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☆☆ エジプト カイロ観光 総合情報スレ ☆☆

537在カイロ スルタンホテル 塾長まる。:2010/08/24(火) 22:16:23 ID:1nxbTxE.
http://www.jica.go.jp/project/egypt/0702252/news/column/20090330_1.html

エジプトの小麦

2009年03月30日

エジプトの主食は小麦です。プロジェクトサイトでも小麦が成長し、穂が風を受けてゆれています。今回は、エジプトの小麦をレポートしてみたいと思います。

エジプトでの小麦消費量は、約1,200万トン(2004年)で、国内生産が約6割、輸入が約4割です。人口は約7,000万人(2004年)ですので、一人当たり消費量は170kgにも上る、世界有数の小麦消費国といえます。日本では、主食である米の消費量が一人あたり60kg、米と小麦を足しても100kgほどであることと比較すると、エジプト人にとっての小麦の重要性が推察されます。

ローマ帝国時代、エジプトの小麦は輸出され、帝国内の消費を支えたということですが、現代のエジプトは、国内消費をまかなうことが出来ず、外国からの輸入に頼っています。小麦の生産は、生産や流通に様々な制約が加えられていたことから低迷し、1980年代は自給率が約30%まで落ち込みました。しかし、1987年以降の農政改革(生産面積の自由化、供出義務の廃止、流通の自由化(1992年))により生産は徐々に増大し、自給率約6割の水準まで回復しています。しかし、依然として、世界有数の小麦輸入国であることに変わりはありません。2004年の貿易統計(FAOの資料による)では、エジプトは重量ベースで世界第8位の輸入国です(ちなみに、日本は第3位)。

2008年4月、世界的に食料価格が高騰する中、エジプトで、パンをめぐる暴動が発生しました。日本でも報道されたので、記憶にある方も多いと思います。エジプトでは、過去にも食料品値上げに対する暴動が発生しており(例えば1976年)、社会の安定のためには、食料政策が大変重要です。

食料政策の中で、小麦に対する施策は2つのものがあります。一つは、食料充足のための施策で、小麦の生産を拡大し、自給率を向上させるというものです。国産小麦の買い付けは政府が行っており、小麦作付け前に政府買い上げ価格が公表されます。

もう一つは、低所得世帯でもパンが購入できるようにすることで、政府は、バラディといわれるパンに補助金を出して価格を低く抑えています。カイロ市内でもバラディと呼ばれる丸いパンを誰でも安く買うことが出来ます。

この二つの施策は、今のところ効果を上げているように見えますが、持続性には疑問を持たざるを得ません。生産に対しては、農地と水が限られる中、小麦生産の拡大が難しいと思われることです。冬作の小麦に対して競合する作物は、牧草のベルシウム(クローバー)です。小麦の作付け増加はベルシウムの減少をもたらし、家畜飼料の減少は家畜生産の減少にいたるものと推測されます。しかし、家畜生産は農家所得の重要な部分も占めるほか、家畜は耕作や運送にも利用されているので、小麦増産に大きく舵を切るのは難しいものと考えます。また、研究者によりますと、小麦(冬作)と米(夏作)の輪作体系は、他の輪作体系に比べ収益性が高いということですので、小麦作付けの増加は、夏作の水稲栽培をもたらすことになります。これは、水需給の逼迫から水稲の作付けを制限している政策と矛盾することになります。

一方、補助金によるパン価格抑制は、財政の逼迫を招いています。さらに、補助の対象が貧困層に限定されないことから、政策の妥当性には議論のあるところです。

エジプトは、年率2%で人口が増加する一方、世界的には食料需給が逼迫しています。増加する人口を養っていくためには、限られた「水」をより有効に活用することが解決策の一つであることは間違いないようです。

図 エジプトにおける小麦の生産と輸入(出典:FAO資料)


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