C Y Cheung and others. Induction of proinflammatory cytokines in human macrophages by influenza A (H5N1)viruses: a mechanism for the unusual severity of human disease? Lancet 2002;360:1831-37
鳥型インフルエンザに人間が罹るとがなぜ重症化するかという疑問に対して,オクスフォードのグループが回答例を呈示した.鳥型インフルエンザH5N1は,敗血症の主な原因物質である大腸菌のリポ多糖と同じぐらいの強さで,マクロファージでのサイトカインとくにTNFα産生を増加させるが,人型インフルエンザに感染させたマクロファージではTNFα産生は増加しなかった.
ところがTNFα産生を増加させる原因になったのは,ウイルス表面にあって型別の指標となる糖タンパクではなく,内部にあるNSgeneであった.これまで,マクロファージの機能に対するNSgeneの役割は知られていなかった.今回証明されたTNFα産生増加はin vitroではあるが著明なものであり,臨床症状もこれで説明できる可能性が高いと思われる.
ttp://square.umin.ac.jp/massie-tmd/nxtflu.html