り付けた鎖を引いて武器を回収する!

(ぐ……カウンターも乗らない大気弾でこの威力……なんて馬鹿げた破壊力だ……。だがこれはチャンス!)
武器をキャッチしてから攻撃モーションに移るまでの隙に、ビンセントの速さならばミケナイトに接近して一撃を与えることができる。
全選手中最強クラスの破壊力を誇る必殺技、不在票投函を受ければ流石の騎士もそれで終わりだ。
だが。ビンセントは、ミケナイトの攻撃力を怖れた。
“不在票”はその破壊力と引き換えに、自らのダメージも甚大なハイリスク必殺技である。
もし万が一、ミケナイトが不在票を回避してカウンター攻撃をしてきたら、俺の身体はどうなってしまうのか……。
(編注:(27*2+5)*1.5*2=177点。必殺技が三回転すれば更に+30で200オーバー。相手は死ぬ)
ビンセントの選択は、三度目の神速攻撃だった。
そこで、勝負は決まった。

馬術は、最速競技のひとつである。
三連休にミケナイトがこなした特訓は、龍対策だけではなかった。
大気弾「ジャッジメント」も、回避困難三連撃の「ヴォルテックス」を「ドラギニャッツォ」に強化したのも、“最速”に挑むためである。
ミケナイトは、ゴールデン・レトナイトの恐るべき高速騎馬突撃「ゴールデンラッシュ」を見切る特訓を繰り返した。
それに比べれば。
猫の高い動体視力をもってすれば。
ビンセントの神速攻撃は、まるでコマ送りのようにゆっくりと見えた。

見えることと対処できることは別なので、実際2度もモロに食らってしまったが、同じ技が三度目ならば。
ミケナイトは冷静に、屠龍大円匙の柄でビンセントの拳を受け止めた。
防御に成功しもビンセントの攻撃は重く響くが、ダメージの半分は身を捻って後ろに受け流す。
「狩る……」
勢いを殺さず全力で回転。
ビンセントの破壊力を活かし、ミケナイト自身の膂力を更に上乗せする。
「にゃん……」
渦巻く狩るにゃん非定常ヴォルテックス!
体勢を崩したビンセントは、先程のような防御行動は取れない!
「ドラギニャッツォーっ!」
一回転して勢いを付けた防御からのカウンター必殺スコップ斬撃がうなる!
ビンセントは体勢を崩しながらも右足を上げて脛で防御を試みる!
屠龍大円匙はビンセントの脛骨と腓骨をへし折りながら振り抜かれる!
殺人スイングを受けたビンセントは5メートルほど宙を舞い購買部の陳列棚に撃突、撒き散らされた文房具の中で動かなくなった。

ビンセントは、決して弱い選手ではなく、普通の意味では遅い訳でもない。
だが、“最速”の真野来人や、それに次ぐ速さの一太郎を仮想敵として特訓をしたミケナイトに神速攻撃で挑むには、あまりにも遅すぎた。

ミケナイトは、購買部前で行われているもうひとつの試合を。
いままさに、ミケナイトとランキング同額3位の蟹田正継が力尽きたところだった。
倒したのはランキング2位、審判部の一太郎!

「よーし、絶対に狩るにゃん!」

ミケナイトは屠龍大円匙に、猫耳兜でぐわんと一発頭突きをぶっつけた。
そして、狩るにゃんフィールドを全力で展開!
スピード違反を許さない、ミケナイトの強い意思が一太郎を捉えた……!

(『最速に挑む者』おわり。次回に続く)

505ミケナイト:2014/09/26(金) 23:48:32
>>504 誤記訂正

×ミケナイトは、購買部前で行われているもうひとつの試合を。

○沸き上がる喝采の声を耳にして、ミケナイトは購買部前で行われているもうひとつの試合の方を見やる。

506水星:2014/09/27(土) 01:24:26
「二度目の死」

水星は、死んでしまった。

死んでしまった。

噛みしめるように何度その言葉を反芻しても、実感が湧いてこない。
それでも、私はその事実を否定しない。
狂ってしまえたら、どれだけ楽だろうと思う。
それでも、私は狂ったりしない。
現実から否定したって、狂ってしまったって、水星を悲しませるだけだと学んだから。

私は、ここで挫けない。
私は、私にできることをやる。

それこそが、水星への弔いになるのだから。

【END】

507水星:2014/09/27(土) 01:57:06
冥王星の暗躍。

「……まさか、あんなアイテムがあるなんて!」

暗い部屋で、鈍い打撃音がした。拳を壁に打ち付けた音だ。
希望崎の制服に身を包んだ少女がそこに立っていた。
彼女の名は、冥王星。険しい顔で虚空を睨んでいる

「……気持ちは分かるけど、そう荒れるのはよくないと思うな」

隣に立っている少年は、諌めるように、しかし優しい声で冥王星に声を掛けた。
少年の名は、カロン。冥王星の衛星であり、常に彼女を支えてきた無二の存在だ。

「一旦落ち着こうか、冥王星ちゃん。状況を整理しよう」
「……うん、ありがとカロン。そうだね、事の始まりから整理していこうか」
「まず、僕達はある計画の為に、水星ちゃんを鬼遊戯大会に参加させた」
「そう、計画の一端として、彼女を殺すためにね」
「そして目論見通り彼女は三日目の試合中に命を落とした。ここまでは良かったんだけどね」
「けれど、四日目に彼女は蘇っていた」
「『友情の証』というアイテムによって蘇ったらしいね。まさか死者を蘇らせるアイテムがあるとは流石に驚いたね」
「そう、あのアイテムさえなければ『今回の』目標は達成できたというのに」
「でも、『たられば』に囚われて物事を考えるべきではない。普通の人間からしたら気の遠くなるような時間を過ごしてきた僕たちは、経験上わかっていることだろう?」
「そうだね。私達は計画の為、前へ進むしかない」
「となれば、どうする? 鬼遊戯大会の日程はそう残りがあるわけではないね」
「試合中に彼女が死ぬのを待つ、というのが本来の方針だった。けど、そんなのを待ってたら生き延びてしまうかもしれない」
「――ということは?」
「私達で、なにかしら手を加える必要がありそうね」
「そうだね。そしてこういう時、狙うべきは相手の弱点だ」
「弱点ね……水星が今同棲している相手の二年生の子。彼女を狙うべき……?」
「うーん、どうだろう。彼女は一度壊れてしまったようだけど、今は正常に戻っている。却って盤石になっていると見るべきじゃないかな」
「……つまり何が言いたいの、カロン? 貴方は優しいけれど、時々迂遠な話し方になるのが悪い癖よ」
「それはすまないね。率直に言おう――狙うべきは、最近天文学部に入部した『あの子』だよ」

◇◇◇

「ひぐっ……えぐっ……やめて、ください……」
「悪いね。僕も女性を傷つけたくはないんだけど、冥王星ちゃんの為とあらば、ね」
「ちょっと。それじゃ私が悪いみたいじゃない」
「ここまでしといて自分が悪いと思ってないのかい? それは流石に無自覚にも程があるよ」
「まぁ、そうね。私は外道に落ちても目的を達成する覚悟を決めたんだった。認めるわ、全部私が悪いの。だからそこの子、千冬といったっけ? あまりカロンを責めないでね。カロンは私の為に行動してるだけだから」

少女は冥王星の方を向いて怯えるように、そして同時に敵意を僅かに示すような表情で口を開いた。

「こんな、ことして……何になるんですか……」
「さてね、貴方には関係ない話よ。それよりカロン、ちゃんと痣がバレないように殴ってるよね? 水星にバレたら計画は頓挫しちゃう」
「勿論、そこはちゃんと考えてるよ」
「水星、さん……? 貴方達、水星さんに何かしようとしてるんですか……?」
「私達がするんじゃなくて、貴方にしてもらうの。貴方が協力してくれるようになるまで、この暴行は止まらないから」
「そ、んな…… でも、私は屈しませ、ぅぐっ!!」
「協力してくれると約束してくれれば、すぐ終わるんだけどねぇ」
「この調子じゃあ時間がかかりそうね。まぁ、夜はまだまだ明けないわ。じっくり待ちましょう、カロン」
「そうだね、冥王星ちゃん」

夜は更ける。まるで準惑星の薄暗い野望で塗りつぶされていくかのように。

【END】

508水星:2014/09/27(土) 23:09:51
柊先輩の反省会〜6ターン目終了後〜

柊「はい! 今回も反省会やります! まぁ、一人だけど」
柊「水星は死んじゃったからね……うん……」
柊「……」
柊「いや、私が塞ぎこんでちゃだめだね。私は私に出来ることをする。そう決めたんだから!」
柊「え? 反省会したって水星はいないんだから意味ないって? そんなことはないと思います。今回の行動を振り返ることで、何か見えてくるものがあるかもしれないからね。」
柊「というわけで、今回の反省会行きます!」
柊「今回は行動をじっくり考えて決める前に、決闘を申し込んだ時点でちょっと失敗だったね。成長した薬袋さんからのリベンジを受けてみたいという理由で、薬袋さんに決闘を申し込みました。勿論、それだけの理由ではありません。勝率が高いと踏んだからこそ、申し込んだのです」
柊「でも、成長イベントを舐めてたね。アレによって、薬袋さんの精神は上がっていて、以前のようにMP切れを起こす危険性が減ってきていたこと。そして幾多の戦闘を経験したことによって反応が上昇したこと。これらの要因によって、思っていたより勝率が高くないことに気づきました」
柊「私達は悩みました。今まで通りの投げ4必殺2では厳しい。回避されて終わってしまう。そこで思いついたのが、神速4必殺2のダイス構成。これなら高い防御確率によって、被ダメを軽減し、勝率が上がるのではないかと。実際模擬戦をやってみたところ、勝率が高く、残りHPの平均も高くなりました。それでもまだ、薬袋さんの回避率の高さがネックでした」
柊「そこでようやく、他の技ダイスの可能性に思い至りました。そう、気弾です。 意外とMP高くなってたんだよね、水星。なのでそのMPを生かしてなので気弾積みの可能性について考え始めました」
柊「気弾積みにすることでほとんど勝てる確率まで上がりました。しかし、そこでまた悩みがでてきた。確かに一戦目は気弾を積むことで勝てる可能性は格段に上昇する。けれど連戦の時はどうするの?ってね。連戦は間違いなく狩られる。一回戦後はMPも相当減ってるだろうしね。でも連戦はしたい。だから、神速4必殺2の構成と気弾全積みの構成の間で悩みました」
柊「そこで折衷案が生まれたよ。気合を一個積むのはどうだろうかと。気合を積むことで一回戦時の勝率を犠牲に、連戦で勝てる可能性が僅かに上がる。そこに賭けることにしました。そしてそれと同時に方針が決まりました。2戦目は転校生を狙うことにしよう。狙えなくても気合を積んでるから、もしかしたらプレイヤーを倒せるかもしれない。そう思いました。」
柊「でも、今考えるとこれは間違いだった気もします。結果的に勝敗が決する場面で気合を引かなかったから良かったものの、一戦目の勝利を重点的に考えるならば気合を積む必要はなかったのではないかな、と今になって反省しています。ここは考えが足りなかったです」
柊「さて、行動提出前の話が長くなりましたが、実際の戦闘結果等の話について移りましょうか。まず驚いたのが、真野さんの乱入ですね! 驚いたと言ってる時点で分かるように、私達は想定してなかったのです。蟹田さんに乱入されたこともあったというのに……ここは反省点としか言い様がないね。真野さんの反応の高さからいって、かなり厳しいところだけど何らかの形で乱入を防げたとしたら水星は死んでなかったかもしれないからね。想定してたのと想定外だったのではかなり違うと思います」

509水星:2014/09/27(土) 23:11:13
柊「真野さんとの戦いは、気弾積みが刺さっているものの、分が悪い勝負でした。それでも、勝ち目はあったので私達は結果をドキドキしながら見守ってた。そしたらなんとね! 勝ってましたね! これは嬉しかったです。真野さんの必殺技を回避してからのカウンター気弾!」
柊「いやぁ、反応8ともなると回避率が侮れないレベルになってくるね。反応は全部成長で伸びたものだから、今までの実戦経験が活かされたわけです! これはちょっと熱い展開だと思うな。そして成長もFS! 待ち望んでいたFS成長。これで良いスキルが取れるってもんですよ。まぁ、スキル取ろうにも水星は死んじゃった訳だけどね……」
柊「さて、今度は連戦時のマッチングについてだね。結果から先に言うと、2戦目は待機だったね。理想は神社さんと当たりたかった所だけど……まぁ、待機になってるわけで。これに関しては、どのような処理が行われたか分からないからなんとも言えないけど、生徒会役員しか指定してなかったからかな? それとも指定が多かったかな? いずれにしても反省材料です」
柊「ちなみに生徒会役員を狙ったのは先述したようにプレイヤー相手の連戦はきついダイス配置だと思ったからです。役員の中でヴェイテリオさんと剣嵐さんを指定したのはその二人が特に掲示板でクエストが発生していなかったからです。もっとも、この二人は別のところに行ってしまったけどね。って、あ! 行動提出だと『ヴェイテリオ』さんが『ヴァイテリオ』さんになってる……ごめんなさい……」
柊「そして二戦目、志筑さんがHPが有り余った状態で水星と戦ったわけです。まぁ、勝ち目はほとんどないって思ってましたけどね。それにしてもまさか死んでしまうとは……8%って怖いですね。でも怪我については切断を負っていたので、鼻血を治すという選択肢があったかというとそんなことはなかったと思いますね」
柊「さて、こんなところです。待ち合わせ掲示板で水星の死を悼む声がいくつか挙がっているようですね。ありがとうございます。では、ここで締めることに致します。読んで頂き、ありがとうございました」

【END】

510ミケナイト:2014/09/28(日) 05:57:12
卒羽が死亡したと勘違いして書いたSSですが、
魔法の国(城崎かに王国?)に帰ってしまったとも読めるのでやっぱり投稿だ。


【バレット・レイン、アイ・ミス・ユー】

雨。蒸し暑い空気をじっとりと地上に塗り込めるような、陰鬱な雨。
あの人は、もう、帰ってこない。
あの人と話していると、つまらない現実を忘れることができた。でも、もう二度と逢えない。
雨。忌々しい雨。この雨が、あの人が放った弾幕だったらいいのに。1

父親が引き起こした事故によって故郷の町に居られなくなった矢達メアは、
東京の親族に身を寄せ、妃芽薗学園の中等部に編入した。
故郷を失い、友人を失い、メアの心は荒んでいた。つまらない現実に失望していた。そして、雨が大嫌いだった。2

現実を見限ったメアの心は、物語の中に逃げ込んだ。
もともと読書好きだったこともあり、胸躍る架空世界に耽溺し、現実への興味を失っていった。
だが、図書委員となったメアは、巨大な妃芽薗図書館の中で、夢見花卒羽と出逢った。3

夢見花卒羽と書いて「どりみっか・どりみ」と読む。
高等部の図書委員である卒羽は、日本人ではなく、地球人ですらなく、異世界からの留学生で、魔法少女であった。
なんという非日常的存在! 現実に倦んでいたメアは、卒羽に興味を持ち、親しくなった。4

卒羽は魔法少女能力として、特定の“本”に入り込む力を持っていた。
彼女が語る“本の世界”の旅は、メアにとって理想郷そのものだった。
四丁トカレフ触手拳を振るう卒羽の冒険譚に憧れ、いつかメアは自分もそんな経験をしてみたいという思いを強くした。5

……だが、夢見花卒羽はもういない。
所属していたサバイバルゲーム部の活動で希望崎学園に出向いていた卒羽は、
部活動同士が潰しあう“連合間紛争”に巻き込まれ、妃芽薗に帰ってくることはなかった。
メアは思った。やはり現実世界はつまらない、と。6

卒羽の夢「いつか素敵な触手と出逢って仲良くなりたい」は叶ったろうか。
多分、叶っていないだろう。卒羽が捲る“本の世界”の続きをメアが聞くことも、もうないだろう。
そう。現実はつまらないのだ。
夢が叶うとは限らず、人生という物語は理不尽な展開を許容し、伏線は放置される。7

雨。降り続く雨。あの人はもういない。
四丁トカレフから弾幕の雨を降らせる夢見花卒羽は、遠くに行ってしまった。
メアが独り見つめる図書室の窓の外で降り続けるのは、ただただ憎いだけの雨。
悪臭を放つ、雨竜院金雨の穢れたる雨。8

メアは現実への失望を更に深め、つまらない日常から抜け出す冒険への渇望はますます強まった。
矢達メアが運命と出逢い、その人生が鮮やかな色彩を取り戻すのは、まだ少し先のことである。
いまはただ、去っていった卒羽のことを想い涙するメアだった。9

(【バレット・レイン、アイ・ミス・ユー】おわり。「ダンゲロス流血少女3」に続く)

511紅炎峰コロナ:2014/09/28(日) 12:41:08
ドラゴンスレイヤーミケナイト
tps://twitter.com/nater_gamer/status/516069713412374529/photo/1

512多味倫太郎:2014/09/28(日) 21:42:19
見た目もスペックも怪しすぎる御来光滝
tp://0006.x0.to/oo/gif/kurayami_t.png

>>462のワンシーン(水星ちゃん)
tp://0006.x0.to/oo/gif/suisei_t.png

水着女王の貫禄
tp://0006.x0.to/oo/gif/asina_t.png

めごちゃんと戦ったらこうなると思う
tp://0006.x0.to/oo/gif/megochan_t.png

513ルフトライテル:2014/09/28(日) 23:50:21
御来光滝 暗闇
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46243264

514門司秀次:2014/09/29(月) 00:37:20
多味 倫太郎
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46244957

515雨竜院暈哉:2014/09/29(月) 00:52:49
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46245159
多味倫太郎

516水星:2014/09/29(月) 21:24:55
「一条千冬の罪」

私は、弱い。
私は、愚かだ。
私は、勇気の使い道を間違ってしまった。

私は、憧れの人を殺めてしまった。

だから、私は――――

◇◇◇

「ぅ……ぐ……」

もはや泣ける気力すら残っていない。
執拗に腹部を狙った蹴撃。下校時に脇道から現れた人影になんらかの薬品を嗅がされ、気がついた時にはこの暴行が始まっていた。
この暴力の嵐を止める条件は、暴力を振るっている男とそれを指示する女の二人との協力を受け入れることだという。こんな手を使ってまで協力を得たいと思う輩の企みなど碌なものではないはず。だから、私は最初拒絶した。次の瞬間、返答代わりに襲ってきたのはより鋭い蹴り。
繰り返される暴行に、私は次第に気力を保つことができなくなり、そして――

「分かりました……協力します」

私はあの時、悪魔に魂を売ってしまった。
悪魔はニヤリと笑う。その瞬間攻撃はぴたりと止まった。
よくぞ受け入れてくれたと心から歓迎するように拍手すら交えて、その悪魔は私に囁いた。
「水星を殺しなさい。どんな手を使ってもいい。その代わり、必ず殺すこと」
「水星さんを……? そんな、無理ですよ! 彼女は鬼遊戯大会に出るほどの実力なんですよ? 殺そうと思って殺せる相手じゃないです!」
「そうね。私のパンチを持ってしても殺せない。でも、これを使えばあなたならできるんじゃない?」
投げ渡されたのは、ガラス製の小瓶だ。中には透明な液体が入っている。
「これは……?」
「毒よ。半日たってようやく効いてくる遅効性の毒。即効性はないけど、却って足がつきにくくなって都合が良いんじゃない? 試合中に死んだとなれば、対戦相手のせいにも出来るしね」
「……分かりました」
ここで嫌だと言ってもまた暴力を振るわれるだけだ。ここは柔順に従う振りをして……と、その思考を読むかのように、女は絶望を叩きつけてきた。
「あぁ、この場をとりあえずやり過ごして水星を殺さないとか戯けたことは考えないように。期限は明後日。それまでに殺せなかったら、それなりの制裁は加えさせて貰うわ。水星は『準惑星』と『惑星』という絶対的な格の違いがあるから殺せないけど、一般人ならいくらでも殺せるの。そしてあなたの住所は既に把握済み。この意味、分かるわよね?」
「……ぁ……お父さん、お母さん……」
「理解してもらえたようで何より。あ、勿論誰かにこの事を話すのも無しよ? んじゃ、よろしくね」
手をひらひらと振って、女は立ち去る。男もそれに続くように去っていった。

残った私は身体を震わせて、しばらく動くことができなかった。

◇◇◇

翌日の早朝の作戦会議。
私達は天文学部の部室を作戦会議の場と決めていた。
入部届を出す前と同等の、いやそれ以上重い足取りで私は部室の前にようやく辿り着いた。
ここで、踏み出さなければ水星さんを殺さなくて済む。でも、家族が死んでしまう。どちらにせよ、私の大事な人は死んでしまうのだ。問題は、そのどちらかが大事かということ。それは昨日解放されてから、ずっと考えていたことだ。
そして私は、一歩踏み出す。扉に触れる。
そう、私は決意した。水星さんを殺すことで家族を守る。ただ憧れている”だけ“の人と家族では自分の中での重みが違う。やはり家族は大事なのだ。

