- 1 :名無しさん :2015/09/02(水) 22:37:28
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ルイーダの酒場は今日もにぎわっていた。
ぴらこ「なんかいい仲間いねえ?」
ひじをカウンターにおき、けだるそうにぴらこが言う。
「オ・ス・ス・メは支援系かなあ」キャピ ぴらこ「ほう」
ぴらこはメイドだ。つまり、前衛だ。
ぴらこ「たしかにウィズあたりほしいな」
ぴらこのきゃしゃな人さし指がリストをなぞる。剣士、槍、すっとばしてウィザードへ。
ぴらこ「むしゃむしゃ・・・変な名前だな。こいつに決めた!」 「むしゃむしゃさーん☆ お、よ、び、よ!」キャピ
またこいつらの旅がはじまる。
第一話「愉快なぴらことおまけのウィザード」
- 9 :名無しさん :2015/09/10(木) 22:06:54
- 一本にまとめられた水が、大砲となってドアに直撃した。
「おわっ!」
破裂音に似た音に仰天したあめがベッドからひっくり返った。すぐさま臨戦態勢に切り替えたあめは扉をにらみすえたが、まるく染みたドアがキイキイゆれるだけで何もなかった。 念のため外に出て廊下を見渡すが、やはり何もない。振り返ってむしゃを見ると、一度目があっただけで彼はベッドへもぐりこんだ。
「寝んのかい!」
するどく突っ込んでみたが彼からの反応はなかった。ひといきついたあめはもう一度廊下を眺めた。
「それにしてもあいつらおせえな」
廊下の奥、薄暗く見えた遠い場所で、何かよくない気配がするのにあめも気づいていた。
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- 10 :名無しさん :2015/09/12(土) 20:27:59
- だたらはつがえた矢を解いた。矢筒の中に入れ、侵入者に話しかける。
「よく俺らがここにいるってわかったな」 「俺はいろいろ探知できるんでね」
あめがにやりとして宝の山を見る。足音を立てずに目の前までいくと、いただきに乗っかっていた王冠をひょいっと取った。
「わっ!」 「ほわあ!」
絶叫を上げたぴらこが、今度はぽかんとした。みるみる顔が赤くなっていく。
「あめ!!」 「あひゃひゃ」
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- 11 :名無しさん :2015/09/13(日) 04:08:42
- 部屋を飛び出すふたりを見て、あわててぴらこは宝物を持てるだけもった。途中ぽろぽろポケットから落ちるのに気づいたが、置いていかれるほうが怖かった。
一階あがると小部屋に開けっ放しの扉が見えた。あめとだたらの後ろ姿を認めて、2人と並ぶ。絶句する2人の視線の先をたどると、マストの前に浮く一匹の龍が見えた。
「マブガゴ……?」
だたらの知っているマーブルガーゴイルとは色がちがっていた。色違いの龍は見たことあるが、青い龍ははじめてだった。
「しかも探知しない。本体じゃないのか、あるいは……」
続くことばをあめは飲み込んだ。非現実なのは信じていなかったからだ。 風が、空に伸びたマストへと一直線に駆け抜けた。それは一本の矢で、だたらの放った攻撃は龍の頭を通り過ぎた。
「あたらないな……」
横目からでもだたらが冷や汗をかいているのがわかる。 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 12 :名無しさん :2015/09/20(日) 03:59:39
- あめは考えていた。ぴらこは黒魔術師になって闇魔法をガンガン使っている。だたらも物理攻撃寄りだが、知識が使えないわけでもないらしく、火攻撃を放っていた。むしゃなんかそもそも知識だ。つまりこの場で何もできないのはあめただひとりだった。
「せつねえ……」
でもいちばん近くにいるあめだからこそ気づいた。これだけ派手に猛攻しているにも関わらず、龍はとくに変化がないのだ。
「(効いていないのか……?)」
物理攻撃ならすり抜ける。魔法攻撃ならくらってはいるようだが、あんまりダメージがない。やはり、本体じゃないというのがいちばんしっくりくる。だとしたら、本体はどこだ。
だたらは攻撃の手を休めた。あめに遅れてあまり威力がないことに気づいたからだ。
「(どうすれば……)」 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 13 :名無しさん :2015/09/23(水) 02:41:37
- 遥か遠くにある雲の隙間から、輝く柱が一本伸びてきた。煌々たる光は視界を埋め尽くし、世界を飲み込んでいく。
「な、なんだ!?」
ぴらこの声が耳朶を打つ。だたらはすがめた目から、世界が色を取り戻すのを待っていた。 それは一瞬だった。まさに写真立てで見たふたりがふんわり笑んで、光が消えるのと同時に消滅していった。
「やったのか?」 「たぶんな」
まだ油断していないぴらこを尻目にしつつ、だたらはあたりを見回した。さっきまでの暗雲にたちこめ薄暗かった視界がやけに明るかった。
「島がある」
その発言はむしゃから。ここからそう遠くない場所で、きれいな砂浜が視認できた。幸いかどうか、この船はそこへと向かっているらしい。 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 14 :名無しさん :2015/10/12(月) 06:37:36
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「沈むまえに沖に着くって教えてくれたっていいじゃん、なあ?」
いじけるぴらこをだたらは作り笑いで応じた。その結論に気づかなかったのはおそらくぴらこだけだということばを言わないでおいたのは、だたらのやさしさである。 彼女らの数歩進んだ先では、あめとむしゃがそれぞれ島の景観を見渡していた。
「無人島っぽいな」 「無人島だな」
木々草花は生い茂り、人が歩いた形跡すら見当たらない。どう見ても人の手が加えられた風景とは思えなかった。
どうくつが見えた! なんかコケっぽいにおいがした! ちょっと湿っぽい!
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 15 :名無しさん :2015/11/27(金) 23:52:37
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入口のすぐ前に台座があった。その背後には一枚の絵。
「ふうん、これに触ると異世界へ行けるわけね」
茶色の額縁を触りながらテイマがつぶやく。その背後には弓姿の女性と、槍を背負った女性の姿があった。
「あーてい、正確には何百年と前の世界」 「だまって」 「鷹かわいそう」 「いうなとこの」
完全なやつあたりを終えたあと、あーていが絵に手を触れさせた。3人は包む浮遊感に身をまかせ、ただ時が過ぎるのを待つ。やがて目の前に広がる町並みを視認した鷹がつぶやいた。 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
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