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FFDQかっこいい男コンテスト 〜ドラゴンクエスト6部門〜

1名無しの勇者:2002/10/18(金) 20:17
DQ6の小説専用スレです。
書き手も読み手もマターリと楽しくいきましょう。

*煽り荒らしは完全放置。レスするあなたも厨房です*

69ハッサン×主人公(5):2005/04/29(金) 00:22:44
「……………………」
俺はゆっくりと目を開けた。眉をハの字に歪めたハッサンが、潤んだ瞳で俺を見つめている。
……ちょっとこの顔は、アップで見たくない。
俺は目を逸らした。
そして、肩の力を抜いた。つーか、抜けた。
……てっきり、そのまま唇を奪われて組み敷かれて強制ウフンアハンな状況になるとばかり思っていたのだ。
なんだ、その図体に似合わず結構紳士的なとこあるんじゃん。
神様ありがとうああよかった俺の考えすぎかあははははははははh…………じゃなくてさ。
キレイに(?)決まったノリツッコミをよそに、俺の顔からみるみる血の気が引いていくのを感じる。
ハッサンに手首を掴まれたまま、ギギギギ、と油の足りない機械のように顔を動かして、奴の方に向き直った。
「…………抜くって、何を」
「ナニを」
「…………何で、俺が」
「お前じゃなきゃ駄目なんだ」
くそ、またこのパターンか。
「頼む、この通り」
「嫌だ」
頼まれてやるもんじゃないだろう、そんなのは。
「ちょっとだけ。な、な?」
「い・や・だ」
何がどうちょっとだけなんだ。
「いいじゃんよ〜。俺たち親友だろ〜?」
「絶・対・嫌だ!」
親友ってのは理由にならねえだろ!
「お前のシモ事情に俺を巻き込むな便所行け馬鹿」
「一生のお願い。何でもするから。な?な?」
ここで一生のお願い使っちゃうか……。
半ば呆れつつも、“何でもする”にちょっとだけ揺れた俺がいた。
揺れるな、バカ!
俺の頭の中では二人のイザが言い争っている。……くそっ、俺はどれだけ分裂すれば気が済むんだ。
「……何でも、する?」
「するする」
「ほんとに?」
「ほんとほんと」
「絶対?」
「インディアン嘘つかない」
とりあえずお前はインディアンじゃない。
「じゃあ今日から魔王倒すまで、全員分の武器の手入れと、飯の準備と、その他雑用全部。……してくれる?」
「するする。喜んで」
俺はあっけなく堕ちた。二人のイザの片割れ(多分白い羽生やしてる方)が、捨て台詞を残して消えていった。
“リーダー”とは名ばかり。その実情は単なる雑用係だ。
戦いが終わって皆が休んでいる間、メンバーの武器を磨き、買い物をして、野営の時はごはん作って……。
そんな生活に、俺はもうすっかり嫌気がさしていたのだ。
「……分かった。約束は、守ってもらうからな」

70ハッサン×主人公(6):2005/04/29(金) 00:23:43
 よっこいしょ、とハッサンがベッドに乗り込んだ。
二人分の体重を支えようとしたベッドが悲鳴を上げて沈む。
「おっさんだな」
「ほっとけ」
腰布を器用に外して下着を脱ごうとするハッサンの手を、俺は黙って制した。
「……なんだよ。今更待ったはなしだぜ」
「……途中で萎えたとか言われても、俺は責任取らねえからな」
「ああ。大丈夫大丈夫」
何がどう大丈夫なのかは考えたくなかったが、まあ萎えたら萎えたで、それはそれで都合がいい。
そうでなくとも、とにかく一発抜いちまえば、少なくとも今現在俺の貞操の危機だけはどうにか免れるわけだ。
さらにはパシリ生活にさよならのおまけ付き。
……手の平の処女喪失はこの際仕方ない。背に腹は変えられないとは正にこのことだ。
ハッサンが勢いよく下着を下ろす。奴の服の中でさんざんうごめいていたものが、ようやく顔を出した。
赤黒く屹立するそれは自ら意思を持つ生物のように、ハッサンの呼吸に合わせて小さく揺れている。
「やっだー。キモーイ」
俺が今風のギャルを意識して言うと、ハッサンがこの世の終わりのような顔をした。ちょっとキツすぎたか。
「ごめんごめん、冗談……じゃないけど。えーと、男らしくて、いいと思うよ」
何で俺がお前のチンコのフォローしなくちゃなんねんだ。
なあ、何。何なの、それ。
人としてあり得ねえだろ。
俺のが仮に標準サイズだとして、奴の棍棒は軽くその二倍くらいはある。
あの腰布が実はハッタリで、実際アポロチョコみたいなんが出てきたら思いっきり笑ってやろうと思ってたのに。
「……何食ったらそんなでかくなんの」
聞かずにはいられなかった。
「……でかいか?」
自覚のないのがさらに悔しい。
体がでかい分ナニもでかい。奴にしてみりゃただそれだけのことなのだ。
えーと、これはもう貞操の危機とか言ってる場合じゃない。こんなもん尻に入れたら命に関わる。
早急にこの毒牙の呪縛から抜け出すべきだろう。
ゆっくり右手を近づけると、奴のソレから放たれる蒸気のような熱が触れてもいないのに伝わってくる。
俺は躊躇した。
だがもう後には引けない。
どうか、新しい自分に目覚めませんように。
眼球が痛くなるくらいきつく瞼を閉じて、俺は奴のツチノコを握りこんだ。
うっわ……すげえ熱い。
ハッサンの小さな呻きが洩れる。……聞きたくない聞きたくない。
できるかぎり五感に意識を向けないようにして、右手を上下に動かす。
最初は軽く。徐々に強く。カリの辺りを親指と中指で捻るように撫でながら、先端を人差し指でぐいぐい押さえる。
先から吐き出される透明な粘液が指に絡み付いて、ぐちぐちと嫌な音を立てた。手洗いたい。
「……うめえじゃん」
「…………そりゃ、まあ、男ですから」
所詮同じ雄同士。感じるポイントくらいは大体知ってる。
ああなんかすげえ悲しくなってきた。
俺は一体何やってんだろう。仮にも一国の王子が、マッチョな兄貴に手コキ大サービス……。
ちょっと、レイドックの将来が心配になった。

71ハッサン×主人公(7):2005/04/29(金) 00:24:43
 俺が聞こえるようにため息をついてやろうと息を吸い込んだときだった。
ハッサンの手が突然こちらに伸びて俺の後頭部を掴むと、手前に押さえ込むように力を込めた。
「!?…………ハッサン!?」
「悪ぃ、イザ……なんか我慢できねぇ」
ハッサンが俺に何をさせようとしているのか……俺は自分の勘の良さを呪いたくなった。
「嫌だ!絶対嫌だ!はっ……離せ、離せよっ、ハッサン!」
俺の意思に反比例して、奴の膨れ上がった一物が眼前に迫ってくる。
信じらんねえ。嘘だろ。夢だろ。そうだ、確かこっちは夢の世界の方だったはず……。
先端が口に触れた。俺、唇の処女喪失。目頭が熱くなるのを感じた。視界もぼやけてきた。
「口開けてくれよ」
あーん、なんてすると思うか。
「ほら…………お前のも抜いてやるからよ」
「!?」
ハッサンの余った方の手が、こともあろうに俺の下半身に伸びてくる。
俺の両腕は背中で一纏めにされていた。正座でハッサンの股間に顔を埋めるような恰好で、身動き一つとれない。
骨ばったハッサンの指が探るように下着の奥に侵入し、俺の性器が直に握りこまれた。
「っ!?……いやだ、ハッサ…………ぐっ」
思わず嬌声を吐き出した俺の口内に、この隙を逃さぬとばかりハッサンの怒張が差し込まれる。
「ん、ぐぅ……ううっ、んん……」
「なんだ、お前も感じてんじゃん……もうここぬるぬるだぜ」
俺は勃起していた。奴のものに触れたときから、体中の熱が、血液が、下半身に集中していくのを感じていた。
言い訳の代わりの涙がぼたぼたとシーツに染みを増やしていく。
口いっぱいに広がる汗臭い匂い。生々しい質感。体温。
思い切り歯を立ててやろうと思ったが、できなかった。理由は考えたくなかった。
ハッサンが腰を上下に揺らす。俺はいつの間にかそれに自ら舌を絡め、夢中で貪っていた。