517水星:2014/09/29(月) 21:25:41
この選択をするはずだと、あの悪魔のような女は分かっていたのだろう。だから、家族を引き合いに出したのだろう。悔しいが、あの女の判断は正しい。現に私は水星さんを殺そうとこの場に立っているのだから。

私は悲壮な覚悟を腕に込めて、扉を開けた。

「あ、おはよう千冬ちゃん」
「おはようございます。一条さん」
「……おはようございます」
まさか私が水星さんを殺そうとしているなんて、思いもよらないのだろう。柊先輩と水星さんは私を暖かく迎えてくれた。
「あれ、千冬ちゃん寝不足かな? 隈ができてるよ」
「あはは、昨日ちょっと夜更かしをしてしまいまして……」
本当は、怖くて眠れなかったのだ。この手で人を殺すことになるのがあまりに怖くて。
「もー。夜更かしはお肌の天敵だよ? 千冬ちゃん可愛いんだからそこらへん気をつけなよー」
そう言って、柊先輩は私の頬をむにむにと触ってくる。先輩も、水星さんも、私を受け入れてくれてる。そう実感するだけに今からやろうとしていることが恐ろしくて堪らない。私は今からこの平和な日常を壊してしまうのだ。
「水星さん、柊先輩、差し入れのりんごジュースです」
声が震えてしまうのをなんとか抑えながら、鞄から2つペットボトルを取り出す。
「わぁ、これ自家製?」
「はい。えと、親戚がりんご農家やってて大量に送られてくるんで、それをミキサーにかけて作りました」
「おー、ありがとうございます。これを糧に今日の試合頑張りますね」
「はい! 頑張ってください!」
我ながらよくもこんな白々しい台詞が吐けるな、と思う。水星さんに渡したペットボトルの中には、例の毒が入っている。
「早速飲んでみてもいいですか?」
「あ、はい。勿論、いいですよ!」
今飲んでもらえれば、丁度お昼すぎに毒が回ってくる。試合中に死ぬ形になるので、罪を試合の対戦相手になすりつけることが出来る。
水星さんはペットボトルに口をつけ、ごくりと飲んだ。

――あぁ、これで水星さんの死が確定してしまった。

即効性はないのだから、特に異変は生じないはずだが、なんとなく気になってしまって水星さんの方を見た。
「……ふむ」
水星さんは一口飲んでから、少し考えるように顎に手を当てていた。
「? ど、どうしましたか水星さん。美味しくなかったです?」
もしや、気づかれてしまったのだろうか。そう思って、動揺が言葉に表れてしまった。
「……なるほど。なるほど。いえ、美味しかったですよ。ありがとうございます」
何かを納得したように、二度頷いてからこちらを向いてお礼を言った。その不審な行動に少し疑問を持ったが、それについて考える暇もなく後ろから柊先輩が抱きついてきた。
「わっ!」
「うん、美味しかったよ! ありがとうね千冬ちゃん」
頭をわしわしと撫でられる。何も良いことなどしてないのに褒められて、罪悪感が湧きでた。いますぐこの場で泣きながら謝りたい衝動に駆られる。でも、それは許されない。誰かに話したら家族が殺されてしまう。
そんな複雑な思いを懐く表情を単に柊先輩の抱きつきに困ってると解釈したのか、水星さんが言う。
「こらこら、一条さんが困ってるじゃないですか先輩。そろそろ作戦会議の方始めましょうよ」
「はいはーい。千冬ちゃんも何か意見があったらどんどん言ってね」
「はいっ!」
先輩が椅子を引いてくれたので、私はそこに座る。

そして、作戦会議が始まった。

518水星:2014/09/29(月) 21:26:41
◇◇◇

「んー、そろそろ試合の準備しないとだね。大体纏まったし、ここらで作戦会議は終了としますかー」
柊先輩が、伸びをしながらそう言った。
「そうですね。では私は体育館の方に行きますので、先輩と一条さんは見学席の方へ、よろしくお願いします」
「うん、今日も頑張ってね! 応援してるから!」
「私も応援してます! 頑張ってください!」
「ありがとうございます。では」
言って、水星さんは歩き去ろうとする。私と水星さんがすれ違う形になる。

その刹那――ぽんと肩に手を置かれ、去り際に小声で囁かれた。

「……気に病む必要はありませんよ。一条さんは、悪くありません」
「え……?」

その言葉の真意を問いただそうとしたが、水星さんはすたすたと足早に去って行ってしまった。
まさか、気付かれていた……?
気付いた上で、総てを理解した上で、私を許すような言葉を残した……?
私は愕然とした。この場で糾弾されていた方がまだマシだっただろう。罪を懺悔することだってできた。けれど、私は許された。この罪悪感をどうしたら良い……?
無性に泣きたい気分になった。
その思いが表情に出てしまったのだろうか、柊先輩が心配そうに覗きこんでいた。
「どうしたの? 水星ならきっと大丈夫だよ。また活躍してくれるよ」
「あぁ、いえ。すみません。ちょっとお腹痛いのでトイレ行ってきていいですか? ……見学席には先に行っててもらって構いません」
「大丈夫? 無理せずゆっくりしていていいからね。千冬ちゃんがいない間は二人分応援しててあげるから」
「はい、ありがとうございます。では」
そのまま私は、走ってその場を立ち去った。
そして私は――――

【END】

519紅炎峰コロナ:2014/09/29(月) 21:54:57
ブラウザゲーム KARATEBU
tp://app.ninpou.jp/KARATEBU/

名探偵・晩田院巫弥をマウスで操作して、下っ端空手部員の攻撃を回避するんだ!
5回接触するとゲームオーバー!
モヒカン空手部は攻撃力が2倍だから要注意!

※JavaScript・HTML5対応ブラウザで閲覧してください。

520水星:2014/09/29(月) 22:57:15
「#イラストの話題から始めて雑談の暴走を見守る」
※この会話は水星が二度目の死を迎える前に収録されたものです

水星「はい、始まりました。新企画です」
柊先輩「お、またなんかよく分からないことを考えついたのね?」
水「ツイッターで『〇〇から始まる予測変換の暴走を見守る』ってタグがありましてですね。ケータイ等の予測変換が予測するままに任せて、どんなおかしな予測変換がでるかというのを楽しむっていうタグなんですけど。これを模倣して、ある話題から始まる私達の雑談が進むのを読者の方々に見守ってもらうという企画です」
柊「なるほど。このまま対談形式でひたすら雑談してくってわけね。でもこれってファッキュー形式と似通ってない?」
水「……まぁ、元々ファッキュー形式と同じく『この二人の会話をひたすら書きたい!』という中の人の願望を達成する為に企画されたものですからね。正直な所、質問があってそれによって会話が区切られているか、ひたすらあてもなく雑談するかの違いしかないですね。『新企画思いついた!』ってはしゃいでる中の人の鼻をへし折ってやりたいです」
柊「それで、今回はどんな話題から雑談スタートするの?」
水「それはですね、中の人がこのSS的サムシングを書こうとするモチベに繋がったとある一枚のイラストについての話題です」
柊「あぁ、アレね」
水「そう、アレです。では、始めていきましょう」

◇◇◇

水「今回の話題となるイラストは、じゃーん、こちら! >tp://p.twpl.jp/show/orig/9Q9tw」
柊「応援スレ>>484の『カツオのひじ』さんが描いてくれたイラストだね」
水「本当に本当に素晴らしいイラストをありがとうございます。中の人も私達も大変喜んでます」
柊「凄いよねー! 綺麗だよね―!」
水「はい、綺麗です。柊先輩の満面の笑みとか良いですね」
柊「水星の表情もね! 良いよね!」
水「……」
柊「……」
水「『綺麗』とか『良い』とかしかでてこない辺り、私達の語彙力の無さが露呈してますね」
柊「うん、それは私も思った。語彙力ってどうやったら伸ばせるんだろうね?」
水「んー、多様な表現に触れる……つまり本を読んでみる、とかですかね?」
柊「あ、私結構読んでるよ!」
水「ほう。主にどんなの読むんですか? あまり本とか読んでる印象ないんですが」
柊「天文学の雑誌とかー」
水「……それ、特定の専門用語しか増えませんよね」
柊「あとは、ケータイ小説とか?」
水「それもあまり語彙力増えませんよね、偏見ですけど」
柊「あぁ、うん。確かに語彙力増えない気がする。といっても水星だってそんな語彙力上がるようなもん読んでないでしょ?」
水「ふふん、主に漫画しか読んでませんからね。えっへん」
柊「いや、そこ威張れるところじゃないから」
水「こういう時威張っとくと、なんだか得した気分になれるのでオススメですよ」
柊「……人生楽しそうね、あんた」
水「人生を楽しむ為にわざわざ地球に来たんですからね。そこはエンジョイしないと」
柊「惑星として宇宙に居る時は楽しい事とかないの?」
水「んー、人間で言うところの、ぼーっと物思いに耽っているような感じ……? 宇宙なんて起こることのほとんどが予定調和みたいなものですから。まぁ、有り体に言って、何も面白いことは起きないですね」
柊「へぇー。なんだか夢のない話ね」
水「じゃあ夢のある話をしましょう。例えば、悪戯好きの姉がひょっこり現れないかなー、とか」
柊「そ、そう…… ていうかお姉さん的存在いなかったっけ?」
水「あぁ、木星姉さんですね。んー、でも、彼女は確かに優しくていい人、いや良い惑星なんですけどね。私は悪戯好きのちょっとSっ気のある姉が欲しいんですよね。悪戯に巻き込まれて、ニヤニヤされたい」
柊「お、おう…… それは果たしてどのマンガやゲームの影響なんだい?」
水「あ、バレました?」
柊「うん、バレバレ」
水「まぁ、そうですね。姉が欲しくなるような漫画を読んだ影響です」

521水星:2014/09/29(月) 22:57:41
柊「ほんっと影響されやすいのね。あ、というか姉的存在なら私がいるじゃない!」
水「えー? 先輩は、あんまり姉って感じしませんよ。年上って感じがしませんもの」
柊「それは一体どういう意味かな……? 答えようによってはおねーさん怒るぞ?」
水「あ、それですそれ。自分で『おねーさん』とか行っちゃう辺り、無理してお姉さんぶってるキャラみたいです。もうちょっと身の丈にあった行動をしましょうよ」
柊「おおう、なかなかきついことを言うねお嬢さん」
水「元々毒舌系キャラが設計思想でしたからね。たまにはそれらしいこと言ってみたくもなりますよ」
柊「あぁ、そんなコンセプトもあったっけ。なんか中の人、設定を活かしきれてないよね」
水「ですね。神出鬼没な設定も雨竜院さんとのSSぐらいでしか使ってませんし、戦闘時には熱くなる設定もそもそも戦闘SSほとんど書きませんし。ていうかSS、ほとんど私達の会話とかばっかりじゃないですか」
柊「まぁ、逆に私達の会話だけでここまでネタがあったというかSS書けたのはちょっと凄いことなんじゃない? とフォロー入れてみたり」
水「そうですかね? 他人と絡ませて沢山書いてる人の方が凄いと思いますけどね」
柊「そりゃそうだねー。他人のキャラ扱うのって神経使うもんね」
水「ですね。そういう点で上手いと思うのはやはりミケナイトさんの中の人ですかね」
柊「あぁ、あの人は凄いよね。他人のキャラや過去キャラもうまく合わせて書けてる感じ」
水「まぁ、ちょっと話題が中の人の話になってしまって、こういうのがあまり好きではない読者さんも居ると思いますので、別の話題に移りましょうか」
柊「そうだね。えーと、私がお姉さんぽくないっていう話題してたんだっけ?」
水「そうですね。年上って感じは一応するんですけど姉って感じではないですね」
柊「年上に関しても『一応』ってレベルなんだ……」
水「先輩結構抜けてる所ありますからね」
柊「えー? 例えばどんなところ?」
水「んー、咄嗟に思いつけと言われると……あ、そうだ。この間寝坊して、遅刻してましたよね」
柊「あ、うん…… でも寝坊ぐらい誰だってするでしょ―」
水「そうですけど……うーん、如何にも凡人ぽいっていうかですね。年上ってやっぱり憧れの対象になるというか、しっかりしてるイメージがどうしても付き纏うじゃないですか」
柊「う……まぁ、自分でもしっかりしてるとは思えないけど」
水「でもまぁ、部長らしさというか、面倒見が良いところはあると思うんで、そこら辺で年上っぽさはあるかなって感じですね」
柊「ふっふーん。なんたって、変人呼ばわりされてる水星の面倒見れるくらいだからね」
水「あ、威張ると得した気になるってさっき言いましたけど、これやられた側はちょっとイラッとしますね」
柊「ウザさを分かってもらえたようで何より」
水「ふむ、まぁ辞めるつもりはありませんけどね」
柊「辞めないの!?」
水「やってる方としては気分いいですからね。ふふん」
柊「そ、そう……まぁ、いいけど。しかし抜けてるところがある、かぁ。もうちょっとしっかりしないとなのかな」
水「いえ、先輩はそのままで良いと思いますよ。先輩の凡人らしいとこ、好きですし」
柊「そう? やったー。って、いや、これ褒められてるのかなぁ?」
水「凡人らしさってある種の人には得難いものですよ」
柊「ある種の人って、例えば水星とか?」
水「私は名前だけで周りから変わってると思われますからね」
柊「いや、その飄々とした態度とかも凡人離れしてると思うなぁ。あ、あとセンスは確実に逸脱してる」
水「逸脱……ですか? そんな馬鹿な。アレですね、あのキュートな宇宙人さんが気に入らないとかまたいうんでしょう」
柊「凡人代表として言わせてもらおう。アレを選ぶセンスはどう考えてもおかしい」
水「む。なんなら、その魅力を語りましょうか? 小一時間は語れる自信ありますよ」
柊「やめて。いやマジで」
水「ほ、本気で嫌がられるとは……」
柊「そりゃあねぇ……あんた逸脱スキルとった方がいいんじゃない?」
水「え? でも逸脱スキルもってる人はその道の猛者ばかりですよ」
柊「あー、うん……そうだね。確かにあの人達と肩を並べるほどではないか……?」
水「ですよですよ。それに私に対する変人扱いなんて、せいぜい体育の時間に二人組で余る程度です」
柊「それ割りとぼっち感あるよね!? 先輩、ちょっと水星のことが心配だよ……」
水「私には先輩がいるからいいんです」
柊「そう? それなら良い……いや、良いのか? 問題は解決してない気がするぞ! 耳触りの良い台詞に流されるとこだった!」

522水星:2014/09/29(月) 22:58:00
水「ちっ。そう簡単には流せませんでしたか」
柊「いや、水星自身の問題だからね? 私が同じクラスだったらいつでも側に居てあげられるけど、そもそも学年違うからなぁ。クラスに馴染む努力とかした方がいいんじゃない? 青春送りたいならクラスメートの友達増やすのが手っ取り早いと思うんだけど」
水「その馴染む努力ってのは、自己を無理に抑えて周りと同調することではないですか? そんな窮屈な思いしたくないです」
柊「えー? 自分を抑えなくても友達はできると思うんだけどなぁ」
水「自分を抑えなくても仲良くしてくれる存在が、私にとっては先輩だけなんですよ。それにそもそも私は先輩以外に仲の良い人は特に欲してないんで。この議論は多分ずっと平行線のまま前進することはないと思いますよ」
柊「んー、嬉しいような、悲しいような、複雑な気分……」
水「あぁ、でも最近一条さんには声かけられることが多いですね。彼女とはそれなりに仲良く出来そうな気がします」
柊「最近天文学部に入った、水星と同じクラスの一条千冬ちゃん?」
水「なんだかやけに説明臭い台詞ですね……」
柊「千冬ちゃんはSSに出て間がないからね! 一応読者さんに配慮しようというわけよ」
水「なるほど。ただ、彼女が属するグループの人からは未だ距離を置かれてる気がするので、一緒に行動するのは難しい気がしますけどね」
柊「あぁ、水星と仲良くしたいけど、仲の良いグループとも行動したくて板挟みになっておろおろする千冬ちゃんの姿が目に浮かぶわ……」
水「彼女、なかなか引っ込み思案ですからね。そこが可愛いとは思うんですけど」
柊「そだね。そういえば千冬ちゃん今日はいないのかな?」
水「確かに見かけませんね。どうしたのでしょう」
柊「何か危ないことに巻き込まれてないといいんだけど……」
水「鬼遊戯大会の期間であるせいか、最近学園内の雰囲気が殺伐としてますからね……先輩も気をつけてくださいよ」
柊「心配ご無用! 大体ずっと一緒に行動してるじゃん。学校の登下校も一緒だし」
水「そうだった……同棲してるんでした」
柊「なんで私と同棲してるって言う時に、いつも遠い目をするの?」
水「え? いや、同性と同棲ですよ? なんかこう、アブノーマル感あるじゃないですか」
柊「寮でルームメイトと二人で同じ部屋に住んでる子いるよ? 別に特殊なことないじゃん」
水「あの、そのルームメイトさん達は片方がやたらべったり腕くんできたりしちゃいます? 片方がお風呂に入ってるところにもう片方が突入して抱きついてきたりします?」
柊「えー? してもおかしくないじゃない? 女子同士だし」
水「んー、いや、してもおかしくないかもしれませんが、普通はしないと思います……」
柊「ってことは私達は普通じゃない特別な関係ってことだね!」
水「現状は、確かにそう認めざるを得ませんね。でも私は普通の先輩後輩の関係がいいです……いや、好かれるのは全然構わないんですが……うーん……」
柊「何が不満なのさー。常に仲良く話せる人が側にいるってよくない?」
水「私はあんまりべったりとした関係好ましいとは思ってないんですよね。人にはそろぞれ適切な距離を保つことが必要というか……天体だって基本は適切な軌道をなぞってお互いぶつからないようにしてるんですよ? とまぁ、そう思っていたんですけど先輩とのべったりは案外悪くはないんじゃないかな、と思う自分もいて、うーん……なんでしょうね。この複雑な気持ち」
柊「恋じゃない?」
水「それはないですね」
柊「あ、随分ときっぱり切り捨てやがった。そういや水星浮いた話とか聞かないけど、なんかそういうのないの? 青春といえば恋愛でしょ!」
水「んー、恋愛しなきゃ青春じゃない、みたいな恋愛至上主義は唾棄すべきものだと思いますけどね。恋愛しなくたって青春を謳歌する人はいくらでもいると思いますよ」
柊「ふむ。それは一理あるかも。まぁ、それはそうと、どうなの?」
水「私は元が惑星なせいか特にそういう恋愛感情を抱いたことはありませんね。ほら、惑星って子孫残す必要がないでしょう? 恋愛なんてのは結局子孫を残すための過程に過ぎないものですし」
柊「うわぁ。夢のない話というかなんというか……」
水「あぁ、勘違いしないでもらいたいのは別に恋愛に否定的なわけではないですよ。恋愛によって描かれる人間模様は素晴らしいものです。そこはちょっと憧れますね」
柊「なんかいいなぁって思う人いないの?」
水「特にいませんね。いや、そもそも私ぼっちなんで人と話さないから人となりが分からないんでなんとも言えないです」
柊「あ、そう言えばそうだった……んー、水星は慣れれば普通に話せるけど、慣れるまではちょっと大変だからなぁ」
水「私のウィットに富んだユニークな話し方は常人には理解され難いようですね」

