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二題噺スレ。

34泥がささやく。:2007/05/15(火) 23:53:00
石はかつて、空を飛ぶものであった。
岩ほど大きくなると流石に重過ぎて無理が出てくるが
石といわれる程度ならば、その浮力は石を空に連れて行ってくれたのだ。
しかしそこに人類が通りかかったことで、石と空の蜜月は終わりを告げる。
石は一つにまとめて岩としない限りは、浮力を持ち続ける。
その特性に気付いた人間は石を服のポケットにつめて、空を目指した。
その果て、空と天とを隔てる天蓋にまでたどりついた人間たちは、
それでも満足せず、穴を開けてその先に到達しようとした。
すなわち、神によって天を任された小さき太陽たちの領域に。
太陽たちは空より下では摂理の法を自在に設定できるほど強大な存在だったが、
自分たちの坐す天の定めに手を加えることはできなかった。
もし、人間が天に達しようものなら、収拾がつかなくなる恐れがあった。
小さき太陽は合議の結果、「石は岩とならない限り浮遊する」という定めを無くした。
その瞬間、身に石を散りばめ天を目指す人間どもは石とともに墜落した。


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