72ハッサン×主人公(8):2005/04/29(金) 00:25:33
「とりあえず喉越しは最悪だ」
「すまん」
「お前は初めての相手に顔射すんのか」
「悪かった」
「お前は初めての相手に飲ませんのか」
「この通り」
濡らした布で、手や顔に残ったハッサンの欲の残骸を拭き取る。
「あーあ、服にも付いちまってら……まあいっか、備え付けのやつだし」
宿の主人には悪いことをしたが、自前の服でなくてよかったと心から思った。
「……お前も結構ノってたくせに」
「何か言ったか」
「いいえ何も。ところで王子、その腰のものはどうなさるおつもりで?」
「………………」
そうだった。
ハッサンの手でイけなかった俺の息子は未だに天を仰いだまま、独り虚しく空を見つめている。
「……っくそ、大体お前がヘタクソだからさぁ」
「あ、俺のせい?」
「当然」
俺は何も悪くない。完全な不可抗力だ。しかし……。
「……便所行ってくるわ」
立場柄、続きをせがむわけにもいかず。
ベッドから立ち上がりかけた俺の体は、腕をきつく引かれて再びスプリングに沈んだ。
「……何だよ」
ちょいちょい、と。
ハッサンの示す指の先にあるもの。
「………………!?」
第二砲発射準備完了。いつでもいけます隊長。
「悪ぃ」
「ばけもん……んがぁっ!?」
そのままベッドに押し倒され、組み敷かれる。待て。待ってくれ。まだ心の準備が……。
「俺今ドラゴンだからかなぁ、もうビンビンでさ。全然物足りねぇ」
それは多分関係ない。

73ハッサン×主人公(9):2005/04/29(金) 00:26:58
「んっふ……う、んん、ん」
室内にびちゃびちゃと淫猥な音を響かせ、獣のように咥内を貪られる。
……つか、初チッスより初フェラが先ってのは人としてどうなんだ。
長いキスからようやく解放され、俺は思い切り息を吸って吐いた。
ハッサンの意外に愛嬌のある目が、まっすぐにこちらを見ている。
「……なんか、えらい急に素直になったな。あ、もしかして惚れちゃった?」
「あー……なん、つーか、吹っ切れちまっただけかも」  
「…………そ。ま、そっちがその気になってんなら、俺もいけるとこまでいかせてもらうかな」
そう言って、衣服を目にも見えぬほどの早業で全て取り払われた。
「ぎゃっ」
もちろんあっちも裸だ。
「……お前な。この状況なんだからもっと色っぽい声出してくれ」
「だ、だってよ…………」
半ばヤケでされるがままになっていたが、冷静に考えると今ひょっとしなくてもえらいやばいんじゃないだろうか。
全裸の男が二人同じベッドの上。やることは…………ひとつ?
み、見えた!
「たたたたたたたたたたタンマ!バリアバリア!今ノーカンな!」
「なんだよ急に」
慌ててベッドから起き上がり、隙あらば俺との距離を縮めようとするハッサンの胸板を両手で力の限り押し返す。
「いやいやいやいや状況に流されやすいのはドラクエ主人公の宿命だから諦める諦めるよ諦めるから。
 や、それでも人として譲れないものはあるし。えーと、ハッサン?その手に持ってるものは何なのですか」
「何って、潤」
「言うな何も言うな」
「言えっつったのお前だろ……。つか、な。据え膳したのはお前の方なんだからな」
「誰がいつ据え膳したって!?」
「往生際が悪い」
俺の体を片手で器用に拘束しながら、ハッサンは手際よく潤滑剤を指に取る。
………………時は、満ちたり。
「いっ、ででででで!痛い痛い!痛いって!無理だって!死ぬって!」
ものすごい圧迫感と異物感と共に、針のような鋭い痛みが襲う。ちょっとこれ洒落になんないって!
「大げさだなぁ。指一本入れただけだろ」
「ゆび!?指!?それ指なん?マジで?」
ベッドに背中を押し付けられているので、その、肝心の部分はここから見えない。
「まじで」
嘘つけ。これ絶対ハッサンのマグナムだ。
「お前もうちょっと力抜け。指奥まで入んねぇ」
「入れなくていいですから!」
「慣らさねえと裂けるぞ」
裂けるってなにが。……その先は考えられなかった。

74ハッサン×主人公(10):2005/04/29(金) 00:27:47
「っ!」
不意に自身を握りこまれた。頑なな俺の意思に反して、全身の力が抜けていく。
「そうそうその調子。えーと、多分この辺り……」
「あっ!?」
奴の指がある一点を擦ると、電流が通ったような刺激が体を走った。なっ、何なんだよ今度は!?
ハッサンがニヤリと唇の端を上げた。
「ここだな。前立腺つって、男の性感帯。ほれほれ、どう?」
「えっ、あっ!ひゃ……や、やめ……ああっ!?」
面白いおもちゃを見つけたガキみたいに、執拗にそこを何度も弄られる。
自分が自分でなくなりそうなくらいの快感が身を貫き、足の震えが止まらない。
内部をうごめく生暖かいものの感触に俺の意識は完全に支配されていく。
「いい反応ね、イザちゃん。才能あるよ……ほい、二本目」
「があっ!うあ……まじ、ちょっ」
「三本目」
「ひっ……あ、あ、あ……」
俺のチンコがひくひくいってる。……ああ、眠れる獅子はどうやら完全に目覚めちまったようだ。
もう抵抗する気力もなくなりかけたころ、俺の中を探っていたハッサンの指が唐突に動きを止めた。
「……っ?ハッ、サン…………?」
難しい顔をして俺の顔を見つめてくる。いや、睨んでいると言ったほうが正しいかもしれない。
その思わぬ気迫に、俺はきっと随分情けない顔になっていたことだろう。
ハッサンの口が、ゆっくりと、開く。
「……な、イザ。お前まさか、こういうこと……初めてじゃ、ねえ?」
「…………はっ?」
何だって?
「だーかーらー、ほ、他の奴と、こういうの……したこと、つーかされたこと、あんの?」
「はぁあ!?」
奴の声がかすかに震えているのを、俺は聞き逃さなかった。
「だ、だってよ……お前、その、か、感度良すぎだし……」
語尾にいくほど声が小さくなっていく。うーん、ちょっと可愛いとか思ってしまった俺はもうだめかもしれない。
体を起こして、なんか今にも泣きそうな顔をしているハッサンと向かい合った。ちょっと関節が痛む。
「悪かったな、エロで。どうせ俺は淫乱な好色王子ですよ。色情魔ですよ」
「お、俺は別にそこまで……」
「……んでもな、ハッサン。そんな助平野郎に手出してくるような馬鹿なんて、後にも先にもお前くらいなもんだよ」
「…………イ、ザ」
俺は俯いた。多分今顔まっかっかだ。すげえ恥ずかしい。逃げ出したい。
「…………は、はは……そう、だよな。そうだよな……」
くそ。鳴り止め。心臓。
「そうだよなっ!俺だけだよなっ!あーもう、くそ、ちくしょう!イザ〜!好きだぁ〜!」
抱きつかれて、何度も口付けられる。
「うわ、なに……お、お前泣いてんの!?」
ハッサンの目元が光っている。キスと同時に冷たいものが頬に触れた。
「なんとでも言えよ。はぁ〜、すっげ幸せ……」
「アホか……」
再びシーツに寝かされる。俺は黙って、ハッサンの太い首に腕を絡めた。
なんか、こういうの、悪くない。