523水星:2014/09/29(月) 22:58:18
柊「えーと、人とズレてるという点だけは確かにそうだと思うけど……」
水「ふふん、天才はなかなか理解されないものです」
柊「はいはい。そういうことにしてあげるから。しかし凡人代表みたいな私がよく水星と仲良くなれたよなぁ」
水「んーそういえばきっかけってなんでしたっけね」
柊「ホーリーランドクラブSS・イラストスレの>>6の『水星と私。』ってやつを見るんだ!」
水「あーコレですか。ふむふむ。」
柊「最初は水星、なかなか付き合い悪かったのよね。あれなんでだったの?」
水「当時の知り合ったばかりでよく知らない先輩と過ごすよりも有意義な時間の過ごし方があったんですよ」
柊「うわ、さっくりヒドイこというなぁ。ところで有意義な時間の過ごし方って何?」
水「アニメ見たり、漫画読んだり、ゲームしたり?」
柊「……趣味の時間を取るのは大事だと思うけど、人付き合い蔑ろにしてそれって結構アレだと思うよ?」
水「いやまぁ、その点については一応反省してますよ」
柊「ならいいけど。でも天体観測には一応来てくれたんだよね」
水「天体観測目当てで天文学部に入りましたからね」
柊「もっとも、初めての天体観測は土砂降りで大変だったけどね……」
水「そういえば、そうでしたね。私は普通に行きましたけど」
柊「いや、アレなんで行ったのさ!?」
水「だって、天体観測したかったんですもん……」
柊「いや、『もん』て可愛げに言ってもキャラにあってないからね!? もう、あの時は心配したわよ……」
水「先輩の甲斐甲斐しさとか、面倒見の良さを感じましたね。あの時ですよ、『この人に一生ついていこう!』と思ったのは」
柊「え!? そんなこと思ったの!? 水星、チョロくない?」
水「え、だって。自分の家まであげてくれて、シャワーまで貸してくれたんですよ? 凄い良い人じゃないですか」
柊「チョロい……チョロすぎる……あの後やけに懐いてきたと思ったらそういうことか……」
水「え、チョロいですか? 皆シャワー貸すくらい普通のことなんですか……?」
柊「うん、よほど不審な相手とかじゃない限り、割りと普通じゃないかな」
水「馬鹿な……愚かな人類め……」
柊「最初に親切にしてもらったのが、変な人じゃなくてよかったね」
水「え?」
柊「え?」
水「柊先輩は、変な人じゃないんですか?」
柊「私は凡人代表と言われるほど普通の人だよ」
水「いや、元々のコンセプトは確かにそうだったらしいですけど、今は、その……」
柊「ん? なになに?」
水「変な人には入るほど、めっちゃ私にベッタリじゃないですか」
柊「そうかなー? 変かなー?」
水「いくつか例を挙げようと思えば挙げられますが、私の方が恥ずかしいのであまり言いたくはないですね」
柊「むー。つまり、私は変だと?」
水「ふくれっ面をしようがそう簡単に人の印象は変えられませんよ」
柊「変な人って言った方が変な人なんだバーカ!」
水「ついに小学生みたいなこと言い出した……そもそも私は変な人って自覚はありますからね、効きませんよその罵倒」
柊「むぐぐ……」
水「さて、そろそろ私達(中の人も含む)が疲れてきましたし、そろそろ締める感じにします?」
柊「そうだね。締めようか。くそう、私は変な人だって絶対に認めないからな―!」
水「じゃあまず、そのやたらベタベタするのをやめましょう。ほら、今だって腕組んできてるじゃないですか」
柊「それはそれ! これはこれ! 別腹!」
水「いや、切り分けられない話だと思いますけど……ってこのままだとまた会話が続いちゃいそうですね」
柊「そだね。潔く締めよっか! ここまで長々と読んでいただきありがとうございました!」
水「ありがとうございましたー。ではではー」

【END】

524弾正院→弾正尹:2014/09/29(月) 23:12:26
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=46259197

行動提出で言っちゃったので描いた

525門司秀次:2014/09/30(火) 00:37:59
天才門司くん
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46261758
「ホリランで負けると死ぬ可能性があるぞい」

526紅炎峰コロナ:2014/10/01(水) 00:50:41
真(リアル)・生徒会長 武藤 雅紀
tps://twitter.com/nater_gamer/status/516978228582313986/photo/1

527紅炎峰コロナ:2014/10/01(水) 01:00:09
>>526
塗り間違いがあったので上げ直します。

真(リアル)・生徒会長 武藤 雅紀 (修正版)
tps://twitter.com/nater_gamer/status/516980582622851073/photo/1

528サンライト=100しっこ:2014/10/01(水) 22:20:26
ホリランクラブ・SS4合同応援Twitter小説
tp://togetter.com/li/726263

529水星(霊界):2014/10/01(水) 23:22:08
【柊美星の憶測】

「――私、今日死んでしまうかもしれません」

いつも通りの部室。
早朝、作戦会議の為に集まったその場所で水星が突然言った。
部屋には私と水星だけ。千冬ちゃんはまだ来ていない。
あまりに突然のことに、聞き間違えたのかと思った。

「え、死ぬって今言った……?」
「はい、言いました」
「……どういうこと?」
「いえ、只の勘です。勿論死ぬつもりは毛頭ありません。死んだら先輩を悲しませてしまいますからね」
「そうよ。また死ぬとか冗談やめてよね……まったく、不吉にも程があるわ」
「まぁ、何も根拠がなく言った訳ではないですけどね。そろそろ”彼女“が動き出す頃だと思いますので」
「“彼女”……?」
「いや、確かに先輩の言った通り不吉ですね。この話は辞めましょう。ただ、一つだけ、伝えたいことがあるのです」
「……何?」
「私が死んでしまっても、前回の様に狂ったりしないでください。正気で居て下さい。辛いでしょうが、なんとか自分を保って下さい。わざわざこんなことを言うのは、私がその姿をみるのが辛いという理由だけではありません。現実をしっかり見据えることで、見えてくるものがあるはずです。それを、どうか見逃さないで下さい」
水星の言ってることはあまりにも抽象的で、何のことを言っているのかは分からない。それでも、水星は真面目な表情で語っていた。だから、しっかり受け止めようと思う。心に刻もうと思う。
「……うん、分かった」
「ありがとうございます。さて、そろそろ一条さんが来るころですね。机を並べたりして準備でもしましょうか」
「うん、そうだね」

◇◇◇

そして、水星は死んだ。
前回と同じく、絶望が私を襲い目の前が真っ暗になった。
それでも私は狂わなかった。
狂ったら水星が悲しむと知ったから。そして、現実を見据えろと言われたから。

私は、ここで挫けない。
私は、私にできることをやる。

それこそが、水星への弔いになるのだから。

◇◇◇

「はぁ……はぁ……っ!」

私は階段を駆け上がりながら、考える。

今回、おかしな点はいくつかあった。
まず第一に、水星が自分は死ぬかもしれないと言っていたこと。本人はあくまで勘だと言っていたが、その上で根拠を示した。
『そろそろ”彼女“が動き出す頃だと思いますので』
この発言は、何者かの陰謀を示す言葉ではないだろうか? 
“彼女“として当てはまる人物がいないか、記憶を探る。そして、思い当たる人物に行き着く。
冥王星さん。
彼女が地球に誘った惑星達は次々と姿を消していったという。その陰謀に、水星も巻き込まれたのだろうか。そう思うと怒りが込み上げてくるが、冷静にならなくてはならない。
水星の死は、本当に冥王星さんの陰謀によるものなのだろうか? 仮に冥王星さんの仕業によるものだとしたら、どうやって?
水星が死んだのは、試合中だ。対戦相手に殺されたと考えるのが普通だろう。しかし、私は見ていた。死んでしまうかもしれないという水星の言葉が気になって仕方がなかったから、水星の試合は穴が開くほどしっかりと見ていた。

530水星(霊界):2014/10/01(水) 23:22:28
そこで感じた違和感は、確かにあった。水星の動きに機敏さが足りない。どこか緩慢としているようで、ふらついてさえ見えた。
あのふらつきこそ、水星の死因を示しているのではないだろうか? いや、試合中においてあの緩慢な動きは間違いなく死に直結していたと思う。しかしどうしてそうなった? 朝に作戦会議を行った時、水星は特に体調不良を訴えることなく元気にしていた。
だとしたら、試合中の怪我だろうか? 彼女は一戦目で脳震盪を負っていた。それが影響してふらついていたと見るのが妥当、かもしれない。
だが安易な結論に飛びつくだけでは、真実は得られない。仮に冥王星さんの陰謀が働いていたとしたら、脳震盪が原因と考えるのは無理がある。だってそうだろう、脳震盪を負ったのは偶然だ。その偶然を期待するだけで何もしないなんて陰謀ですらない。
私が陰謀論に囚われすぎている可能性もある。だが、そんなことは後で考えればいい。陰謀と仮定して出た結論と、試合中に殺されて死んだという結論、この2つを比較してより自然な方を残し他方の結論は棄却すればいい。

気になることはまだ幾つかある。
二つ目の気になる点。それは千冬ちゃんが差し入れとしてくれたりんごジュース。あのジュースを飲んだ時、水星はなにか考えるような仕草をし、そして何かを納得したように二度頷いていた。
その時はあまり気にしなかったが、これはもしかしたら水星の死に深く関わることではないだろうか。

三つ目。水星が体育館へと向かう際、千冬ちゃんの肩に手を置いて、何事かを語りかけていたようだった。
千冬ちゃんはその後、呆然としてしばらく立ち尽くしていた。
水星が何を言ったかは分からないが、千冬ちゃんを呆然自失させるに足る衝撃的な発言だったことは間違いない。

この2つから、些か以上に突飛ではあるが私はこう考える。千冬ちゃんがジュースに何かを混ぜていて、それを水星が気づいて指摘したのではないか。例えば、毒物を混ぜていたとしたら水星の死とも結び付けられる。
千冬ちゃんが何故そんなことを、と思うが冥王星さんの陰謀だとしたら説明はつく。彼女はきっと脅されたのだろう。脅されて水星を殺す為に天文学部に入ったのか、天文学部に入ってから脅されて水星を殺すことにしたのかは分からない。けれどきっと、どうしようもない程追い詰められて否応なしに水星を殺すしかなくなったのだろう。だとしたら、千冬ちゃんは被害者だ。責める気は起きない。水星も、ジュースに毒が入っていることに気づいたのだったら、同じことを思っただろう。そして体育館に行く直前、千冬ちゃんが気負わないように、声を掛けたのかもしれない。

そして最後の気になる点――それは、千冬ちゃんがトイレに行くと言った以降見学席に現われず、部室等を探しても姿が見当たらないこと。

彼女は内向的だ。それは会って間もない私でも分かる。
部に入るのさえ、かなりの勇気が必要だったらしい。そんな控えめでおとなしい千冬ちゃんは小動物然とした見た目も相まって、見ていてとても可愛らしく癒される。
内向的なのは彼女の特徴で、ある意味美点であり、否定するつもりなどない。
けれど内向的というのは少し厄介な面も持っていて、自分の中でぐるぐると考え込んでドツボにはまりがちだ。
――もし私の憶測通り、千冬ちゃんが水星を殺したのだとしたら。
彼女は良い子だから、例え脅されてやったことだとしても、きっと罪悪感に苛まれるだろう。この罪を償うにはどうしたら良いか、などと考えるかもしれない。
そして内向的な人の一部は負の方向の思考に陥った時、外交的な人を遥かに上回る行動力を発揮することがある。そして殆どの場合、それは好転することなく更に悪化した結末を辿る。
同様にして、最悪の結論に至った千冬ちゃんがどこへ向かうかと考え、私は今まで階段を駆け上がってきた。

4階の更なる先――屋上。
そこへ繋がる扉を開けたその先の風景に、千冬ちゃんは居た。

【END】

531ミケナイト:2014/10/04(土) 07:05:30
『猫の願い』

現ランキング2位、審判部の一太郎。
ミケナイトが優勝者となるためには、必ず狩らねばならぬトップ2の一人だ。

そして……生徒会特別役員となった輝海ちゃんを初日退場に追い込んだ相手でもある。
許さない。
退場させたことは別にいい。
輝海ちゃんは一命を取り留めたし、これ以上、辛い戦いをしないで済むから。
許せないのは、試合後に無理矢理に痔の治療を迫ったことだ。
あと、ついでに言えばハスナイト先輩も一生許さない。

ミケナイトはビンセントと、一太郎は蟹田と戦っていずれも手痛いダメージを受けている。
勝負は一撃で決まるだろう。

「猫耳の騎士に問う」
一太郎は、ミケナイトの戦意にゆさぶりをかける。
「君は人なのか、獣なのか。ルールの守護者たる風紀委員に相応しい存在なのか。答えてもらいたい!」
その拳は固く握り締められている。
返答如何によっては、鉄拳による審判をくだすつもりだ。

「私は――私の本性は獣です」
胸に刺さる辛い質問に、ミケナイトは堂々と答えた。
狩るにゃんフィールドを凛として展開、一太郎の身体に狩るにゃん渦がまとわりつく。
「そして私は人間です!」
屠龍大円匙を振りかぶり、突進する。
「人の規範を守り、人と繋がって、人として生きていきたい!」
突進の全運動エネルギーと、輝海ちゃんへの想いを剣先に乗せた必殺斬撃、狩るにゃんドラギニャッツォ!

「ふっ、いい答えだ」
一太郎はニヤリと笑って、特大スコップのよる攻撃を身じろぎもせずその身で受けた。
白球よりも速くフィールドを駆ける強靭な脚力で床を踏み砕き、かろうじて踏みとどまったが、力尽き、仰向けに倒れる。
ミケナイトの勝利である。

ミケナイトは既に確信に至っていた。
自分はもともとは猫であり、人間の姿を得たのはこの一年以内のことであると。

彼女には、矛盾する二つの記憶があった。
猫岸魅羽として生きてきた十五年間と、心の奥深く封印されていた獣が持つ、子猫としての記憶。
猫の記憶は曖昧で断片的だったが生々しい実感を伴っており、それと比べると魅羽としての記憶は書き割りのように平板だった。
そして、自分が卒業したはずの雛代中学校が、50年も前に廃校になっていたことを知り、人間としての記憶は何者かに与えられた偽りの記憶であると悟ったのだ。

でも、希望崎学園では、間違いなく人間として生きてきた。
猫耳の騎士“ドラゴンスレイヤー”ミケナイトは人間として龍を討ったことを、多くの人が見てくれた。
だから、悩まない。
猫岸魅羽は、ただ真実を知りたい。

(タマ太……後で必ず、教えてもらうからね……!)
タマ太は、きっと全てを知っているはず。
勝ち続け、生き延びて、タマ太と再会して答えを得ること。
それが、今のミケナイトの願いである。

(『猫の願い』おわり。第7ターンに続く)

532雨竜院暈哉:2014/10/04(土) 07:55:11
 6ターン目、暈哉は生徒会役員・デビルオクトパスを倒した。その後疲弊したところを暗殺者・レオナに倒されたが、前ターンに続きステータス的にも大躍進である。
 怪我は大きいが、賞金額3位にまでなった。
「『クトゥルフスレイヤー』……って。
 『蛸殺し』くらいで良かった。恥ずい……」
 その暈哉はこんなことを言って呻いている。
「僕はいいと思うよ。『クトゥルフスレイヤー』」
 半左空がそう慰めた。「『蛸殺し』に比べれば……」とは言わない。
 凹んだ暈哉を半左が慰める。大会前半にはお馴染みだったが、精神が急成長した今では暈哉も敗戦に動じなくなっていた。
 半左はそれが少しだけ寂しくもあり、だからクトゥルフスレイヤー恥ずかしいとか、そんなどうでもいいことを気にしている暈哉が何だか可愛いとも思っていた。
「真生徒会長なんてのが出てきましたけど、クエストに参加しますか?」
「それは更に次のターンにしよう。まだ分が悪い気がする。このターンはステータスを伸ばすことに注力しよう」
「ヴェータと戦るんスか?」
「いや、それはミケナイトでいいよ。でも、中庭みたいに人はいっぱい来るだろうから、そこで対戦相手を探す」
 部員達と7ターン目の相談をする暈哉の姿を半左はじっと見つめる。
 あと3ターン。いよいよ終盤だ。もちろん生き残って欲しい。
 暈哉の告白に如何なる返答をするのか。自分は暈哉が好きなのか。まだ結論は出ていない。
 そして、その結論次第で、半左には明かさねばならなくなることが一つあった。
 元女ということでは無い。もっと根源的、且つ重大な秘密。
 親にも、嘗て恋した親友にも明かしていない、墓まで持っていくつもりだった秘密。
(暈哉……)

 7ターン目……暈哉には大きな見落としが2つあった。
 まず、1ターンに治せる怪我は1つなのを(中の人が)忘れていて、負傷したまま激戦地に飛び込んだこと。
 そして激戦地ならば自分と相性最悪の相手がいる可能性は高く、そいつは当然相性のいい相手を探していて、且つその希望が優先される権利を持っていること。

「おっす3位。『1位』だけど」
 砂煙を纏い、疾風迅雷の速さで立ち塞がった男。3ターン目に惨敗した一太郎より速い最速にして最強の男。
「真野……来人」
 7ターン目に続く。

533ミケナイト:2014/10/04(土) 08:44:10
らくがきとか。こんなのでも堂々と投稿する。

正解はデッドリークレッセント(カガミダイ)
tps://twitter.com/homarine/status/514345568395481089

探偵ハイパー!(コラ)自己ベストは9,950点です。
tps://twitter.com/homarine/status/517468955477176320

ダンゲロスSS4より盛華ちゃん(25)が時系列とか無視して登場!
第7ターン・ミケナイトのマッチングに有難いコメントをいただきました。
tps://twitter.com/homarine/status/518072468188454912

534多味倫太郎:2014/10/04(土) 13:06:26
「逸脱」に1点振ってる同性愛者、たみりんによる戦歴メモ...〆

1ターン目
【女子高生那自分賀 好世】★★★★★
少々あざと過ぎる美女だが、生唾もののナイスボディだった……。
大破まで追い込んだ時はゾクゾクした。写真撮っとけばよかった。
負け

2ターン目
【弾正院】
男。勝ち

【三一五】
男。負け

3ターン目
【ミケナイト】★★★★★
顔が見えなかったが、首から下の水着姿、あの艶かしさはただごとじゃなかった。
彼女のバストは豊満である。あんまり揺れるので必死で目線で追ってたら、
普段は避けられないような攻撃も避けることができた。最終的には殴り倒された。
負け

4ターン目
【野球神】
男? 負け

5ターン目
【タキシード変態仮面】
コワイ 勝ち

【水無月】
男。勝ち

【雨竜院】
男。負け

6ターン目
【人形遣い】★★★★★
すごい独特な雰囲気のある美少女だった。
服もボロボロだし身体に縫い目が見えた気がする。まあケガの多い大会だからなア。
目つきから何から死ぬほどこわかったけど、ただとにかく顔が美人だった
勝ち

【英子と四囲美】★★★★★
どこにでもいそうな感じではあるんだけど間違いなく可愛いかった。
こういうの弱いんだよなー。スカートめくれないかなーと思いながら
攻撃してたら避けられてぶん殴られた。ちょっと良かった。
負け

総論:甲乙つけがたい

535多味倫太郎:2014/10/04(土) 13:06:38
A子C美【大破】
tp://0006.x0.to/oo/gif/AC_t.png

四肢がもげてもめげないモジ君
tp://0006.x0.to/oo/gif/mogemoji_t.png

536ミケナイト:2014/10/04(土) 14:14:49
いまのきぶん
tps://twitter.com/homarine/status/518259699343716352

537雨竜院暈哉:2014/10/04(土) 14:56:06
>>532 訂正。こちらでお願いします。

 6ターン目、暈哉は生徒会役員・デビルオクトパスを倒した。その後疲弊したところを暗殺者・レオナに倒されたが、前ターンに続きステータス的にも大躍進である。
 怪我も2つ抱えているが、賞金額3位にまでなった。
「『クトゥルフスレイヤー』……って。
 『蛸殺し』くらいで良かった。恥ずい……」
 その暈哉はこんなことを言って呻いている。あの時のノリはやはり頭を打ってどうにかしていただけらしい。
「僕はかっこいいと思うよ。『クトゥルフスレイヤー』」
 半左空がそう慰めた。クトゥルフスレイヤーも語呂が悪くてかっこいいとは思わなかったが、蛸殺しはもっの無い。もちろんそんなことは言わないが。
 凹んだ暈哉を半左が慰める。大会前半にはお馴染みの光景だったが、精神が急成長した今では暈哉も敗戦に動じなくなっていた。
 半左はそれを嬉しく思いつつも少しだけ寂しくもあり、だからクトゥルフスレイヤー恥ずかしいとか、そんなどうでもいいことを気にしている暈哉が何だか可愛いとも思っていた。

「真生徒会長なんてのが出てきましたけど、クエストに参加しますか?」
「それは更に次のターンにしよう。まだ分が悪い気がする。このターンはステータスを伸ばすことに注力しよう」
「ヴェータと戦るんスか?」
「いや、それはミケナイトでいいよ。早い者勝ちだ。
 でも、中庭みたいに人はいっぱい来るだろうから、そこで対戦相手を探す」
 部員達と7ターン目の相談をする暈哉の姿を半左はじっと見つめる。
 あと3ターン。いよいよ終盤だ。もちろん生き残って欲しい。
 暈哉の告白に如何なる返答をするのか。自分は暈哉が好きなのか。まだ結論は出ていない。
 そして、その結論次第で、半左には明かさねばならなくなることが一つあった。
 元女ということでは無い。もっと根源的、且つ重大な秘密。
 親にも、嘗て恋した親友にも明かしていない、半左空が墓まで持っていくつもりだった秘密。
(暈哉……)

 7ターン目、大グラウンド。
 暈哉には大きな見落としが2つあった。
 まず、1ターンに治せる怪我は1つなのを(中の人が)忘れていて、負傷したまま激戦地に飛び込んだこと。
 そして激戦地ならば自分と相性最悪の相手がいる可能性は高く、そいつは当然相性のいい相手を探していて、且つその希望が優先される権利を持っていること。
 ミケナイトに対して言ったのよりももっとシンプルな意味で、この大会は「早い者勝ち」なのだ。

「おっす3位。『1位』だけど」
 砂煙を纏い、疾風迅雷の速さで立ち塞がった男。3ターン目に惨敗した一太郎より速い最速にして最強の男。
「真野……来人」

 続く。

538英子と四囲美:2014/10/04(土) 18:54:56
【英子と四囲美の人間革命R 真・7日目】

―フォーリング部 部室―

携帯で掲示板のやり取りを眺めていた英子と四囲子が呆れたようにため息をつく。
どちらともなくふたりは顔を見合わせ合うと頷き合った。
結局、携帯に映し出された魔法陣の上、思案顔で膝を組み何やらデータ―集計をしている
その人物に声をかけたのは、いつも通りに四囲美のほうだった。

