- 1 名前:舞方雅人 ◆8Yv6k4sIFg 投稿日: 2007/05/13(日) 22:32:04
- このスレは舞方雅人作「正義の女戦士クリスタルローズ7」を掲示するだけのスレです。
感想やご意見などは「舞方雅人の趣味の世界」スレにお願いいたします。
- 3 名前:舞方雅人 ◆8Yv6k4sIFg 投稿日: 2007/05/13(日) 22:33:19
- 「責めているのではないわ。ただあなたは人形ではない。あなたは私が命じもしなかったのに両親を殺したでしょう?」
ビクッと肩を震わせる聡美。何かいたずらを見つかり咎められているみたいに。 「はい・・・両親は私がこの手で始末いたしました」 「どうして? 私が命令したわけではないわね?」 聡美はこくんとうなずく。 「でも・・・一人でも地上人が消え去るのは・・・帝国にとって良いことだと思いました。それに・・・あの女は・・・」 「あの女は?」 「死んで当然なんです。ブラックローズ様」 聡美の冷たい声が響く。うつむいたままだったが彼女の顔には間違いなく笑みが浮かんでいるのだろう。 「死んで当然なんです・・・ブラックローズ様。私はただ・・・消してしまったに過ぎません」 「聡美・・・」 「あの女も・・・あの男も・・・私のことは何にもわかってないんです。私は・・・私はいつも言う通りにしていたのに・・・私のことは何も・・・」 私は聡美の表情を見るために片膝をついた。 「だから消しちゃったんです。帝国にとって不要な地上人は消してしまっても構わないですよね? ブラックローズ様」 聡美がさらりと言うのを聞き、私は聡美の心の闇の深さを知った。 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 4 名前:舞方雅人 ◆8Yv6k4sIFg 投稿日: 2007/05/13(日) 22:34:35
- 「片場聡美?」
私は地底帝国のアジトに再びやってきていた。そして今ゲドラー様が目の前にいらっしゃる。 「はい、以前連れてきたことのある奴隷人形ですわ」 私はいつものように跪いている。目の前のゲドラー様はいつにも増して素敵な感じ。 「ふん、そういえばそんなのもいたな。で、そいつの母親がクリスタルストロベリーだというのか?」 「はい、ちゃんとした確証があるわけではありませんが、結婚する前の旧姓が穂村玲子という名前ですので・・・」 「可能性は高いというわけか・・・」 ゲドラー様の視線が宙を向く。過去を思い出されているのだろう。 「力を失い、一主婦として暮らして子供を作っていたということか」 「おそらくはそうかと・・・」 キチク将軍との最後の戦いは激戦だったと聞く。その戦いの最後にクリスタルは全ての力で穂村玲子を護り、力を使い果たしたのだろう。 「ふん、最後はあっけなかったものだな。自分の娘に殺されるとは」 片場武雄と片場(穂村)玲子の二人は奴隷人形となった聡美によってあっけなく始末されていた。 そう・・・まるで地上人が害虫を退治するかのように・・・ 「それで? その片場聡美がどうしたと?」 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 5 名前:舞方雅人 ◆8Yv6k4sIFg 投稿日: 2007/05/13(日) 22:35:09
- 再び君嶋麻里子の姿に変身した私はいつものように学園に向かう。
傍らには身も心も闇に染め、帝国の一員となった栗原姫菜と春川しのぶがいた。 「ずるいですよ〜、ブラ・・・っと麻里子先生。聡美は私に下さったんじゃないんですか?」 「ふふふ・・・仕方ないだろう、姫菜。どうやらあの娘は普通の奴隷人形じゃないみたいだからさ」 「ええ、そういうわけだからしばらく私の手元においてみるわ。何か違う利用法があるかもしれないし」 ふくれっつらになる姫菜をなだめながら、私たちははたから見れば中の良い女教師と女学生のように振舞う。道行く地上人どもは私たちの正体など知りもしない。 「それよりも澤崎律華を手に入れるわ」 「ハーイ・・・彼女も妖女虫にしちゃうんですよね?」 姫菜がまだむくれている。だが、もう機嫌を直しつつあるようだ。 