75ハッサン×主人公(11):2005/04/29(金) 00:28:54
「でもそれとこれとは話が別だ」
「なんでよ」
あともう3センチ。
まじで痔になる5秒前。
「お前さ……それ、標準と比べてどんだけでかいのか分かってるわけ?」
「俺にとっちゃこれが普通なんだが……」
あーそうかそうかよそりゃそうだろうよ。
くそ、俺これでも一応テリーよりはでかいのに。(←風呂で見た)
なんか、絶対的な力の差を見せ付けられてるようですげえ悔しい。
「だーいじょぶだって。切れたらホイミしてやっから」
「ホイミで済んだら医者はいらねえよ」
「じゃあキアリー?」
消毒してどうすんだ。
「つかマジやばいって。そんなでかいの入れたらやばいぐらい死ぬ」
「ザオリクあるじゃん」
「そういう問題じゃないの」
腹上死だけは死んでもごめんだ……。
「なんとかなるって。これまで数多の強敵を打ち倒してきたんじゃねえか」
「何の関係も」
「おだまり」
「う、っわ……ちょちょちょ、まじ……!?」
ハッサンのキングバナナが既に俺の内部に侵入しかけている。
「だめ、やめ……ほんと、お願い……頼むから……」
「はーい痛くない痛くないですよー」
「痛ぇっ、いっ、てえって、この、ハッサ……うぁ」
この質量……三本指の比ではない。体中の穴という穴が塞がれているような感覚。呼吸するのも辛い。
押し広げられる肛門はみしみしと破れるような悲鳴を上げ、それでもハッサンの激情を受け止めようとする。
「っは…………力、抜け、イザ」
「くぅ、やばい、キツい……んうぅ、っあ」
「息吐いて……そう。あぁ、お前ん中すげ、ひくひくいってる……」
「ん、ん」
内部を押し進む圧力に、思わずハッサンの両肩にかけた足に力が込もる。
「も、ちょい……ほら、全部入った。分かる?イザ」
「すげぇ、熱い……ハッサン……」
あの巨根が俺の体に納まったのかと思うと正直ぞっとする。
だがそれ以上に、自分の体の足りないピースをはめ込まれたような、理解し難い充足感がこの胸に満ちている。

76ハッサン×主人公(12):2005/04/29(金) 00:29:41
 俺に気を遣っているのだろう、ハッサンは動こうとしない。
こいつ、変なとこ真面目だからなぁ。
「……動いていいよ」
多分言わないとずっとこのままだろうから、言ってやった。
ハッサンが嬉しそうな、かと思えば困ったような顔をする。
「で、でもよ……お前すげえ辛そうだもんよ」
「そんな切羽詰った顔されたら、俺の方が悪いことしてるような気になる」
顔真っ赤にして額に脂汗浮いてて、息荒くして、腹痛いのにトイレ行けない状況のときみたいな表情だ。
なんか俺がいじめてるみたいだし。
「それに……俺、こんままじゃイけねぇよ」
ハッサンの指を己の性器に押し付けるように絡め、わざと挑発するように上目で見上げてみた。
「イ、イザ……」
奴は一瞬考えたふうだったが、そんな理性もすぐに吹っ飛んだのか俺の太腿を抱えなおす。
「っ」
「……ヤバくなったらすぐ言え、な」
最初っから、やばいやばいって言ってるんだけどなぁ、俺。
ハッサンがゆっくりと律動を開始した。
抜けちまうんじゃねぇかと思うくらいぎりぎりまで引いて、一気に奥まで突き上げられる。
最初は緩やかだった腰の動きも徐々に大胆なものになっていく。
それに伴う痛みも半端ではない。
「はっ、あ、あ、やっ、ハッサン……すげ……」
「わ、悪ぃ、イザ……止まんね」
「あっ、あっ、ひ……んうっ、ああっ!?」
激しい痛みの間から漏れる快感の情を、この体はいちいち拾い上げる。
まったく、俺は一体誰に似たんだか……色好みの父か、それとも一見厳格そうな母の隠れた性癖か。
「イザ、イザ、イザ……」
「んっ、ハッサ……も……」
律動の間隔が短くなり、ハッサンの限界が近いことを知らせる。
痛みと快感に疲れ果てた俺の意識は、いつしか白濁と共に溶けていった――

77ハッサン×主人公(13):2005/04/29(金) 00:30:37
「……否定はしないわ。そういう愛の形だってあると思うの。
 だけど、もう少し時と場所を考えてほしいものね」
「……すんません、姐さん」
すっかり夜も明けた、誰もいない宿の食堂の丸テーブル。椅子に掛けているのはハッサンとミレーユだ。
「びっくりしたわよ。月を見ていたらイザの喘ぎ声が聞こえてくるんだもの……。
 結構響いてたし、あの時宿中にラリホーマをかけてなかったらきっと皆起き出してたわね」
「面目ない……」
宿屋の主人や女将まで眠らせてしまったため、ミレーユは自分で棚からティーポットとカップを取り出して紅茶を淹れた。
静かにポットを回す仕草でさえ、絵画の中の女性のように美しい。
「……ま、きっと皆明日の朝まで起きないでしょうから、今日は一日ゆっくりしましょ。
 イザもしっかり休ませてあげるのよ。大事なパーティのリーダーなんだから」
「リーダーね……」
ハッサンは思案した。
イザと体を重ねる前に交わした約束は、まだ有効なんだろうか?
「なあ、ミレーユ姐さん。せっかくだから……ってのも変な話だけどさ。
 この機会にもうちょい、イザの負担を軽くしてやってほしいんだけどよ……」
「……そうね。私も考えてたところよ。あの子、料理でも買い物でも、何でも器用にこなしちゃうから……。
 私たち、イザの優しさに無意識に甘えてたのかもしれないわね」
「そ、そうだよなっ!?」
思わず身を乗り出すハッサンと、それに全く動じないミレーユ。端から見れば美女と野獣そのものだ。
「ねえ、ハッサン……イザの旦那様を気取るつもりなら、まずは貴方から動いてあげるべきだと思うけど?」
心の内を微塵も見せぬ魔女の笑顔。言葉の魔術にものの見事に惑わされる男がここに一人。
「そ、そっか……そうだよな。よし!イザのためだ!炊事洗濯なんでも来いだ!」
「ふふ、頼もしいわね。……それじゃ、今からここに書いたもの買ってきてくれる?……イザの代わりに」
「よっしゃ、任せろ!これも愛するイザのため!行ってきまっす!」
「いってらっしゃい」
扉の奥に消えていくハッサンの後姿を見送って、ミレーユは窓の外に目をやった。
とはいえ特に景色や鳥の歌声を楽しむでもなく。
……銀のスプーンでカップをかき回しながら、魔女は一人ため息をついた。


「ザメハの存在しない世界なんて想定外だったわ…………」



《おわり》

78名無しの勇者:2005/04/29(金) 00:33:09
意思に反してラブラブになっちまいますたゴメンオッカサン
殺伐とした雰囲気のまま最後までいこうと思ったのですが
そうなると6主さんザキってでも抵抗しそうだったのでこのざまです

……今は、静かにリメイクの時を待ちましょう

79名無しの勇者:2005/06/02(木) 22:50:22
イイ。かなりイイ。6主かわいいよ!(*゚∀゚)=3

80名無しの勇者:2005/06/18(土) 02:19:05
いままで読んだ中で最高。
超gj

81名無しの勇者:2005/07/10(日) 05:09:17
>>64-78
姐さん超GJ!!
イ座ちゃんかわいいよイ座ちゃん(´Д`*)ハァハァ
今までハッサソはないと思っていた自分ですが、これはイイ!