「あの女王様、いいですか―女王様、昨日レオナさんの反応全振り対応絶賛してましたよね?」

『ん?ああ中庭の展開であそこだけ読み間違えたからな。保身ゼロの一点張りとか、普通やるかね
お前どこぞの出前娘かよって感じだったからな。』

「で称賛するために掲示板を覗いたんですよね?」

『そうだな』

「ッ―――でなんでその褒めなきゃいけない人に盛大に喧嘩売って話終わらせてるんですか。
                       何様なんですかアンタ」

『宇宙皇帝だ。
んー不満なのか?。所謂一つの”女王よくあるある”じゃねぇか』

「「自分でいうな―!!」」


††


『まあ今後を考えると周りの出来がいい分、アイツが学園最大の懸念材料になりかねない
桂馬歩の餌食つーか、蓼喰う虫も好き好きというか…。
もしお前らが明日以降生き残るのなら、ひと肌脱いでもらうことになると思う。その時は頼むぞ。』

(…ぜ、全然ぴくりとも反省していやがらない…どういう神経してるんだ、このひと…)
しかも相変わらず何を言ってるのか全く判らない。とにかく彼女は言葉が足りないタイプの人間(?)だ。

『ともあれ、まずは目の前のことだ。これで”お前らにお願いされたこと”の準備はおおまか整ったわけだが…』

(わけだがって?…いや何が整ったの。準備って。お願い事ってそもそも何…)
そして最後まで何を言ってるのかさっぱり判らない存在だった。流石、のもじ先輩の相方である。

そんなあきらめムードの英子と四囲美をよそに女王は立体映像に映る小さな指を二本立てた。

『残るはお前達の選択だ。

生徒会室に向かい集まった真(かってなのりの)生徒会長に戦いを挑むルート
流血を止血し、その場で大会参加者とバトルを行い賞金を稼ぐルート

選択は二択。いつも通りお前達で好きなほうを選べ。
後者を選ぶならほぼ9割勝てれる相手が選べれる。前者を選んだ場合は全てが未知数だ、計算しきれん。


あと、今までと違う特記点が一つ加わる。”負ければ”お前達は死ぬ。』

「…。」
「…。」

部室に沈黙が落ちた。

『負ければ高確率で死ぬ。理由は説明せん。その上で選べ。』

大切なことなので二度言いました。

「あの…それは私達の『何か』が終わってしまうという比喩表現でしょうか?」
四囲美が恐る恐る彼女の顔を覗き込んだ。それを女王が動じることなく見返す。
そこには表情といったものがなく、彼女をしても一切の思考が読めなかった。

「死ぬってことですよね。私達が昨日殺したソフィアちゃんのお兄さんみたいに。」
青ざめる四囲美に対し、悟ったように英子が呟いた。

『そうだ。』

「行きます。生徒会室に」

即決で彼女はそう答えてきた。

「私達は―なんにも、結局なんにもできなかった。正義の味方のフリをして、いやそれすら満足に
できず、行く先も判らずあがいてモガイテいていただけでした。
でも、もし最後がもう決まっているというなら、最後だけはせめて盾になるなり捨て石になるなりで
誰かの為に役に立って死にたいです。最終決戦なら盾は絶対に必要な存在なんでしょう」

彼女は歯を食いしばるように言葉を絞り出した。

『正直、盾にすらなれんと思う―お前達は雑兵だ。運命にそうやって粗雑に扱われ、邪件にされてきた存在だ。
有終の美が飾れると思うほうがオコガマシイ。粋がってもその手のひら、なんら意義のある死すら与えられなく、
道端で襤褸ぞうきんのように踏みにじられて生涯を終えるのが御似合いだ。そうなること判っているだろう―――それでもいくのか?』

539英子と四囲美:2014/10/04(土) 18:55:50
英子は首肯した。そんな英子の首に四囲子の腕が励ますようにそっと捲かれた。
英子は微笑むと手を優しくかける。四囲美の指は細かく震えていた。

泣いて立ち去るのはもう嫌だ。縮こまり隠れるのはもう嫌だ。もし”最後だ”というのならその瞬間だけでも
笑って生きていこう。自分の取り柄は精々笑うことぐらいなんだから。きっと上手くやれる――――

そこで女王が表情を変え、ぷっとふ噴き出す、そしてケラケラ笑いながら応えた。
                 
『信じてんじゃねーよー馬鹿。
いいか、覚えておけ、生徒会室はこれから”そういう連中”の集まりになる。
何故ならこれは目の前の勝ち負けでなく、そこに命を投げだせる価値を見出した者だけが挑むことのできる馬鹿げた祭りだからだ。

道化師が手招いた『負け犬たちのサーカス』。
勝利の女神が靡く輩にはこの学園の悪夢は終わらせれない。真春の夢に酔う者は決して悪夢を見ることはないからだ。
血反吐を吐き地を這いずったもの達しかこの「アビメルム悪夢」を終わらせることは出来ないのだ。

足を掬え、とはいわん。
天井近くでフレンチカンカンを踊るあの退魔師が積みあげた足場の罪木、そのひとつでも抜いてこい。

必ず次につながる、お前達の骨を『拾ってくれる』奴がいる。だから安心して死んでこい。』



ふたりは部室から駆けだした。そして


―やれやれ手間のかかる。さあ採算度外視の馬鹿どもめ。でき得るモノなら全員揃って、帰って来い。―


彼女達は戻ってこなかった。

                            (「英子と四囲美の人間革命R 真・7日目」了)

540弾正尹倫法:2014/10/04(土) 20:19:40
サイゴマデタツヒロ君
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=46347694

541水無月 劫穉:2014/10/05(日) 19:52:55
古参の生徒会役員、光画煙巻
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46371275
SSにも出演してもらってます

542水星(霊体):2014/10/07(火) 00:52:30
水星(霊体)
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46349928
水星(霊体)(ギザギザスカート版)
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46402427

543雨竜院暈哉:2014/10/07(火) 02:41:53
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46404329

真野と一太郎追悼イラスト(メインは真野)

544水星(霊体):2014/10/07(火) 21:25:16
【柊先輩と一条千冬】


「……先輩、なんでここが分かったんですか?」

ひゅうっと、冷たい風が吹く中、千冬ちゃんは言った。

「千冬ちゃんの考えそうなことを順番に考えていったら、ここに来るんじゃないかなってね」
「……ということは、私のやったこと全部知ってるわけですか」
「いや、誰に知らされた訳でもない、只の憶測よ」
「そうですか。憶測でここまで辿り着けるとは凄いですね」
「まぁ、水星がヒントをくれたからね」
「なるほど。……水星さんは、死んだのでしょうか」
「うん。死んだよ」
「責めないんですか? 彼女に毒を盛ったのは私ですよ」
「責めた所で水星は戻ってこないからね。それに、単独で計画に及んだワケじゃないんでしょ? 誰か――って凡そ見当はついてるけど、その人に脅されてやったんでしょ?」
「まぁ、そうですけど。でも、私が水星さん殺しに加担したことは変わりません。憎くないんですか? 殺してやりたいって思わないんですか?」
「脅されたんだったら、千冬ちゃんは被害者だよ。加害者じゃない。まぁ、憎くないかと言ったら嘘になるけど。それでも感情的になったりはしないよ。感情に身を任せて狂った所で何も変わらない。むしろ大事な人を悲しませるだけ。そう、水星に教わったから」
「私、柊先輩のこと見くびってたようです。ここには辿り付けないんじゃないかって。仮にやってきても、私を責め立てるのではないかと。でも、違うんですね。……水星さんのおかげかぁ。私、お二人の関係が羨ましかったです。ずっと、ずっと眩しかった関係。でも、私はそれを壊してしまった」
「――だから、罪を償おうって? そんなことをしたって、誰も喜んではくれないよ」

フェンスの外側に立って、今にも飛び降りてしまいそうな千冬ちゃんに、私はそう語りかけた。

「そんなの分かっています。でも、私は許されないことをしてしまった。だから、それに対する自分への罰なのです」
「水星は、試合に行く前に何て言った? 毒で殺されてしまうと分かっていても、責めたりはしなかったでしょう? 私だって同じだよ。この件で千冬ちゃんを責めたりはしない。だから、そんな危ないところから降りて、こっちにおいでよ」
一つ一つの言葉を、ゆっくり選びながら語る。それでも、千冬ちゃんにはその言葉は届かないようだ。彼女は飄々と私の言葉を受け流すように言葉を紡ぐ。
「……これは、自己満足なのです。他の誰が許す許さないの話ではありません。私が自分を許せないのです。憧れの人を、殺してしまったのだから」
「それは、でも! そうするしかなかったんでしょう!? どう脅されたかは知らないけど、千冬ちゃんにとって自分、あるいは大切な存在を守る為に選んだんでしょう? その守ったものと水星を天秤に掛けて、守ったものの方が千冬ちゃんの中で価値が高かったんでしょう? それは仕方のないことでしょう! 私だって、他の人と水星を天秤に掛けてどちらかを捨てざるを得ないとしたら他人を捨てることを選ぶ。千冬ちゃんにとって、その捨てる対象が水星だっただけで。悪いのはそういう選択を迫った人の方で、千冬ちゃんが自分を責める必要なんてない!」
「そんなことが言えるのは、私と同じ立場にいないからです。例えば私と水星さんを選ばざるを得なくなった時、恐らく柊先輩は水星さんを選ぶでしょう? その時、自分を責めない保証がありますか? 自意識過剰かもしれませんが、柊先輩は優しいからきっと私の為に苦しんでくれるでしょう。それと同じです。苦しいんですよ。自分のことを許せなくて仕方がない。苦しくて仕方ない。だから、楽になれるように、もう何も考えなくて済むように、私は死ぬんです。自分を殺すんです」
「……それは、そうかも知れないけれど。楽な方に逃げるなんて、自分勝手すぎるよ! 千冬ちゃんが死んだ時に、残された人のことを考えてよ! 家族の人たちは悲しむし、私だって悲しい。水星を失って、更に千冬ちゃんを失ったら、私はどうしたらいいの!? 天文学部は、また一人になっちゃうよ! そんなのは嫌だ! 寂しいよ! それに千冬ちゃんが死んだら、天国の水星だって悲しむと思う。私達のことを思ってくれるなら、そんな死ぬなんて言わないでよ!」
「先輩や家族のことを思うなら……ですか。確かにその通りですね。でも、ごめんなさい。今の私にはそんな余裕はありません。余裕があったらこんなことしようと思いません。死の幕引きこそが唯一の救い。そうとしか思えないんです。死にたくて堪らないのです」

545水星(霊体):2014/10/07(火) 21:25:32
いい加減にして、と心の中で思う。
死にたい? そんなことを思っているはずがない。だって――

「――じゃあ、なんで今まで飛び降りなかったの? 千冬ちゃんが私と離れてからもう数時間経ってる。そこまで死にたいなら、その間に飛び降りれば良かったじゃない! 本当は躊躇ってるんでしょ? 本当は死にたくなんてないんでしょ? その証拠に、今だって私の話に耳を傾けてる。私の言葉なんて無視して自殺してればよかったのに。ほら、こっちにおいでよ」
「……ッ!」

私は招き入れるように、両手を広げた。
核心に触れた言葉に、千冬ちゃんの瞳が揺れる。

「……死にたい訳、ないじゃないですか」

ぽつりと、思わず零れたように千冬ちゃんは言った。
そして、次第に潤んでいき、堰を切ったように涙が溢れだした。
救いを求めるように、一歩、また一歩とこちらに寄ってくる。

「死にたい訳ないじゃないですか! まだ一度も三人で天体観測だってしてないんです! 先輩と水星さんをもっと近くで見ていたかったです! でも、でも! それはもう叶わない! 私は取り返しの付かないことをしてしまったんです! 償っても償いきれない罪を背負っちゃったんです! だから、私は馬鹿だから、こうすることでしか罪を清算する方法を思いつかなくて! でも先輩は死ぬなって言ってきて! 私は、どうしたらいいんですか……!」

そして、千冬ちゃんは私の元へ辿り着いた。私はその小さな身体を強く抱きしめる。

「馬鹿! 死んだって、何の解決にもならないよ! そんなんで、罪を清算できるわけないじゃん……!」
「じゃあ、じゃあっ、私は、どうしたらいいんですかぁ!」
「……どうしたら罪を償えるかなんて私にも分からないよ」
そこで一端言葉を区切り、片手を千冬ちゃんの頭にそっと置く。
「でも、千冬ちゃんが罪悪感を感じてること、それが贖罪への第一歩だと思う。だから、一緒に考えよう? 二人で考えて、できることをやっていこう? ね?」
「……はいっ! ありがとうございます!」
「うん。良い子良い子」
「私、柊先輩の後輩で良かったです……ぐすっ……ひぐっ……うえええん!」
「もう、そんな泣くことないのに……」

千冬ちゃんはしばらくの間、私の腕の中で泣き続けた。
私は青空を見上げ、思う。
――ありがとう、水星。水星の遺してくれた言葉のお陰で、私は千冬ちゃんを救えたよ。

【END】

546多味倫太郎:2014/10/09(木) 00:07:34
ランキングをひっくり返した脱がす人こと薬袋品
tp://0006.x0.to/oo/gif/minai_t.png

547一十四:2014/10/09(木) 00:14:27
一十四&主天使さま。>>128の挿絵です。
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46435413
天使ちゃんはカワイイ。

548水星(霊体):2014/10/09(木) 22:23:44
【#イラストの話題から初めて雑談の暴走を見守る2】

水星「はい、二回目のこのコーナーが始まりますよ」
柊先輩「また始めるの? このコーナー」
水「なんか一番これが書きやすいとかそういう話らしくて……」
柊「なるほど。ていうか水星死んでなかったっけ?」
水「まぁ、そうなんですけど。さすがに柊先輩だけで語るのは無理があるでしょう?」
柊「うん、それはそうなんだけど。でも、水星死んだじゃん?」
水「んー、まぁ、時間軸が死ぬ直前だったとか、平行世界の話とか、あとは霊界と通信してるとか、適当に各自で納得できる理由つけちゃってくださいなー」
柊「凄い面倒くさそうに投げたわね……」
水「いや、面倒じゃないですか。この企画はお遊びみたいなもんですから、そういう細かいことはどーでもいいんですよー」
柊「うーん、そういうものかな? うん、まぁいいや。そういうことにしておこう」
水「よし、ではさっそく初めましょう」

◇◇◇

水「今回の話題となるイラストはこちら!>tp://0006.x0.to/oo/gif/suisei_t.png」
柊「ホーリーランドクラブSS・イラストスレの>>512の多味倫太郎さんの描いてくれたイラストだね」
水「私の可愛らしさが十全に描かれてますね」
柊「それ、自分で言っちゃう!? 眠そうな瞳とかふざけたことを言う口とか、うまく特徴を捉えて描いてくれたなぁって感じだね」
水「『ふざけたことを言う』とはなかなかヒドイことをおっしゃいますね。私がいつそんなことを言ったというんですか」
柊「いや、そのイラストの背景に描かれてる台詞、まさにふざけてるからね? ていうかこれいつ言ったの?」
水「入学して最初のHRでの自己紹介ですね。我ながら面白い自己紹介したもんだなぁ、とこのイラストを見る度に思いますね」
柊「……ねぇ、水星が変人扱いされてるのって、この発言が原因なんじゃない?」
水「何をおっしゃるうさぎさん。イラストに描かれる程素晴らしい発言を馬鹿にするつもりですか。例え柊先輩相手であろうと、怒りますよ」
柊「いや、うん。そこまで自信があるなら、なんかもういいや。はいはい、凄い凄い」
水「む。なんだか適当な称賛をしていませんか」
柊「ソンナコトナイデスヨ―」
水「あ、馬鹿にしてますね。」
柊「いや、別に馬鹿にはしてないけど……その、高校デビュー失敗したんだね、て哀れみを感じているよ」
水「え? 大成功じゃないですか。素晴らしさのあまり圧倒されて言葉も出せない様子でしたよ。あの時私の人気は滝登りでしたよ」
柊「そ、そう……じゃあなんで今周りから距離置かれてるの?」
水「ふむ。そういえばおかしいですね。なんででしょう? あぁ、アレじゃないですか。高嶺の花ってやつですよ。恐れ多くて誰も声を掛けられないのでしょう」
柊「あぁ、今ポジティブ思考の極みを見た気がするわ……」
水「いいでしょう。羨ましいでしょう」
柊「んー、羨ましくはないかなぁ」
水「ふふんっ、凡人代表の柊先輩にはわからないようですね。この私の素晴らしさが」
柊「あ、今ちょっとイラッと来たぞ。前回は私のこと凡人じゃなくて変な人だって言ってたくせに」
水「あぁ、そういえばそうですね。先輩は変な人でした」
柊「そんな言うほど変かな―?」
水「まず私と仲が良いって時点で変な人の仲間入りですよ。類は友を呼ぶって言葉があるじゃないですか。最近の二年生の間での柊先輩の評判知ってます?」
柊「え? なに? なんか悪い噂でも流れてるの?」
水「いや、私もどういう評判かは知りませんけど」
柊「知らないのかよ!」
水「一応フォローしておくと、特に悪い噂を聞いたことはないです」
柊「よ、良かった……」
水「良い噂も聞きませんけどね」
柊「なぜ安心させてからガッカリするような情報を教えたし……」
水「上げて落とす高等テクニックです」
柊「なんだこれ、落差によるダメージが地味に来るぞ……」
水「評判なんて気にしなければいいんですよ。私は全然気にしてませんよ」

549水星(霊体):2014/10/09(木) 22:24:01
柊「水星は人の評価とか、どこ吹く風って感じだもんね」
水「先輩も気にしない様になれば人生楽しいですよ」
柊「えー? そうかなー?」
水「きっとそうですよ。まずは変人扱いに慣れましょう」
柊「やだよ! 私はあくまで自分のこと凡人と思っているからね!」
水「そんなあなたにこれ。変人を自覚する私ですら、ちょっとこれはどうかな、と思うアイテムがあるのでこちらを着用するといいです。これを着れば変人扱いされること間違いなしですよ」
柊「やだって言ってるのに……ん? 普通の制服じゃない」
水「え? これが普通の制服に見えるんですか? なかなか変人力高いですね。変人パワー2万はありますよ」
柊「そのパワー何!? あー、でもこのスカートはちょっと特殊ね。ギザギザしてるね」
水「そうそう、ギザギザスカートですよ。ギザギザスカート。とある世界ではこれが名高い学校の制服として好まれているそうですよ。ギザギザスカート!」
柊「……なんとなく、水星がギザギザスカートって言いたいのはよく分かったよ」
水「馬鹿な。なぜバレたのですか」
柊「いや、三回も言えば流石にね? しかしこのスカート、アレだね。ギザギザが入る所が結構位置高いから、その、見えちゃわない?」
水「多分見えますね。その点を含めてちょっとどうかな、と思った次第です」
柊「んー、でも変人扱いされる程ではなくない?」
水「……まぁ、私がギザギザスカートの話題出したかったから強引に繋げただけなんですけどね」
柊「うん、ちょっと無理があったよね。なんでそこまでしてギザギザスカートの話題出したかったの?」
水「んー、読む人にとってはグッとくると思って」
柊「そんなギザギザスカートが刺さる人いるのかなぁ?」
水「えーいますよ。その人きっとギザギザスカート大好きですって」
柊「でも、その人がギザギザスカート大好きだとしたら、さっきまでのけなすような発言は良くないんじゃない?」
水「む。それは確かに。ここは素直に謝っておきましょう。ギザギザスカートを貶してしまって申し訳ありませんでした。ギザギザスカート大好きですもんね。大好きですもんね!」
柊「うむ。これでそのギザギザスカート好きさんもきっと納得がいくんじゃないかな」
水「さて、分からない人にとってはチンプンカンプンな話題だと思うので、別の話題に移りましょうか」
柊「そだね。何の話しよっか。」
水「スリーサイズの話でもします?」
柊「そんな誰得な話題をしてどうするの……あ、でも私水星のスリーサイズは知ってるよ」
水「!? なぜ知ってるのですか……」
柊「寝てる時に測ったからね!」
水「やだこの人怖い……」
柊「昨日も測ったけど、ちょっと前より太ってない?」
水「え、昨日? ちょっと前? 複数回測ってるのですか……もうやだこの人……」
柊「同棲してる身として、水星の健康管理は私がしっかりしなきゃと思ってるからね!」
水「健康管理とスリーサイズを測るのはまた別なのでは……?」
柊「うぐ……それは、まぁ、そうかもしれないけど……ほら、気になるじゃん?」
水「いや、そんなに気にならないです」
柊「スパッと切られた! いいもんいいもん、水星のスリーサイズバラすもん! 上から順に――むぐっ」
水「はいはい余計な話はやめましょう。天体にだって恥じらいはあるのです。話題を切り替えましょう。そうですね、同棲とかの話が出たので私達の同棲生活について少し語りましょうか」
柊「おーけー。私達が暮らしてるのはマンションやアパートじゃなくて、一軒家です。まぁ、私の実家だね」
水「どっかのSSで書いたことなので詳しくは書きませんが、都合が良いのか悪いのか、柊先輩のご両親は現在家を離れてるんですよね」
柊「そういう訳で私達は二人だけのラブラブ同棲生活真っ最中な訳です!」
水「いや、別にラブラブじゃあないですけど……」
柊「なんでー? 一緒のベッドで寝てる仲じゃーん」
水「それはですね、一緒に寝たがる柊先輩を振りきって私がソファとかで寝てても、結局先輩が布団に潜ってくるので私が諦めたというエピソードを語っておく必要があると思うのですよ」
柊「なんで一緒に寝るの嫌なのさ―。いいじゃん女子同士なんだしー」
水「先輩が身を寄せてくるので、単純に寝苦しいんですよ」
柊「だって、私抱き枕とかないと寝られないタチだし……」

