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【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』

1『星見町案内板』:2016/01/24(日) 23:57:56
『H城』の周囲に広がる『城址公園』の敷地を共有する『学び舎』の群れ。
『小中高大一貫』の『清月学園』には4000人を超える生徒が所属し、
『城郭』と共に青春を過ごす彼らにとって、『城址公園』は広大な『校庭』の一つ。

『出世城』とも名高い『H城』は『H湖』と共に『町』の象徴である。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
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        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
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             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
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                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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663斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/02/14(金) 22:29:58
……今日は何の日か知ってるか?僕はマイクを切ってから声高に叫んだ。

 「――バレンタインだ!!!」

実際にはキリスト教司祭の聖ウァレンティヌスが、禁止された結婚式を毅然と行い、王に反抗して処刑された日だが
今日では日本の商社マン達の不断の努力によってカカオとミルクと砂糖と乙女心を消費する日に云々かんぬん。

だがそんな事が世の中のDK(男子高校生)に何の関係が有ろうか?
年がら年中頭の5割でピンク色の妄想している野郎共も、今日だけは乙女心エンジンフル回転(オーヴァードライヴ)
肩をソワソワさせ鼻息荒く、下駄箱という非衛生的な場所に素敵なラップを施されたチョコレートを夢見る日である。

なお、貰えなかった野郎はその日から1年を非リア充として過ごす事になる
ジュリエットのいないロミオのようなものだ、悲しいね、チャンチャン。

 「だっていうのに、ねー」

窓から外の校庭を見やると、校門の前に人だかりが出来ている
腕章を付けた学生はどう見ても『生徒会』である、右手には袋、左手にはメガホン
……そして袋の中には無数のチョコレート。

 「……生徒会による『チョコ狩り』とはいったい。」

事は数か月前に遡る
切り裂き魔という者ありけり、この事件自体はとっくの昔に沈静化したが
生憎世の過保護なPTAの父母達はこれに過剰反応したのだ、無理も無いとは思う、実際に被害は出ていたのだし。

 (ああ、校門前で麗しのチョコたちが回収されていく……)
 (弁当だという言い訳をしている子もいるぞ、なんと涙ぐましい努力、でも無理が有るとおもうな、その気合いの入ったラッピング。)

放課後には戻されるのだろうが、要はこの事態を狙って不審者だとかが校内に侵入しないようにとの事らしい
ついでにどこぞの風紀にうるさい方々が、学生が学問以外に浮かれるとは何事かと熱弁を振るったりでもしたのだろう、余計なお世話だ
梅の花が奇麗に咲いたこの時世に、このような蛮行を認めて良い物だろうか?いやない。

 「ロマンとチョコの欠片も無い……とはいえ、もう起った事には精々読唇術?くらいしか出来ないしなあ」

    ゴソゴソ

 「『Fly Me To The Moon』……フランク・シナトラ いや、宇多田 光versionあるじゃん こっちだな!」

カセットの一つを手に取ると、僕はそれを差し込んでからスタンドで仕掛けを施した
再生はきっかり30分後、そのタイミングで時間切れと共に僕の『スタンド』は解除される
射程20mというのは忘れがちだが、前後左右だけではなく、上下にも作用される物だ。

つまり、その瞬間に教室にいると、僕にここのカセットを再生できなかったという事になるのだ
実際には遠隔で差し込まれて、遠隔で再生スイッチを押されるのだが。

 「相応しい日には、相応しい曲くらい必要だよなぁ〜〜〜〜誰がカセット持ち込んだか知らないけど。」

そう言いながら放送室を後にすると、階段の踊り場でステップを刻みながら降りていく
先生無し、同級生無し、ミッションコンプリート、完璧だ 練り消しで型を取って接着剤で作った放送室の鍵を靴下の中に滑り込ませると
チャイムが鳴る前に教室に滑り込んで席に着いた、これで放課後までもが楽しみだ。

 (あ、エクリプス参上とか、張り紙でもすりゃあ良かったかな? ……まあいいや)
 (何者か解らない、未知っていうのは一番の恐怖だ。)

清月学園OBの皆様へ…と書かれたPTAのプリントを懐に仕舞い込む
後で飛行機にして飛ばしてやろう。

 (しかし、色々準備しても僕にはこの程度が関の山だ)
 (自動操縦型のチョコレートが歩き回ったりしない物かなぁ……その方が楽しいのだけど。)

664夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』【高一】:2020/02/15(土) 08:44:01
>>663

「――――やあ」

席に着いた時、『それ』は既に目の前にいた。
正確には、『斑鳩翔の机』に頬杖をついて待機していたのだ。
ソイツは『アリス』とか『ユメミン』とか『アルカラ』とか言われてる。
あ、アリスはジブンでなのってるんだったな。
みんな、アリスとよんでくれ!!