82名無しの勇者:2005/10/03(月) 23:47:23
萌え・・・!そしてこんなノリ嫌いじゃない、むしろ好き。
ゴチですた!

83名無しの勇者:2005/11/27(日) 00:51:13
83番ゲトーーーーー!!!!!11

84名無しの勇者:2005/12/10(土) 02:46:43
昨日は10周年だったのに誰も居ないな…

85名無しの勇者:2006/05/05(金) 17:02:30
ハッ主萌え!

86名無しの勇者:2007/08/02(木) 00:25:51
リメイクきたのでハッ主萌えを叫びたい

87名無しの勇者:2008/05/21(水) 23:52:31
更新されてない・・・(´・ω・`)
ハッ主見たいなぁ

88名無しの勇者:2008/09/01(月) 20:45:01
ぐあああああああハッ主いい・・・!
これが3年前とか信じられない。誰かデュラテリも・・・頼む・・・!

89名無しの勇者:2009/04/06(月) 01:04:28
ハッ主爆笑したwwwwけどイイww

90名無しの勇者:2009/04/30(木) 23:13:48
ハッ主禿萌えた
って何年越しの感想だコレ

91名無しの勇者:2009/08/09(日) 12:54:19
ハッ主禿って3Pみたいだな
リメイクマダカナー

92名無しの勇者:2010/02/20(土) 15:56:42
もう何年も主テリの続きを待っている自分がいる

93テリー×アモス 1/10:2010/02/27(土) 20:37:02
「テリーさん!」

 宿の部屋のドアが、明るく元気に二回ノックされた。
声の主はアモスだ。
パーティの最年長者だが、陽気な性格で、俺よりも皆と打ち解けてるような気がする……。ずるい。

「見せたいものがあるんです!」

 そう言って、両腕を隠しながらアモスが俺の部屋に入ってきた。

「じゃーん! どうでしょう?」

 紫色の毛に包まれた、大きな手で頬を挟まれた。
作り物のグローブかと思ったが、柔らかな肉球から体温が伝わってくる。本物だ。

「魔物に変身できるのは知ってたが、今回はどうしたんだ? 化け損ねたのか?」

「いえ、どこまで変身能力をコントロールできるか、試してるんですよ」

 アモスの頭からは細長い触覚が伸び、太い尻尾が垂れている。
俺の視線に気づいたのか、アモスは得意げな顔で一回転してみせた。
こういう行動のたびに思うのだが、この男は本当に30代なのだろうか。

「テリーさんは生粋の魔物好きと聞いたので、ぜひ私の晴れ姿を見せなくては! と、思いまして」

「晴れ姿か……?」

 のんきなオッサンだ。
制御可能とは言え、自分が化け物に変わることに恐怖や不安はないんだろうか。
アモスの明るい性格で誤魔化されそうになるが、
魔物化するということはとても恐ろしいことのはずだ。

94テリー×アモス 2/10:2010/02/27(土) 20:38:15
「魔物マスターテリーさんのお気に召しましたでしょうか?」

 今はバトルマスターだけどな。

「魔物形態と人間形態の境目がどうなってるのか気になるぜ」

「ああ、尻尾はこんな感じd「尻は見せなくて良い」

 アモスの腕を取り、観察させてもらう。
モンストラーの毛は意外と柔らかくて手触りも良い。ふかふかとした獣毛の中に、指が沈む。

「毛並み良好だな」

「えへへ」

 そんな子供みたいな屈託のない笑顔を浮かべないでほしい。最年長者だろ、アンタ。
でもまあ、魔物に懐かれるのはまんざら悪い気分じゃない……いや、アモスは人間だったな。
獣型の魔物だと、この辺りを撫でてやると喜ぶんだがな。

「ほわぁ!?」

 気づけば、アモスの首をわしわしと撫でていた。

「あ、悪い。子供の時のクセでつい……」

 アモスは驚いたのかくすぐったいのか、珍妙な声を上げてもだえている。
尻尾はピンと伸ばされ、頭を振るたびに触覚が揺れる。

「大丈夫か?」

 間違って変なツボでも押してしまったんだろうか。

「ひゃあー、くすぐったかった!」

 黒い爪が生えた手で、アモスはきゃっきゃと笑いながら首筋を押さえた。

95テリー×アモス 3/10:2010/02/27(土) 20:39:23
「魔物化した時って、喉とかお腹を人に撫でてもらうと気持ち良いんですよね」

 アンタは犬か。
そして何故鎧を脱いで腹を見せている。

「テリーさんの手、凄く気持ち良いです……。頭がぽわ〜んってなっちゃいます」

 ピッチリした黒いアンダーに包まれたアモスの腹には、ハッキリと筋肉の凹凸がある。
オッサンの腹を触っても俺は楽しくもないんだが、半魔物の腹なら撫でてやっても良いかな。

「ん……ひゃあっ!」

 俺は動物を可愛がるような、全然いやらしくもなんともない、とっても健全な触り方をしてるのに、
アモスの方は尻尾をピクピクさせている。軽く曲げられた膝も力が入らないのか震えていた。

「変な声出すなよ」

 こっちまで妙な気分になってくるだろ。

「あ、は……ひゃい……。気をつけまひゅ」

 アモスは獣の手を緩慢に動かして、自分の口元を押さえつけた。
呼吸が乱れているせいか、胸筋がゆっくりとしたリズムで膨らんではしぼむ。

 改めて見れば、本当に良い体をしている。
普段はふざけた言動ばかりだが、いざ戦闘となるとしっかりと役目は果たす。
優秀な上、可愛げがある魔物。

 この魔物を自分のものにしたい。

 人の道を踏み外そうとしている自分をなんとか抑えようと努力はしたが、衝動には勝てなかった。

96テリー×アモス 4/10:2010/02/27(土) 20:40:14
「ふぇ? あ、ちょ、そこはちょっと……! テリーさん!」

 キツいアンダーウェアの下に手を滑り込ませる。
さすがに気楽なアモスでも、これには困惑したらしい。
爪の生えた手をぎこちなく動かして、俺の腕を押しのけようとしている。

 胴体部分は魔物化していないらしい。ちゃんと人間の皮膚だ。
アモスの肌はしっとりと汗ばんで、手に吸い付くようだった。
伸縮性のある黒衣をじりじりとまくり上げていく。

「ご、ごめんなさい! 私、ふざけすぎちゃいました! あ、あの、もう……」

 筋肉のせいで重量感のある男の胸が露わになる。
衣服から解放された肌から、ムッとした雄臭さが立ち昇った。
クセのある臭いだが、嫌いではない。獣に似たその臭いは、むしろ俺を喜ばせた。

 胸筋と腹筋に沿って指を這わせるたびに、アモスの息が荒くなる。

 初めは俺の腕をつかんであらがっていたアモスの手が、段々とすがりつくように変わっていく。

「ひッ!」

 指を背筋に回すと、アモスの体が一段と強く跳ね上がった。

「んん……ふ」

 尻尾を大きく振ったと思うと、アモスはコロリと回転して四つん這いの姿勢になり、俺に背中を見せる。
アモスは少しだけ後ろに振り返り、不安と期待の混じった視線を向けてくる。

「何と言うか……、素直だな」

 俺は半ば苦笑、半ば満足の笑いを浮かべた。
従順な魔物は嫌いじゃない。

97テリー×アモス 5/10:2010/02/27(土) 20:41:22
 白くゆったりとしたズボンから、紫色の尻尾が飛び出している。
俺が尻尾の付け根を片手で握ると、アモスが緊張して体を硬くするのがわかった。
尻尾で気持ち良くさせるには、なかなかコツがいるんだよな。

「そう緊張するな」

 コイツに快楽を与えるのも、苦痛を与えるのも俺次第というわけだ。

「楽にしてろ。大丈夫だから」

 力加減に細心の注意を払い、尻尾の付け根をゆっくりとほぐしていく。

「あっ、ふ……っ」

 アモスの様子をうかがいながら、先端へ向かって優しく擦り上げる。
尻尾の裏側を少し強めに圧迫されるのも好きらしい。マゾの気があるのかもしれない。

「ひ、う……テリーさん、そ、それ嫌です!」

「うん? 痛かったか?」

 そんなはずはないんだが。本物の魔物と半魔物だと、勝手が違うのか?