550水星(霊体):2014/10/09(木) 22:24:21
水「それ、抱き枕使えばいいでしょう。わざわざ私を抱き枕にしないでくださいよ」
柊「ほら、人の温かみとか、欲しい夜ってあるじゃん?」
水「それが毎日なんですか。どんだけ寂しがり屋なんですか」
柊「寂しいものは寂しいのー! それに水星なんだかんだで嫌がって無いじゃん」
水「……別に先輩のこと嫌いじゃないですからね」
柊「あ、デレた! 今デレたでしょ!」
水「気のせいじゃないですかね? あ、そうそう。家事担当の話とかしましょう」
柊「あ、流しやがった。家事担当かー。私が料理担当で、水星が洗濯・掃除担当だね」
水「この振り分けは私が料理できないことに因るものですね。ちなみに先輩の作るご飯は結構おいしいです」
柊「お。嬉しいこと言ってくれるじゃない。水星も憧れの先輩を見習って料理覚えるつもりとかないの? 男女平等社会になりつつあるとはいえ、やっぱり女の子は料理スキルもっていた方が良いと思うな―」
水「んー、天体である為子孫を残す必要が無いせいか、恋愛とか結婚とかあんまり興味わかないんですよね」
柊「え? でも結婚はする予定でしょ?」
水「え? まさか先輩と結婚する予定だとか戯けたことを言ったりしませんよね」
柊「勿論そういうことだけど?」
水「あの、まったくそんなつもりはないんですけど」
柊「なら私が金持ちの男と結婚して子供とか産んで、最後には孫達に暖かく見守られながら死んでしまってもいいと言うの!?」
水「いいじゃないですか。めっちゃ幸せそうな一生じゃないですか」
柊「えー、そこは『そんなの嫌だ!』とかいう所でしょー」
水「……まぁ、どこの馬の骨とも知れないような男と先輩が結婚するようであれば、それは嫌ですし、引き止めると思いますけどね」
柊「あ、またデれた! 今日のデレ率高くない?」
水「気のせいですよ、気のせい。そりゃ仲の良い先輩が変な男と結婚するとか言い出したら常識的に考えて止めるでしょう。単純に、そういうことですよ」
柊「むぅ。もっともらしいことを言うわね……。あ、でも今前髪をいじったね!」
水「……前髪をいじったから、何なんですか?」
柊「ふふん、私は知ってるんだぞ。水星は照れ隠しをする時前髪をいじるという癖があることをね!」
水「ッ!!」
柊「明らかにキョドった! ほらぁ、図星だったんでしょー?」
水「……はいはい降参です。デレたってことにして構いませんよ。」
柊「やったー! じゃあ結婚する予定で良いね?」
水「何が『じゃあ』なのかさっぱり分からないですね」
柊「ちっ。流れで押せると思ったのに」
水「押せる流れじゃなかったでしょう……」
柊「むぅ……。さて、そろそろ話題が尽きてきた感あるけど、どうかな?」
水「そうですね。お開きにしますか―」
柊「ではでは、皆様また今度〜」
水「さようならー」

【END】

551雨竜院暈哉:2014/10/10(金) 01:51:55
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4412070
雨竜院暈哉SS

552レオナ:2014/10/10(金) 22:04:26
【右足を失った暗殺者】


それは突然だった、真の黒幕(ラスボス)武藤雅紀との一戦、確かに私は一太刀入れたと思う。

確かその後は、不意に体勢が崩れ、無防備になった所に相手の一撃を喰らったんだ。

薄れる意識の中で、私は自分の右足が無くなっている事に気付いたんだ。

次に意識が戻ったのは見知った保健室のベッド上、頭が覚醒するに連れ生じる違和感。
右足の大腿部から先の感覚が一切無い、それに伴い、現実と実感させる激しい痛みに私は苦悶の表情を浮かべる。
神速を活かした暗殺技が使えない今、私は一体――――――――

コンコン――――――失礼するよ。

保健室に入って来たのは生徒会"随一"のマッドドクター埴井鋸その人だった。

「生徒会のマッドドクターが私に何の用………」
私が睨み付けると埴井鋸は慌てて制止ポーズをする。

「ちょ!?待った待った!!今日はあんたと事を起こすつもりはないよ(汗)」
私が怪訝な表情をしていると、埴井鋸の横から見知った顔が現れる。

「ヤッホー♪」
「ケニー!?何で貴方がソイツ(埴井鋸)と居るのよ!!」
「まーまー、そー怒らず最後の最期まで話しを聴いてよ(;`・ω・)ムムム」

ケニーに言われ私は冷静になった、とりあえず今は情報が欲しかったし、私が意識を無くしてた間に何が起きてたか確認もしたかった。

先ず第一に、私は負けたのか?武藤雅紀はどうしたか?
「あんたは負けたよ、アイツ(武藤)に一太刀入れた直後に右足を切断されてね(笑)」
そうか、私が意識を無くす直前に見た『右足切断』は現実だったのね。
「武藤君はレオナを始め、弾正伊君や女王様の手駒1号さんと2号さん、さいごまで君もボロボロに負けたよー(´・ω・`)」

そうか、全員負けたのか―――――――――

「そう言えば、真野と一太郎がおっ死んだよ、これであんたが正真正銘の『スピードスター』ね」
「なっ!あのスピードスター真野来人が殺られた!?」
「まーな、アイツ(真野)内臓が破裂してんのに無理して戦ってたかんなー、まっ、私に言わしてみれば馬鹿だけどね」

そうか、あの真野が、死んだのか――――――――

「レオナも複雑な気持ちだよねー、真野君を殺したの薬袋ちゃんだからねー(´-ω-`)」

――――――――何?
「あの薬袋さんが、真野を殺したの!?」
「その言い方は誤解を招くね、正確には『何時(いつ)死んでも可笑しくない』状態だったからな真野は、誰と戦っても結果は変わらなかったと思うけどね」

それから埴井鋸とケニーに現在の学園内情を聴いたが、パントマイムよしおが倒され、武藤雅紀が新生徒会長となった事で混乱が生じているらしい。
そこへ――――――――♪♪♪


「あ、弾正伊からだ………」
もしもし――――――――
「レオナか!エライ事になったぞっ!?」
え、どうしたの!?――――――――
「一太郎と人形遣いが生き返って武藤(生徒会)側に付いたぞ!!」
なっ!――――――――
「それだけじゃない、よしお(前生徒会長)まで復活しやがった」
よしおが復活した!?「「何っ!!」」
「いいかレオナ、もう部活存続とかそう言う次元の話しじゃなくなった、俺は武藤に対抗するため『同志(仲間)』を集める、お前は次の試合までゆっくり休んでおけ!!」
ちょ、弾正伊!――――――――プツン!!
ツー、ツー、ツー………

「ちょ、レオナ!弾正伊君は何て!?」
「『同志(仲間)』を集めるって……………」
「どうするのレオナ?右足も無くなって満身創痍なのに……、このまま戦ってたら本当に死んじゃうよ(´・ω・`)?」
「ま、そうなるね、このまま戦えば惑星娘(水星)とスピード馬鹿(真野)の二の舞になるのは確定的だよ」

そんな事は解ってる、それでも私はどうしたら良いんだ!!
右足を失った私に、一体何が出来る?
せめて、右足(あし)の代わりになる物が――――――――代わり?

「右足の、代わりになる物…………!!」

有った!!代わりになる物、有った!!

そして私は、一筋の光明を見つけだした――――――――。




続きは行動提出のに書くかも?

553野球帽:2014/10/13(月) 17:49:05
■真野さんアイテムありがとうSS■


天気の良い、昼下がりの中庭。

手元のメモを見ながら「もうっ、なんで私がこんなお使いみたいな真似を……!」と、ぶつくさ文句を言いながらせわしなくやって来たその勝気な美人はやはり、せわしなく去って行った。

「(屋外運動部とか言ってたけど、あんな奴いたっけか……?)」

野球帽は首を傾げた。
野球帽が最後にその美人を見た時はプールであり、その時彼女は屈強な黒人男性だった。

「はい、これアンタの取り分。感謝しなさいよね!」と言って先ほど渡された二つの品を見やる。
今では珍しくなったVHSのカセットに、標準的なバット。

カセットを懐にしまい、野球帽はバットを構えた。

「かっきーん!」

スイングと共にそんな声をあげてみる。

真野という男は、死んだらしい。

関わりは無かったが、こうして死後アイテムを同じ陣営に配布するくらいだ。
存外情に厚い、いい奴だったのかも知れない。

元・ランキング1位、真野来人。
良くも悪くも、彼の話題を聞かない日は無かった。

今大会「最強のファイターは誰か」と尋ねれば、きっと意見は割れる。
サイコパス書道部、ランキング1位の落語家、あるいはつい先日ランキング1位・2位をまとめて殺した科学部、鉄仮面の猫耳戦士に残虐文芸者。
議論はそうそうまとまるまい。

ただ、「最速のファイターは誰だったか」と尋ねた時、人々は渋い顔をしながらも、皆揃って真野の名を挙げるだろう。
それほどまでに彼の速さは圧倒的だった。

彼の戦い方はキャラクター性も相まって、反感を買うものだった。
自分の勝てる、弱い相手をいの一番に狙い、余力を残して次の獲物を狩る。
多くのファイターがそんな戦法は卑劣だと非難し、彼の死を望む者は少なくなかった。

そんな敵ばかりの環境においても彼は勝ち続けた。
死の直前まで彼に攻撃を当てられた者はいなかった。
ひかりのように駆け抜ける彼を捉えられる者はごく僅かだった。

野球帽も戦場で、何度か真野の姿を見たことがあった。
……といっても、その動きは残像でしか捉えられなかったのだが。

「かっきーん!」

もう一度素振りをしたあと。
野球帽は、バットを置いた。

「オレとヤる前に逝っちまいやがって。」

ヒュウっと息を吸って、野球帽はめいっぱいに引いた腕を木に向かい、鞭のようにしならせた。
突風が吹き付けたかのような衝撃に枝がざわめき、ヒラヒラと葉が数枚落ちる。

「……テメェのために鍛えてたんだぜ。
どうしてくれんだよまったく。」

ザァっと、中庭に風が吹き抜けた。

554紅炎峰コロナ:2014/10/14(火) 19:30:12
レオナ
tps://twitter.com/nater_gamer/status/521970354147713024/photo/1

555埴井葦菜:2014/10/15(水) 00:43:34
【埴井葦菜VSビンセント・タークハイツ 開戦SS】

 希望崎学園、大グラウンド。
 その地をコソコソと這いながら、泥棒めいた頭巾を被った少女が暗躍する。

「ゲッヘッヘ、誰が配送業者の真似だけに甘んじるものかしら……民営化でもされてなさいよこのおばか!」

 黒い笑いを浮かべながら、鞄にアイテムを詰め込む葦菜。
 ちらりと覗くのは……雨竜院と御来光滝が交換するはずだったアイテム! 
 これは……着服だ! なんたる悪行!!

「ふう、後はどっかであたしを探して迷ってるだろうビンセントを嘲笑うだけ……」

 運営への返却を済ませると、一仕事終えた顔で額の汗を拭う。

「ハッ……ハハハ……アーッハッハッハッハ!」

 哄笑がただっぴろいグラウンドに響き渡る!
 おお、どこかにこの悪女を成敗する者はいないのか!? よしお様よ、寝ているのですか!?(※ さっき起きました)

 ――そして、その笑い声を切り裂くように、一条の殺気が葦菜を射抜く。

「……!? ま、まさか……!」

 姿は見えない。
 だが、はっきりと“理解”る。

 ――いる。

 どこから嗅ぎ付けたのか。
 それとも、全く見当がつかないながら、宅急部の勘が、あるいはプライドを傷つけられた男の憎悪が、彼をここへ運んだか。
 不在票を突き付けるべく――血染めのカンガルーが、潜んでいる。

「チッ……フン! そうね、よく考えれば、逃げ回るなんてあたしの性じゃなかったわね!
 いいわ、来なさい! もう二度とあたしに立ち向かえないように、また叩き潰してやるわ!!」


 ――――大会8日目。大グラウンドで激突するは、

 “偽りの配達女王”埴井葦菜VS“血染めのカンガルー”ビンセント・タークハイツ

556水星(霊体):2014/10/16(木) 22:22:11
真野来人
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46584558
ホリランクラブ第7ターン目開始時
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46539071

557水星(霊体):2014/10/17(金) 01:30:34
熊殺しのウーパールーパーめごちゃん
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46586584
平井律
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46589178

558水星(霊体):2014/10/18(土) 00:07:24
野球帽
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46594027
ヴェータ
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46594180
ビンセント・タークハイツ
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46598366
神社千代
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46600676

559一 十四:2014/10/19(日) 00:11:58
ダンゲロス・ホーリーランドクラブSS『デート・ア・クラブ』。
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4448896

メインヒロイン:真木ハルコ
友情出演:シスター・マリー
特別出演:水のおともだち
原案協力:ほまりんさん、白金さん、キュウさん、etc

でお送りします。

挿絵はこちら。
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46620466

560紅炎峰コロナ:2014/10/19(日) 00:35:30
水星
tps://twitter.com/nater_gamer/status/523497116421738496/photo/1

561水星(霊体):2014/10/19(日) 02:54:46
オクトパス
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46615248
深見忌
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46621880

562ミケナイト:2014/10/19(日) 07:07:44
対戦シミュレータだよ。
公平を期すため生存キャラ全員を作りこめたら公開するつもりだったけど、
なんかもう無理なので公開しちゃうよ!
実装できてない人ごめんねー。
tp://0006.x0.to/oo/gif/holycrabsim.html

563紅炎峰コロナ:2014/10/19(日) 11:42:11
小薙武蔵
tps://twitter.com/nater_gamer/status/523665100272443392/photo/1

564ミケナイト:2014/10/19(日) 12:45:31
>>562
シミュレータの使い方補足っ!
一番上のseed欄に数字を入れると、ダイス目が固定されます。
また、pと入れると百回戦、ppと入れると千回戦です。これはマシン負荷が重いので注意だ。
tと入れるとダイス目を自分で入れる試験モード。
gと入れるともはや僕自身も使い方を忘れた遺伝子的アルゴリズムによる淘汰プログラムだ。動くかどうかも分からない。
処理がおかしい部分は、僕がルールを誤解してる場合と、ちゃんと作り込むのを放棄してる場合と、単なるバグのどれかです。
また、ステータスはほとんどが後半戦開始ごろに入れた数字だったかな?

565一 十四:2014/10/19(日) 23:09:30
ダンゲロス・ホーリーランドクラブSS『あなたが笑ってくれるなら、私は悪にでもなる』。
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4453255
メインヒロイン:魔技姫ラクティ☆パルプ

でお送りします。

前作は>>559

566水星(霊体):2014/10/20(月) 00:03:27
紅炎峰コロナ
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46631571
真(リアル)・生徒会長 武藤雅紀
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46638642
人業遣い
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46641463

567一 十四:2014/10/20(月) 01:08:22
ダンゲロス・ホーリーランドクラブより、美少女詰め合わせ。
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46643249
上段左から、一 十四、薬袋品、迚持ライ、キサンラ・シェカラーシカ。
下段左から、月読七菜、ジャグリングありさ、水星、神社千代。

568雨竜院暈哉:2014/10/20(月) 02:43:33
 地下ダンジョンのモンスターのレベルはそう高くない。1人とはいえ、今の暈哉なら単身攻略できるかも知れない。
 ただそれは、彼が万全ならばの話である。
「どうする……最終ターンを控えた今、流石に……」
「部長! 俺達がいるじゃないですか!」
 その声に振り向くと、そこには傘部の部員達の姿があった。
 言ったのは副部長。
「お前ら……」
「ダンジョンはパーティで攻略するもんでしょ!?」
 部員Bが言う。
「でも、これは俺の部と全然関係無い個人的な戦いなんだぞ?」
「何言ってるんスか? 部長、部のために命がけで戦ってくれたんだから、これくらいさせてくださいよ」
 部員C。
「今までずーっと部長と半左さんがいちゃつくの見せられたんスよ?
 手助けもしたくなるでしょ」
 部員D。他にも2人の部員が、傘を手に力を貸すと言う。
「お前ら……」
 暈哉は目頭が熱くなるのを抑えられなかった。
 SSによっては存在が無視される都合のいいモブなのにありがとう、と謝りたいと感じていた。

 そうして、傘部パーティー7人は女になるアイテムを求め、地下ダンジョンへと踏み入った。
 スライムやゴブリンを倒したり、熊をナントカ倒したり、ドラゴンに出くわして逃げ出したりしつつ、ダンジョンで10数個の宝箱を発見した。

・・・

 大会最終日、朝。
「か、暈哉なの……?」
「そうだよ。ほら、学生証。姉貴じゃないぞ」
 半左空の家を尋ねたのは、1人の小柄な少女だった。その正体は、何と雨竜院暈哉。
 身長180cmの男子高校生が、150cm程の中学生のような少女へと変貌を遂げている。
 ダンジョンで発見したアイテムを手当たり次第試していったところ、6つ目のウィッグをつけた途端、こうなったのだ。それこそが男体化の付け髭と対をなすアイテム・女体化のウィッグであった。
 因みに、7つ目は埴井葦菜を男体化させた付け髭であった。
「お前は女が好きな男。俺は男が好きな女。
 なんか普通になったな」
 暈哉がそう言ってニッと笑う。
「もう……馬鹿!」
 半左は涙ぐんで笑った。

「暈哉、可愛いね。けど、今は女の子だし、何て呼べばいいかな? かさや……かさや……」
「『暈哉』のままでいいよ」
「あ、さやかちゃん!」
「やめろ恥ずかしい!」

 この日も雨だった。
 体格に比べると大きすぎる「アタナンテ」を差して、2人は学校へ向かう。
「今日で、ついに最後だね」
「真生徒会室に行けないのが心残りだけどな。ベストを尽くすよ」
「うん……ねえ、暈哉」
 少しばかり真剣な声音で半左が言う。暈哉も少し真剣な面持ちになって、隣の少年の顔を見た。
「暈哉さ、大会に生き残ったら、僕に告白するつもりだったんだよね」
「……そうだけど、どうした?」
 暈哉は顔を赤くしつつ、応じる。
「でも、もう僕ら、両想いになっちゃったじゃない?」
「う、うん」
 お互い、顔がいっそう赤くなった。
「だからね、暈哉」
「ん?」
 半左の小さな手が、今やそれより小さい暈哉の手を取った。
 真上を向いていた「アタナンテ」が傾き、通行人から2人の姿を隠す。
 そして、
「……っ」
 半左がそっと、暈哉の額に口付ける。
「えっ……あ……」
 暈哉は口をパクパクさせながら額に手をやり、残る温度を感じた。
 暈哉もそうだが、半左の方も真っ赤な顔で見つめている。
「今日が終わったら、その、口にしたげる。だから、頑張って」
 やや背伸びした半左の応援に、暈哉はブンブンと首を縦に振った。
「それでさ、そうしたら僕のことも……『空』って呼んでくれる?」
 やや背伸びした半左の応援に、暈哉はブンブンと首を縦に振った。
「それでさ、そうしたら僕のことも……『空』って呼んでくれる?」

 大会最終日、2人は相合傘で学校へ向かう。
 今までに何度もあった光景だ。
 ただその肩と肩、繋がれた手と手の距離は、嘗て無く近い。

最終ターンに続く

569雨竜院暈哉:2014/10/20(月) 02:47:28
>>568

こっちに差し替えお願いします。

 8ターン目、人形遣いとの対戦。
 雨竜院暈哉は有利に優勢に戦っていた。倍位上の差があったHPも今ではリードしている。
(勝てる……勝てるよ暈哉)
 半左空は手に汗握り、心中で名を呼ぶ。確かに勝利は目前。HPにもある程度余裕を持って勝てる。そう思った。
 が
「ぐぅっ……!!」
 敵の投げがクリーンヒットする。HPを70以上削られる大ダメージだった。
 しかし、お互い体力は残り少ない。次の一撃、中・上段柄打ちか壮暈牙を当てれば勝てる。敵は反応0なので完全に選ぶ技次第だ。
 睨み合い、最後の技を繰り出そうとする。
(あと一手……暈哉頑張れ頑張れ頑張れ頑張れ……!!)
「暈哉!! 好きぃっ!!」
「っ!!」
 思わず出た叫び、秘匿にすべき告白であった。
「好き!? え、あっ俺も! いや、あっ……」
 混乱の中出した技は、「脱皮突き」。相手のHPを削り切れない技だった。
「しまっ……ギャー!!」
 雨竜院暈哉、敗北!!