「この季節になると、『二種類の人間』がいるよね。
 『歓喜する者』と『嘆く者』さ。
 僕はどちらかって?もちろん『嘆く側』の方さ」

「僕に惹かれる『学校中の女の子達』が、
 一斉にチョコレートを持ってくるんだぜ?
 その度に、僕は『食べ切れないチョコの山』の始末に悩み、
 大いに嘆く事になるんだからね。
 一つ貰っただけで大喜びしてる連中が羨ましいよ」

「――『イカルガショウ』ってコのモノマネなんだけど、にてた??
 なんかさ、こんなコトおもってそうじゃない?? 
 アイツ、マジでキザなヤツだからな〜〜〜」

「あ!!そんでそんで〜〜〜『コレ』みて『コレ』」

      サッ

「ババン!!ナンだとおもう??フフフフフ」

片手を持ち上げると、そこには『小さな化粧箱』があった。
おもむろに、フタを開きにかかる。
ゆっくりと、焦らすように。

       パカッ

「なんと!!『チョコレート』だよ!!
 しかも『アリスモチーフ』!!たべるのがモッタイないな!!」

その言葉通り、箱の中身は『チョコの詰め合わせ』だった。
『チェシャ猫』や『白兎』や『トランプ』など、
アリスの世界を模したチョコレートが入っている。
割かし高そうな雰囲気だ。

665斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/02/16(日) 03:09:31
>>664

 「……夢見ヶ崎?え、今ここまで来たの?」

まず驚いた
正直毎年の事なので今回は放課後に持ち越しだろうなあ、くらいだと考えていた
授業前にくるとは思わなかった。

次に想像力が豊かだなあ、と思う
アリスが言ったようなイベントは確か前にもあったなあとは思う
イケメンに生んでくれた両親に感謝せねば、その時のチョコの数?ノーコメント。

最後に、よく此処まで隠して持ってこれたな、とも思う
あの生徒会が時代錯誤の刀狩りごっこに勤しんでいるというのに
一体どうやって隠し持ってきたのだろう?

だがそんな事を尋ねるより、まずは言うべき事がある。

 「――ありがとう、夢見ヶ崎。」

にっこりと微笑む、スマイル120%、ここで使わず何時使うのか?
周囲の女子達と野郎共が何事かはやし立てている気がするが
今の僕には念仏か真珠の如くであった、華麗にスルー。

 「凄いな、手が込んでる、コレなんか苦労しただろうに……食べて背が縮んだり伸びたりしそうだね」
 「感謝の言葉だけじゃお礼としては足りないだろうけれど、代わりにホワイトデーには期待しといてくれよ。」

そう言いいながらウインクを一つ
しかし見てみるとこの箱は成程、『化粧箱』である
いつも奇麗なネイルをしている彼女なので、持ち歩いていても不思議には思われないであろう

 (禁酒法しかり人間って逞しいのね……)

 「……でも、如何してここまで?」

666夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』【高一】:2020/02/16(日) 08:49:23
>>665

夢見ヶ崎はスタンド使いだし、運が良かったのかもしれない。
具体的な方法は『不明』だ。
いずれにせよ、当たり前のように教室内にいたことは間違いない。

「おい。おいおいおい。おいおいおいおいおい。
 まぁ、そうあわてなさんなって。
 まだ『ハナシのつづき』があるんだから」

「『コレをあげる』だなんて、いつダレがいった??
 コレは『ジブンよう』だ!!
 バレンタインセールって、
 イロイロかわったのがならんでてタノシーよね!!
 ついついショウドウガイしちゃったよ〜〜〜」

「だから、『コレ』はみせにきただけ」

    サッ

そう言って化粧箱を引っ込める。
代わりに取り出したのは別の箱だ。
デコレーションしてあるが、何となく『手作り感』がある。

「――――で、キミにあげるのは『コッチ』。
 ナカミみたい??しかたねぇなぁ〜〜〜」

          パカッ

「さっきみせたのをサンコウにしてワタシがつくったヤツ!!
 ハジメテにしては、なかなかイイできばえだとおもわんかね??
 このウサギのシルエットなんて、
 もうほぼオリジナルとイッショだもんな〜〜〜。
 となりにおいたらクベツつかんよね〜〜〜ゼッタイ」

箱に入っていたのは、先程のものと似たチョコの詰め合わせだ。
アリスモチーフなのは同じだが、やや形が崩れている。
本人の言うように、最初に見せたものを真似て作ったらしい。