「あの、お尻……、お尻がむずむずしてきちゃいます!」

 太い尻尾がくねるのに合わせて、アモスの腰が発情中の雌犬のようにうねる。

「……そりゃ大変だな」

 白布に覆われた、硬い尻肉を乱暴につかんだ。

「ひうっ!?」

 弓形に反り返った背中に、一筋の汗が滴り落ちるのが見えた。

98テリー×アモス 6/10:2010/02/27(土) 20:42:08
 筋肉質な尻を左右に開いては押しつぶす。
穴に直接触れるわけではなく、達するには微弱すぎる刺激を与え続ける。

 初めて交尾を経験する若雌のように、アモスが切なげな鳴き声をもらす。
執拗な焦らしに、先に音を上げたのはアモスだった。

「テ、テリ……さ、……いつまで、こんっ、な……あっ! 
 もう、がま……ん、できなっ、い……ですよぅ……」

 嬉しかった。
顔が自然に歪むのが止められない。
目の前にいるのは対等な仲間などではなく、俺の支配下にある一匹の魔物だ。

 アモスの汗ばんだ脚に貼りついている白布を剥ぎ取る。
ぎちぎちに膨らんだモノのせいで、はちきれそうに張り詰めた下着をずり下ろす。
布の拘束から解放された雄性器は大振りだったが、子供時代の名残でしっかりと守られていた。

「あ、うう……やだぁ……あ、あんまり、見ないでください……」

 屈辱か羞恥か。アモスが哀れな声を出す。
四つん這いになったアモスを見下ろす。

「嫌なのか? もっとよく見せろよ。自分で持ってみろ」

 アモスは断固として首を振る。
ここにきて、従順な奴がようやく抵抗の素振りを見せた。

「別に俺の言う通りにしなくても良い。それは自由だ。
 ただ、俺の指示に従わないならこれで終わりだ。アンタを置いて部屋を出る」

 アモスが顔を上げる。とろんとした虚ろな目に、俺の姿はどう映っているのだろう。
自分より年若で体格の劣る相手に、こんな風にあしらわれ、どんな気分なのか聞いてみたいものだ。

99テリー×アモス 7/10:2010/02/27(土) 20:42:59
 おずおずと戸惑いの素振りを見せた後、アモスは自分の陰茎を持ち上げた。

「その皮を剥いてみせろ」

 着衣を脱がされ床に手足を着いた惨めな姿の英雄を見下ろして、俺は言った。
俺の顔色を伺うように、恐る恐るアモスが応える。

「あ、う……そ、それはちょっと無理です……、この手だと、怪我しちゃいます!」

「それもそうだな。それは仕方がない」

 この場にはそぐわない、穏やかな笑みを浮かべてみせると、アモスの陰茎に手を伸ばす。
指を二本使って、柔らかな包皮を伸ばし開ける。

「ひあぁ!?」

 雄性器とは思えないねっとりとした水音を立てながら、包茎が開く。

「我慢汁で中、凄いことになってるぞ。ひどい臭気だな。ちゃんと洗ってるのか?」

「あ、ありゃ……洗ってます!」

「まあ良いけどな」

 卑猥な音をわざとアモスに聞かせながら、陰茎を擦り上げ、亀頭をこねる。

「あっ、うう……ッ! ひぅ!」

 紫色の尻尾が大きく跳ねるのと、白濁液が吐き出されるのは同時だった。
俺の手で精を放出させられたアモスは、汗ばんだ体をぐったりと床に横たえた。

100テリー×アモス 8/10:2010/02/27(土) 20:43:39
「おい。まだだろ」

 俺は楽しんでない。
裸体のアモスと違って服を着ているためわかりづらいが、俺だって随分我慢してきたんだ。

「す、少し休ませてくださいよぅ……」

 奴は尻尾を股に挟んで、肛門を隠そうとしている。
俺はアモスの硬い尻を平手で打った。

「ひゃッ! あう……、わかりましたから、そんなに強くぶたないで……」

 アモスはその巨体をおずおずと動かし、俺のために体勢を整え始めた。
動物の交尾のように尻を高く上げ、俺の侵入を待つ。

「あ、あの……どうぞ」

 顔を赤らめ、消え入りそうな声でアモスが呟く。
俺はアモスの陰茎に残っていた雄種を手に取り、
粘膜とも通常の皮膚とも異なる、しっとりとした薄肌に擦り込んだ。

 呼吸を整え、俺は痛いほどに起立したモノをアモスの中に沈める。

「あぐ……!」

 押し殺した悲鳴が上がる。抗議するように尻尾が暴れて、俺の腹に当たった。
これから一匹の魔物を蹂躙して、その腹の中に直接種を植え付けるのだ。
その芽は決して出ることはないが、俺の征服欲を満足させるには充分だ。

「あッ、く……ひぁ……ッ」

 屈強な体に似合わない、か細い嬌声が上がる。

101テリー×アモス 9/10:2010/02/27(土) 20:44:41
 強烈な締めつけと熱に、我を忘れそうになった。奥歯を噛み締め、快楽に耐える。
アモスの穴は貪欲に雄性を求め、俺を食い殺そうとしているようだ。
直腸の粘膜は火のように熱く、俺のモノを取り巻き、包み込んでいる。

 油断していると、この魔物を手懐ける前にこっちが餌食になりそうだ。

 緩急をつけて腰を動かす。
アモスが達しそうになるたび、俺は動きを遅くした。
そんなことを何度も繰り返す。

「ひぅッ……じ、焦らしてばっか、り、で……イ、イかせて、くださ……」

 それも良い。そろそろこっちも限界が近づいてきたところだ。

 挿入したままアモスの肩に腕を回し、獣の爪の生えた手を持って、上体を一気に持ち上げる。

「っ!?」

 体勢的にも腕力的にもキツい荒技だったが、何とかやってのけた。
アモスの背が反り、俺との結合部を密着する。

「おあ゙あぁああぁあッ!!」

 獣染みた咆哮を上げ、アモスは果てた。

102テリー×アモス 10/10:2010/02/27(土) 20:46:35
「もう! テリーさんってクールでイケメン風の顔をして、本当は野獣だったんですね!」

 汗と粘液で汚れた体を拭いてやり、お茶のカップを手渡すと、
アモスはいつもの調子を取り戻した。ちょっとうるさい。
腕や尻尾の魔物化は意識を失った時に解除され、今は人間のものに戻っている。

「こ……こんなオジサンになってから、あんな激しい経験をすることになるなんて……」

 行為を思い出したのか、アモスは一人で勝手に赤面して顔を伏せた。
そのまま、小声で俺に問いかける。珍しく、真面目な声だ。

「……テリーさんは私のことが好きなんですか? それとも、その、魔物の体が好きなんですか?」

 どっちも違う。
アモスに向ける感情は支配欲であって、好き嫌いですらない。
俺が黙っていると、アモスは話題を変えた。

「……ま、どっちだって良いですよ」

 そう言ってお茶を飲み干すと、この魔物は感情の読めない笑顔を見せた。

「お茶美味しかったです! 私はお腹が空いちゃったので、失礼しますね」

 いつもと変わらない様子で、アモスは部屋を出て行った。
あれほど俺の体にすがりつき、快楽に涙を浮かべていた男が、急に俺への一切の興味を失ったように。

 心がざわめいた。何だ? 俺は奴を屈服させたんじゃなかったのか?

