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マスコミが最も宣伝収入効果を発揮するのは

55ハンドルネームでお願いしますt:2008/05/09(金) 13:17:21 ID:dj7qUaGs0
【正論】慶応大学教授・阿川尚之 「マスコミの常識」は非常識 (1/2ページ)
2008.5.8 03:24このニュースのトピックス:正論
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080508/trd0805080326000-n1.htm
 ≪午前1時半の電話≫

 幼時から世話になった児童文学者の石井桃子さんが、4月2日亡くなった。

 逝去から程なく4月3日午前1時半、我が家に電話がかかった。家内が起きて受話器を取る。某新聞文化部の記者であった。「石井さんが亡くなられたかどうか確認したい。知らなければ知っている人を教えてほしい」。家内が「お教えしたらその方へ、今電話をかけるのですか」と訊いたら、ごく自然に「はい」と答えたそうだ。

 すっかり目の覚めた私が電話に出て、「総理大臣に何か異変があって秘書官にかけるならともかく、101歳の児童文学者が亡くなったかどうか午前1時半に電話で確認せねばならない理由は何ですか」と尋ねた。記者はうまく答えられなかった。

 ほぼ同時に今度は携帯電話が鳴る。出ると某官営放送の記者である。同じ質問に同じことを言って切った。そもそも私は石井さんの逝去を、その時まだ知らなかった。

 3日の夜、石井さんの「かつら文庫」を引き継いだ「東京子ども図書館」の関係者から事情をきいた。石井さんは自分の死を1カ月間公表しないでくれ。そう固く言い残して亡くなったそうだ。関係者一同しっかり遺言を守るつもりでいたのに、情報が漏れ取材が殺到した。同日午前3時まで、電話の応対を余儀なくされた人もいたという。私への電話はその余波だった。

 すぐれた児童文学者の死が、こうしてひどく騒がしいものになった。自分の生涯を静かに終わらせたい。石井さんの望みが、マスコミの乱暴な取材でかなわなかった。

 ≪特ダネばかりに目が≫

 一体マスコミの常識とは何か。ニュースを正確に速く伝える。そのためにできるだけのことをする。記者として立派な常識である。しかしそれ自体が目的ではあるまい。

 速く伝えなくても、価値の減じない情報もある。相手かまわず夜中にたたき起こし取材して、一刻も早く伝えねばならない情報がどれだけあるのか。速報性を言うなら、新聞はネットやテレビに負ける。それでも人が新聞を買って読むのは、より正確で深い分析を求めるからだろう。

 本来マスコミの役割は、世の中の常識に照らして疑問を覚えるような事象につき、正確な情報を伝え読者や視聴者の判断に資することにある。社会保険庁、国交省、チベットやイラクで、本当は何が起きているのか、背景は何か。当事者が書かれたくない不都合な事実を報じるからこそマスコミは恐れられ尊敬される。本欄にも「正論」などという、私が思うに気恥ずかしい題がつく。


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