「ごめんね……暈哉、僕のせいで……」
「いや……何だ。でも、その……」
 目前の勝利を逃した暈哉だが、今はそれよりも重大なことがあった。
「半左……その……さっき言ったこと」
 そう言うと、半左は顔を真赤にして俯く。
「半左、実はその……俺も」
「知ってる」
「え?」
「ごめんね……聞いちゃったんだ。あの日の夜」
 「あの日」の意味に気づき、暈哉も顔を赤くする。お互い暫し黙った後で、半左がぽつりと言った。
「その時はびっくりしたけどね。僕も暈哉のことが好き」
「……半左」
 ここ数ヶ月の想いが報われたことに、しかし暈哉はすぐには実感を持てなかった。
 数秒経って、掌で顔を覆う。恥ずかしさと多幸感が一気に押し寄せてきて、まともな顔を出来る自信が無かったのだ。
「でもね、暈哉。言わなきゃいけないことがあるんだ」
「え?」
 半左は暈哉の手を取り、自分の胸に持っていった。

・・・

「埴井葦菜さん」
「ん? げえっ!! 雨竜院!!」
 暈哉に声をかけられた埴井葦菜は引きつった顔で叫び、さっと飛び退いた。
 1ターン目で戦った2人だが、葦菜の脳裏にはあの時の悪夢が焼き付いているのだ。
 今はオッサンで無くなった分、余計にあの体験は忌々しかった。
 近寄るなとばかりにローキックで牽制しつつ、蜂を伸ばす。
「何よ? アイテムならアンタが1ターンでやったことのお詫びだと思いなさい」
「アイテムはまあ……それより、聞きたいんスけど、どうして性別が変わったんスか? 魔人能力?」
「性別? 魔人能力じゃないわよ。思い出すのも嫌だけど、呪いを受けたのよ。呪いの力で性別が変わったの」
「性別を変える呪い……それはどんな」
 暈哉の食いつきに何だこいつと思いながらも葦菜は答える。
「『狂頭の試練場』って知ってる? 地下ダンジョン。そこにあるアイテムの呪いよ」
「呪いのアイテム! それはまだあるんですか」
「呪いを受けて即出てきたからわからないけど、他にもあるかも知れないわ」
「マジっすか!! ありがとうございました。
 じゃあ、行ってきます!!」

 テンションの上がった暈哉はよろよろと傘を杖代わりにダンジョンへ向かう。

(あの子……男になる呪いなんかどうするのかしら?
 男があの呪いを受けても……あ、より男臭くなるとか?
 そう言えば、女みたいな男子連れてたわね……あー……)

 1人納得した埴井葦菜は暈哉の背中を見送る。

(半左……待ってろよ。
 俺は女になる呪いを受けて、お前と……)

 お互いに誤解を抱えたまま。

・・・

570雨竜院暈哉:2014/10/20(月) 02:49:06
>>569の続き

 地下ダンジョン入り口前。

「ここか……しかし、今更だけどこの体じゃ無茶な気がしてきた……」

 地下ダンジョンのモンスターのレベルはそう高くない。1人とはいえ、今の暈哉なら単身攻略も可能かも知れない。
 ただそれは、彼が万全ならばの話である。
「どうする……最終ターンを控えた今、流石に……」
「部長! 俺達がいるじゃないですか!」
 その声に振り向くと、そこには傘部の部員達の姿があった。
 言ったのは副部長。
「お前ら……」
「ダンジョンはパーティで攻略するもんでしょ!?」
 部員Bが言う。
「でも、これは俺の部と全然関係無い個人的な戦いなんだぞ?」
「何言ってるんスか? 部長、部のために命がけで戦ってくれたんだから、これくらいさせてくださいよ」
 部員C。
「今までずーっと部長と半左さんがいちゃつくの見せられたんスよ?
 手助けもしたくなるでしょ」
 部員D。他にも2人の部員が、傘を手に力を貸すと言う。
「お前ら……」
 暈哉は目頭が熱くなるのを抑えられなかった。
 SSによっては存在が無視される都合のいいモブなのにありがとう、と謝りたいと感じていた。

 そうして、傘部パーティー7人は女になるアイテムを求め、地下ダンジョンへと踏み入った。
 スライムやゴブリンを倒したり、熊をナントカ倒したり、ドラゴンに出くわして逃げ出したりしつつ、ダンジョンで10数個の宝箱を発見した。

・・・

 大会最終日、朝。
「か、暈哉なの……?」
「そうだよ。ほら、学生証。姉貴じゃないぞ」
 半左空の家を尋ねたのは、1人の小柄な少女だった。その正体は、何と雨竜院暈哉。
 身長180cmの男子高校生が、150cm程の中学生のような少女へと変貌を遂げている。
 ダンジョンで発見したアイテムを手当たり次第試していったところ、6つ目のウィッグをつけた途端、こうなったのだ。それこそが男体化の付け髭と対をなすアイテム・女体化のウィッグであった。
 因みに、7つ目は埴井葦菜を男体化させた付け髭であった。
「お前は女が好きな男。俺は男が好きな女。
 なんか普通になったな」
 暈哉がそう言ってニッと笑う。
「もう……馬鹿!」
 半左は涙ぐんで笑った。

「暈哉、可愛いね。けど、今は女の子だし、何て呼べばいいかな? かさや……かさや……」
「『暈哉』のままでいいよ」
「あ、さやかちゃん!」
「やめろ恥ずかしい!」

 この日も雨だった。
 体格に比べると大きすぎる「アタナンテ」を差して、2人は学校へ向かう。
「今日で、ついに最後だね」
「真生徒会室に行けないのが心残りだけどな。ベストを尽くすよ」
「うん……ねえ、暈哉」
 少しばかり真剣な声音で半左が言う。暈哉も少し真剣な面持ちになって、隣の少年の顔を見た。
「暈哉さ、大会に生き残ったら、僕に告白するつもりだったんだよね」
「……そうだけど、どうした?」
 暈哉は顔を赤くしつつ、応じる。
「でも、もう僕ら、両想いになっちゃったじゃない?」
「う、うん」
 お互い、顔がいっそう赤くなった。
「だからね、暈哉」
「ん?」
 半左の小さな手が、今やそれより小さい暈哉の手を取った。
 真上を向いていた「アタナンテ」が傾き、通行人から2人の姿を隠す。
 そして、
「……っ」
 半左がそっと、暈哉の額に口付ける。
「えっ……あ……」
 暈哉は口をパクパクさせながら額に手をやり、残る温度を感じた。
 暈哉もそうだが、半左の方も真っ赤な顔で見つめている。
「今日が終わったら、その、口にしたげる。だから、頑張って」
 やや背伸びした半左の応援に、暈哉はブンブンと首を縦に振った。
「それでさ、そうしたら僕のことも……『空』って呼んでくれる?」
 やや背伸びした半左の応援に、暈哉はブンブンと首を縦に振った。
「それでさ、そうしたら僕のことも……『空』って呼んでくれる?」

 大会最終日、2人は相合傘で学校へ向かう。
 今までに何度もあった光景だ。
 ただその肩と肩、繋がれた手と手の距離は、嘗て無く近い。

 最終ターンに続く

571水無月劫穉:2014/10/20(月) 03:14:37
「 」??
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46644865
結構前に描いたもの

572雨竜院暈哉:2014/10/20(月) 16:09:12
>>570はこちらに差し替えで

地下ダンジョン入り口前。

「ここか……しかし、今更だけどこの体じゃ無茶な気がしてきた……」

 地下ダンジョンのモンスターのレベルはそう高くない。1人とはいえ、今の暈哉なら単身攻略も可能かも知れない。
 ただそれは、彼が万全ならばの話である。
「どうする……最終ターンを控えた今、流石に……」
「部長! 俺達がいるじゃないですか!」
 その声に振り向くと、そこには傘部の部員達の姿があった。
 言ったのは副部長。
「お前ら……」
「ダンジョンはパーティで攻略するもんでしょ!?」
 部員Bが言う。
「でも、これは俺の部と全然関係無い個人的な戦いなんだぞ?」
「何言ってるんスか? 部長、部のために命がけで戦ってくれたんだから、これくらいさせてくださいよ」
 部員C。
「今までずーっと部長と半左さんがいちゃつくの見せられたんスよ?
 手助けもしたくなるでしょ」
 部員D。他にも2人の部員が、傘を手に力を貸すと言う。
「お前ら……」
 暈哉は目頭が熱くなるのを抑えられなかった。
 SSによっては存在が無視される都合のいいモブなのにありがとう、と謝りたいと感じていた。

 そうして、傘部パーティー7人は女になるアイテムを求め、地下ダンジョンへと踏み入った。
 スライムやゴブリンを倒したり、熊をナントカ倒したり、ドラゴンに出くわして逃げ出したりしつつ、ダンジョンで10数個の宝箱を発見した。

・・・

 大会最終日、朝。
「か、暈哉なの……?」
「そうだよ。ほら、学生証。姉貴じゃないぞ」
 半左空の家を尋ねたのは、1人の小柄な少女だった。その正体は、何と雨竜院暈哉。
 身長180cmの男子高校生が、150cm程の中学生のような少女へと変貌を遂げている。
 ダンジョンで発見したアイテムを手当たり次第試していったところ、6つ目のウィッグをつけた途端、こうなったのだ。それこそが男体化の付け髭と対をなすアイテム・女体化のウィッグであった。
 因みに、7つ目は埴井葦菜を男体化させた付け髭であった。
 そして、魔人能力「1/2」で女性へと戻っていた半左も、暈哉が女体化したことで再び男体化したのだ。
「お前は女が好きな男。俺は男が好きな女。
 なんか普通になったな」
 暈哉がそう言ってニッと笑う。
「もう……馬鹿!」
 半左は涙ぐんで笑った。

「暈哉、可愛いね。けど、今は女の子だし、何て呼べばいいかな? かさや……かさや……」
「『暈哉』のままでいいよ」
「あ、さやかちゃん!」
「やめろ恥ずかしい!」

 この日も雨だった。
 体格に比べると大きすぎる「アタナンテ」を差して、2人は学校へ向かう。
「今日で、ついに最後だね」
「真生徒会室に行けないのが心残りだけどな。ベストを尽くすよ」
「うん……ねえ、暈哉」
 少しばかり真剣な声音で半左が言う。暈哉も少し真剣な面持ちになって、隣の少年の顔を見た。
「暈哉さ、大会に生き残ったら、僕に告白するつもりだったんだよね」
「……そうだけど、どうした?」
 暈哉は顔を赤くしつつ、応じる。
「でも、もう僕ら、両想いになっちゃったじゃない?」
「う、うん」
 お互い、顔がいっそう赤くなった。
「だからね、暈哉」
「ん?」
 半左の小さな手が、今やそれより小さい暈哉の手を取った。
 真上を向いていた「アタナンテ」が傾き、通行人から2人の姿を隠す。
 そして、
「……っ」
 半左がそっと、暈哉の額に口付ける。
「えっ……あ……」
 暈哉は口をパクパクさせながら額に手をやり、残る温度を感じた。
 暈哉もそうだが、半左の方も真っ赤な顔で見つめている。
「今日が終わったら、その、口にしたげる。だから、頑張って」
 やや背伸びした半左の応援に、暈哉はブンブンと首を縦に振った。
「それでさ、そうしたら僕のことも……『空』って呼んでくれる?」
 やや背伸びした半左の応援に、暈哉はブンブンと首を縦に振った。
「それでさ、そうしたら僕のことも……『空』って呼んでくれる?」

 大会最終日、2人は相合傘で学校へ向かう。
 今までに何度もあった光景だ。
 ただその肩と肩、繋がれた手と手の距離は、嘗て無く近い。

 最終ターンに続く

573水星(霊体):2014/10/20(月) 17:00:04
ミステリアスパートナー
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46649121

574水星(霊体):2014/10/20(月) 18:16:39
多味倫太郎
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46649933

575雨竜院暈哉:2014/10/20(月) 18:17:21
>>572 やっぱこっち

地下ダンジョン入り口前。

「ここか……しかし、今更だけどこの体じゃ無茶な気がしてきた……」

 地下ダンジョンのモンスターのレベルはそう高くない。1人とはいえ、今の暈哉なら単身攻略も可能かも知れない。
 ただそれは、彼が万全ならばの話である。
「どうする……最終ターンを控えた今、流石に……」
「部長! 俺達がいるじゃないですか!」
 その声に振り向くと、そこには傘部の部員達の姿があった。
 言ったのは副部長。
「お前ら……」
「ダンジョンはパーティで攻略するもんでしょ!?」
 部員Bが言う。
「でも、これは俺の部と全然関係無い個人的な戦いなんだぞ?」
「何言ってるんスか? 部長、部のために命がけで戦ってくれたんだから、これくらいさせてくださいよ」
 部員C。
「今までずーっと部長と半左さんがいちゃつくの見せられたんスよ?
 手助けもしたくなるでしょ」
 部員D。他にも2人の部員が、傘を手に力を貸すと言う。
「お前ら……」
 暈哉は目頭が熱くなるのを抑えられなかった。
 SSによっては存在が無視される都合のいいモブなのにありがとう、と謝りたいと感じていた。

 そうして、傘部パーティー7人は女になるアイテムを求め、地下ダンジョンへと踏み入った。
 スライムやゴブリンを倒したり、熊をナントカ倒したり、ドラゴンに出くわして逃げ出したりしつつ、ダンジョンで10数個の宝箱を発見した。

・・・

 大会最終日、朝。
「か、暈哉なの……?」
「そうだよ。ほら、学生証。姉貴じゃないぞ」
 半左空の家を尋ねたのは、1人の小柄な少女だった。その正体は、何と雨竜院暈哉。
 身長180cmの男子高校生が、150cm程の中学生のような少女へと変貌を遂げている。
 ダンジョンで発見したアイテムを手当たり次第試していったところ、6つ目のウィッグをつけた途端、こうなったのだ。それこそが男体化の付け髭と対をなすアイテム・女体化のウィッグであった。
 因みに、7つ目は埴井葦菜を男体化させた付け髭であった。
 そして、魔人能力「1/2」で女性へと戻っていた半左も、暈哉が女体化したことで再び男体化したのだ。
「お前は女が好きな男。俺は男が好きな女。
 なんか普通になったな」
 暈哉がそう言ってニッと笑う。
「もう……馬鹿!」
 半左は涙ぐんで笑った。

「暈哉、可愛いね。けど、今は女の子だし、何て呼べばいいかな? かさや……かさや……」
「『暈哉』のままでいいよ」
「あ、さやかちゃん!」
「やめろ恥ずかしい!」

 この日も雨だった。
 体格に比べると大きすぎる「アタナンテ」を差して、2人は学校へ向かう。
「今日で、ついに最後だね」
「真生徒会室に行けないのが心残りだけどな。ベストを尽くすよ」
「うん……ねえ、暈哉」
 少しばかり真剣な声音で半左が言う。暈哉も少し真剣な面持ちになって、隣の少年の顔を見た。
「暈哉さ、大会に生き残ったら、僕に告白するつもりだったんだよね」
「……そうだけど、どうした?」
 暈哉は顔を赤くしつつ、応じる。
「でも、もう僕ら、両想いになっちゃったじゃない?」
「う、うん」
 お互い、顔がいっそう赤くなった。
「だからね、暈哉」
「ん?」
 半左の小さな手が、今やそれより小さい暈哉の手を取った。
 真上を向いていた「アタナンテ」が傾き、通行人から2人の姿を隠す。
 そして、
「……っ」
 半左がそっと、暈哉の額に口付ける。
「えっ……あ……」
 暈哉は口をパクパクさせながら額に手をやり、残る温度を感じた。
 暈哉もそうだが、半左の方も真っ赤な顔で見つめている。
「今日が終わったら、その、口にしたげる。だから、頑張って」
 やや背伸びした半左の応援に、暈哉はブンブンと首を縦に振った。
「それでさ、そうしたら僕のことも……『空』って呼んでくれる?」

 大会最終日、2人は相合傘で学校へ向かう。
 今までに何度もあった光景だ。
 ただその肩と肩、繋がれた手と手の距離は、嘗て無く近い。

 最終ターンに続く

576雨竜院暈哉:2014/10/22(水) 02:52:33
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46674071
女体化暈哉
GK様、お手を煩わせて申し訳ないのですが、wikiの自キャラの学生証の顔写真をミケナイトさんのように二段構え(従来のものにカーソルを合わせるとこの絵が出る仕様)にしてもらえないでしょうか。

577神社 千代:2014/10/22(水) 23:52:45
れおなさん!
pic.twitter.com/DOTvXpYf15

578水星(霊体):2014/10/25(土) 00:33:52
水星エピローグSS

――いつかの未来。現世とは隔絶した場所で。

「あぁ。ついにきてしまいましたか」
「来ちゃったよ」
「あまりこちらで会いたくはなかったのですが」
「天寿を全うしたんだからいいじゃない。どこかの誰かと違って早々に退場したわけじゃないし。私、結構寂しかったんだよ?」
「寂しかったなら、なんで最後まで独り身だったのですか。貰い手がいなかった訳ではなかったでしょうに」
「誰かさんに操を立てたからね」
「……まったく馬鹿ですか。誰もそんなこと頼んでないですよ」
「とか言いながら頬が緩んでるぞ」
「いえ、そんなことは――いや、この期に及んで意地を張るのはやめましょう。……嬉しいに決まってるじゃないですか。憧れの人が人生かけて死した私を想ってくれたのですから」
「そう言ってくれると、私も人生かけた甲斐があったな。ふふっ、憧れの人かぁ。そっか、私はずっと憧れの人でいられたのか。良かった」
「ここでも色んな人に出会いましたが、私の憧れの人は揺るぎませんでしたよ」
「そっか。良かったら、私にもその人達を紹介して欲しいな」
「いいですよ。時間はたっぷりあることですしね。一緒に挨拶して回りますか」
「うん。一緒に――――」


【END】

579ミケナイト:2014/10/25(土) 06:25:16
『マジカル・シューター』

真(リアル)・生徒会室を遠くに望む時計塔の上に、二人の魔法少女が待機していた。
アウトリガの如く大きく開いた六本の脚で体勢を固定し、肩にエアバズーカ砲を担いだ青い三つ編みの魔法少女。
海蠍の甲冑に身を包んで全身から緑の粘液を滴らせた小さな魔法少女。

「様子はどうじゃ?」
甲冑の魔法少女が、外見に似つかわしくない老人のような口調で訊ねる。

「かなりの選手が集まってます。私たちの出番はないかもですね」
バズーカのスコープを覗きながら、真・生徒会室の状況を伝える。

彼女たちの任務は、真・生徒会長である武藤雅紀の抹殺。
あまりにも力をつけすぎた希望崎学園生徒会を危険視した政府が打った、奥の手のひとつだ。
鬼雄戯大会の全日程を終えてなお彼が健在ならば、『天地一切清浄祓』の射程外からの狙撃で葬り去る。

魔法少女、夢見花卒羽と後藤うさ。
彼女たちの最終ターンも人知れず始まっていたのだ。

(ミケナイトのエピローグ『騎士叙勲』につづく)

580ミケナイト:2014/10/25(土) 09:44:54
『猫岸タマ太』

オスの三毛猫は、大変珍しく貴重な存在だ。
三毛猫となるためには、X染色体上にある茶色遺伝子がヘテロである必用があるため、通常は性染色体がXXである雌にしか生まれない。
例外は、クラインフェルター症候群によるX染色体過剰、一個体に複数の遺伝子情報が混在するモザイク、Y染色体への茶色遺伝子乗り換えといった遺伝子異常。
ゆえに、雄の三毛猫が生まれる確率はおよそ三万分の一。
その稀少性から雄の三毛猫は幸運の守り神として珍重されたが、タマ太はそんなことは知らないし、三毛猫であったことは不幸でしかなかった。

“姉”である猫岸舞がハルマゲドンで命を落としてから数ヵ月後。
舞の父親は、普段通りに仕事へ出掛けたきり帰ってこなかった。
何があったのかは分からないが、これでタマ太は完全に天涯孤独となってしまった。
可愛い猫のお嫁さんを迎えられそうなチャンスは何度かあったものの、うまくはいかなかった。
クラインフェルター症候群のために、タマ太は子を成すことができなかったからだ。
孤独によってタマ太は魔人となり、長命を授かった。
能力は不明。ただ、孤独な時間が長くなっただけだった。
主の居なくなった家で、タマ太は“姉”の遺影に狩りの獲物を供えながら、何十年も孤独に生きた。

およそ40年後。2014年11月22日。
タマ太は、一匹の仔猫が捨てられているのを見つけた。
雌の三毛猫だった。
タマ太は、まるで“姉”に拾われる前の自分を見たような気がして、その子を連れて帰り育てることにした。
タマ太はその子を“ミウ”と名付けた。