 俺のものにしたと思った魔物は、するりと手から逃げていった。
手懐けるどころか、喰い散らかされたのは俺の方だったのか。

 奴のことを考えるたびに、心臓がじんわりと痛んだ。
当分はこの傷に悩まされそうだ。

103名無しの勇者:2010/02/28(日) 14:28:04
テリアモごちそうさまです!
アモっさんかわいい!!

ぜひ続編が見たいです。

104名無しの勇者:2010/02/28(日) 23:52:25
アモっさんもふもふかわええ!
GJです!

105名無しの勇者:2010/03/01(月) 07:31:36
良いものを見せてもらった…!!
アモちゃんかわええええ

106名無しの勇者:2010/03/16(火) 21:08:57
人生オワタのネット対戦ゲーム

人生オワタ\(^o^)/大乱闘
ttp://clover.45.kg/owata/

107名無しの勇者:2010/04/06(火) 02:25:20
いわゆる半獣モノに初めて萌えた!
作者はアモスの魅力を完璧に把握しているようにお見受けした
テリーもカコイイしすばらしいです

108名無しの勇者:2011/01/03(月) 21:03:05
|∧∧
|・ω・)    ダレモイナイ...
|⊂     蟻ノ巣サガシ スルナラ イマノウチ...
|


正月休みに久々にプレイしてて思いついた新年ネタ。
周りにはとっくに駄々漏れのハッサン→主人公ですが、BL要素は薄めです。
※主人公の名前はリメイク版のレックです。
※クリア後設定。バーバラとドランゴを除いた面々も出て来ます。

以下、7レスほど失礼します。

109【1/7】:2011/01/03(月) 21:05:27
 新しい年の夜明けを見に行こうと誘われたのは、旅の仲間と別れてから一年が過ぎた頃だった。
 夢と現実。二つに引き裂かれた意識が戻った後で覚えてしまった違和感を払拭すべく、日々忙しく王子
としての責務をこなしていたレックの元にある日、懐かしい友から連名で手紙が届いた。
 かつての仲間ハッサンとは、レイドックの新米兵士たちに武術の手ほどきをしてもらう機会を設けたた
めに、一行が解散した後もたびたび顔を合わせていた。
 駄目で元々と提案を打診してみたところ、ハッサンが嫌な顔ひとつせず引き受けてくれたおかげで、レ
ックや兵士たちは今でも彼の厚意に甘えてしまっている。
 そのハッサンが、彼の地元サンマリーノの港町でミレーユと再会したのはつい二月ほど前の話だ。生活
の拠点が近い割にすれ違うこともなかった二人は、あっというまに以前と同じ気安い仲間に戻って一晩じ
ゅう飲み明かしたのだという。その席で新年の日の出を見に行く話が持ち上がり、酔いが覚めてもしっか
り覚えていた二人が計画を立て、レックにも手紙でお声がかかった……というわけである。
 城を抜け出して来いと唆すハッサン、来てくれたら嬉しいけれど無茶はしないでと気遣うミレーユ、ど
ちらも文面に人柄が表れていて面白い。手紙を最後まで読んでみれば、他の仲間たちにも声をかけてある
と書いてあった。勿論、レックは二つ返事で承諾した。
 約束の当日。
 城の住人が寝静まった夜更け過ぎ、防寒着に身を包んだレックは寝室の前まで迎えに来てくれたハッサ
ンと共に城を抜け出した。
 濠に架かる橋を渡り、あと少しで城外というところで巡回中の警備兵に見つかってしまったが、計画が
水の泡になる寸前、レックはふと思いつきでダーマ神殿で極めた職業の一つを強く意識した。そうして、
若い兵士たちが己に見とれている隙に彼らを言葉巧みに誘導し、外出の許可を取り付けることに成功した
のである。


「レックさん! ハッサンさんも遅いですよ!」
 湖を切り裂くように走る広々とした一本道には馬車が一台停まっていた。
 見慣れた風体のそれは長きに渡る旅で薄汚れた外観を脱ぎ捨て、真新しい幌を纏っていた。
「悪ィ。出がけに見つかっちまった」
「こちらは準備出来ています! さあ、早く乗って下さい!」
 まだ肌寒い薄明の中、昇降台の脇に立って出迎えてくれたのはチャモロだった。
 もこもこと着膨れした少年に追い立てられながら、レックたちは駆けて来た勢いのまま馬車の中へと滑
り込んだ。
 御者席に程近い位置にはミレーユが座っていた。呼吸が整わないまま片手を挙げて挨拶すると、彼女は
優雅に微笑み、それから馬車の外の景色に視線を投げて幌の合間から差し込むかすかな光に目を細めた。
「急がないと夜が明けてしまうわね」
「大丈夫! 今から行けば十分間に合いますよ!」
 前方の御者席からは、アモスの陽気な声が聞こえてくる。
 後からやって来てミレーユの正面に座り込んだチャモロも相槌を打った。 
「太陽が顔を出す瞬間は拝めるかもしれませんね」
「ようし、それじゃファルシオンに乗って新しい年の空翔けと洒落込もうぜ!」
 意気込むハッサンに応えるように、翼を持った天馬が声高にいなないた。

110【2/7】:2011/01/03(月) 21:07:06
「ミレーユ。テリーはどうだった?」
 ギシギシと軋む車体の揺れも久々だ。一瞬、ぐらついた上体を腹筋に力を込めてどうにか踏ん張ったレ
ックは、既に揺れと一体化しているミレーユに向かって尋ねた。
「……っと、そうだった。テリーの奴、やっぱ捕まえるのは無理だったか? あいつ、世界中をフラフラ
旅してるもんなぁ」
 最後はぼやくように呟いたハッサンに向かってミレーユが極上の笑みを浮かべて見せた。
 彼女が手を伸ばして幌を開ける動きを目で追いかける。仄かに明るい薄光の中、御者席に座っていた青
いターバン頭が不機嫌そうに振り向いた。
「何だ。ちゃんといるじゃねえか」
「姉さんがどうしてもと言うから来てやったんだ」
 テリーが不貞腐れた口調で答えた。
「たまには、こういうのもいいでしょう?」
 ミレーユが弟の顔を覗き込むようにして首を傾げた。
「あなたと再会してから一緒に旅する間……過酷な戦いの日々の中でも温かい気持ちで胸が一杯になって
いたの。またこうしてみんなと過ごせて本当に嬉しいわ」
 心から幸せそうに微笑む姉の顔を見たテリーがウッと詰まった。放浪の旅で日焼けした顔にわずかな赤
みが差す。ハッサンの揶揄いの口笛に対しては反撃の言葉をきっちり返すあたり、本気で照れているよう
だった。
「でも本当によくテリーの居所が掴めたな。探し出すのは一苦労だったんじゃないか?」
 レックの疑問に答えてくれたのはチャモロだった。
「『世界中を旅するのは良いけれど、定期的に顔を見せに来ること』。そう約束を交わしているのだそう
ですよ」
「テリーが? ミレーユと?」
「はい」
 その後を引き継いで、アモスも解説に加わった。
「そうなんです。それで昨日、偶然グランマーズの館にやって来たテリーさんを説得して一緒に来てもら
ったというわけです」
「説得なんて可愛いものじゃなかったぞ」
 二人からの説明を受けて不満げに唸ったのは、当のテリーである。
「アモスもチャモロも、世間知らずだから知らないのかもしれないけどな。ああいうのは、世間一般では
『拉致』って呼ぶんだ」
「縄でぐるぐるっと縛って、肩に担いで来ましたからね!」
 わっはっはっと大声で笑うアモスを見て、嫌味が不発に終わったテリーが顔をしかめた。
「あ、でもテリーさんを地面に落とさないように十分気をつけたつもりですよ?」
「当たり前だ。落としてたら今ごろあんたの首と胴は繋がってないぜ」
 レックは思わず御者席の男と少年を交互に見比べた。