「で、なんでココまでって??
 バレンタインっていうイベントにサンカしたかったから。
 『どうせならイチバンノリだろ!!』ってカンジだから、イマきた。
 でも、『かってきたヤツをわたす』ってのも、
 イマイチのりきれてないカンがあるなとおもって。
 どうせサンカするんなら、マジでやったほうがイイじゃん??
 だから『てづくり』。
 てづくりっつっても『カカオ』からつくったワケじゃねーけどな!!」

                 スッ

「だから、ハイ。『300かい』カンシャするように!!」

チョコの入った箱を差し出す。
受け取ろうとした瞬間に引っ込めるということはないだろう。
まぁ、タブン。
いっしゅん、やったらオモシロイかなとはおもったけど。
やるかどうかはベツとして、かんがえるのはジユウだ。

667斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/02/17(月) 01:29:59
>>666

「Oh、じゃあ化粧箱入りっていうのもそういう包装かぁ……恥ずかしいねえ、僕。」

がっかりしましたと肩を竦める
思い返せば確かにあげるとは一言もいってはいないのだ
これが若さ故の早とちりか、認めたくない物である
下げられていく化粧箱、サヨナラチョコレート。

 (でも『9股』かけてチョコ持った彼女達に追い詰められてるパイセンとか見た後だと、この程度の失敗カワイイものでは?)

人の振り見て我が振り直せ、しかしこうしてアリスの話を聞くに
何ともこのイベントに関して真剣に楽しもうとする姿勢は見てとれる
どうやったのかは兎も角、僕達のような『スタンド使い』には色々と抜け道がある物だ
例えば後30分ぐらい後に、校内に鳴り響く音楽とか。

 「……でも僕は夢見ヶ崎がカカオ丸ごと持ってこなくて良かったと思ってるよ」
 「持ってきてたら僕は腹抱えて笑うか、一周回ってソンケーするかの二択だったからね。」

例え超能力を持ってようが、人とは少し違っていようが
結局僕達は学生だし、そういうイベントが有れば楽しみたいのかもしれない

前に海岸で話された事を思い出す
彼女の眼の事を ……今の景色も、彼女には何色に見えているのだろう
夢見ヶ崎のネイルの如く、カラフルに見えているのだろうか?

 「ま、クベツつくかどうかは置いといて、有難く受け取るよ。」
 「勿論、可愛い後輩に頼まれれば、心の中で300と言わず1000でも万でも感謝して……今度は上にあげたりしない?ダイジョブ?」

苦笑しながら顔をほころばせる
ああ、そう考えれば彼女が今を楽しんでいるのは……とても良い事だ。

668夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/02/17(月) 17:23:23
>>667

「よかろう。これからも、そのキモチをわすれるでないぞ」

   ポンッ

チョコの入った箱は無事に手渡された。
引っ込めたりはしていない。
そして、そろそろ授業の時間も迫ってきているようだ。

「よし!!やるコトやったし、チャチャッともどるか!!
 いや〜〜〜なんかミョーな『タッセイカン』があるな〜〜〜。
 まんぞくまんぞく!!」

かつては何も映さなかった瞳は、今はキラキラと輝いている。
きっと、これからも眩い光を湛えていくのだろう。
生きている限り、ずっと。

「あ!!もしヒマだったら、またデートしてやってもイイぜ!!
 ただし、ツマランかったらかえるから、そのつもりで!!」

「――――じゃ!!」

            ババッ

そう言い残すと、嵐のように走り去っていく。
口には出さなかったが、チョコを渡したのは『別の理由』もあった。
斑鳩翔からは『不思議の気配』を感じる。
だから、チョコを渡した時の反応を見てみたかったのだ。
しかし、『イベントに参加したかった』というのが、
今回の行動の大きな動機なのも、また間違いない。

669斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/02/17(月) 21:29:07
>>668

去って行く後ろ姿に手を振り返す
隣の席から口を挟まれ、笑顔で軽口をたたいていれば

教室の扉が開き、授業が始まる
2月の窓から差し込む陽光は、薄い雲に遮られて弱弱しくも見える

――欠伸を一つ

放課後はどうしようか?

幽霊部員として、偶には顔を出しに何処かの部活に歩いてみてもいいし
『もう一つの音楽室』に行ってヴィヴァルディの夏の嵐を弾くのもいい
ドビュッシーの月の光も嫌いじゃない、それとも寮でチョコを齧りながら映画鑑賞?
いやいや、『嵐が丘』の続きを読んでしまおうか。

 (デートもいいかもな…次は水族館とか これで、起きると良いのだけど。)

でもまずは、次のイベントの確認を。
授業が終わり、席を立ち、廊下を王様のように歩く

―― 3 2 1 

 「……良い曲だろ?」


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