「当然だろう? また三人で麻里子先生と一緒に戦うんだ。我ら地底帝国の邪魔をする奴らと」 しのぶは楽しそうに言う。見ていてほほえましい。 「それで、どうしますか? やっぱり直接襲って眠らしちゃう?」 「私の毒鱗粉はいろいろと使い道があります。眠らせることも簡単です」 律華はおそらく何の疑惑も抱いてはいないだろう。やはりそれが一番手っ取り早いかもしれない。 「そうね、それが一番かもね」 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 6 名前:舞方雅人 ◆8Yv6k4sIFg 投稿日: 2007/05/13(日) 22:35:41
- 「つまり、この部分は作者の心情を登場人物に重ねて表現していると言えます。この舞方雅人という作者は・・・」
国語の授業を行いながら、私は律華の様子を窺う。 律華は熱心に私の授業を聴き、ノートを取っていた。 もちろん他の生徒も皆同様なのだが、律華は人一倍まじめなのだ。もちろん成績もいい。 そのまじめな彼女が闇に染まるのは楽しみだ。 私は一人笑みを浮かべた。
私は西宮恵理と栗原姫菜、春川しのぶを国語科準備室に呼び出した。 これから澤崎律華を落とすための下準備である。 私は彼女たち妖女虫に指示を与え、それぞれに徹底させたあと、律華の監視のために虫を放つ。 これで律華がどこにいても、私は彼女の行動を見張ることができるのだ。
放課後。私は国語科準備室にいた。 仕掛けた罠が作動するかどうかを見極めて、必要なら追加の罠をこしらえなくてはならない。 手元の水晶球に監視虫からの映像と音声が送られてくる。 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 7 名前:舞方雅人 ◆8Yv6k4sIFg 投稿日: 2007/05/13(日) 22:36:12
- 廊下の途中で律華は立ち止まり、壁にもたれて呼吸を整えている。
さすがにクリスタルプラムとして鍛えているだけあって、わずかの間に息が整っていくようだ。 「ふうふう・・・いったい何なのよあの娘たち。あんな本を学校に持ってくるなんて」 律華は図書室の方を見るが、再び戻るには抵抗があるようだった。 「どうしよう・・・鞄置いてきちゃったし・・・戻るのも・・・」 「律華〜」 自分を呼ぶ声に振り向く律華。そこには鞄を持って帰り支度をした姫菜がいた。 「ああ、姫菜ちゃん」 何かほっとしたように胸をなでおろす律華。 「何? いつもなら呼び捨てなのにどうしたの」 笑みを浮かべながら近付く姫菜。彼女がムカデナであることなど思いもよらないことだろう。 「ううん、ちょっとお願いがあって」 「何、どしたの?」 「うん、実は図書室に鞄を忘れて・・・ちょっと、取りに行きづらくて」 困っている律華。 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 8 名前:舞方雅人 ◆8Yv6k4sIFg 投稿日: 2007/05/13(日) 22:36:43
- 廊下を走っていく律華。
いまどきの女の子にしては珍しい純粋培養だわ。 わかってはいたけれども驚きね。 私はそう思いながらも次に起こることを思い笑みを浮かべた。 「おっと!」 「きゃあ!」 二つの声が交錯する。 廊下の角でお約束のように律華は人にぶつかったのだ。 「おいおい大丈夫かって? 律華か?」 「痛た・・・あ、しのぶちゃん」 ぶつかったのは春川しのぶ、ううん、違うわね、妖女虫ドクガナだわ。 「どうしたんだ、そんなに急いで?」 「ご、ごめんなさい。ちょっと・・・ね」 ぶつかったところを押さえながら律華が謝る。 「ふふん、大方トイレにでも駆け込んで、オナニーするつもりだったんだろ?」 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 9 名前:舞方雅人 ◆8Yv6k4sIFg 投稿日: 2007/05/13(日) 22:37:29
- 2004年10月3日、E=MC^2様にて掲載。
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