111【3/7】:2011/01/03(月) 21:08:58
 他人の住まいに帰省するという表現はおかしいのかもしれないが、テリーとしては、姉を安心させるた
めに律儀に約束を守ってマーズの館を訪れたところで、まさか不意打ちを食らうなどとは夢にも思わなか
っただろう。
 運命に翻弄され続けた姉弟がせっかく再会を果たしたというのに、今回の一件でテリーの足が遠のくき
っかけになってしまったとしたらまずい。
「何て言うか……その……すまなかったな」
 けれど、乱暴な『説得』を被ったはずのテリーは軽く肩を竦めるだけに留まった。
「別にいいさ。お前が謝ることじゃない。力でアモスに勝てなかったのは、単純にオレの修行が足りない
せいだしな」
「テリーさんはまだ若いですからねー」
 巧みな手綱さばきを見せながら、アモスがのんびりと答えた。
「成長して体格が安定するのはこれからですし、このまま鍛錬を続けていけば、あと五年と経たないうち
に私なんか全く相手にならないくらいに強くなってますよ」
「勿論、そのつもりだ」
 テリーは正面に向き直って腕を組んだ。
 端正な横顔に表れている強い意志とは裏腹に、テリーの口調から無駄な気負いは感じられない。
 おそらくアモスの予想どおりにテリーは将来名うての剣士として大成するだろうと、レックは以前より
抱いていた確信をさらに深めた。
 強い力を求めんとするあまり向上心を利用されるという苦い経験も味わった彼だからこそ、この先も自
戒を忘れることなく優れた才能を伸ばし続けるはずだ。
 この際彼もレイドックへ正式に招いて兵士たちを鍛えてもらおうか、などという考えに至ったレックの
前では、ハッサンがニヤリと人の悪い笑みを浮かべていた。
「そのうち『剣士テリー』の名前がサンマリーノにも響いて来るかもな。せっかくだし、町に帰ったらテ
リーのために木で記念像を彫ってやるとするか」
「……オレは絶対に受け取らないからな」
「まあまあ、そう遠慮するなって。どんなポーズがいいんだ? 本人の希望ぐらい聞いておくぜ」
「だから、要らないって……!」
 至極迷惑そうな顔つきをして振り返ったテリーを見て、ハッサンだけでなく隣に座るアモスまでもが笑
い出す。
 やれやれといった様子で溜め息をつくチャモロの向かい側では、相好を崩したミレーユが弟の背中を軽
く叩いて宥めていた。
「では皆さん! そろそろ行きますよ!」
 アモスの合図を皮切りに、各々が防寒用の毛布を広げて体にしっかりと巻きつけた。そうして括りつけ
た荷物にしがみつく。
「そっちは毛布足りてるのか?」
「大丈夫だ」
 馬車の速度が増していく中、問いかけたレックに対してテリーが声を張り上げて答えた。
 まもなく鞭がしなる音とファルシオンの甲高いいななきがして、大きな車体がフワリと浮いた。
「うう……この胃袋が持ち上がるような感覚も久し振りだな……」
 耳元でごうごうと空気の唸る声がする中、レックは何度も頷くことでハッサンに同意を示した。

112【4/7】:2011/01/03(月) 21:11:04
 しばらく耐えていると、凍てつくような向かい風がやがて穏やかなものに変わり、天馬がゆったりと翼
を羽ばたかせる音だけが辺りに響くようになった。
 馬車が水平に近い状態になると、全員が緊張を解いてほっと白い息を吐き出した。
「みんな、見てみろよ。なかなか綺麗だぜ」
 テリーの呼びかけに応じてわらわらと集まった一同は、幌の合間から頭を出して外を眺めた。
「わぁ……!」
「凄い……!」
 穏やかな内海が水平線の辺りからまばゆくきらめいていた。海と空の境界から少しずつ姿を現した太陽
が夜明けの冬天を、紺から燃える赤、そして輝く金色へと次々塗り替えていく。
「おっと、気をつけて下さいよ! 馬車が大きく揺れるとファルシオンが驚いてしまいますからね!」
 天馬の手綱を握る者として釘を刺しつつ、アモスも感激した様子で周囲を眺め回している。
 波の動きに合わせて燦然と光る海面がレックたちの目を刺激するが、全員がまばたきも忘れて眼下に広
がる光景に釘付けになった。
「ギリギリ間に合った……かな?」
「ええ、とても美しい眺めだわ」
 白い息を吐きながらミレーユが目を細めて答えた。かつて共にサンマリーノからレイドックまでの船旅
を経験した彼女の表情はどこか感慨深げだった。
 一行は、しばし無言のまま空を舞う旅を満喫した。身を乗り出して遥か下方の地形を覗いてみれば、濃
紺に染め上げられていた森や草原が一斉に溢れ出た陽光によって本来の色を取り戻していた。
 美しい朝の訪れだった。
 今にも虚夢に取り込まれようとしていた世界が自らの生命力でいきいきと光り輝いていた。
 これほどまでに美しく安らかな朝を迎えたのは何もレックたちだけではない。平和が訪れた新年の幕開
けに相応しい神秘の光の風景だった。
「レックさん。そろそろお城へ戻ったほうが宜しいのではありませんか?」
 太陽が完全に昇った後、チャモロに言われて、寒さで鼻の頭を赤くした一同は興奮から我に返った顔を
交互に見合わせた。
「……そうだな。戻らないとみんなも一緒に叱られてしまうな」
 騙すような形で城を抜け出して来た手前、城に帰るのは非常に気まずい。が、それもこれも己で蒔いた
種だ。きっと今ごろ憤っているであろう兵士長の叱責を甘んじて受けるより他はなかった。
「何言ってるんだよ。計画したのはオレたちなんだから、それくらい覚悟の上だぜ」
「そうね。一国の王子を外へ連れ出したのだから相応の罰は受けるつもりよ」
「そんなことは……!」
 させないと反論しようとしたレックを遮ってミレーユが言葉を続けた。
「とはいえ、私たちが叱られる姿を見てレックが心を痛めるのは本意ではないの。……みんな、景色は堪
能したわね?」
「はい!」
 元気良く答えたチャモロに微笑みかけ、彼女は御者席の二人の肩にそれぞれ手を置いた。
「アモス、テリー、ファルシオン。私たちを安全にレイドック城まで運んで下さるかしら?」
「了解」
「お安い御用ですよ!」
 二人の返事と一頭の鳴き声が賑やかに響いた。