タマ太はミウに狩りと生きるすべを教え、大切に育てた。
ミウは健康に、すくすくと育っていった。
そんなある日、ミウが仏壇の写真を見て、これは誰なのかと尋ねてきた。

「ニャーン(ああ、姉さんのことかい。姉さんは酷いイタズラ者でね、それでオバケに連れてかれて消えちゃったのさ。ミウは良い子にしてなきゃいかんぞ)」

「ニャーン(うん。みう、良い子にするよ)」

ミウは良い子らしく、そう答えた。
タマ太は思った。
この子だけは何としても守り抜いていかなければならないと。
そして、タマ太の強い思いが高まり……魔人の能力がついに発動してしまった。

能力名『M.I.U. (マイ・イデアル・ユニバース)』
効果:対象を理想の女の子に変える
制約:一度しか使えない

そしてミウは、“人間”猫岸魅羽となった。
タマ太は八方手を尽くし、魅羽をなんとか希望崎学園に入学させることに成功した。
そして、猫であった時の記憶を失っているらしい魅羽を密かに手助けするために、馬たちに怯えながらも馬術部に潜入して影ながら魅羽の手助けをしていった。
その後は、みなさんが御存じの通りである。

(ミケナイトのエピローグ『騎士叙勲』につづく)

581神社 千代:2014/10/25(土) 19:15:51
志筑綴子さん!
pic.twitter.com/sQS2QR5c6O

582ビンセント・タークハイツ:2014/10/26(日) 00:15:39
宅急部エピローグ……

――希望崎学園 生徒会特別ピラミッド建設予定地

「オラァ!急げ急げェ!ノルマはまだ半分も終わっとらんぞ!」

 鞭をもった空手部モヒカン役員の罵声が響く。
 ここは生徒会特別ピラミッド建設予定地。
 希望崎学園では借金を負った学生救済のための公共事業として、毎年生徒会長のためのピラミッドの建設を行っているのだ。

「生徒会長退任までに完成しなかったら報酬は払われんぞ!借金を返したかったらキリキリ働けィ!」

 債務労働者達の目に光はない。
 毎年生徒会特別ピラミッド建設では100を超える死者が出ている。
 だがそれも、借金を返済できないよりはマシな未来なのだ。
 いっそのこと事故が起こってくれれば、労災で借金が返せるのに……そう考えている労働者も少なくはない。
 
 石を運んでいた労働者の一人が、足をもつれさせて倒れる。
 真っ赤に腫れ上がった手脚。対照的に顔色は生気のない土気色だ。

「貴様ァ!なにを休んでいる!」
 
 空手部モヒカン役員の鞭が労働者の体を強かに打擲する。
 労働者はよろよろと立ち上がる。だが、石を持ち上げることは出来ない。
 一人のノルマ未達成はまわりまわって全員に返ってくる。だがそれでも、この労働者に手を貸すものはいない。
 それも当然であろう……彼は、佐川ヤマト。経営破綻した宅急部の元部長だ。
 強引な手段で不在票を投函する宅急部に、好印象を持っている生徒はまず居ない。
 鬼雄戯大会で負った借金も、他の部活からの融資があれば致命傷とはならなかっただろう。
 だが、融資はなかった。宅急部は経営破綻し、部長である彼は責任をとってここで働いている。

「早く働きなさいよ!外道!」

 労働者がヤマトを蹴る。

「痛い?でもね、あんたの部員に渡された不在票はもっと痛かったわ!」
「そうだそうだ!」
「いい気味だぜ!」

 石を投げる労働者もいる。やじを飛ばす労働者もいる。無視する労働者もいる。
 だが、彼に手を貸す者はひとりとして存在しない。

 ああ、神よ……これが傲慢の報いなのでしょうか…………



 一方その頃、オーストラリア行き飛行機内。


「ビーフ オア チキン?」
「チキンプリーズ」
 
 にこやかな笑顔でCAに注文をつけているのはビンセント・タークハイツだ。
 彼は鬼雄戯大会最終戦での賞金を持ち逃げし、ファーストクラスで故郷に帰ろうとしている。

 飛行機の窓の外には東京湾を見下ろすことが出来る。
 希望崎学園、彼の留学先。色々なことがあった、だが、今となっては……

「……宅急後進国ではあったが、いい経験になったマーマイト」

 あそこでの日々を思い出し、ビンセントの顔には思わず笑みが覚えた。

「さようなら、希望崎学園。さようなら、宅急部」


 宅急部エピローグ 完

583ミケナイト:2014/10/26(日) 10:56:24
ミケナイトのエピローグ『騎士叙勲』

鬼遊戯大会の戦いが終わった希望崎学園を、赤く燃える夕陽が照らす。
大グラウンドに長い影を落とす時計塔の上には、二人の魔法少女と、二匹のマスコットがいた。

「終わりましたね、老師」
エアバズーカ砲を肩から降ろし、長い三つ編みの魔法少女が言った。
タカアシガニ状の六脚下半身を持つ魔法の射撃手・夢見花卒羽(どりみっかどりみ)である。
既に魔法弾生成能力は解除しているので髪の青い光は消えており、髪は夕陽の色に染められている。

「うむ。儂等の出番がなくて何よりじゃ」
老師、と呼ばれた少女の表情も穏やかだ。
歴戦の魔法少女、後藤うさの任務は真・生徒会長の武藤を狙撃する卒羽の護衛と補助であった。
既に武藤が倒れた今、武装は解除し、鎧でありマスコットであるウミサソリの“ぷてりん”は、うさの近くでフワフワと浮いている。
「あの子も、無事で良かったのう」

「ニャーン(ああ。あんたの教えてくれた最終手段、今回は使わずに済んで良かったぜ)」
最終手段。魔法少女とマスコットの絆を介して自身の生命エネルギーの全てを受け渡す、本当の最終手段。
猫岸魅羽にもしものことがあれば、タマ太は迷わず最終手段を使うつもりだった。

「“今回は”か。おぬし、これからどうする気かのう?」
「ニャー(知れたこと。当然、このまま陰ながらミウのことを見守り続けるさ。死ぬまで、な)」

[ギシ……ギギギシ……]
普段無口な“ぷてりん”が何かを言った。

「ニャ?(何て言ったんだ?)」
タマ太にはウミサソリの言葉はわからない。

「“馬鹿だ”と言ったんじゃよ。おぬし、あの子にあわせる顔がないとか思っとるんじゃろ。本当に馬鹿じゃ」
「ニャー……(だが、俺はミウのことを苦しめて……)」
「で、影からこっそり守りたいと。そんなの、いつまでも儂等が許すとでも思ってるのか?」
「ニャッ?」
「さあ卒羽、やりなさい」
「はい、老師!」

卒羽の長い二本の三つ編みがしゅるしゅると蛇のように動きタマ太を捕らえた。
そして卒羽は六脚をしっかりと踏み締めて体勢を安定させ、タマ太を抱えた三つ編みを後方に伸ばし、状態を後ろに大きく反らした。
その姿は攻城カタパルトの如し!
全身のバネと自在頭髪の力を乗せて、タマ太を放り投げる!

「えいやぁーっ!」

「ニャアアアアアーッ!?」

夕陽に染まった赤い空に放物線を描いて、真・生徒会室へと飛んでいくタマ太。
タマ太が命を落とす運命は、回避されたのだ。

「ニャアアーッ!?(今まさに命の危機を感じてるんだけどーっ!?)」

ガッシャアアーン!
真・生徒会室の窓を割って、タマ太が飛び込みブギャンと呻く。
最強の男・カツオに敗れ、変身も解けてぐったりと倒れていた魅羽だったが、その声を聞くとダメージが一切無きが如く飛び起きた。
そして、ガラス片の中に飛び込んで、タマ太のことをかき抱く。

「タマ太! どこに行ってたの!? 心配……したんだから……! ごめんね! ぶったりしてごめんね……! もう私、大丈夫だから! 私、ちゃんと“人間”だから! ……だからお願い! もうどこにも行かないで……!!」

涙と鼻血でぐちゃぐちゃの魅羽の顔を間近で見て、なるほど俺は馬鹿だったな、とタマ太は痛感した。
もう二度と離れまい。魅羽の側に寄り添い、守っていこうと思った。この命、ある限り。
久し振りに触れる魅羽のおっぱいは、やはり大きく、柔らかく、暖かかった。

(つづく)

584多味倫太郎:2014/10/26(日) 13:49:43
「先輩ー!」「先輩!」

後輩女子たちが駆け寄ってくる声がする。
そうか、私は負けたのだ。今の私には全裸で大の字に倒れている事しかできない。
まったく美肌も逸脱も、性転換能力も残したままピンポイントで強者を封じられるなんて。
見事に、一糸まとわぬ女の子の美肌をおがめる結果になったわけだ。
とんだド変態じゃねーか、真生徒会長。

「先輩!」「大丈夫ですか!?」
「ああ……脳震盪で動けそうにはないけど、なんとか生きてるみたいだ」
「よかった……」

「ゴメンな、みんな……」
「そんな、いいですよ。470万じゃ目標だった茶畑は作れないかもしれないですけど……
 先輩は頑張ったじゃないですか」
「いや……その、そうじゃなくて、今まで騙してて」
「?」
「見ての通りだよ。私は本当は、女なんだ」
「?」

「え?今さらその話ですか?」「知ってましたけど」
「騙せてたつもりだったんですか?w」
「えっ」

「先輩、毎月20日前後に絶対体育見学しますよね」
「ギクゥ」
「先輩、トイレを個室しか使わないって本当ですか」
「ゲッ」
「先輩、3回くらいしれっと女子更衣室で着替えたでしょ」
「アワワワワ」
「先輩、合宿の時、よく似た女の人が女子風呂にいたんですけどあれ先輩ですよね」
「オゲエーッ」

「でもひとつ、腑に落ちない事があったんですよ」
「な、なにさ」
「先輩の家でお茶会した時、ベッドの下から、あ○にゃんの薄い本とか戦艦金○の薄い本とか
 女子高生教の勧誘チラシとか好世様写真集とか他たくさん」
「ギャアー!」

「そうだよ……。私は、女の子が好きなんだよ……だからもう……許してくれ……」
「ふふ。先輩、最初は『憧れの美女のような残念イケメン』かと思ってたけど、
 『憧れの美女のような残念イケメンのような女の子』だったんですね」

「いいですよ。許してあげます」「私も」「私も」
「えっ……本当かい」
「だって、ねえ。こんなカッコイイ残念な先輩が、健気にがんばって……先輩ってばホント、」

気がつくと後輩たちは、動けない私を囲むように並んでいた。
私の顔にも彼女らの影が落ちたが、彼女等が邪悪な笑みを浮かべていることはよくわかった。

「「「カーワーイーイー♪」」」
「ひッ」
「今までさんざんシゴイてくれた分これからは、私たちの言う事聞いてもらいますから、ねっ」

そう言って後輩たちは嗜虐的に笑い、私を見下ろした。
ああ、ずっと男が怖い、恐いのは男だと思ってきたけれど、女の人も、怖いや……!

それは全く屈辱的な景色だった。今まで上に立ってきた先輩としてありえないものだった。
でも、むしろ見るべきものはよく見えた。
左から水色、縞、ピンク。

見上げる景色も悪くないかもなあ。そう思った。


多味倫太郎エピローグ
『女の園に放り込まれたボクが実は女の子で……これからど〜なっちゃうの!?』
おわり

585雨竜院暈哉:2014/10/27(月) 20:57:05
雨竜院暈哉エピローグ『同じ空の下で』

 脳震盪は治せる。
 暈哉の脳からその発想がスッポリ抜け落ちていたことこそ、脳震盪の真に恐るべきダメージであった。

 大切なことに気づかないまま真生徒会室へ行ってしまった零太郎を体育館でうんこ座りで待っていた暈哉の元に現れたのは、全身にぬめりを纏ったウーパールーパー・めごちゃん!!
「うっ……龍……!!」
 6ターン目には雨竜院家だからと龍属性(メキシコサラマンダー)のめごちゃんを避けた暈哉だったが、今は状況がそれを許さなかった。
 実はそれより前にめごちゃんを狙っていたので欺瞞もいいところだが、そのへんも脳震盪の影響で脳から消し飛んでいた。
(このぷるぷるした体と滑り……あの人に似ている気がする……)
 4年前に姿を消した姉、暈々のことが頭をよぎる。
「だが、やるしかねえっ!! 見ててくれよ半左!!」
「支配! 殺ス!」
 雨竜院暈哉、大会最後の一戦が幕を開けた。


「メゴ――ッ!!」
 めごちゃんが巨体に似合わぬ俊敏さから繰り出すタックルを暈哉は「雨流」で捌こうとしたが、体表の滑りが傘を滑らせた。
 その超重量が今や女子中学生並みの矮躯を捉える。
「ぐふうっ!!」
 HP残り1……意識が飛びそうだった。脳震盪の後遺症かも知れない。だが。
「暈哉っ!!」
「ぬ……おおおおおおっ!! 『脱皮突き!!』」
「メゴ――ッ!!」
 カウンターの一撃がめごちゃんを捉え、沈めた。

「暈哉!! よかった!!」
「ああ……はあ……、最後に龍を殺っちまった(殺ってない)けど、でも、お前のおかげで勝てたよ。
 『空』」
 駆け寄ってきた少年は、少女に名前を呼ばれたことに涙を浮かべ、そしてその唇に口付けた。

 戦いを終えた少女に、少年が膝枕している。逆ではと思われそうな構図だが、当人たちは幸せだった。
「頑張ったねえ、暈哉」
「ああ……きっと他の皆も武藤を倒してくれてる。悔いが無いでも無いけど、賞金は稼げたし、無傷で終われたし、何よりお前と一緒になれた。良かったよ……」
「うん……。ねえ、暈哉」
「んー」
 満身創痍の恋人を見下ろしながら、半左が言う。
「もう一回、『空』って呼んで」
「え? あ、ううん……」
「お願い」
「そ、空!!」
「へへ、へへへへ……ありがとう、暈哉」
 交際2日目の、少しおかしなカップルの姿がそこにはあった。

 暫くして、体力の回復した暈哉に肩を貸し、半左が体育館から連れ出す。
「あ、晴れてるよ。暈哉」
 そう言って半左は空を指差す。朝から降り続いていた雨はやみ、雲間から青空が覗いている。
「こうして見るといいもんだな、晴れた空も」
「へ?」
「あ、いや今のは……あっちの空で、えっと……」
 隣の恋人へ向けた視線を暈哉は照れて逸し、また空を見る。
 その時、気づいてしまった。
「ん……? アレ?」
「暈哉? どうしたの?」
「昼間なのに……星?」
 青空に青い星が浮かんでいる。あんな星があっただろうか、と星に詳しくない暈哉も疑問符を浮かべる。
「星ってどれ?」
 隣の半左には見えていないようだった。
 死んだ水星が俺を見守ってくれていたのか、などと都合のいい考えも一瞬浮かんだが、直後、文字通り致命的な事実に気づき、戦慄する。
「ゲーーッ!! 死兆星!!」
 無傷で終われたなどと言うのはとんだ勘違いであった。
 大会で最も重い怪我「死兆星」。もう試合は無いが、治さないとちょっとしたピンチで死んでしまう。治療費実に1000万。暈哉の持ち金は680万。
「やっぱ、龍と戦うとバチが当たるのか……」


・・・

586雨竜院暈哉:2014/10/27(月) 20:59:59
>>585の続き

 2018年、4月。

「え? 『傘の会』? 部はどうなったんですか?」
 部活見学に来た初々しい新入生の質問に、3年生のマネージャー・半左空は苦笑いで答える。
「えっと……昨年末、ちょっと生徒会に320万円の借金をしちゃって……それを返済するまでは『同好会』に格下げなんだ。ごめんね」
「320万!? 返せるんですかそんなお金」
「うん……きっと。今、そのために『部長』いや『会長』が頑張ってくれてるから」
 半左はそう言うが、当然新入生は困惑していた。
「だから……部室も無いし、傘も持参かビニール傘だけど、それでも一生懸命楽しい同好会にするから」
 半左の言葉に部員達も同意する。
 新入生は綺麗な顔の先輩に優しく言われ、仮入会を決意した。
 性別は逆だが、どこかのティータイム部に似ていなくも無い。

(僕達が頑張って会を守るから、頑張って……暈哉)
 あの直後、恋人らしいこともせぬままに、借金返済と武者修行の旅に出た恋人を思い、少年は空を見上げる。
 異国の空の下、暈哉は戦っているのだろう。雨が降ったらアナンタを差して。この地球上にいる限り、空が2人を繋いでいる。


・・・

 イタリア、ナポリ近郊――ポンペイ遺跡発掘現場。

「雨か……」
 SNSで試合を申し込まれた相手との賭け試合に勝利した暈哉は、その後何となしに近場で行われていた遺跡発掘の様子を眺めていたが、その最中、雨が降り出した。
 すると、土を深く掘り返しいた学者達が、突然騒ぎ出す。
(なんだ……雨が降るとなんかまずいのか……?)
 疑問を感じながらもぼんやりと見ていた暈哉だが、直後騒ぎの理由、異変の正体に気づいた。
 風化した建物を埋めるように堆積していた古代の火山灰の中から、何かがのっそりと立ち上がったのだ。
 それはミイラのように枯れた人型だったが、雨を浴びるにつれ、徐々に体積が増え、裸の女性のような姿に近づいていく。
 最初はただ驚いていただけだったが、その暈哉の表情が変化していく。
「あ……あれは……なんで、ここに……」
 暈哉はその光景に覚えがある。その少女に覚えがある。
 学者達が逃げ出す中、少女も顔をあげ、暈哉の方を真っ直ぐに見る。ハッキリと、視線があった。
「姉、ちゃん……?」
「え? 貴女……え? 暈哉?」
 迷宮時計により引き離された2人。それを4年、或いは2000年の時を越えて引きあわせたものも、やはり降り注ぐ雨だった。


fin.

587ミケナイト:2014/10/28(火) 21:17:19
『シュート・ザ・ギルティ』

真・生徒会室の割れた窓が開き、白い羽を背中に持つ少女が姿を見せた。
大会参加選手の一人、一十四(にのまえ・えんじぇる)だ。
天使の少女は窓枠を蹴り、純白の翼を大きく広げて飛んだ。
そして、傷んだ翼をはためかせ、夕闇の迫る空を高く、高く、舞い上がっていく。
使命を終えて天に帰るのだ。
本来の使命は失敗したが、ボランティア部への義理はちゃんと果たしたのだ。えらい子!

後藤うさは、光を纏って美しく舞う天使の姿を見て、天国にいるであろう南海螢と猫岸舞のことを想った。
むかし、雛代という名の中学校でハルマゲドンがあった。
うさはその生き残りであり、螢と舞は戦死者である。

それから50年。
後藤うさは、南海螢の祖国である甲殻類の国からの留学生を支援することで、愚かな戦いに加担してしまった罪滅ぼしをしてきたつもりだ。
四丁トカレフ触手拳の魔法少女・夢見花卒羽もその留学生の一人である。
猫岸舞の“弟”であるタマ太もまた、50年の間、姉の死という不幸に囚われて生きてきた。
だが、ミケナイト・猫岸魅羽と共に生きることで、タマ太の不幸は癒されることだろう。

「老師、天使ちゃんに螢さんたちへの伝言を頼んでみたら良かったんじゃないですか?」
もう天使ちゃんを呼び戻すのは無理っぽかったが、卒羽は思い付いたアイデアを言ってみた。

「いや、いいんじゃ。じきに儂も天国に行けるからのう」
うさは、魔法少女に変身している時は小学生ぐらいに見えるが、正体は90歳を越える老人なのだ。ちなみに男性である。

「んー、当分死にそうにないし、行くとしたら粘液地獄とかじゃないんですかねー」
「なんじゃと! おぬしこそ触手地獄行きじゃぞ!」
「やったぁ!」
「喜ぶとこじゃないっ!」

588ミケナイト:2014/10/28(火) 21:18:02
「おや、あれは……ちょっと失礼します!」
時計台から見下ろす通路に見覚えのある赤い髪の少年を見つけた卒羽は、六本の脚で壁面を伝って素早く地上に降りた。
そして、胸をドキドキさせながら、少年に話しかけた。
まるで少女のようなあどけない顔をした美少年。
少年は、一族中の魔人率が99%を超える戦闘破壊家族、一家(にのまえけ)の一人、一一(にのまえ・はじめ)である。
卒羽が希望崎学園に来ていた理由は、武藤抹殺任務の他にもうひとつ。
もう一度、一一に会いたかったからだ。

「あ、あの、にのまえ……はじめさんですよね?」
緊張でからからの喉をなんとか奮い立て、卒羽は言った。

「うわぁっ、き、君は……どりみさん!」
一も卒羽の顔を覚えていた。
そもそも六脚歩行の甲殻類美少女のことを忘れるのは難しいし、自分を殺した相手ならば尚更だ。
えっ、僕また殺されちゃうの?と一は怯えたが、そうではなかった。

「ごめんなさいっ! あの時は私も必死で……まさか死んじゃうなんて思わなかったから……!」
卒羽はずっと、前哨戦のあの日のことを謝りたかったのだ。

「あはは、そのことならいいよ。必死だったのはお互い様だし。こっちこそゴメンね」
一は命を狙われてる訳でないことに安心し、小動物めいた愛くるしい笑顔を見せた。
その笑顔はあまりにも可愛らしく、全然タイプでないにもかかわらず卒羽はちょっとトキメキを感じてしまった。
……その時!

