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中米・カリブニュース 9

899taro:2019/02/19(火) 05:58:27
◇密輸やまず、凶暴化

 評決の日は雪だった。裁判所の前で行われた記者会見には、DEAや連邦捜査局(FBI)の捜査官らが並んだ。

 「米国の司法制度の歴史的勝利だ」。国家安全保障省特別捜査官のアンヘル・メレンデスは力を込めた。「麻薬密輸に従事した者は、誰もアンタッチャブルではない。必ず捕まる日がくる」。スペイン語で同じ内容を繰り返したのは、メキシコのカルテルに伝えたかったからだろう。

 メキシコのNGO「Impunidad Cero」による政府統計の分析によれば、メキシコでは殺人事件の9割近くが未解決に終わっている。メキシコを恐怖に陥れたエルチャポが米国できちんと裁かれ、有罪になったことは、カルテルに殺された犠牲者の家族に一時の平穏をもたらすだろう。

 だが、何か変わるのだろうか。

 メキシコ紙レフォルマのダイアナ・バプティスタ記者(29)は首を振る。「確かに正義の鉄ついは下されたが、米国という他人の手によってだ」。カルテルから賄賂を受け取ったと名指しされたメキシコの政治家や軍人に捜査の手が伸びる気配はない。密輸業者たちは伝説的な麻薬王エルチャポの有罪評決にショックを受けるだろうが、だからといって、密輸をやめることはしない。法外な金が稼げるからだ。

 米国人カメラマンのアンドレア・レナルトは法廷でコロンビア人の友人の言葉を思い出していた。友人は医師で、麻薬王パブロ・エスコバルが母国に押した烙印(らくいん)に心底迷惑していたが、あるとき麻薬ビジネスの本質に触れるドライな感想をもらした。「こんな好機を見逃すビジネスマンはいない。種を植える前から市場があり、決してなくなることはないのだから」

 シナロア・カルテルはエルチャポが16年に逮捕された後も、エルマヨの下で密輸を続けている。一つのカルテルが弱体化しても、他のカルテルが強大化する。麻薬王が逮捕されても新たな王が生まれるのだ。

 メキシコ政府がカルテル掃討作戦を開始した06年12月以降、シナロア・カルテルを頂点にした密輸社会のヒエラルキーが崩れ、米国市場への密輸ルートを奪い合うカルテル同士の抗争が激化した。軍や警察との衝突に巻き込まれる市民も急増。「麻薬戦争」と呼ばれるこの紛争で25万人以上が死んだとされる。

 カルテルは細分化し、凶暴化している。メキシコでは昨年、3万3341人が殺人事件の犠牲者となった。【國枝すみれ、敬称略】(この項終わり)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190218-00000000-maiall-int




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