113【5/7】:2011/01/03(月) 21:13:04
 急いでいた往路とは違って、帰りは地表の草原めざしてゆっくりと下降していった。大きく旋回しなが
ら高度を下げていく時の浮揚感にも最初は慣れなかったものだ。今となっては何もかもが懐かしい。
 幌の中に入って腰を落ち着けると、ハッサンが荷物から葡萄酒の入った革の水筒を取り出し、蓋を外し
て豪快に中身を呷った。
「なあ、レック。このまま飛び続けてお前の好きな所へ行っても良かったんだぜ」
 ハッサンから水筒を受け取ったレックは同じように一口分を飲み、喉の奥がかっと熱くなる感覚を味わ
ってから返した。
「魅力的な誘いだけど、それはまた次の機会にお願いするよ」
「そうか。じゃまた今度な」
 レックが笑うとハッサンも快活な表情を浮かべた。
 何のことはない普通の会話だった。
 しかし、親密で和やかなその空気を突如としてぶち破ったのはアモスだった。
「身分の違う二人が手と手を取り合って愛の逃避行! いやー、いいですね!」
「アモス!?」
 レックはぎょっとして、素っ頓狂な発言をした御者席の男を振り返った。
 ハッサンに至っては、隣に座るミレーユにも回そうと伸ばした手から葡萄酒入りの水筒を取り落として
いる。
 占い師は冷静な態度で水筒を拾い上げると、蓋をぽんと引き抜いた。
「そうねぇ……言われてみれば、今のハッサンの台詞は熱烈な求婚の言葉みたいだわね」
「求婚……?」
「お前まで何言ってんだ、ミレーユ」
 ハッサンは素早く立ち直ったようだが、レックには話の展開がまったく読めていない。
 澄まし顔で葡萄酒を嗜んでいるミレーユにかわって、今度は弟のテリーが口を開いた。
「結婚するならチャモロに仕切ってもらえよ。神父の代役ぐらい出来るだろ?」
「な、何を、そんな……私に振らないで下さい……!」
 首をぶるぶる振ったり、あたふたと腕を振り回したりしているチャモロを興味深そうに眺めているテリ
ーは放っておき、ミレーユに説明を促すと、彼女は蓋を閉めた水筒を返却がてらハッサンの顔をじっと覗
き込んだ。
「ハッサン。今回の件で分かったのだけど、あなた随分とレックの寝室に通いなれているようね?」
「なっ……」
 思わず言葉を失ったハッサンにミレーユが追い打ちをかけた。
「今朝はあなたがレックを迎えに行くと言うから任せたの。でもよく考えたらおかしな話だわ。普通、王
族の寝所なんて近付けないわよね」
「お二人はいつもレックさんの部屋で過ごされてるんですか?」
 アモスが問うと、全員の視線がレックの顔に集中した。
「あ、いや……別に兵士の詰め所でも構わないんだが……それだとハッサンに武術を習いたいという人間
の訪問が絶えないから、落ち着いて話が出来ないんだ」
「町に行ったら行ったで、兵士が後を追っかけて来るわ、こいつが町の人たちに捕まって延々話し込む羽
目になるわで、そっちも落ち着かねぇ」

114【6/7】:2011/01/03(月) 21:15:05
「だから……寝室なの?」
 レックたちが揃って頷くと、ミレーユは何やら考え込むように人さし指を顎に当てた。
 微妙な空気が流れた。
 疑われるような行いは何もしていないはずなのに悪いことをしたような気分になってくる。ハッサンに
視線を向けると、こちらは明らかにダラダラと冷や汗をかいていた。
「……まあ、そういうことにしておきましょう」
 美貌の占い師は、形のいいほっそりした指をハッサンに向けた。
「でも、お城の兵士だってそう何度も侵入者を許すほど馬鹿ではないはず。今回のことがあるから、きっ
と次は警備が厳しくなっているわよ」
「ハッサンは忍び足を使えるぜ」
 テリーが肩越しに振り返りながら口を挟む。真面目に議論するような話でもないと思うのだが、テリー
の隣のアモスも無駄に真剣な顔つきだ。
「そうですよねぇ……あ、じゃあ、ダメージ床を敷くってのはどうですかね?」
「それよりレックの部屋の前にキラーマジンガでも配置しておくほうが確実だな」
「障害が大きいほうが『燃える』って言いますしねー」
 うんうん頷いている二人に向けて、とうとうハッサンの怒りが爆発した。
「お前らオレを殺す気か! せめて相手は人間にしろ!」
「並の人間じゃ太刀打ち出来ないからな」
「ねえ? 幾ら兵隊さんとは言っても、お城勤めでは実戦経験は少ないでしょうし」
 無責任な御者役たちは、叱られてもしれっとしている。
「だからってキラーマジンガはねぇだろ……」
 そう言いながら、がっくりと項垂れたハッサンの逆毛までもが気力を失っているようだ。
「フランコ兵士長ならいいのか?」
 人間にしろと言うんだったら、とレックが提案するとまた全員の視線が彼に集中した。
「レック……あなた……」
 ミレーユが複雑な表情を浮かべていることに気付いて周囲を見回すと、呆気に取られている仲間の顔が
ずらりと並んでいた。
「え……何か、変なこと言ったか?」
 本当にもう訳が分からない。というか、そもそも何の話をしていたのかですら、レックは混乱のうちに
忘れかけている。
 うろうろと視線を彷徨わせたレックは最後にハッサンを見た。恐ろしい形相だった。いつも陽気に笑っ
ている男から激しい視線を浴びせられると、ひどく居心地が悪い。
「……いいぜ、やれるもんならやってみろよ」
「ハッサン?」
 ミレーユの手から葡萄酒をぶん取り、ハッサンは残りを全部飲み干した。そうして一同が見守る中、空
になった水筒を投げ捨てるといきなり立ち上がった。
「オレはな……どんな難関だろうと突破してみせるからな!」
 ハッサンが咆哮すると空気がビリビリと震えた。レックは驚いて目を丸くしたまま固まった。その周り
では仲間たちが何故か「おおーっ」と沸いている。

115【7/7】:2011/01/03(月) 21:17:14
「いやはや、凄いですね! ハッサンさんの全身から、何やらオーラのようなものが立ち上っているよう
な気がします!」
「愛の試練だな」
「私にはよく分かりませんが、レックさんとハッサンさんのことですし、応援したほうがよいのでしょう
かね……」
 三者三様の意見が囁かれる中、馬車後部に移動したハッサンが夜も明けてすっかり朝になった外に向か
って叫んだ。
「オレは負けねぇぞー!」
「あっ、ハッサンさん、その位置から動かないで下さい! 車体のバランスが取れていい感じです!」
「キラーマジンガでも何でもかかって来やがれ、コラぁー!」
「もう地上に近いから、あれ、全部レイドックの人達に聞こえてるぞ」
「目覚ましにしても、ちょっと恥ずかしいですね」
 既に着陸態勢に入り始めているアモスと、呆れ顔でぼそぼそ囁き合っているテリーとチャモロからも完
全に置き去りにされている。
 救いを求めるように視線で縋ったレックにミレーユが微笑みかけた。
「しばらくの間、楽しい毎日が過ごせそうだわね」
「い、いや……どういうことなんだ?」
「あら、気が付いてないの? そう……そうなの。ハッサンも報われないわね」
「報われ……、え?」
 会話の内容といつになくにこやかな様子のミレーユから、何となく不穏な気配を感じる。
「気になる?」
「ああ、うん……まあ」
「占ってあげるわよ。私も行く末が知りたいもの」
 いったい何の、とは恐ろしくて聞き返せなかった。

116名無しの勇者:2011/01/03(月) 21:19:12
以上です。
リメイク版はキラーマジンガ様が相変わらず鬼強くて安心しました。
見ろ、前衛メンバーがゴミのようだ!

呼び出されたベホマスライムは僕達に酷い事をしたよね(´・ω・`)

117名無しの勇者:2011/01/07(金) 14:27:47
ムスカ乙w
ハッサンの片思い切ねぇぇぇぇぇ
年上組にイジられてるテリーにも萌えました

118名無しの勇者:2011/01/18(火) 23:27:32
ハッサンの片想い萌えました。
報われてほしいw


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