「ボクこれからど〜なっちゃうの〜!?」
図上の真・生徒会室から嬉しい(?)悲鳴と共に熱湯を入れたティーポットが降ってきた!

「どりみさん危ないっ……あちちちちーっ!!」
咄嗟に卒羽を庇い、全身に熱湯を浴びてしまう一一!
熱湯は卒羽の脚にもかかり、脚の一部の青色色素が熱分解されアスタキサンチンの赤色を呈するが少年の方が重傷だ!

「すぐ冷やさなきゃ!」
卒羽は慌てて近くの水道に三つ編み触手を伸ばして蛇口を捻るが、大人一人を軽々持ち上げる触手で思いっきり捻ったため蛇口が破損!
ぶしゅーっ! 壊れた水道から勢い良く水が噴き出す!

「きゃーっ!」「うわわーっ!」
大量の水を浴びた二人はもつれながら植え込みの中に倒れ込む!

「いたたたた……はじめさん、大丈夫ですか?」
卒羽が起き上がりながら一のことを気遣う。

「ぼ、ボクは大丈夫だけど、その、どりみさん、服が……」
「きゃーっ!!」

卒羽は慌てて意外に大きめの胸を隠す。
植え込みの木に引っ掻けてしまった卒羽のハーフトレンチコートはビリビリに破け、胸が丸見えになってしまっていたのだ。

「ふーん。私いがいの甲殻類とずいぶん仲良さそうですね……おのれスターリット☆テンペストーっ!」
そこに現れたのは一の彼女の一人、魔技姫ラクティ☆パルプ。
魔法の杖を掲げて白く輝く光の魔法連射弾!

「こ、これは違うのっ! ドリーミィ・ファストラッシュ!」
卒羽は脚のホルスターから四丁のトカレフを素早く抜いて両手両髪に構え青く光る魔法弾を連射!
魔法弾同士が激突相殺!

「ちょっと二人とも落ち着いて話し合おうよーっ!」
一が叫ぶ! 鬼雄戯大会は終わったが、魔法少女たちの戦いはこれからも続くのだ!

(『シュート・ザ・ギルティ』おわり)

■重要なお知らせ■
卒羽ちゃんを一君の嫁に出すわけではありません!
卒羽ちゃんの彼氏になってくれる素敵な触手を募集中です!

589ミケナイト:2014/10/28(火) 21:49:58
>>583 状態 → 上体
>>588 図上 → 頭上
うーん、誤変換が相変わらずですねー。

590レオナ:2014/10/28(火) 22:52:05
『暗殺少女の青春デート』tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46779916

591一 十四:2014/10/29(水) 19:37:34
ホーリーランドクラブ模擬戦後SSその4。その1〜3とはパラレルです。
『Modest Price』
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4489431
結論:表情薄めの子が少しだけ揺れるのがカワイイ。メインヒロインはジークリンデ・ファタイディガー。

592レオナ:2014/10/30(木) 05:49:47
レオナのエピローグ『暗殺少女と青春デート』

――――――――♪♪♪――――――♪♪♪――――――Pi♪
「もしもし?」
『もしもし、こちら飛(フェイ)です、標的(ターゲット)の始末(暗殺)完了しました』
「お、もう終わったの?さすが飛さん!仕事早くて助かるわ♪」
『標的が弱すぎるだけですよ(苦笑)』
「そう言えば、例のモノは回収出来たの?」
『抜かりはありませんよ、【アサシン部への依頼状】は燃やしておきました』
「ん、ありがと♪」
『いえいえ、けど驚きましたよ』
「何が?」
『まさかレオナ部長がクライアントとして依頼をされたので(苦笑)』
「まーね、1週間前は想像できなかったね(´-ω-`)」
『けど、今回の一件でレオナ部長も人の子なんだなーって思える様になりましたからw』
「へっ?何で?」
『殺人マシンのレオナ部長も恋愛感情を懐くんだなーと』
「なっ、何を言ってんの!!(汗)」
『いまさら誤魔化せないですよ、鬼雄戯大会の参加者や関係者各位にもバレてますから』
「なぁーーーーー!!!!」
『そもそも、レオナ部長が公けに「生き残ったらデートしよう」って発言したじゃないですか(苦笑)』
「は、恥ずかしーーーーー(涙)」
『あ、そろそろ約束(デート)の待ち合わせ時間じゃないですか?』
「えっ!?あ、もうこんな時間(汗)」
『事後処理は私とケニーさんでやっておきますから、レオナ部長は弾正伊さんとのデートを楽しんでください♪』
「ぁ、ありがと・・・・・・・・・(照)」
『それじゃ、失礼します』
「あ、ちょっと待って!!」
『はい?』
「あの件なんだけど、やっぱ貴方が適任だと思うの」
『私ですか?』
「そ、現場も事務も卆無く熟すし面倒見もいいからさ、よろしく頼むは飛新部長」
『・・・・・・・・・・・・解りました、レオナ部長直々の御指名とあれば、この飛九龍(フェイ・クーロン)ご期待に添えるよう精進しますよ』
「何から何までありがとね、貴方が副部長で本当に良かった」
『喜んで頂き恐縮です♪それでは!』
「うん、じゃーねー♪」―――――――――Pi!

鬼雄戯大会の終了に伴い私はアサシン部部長の任を辞することにした、次期部長は飛が務めてくれるしサポートはケニーがやってくれる。
これで晴れて私は普通の殺人嗜好症な女の子になった訳だ、今回の大会で負った怪我は埴井鋸が責任を取って治してくれたけど―――――――――
「んーー・・・・・・・・・、やっぱ違和感が残るな」
大会終盤に右足切断と言う大怪我をしたが全日程を終えるまで治療をしなかった、結果今になり切断箇所をくっ付けたものの、巧く歩けないなど軽い障害が残ってしまい、完璧に動けるようになるにはかなりのリハビリを必要とするのだった―――――――――
「因果応報自業自得ってやつね」
散々人様を殺してきたのだから、右足だけで済むなら安い買い物だ。
まっ、お蔭様で暗殺業はとうぶん休業(廃業かな?)、完治するまではリハビリに専念するしかないか。
とりあえず、今はデートだけ集中しよう!

>>592に続く

593レオナ:2014/10/30(木) 05:51:19
>>591の続き

〜〜〜〜〜〜〜〜待ち合わせ時間から数分後〜〜〜〜〜〜〜〜

「レオナー!!」
約束の時間から10分ほど経ち弾正伊がやって来た、遅刻したことに少しの腹立たしさと、約束通りに来てくれたことへの嬉しさと安堵感。
「遅いはよ弾正伊、初めて中庭で対峙したときも貴方遅れてきたよね?(苦笑)」
「あー、お前の丸秘写真を原像してたからな」
「そう言えば、約束通り写真や私に関するデータは消去してくれたの?」
「心配すんな、俺は約束は守るよ、今もこうして約束(デート)を守ってるだろ?」
「ん、それもそうね♪」
不思議なものだ、最初は敵対してた暗殺者(私)とターゲット(弾正伊)が、今はこうしてデートをしてるのだから。
「・・・・・・・・・足、大丈夫か?」
「ん、動けなくはないんだけど巧く歩けなくて(苦笑)」
「ほら」
そう言って弾正伊が左手を差し出してきた。
「手、掴まれよ、歩き辛いんだろ・・・・・・・・・(照)」
弾正伊なりに気遣ってくれてるのが解る、それが嬉しかった。
ヤバい、何かテンション上がってきた(照)

「弾・正・伊っ♪」
「おわっ!?何だよ、急に左腕にしがみ付いて(汗)」
「だって、手を繋ぐよりこっちの方が安定するし♪」
「しょうがないな、離れないようにしっかりしがみついてろよ!?(胸当たってるんだけど(照))」
この先、私がどうなるかは解らない、色々と怨みを買って来たし、もしかしたら今度は私が標的(ターゲット)になるかもしれない。
でもそれは仕方ないこと、だけど、いまは精一杯青春を謳歌しよう。

こいつ(弾正伊)と一緒に―――――――――!!

「弾正伊!!」
「ん?」
「大好き♪(照)」
「・・・・・・・・・・・・(照)」

レオナのエピローグ『暗殺少女の青春デート』 (完)

594神社 千代:2014/10/30(木) 19:53:20
pic.twitter.com/d2gBVVcVTR
決して露出しない瞳を露出してしまった野球帽。

595志筑綴子:2014/10/30(木) 20:56:40
志筑綴子エピローグSS『終局 その1』

 届く、と感じていた。
 完成を見た志筑綴子(しづき つづりこ)の文芸、終局の今であれば真(リアル)・生徒会長の命に届くと。

「――なにゆえ」

 今再び、この対手に機を外されるとは。

「この期に邪魔立てをされるか、神社千代(かみやし ちよ)」

 神社千代。志筑綴子の経験した内で、それは最悪の対戦相手であった。『事故多発結界』。あらゆる敵を止める。たとえそれが学園最強の文芸者、志筑綴子であろうと。かつての生徒会長、パントマイムよしおであろうと。……あるいは武藤雅紀(むとう まさき)が相手であったとしても、そうだったかもしれぬ。敵の力が強ければ強いほど――
 時を稼ぐ、という力において、この神社を凌ぐ武闘者は存在するまい。しかし、志筑には理由が分からぬ。

「それは、あなたも同じことでしょう」

 神社は穏やかな微笑みを湛えたまま、言った。互いに初撃をいなし、絶招の一手。殺害文芸の直撃が一手。そして神社の豪速の拳も、同等以上の威力を伴って、志筑綴子へと到達している……だが、それだけだ。
 “天使”の予兆を見るのだという。真正文芸の域へと達した志筑綴子は、もはや己の殺意を隠せぬ事を自覚している。故に、予見で躱す神社に当てることもできぬ――

「正しき文芸を掲げる文芸部が、疎ましかったのでは?」
「……」
「だからあなたも、邪魔をすることに決めた――。彼女らの文芸を差し置き、最強の座に立つ文がどのようなものか、それをこの鬼雄戯大会、全生徒に」
「…………。如何にも」

 志筑綴子の白い相貌に、表情は映らぬ。

「空木啄木鳥(うつぎ きつつき)の名を雪ぐ? くだらぬ建前よ。空木を殺滅したのは、他ならぬ我が文。邪道の文。私が雪ぐべきは、邪の汚名……そのものよ」

 さらに殺意の文芸が舞う。空に散る原稿用紙から意味を汲み取ったその時が、神社の命が尽きる時となる。

596志筑綴子:2014/10/30(木) 20:56:51

(だから読める。今は……はっきりと、理解できている。私が見る“天使”。その名を)

 それは“死”だ。

 再び、躱した。一度死の世界へと、深く踏み込んだ者、その神社千代のみが認識できる、死の感覚。
 ダンゲロス・ハルマゲドン。自分は何をしたか。なぜ復活したのか。……死に損なった後ですら、見えぬ“神”とやらに自意識の全てを委ね……死に損なった事実へと目を背け、戦っていたのか。
 神社千代の『事故多発結界』、致命の攻撃をただひたすら凌ぐ闘法、それはまさに死に損なうための戦闘ではないのか――

(……否!)

 少なくとも今、“死にたみ”から解き放たれ全てを理解した今、神社がここに立っている理由は違う。
 このまま逃げ続けることも可能であっただろう。再び死ぬべく、勝てぬ相手に挑むことも可能であっただろう。だが、それでは斃れた同胞に申し訳が立たぬ!
 死の脅威の具現である志筑綴子を自らの力で殺す、それが理由だ!

「殺したいほど……好きです」

 志筑の鉄壁の文が途切れた。わずかな句点、その一呼吸すら……幾度も拳と文を交わした、神社千代にだけは、見えていた。
 文芸。それは互いの認識を、理解させること。

「――志筑綴子!」

 重量数十トンの聖書が、志筑の胸を叩き、しかしその踏み込みは僅かに足りぬ!
 ……文芸!破れた上着の隙間から、原稿が散ったか!まるで天地を捻られたように、神社の世界が回転する!
 そして、

(魔文、敗れた!)

 踏み込まぬ一歩が、神社の巧技!
 肋骨を砕く事が目的ではない。今、志筑綴子の胸部に聖書が接している。そして自らは文芸を喰らい、捻られる支点の腕は動かぬ!
 数十トンの聖書を把持する理外の握力こそ、神社の真の武器。指で弾いてこれを開き、十トンの表表紙にて、頭蓋を!

 狙い過たぬ瞬息にて、神社の指は動き……動き、今は神社自身にとってすら白紙である筈の聖書の頁に。

(……こんな、手を、魔文)
「神社。最大の敵は貴女だったやもしれぬ」

 文字が。
 それは聖書の頁ではない。立合いの最中に、原稿用紙を――敵の攻撃手段に、差し挟んだか、志筑綴子!

(やはり、あなたは――)

 必殺の一撃であるはずだった。
 神社は文芸の手を学び、上を行った。『事故』を引き起こす神社の技を……敵も、同じように。

 殺人の文芸を読み、神社は倒れ、全てが途絶えた。

----

「……真の。その血に染まった文芸の奥義」

 仰向けに倒れたままである。神社千代の肉体は、もはやそれ以上を動かせぬ。

「使わないのですか。他を圧する、私を惹き寄せたほどの殺意。それがあなたでしょうに」
「――『事故多発結界』」

 見下ろすその瞳は、霜が下りたように白く、そして無情だ。

「用いればこの死合、勝負の読めぬものにできたはず。……ならば使う必要もなし」
「志筑」

 さしたる理由のないことである。最後だけは、死に損なわぬ勝負を……
 自らの力で戦うべきと、考えただけであった。

「いずれその文芸、執筆して来るがよい。神社千代」
「……ふ」

 邪文が神社を逃したのか。それとも、もはや白い文学少女の文は、邪文ではないのか――
 どうでもよい事なのだろう。

 開かれたままの聖書が、風に揺れて捲れた。
 それは美しい白紙で、神社が生き残った今では、何かを綴ることができるのかもしれない。

----

【第9ターン 真・生徒会室】
志筑綴子○ ― ●神社千代

597カツオのひじ:2014/10/30(木) 21:33:52
〜ツイッターにだけ上げたままわりと貯め込んでた!たカイラ参加賞シリーズ〜
野球帽
tp://p.twpl.jp/show/orig/qecGY
ミケナイト
tp://p.twpl.jp/show/orig/r4poy
水無月くん
tp://p.twpl.jp/show/orig/dYBtn
雨竜院
tp://p.twpl.jp/show/orig/KWiBW
アッシーナ
tp://p.twpl.jp/show/orig/fXduo
アッシーナ(シークレットVer.)
tp://p.twpl.jp/show/orig/wbBWX
アイドルのマスター月読
tp://p.twpl.jp/show/orig/bgnVv

598のし@水無月劫穉:2014/10/31(金) 01:39:21
水無月劫穉 エピローグSS
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4495622

599ミケナイト@ほまりん:2014/10/31(金) 08:11:46
>>583 のつづき

(=・ω・=)


魅羽とタマ太はとっても仲良し。
いつも一緒にお散歩するの。

「いよいよ、待ちに待ってたこの日が来たのね! いざ行かん、騎士道会館へ!」
「ニャーン!(おっぱい!)」
「なんでそこでおっぱいなの!」
「ニャーン(いや、新調したサーコートが、ボディラインにぴったり沿ってて似合うなぁって)」
「ううーっ、もうちょっと他に誉めかたあるでしょ!」

魅羽は、双子の動物語翻訳能力者である希望崎学園初等部のコニャック君とポニャック君に猫語を教わったのです。
もともと猫だったのですから上達は早く、今ではタマ太の言葉をほとんど理解できます。
自分がなぜ人間になったのか。タマ太の過去に何があったのか。猫岸舞さんがなぜ死んだのか。タマ太から全部聞きました。
タマ太のことは、おじいちゃんと呼ぶべきかもしれないとも考えたけど、結局は変わらず“タマ太”と呼ぶことにしました。

さて、魅羽は新品のサーコートを着て騎士道会館へ行く目的は何でしょうか。
それは、魅羽とタマ太が何に乗ってるのかを見れば解るかもしれません。
魅羽たちは、巨大な馬に乗っているのです!
その馬は、緑色の鱗に覆われた長く大きな体をくねらせながら悠々と空を翔んでいます。
オリエンタル・ドラゴンという品種の馬で、名前を“龍”といいます。
龍は、真・生徒会長亡き後、自らを打ち倒した魅羽を新たな主人と決めたのです。

つまり……その通り!
魅羽は今日、騎士道会館で正騎士として叙勲されるのです!
慣例通りなら騎士称号は騎馬から採って“オリエンタル・ドラゴナイト”になりますが、そこはお願いして“ミケナイト”にしてもらえる予定です。

「ふー、緊張するなー。喉が乾いてきちゃった」
「ニャーン!(そんな時は豆乳だな!)」
「ガオーン(俺も飲みたいです!)」

パッケージの絵の鳥のように、金色に耀く日の光を浴びて空高く飛びながら、魅羽とタマ太と龍は豆乳を飲みました。
振り返れば東京湾の中に浮かぶ希望崎の人工島。
見下ろせばスカイツリーの青い尖塔。
彼方を見やればそびえ立つ霊峰富士。
まるで世界のすべてを手に入れたような、そんな光景ですから、これほど美味しい豆乳はかつて無かったかもしれません。
魅羽たちは気合いを入れて叫びます!

「狩るにゃん! 狩るにゃん! 狩るにゃん!」
「ニャーン! ニャーン! ニャーン!(おっぱい! おっぱい! おっぱい!)」
「ガオーン! ガオーン! ガオーン!(嵐を起こします! 嵐を起こします! 嵐を起こします!)」

「って、タマ太! なんでそこでおっぱいなの! ……あっ、マタタビ吸ったな! 私にもちょうだい!」
「ニャーン(これから式典だし、酔っぱらい騎乗はやめといた方がいいぜ)」
「ぐぐっ、ずーるーいー!」
「ガオーン(そろそろ降りますよ。しっかりつかまって)」

そんなことをしてるうちに、騎士道会館はもうすぐです。
鬼雄戯大会を力強く戦い抜き、馬術部の財政難を救った見習い騎士は、ついに正式な騎士になるのです!
ガラーン、ガラーン、ガラーン。
時刻を伝える会館の鐘の音が、正騎士ミケナイトの誕生を祝福するかのように青空へと高く高く響き渡りました。

(ハッピーエンド!)

600村田ソフィア:2014/10/31(金) 21:05:51
ソフィアの退場SS
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4488935

601紅炎峰コロナ:2014/11/03(月) 21:59:30
ミケナイト
tps://twitter.com/nater_gamer/status/529256348412678144/photo/1

602minion:2014/11/04(火) 21:36:04
弾正院(弾正尹)倫法。本戦スレッド321でネタにして頂いたようなので。
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=46916532
捏造写真とは恐ろしいものですね……。優勝おめでとうございます。

御来光滝『弾正院、お前ってなんか』
御来光滝『「不倫は文化」って言いそうな顔してるよな』

603紅炎峰コロナ:2014/11/05(水) 00:29:20
水星
tps://twitter.com/nater_gamer/status/529656292860653570/photo/1

水星(辰星鉄)
tps://twitter.com/nater_gamer/status/529656372879564800/photo/1

604ミケナイト@ほまりん:2014/11/05(水) 01:01:43
ツイッターに上げて満足してしまってた落書きをこちらにも。

月見輝海 三銃士を連れてきたよ。
tp://t.co/QQrCqcyrKD

最終ターン突入! ということでトップ5をイラスト化したぜ!
tp://t.co/xul36Um4z0

ホリランクラブ後の葦菜さんとパルプちゃん。
tp://t.co/bz83RFSM2I

紅炎峰コロナさん!
tp://t.co/GXJNDf4dv6

605minion:2014/11/07(金) 23:55:40
一 十四エピローグ『天使の帰還』。
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4528113

物語にはハッピーエンドが必要だ。

606minion:2014/11/09(日) 23:56:08
ミケナイト(SDバージョン)。
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=47002811
準優勝おめでとうございます。

607紅炎峰コロナ:2014/11/11(火) 18:26:21
御来光滝暗闇
tps://twitter.com/nater_gamer/status/532101735372709888/photo/1

608minion:2014/11/19(水) 01:40:03
一 十四&薬袋品。
tp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=47153930
薬袋さんは天使ちゃんに興味津々のようです。

609 ◆cwfeYPTyhs:2014/12/06(土) 11:13:39


610 ◆Udb925JBuY:2014/12/06(土) 11:14:22


611 ◆G2f.ksF3Uo:2014/12/06(土) 11:14:50


612 ◆fsDXwyMEPE:2014/12/06(土) 11:15:16


613 ◆SOZBDHy.iM:2014/12/06(土) 11:16:17


614 ◆cews/3jvyI:2014/12/06(土) 11:16:55



新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板